JP2024513560A - 加齢に関連する筋肉状態を処置するためのアペリン受容体モジュレーター - Google Patents

加齢に関連する筋肉状態を処置するためのアペリン受容体モジュレーター Download PDF

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Abstract

アペリン受容体モジュレーターは、ヒト患者において、身体的性能を改善することができ、加齢に関連するフレイルの進行を減速させ、加齢に関連する筋肉衰弱を低減させることができる。本開示は、特定のクラスのアペリン受容体モジュレーター(例えば、アゴニスト)を使用して筋肉状態を処置するための方法を提供する。筋肉状態は、加齢に関連する筋肉状態であることができる。アペリン受容体モジュレーターの投与による、高齢の対象において筋肉質量および/または筋肉の強さを維持するおよび/または増大させるための方法も提供される。一部の実施形態では、アペリン受容体モジュレーター(例えば、アゴニスト)は、BGE-105、または薬学的に許容されるその塩である。【選択図】図1

Description

1. 関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月6日に出願された米国仮特許出願第63/171,475号および2021年10月27日に出願された同第63/272,419号の利益を主張するものであり、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
2. 背景
人は年齢を重ねるにつれて、生理学的および病態生理学的変化を蓄積し、これらの蓄積された加齢に関連する変化は、人を種々の外部および内部のストレス要因により死亡しやすくする。フレイルは、高齢期において高度に蔓延しており、身体障害、併存疾患、ならびに、転倒、身体障害、介護施設への入所、入院および死亡率に高いリスクを与える他の特徴と同義とみなされている。フレイルは、そのような加齢に関連する変化の複合尺度であるフレイルの指数に従って特徴付けることができる臨床症候群とみなされている。人口の年齢の中央値が増大するにつれて、高齢の個体においてフレイルを含む加齢に関連する欠陥の蓄積を低減させるまたはそれに対抗する薬物の必要性が高まってきている。
3. 概要
本開示は、特定のクラスのアペリン受容体モジュレーターを使用して筋肉状態を処置するための、特に、様々な加齢に関連する筋肉状態の処置のための方法を提供する。一部の実施形態では、アペリン受容体モジュレーターはアペリン受容体アゴニストである。
本発明者らは、生存予測モデルを使用してヒトデータを分析するために生物情報学および機械学習アプローチを適用し、アペリンタンパク質レベルと将来の老化の転帰との関連を発見した。本発明者らは、より高い循環レベルのアペリンが、全死因死亡率の低減(p=0.0002)-すなわち、より長い寿命に関連することを発見した。加えて、本発明者らの分析は、より高いレベルのアペリンが、より良好な将来の身体機能、およびフレイルの尺度に関連することを実証した。
この発見に基づき、本発明者らは、アペリン受容体のモジュレーターであるBGE-105を、フレイルのモデルにおいて老齢マウスに対するその効果について試験した。BGE-105は、以下に示す構造を有する。
BGE-105(AMG-986とも称される)は、ラットにおいて、アペリン受容体を活性化し、心血管応答を誘発することが公知である(Ason et al., JCI Insight. 5(8):1-16(2020))。AMG-986を用いて臨床試験を実施して、健常な対象および心不全対象(NCT03276728)腎機能を損なっている対象(NCT03318809)において、安全性、忍容性および薬物動態を研究した。それでもなお、高齢の個体における筋肉喪失および機能に対する化合物の効果は不明である。
実験の第1のセットにおいて、本発明者らは、BGE-105で処置した老齢マウス(24月齢)が、同齢の対照と比較して、身体的健康の改善および筋肉の強さ(muscle strength)の増大を示す、自発的な運動活動における統計学的に有意な増大(p=0.00228)および握力における統計学的に有意な改善(p=0.04)を呈することを実証した。
加えて、最初に心臓毒を注射し、次いでBGE-105で処置した老齢マウス(18月齢)は、筋肉の再生を示す有意に高いレベルのいくつかのmRNA転写物を示した。
第3に、ヒト患者由来の不死化筋肉前駆細胞は、細胞の成長および分化とBGE-105の濃度との間の用量依存関係を示した。
最後に、BGE-105を経口的に投薬した固定化された老齢マウス(20月齢)は、ビヒクルを注射した固定化されたマウスと比較して、有意に低減した筋萎縮を見せた。
故に、アペリン受容体モジュレーターは、身体的性能を増大させることができ、加齢に関連するフレイルに対抗し、加齢に関連する筋肉衰弱を低減させることができる。
したがって、本開示の第1の態様は、対象において筋肉状態を処置するための方法であって、それを必要とする対象に、有効用量のアペリン受容体モジュレーターを投与するステップを含む方法を提供する。本発明の一部の態様では、モジュレーターは、本明細書で記述されている通りの式(I)または(II)のアペリン受容体アゴニスト等のアペリン受容体アゴニストである。一部の実施形態では、筋肉状態は、加齢に関連する筋肉状態である。一部の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、BGE-105、または薬学的に許容されるその塩である。
別の態様では、本開示は、高齢の対象において筋肉質量および/または筋肉の強さを維持するおよび/または増大させるための方法であって、それを必要とする対象に、本明細書で記述されている通りの式(I)または(II)のアペリン受容体アゴニスト等の有効用量のアペリン受容体アゴニストを投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、BGE-105、または薬学的に許容されるその塩である。
本開示の方法の一部の実施形態では、対象はヒトであり、低い筋肉の強さ、低い筋力、低い筋肉質量、低い筋肉体積のうちの1つまたは複数を有するまたは有すると同定される。一部の実施形態では、筋肉は骨格筋である。一部の実施形態では、筋肉は、横隔膜、前脛骨筋、後脛骨筋、腓腹筋、縫工筋、中間広筋、外側広筋(vastus laterals)、内側広筋、ヒラメ筋または長指伸筋である。一部の実施形態では、筋肉は横隔膜筋である。
本開示の方法の一部の実施形態では、対象はヒトであり、真性糖尿病、インスリン非感受性、心血管疾患および神経系疾患のうちの1つまたは複数を有するまたは有すると同定される。
本開示の方法の一部の実施形態では、対象はヒトであり、固定化後の廃用性萎縮による、低い筋肉の強さ、低い筋力、低い筋肉質量および/または低い筋肉体積を有する。
本開示の方法の一部の実施形態では、対象はヒトであり、横隔膜機能不全または横隔膜萎縮を有する。
4. 図面の簡単な説明
本発明のこれらおよび他の特色、態様および利点は、以下の説明および添付の図面を参考にしてよりよく理解されるであろう。
図1は、BGE-105の構造を示す。
図2A~2Dは、所与のタンパク質の血清レベルと全死因死亡率(すなわち寿命)の将来のリスクとの間の関係を検査するか、またはアーカイブに保存された試料に対して作成された非公開臨床転帰データおよびプロテオミクスデータを使用してヒト健常老化コホートにおいて完全な可動性を保持する、生物情報学生存モデルからの結果をグラフに描く。図2Aは、上位20%(青色)対下位20%(赤色)のアペリンタンパク質レベルのヒトについて生存確率のカプランマイヤー曲線を示し、ヒトにおいてより高い循環レベルのアペリンが全死因死亡率の減少(p=0.0002)に関連することを実証している。図2Bは、タンパク質レベルによる完全な可動性の同様のモデルを示し、ここで、より高い循環レベルのアペリンは、完全な可動性の保持の増大(p=0.0082)に関連する。アペリンについてのハザード比は、図2Aにおいて0.88および図2Bにおいて0.89であった。いずれの事例でも、記されているハザード比は、継続的なコックス比例ハザード分析についてのものであり、これは、アペリン測定の全体的分布に適合する。図2Aおよび2BにおけるP値は、これらのハザード比について、ハザード比が各事例において1に等しいという帰無仮説の試験に基づいて算出される。図2Cは、ホノルル心臓研究(HHS)コホートにおけるアペリンタンパク質モジュール(緑色の楕円で強調表示されている)の血清存在度を示す。各ノードはタンパク質を表し、ノード間のエッジは有意な相関を表す。図2Dは、アペリンタンパク質モジュールの第1の主成分および死亡率を示す。相対死亡率(対数;y軸)は、年齢、喫煙パック年数(smoking pack year)およびアルコール状況に関して補正した後の第1の主成分(PC1)についての多変量コックス回帰モデルに由来するものであった。使用した参照基準は、PC1の中央値であった。 同上
図3A~3Iは、24月齢C57BL/6マウスの活動および筋肉の強さに対するBGE-105の効果を示す。図3Aおよび3Dは、ケージ内の活動ホイール(activity wheel)上でのC57BL/6マウスに対する繰り返し実験の結果を、読み取り値をkm/日として示す。図3Aおよび3Dにおいて、赤色の点および関連する線は、BGE-105で処置したマウスについてのものであるのに対し、緑色の点および関連する線は、BGE-105で処置しなかったマウスについてのものである。ケンドールの順位相関タウp=それぞれ0.00228および1.14e-04。図3Bおよび3Cにおいて、黒色の点は、BGE-105で処置したマウスについてのものであるのに対し、赤色の点は、ビヒクルのみで処置したマウスについてのものであり、これは、平均して、ビヒクルとは対照的にBGE-105で処置したマウスを用いたグリッドハング試験(grid hang test)(筋肉の強さの増大の尺度)において落下潜時の増大があったことを示す。研究の終了時に、BGE-105処置マウスは、前脛骨筋(TA)において有意に高い組織湿重量(図3F)、ならびに腓腹筋および大腿四頭筋においてより高くなる傾向の組織湿重量(図3Gおよび3H)を有し、心臓においては差異を有さなかった(図3I)。BGE-105処置マウスはより高い体重も有した(図3E)が、増大は有意ではなく、ちょうどp値カットオフであった。 同上 同上 同上 同上
図4A~4Dは、BGE-105処置マウス対ビヒクル処置マウスにおけるpAMPK(図4A~4B)およびpAkt(図4C~4D)のレベルの増大を描写している。 同上
図4E~4Fは、単位質量当たり、ヒラメ筋が心臓の約半分のAPLNR受容体を含有することを描写し、心臓組織におけるより強い応答を潜在的に説明している。
図5A~5Bは、ラット組織において見られるアペリン受容体タンパク質のレベルを描写している。図5C~5Dは、ラットへのBGE-105の連続5日間にわたる経口投薬がTAにおけるAktのリン酸化を用量依存方式で誘発し、50mg/kg BIDが最も強い応答を誘起したことを描写している。図5E~5Fは、同じものをErkについて描写している。図5G~5Iは、TAにおけるアペリン受容体タンパク質レベルに対するBGE-105の慢性投与の効果を描写している。 同上 同上 同上 同上 同上 同上 同上
図6A~6Bは、ヒトアペリン受容体を安定に発現している細胞において、BGE-105がPyr-アペリン-13よりも10倍強力であり、マウスアペリン受容体を安定に発現している細胞において、BGE-105がPyr-アペリン-13よりも30倍強力であったことを示す。 同上
図7A~7Fは、心臓毒の注射3日または7日後のいずれかに、老齢(18月齢)マウスの前脛骨筋において、PBS、Pyr-アペリン-13(アペリン)(0.5μmol/kg/日)、BA1(BGE-105 50mg/kg/日)またはBA2(BGE-105 200mg/kg/日)を投与することの転写物レベルに対する効果を示す。図7Aは、アペリン(注射)および両方のBGE-105(経口)投薬量について投与7日後のPax7レベルにおける有意な増大を示す。図7Bは、アペリンおよび両方のBGE-105投薬量について注射3および7日後両方のMyoDのレベルにおける有意な増大を示す。図7Cは、アペリンおよび両方のBGE-105投薬量について投与7日後のMyoGレベルにおける有意な増大を示す。図7Dは、アペリンおよび両方の投薬量でのBGE-105(経口)について注射7日後のMyHC3レベルにおける有意な増大を示す。図7Eは、アペリンおよび両方のBGE-105投薬量について注射7日後のMyHC8レベルにおける有意な変化を示す。図7Fは、アペリンおよび両方のBGE-105投薬量について注射7日後のMyf5レベルにおける有意な変化を示す。 同上
図7G~7Lは、心臓毒の注射3日または7日後のいずれかに、老齢(18月齢)マウスの腓腹筋において、PBS、Pyr-アペリン-13(アペリン)(0.5μmol/kg/日)、BA1(BGE-105 50mg/kg/日)またはBA2(BGE-105 200mg/kg/日)を投与することの転写物レベルに対する効果を示す。図7Gは、Pax7レベルにおける有意な変化を示さない。図7Hは、アペリンおよび両方のBGE-105投薬量について注射3および7日後両方のMyoDのレベルにおける有意な増大を示す。図7Iは、MyoGレベルにおける有意な変化を示さない。図7Jは、より大きいBGE-105注射について注射7日後のみのMyHC3レベルにおける有意な増大を示す。図7Kは、いかなる注射についてのいかなる時点でもMyHC8レベルにおける変化を示さない。図7Lは、Myf5レベルにおける有意な変化を示さない。 同上
図7M~7Rは、心臓毒の注射3日または7日後のいずれかに、若齢(3月齢)マウスの脛骨筋において、PBS、Pyr-アペリン-13(アペリン)(0.5μmol/kg/日)、BA1(BGE-105 50mg/kg/日)またはBA2(BGE-105 200mg/kg/日)を投与することの転写物レベルに対する効果を示す。図7Mは、Pax7レベルにおける変化を示さない。図7Nは、MyoDレベルにおける有意な増大を示さない。図7Oは、MyoGレベルにおける差異を示さない。図7Pは、MyHC3レベルにおける有意な変化を示さない。図7Qは、MyHC8レベルにおける有意な変化を示さない。図7Rは、Myf5レベルにおける差異を示さない。 同上
図7S~7Xは、心臓毒の注射3日または7日後のいずれかに、若齢(3月齢)マウスの腓腹筋において、PBS、Pyr-アペリン-13(アペリン)(0.5μmol/kg/日)、BA1(BGE-105 50mg/kg/日)またはBA2(BGE-105 200mg/kg/日)を投与することの転写物レベルに対する効果を示す。図7Sは、Pax7レベルにおける変化を示さない。図7Tは、MyoDのレベルにおける変化を示さない。図7Uは、MyoGレベルにおける変化を示さない。図7Vは、より小さいBGE-105投薬量について注射3日後にのみMyHC3レベルにおける増大を示す。図7Wは、アペリンおよび両方のBGE-105投薬量について注射3日後にMyHC8レベルにおける有意でない増大を示す。図7Xは、Myf5レベルにおける変化を示さない。 同上
図7Y~7Zは、心臓毒の注射後3日目および7日目、PBS、Pyr-アペリン-13(アペリン)、BA1(BGE-105 50mg/kg/日)およびBA2(BGE-105 200mg/kg/日)による処置後の、脛骨筋の断面積を示す。図7Yは、注射3および7日後の脛骨筋の、PBS、アペリン、BA1またはBA2の処置による代表的な組織学的断面スライスを示す。図7Zは、断面組織学的スライドの定量化を示し、これは、アペリン、BA1およびBA2について、注射3および7日後両方の断面積における有意な増大を示す。
図7AA~7BBは、心臓毒注射後の再生プロセスの一部として、PBS、Pyr-アペリン-13(アペリン)、BA1(BGE-105 50mg/kg/日)およびBA2(BGE-105 200mg/kg/日)処置についての中心核線維(centrally nucleated fiber)(CNM)の量を示す。マウスは18月齢であった。図7AAは、DAPI染色核および陽性染色eMHC線維の代表的な分布を示す。図7BBは、中心核筋線維(CNM)の量の定量化を示す。アペリンおよび2つのBGE-105処置のうちのより高い方の後に、CNMの量における有意な増大があった。 同上
図8A~8Cは、より若齢の(25歳)およびより高齢の(79歳)対象の両方由来の不死化ヒト筋肉細胞の増殖を増大させるBGE-105の能力を示す。図8Aは、細胞のin vitro増殖中(0~4日目)の初期インキュベーション(処置番号1)を伴い、筋管への分化段階中(4~18日目)の第2のインキュベーション(処置番号2)を伴う実験プロトコールを示す。処置は、DMSO(0.1%)、Pyr-アペリン-13(1nM)またはBA(BGE-105)(0.05、0.5、5または50nM)であった。図8Bは、5nMのBGE-105処置で増大および50nMのBGE-105処置で有意な増大を伴うより若齢の対象由来の細胞の増殖(4日目に測定)を示す。図8Cは、5nMのBGE-105で有意な増大および50nMのBGE-105処置で増大を伴うより高齢の対象由来の細胞の増殖を示す。
図8D~8Kは、DMSO(0.1%)、Pyr-アペリン-13(アペリン)(1nM)またはBGE-105(0.05、0.5、5または50nM)とともにインキュベーション後の、より高齢の(79歳)およびより若齢の(25歳)対象由来の不死化筋肉細胞における、Pax7、MyoD、MyoGおよびMyf5発現のレベルを示す。図8Dは、より若齢の細胞におけるPax7のレベルを示す。5および50nMのBGE-105は、アペリンのレベルを反復した。図8Eは、より若齢の細胞における処置後のMyoD発現のレベルを示す。5nMのBGE-105でMyoD発現の非常に有意な増大があった。図8Fは、より若齢の細胞における処置後のMyoG発現を示す。いかなる量のBGE-105についても対照と比べてMyf5のレベルにおける変化はなかった。図8Gは、より若齢の細胞における処置後のMyf5発現のレベルを示す。5および50nMにおいて、レベルはアペリン処置に等しかった。図8Hは、より高齢の細胞における処置後のPax7レベルを示す。すべての処置用量において、対照と比較して有意な増大があった。図8Iは、より高齢のドナーに由来する細胞の処置後のMyoDのレベルを示す。より高い投薬量によるすべての処置レベルにおいて増大があり、アペリンによって引き起こされる発現のレベルに接近していた。図8Jは、より高齢の細胞における処置後のMyoGのレベルを示す。すべての処置レベルにおいて増大があり、アペリンによって引き起こされる発現のレベルに接近していた。図8Kは、より高齢のドナーに由来する細胞における処置後のMyf5発現のレベルを示す。5および50nMにおいて、レベルはアペリン処置に等しかった。 同上 同上 同上
図9A~9Mは、老齢マウスにおいて廃用誘発性筋萎縮を予防する際のBGE-105の効果を示す。実施例7を参照されたい。 同上 同上 同上 同上 同上 同上
5. 発明の詳細な説明
5.1. アペリン受容体モジュレーターおよびフレイル
5.1.1. 生存予測可能性モデル
本開示は、生存計量(survival metric)を出力する生存予測モデルの構築に概して関する、バイオインフォマティクスモデルについて記述する。そのような生存計量は、生存期待値および/または死亡のリスク等の生存に関連する観測量に関する場合がある。生存予測モデルは、生存期間に関する観測量(「老化指標」)を選択することによって構築されてよい。そのような老化指標は、ある特定の臨床的要因等の全死因死亡率と相関する変数を含んでよい。生存予測モデルは、1つまたは複数の生存バイオマーカーを、1つまたは複数の老化指標と一緒に利用して、生存計量を作成することができる。
一部の実施形態では、本開示の生存予測モデルは、ヒト健常老化コホートにおいて、アペリンの血清レベルと全死因死亡率の将来のリスクとの間の関係を、それらのコホートに独自の臨床転帰データおよびアーカイブに保存された試料に対して作成されたプロテオミクスデータを用いて、生存モデリングに基づいて検査する。加えて、アペリンと可動性低下事象(例えば、歩行、階段を上ること、またはこれらの活動の自己申告の難しさによって示されるような移動活動の能力の減少)との間の関係は、コックス比例ハザードモデルを、アペリンに対して作成されたハザード比および関連するp値とともに使用して検査される。
本発明者らは、生存予測モデルを使用してヒトデータを分析するためにそのような生物情報学および機械学習アプローチを適用し、アペリン受容体レベルと将来の老化の転帰との関連を発見した。本発明者らは、より高い循環レベルのアペリンが、全死因死亡率の減少(p=0.0002)-すなわち、より長い寿命に関連することを発見した。例えば、図2Aを参照されたい。加えて、本発明者らの分析は、より高いレベルのアペリンが、健常老化ヒト対象におけるより良好な将来の身体機能に関連することを実証した。図2Bは、より高い循環レベルのアペリンが完全な可動性の保持の増大(p=0.0082)に関連することを示す同様のモデルを示す。
5.1.2. 老齢対象におけるアペリン受容体発現
マウスまたはヒトの加齢とアペリン受容体発現との間にも実証された関係がある。アペリン受容体の発現は、骨格筋の加齢に伴って減少する。虚弱なより高齢の患者から採取された試料は、アペリン受容体レベルにおけるさらに大幅な減少を示した。さらなる詳細は実験の項において提供され、例えば、実施例1および図2を参照されたい。
5.1.3. 老齢マウス研究
本発明者らは、BGE-105で処置した老齢マウス(24月齢)が、同齢の対照と比較して、身体的健康の改善および筋肉の強さの増大を示す、自発的な活動における統計学的に有意な増大(p=0.002)および握力における改善(p=0.04)を呈することを実証した(図3A~3I)。加えて、最初に心臓毒を注射し、次いでBGE-105で処置した老齢マウス(18月齢)は、筋肉の再生を示す有意に高いレベルのいくつかの転写物を示した(図7A~7X)。これらのマウス由来の細胞を凍結し、組織学的切片を染色した。切片は、中心核線維における用量依存増大を示した(筋成長を示す)(図7AA~7BB)。さらなる詳細は実験の項において提供され、例えば、実施例2~5および図3~7を参照されたい。
5.1.4. BGE-105はアペリン経路をin vitroで活性化する
本発明者らは、より若齢のおよびより高齢の患者由来の不死化ヒト筋肉が、投薬量を増大させたBGE-105による処置後に増殖の増大を示すことを実証した(図8B~8C)。より若齢の細胞は、50nMで細胞増殖における有意な増大を示し、より高齢の細胞は、5nMで細胞増殖における有意な増大を有した。さらなる詳細は実験の項において提供され、例えば、実施例6および図8を参照されたい。
5.1.5. BGE-105は固定化されたマウス筋肉において萎縮を予防する
本発明者らは、固定化され、かつBGE-105で処置した20月齢マウスが、前脛骨筋において筋重量を維持する際に、ビヒクル処置対照と比較して有意な改善を示すことを実証した(図9Dおよび9E)。長指伸筋においてビヒクルと比較して(図9Fおよび9G)およびヒラメ筋(図9Hおよび9I)の筋肉においてビヒクル処置対照と比較して、筋重量のほぼ有意な改善もあった。
前脛骨筋の筋肉において萎縮率の有意な減少、長指伸筋において萎縮率のほぼ有意な減少、ヒラメ筋において萎縮率のわずかな改善があり、腓腹筋において改善はなかった(図9A)。さらなる詳細は実験の項において提供され、例えば、実施例7および図9を参照されたい。
5.2. 加齢に関連する筋肉状態を処置する方法
したがって、第1の態様では、本開示は、老化に関連する筋肉状態等の筋肉状態について、アペリン受容体モジュレーターを使用して対象を処置する方法を提供する。方法は、対象に、治療有効量の式(I)または(II)のアペリン受容体モジュレーターを(例えば、本明細書で記述されている通り)投与するステップを含む。
「老化に関連する筋肉状態」(本明細書では交換可能に「加齢に関連する筋肉状態」とも称される)は、哺乳類対象における筋肉に関連する変性疾患または状態または機能障害(impairment)を指す。一部の実施形態では、筋肉は骨格筋である。骨格筋は、筋肉系の臓器とみなされる。骨格筋は、骨格の動作を司る筋組織を含むことができる。例えば、骨格筋は、横紋筋等の意識的または自発的な制御下にある筋肉を含むことができる。
一部の実施形態では、哺乳動物の他の部分は、血管(例えば、動脈)、神経、骨または皮膚等の加齢に関連する筋肉状態によって影響されうる。一部の実施形態では、加齢に関連する筋肉状態は、炎症またはミトコンドリア機能障害を伴う。
本開示の方法に従う処置のために標的とされうる筋肉状態の例は、サルコペニア、フレイル、股関節部骨折による筋肉衰弱、股関節部骨折のリスクの低減、ICU関連筋肉衰弱、筋萎縮、横隔膜機能不全、横隔膜萎縮、人工呼吸器誘発性横隔膜機能不全(ventilator-induced diaphragmatic dysfunction)(VIDD)、固定化関連筋肉衰弱(immobilization associated muscle weakness)、不動関連筋肉衰弱(immobility associated muscle weakness)、筋傷害からの回復、および筋消耗を含むがこれらに限定されない。ある特定の実施形態では、筋肉状態は、急性筋萎縮である。一部の実施形態では、筋肉状態を有する患者は床上安静中である。ある特定の実施形態では、筋肉状態は、慢性筋肉喪失である。ある特定の実施形態では、筋肉状態は、ICU横隔膜萎縮である。
一部の実施形態では、筋肉状態はサルコペニアである。サルコペニアは、骨格筋質量および機能の喪失によって特徴付けられる状態である。この状態が老化に関連する場合、加齢に関連するサルコペニアとも称されうる。サルコペニアの診断は、低い筋肉質量プラス低い筋機能(低い筋肉の強さ/衰弱または低い身体的性能)の存在の評価を介して達成されうる(例えば、Cruz-Jentoft et al., (2010) Sarcopenia: European consensus on definition and diagnosis Report of the European Working Group on Sarcopenia in Older People. Age and Ageing; 39: 412-423;Muscaritoli et al., (2010) Consensus definition of sarcopenia, cachexia and pre-cachexia: joint document elaborated by Special Interest Groups (SIG) "cachexia- anorexia in chronic wasting diseases" and "nutrition in geriatrics". Clin Nutr. Apr, 29(2):154-9;Fielding et al. (2011) Sarcopenia: An Undiagnosed Condition in Older Adults. Current Consensus Definition: Prevalence, Etiology, and Consequences. International Working Group on Sarcopenia. J Am Med Dir Assoc, 12: 249-256;およびStudenski et al. (2014) The FNIH Sarcopenia Project: Rationale, study description, conference recommendations and final estimates. J Gerontol A Biol Sci Med Sci 69(5): 547-558を参照されたい)。
フレイルは、外部ストレス要因に対する脆弱性の増大によって特徴付けられる老年期の状態である。これは、死亡率、介護施設への入所および転倒を含む有害転帰と強く結び付いている。一部の実施形態では、筋肉状態は、フレイルの1つまたは複数の特徴的な尺度を伴う状態である。一部の実施形態では、対象は、虚弱(frail)として分類される。一部の実施形態では、対象は、前虚弱(pre-frail)として分類され、虚弱になる高いリスクまたは進行がある。フレイルは、Friedのフレイルスケール(例えば、Fried, et al., Frailty in older adults: evidence for a phenotype. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2001, 56: M146-M156を参照)および/またはMitnitskiのフレイル指数(例えば、Mitnitski et al., Frailty, fitness and late-life mortality in relation to chronological and biological age. BMC Geriatr. 2002, 2: 1-10を参照)に基づく方法等、フレイルの加齢に関連する変化指数の複合尺度であるフレイルの種々の指数に従って、診断するおよび/または特徴付けることができる。
一部の実施形態では、筋肉状態は筋萎縮である。筋萎縮は、使用不足から生じる筋組織のあらゆる消耗または喪失を指す。筋萎縮は、筋肉衰弱につながり、身体障害を引き起こすことができる。一部の実施形態では、筋肉状態は、固定化関連筋肉衰弱であり、これは、例えば医学的理由のための固定化から生じる筋組織のあらゆる消耗または喪失を指す。
一部の実施形態では、筋肉状態は、筋疲労とも称される筋肉衰弱であり、これは、対象が骨格筋で力を発揮できないことによって特徴付けられる状態を指す。筋肉衰弱は、多くの場合、筋萎縮に続いて起こる。
筋萎縮は、液体生検における骨格筋タンパク質分別合成速度(skeletal muscle protein fractional synthetic rate)(FSR)等の種々のエンドポイントを使用して測定することができる。筋萎縮の他の測定は、横隔膜厚、エコー密度(例えば外側広筋の)、筋肉周囲(大腿/外側広筋等の筋肉の)、筋肉断面積等を含む。筋肉周囲の検出は、超音波を使用して測定されうる。超音波を使用して、例えば機械的に換気されている対象または床上安静中の対象において、筋萎縮、横隔膜機能不全を評価する、抜管成功または失敗を予測する、呼吸努力を定量化する、および萎縮を検出することができる。
一部の実施形態では、筋肉状態は、骨格筋の状態である。一部の実施形態では、筋肉状態は、心血管状態ではない。一部の実施形態では、対象は、心血管疾患または状態に罹患しておらず、それを有すると同定されてもいない。一部の実施形態では、対象は、心不全に罹患しておらず、そのリスクもない。
一部の実施形態では、加齢に関連する筋肉状態は、機能喪失、再生するまたは骨格筋の傷害後に治癒する能力の減少を伴う。一部の実施形態では、加齢に関連する筋肉状態は、筋幹細胞の機能喪失を伴う。
一部の実施形態では、筋肉状態は、筋萎縮に関連するインスリン非感受性による。2型真性糖尿病は、老化中の筋肉喪失の加速、筋機能の減少、および身体障害の増大に関連しうる。
5.2.1. 患者の年齢
筋肉状態について対象を処置する方法の一部の実施形態では、対象は、加齢に関連する筋肉状態を有するまたは有すると疑われる。
一部の実施形態では、対象はヒトである。対象は、加齢に関連する筋肉状態に罹患しているか、またはそのリスクがあるヒト患者であることができる。一部の実施形態では、患者は少なくとも40歳である。一部の実施形態では、患者は少なくとも50歳である。一部の実施形態では、患者は少なくとも60歳である。一部の実施形態では、患者は少なくとも65歳である。一部の実施形態では、患者は少なくとも70歳である。一部の実施形態では、患者は少なくとも75歳である。一部の実施形態では、患者は少なくとも80歳である。一部の実施形態では、患者は少なくとも85歳である。一部の実施形態では、患者は少なくとも90歳である。ある特定の実施形態では、患者は、40~50歳、50~60歳、60~70歳、70~80歳または80~90歳である。
5.2.2. 患者の評価
対象は、様々な異なる評価方法を使用し、本開示の方法に従って、処置を必要とすると同定されうる。
サルコペニア診断は、低い筋肉の分量または質の存在によって決定または確認されうる。低い筋肉の強さまたは筋力、低い筋肉の分量/質および低い身体的性能がすべて検出された場合、サルコペニアは重度とみなされる。一部の実施形態では、患者は、健常なヒト対象、例えば、同年齢またはより若齢の対象を代表する基準と比較して、低い筋肉の分量または質を有する。
低い筋肉質量は、体肢除脂肪体重(appendicular lean body mass)(ALBM)を使用して評価されうる。一部の実施形態では、低い筋肉質量は、男性については0.789kg未満または女性については0.512kg未満のボディマス指数(BMI)に関して補正されたALBMによって示され、ここで、ALBMは、二重エネルギーX線吸収測定法(dual energy X-ray absorptiometry)(DXA)によって測定されうる。
低い筋肉質量は、体肢骨格筋指数(appendicular skeletal muscle index)(ASMI)によって評価されうる。一部では、低い筋肉質量は、男性については7.26kg/m未満または女性については5.5kg/m未満の体肢骨格筋指数(ASMI)によって示され、前記ASMIは体肢骨格筋質量を高さの二乗で割ったものとして定義され、前記ASMIは二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)によって測定される。
低い筋肉の強さは、低い握力を含むことができ、手の握力試験を使用して決定されうる。一部の実施形態では、低い握力は、手の握力試験において、例えば、30kg未満、例を挙げると男性については26kg未満または女性については20kg未満、例を挙げると16kg未満の値によって示される通り、手によりハンドグリップ握力計を握り締めることができる静的力の量を測定することによって評価される。
一部の実施形態では、ヒト対象は、低い筋肉の強さを有するまたは有すると同定される。一部の実施形態では、ヒト対象は、低い筋力を有するまたは有すると同定される。
一部の実施形態では、ヒト対象は、低い下肢筋肉質量を有するまたは有すると同定される。一部の実施形態では、ヒト対象は、低い上肢筋肉質量を有するまたは有すると同定される。
一部の実施形態では、ヒト対象は、低い筋肉体積を有するまたは有すると同定される。一部の実施形態では、筋肉体積は、骨格筋体積である。一部の実施形態では、筋肉は、骨格筋である。一部の実施形態では、骨格筋は、横隔膜である。一部の実施形態では、筋肉は、横隔膜、前脛骨筋、後脛骨筋、腓腹筋、縫工筋、中間広筋、外側広筋、内側広筋、ヒラメ筋または長指伸筋である。一部の実施形態では、筋肉は、横隔膜、前脛骨筋、後脛骨筋、縫工筋、ヒラメ筋または長指伸筋である。一部の実施形態では、筋肉は、横隔膜筋である。
一部の実施形態では、筋肉体積は、肩の外転筋、肩の内転筋、肘の屈筋、肘の伸筋、手首の屈筋および手首の伸筋からなる群から選択される1つまたは複数の上肢筋肉の筋肉体積である。
一部の実施形態では、筋肉質量は、投薬の後に評価される。一部の実施形態では、筋肉質量は、投薬の少なくとも1日後に評価される。一部の実施形態では、筋肉質量は、投薬の少なくとも1週間後に評価される。一部の実施形態では、筋肉質量は、投薬の少なくとも1か月後に評価される。
一部の実施形態では、筋肉状態は、骨格筋の状態である。一部の実施形態では、骨格筋はアペリン受容体を発現し、アペリン受容体モジュレーターの投与は、対象の筋組織におけるアペリン/APJ系(APLNR遺伝子)を活性化する。目的の筋肉はアペリン受容体を発現し、一部の実施形態では、アペリン受容体の発現のレベルは、処置の前および/または後に対象の筋組織において評価または決定されうる。一部の実施形態では、対象は、アペリンの低い循環レベルを有するまたは有すると同定される。アペリン循環レベルは、対象から取得された生体試料において、例えば、試料中のアペリンペプチドの量を決定するための定量的アッセイ(例えば、ELISAアッセイまたはLC/MS)を使用して評価されうる。
一部の実施形態では、筋肉状態は、横隔膜筋肉状態である。一部の実施形態では、横隔膜筋肉状態は、横隔膜萎縮である。一部の実施形態では、横隔膜筋肉状態は、横隔膜機能不全である。横隔膜の機能不全は、圧力を生成する能力の部分的喪失(衰弱)から横隔膜機能の完全喪失(まひ)までの範囲に及ぶ。両側性横隔膜まひまたは重度の横隔膜衰弱のある患者は、呼吸困難または再発性呼吸不全を有する可能性が高い。この患者らは、安静時に、仰向けになった場合、労作で、または腰より上の水に浸かった場合に、かなりの呼吸困難に見舞われうる。さらに、両側性横隔膜まひがある患者は、睡眠の断片化および睡眠時換気過少のリスクが増大している。
本開示の方法の一部の実施形態では、対象はヒトであり、真性糖尿病、インスリン非感受性、心血管疾患および神経系疾患のうちの1つまたは複数を有するまたは有すると同定される。
一部の実施形態では、対象はヒトであり、横隔膜萎縮を有するまたは有すると同定される。ある特定の実施形態では、対象はヒトであり、機械的換気を受けている(例えば、診断時に機械的に換気されている)。ある特定の実施形態では、対象はヒトであり、機械的換気によって引き起こされた横隔膜萎縮を有するまたは有すると同定される。一部の実施形態では、対象はヒトであり、人工呼吸器(例えば、機械的人工換気)にかけられている。
本開示の方法の一部の実施形態では、対象はヒトであり、低酸素性呼吸不全を有するまたは有すると同定される。低酸素性呼吸不全は、横隔膜厚を階層化することによって測定されうる。
筋萎縮は、液体生検における骨格筋タンパク質分別合成速度(FSR)等の種々のエンドポイントを使用して測定することができる。筋萎縮の他の測定は、横隔膜厚、エコー密度(例えば外側広筋の)、筋肉周囲(大腿/外側広筋等の筋肉の)、筋肉断面積等を含む。筋肉周囲の検出は、超音波を使用して測定されうる。超音波を使用して、例えば機械的に換気されている対象において、横隔膜機能不全を評価する、抜管成功または失敗を予測する、呼吸努力を定量化する、および萎縮を検出することができる。
横隔膜萎縮は、横隔膜厚における変化によって測定されうる。例えば、横隔膜の厚さは、機械的に換気されている対象において、換気前、換気時、人工呼吸器を数日間付けた後、処置後等に測定されうる(例えば、Schepens et al., (2015) Crit Care; 19: 422を参照)。一部の実施形態では、ヒト対象は、機械的に換気されていないヒト対象と比較して、または機械的換気前の対象についてのベースライン値と比較して、低減した横隔膜厚を有するまたは有すると同定される。
5.3. 筋肉質量または筋肉の強さを維持する方法
本開示の態様は、高齢の対象において筋肉質量および/または筋肉の強さを維持するおよび/または増大させるための方法を含む。種々の実施形態では、アペリン受容体モジュレーター(例えば、本明細書で記述されている通り)は、高齢の対象に、対象の骨格筋において筋肉質量および/または筋肉の強さを維持するまたは増大させるために投与される。一部の実施形態では、アペリン受容体モジュレーターは、アペリン受容体アゴニストである。
一部の実施形態では、高齢の対象はヒトであり、少なくとも60歳である。一部の実施形態では、患者は、少なくとも65歳である。一部の実施形態では、患者は、少なくとも70歳である。一部の実施形態では、患者は、少なくとも75歳である。一部の実施形態では、患者は、少なくとも80歳である。一部の実施形態では、患者は、少なくとも85歳である。一部の実施形態では、患者は、少なくとも90歳である。ある特定の実施形態では、患者は、60~70歳、70~80歳、または80~90歳である。
対象の筋肉質量および/または筋肉の強さを、処置中にモニターし、アペリン受容体モジュレーターを投薬する前に実施されたベースライン評価と比較することができる。一部の実施形態では、アペリン受容体モジュレーターは、アペリン受容体アゴニストである。一部の実施形態では、対象の筋肉質量または筋肉の強さは、処置中、ベースラインレベルに少なくとも維持される。一部の実施形態では、対象は、時間とともに低下する筋肉質量および/または筋肉の強さに悩まされており、本開示の方法に従うアペリン受容体モジュレーターの投与は、低下を逆転させるおよび/または好転させる(ameliorate)。一部の実施形態では、アペリン受容体モジュレーターは、アペリン受容体アゴニストである。
低い筋肉質量は、体肢除脂肪体重(ALBM)を使用して評価されうる。一部の実施形態では、低い筋肉質量は、男性については0.789kg未満または女性については0.512kg未満のボディマス指数(BMI)に関して補正されたALBMによって示され、ここで、ALBMは、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)によって測定されうる。
低い筋肉質量は、体肢骨格筋指数(ASMI)によって評価されうる。一部では、低い筋肉質量は、男性については7.26kg/m未満、または女性については5.5kg/m未満の体肢骨格筋指数(ASMI)によって示され、前記ASMIは体肢骨格筋質量を高さの二乗で割ったものとして定義され、前記ASMIは二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)によって測定される。
低い筋肉の強さは、手の握力試験を使用して決定されうる。一部の実施形態では、低い筋肉の強さは、手の握力試験において、30kg未満、例を挙げると男性については26kg未満または女性については20kg未満、例を挙げると16kg未満の値によって示される。
一部の実施形態では、筋肉質量は、アペリン受容体アゴニストの投薬の前後に評価される。一部の実施形態では、筋肉質量は、投薬の少なくとも1日後に評価される。一部の実施形態では、筋肉質量は、投薬の少なくとも1週間後に評価される。一部の実施形態では、筋肉質量は、投薬の少なくとも1か月後に評価される。
一部の実施形態では、筋肉の強さは、アペリン受容体アゴニストの投薬の前後に評価される。一部の実施形態では、筋肉の強さは、投薬の少なくとも1日後に評価される。一部の実施形態では、筋肉の強さは、投薬の少なくとも1週間後に評価される。一部の実施形態では、筋肉の強さは、投薬の少なくとも1か月後に評価される。
一部の実施形態では、対象は、アペリンの低い循環レベルを有するまたは有すると同定される。アペリン循環レベルは、対象から取得された生体試料において評価されうる。
5.4. アペリン受容体モジュレーター。
アペリンは、アペリン受容体(APJまたはAPLNRとも称される)のための内因性リガンドである。アペリン受容体は、ロドプシン様Gタンパク質共役受容体(GPCR)ファミリーのメンバーである。アペリン/APJ系は、多様な末梢臓器組織中に分布し、多くの臓器の生理学および病態生理学において種々の役割を果たすことができる。アペリン/APJ系は、増殖、遊走、アポトーシスまたは炎症等の種々の細胞活動に関与する。アペリン受容体モジュレーターは、APJ系を、直接的にもしくは間接的に、競合的にまたは非競合的に活性化することができる。
さらに後述する通り、本開示の方法の一部の実施形態では、アペリン受容体モジュレーター(例えば、アペリン受容体アゴニスト)は、米国特許第9,573,936号または同第9,868,721号において記述されている化合物であり、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
当業者に公知の通り、本開示のある特定の化合物は、1つまたは複数の互変異性形態で存在してよい。1つの化学構造は1つの互変異性形態を表すためにのみ使用されうるため、便宜上、所与の構造式の化合物への照会は、その構造式によって表される構造の互変異性体を含むことが理解されよう。
一部の実施形態では、アペリン受容体モジュレーターは、式(I)もしくは(II)の化合物:
または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物
[式中、
は、非置換ピリジル、ピリドニルもしくはピリジンN-オキシドであるか、または、1つ、2つ、3つもしくは4つのR1a置換基で置換されているピリジル、ピリドニルもしくはピリジンN-オキシドであり、
1aは、各場合において、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-C~Cアルケニル、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)-OH、-O-(C~Cハロアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)-OH、-O-(C~Cペルハロアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)、-N(C~Cアルキル)、-C(=O)-(C~Cアルキル)、-C(=O)OH、-(C=O)-O-(C~Cアルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)NH(C~Cアルキル)、-C(=O)N(C~Cアルキル)、フェニル、-C(=O)-(ヘテロシクリル)またはヘテロシクリル基から独立して選択され、ここで、-C(=O)-(ヘテロシクリル)またはヘテロシクリル基のヘテロシクリル基は、N、OおよびSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有する3から7員環であり、
は、-HおよびC~Cアルキルから選択されるか、または式IIの化合物中に存在せず、
は、非置換C~C10アルキル、1つ、2つまたは3つのR1a置換基で置換されているC~C10アルキル、式-(CR3b3c)-Qの基、式-NH-(CR3b3c)-Qの基、式-(CR3b3c)-C(=O)-Qの基、式-(CR3d3e)-(CR3f3g)-Qの基、式-(CR3b=CR3c)-Qの基および式-(ヘテロシクリル)-Qの基から選択され、ここで、-(ヘテロシクリル)-Qのヘテロシクリルは、5から7環員を有し、そのうちの1、2または3個は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子であり、非置換であるか、または1つ、2つもしくは3つのR3h置換基で置換されており、
1aは、各場合において、-F、-Cl、-CN、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、-NH、-NH(C~Cアルキル)および-N(C~Cアルキル)から独立して選択され、
3bおよびR3cは、-H、-F、-Cl、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)および-N(C~Cアルキル)から独立して選択され、
3dおよびR3eは、-H、-F、-Cl、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)および-N(C~Cアルキル)から独立して選択され、
3fおよびR3gは、-H、-F、-Cl、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)および-N(C~Cアルキル)から独立して選択され、
3hは、各場合において、-F、-Cl、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)、-N(C~Cアルキル)およびオキソから独立して選択され、
Qは、単環式もしくは二環式C~C10アリール基、N、OもしくはSから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する5から10環員を持つ単環式もしくは二環式ヘテロアリール基、C~Cシクロアルキル基、またはN、OもしくはSから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する3から7員ヘテロシクリル基であり、ここで、C~C10アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基およびヘテロシクリル基は、非置換であるか、または1つ、2つ、3つもしくは4つのR置換基で置換されており、
は、各場合において、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cアルキニル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)、-N(C~Cアルキル)、-C(=O)-(C~Cアルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)-O-(C~Cアルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)NH(C~Cアルキル)、-C(=O)N(C~Cアルキル)、-S(=O)-(C~Cアルキル)、フェニルおよびヘテロアリール基から独立して選択され、Qヘテロシクリル基は、1つのオキソR置換基で置換されていてもよく、
は、単環式または二環式C~C10アリール基、N、OおよびSから独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有する5から10環員を持つ単環式または二環式ヘテロアリール基、ならびにN、OおよびSから独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する5から10環員を持つ単環式または二環式ヘテロシクリル基から選択され、ここで、C~C10アリール基、ヘテロアリール基またはヘテロシクリル基は、非置換であるか、または1つ、2つもしくは3つのR4a置換基で置換されており、
4aは、各場合において、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)、-N(C~Cアルキル)、-C(=O)-(C~Cアルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)-O-(C~Cアルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)NH(C~Cアルキル)および-C(=O)N(C~Cアルキル)から独立して選択され、ヘテロシクリルR基は、1つのオキソ置換基でさらに置換されていてもよく、
さらにここで、
が非置換または置換フェニル環であり、Rが式-(CR3b=CR3c)-Qの基である場合、以下のうちの少なくとも1つが当てはまる:
a)Rが、少なくとも1つの-O-(C~Cアルキル)基で置換されている、
b)Qが、オキサジアゾールではない、
c)R3bが、-Hではない、
d)R3cが、-Hではない、
e)Rが、2-ピリジル基ではない、または
f)Rが、2つもしくはそれよりも多い-O-(C~Cアルキル)基で置換されている]
である。
一部の実施形態では、アペリン受容体モジュレーターは、式(I)もしくは(II)の化合物:
または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物
[式中、
は、非置換ピリジル、ピリドニルもしくはピリジンN-オキシドであるか、または、1つ、2つ、3つもしくは4つのR1a置換基で置換されているピリジル、ピリドニルもしくはピリジンN-オキシドであり、
1aは、各場合において、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-C~Cアルケニル、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)-OH、-O-(C~Cハロアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)-OH、-O-(C~Cペルハロアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)、-N(C~Cアルキル)、-C(=O)-(C~Cアルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)-O-(C~Cアルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)NH(C~Cアルキル)、-C(=O)N(C~Cアルキル)、フェニル、-C(=O)-(ヘテロシクリル)またはヘテロシクリル基から独立して選択され、ここで、-C(=O)-(ヘテロシクリル)またはヘテロシクリル基のヘテロシクリル基は、N、OまたはSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有する3から7員環であり、
は、-HもしくはC~Cアルキルから選択されるか、または式IIの化合物中に存在せず、
は、式-(CR3d3e)-(CR3f3g)-Qの基であり、
3dおよびR3eは、-H、-F、-Cl、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)または-N(C~Cアルキル)から独立して選択され、
3fおよびR3gは、-H、-F、-Cl、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)または-N(C~Cアルキル)から独立して選択され、
Qは、単環式もしくは二環式C~C10アリール基、N、OもしくはSから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する5から10環員を持つ単環式もしくは二環式ヘテロアリール基、C~Cシクロアルキル基、またはN、OもしくはSから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する3から7員ヘテロシクリル基であり、ここで、C~C10アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基およびヘテロシクリル基は、非置換であるか、または1つ、2つ、3つもしくは4つのR置換基で置換されており、
は、各場合において、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cアルキニル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)、-N(C~Cアルキル)、-C(=O)-(C~Cアルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)-O-(C~Cアルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)NH(C~Cアルキル)、-C(=O)N(C~Cアルキル)、-S(=O)-(C~Cアルキル)、フェニルまたはヘテロアリール基から独立して選択され、Qヘテロシクリル基は、1つのオキソ置換基で置換されていてもよく、
は、単環式もしくは二環式C~C10アリール基、N、OもしくはSから独立して選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する5から10環員を持つ単環式もしくは二環式ヘテロアリール基、またはN、OもしくはSから独立して選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を含有する5から10環員を持つ単環式もしくは二環式ヘテロシクリル基から選択され、ここで、C~C10アリール基、ヘテロアリール基またはヘテロシクリル基は、非置換であるか、または1つ、2つもしくは3つのR4a置換基で置換されており、
4aは、各場合において、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)、-N(C~Cアルキル)、-C(=O)-(C~Cアルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)-O-(C~Cアルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)NH(C~Cアルキル)または-C(=O)N(C~Cアルキル)から独立して選択され、ヘテロシクリルR基は、1つのオキソ置換基でさらに置換されていてもよい]
である。
上記で注記した通り、本開示のアペリン受容体アゴニスト化合物は、複数の互変異性形態で存在してよい。これは、RがHである式Iの化合物において特に当てはまる。これらの形態を以下で互変異性体Aおよび互変異性体Bとして例証する:
本開示のアペリン受容体アゴニスト化合物は、構造的に描写され、概して、「互変異性体A」形態の化合物と呼ばれる。しかしながら、化合物は「互変異性体B」形態で存在することが具体的に企図されておりかつ公知であり、故に、「互変異性体B」形態の化合物は明示的に本開示の一部であるとみなされる。この理由から、特許請求の範囲では式Iおよび式IIの化合物に言及する。化合物に応じて、一部の化合物は、別のものよりも1つの形態で主として存在してよい。また、化合物および1つの互変異性体を他のものに変換するために必要とされるエネルギーに応じて、一部の化合物は室温で混合物として存在しうるのに対し、他のものは1つの互変異性形態またはその他で単離されうる。
式(I)および(II)の一部の実施形態では、Rは、非置換ピリジルであるか、または1つもしくは2つのR1a置換基で置換されているピリジルである。
式(I)および(II)の一部の実施形態では、R1aは、各場合において、-CH、-CHCH、-F、-Cl、-Br、-CN、-CF、-CH=CH、-C(=O)NH、-C(=O)NH(CH)、-C(=O)N(CH、-C(=O)NH(CHCH)、-OH、-OCH、-OCHF、-OCHCH、-OCHCF、-OCHCHOH、-OCHC(CHOH、-OCHC(CFOH、-OCHCHOCH、-NH、-NHCH、-N(CH、フェニルおよび式
の基から独立して選択され、式中、記号
は、結合を横切って描かれている場合、分子の残りの部分との結合点を示す。
式(I)および(II)の一部の実施形態では、Rは、
から選択され、式中、記号
は、結合を横切って描かれている場合、分子の残りの部分との結合点を示す。
式(I)および(II)の一部の実施形態では、Rは、
から選択され、式中、記号
は、結合を横切って描かれている場合、分子の残りの部分との結合点を示す。
式(I)および(II)の一部の実施形態では、Rは-Hである。
式(I)および(II)の一部の実施形態では、Rは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、イソオキサゾリル、インドリル、ナフチルまたはピリジニルであり、そのうちのいずれかは、非置換であるか、または1つ、2つもしくは3つのR4a置換基で置換されていてもよい。式(I)および(II)の一部の実施形態では、Rは、1つまたは2つのR4a置換基で置換されているフェニルである。式(I)および(II)の一部の実施形態では、1つまたは2つのR4a置換基は、-O-(C~Cアルキル)基である。
式(I)および(II)の一部の実施形態では、R4aは、各場合において、-CH、-F、-Cl、-Br、-CN、-CF、-OCH、-OCHF、-OCHCH、-C(=O)OCH、-C(=O)CHまたは-N(CHから独立して選択される。
式(I)および(II)の一部の実施形態では、Rは、
から選択され、式中、記号
は、結合を横切って描かれている場合、分子の残りの部分との結合点を示す。
式(I)および(II)の一部の実施形態では、Rは、式-(CR3b3c)-Qの基、式-NH-(CR3b3c)-Qの基、式-(CR3b3c)-C(=O)-Qの基、式-(CR3d3e)-(CR3f3g)-Qの基、式-(CR3b=CR3c)-Qの基または式-(ヘテロシクリル)-Qの基から選択され、ここで、-(ヘテロシクリル)-Qのヘテロシクリルは、5から7環員を有し、そのうちの1、2または3個は、N、OまたはSから選択されるヘテロ原子であり、非置換であるか、または1つ、2つもしくは3つのR3h置換基で置換されている。
式(I)および(II)の一部の実施形態では、Qは、ピリミジニル、ピリジル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、フェニル、テトラヒドロピリミジノニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、モルホリニル、ピロリジニル、ピラジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、ピラゾリルまたはオキセタニルから選択され、そのうちのいずれかは、非置換であるか、または1つ、2つもしくは3つのR置換基で置換されていてもよい。
式(I)および(II)の一部の実施形態では、Qは、N、OまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有する5または6環員を持つ単環式ヘテロアリール基であり、Qは、非置換であるか、または1つもしくは2つのR置換基で置換されている。
式(I)および(II)の一部の実施形態では、Qは、


から選択され、式中、記号
は、結合を横切って描かれている場合、分子の残りの部分との結合点を示す。
式(I)および(II)の一部の実施形態では、Rは、式-(ヘテロシクリル)-Qの基であり、ここで、-(ヘテロシクリル)-Qのヘテロシクリルは、5から7環員を有し、そのうちの1、2または3個は、N、OまたはSから選択されるヘテロ原子であり、非置換であるか、または1つ、2つもしくは3つのR3h置換基で置換されている。
式(I)および(II)の一部の実施形態では、Rは、式-(CR3d3e)-(CR3f3g)-Qの基である。
式(I)および(II)の一部の実施形態では、Rは、式
を有し、式中、記号
は、結合を横切って描かれている場合、分子の残りの部分との結合点を示す。
式(I)および(II)の一部の実施形態では、Rは、式
を有し、式中、記号
は、結合を横切って描かれている場合、分子の残りの部分との結合点を示す。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、
(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(6-メトキシ-2-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド;
(2S,3R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-ブタンスルホンアミド;
(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド;
(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-ヒドロキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド;
(1S,2R)-1-(5-クロロ-2-ピリミジニル)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-2-プロパンスルホンアミド;
(1S,2R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピラジニル)-2-プロパンスルホンアミド;
(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-ヒドロキシ-1-(5-メチル-2-ピラジニル)-2-プロパンスルホンアミド;
(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド;
(2S,3R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-ブタンスルホンアミド;
(1R,2S)-1-(5-クロロ-2-ピリミジニル)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-2-プロパンスルホンアミド;
(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド;
(1S,2R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピラジニル)-2-プロパンスルホンアミド;
(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(6-メチル-2-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-ヒドロキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド;
(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド;
(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-(5-フルオロ-2-ピリミジニル)-1-メトキシ-2-プロパンスルホンアミド;
(2S,3R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2-ピラジニル)-2-ブタンスルホンアミド;
(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-1-(5-フルオロ-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド;
(1S,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-(1-メチルエトキシ)-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド;
(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-(1-メチルエトキシ)-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド;
(1S,2R)-1-(5-クロロ-2-ピリミジニル)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-2-プロパンスルホンアミド;
(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メトキシ-2-ピラジニル)-2-プロパンスルホンアミド;
(2S,3R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2-ピラジニル)-2-ブタンスルホンアミド;
(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-1-(5-フルオロ-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド;
(1R,2S)-N-(4-(4,6-ジメトキシ-5-ピリミジニル)-5-(6-メトキシ-2-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド;
(1R,2R)-1-(5-クロロ-2-ピリミジニル)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-2-プロパンスルホンアミド;または
(1S,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド
である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(6-メトキシ-2-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-ヒドロキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1S,2R)-1-(5-クロロ-2-ピリミジニル)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1S,2R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピラジニル)-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-ヒドロキシ-1-(5-メチル-2-ピラジニル)-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(2S,3R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-ブタンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-1-(5-クロロ-2-ピリミジニル)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1S,2R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピラジニル)-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(6-メチル-2-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-ヒドロキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-(5-フルオロ-2-ピリミジニル)-1-メトキシ-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(2S,3R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2-ピラジニル)-2-ブタンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-1-(5-フルオロ-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1S,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-(1-メチルエトキシ)-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-(1-メチルエトキシ)-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1S,2R)-1-(5-クロロ-2-ピリミジニル)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メトキシ-2-ピラジニル)-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(2S,3R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2-ピラジニル)-2-ブタンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-1-(5-フルオロ-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(4,6-ジメトキシ-5-ピリミジニル)-5-(6-メトキシ-2-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2R)-1-(5-クロロ-2-ピリミジニル)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1S,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(6-メトキシ-2-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-ヒドロキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1S,2R)-1-(5-クロロ-2-ピリミジニル)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1S,2R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピラジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-ヒドロキシ-1-(5-メチル-2-ピラジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(2S,3R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-ブタンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-1-(5-クロロ-2-ピリミジニル)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1S,2R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピラジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(6-メチル-2-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-ヒドロキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-(5-フルオロ-2-ピリミジニル)-1-メトキシ-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(2S,3R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2-ピラジニル)-2-ブタンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-1-(5-フルオロ-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1S,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-(1-メチルエトキシ)-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-(1-メチルエトキシ)-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1S,2R)-1-(5-クロロ-2-ピリミジニル)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メトキシ-2-ピラジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(2S,3R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2-ピラジニル)-2-ブタンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-1-(5-フルオロ-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(4,6-ジメトキシ-5-ピリミジニル)-5-(6-メトキシ-2-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2R)-1-(5-クロロ-2-ピリミジニル)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1S,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-エトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-(6-メトキシ-2-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1R,2S)-N-(4-(4,6-ジメトキシ-5-ピリミジニル)-5-(2-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-メトキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-イソプロポキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(1S,2S)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1-イソプロポキシ-1-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-プロパンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-ブタンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、(2S,3R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-ブタンスルホンアミド(BGE-105)または薬学的に許容されるその塩である。
式(I)および(II)の特定の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、
(BGE-105)または薬学的に許容されるその塩である。
それらの開示が参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第9,573,936号、同第9,868,721号、同第9,745,286号、同第9,656,997号、同第9,751,864号、同第9,656,998号、同第9,845,310号、同第10,058,550号、同第10,221,162号および同第10,344,016号は、式(I)または(II)のアペリン受容体アゴニスト、およびBGE-105を含むアペリン受容体のそのようなトリアゾールアゴニストを合成する方法について記述している。例えば、米国特許第9,573,936号の実施例263.0を参照されたい。
任意の変数が化学式中に1回を超えて出現する場合、出現ごとのその定義は、他のすべての出現におけるその定義とは無関係である。化学構造および化学名が相反する場合、化学構造が化合物の正体を決定するものである。本開示の化合物は、1つまたは複数のキラル中心および/または二重結合を含有してよく、したがって、二重結合異性体(すなわち、幾何異性体)、鏡像異性体またはジアステレオマー等の立体異性体として存在してよい。したがって、全体的にまたは部分的に、相対配置で描写されている本明細書の範囲内のあらゆる化学構造は、立体異性的に純粋な形態(例えば、幾何学的に純粋、鏡像異性的に純粋またはジアステレオマー的に純粋)ならびに鏡像異性および立体異性混合物を含む例証されている化合物のすべての考えられる鏡像異性体および立体異性体を包含する。鏡像異性および立体異性混合物は、当業者に周知である分離技術またはキラル合成技術を使用して、成分の鏡像異性体または立体異性体に分割されうる。
本開示のある特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を保有する場合があり、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、幾何異性体および個々の異性体は、いずれも本発明の範囲内に包含されるように意図されている。さらに、アトロプ異性体およびそれらの混合物(互いに結合した2つの芳香族またはヘテロ芳香族環周囲での制限された回転から生じたもの等)は、本発明の範囲内に包含されるように意図されている。例えば、Rがフェニル基であり、トリアゾールのN原子の結合点に隣接するC原子と結合している2つの基で置換されている場合、フェニルの回転は制限される場合がある。一部の場合において、回転障壁は、異なるアトロプ異性体が分離および単離されうるのに十分高い。
別段の指示がない限り、用語「立体異性体」または「立体的に純粋な」は、その化合物の他の立体異性体を実質的に含まない、化合物の1つの立体異性体を意味する。例えば、1つのキラル中心を有する立体的に純粋な化合物は、化合物の反対の鏡像異性体を実質的に含まないことになる。2つのキラル中心を有する立体的に純粋な化合物は、化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まないことになる。典型的な立体的に純粋な化合物は、約80重量%より大きい化合物の1つの立体異性体および約20重量%未満の化合物の他の立体異性体、より好ましくは約90重量%より大きい化合物の1つの立体異性体および約10重量%未満の化合物の他の立体異性体、さらに一層好ましくは約95重量%より大きい化合物の1つの立体異性体および約5重量%未満の化合物の他の立体異性体、ならびに最も好ましくは約97重量%より大きい化合物の1つの立体異性体および約3重量%未満の化合物の他の立体異性体を含む。構造または構造の一部の立体化学が、例えば太字体または破線のいずれでも示されていない場合、構造または構造の一部は、そのすべての立体異性体を包含するものとして解釈されるべきである。波線で描かれている結合は、両方の立体異性体が包含されることを示す。
本開示の種々の化合物は、1つまたは複数のキラル中心を含有し、鏡像異性体のラセミ混合物、ジアステレオマーの混合物、または鏡像異性的にもしくは光学的に純粋な化合物として存在することができる。本発明は、そのような化合物の立体的に純粋な形態の使用、およびそれらの形態の混合物の使用を包含する。例えば、本発明の特定の化合物の等しい量または等しくない量の鏡像異性体を含む混合物を、本発明の方法および組成物において使用してよい。これらの異性体は、キラルカラムまたはキラル分割剤等の標準的な技術を使用して、不斉に合成または分割されうる。
本開示の化合物は、式Iの化合物およびそのすべての薬学的に許容される形態を含むがこれらに限定されない。本明細書で挙げられている化合物の薬学的に許容される形態は、薬学的に許容される塩、溶媒和物、結晶形態(多形体およびクラスレートを含む)、キレート、非共有結合複合体、プロドラッグ、およびそれらの混合物を含む。ある特定の実施形態では、本明細書で記述されている化合物は、薬学的に許容される塩の形態である。用語「化合物」は、化合物自体だけでなく、薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物、そのキレート、その非共有結合複合体、そのプロドラッグ、および前述のうちのいずれかの混合物も包含する。一部の実施形態では、用語「化合物」は、化合物自体、薬学的に許容されるその塩、化合物の互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、および(C~C)アルキルエステル等のエステルプロドラッグを包含する。他の実施形態では、用語「化合物」は、化合物自体、薬学的に許容されるその塩、化合物の互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩を包含する。
用語「溶媒和物」は、溶媒および化合物の相互作用によって形成された化合物を指す。好適な溶媒和物は、一水和物および半水和物を含む水和物等の薬学的に許容される溶媒和物である。
本開示の化合物は、そのような化合物を構成する原子の1個または複数において非天然の割合の原子同位体も含有してよい。例えば、化合物は、例えば、三重水素(H)、ヨウ素-125(125I)または炭素-14(14C)等の放射性同位体で放射性標識されていてよい。放射性標識化合物は、治療または予防剤、研究試薬、例えばアッセイ試薬、および診断剤、例えばin vivoイメージング剤として有用である。本発明の化合物のすべての同位体バリエーションは、放射性であるか否かにかかわらず、本発明の範囲内に包含されるように意図されている。例えば、変数がHであると言われているまたは示されている場合、これは、変数が重水素(D)または三重水素(T)であってもよいことを意味する。
用語「薬学的に許容される塩」は、対象への投与に許容される塩を指す。薬学的に許容される塩の例は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩および硝酸塩等の鉱酸塩;メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩およびトリフルオロメタンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、安息香酸塩、マンデル酸塩、アスコルビン酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩およびリンゴ酸塩等の有機酸塩;グリシン塩、リシン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩およびアスパラギン酸塩等のアミノ酸塩;リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩等の無機塩;ならびに、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩およびシクロヘキシルアミン塩等の有機塩基との塩を含むがこれらに限定されない。用語「塩」は、本明細書で使用される場合、水和物塩を包含する。
薬学的塩の他の例は、好適なカチオンと化合された本開示の化合物のアニオンを含む。治療的使用のために、本開示の化合物の塩は、薬学的に許容されるものであることができる。しかしながら、薬学的に許容されない酸および塩基の塩は、例えば、薬学的に許容される化合物の調製または精製において使用を見出す場合もある。
本発明の組成物および方法に含まれる性質が塩基性である化合物は、種々の無機および有機酸と多種多様な塩を形成することができる。そのような塩基性化合物の薬学的に許容される酸付加塩を調製するために使用されうる酸は、非毒性酸付加塩、すなわち、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸リン酸塩(acid phosphate)、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩(glucaronate)、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩(すなわち、1,1’-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエート))の塩を含むがこれらに限定されない、薬理学的に許容されるアニオンを含有する塩を形成するものである。
本発明の組成物および方法に含まれる性質が酸性である化合物は、種々の薬理学的に許容されるカチオンと塩基塩を形成することができる。そのような塩の例は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、ならびに、特に、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、カリウム塩および鉄塩を含む。
さらに、本発明の化合物またはその塩が水和物または溶媒和物を形成する場合、これらも本発明の化合物またはその塩の範囲内に含まれる。
本発明の組成物および方法に含まれる塩基性または酸性部分を含む化合物は、種々のアミノ酸と薬学的に許容される塩を形成することもできる。本開示の化合物は、酸性および塩基性基の両方、例えば、1つのアミノおよび1つのカルボン酸基を含有することができる。そのような事例では、化合物は、酸付加塩、両性イオンまたは塩基塩として存在することができる。
5.4.1. 医薬組成物
本明細書で記述されている方法において使用されるアペリン受容体アゴニスト化合物は、任意の好適な投与ルートによる投与のための任意の適切な医薬組成物で製剤化されうる。医薬組成物は、本明細書で記述されている実施形態のいずれか1つに従う化合物、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のうちのいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤、担体または希釈剤とを含むことができる。一部のそのような実施形態では、実施形態のいずれか1つに従う化合物、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のうちのいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物は、APJ受容体を活性化するための筋肉状態(例えば、本明細書で記述されている通り)の処置に有効な量で存在する。
好適な投与ルートは、経口、局所および静脈投与ルートを含むがこれらに限定されない。好適なルートは、経口吸入によるものを含む肺投与も含む。最も好適なルートは、レシピエントの状態および障害によって決まりうる。製剤は、好都合なことに単位剤形で提示されてよく、調剤分野において公知である方法のいずれかによって調製されてよい。
一部の実施形態では、医薬組成物は、経口送達のために製剤化されるのに対し、他の実施形態では、医薬組成物は、静脈内送達のために製剤化される。一部の実施形態では、医薬組成物は、1日に1回またはQDの経口投与のために製剤化され、一部のそのような製剤は、活性成分の有効用量が、5mgから60mgまで、6mgから58mgまで、10mgから40mgまで、15mgから30mgまで、16mgから25mgまで、または17mgから20mgまでの範囲に及ぶ錠剤である。一部のそのような組成物において、活性成分の量は17mgである。
すべての方法は、アペリンアゴニストまたはその塩を、1つまたは複数の賦形剤を構成する担体と会合させるステップを含む。概して、製剤は、活性成分を、液体担体もしくは微粉化した固体担体または両方と均一にかつ密接に会合させ、次いで、必要ならば、生成物を所望の製剤に成形することによって、調製される。
ある特定の実施形態では、本明細書で記述されている方法において使用するための投与ルートは、非経口投与である。ある特定の実施形態では、本明細書で記述されている方法において使用するための投与ルートは、静脈内投与(例えば、静脈内注入)である。ある特定の実施形態では、本明細書で記述されている方法において使用するための投与ルートは、経口投与である。ある特定の実施形態では、本明細書で記述されている方法において使用するための投与ルートは、一定の静脈内注入である。
経口投与に好適な本発明の方法の製剤は、所定量の活性成分をそれぞれ含有するカプセル剤、カシェ剤もしくは錠剤等の別々の単位として;散剤もしくは顆粒剤として;水性液体もしくは非水性液体中の液剤もしくは懸濁剤として;または水中油型液体乳剤もしくは油中水型液体乳剤として提示されてよい。活性成分は、ボーラス剤、舐剤またはペースト剤として提示されてもよい。
非経口投与用の製剤は、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、および製剤を意図されているレシピエントの血液と等張にする溶質を含有してよい、水性および非水性滅菌注射溶液を含む。非経口投与用の製剤は、水性および非水性滅菌懸濁物も含み、これらは懸濁化剤および増粘剤を含んでよい。製剤は、複数回用量容器の単位用量、例えば密閉アンプルおよびバイアル中で提示されてよく、使用直前に、滅菌液体担体、例えば食塩水、リン酸緩衝食塩水(PBS)等の添加のみを要するフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵されてよい。即席注射溶液および懸濁物は、これまでに記述した種類の滅菌散剤、顆粒剤および錠剤から調製されてよい。
医薬組成物は、1つまたは複数の医薬賦形剤を含んでよい。任意の好適な医薬賦形剤が使用されてよく、当業者は、好適な医薬賦形剤を選択することができる。医薬賦形剤は、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients, 8th Revised Ed. (2017)において記述されているものを含む。
5.4.2. 投薬量レジメン
種々の実施形態では、アペリン受容体アゴニスト(例えば、本明細書で記述されている通り)は、加齢に関連する筋肉状態(例えば、本明細書で記述されている通り)を処置するために十分な用量で投与される。
種々の実施形態では、アペリン受容体アゴニスト(例えば、本明細書で記述されている通り)は、高齢の対象において筋肉質量および/または筋肉の強さを維持するおよび/または増大させるための方法で投与される。一部の実施形態では、高齢の対象はヒトであり、少なくとも50歳、少なくとも55歳、少なくとも60歳、または少なくとも65歳である。
種々の実施形態では、アペリン受容体アゴニストの用量は、少なくとも0.01mg/kg、例を挙げると、少なくとも0.5mg/kg、または少なくとも1mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、1日当たり25mg/kgから1,000mg/kgである。
一部の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、患者の体重とも表面積とも無関係な用量(一律用量)で投与される。
種々の実施形態では、用量は、1~5000mgである。種々の実施形態では、用量は、25~2000mgである。一部の実施形態では、用量は、少なくとも60mg、少なくとも100mg、少なくとも120mg、少なくとも140mg、少なくとも160mg、少なくとも180mg、少なくとも200mg、少なくとも220mg、少なくとも240mg、少なくとも260mg、少なくとも280mg、少なくとも300mg、少なくとも320mg、少なくとも340mg、少なくとも360mg、少なくとも380mg、少なくとも400mg、少なくとも420mg、少なくとも440mg、少なくとも460mg、少なくとも480mg、少なくとも500mg、少なくとも520mg、少なくとも550mg、少なくとも580mg、少なくとも600mg、少なくとも650mg、少なくとも700mg、少なくとも750mg、少なくとも800mg、少なくとも850mg、少なくとも900mg、少なくとも950mg、少なくとも1000mg、少なくとも1100mg、少なくとも1200mg、少なくとも1300mg、少なくとも1400mg、または少なくとも100mgである。種々の実施形態では、用量は、25~2000mgである。一部の実施形態では、用量は、少なくとも200mgである。
アペリン受容体アゴニストは、単回用量でまたは複数回用量で投与されうる。
一部の実施形態では、用量は、毎日投与される。
一部の実施形態では、用量は、複数の均等にまたは不均等に分割された部分用量(sub-dose)として投与される。
ある特定の実施形態では、用量は、ある期間にわたって継続的に(例えば、IV注入)投与される。ある特定の実施形態では、用量は、静脈内注入用量として、ある期間(例えば、10分、20分、30分、40分、50分、1時間、2時間、3時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間または10時間)にわたって投与される。ある特定の実施形態では、その用量後に、用量が、静脈内注入維持用量として、ある期間(例えば、10分、20分、30分、40分、50分、1時間、2時間、3時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間または48時間)にわたって投与される。ある特定の実施形態では、ある用量および24時間または48時間の洗い出し期間後に、用量が、静脈内注入維持用量として、ある期間(例えば、10分、20分、30分、40分、50分、1時間、2時間、3時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間または48時間)にわたって投与される。ある特定の実施形態では、第1の用量および24時間または48時間の洗い出し期間後に、用量が、静脈内注入用量として、ある期間(例えば、10分、20分、30分、40分、50分、1時間、2時間、3時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間または10時間)にわたって、続いて、第2の用量が、ある期間(例えば、10分、20分、30分、40分、50分、1時間、2時間、3時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間または48時間)にわたって投与される。
一部の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、経口的に、静脈内に、鼻腔内にまたは筋肉内に投与される。一部の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、経口的に投与される。
一部の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、月に1回、月に2回、月に3回、隔週(qow)、週に1回(qw)、週に2回(biw)、週に3回(tiw)、週に4回、週に5回、週に6回、1日おき(qod)、毎日(qd)、1日に2回(qid)、または1日に3回(tid)、約1日から約1週間まで、約2週間から約4週間まで、約1か月から約2か月まで、約2か月から約4か月まで、約4か月から約6か月まで、約6か月から約8か月まで、約8か月から約1年まで、約1年から約2年まで、もしくは約2年から約4年までの、またはそれよりも長い範囲に及ぶ期間にわたって、投与される。一部の実施形態では、アペリン受容体アゴニストは、少なくとも10分、少なくとも20分、少なくとも30分、少なくとも40分、少なくとも50分、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間、少なくとも16時間、少なくとも17時間、少なくとも18時間、少なくとも19時間、少なくとも20時間、少なくとも21時間、少なくとも22時間、少なくとも23時間、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも72時間、少なくとも100時間、少なくとも110時間、少なくとも115時間、少なくとも120時間または少なくとも125時間にわたって継続的に投与される。
5.4.3. 剤形
一部の実施形態では、アペリン受容体モジュレーターまたはその塩は、懸濁剤で投与される。他の実施形態では、アペリン受容体モジュレーターまたはその塩は、液剤で投与される。一部の実施形態では、アペリン受容体モジュレーターまたはその塩は、固体剤形で投与される。特定の実施形態では、固体剤形は、カプセル剤である。特定の実施形態では、固体剤形は、錠剤である。具体的な実施形態では、アペリン受容体モジュレーターは、結晶性または非晶質形態である。特定の実施形態では、アペリン受容体モジュレーターは、非晶質形態である。一部の実施形態では、アペリン受容体モジュレーターは、アペリン受容体アゴニストである。
本発明の一態様では、アペリン受容体モジュレーター、またはそれを含む医薬組成物は、静脈内に、局所的に、経口的に、吸入によって、注入によって、注射によって、腹腔内に、筋肉内に、皮下に、耳内に、関節内投与によって、乳房内投与によって、局所投与によって、または上皮もしくは皮膚粘膜内層を経由する吸収によって、投与される。ある特定の実施形態では、アペリン受容体モジュレーター、またはそれを含む医薬組成物は、静脈内注入を介して投与される。
5.5. 定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されている意味を有する。
用語「個体」、「宿主」および「対象」は交換可能に使用され、ヒトおよび非ヒト霊長類;ラットおよびマウスを含むげっ歯類;ウシ;ウマ;ヒツジ;ネコ;ならびにイヌを含むがこれらに限定されない、処置すべき動物を指す。「哺乳動物」は、任意の哺乳類種のメンバー(単数または複数)を意味する。非ヒト動物モデル、すなわち、哺乳動物、非ヒト霊長類、ネズミ、ウサギ目等を実験的調査に使用してよい。用語「患者」は、ヒト対象を指す。
用語「モジュレーター」は、アペリン受容体であってよいがこれに限定されない、標的のレベル、または標的の活性もしくは機能をモジュレートする、化合物または組成物を指す。一部の実施形態では、モジュレーター化合物は、アペリン受容体等の標的をアゴナイズするまたは活性化することができる。標的のアゴニストまたはアクチベーターは、標的に関連する活性またはシグナル伝達のレベルを増大させることができる。
用語「処置すること」、「処置」およびその文法的変形体は、臨床技術分野において理解されている最も広い意味で使用される。したがって、該用語は、疾患の治癒も完全寛解も要さず、該用語は、「通常の」病的でない老化に関連する生理学的尺度における改善を含む、あらゆる臨床的に所望される薬理学的および/または生理学的効果を取得することを包含する。別段の定めがない限り、「処置すること」および「処置」は、予防を包含しない。
語句「治療有効量」は、疾患、状態または障害を処置するために哺乳動物または他の対象に投与される場合に、疾患、状態または障害の処置をもたらすために十分な、化合物の量を指す。「治療有効量」は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに処置される対象の年齢、体重等に応じて変動しうる。
範囲:本開示全体を通して、本発明の種々の態様が範囲形式で提示される。範囲は、挙げられているエンドポイントを含む。範囲形式における記述は、利便性および簡潔さのためにすぎず、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。したがって、範囲の記述は、すべての考えられる部分範囲および範囲内の個々の数値を具体的に開示したものとみなされるべきである。例えば、1から6まで等のある範囲の記述は、1から3まで、1から4まで、1から5まで、2から4まで、2から6まで、3から6まで等の部分範囲および範囲内の個々の数字、例えば1、2、3、4、5、5.3および6を具体的に開示したものとみなされるべきである。これは、範囲の広さにかかわらず当てはまる。
具体的に記載がない限りまたは文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、用語「または」は包括的であると理解される。
具体的に記載がない限りまたは文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、用語「a」、「an」および「the」は、単数または複数であると理解される。すなわち、冠詞「a」および「an」は、本明細書で、冠詞の文法的対象物の1つまたは1つを超えるもの(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。例として、「エレメント」は、1つのエレメントまたは1つを超えるエレメントを意味する。
具体的に記載がない限りまたは別段文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、用語「約」は、当技術分野における通常の許容差の範囲内、例えば、標準偏差の2倍以内として理解され、定められている値から±20%または±10%、より好ましくは±5%、さらに一層好ましくは±1%、およびまたさらに好ましくは±0.1%の変動を包含するようになっている。組成物中における成分または材料の量に関してパーセンテージが提供される場合、パーセンテージは、別段の記載がない限りまたは文脈から理解されるのでない限り、重量に基づくパーセンテージであると理解されるべきである。
ステップの順序またはある特定の動作を実施する順序は、本開示が操作可能なままである限り、重要でないことが理解されるべきである。その上、2つまたはそれよりも多いステップまたは動作を同時に行うことができる。
用語「薬学的に許容される賦形剤」、「薬学的に許容される希釈剤」、「薬学的に許容される担体」および「薬学的に許容される佐剤」は、交換可能に使用され、概して安全、非毒性であり、生物学的にも別様にも望ましくないものでない、医薬組成物を調製する際に有用である賦形剤、希釈剤、担体または佐剤を指し、獣医学への使用およびヒトの薬学への使用に許容される賦形剤、希釈剤、担体および佐剤を含む。語句「薬学的に許容される賦形剤」は、1つおよび1つより多くの両方のそのような賦形剤、希釈剤、担体および/または佐剤を含む。
「アルキル」は、親アルカンの単一の炭素原子からの1個の水素原子の除去によって導出される、飽和分枝鎖または直鎖一価炭化水素基を指す。典型的なアルキル基は、メチル、エチル、プロパン-1-イルおよびプロパン-2-イル等のプロピル類、ブタン-1-イル、ブタン-2-イル、2-メチル-プロパン-1-イル、2-メチル-プロパン-2-イル、tert-ブチル等のブチル類等を含むがこれらに限定されない。ある特定の実施形態では、アルキル基は、1から20個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、アルキル基は1から10個の炭素原子または1から6個の炭素原子を含むのに対し、他の実施形態では、アルキル基は1から4個の炭素原子を含む。また他の実施形態では、アルキル基は、1または2個の炭素原子を含む。分枝鎖アルキル基は、少なくとも3個の炭素原子を含み、典型的には、3から7個、または一部の実施形態では、3から6個の炭素原子を含む。1から6個の炭素原子を有するアルキル基は、(C~C)アルキル基と称されてよく、1から4個の炭素原子を有するアルキル基は、(C~C)アルキルと称されてよい。この命名法を、異なる数の炭素原子を持つアルキル基に使用してもよい。用語「アルキル」は、アルキル基がさらに置換されている置換基である場合にも使用されてよく、この事例では、アルキル置換基の第2の水素原子とC原子との間の結合が、ハロゲン、またはO、NもしくはS原子等であるがこれらに限定されない別の原子との結合で置きかえられている。例えば、基-O-(C~Cアルキル)-OHは、-O原子がC~Cアルキル基と結合しており、C~Cアルキル基のC原子と結合しているH原子のうちの1個が、-OH基のO原子との結合で置きかえられている基として認識されるであろう。別の例として、基-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)は、-O原子が第1のC~Cアルキル基と結合しており、第1のC~Cアルキル基のC原子と結合しているH原子のうちの1個が、第2のC~Cアルキル基と結合している第2のO原子との結合で置きかえられている基として認識されるであろう。
「アルケニル」は、親アルケンの単一の炭素原子からの1個の水素原子の除去によって導出される、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する不飽和分枝鎖または直鎖炭化水素基を指す。基は、二重結合の周囲でZまたはE形態(シスまたはトランス)のいずれかであってよい。典型的なアルケニル基は、エテニル;プロパ-1-エン-1-イル、プロパ-1-エン-2-イル、プロパ-2-エン-1-イル(アリル)およびプロパ-2-エン-2-イル等のプロペニル類;ブタ-1-エン-1-イル、ブタ-1-エン-2-イル、2-メチル-プロパ-1-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-2-イル、ブタ-1,3-ジエン-1-イルおよびブタ-1,3-ジエン-2-イル等のブテニル類等を含むがこれらに限定されない。ある特定の実施形態では、アルケニル基は、2から20個の炭素原子を有し、他の実施形態では、2から6個の炭素原子を有する。2から6個の炭素原子を有するアルケニル基は、(C~C)アルケニル基と称されうる。
「アルキニル」は、親アルキンの単一の炭素原子からの1個の水素原子の除去によって導出される、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する不飽和分枝鎖または直鎖炭化水素を指す。典型的なアルキニル基は、エチニル;プロピニル;ブチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル等を含むがこれらに限定されない。ある特定の実施形態では、アルキニル基は、2から20個の炭素原子を有し、他の実施形態では、2から6個の炭素原子を有する。2から6個の炭素原子を有するアルキニル基は、-(C~C)アルキニル基と称されうる。
「アルコキシ」は、ラジカル-ORを指し、ここで、Rは、本明細書において定義される通りのアルキル基を表す。代表例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ等を含むがこれらに限定されない。典型的なアルコキシ基は、1から10個の炭素原子、1から6個の炭素原子または1から4個の炭素原子をR基中に含む。1から6個の炭素原子を含むアルコキシ基は、-O-(C~C)アルキルまたは-O-(C~Cアルキル)基と指定されうる。一部の実施形態では、アルコキシ基は、1から4個の炭素原子を含んでよく、-O-(C~C)アルキルまたは-O-(C~Cアルキル)基と指定されうる。
「アリール」は、親芳香族環系の単一の炭素原子からの1個の水素原子の除去によって導出される、一価芳香族炭化水素基を指す。アリールは、単環式炭素環式芳香族環、例えばベンゼンを包含する。アリールは、環のそれぞれが芳香族である二環式炭素環式芳香族環系、例えばナフタレンも包含する。故に、アリール基は、各環が炭素環式芳香族環である縮合環系を含んでよい。ある特定の実施形態では、アリール基は、6から10個の炭素原子を含む。そのような基は、C~C10アリール基と称されうる。しかしながら、アリールは、決して以下で別個に定義される通りのヘテロアリールを包含するものでもそれと重複するものでもない。故に、1つまたは複数の炭素環式芳香族環が、少なくとも1個のヘテロ原子を含む芳香族環と縮合する場合、得られる環系はヘテロアリール基であり、本明細書において定義される通りのアリール基ではない。
「カルボニル」は、ラジカル-C(O)または-C(=O)基を指す。
「カルボキシ」は、ラジカル-C(O)OHを指す。
「シアノ」は、ラジカル-CNを指す。
「シクロアルキル」は、親シクロアルカンの単一の炭素原子からの1個の水素原子の除去によって導出される、飽和環状アルキル基を指す。典型的なシクロアルキル基は、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等に由来する基を含むがこれらに限定されない。シクロアルキル基は、環中の炭素原子の数によって記述されてよい。例えば、3から7環員を有するシクロアルキル基は、(C~C)シクロアルキルと称されてよく、4から7環員を有するシクロアルキル基は、(C~C)シクロアルキルと称されてよい。ある特定の実施形態では、シクロアルキル基は、(C~C10)シクロアルキル、(C~C)シクロアルキル、(C~C)シクロアルキル、(C~C)シクロアルキルまたは(C~C)シクロアルキル基であることができ、これらは、代替言語を使用して、C~C10シクロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~CシクロアルキルまたはC~Cシクロアルキル基と称されてよい。
「ヘテロシクリル」は、少なくとも1つの飽和または不飽和であるが非芳香族の環式環を含む、環式基を指す。ヘテロシクリル基は、少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含む。典型的なヘテロ原子は、O、SおよびNを含み、独立して選択される。ヘテロシクリル基は、単環式環系および二環式環系を含む。二環式ヘテロシクリル基は、シクロアルキル環と縮合していてよいまたは芳香族環と縮合していてよい少なくとも1つのヘテロ原子環員を持つ少なくとも1つの非芳香族環を含み、ここで、芳香族環は、炭素環式であってもよいし、または1個もしくは複数のヘテロ原子を含んでもよい。二環式ヘテロシクリル基の結合点は、少なくとも1個のヘテロ原子を含む非芳香族環式環にまたはヘテロシクリル基の別の環にあってよい。例えば、以下に示す9員複素環式化合物のうちの1つからの水素原子の除去によって導出されたヘテロシクリル基は、5員環でまたは6員環で分子の残りの部分と結合していてよい。
一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、5から10環員を含み、そのうちの1、2、3もしくは4個または1、2もしくは3個は、O、SまたはNから独立して選択されるヘテロ原子である。他の実施形態では、ヘテロシクリル基は、3から7環員を含み、そのうちの1、2または3個のヘテロ原子は、O、SまたはNから独立して選択される。そのような3~7員ヘテロシクリル基において、環が3員しか含まない場合、環原子のうちの1個のみがヘテロ原子であり、環が4員を含む場合、1または2個のヘテロ原子を含む。一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、3または4環員を含み、そのうちの1個は、O、SまたはNから選択されるヘテロ原子である。他の実施形態では、ヘテロシクリル基は、5から7環員を含み、そのうちの1、2または3個は、O、SまたはNから独立して選択されるヘテロ原子である。典型的なヘテロシクリル基は、エポキシド、アジリジン、アゼチジン、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ヘキサヒドロピリミジン、1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン、ピラゾリジン、ピロリジン、キヌクリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ベンズイミダゾロン、ピリジノン等に由来する基を含むがこれらに限定されない。置換ヘテロシクリルは、1つまたは複数のオキソ(=O)またはオキシド(-O)置換基で置換された環系、例を挙げると、ピペリジニルN-オキシド、モルホリニル-N-オキシド、1-オキソ-1-チオモルホリニル、ピリジノニル、ベンズイミダゾロニル、ベンゾ[d]オキサゾール-2(3H)-オニル(only)、3,4-ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オニル(only)、インドリン-オニル(only)、1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2(3H)-オニル(only)、7H-プリン-8(9H)-オニル(only)、イミダゾリジン-2-オニル(only)、1H-イミダゾール-2(3H)-オニル(only)、1,1-ジオキソ-1-チオモルホリニル等も含む。
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード基を指す。
「ハロアルキル」は、少なくとも1個の水素がハロゲンで置きかえられているアルキル基を指す。故に、用語「ハロアルキル」は、モノハロアルキル(1個のハロゲン原子で置換されているアルキル)およびポリハロアルキル(2個またはそれよりも多いハロゲン原子で置換されているアルキル)を含む。代表的な「ハロアルキル」基は、ジフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル等を含む。用語「ペルハロアルキル」は、別段の記載がない限り、水素原子のそれぞれがハロゲン原子で置きかえられているアルキル基を意味する。例えば、用語「ペルハロアルキル」は、トリフルオロメチル、ペンタクロロエチル、1,1,1-トリフルオロ-2-ブロモ-2-クロロエチル等を含むがこれらに限定されない。
「ヘテロアリール」は、親ヘテロ芳香族環系の単一原子からの1個の水素原子の除去によって導出される、一価ヘテロ芳香族基を指す。ヘテロアリール基は、典型的には、5から14員を含むが、より典型的には、O、SまたはNから選択される1個もしくは複数、例えば、1、2、3もしくは4個、またはある特定の実施形態では、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する5から10員芳香族、単環式、二環式および三環式環を含み、残りの部分の環原子は炭素である。単環式ヘテロアリール基において、単環は芳香族であり、少なくとも1個のヘテロ原子を含む。一部の実施形態では、単環式ヘテロアリール基は、5または6環員を含んでよく、1、2、3もしくは4個のヘテロ原子、1、2もしくは3個のヘテロ原子、1もしくは2個のヘテロ原子、または1個のヘテロ原子を含んでよく、ここで、ヘテロ原子は、O、SまたはNから独立して選択される。二環式芳香族環において、両方の環は芳香族である。二環式ヘテロアリール基において、環の少なくとも1つはヘテロ原子を含まなくてはならないが、両方の環がヘテロ原子を含むことは必ずしも必要ではないにしても許されている。例えば、用語「ヘテロアリール」は、炭素環式芳香族環と縮合しているまたは別のヘテロ芳香族環と縮合している5から7員ヘテロ芳香族環を含む。三環式芳香族環において、環の3つすべてが芳香族であり、環の少なくとも1つは少なくとも1個のヘテロ原子を含む。環の1つのみが1個または複数のヘテロ原子を含有する縮合した二環式および三環式ヘテロアリール環系では、結合点は、少なくとも1個のヘテロ原子を含む環にまたは炭素環式環にあってよい。ヘテロアリール基中におけるSおよびO原子の合計数が1個を超える場合、それらのヘテロ原子は互いに隣接していない。ある特定の実施形態では、ヘテロアリール基中におけるSおよびO原子の合計数は、2個を超えない。ある特定の実施形態では、芳香族複素環中におけるSおよびO原子の合計数は、1個を超えない。ヘテロアリールは、上記で定義した通りのアリールを包含するものでもそれと重複するものでもない。ヘテロアリール基の例は、アクリジン、カルバゾール、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソキノリン、イソチアゾール、2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール等に由来する基を含むがこれらに限定されない。ある特定の実施形態では、ヘテロアリール基は、例えば、5から14員または5から10員ヘテロアリール等、5から20員の間のヘテロアリールであることができる。ある特定の実施形態では、ヘテロアリール基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾールベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、オキサゾール、テトラゾールおよびピラジンに由来するものであることができる。
本明細書で記述されている通り、本文は、本発明の化合物、組成物および方法の種々の実施形態に言及する。記述されている種々の実施形態は、様々な例証的な例を提供するようになっており、代替種の記述として解釈されるべきではない。むしろ、本明細書で提供される種々の実施形態の記述は範囲が重複する可能性があることに留意すべきである。本明細書で論じられる実施形態は、例証的なものにすぎず、本発明の技術の範囲を限定するようにはなっていない。
6. 実施例
以下は、本発明を行うための具体的な実施形態の例である。例は、例証のみを目的として供与され、本発明の範囲を決して限定することを意図したものではない。使用される数字(例えば、量、温度等)に関して正確さを確保するために努力がなされてきたが、当然ながら、若干の実験誤差および偏差が認められるべきである。
本発明の実践では、別段の指示がない限り、当技術分野の技能の範囲内の、タンパク質化学、生化学、組換えDNA技術および薬理学の従来の方法を用いることになる。そのような技術は、文献において十分に説明されている。
6.1. 実施例1:生物情報学分析はヒト健常老化コホートにおけるアペリンおよび全死因死亡率および可動性低下事象の間の関係を同定する
生存予測モデルを使用して、ヒト健常老化コホートにおいて、アペリンの血清レベルと全死因死亡率の将来のリスクとの間の関係を、未公開の臨床転帰データおよびアーカイブに保存された試料に対して作成されたプロテオミクスデータを使用し、生存モデリングに基づいて検査した。加えて、アペリンレベルと可動性低下事象(例えば、歩行、階段を上ること、またはこれらの活動の自己申告の難しさによって示されるような移動活動の減少)との間の関係を検査した。コックス比例ハザードモデルを、アペリンに対して作成されたハザード比および関連するp値とともに使用した。
図2Aに示される通り、上位20%(青色)対下位20%(赤色)のアペリンタンパク質レベルのヒトについて生存確率のカプランマイヤー曲線を作成した。ヒトにおいて、本発明者らは、より高い循環レベルのアペリンが全死因死亡率の減少(p=0.0002)に関連することを発見した。図2Bは同様のモデルを示し、ここで、本発明者らは、より高い循環レベルのアペリンが可動性の増大(p=0.0082)に関連することを発見した。アペリンについてのハザード比(図2Aにおける0.88および図2Bにおける0.89)を、コックス比例ハザードモデルを使用して作成した。図2Aおよび2Bにおけるp値は、これらのハザード比について、ハザード比が各事例において1に等しいという帰無仮説の試験に基づいて算出された。
次に、タンパク質レベルを順位に基づく逆正規化(inverse normalization)に供し、4,575種すべてのタンパク質の正規化されたレベル間のペアワイズスピアマンの相関係数を算出した。アペリン(アペリンタンパク質モジュールと称される;図2C)と有意に相関していた(ベンジャミニ・ホッホベルクFDR<0.05)590種のタンパク質の中でも、超幾何検定は、全死因死亡率(p=1.04E-10)に関連するタンパク質の有意な富化を明らかにした。
次いで、多変量コックス回帰モデルを使用して、アペリンタンパク質モジュールの第1の主成分(PC1)と、年齢、喫煙パック年数および毎月のアルコール摂取量に関して補正した後の死亡率との間の関連について試験した。参照として中央PC1値を使用したこのモデルにおけるPC1の相対死亡率への寄与(すなわち、タームプロット)は、1.43から0.77までの範囲に及んだ(図2D)。
図2Cは、HHSコホートにおけるアペリンタンパク質モジュール(緑色の楕円で強調表示されている)の血清存在度を示す。各ノードはタンパク質を表し、ノード間のエッジは有意な相関を表す。図2Dは、アペリンタンパク質モジュールの第1の主成分および死亡率を示す。相対死亡率(対数;y軸)は、年齢、喫煙パック年数およびアルコール状況に関して補正した後のPC1についての多変量コックス回帰モデルに由来するものであった。使用した参照は、PC1の中央値であった。
6.2. 実施例2:BGE-105は高齢マウスにおいて活動レベルを改善する(フレイル研究)
実施例1で記述されている通りの他の点では健常な老齢ヒトにおけるベースラインアペリンおよびアペリン受容体タンパク質レベルと将来の老化の転帰との関連の発見に基づき、アペリン受容体のアゴニストを高齢のマウスに投与して、同齢の対照と比較した自発的な身体活動に対するアゴニストの効果を評価した。
BGE-105は、以下に示す構造を有する(図1):
BGE-105はアペリン受容体を活性化することが公知であり、ラットにおいて心血管応答を誘発する(Ason et al., JCI Insight. 5(8):1-16(2020))。BGE-105を用いる臨床試験も行って、健常な対象および損なわれた腎機能(NCT03318809)または心不全(NCT03276728)に罹患している対象において、安全性、忍容性および薬物動態を研究した。
現在の研究では、老齢(24月齢)マウスをBGE-105で毎日(水中で自由に)2か月間にわたって処置した。走行データを分析用のコンピューターに無線で送信する自発的なランニングホイールにアクセスできる状態で、動物を収容した。自発的なランニングホイール活動レベルを毎日測定し、体重を2週間ごとに測定した。マウスにおけるフレイルの予防に対するBGE-105の効果を検査した。
正式な試験は、これらの毎日の差異と日数(例えば、実験の1、2、3日目等)の間のスピアマンの相関係数を算出すること、およびこの相関係数が0に等しいという帰無仮説を試験することを伴っていた。
研究の初日(研究1日目)は、動物馴化から開始し、続いて、BGE-105処置開始日を研究19日目(フェーズ1日目)とした。研究は、研究83日目に完結した。活動ホイールモニタリングは、研究1日目に開始し、研究83日目(フェーズ64日目)に終了した。研究の終了時にデータを分析した。BGE-105処置開始後の活動モニタリングの合計持続期間は、64日であった。研究のフレイル部分について、コンピューターモニタリングシステムで受動的にモニターした活動モニタリングホイールを使用してマウスを評価した。
表1に示す通り、研究は、系統C57BL/6由来の23~24月齢マウスを含んでいた。月齢18~24か月の範囲に及ぶマウスは56~69歳の範囲に及ぶヒトと相関し、24か月よりも高齢のマウスは69歳を超えるヒトと相関することが公知である(Flurkey, Currer, and Harrison, 2007. "The mouse in biomedical research" in James G. Fox (ed.), American College of Laboratory Animal Medicine series, Elsevier, AP: Amsterdam; Boston)。この年齢範囲は、動物におけるバイオマーカーの老化変化(senescent change)の存在として定義される「高齢」の定義を満たしている。
マウスを275ug/mLの用量濃度のBGE-105で処置した。BGE-105を脱イオン水に275ug/mLで溶解した。BGE-105を飲料水中に投与して自由に消費させた。化合物は溶解した際には弱酸性であり、pH4.5溶液をもたらした。1N NaOHを添加することによって脱イオン水をpH8.5に調整した。ビヒクル対照群に、薬物を加えない同じpHの水を(自由に)消費させた。
群1~2についての研究パラメーターを表2に提供する。群1~2のマウスについての研究パラメーターは、特定の研究日および/またはフェーズ日における、動物馴化、動物福祉、例を挙げると、動物の体重をチェックすること、臨床検査、処置を施すこと、活動モニタリングおよび血液採取を含んでいた。
活動モニタリングホイール試験
活動モニタリングホイールは、回転をモニターするランニングディスクである。ホイールは、自発的なホイールランニングを1日24時間モニターすることができる。活動をコンピューターモニタリングシステムで受動的にかつ無線でモニターした。ランニングホイール活動レベルを毎日モニターした。ホイールデータを、各群(BGE-105処置 対 対照)における毎日の回転中央値として報告した。マウス活動レベルを各マウスについて1日当たりのホイールの回転数として測定し、ホイールの直径を使用して毎日の走行キロメートルカウントに変換した。各実験群内で、活動についての毎日の中央値を算出した。各実験について、実験開始前のベースライン期間を使用して、各マウスについてのベースライン活動レベルの中央値を算出した。これらのベースラインを同じマウスについての将来の測定から減算した。実験中に得られた毎日補正された中央値を実験の各日についてプロットし、局所回帰(LOESS)を使用して滑らかな曲線を描いた。各群における走行距離間の毎日の差異を算出し、ケンドールの順位相関タウを使用して増大する傾向について試験した。
研究結果
図3Aに示される通り、BGE-105処置マウスは対照よりも有意に活動的であった(ケンドールの順位相関タウp値=0.00228)。この研究を2回実施し、各反復において同様の結果を得た(図3D、ケンドールの順位相関タウp値=1.14e-04)。
活動レベルは、高齢のマウスの両方の群においてこれらの実験の過程にわたって減少した(図3Aおよび図3D)が、処置群における減少は有意に少なく、薬物処置およびビヒクル処置群についての活動曲線の漸進的な発散をもたらした。両方の実験において、実験期間の終了までに、BGE-105処置マウスは、ビヒクルで処置したマウスよりも平均して少なくとも1km/日多く走行した。
グリッドハング試験
4つの20ガロンのプラスチックバケツを使用して、地面からおよそ3フィートに3×3フィートの金属グリッドを吊るした。グリッドのすぐ下の地面に軟質材料で当て物をした。金属グリッドを、バケツの表面に対して垂直となるようにその横に置いた。マウスをグリッドに置き、マウスがぶら下がり始めるように慎重に下げた。グリッドが水平面(すなわち床)と完全に平行になったら、タイマーを開始した。当て物をした床にマウスが落下したらタイマーを停止し、落下するまでの時間を記録およびグラフ化した。
研究結果
ホイール活動の増大に筋肉の強さの増大が付随するか否かを決定するために、フレイル研究の終了間近に、前腕の握力を測定するグリッドハング試験にマウスを供した。BGE-105またはビヒクルによる64日間の処置後、24か月でおよび26か月で再度マウスを試験した。平均落下潜時は、BGE-105処置マウスにおいて増大した(p=0.04、マン・ホイットニーのU検定)(図3Bおよび3C)。このように、BGE-105処置マウスにおいて観察されたランニング活動の増大には、前腕の握力の増大が付随していた。研究の終了時に、BGE-105処置マウスは、TAにおいて有意に高い組織湿重量(図3F)、ならびに腓腹筋および大腿四頭筋においてより高くなる傾向の組織湿重量(図3Gおよび3H)を有し、心臓においては差異を有さなかった(図3I)。BGE-105処置マウスはより高い体重も有した(図3E)が、増大は有意ではなく、ちょうどp値カットオフであった(0.0850)。
6.3. 実施例3:BGE-105はアペリン受容体シグナル伝達経路を活性化する。
アペリン受容体アゴニストの投与は、心臓組織においてAMPKのリン酸化および活性化を誘発することができる。EDTAおよびプロテアーゼ/ホスファターゼ阻害剤を含有するT-PER組織タンパク質抽出試薬(Thermo Fisher Scientific 78510番)を使用し、Omni Bead Ruptor12ホモジナイザーで組織試料を溶解させた。全タンパク質を抽出し、次いで、Pierce(商標)BCAタンパク質アッセイキットを使用して定量化した。レーン当たり等量の全タンパク質を4~12%SDS-PAGEゲルにロードし、PVDF膜に移した。膜をブロックし、抗ホスホAMPKα-Thr172(Cell Signaling Technology、CST番号2535)、総AMPKα(CST番号2532)、抗ホスホAkt-Ser473(CST番号4060)、総Akt(CST番号4685)、抗ホスホERK-1/2-Erk1のThr202/Tyr204およびErk2のThr185/Tyr187(CST番号4370)、総ERK-1/2(CST番号9107)または抗APLNR受容体(abcam、ab214369)抗体でブロットした。バンド強度を、ローディング対照抗β-アクチン(CST番号3700)および抗GAPDH(abcam、ab181602)抗体に対して正規化した。免疫反応性タンパク質は、SuperSignal(商標)ウエストフェムト基質(Thermo Fisher Scientific 34095番)を使用して検出し、Image Lab(商標)ソフトウェア(Bio-Rad Laboratories,Inc.)によって定量化した。
45mg/kgのBGE-105またはビヒクルのマウスへの経口投与後、心臓におけるpAMPKレベルは、ビヒクル対照群よりもBGE-105処置群において有意に高かった、図4A~4B。骨格筋におけるBGE-105の効果も評価した。アペリンは、ヒラメ筋の筋肉においてAktのリン酸化を誘発し、グルコース恒常性を改善することができる。BGE-105処置群において、本発明者らは、ヒラメ筋におけるpAktレベルのわずかに有意な増大(p=0.0516)を観察した、図4C~4D。単位質量当たり、ヒラメ筋は心臓の約半分のアペリン受容体を含有し、図4E~4F、心臓組織におけるより強い応答を潜在的に説明するものであった。
組織間の差異は、げっ歯類の種の間で保存されていた:ラットにおいて、マウスのように、ラット組織におけるアペリン受容体レベルはヒラメ筋よりも心臓において2倍高かった、図5A~5B。ラット前脛骨筋(TA)は、ヒラメ筋のものと同様のアペリン受容体レベルを有し、大腿四頭筋および腓腹筋は、このウエスタンブロットアッセイにおける検出限界未満のアペリン受容体レベルを有していた。ラットへのBGE-105の連続5日間にわたる経口投薬がTAにおけるAktのリン酸化を用量依存方式で誘発し、50mg/kg BIDが最も強い応答を誘起した、図5C~5D。Erkのリン酸化について同様の傾向が観察された、図5E~5F。pErkがpAktの下流にあることを考慮すると、この観察は、公知のシグナル伝達経路と一致する。次に、本発明者らは、アペリン受容体レベルに対するBGE-105の慢性投与の効果を評価した。BGE-105は、試験した最低および最高用量、それぞれ50mg/kg QDおよび200mg/kg BIDでの連続5日間にわたる経口投薬後、TAにおいてアペリン受容体レベルの適度であるが有意ではない減少を誘起した、図5G~5I。
6.4. 実施例4:BGE-105はアペリン受容体をアペリンと同様の方式で活性化する。
本発明者らは、PathHunterβ-アレスチンアッセイを使用して、APLNR受容体を活性化するおよびβ-アレスチンを動員するBGE-105およびPyr-アペリン-13の能力を比較した。
PathHunterβ-アレスチンeXpress GPCRアッセイを使用して、マウスまたはヒトAPLNRのいずれかによってβ-アレスチンを動員する際のBGE-105のEC50をPyr-アペリン-13と比較した。APLNR活性化は、ProLink β-ガル補完技術(93-0001、DiscoveRx)によって測定されたβ-アレスチン動員によって決定した。手短に述べると、APLNRを安定に発現しているCHO細胞を播種し、37℃で終夜インキュベートした。化合物を2連で試験し、希釈して、3倍連続希釈による10点曲線(1%未満のDMSO)を取得した。化合物および細胞を37℃で3時間にわたってインキュベートした。インキュベーション期間後、検出試薬を添加し、室温で30分後にプレート化学発光シグナルを測定した。
ヒトAPLNRを安定に発現している細胞において、BGE-105はPyr-アペリン-13よりも10倍強力であった:BGE-105、EC50=0.1nM;Pyr-アペリン-13、EC50=1.2nM、図6A。マウスAPLNRを安定に発現している細胞において、BGE-105はPyr-アペリン-13よりも30倍強力であった:BGE-105、EC50=0.8nM;Pyr-アペリン-13(EC50=25nM)、図6A。
効力における増大はヒトおよびマウスAPLNRの間で同等であったが、最大効果(Emax)はそうではなかった:ヒトAPLNR、Emax=114%;マウスAPLNR、Emax=65%。BGE-105の新たな調製を伴うマウスAPLNR β-アレスチンアッセイの複製は、同様のデータ:Emax=60%を生じた、図6B。故に、APLNRアゴニストとしてのBGE-105の効力は、マウスよりもヒトにおいて高い場合がある。
6.5. 実施例5:BGE-105は老齢マウスにおいてCTX誘発性筋傷害の再生を加速させる。
筋肉の再生の機能障害は、加齢に関連する筋肉衰弱に寄与しうる。これは、身体活動に従事する老齢個体において特に当てはまる。運動誘発性筋肥大は、活性化され、再生を促進する、筋幹細胞の能力と関連している。本発明者らは、筋肉再生プロセス中におけるBGE-105による経口処置の効果を評価した(図7A~7BB)。その目的で、本発明者らは、18月齢の雄(および3月齢の雄)マウスの左脛骨筋および腓腹筋に心臓毒(CTX)を注射し、次いで、BGE-105(50または200mg/kg/日)の経口ボーラスを連続3または7日間にわたって投与した。
マウスにブプレノルフィン(Centravet、0.1mg/kg)を、傷害の30分前およびその翌日に腹腔内注射した。傷害の日、マウスにイソフルラン吸入で麻酔をかけ、後肢を剃毛した。次いで、22ゲージ針(Hamilton)を使用する左脛骨筋の筋肉への25μlの2回の注射および左腓腹筋の筋肉への50μlの2回の注射を介して、10μMの心臓毒(CTX、Latoxan、L8102番)を注射した。マウスを傷害の3および7日後に頚椎脱臼によって安楽死させ、筋肉(PBSおよびCTX注射したもの)を2つの部分に切断し、一方を全RNA抽出のために液体窒素中にスナップ凍結し、他方の部分をOCTに包埋し、組織学的分析のために液体窒素で冷却したイソペンタン中で凍結した。
マウス筋肉試料を切除し、液体窒素冷却イソペンタン中で凍結させたOCT中で冷凍保存した。次いで、試料をクライオスタット上で10μmに切片化し、4%パラホルムアルデヒド(PFA)により室温で15分間にわたって事後固定した。筋肉凍結切片(10μm)を、ヘラウン(helaun)/エオシンによって染色するか、またはラミニン(Abcam)および胚性ミオシンに対して免疫標識した。簡潔に述べると、切片をPBSプラス4%BS(a)、2%ヤギ血清、0.01%Triton(登録商標)X-100中で1時間ブロックした。次いで、切片を一次抗体とともに終夜インキュベートした。PBS中で洗浄後、切片を二次抗体抗Ig2bAF488(Life Technology)とともに1時間インキュベートした。最後に、DAPIを加えたProLong Gold退色防止試薬(Molecular probes by Life Technology)中にスライドをマウントした。電動蛍光顕微鏡に取り付けたデジタルカメラ(Nanozoomer、浜松ホトニクス株式会社)を使用してまたはオリンパス株式会社VS120バーチャル顕微鏡スライドスキャニングシステムを使用して、画像を捕捉した。eMHC陽性線維によって覆われた面積および変性面積を、切片全体にわたりVS-ASW FLソフトウェア測定ツールを使用して手動で決定した。中心核を持つ筋線維のサイズを、切片のすべての線維におけるラミニン/DAPI染色から算出し、面積決定を、切片全体にわたり、MetaXpressソフトウェア(Molecular Devices)を使用して所内で開発された自動画像処理アルゴリズムを使用して実施した。
研究結果
図7A~7Fに提示する結果は、アペリン-13でこれまでに実証されている通り、BGE-105処置がCTX注射の7日後に脛骨筋の再生を強化することを実証している。実際に、筋肉の再生に関与する遺伝子(Pax7、MyoD、MyoG、Myf5、MyHC3およびMyHC8)の発現レベルは、BGE-105処置動物においてそれらのPBS処置同腹子よりも劇的に高かった。この効果は腓腹筋においてそれほど顕著ではなく(図7G~7L)、BGE-105が脛骨筋等の高い受容体密度を持つ筋肉の種類においてより効果的であることを示唆していた。その上、BGE-105は若齢マウスにおいてそれほど有効ではなく(図7M~7X)、修復能が損なわれた老化した筋肉において最も効果的であることを示唆していた。筋肉のサイズ(断面積)の分析により、CTX注射3および7日後の老齢マウスの脛骨筋(図7Y~7Z)において、筋肉の再生に対するBGE-105の正の効果を確認した。最後に、BGE-105処置は再生中の線維における中心核の蓄積を促進し(図7AA~7BB)、この化合物が再生に対して有益な効果を有しうることを示した。
全体的に、効果は腓腹筋においてあまり著しくなく、APJアゴニストが、高いAPJ受容体密度を持つ組織、例えば前脛骨筋において最も効果的であることを示唆していた。これは若齢マウスにおいてもあまり有効ではなく、APJアゴニストが、修復能が損なわれた老化した筋肉において最も効果的であることを示唆していた。
6.6. 実施例6:BGE-105はヒト筋芽細胞において早期増殖および分化を促進する。
25歳(25-HMC)および79歳(79-HMC)の年齢の男性ドナー由来の不死化ヒト細胞を、増殖段階から、それらが80%集密になり、分化し、筋管になるまで成長させる。細胞を、1日目から4日目まで、1nMのPyr-アペリン-13、0.05、0.5、5、50nMのBGE-105、またはビヒクル(0.1%未満のDMSO)のいずれかで処置した(図8Aから8K)。RT-PCRを介して、早期増殖マーカー(Pax7、Myf5、MyoDおよびMyoG)を評価した(図8Dから8K)。
研究結果
短期(播種後0日目から4日目まで)BGE-105処置は、若齢および老齢ドナー両方由来の細胞において細胞増殖の有意な増大を誘発した(図8B~8C)。BGE-105処置は、若齢ドナー細胞におけるPax7およびMyoD(図8D~8G)ならびに老齢ドナー細胞におけるPax7、Myf5、MyoDおよびMyoG(図8H~8K)等の筋肉細胞分化マーカーの発現も増大させた。全体として、これらの結果は、老齢人口のヒトの筋肉生理学におけるBGE-105の使用を支持する。
6.7. 実施例7:BGE-105は老齢マウスにおいて廃用誘発性筋萎縮を予防する。
BGE-105は、骨格筋生理学に利益をもたらす経路、特筆するとpAkt/pErk経路を活性化し、これは、筋肉質量を調節する際に極めて重要な役割を果たす。四肢固定化は、アペリン転写物レベルの有意な減少が随伴する総骨格筋質量の喪失を引き起こす。故に、本発明者らは、慢性固定化によって誘発された筋萎縮をBGE-105が救済するか否かを試験した。廃用によって引き起こされた骨格筋萎縮は老化中に悪化するため、本発明者らは、足底屈筋群(ヒラメ筋、TA、EDL、腓腹筋)の固定化に供された老齢マウスにおける筋肉質量の維持に対するBGE-105の効果を評価した。動物に、50mg/kg BIDのビヒクルまたはBGE-105を経口的に投与し、処置に入って1週間で、右後肢をギプスによって固定化し、筋肉を21日間かけて萎縮させた。
20月齢の雄C57/Bl6マウス(n=10/群)に、50mg/kg BIDのビヒクルまたはBGE-105をZT1およびZT11.5にて経口投与した。処置に入って1週間で、マウスに片方の肢への修正された後肢のギプスを受けさせた。マウスにイソフルラン吸入で麻酔をかけ、後肢をポビドンヨード、次いでエタノールで拭き、手術用ガーゼで緩く包んだ。足を完全に伸ばした状態で、特注のプラスチック固定化デバイスを肢に置き、それにより、足底屈筋群の最大in vivo負荷軽減(unloading)をもたらした。Vetbondを使用してデバイスを後肢に固定し、動物をそのケージに戻した。ギプス後3週間の処置の後、最終ZT1用量1時間後にマウスを安楽死させ、組織を単離し、秤量し、次いで、その後のウェスタンブロット解析のために液体窒素中で急速凍結させた。
研究結果
固定化は、ビヒクル処置群のギプスされた肢において、すべての筋肉の種類について有意な萎縮を引き起こした、図9A。特筆すると、前脛骨筋(TA)の筋肉の湿重量は、プラセボ群において25%減少したが、BGE-105群においては3%しか減少しなかった、図9D~9E。同様に、長指伸筋(EDL)は、プラセボ群においては14%萎縮したが、BGE-105群においては測定可能に萎縮しなかった、図9F~9G。萎縮における適度の救済がヒラメ筋において観察されたが、この効果は有意ではなかった、図9H~9I。
これらの動物において、腓腹筋は、他の筋肉よりも有意に少ないアペリン受容体密度を含有しており、図9J~9K、BGE-105が何故この筋肉においてあまり有効でないかを潜在的に説明していた。図9L~9Mは、50mg/kg BIDの1か月のBGE-105処置後のアペリン受容体レベルを示す。ここでも、本発明者らは、BGE-105によるアペリン受容体の慢性活性化が、アペリン受容体レベルにおいて注目すべきではあるが有意ではない降下を有することを観察した。故に、BGE-105は慢性処置後にアペリン受容体を下方調節したが、試験した用量において効果は有意ではなかった。
本発明者らのデータは、BGE-105で処置した老齢マウスが、固定化によって引き起こされる筋肉質量の若干の喪失に対して保護されたことを実証している。故に、BGE-105は、ヒトにおいて廃用性萎縮から保護する臨床的利益を有しうる。
6.8. 実施例8:BGE-105は固定化されたヒト筋肉において萎縮を予防する
適度に活動的である健常なより高齢の成人(例えば、1群当たりN=10)の2つの群は、トイレに行くことを除き10日間にわたって継続的に床に就いたままであり、タンパク質について推奨食事許容量(1日当たり0.8g/kgのタンパク質)を提供する正常カロリー食(eucaloric diet)を消費する。一方の群には1日当たり200mgのBGE-105を与えるのに対し、他方にはプラセボを受けさせる。床上安静前後の測定は、筋機能およびタンパク質合成を含む。
BGE-105は、廃用期間中に固定化されたヒト筋肉において筋萎縮を予防するまたは減衰させることが示される。

Claims (87)

  1. 対象において筋肉状態を処置する方法であって、それを必要とする対象に、有効用量の式(I)もしくは(II):
    のアペリン受容体アゴニストまたは薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、前記互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物を投与するステップを含み、式中、
    は、非置換ピリジル、ピリドニルもしくはピリジンN-オキシドであるか、または、1つ、2つ、3つもしくは4つのR1a置換基で置換されているピリジル、ピリドニルもしくはピリジンN-オキシドであり、
    1aは、各場合において、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-C~Cアルケニル、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)-OH、-O-(C~Cハロアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)-OH、-O-(C~Cペルハロアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)、-N(C~Cアルキル)、-C(=O)-(C~Cアルキル)、-C(=O)OH、-(C=O)-O-(C~Cアルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)NH(C~Cアルキル)、-C(=O)N(C~Cアルキル)、フェニル、-C(=O)-(ヘテロシクリル)またはヘテロシクリル基から独立して選択され、前記-C(=O)-(ヘテロシクリル)またはヘテロシクリル基のヘテロシクリル基は、N、OおよびSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有する3から7員環であり、
    は、-HおよびC~Cアルキルから選択されるか、または式IIの化合物中に存在せず、
    は、非置換C~C10アルキル、1つ、2つまたは3つのR1a置換基で置換されているC~C10アルキル、式-(CR3b3c)-Qの基、式-NH-(CR3b3c)-Qの基、式-(CR3b3c)-C(=O)-Qの基、式-(CR3d3e)-(CR3f3g)-Qの基、式-(CR3b=CR3c)-Qの基および式-(ヘテロシクリル)-Qの基から選択され、ここで、前記-(ヘテロシクリル)-Qのヘテロシクリルは、5から7環員を有し、そのうちの1、2または3個は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子であり、非置換であるか、または1つ、2つもしくは3つのR3h置換基で置換されており、
    1aは、各場合において、-F、-Cl、-CN、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、-NH、-NH(C~Cアルキル)および-N(C~Cアルキル)から独立して選択され、
    3bおよびR3cは、-H、-F、-Cl、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)および-N(C~Cアルキル)から独立して選択され、
    3dおよびR3eは、-H、-F、-Cl、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)および-N(C~Cアルキル)から独立して選択され、
    3fおよびR3gは、-H、-F、-Cl、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)および-N(C~Cアルキル)から独立して選択され、
    3hは、各場合において、-F、-Cl、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)、-N(C~Cアルキル)およびオキソから独立して選択され、
    Qは、単環式もしくは二環式C~C10アリール基、N、OもしくはSから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する5から10環員を持つ単環式もしくは二環式ヘテロアリール基、C~Cシクロアルキル基、またはN、OもしくはSから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する3から7員ヘテロシクリル基であり、ここで、前記C~C10アリール基、前記ヘテロアリール基、前記シクロアルキル基および前記ヘテロシクリル基は、非置換であるか、または1つ、2つ、3つもしくは4つのR置換基で置換されており、
    は、各場合において、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cアルキニル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)、-N(C~Cアルキル)、-C(=O)-(C~Cアルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)-O-(C~Cアルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)NH(C~Cアルキル)、-C(=O)N(C~Cアルキル)、-S(=O)-(C~Cアルキル)、フェニルおよびヘテロアリール基から独立して選択され、前記Qヘテロシクリル基は、1つのオキソR置換基で置換されていてもよく、
    は、単環式または二環式C~C10アリール基、N、OおよびSから独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有する5から10環員を持つ単環式または二環式ヘテロアリール基、ならびにN、OおよびSから独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する5から10環員を持つ単環式または二環式ヘテロシクリル基から選択され、ここで、前記C~C10アリール基、前記ヘテロアリール基または前記ヘテロシクリル基は、非置換であるか、または1つ、2つもしくは3つのR4a置換基で置換されており、
    4aは、各場合において、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)、-N(C~Cアルキル)、-C(=O)-(C~Cアルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)-O-(C~Cアルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)NH(C~Cアルキル)および-C(=O)N(C~Cアルキル)から独立して選択され、前記ヘテロシクリルR基は、1つのオキソ置換基でさらに置換されていてもよく、
    さらにここで、
    が非置換または置換フェニル環であり、Rが式-(CR3b=CR3c)-Qの基である場合、以下のうちの少なくとも1つが当てはまる:
    a)Rが、少なくとも1つの-O-(C~Cアルキル)基で置換されている、
    b)Qが、オキサジアゾールではない、
    c)R3bが、-Hではない、
    d)R3cが、-Hではない、
    e)Rが、2-ピリジル基ではない、または
    f)Rが、2つもしくはそれよりも多い-O-(C~Cアルキル)基で置換されている、
    方法。
  2. 前記筋肉状態が、加齢に関連する筋肉状態である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記対象が、ヒトであり、少なくとも40歳である、請求項1から2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記対象が少なくとも50歳である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記対象が少なくとも60歳である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記対象が少なくとも65歳である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記対象が少なくとも70歳である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記対象が少なくとも75歳である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記対象が少なくとも80歳である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記筋肉状態が、骨格筋の状態である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記骨格筋がアペリン受容体を発現し、前記アペリン受容体アゴニストの投与が、前記対象の筋組織におけるアペリン/APJ(APLNR)系を活性化する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記筋肉状態が、心血管状態ではない、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記対象が、心不全に罹患しておらず、そのリスクもない、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記加齢に関連する筋肉状態が、炎症またはミトコンドリア機能障害を伴う、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記加齢に関連する筋肉状態が、骨格筋の機能喪失、骨格筋を再生する能力の減少、または骨格筋の傷害後に治癒する能力の減少を伴う、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記加齢に関連する筋肉状態が、筋幹細胞の機能喪失を伴う、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記加齢に関連する筋肉状態が、サルコペニア、フレイル、股関節部骨折、ICU関連筋肉衰弱、機械的換気に関連する筋肉衰弱、固定化関連筋肉衰弱、筋傷害からの回復、筋萎縮、横隔膜萎縮および筋消耗から選択される、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記加齢に関連する筋肉状態が、インスリン非感受性または2型真性糖尿病に関連する、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記ヒト対象が、低い筋肉の強さを有するまたは有すると同定される、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記ヒト対象が、低い筋力を有するまたは有すると同定される、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記ヒト対象が、低い下肢筋肉質量を有するまたは有すると同定される、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記ヒト対象が、低い上肢筋肉質量を有するまたは有すると同定される、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記ヒト対象が、低い筋肉体積を有するまたは有すると同定される、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記筋肉体積が、骨格筋体積である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記筋肉が、前脛骨筋、後脛骨筋、腓腹筋、縫工筋、中間広筋、外側広筋、内側広筋、ヒラメ筋または長指伸筋である、請求項24に記載の方法。
  26. 前記アペリン受容体アゴニストが、経口的に、静脈内に、鼻腔内にまたは筋肉内に投与される、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記用量が、毎日投与される、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記用量が、複数の均等にまたは不均等に分割された部分用量として投与される、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記用量が、様々な投薬間隔で投与される、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記用量が200mgである、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 投薬の後に筋肉質量を評価するステップをさらに含む、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記筋肉質量が、投薬の少なくとも1日後に評価される、請求項31に記載の方法。
  33. 前記筋肉質量が、投薬の少なくとも1週間後に評価される、請求項32に記載の方法。
  34. 前記筋肉質量が、投薬の少なくとも1か月後に評価される、請求項33に記載の方法。
  35. 前記対象が、アペリンの低い循環レベルを有する、請求項1から34のいずれかに記載の方法。
  36. 高齢の対象において筋肉質量および/または筋肉の強さを維持するおよび/または増大させるための方法であって、それを必要とする対象に、有効用量の式(I)もしくは(II):
    のアペリン受容体アゴニストまたは薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、前記互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物を投与するステップを含み、式中、
    は、非置換ピリジル、ピリドニルもしくはピリジンN-オキシドであるか、または、1つ、2つ、3つもしくは4つのR1a置換基で置換されているピリジル、ピリドニルもしくはピリジンN-オキシドであり、
    1aは、各場合において、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-C~Cアルケニル、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)-OH、-O-(C~Cハロアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)-OH、-O-(C~Cペルハロアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)、-N(C~Cアルキル)、-C(=O)-(C~Cアルキル)、-C(=O)OH、-(C=O)-O-(C~Cアルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)NH(C~Cアルキル)、-C(=O)N(C~Cアルキル)、フェニル、-C(=O)-(ヘテロシクリル)またはヘテロシクリル基から独立して選択され、ここで、前記-C(=O)-(ヘテロシクリル)またはヘテロシクリル基のヘテロシクリル基は、N、OおよびSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有する3から7員環であり、
    は、-HおよびC~Cアルキルから選択されるか、または式IIの化合物中に存在せず、
    は、非置換C~C10アルキル、1つ、2つまたは3つのR3a置換基で置換されているC~C10アルキル、式-(CR3b3c)-Qの基、式-NH-(CR3b3c)-Qの基、式-(CR3b3c)-C(=O)-Qの基、式-(CR3d3e)-(CR3f3g)-Qの基、式-(CR3b=CR3c)-Qの基および式-(ヘテロシクリル)-Qの基から選択され、ここで、前記-(ヘテロシクリル)-Qのヘテロシクリルは、5から7環員を有し、そのうちの1、2または3個は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子であり、非置換であるか、または1つ、2つもしくは3つのR3h置換基で置換されており、
    3aは、各場合において、-F、-Cl、-CN、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、-NH、-NH(C~Cアルキル)および-N(C~Cアルキル)から独立して選択され、
    3bおよびR3cは、-H、-F、-Cl、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)および-N(C~Cアルキル)から独立して選択され、
    3dおよびR3eは、-H、-F、-Cl、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)および-N(C~Cアルキル)から独立して選択され、
    3fおよびR3gは、-H、-F、-Cl、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)および-N(C~Cアルキル)から独立して選択され、
    3hは、各場合において、-F、-Cl、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-O-(C~Cアルキル)-OH、-O-(C~Cアルキル)-O-(C~Cアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)、-N(C~Cアルキル)およびオキソから独立して選択され、
    Qは、単環式もしくは二環式C~C10アリール基、N、OもしくはSから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する5から10環員を持つ単環式もしくは二環式ヘテロアリール基、C~Cシクロアルキル基、またはN、OもしくはSから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する3から7員ヘテロシクリル基であり、ここで、前記C~C10アリール基、前記ヘテロアリール基、前記シクロアルキル基および前記ヘテロシクリル基は、非置換であるか、または1つ、2つ、3つもしくは4つのR置換基で置換されており、
    は、各場合において、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cアルキニル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)、-N(C~Cアルキル)、-C(=O)-(C~Cアルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)-O-(C~Cアルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)NH(C~Cアルキル)、-C(=O)N(C~Cアルキル)、-S(=O)-(C~Cアルキル)、フェニルおよびヘテロアリール基から独立して選択され、前記Qヘテロシクリル基は、1つのオキソ置換基で置換されていてもよく、
    は、単環式または二環式C~C10アリール基、N、OおよびSから独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有する5から10環員を持つ単環式または二環式ヘテロアリール基、ならびにN、OおよびSから独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する5から10環員を持つ単環式または二環式ヘテロシクリル基から選択され、ここで、前記C~C10アリール基、前記ヘテロアリール基または前記ヘテロシクリル基は、非置換であるか、または1つ、2つもしくは3つのR4a置換基で置換されており、
    4aは、各場合において、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cペルハロアルキル、-OH、-O-(C~Cアルキル)、-O-(C~Cハロアルキル)、-O-(C~Cペルハロアルキル)、-NH、-NH(C~Cアルキル)、-N(C~Cアルキル)、-C(=O)-(C~Cアルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)-O-(C~Cアルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)NH(C~Cアルキル)および-C(=O)N(C~Cアルキル)から独立して選択され、前記ヘテロシクリルR基は、1つのオキソ置換基でさらに置換されていてもよく、
    さらにここで、
    が非置換または置換フェニル環であり、Rが式-(CR3b=CR3c)-Qの基である場合、以下のうちの少なくとも1つが当てはまる:
    a)Rが、少なくとも1つの-O-(C~Cアルキル)基で置換されている、
    b)Qが、オキサジアゾールではない、
    c)R3bが、-Hではない、
    d)R3cが、-Hではない、
    e)Rが、2-ピリジル基ではない、または
    f)Rが、2つもしくはそれよりも多い-O-(C~Cアルキル)基で置換されている、
    方法。
  37. 前記対象が少なくとも60歳である、請求項36に記載の方法。
  38. 前記対象が少なくとも65歳である、請求項37に記載の方法。
  39. 前記対象が少なくとも70歳である、請求項38に記載の方法。
  40. 前記対象が少なくとも75歳である、請求項39に記載の方法。
  41. 前記対象が少なくとも80歳である、請求項40に記載の方法。
  42. ヒト対象が、低い筋肉の強さを有するまたは有すると同定される、請求項35から41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記ヒト対象が、低い筋力を有するまたは有すると同定される、請求項35から42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記ヒト対象が、低い下肢筋肉質量を有するまたは有すると同定される、請求項35から43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記ヒト対象が、低い上肢筋肉質量を有するまたは有すると同定される、請求項35から44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記ヒト対象が、低い筋肉体積を有するまたは有すると同定される、請求項35から45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記筋肉体積が、骨格筋体積である、請求項46に記載の方法。
  48. 前記筋肉が、横隔膜、前脛骨筋、後脛骨筋、腓腹筋、縫工筋、中間広筋、外側広筋、内側広筋、ヒラメ筋または長指伸筋である、請求項47に記載の方法。
  49. 前記筋肉が、骨格筋である、請求項47から48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記ヒト対象が、機械的に換気されている、請求項35から49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記ヒト対象が、機械的に換気されていないヒト対象と比較して、低減した横隔膜厚を有するまたは有すると同定される、請求項35から50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記ヒト対象が、横隔膜萎縮を有するまたは有すると同定される、請求項35から51のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記ヒト対象が、人工呼吸器誘発性横隔膜機能不全(VIDD)を有するまたは有すると同定される、請求項35から51のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記ヒト対象が、低酸素性呼吸不全を有するまたは有すると同定される、請求項35から53のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記筋肉が、アペリン受容体を発現する、請求項48から54のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記ヒト対象が、低い循環アペリンレベルを有する、請求項35から55のいずれかに記載の方法。
  57. 前記アペリン受容体アゴニストが、経口的に、静脈内に、鼻腔内にまたは筋肉内に投与される、請求項35から56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記用量が、毎日投与される、請求項35から57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記用量が、複数の均等にまたは不均等に分割された部分用量として投与される、請求項35から58のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記用量が、静脈内に投与される、請求項35から59のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記用量が、少なくとも1時間にわたって投与される、請求項61から60のいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記用量が、少なくとも20時間にわたって投与される、請求項61から61のいずれか一項に記載の方法。
  63. 前記用量が、少なくとも22時間にわたって投与される、請求項61から61のいずれか一項に記載の方法。
  64. 前記用量が、少なくとも100時間にわたって投与される、請求項61から61のいずれか一項に記載の方法。
  65. 前記用量が、少なくとも60mgである、請求項35から60のいずれか一項に記載の方法。
  66. 前記用量が、少なくとも120mgである、請求項35から60のいずれか一項に記載の方法。
  67. 前記用量が、少なくとも240mgである、請求項35から60のいずれか一項に記載の方法。
  68. 前記用量が、200mgである、請求項35から60のいずれか一項に記載の方法。
  69. 投薬の後に筋肉質量または筋肉厚を評価するステップをさらに含む、請求項35から60のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記筋肉質量が、投薬の少なくとも1日後に評価される、請求項69に記載の方法。
  71. 前記筋肉質量が、投薬の少なくとも1週間後に評価される、請求項70に記載の方法。
  72. 前記筋肉質量が、投薬の少なくとも1か月後に評価される、請求項71に記載の方法。
  73. が、非置換ピリジルであるか、または1つもしくは2つのR1a置換基で置換されているピリジルである、請求項1から72のいずれか一項に記載の方法。
  74. 1aが、各場合において、-CH、-CHCH、-F、-Cl、-Br、-CN、-CF、-CH=CH、-C(=O)NH、-C(=O)NH(CH)、-C(=O)N(CH、-C(=O)NH(CHCH)、-OH、-OCH、-OCHF、-OCHCH、-OCHCF、-OCHCHOH、-OCHC(CHOH、-OCHC(CFOH、-OCHCHOCH、-NH、-NHCH、-N(CH、フェニルおよび式
    の基から独立して選択され、式中、記号
    は、結合を横切って描かれている場合、分子の残りの部分との結合点を示す、請求項1から73のいずれか一項に記載の方法。
  75. が、
    から選択され、式中、記号
    は、結合を横切って描かれている場合、分子の残りの部分との結合点を示す、請求項1から74のいずれか一項に記載の方法。
  76. が-Hである、請求項1から75のいずれか一項に記載の方法。
  77. が、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、イソオキサゾリル、インドリル、ナフチルまたはピリジニルであり、そのうちのいずれかは、非置換であるか、または1つ、2つもしくは3つのR4a置換基で置換されていてもよい、請求項1から76のいずれか一項に記載の方法。
  78. が、1つまたは2つのR4a置換基で置換されているフェニルである、請求項77に記載の方法。
  79. 前記1つまたは2つのR4a置換基が、-O-(C~Cアルキル)基である、請求項78に記載の方法。
  80. 4aが、各場合において、-CH、-F、-Cl、-Br、-CN、-CF、-OCH、-OCHF、-OCHCH、-C(=O)OCH、-C(=O)CHまたは-N(CHから独立して選択される、請求項1から79のいずれか一項に記載の方法。
  81. が、式-(CR3b3c)-Qの基、式-NH-(CR3b3c)-Qの基、式-(CR3b3c)-C(=O)-Qの基、式-(CR3d3e)-(CR3f3g)-Qの基、式-(CR3b=CR3c)-Qの基または式-(ヘテロシクリル)-Qの基から選択され、ここで、前記-(ヘテロシクリル)-Qのヘテロシクリルは、5から7環員を有し、そのうちの1、2または3個は、N、OまたはSから選択されるヘテロ原子であり、非置換であるか、または1つ、2つもしくは3つのR3h置換基で置換されている、請求項1から80のいずれか一項に記載の方法。
  82. Qが、ピリミジニル、ピリジル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、フェニル、テトラヒドロピリミジノニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、モルホリニル、ピロリジニル、ピラジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、ピラゾリルまたはオキセタニルから選択され、そのうちのいずれかは、非置換であるか、または1つ、2つもしくは3つのR置換基で置換されていてもよい、請求項1から81のいずれか一項に記載の方法。
  83. Qが、N、OまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有する5または6環員を持つ単環式ヘテロアリール基であり、Qが、非置換であるか、または1つもしくは2つのR置換基で置換されている、請求項1から82のいずれか一項に記載の方法。
  84. が、式-(CR3d3e)-(CR3f3g)-Qの基である、請求項1から83のいずれか一項に記載の方法。
  85. が、式

    を有し、式中、記号
    は、結合を横切って描かれている場合、分子の残りの部分との結合点を示す、
    請求項1から84のいずれか一項に記載の方法。
  86. 前記アペリン受容体アゴニストが、(2S,3R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-ブタンスルホンアミド、または薬学的に許容されるその塩、その互変異性体、前記互変異性体の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの立体異性体、もしくはそれらの混合物である、請求項1から85のいずれか一項に記載の方法。
  87. 前記アペリン受容体アゴニストが、(2S,3R)-N-(4-(2,6-ジメトキシフェニル)-5-(5-メチル-3-ピリジニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-3-(5-メチル-2-ピリミジニル)-2-ブタンスルホンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である、請求項86に記載の方法。
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