JP2024513754A - インクレチン類似体含有組成物及びその使用 - Google Patents

インクレチン類似体含有組成物及びその使用 Download PDF

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Abstract

グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、及びグルカゴン(GCG)受容体(すなわち、トリ受容体アゴニスト)の各々での活性を有するインクレチン類似体と、等張化剤及び防腐剤などの1つ以上の追加の薬剤と、を含む組成物が提供される。2型糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、及び肥満などの疾患を当該組成物で治療するための方法も提供される。

Description

本開示は、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(glucose-dependent insulinotropic polypeptide、GIP)受容体、グルカゴン様ペプチド-1(glucagon-like peptide-1、GLP-1)受容体、及びグルカゴン(glucagon、GCG)受容体の各々での活性を有するインクレチン類似体を有する組成物に関する。組成物は更に、商業的に許容可能な貯蔵寿命安定性、使用中安定性、及び許容可能な患者注射部位経験を提供する薬剤を含む。そのようなインクレチン類似体含有組成物は、糖尿病(特に、2型糖尿病(type 2 diabetes mellitus、T2DM))、脂質異常症、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease、NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis、NASH)、及び/又は肥満を含む状態、疾患、及び障害を治療するために使用され得る。
過去数十年にわたって、インスリン分泌、インスリン作用、又はその両方の欠陥から生じる高血糖を特徴とする慢性疾患である糖尿病の有病率は、上昇し続けている。T2DMは、全ての糖尿病の約90%を占める、糖尿病の最も一般的な形態である。T2DMでは、インスリン分泌障害及びインスリン抵抗性の複合効果は、上昇した血糖値と関連している。
制御されていない糖尿病は、そのような個体の罹患率及び死亡率に影響を与える1つ以上の状態を引き起こし得る。T2DMの主な危険因子のうちの1つは肥満であり、T2DMを有する個体の多く(約90%)は、過体重又は肥満である。体脂肪蓄積の低下は、高血糖及び心血管事象を含む肥満関連併存症の改善をもたらすであろうことが実証されている。
T2DMの現在の標準治療としては、食事制限及び運動、並びに経口薬、及びGLP-1受容体アゴニスト及びGIP/GLP-1(GG)受容体アゴニストなどのインクレチンベースの療法を含む注射可能な血糖降下薬での治療が挙げられる。利用可能な治療選択肢にもかかわらず、承認された療法を受けている著しい数の個体が、血糖制御目標に達していない(例えば、Casagrande et al.(2013)Diabetes Care 36:2271-2279参照)。
国際特許出願公開第2019/125929号及び同第2019/125938号、並びに国際特許出願第PCT/US2020/064512号は、GCG、GLP-1、及びGIP(GGG)トリ受容体アゴニストとして作用し、T2DMを治療するために使用することができるインクレチン類似体を記載している。したがって、T2DM疾患管理におけるグルコース制御及び体重減少において有効であるために、受容可能な安定性及び受容可能な注射部位経験を有するそのようなGGGトリ受容体アゴニストを含む組成物が、それを受ける個体のために必要とされている。
この必要性に対処するために、本開示は、最初に、インクレチン類似体又はその薬学的に許容される塩、等張化剤、及び任意選択で防腐剤を含む薬学的に許容される組成物を記載する。
いくつかの例では、インクレチン類似体は、配列番号1又はその薬学的に許容される塩であり得る。いくつかの例では、インクレチン類似体は、約1mg/mL~約30mg/mLの濃度であり得る。ある特定の例では、インクレチン類似体は、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、12mg/mL、18mg/mL、24mg/mL、又は30mg/mLの濃度であり得る。いくつかの例では、本明細書での使用のための薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩、トリフルオロ酢酸塩、塩酸塩、及び/又は酢酸塩から選択されてもよい。いくつかの例では、薬学的に許容される塩は、四ナトリウム塩であってもよい。
いくつかの例では、等張化剤は、グリセリン、マンニトール、及びプロピレングリコールから選択され得る。等張化剤がグリセリンである場合、等張化剤は、約5mg/mL~約50mg/mL、特に20mg/mLの濃度であり得る。等張化剤がマンニトールである場合、等張化剤は、約10mg/mL~約100mg/mL、特に46mg/mLの濃度であり得る。等張化剤がプロピレングリコールである場合、等張化剤は、約5mg/mL~約50mg/mL、特に15mg/mLの濃度であり得る。ある特定の例では、等張化剤は、46mg/mLのマンニトールである。
いくつかの例では、防腐剤は、m-クレゾール及びフェノールから選択され得る。防腐剤がm-クレゾールである場合、防腐剤は、約1mg/mL~約10mg/mL、特に3.15mg/mLの濃度であり得る。防腐剤がフェノールである場合、防腐剤は、約1mg/mL~約10mg/mL、特に5mg/mLの濃度であり得る。ある特定の例では、防腐剤は、3.15mg/mLのm-クレゾールである。
いくつかの例では、組成物は、約7.0~約8.0、特に約7.5のpHであり得る。ある特定の例では、pHを維持するために緩衝系、特にTRIS緩衝系を約10mM~約100mM、特に10mMの濃度で使用することができる。
上記を考慮して、ある特定の例では、組成物は、約7.5のpHのTRIS緩衝系中の約2mg/mL~約30mg/mLの濃度のインクレチン類似体及び10~50mg/mLの濃度の等張化剤を含む。いくつかの例では、インクレチン類似体は、配列番号1である。いくつかの例では、等張化剤は、46mg/mLの濃度のマンニトールである。いくつかの例では、組成物はまた、m-クレゾールなどの防腐剤を3.15mg/mLからの濃度で含む。他の例では、組成物はまた、フェノールなどの防腐剤を5.0mg/mLの濃度で含む。
本開示はまた、糖尿病を治療する方法を記載し、そのような方法は、少なくとも、有効量/用量の本明細書の組成物を、必要とする個体に投与するステップを含む。いくつかの例では、糖尿病は、T2DMである。代替として、本開示は、肥満を治療する方法を記載し、そのような方法は、少なくとも、有効量の本明細書の組成物を、必要とする個体に投与するステップを含む。代替として、本開示は、脂質異常症を治療する方法を記載し、そのような方法は、少なくとも、有効量/用量の本明細書の組成物を、必要とする個体に投与するステップを含む。代替として、本開示は、脂肪性肝疾患を治療する方法を記載し、そのような方法は、少なくとも、有効量/用量の本明細書の組成物を、必要とする個体に投与するステップを含む。代替として、本開示は、メタボリックシンドロームを治療する方法を記載し、そのような方法は、少なくとも、有効量/用量の本明細書の組成物を、必要とする個体に投与するステップを含む。代替として、本開示は、NAFLDを治療する方法を記載し、そのような方法は、少なくとも、有効量/用量の本明細書の組成物を、必要とする個体に投与するステップを含む。代替として、本開示は、NASHを治療する方法を記載し、そのような方法は、少なくとも、有効量/用量の本明細書の組成物を、必要とする個体に投与するステップを含む。代替として、本開示は、治療的減量を提供する方法を記載し、そのような方法は、少なくとも、有効量/用量の本明細書の組成物を、必要とする個体に投与するステップを含む。代替として、本開示は、非治療的減量を提供する方法を記載し、そのような方法は、少なくとも、有効量/用量の本明細書の組成物を、必要とする個体に投与するステップを含む。代替として、本開示は、GGGトリ受容体アゴニスト活性によって媒介される状態を治療する方法を記載し、そのような方法は、少なくとも、有効量/用量の本明細書の組成物を、必要とする個体に有効量の本明細書の組成物を投与するステップを含む。
いくつかの例では、組成物は、約1週間に1回投与される。他の例では、組成物は、7日毎に1回投与される。
本開示は更に、医薬として使用するための本明細書の組成物を記載する。
本開示は更に、糖尿病の治療において使用するための本明細書の組成物を記載する。代替として、本開示は、肥満の治療において使用するための本明細書の組成物を記載する。代替として、本開示は、治療的減量を提供する際に使用するための本明細書の組成物を記載する。代替として、本開示は、非治療的減量を提供する際に使用するための本明細書の組成物を記載する。
本開示は更に、本明細書の組成物を含む製品を記載する。いくつかの例では、製品は、複数回使用バイアルである。いくつかの例では、製品は、プレフィルドシリンジである。いくつかの例では、製品は、自動注射装置(「自動注射器」、例えば、米国特許第8,734,394号参照)である。いくつかの例では、製品は、連続灌流用ポンプ、特に皮下注入用ポンプである。
概要
GCGは、アミノ酸、脂質、及び炭水化物の代謝に関与する29個のアミノ酸ホルモンである。GCGは、食間の血糖調節及び全体的な体重減少において重要な役割を果たす。GLP-1は、インスリン分泌を刺激し、グルカゴン分泌を阻害するインクレチンホルモンである。GIPは、インスリンのグルコース依存性分泌に対して強いインクレチン効果を示し、グルコース制御及び体重減少を改善するための、GLP-1との既知の相補的効果を有する胃抑制ペプチドである。これら3つの受容体に対するGGGトリ受容体アゴニストの相乗効果は、現在の標準治療よりも強力で効果的な治療をもたらすと仮定されている。配列番号1のインクレチン類似体は、脂肪酸アシル化、長時間作用型GGGトリ受容体アゴニストである。
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似又は同等の任意の方法及び材料を、インクレチン類似体、薬学的組成物、及び方法の実施又は試験に使用することができるが、好ましい方法及び材料は、本明細書に記載されている。
また、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」による要素への言及は、文脈が1つ及び1つのみの要素があることを明確に要求しない限り、複数の要素が存在する可能性を排除しない。したがって、不定冠詞の「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、通常、「少なくとも1つ」を意味する。
定義
本明細書で使用される場合、「約」は、例えば、記載された濃度、長さ、分子量、pH、配列同一性、時間枠、温度、又は体積などの値(複数可)の統計的に有意な範囲内を意味する。そのような値又は範囲は、所与の値又は範囲の典型的には20%以内、より典型的には10%以内、更により典型的には5%以内の規模以内であり得る。「約」によって包含される許容される変動は、研究での特定の系に依存し、当業者によって容易に理解され得る。
本明細書で使用される場合、GIP、GLP-1、又はGCG受容体のうちの1つ以上に関して、「活性」、「活性化する」、「活性化すること」などは、以下に記載されるインビトロアッセイなどの当該技術分野で知られているアッセイを使用して測定される、受容体に結合する、及び受容体での応答を誘導する、本明細書のインクレチン類似体などの化合物の能力を意味する。
本明細書で使用される場合、「アミノ酸」は、化学的観点から、1つ以上のアミン基及び1つ以上のカルボン酸基を含むことによって特徴付けられ、他の官能基を含み得る分子を意味する。当該技術分野で知られているように、標準アミノ酸として指定され、あらゆる生物によって産生されるほとんどのペプチド/ポリペプチド/タンパク質の構成要素として使用される20種のアミノ酸のセットが存在する。
本明細書で使用される場合、「類似体」は、標的受容体を活性化し、天然の受容体アゴニストによって誘発される少なくとも1つのインビボ又はインビトロ効果を誘発する、合成のペプチド又はポリペプチドなどの化合物を意味する。
本明細書で使用される場合、「化学的安定性」は、治療剤、物質、又は生成物が、異性化、凝集、酸化、重合、断片化、及び加水分解などの起こり得る化学反応に起因する生成物中の組成の潜在的な変化に抵抗する能力を意味する。
本明細書で使用される場合、「有効量」は、本明細書のインクレチン類似体のうちの1つ以上、又はその薬学的に許容される塩の量、濃度、又は用量を意味し、これは、それを必要とする個体への単回又は複数回投与により、診断又は治療中のそのような個体において所望の効果を提供する(すなわち、例えば、血糖の低下、HbA1cの低下、体重若しくは体脂肪の低下、及び/又は体の組成の変化など、個体の状態における臨床的に測定可能な差異を生じさせ得る)。有効量は、既知の技法の使用によって、及び同様の状況下で得られた結果を観察することによって、当業者であれば容易に決定することができる。個体についての有効量を決定する際には、哺乳動物の種、そのサイズ、年齢、及び健康状態全般、関与する特定の疾患又は障害、疾患又は障害の程度、関与、又は重症度、個体の応答、投与される特定のインクレチン類似体、投与の様式、投与される調製物の生物学的利用能特性、選択される用量レジメン、併用薬の使用、並びに他の関連する状況を含むが、これらに限定されない、多数の因子が考慮される。
本明細書で使用される場合、「半数効果濃度」又は「EC50」は、用量反応曲線(例えば、cAMP)などのアッセイエンドポイントの50%の活性化/刺激をもたらす化合物の濃度を意味する。
本明細書で使用される場合、「インクレチン類似体」は、GIP、GLP-1、及びGCG、特にヒトGIP、ヒトGLP-1、及びヒトGCGの各々との構造的類似性を有するが、複数の相違を有する化合物を意味する。本明細書のインクレチン類似体は、GIP、GLP-1、及びGCG受容体の親和性及びそれらの各々での活性(すなわち、トリプル受容体アゴニスト活性)を有する化合物をもたらすアミノ酸配列を含む。本明細書での使用のための例示的なインクレチン類似体並びにヒトGIP、GLP-1、及びGCGの配列は、国際特許出願公開第2019/125929号及び同第2019/125938号、並びに国際特許出願第PCT/US2020/064512号に記載されている。本明細書で特に有用なのは、国際特許出願公開第2019/125938号の実施例12であり、これは、以下の配列を有し、
YXQGTFTSDYSIX13LDKX17AX1920AFIEYLLX2829GPSSX34APPPS
式中、Xは、Aibであり、X13は、αMeLであり、X17は、Kであり、X19は、Qであり、X20は、Aibであり、X28は、Eであり、X29は、Gであり、X34は、Gであり、X17におけるKは、(2-[2-(2-アミノエトキシ)-エトキシ]-アセチル)-(γGlu)-CO-(CH18COHでの、K側鎖のイプシロンアミノ基へのコンジュゲーションを介して化学的に修飾され、C末端アミノ酸は、C末端一級アミド(配列番号1)としてアミド化される。
配列番号1のインクレチン類似体の構造の図を、標準的な1文字のアミノ酸コードを用いて以下に示すが、アミノ酸残基の構造が拡張されている残基Aib2、αMeL13、K17、及びAib20は例外とする。
本明細書で使用する場合、「それを必要とする個体」は、例えば、本明細書に列挙されるものを含む、治療又は療法を必要とする状態、疾患、障害、又は症状を有する、ヒトなどの哺乳動物を意味する。特に、治療される好ましい個体はヒトである。
本明細書で使用される場合、「長時間作用型」は、本明細書のインクレチン類似体の結合親和性及び活性が、天然のヒトGIP(配列番号2)、ヒトGLP-1(配列番号3)、及び/又はヒトGCG(配列番号4)などの参照ペプチドよりも長い期間継続し、少なくとも1日1回、週3回、週2回、週1回、又は更に月に1回ほどの低頻度で投与可能であることを意味する。本明細書に記載のインクレチン類似体の作用時間プロファイルは、以下の実施例で記載されるものなどの既知の薬物動態試験方法を使用して測定され得る。
本明細書で使用される場合、「微生物学的安定性」は、治療剤、物質、又は生成物が、環境微生物又は他の微生物に曝露された場合にその無菌性を維持する能力を意味する。
本明細書で使用される場合、「非標準アミノ酸」は、細胞内で自然に発生し得るが、ペプチド合成には関与しないアミノ酸を意味する。非標準アミノ酸は、ペプチドの構成要素であり得、ペプチド内の標準アミノ酸を修飾することによって(すなわち、翻訳後修飾を介して)生成され得る。非標準アミノ酸には、上記の標準L-アミノ酸とは反対の絶対キラリティーを有するD-アミノ酸を含み得る。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」は、当業者に周知である。薬学的に許容される塩、及びそれらを調製するための一般的な技法は、当該技術分野で周知である(例えば、Stahl et al.,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,2nd Revised Edition(Wiley-VCH,2011)参照)。本明細書での使用のための薬学的に許容される塩には、ナトリウム塩、トリフルオロ酢酸塩、塩酸塩、及び/又は酢酸塩が含まれる。
本明細書で使用される場合、「物理的安定性」は、治療剤、物質、又は生成物が、例えば、撹拌及び剪断などのその使用環境において通常遭遇する条件に曝露された場合に、その物理的寸法及び特性を維持する能力を意味する。
本明細書で使用される場合、「プロピレングリコール」は、当業者に周知であり、式、Cによって表される。
本明細書で使用される場合、「飽和」は、脂肪酸部分が炭素-炭素二重結合又は三重結合を含有しないことを意味する。
本明細書で使用される場合、「貯蔵寿命安定性」は、本明細書のインクレチン類似体などの治療剤が、その元の濃度の約90%まで崩壊するのに必要な時間を意味する。貯蔵寿命安定性はまた、例えば、約5℃の制御された条件下で測定される、推奨される貯蔵条件下で貯蔵される場合に、治療剤が安定したままである時間を意味する。
本明細書で使用される場合、「治療剤安定性」は、治療剤又は物質又は生成物が、特定の限界内で、その貯蔵及び使用の期間を通して、その製造時に有していたのと同じ特性及び特徴を保持する程度を意味する。評価され得る治療剤安定性についての例示的な特性としては、その化学的、物理的、微生物学的、治療的、及び/又は毒物学的特性が挙げられるが、これらに限定されない。治療剤安定性に影響を及ぼし得る因子としては、濃度、剤形、光、水分、酸素、pH、及び温度が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療」、「治療すること」などは、既存の状態、疾患、障害、又は症状の進行又は重症度の抑制、遅延、停止、又は逆転を意味する。
本明細書で使用される場合、インクレチン類似体を参照して、「トリプル受容体アゴニスト活性」は、GIP、GLP-1、及びGCG受容体の各々での活性を有するインクレチン類似体、特に、その受容体の過剰な活性に関連する望ましくない副作用を回避しながら、その受容体のアゴニズムの利点を提供するために各受容体でバランスのとれた十分な活性を有する類似体を意味する。また、トリプル受容体アゴニスト活性を有するインクレチン類似体は、GIP、GLP-1、及びGCG受容体の各々で長期間の作用を有し、これは1日1回、週3回、週2回、又は週1回の低頻度で投与することを有利に可能にする。
ある特定の略語が以下のように定義される。「Aib(α-aminoisobutyric acid)」は、α-アミノイソ酪酸を指し、「αMeL」は、α-メチルロイシンを指し、「αMeK」は、α-メチルリジンを指し、「αMeF」は、α-メチルフェニルアラニンを指し、「αMeF(2F)」は、α-メチル2-フルオロフェニルアラニンを指し、「αMeY」は、α-メチルチロシンを指し、「EDTA(ethylenediaminetetraacetic acid)」は、エチレンジアミン四酢酸を指し、「HIAC(high accuracy liquid particle counting)」は、光遮蔽技術による高精度液体粒子計数を指し、「hr」は、時間を指し、「IV(intravenous)」は、静脈内を指し、「Iva(isovaline)」は、イソバリンを指し、「kDa(kilodalton)」は、キロダルトンを指し、「LC-MS(liquid chromatography-mass spectrometry)」は、液体クロマトグラフィー-質量分析を指し、「MFI(microflow imaging)」は、マイクロフローイメージングを指し、「min」は、分を指し、「MS(mass spectrometry)」は、質量分析を指し、「Orn(ornithine)」又は「O(ornithine)」は、オルニチンを指し、「RP-HPLC(reversed-phase high performance liquid chromatography)」は、逆相高速液体クロマトグラフィーを指し、「sec」は、秒を指し、「SEM(standard error of the mean)」は、平均値の標準誤差を指し、「SPA(scintillation proximity assay)」は、シンチレーション近接アッセイを指し、「SQ(subcutaneous)」は、皮下を指し、「TFA(trifluoroacetic acid)」は、トリフルオロ酢酸を指し、「tBu(tert-butyl)」は、tert-ブチルを指し、「TRIS」は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを指し、「Trt(trityl)」は、トリチルを指す。
組成物
本明細書の組成物は、例えば、配列番号1のインクレチン類似体又はその薬学的に許容される塩を、約1mg/mL~約30mg/mLの濃度で含む。いくつかの例では、インクレチン類似体の濃度は、約2mg/mL~約29mg/mL、約3mg/mL~約28mg/mL、約4mg/mL~約27mg/mL、約5mg/mL~約26mg/mL、約6mg/mL~約25mg/mL、約7mg/mL~約24mg/mL、約8mg/mL~約23mg/mL、約9mg/mL~約22mg/mL、約10mg/mL~約21mg/mL、約11mg/mL~約20mg/mL、約12mg/mL~約19mg/mL、約13mg/mL~約18mg/mL、約14mg/mL~約17mg/mL、又は約15mg/mL~約16mg/mLであり得る。他の例では、インクレチン類似体の濃度は、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約6mg/mL、約7mg/mL、約8mg/mL、約9mg/mL、約10mg/mL、約11mg/mL、約12mg/mL、約13mg/mL、約14mg/mL、約15mg/mL、約16mg/mL、約17mg/mL、約18mg/mL、約19mg/mL、約20mg/mL、約21mg/mL、約22mg/mL、約23mg/mL、約24mg/mL、約25mg/mL、約26mg/mL、約27mg/mL、約28mg/mL、約29mg/mL、又は約30mg/mLであり得る。ある特定の例では、インクレチン類似体の濃度は、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、12mg/mL、18mg/mL、24mg/mL、又は30mg/mLであり得る。
いくつかの例では、用量範囲は、約0.5mg~約15mgであり得る。他の例では、用量範囲は、約6mg~約24mgであり得る。
インクレチン類似体は、組換え産生又は合成産生することができる(例えば、国際特許出願公開第2019/125929号、同第2019/125938号、並びに国際特許出願第PCT/US2020/064512号参照)。
上記に加えて、本明細書の組成物はまた、等浸透圧の製剤を皮下投与に好適なものにするための等張化剤を含む。例示的な等張化剤としては、グリセリン、マンニトール、及びプロピレングリコール、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、等張化剤は、マンニトールである。
等張化剤がグリセリンである場合、等張化剤は、約5mg/mL~約50mg/mL、特に20mg/mLの濃度であり得る。
等張化剤がマンニトールである場合、等張化剤は、約10mg/mL~約100mg/mL、特に46mg/mLの濃度であり得る。
等張化剤がプロピレングリコールである場合、等張化剤は、約5mg/mL~約50mg/mL、特に15mg/mLの濃度であり得る。
緩衝系
上記に加えて、組成物はまた、適切なpHを維持するために緩衝系を含むこともできる。例示的な緩衝系としては、リン酸(PO)緩衝液及びTRIS緩衝液、特にTRISが挙げられるが、これらに限定されない。
緩衝系がTRISである場合、緩衝系は、約10mM~約100mM、特に10mMの濃度であり得る。
緩衝系にかかわらず、組成物のpHは、約7.0~約8.0、特に7.5であり得る。いくつかの例では、pHは、約7.1~約7.9、約7.2~約7.8、約7.3~約7.7、約7.4~約7.6、又は約7.5である。他の例では、組成物のpHは、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、又は約8.0である。
防腐剤
本明細書の組成物は、最初に生成された際に無菌である。そのため、組成物は、組成物の他の成分と適合性であり、適用可能な規制抗菌防腐剤要件を満たすのに十分な強度で添加され得る防腐剤を任意選択で含むことができる。薬学的に許容される防腐剤は、当業者に公知である(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(Troy,Ed.,21st Edition,Lippincott,Williams&Wilkins,2006参照)。
上記を考慮して、組成物はまた、無菌性を維持するため防腐剤を含み得る。例示的な防腐剤としては、m-クレゾール及びフェノール、特にm-クレゾールが挙げられるが、これらに限定されない。
防腐剤がm-クレゾールである場合、防腐剤は、約1mg/mL~約10mg/mL、特に3.15mg/mLの濃度であり得る。
防腐剤がフェノールである場合、防腐剤は、約1mg/mL~約10mg/mL、特に5.0mg/mLの濃度であり得る。
包装/配送デバイス
本明細書の組成物は、静脈内(IV)、筋肉内(intramuscularly、IM)、又は皮下(SQ)に投与することができる。組成物は、典型的には、プレフィルド使い捨てペン、再利用可能なペン、又は自動ペン型注射器を使用して投与される。代替として、組成物は、複数回使用バイアル又はポンプデバイスを使用して投与され得る。いくつかの例では、デバイスは、米国特許第8,734,394号に記載されるような自動注射装置である。
したがって、本明細書の組成物は、プレフィルドシリンジ/複数回使用バイアルで提供されてもよい。そのようなプレフィルドシリンジ/複数回使用バイアルは、患者1人当たり1用量当たり約0.5mL~約1mLの組成物を投与するのに有用であり得る。組成物の用量は、臨床医、医師、又は他の訓練された医療専門家によって決定された投薬スケジュールを使用して投与され得る。
代替として、組成物は、カートリッジ用に調製することができ、したがって、防腐剤を含むことによって上記の組成物とは異なるであろう。
代替として、組成物は、組成物を含む製品の一部として調製することができ、製品は、複数回使用バイアル、再利用可能なペン型注射器、プレフィルド使い捨てペン、自動注射器、又はポンプであり得る。
上記を考慮すると、本明細書の組成物は、許容可能な貯蔵寿命安定性、使用中安定性、及び許容可能な注射部位経験に関連する。
方法
本明細書に記載されるインクレチン類似体は、様々な状態、障害、疾患、又は症状を治療するために使用され得る。例えば、本明細書に記載されるインクレチン類似体は、糖尿病(特にT2DM)、脂質異常症、メタボリックシンドローム、NAFLD、NASH、及び/又は肥満を治療するために使用され得る。特に、個体におけるT2DMを治療するための方法が提供され、そのような方法は、そのような治療を必要とする個体に、有効量の、本明細書に記載されるインクレチン類似体、又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを少なくとも含む。
加えて、個体における肥満を治療するための方法が提供され、そのような方法は、そのような治療を必要とする個体に、有効量の、本明細書に記載されるインクレチン類似体、又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを少なくとも含む。
加えて、個体における非治療的減量を誘発するための方法が提供され、そのような方法は、そのような治療を必要とする個体に、有効量の、本明細書に記載されるインクレチン類似体、又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを少なくとも含む。
加えて、個体におけるメタボリックシンドロームを治療するための方法が提供され、そのような方法は、そのような治療を必要とする個体に、有効量の、本明細書に記載されるインクレチン類似体、又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを少なくとも含む。
加えて、個体におけるNASHを治療するための方法が提供され、そのような方法は、そのような治療を必要とする個体に、有効量の、本明細書に記載されるインクレチン類似体、又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを少なくとも含む。
加えて、個体におけるNAFLDを治療するための方法が提供され、そのような方法は、そのような治療を必要とする個体に、有効量の、本明細書に記載されるインクレチン類似体、又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを少なくとも含む。
これらの方法において、組成物の有効性は、例えば、血中グルコースの著しい減少を観察すること、インスリンの著しい増加を観察すること、HbA1cの著しい減少を観察すること、及び/又は体重の著しい減少を観察することによって評価することができる。
以下の非限定的な実施例は、限定ではなく例示の目的で提供される。
製剤
実施例1:インクレチン類似体、等張化剤、及び任意選択の防腐剤を含有する組成物
組成物は、本質的に本明細書に記載されるように調製される。そのような組成物は、2、6、又は10mg/mLの配列番号1のインクレチン類似体と、表1に記載の追加成分と、を含む。固定濃度で各タイプを変化させることによって、防腐剤及び等張化剤の効果を研究する。防腐剤濃度は、m-クレゾール及びフェノールをそれぞれ3.15mg/mL及び5mg/mLに固定する。等張化剤濃度は、等浸透圧の製剤が皮下投与に好適なものとなるように選択する。
溶液は、配列番号1のインクレチン類似体を適切なマトリックスに加え、溶液への溶解が達成されるまで混合し、次いで、適切なサイズのメスフラスコを使用して溶液を最終体積にすることによって調製する。各製剤溶液を0.22μmのPVDFフィルターで無菌濾過し、5mLのガラスバイアルに3mLの充填体積で充填する。
サンプルを、後続の実施例に記載されるように更なる研究のために5℃、30℃、又は40℃で貯蔵する。
インビトロデータ(化学的及び物理的安定性)
実施例2:使用中安定性の研究
製剤の化学的及び物理的安定性を測定するために選択される安定性指示分析及び特徴付け技術には、サイズ排除クロマトグラフィー(size exclusion chromatography、SEC)、逆相高速液体クロマトグラフィー(reversed phase high performance liquid chromatography、RP-HPLC)、及び外観が含まれる。
サンプリングスケジュールを表2に概説する。モデルを使用して、5℃の公称貯蔵温度で24ヶ月、使用時に30℃で更に1ヶ月の傾向を推定する。ゼロ次アレニウスモデリングをSEC(モノマー、凝集体)及びRP-HPLC(純度)に使用する。

X=サンプル時点
SEC:214nmでのUV検出を伴う無勾配サイズ排除HPLC方法を使用し、インクレチン類似体モノマー及び総凝集体の相対量を決定するように設計される。モノマー及び凝集体は、総面積に対するピーク面積パーセントとして報告される。手順は、インクレチン類似体からの既知の不純物を分解するその能力によって測定されるように示す安定性である。安定性研究の結果を表3に示し、表3は、5℃、30℃、及び40℃の貯蔵条件での表1の選択された製剤のモノマー値パーセントを示す。安定性データは、8週間までの貯蔵について利用可能である。
温度を上昇させると、8週間後にモノマー純度が低下する。表4に示すように、5℃で8週間後にモノマー純度に本質的な変化はなく、モノマー純度は、温度の関数として減少する。8週の時点、30℃での製剤1(m-クレゾール/マンニトール)からのSEC結果は、8週の時点、40℃でのSEC結果よりも約1%低い。これらのデータは、異常を示唆しており、したがって、製剤1についての8週間、30℃の条件データは、モデル予測から除外される。全ての他の条件からのデータを安定性モデリングのために使用し、アレニウス動力学を仮定する。
研究された設計領域にわたる凝集体の製剤因子の傾向は、モノマー純度の傾向に密接に従う。表5は、温度の関数として増加する総凝集体を示す。表6は、5℃で24ヶ月+30℃で1ヶ月にわたる総凝集体%の予測された変化及び予測値に対する入力変数の効果を示す。入力変数は、SECによる凝集体に著しい影響を与えない。
RP-HPLC:RP-HPLC法は、非極性固定相及び水性中極性移動相を利用する。HPLCは、214nmでのUV検出を備えている。
表7に示すように、RP-HPLCメインピーク純度パーセントは、温度の関数として著しく減少する。しかしながら、製剤因子は、安定性プロファイルに著しい影響を与えない。更に、予測される純度値は、5℃で2年間貯蔵した後に95%に近づき、公称条件での製剤空間にわたる強固性を示す。
5℃条件での24ヶ月+30℃での1ヶ月後のRP-HPLCの予測値に対する製剤因子の効果を表8に見ることができ、これは、研究変数のいずれもがメインピーク純度に著しい影響を及ぼさなかったことを示す。
表9は、RP-HPLCによる総不純物がより高い温度で増加し、より急速な分解速度をもたらすことを示す。
5℃で貯蔵した24ヶ月+30℃で1ヶ月の時点でのRP-HPLCによる総不純物の予測値に対する製剤因子の効果を表10に見ることができ、これは、研究変数の全体的な影響が著しくないことを示す。
物理的安定性及びLCMS:物理的外観及び目に見える微粒子のデータを目視検査によって決定する。いずれの時点/貯蔵条件においても、目に見える微粒子は報告されていない。加えて、溶液は、40℃条件で8週間の時点まで透明かつ無色のままである。製剤3、8、9、15、16、及び17は、対照(WFI)バイアルと比較してわずかに琥珀色に見える。製剤9及び17は、LCMS分析を受け、製剤19は、透明かつ無色であるため、比較として更に分析を受ける。色変化を経験した製剤のマトリックスを表11に示す。
製剤9及び19は、同じpH、緩衝液、及び等張調節剤を共有するので、更に比較されるが、しかしながら、製剤9は、m-クレゾールを含み、製剤19は、防腐剤を含まない。40℃で8週間貯蔵した後、製剤間で特定された総イオンクロマトグラム(Total Ion Chromatogram、TIC)種に有意差はない。LCMS分析は、S8でのクリッピング、S32での異性化及び/又はクリッピング、Aib2でのクリッピング、並びにY1修飾を示す。分解経路は、2つの製剤間で類似しているように見えるが、製剤9は、これらの修飾の比較的高いレベルを示す。これらの製剤間の差異が製剤9中のm-クレゾールの存在であることを考慮すると、製剤9における色変化は、防腐剤の分解から生じ得る。
結論:全ての製剤が同様の安定性プロファイルを示す。統計分析は、研究変数から生じる化学的安定性に対する著しい影響を示さない。したがって、賦形剤、防腐剤、及びインクレチン類似体濃度の間に相互作用はない。実際、2mg/mL~10mg/mLのインクレチン類似体濃度は、安定性に影響を与えない。これらのデータは、m-クレゾール及びフェノールがインクレチン類似体の防腐剤であることを示す。製剤19(防腐剤なし)の安定性プロファイルは、他の全てと同様である。主研究群及び非保存群の予測貯蔵寿命は、5℃で24ヶ月+30℃で1ヶ月までの化学的安定性を示す。保存された製剤のいくつかについて認められた物理的安定性の差異は、インクレチン類似体の特定の分解経路とは対照的に、防腐剤の安定性に関連するようである。本明細書のデータは、2~10mg/mLのインクレチン類似体を有する非保存又は保存溶液製剤が、プロピレングリコール、グリセロール、又はマンニトールのいずれかを利用して実現可能であることを示す。更に、データは、貯蔵寿命に関して、等張化剤又は防腐剤選択の著しい利点を示さない。
実施例3:最適化されたプロトタイプ製剤についての使用中安定性研究
最適化:最適化研究は、公称条件、加速条件、及び応力条件における経時的な化学的安定性及び物理的安定性を決定する。ここで、緩衝液及びpHは、上記の実施例に基づいて最適化され、10mMのTRIS緩衝液及び7.5のpHが選択される。上記の実施例のように、ここでの最適化は、3つの等張調節剤、プロピレングリコール、グリセリン、及びマンニトールを含む。バイアル提示は、最適化のために選択され、シリンジ提示は、プレフィルドシリンジとのインクレチン類似体の適合性を研究するために含まれる。表12は、配列番号1のインクレチン類似体又はその薬学的に許容される塩を用いたプロトタイプ製剤最適化パラメータを記載する。

注:全てのサンプルは、25℃でpH7.5の10mMのTRIS緩衝液中で調製される。
プロトタイプ製剤の安定性試験:サンプルを最大6ヶ月間安定させ、表13に従って試験する。主な分析アッセイは、RP-HPLC及びSECである。直交特性試験としてAEX法も使用する。

MFIは、シリンジ提示のみについて試験する。
CSD、ISTA 3A、及び光分解試験:溶液マトリックスを使用し、上記実施例に基づいて決定する。本明細書における例示的な薬物生成物単位製剤を表14に要約する。
インクレチン類似体(配列番号1)四ナトリウム塩を、キャピラリー剪断デバイス及びISTA 3A試験法を使用して、剪断及び振動感受性について試験する。製造及び包装作業を支持するために、光安定性もこの段階で試験する。キャピラリー剪断デバイスは、製造ユニット操作(混合、ポンピング、充填など)によって引き起こされ得る剪断に類似する剪断をモデル化するように開発されている。ISTA 3A試験は、輸送中の振動応力を模倣するように設計された模擬輸送研究である。両方の方法は、それらがモデル化するように設計されたいずれかのタイプの物理的応力に対する最悪の場合と考えられる。両方の研究方法は、標準的な試験プロトコルに従う。光安定性試験を次のように実施する:サンプルを光安定性チャンバに装填し、ICHガイドラインに従って3つのレベル、ICH推奨強度の0%、20%、及び100%の強度及びタイプ(UV及び可視の両方)のうちの1つに曝露する。表15は、これらの研究のための設計及び試験計画を概説する。
これらの研究において、バイオアッセイ分析(データは示さず)は、時間0でプロトタイプP1及びP2に対して実施され、また、6ヶ月の時点のみでP2に対して実施される。バイオアッセイの結果は、試験したサンプル間で有意差を示さない。全体として、これらの研究は、強固な化学的及び物理的安定性プロファイルを示し、温度が分解において最も大きな役割を果たす。
RP-HPLCの結果:5℃で本質的に変化はなく、メインピーク純度は、温度の関数として減少する。応力条件及び加速条件での製剤間の差異は、方法の変動性の範囲内である。
SECの結果:5℃条件でのSEC結果は、この条件で有意差も識別可能な傾向も示さない。加速条件及び応力条件でのモノマー純度の結果は、2ヶ月及び3ヶ月の時点で減少する。同様に、総凝集体は、加速条件及び応力条件で劇的に増加する。加速条件及び応力条件における全ての条件についてのモノマー純度の結果は、互いに1%以内であり、これは、方法の変動性に近い。
AEXの結果:5℃条件でのAEXの結果は、6ヶ月後に約2%の酸性変異体の増加を示すが、データにはいくらかの固有の変動がある。酸性変異体は、温度の関数として全体的に増加し、約7%で横ばいになるように見える。
目に見えない粒子状物質の結果:研究全体にわたる微粒子状物質データは、等張調節剤の関数として有意差を示さない。10μm以上及び25μm以下の微粒子状物質は、仕様限界を十分に下回る。表22は、HIACによる2μm以上の微粒子状物質を示す。1mL当たりの累積カウントは、全ての条件にわたって低いが、バイアル提示中に存在しないシリコーン油の存在に起因して、シリンジ提示において自然に高くなる。シリンジ提示で収集されたMFIによる微粒子状物質データ(データは示さず)は、非常に変動性であり、明確な傾向を示さなかった。しかしながら、カウントは全体として、シリンジ提示中に存在するシリコーン油の増加との相互作用を示さなかった。
外観、pH、及び目に見える微粒子の結果:全ての条件にわたる外観の結果(データは示さず)は、透明かつ無色である。研究全体を通して目に見える微粒子は報告されていない。pHの結果を表23に要約し、変動する結果を示し、明確な傾向は示さない。全てのpH値は、目標の0.2pH単位以内である。
摺動降伏応力及び摺動平衡応力(Break-loose and glide-force、BLGF)の結果:プロトタイプ製剤P4をBLGFについて試験する。データは、25℃条件のみで収集される。表24は、BLGFデータがそれらのそれぞれの機能性限界を十分に下回ったままであることを示しており、このシステムとの良好な適合性を示唆している。機能性限界は、Irma自動注射器についての確立された摺動降伏応力及び摺動平衡応力の最大操作限界であり、それぞれ13.6N及び9.5Nである。
化学的安定性の結果:RP-HPLC及びSECの結果は、100%光応力サンプルとその対照サンプルとの間にわずかな差異を示す。純度の変化は、約0.8%である。他の条件は、本方法の変動性の範囲内である。表26は、SEC結果が、100%光応力サンプルについてより高いレベルの凝集体を示すが、それ以外の凝集体についての結果は全体的に低いことを示す。AEXの結果は、応力条件に起因する著しい変化を示さない。
物理的安定性の結果:HIACによる微粒子状物質の結果を表27及び28に要約する。これらのデータは、対照サンプルと応力サンプルとの間に大きな差異を示さない。目に見える微粒子(データは示さず)が、輸送及び光安定性応力サンプルについて報告されているが、しかしながら、これらの結果は、偽陽性であることが示されている。
本明細書の研究は、公称条件、加速条件、及び応力条件で6ヶ月までのインクレチン類似体製剤の許容される物理的及び化学的安定性を示す。インクレチン類似体分解は、主に温度の関数である。3つのプロトタイプのいずれの間にも有意差はない(注:P3及びP4は、P4がバイアルの代わりにシリンジに充填されることを除いて、同一の組成物である)。シリンジ提示は、許容可能なBLGF結果も示し、第3世代プラットフォームシリンジシステムとの適合性を示す。それを考慮すると、P2は、臨床研究のための主要な製剤である。
CSD及び輸送研究による剪断及び振動応力への曝露後、P2は、応力サンプルと非応力(対照)サンプルとの間に有意差を示さない。更に、20%ICH条件での光安定性研究は、暗所対照と比較して大きな差異を示さない。しかしながら、100%のICH条件への曝露後に、暗所対照と比較して小さな差異が観察される。
これらのデータに基づいて、4.8%マンニトール及び10mMトリス緩衝液を含む、pH7.5の溶液組成物を選択する。インクレチン類似体濃度は、提案された用量範囲(例えば、約0.5mg~約12mg)をカバーするために、2mLの充填体積で6mg/mLに固定される。臨床研究のための容器/クロージャーサイズは、対応する血清ストッパー及びシール(BT5973/VS5558/AZ5450)を有する2mLのSchottバイアルである。P2の統計分析は、30日間、30℃の使用期間を含む2年間の貯蔵後の強固な安定性を予測する。
実施例4:様々なレベルのインクレチン類似体ペプチド濃度及びpH下でのプロトタイプ製剤P2に対する安定性研究
この実験計画(Design of Experiment、DOE)研究の目的は、様々なレベルのインクレチン類似体ペプチド濃度及びpH条件下でのプロトタイプP2製剤の強固性を定義及び確認することである。
溶液マトリックス成分は以下の通りである:10mMのトリス、4.8%マンニトール。ペプチド濃度を、3つの濃度レベル、1、18、及び30mg/mLの配列番号1(四ナトリウム塩)で試験する。pH効果を、3つのpHレベル、7、7.5、及び8で研究する。溶液を調製するために、ペプチドを既知量の緩衝液マトリックスに溶解し、可変経路長延長部を備えたUV/Vis分光光度計を使用して濃度を測定し、アッセイ結果及び標的製剤の密度に基づいて標的重量を計算し、必要量の緩衝液を添加して、最終標的重量を達成する。使用される一次包装材料は、非積層(第II世代)ストッパーと結合された、商用外形(第II世代)プレフィルドシリンジバレルである。シリンジを0.5mLの公称容量まで充填する。製剤を以下の表28に示す。
製剤の化学的及び物理的安定性を測定するために選択される安定性指示分析及び特徴付け技術としては、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)、陰イオン交換クロマトグラフィー(Anion Exchange Chromatography、AEX)、HIAC、マイクロフローイメージング技術(Microflow Imaging technique、MFI)、及び外観が挙げられる。サンプルを2つの温度条件(5℃及び30℃)で貯蔵する。サンプリングスケジュールを表29に概説し、データを表30~32に示す。貯蔵寿命の終わりにおける分解レベルを予測するために、統計分析に基づいて、5℃で23ヶ月+30℃で30日までの予測プロットを作成する。
物理的安定性
物理的外観データ及び目に見える微粒子は、全ての製剤、条件、及び時点にわたって一貫している。目に見える微粒子は報告されていない。溶液は透明かつ無色のままである。データを表30に示す。
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)
5℃及び30℃貯蔵条件からの、全ての研究製剤のSECモノマー値パーセント及び総凝集体値パーセントを表31に示す。安定性データは、6ヶ月までの貯蔵について利用可能である。データは、モノマーの損失が主に断片化によることを示している。5℃及び30℃貯蔵条件からの、全ての研究製剤のSEC総断片値を表31に示す。
陰イオン交換クロマトグラフィー(AEX)
5℃及び30℃貯蔵条件からの、全ての研究製剤のAEXメインピーク値、TAV値、及びTBV値を表31に示す。
RP-HPLC
RP-HPLCの結果は、pHが安定性に対して最大の影響を有することを示し、高いpHは、より高いレベルの分解をもたらす。5℃及び30℃貯蔵条件からの、全ての研究製剤のRP-HPLCメインピーク値及び総不純物を表31に示す。
微粒子
全ての製剤についての各時点及び条件でHIAC光遮蔽及びMFIによって測定された微粒子データを表32に示し、方法の変動性に関連する差異を示す。製剤因子に関して特定の傾向は観察されない。MFIを使用して、各製剤中の微粒子状物質を更に特徴付けて、粒子の形態を決定する。表32は、0.85未満のアスペクト比(aspect ratio、AR)を有する5μm以上の微粒子状物質データと比較した、5μm以上の微粒子状物質データについての全ての製剤の粒子平均値間の比較を示す。0.85未満のARの微粒子は、非球状であると考えられ、タンパク質関連凝集体である可能性がより高い。結果は、5μm以上での生の微粒子データと、ARを考慮した5μm以上の微粒子データとの間に有意差を示す。これらのデータは、溶液中の微粒子の多くが球状であり、プレフィルドシリンジシステムにおける一般的な現象であるシリコーン油滴に起因する可能性が高いことを示唆している。円形粒子画分の結果は、全ての製剤について円形粒子画分が90%超であったことを考慮すると、この結論を支持する。
結論:研究した全ての製剤からのデータは、研究の過程にわたって同様の安定性プロファイルを示した。この研究は、製剤が7~8の範囲のpH及び1~30mg/mLの範囲の濃度で安定であることを示す。
配列
以下のアミノ酸配列が本開示において言及されており、参照のために以下に示す。
配列番号1-インクレチン類似体/GGGトリ受容体アゴニスト
Y-Aib-QGTFTSDYSI-αMeL-LDKK((2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)-(γGlu)-CO-(CH18-COH)AQ-Aib-AFIEYLLEGGPSSGAPPPS-NH
配列番号2-ヒトGIP
YAEGTFISDYSIAMDKIHQQDFVNWLLAQKGKKNDWKHNITQ
配列番号3-ヒトGLP-17-36アミド
HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGR-NH
配列番号4-ヒトGCG
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNT

Claims (40)

  1. インクレチン類似体又はその薬学的に許容される塩と、
    グリセリン、マンニトール、及びプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つの等張化剤と、
    m-クレゾール及びフェノールからなる群から選択される任意選択の防腐剤と、を含む、薬学的組成物。
  2. 前記インクレチン類似体又はその薬学的に許容される塩が、約1mg/mL~約30mg/mLの濃度である、請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 前記等張化剤が、グリセリンであり、約5mg/mL~約50mg/mLの濃度である、請求項1又は2に記載の薬学的組成物。
  4. 前記グリセリンが、20mg/mLの濃度である、請求項3に記載の薬学的組成物。
  5. 前記等張化剤が、マンニトールであり、約10mg/mL~約100mg/mLである濃度である、請求項1又は2に記載の薬学的組成物。
  6. 前記マンニトールが、48mg/mLの濃度である、請求項5に記載の薬学的組成物。
  7. 前記等張化剤が、プロピレングリコールであり、約5mg/mL~約50mg/mLである濃度である、請求項1又は2に記載の薬学的組成物。
  8. 前記プロピレングリコールが、15mg/mLの濃度である、請求項7に記載の薬学的組成物。
  9. 前記任意選択の防腐剤が、m-クレゾールであり、約1mg/mL~約10mg/mLである濃度である、請求項1~8のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  10. 前記m-クレゾールが、3.15mg/mLの濃度である、請求項9に記載の薬学的組成物。
  11. 前記任意選択の防腐剤が、フェノールであり、約1mg/mL~約10mg/mLである濃度である、請求項1~8のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  12. 前記フェノールが、5mg/mLの濃度である、請求項11に記載の薬学的組成物。
  13. 前記インクレチン類似体が、配列番号1を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  14. 前記インクレチン類似体が、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、12mg/mL、18mg/mL、24mg/mL、及び30mg/mLからなる群から選択される濃度である、請求項13に記載の薬学的組成物。
  15. リン酸(PO)緩衝液及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)緩衝液からなる群から選択される緩衝液を更に含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  16. 前記緩衝液が、前記TRIS緩衝液であり、10mMの濃度である、請求項15に記載の薬学的組成物。
  17. エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を0.3mg/mLの濃度で更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  18. 配列番号1を含むインクレチン類似体又はその薬学的に許容される塩であって、前記インクレチン類似体又はその薬学的に許容される塩が、約1mg/mL~約30mg/mLの濃度である、インクレチン類似体又はその薬学的に許容される塩と、
    約10mg/mL~約100mg/mLの濃度のマンニトールと、
    約10mM~約100mMの濃度のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)緩衝液と、を含む、請求項1に記載の薬学的組成物。
  19. 前記薬学的組成物が、約6.5~約7.5のpHを有する、請求項18に記載の薬学的組成物。
  20. マンニトールが、48mg/mLの濃度である、請求項18又は19に記載の薬学的組成物。
  21. 前記インクレチン類似体又はその薬学的に許容される塩が、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、12mg/mL、18mg/mL、24mg/mL、及び30mg/mLからなる群から選択される濃度である、請求項18~20のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  22. m-クレゾール及びフェノールからなる群から選択される防腐剤を更に含み、前記防腐剤が、約1mg/mL~約10mg/mLの濃度である、請求項18~21のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  23. 薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤を更に含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  24. 前記組成物の用量が、約0.5mLである、請求項1~23のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  25. 前記薬学的組成物が、自動注射装置を使用した投与に好適である、請求項24に記載の薬学的組成物。
  26. 前記薬学的に許容される塩が、ナトリウム塩、トリフルオロ酢酸塩、塩酸塩、及び酢酸塩から選択される、請求項1~25のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  27. 前記薬学的に許容される塩が、四ナトリウム塩である、請求項1~26のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  28. 糖尿病を治療する方法であって、
    糖尿病の治療を必要とする個体に、有効用量の請求項1~27のいずれか一項に記載の薬学的組成物を投与するステップを含む、方法。
  29. 前記有効用量が、自動注射装置を使用して投与される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記有効用量が、1週間に1回投与される、請求項28又は29に記載の方法。
  31. 肥満を治療する方法であって、
    肥満の治療を必要とする個体に、有効用量の請求項1~27のいずれか一項に記載の薬学的組成物を投与するステップを含む、方法。
  32. 前記有効用量が、自動注射装置を使用して投与される、請求項31に記載の方法。
  33. 前記有効用量が、1週間に1回投与される、請求項31又は32に記載の方法。
  34. 糖尿病、脂質異常症、脂肪性肝疾患、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪性肝炎、及び肥満からなる群から選択される疾患を治療する際に使用するための、請求項1~27のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  35. II型糖尿病を治療する際に使用するための、請求項1~27のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  36. 肥満を治療する際に使用するための、請求項1~27のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  37. 糖尿病、脂質異常症、脂肪性肝疾患、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪性肝炎、及び肥満からなる群から選択される疾患を治療するための薬剤の製造における、請求項1~27のいずれか一項に記載の薬学的組成物の使用。
  38. II型糖尿病を治療するための薬剤の製造における、請求項1~27のいずれか一項に記載の薬学的組成物の使用。
  39. 肥満を治療するための薬剤の製造における、請求項1~27のいずれか一項に記載の薬学的組成物の使用。
  40. 請求項1~27のいずれか一項に記載の薬学的組成物を含む製品であって、前記製品が、複数回使用バイアル、再利用可能なペン型注射器、プレフィルド使い捨てペン、自動注射器、及びポンプから選択される、製品。
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