JP2024513106A - 酸を含む風味付けされた経口パウチ入りニコチン製品 - Google Patents

酸を含む風味付けされた経口パウチ入りニコチン製品 Download PDF

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Abstract

充填材と、その充填材を封入する唾液浸透性パウチの包装材と、を含む経口パウチ入りニコチン製品であって、充填材が、- 非タバコ材料、- ニコチン源、- 香味剤、- 充填材の総質量に対して1質量%~50質量%の範囲内の量の水分、- 以下:Na2CO3、K2CO3、MgCO3、NaHCO3、KHCO3、NaOH、KOHのうちの1種又は複数種を含むpH調整剤、及び- 任意選択で、充填材の総質量に対して0.05質量%~5質量%の範囲内のタバコ材料を含み、包装材が、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アスコルビン酸、酒石酸、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される酸を含み、前記酸が、包装材の総乾燥質量に対して5質量%~20質量%の範囲内の量で存在する、経口パウチ入りニコチン製品を開示する。また、経口パウチ入りニコチン製品の製造方法も提供する。

Description

本開示は、充填材と、その充填材を封入する唾液浸透性パウチの包装材とを含む、タバコを含まない又はタバコ量が少ない、経口パウチ入りニコチン製品に関する。充填材は、ニコチン及び香料を含み、包装材は、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アスコルビン酸、酒石酸、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される酸を含む。経口パウチ入りニコチン製品が経口投与されると同時に、包装材の酸が放出されて酸っぱい感覚を与え、その後香料が充填材のニコチンと共に放出される。
経口で使用される湿性嗅ぎタバコ(moist snuff)は、ルーズな形態で、又はパウチを形成する唾液浸透性多孔質ラッパー材料中にポーションが詰められた形態で入手可能である。パウチ入り湿性嗅ぎタバコは、典型的には、使用者が上下歯肉と唇又は頬との間にパウチを挟んで、限定された時間の間そこに保持することによって使用される。パウチ材料は、タバコを所定の位置に保持しながら、唾液がパウチ入り製品の内部に入ることを可能にし、タバコ材料から香料及びニコチンを使用者の口内へ拡散させる。
また、タバコを含まない又は実質的に含まない経口パウチ入りニコチン含有製品も入手可能であり、経口パウチ入り無煙タバコ製品の代用品として提供されうる。これらのタバコを含まない又は実質的に含まない経口パウチ入りニコチン含有製品は、一般的に、経口パウチ入りタバコ含有製品と同じ様式で使用され、本明細書では、経口パウチ入りニコチン製品と称する。
経口パウチ入り無煙タバコ製品、及びタバコを含まない又は実質的に含まない経口パウチ入りニコチン製品は、充填材のポーションを計量し、該ポーションを包装材中へ挿入することによって製造されうる。経口パウチ入り製品中のパウチを形成する包装材は、典型的には、ビスコースレーヨン繊維(すなわち、再生セルロース)と、不織布材料中の結合剤として作用し、製品の製造中にパウチの熱融着をもたらすアクリルポリマーと、を含む乾式不織布である。経口パウチ入り製品のパウチを形成する包装材は、パウチの製造中、密封を施すべきであり、パウチの貯蔵時に変色がない又は低度の変色に抑え、且つ消費者による使用時には完全性及び強度が保たれるようにし、ニコチン及び香料の所望の放出特性を可能にし、心地よい口当たりをもたらす必要がある。
経口パウチ入り製品の質感、芳香、味、形状、及び外観等の官能特性は、使用者にとって高い重要性を持つ。一般的に、香料及び/若しくはニコチンを迅速に放出させて最初から強い香りを経験させ、且つ/又はニコチンへの渇望を低減させる経口パウチ入りニコチン製品を提供することが望まれる。しかしながら、一般的に、経口パウチ入り製品を口腔内に置いた後、経口パウチ入り製品の充填材からの香料及びニコチンの抽出が開始する前には時間のずれがある。経口パウチ入りニコチン製品を摂取して即座に効果を欲する多くの消費者には不満足に感じられる。
その上、多くの消費者は、酸っぱい味、すなわち酸味の感覚を好む。しかしながら、酸は、ニコチンをプロトン化することができ、それによって口腔内の粘膜を通じたニコチンの摂取を低減し且つ/又は充填材中の塩基性pH調整剤等の塩基性成分と反応する。
US 2020/0297024 A1 EP 3192380A WO 2017/125405
Federal Register/第74巻、4号/712~719頁/2009年1月7日水曜日/Notices「Total moisture determination」 Official Methods of Analysis 966.02:「Moisture in Tobacco」(1990)、第5編、K. Helrich(編)
したがって、口の中に経口パウチ入りニコチン製品を入れると即座に風味感覚を使用者に与える経口パウチ入りニコチン製品が必要とされている。更に、経口パウチ入りニコチン製品中のニコチンの放出に悪影響を与えずに又は実質的に与えずに、最初に酸っぱい味覚を与える、経口パウチ入りニコチン製品が必要とされている。
本開示の目的は、上述した課題の少なくとも1つを軽減し、且つ/又はこれまで知られてきた技術では得られなかった利点及び態様を提供することである。
上記の目的の1つ又は複数は、添付の請求項1に記載の経口パウチ入りニコチン製品、及び/又は添付の請求項14に記載の方法によって達成することができる。
したがって、本開示は、充填材と、その充填材を封入する唾液浸透性パウチの包装材とを含む経口パウチ入りニコチン製品であって、
充填材が、
- 非タバコ材料、
- ニコチン源、
- 香味剤、
- 充填材の総質量に対して1質量%~50質量%の範囲内の量の水分、
- 以下:Na2CO3、K2CO3、MgCO3、NaHCO3、KHCO3、NaOH、KOHのうちの1種又は複数種を含むpH調整剤、及び
- 任意選択で、充填材の総質量に対して0.05質量%~5質量%の範囲内のタバコ材料
を含み、
包装材が、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アスコルビン酸、酒石酸、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される酸を含み、その酸が、包装材の総乾燥質量に対して5質量%~20質量%の範囲内の量で存在する、経口パウチ入りニコチン製品を提供する。
更に、本開示は、本明細書に記載の経口パウチ入りニコチン製品を調製する方法であって、
a)本明細書に記載の充填材を準備する工程と、
b)工程a)で得た充填材を包装材に封入する工程と
を含む、方法も提供する。
包装材に含まれる酸を、クエン酸、及びリンゴ酸、又はクエン酸とリンゴ酸との組合せから選択することが特に好ましい場合がある。クエン酸は、良好な色彩安定性を有し、入手しやすく、苦味のない風味の良い酸味の感覚をもたらす。リンゴ酸は、強い酸味の酸っぱい味をもたらし、唾液の分泌に刺激を与えることが知られている。
定義
用語「タバコ材料」は、本明細書では、タバコの葉又は葉身及び茎等の葉の各部の繊維材料に用いられる。葉及び葉の各部は、粉砕、切断、細断又は脱殻等、微粉化(分解)してよく、葉の各部は、タバコ材料中に所定の割合でブレンドしてよい。タバコ材料は、タバコ抽出物を含んでも含まなくてもよい。
本明細書で使用される場合、「タバコ」は、タバコ属の任意のメンバーの、任意の部、例えば、葉、茎、及び柄を意味する。タバコは、全部であってもよく、細断、脱殻、切断、粉砕、硬化、熟成、発酵、又は別の方法で処理(例えば、造粒又はカプセル化)されていてもよい。
「経口」及び「経口用途」は、本明細書では、全ての文脈において、ヒトの口腔(頬位置等)内での使用に関する説明として使用される。
本明細書で使用される場合、用語「水分含有量」は、言及される調合物、組成物又は製品中のオーブン揮発成分、例えば、水及び他のオーブン揮発分(例えば、プロピレングリコール)等の総量を指す。水分含有量は、本明細書では、言及される調合物、組成物又は製品の総質量の質量パーセント(wt%)として記載される。
水分含有量は、本明細書では、参考文献のFederal Register/第74巻、4号/712~719頁/2009年1月7日水曜日/Notices「Total moisture determination」及びAOAC(Association of Official Analytical Chemics:公認分析科学者協会)、Official Methods of Analysis 966.02:「Moisture in Tobacco」(1990)、第5編、K. Helrich(編)に基づく方法を用いて決定することができる。この方法では、水分含有量は、周囲条件下で2.5±0.25gの試料を取り、試料を秤量することによって、重量測定法で決定されるが、ここでは、該周囲条件は、温度22℃及び相対湿度60%であると規定し、水分の蒸発前及び脱水の完了後に行われる。メトラー・トレド株式会社製の水分計HB43(ハロゲン加熱技術による天秤)を、本明細書に記載の実験で(言及した参考文献中のオーブン及び天秤の代わりに)使用する。試料は、105℃(言及した参考文献中の99.5±0.5℃の代わりに)に加熱した。90秒の時間枠の間に質量の変化が1mg未満になったら測定を停止する。次いで、水分計HB43によって、試料の質量パーセントとしての水分含有量を自動的に算出する。
一部の繊維材料は、吸湿性を示しうる。吸湿性材料は、周囲の湿度及び温度に応じて平衡水分含有量を維持する。
「フレーバー」、「香料」又は「香味剤」は、本明細書では、これらに限定されないが、精油、単一フレーバー化合物、配合香味料、及び抽出物を含めた、ニコチン製品の芳香及び/又は味に影響を与えるために使用される物質に用いられる。
本明細書で使用される場合、「% w/w」又は「wt%」又は「質量%」又は「質量による%」は、言及される調合物、組成物又は製品の総質量の、言及される成分の質量パーセントを指す。この文献では、表現「質量によるパーセント」、質量%及びwt%は区別なく使用される。
本明細書で使用される場合、「乾燥質量パーセント」、「乾燥質量に対する質量%」等への言及は、乾燥成分の総質量、すなわち、水分含有量を除く、言及される調合物、組成物又は製品の全成分の総質量を基準とする、言及される成分の質量パーセントを指す。
本明細書で使用される場合、「湿質量パーセント」、「湿質量に対する質量%」等への言及は、成分の総質量、すなわち、水分含有量を含めた、言及される調合物、組成物又は製品の全成分の総質量を基準とする、言及される成分の質量パーセントを指す。したがって、本明細書で使用される場合、「総質量に対する質量%」は、「湿質量に対する質量%」と同じである。
本明細書で使用される場合、用語「経口用のパウチ入りニコチン製品」又は「経口パウチ入りニコチン製品」は、経口で使用するための唾液浸透性パウチ材料中に詰められたニコチン含有充填材のポーションを指す。
本明細書で使用される場合、用語「経口パウチ入りニコチン非タバコ製品」、「タバコを含まない経口パウチ入りニコチン製品」又は「経口パウチ入りタバコ非含有製品」は、前記製品中にタバコが含まれない、経口で使用するための唾液浸透性パウチ材料中に詰められたニコチン含有充填材のポーションを指す。タバコ非含有経口パウチ入り製品又はタバコ非含有充填材は、パウチ入り製品又は充填材の総質量に対して0.05wt%未満の微量のタバコを含有してもよい。
本明細書で使用される場合、用語「経口パウチ入りニコチンタバコ製品」又は「微量タバコ経口パウチ入りニコチン製品」は、製品に含まれるタバコ材料の量が、充填材の総質量に対して約0.05質量%~約10質量%又は約0.05質量%~約5質量%の範囲内である、経口で使用するための唾液浸透性パウチ材料中に詰められたニコチン含有充填材のポーションを指す。
本明細書で使用される場合、用語「粒状」は、顆粒、ペレット、粉末等を含めた、粒子の形態の成分を指す。
本明細書で使用される場合、用語「繊維質」は、天然若しくは人造繊維で構成される成分又は天然若しくは人造繊維で実質的に構成される成分を指す。
本明細書で使用される場合、用語「非粒状」は、粒子の形態ではない成分を指す。
本開示は、充填材と、充填材を封入する唾液浸透性パウチの包装材とを含む経口パウチ入りニコチン製品であって、
充填材が、
- 非タバコ材料、
- ニコチン源、
- 香味剤、
- 充填材の総質量に対して1質量%~50質量%の範囲内の量の水分、
- 以下:Na2CO3、K2CO3、MgCO3、NaHCO3、KHCO3、NaOH、KOHのうちの1種又は複数種を含むpH調整剤、及び
- 任意選択で、充填材の総質量に対して0.05質量%~5質量%の範囲内のタバコ材料
を含み、
包装材が、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アスコルビン酸、酒石酸、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される酸を含み、その酸が、包装材の総乾燥質量に対して5質量%~20質量%の範囲内の量で存在する、経口パウチ入りニコチン製品を提供する。
経口パウチ入りニコチン製品は、タバコを含まなくてもよい(すなわち、タバコを含有しない又は0.05wt%未満のごく微量のタバコしか含まず、それによって経口パウチ入りニコチンタバコ非含有製品が製造される)。或いは、経口パウチ入りニコチン製品は、充填材の総質量に対して約0.05質量%~約5質量%等の少量のタバコ材料を含み、それによって低タバコの経口パウチ入りニコチン製品が得られる。例えば、低タバコ経口パウチ入りニコチン製品は、充填材の総質量に対して0.05質量%~約5質量%、例えば0.1質量%~5質量%、例えば0.1質量%~1質量%のタバコ材料を含む充填材を含んでもよい。本明細書に記載の低タバコ経口ニコチン製品中のタバコ材料が、充填材の一部を形成することを理解されたい。
非タバコ材料は、所望の使用前体積を有する経口パウチ入り製品を製造するための充填材中のバルク材として作用することができる任意の好適な材料であってもよい。非タバコ材料は、充填材中の1種又は複数種の他の構成要素のための基材として更に作用することができる。
非タバコ材料は、粒状材料、すなわち、顆粒、粉末、ペレット、不規則な形状の粒子、球形粒子等を含めた任意の好適なサイズ又は形状の粒子の形態の材料であってもよい。
非タバコ材料は、天然繊維又は人造繊維等の繊維の形態であってもよい。繊維及び粒子の混合物も、本明細書で開示される非タバコ材料に考慮される。
非タバコ材料は、粒状材料、繊維材料又は粒子と繊維との組合せ等の流動性又は比較的流動性の材料であってもよい。流動性又は比較的流動性の非タバコ材料は、一般的に、30wt%未満、好ましくは20wt%未満の水分含有量を有すると考えられる。
非タバコ材料は、ペースト又は粘性塊の形態で提供されうる。
非タバコ材料は、水不溶性、水溶性又はこれらの混合物であってもよい。例としては、非タバコ材料は、マルチトール等の糖アルコール並びに/又は微結晶性セルロース及び粉末セルロース等のセルロースを含む。一例では、非タバコ材料は、マルチトール及び微結晶性セルロースを含んでもよい。
充填材のニコチン源は、以下:ニコチンベース、ニコチン塩酸塩、ニコチン二塩酸塩、ニコチン一酒石酸塩、ニコチン二酒石酸塩、二酒石酸ニコチン二水和物、ニコチン硫酸塩、塩化ニコチン亜鉛一水和物、ニコチンサリチル酸塩、ニコチン安息香酸塩、及びニコチンポラクリレックスのうちの1種又は複数種であってもよい。特に、湿潤充填材は、以下:ニコチン二酒石酸塩、二酒石酸ニコチン二水和物、ニコチンベース及び酒石酸を含む水溶液、例えば水溶液の総質量に対して約20質量%のニコチンベース及び約10質量%の酒石酸を含む水溶液のうちの1種又は複数種を含んでもよい、又はからなってもよい。
本明細書に記載のニコチン源は、タバコ材料等のタバコを含まないことを理解されたい。
充填材は、湿潤充填材の総質量に対して、ニコチン基準で計算した場合、約0.5wt%~約10wt%、例えば約0.2wt%~約3wt%の範囲内の量のニコチン源を含んでもよい。
パウチ入り製品当たりのニコチン源の量は、ニコチン基準で計算した場合、ニコチンの約0.1mg~約30mgの範囲内、例えば、ニコチンの約0.5mg、約1.0mg、約1.5mg、約2.0mg、約2.5mg、約3.0mg、約3.5mg、約4.0mg、約4.5mg、約5.0mg、約6.0mg、約7.0mg、約8.0mg、約9.0mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg又は約25mgであってもよい。本明細書で使用される場合、mgはミリグラムを意味する。
充填材は、1種、2種又は3種以上の香味剤を含む。香味剤は、カプセル化されていてもよい且つ/又はカプセル化されていなくてもよい。本明細書で使用される場合、カプセル化された香味剤は、カプセル内に含有された香味剤である。したがって、非カプセル化香味剤は、カプセル内に含有されていない香味剤である。香料は、ネイチャーアイデンティカル(nature-identical)フレーバー等の合成フレーバー等の疎水性香味油等の香味油を含んでもよい又はからなってもよい。例としては、本明細書で開示される経口パウチ入りニコチン製品中の充填材の香味剤は、以下:ネイチャーアイデンティカルフレーバー等の合成フレーバー、植物由来のフレーバー、香味油、精油等の疎水性香味油のうちの1種又は複数種を含んでもよい又はからなってもよい。本明細書で使用される場合、ネイチャーアイデンティカルフレーバーは、天然香味料と化学的に同一であるが、化学的方法を用いて合成又は抽出される合成フレーバーを意味する。香味剤は、種々のフレーバーの混合物であってもよい。香味剤は、疎水性油等の油、液体、粉末又はこれらの混合物として提供されうる。更に、香味剤は、液体及び/又は固体の形態であってもよい。香味剤は、pH>7で安定性でありうる。
香味剤のフレーバーの例としては、ベルガモット、ユーカリ、オレンジ、マンダリンミカン、シトラス、レモン、ペパーミント、スペアミント、ミント、メントール、カンゾウ、ウィンターグリーン、ウィスキー、ラム、サクランボ、ベリー類、タバコ、コーヒー、バニラ、ライム、リンゴ、モモ、カルボン、リモネン及びこれらの2種以上の任意の組合せが挙げられる。例としては、香味剤は、以下:レモン油、ライム油、オレンジ油、グレープフルーツ油、ベルガモット油のうちの1種又は複数種であってもよい。
湿潤充填材は、カプセル化香味剤を更に含んでもよい。カプセル化香味剤は、非カプセル化香味剤と同一でも異なっていてもよい。或いは、湿潤充填材は、カプセル化香味剤を含まなくてもよい。
本明細書で開示される経口パウチ入りニコチン製品の湿潤充填材は、湿潤充填材の総質量に対して約0.5質量%~約5.0質量%、例えば0.5質量%~約3質量%の範囲内の香味剤を含んでもよい。
本明細書に記載の経口パウチ入りニコチン製品の充填材は、天然又は人工甘味料等の甘味料を更に含んでもよい。人工甘味料は、アセサルフェームカリウムを含んでもよい。甘味料は、湿潤充填材の総質量に対して約0.1% w/w~約1% w/wの範囲内の量で存在しうる。
更に、本明細書に記載の経口パウチ入りニコチン製品の充填材は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム及びこれらの2種以上の任意の組合せからなる群から選択される塩を更に含んでもよい。特に、塩は、塩化ナトリウムを含んでもよい又はからなってもよい。塩は、充填材の総質量に対して約1.0% w/w~約10% w/w、例えば約2.5% w/w~約5% w/wの範囲内の量で存在しうる。
本明細書に記載の経口パウチ入りニコチン製品の充填材は、充填材の総質量に対して約10質量%~約60質量%、例えば約40質量%~約60質量%、例えば約35質量%~約55質量%、例えば約35質量%~約45質量%、例えば約30質量%~約40質量%、例えば約50質量%~約60質量%の範囲内の水分含有量を有してもよい。一例では、充填材の水分は、充填材の総質量に対して約20wt%~約50wt%、例えば約20wt%~約45wt%、例えば約40wt%の量で存在してもよい。更なる例では、充填材の水分は、充填材の総質量に対して1wt%~20wt%、例えば15wt%~20wt%、例えば12wt%~20wt%、1wt%~12wt%、例えば1wt%~5wt%、例えば約3wt%、例えば0.1wt%~1wt%の範囲内の量で存在してもよい。
本明細書に記載の充填材の水分は、水及び任意選択により湿潤剤によって供給されうる。湿潤剤は、グリセロール及び/又はプロピレングリコールを含んでもよい又はからなってもよい。湿潤剤は、充填材の総質量に対して約5% w/w~約15% w/wの範囲内の量で存在しうる。
本明細書に記載の充填材のpH調整剤は、以下:Na2CO3、K2CO3、MgCO3、NaHCO3、KHCO3、NaOH、KOHのうちの1種又は複数種を含んでもよい又はからなってもよい。例としては、pH調整剤は、Na2CO3及び任意選択によるNaHCO3及び/又はKOHを含んでもよい又はからなってもよい。充填材は、本明細書に記載の酸を含まなくてもよいことを理解されたい。或いは、充填材は、少量の酒石酸等の酸を含んでもよい。酸は、充填材のpHに悪影響を与えない量で存在してもよい。更に、酒石酸等の酸は、ニコチンと組み合わせて存在してもよく、それによってニコチン塩が形成されうる。pH調整剤の量は、湿潤充填材が、純水中に分散されるとき、7.0超のpH、例えば約7.0~約10.0の範囲内のpH又は約8.0~約9.0の範囲内のpH、例えば約8.3~約8.7の範囲内のpHをもたらすように選択されうる。例えば、pH調整剤は、湿潤充填材の総質量に対して約1.0質量%~約15質量%の量で存在してもよい。
湿潤充填材のpHは、100mLの蒸留水を、例えば100mLのエレンマイエルフラスコ中の5.0グラムの湿潤充填材に添加し、100rpmでマグネチックスターラーを使用して、得られた混合物を室温で約5分間攪拌し、次いで(製造業者の指示書に従って)較正されたpHメーターを用いて、該混合物から得られた抽出物のpHを測定することによって測定することができる。正確に読み取るために、試料液は、1時間以内に分析すべきである。この文献では、用語「rpm」は、毎分回転数を意味する。更に、この文献では、表現「室温」は、約20℃~約25℃、例えば約22℃を意味する。
本明細書に記載の経口パウチ入りニコチン製品の包装材は、唾液浸透性の不織布材料を含んでもよい又はからなってもよい。不織布材料は、乾式、湿式又はスパンボンド式であってもよい。不織布材料は、熱融着可能な繊維等、シーリングを可能にさせる繊維及び/又は結合剤を含んでもよい。例としては、結合剤は、アクリレート結合剤を含んでもよい。したがって、本明細書に記載のパウチ入りニコチン製品のパウチは、熱融着によって形成されうる。加えて又は或いは、パウチは、超音波溶接によって超音波シールをもたらすことによって形成されてもよい。
本明細書に記載の経口パウチ入りニコチン製品の包装材は、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アスコルビン酸、酒石酸及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される酸を含む。特に、酸は、クエン酸を含んでもよい又はからなってもよい。包装材に含まれる酸は、その塩として提供されてもよいことを理解されたい。或いは、包装材に含まれる酸は、塩として提供されない。
驚くべきことに、包装材の酸が、貯蔵時に、充填材へ移行しないことが見いだされた。代わりに、包装材の酸は、包装材中にとどまり、酸を迅速に放出させ、それによって消費者の口腔に酸っぱい味をもたらす。この方法で、消費者は、迅速及び即座の酸放出にその後充填材の香味剤及びニコチンの遅延放出を楽しむことができる。したがって、消費者は、経口パウチ入りニコチン製品からの酸の迅速な放出を最初に経験し、全体的にも、より長い感覚の刺激を経験する。加えて、包装材中の酸と充填材との間の限られた接触は、酸が、充填材中の成分と相互作用することによって、例えば、ニコチンのプロトン化をもたらし、ニコチンの経口摂取の減少及び/又は充填材中のpH調整剤等の塩基性成分の中和を引き起こすリスクを最小限に抑える。驚くべきことに、包装材中の酸の存在が、実質的には、包装材のシール強度に悪影響を及ぼさないことも見いだされた。
包装材中の酸は、包装材の総質量に対して5wt%~約20wt%、約5wt%~約15wt%、約10wt%~約15wt%、又は約5wt%~約10wt%の範囲内の量で存在してもよい。特に、包装材中の酸は、包装材の総質量に対して約10wt%~約15wt%の範囲内、例えば約12wt%の量で存在してもよい。
また、本明細書に記載の経口パウチ入りニコチン製品の製造方法であって、
a)本明細書に記載の充填材を準備する工程と、
b)工程a)で得た充填材を包装材に封入する工程と
を含む、方法も提供する。
本明細書に記載の包装材は、
(i)クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アスコルビン酸、酒石酸及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される酸を含む水溶液で包装材を処理する工程と、後続する、
(ii)乾燥する工程と
によって製造されうる。
水溶液は、水及び任意選択で、エタノール等の食品等級溶媒を含んでもよい又はからなってもよい。包装材は、本明細書に記載の不織布材料であってもよい。工程(i)の処理は、包装材の水溶液中へのディッピング法等の浸漬によって行われうる。加えて又は別法では、工程(i)の処理は、水溶液の包装材上への噴霧によって行われうる。乾燥工程(ii)は、室温で又は室温を超える温度で行われうる。
本開示は、以下の非限定的な実施例によって例示される。
概要
乾式及び唾液浸透性の不織布材料NW37及びZ8732を以下の実施例で使用した。NW37は、US 2020/0297024 A1の段落[0101]に記載されているが、例外として、基本質量は、38g/m2ではなく、37g/m2であった。Z8723は、Tenowo社(独国)から購入し、ポリエチレンテレフタレート繊維及び化学的結合剤を含んでいた。クエン酸は、Kockens社(スウェーデン)及びVWR社(スウェーデン)のそれぞれから購入した。VWR社製のクエン酸は、一水和物として提供されていた。DL-リンゴ酸、L-(+)-乳酸、並びにL-アスコルビン酸及びL-(+)-酒石酸は、Sigma-Aldrich社(スウェーデン)から購入した。
pHの測定
充填材のpHは以下のとおりに測定した。100mLの蒸留水を5.0グラムの充填材に添加し、その後、室温で約5分間、得られた混合物を、100rpmでマグネチックスターラーを使用して攪拌し、次いで(製造業者の指示書に従って)較正されたpHメーターを用いて、該混合物から得られた抽出物のpHを測定した。正確に読み取るために、試料液は、1時間以内に分析すべきである。この文献では、用語「rpm」は、毎分回転数を意味する。更に、この文献では、表現「室温」は、約20℃~約25℃、例えば約22℃を意味する。パウチのpHを、充填材と同じ方法で測定したが、充填材の代わりに、充填材と不織布パウチ材料との混合物を使用した。
パウチシール強度の測定
パウチシール強度は、Instron5943機器を使用して、以下のとおりに測定した。一プライを上ゲージに取り付け、一プライを下ゲージに取り付ける。シールを剥離するために用いられる力を決定し、最大荷重での幅当たりの荷重(ミリメートル当たりのニュートン、すなわち、N/mm)として表した。以下の機械パラメータを使用した:
荷重範囲:50N
延長:10mm
ゲージ長:13mm
速度:10mm/min
予荷重:0.1N
試料幅:12mm
不織布シール強度の測定
不織布材料のシール強度は、Instron5943機器を使用して、以下のとおりに測定した。不織布材料をEP3192380Aに従って熱融着してシールを施した。一プライを上ゲージに取り付け、一プライを下ゲージに取り付けた。シールを剥離するために用いられる力を決定し、最大荷重での幅当たりの荷重(ミリメートル当たりのニュートン、すなわち、N/mm)として表した。本明細書で使用される場合、Nはニュートンを表し、mmはミリメートルを表し、minは分を表す。以下の機械パラメータを使用した:
荷重範囲:50N
延長:10mm
ゲージ長:13mm
速度:30mm/min
予荷重:0.1N
試料幅:33~43mm
(実施例1A)
クエン酸を水に溶解して、水溶液の総質量に対して1wt%、2wt%、3wt%、4wt%、5wt%及び6wt%のクエン酸を含む水溶液を得た。クエン酸を、不織布材料NW37及びZ8732中に以下のように含ませた。不織布材料を前記水溶液中に浸漬させて、完全に濡れるようにし、次いで瞬時に取り出した。その後、必要に応じて、不織布材料を室温で30分以上乾燥して、乾燥状態にした。
不織布材料に含まれるクエン酸の濃度を、クエン酸を含む水溶液で処理する前、及びクエン酸水溶液で処理しその後乾燥した後に不織布材料の質量を測定し、以下の式1を用いることによって算出した。
式1中、Xは、クエン酸水溶液で処理して乾燥した後の不織布材料の質量であり、Yは、クエン酸水溶液で処理する前の不織布材料の質量である。したがって、濃度は、クエン酸水溶液で処理した後の乾燥不織布材料中のクエン酸の量である。不織布材料に含まれるクエン酸の濃度は、不織布材料に含まれるクエン酸の量を意味し得る。
Table 1(表1)は、クエン酸水溶液で処理した乾燥不織布材料に含まれるクエン酸の濃度を示す。
クエン酸水溶液で処理した乾燥不織布材料の剥離強度を測定し、得られた結果をTable 2(表2)に示した。
(実施例1B)
2名の人が、実施例1Aのクエン酸で処理した不織布材料NW37を含む経口パウチを口内で味見し、濃度が1wt%及び2wt%のクエン酸で処理したNW37に酸味がない又は酸味が非常に少ないことを発見した。しかしながら、濃度が3wt%、4wt%及び5wt%のクエン酸で処理したNW37は、良い酸味がもたらされていたことを発見した。これらの濃度は、乾燥NW37の総質量に対して11wt%、15wt%及び20wt%の、NW37中のクエン酸に対応する。乾燥不織布材料の総質量に対して11wt%~20wt%のクエン酸を含む不織布材料が良好な酸味をもたらしたと結論付けられた。
(実施例1C)
この実施例は、実施例1Aと同じ方法で実施されたが、クエン酸は、水の代わりにエタノール(水中96%)中に溶解された。この方法では、室温での乾燥が、実施例1Aと比べて速かった。不織布材料中に含まれるクエン酸の濃度及び剥離強度を測定し、結果を、それぞれTable 3(表3)及びTable 4(表4)に示す。
Table 3(表3)の結果とTable 1(表1)の結果の比較は、溶媒として水の代わりにエタノールが使用されたとき、不織布材料中に取り入れられたクエン酸の濃度が一般的により高かったことを示す。
(実施例2)
ニコチン、微結晶性セルロース、マルチトール、レモン香料、塩化ナトリウム、pH調整剤及び水分を含む第1の充填材を準備した。水分含有量は、充填材の総質量に対して3wt%であった。第1の充填材と実質的に同一であるが、水分含有量が、充填材の総質量に対して40wt%である第2の充填材も準備した。
第1の充填材を、それぞれ3.5wt%のクエン酸を含む水溶液で処理した不織布材料NW37を使用した0.4gの超音波シールを有するポーションパウチ内に詰めた。不織布材料NW37に取り入れたクエン酸の濃度は、乾燥NW37の総質量に対して12.5wt%であった。
第2の充填材は、それぞれ4.5wt%のクエン酸を含む水溶液で処理した不織布材料Z8732を使用した0.9gの熱融着シールを有するポーションパウチ内に詰めた。不織布材料Z8732に取り入れたクエン酸の濃度は、乾燥Z8732の総質量に対して12.5wt%であった。
これらのパウチを、経口パウチの閉じ込めに好適なプラスチック缶に詰めた。プラスチック缶は、WO 2017/125405に記載されている。貯蔵用の恒温恒湿器(VC0100、Votsch Industrietechnik社製)中で貯蔵する前及び貯蔵した後に、充填材のpH及びパウチのシール強度を分析した。恒温恒湿器の条件を、冷蔵庫の条件に対応する0℃に設定した。一部の試料は、恒温恒湿器中で貯蔵した後、rt(すなわち、室温)で貯蔵した。pH及びパウチのシール強度を、上記のとおりに測定した。結果をTable 5(表5)及びTable 6(表6)に示す。比較実験をTable 7(表7)に示す。
Table 5(表5)に示すように、水分含有量が約3wt%の充填材1を含むパウチの場合、貯蔵は、充填材のpH又はパウチのpH(すなわち、充填材及び不織布材料を含む試料で測定されたpH)に実質的に影響を与えなかった。更に、Table 5(表5)は、剥離強度によって測定されるパウチのシール強度が、貯蔵によって実質的に影響されなかったことを示す。クエン酸は、不織布材料中に残った、すなわち、貯蔵中に、クエン酸は、充填材中へ移行しなかった又は実質的に移行しなかったと結論付けられたが、その理由として、移行すると充填材のpHを低下させたであろうと考えられるからである。
Table 6(表6)に示すように、水分含有量が約40wt%の充填材2を含むパウチの場合、貯蔵は、充填材及びパウチに関するpHに実質的に影響を与えなかった。クエン酸は、不織布材料中に残った、すなわち、貯蔵中に、クエン酸は、充填材中へ実質的に移行しなかったと結論付けられたが、その理由として、移行すると充填材のpHを低下させたであろうと考えられるからである。更に、Table 6(表6)の結果とTable 7(表7)に示すクエン酸を欠くパウチとの比較は、不織布パウチ材料中のクエン酸の存在が、充填材及びパウチに関するpHが低い製品をもたらすことを示す。したがって、クエン酸の存在が、それが調製される際にpHを低下させるように見える。しかしながら、調製された後は、貯蔵後のpHは実質的に変化しないままである。
(実施例3)
4名の人が、(i)実施例1Aに記載の量のクエン酸を含む不織布材料NW37と、(ii)実施例2に記載の充填材1と、を含む経口パウチ入り製品を試験した。NW37の総質量に対して12.5wt%のクエン酸を含む不織布材料NW37を含むパウチ入り製品は、最初に引き立つ酸味を与え、その後充填材からレモンフレーバーを与えたことが発見された。
同じ方法で、(i)実施例1Aに記載の様々な量のクエン酸を含む不織布材料Z8732と、(ii)実施例2に記載の充填材2と、を含む経口パウチ入り製品に対して試験を実施した。冷蔵庫内での1週間貯蔵した後、また冷蔵庫内での1週間の貯蔵にその後室温で3週間貯蔵した後に、酸味が残っていたことが発見された。
(実施例4)
不織布材料NW37を、実施例1Aに記載のものと同じ方法で、リンゴ酸、乳酸、アスコルビン酸及び酒石酸からなる群から選択される酸で処理した。乾燥NW37は、約12wt%~14wt%の酸を含有していた。このように、リンゴ酸、乳酸、アスコルビン酸及び酒石酸のそれぞれを、クエン酸の代わりに別々に使用した。
実施例2に記載の酸及び充填材1を含む不織布材料NW37を含むパウチ入り製品を、酸を含まない比較例と共に調製し、4名の人によって試験した。四種の酸のそれぞれにおいて、パウチ入り製品が、最初に酸味を与え、その後レモンフレーバーを与えたことが見出された。この最初の酸味のフレーバーは、比較例では見られなかった。
酸を含む不織布材料NW37に対して、また酸を含まない比較例に対して、剥離強度を試験した。結果をTable 8(表8)に示す。
試料番号1~3のパウチ材料のシール強度は、酸の存在による影響を実質的に受けなかったことが結論付けられた。対照的に、試料番号4は、シール強度が低下した。

Claims (17)

  1. 充填材と、
    前記充填材を封入する唾液浸透性パウチの包装材と
    を含む経口パウチ入りニコチン製品であって、
    前記充填材が、
    - 非タバコ材料、
    - ニコチン源、
    - 香味剤、
    - 前記充填材の総質量に対して1質量%~50質量%の範囲内の量の水分、
    - 以下:Na2CO3、K2CO3、MgCO3、NaHCO3、KHCO3、NaOH、KOHのうちの1種又は複数種を含むpH調整剤、及び
    - 任意選択で、前記充填材の総質量に対して0.05質量%~5質量%の範囲内のタバコ材料
    を含み、
    前記包装材が、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アスコルビン酸、酒石酸、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される酸を含み、前記酸が、前記包装材の総乾燥質量に対して5質量%~20質量%の範囲内の量で存在する、経口パウチ入りニコチン製品。
  2. タバコを含まない、又は前記タバコ材料が、前記充填材の総質量に対して0.1質量%~5質量%、例えば0.1質量%~1質量%の範囲内の量で存在する、請求項1に記載の経口パウチ入りニコチン製品。
  3. 前記非タバコ材料が、粒状物質、又は粒状物質と繊維材料との組合せである、請求項1に記載の経口パウチ入りニコチン製品。
  4. 前記非タバコ材料が、糖アルコール(例えば、マルチトール)、並びに/又はセルロース(例えば、微結晶性セルロース及び/若しくは粉末セルロース)を含む、請求項1に記載の経口パウチ入りニコチン製品。
  5. 前記非タバコ材料が、マルチトール及び/又は微結晶性セルロースを含む、請求項1に記載の経口パウチ入りニコチン製品。
  6. 前記ニコチン源が、以下:ニコチンベース、ニコチン塩酸塩、ニコチン二塩酸塩、ニコチン一酒石酸塩、ニコチン二酒石酸塩、二酒石酸ニコチン二水和物、ニコチン硫酸塩、塩化ニコチン亜鉛一水和物、ニコチンサリチル酸塩、ニコチン安息香酸塩、及びニコチンポラクリレックスのうちの1種又は複数種を含む、請求項1に記載の経口パウチ入りニコチン製品。
  7. 前記香味剤が、以下:合成フレーバー(例えば、ネイチャーアイデンティカルフレーバー)、植物由来のフレーバー、香味油、疎水性香味油(例えば、精油)のうちの1種又は複数種を含む、請求項1に記載の経口パウチ入りニコチン製品。
  8. 前記香味剤が、以下:レモン油、ライム油、オレンジ油、グレープフルーツ油、ベルガモット油のうちの1種又は複数種を含む、請求項1に記載の経口パウチ入りニコチン製品。
  9. 前記水分が、前記充填材の総質量に対して1質量%~20質量%、例えば15質量%~20質量%、例えば12質量%~20質量%、例えば1質量%~12質量%、例えば1質量%~5質量%、例えば0.1質量%~1質量%の範囲内の量で存在する、請求項1に記載の経口パウチ入りニコチン製品。
  10. 前記水分が、前記充填材の総質量に対して20質量%~50質量%、例えば20質量%~45質量%の範囲内、例えば40質量%の量で存在する、請求項1に記載の経口パウチ入りニコチン製品。
  11. 前記包装材が、不織布材料を含むか又は不織布材料からなる、請求項1に記載の経口パウチ入りニコチン製品。
  12. 前記酸が、前記包装材の総質量に対して5質量%~15質量%、10質量%~15質量%又は5質量%~10質量%の範囲内の量で存在する、請求項1に記載の経口パウチ入りニコチン製品。
  13. 前記酸が、クエン酸を含むか又はクエン酸からなる、請求項1に記載の経口パウチ入りニコチン製品。
  14. 前記酸が、リンゴ酸を含むか又はリンゴ酸からなる、請求項1に記載の経口パウチ入りニコチン製品。
  15. 請求項1から14のいずれか一項に記載の経口パウチ入りニコチン製品を調製する方法であって。
    a)請求項1から14のいずれか一項で定義した充填材を準備する工程と、
    b)工程a)で得た前記充填材を前記包装材に封入する工程と
    を含む、方法。
  16. 前記包装材が、
    (i)クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アスコルビン酸、酒石酸及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される酸を含む水溶液で包装材を処理する工程と、後続する、
    (ii)乾燥する工程と
    によって製造される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記酸が、クエン酸、又はリンゴ酸、又はクエン酸とリンゴ酸との組合せである、請求項16に記載の方法。
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