JP2024512978A - 免疫細胞組成物を生成するための方法 - Google Patents

免疫細胞組成物を生成するための方法 Download PDF

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イル チョイ、ジ
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Abstract

【要約】本願は、腫瘍浸潤リンパ球を含む免疫細胞組成物を生成するための方法、及び、それによって生成される免疫細胞組成物の使用に関する。

Description

本願は、免疫細胞組成物を生成するための方法に関する。特に、本願は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を含む免疫細胞組成物を生成するための方法に関する。
がん免疫療法は、がんを治療する方法のうちの1つであり、この方法は、がんを治療するために人体の免疫系を活性化する。がん免疫療法において使用されている免疫治療の一種として、免疫細胞治療が存在し、これは、体内の免疫細胞が採取されて、遺伝子工学技術を用いて強化又は改変された後に体内に戻される細胞治療法である。
そのような細胞治療法のうちの1つは、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いた方法であり、ここで、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)とは、がん細胞の周囲に集まるリンパ球を指す。TILを用いた治療は、患者の腫瘍に浸潤する自然発生T細胞を採取し、次にそのT細胞を活性化及び増殖(expanding)させる処理を含む。上記処理を通して活性化され多数に増殖した多数の活性化されたT細胞は、患者に注入して戻され、その結果として腫瘍の破壊をもたらす。
換言すれば、腫瘍浸潤リンパ球を用いたがん治療には、TILを培養及び増殖させる処理が不可欠である。しかしながら、この処理において、腫瘍組織からのTILの単離、培養及び増殖は複雑であり、より高い収率でTILを増殖させることは困難である。したがって、TIL培養及び増殖のためのより効率的な処理が必要であり、本願は、高い収率で免疫細胞組成物を生成するための方法に関する。
本願は、従来の低収率の生成方法と比較して、免疫細胞組成物を高い収率で効率的に生成するための方法を提供することを対象とする。
1つの実施形態において、本願は、免疫細胞を効率的に培養及び増殖させるための方法を提供する。
1つの特定の実施形態において、本願は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を効率的に培養及び増殖させるための方法を提供する。
本願の1つの態様は、免疫細胞組成物を生成するための方法を提供する。
本願の別の態様は、TILを含む免疫細胞組成物を提供する。
本願のまた別の態様は、TILを含む免疫細胞組成物の使用を提供する。
本願による免疫細胞組成物を生成するための方法は、従来の免疫細胞組成物を生成するための方法のそれよりも高効率を有する。具体的には、免疫細胞組成物を生成するための従来の方法と比較して、本願の方法においては低濃度のIL-2が使用され、免疫細胞を高い収率で入手することができる。
図1~図4は、免疫細胞組成物を生成する処理の例を示している。
半産物(semi-product)(中間産物(intermediate product))(試料から免疫細胞集団を単離して培養することによって生成され取得された第1の免疫細胞集団)を生成する処理を示している。
冷凍保存された半産物から最終産物(第2の免疫細胞集団から増殖させた第3の免疫細胞集団を取得することによって生成された免疫細胞組成物)を生成する処理を示している。
腫瘍試料から最終産物を生成する処理を示しており、この処理は、冷凍保存段階を含む例である。
腫瘍試料から最終産物を生成する処理を示しており、この処理は、冷凍保存段階を含まない例である。
腫瘍浸潤リンパ球(TIL)増殖収率を測定することによって入手された実験結果を示している。
TILの生成においてIL-2濃度を最適化するための実験結果を示している。TIL培養においてIL-2濃度を最適化するための実験結果を示している。
TILの生成においてIL-2濃度を最適化するための実験結果を示している。TIL増殖においてIL-2濃度を最適化するための実験結果を示している。
培養において使用される組成物の体積に応じたTILの細胞増殖率に関する実験結果を示している。
TIL培養において腫瘍組織当たりの培養細胞の数を測定することによって入手された実験結果を示している。
培養及び増殖させたTIL中のT細胞のパーセンテージを確認した結果を示している。
腫瘍試料からのTILの単離/培養及びTILの大量培養(増殖)のための処理の代表例を示している。
冷凍保存されて解凍された半産物から増殖させたTIL(試料番号BC16208)中のCD8+T細胞及びCD4+T細胞のパーセンテージを確認した結果を示している。
図12において同定されたCD4+T細胞及びCD8+T細胞中のT細胞のタイプを確認した結果を示している。
冷凍保存されて解凍された半産物から増殖させたTIL(試料番号BC17058)中のCD8+T細胞及びCD4+T細胞パーセンテージを確認した結果を示す。
図14において同定されたCD4+T細胞及びCD8+T細胞中のT細胞のタイプを確認した結果を示している。
冷凍保存されて解凍された半産物から増殖させたTIL(試料番号BC18050)中のCD8+T細胞及びCD4+T細胞のパーセンテージを確認した結果を示している。
図16において同定されたCD4+T細胞及びCD8+T細胞中のT細胞のタイプを確認した結果を示している。
冷凍保存されて解凍された半産物から増殖させたTIL(試料番号BC16028)中に存在する免疫細胞のパーセンテージを確認した結果を示している。 冷凍保存されて解凍された半産物から増殖させたTIL(試料番号BC16028)中に存在する免疫細胞のパーセンテージを確認した結果を示している。
冷凍保存されて解凍された半産物から増殖させたTIL(試料番号BC17058)中に存在する免疫細胞のパーセンテージを確認した結果を示している。 冷凍保存されて解凍された半産物から増殖させたTIL(試料番号BC17058)中に存在する免疫細胞のパーセンテージを確認した結果を示している。
冷凍保存されて解凍された半産物から増殖させたTIL(試料番号BC18050)中に存在する免疫細胞のパーセンテージを確認した結果を示している。 冷凍保存されて解凍された半産物から増殖させたTIL(試料番号BC18050)中に存在する免疫細胞のパーセンテージを確認した結果を示している。
TIL投与後の各群におけるマウスの体重の変化を確認した結果を示している。
TIL及びIL-2の同時投与後の各群におけるマウスの体重の変化を確認した結果を示している。
TIL投与後の各群におけるマウスの腫瘍体積の変化を確認した結果を示している。 TIL投与後の各群におけるマウスの腫瘍体積の変化を確認した結果を示している。 TIL投与後の各群におけるマウスの腫瘍体積の変化を確認した結果を示している。 TIL投与後の各群におけるマウスの腫瘍体積の変化を確認した結果を示している。
TIL投与後38日目にマウスを安楽死させ、そこから腫瘍を摘出することによって入手された各群における腫瘍サイズを確認した結果を示している。 TIL投与後38日目にマウスを安楽死させ、そこから腫瘍を摘出することによって入手された各群における腫瘍サイズを確認した結果を示している。
TIL及びIL-2の同時投与後の各群におけるマウスの腫瘍サイズの変化を確認した結果を示している。 TIL及びIL-2の同時投与後の各群におけるマウスの腫瘍サイズの変化を確認した結果を示している。 TIL及びIL-2の同時投与後の各群におけるマウスの腫瘍サイズの変化を確認した結果を示している。 TIL及びIL-2の同時投与後の各群におけるマウスの腫瘍サイズの変化を確認した結果を示している。
TIL投与後38日目にマウスを安楽死させ、そこから腫瘍を摘出することによって入手された各群における腫瘍サイズを確認した結果を示している。 TIL投与後38日目にマウスを安楽死させ、そこから腫瘍を摘出することによって入手された各群における腫瘍サイズを確認した結果を示している。
TIL及びIL-2の同時投与後の各群におけるマウスの体重の変化を確認した結果を示している。
TIL及びIL-2の同時投与後の各群におけるマウスの腫瘍体積の変化を確認した結果を示している。 TIL及びIL-2の同時投与後の各群におけるマウスの腫瘍体積の変化を確認した結果を示している。 TIL及びIL-2の同時投与後の各群におけるマウスの腫瘍体積の変化を確認した結果を示している。 TIL及びIL-2の同時投与後の各群におけるマウスの腫瘍体積の変化を確認した結果を示している。
TIL及びIL-2の同時投与後70日目にマウスを安楽死させ、そこから腫瘍を摘出することによって入手された各群における腫瘍体積を確認した結果を示している。 [発明の態様]
本願の1つの実施形態において、免疫細胞組成物を生成するための方法が提供される。
本願の1つの実施形態において、本願の一実施形態による方法によって生成される免疫細胞組成物が提供される。
本願の1つの実施形態において、被験体内のがんを治療するための免疫細胞組成物の使用が提供される。
本願の1つの実施形態において、免疫細胞組成物を用いて被験体内のがんを治療するための方法。
本願の実施形態が、下で詳細に説明される。
本願の1つの実施形態において、以下を備える免疫細胞組成物を生成するための方法が提供される。
(a)第1の容器内で腫瘍試料を培養する段階、
ここで、腫瘍試料は、第1の容器内の第1の組成物中で培養され、第1の組成物は、培地、血清、及び500~1500IU/mLのIL-2を含み、
ここで、第1の容器は、ガス透過性容器又はガス供給システムを有する容器であり、
ここで、培養は、13~15日間行われ、
ここで、培養中、第1の容器に第1の添加剤組成物が1回又は2回又はそれよりも多い回数添加され、第1の添加剤組成物は、培地、血清、及びIL-2を含む;
(b)(a)から入手した培養された産物から第1の免疫細胞集団を入手する段階;
(c)第2の容器内に第2の組成物及び第2の免疫細胞集団を播種する段階、
ここで、第2の免疫細胞集団は、第1の免疫細胞集団に由来し、
ここで、第2の組成物は、培地、血清、1000~3000IU/mLのIL-2、抗CD3抗体、及びフィーダー細胞を含み、
ここで、第2の容器は、ガス透過性容器又はガス供給システムを有する容器である;
(d)前記第2の免疫細胞集団を増殖させて、第3の免疫細胞集団を生成する段階、
ここで、増殖中、第2の容器に第2の添加剤組成物が1回又は2回又はそれよりも多い回数添加され、第2の添加剤組成物は、培地、血清、及びIL-2を含み、
ここで、増殖は、13~15日間行われる;及び
(e)(d)において増殖させた増殖産物から第3の免疫細胞集団を入手して、免疫細胞組成物を生成する段階、
ここで、第3の免疫細胞集団は、第2の免疫細胞集団と比較して少なくとも2500倍多い細胞を有する。
1つの実施形態において、方法は、前記腫瘍試料を調製する段階をさらに備えてよく、前記腫瘍試料を前記調製する段階は、(a)の前に実行されてよい。
1つの実施形態において、(a)において、被験体から入手した腫瘍断片から前記腫瘍試料を入手してよく、前記腫瘍試料は、おおよそ1mm~4mmの断面積を有してよい。
1つの実施形態において、(a)において、12~24の腫瘍試料が培養されてよい。
1つの実施形態において、第1の組成物の血清の濃度は、5体積%又はそれよりも低くてよい。
1つの実施形態において、第1の組成物の血清の濃度は、約3体積%又はそれよりも低くてよい。
1つの実施形態において、第1の組成物の培地は、CTS-AIM-V培地であってよい。
1つの実施形態において、第1の組成物のIL-2の濃度は、約1000IU/mLであってよい。
1つの実施形態において、第1の組成物の体積は、第1の容器の最大許容可能容量の30%又はそれよりも小さくてよい。
1つの実施形態において、第1の容器は、T75フラスコであってよく、第1の組成物の体積は、6mlであってよい。
1つの実施形態において、第1の添加剤組成物は、第1の組成物と同じ組成物質及び組成比を有してよい。
1つの実施形態において、第1の添加剤組成物のIL-2濃度は、約1000IU/mLであってよく、第1の添加剤組成物の血清濃度は、約3体積%であってよく、第1の添加剤組成物の培地は、CTS-AIM-V培地であってよい。
1つの実施形態において、培養中、第1の添加剤組成物は、第1の容器に2回又はそれよりも多い回数添加されてよい。
ここで、1つの実施形態において、培養中、第1の添加剤組成物は、培養の開始日から7日目、10日目、及び12日目に第1の容器に添加されてよく、添加される第1の添加剤組成物の量は、各添加点において同じであってよい。
1つの実施形態において、第2の免疫細胞集団は、第1の免疫細胞集団から入手されてよい。
1つの実施形態において、第2の免疫細胞集団は、第1の免疫細胞集団を洗浄する段階を備える方法によって入手されてよい。
1つの実施形態において、第2の組成物の培地は、CTS-AIM-Vであってよい。
1つの実施形態において、第2の組成物の血清濃度は、5体積%又はそれよりも低くてよい。
1つの実施形態において、第2の組成物の血清の濃度は、約3体積%であってよい。
1つの実施形態において、第2の組成物のIL-2の濃度は、約2000IU/mLであってよい。
1つの実施形態において、抗CD3抗体は、OKT3であってよい。
1つの実施形態において、第2の組成物の抗CD3抗体濃度は、10ng/mL~100ng/mLであってよい。
1つの実施形態において、第2の組成物の抗CD3抗体濃度は、約30ng/mLであってよい。
1つの実施形態において、フィーダー細胞は、不活性化同種異系末梢血単核細胞であってよい。
1つの実施形態において、フィーダー細胞は、第2の免疫細胞集団中の細胞数に基づいて、おおよそ1:200(第2の免疫細胞集団の細胞数:フィーダー細胞数)の比で第2の組成物に含まれてよい。
1つの実施形態において、播種する段階において、第2の容器に播種される第2の免疫細胞集団の細胞数は、1E5~10E5であってよい。
1つの実施形態において、播種する段階において、第2の容器に播種される第2の免疫細胞集団の細胞数は、約4E5であってよい。
1つの実施形態において、第2の組成物の体積は、第2の容器の最大許容可能容量の30%又はそれよりも小さくてよい。
1つの実施形態において、第2の容器は、GREX100Mであってよく、第2の組成物の体積は、約20mlであってよい。
1つの実施形態において、増殖中、免疫細胞は、第2の容器から除去されてなくてもよいし、又は、外部から添加されなくてもよい。
1つの実施形態において、第2の添加剤組成物は、抗CD3抗体及びフィーダー細胞が除外された、第2の組成物と同じ組成物質及び組成比を有する組成物であってよい。
1つの実施形態において、第2の添加剤組成物のIL-2濃度は、約2000IU/mLであってよく、第2の添加剤組成物の血清濃度は、約3体積%であってよく、第2の添加剤組成物の培地は、CTS-AIM-Vであってよい。
1つの実施形態において、増殖中、第2の添加剤組成物は、第2の容器に2回又はそれよりも多い回数添加されてよい。
ここで、1つの実施形態において、添加される第2の添加剤組成物の量は、各添加点で異なってよい。
ここで、1つの実施形態において、増殖中、第2の添加剤組成物は、増殖の開始日から4日目、6日目、8日目、及び10日目に第2の容器に添加されてよく、添加される第2の添加剤組成物の量は、各添加点で徐々に増加されてよい。
ここで、1つの実施形態において、第2の添加剤組成物は、増殖の開始日から4日目に20ml、増殖の開始日から6日目に60ml、増殖の開始日から8日目に180ml、及び増殖の開始日から10日目に540ml、第2の容器に添加されてよい。
1つの実施形態において、第3の免疫細胞集団の細胞数は、第2の免疫細胞集団の細胞数よりも少なくとも4000倍多くてよい。
1つの実施形態において、免疫細胞組成物は、第3の免疫細胞集団を含んでよい。
1つの実施形態において、免疫細胞組成物は、第3の免疫細胞集団から入手された第4の免疫細胞集団を含んでよい。
1つの実施形態において、腫瘍試料は、乳癌、大腸癌、肺癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、又は悪性黒色腫を含む皮膚癌を有する被験体の固形腫瘍に由来するものであってよい。
1つの実施形態において、腫瘍試料は、肺癌を有する被験体の悪性胸水に由来するものであってよい。
1つの実施形態において、方法は、第1の免疫細胞集団を冷凍保存する段階;及び冷凍保存された第1の免疫細胞集団を解凍する段階をさらに備えてよく、第1の免疫細胞集団を冷凍保存する段階及び冷凍保存された第1の免疫細胞集団を解凍する段階は、(b)の後に行われてよい。
本願の1つの実施形態において、腫瘍浸潤リンパ球を含む免疫細胞組成物が提供される。
1つの実施形態において、免疫細胞組成物は、本願の一実施形態による免疫細胞組成物を生成するための方法によって生成されてよい。
本願の1つの実施形態において、腫瘍浸潤リンパ球を含む免疫細胞組成物を投与する段階を備える、被験体のがんを治療するための方法が提供される。ここで、免疫細胞組成物は、本願の一実施形態による免疫細胞組成物を生成するための方法によって生成されてよい。
1つの実施形態において、被験体は、腫瘍浸潤リンパ球がそれに由来する被験体であってよい。
本願の1つの実施形態において、被験体のがんを治療するための腫瘍浸潤リンパ球を含む免疫細胞組成物の使用が提供される。ここで、免疫細胞組成物は、本願の一実施形態による免疫細胞組成物を生成するための方法によって生成されてよい。
1つの実施形態において、被験体は、腫瘍浸潤リンパ球がそれに由来する被験体であってよい。
[本発明の開示]
以下、添付図面を参照しながら、特定の実施形態及び実施例を通して、本発明がさらに詳細に説明される。添付図面は、全てではなく一部の実施形態を含むことに留意されたい。本願に開示される本発明の内容は、様々な方法で実施されてよく、本願に記載した特定の実施形態に限定されない。本発明が属する分野の当業者であれば、本願に開示した本発明の内容に関する様々な修正及び他の実施形態を推測することができる。したがって、本願に開示された本発明の内容は、本願に記載された特定の実施形態に限定されず、その修正及び他の実施形態が特許請求の範囲の範囲内に含まれることが理解されるべきである。
[用語の定義]
免疫(細胞)組成物
本願において使用される「免疫細胞組成物」又は「免疫組成物」という用語は、免疫細胞集団を含む組成物を指す。本願において、免疫細胞は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を包含する。腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は、腫瘍まで移動して、腫瘍の周囲で生きる免疫細胞を指す。TILは、がん細胞を認識し、これらを殺すことができる。TILは、T細胞、B細胞、及びナチュラルキラー細胞を含む様々な免疫細胞を含んでよい。T細胞は、TILの大部分を占めることが知られている。
半産物(Semi-product(half-product))
本願において開示される免疫細胞組成物を生成するための方法は、半産物を生成する段階を備えてよい。ここで、半産物とは、試料から免疫細胞集団を単離して培養することを通して生成され入手される第1の免疫細胞集団を指す。免疫細胞治療技術の分野で使用されている従来の用語によれば、半産物とは、プレ急速増殖プロトコル(pre-Rapid Expansion Protocol)(プレREP(pre-REP))によって製造された免疫細胞集団を指す。すなわち、免疫細胞治療技術の分野における従来の用語によれば、半産物とは、プレREP産物と称される場合がある。
最終産物
本願において開示される免疫細胞組成物を生成するための方法は、最終産物(final product(finished product))を生成する段階を含んでよい。ここで、最終産物とは、第2の免疫細胞集団から増殖された第3の免疫細胞集団を入手することによって生成された免疫細胞組成物又は免疫組成物を指す。免疫細胞治療技術の分野で使用される従来の用語によれば、最終産物とは、急速増殖プロトコル(Rapid Expansion Protocol)(REP)によって製造された免疫細胞集団を指す。すなわち、免疫細胞治療技術の分野で使用される従来の用語によれば、最終産物は、REP産物と称される場合がある。それは、薬剤産物と称される場合もある。
被験体
本願において用いられる場合、被験体とは、腫瘍を有する個体を指し、ヒトを含む。腫瘍は、固形腫瘍及び液性腫瘍であってよい。固形腫瘍は、肺腫瘍、乳房腫瘍、膀胱腫瘍、卵巣腫瘍等における腫瘍を含み、液性腫瘍は、例えば、白血病、骨髄腫、リンパ腫等の血液学的腫瘍を含むが、本願はこれに限定されない。
容器
本願において用いられる場合、容器は、腫瘍組織又は腫瘍試料を培養するか、又は免疫細胞集団を増殖させるのに使用される容器を指す。本願において、容器は、培地、血清、血漿、IL-2、OKT3、及び/又はフィーダー細胞を含む組成物とともに、腫瘍組織又は免疫細胞集団を培養又は増殖させるのに使用される。容器は、ガスが通過するガス透過性容器又はガスを提供するガス供給システムを有する容器であってよい。すなわち、容器は、ガスが容器を通過することができるように製造された容器、又は、ガスを通過させように製造されていないがガスの通り抜けを可能にする別個のガス供給システムを有する容器であってよい。容器は、例えば、24ウェルプレート、T25、T75、又はT125フラスコ、GREX10、GREX10M、GREX10M-CS、GREX100、GREX100M、GREX100M-CS、GREX500、GREX500M、又はGREX500M-CSフラスコ等のフラスコ、又は培養バッグであってよいが、本願はこれに限定されない。
培地
本願において用いられる場合、培地とは、細胞及び/又は組織を培養するための栄養源を指す。培地は、培養されることになる物体のタイプによって変わり得る。培地は、AlyS505N、AIM-V培地、又はRPMI培地であってよいが、本願はこれに限定されない。本願の1つの実施形態によれば、培地には、組織及び/又は免疫細胞を培養及び/又は増殖させるために使用されることになる血清、血漿、IL-2、OKT3及び/又はフィーダー細胞が補足される。
血清
本願において用いられる場合、「血清("serum" or "blood serum")」という用語は、基本培養培地に添加される添加剤を指し、血清は、高分子量タンパク質、低分子量栄養素、及び細胞成長に必要な成分を含有し得る。血清は、市販のヒトAB血清等のヒト血清であるが、本願はこれに限定されない。ここで、培地中の血清の濃度は、おおよそ10vol%又はそれよりも低く、おおよそ9vol%又はそれよりも低く、おおよそ8vol%又はそれよりも低く、おおよそ7vol%又はそれよりも低く、おおよそ6vol%又はそれよりも低く、おおよそ5vol%又はそれよりも低く、おおよそ4vol%又はそれよりも低く、又は、3vol%又はそれよりも低くてよい。
血漿
本願において用いられる場合、「血漿」("plasma" or "blood plasma")という用語は、基本培養培地に添加される添加剤を指し、血漿は、フィブリノゲン不含有血清を示す。血漿は、細胞成長に必要な成分を含有する。本願において使用される血漿は、患者の血液から単離された血漿を含むが、本願はこれに限定されない。本願において、血清の代わりに、培地に含まれている血漿が使用されてよい。ここで、培地中の血漿の濃度は、おおよそ10vol%又はそれよりも低く、おおよそ9vol%又はそれよりも低く、おおよそ8vol%又はそれよりも低く、おおよそ7vol%又はそれよりも低く、おおよそ6vol%又はそれよりも低く、おおよそ5vol%又はそれよりも低く、おおよそ4vol%又はそれよりも低く、又は、3vol%又はそれよりも低くてよい。
IL-2
本願において使用される「IL-2」という用語は、T細胞増殖を促進する因子を指すインターロイキン-2の略語である。IL-2は、ヒトリコンビナントIL-2等の様々なタイプのIL-2を含む。本願において、IL-2は、第1の組成物に含まれてよく、IL-2の濃度は、おおよそ10,000IU/mL、おおよそ9,000IU/mL、おおよそ8,000IU/mL、おおよそ7,000IU/mL、おおよそ6,000IU/mL、おおよそ5,000IU/mL、おおよそ4,000IU/mL、おおよそ3,000IU/mL、おおよそ2,000IU/mL、おおよそ1,000IU/mL、又は、おおよそ500IU/mLであってよい。さらに、本願において、IL-2は、OKT3及びフィーダー細胞とともに第2の組成物に含まれてよく、ここで、IL-2の濃度は、おおよそ10,000IU/mL、おおよそ9,000IU/mL、おおよそ8,000IU/mL、おおよそ7,000IU/mL、おおよそ6,000IU/mL、おおよそ5,000IU/mL、おおよそ4,000IU/mL、おおよそ3,000IU/mL、おおよそ2,000IU/mL、おおよそ1,000IU/mL、又はおおよそ、500IU/mLであってよい。
免疫細胞集団
本願において用いられる場合、「免疫細胞集団」という用語は、本質的に複数の免疫細胞からなる群又は集団を指し、免疫細胞はTILを含む。ここで、第1の免疫細胞集団は、最初に被験体の腫瘍組織を培養することによって入手される免疫細胞集団を意味し、第2の免疫細胞集団は、第1の免疫細胞集団に由来し、必要に応じて第1の免疫細胞集団を分割することによって使用される、免疫細胞集団を意味し、第3の免疫細胞集団は、第2の免疫細胞集団を増殖させることによって入手される免疫細胞集団を意味する。
冷凍保存
本願において用いられる場合、「冷凍保存」という用語は、免疫細胞の損傷を抑制し、長期にわたって免疫細胞集団を保存するための、超低温での免疫細胞集団の保管を指す。例えば、本願において、冷凍保存は、液体窒素タンク内で細胞又は免疫細胞集団を保管する処理を表すために使用され得る。1つの実施形態において、冷凍保存期間は、最大でも、おおよそ1年、おおよそ2年、おおよそ3年、おおよそ4年、おおよそ5年、おおよそ6年、おおよそ7年、おおよそ8年、おおよそ9年、おおよそ10年、おおよそ11年、おおよそ12年、おおよそ13年、おおよそ14年、おおよそ15年、おおよそ16年、おおよそ17年、おおよそ18年、おおよそ19年、又はおおよそ20年であってよい。免疫細胞集団を冷凍保存するために、冷凍保存のための培地が使用される。冷凍保存のための培地は、おおよそ10%DMSOを含んでよく、培地は、Cryostor CS10培地を含むが、本願はこれに限定されない。冷凍保存は、免疫細胞組成物を生成するための方法の各段階の間に選択的に含まれてよい。
播種
本願において用いられる場合、「播種」という用語は、容器に細胞を分注することを指し、播種は、本願において、第2の免疫細胞集団を第2の容器に分注することを含む。例えば、第2の免疫細胞集団の播種は、第2の組成物中におおよそ2E4細胞/mLを懸濁させ、容器のタイプによって異なる量でこれを分注することによって実行されてよい。1つの例において、20mLの細胞懸濁液がGREX100Mに分注されてよく、第2の免疫細胞集団が、おおよそ4E5の細胞の細胞数で播種されてよい。
抗CD3抗体
本願において用いられる場合、「抗CD3抗体」という用語は、T細胞表面上の膜タンパク質、すなわち、CD3受容体を標的とする抗体を指す。抗CD3抗体は、OKT3を含み、ヒト、ヒト化及びネズミ抗体を含む、全てのタイプのモノクローナル及びポリクローナル抗CD3抗体も含む。本願において使用されるOKT3は、ヒト、ヒト化、キメラ又はネズミ抗体、バイオシミラー、及びそれらの変異体等の、全てのモノクローナル抗体を含む。他の抗CD3抗体の例として、オテリキシズマブ、テプリズマブ、及びビジリズマブを含む。
フィーダー細胞
本願において用いられる場合、「フィーダー細胞」という用語は、免疫細胞を活性化及び増殖させるために、免疫細胞を培養又は増殖させるための組成物に含まれている細胞を指す。例えば、本願において、フィーダー細胞は、第2の組成物の免疫細胞を活性化及び増殖させるために第2の組成物に含まれてよい。フィーダー細胞は末梢血単核細胞(peripheral blood mononuclear cell)(PBMC)を含み、これは円形細胞核を有する末梢血細胞を指す。本願において使用されるPBMCは、照射同種異系末梢血単核細胞を含む。
増殖
本願において用いられる場合、「増殖」という用語は、細胞集団又は免疫細胞集団が所定の期間を経て所定の倍数だけ又はそれよりも多く増加することを意味する。
おおよそ
本願において用いられる場合、「おおよそ」又は「約」という用語は、統計学的に有意な範囲にあることを意味する。別段の言及が無い限り、本願において使用される「おおよそ」又は「約」という用語は、所与の値の20%又は10%以内の範囲の値を有することを意味する。
含む/備える
本願において使用される「含む」という用語は、任意選択で追加される物質又は段階を除外しないことを意味する。
[免疫細胞治療]
概要
がんは、肺癌、乳癌、及び結腸直腸癌を含む、制御不可能な細胞周期に起因して細胞分裂が続く疾患のグループである。近年、がんを治療する方法の1つとして、がん免疫療法が研究されており、がん免疫療法とは、人体の免疫系を活性化させることによってがんを治療する方法を指す。がん免疫療法のために使用されるがん免疫治療として、免疫細胞治療は、身体から免疫細胞を採取して、これらを強化するか又はこれらを遺伝子改変して体内に戻す細胞治療法である。
この方法は、養子細胞移植(ACT)と呼ばれ、TILを使用する治療、及び、遺伝子工学を通して改変されたT細胞を使用する、T細胞受容体(TCR)発現T細胞又はキメラ抗原受容体(CAR)発現T細胞を使用する治療に分類される。本願の1つの実施形態において、TILを使用する治療法が開示される。
腫瘍浸潤リンパ球(TIL)及びこれを使用する治療
腫瘍浸潤リンパ球(TIL)とは、がん細胞の周囲に集まるリンパ球を指す。TILを使用した治療は、患者の腫瘍に浸潤した自然発生T細胞を収穫すること、これらのT細胞を活性化して増幅させること、及び、次に、腫瘍を抑制又は破壊するために、多数の活性化されたT細胞を患者に再導入することを伴う。
免疫細胞組成物を生成するための従来の方法
概要
免疫細胞組成物、すなわち、TILを含む免疫細胞組成物を生成するための処理は、以下の段階を一般に含む。
1.
試料の処理
一般に、TILを含む免疫細胞組成物を入手するために、試料を処理する段階がまず行われる。ここで、試料とは、患者から入手された腫瘍試料を意味し、腫瘍試料は、試料処理段階において小さな断片に切断される。
2.
培養
一般に、腫瘍試料を処理した後、取得された小さな腫瘍断片を、腫瘍を培養するための培地において培養する。一般に、培養は、高濃度のIL-2を含有する培地において行われる。培養段階を通して、第1の免疫細胞集団が入手される。
3.
増殖
培養段階を経た第1の免疫細胞集団は、増殖段階に進む。一般に、増殖段階は、急速増殖プロトコル(REP)と称され得る。増殖段階は、一般に、高濃度のIL-2、抗CD3抗体、及びフィーダー細胞を含有する培地において行われる。
4.取得及び製剤化
増殖段階を経た免疫細胞集団は、汚染されない方式で取得され、患者に投与するのに好適な容器にそれを移すことによって製剤化される。
[従来技術の制限]
TILを使用してがんを治療するために、まず、がん組織からTILが単離され、培養され、増殖されなければならない。がん組織からTILを単離し、培養し、次に増殖するための一連の処理は、かなり複雑であり、そのような一連の処理は、TILの収率に影響する場合がある。したがって、従来の方法は、各処理が最適化又は標準化されていないこと又は低効率を有することから、低収率の問題を有する。これを克服するために、各処理を最適化及び標準化して、従来の方法よりも高効率かつ高収率の方法を生み出すことが必要である。したがって、本願において提供される免疫細胞組成物を生成するための方法は、TIL培養及び増殖のための一連の処理を最適化及び標準化することによってTILの高収率を得るように開発された。
[本願において開示される免疫細胞組成物を生成するための方法及び免疫細胞組成物の使用]
本願は、免疫細胞組成物(免疫組成物)を生成するための方法を開示する。
1つの実施形態において、本願の免疫細胞組成物を生成するための方法は、以下の処理:
半産物の生成;冷凍保存;冷凍保存された第1の免疫細胞集団の解凍;及び最終産物の生成
のうちのいずれか1又は複数を備えてよい。
1つの実施形態において、免疫細胞組成物を生成するための方法は、腫瘍試料を培養する段階;第1の免疫細胞集団を入手する段階;第2の免疫細胞集団を播種する段階;第2の免疫細胞集団を増殖する段階;及び、免疫細胞組成物を生成する段階を備えてよい。
1つの実施形態において、免疫細胞組成物を生成するための方法は、腫瘍試料を培養する段階;第1の免疫細胞集団を入手する段階;第1の免疫細胞集団を冷凍保存する段階;冷凍保存された第1の免疫細胞集団を解凍する段階;第2の免疫細胞集団を播種する段階;第2の免疫細胞集団を増殖させる段階;及び、免疫細胞組成物を生成する段階を備えてよい。
本願の免疫細胞組成物を生成するための方法に含むことができる各処理は、下で詳細に開示される。
I.半産物の生成
本願において開示される免疫細胞組成物を生成するための方法は、半産物を生成する処理及び/又は最終産物を生成する処理を含んでよい。ここで、半産物とは、腫瘍試料を培養した後に培養された組成物から入手された第1の免疫細胞集団を指す。半産物を生成する処理は、下に記載される内容を含んでよい。この段階は、免疫細胞治療の分野における従来の用語に従ってプレ急速増殖プロトコル(プレREP)に対応し得る。
1つの実施形態において、半産物の生成は、
腫瘍試料を培養する段階;及び
第1の免疫細胞集団を入手する段階
を含んでよい。
1つの実施形態において、半産物の生成は、腫瘍試料を調製する段階をさらに含んでよい。ここで、腫瘍試料を調製する段階は、腫瘍試料を培養する段階の前に行われる。
半産物の生成に含まれる各処理は、下で詳細に説明される。
1.腫瘍試料の調製
概観
第1の免疫細胞集団を取得するために、まず、腫瘍試料が調製されなければならない。ここで、腫瘍試料は、被験体の腫瘍組織に由来し、がん細胞の周囲に存在する特性を有する腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を含む。
1つの実施形態において、腫瘍試料の調製は、被験体から入手された腫瘍組織を処理する段階を含んでよい。別の実施形態において、被験体から入手された腫瘍組織は、さらなる処理を行わずに腫瘍試料として使用されてよい。
腫瘍試料を調製する処理は、下で詳細に説明される。
腫瘍組織の入手
腫瘍試料の調製に使用される腫瘍組織は、腫瘍を有する被験体から取得される。ここで、腫瘍を有する被験体とは、腫瘍を有するヒトを含んでよい。腫瘍組織の入手は、本発明の実施者によって直接行われてもよいし、又は、腫瘍組織の入手は、病院から腫瘍組織を入手することによって行われてもよい。
1つの実施形態において、腫瘍組織は、固形腫瘍又は液性腫瘍を有するヒトから入手されてよい。固形腫瘍を有するヒトは、例えば、乳癌、結腸直腸癌、肺癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、又は悪性黒色腫を含む皮膚癌を有する患者であってよいが、本願はこれに限定されない。液性腫瘍を有するヒトは、例えば、白血病又はリンパ腫を含む血液がんを有する患者であってよいが、本願はこれに限定されない。
ここで、腫瘍組織は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を含む。
腫瘍組織は、様々な経路を介して被験体から採取される。例えば、腫瘍組織は、被験体(例えば、がん患者)の腫瘍を採取することによって入手されてよい。別の例として、腫瘍組織は、がん患者において観察される悪性胸水を採取することによって入手されてよい。具体例として、肺癌患者の場合、被験体から取得された腫瘍組織は、患者の胸水を採取することによって入手されてよい。
腫瘍組織は、当該技術分野で知られている方法によって入手されてよい。1つの実施形態において、腫瘍組織は、生検によって入手されてよい。生検は、腫瘍の一部を除去するための摘出生検、及び、シリンジの針を使用した吸引生検を含むが、本願はこれに限定されない。腫瘍組織は、生検、及び、当該技術分野で知られている他の方法によって入手されてよい。1つの実施形態において、腫瘍組織は、乳癌及び/又は肺癌を有する患者の腫瘍の一部を除去するための摘出生検を介して入手してされてよい。
1つの実施形態において、腫瘍組織は、乳癌及び/又は肺癌患者から入手された乳癌組織及び/又は肺癌組織であってよい。
腫瘍組織の処理
被験体から入手された1つの実施形態において、腫瘍組織は、さらなる処理を経た後に腫瘍試料として調製されてもよいし、又は、被験体から入手された腫瘍組織は、いかなる処理も行わずに腫瘍試料として調製されてよい。
腫瘍組織の処理は、下で詳細に説明される。
1つの実施形態において、腫瘍組織の処理は、洗浄、脂質組織の除去、及び/又は小さな断片の形成を含んでよいが、本願はこれに限定されない。
1)洗浄
腫瘍組織の処理は、腫瘍組織の洗浄を含んでよい。1つの実施形態において、洗浄は、腫瘍組織を培地で洗浄することを含んでよい。1つの実施形態において、洗浄は、抗生物質を含有する輸送培地に移植された腫瘍組織から抗生物質を除去することを含んでよい。
1つの実施形態において、腫瘍組織は、培地で1回、2回、3回、4回、5回、又はそれよりも多い回数洗浄されてよい。特定の実施形態において、腫瘍試料は、培地を使用して2回又は3回洗浄されてよい。
1つの実施形態において、腫瘍組織は、抗生物質を含まない培地を使用して洗浄されてよい。特定の実施形態において、腫瘍組織は、抗生物質不含有RPMI1640培地で洗浄されてよい。特定の実施形態において、腫瘍組織は、抗生物質不含有RPMI1640培地で3回洗浄されてよい。
2)脂質組織の除去
腫瘍組織の処理は、脂質組織の除去を含んでよい。ここで、脂質組織の除去は、腫瘍試料が大量の脂肪を含有するか否かに応じて、実行されてもよいし又は省略されてもよい。脂質組織の除去は、腫瘍組織から脂質組織を分離することを含む。1つの実施形態において、脂質組織の除去は、ピンセット及びはさみを使用して実行されてよい。
3)腫瘍組織の小さな断片の形成
腫瘍組織の処理は、腫瘍組織を小さな断片に形成することを含んでよい。腫瘍組織は、カッター(例えば、はさみ又はナイフ)、又は、消化酵素を含有する溶液を使用して小さな断片に形成されてよいが、本願はこれに限定されない。
1つの実施形態において、腫瘍組織は、一辺の幅が、おおよそ0.1~10mm、おおよそ0.4~5mm、おおよそ0.6~4mm、おおよそ0.8~3mm、又はおおよそ1~2mmであるように切断されてよい。特定の実施形態において、腫瘍組織は、一辺の幅がおおよそ1~2mmであるように切断されてよい。
1つの実施形態において、腫瘍組織は、断面積が、おおよそ0.01~100mm、おおよそ0.1~50mm、おおよそ0.2~10mm、おおよそ0.5~5mm、おおよそ0.7~4mm、又はおおよそ1~2mmであるように切断されてよい。特定の実施形態において、腫瘍組織は、おおよそ1から2mmの断面積を有するように切断されてよい。
別の実施形態において、腫瘍組織は、消化酵素を含む消化溶液によって小さな断片に形成されてよく、ここで、腫瘍組織は、コラゲナーゼ等の酵素を含む消化溶液によって小さな断片に切断されてよい。
2.腫瘍試料の培養
概観
この段階において、腫瘍試料が培養される。
1つの実施形態において、第1の免疫細胞集団は、腫瘍試料を培養することによって生成されてよい。腫瘍試料を培養することによって第1の免疫細胞集団を生成する処理が、下で詳細に説明される。
腫瘍試料の培養腫瘍試料は、第1の容器内の第1の組成物中で培養される。第1の免疫細胞集団は、腫瘍試料を培養することによって生成されてよい。
ここで、腫瘍試料は、培養に好適な環境において培養される。1つの実施形態において、腫瘍試料は、37℃、5%CO環境において培養されてよい。
1)第1の容器に含有される腫瘍試料断片数
切断された所定の数の腫瘍試料断片が、第1の容器の第1の組成物中に配置され培養される。ここで、第1の容器に配置される腫瘍試料断片数は、第1の容器の細胞培養面積又は容積によって変わり得る。
1つの実施形態において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48又は50の腫瘍試料断片が、第1の容器に配置され培養されてよい。特定の実施形態において、12、16、20、24、28又は32の腫瘍試料断片が、第1の容器に配置され培養されてよい。
1つの実施形態において、第1の容器がT75フラスコである場合、12、16、20、24、28、又は32の腫瘍試料断片が、第1の容器に配置され培養されてよい。特定の実施形態において、第1の容器がT75フラスコである場合、24の腫瘍試料断片が、第1の容器に配置され培養されてよい。
2)第1の容器
腫瘍試料は、第1の容器内の第1の組成物中で培養され、ここで、第1の容器は、腫瘍試料の培養において使用される容器を意味する。本願における第1の容器は、培地、血清、及びIL-2を含む組成物とともに、腫瘍試料を培養するために使用される。
容器は、ガスが通過するガス透過性容器又はガスを提供するガス供給システムを有する容器であってよい。すなわち、容器は、ガスが容器を通過することができるように製造された容器、又は、ガスを通過させように製造されていないがガスの通り抜けを可能にする別個のガス供給システムを有する容器であってよい。
1つの実施形態において、第1の容器は、おおよそ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280、300、350、400、450、500、550、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1600、1800、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、6000、7000、8000、9000又は10000mLの最大許容可能容量を有する容器、又は、前述の値から選択される2つの値によって設定される範囲内の最大許容可能容量を有する容器であってよい。特定の実施形態において、第1の容器は、おおよそ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、22、24、26、28、30、35、40、45、50、55、60、70、80、90又は100mLの最大許容可能容量を有する容器、又は、前述の値から選択される2つの値によって設定される範囲内の最大許容可能容量を有する容器であってよい。
1つの実施形態において、容器は、例えば、24ウェルプレート、T25、T75、又はT125フラスコ、GREX10、GREX10M、GREX10M-CS、GREX100、GREX100M、GREX100M-CS、GREX500、GREX500M、又はGREX500M-CSフラスコ等のフラスコ、又は培養バッグであってよいが、本願はこれに限定されない。
1つの実施形態において、腫瘍試料は、T75フラスコ内で培養されてよい。特定の実施形態において、24の腫瘍試料断片が、T75フラスコ内で培養されてよい。
3)第1の組成物
第1の容器において、腫瘍試料は、第1の組成物中で培養される。ここで、第1の組成物は、培地、血清、血漿、及び抗生物質、IL-2、及び抗体のうちのいずれか1又は複数を含む。
1つの実施形態において、第1の組成物は、培地、血清、及びIL-2を含んでよい。別の実施形態において、第1の組成物は、培地、血漿、及びIL-2を含んでよい。
1つの実施形態において、第1の組成物は、培地;血清及び血漿のうちのいずれか1つ;及びIL-2を含んでよく、抗体及び抗生物質のうちのいずれか1又は複数をさらに含んでよい。
特定の実施形態において、第1の組成物は、培地、血清、及びIL-2を含む。別の特定の実施形態において、第1の組成物は、培地、血清、IL-2、及び抗生物質を含む。また別の特定の実施形態において、第1の組成物は、培地、血清、IL-2、及び抗体を含む。さらに別の特定の実施形態において、第1の組成物は、培地、血清、IL-2、抗生物質、及び抗体を含む。
一般に、組織又は細胞の培養において、容器(例えば、フラスコ)内で使用される組成物の体積は、容器のタイプによって変わり得る。例えば、24ウェルプレートでは、一般に、2mLの組成物が使用され、T75フラスコでは、一般に、20mLの組成物が使用される。
しかしながら、本願の腫瘍試料を培養するために、第1の容器に当初追加される第1の組成物の量は、一般に使用される上述の量とは異なってよい。
1つの実施形態において、腫瘍試料を培養するのに使用される(すなわち、第1の容器に添加される)第1の組成物の量は、第1の容器の最大許容可能容量のおおよそ80%、70%、60%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、又は5%、又はそれよりも少なくてよい。特定の実施形態において、腫瘍試料を培養するための第1の容器に添加される第1の組成物の量は、第1の容器の最大許容可能容量のおおよそ30%又はそれよりも少なくてよい。ここで、最大許容可能容量は、第1の容器に添加することができる最大容量を意味する。
1つの実施形態において、第1の容器が24ウェルプレートである場合、当初添加される第1の組成物の量は、1.5mL又はそれよりも少ないか、又は1mL又はそれよりも少なくてよい。特定の実施形態において、第1の容器が24ウェルプレートである場合、当初添加される第1の組成物の量は、おおよそ1mLであってよい。
別の実施形態において、第1の容器がT75フラスコである場合、使用される第1の組成物の量は、15mL、12mL、10mL、9mL、8mL、7mL、6mL、5mL、4mL、又は3mL、又はそれよりも少なくてよい。特定の実施形態において、第1の容器がT75フラスコである場合、使用される第1の組成物の量は、おおよそ6mLであってよい。
本願の当初の第1の組成物の量は、腫瘍試料の培養環境に影響し、それにより、第1の免疫細胞集団の生成を最適化するのに役立ち得る。具体的には、当初の組成物の量が組成物の最大許容可能量のそれよりも少ない場合、培養に必要な物質は、培養中に組成物を置換することなく単に添加することによって提供され、それにより、培養細胞が受けるストレスが低減し得る。さらに、組成物の量のコントロールは、細胞間の相互作用に影響することによって、培養細胞の増殖にプラスの効果を有し得る。
第1の組成物に含まれ得る培地、血清、血漿、抗生物質及び/又はIL-2が下に記載される。
i)培地
a)基礎培地のタイプ
本願において使用される基礎培地は、細胞及び/又は組織を培養するための最低限の栄養源を指す。基礎培地としては、TILを含む免疫細胞を培養するのに好適な任意の培地が使用されてよい。
1つの実施形態において、培地は、AlyS505N培地、AIM-V培地、又はRPMI1640培地であってよいが、本願はこれに限定されない。特定の実施形態において、腫瘍試料は、CTS-AIM-V培地を使用して培養されてよい。
1つの実施形態において、第1の組成物に含まれている培地は、AlyS505N培地、AIM-V培地、又はRPMI1640培地であってよい。特定の実施形態において、第1の組成物に含まれている培地は、CTS-AIM-V培地であってよい。
ii)添加剤
a)血清
1つの実施形態において、基本培養培地(例えば、上述のAlyS505N、AIM-V、又はRPMI1640培地)に血清が添加されてよい。1つの実施形態において、本願の第1の組成物は、血清を含んでよい。血清は、高分子量タンパク質及び低分子量栄養素を含有し、細胞成長に必要な成分を含有し得る。血清は、ヒト血清を含むが、本願はこれに限定されない。1つの実施形態において、血清がヒトAB血清であってよい。
1つの実施形態において、おおよそ10vol%又はそれよりも少ないヒト血清が培地に追加されてよい。別の実施形態において、おおよそ9vol%又はそれよりも少ない、おおよそ8vol%又はそれよりも少ない、おおよそ7vol%又はそれよりも少ない、おおよそ6vol%又はそれよりも少ない、おおよそ5vol%又はそれよりも少ない、おおよそ4vol%又はそれよりも少ない、又は3vol%又はそれよりも少ないヒト血清が培地に添加されてよい。特定の実施形態において、おおよそ3vol%のヒト血清が、CTS-AIM-V培地に添加され、腫瘍断片を培養するために使用されてよい。
1つの実施形態において、第1の組成物に血清が含まれている場合、第1の組成物に含まれている血清の濃度は、おおよそ20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1vol%又はそれよりも低くてよい。特定の実施形態において、第1の組成物に含まれている血清の濃度は、おおよそ10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1vol%又はそれよりも低くてよい。特定の実施形態において、第1の組成物に含まれている血清の濃度は、おおよそ5、4、3、2又は1vol%又はそれよりも低くてよい。
1つの実施形態において、第1の組成物に含まれているヒト血清の濃度は、おおよそ5、4、3、2又は1vol%であってよい。特定の実施形態において、第1の組成物に含まれているヒト血清の濃度は、おおよそ3vol%であってよい。
b)血漿
1つの実施形態において、基本培養培地に血漿が添加されてよい。1つの実施形態において、本願の第1の組成物は、血漿を含んでよい。血漿とは、血清からフィブリノゲンが除外されていることを指す。血漿は、細胞成長に必要な成分を含有し得る。
本願において使用される血漿は、ヒト血漿又は患者の血液から単離された血漿であってよいが、本願はこれに限定されない。
1つの実施形態において、血清の代わりに血漿が培地に追加されて使用されてよい。
1つの実施形態において、おおよそ10vol%又はそれよりも少ない血漿が培地に追加されて使用されてよい。1つの実施形態において、おおよそ9vol%又はそれよりも少ない、おおよそ8vol%又はそれよりも少ない、おおよそ7vol%又はそれよりも少ない、おおよそ6vol%又はそれよりも少ない、おおよそ5vol%又はそれよりも少ない、おおよそ4vol%又はそれよりも少ない、又は3vol%又はそれよりも少ない血漿が培地に添加されて使用されてよい。特定の実施形態において、おおよそ3vol%の血漿が、CTS-AIM-V培地に添加され、腫瘍断片を培養するために使用されてよい。
1つの実施形態において、第1の組成物に血漿が含まれている場合、第1の組成物に含まれている血漿の濃度は、おおよそ20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1vol%又はそれよりも低くてよい。特定の実施形態において、第1の組成物に含まれている血漿の濃度は、おおよそ10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1vol%又はそれよりも低くてよい。特定の実施形態において、第1の組成物に含まれている血漿の濃度は、おおよそ5、4、3、2又は1vol%又はそれよりも低くてよい。
1つの実施形態において、第1の組成物に含まれている血漿の濃度は、おおよそ5、4、3、2又は1vol%であってよい。特定の実施形態において、第1の組成物に含まれている血漿の濃度は、おおよそ3vol%であってよい。
c)IL-2
本願で使用されるIL-2(インターロイキン-2)は、T細胞増殖を促進する因子を指す。IL-2は、ヒトリコンビナントIL-2型を含む様々なタイプのIL-2を含む。
1つの実施形態において、第1の組成物は、IL-2を含んでよい。
1つの実施形態において、培地に添加されるIL-2の濃度は、おおよそ10,000IU/mL又はそれよりも低くてよい。1つの実施形態において、おおよそ9,000IU/mL、おおよそ8,000IU/mL、おおよそ7,000IU/mL、おおよそ6,000IU/mL、おおよそ5,000IU/mL、おおよそ4,000IU/mL、おおよそ3,000IU/mL、おおよそ2,000IU/mL、おおよそ1,000IU/mL、又はおおよそ500IU/mLのIL-2が、培地に添加されてよい。特定の実施形態において、おおよそ1,000IU/mLのIL-2が、CTS-AIM-V培地に添加され、腫瘍断片を培養するために使用されてよい。
1つの実施形態において、第1の組成物は、おおよそ10,000IU/mL、おおよそ9,500IU/mL、おおよそ9,000IU/mL、おおよそ8,500IU/mL、おおよそ8,000IU/mL、おおよそ7,500IU/mL、おおよそ7,000IU/mL、おおよそ6,500IU/mL、おおよそ6,000IU/mL、おおよそ5,500IU/mL、おおよそ5,000IU/mL、おおよそ4,500IU/mL、おおよそ4,000IU/mL、おおよそ3,500IU/mL、おおよそ3,000IU/mL、おおよそ2,500IU/mL、おおよそ2,000IU/mL、おおよそ1,500IU/mL、おおよそ1,000IU/mL、おおよそ900IU/mL、おおよそ800IU/mL、おおよそ700IU/mL、おおよそ600IU/mL、おおよそ500IU/mL、おおよそ400IU/mL、おおよそ300IU/mL、おおよそ200IU/mL、又はおおよそ100IU/mLのIL-2、又は、前述の値から選択される2つの値によって定められる範囲内の濃度でIL-2を含んでよい。特定の実施形態において、第1の組成物は、おおよそ2,000IU/mL、おおよそ1,500IU/mL、おおよそ1,000IU/mL、おおよそ900IU/mL、おおよそ800IU/mL、おおよそ700IU/mL、おおよそ600IU/mL、又はおおよそ500IU/mLのIL-2、又は、前述の値から選択される2つの値によって設定される範囲内の濃度でIL-2を含んでよい。特定の実施形態において、第1の組成物は、おおよそ1,000IU/mLのIL-2を含んでよい。
d)抗生物質
1つの実施形態において、第1の組成物は、抗生物質をさらに含んでよい。
抗生物質は、細胞培養及び/又は増殖中の細菌又は真菌による汚染を防止するために使用されてよい。
半産物の生成において抗生物質を使用するか否かは、被験体から取得された腫瘍組織の腫瘍のタイプ、培養された腫瘍試料の条件(状態)、及び培養及び/又は増殖された細胞の条件を適切に考慮することによって決定されてよい。例えば、腫瘍試料が被験体の乳癌に由来する場合、当初添加される第1の組成物中に抗生物質が含まれなくてよい。別の例において、腫瘍試料が被験体の乳癌に由来する場合、腫瘍試料の条件に応じて、抗生物質を含む第1の組成物が使用されてよい。さらに別の例において、腫瘍試料が被験体の頭頚部癌に由来する場合、抗生物質を含む第1の組成物が使用されてよい。
第1の組成物が抗生物質を含む場合、抗生物質は、細胞培養及び/又は増殖に影響しない濃度で含まれてよく、ここで、細胞毒性を示す抗生物質の濃度が考慮されてよい。第1の組成物に含まれている抗生物質の適切な濃度は、抗生物質のタイプによって変わり得る。
第1の組成物に含まれている抗生物質の例は、アンピシリン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ペニシリン、及びストレプトマイシンを含むが、本願はこれに限定されない。すなわち、細胞培養及び/又は増殖のための培地に添加される抗生物質として、当該技術分野で知られている任意の抗生物質が使用されてよく、必要に応じて当業者によって適切に選択された後に使用されてよい。特定の実施形態において、第1の組成物は、ゲンタマイシンを含んでよい。
e)抗体
上で記載されたように、本願の1つの実施形態において、第1の組成物には抗体がさらに含まれてよい。第1の組成物に抗体が含まれている場合、第1の組成物に含まれている抗体は、CD137(4-1BB)を標的とする抗体、及びPD-1及びPD-L1の結合をブロックする抗体から選択されるいずれか1又は複数であってよい。1つの実施形態において、第1の組成物に含まれている抗体は、抗CD137抗体、抗PD-1抗体、及び抗PD-L1抗体から選択されるいずれか1又は複数であってよい。
抗CD137抗体は、CD137(4-1BB)を標的とする抗体である。1つの実施形態において、抗CD137抗体は、ヒト、ヒト化又はネズミ抗体等の、任意のタイプのモノクローナル又はポリクローナル抗CD137抗体を含む。1つの実施形態において、第1の組成物に抗CD137抗体が含まれている場合、抗CD137抗体は、ウレルマブ、ウトミルマブ、及びそれらの変異体から選択されるいずれか1又は複数であってよいが、本願はこれに限定されない。
PD-1及びPD-L1の結合を阻害する抗体の一例として、抗PD-1抗体又は抗PD-L1抗体が挙げられ得る。1つの実施形態において、抗PD-1抗体又は抗PD-L1抗体は、ヒト、ヒト化又はネズミ抗体を含む、任意のタイプのモノクローナル又はポリクローナル抗PD-1抗体又はPD-L1抗体を含む。1つの実施形態において、第1の組成物に抗PD-1抗体が含まれている場合、抗PD-1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、ドスタルリマブ、及びそれらの変異体から選択されるいずれか1又は複数であってよいが、本願はこれに限定されない。1つの実施形態において、第1の組成物に抗PD-L1抗体が含まれている場合、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、及びそれらの変異体から選択されるいずれか1又は複数であってよいが、本願はこれに限定されない。
1つの実施形態において、第1の組成物に抗体が含まれている場合、第1の組成物に含まれている抗体の濃度は、おおよそ1ng/mL、おおよそ10ng/mL、おおよそ100ng/mL、おおよそ1μg/mL、おおよそ2μg/mL、おおよそ3μg/mL、おおよそ4μg/mL、おおよそ5μg/mL、おおよそ10μg/mL、おおよそ15μg/mL、おおよそ20μg/mL、おおよそ25μg/mL、おおよそ30μg/mL、おおよそ35μg/mL、おおよそ40μg/mL、おおよそ45μg/mL、おおよそ50μg/mL、おおよそ60μg/mL、おおよそ70μg/mL、おおよそ80μg/mL、おおよそ90μg/mL、又はおおよそ100μg/mL、又は、前述の値から選択される2つの値によって設定される範囲に含まれている値であってよい。特定の実施形態において、第1の組成物に含まれている抗体の濃度は、おおよそ10μg/mLであってよい。
上で記載されたように、本願の第1の組成物は、培地及び添加剤を含む。
1つの実施形態において、第1の組成物は、培地、血清、及びIL-2を含んでよい。別の実施形態において、第1の組成物は、培地、血漿、及びIL-2を含んでよい。また別の実施形態において、第1の組成物は、培地、血清、IL-2、及び抗生物質を含んでよい。さらに別の実施形態において、第1の組成物は、培地、血漿、IL-2、及び抗生物質を含んでよい。しかしながら、本願はこれに限定されない。
特定の実施形態において、第1の組成物は、培地、血清、及びIL-2を含んでよく、培地は、CTS-AIM-V培地であってよく、血清としておおよそ3vol%のヒトAB血清が第1の組成物に含まれてよく、おおよそ1,000IU/mLのIL-2が第1の組成物に含まれてよい。特定の実施形態において、第1の組成物は、培地、血清、IL-2、及び抗生物質を含んでよい。ここで、第1の組成物中、培地は、CTS-AIM-V培地であってよく、抗生物質は、ゲンタマイシンであってよく、血清は、おおよそ3vol%のヒトAB血清であってよく、IL-2は、おおよそ1,000IU/mLで含まれてよい。
4)培養期間
腫瘍試料は、第1の容器内で所定の期間培養される。1つの実施形態において、腫瘍試料は、おおよそ1日又はそれよりも多い日数培養される。1つの実施形態において、腫瘍試料は、おおよそ2日又はそれよりも多い日数、3日又はそれよりも多い日数、4日又はそれよりも多い日数、5日又はそれよりも多い日数、6日又はそれよりも多い日数、7日又はそれよりも多い日数、8日又はそれよりも多い日数、9日又はそれよりも多い日数、10日又はそれよりも多い日数、11日又はそれよりも多い日数、12日又はそれよりも多い日数、13日又はそれよりも多い日数、14日又はそれよりも多い日数、15日又はそれよりも多い日数、16日又はそれよりも多い日数、17日又はそれよりも多い日数、18日又はそれよりも多い日数、19日又はそれよりも多い日数、20日又はそれよりも多い日数、21日又はそれよりも多い日数、22日又はそれよりも多い日数、23日又はそれよりも多い日数、又は24日又はそれよりも多い日数培養されてよい。特定の実施形態において、腫瘍試料は、おおよそ7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は21日間、第1の容器内で培養されてよい。特定の実施形態において、腫瘍試料は、おおよそ14日間、第1の容器内で培養されてよい。
5)第1の添加剤組成物の添加
腫瘍試料が第1の容器内で培養される間、第1の添加剤組成物が第1の容器に添加されてよい。ここで、第1の添加剤組成物は、培地、血清、血漿、抗生物質、及びIL-2のうちのいずれか1又は複数を含んでよい。第1の添加剤組成物の構成は、関連する段落において詳細に開示されている。
1つの実施形態において、第1の添加剤組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10回、又はこれらの回数よりも多い回数添加されてよい。特定の実施形態において、第1の添加剤組成物は、3回添加されてよい。
ここで、1つの実施形態において、第1の添加剤組成物は、培養の開始日の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、及び21日後から選択されるいずれか1又は複数の日に添加され、培養期間中、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10回添加されてよい。特定の実施形態において、第1の添加剤組成物は、7、10、及び12日目に3回添加されてよい。
第1の添加剤組成物の添加の処理において、第1の添加剤組成物は、腫瘍試料が培養される環境のストレスを最小限に抑えるための方法によって添加されてよい。
第1の添加剤組成物の添加の処理において、添加される第1の添加剤組成物の量は、容器のタイプ及び/又は添加時間によって変わり得る。
1つの実施形態において、第1の添加剤組成物は、各添加時間において同量添加されてよい。別の実施形態において、第1の添加剤組成物は、各添加時間において異なる量添加されてよい。別の実施形態において、第1の添加剤組成物は、各添加時間においてその添加量を増加させることによって添加されてよい。
1つの実施形態において、第1の添加剤組成物は、おおよそ1mL、2mL、3mL、4mL、5mL、6mL、7mL、8mL、9mL、10mL、12mL、14mL、16mL、18mL、20mL、24mL、28mL、32mL、36mL、40mL、45mL、又は50mLの同量又は異なる量添加されてもよいし、又は、各添加時間において前述の値よりも多い又はそれに等しい量添加されてもよいが、本願はこれに限定されない。添加される第1の添加剤組成物の量は、様々な条件(例えば、容器の容量、培養細胞の条件、及び/又は添加時間)を考慮して適切な値として決定されてよい。特定の実施形態において、第1の添加剤組成物は、各添加時間において3mLの同量添加されてよい。特定の実施形態において、第1の容器がT75フラスコである場合、第1の添加剤組成物は、各添加時間において3mLの同量添加されてよい。
特定の実施形態において、第1の添加剤組成物は、培養の開始から7、10、及び12日目に第1の容器に添加されてよく、3mLの第1の添加剤組成物が各添加時間において添加されてよい。
1つの実施形態において、第1の容器に添加される第1の添加剤組成物は、培地、血清、血漿、抗生物質、IL-2、及び抗体から選択されるいずれか1又は複数を含んでよい。
1つの実施形態において、第1の添加剤組成物は、培地、血清、及びIL-2を含んでよい。別の実施形態において、第1の添加剤組成物は、培地、血漿、及びIL-2を含んでよい。
1つの実施形態において、第1の添加剤組成物は、培地;血清及び血漿のうちのいずれか1つ;及びIL-2を含んでよく、抗体及び抗生物質のうちのいずれか1又は複数をさらに含む。
特定の実施形態において、添加される第1の添加剤組成物は、培地、血清、及びIL-2を含む。特定の実施形態において、第1の添加剤組成物は、培地、血清、IL-2、及び抗生物質を含む。別の特定の実施形態において、第1の添加剤組成物は、培地、血清、IL-2、及び抗体を含む。特定の実施形態において、第1の添加剤組成物は、培地、血清、IL-2、抗生物質、及び抗体を含む。
第1の添加剤組成物に含まれている成分に関する実施形態は、第1の組成物の説明におけるものと同じである。
a)培地
第1の添加剤組成物に含むことができる培地に関する実施形態は、第1の組成物において上で記載された通りである。例えば、特定の実施形態において、第1の添加剤組成物に含まれている培地は、AIM-V培地であってよいが、本願はこれに限定されない。特定の実施形態において、第1の添加剤組成物に含まれている培地は、CTS-AIM-V培地であってよい。
b)血清
第1の添加剤組成物に血清が含まれている場合、血清に関する実施形態は、第1の組成物において上で記載した通りである。例えば、特定の実施形態において、血清は、ヒト血清であってよいが、本願はこれに限定されない。例えば、特定の実施形態において、第1の添加剤組成物に含まれている血清の濃度は、おおよそ3vol%であってよいが、本願はこれに限定されない。
c)血漿
第1の添加剤組成物に血漿が含まれている場合、血漿に関する実施形態は、第1の組成物において上で記載した通りである。例えば、特定の実施形態において、血漿は、ヒト血漿であってよいが、本願はこれに限定されない。例えば、特定の実施形態において、第1の添加剤組成物に含まれている血漿の濃度は、おおよそ3vol%であってよいが、本願はこれに限定されない。
d)抗生物質
第1の添加剤組成物に抗体が含まれている場合、抗生物質に関する実施形態は、第1の組成物において上で記載した通りである。上で記載されたように、抗生物質を使用するか否かは、被験体から取得された腫瘍のタイプ、培養された腫瘍試料の状態、培養及び/又は増殖された細胞の状態を適切に考慮することによって決定されてよい。例えば、特定の実施形態において、第1の添加剤組成物に含まれている抗生物質は、ゲンタマイシンであってよい。
e)IL-2
第1の添加剤組成物にIL-2が含まれている場合、IL-2に関する実施形態は、第1の組成物において上で記載された通りである。例えば、特定の実施形態において、第1の添加剤組成物に含まれているIL-2の濃度は、1,000IU/mLであってよい。
f)抗体
第1の添加剤組成物に抗体が含まれている場合、抗体に関する実施形態は、第1の添加剤組成物において上で記載した通りである。例えば、第1の添加剤組成物に含まれている抗体は、抗CD137抗体、抗PD-1抗体、及び抗PD-L1抗体から選択されるいずれか1又は複数であってよい。
1つの実施形態において、第1の容器に添加される第1の添加剤組成物の構成(組成)は、各添加時間に関して異なってよい。別の実施形態において、第1の容器に添加される第1の添加剤組成物の構成は、全ての添加時間において同じであってよい。
1つの実施形態において、第1の容器に添加される第1の添加剤組成物の構成は、第1の組成物のそれと同じであってよい。別の実施形態において、第1の容器に添加される第1の添加剤組成物の構成は、第1の組成物のそれとは異なってよい。
特定の実施形態において、第1の容器に添加される第1の添加剤組成物は、培地、血清、及びIL-2を含んでよい。特定の実施形態において、第1の容器に添加される第1の添加剤組成物は、CTS-AIM-V培地、おおよそ3vol%のヒト血清、及びおおよそ1,000IU/mLのIL-2を含んでよい。
1つの実施形態において、培養中、第1の容器から免疫細胞が除去されない、又は、外部から添加されない。これは、培養中、第1の容器以外の容器に免疫細胞が移植されない、又は、外部から第1の容器に免疫細胞が新たに添加されないことを意味する。
第1の免疫細胞集団の生成に関する具体例が下で記載され得るが、本願はこれに限定されない。
- 1~4mmの断面積を有する腫瘍試料の24の断片がT75フラスコ内で培養され、培養の開始において6mLの第1の組成物が使用される。ここで、第1の組成物は、CTS-AIM-V培地、3vol%のヒト血清、及び1,000IU/mLのIL-2を含む。腫瘍試料は、第1の容器内で37℃の5%のCO環境において14日間培養される。
- 培養の開始日から7、10、及び12日目に、第1の組成物と同じ組成物を有する第1の添加剤組成物が第1の容器に添加され、ここで、添加される第1の添加剤組成物は、7、10、及び12日目にそれぞれ3mL添加される。
3.第1の免疫細胞集団の取得
概観
第1の免疫細胞集団は、上述の腫瘍試料の培養を通して入手された培養産物から入手される。
第1の免疫細胞集団の取得
免疫細胞集団は、実質的に複数の免疫細胞を含む群を指し、免疫細胞はTILを含む。ここで、第1の免疫細胞集団は、腫瘍試料を培養することによって入手された免疫細胞集団を指す。
第1の免疫細胞集団を取得する方法は、組織を使用して細胞を培養する処理において生成された細胞を取得するための様々な既知の方法を含むが、本願はこれに限定されない。1つの実施形態において、第1の免疫細胞集団は、腫瘍組織の濾過、細胞の洗浄、処理、単離、及び/又は、腫瘍試料を培養する処理によって培養された組成物からの細胞の分別を通して入手されてよいが、本願はこれに限定されない。第1の免疫細胞集団は、当該技術分野で知られている方法によって取得されてよい。
ここで、第1の免疫細胞集団の入手に含むことができる例示的な処理が開示される。
1)腫瘍組織の濾過(Filtering(straining))
第1の免疫細胞集団の取得は、腫瘍組織断片を濾過することを含んでよい。1つの実施形態において、培養された組成物から第1の免疫細胞集団を取得するために、セルストレーナーを使用して腫瘍組織断片の濾過が行われてよい。ここで、セルストレーナーのメッシュポアのサイズは、取得された免疫細胞のタイプによって変わり得る。特定の実施形態において、40μmのメッシュポアを有するセルストレーナーを使用して、腫瘍組織の断片が濾過されてよい。
2)細胞採取
第1の免疫細胞集団の入手は、細胞の取得又は採取を含んでよい。培養された組成物又は濾過された細胞溶液から細胞を取得又は採取するための方法として、当該技術分野で知られている方法が使用されてよい。1つの実施形態において、第1の免疫細胞集団を取得又は採取するために、遠心分離が用いられてよい。1つの例において、遠心分離は、おおよそ100g、150g、200g、250g、300g、400g、450g、500g、600g、700g、800g、900g、又は1,000g、又は、前述のg値よりも大きいか又はそれに等しいg値の条件下で行されてよいが、本願は、これに限定されない。別の例において、遠心分離は、おおよそ100RPM、200RPM、300RPM、400RPM、500RPM、600RPM、700RPM、800RPM、900RPM、1000RPM、1100RPM、1200RPM、1300RPM、1400RPM、1500RPM、1600RPM、1700RPM、1800RPM、1900RPM、2000RPM、2200RPM、2500RPM、3000RPM、3500RPM、4000RPM、又は5000RPM、又は、前述のRPM値よりも大きいか又はそれに等しいRPM値の条件下で行われてよいが、本願はこれに限定されない。
3)細胞分別
第1の免疫細胞集団の入手は、培養された組成物に含まれている細胞分別を含んでよい。
細胞分別は、上述の単離された細胞集団から「所望の細胞を選別する」ために使用される方法を意味する。細胞分別のために、当該技術分野で従来使用される方法が使用されてよい。例えば、蛍光活性化細胞分別(FACS)、遠心分離、又は容器への細胞付着による単離等の方法が、細胞分別のために使用されてよい。
4)細胞洗浄
第1の免疫細胞集団の取得は、培養された組成物に含まれている免疫細胞集団の洗浄を含んでよい。この段落において記載される細胞洗浄の処理は、第1の免疫細胞集団の入手の段階において任意の回数行われてよい。例えば、細胞洗浄は、第1の免疫細胞集団の入手に含まれている処理の間に行われてよい。別の例において、細胞洗浄は、上で記載されたように濾過され、採取され、及び/又は分別された細胞集団に対して行われてよい。さらに別の例において、細胞洗浄は、細胞採取と同時に行われてよい。
1つの実施形態において、培養された免疫細胞集団は、PBS又はDPBSを含む緩衝液で洗浄されてよい。培養された免疫細胞集団は、洗浄1、2、3、4又は5回又はそれよりも多い回数であってよい。ここで、例えば、遠心分離が用いられてよい。特定の実施形態において、培養された免疫細胞集団は、第1の免疫細胞集団を入手するために3回DPBSで洗浄されてよい。
1つの実施形態において、第1の免疫細胞集団の入手は、細胞採取を含んでよい。ここで、第1の免疫細胞集団の入手は、細胞洗浄をさらに含んでよく、細胞洗浄は、任意の適切な時間において任意の適切な回数行われてよい。
1つの実施形態において、第1の免疫細胞集団の入手は、腫瘍組織の濾過;及び細胞採取を含んでよい。ここで、第1の免疫細胞集団の入手は、細胞洗浄をさらに含んでよく、細胞洗浄は、任意の適切な時間において任意の適切な回数行われてよい。
別の実施形態において、第1の免疫細胞集団の入手は、腫瘍組織の濾過;細胞採取;及び細胞分別を含んでよい。ここで、第1の免疫細胞集団の取得は、細胞洗浄をさらに含んでよく、細胞洗浄は、任意の適切な時間において任意の適切な回数行われてよい。
入手された第1の免疫細胞集団中の細胞数
第1の免疫細胞集団の入手を通して、所定の数又はそれよりも多い細胞が取得される。1つの実施形態において、第1の免疫細胞集団を生成するために培養された各腫瘍試料に関して、おおよそ1E4、おおよそ2E4、おおよそ3E4、おおよそ4E4、おおよそ5E4、おおよそ6E4、おおよそ7E4、おおよそ8E4、おおよそ9E4、おおよそ1E5、おおよそ2E5、おおよそ3E5、おおよそ4E5、おおよそ5E5、おおよそ6E5、おおよそ7E5、おおよそ8E5、おおよそ9E5、おおよそ1E6、おおよそ2E6、おおよそ3E6、おおよそ4E6、又はおおよそ5E6又はそれよりも多い細胞が入手されてよい。特定の実施形態において、第1の免疫細胞集団を生成するために培養された1つの腫瘍試料に関して、おおよそ1E5、おおよそ2E5、おおよそ3E5、おおよそ4E5、おおよそ5E5、おおよそ6E5、おおよそ7E5、おおよそ8E5、おおよそ9E5、又はおおよそ1E6の細胞が取得されてよい。1つの例において、第1の免疫細胞集団を生成するために培養された腫瘍試料が、おおよそ1から4mmの断面積を有する腫瘍試料である場合、各腫瘍試料に関しておおよそ8E5又はそれよりも多い細胞が取得されてよい。第1の免疫細胞集団を生成するための培養を通して入手される細胞数は、腫瘍のタイプ及び腫瘍試料のサイズによって変わり得、上述の実施形態に限定されない。
II.冷凍保存
概観
本願において開示される免疫細胞組成物を生成するための方法において、方法に含まれている各処理の間に、各処理の結果の冷凍保存が任意選択で含まれてよい。
1つの例において、第1の免疫細胞集団を入手した後、第1の免疫細胞集団又は半産物を冷凍保存することが任意選択で含まれてよい。第1の免疫細胞集団又は半産物の冷凍保存において、第1の免疫細胞集団又は半産物が冷凍保存組成物に含まれ、冷凍保存される。第1の免疫細胞集団の冷凍保存は、下で詳細に説明される。
冷凍保存のための培地
上で記載されたように、第1の免疫細胞集団が冷凍保存組成物に含まれ、冷凍保存される。冷凍保存組成物は、冷凍保存に好適な組成物を有する。ここで、冷凍保存に好適な培地が含まれてよい。冷凍保存に好適な培地は、当該技術分野で知られている、冷凍保存のための全てのタイプの培地を含む。
1つの実施形態において、冷凍保存組成物は、おおよそ0.1%、おおよそ0.5%、おおよそ1%、おおよそ3%、おおよそ5%、おおよそ8%、おおよそ10%、おおよそ13%、又はおおよそ15%の濃度、又は、前述のパーセンテージ値よりも高い濃度でDMSOを含んでよいが、本願はこれに限定されない。特定の実施形態において、冷凍保存組成物は、10%の濃度でDMSOを含んでよい。例えば、10%DMSOを含むCryoStor(登録商標)CS10が使用されてよい。
冷凍保存された細胞の細胞濃度及び数
第1の免疫細胞集団は、特定の濃度で冷凍保存組成物に含まれ、冷凍保存されてよい。
1つの実施形態において、第1の免疫細胞集団は、おおよそ1E5細胞/mL、おおよそ1E6細胞/mL、おおよそ2E6細胞/mL、おおよそ3E6細胞/mL、おおよそ4E6細胞/mL、おおよそ5E6細胞/mL、おおよそ6E6細胞/mL、おおよそ7E6細胞/mL、おおよそ8E6細胞/mL、おおよそ9E6細胞/mL、又はおおよそ1E7細胞/mLの濃度で冷凍保存組成物に含まれてよいが、本願は限定されない。第1の免疫細胞集団は、冷凍保存組成物中で冷凍保存に好適な濃度で含まれてよい。特定の実施形態において、第1の免疫細胞集団は、冷凍保存組成物中に2E6細胞/mLの濃度で含まれてよい。
1つの実施形態において、おおよそ0.1mL、おおよそ0.2mL、おおよそ0.3mL、おおよそ0.4mL、おおよそ0.5mL、おおよそ0.7mL、おおよそ1mL、おおよそ2mL、おおよそ3mL、おおよそ4mL、おおよそ5mL、おおよそ7mL、又はおおよそ10mL、又は、前述のmL量よりも多い又はそれに等しい量の冷凍保存組成物が、クライオバイアル内に配置され、冷凍保存されてよい。特定の実施形態において、冷凍保存組成物のおおよそ1mLが、クライオバイアル内に配置されて、冷凍保存されてよい。
例えば、第1の免疫細胞集団は、おおよそ2E6細胞/mLの濃度で冷凍保存組成物中に懸濁されてよく、おおよそ1mLの冷凍保存組成物がクライオバイアル内に配置され、冷凍保存されてよい。
冷凍保存期間
第1の免疫細胞集団は、所定の期間冷凍保存されてよく、その後、免疫細胞組成物を生成するために増殖を通して使用されてよい。冷凍保存期間は、限定されるものではない。1つの実施形態において、第1の免疫細胞集団を冷凍保存する期間は、最大でも、おおよそ1年、おおよそ2年、おおよそ3年、おおよそ4年、おおよそ5年、おおよそ6年、おおよそ7年、おおよそ8年、おおよそ9年、おおよそ10年、おおよそ11年、おおよそ12年、おおよそ13年、おおよそ14年、おおよそ15年、おおよそ16年、おおよそ17年、おおよそ18年、おおよそ19年、又はおおよそ20年、又は前述の期間よりも長いか又はそれに等しい期間であってよい。例えば、第1の免疫細胞集団は、1時間冷凍保存されて、解凍された後、免疫細胞組成物を生成するために使用されてよい。別の例において、1日間冷凍保存された後、第1の免疫細胞集団が解凍されて、免疫細胞組成物を生成するために使用されてよい。さらに別の例において、10年間冷凍保存された後、第1の免疫細胞集団が解凍されて、免疫細胞組成物を生成するために使用されてよい。
冷凍保存温度
第1の免疫細胞集団は、長期保存に好適な温度で冷凍保存される。1つの実施形態において、第1の免疫細胞集団は、おおよそ-40℃又はそれよりも低い、-60℃又はそれよりも低い、-80℃又はそれよりも低い、おおよそ-100℃又はそれよりも低い、おおよそ-120℃又はそれよりも低い、おおよそ-140℃又はそれよりも低い、おおよそ-160℃又はそれよりも低い、おおよそ-180℃又はそれよりも低い、又は、おおよそ-190℃又はそれよりも低い温度で冷凍保存されてよい。特定の実施形態において、第1の免疫細胞集団は、おおよそ-190℃又はそれよりも低い温度で冷凍保存されてよい。例えば、第1の免疫細胞集団は、液体窒素(LN)又はガス状液体窒素(gaseous liquid nitrogen)(LN)中で、おおよそ-190℃又はそれよりも低い温度で冷凍保存されてよい。
III.冷凍保存された第1の免疫細胞集団の解凍
概観
本願において開示される免疫細胞組成物を生成するための方法において、方法に含まれている各処理間に、各処理の結果物を冷凍保存する段階が任意選択で含まれてよく、そのような冷凍保存処理が行われる場合、冷凍保存段階の後に、各処理の冷凍保存された結果物を解凍する処理がさら含まれてよい。
1つの例において、冷凍保存された第1の免疫細胞集団は、解凍され、免疫細胞組成物を生成するために使用されてよい。
解凍方法
解凍は、当該技術分野で知られている、冷凍保存された細胞を解凍するための方法を通して行われてよい。1つの実施形態において、冷凍保存された第1の免疫細胞集団は、サーモスタット(水浴)を使用して解凍されてよい。別の実施形態において、冷凍保存された第1の免疫細胞集団は、解凍デバイスを使用して解凍されてよい。ここで、解凍デバイスは、乾燥解凍法によって細胞を解凍するためのデバイスであってよい。乾燥解凍法は、細胞の汚染を防止し得る。ここで、乾燥解凍法は、無水方法、及び、解凍された被験体からブロックされる形態で(例えば、水を含有するパックの形態で)水が存在する方法の両方を含むが、本願はこれに限定されない。例えば、サーモスタットにおいて、おおよそ37℃でおおよそ2分間、冷凍保存された第1の免疫細胞集団が解凍されてよい。別の例において、冷凍保存された第1の免疫細胞集団は、おおよそ37℃でおおよそ7分、水含有パックを含む解凍デバイスを用いて解凍されてよい。
上で記載されたように、本願において開示される免疫(細胞)組成物を生成するための方法は、第1の免疫細胞集団を含む半産物を生成した直後に第1の免疫細胞集団を含む半産物を使用することによって最終産物を生成する段階;又は所定の期間にわたって半産物を任意選択で冷凍保存し、それを解凍することによって最終産物を生成する段階を備える。
IV.最終産物の生成本願において開示される免疫細胞組成物を生成するための方法は、半産物を生成する段階及び/又は最終産物を生成する段階を備えてよい。ここで、最終産物とは、第2の免疫細胞集団から増殖させた第3の免疫細胞集団を取得することによって生成された免疫細胞組成物を指し、第2の免疫細胞集団は、第1の免疫細胞集団、又は冷凍保存後に解凍された第1の免疫細胞集団に由来する。
1つの実施形態において、免疫細胞組成物の生成又は最終産物の生成は、
第2の免疫細胞集団を播種する段階;
第2の免疫細胞集団を増殖させる段階;及び
免疫細胞組成物を生成する段階
を含んでよい。
以下、最終産物の生成に含まれている各段階が詳細に開示される。
1.第2の免疫細胞集団の播種
概観
第1の免疫細胞集団又は冷凍保存後に解凍された第1の免疫細胞集団に由来する第2の免疫細胞集団が、第2の組成物中に懸濁され、第2の容器内に播種される。
播種とは、容器に細胞を分注することを指し、第2の容器に第2の免疫細胞集団を分注することを意味する。ここで、増殖のために適切な数の細胞が、容器の細胞培養面積又は容積に従って分散されてよい。1つの実施形態において、第2の免疫細胞集団は、第2の組成物中に懸濁され、適切な量で第2の容器に播種される。
1つの実施形態において、第2の免疫細胞集団は、第2の組成物中に懸濁されてよく、細胞は、おおよそ1E3~1E4、おおよそ1E4~1E5、おおよそ1E5~1E6、又はおおよそ1E6~1E7の細胞数で第2の容器に播種されてよい。特定の実施形態において、第2の免疫細胞集団は、第2の組成物中に懸濁されてよく、細胞は、おおよそ1E5、2E5、3E5、4E5、5E5、6E5、7E5、8E5、9E5、1E6、1.1E6、1.2E6、1.3E6、1.4E6、又は1.5E6の細胞数で、又は、前述の値から選択される2つの値によって設定される範囲内の細胞数で第2の容器に播種されてよい。特定の実施形態において、第2の免疫細胞集団は、第2の組成物中に懸濁されてよく、細胞は、4E5の細胞数で第2の容器に播種されてよい。
第2の免疫細胞集団
この段階において、第2の容器に播種される第2の免疫細胞集団は、上述の第1の免疫細胞集団又は冷凍保存後に解凍された第1の免疫細胞集団に由来する。すなわち、第2の免疫細胞集団は、上記第1の免疫細胞集団又は冷凍保存後に解凍された第1の免疫細胞集団から入手されてよい。
1つの実施形態において、上記第1の免疫細胞集団又は冷凍保存後に解凍された第1の免疫細胞集団から第2の免疫細胞集団を入手する方法は、細胞を培養する処理において細胞を取得するための様々な既知の方法を含んでよいが、本願はこれに限定されない。
例えば、上記第1の免疫細胞集団又は冷凍保存後に解凍された第1の免疫細胞集団から第2の免疫細胞集団を入手する方法は、以下の段階のうちのいずれか1又は複数を備えてよい。第2の免疫細胞集団の入手は、必要な場合に細胞生存率を確認することをさらに含んでよいが、本願はこれに限定されない。
1)細胞洗浄
第2の免疫細胞集団の取得は、細胞集団を洗浄することを含んでよい。1つの実施形態において、第2の免疫細胞集団は、上記第1の免疫細胞集団又は解凍された第1の免疫細胞集団を洗浄することによって取得されてよい。例えば、細胞洗浄のために、遠心分離が用いられてよい。1つの実施形態において、上記第1の免疫細胞集団又は解凍された第1の免疫細胞集団は、DPBS又はPBS等の緩衝液で洗浄されるか、又は培地で洗浄されてよい。
2)遠心分離
1つの実施形態において、第2の免疫細胞集団を取得するために、上記第1の免疫細胞集団又は解凍された第1の免疫細胞集団を遠心分離する方法が使用されてよい。1つの実施形態において、遠心分離は、洗浄された免疫細胞集団に対して行われてよい。遠心分離方法の一実施形態は、関連する段落において説明したのと同じである。
3)細胞計数、分割、又は結合
1つの実施形態において、第2の免疫細胞集団を取得するために、第1の免疫細胞集団に対して細胞計数が行われてよい。例えば、細胞洗浄を経た第1の免疫細胞集団の細胞数を計測した後、下に記載される播種のための適切な細胞数を有するように免疫細胞集団を分割することによって、第2の免疫細胞集団が取得されてよい。さらに、第2の免疫細胞集団は、異なる複数の第1の容器内で培養された免疫細胞集団を組み合わせることによって取得されてよい。
1つの実施形態において、第2の免疫細胞集団の入手は、細胞洗浄を含んでよい。
1つの実施形態において、第2の免疫細胞集団の入手は、細胞洗浄及び細胞計数を含んでよい。ここで、細胞計数を経た免疫細胞集団は、播種のために適切な細胞数を有するように分割されてよい。
第2の容器
第2の免疫細胞集団は、第2の容器に播種されてよく、第2の容器は、第2の免疫細胞集団を増殖させるために使用される容器を指す。第2の容器は、培地、血清、血漿、IL-2、抗CD-3抗体、フィーダー細胞、及び/又は抗生物質を含む第2の組成物とともに、第2の免疫細胞集団を増殖させるために使用される。第2の容器は、ガスが通過するガス透過性容器、又は、ガスを提供するようにガス供給システムを有する容器である。すなわち、容器は、ガスが容器を通過することができるように製造された容器、又は、ガスを通過させように製造されていないがガスの通り抜けを可能にする別個のガス供給システムを有する容器であってよい。
1つの実施形態において、第2の容器は、おおよそ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280、300、350、400、450、500、550、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1600、1800、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、6000、7000、8000、9000又は10000mLの最大許容可能容量を有する容器、又は、前述の値から選択される2つの値によって設定される範囲内の最大許容可能容量を有する容器であってよい。特定の実施形態において、第2の容器は、おおおよそ500、550、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1600、1800又は2000mLの最大許容可能容量を有する容器、又は、前述の値から選択される2つの値によって設定される範囲内の最大許容可能容量を有する容器であってよい。
1つの実施形態において、第2の容器は、例えば、24ウェルプレート、T25、T75、又はT125フラスコ、GREX10、GREX10M、GREX10M-CS、GREX100、GREX100M、GREX100M-CS、GREX500、GREX500M、又はGREX500M-CSフラスコ等のフラスコ、又は培養バッグであってよいが、本願はこれに限定されない。特定の実施形態において、第2の容器は、GREX100Mであってよい。
第2の組成物
第2の免疫細胞集団は、第2の組成物中に懸濁され、第2の容器に播種され、ここで、第2の組成物は、培地、血清、血漿、IL-2、抗CD3抗体、フィーダー細胞、及び抗生物質から選択されるいずれか1又は複数を含む。
1つの実施形態において、第2の組成物は、培地;血清;及びIL-2を含んでよい。別の実施形態において、第2の組成物は、培地;血漿;及びIL-2を含んでよい。1つの実施形態において、第2の組成物は、上述の物質に加えて、本願の第1の組成物に関する含量の表に記載されている抗体(例えば、抗CD137抗体、抗PD-1抗体、及び抗PD-L1抗体から選択されるいずれか1又は複数)をさらに含んでよく、抗体の実施形態は、関連する段落において説明したのと同じである。
特定の実施形態において、第2の組成物は、培地;血清;IL-2;抗CD3抗体;及びフィーダー細胞を含む。別の特定の実施形態において、第2の組成物は、培地;血漿;IL-2;抗CD3抗体;及びフィーダー細胞を含む。また別の特定の実施形態において;第2の組成物は、培地;血清及び血漿のうちのいずれか1つ;IL-2;抗CD3抗体;抗生物質;及びフィーダー細胞を含む。
一般に、組織又は細胞の培養及び/又は増殖において、容器(例えば、フラスコ)において使用される組成物の体積は、容器のタイプによって変わり得る。例えば、一般に、GREX10に関して、40mLの組成物が使用され、GREX100に関して、400mLの組成物が使用され、GREX100Mに関して、1,000mLの組成物が使用される。
しかしながら、本願の第2の免疫細胞集団を増殖させるために、第2の容器に当初添加される組成物の量は、上で記載された一般に使用される量とは異なってよい。
1つの実施形態において、第2の容器に当初添加される第2の組成物の量は、第2の容器の最大許容可能容量のおおよそ80%、70%、60%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、又は5%、又はそれよりも少なくてよい。特定の実施形態において、第2の容器に当初添加される第2の組成物の量は、第2の容器の最大許容可能容量のおおよそ30%又はそれよりも少なくてよい。特定の実施形態において、第2の容器に当初添加される第2の組成物の量は、第2の容器の最大許容可能容量のおおよそ10%又はそれよりも少なくてよい。ここで、最大許容可能容量は、第2の容器に添加することができる最大量を意味する。
1つの実施形態において、第2の容器がGREX100Mである場合、当初添加される第2の組成物の量は、200mL、150mL、100mL、80mL、60mL、40mL、20mL、又は10mL、又はそれよりも少なくてよい。特定の実施形態において、第2の容器がGREX100Mである場合、当初添加される第2の組成物の量は、おおよそ20mLであってよい。
1)培地
本願において使用される培地は、細胞及び/又は組織を培養するための栄養源を意味する。培地として、TILを含有する免疫細胞の培養に好適な全ての培地が使用されてよい。
1つの実施形態において、培地は、AlyS505N培地、AIM-V培地、又はRPMI培地であってよいが、本願はこれに限定されない。特定の実施形態において、CTS-AIM-V培地が使用されてよい。
1つの実施形態において、第2の組成物に含まれている培地は、AlyS505N培地、AIM-V培地、又はRPMI培地であってよい。特定の実施形態において、第2の組成物に含まれている培地は、CTS-AIM-V培地であってよい。
血清、血漿、IL-2、抗CD-3抗体、フィーダー細胞、及び/又は抗生物質が培地に添加され、免疫細胞の増殖において使用されてよい。すなわち、第2の組成物は、培地に加えて、血清、血漿、IL-2、抗CD-3抗体、フィーダー細胞、及び/又は抗生物質をさらに含んでよい。
2)添加剤
a)血清
1つの実施形態において、基本培養培地(例えば、上述のAlyS505N培地、AIM-V培地、又はRPMI1640培地)に血清が添加されてよい。1つの実施形態において、本願の第2の組成物は、血清を含んでよい。血清は、高分子量タンパク質及び低分子量栄養素を含有し、細胞成長に必要な成分を含有し得る。血清は、ヒト血清を含んでよいが、本願はこれに限定されない。
1つの実施形態において、おおよそ10vol%又はそれよりも低い濃度で培地に添加されながら、ヒト血清が使用されてよい。別の実施形態において、ヒト血清は、おおよそ9vol%又はそれよりも低い、おおよそ8vol%又はそれよりも低い、おおよそ7vol%又はそれよりも低い、おおよそ6vol%又はそれよりも低い、おおよそ5vol%又はそれよりも低い、おおよそ4vol%又はそれよりも低い、又は3vol%又はそれよりも低い濃度で培地に添加されながら使用されてよい。特定の実施形態において、ヒト血清は、おおよそ3vol%でCTS-AIM-V培地に添加されながら使用されてよい。
1つの実施形態において、第2の組成物に血清が含まれている場合、第2の組成物に含まれている血清の濃度は、おおよそ20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1vol%、又は、前述のvol%よりも低いか又はそれに等しい濃度であってよい。特定の実施形態において、第2の組成物に含まれている血清の濃度は、おおよそ10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1vol%、又は、前述のvol%よりも少ないか又はそれに等しい濃度であってよい。特定の実施形態において、第2の組成物に含まれている血清の濃度は、おおよそ5、4、3、2又は1vol%、又は、前述のvol%よりも少ないか又はそれに等しい濃度であってよい。
1つの実施形態において、第2の組成物に含まれているヒト血清の濃度は、おおよそ5、4、3、2又は1vol%であってよい。特定の実施形態において、第2の組成物に含まれているヒト血清の濃度は、おおよそ3vol%であってよい。
b)血漿
1つの実施形態において、基礎培地に血漿が添加されてよい。1つの実施形態において、本願の第2の組成物は、血漿を含んでよい。血漿は、フィブリノゲン不含有血清を指す。血漿は、細胞成長に必要な成分を含有する。
本願において使用される血漿は、ヒト血漿又は患者の血液から単離された血漿であってよいが、本願はこれに限定されない。
1つの実施形態において、血清の代わりに血漿が培地に追加されて使用されてよい。
1つの実施形態において、血漿は、おおよそ10vol%又はそれよりも低い濃度で培地に添加されながら使用されてよい。別の実施形態において、血漿は、おおよそ9vol%又はそれよりも低い、おおよそ8vol%又はそれよりも低い、おおよそ7vol%又はそれよりも低い、おおよそ6vol%又はそれよりも低い、おおよそ5vol%又はそれよりも低い、おおよそ4vol%又はそれよりも低い、又は3vol%又はそれよりも低い濃度で培地に添加されながら使用されてよい。特定の実施形態において、CTS-AIM-V培地に血漿がおおよそ3vol%で添加され、使用されてよい。
1つの実施形態において、第2の組成物に血漿が含まれている場合、第2の組成物に含まれている血漿の濃度は、おおよそ20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1vol%、又は、前述のvol%よりも低いか又はそれに等しい濃度であってよい。特定の実施形態において、第2の組成物に含まれている血漿の濃度は、おおよそ10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1vol%、又は、前述のvol%よりも少ないか又はそれに等しい濃度であってよい。特定の実施形態において、第2の組成物に含まれている血漿の濃度は、おおよそ5、4、3、2又は1vol%、又は、前述のvol%よりも少ないか又はそれに等しい濃度であってよい。
1つの実施形態において、第2の組成物に含まれている血漿の濃度は、おおよそ5、4、3、2又は1vol%であってよい。特定の実施形態において、第2の組成物に含まれている血漿の濃度は、おおよそ3vol%であってよい。
c)IL-2
本願において使用されるIL-2は、T細胞増殖を促進する因子を指す、インターロイキン-2の略語である。IL-2は、ヒトリコンビナントIL-2タイプを含む様々なタイプのIL-2を含む。
1つの実施形態において、第2の組成物は、IL-2を含んでよい。
1つの実施形態において、IL-2は、おおよそ10,000IU/mLの濃度で培地に添加されてよい。1つの実施形態において、培地に添加されるIL-2の濃度は、おおよそ9000IU/mL、おおよそ8,000IU/mL、おおよそ7,000IU/mL、おおよそ6,000IU/mL、おおよそ5,000IU/mL、おおよそ4,000IU/mL、おおよそ3,000IU/mL、おおよそ2,000IU/mL、おおよそ1,000IU/mL、又はおおよそ500IU/mLであってよい。特定の実施形態において、IL-2は、おおよそ2,000IU/mLの濃度でCTS-AIM-V培地に添加されてよい。
1つの実施形態において、第2の組成物は、おおよそ10,000IU/mL、おおよそ9,500IU/mL、おおよそ9,000IU/mL、おおよそ8,500IU/mL、おおよそ8,000IU/mL、おおよそ7,500IU/mL、おおよそ7,000IU/mL、おおよそ6,500IU/mL、おおよそ6,000IU/mL、おおよそ5,500IU/mL、おおよそ5,000IU/mL、おおよそ4,500IU/mL、おおよそ4,000IU/mL、おおよそ3,500IU/mL、おおよそ3,000IU/mL、おおよそ2,500IU/mL、おおよそ2,000IU/mL、おおよそ1,500IU/mL、おおよそ1,000IU/mL、おおよそ900IU/mL、おおよそ800IU/mL、おおよそ700IU/mL、おおよそ600IU/mL、おおよそ500IU/mL、おおよそ400IU/mL、おおよそ300IU/mL、おおよそ200IU/mL、又はおおよそ100IU/mLの濃度、又は、前述の値から選択される2つの値によって設定される範囲内の濃度でIL-2を含んでよい。特定の実施形態において、第2の組成物は、おおよそ3,000IU/mL、おおよそ2,500IU/mL、おおよそ2,000IU/mL、おおよそ1,500IU/mL、又はおおよそ1,000IU/mLの濃度、又は、前述の値から選択される2つの値によって設定される範囲内の濃度で、IL-2を含んでよい。特定の実施形態において、第2の組成物は、おおよそ2,000IU/mLの濃度でIL-2を含んでよい。
d)抗CD3抗体
抗CD3抗体は、T細胞表面上の膜タンパク質、すなわち、CD3受容体を標的とする抗体を指す。
1つの実施形態において、第2の組成物は、抗CD3抗体を含んでよい。1つの実施形態において、抗CD3抗体は、OKT3、オテリキシズマブ、テプリズマブ、及びビジリズマブ、又はそれらの2つ又はそれよりも多くの組み合わせから選択されたいずれか1つであってよい。特定の実施形態において、第2の組成物に含まれている抗CD3抗体は、OKT3であってよい。
1つの実施形態において、抗CD-3抗体は、おおよそ1ng/mL、おおよそ2ng/mL、おおよそ3ng/mL、おおよそ4ng/mL、おおよそ5ng/mL、おおよそ10ng/mL、おおよそ15ng/mL、おおよそ20ng/mL、おおよそ25ng/mL、おおよそ30ng/mL、おおよそ35ng/mL、おおよそ40ng/mL、おおよそ45ng/mL、おおよそ50ng/mL、おおよそ60ng/mL、おおよそ70ng/mL、おおよそ80ng/mL、おおよそ90ng/mL、おおよそ100ng/mL、おおよそ200ng/mL、おおよそ300ng/mL、おおよそ400ng/mL、おおよそ500ng/mL、又はおおよそ1,000ng/mLの濃度、又は、前述の値から選択される2つの値によって設定される範囲内の濃度で培地に添加されながら使用されてよい。
1つの実施形態において、抗CD3抗体が第2の組成物に含まれている場合、第2の組成物に含まれている抗CD3抗体の濃度は、おおよそ1ng/mL、おおよそ2ng/mL、おおよそ3ng/mL、おおよそ4ng/mL、おおよそ5ng/mL、おおよそ10ng/mL、おおよそ15ng/mL、おおよそ20ng/mL、おおよそ25ng/mL、おおよそ30ng/mL、おおよそ35ng/mL、おおよそ40ng/mL、おおよそ45ng/mL、おおよそ50ng/mL、おおよそ60ng/mL、おおよそ70ng/mL、おおよそ80ng/mL、おおよそ90ng/mL、おおよそ100ng/mL、おおよそ200ng/mL、おおよそ300ng/mL、おおよそ400ng/mL、おおよそ500ng/mL、又はおおよそ1000ng/mL、又は、前述の値から選択される2つの値によって設定される範囲内の濃度であってよい。特定の実施形態において、第2の組成物に含まれている抗CD3抗体の濃度は、おおよそ30ng/mLであってよい。
e)フィーダー細胞
i)フィーダー細胞パーセンテージ
本願において使用されるフィーダー細胞は、第2の組成物に含まれて、第2の免疫細胞集団を増殖させる場合にTILを活性化させ増殖させるのに役立つ細胞である。1つの実施形態において、フィーダー細胞は、末梢血単核細胞(PBMC)を含み、ここで、PBMCは、円形細胞核を有する末梢血細胞を指す。
1つの実施形態において、フィーダー細胞は、末梢血単核細胞(PBMC)であってよい。1つの実施形態において、フィーダー細胞は、不活性化PBMCであってよい。1つの実施形態において、フィーダー細胞は、同種異系PBMCであってよい。1つの実施形態において、フィーダー細胞は、不活性化同種異系PBMCであってよい。ここで、PBMCは、照射によって不活性化されてよく、PBMCを不活性化する方法は、これに限定されない。例えば、PBMCは、おおよそ60Gyの照射を通して不活性化されてよい。
フィーダー細胞は、第2の免疫細胞集団(TIL)に対して所定の比で第2の組成物に添加されてよい。1つの実施形態において、第2の免疫細胞集団が第2の組成物中に懸濁された後、フィーダー細胞は、第2の免疫細胞集団中の細胞と以下の比(第2の免疫細胞集団に含まれている細胞:フィーダー細胞)を有するように第2の組成物に含まれてよい:おおよそ1:1000、おおよそ1:900、おおよそ1:800、おおよそ1:700、おおよそ1:600、おおよそ1:500、おおよそ1:450、おおよそ1:400おおよそ1:350、おおよそ1:300、おおよそ1:280、おおよそ1:260、おおよそ1:240、おおよそ1:220、おおよそ1:200、おおよそ1:180、おおよそ1:160、おおよそ1:140、おおよそ1:120、おおよそ1:100、おおよそ1:90、おおよそ1:80、おおよそ1:70、おおよそ1:60、又はおおよそ1:50。
特定の実施形態において、フィーダー細胞は、免疫細胞集団との比(第2の免疫細胞集団に含まれている細胞:フィーダー細胞)が1:200(±100)であるように第2の組成物に含まれてよい。
特定の実施形態において、フィーダー細胞は、免疫細胞集団との比(第2の免疫細胞集団に含まれている細胞:フィーダー細胞)がおおよそ1:200であるように第2の組成物に含まれてよい。
ii)PBMCの単離
1つの実施形態において、フィーダー細胞は、PBMCであってよい。ここで、PBMCは、健康な人の血液から単離されたものであってよい。フィーダー細胞が不活性化同種異系PBMCである場合、不活性化同種異系PBMCは、健康な患者の血液から単離された末梢血細胞を不活性化(例えば、照射による不活性化)することによって調製される。
健康な人からのPBMCの単離は、既知の方法を通して実行されてよい。例えば、PBMCを単離する方法としては、Ficoll溶液を使用した一般的な単離方法が挙げられ得る。
f)抗生物質
1つの実施形態において、第2の組成物は、抗生物質をさらに含んでよい。
抗生物質は、細胞培養及び/又は増殖中の細菌又は真菌による汚染を防止するために使用されてよい。
最終産物の生成において抗生物質を使用するか否かは、使用される第1の免疫細胞集団又は第2の免疫細胞集団の条件、及び培養及び/又は増殖された細胞の条件を適切に考慮することによって決定されてよい。
第2の組成物が抗生物質を含む場合、抗生物質は、細胞培養及び/又は増殖に影響しない濃度で含まれてよく、ここで、細胞毒性を示す抗生物質の濃度が考慮されてよい。第2の組成物に含まれている抗生物質の濃度は、抗生物質のタイプによって変わり得る。
第2の組成物に含まれている抗生物質の例は、アンピシリン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ペニシリン、及びストレプトマイシンを含むが、本願はこれに限定されない。すなわち、細胞培養及び/又は増殖のための培地に添加される抗生物質として、当該技術分野で知られている任意の抗生物質が使用されてよい。特定の実施形態において、第2の組成物は、ゲンタマイシンを含んでよい。
上で記載されたように、本願における第2の組成物は、培地及び添加剤を含む。1つの実施形態において、第2の組成物は、培地、血清、IL-2、抗CD3抗体、及びフィーダー細胞を含んでよい。別の実施形態において、第2の組成物は、培地、血漿、IL-2、抗CD3抗体、及びフィーダー細胞を含んでよい。また別の実施形態において、第2の組成物は、培地、血清、IL-2、抗CD3抗体、フィーダー細胞、及び抗生物質を含んでよい。さらに別の実施形態において、第2の組成物は、培地、血漿、IL-2、抗CD3抗体、フィーダー細胞、及び抗生物質を含んでよい。しかしながら、本願はこれに限定されない。
特定の実施形態において、第2の組成物は、培地、血清、IL-2、OKT3、及びフィーダー細胞を含み、培地は、CTS-AIM-V培地であり、血清は、ヒトAB血清であり、第2の組成物には、おおよそ3vol%の濃度でヒトAB血清が含まれ、第2の組成物には、おおよそ2,000IU/mLの濃度でIL-2が含まれ、第2の組成物には、おおよそ30ng/mLの濃度でOKT3が含まれ、フィーダー細胞は、不活性化同種異系PBMCである。ここで、不活性化同種異系PBMCは、免疫細胞集団に含まれている細胞に対して1:200の比(第2の免疫細胞集団に含まれている細胞:フィーダー細胞)で第2の組成物に含まれてよい。
特定の実施形態において、第2の組成物は、培地、血清、IL-2、OKT3、抗生物質、及びフィーダー細胞を含み、培地は、CTS-AIM-V培地であり、血清は、ヒトAB血清であり、第2の組成物には、おおよそ3vol%の濃度でヒトAB血清が含まれ、第2の組成物には、おおよそ2,000IU/mLの濃度でIL-2が含まれ、第2の組成物には、30ng/mLの濃度でOKT3が含まれ、フィーダー細胞は、不活性化同種異系PBMCである。ここで、不活性化同種異系PBMCは、免疫細胞集団に含まれている細胞に対して1:200の比(第2の免疫細胞集団に含まれている細胞:フィーダー細胞)で第2の組成物に含まれてよい。
第2の免疫細胞集団の播種の具体例が下で記載されるが、本願はこれに限定されない。
上記第1の免疫細胞集団又は冷凍保存後に解凍された第1の免疫細胞集団から、第2の免疫細胞集団が取得される。第2の免疫細胞集団は、第2の組成物中に懸濁され、第2の容器GREX100Mに播種され、ここで、細胞は、容器当たりにおおよそ4E5の細胞数で播種される。ここで、第2の組成物は、CTS-AIM-V培地、3vol%のヒト血清、2,000IU/mLのIL-2、30ng/mLのOKT3、及び不活性化同種異系PBMCを含む。ここで、第2の免疫細胞集団が第2の組成物中に懸濁された後の時点に基づいて、第2の組成物には、第2の免疫細胞集団に含まれている細胞に対しておおよそ1:200の比(第2の免疫細胞集団に含まれている細胞:不活性化同種異系PBMC)で不活性化同種異系PBMCが含まれている。すなわち、第2の免疫細胞集団は、第2の組成物中に懸濁され、第2の免疫細胞集団を含む第2の組成物は、容器当たりに20mL添加される。
2.第2の免疫細胞集団の増殖
概観
本願の免疫細胞組成物を生成するための方法は、第2の免疫細胞集団を増殖させる段階を備える。1つの実施形態において、本願の免疫細胞組成物を生成するための方法は、第2の免疫細胞集団を増殖させて、第3の免疫細胞集団を生成する段階を備える。
播種された第2の免疫細胞集団は、増殖期間中に第2の容器内の第2の組成物中で増殖され、これを通して、第3の免疫細胞集団が生成される。第3の免疫細胞集団は、第2の免疫細胞集団を増殖させることによって入手された免疫細胞集団を指す。
第2の免疫細胞集団を増殖させることは、第2の添加剤組成物を添加することを含んでよい。
以下、第2の免疫細胞集団の増殖が詳細に説明される。
第2の容器への第2の添加剤組成物の添加
第2の免疫細胞集団の増殖中、第2の添加剤組成物が第2の容器に添加されてよい。ここで、第2の添加剤組成物は、培地、血清、血漿、抗生物質、IL-2、抗CD3抗体、及びフィーダー細胞から選択されるいずれか1又は複数を含んでよい。特定の実施形態において、第2の添加剤組成物は、培地、血清、及びIL-2を含んでよい。
第2の添加剤組成物の添加の処理が下で詳細に説明される。
1)添加の回数
第2の免疫細胞集団が第2の容器内の第2の組成物中で培養される間、第2の容器に第2の添加剤組成物が添加(補足)される。
1つの実施形態において、増殖中、第2の添加剤組成物は、第2の容器に1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10回、又は、前述の回数よりも多い回数、添加されてよい。特定の実施形態において、増殖期間中、第2の添加剤組成物は、4回添加されてよい。
増殖中、第2の添加剤組成物が2回又はそれよりも多い回数添加される場合、第2の添加剤組成物は、全ての添加時間において同量添加されてもよいし、又は、全ての添加時間において異なる量添加されてもよい。添加される第2の添加剤組成物の量は、関連する段落において詳細に説明される。
2)添加時間
ここで、1つの実施形態において、第2の添加剤組成物は、増殖の開始日から2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、18日目、19日目、20日目、及び21日目から選択されるいずれか1又は複数の日に添加されてよく、増殖期間中に1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10回添加されてよい。特定の実施形態において、第2の添加剤組成物は、4、6、8、及び10日目に、4回添加される。
3)添加量
添加される第2の添加剤組成物の量は、容器のタイプ及び/又は添加時間によって変わり得る。
1つの実施形態において、第2の添加剤組成物は、各添加時間において同量添加されてよい。別の実施形態において、第2の添加剤組成物は、各添加時間において異なる量添加されてよい。また別の実施形態において、第2の添加剤組成物は、各添加時間においてその添加量を増加させることによって添加されてよい。
1つの実施形態において、第2の添加剤組成物は、おおよそ1mL、2mL、3mL、4mL、5mL、6mL、7mL、8mL、9mL、10mL、11mL、12mL、13mL、14mL、15mL、16mL、17mL、18mL、19mL20mL、21mL、22mL、23mL、24mL、25mL、26mL、27mL、28mL、29mL、30mL、32mL、35mL、37mL、40mL、45mL、50mL、55mL、60mL、65mL、70mL、80mL、90mL、100mL、110mL、120mL、130mL、140mL、150mL、160mL、170mL、180mL、190mL、200mL、250mL、300mL、350mL、400mL、450mL、500mL、550mL、600mL、650mL、700mL、750mL、800mL、850mL、900mL、950mL、1000mL、1500mL、2L、3L、4L、又は5L、又は、各添加時間において前述の値よりも多いか又はそれに等しい量等の同じ又は異なる量添加されてよい。しかしながら、本願はこれに限定されず、添加される第2の添加剤組成物の量は、様々な条件(例えば、容器の容量、培養細胞の条件、及び/又は添加時点)を考慮して適切な値として決定されてよい。特定の実施形態において、第2の添加剤組成物は、各添加時間における添加量を増加させることによって添加されてよく、20mL、60mL、180mL、及び540mLの第2の添加剤組成物が、4、6、8、及び10日目にそれぞれ第2の容器に添加されてよい。
4)第2の添加剤組成物の構成
第2の容器に添加される第2の添加剤組成物は、培地、血清、血漿、IL-2、抗CD3抗体、及びフィーダー細胞から選択されるいずれか1又は複数を含んでよい。
1つの実施形態において、第2の添加剤組成物は、培地;血清;及びIL-2を含んでよい。別の実施形態において、第2の添加剤組成物は、培地;血漿;及びIL-2を含んでよい。
特定の実施形態において、第2の添加剤組成物は、培地;血清;及びIL-2を含んでよい。別の特定の実施形態において、第2の添加剤組成物は、培地、血清、及びIL-2に加えて、抗CD3抗体及びフィーダー細胞のうちのいずれか1又は複数をさらに含んでよい。
第2の添加剤組成物に含むことができる各成分の実施形態は、第2の組成物において上で説明されている。
a)培地
第2の添加剤組成物に含むことができる培地に関する実施形態は、第2の組成物において上で説明されている。例えば、特定の実施形態において、第2の添加剤組成物に含まれている培地は、CTS-AIM-V培地であってよいが、本願はこれに限定されない。
b)血清
第2の添加剤組成物に血清が含まれている場合、血清に関する実施形態は、第2の組成物において上で説明したのと同じである。例えば、特定の実施形態において、血清は、ヒト血清であってよいが、本願はこれに限定されない。例えば、特定の実施形態において、第2の添加剤組成物に含まれている血清の濃度は、おおよそ3vol%であってよいが、本願はこれに限定されない。
c)血漿
第2の添加剤組成物に血漿が含まれている場合、血漿に関する実施形態は、第2の組成物において上で説明したのと同じである。例えば、特定の実施形態において、血漿はヒト血漿であってよいが、本願はこれに限定されない。例えば、特定の実施形態において、第2の添加剤組成物に含まれている血漿の濃度は、おおよそ3vol%であってよいが、本願はこれに限定されない。
d)IL-2
第2の添加剤組成物にIL-2が含まれている場合、IL-2に関する実施形態は、第2の組成物において上で説明したのと同じである。例えば、特定の実施形態において、第2の添加剤組成物に含まれているIL-2の濃度は、おおよそ2,000IU/mLであってよいが、本願はこれに限定されない。
e)抗CD3抗体
第2の添加剤組成物に抗CD3抗体が含まれている場合、抗CD3抗体に関する実施形態は、第2の組成物において上で説明したのと同じである。例えば、特定の実施形態において、抗CD3抗体はOKT3であってよいが、本願はこれに限定されない。例えば、特定の実施形態において、第2の添加剤組成物に含まれている抗CD3抗体の濃度は、おおよそ30ng/mLであってよいが、本願はこれに限定されない。
f)フィーダー細胞
第2の添加剤組成物にフィーダー細胞が含まれている場合、フィーダー細胞に関する実施形態は、第2の組成物において上で説明したのと同じである。例えば、特定の実施形態において、フィーダー細胞は、不活性化同種異系PBMCであってよいが、本願はこれに限定されない。例えば、特定の実施形態において、フィーダー細胞は、第2の容器に当初播種された第2の容器に含まれている免疫細胞又は第2の免疫細胞集団に含まれている細胞に対して、1:200の比(免疫細胞又は第2の免疫細胞集団に含まれている細胞:フィーダー細胞)で第2の添加剤組成物に含まれてよい。
g)抗生物質
第2の添加剤組成物に抗生物質が含まれている場合、抗生物質に関する実施形態は、第2の組成物において上で説明したのと同じである。
1つの実施形態において、第2の容器に添加される第2の添加剤組成物の構成は、各添加時間において変わり得る。別の実施形態において、第2の容器に添加される第2の添加剤組成物の構成は、各添加時間において同じであってよい。
1つの実施形態において、第2の容器に添加される第2の添加剤組成物の構成は、第2の組成物のそれと同じであってよい。別の実施形態において、第2の容器に添加される第2の添加剤組成物の構成は、第2の組成物のそれとは異なってよい。特定の実施形態において、第2の添加剤組成物は、抗CD3抗体及びフィーダー細胞を除いて、第2の組成物と同じ組成成分及び組成比を有する組成物であってよい。
1つの実施形態において、第2の容器に添加される第2の添加剤組成物は、培地、血清、及びIL-2を含んでよい。特定の実施形態において、第2の容器に添加される第2の添加剤組成物は、CTS-AIM-V培地、おおよそ3vol%のヒト血清、及びおおよそ2,000IU/mLのIL-2を含んでよい。
増殖中に新たな免疫細胞を追加するか否か
第2の容器において第2の免疫細胞集団を増殖させる間、免疫細胞が外部から第2の免疫細胞集団にさらに添加されなくてよい。
さらに、そのような増殖処理において、任意選択で容器変更が実行されてよいが、第2の免疫細胞集団の増殖中は、第2の容器から別の容器に細胞集団を移植させる必要がないことから、この処理において便宜性を提供することが有利である。
これは、本願の方法において、第2の免疫細胞集団の増殖中、第2の容器以外の容器に移植させる必要がなく、又は、外部から第2の容器に新たな免疫細胞をさらに追加する必要がないことを意味する。
増殖期間
第2の免疫細胞集団は、第2の容器において所定の期間増殖されてよい。1つの実施形態において、第2の免疫細胞集団は、おおよそ1日又はそれよりも多い日数の間増殖される。1つの実施形態において、第2の免疫細胞集団は、おおよそ2日又はそれよりも多い日数、3日又はそれよりも多い日数、4日又はそれよりも多い日数、5日又はそれよりも多い日数、6日又はそれよりも多い日数、7日又はそれよりも多い日数、8日又はそれよりも多い日数、9日又はそれよりも多い日数、10日又はそれよりも多い日数、11日又はそれよりも多い日数、12日又はそれよりも多い日数、13日又はそれよりも多い日数、14日又はそれよりも多い日数、15日又はそれよりも多い日数、16日又はそれよりも多い日数、17日又はそれよりも多い日数、18日又はそれよりも多い日数、19日又はそれよりも多い日数、20日又はそれよりも多い日数、21日又はそれよりも多い日数、22日又はそれよりも多い日数、23日又はそれよりも多い日数、又は24日又はそれよりも多い日数の間増殖されてよい。特定の実施形態において、第2の免疫細胞集団は、第2の容器においておおよそ7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は21日間増殖されてよい。特定の実施形態において、第2の免疫細胞集団は、第2の容器においておおよそ14日間増殖されてよい。
増殖効率
第2の容器に播種された第2の免疫細胞集団は、第2の免疫細胞集団の増殖を通して所定の倍数又はそれよりも多く増殖されてよい。すなわち、播種された第2の免疫細胞集団は、第2の容器において所定の倍数又はそれよりも多く増殖される。
1つの実施形態において、播種された第2の免疫細胞集団は、第2の容器において増殖され、こうして、第3の免疫細胞集団が生成され得る。第2の免疫細胞集団と比較して、第3の免疫細胞集団は、ある特定の倍数よりも多いか又はそれに等しい細胞数を有する。1つの実施形態において、第3の免疫細胞集団は、第2の免疫細胞集団の少なくともおおよそ100倍多い細胞を有する。1つの実施形態において、第3の免疫細胞集団は、第2の免疫細胞集団の少なくともおおよそ200倍、おおよそ300倍、おおよそ400倍、おおよそ500倍、おおよそ600倍、おおよそ700倍、おおよそ800倍、おおよそ900倍、おおよそ1,000倍、おおよそ1,100倍、おおよそ1,200倍、おおよそ1,300倍、おおよそ1,400倍、おおよそ1,500倍、おおよそ1,600倍、おおよそ1,700倍、おおよそ1,800倍、おおよそ1,900倍、おおよそ2,000倍、おおよそ2,200倍、おおよそ2,300倍、おおよそ2,400倍、おおよそ2,500倍、おおよそ2,600倍、おおよそ2,700倍、おおよそ2,800倍、おおよそ3,000倍、おおよそ3,500倍、おおよそ4,000倍、おおよそ4,500倍、おおよそ5,000倍、おおよそ5,500倍、おおよそ6,000倍、おおよそ6,500倍、おおよそ7,000倍、おおよそ7,500倍、おおよそ8,000倍、おおよそ8,500倍、おおよそ9,000倍、おおよそ9,500倍、おおよそ10,000倍、又はおおよそ20,000倍多い細胞を有してよい。特定の実施形態において、第3の免疫細胞集団は、第2の免疫細胞集団の少なくともおおよそ2,500倍多い細胞を有してよい。特定の実施形態において、第3の免疫細胞集団は、第2の免疫細胞集団の少なくともおおよそ9,400倍多い細胞を有してよい。特定の実施形態において、第3の免疫細胞集団は、第2の免疫細胞集団のおおよそ2,500~9,400倍多い細胞を有してよい。
第2の免疫細胞集団の増殖の具体例が以下の通りに記載され得るが、本願はこれに限定されない。
- 第2の組成物中に懸濁された後に播種された第2の免疫細胞集団は、14日間の増殖期間増殖される。
- 第2の添加剤組成物は、増殖の開始日から4、6、8、及び10日目に第2の容器に添加される。ここで、添加される第2の添加剤組成物は、CTS-AIM-V培地、3vol%のヒト血清、及び2,000IU/mLのIL-2を含む。より具体的には、第2の添加剤組成物は、増殖の開始日から4日目に20mL、6日目に60mL、8日目に180mL、及び10日目に540mL、第2の容器に添加されてよい。
- 14日間の増殖処理を通して、第2の免疫細胞集団から第3の免疫細胞集団が生成される。
3.
免疫細胞組成物(免疫組成物)の生成
概観
本願の免疫細胞組成物又は免疫組成物を生成するための方法は、上述の処理を通して取得される、有効成分としての免疫細胞を含む、免疫(細胞)組成物を調製する段階を備えてよい。
第2の免疫細胞集団の増殖が完了した後、増殖させた産物から第3の免疫細胞集団を入手することによって免疫(細胞)組成物が調製される。
1つの実施形態において、免疫(細胞)組成物は、有効成分としての第3の免疫細胞集団を含んでよい。別の実施形態において、免疫(細胞)組成物は、有効成分としての第3の免疫細胞集団に由来する第4の免疫細胞集団を含んでよい。
免疫細胞組成物又は免疫組成物は、有効成分としての「免疫細胞集団」を含む組成物を指す。ここで、免疫細胞集団はTILを含んでよく、本願の免疫細胞組成物(免疫組成物)は、有効成分としてTILを含んでよい。
1つの実施形態において、免疫細胞組成物の生成は、増殖させた産物から第3の免疫細胞集団を入手することを含んでよい。
1つの実施形態において、免疫細胞組成物の生成は、増殖させた産物から第3の免疫細胞集団を入手することに加えて、第3の免疫細胞集団から第4の免疫細胞集団を入手することをさらに含んでよい。
免疫細胞組成物の生成は、下で詳細に説明される。
第3の免疫細胞集団の取得
第3の免疫細胞集団は、増殖させた産物から入手される。第3の免疫細胞集団を入手する方法は、細胞を培養又は増殖させる処理において細胞を入手するための様々な既知の方法を含んでよいが、本願はこれに限定されない。例えば、第3の免疫細胞集団の入手は、下に記載される処理に加えて、細胞計数及び/又は細胞生存率の確認を含む、当該技術分野で従来実行されている処理をさらに含んでよいが、本願はこれに限定されない。
1つの実施形態において、免疫細胞集団の入手は、以下の処理、すなわち、第2の容器から増殖処理によって生成された免疫細胞集団を採取すること(細胞採取)を含んでよい。すなわち、第3の免疫細胞集団は、増殖させた産物から免疫細胞集団を採取することによって入手されてよい。
1つの実施形態において、第3の免疫細胞集団の入手は、以下の処理、すなわち、採取された免疫細胞集団を洗浄すること(細胞洗浄)をさらに含んでよい。
1つの実施形態において、第3の免疫細胞集団の入手は、第2の容器から増殖を通して生成された免疫細胞集団を採取することを含む。ここで、免疫細胞集団を採取する方法として、当該技術分野において知られている方法が使用されてよいが、本願はこれに限定されない。1つの実施形態において、第2の容器から免疫細胞集団を採取するために、遠心分離が用いられてよい。遠心分離は、例えば、200g、7分、室温、及びAcc9/Dcc9の条件下で実行されてよいが、本願はこれに限定されない。
1つの実施形態において、第3の免疫細胞集団の取得は、第2の容器から増殖を通して生成された免疫細胞集団を採取することに加えて、採取された免疫細胞集団を洗浄することをさらに含んでよい。細胞の洗浄において、当該技術分野で知られている方法が使用されてよい。例えば、細胞を洗浄するために、遠心分離が用いられてよいが、本願は限定されない。ここで、免疫細胞集団の洗浄は、緩衝液で実行されてよい。ここで、緩衝液として、例えば、PBS又はDPBSが使用されてよいが、本願はこれに限定されない。1つの実施形態において、採取された免疫細胞集団は、DPBSで1、2、3、4、又は5回又はそれよりも多くの回数洗浄されてよい。特定の実施形態において、免疫細胞集団は、DPBSで3回洗浄されてよい。
第3の免疫細胞集団1つの実施形態において、第3の免疫細胞集団は、第2の免疫細胞集団の少なくともおおよそ100倍、おおよそ200倍、おおよそ300倍、おおよそ400倍、おおよそ500倍、おおよそ600倍、おおよそ700倍、おおよそ800倍、おおよそ900倍、おおよそ1,000倍、おおよそ1,100倍、おおよそ1,200倍、おおよそ1,300倍、おおよそ1,400倍、おおよそ1,500倍、おおよそ1,600倍、おおよそ1,700倍、おおよそ1,800倍、おおよそ1,900倍、おおよそ2,000倍、おおよそ2,200倍、おおよそ2,300倍、おおよそ2,400倍、おおよそ2,500倍、おおよそ2,600倍、おおよそ2,700倍、おおよそ2,800倍、おおよそ3,000倍、おおよそ3,500倍、おおよそ4,000倍、おおよそ4,500倍、おおよそ5,000倍、おおよそ5,500倍、おおよそ6,000倍、おおよそ6,500倍、おおよそ7,000倍、おおよそ7,500倍、おおよそ8,000倍、おおよそ8,500倍、おおよそ9,000倍、おおよそ9,500倍、おおよそ10,000倍、又はおおよそ20,000倍多い細胞を有してよい。
特定の実施形態において、第3の免疫細胞集団は、第2の免疫細胞集団の少なくともおおよそ2,500倍多い細胞を有してよい。特定の実施形態において、第3の免疫細胞集団は、第2の免疫細胞集団の少なくともおおよそ9,400倍多い細胞を有してよい。特定の実施形態において、第3の免疫細胞集団は、第2の免疫細胞集団のおおよそ2,500から9,400倍の細胞を有してよい。
1つの実施形態において、第3の免疫細胞集団は免疫細胞を含む。第3の免疫細胞集団は、腫瘍組織の近傍に存在するTILの培養及び/又は増殖によって入手され、それにより、免疫細胞はTILであってよい。ここで、第3の免疫細胞集団に含まれている細胞中、免疫細胞のパーセンテージは、おおよそ70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、又は99.9%、又はそれよりも高くてよい。特定の実施形態において、第3の免疫細胞集団に含まれている細胞中、TILのパーセンテージは、おおよそ97%、98%、99%、99.5%、又は99.9%又はそれよりも高くてよい。ここで、第3の免疫細胞集団に含まれている細胞は、生存細胞を指し得る。
1つの実施形態において、第3の免疫細胞集団はT細胞を含む。ここで、第3の免疫細胞集団はTILを含み、TILはT細胞を含む。すなわち、第3の免疫細胞集団に含まれているT細胞は、TILの一種であり得る。1つの実施形態において、第3の免疫細胞集団に含まれている細胞中、T細胞のパーセンテージは、おおよそ60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%、又はそれよりも高くてよい。特定の実施形態において、第3の免疫細胞集団に含まれている細胞中、T細胞のパーセンテージは、おおよそ88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%、又はそれよりも高くてよい。特定の実施形態において、第3の免疫細胞集団に含まれている細胞中、T細胞のパーセンテージは、おおよそ99%又はそれよりも高くてよい。特定の実施形態において、第3の免疫細胞集団に含まれている細胞中、T細胞のパーセンテージは、おおよそ99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、又は99.9%、又はそれよりも高くてよい。ここで、第3の免疫細胞集団に含まれている細胞は、生存細胞を指し得る。
1つの実施形態において、第3の免疫細胞集団に含まれている細胞中、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)のパーセンテージは、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1%、又はそれよりも低くてよい。特定の実施形態において、第3の免疫細胞集団に含まれている細胞中、NK細胞のパーセンテージは、10%又はそれよりも低くてよい。特定の実施形態において、NK細胞のパーセンテージは、1%又はそれよりも低くてよい。特定の実施形態において、NK細胞のパーセンテージは、0.2%又はそれよりも低くてよい。ここで、第3の免疫細胞集団に含まれている細胞は、生存細胞を指し得る。
1つの実施形態において、第3の免疫細胞集団に含まれている細胞中、B細胞のパーセンテージは、5、4、3、2、又は1%又はそれよりも低くてよい。特定の実施形態において、B細胞のパーセンテージは、1%又はそれよりも低くてよい。特定の実施形態において、B細胞のパーセンテージは、0.2%又はそれよりも低くてよい。ここで、第3の免疫細胞集団に含まれている細胞は、生存細胞を指し得る。
任意選択で含むことができる処理:第3の免疫細胞集団からの第4の免疫細胞集団の取得
1つの実施形態において、免疫細胞組成物の生成は、第3の免疫細胞集団を入手することに加えて、第3の免疫細胞集団から第4の免疫細胞集団を入手することをさらに含んでよい。
ここで、第4の免疫細胞集団は、細胞洗浄、処理、単離、及び/又は細胞分別を通して第3の免疫細胞集団から入手されてよく、限定しないが当該技術分野で知られている方法を通して入手されてよい。例えば、第4の免疫細胞集団は、被験体に投与するのに好適であるように処理された処理済みの第3の免疫細胞集団であってよい。
細胞分別
第3の免疫細胞集団から第4の免疫細胞集団を入手することは、細胞を分別することを含んでよい。細胞分別は、細胞集団を含む組成物から所望の細胞のみを選別するために使用される方法を指す。細胞分別のために、当該技術分野で従来使用される方法が使用されてよい。例えば、蛍光活性化細胞分別(FACS)、遠心分離、又は容器への細胞付着による単離等の方法が、細胞分別のために使用されてよい。
被験体への投与に好適な状態に処理された免疫細胞集団
第3の免疫細胞集団又は細胞洗浄を経た第3の免疫細胞集団の入手は、被験体(例えば、患者)への投与に好適な状態に処理されてよい。
1つの例において、入手された第3の免疫細胞集団又は洗浄を経た第3の免疫細胞集団;又はこれを分別することによって取得された免疫細胞集団は、医薬的に許容される物質で処理されてよい。例えば、免疫細胞集団は、希釈剤及び/又は賦形剤等の医薬的に許容される物質中に懸濁されてよく、患者への投与に好適な状態に処理されてよい。例えば、医薬的に許容される物質は、等張食塩水、リンガー溶液、リン酸緩衝液、又は当該技術分野で知られている非毒性の医薬的に許容される物質であってよい。
免疫細胞組成物又は免疫組成物
本願の方法によって調製された免疫(細胞)組成物は、有効成分として第3の免疫細胞集団又は第4の免疫細胞集団を含む。
1つの実施形態において、免疫細胞組成物は、第3の免疫細胞集団又は第4の免疫細胞集団を含む組成物であり、被験体への投与に好適な状態に処理されてよい。すなわち、1つの実施形態において、免疫細胞組成物は、被験体への投与に好適な状態の組成物であってよい。
以下、本願の免疫細胞組成物の特性が詳細に説明される。
免疫細胞組成物の特性
上で記載されたように、免疫細胞組成物は、第3の免疫細胞集団から入手された第3の免疫細胞集団又は第4の免疫細胞集団を含んでよい。
1つの実施形態において、免疫細胞組成物は、免疫細胞を含む。ここで、免疫細胞は、TILであってよい。ここで、免疫細胞組成物に含まれている細胞中、免疫細胞のパーセンテージは、おおよそ60、65、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、又は99.9%、又はそれよりも高くてよい。特定の実施形態において、免疫細胞組成物に含まれている細胞中、TILのパーセンテージは、おおよそ97%、98%、99%、99.5%、又は99.9%又はそれよりも高くてよい。ここで、免疫細胞組成物に含まれている細胞は、生存細胞を指し得る。
1つの実施形態において、免疫細胞組成物は、T細胞を含む。ここで、免疫細胞組成物はTILを含み、TILはT細胞を含む。すなわち、免疫細胞組成物に含まれているT細胞は、TILの一種であってよい。1つの実施形態において、免疫細胞組成物に含まれている細胞中、T細胞のパーセンテージは、おおよそ60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%、又はそれよりも高くてよい。特定の実施形態において、免疫細胞組成物に含まれている細胞中、T細胞のパーセンテージは、おおよそ88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%、又はそれよりも高くてよい。特定の実施形態において、免疫細胞組成物に含まれている細胞中、T細胞のパーセンテージは、おおよそ99%又はそれよりも高くてよい。特定の実施形態において、免疫細胞組成物に含まれている細胞中、T細胞のパーセンテージは、おおよそ99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、又は99.9%、又はそれよりも高くてよい。ここで、免疫細胞組成物に含まれている細胞は、生存細胞を指し得る。
1つの実施形態において、免疫細胞組成物に含まれている細胞中、NK細胞のパーセンテージは、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1%、又はそれよりも低くてよい。特定の実施形態において、免疫細胞組成物に含まれている細胞中、NK細胞のパーセンテージは、10%又はそれよりも低くてよい。特定の実施形態において、NK細胞のパーセンテージは、1%又はそれよりも低くてよい。特定の実施形態において、NK細胞のパーセンテージは、0.2%又はそれよりも低くてよい。ここで、免疫細胞組成物に含まれている細胞は、生存細胞を指し得る。
1つの実施形態において、免疫細胞組成物に含まれている細胞中、B細胞のパーセンテージは、5、4、3、2、又は1%又はそれよりも低くてよい。特定の実施形態において、B細胞のパーセンテージは、1%又はそれよりも低くてよい。特定の実施形態において、B細胞のパーセンテージは、0.2%又はそれよりも低くてよい。ここで、免疫細胞組成物に含まれている細胞は、生存細胞を指し得る。
免疫(細胞)組成物にさらに含むことができる物質
下で説明される組み合わせ投与セクションにおけるように、第3の免疫細胞集団又は第3の免疫細胞集団から取得された第4の免疫細胞集団を含む免疫細胞組成物は、治療効果を増加させることができる物質と一緒に投与されてよい。
ここで、同時投与されることになる物質は、例えば、IL-2等のインターロイキン、及び/又は、免疫チェックポイント阻害剤であってよいが、本願はこれに限定されない。
1つの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1及びPD-1の結合を阻止する物質、例えば、抗PD-L1剤又は抗PD-1剤であってよい。1つの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、ドスタルリマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、及びそれらの変異体から選択されるいずれか1又は複数であってよい。特定の実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブであってよい。
同時投与することができる上記物質は、免疫細胞組成物にさらに含まれてよい。この場合、免疫細胞組成物中で同時投与することができる物質は、免疫細胞組成物の投与と同時に被験体に投与される。ここで、免疫細胞組成物に同時投与物質が含まれている場合、同時投与物質の濃度は、被験体への投与に好適な量を考慮して決定されてよい。
1つの実施形態において、免疫細胞組成物は、IL-2及び免疫チェックポイント阻害剤から選択されるいずれか1又は複数をさらに含んでよい。特定の実施形態において、免疫細胞組成物は、IL-2をさらに含んでよい。特定の実施形態において、免疫細胞組成物は、ニボルマブをさらに含んでよい。
生成された免疫(細胞)組成物の使用
概観
生成された免疫細胞組成物は、それを必要とする被験体への投与において使用されてよい。1つの実施形態において、生成された免疫細胞組成物は、保管のために冷凍保存されてよい。冷凍保存された免疫細胞組成物は、解凍されて、それを必要とする被験体への投与のために使用されてよい。ここで、免疫細胞組成物を冷凍保存する期間は、これに限定されない。さらにここで、免疫細胞組成物を冷凍保存する方法は、免疫細胞組成物を冷凍保存するための当該技術分野で知られている方法であってよいが、それに限定されない。免疫細胞組成物の投与は、免疫細胞組成物が投与されない被験体に比較して、特定の医学的状態の症状又は疾患の進行を遅延させる効果を有し得る。1つの実施形態において、免疫細胞組成物は、容器に充填されて、被験体に投与されてよい。
1つの実施形態において、本願の免疫細胞組成物を生成するための方法によって生成された免疫細胞組成物又は免疫組成物を被験体に投与することを備える、被験体内の腫瘍を治療する方法が提供される。
1つの実施形態において、被験体の腫瘍を治療するための、本願の免疫細胞組成物を生成するための方法によって生成された免疫細胞組成物又は免疫組成物の使用が提供される。
免疫細胞組成物での容器の充填
第3の免疫細胞集団又は第3の免疫細胞集団からの第4の免疫細胞集団を含む免疫細胞組成物が、容器に充填されてよい。ここで、容器は、本願の方法によって増殖された腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を被験体に注入するための注入容器であってよい。ここで、免疫細胞組成物は、被験体(例えば、患者)への投与に好適な量を考慮して容器に充填されてよい。ここで、患者の状態、及び免疫細胞組成物に含まれている免疫細胞の状態が考慮されてよい。
1つの実施形態において、免疫細胞は、免疫細胞の濃度が、おおよそ1E8/200mL、2E8/200mL、3E8/200mL、4E8/200mL、5E8/200mL、6E8/200mL、7E8/200mL、8E8/200mL、9E8/200mL、1E9/200mL、2E9/200mL、3E9/200mL、4E9/200mL、5E9/200mL、6E9/200mL、7E9/200mL、8E9/200mL、9E9/200mL、1E10/200mL、2E10/200mL、3E10/200mL、4E10/200mL、5E10/200mL、6E10/200mL、7E10/200mL、8E10/200mL、9E10/200mL、1E11/200mL、2E11/200mL、3E11/200mL、4E11/200mL、又は5E11/200mL、又はそれよりも高いように容器に充填されてよいが、本願はこれに限定されない。特定の実施形態において、免疫細胞は、免疫細胞の濃度がおおよそ1E9/200mL又はそれよりも高いように容器に充填されてよい。特定の実施形態において、免疫細胞は、免疫細胞の濃度がおおよそ1E10/200mL又はそれよりも高いように容器に充填されてよい。特定の実施形態において、免疫細胞は、免疫細胞の濃度が1E10/200mL~1.3E11/200mLであるように容器に充填されてよい。
投与する被験体
免疫細胞組成物は、それを必要とする被験体に投与されてよい。被験体は、腫瘍を有するヒトを含む。ここで、腫瘍は、固形腫瘍又は液性腫瘍を含み、固形腫瘍は、限定されるものではないが、乳癌、肺癌、胃癌、卵巣癌、腎臓癌、又は悪性黒色腫を含む皮膚癌を含む。液性腫瘍は、限定されるものではないが、白血病又はリンパ腫を含む血液がん、又は肺癌を有する患者の胸水を含む。特定の実施形態において、免疫細胞組成物は、乳癌を有するヒトに投与されてよい。特定の実施形態において、免疫細胞組成物は、肺癌を有するヒトに投与されてよい。
1つの実施形態において、免疫細胞組成物を必要とする被験体は、I.半産物の生成において腫瘍組織を提供する被験体であってよい。例えば、被験体に由来する腫瘍試料(被験体から取得された腫瘍組織から入手された)を介して、この方法を用いて生成された免疫細胞組成物が、同じ被験体に投与し戻されてよい。
投与方法
免疫細胞組成物を、それを必要とする被験体に投与する方法は、当該技術分野で知られている方法のうちの1つであってよい。1つの実施形態において、免疫細胞組成物は、動脈内、静脈内、皮内、又は腹腔内投与されてよい。特定の実施形態において、免疫細胞組成物は、動脈内又は静脈内投与されてよい。
1つの実施形態において、免疫細胞組成物は、追加の物質とともに投与されてよい。ここで、同時投与は、追加の物質の投与の前又は後における免疫細胞組成物の投与、又は追加の物質との同時の投与を含んでよい。追加の物質は、被験体のための治療効果を促進する物質として当該技術分野で知られている全ての物質を含む。1つの実施形態において、追加の物質は、IL-2、シクロホスファミド、及び/又はフルダラビンを含んでよい。追加の物質との同時投与が下で詳細に開示される。
用量
それを必要とする被験体に投与される免疫細胞組成物の用量は、治療に好適な有効量であってよい。ここで、用量は、被験体の腫瘍体積、体重、及び年齢を含むパラメータによって変わり得る。1つの実施形態において、おおよそ1E6、おおよそ1.5E6、おおよそ2E6、おおよそ2.5E6、おおよそ3E6、おおよそ3.5E6、おおよそ4E6、おおよそ4.5E6、おおよそ5E6、おおよそ5.5E6、おおよそ6E6、おおよそ6.5E6、おおよそ7E6、おおよそ7.5E6、おおよそ8E6、おおよそ8.5E6、おおよそ9E6、おおよそ9.5E6、おおよそ1E7、おおよそ1.5E7、おおよそ2E7、おおよそ2.5E7、おおよそ3E7、おおよそ3.5E7、おおよそ4E7、おおよそ4.5E7、おおよそ5E7、おおよそ5.5E7、おおよそ6E7、おおよそ6.5E7、おおよそ7E7、おおよそ7.5E7、おおよそ8E7、おおよそ8.5E7、おおよそ9E7、おおよそ9.5E7、おおよそ1E8、おおよそ1.5E8、おおよそ2E8、おおよそ2.5E8、おおよそ3E8、おおよそ3.5E8、おおよそ4E8、おおよそ4.5E8、おおよそ5E8、おおよそ5.5E8、おおよそ6E8、おおよそ6.5E8、おおよそ7E8、おおよそ7.5E8、おおよそ8E8、おおよそ8.5E8、おおよそ9E8、おおよそ9.5E8、おおよそ1E9、おおよそ1.5E9、おおよそ2E9、おおよそ2.5E9、おおよそ3E9、おおよそ3.5E9、おおよそ4E9、おおよそ4.5E9、おおよそ5E9、おおよそ5.5E9、おおよそ6E9、おおよそ6.5E9、おおよそ7E9、おおよそ7.5E9、おおよそ8E9、おおよそ8.5E9、おおよそ9E9、おおよそ9.5E9、おおよそ1E10、おおよそ1.5E10、おおよそ2E10、おおよそ2.5E10、おおよそ3E10、おおよそ3.5E10、おおよそ4E10、おおよそ4.5E10、おおよそ5E10、おおよそ5.5E10、おおよそ6E10、おおよそ6.5E10、おおよそ7E10、おおよそ7.5E10、おおよそ8E10、おおよそ8.5E10、おおよそ9E10、おおよそ9.5E10、おおよそ1E11、おおよそ1.5E11、おおよそ2E11、おおよそ2.5E11、おおよそ3E11、おおよそ3.5E11、おおよそ4E11、おおよそ4.5E11、おおよそ5E11、おおよそ5.5E11、おおよそ6E11、おおよそ6.5E11、おおよそ7E11、おおよそ7.5E11、おおよそ8E11、おおよそ8.5E11、おおよそ9E11、おおよそ9.5E11、又はおおよそ1E12又はそれよりも多い免疫細胞を含む免疫細胞組成物が、それを必要とする被験体に、1回又は複数回投与されてよいが、本願はこれに限定されない。
組み合わせ投与
上で記載されたように、免疫細胞組成物は、追加の物質とともに投与されてよい。ここで、同時投与される追加の物質は、免疫細胞組成物の投与の前又は後に投与されるか、又は、免疫細胞組成物と同時に投与されてよい。例えば、追加の物質は、免疫細胞組成物を投与した日に投与されてよい。別の例において、追加の物質は、免疫細胞組成物を投与した日の前の日に被験体に投与されてよい。さらに別の例において、追加の物質は、免疫細胞組成物を投与した日の後の日に被験体に投与されてよい。さらに別の例において、追加の物質は、複数回投与されてよく、ここで、追加の物質は、免疫細胞組成物を投与する日と同じ日に1回投与され、免疫細胞組成物を投与した日の後の日に複数回投与されてよい。さらに、同時投与される追加の物質は、免疫細胞組成物のそれと同じ経路を介して、又は異なる経路を介して、投与されてよい。
追加の物質は、被験体のための治療効果を促進する物質として当該技術分野で知られている全ての物質を含む。1つの実施形態において、追加の物質は、IL-2、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、ドスタルリマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、又はデュルバルマブ等のPD-1又はPD-L1ブロッカー)、シクロホスファミド、及び/又はフルダラビンを含んでよい。
1つの実施形態において、免疫細胞組成物は、免疫チェックポイント阻害剤及び/又はIL-2とともに投与されてよい。
特定の実施形態において、免疫細胞組成物は、IL-2とともに投与されてよい。ここで、被験体に投与されるIL-2の量は、治療に好適な有効量であってよい。ここで、被験体に投与されるIL-2の量は、被験体の腫瘍体積、体重、及び年齢を含むパラメータによって変わり得るが、本願はこれに限定されない。
1つの実施形態において、IL-2は、それを必要とする被験体に、おおよそ1E3IU、おおよそ5E3IU、おおよそ1E4IU、おおよそ5E4IU、おおよそ1E5IU、おおよそ5E5IU、おおよそ1E6IU、おおよそ5E6IU、おおよそ1E7IU、おおよそ5E7IU、おおよそ1E8IU、おおよそ5E8IU、おおよそ1E9IU、おおよそ5E9IU、おおよそ1E10IU、おおよそ5E10IU、おおよそ1E11IU、おおよそ5E11IU、おおよそ1E12IU、おおよそ5E12IU、おおよそ1E13IU、おおよそ5E13IU、おおよそ1E14IU、おおよそ5E14IU、おおよそ1E15IU、又はおおよそ5E15IU又はそれを超える量で1回又は複数回投与されてよい。
特定の実施形態において、IL-2は、それを必要とする被験体に、1回又は複数回投与され、投与当たりに720,000IU/kg又はそれよりも少ない量で投与されてよい。
特定の実施形態において、IL-2は、それを必要とする被験体に、1回又は複数回投与され、投与当たりに18E6IU/頭又はそれよりも少ない量で投与されてよい。
例えば、IL-2が静脈内投与される場合、以下の投与方法に従った投与が1回行われるか、又は複数回繰り返して行われてよい。
- 5日間18E6IU/日の量で投与する
- 2~6日間休ませる(投与の中断)
- 5日間18E6IU/日の量で投与する
- 3週間休ませる(投与の中断)。
別の例において、IL-2が皮下投与される場合、以下の投与方法による投与は、1回行われるか、又は複数回繰り返されてよい。
- 5日間18E6IU/日の量で投与する
- 2日間休ませる(投与の中断)
- 3週間投与する:第1週(1週目)には、1日目及び2日目に18E6IUの量で投与し;3日目、4日目、及び5日目に9E6IUの量で投与し;6日目及び7日目に薬剤は投与されない。3週間のうちの第2週(2週目)及び第3週(3週目)における投与も、第1週における投与と同じである。
特定の実施形態において、IL-2は、以下の用量で投与されてよい:1日当たり2E6IU/頭の量で14日間投与される。
本願において開示される方法の例示的な例本明細書で開示される方法の例示的な例が下に提示される。以下の例示的な例は、本願において開示される方法の容易な理解のための例示的な方法であり、本願において開示される方法の範囲は、以下の例によって限定されない。
1.
半産物(腫瘍試料から生成され取得される第1の免疫細胞集団)を生成する例示的な例
1)腫瘍試料の調製
乳癌又は肺癌を有する患者の腫瘍組織が医療機関から入手される。腫瘍組織は、抗生物質を含まないRPMI1640培地を使用して3回洗浄される。洗浄された腫瘍組織から脂質組織が除去される。脂肪組織が除去された腫瘍組織は、おおよそ1mm~おおよそ2mmの断面積を有するように切断され、それによって腫瘍試料を調製する。
2)第1の免疫細胞集団の生成
腫瘍試料の24の断片が、おおよそ3vol%のヒトAB血清及びおおよそ1,000IU/mLのIL-2を含むCTS-AIM-V培地とともにT75フラスコ内に配置されて(第1の組成物、合計おおよそ6mL)、37℃、5%CO環境において14日間培養される。ここで、培養中、おおよそ3vol%のヒトAB血清及びおおよそ1,000IU/mLのIL-2を含むCTS-AIM-V培地(添加される第1の添加剤組成物、合計おおよそ3mL)が、培養の開始日から7、10、及び12日目に、T75フラスコに添加される。
3)第1の免疫細胞集団の入手
40μmのメッシュポアを有するセルストレーナーを使用して、培養された組成物から腫瘍組織の断片が濾過される。培養された免疫細胞集団を、DPBSを使用して3回洗浄することによって、第1の免疫細胞集団が取得される。
4)第1の免疫細胞集団の冷凍保存
第1の免疫細胞集団は、CryoStor(登録商標)CS10を使用しておおよそ2E6細胞/mLの濃度で懸濁され、クライオバイアルに1mL添加され、続いて、おおよそ-190℃又はそれよりも低い温度にてガス状液体窒素(LN2)中で保管される。
2.
冷凍保存された半産物から最終産物(第3の免疫細胞集団を取得することによって生成される免疫細胞組成物)を生成する例示的な例
1)冷凍保存された第1の免疫細胞集団の解凍
冷凍保存された第1の免疫細胞集団は、おおよそ2分間おおよそ37℃の水浴で解凍される。
2)第2の免疫細胞集団の播種
第1の免疫細胞集団から分割された第2の免疫細胞集団、及び、おおよそ3vol%のヒトAB血清、おおよそ2,000IU/mLのIL-2、おおよそ30ng/mLのOKT3、及びおおよそ1:200(TIL:PBMC)の第2の免疫細胞集団(TIL)との比を有する照射PBMC(第2の組成物、合計おおよそ20mL)を含むCTS-AIM-V培地が、GREX-100Mに播種される。ここで、播種は、GREX-100M内におおよそ4E5の免疫細胞を含むように実行される。
3)第2の免疫細胞集団の増殖
増殖中、おおよそ3vol%のヒトAB血清及びおおよそ2,000IU/mLのIL-2を含むCTS-AIM-V培地(添加される第2の添加剤組成物)が、増殖の開始日から4日目に20mL、6日目に60mL、8日目に180mL、及び10日目に540mL、GREX-100Mに添加される。ここで、増殖は14日間行われ、この期間中、第2の免疫細胞集団は、新たな容器に移植されず、又は、外部から新たな免疫細胞が添加されない。増殖期間中、第2の免疫細胞が2,500倍又はそれよりも多く増殖される。
4)免疫細胞組成物の生成
上述の処理を通して増殖された免疫細胞集団を含む組成物が遠心分離されて第3の免疫細胞集団を取得し、それによって免疫細胞組成物を生成する。
3.
冷凍保存を通して最終産物(第3の免疫細胞集団を取得することによって生成される免疫細胞組成物)を生成する例示的な例
1)免疫細胞組成物を生成するための試料の取得
乳癌又は肺癌を有する患者の腫瘍組織が医療機関から入手される。腫瘍組織は、抗生物質を含まないRPMI1640培地を使用して3回洗浄される。洗浄された腫瘍組織から脂質組織が除去される。脂肪組織が除去された腫瘍組織は、おおよそ1mm~おおよそ2mmの断面積を有するように切断され、それによって腫瘍試料を調製する。
2)第1の免疫細胞集団の生成
腫瘍試料の24の断片が、おおよそ3vol%のヒトAB血清及びおおよそ1,000IU/mLのIL-2を含むCTS-AIM-V培地とともにT75フラスコ内に配置されて(第1の組成物、合計おおよそ6mL)、37℃、5%CO環境において14日間培養される。ここで、培養中、おおよそ3vol%のヒトAB血清及びおおよそ1,000IU/mLのIL-2を含むCTS-AIM-V培地(添加される第1の添加剤組成物、合計おおよそ3mL)が、培養の開始日から7、10、及び12日目に、T75フラスコに添加される。
3)第1の免疫細胞集団の取得
40μmのメッシュポアを有するセルストレーナーを使用して、腫瘍組織の断片が培養組成物から濾過される。培養された免疫細胞集団を、DPBSを使用して3回洗浄することによって、第1の免疫細胞集団が取得される。
4)第1の免疫細胞集団の冷凍保存
第1の免疫細胞集団は、CryoStor(登録商標)CS10を使用しておおよそ2E6細胞/mLの濃度で懸濁され、クライオバイアルに1mL添加され、続いて、おおよそ-190℃又はそれよりも低い温度にてガス状液体窒素(LN2)中で保管される。
5)冷凍保存された第1の免疫細胞集団の解凍
冷凍保存された第1の免疫細胞集団は、おおよそ2分間おおよそ37℃の水浴で解凍される。
6)第2の免疫細胞集団の播種
第1の免疫細胞集団から分割された第2の免疫細胞集団、及び、おおよそ3vol%のヒトAB血清、おおよそ2,000IU/mLのIL-2、おおよそ30ng/mLのOKT3、及びおおよそ1:200(TIL:PBMC)の第2の免疫細胞集団(TIL)との比を有する照射PBMCを含むCTS-AIM-V培地(第2の組成物、合計おおよそ20mL)が、GREX-100Mに播種される。ここで、播種は、GREX-100M内におおよそ4E5の免疫細胞を含むように実行される。
7)第2の免疫細胞集団の増殖
増殖中、おおよそ3vol%のヒトAB血清及びおおよそ2,000IU/mLのIL-2を含むCTS-AIM-V培地(添加される第2の添加剤組成物)が、増殖の開始日から4日目に20mL、6日目に60mL、8日目に180mL、及び10日目に540mL、GREX-100Mに添加される。ここで、増殖は14日間行われ、この期間中、第2の免疫細胞集団は、新たな容器に移植されず、又は、外部から新たな免疫細胞が添加されない。増殖期間中、第2の免疫細胞が2,500倍又はそれよりも多く増殖される。
8)免疫細胞組成物の生成
上述の処理を通して増殖された免疫細胞集団を含む組成物が遠心分離されて第3の免疫細胞集団を取得し、それによって免疫細胞組成物を生成する。
4.
冷凍保存することなく最終産物(第3の免疫細胞集団を取得することによって生成される免疫細胞組成物)を生成する例示的な例
1)免疫細胞組成物を生成するための試料の取得
乳癌又は肺癌を有する患者の腫瘍組織が医療機関から入手される。腫瘍組織は、抗生物質を含まないRPMI1640培地を使用して3回洗浄される。洗浄された腫瘍組織から脂質組織が除去される。脂肪組織が除去された腫瘍組織は、おおよそ1mm~おおよそ2mmの断面積を有するように切断され、それによって腫瘍試料を調製する。
2)第1の免疫細胞集団の生成
腫瘍試料の24の断片が、おおよそ3vol%のヒトAB血清及びおおよそ1,000IU/mLのIL-2を含むCTS-AIM-V培地とともにT75フラスコ内に配置されて(第1の組成物、合計おおよそ6mL)、37℃、5%CO環境において14日間培養される。ここで、培養中、おおよそ3vol%のヒトAB血清及びおおよそ1,000IU/mLのIL-2を含むCTS-AIM-V培地(添加される第1の添加剤組成物、合計おおよそ3mL)が、培養の開始日から7、10、及び12日目に、T75フラスコに添加される。
3)第1の免疫細胞集団の取得
40μmのメッシュポアを有するセルストレーナーを使用して、腫瘍組織の断片が培養組成物から濾過される。第1の免疫細胞集団は、3回培養された免疫細胞集団を、DPBSを使用して洗浄することによって取得される。
4)第2の免疫細胞集団の播種
第1の免疫細胞集団から分割された第2の免疫細胞集団、及び、おおよそ3vol%のヒトAB血清、おおよそ2,000IU/mLのIL-2、おおよそ30ng/mLのOKT3、及びおおよそ1:200(TIL:PBMC)の第2の免疫細胞集団(TIL)との比を有する照射PBMCを含むCTS-AIM-V培地(第2の組成物、合計おおよそ20mL)が、GREX-100Mに播種される。ここで、播種は、GREX-100M内におおよそ4E5の免疫細胞を含むように実行される。
5)第2の免疫細胞集団の増殖
増殖中、おおよそ3vol%のヒトAB血清及びおおよそ2,000IU/mLのIL-2を含むCTS-AIM-V培地(添加される第2の添加剤組成物)が、増殖の開始日から4日目に20mL、6日目に60mL、8日目に180mL、及び10日目に540mL、GREX-100Mに添加される。ここで、増殖は14日間行われ、この期間中、第2の免疫細胞集団は、新たな容器に移植されず、又は、外部から新たな免疫細胞が添加されない。増殖期間中、第2の免疫細胞が2,500倍又はそれよりも多く増殖される。
6)免疫細胞組成物の生成
上述の処理を通して増殖された免疫細胞集団を含む組成物が遠心分離されて第3の免疫細胞集団を取得し、それによって免疫細胞組成物を生成する。
本願によって提供される方法の例示的な実施形態以下、本願によって提供される方法の例示的な実施形態が開示される。以下の例示的な実施形態は、本願において開示された方法を容易に理解するために提供されており、本願において開示される本発明の範囲は、以下の例に限定されない。
PR01.
第1の免疫細胞集団を生成するための方法は、以下を備える:
(a)第1の容器内で腫瘍試料を培養する段階、
ここで、腫瘍試料は、第1の容器内の第1の組成物中で培養され、第1の組成物は、培地、血清、及びIL-2を含み、
第1の容器は、ガス透過性容器、又はガス供給システムを有する容器であり、
培養は、7~21日間行され、
培養中、第1の容器に第1の添加剤組成物が1回又は2回又はそれよりも多い回数添加される;及び
(b)(a)において培養された組成物から第1の免疫細胞集団を入手する段階。
PR02.
方法が腫瘍試料を調製する段階をさらに備える、PR01による方法。
PR03.
腫瘍試料は、被験体から入手された腫瘍断片から入手され、腫瘍試料は、おおよそ1mm~4mmの断面積を有する、PR01及びPR02のいずれか1つによる方法。
PR04
(a)において12~24の腫瘍試料が培養される、PR01~PR04のいずれか1つによる方法。
PR05.
血清は、ヒト血清である、PR01~PR04いずれか1つによる方法。
PR06.
第1の組成物中の血清の濃度は、5vol%又はそれよりも低い、PR01~PR04のいずれか1つによる方法。
PR07.
第1の組成物中の血清の濃度は、おおよそ3vol%である、PR01~PR04のいずれか1つによる方法。
PR08.
第1の組成物中の培地は、AIM-V培地である、PR01~PR07のいずれか1つによる方法。
PR09.
第1の組成物中の培地は、CTS-AIM-V培地である、PR01~PR07のいずれか1つによる方法。
PR10.
第1の組成物中のIL-2の濃度は、500IU/mL~3,000IU/mLである、PR01~PR09のいずれか1つによる方法。
PR11.
第1の組成物のIL-2の濃度は、おおよそ1,000IU/mLである、PR01~PR09のいずれか1つによる方法。
PR12.
第1の容器は、T75フラスコである、PR01~PR11のいずれか1つによる方法。
PR13.
第1の組成物の体積は第1の容器の最大許容可能容量の30%又はそれよりも小さい、PR01~PR12のいずれか1つによる方法。
PR14.
第1の容器がT75フラスコである場合、第1の組成物の体積は6mLである、PR01~PR12のいずれか1つによる方法。
PR15.
第1の添加剤組成物は、培地、血清、及びIL-2を含む、PR01~PR14のいずれか1つによる方法。
PR16.
第1の添加剤組成物は、CTS-AIM-V培地、3vol%の血清、及び1,000IU/mLのIL-2を含む、PR01~PR14のいずれか1つによる方法。
PR17.
第1の添加剤組成物は、第1の組成物と同じ組成物質及び組成比を有する、PR01~PR14のいずれか1つによる方法。
PR18.
培養中、第1の添加剤組成物は、第1の容器に2回又はそれよりも多い回数添加される、PR01~PR17のいずれか1つによる方法。
PR19.
培養中、第1の添加剤組成物は、培養の開始日から7、10、及び12日目に第1の容器に添加され、添加される第1の添加剤組成物の量は、各添加時間において同じである、PR01~PR17のいずれか1つによる方法。
PR20.
培養中、第1の添加剤組成物は、培養の開始日から7日目に3mL、10日目に3mL、及び12日目に3mL、第1の容器に添加されてよい、PR01~PR17のいずれか1つによる方法。
PR21.
培養は、13~15日間行われる、PR01~PR20のいずれか1つによる方法。
PR22.
培養は、14日間行われる、PR01~PR21のいずれか1つによる方法。
F01.
PR01~PR22のいずれか1つによって生成された第1の免疫細胞集団を冷凍保存する段階
を備える、第1の免疫細胞集団を冷凍保存する方法。
T01.
F01による冷凍保存された第1の免疫細胞集団を解凍する段階を備える、冷凍保存された第1の免疫細胞集団を解凍する方法。
R01.
以下を備える、免疫細胞組成物を生成するための方法:
(a)第2の容器内に第2の組成物及び第2の免疫細胞集団を播種する段階、
ここで、第2の免疫細胞集団は、第1の免疫細胞集団に由来し、
第2の組成物は、培地、血清、1,000IU/mL~3,000IU/mLのIL-2、抗CD3抗体、及びフィーダー細胞を含み、
第2の容器は、ガス透過性容器、又はガス供給システムを有する容器である;
(b)第2の免疫細胞集団を増殖させて、第3の免疫細胞集団を生成する段階、
ここで、増殖中、第2の添加剤組成物は、第2の容器に1回又は2回又はそれよりも多い回数添加され、
増殖は、7~21日間行われる;及び
(c)(b)において入手された増殖させた産物から第3の免疫細胞集団を入手する段階、及び、免疫細胞組成物を生成する段階、
ここで、第3の免疫細胞集団は、第2の免疫細胞集団の少なくとも2500倍多い細胞を有する。
R02.
第1の免疫細胞集団は、PR01~PR22のいずれか1つによって生成された免疫細胞集団、又はT01によって解凍された免疫細胞集団である、R01による方法。
R03.
第2の組成物中の培地は、AIM-V培地である、R01及びR02のいずれか1つによる方法。
R04.
第2の組成物中の血清は、ヒト血清である、R01~R03のいずれか1つによる方法。
R05.
第2の組成物中の血清の濃度は、5vol%又はそれよりも低い、R01~R03のいずれか1つによる方法。
R06.
第2の組成物中の血清の濃度は、おおよそ3vol%である、R01~R03のいずれか1つによる方法。
R07.
第2の組成物中のIL-2の濃度は、おおよそ2,000IU/mLである、R01~R06のいずれか1つによる方法。
R08.
抗CD3抗体は、OKT3である、R01~R07のいずれか1つによる方法。
R09.
第2の組成物中の抗CD3抗体の濃度は、10ng/mL~100ng/mLである、R01~R08のいずれか1つによる方法。
R10.
第2の組成物中の抗CD3抗体の濃度は、おおよそ30ng/mLである、R01~R08のいずれか1つによる方法。
R11.
フィーダー細胞は、同種異系PBMCである、R01~R10のいずれか1つによる方法。
R12.
フィーダー細胞は、不活性化同種異系PBMCである、R01~R10のいずれか1つによる方法。
R13.
フィーダー細胞は、第2の免疫細胞集団の細胞数に基づいて、フィーダー細胞の数の比がおおよそ1:200(第2の免疫細胞集団の細胞数:フィーダー細胞)であるように第2の組成物を含む、R01~R12のいずれか1つによる方法。
R14.
播種中、第2の容器に播種される第2の免疫細胞集団の細胞数は、1E5~10E5である、R01~R13のいずれか1つによる方法。
R15.
播種中、第2の容器に播種される第2の免疫細胞集団の細胞数は、おおよそ4E5である、R01~R13のいずれか1つによる方法。
R16.
第2の容器は、GREX100Mである、R01~R15のいずれか1つによる方法。
R17.
第2の組成物の容積は、第2の容器の最大許容可能容量の30%又はそれよりも小さい、R01~R16のいずれか1つによる方法。
R18.
第2の容器はGREX100Mである場合、第2の組成物の容積は、おおよそ20mLである、R01~R16のいずれか1つによる方法。
R19.
増殖中、免疫細胞は、第2の容器から除去されない、又は外部から添加されない、R01~R18のいずれか1つによる方法。
R20.
増殖は、13~15日間行われる、R01~R19のいずれか1つによる方法。
R21.
増殖は、14日間行われる、R01~R19のいずれか1つによる方法。
R22.
第2の添加剤組成物は、培地、血清、及びIL-2を含む、R01~R21のいずれか1つによる方法。
R23.
第2の添加剤組成物は、CTS-AIM-V培地、3vol%の血清、2,000IU/mLのIL-2を含む、R01~R21のいずれか1つによる方法。
R24.
第2の添加剤組成物は、抗CD3抗体及びフィーダー細胞を除いて、第2の組成物と同じ組成物質及び組成比を有する、R01~R21のいずれか1つによる方法。
R25.
第2の添加剤組成物は、第2の容器に2回又はそれよりも多い回数添加される、R01~R24のいずれか1つによる方法。
R26.
第2の添加剤組成物は、第2の容器に2回又はそれよりも多い回数添加され、添加される第2の添加剤組成物の量は、各添加時間において異なる、R01~R24のいずれか1つによる方法。
R27.
第2の添加剤組成物は、増殖の開始日から4、6、8、及び10日目に第2の容器に添加され、添加される第2の添加剤組成物の量は、各添加時間において異なる、R01~R24のいずれか1つによる方法。
R28.
第2の添加剤組成物は、増殖の開始日から4日目に20mL、6日目に60mL、8日目に180mL、及び10日目に540mL、第2の容器に添加される、R01~R24のいずれか1つによる方法。
R29.
第3の免疫細胞集団は、第2の免疫細胞集団の少なくとも4000倍多い細胞を有する、R01~R28のいずれか1つによる方法。
R30.
免疫細胞組成物は、第3の免疫細胞集団を含む、R01~R29のいずれか1つによる方法。
R31.
免疫細胞組成物は、第3の免疫細胞集団から入手された第4の免疫細胞集団を含む、R01~R29のいずれか1つによる方法。
R32.
方法は、免疫細胞の遺伝子を操作する段階をさらに備える、R01~R29のいずれか1つによる方法。
R33.
免疫細胞の遺伝子を操作する段階は、第1の容器内での腫瘍試料の培養中又はその前に行われる、R32による方法。
R34.
免疫細胞の遺伝子を操作する段階は、第2の容器内への第2の組成物及び第2の免疫細胞集団の播種中又はその前に行われる、R32による方法。
R35.
免疫細胞の遺伝子を操作する段階は、免疫細胞に導入遺伝子を導入する段階を含む、R32による方法。
R36.
免疫細胞の遺伝子を操作する段階は、免疫細胞にmRNAを導入する段階を含む、R32による方法。
R37.
免疫細胞の遺伝子を操作する段階は、CRISPR-Casシステムを用いて免疫細胞の遺伝子を操作する段階を含む、R32による方法。
R38.
免疫細胞の遺伝子を操作する段階は、トランスポゾンによって免疫細胞の遺伝子を操作する段階を含む、R32による方法。
R39.
免疫細胞の遺伝子を操作する段階は、siRNA又はアンチセンスオリゴヌクレオチドによって遺伝子の発現を低下させることを含む、R32による方法。
C01.
R01~R39によって生成される、TILを含む免疫細胞組成物。
C02.
免疫細胞組成物は、IL-2をさらに含む、C01による免疫細胞組成物。
C03.
免疫細胞組成物は、免疫チェックポイント阻害剤をさらに含む、C01及びC02のいずれか1つによる免疫細胞組成物。
C04.
免疫細胞組成物は、ニボルマブをさらに含む、C01及びC02のいずれか1つによる免疫細胞組成物。
U01.
被験体の腫瘍を治療するための、R01~R39に従って生成された、TILを含む免疫細胞組成物の使用。
U02.
被験体は、腫瘍浸潤リンパ球がそれに由来する被験体である、U01による使用。
TM01.
R01~R39に従って生成されたTILを含む免疫細胞組成物を被験体に投与する段階を備える、被験体の腫瘍を治療する方法。
TM02.
被験体は、TIL由来の被験体である、TM01による方法。
TM03.
方法は、IL-2を投与する段階をさらに備える、TM01及びTM02のいずれか1つによる方法。
TM04.
方法は、免疫チェックポイント阻害剤を投与する段階をさらに備える、TM01~TM03のいずれか1つによる方法。
TM05.
方法は、ニボルマブを投与する段階をさらに備える、TM01~TM03のいずれか1つによる方法。
本願において開示される免疫細胞組成物を生成するための方法の特性
IL-2濃度
一般に、TILを含む免疫細胞組成物の生成において、TIL培養のための培地に、高濃度(例えば、6,000IU/mL)のIL-2が添加される。しかしながら、本明細書において開示される方法は、培養において、より低い濃度のIL-2を含む第1の組成物を使用する。本発明者らは、TILを含む免疫細胞集団の培養のためには、より低い濃度のIL-2が添加された組成物の使用で十分であることを、実験を通して証明した(実験例3を参照)。
さらに、培養のための組成物に加えて、一般に、高濃度(例えば、3,000IU/mL)のIL-2が増殖のための組成物に添加される。しかしながら、本明細書において開示される増殖のための第2の組成物は、より低い濃度のIL-2を含んでよい。本願の発明者らは、TILを含む免疫細胞集団の増殖のためには、低濃度のIL-2が添加された組成物の使用が十分であることを、実験を通して証明した(実験例3を参照)。
結論として、低濃度のIL-2を用いて、TILを含む免疫細胞集団を十分に培養及び増殖させることができる有効な処理が確立される点において、上記は重要である。
培養及び/又は増殖組成物
1)初期培養のための組成物及び/又は増殖のための組成物の量
一般に、TILを含む細胞の培養及び/又は増殖において、培養及び/又は増殖のための組成物の量は、培養及び/又は増殖がその中で起こる容器によって変わる。さらに、ここで、培養及び/又は増殖のための組成物の決定される量は、一般に、容器の最大許容可能容量によって決定される。しかしながら、本明細書において開示される方法において、培養のための組成物(例えば、第1の組成物)及び/又は増殖のための組成物(例えば、第2の組成物)の量は、細胞培養及び/又は増殖の開始において容器の最大許容可能容量よりも少ない。すなわち、培養及び/又は増殖のための組成物の量は、容器の最大許容可能容量よりも少なく設定され、したがって、細胞濃度は、培養及び/又は増殖のために最適であるように調節され、続いて、培養及び/又は増殖が開始される。組成物中の細胞の最適な濃度は、細胞間の相互作用にプラスの効果を有し得、したがって、細胞培養及び/又は増殖の効率を高める役割を果たす。実験例4及び図8を参照すると、24ウェルプレートを用いて組成物の量を変えることによって細胞が培養された場合、1mLが添加されたときに、細胞数がより高かったことを確認できる。これによれば、それは、組成物中の細胞の濃度の最適化を通して、細胞培養及び/又は増殖の効率をさらに高めることができることを意味する。
2)第1の添加剤組成物及び/又は第2の添加剤組成物の添加
一般に、TILを含む免疫細胞組成物の生成において、TILの培養及び増殖中、培養及び/又は増殖組成物が置換される。しかしながら、本願において開示される方法によれば、TILを含む免疫細胞集団を培養及び増殖させる処理において、培養又は増殖のための組成物は置換されず、培養及び増殖において添加することによって添加されるだけである。これには2つの利点がある。
第1に、複雑なTIL培養又は増殖の処理中にTILに加えられる可能性があるストレスを最小限に抑えながら、TIL培養又は増殖に必要な物質を供給することができる。さらに、培養及び/又は増殖組成物の置換において生じる可能性がある免疫細胞集団の損失を防止することも可能である。
第2に、組成物の添加を通して、組成物中で培養及び/又は増殖される細胞の濃度は、培養及び/又は増殖のために有効な最適濃度として継続的に維持されてよい。これは、細胞培養及び/又は増殖環境が、培養及び/又は増殖のために最適化された環境として継続的に維持され、これを通して、免疫細胞組成物をより高い収率で生成することができることを意味する。
結論として、培養及び/又は増殖時に組成物の量を調節することによって、組成物中の細胞の濃度が最適化され、さらに、培養及び/又は増殖中に培養及び/又は増殖組成物を添加することによって、組成物中の細胞の最適な濃度が維持される。さらに、この処理中、組成物が置換ではなく添加されるので、TILを含む免疫細胞組成物は、より効率的にかつより高い収率で生成され得る。
増殖効率
一般に、TILを含む免疫細胞の増殖中、TILは、おおよそ100から1,000倍増殖される。しかしながら、本願において開示される方法において、増殖中、TILは、平均でおおよそ2,500倍又はそれよりも多く増殖される。本願において、他の一般的な処理と比較して、増殖のための組成物は、より低いIL-2濃度を有し、また、おおよそ2,500倍又はそれを超える高い増殖率を有する。これは、他の処理よりも少量の添加剤を用いてより高い増殖率を有する効率的な免疫細胞生成方法を発明者らが確立したことを示し、これは、実験例2及び図5に示されている。
冷凍保存期間
本願において開示される免疫細胞組成物を生成する方法によれば、第1の免疫細胞集団は、取得され、次に、特定の期間又はそれよりも長く保管されるように冷凍保存されてよく、冷凍保存された第1の免疫細胞集団は、必要なときに解凍した後に増殖されてよく、免疫細胞組成物を生成するために使用されてよい。ここで、一例として、第1の免疫細胞集団は、冷凍保存されて、おおよそ1、2、3、4、又は5年又はそれよりも長く保管されて、その後、免疫細胞組成物を生成するために増殖されて使用されてよい。別の例として、第1の免疫細胞集団は、短期間冷凍保存されて、解凍され、その後、免疫細胞組成物を生成するために使用されてよい。したがって、本願において開示される方法によって取得された第1の免疫細胞は、状況に応じて短期又は長期の冷凍保存後に、増殖のために使用できることが非常に重要である。例えば、半産物の生成及び最終産物の生成が異なる場所、又は異なる会社で実行される場合、第1の免疫細胞集団は、冷凍保存の後で別の場所に移送されてよい。さらに、例えば、患者のがんが再発又は転移した場合、以前に冷凍保存された第1の免疫細胞集団が、患者の治療のために解凍され、増殖され、及び使用されてよい。
[実験例]
本願において提供される本発明は、下の実験例及び実施例を参照しながらさらに詳細に記載される。これらの実施例は、本願において開示される内容を単に示すために提供されているものであり、本願において開示される内容の範囲はこれらの実施例によって限定されるものと解釈されるものではないことが当業者には明らかである。
表1.試薬情報
実験例1.TIL生成
実験例1-1.
TIL単離/培養処理
1.TIL単離/培養処理
- 0日目
病院の手術室から移動させた腫瘍組織を、RPMI1640培地を用いて3回洗浄し、100mmペトリ皿に移した。殺菌された外科手術用はさみ及びピンセットを用いて、腫瘍組織中の脂質組織を除去し、殺菌された外科手術用はさみ及びピンセットを用いて、腫瘍組織を1~2mmのサイズに切断した。1~2mmのサイズに切断された腫瘍組織の24の断片を、T75フラスコ内に置き、6mLの調製培養組成物を添加し、続いて、5%COインキュベータ内において37℃で7日間培養した。
培養組成物の構成は、次の通りである:CTS-AIM-V培地、3vol%のヒト血清、及び1,000IU/mLのIL2。
- 7日目
3mLの調製培養組成物を各フラスコに添加し、5%COインキュベータ内において37℃で3日間培養した。
- 10日目
3mLの調製培養組成物を各フラスコに添加し、5%COインキュベータ内において37℃で2日間培養した。
- 12日目
3mLの調製培養組成物を各フラスコに添加し、5%COインキュベータ内において2日間37℃で培養した。
- 14日目
細胞を採取するために、50mLチューブの上部に40μmセルストレーナーを設置した。10mLピペットを用いて培養細胞をセルストレーナーに通すことによって腫瘍組織を濾過し、培養細胞のみを50mLコニカルチューブに採取し、次に、室温にて450gで5分間遠心分離した。沈殿した細胞に5mLのDPBSを添加し、次に、これをピペッティングすることによって懸濁した。懸濁した細胞を計数し、血球計数器(C-chip)を用いて細胞生存率を求めた。450gでの5分間の遠心分離後、細胞を2E6細胞/mLでCryo-stor CS10に懸濁し、クライオバイアルに1mL充填し、液体窒素タンク(LN)又はガス状液体窒素タンク(LN)において保管した。
実験例1-2.TIL増殖処理
1.
アロフィーダー(allo-feeder)PBMCの単離
- 健康なボランティアに対する白血球除去及び照射
病院の採血室における白血球除去装置を用いて、健康なボランティアからの血液バッグに対して、白血球除去を行った。白血球除去を行った血液バッグを、X線を照射することによって不活性化した。
照射血液バッグからのPBMCの単離白血球除去を受けた照射血液を1:2の比でDPBSと混合した。15mLのFicoll溶液を50mLチューブに添加した後、30mLの血液混合物を、Ficollと混合することなくFicoll層上に重ねて、Acc9/Dcc0の条件下で室温にて800gで20分間遠心分離した。分離されたPBMC層を採取して、次に、新たな50mLチューブに移した。洗浄のために、PBMC層を移した50mLチューブにDPBSを添加し、次に、遠心分離を室温にて800gで5分間行った。遠心分離後、上清を完全に除去し、沈殿したPBMCを、最終産物を培養するための50mLの培地に懸濁した。血球計数器セットを用いて、懸濁した細胞を計数し、細胞生存率を求めた。細胞計数の後、3.2E9のPBMCを調製した。
2.
最終産物の生成
- 0日目(細胞播種)
液体窒素タンク(LN)内に保管した半産物の11のバイアルを37℃の水浴にて2分間解凍した。解凍された細胞をCTS-AIM-V培地で洗浄し、室温にて1,500rpmで5分間遠心分離した。上清を破棄した後、結果として得られるペレットをCTS-AIM-V増殖組成物中に懸濁し、血球計数器セットを用いて細胞を計数し、細胞生存率を求めた。細胞計数の後、1.6E7細胞を調製した。4E5の半産物TIL及び8E7の照射PBMCを40のGREX100M(1L)培養容器のそれぞれの中に置き、最終産物増殖組成物を20mL添加した。結果として得られる細胞混合物を5%COインキュベータ内において37℃で培養した。
最終産物増殖組成物の構成は、次の通りである:CTS-AIM-V培地、3%のヒト血清、2,000IU/mLのIL-2、及び30ng/mLのOKT3
- 4日目
IL-2及び細分されたヒト血清をそれぞれ2,000IU/mL及び3%までCTS-AIM-V培地に添加し、それによって添加剤組成物を必要な量で調製した。20mLの調製添加剤組成物を各GREXフラスコ内にさらに分注し、5%COインキュベータ内において37℃で培養した。
- 6日目
IL-2及び細分されたヒト血清をそれぞれ2,000IU/mL及び3%までCTS-AIM-V培地に添加し、それによって添加剤組成物を必要な量で調製した。60mLの調製添加剤組成物を各GREXフラスコ内にさらに分注し、5%COインキュベータ内において37℃で培養した。
- 8日目
IL-2及び細分されたヒト血清をそれぞれ2,000IU/mL及び3%までCTS-AIM-V培地に添加し、それによって添加剤組成物を必要な量で調製した。180mLの調製添加剤組成物を各GREXフラスコ内にさらに分注し、5%COインキュベータ内において37℃で培養した。
- 10日目
IL-2及び細分されたヒト血清をそれぞれ2,000IU/mL及び3%までCTS-AIM-V培地に添加し、それによって添加剤組成物を必要な量で調製した。540mLの調製添加剤組成物を各GREXフラスコ内にさらに分注し、5%COインキュベータ内において37℃で培養した。
- 14日目
培養細胞を、200mLの培地を残しながら慎重に吸引し、残りの200mLの培地を穏やかに振とうし、懸濁させて、500mLのCorningボトル中に採取した。採取された細胞を室温にて2000gで7分間遠心分離した。遠心分離後、上清を完全に除去し、沈殿した細胞を260mLの賦形剤中に懸濁した。血球計数器セットを用いて、懸濁した細胞を計数し、細胞生存率を求めた。細胞計数の後、200mLの細胞を注入バッグに充填した。
実験例2.
TIL増殖収率に関する実験
TIL生成のための実験プロトコルに従って、TILの増殖収率を測定する実験を行った(実験例1)。
TIL生成のための実験プロトコルに従って生成されたTILを取得した後(実験例1)、血球計数器セットを用いて細胞を計数し、細胞生存率を求めた。
図5を参照すると、TIL増殖収率実験の結果として、TIL増殖処理中、TILが少なくとも2,500倍増殖し、最大でも9,400倍増殖したことを確認した。
実験例3.
IL-2に関する最適化実験
実験例3-1.
TIL単離/培養段階におけるIL-2最適化に関する実験
1.
IL-2最適化のためのTIL単離/培養処理
- 0日目
病院の手術室から移動させた腫瘍組織を、RPMI1640培地を用いて3回洗浄し、100mmペトリ皿に移した。殺菌された外科手術用はさみ及びピンセットを用いて、腫瘍組織中の脂質組織を除去し、殺菌された外科手術用はさみ及びピンセットを用いて、腫瘍組織を1~2mmのサイズに切断した。1~2mmのサイズに切断された腫瘍組織の2つの断片を24ウェルプレート内に置き、IL-2濃度に従った1mLの調製培養組成物を添加し、続いて、5%COインキュベータ内において37℃で7日間培養した。
- 7日目
IL-2濃度に従った0.5mLの調製培養組成物を各ウェルに添加し、5%COインキュベータ内において37℃で3日間培養した。
- 10日目
IL-2濃度に従った0.5mLの調製培養組成物を各ウェルに添加し、5%COインキュベータ内において37℃で2日間培養した。
- 12日目
IL-2濃度に従った0.5mLの調製培養組成物を各ウェルに添加し、5%COインキュベータ内において37℃で2日間培養した。
- 14日目
細胞を採取するために、50mLチューブの上部に40μmセルストレーナーを設置した。10mLピペットを用いて培養細胞をセルストレーナーに通すことによって腫瘍組織を濾過し、培養細胞のみを50mLコニカルチューブに採取し、次に、室温にて450gで5分間遠心分離した。沈殿した細胞に1mLのDPBSを添加し、次に、これをピペッティングすることによって懸濁した。血球計数器(C-chip)を用いて、懸濁した細胞を計数し、細胞生存率を求め、それによって、IL-2の各濃度について細胞増殖率を求めた。
図6を参照すると、ヒトAB血清が添加された状態では、IL-2の濃度が1,000IU/mL又はそれよりも高い場合、細胞増殖率は有意な差を示さなかった。
実験例3-2.
TIL増殖段階におけるIL-2濃度最適化に関する実験
1.アロフィーダーPBMCの単離
PBMC単離方法を実験例1-2と同じ方式で行った。
TIL増殖処理
2.
IL-2最適化のためのTIL増殖処理
- 0日目(細胞播種)液体窒素タンク(LN)中に保管した半産物バイアルを37℃の水浴にて2分間解凍した。解凍された細胞をCTS-AIM-V培地で洗浄し、室温にて1,500rpmで5分間遠心分離した。上清を破棄した後、結果として得られるペレットをCTS-AIM-V増殖組成物中に懸濁し、血球計数器セットを用いて細胞を計数し、細胞生存率を求めた。5E4半産物TIL細胞及び1E7照射PBMCを各T75フラスコ培養容器内に置き、増殖組成物を3mL添加した。さらに、結果として得られる細胞混合物を5%COインキュベータ内において37℃で培養した。
- 4日目
1000、2000、4000、及び6,000IU/mLのIL-2のそれぞれを3vol%ヒト血清含有CTS-AIM-V培地内に置き、それによって、添加剤組成物を必要な量で調製した。6mLの調製添加剤組成物を各T75フラスコ内にさらに分注し、5%COインキュベータ内において37℃で培養した。
- 6日目
1000、2000、4000、及び6,000IU/mLのIL-2のそれぞれを3vol%ヒト血清含有CTS-AIM-V培地内に置き、それによって、添加剤組成物を必要な量で調製した。18mLの調製添加剤組成物を各T75フラスコ内にさらに分注し、5%COインキュベータ内において37℃で培養した。
- 8日目
1000、2000、4000、及び6,000IU/mLのIL-2のそれぞれを3vol%ヒト血清含有CTS-AIM-V培地内に置き、それによって、添加剤組成物を必要な量で調製した。54mLの調製添加剤組成物を各T75フラスコ内にさらに分注し、5%COインキュベータ内において37℃で培養した。
- 10日目
1000、2000、4000、及び6,000IU/mLのIL-2のそれぞれを3vol%ヒト血清含有CTS-AIM-V培地内に置き、それによって、添加剤組成物を必要な量で調製した。162mLの調製添加剤組成物を各T75フラスコ内にさらに分注し、5%COインキュベータ内において37℃で培養した。
- 14日目培養細胞を、150mLの培地を残しながら慎重に吸引し、残りの150mLの培地を穏やかに振とうし、懸濁させて、50mLチューブ中に採取した。採取された細胞を室温にて2000gで7分間遠心分離した。遠心分離後、上清を完全に除去し、沈殿した細胞を30mLのDPBS中に懸濁させた。血球計数器セットを用いて、懸濁した細胞を計数し、細胞生存率を求めた。
図7を参照すると、2,000IU/mLのIL-2を添加した組成物であってもTILを増殖させるのに十分であることが確認できる。さらに、細胞増殖収率及び細胞生存率の両方を考慮すると、2,000IU/mLのIL-2を添加した組成物は、TIL増殖に最も効率的であることが確認できる。
実験例4.
培養組成物量の最適化に関する実験
1.
培養組成物量の最適化のためのTIL単離/培養処理
- 0日目
病院の手術室から移動させた腫瘍組織を、RPMI1640培地を用いて3回洗浄し、100mmペトリ皿に移した。殺菌された外科手術用はさみ及びピンセットを用いて、腫瘍組織中の脂質組織を除去し、殺菌された外科手術用はさみ及びピンセットを用いて、腫瘍組織を1~2mmのサイズに切断した。1~2mmのサイズに切断した腫瘍組織の2つの断片を24ウェルプレート内に置き、1mL又は2mLの調製培養組成物を添加し、続いて、5%COインキュベータ内において37℃で7日間培養した。
- 7日目
0日目に1mLの組成物を添加したウェルに、0.5mLの調製培養組成物を添加し、0日目に2mLの組成物を添加したウェルから1mLの組成物を慎重に除去し、次に、1mLの組成物をこれに添加し、続いて、5%COインキュベータ内において37℃で3日間培養した。
- 10日目
0日目に1mLの組成物を添加したウェルに、0.5mLの調製培養組成物を添加し、0日目に2mLの組成物を添加したウェルから、1mLの組成物を慎重に除去し、次に、1mLの組成物をこれに添加し、続いて、5%COインキュベータ内において37℃で3日間培養した。
- 12日目
0日目に1mLの組成物を添加したウェルに、0.5mLの調製培養組成物を添加し、0日目に2mLの組成物を添加したウェルから、1mLの組成物を慎重に除去し、次に、1mLの組成物をこれに添加し、続いて、5%COインキュベータ内において37℃で3日間培養した。
- 14日目
細胞を採取するために、50mLチューブの上部に40μmセルストレーナーを設置した。10mLピペットを用いて培養細胞をセルストレーナーに通すことによって腫瘍組織を濾過し、培養細胞のみを50mLコニカルチューブに採取し、次に、室温にて450gで5分間遠心分離した。沈殿した細胞に1mLのDPBSを添加し、次に、これをピペッティングすることによって懸濁した。血球計数器(C-chip)を用いて、懸濁した細胞を計数し、細胞生存率を求め、それによって、0日目に添加した培養組成物の量に応じた細胞増殖率を求めた。
図8を参照すると、24ウェルプレートを用いた実験の結果として、1mLの組成物を使用した場合、2mLの組成物を使用した場合よりも細胞増殖率が高いことが確認できた。
実験例5.
腫瘍断片当たりに取得された細胞を計数するための実験
実験例1-1と同じ方式で、肺癌(LC)腫瘍組織、頭頚部癌(HNC)腫瘍組織、及び乳癌(BC)腫瘍組織を用いて、TIL単離/培養処理、実験を行った。結果として、腫瘍断片当たりに平均でどれだけの細胞が入手されたかが確認された。図9を参照すると、LC腫瘍組織の場合、腫瘍断片当たりに平均でおおよそ4E5の細胞が入手された。HNC腫瘍組織の場合、腫瘍断片当たりに平均でおおよそ6E5の細胞が入手された。BC腫瘍組織の場合、腫瘍断片当たりに平均でおおよそ6E5の細胞が入手された。
実験例6.
培養及び増殖させたTIL中のT細胞パーセンテージを確認するための実験
1.
T細胞パーセンテージを確認するための抗体の調製
T細胞パーセンテージを確認するための抗体として、CD3及びCD45に対する抗体を調製し、アイソタイプコントロール抗体もまた調製した。
表2.
T細胞パーセンテージを確認するための抗体についての情報
2.FACS分析のための事前処理
培養及び増殖させたTILを15mL又は50mLコニカルチューブ内に置き、FACSバッファ(DPBS中2%FBS)で2回洗浄し、FACSバッファ中に懸濁した。5×10の懸濁した細胞を1.7mL微量遠心チューブ内に置き、4℃で5分間1,500rpmで遠心分離し、上清200μLを除いて上清を破棄した。残りの上清をボルテックスして細胞を懸濁させ、5μLの各抗体を下のような各チューブ内に置いた。
表3.チューブに添加した抗体
抗体を添加した後、暗室において4℃で30分間インキュベーションを行った。反応の後、細胞をFACSバッファで3回洗浄し、4℃で5分間1,500rpmで遠心分離し、おおよそ200μLを除いて上清を破棄した。残りの上清をボルテックスして細胞を懸濁させ、300μLのFACSバッファを添加してFACS分析を行った。
3.FACSデータ分析
FACS装置からFSC/SSCドットプロットにデータをロードした後、リンパ球領域をゲーティングした。ゲーティングされたリンパ球集団をドットプロットにロードした後、CD3-APC-cy7をx軸に設定し、CD45-Amcyanをy軸に設定し、4象限を設定した。4象限におけるCD3陽性及びCD45陽性T細胞のパーセンテージを確認した。
図10を参照すると、実験例1に従って生成されたTIL中のT細胞のパーセンテージを測定した結果として、生成されたTILの99.7%、99.4%、又は98.4%がT細胞であることがわかる。すなわち、本願において開示された生成処理に従って生成されたTIL中には、高い比率でT細胞が存在することが確認された。
実験例7.
長期間冷凍保存された半産物を用いた増殖(最終産物生成)及び増殖させたTIL中のT細胞パーセンテージの確認
冷凍保存された半産物の増殖
1.アロフィーダーPBMCの単離
白血球除去を通して、正常なドナーから入手された血液を調製し、60GyのX線で照射した。15mLのFicoll溶液を、気泡を伴わずに50mLコニカルチューブの底部に置いた。採取した血液を複数の50mLコニカルチューブに分割した後、血液の量を測定した。複数の50mLコニカルチューブに分割した血液を1:2(血液:DPBS)の比で希釈した。30mLの希釈した血液を、15mLのFicoll溶液を充填した50mLコニカルチューブに慎重に添加し、次に、Acc9/Dcc0の条件下で室温にて800gで20分間遠心分離を行った。PBMC層のみを採取し、新しい50mLコニカルチューブに移し、次に、Acc9/Dcc9の条件下で室温にて800gで5分間遠心分離した。遠心分離した後、上清を完全に除去し、DPBSを50mLまで充填し、洗浄、次に、Acc9/Dcc9の条件下で室温にて800gで5分間遠心分離した。遠心分離後、上清を完全に除去し、沈殿した細胞をDPBS中に懸濁させた。血球計数器セットを用いて懸濁した細胞を計数し、細胞生存率を求めた。細胞計数の後、1:200(2週間培養したTIL:PBMC)の比に従って必要な数の細胞を調製した。調製した細胞をAcc9/Dcc9の条件下で室温にて800gで5分間遠心分離した。遠心分離後、上清を完全に除去し、沈殿した細胞を最終産物培養完全培地中に懸濁し、最終産物の製造において使用した。
2.
最終産物の生成
- 0日目(解凍及び細胞播種)
1年又はそれよりも長い長期にわたって液体窒素タンク(LN)に保管した半産物のバイアルを解凍した。TIL半産物を、解凍したバイアルから50mLコニカルチューブに移した。TIL半産物をAIM-V培地で洗浄した(9:1(培地:TIL半産物)の体積比)。TIL半産物をAcc9/Dcc9の条件下で室温にて1,500rpmで5分間遠心分離し、上清を破棄し、沈殿した細胞をCTS-AIM-V培地中に懸濁し、続いて、細胞計数及び細胞生存率の確認を行った。4E5の半産物TIL細胞及び8E7の照射PBMC(アロPBMC)をそれぞれGREX100M(1L)培養容器内に置き、次に、最終産物増殖組成物を20mLの最終体積まで添加した。5%COインキュベータ内において37℃でインキュベーションを行った。
最終産物増殖組成物の構成は、次の通りである:CTS-AIM-V培地、3vol%のヒト血清、2,000IU/mLのIL-2、及び30ng/mLのOKT3
- 4日目
IL-2及び細分されたヒト血清をCTS-AIM-V培地にそれぞれ2,000IU/mL及び3%まで追加することによって、必要量の増殖組成物を調製した。20mLの調製増殖組成物を各GREXフラスコにさらに添加し、5%COインキュベータ内において37℃でインキュベートした。
- 6日目
IL-2及び細分されたヒト血清をCTS-AIM-V培地にそれぞれ2,000IU/mL及び3%まで追加することによって、必要量の増殖組成物を調製した。60mLの調製増殖組成物を各GREXフラスコにさらに添加し、5%COインキュベータ内において37℃でインキュベートした。
- 8日目
IL-2及び細分されたヒト血清をCTS-AIM-V培地にそれぞれ2,000IU/mL及び3%まで追加することによって、必要量の増殖組成物を調製した。180mLの調製増殖組成物を各GREXフラスコにさらに添加し、5%COインキュベータ内において37℃でインキュベートした。
- 10日目
IL-2及び細分されたヒト血清をCTS-AIM-V培地にそれぞれ2,000IU/mL及び3%まで追加することによって、必要量の増殖組成物を調製した。540mLの調製増殖組成物を各GREXフラスコにさらに添加し、5%COインキュベータ内において37℃でインキュベートした。
- 14日目培養細胞を、200mLの培地を残しながら慎重に吸引し、残りの200mLの培地を穏やかに振とうし、懸濁させて、500mLのCorningボトル中に採取した。150mLのDPBSをフラスコ内に置き、ここで、容器内の細胞を回収するために細胞収穫を行った(2回繰り返した)。採取された細胞を室温にて2,000gで7分間遠心分離した。遠心分離後、上清を完全に除去し、洗浄のためにDPBSを500mLまで添加した(2,000g、7分、室温、Acc9/Dcc9、3回繰り返した)。遠心分離後、上清を完全に除去し、沈殿した細胞をDPBS中に懸濁させた。血球計数器セットを用いて懸濁した細胞を計数し、細胞生存率を求めた。その後、細胞の一部を以下の確認テストのために使用し、残りをCS10内にて3×10細胞/mLで懸濁し、クライオジェニックバイアルに分注し、ディープフリーザを使用してクライオコンテナ内で凍結させた(-80℃)。
冷凍保存された半産物の解凍時における細胞生存率の確認
方法
冷凍保存された半産物を解凍し、解凍後に細胞生存率を確認した。異なる期間にわたって液体窒素中で保管した3つの異なるケース(BC16208、BC17058、及びBC18050)からのTIL半産物のそれぞれ1つのバイアルを解凍した。解凍後、細胞生存率を確認した。
結果
解凍後に細胞生存率を確認した結果として、BC16208のケースでは、解凍後の細胞生存率は、91.25%であり、BC17058のケースでは、95.88%であり、BC18050のケースでは、69.37%であった。
表4.
半産物解凍時における細胞生存率の確認
最終産物における収率の確認
方法
解凍した3つのケース(BC16208、BC17058、BC18050)からのTIL半産物を使用して、最終産物を調製し、最終的に収穫された細胞の数、細胞生存率、及び細胞増殖率を測定した。
結果
BC16208のケースでは、1.31x10の細胞が、BC17058のケースでは、1.71x10の細胞が、BC18050のケースでは、1.42x10の細胞が、それぞれ、おおよそ3,270、4,275、及び3,540倍増殖したことが確認された。上記ケースの全てが90%又はそれよりも高い高細胞生存率を示すことが確認された。
表5.
最終産物を調製するための半産物細胞播種の条件
表6.
最終産物の生成における生成収率
最終産物における細胞パーセンテージの確認
FACSによる分析法
最終産物における細胞パーセンテージをFACS分析によって確認した。FACS分析のために使用する細胞をFACSバッファ(DPBS中2%FBS)に懸濁し、遠心分離した(1,500rpm、4℃、5分)(2回繰り返した)。遠心分離後、細胞をFACSバッファ中に懸濁した。懸濁した細胞の1~5×10細胞を各1.7mLマイクロチューブに分注した。表面マーカー染色のために、各チューブを2μLの抗体で処理した。暗室において4℃で30分間インキュベーションを行い、インキュベーションの後、800μLのFACSバッファを添加し、次に、遠心分離(1,500rpm、4℃、5分)を行った。上清を破棄した後、ボルテックスすることによって細胞を懸濁し、800μLのFACSバッファをこれに添加し、次に、遠心分離(1,500rpm、4℃、5分)を行った(3回繰り返した)。200μLのFACSバッファを使用して懸濁した後、細胞を5mLのFACSチューブに移し、BD FACS CantoTM IIフローサイトメーターを使用して分析を行った。
結果
生成された最終産物のFACS分析によって、T細胞マーカーであるCD3及びCD45の発現が確認された。生存細胞のみ対して分析を実行するために、細胞を最初にSSC-A及びFSC-Aでゲーティングした(図12、図14、及び図16の左上のグラフ)。ここで、ゲーティングされた生存細胞を、図12、図14、及び図16の左上のグラフにリンパ球として表示した。実験の結果として、CD3及びCD45の両方を発現するTリンパ球(CD3+/CD45+)のパーセンテージは、BC16208のケースでは99.5%、BC17058のケースでは99.4%、BC18050のケースでは99.1%であった。さらに、BC16208のケースでは、CD4+T細胞のパーセンテージは83.6%であり、CD8+T細胞のパーセンテージは13.2%であり、BC17058のケースでは、CD4+T細胞のパーセンテージは93.2%であり、CD8+T細胞のパーセンテージは4.71%であり、BC18050のケースでは、CD4+T細胞のパーセンテージは78.4%であり、CD8+T細胞のパーセンテージは、14.0%であることが確認された(図12、図14、及び図16を参照)。参照として、下の表において、CD3+/CD45+リンパ球の中の各タイプのT細胞のパーセンテージは、CD3+/CD45+リンパ球を100%としたFACS結果に基づいて変換されたパーセンテージである。分析結果を下で表7に要約した。
表7
ケースごとの細胞パーセンテージの確認
さらに、上で確認されたCD4+T細胞中のメモリータイプCD4+T細胞のパーセンテージを、CD45RA及びCCR7発現を通して確認した。結果として、BC16208、BC17058、又はBC18050の各ケースにおいて、エフェクターメモリーT細胞(Tem)のパーセンテージが81.35%、83%、84%、又は73.11%であることが確認された(図13、図15、及び図17を参照)。Tscmは、幹細胞メモリーT細胞を示し、Tcmは、セントラルメモリーT細胞を示し、Temは、エフェクターメモリーT細胞を示し、Teffは、エフェクターT細胞を示す。分析結果を下で表8に要約した。
表8.
ケースごとのCD4+T細胞のタイプの確認
さらに、上で確認されたCD8+T細胞中のメモリータイプCD8+T細胞のパーセンテージを、CD45RA及びCCR7発現を通して確認した。結果として、BC16208、BC17058、又はBC18050の各ケースにおいて、エフェクターメモリーT細胞(Tem)のパーセンテージが11.40%、2.20%、又は10.90%であることが確認された。分析結果を下で表9に要約した。
表9
ケースごとのCD8+T細胞のタイプの確認
最終産物の純度の確認
FACSによる分析法FACS分析において使用されることになる細胞をFACSバッファ(DPBS中2%FBS)に懸濁し、遠心分離した(1,500rpm、4℃、5分)(2回繰り返した)。遠心分離後、細胞をFACSバッファ中に懸濁した。懸濁した細胞の1~5×10細胞を1.7mLマイクロチューブに分注した。表面マーカー染色のために、各チューブを2μLの抗体で処理した。暗室にて4℃で30分インキュベーションを行った。インキュベーションの後、800μLのFACSバッファを添加し、次に、遠心分離を行った(1,500rpm、4℃、5分)。上清を破棄した後、ボルテックスすることによって細胞を懸濁し、800μLのFACSバッファをこれに添加し、次に、遠心分離(1,500rpm、4℃、5分)を行った(3回繰り返した)。200μLのFACSバッファを使用して懸濁した後、細胞を5mLのFACSチューブに移し、BD FACS CantoTM IIフローサイトメーターを使用して分析を行った。
結果最終産物の純度を確認するために、B細胞マーカーであるCD19及び非T細胞中のNK細胞マーカーであるCD56の発現をFACS分析によって確認した。生存細胞のみに対する分析を実行するために、細胞をまずSSC-A及びFSC-Aでゲーティングした(図18、図20、及び図22の左のグラフ)。ここで、ゲーティングされた生存細胞を、図18、図20、及び図22の左のグラフにリンパ球として表示した。BC16208、BC17058、及びBC18050のケースにおいて、CD19発現率がそれぞれ0.03%、0.01%、及び0.01%であることが確認された。さらに、BC16208、BC17058、及びBC18050のケースにおいて、CD56発現率がそれぞれ0.02%、0.00%、及び0.03%であることが確認された(図18~図23を参照)。分析結果を下で表10に要約した。
表10.
最終産物の純度の確認
実験例8.
TILを含む免疫細胞組成物1の効果の確認 - 乳癌患者由来TILの腫瘍阻害効能の確認
乳癌患者の腫瘍組織から培養されたTILのin vivo腫瘍阻害効能を、同じ患者に由来する患者由来異種移植片(PDX)において確認した。
実験例8-1.
TILの腫瘍阻害効能の確認、及び、TIL及びIL-2の同時投与の腫瘍阻害効能の確認
方法
1.
患者由来異種移植片(PDX)の調製
PDXを以下の方法によって調製した。
順化した5週齢のNOD-SCIDマウス(NOD.CB17-Prkdcscid、Koatech)を拘束した。20mg/mLのトリブロモエタノール(1xアベルチン)を250mg/kgでマウスに腹腔内投与して麻酔した。麻酔されたマウスの耳にイヤーパンチを使用してイヤータグを取り付けることによって、被験体を識別した。脱毛器を使用して手術部位から体毛を除去した。腹部皮下組織において、おおよそ1.5cm切開した。真っ直ぐな鉗子(アイリスフォーセップ(iris forceps))を使用して、皮下組織及び腹膜間の鈍的分離を行った。1~2mmのサイズを有する患者由来の腫瘍組織をこの動物の右側の4つ目の乳腺脂肪パッドに移植した。移植が完了した後、オートクリップを使用して、切開した皮下組織を縫合し、ポビドンを用いて消毒した。この動物をケージに入れ、体温を維持するために落葉落枝で覆った。ケージネームタグに動物情報を記録し、個別換気ケージ(IVC)ラックに動物を閉じ込めた後、動物が麻酔から覚醒したことを確認した。
2.TILの調製
増殖後に液体窒素中で冷凍保存された凍結したTIL(すなわち、実験例1又は実験例7の方法に従って生成された冷凍保存された最終産物、BC20082-TIL試料)を37℃の水浴で解凍した。冷凍保存液中に存在するDMSOを除去するために、温CTS-AIM-V培地及び解凍した最終産物の体積を9:1の比で混合した。室温にて1,500rpmで5分間遠心分離を行った。上清を破棄した後、沈殿した細胞をCTS-AIM-V培地中に懸濁し、計数した。室温にて1,500rpmで5分間遠心分離した後、上清を除去し、細胞ペレットをDPBS中に懸濁し、下の表に示すように、マウスへの投与に好適なTIL数を滴定した。TILの用量は、下の表に列挙されている。G1はコントロールである。G2は、1×10のTILを投与した群であり、低用量TIL投与群と称される。G3は、5×10のTILを投与した群であり、高用量TIL投与群と称される。G4は、IL-2投与群であり、0日目から5日目まで毎日IL-2の1.5×10IUを投与した。G4は、IL-2投与コントロールと称される。G5は、TIL及びIL-2を同時投与した群であり、これは、TIL投与後0日目から5日目まで毎日1×10のTILを投与するとともに1.5×10IUのIL-2を投与することによって調製された。G5は、低用量TIL+IL-2同時投与群と称される。G6は、TIL+IL-2同時投与群であり、これは、TIL投与後0日目から5日目まで毎日5×10のTILを投与するとともに1.5x10IUのIL-2を投与することによって調製された。G6は、高用量TIL+IL-2同時投与群と称される。
表11.
TIL及び/又はIL-2の用量に関する情報
3.TIL注入及びマウス観察
おおよそ13~63mmの腫瘍体積を有するマウスを群化した。拘束具を用いてマウスを拘束し、次に、尾を温水に入れることによって血管を弛緩させた。30Gインスリンシリンジを使用して、TIL及びIL-2を1分/頭で静脈内投与した。TILを0日目に1回投与した。同時投与群において、TIL投与後0日目、1日目、2日目、3日目、4日目、及び5日目に、IL-2を1.5×10IU/頭で投与した。すなわち、各投与時間において、IL-2を1.5×10IU/頭で投与した。投与後、腫瘍体積を週2回測定し、体重を週1回測定した。腫瘍体積を、それが2,000mmに達するまで観察し、それが2,000mmを超えたとき、COを用いてマウスを安楽死させた。マウスの安楽死後、腫瘍を除去し、腫瘍のサイズを測定した。
結果
1.マウスの体重の変化
TIL投与によるマウスの体重の変化の確認
G1、G2(低用量TIL投与群)、及びG3(高用量TIL投与群)において、マウスにTILを投与した後の体重の変化を観察した。結果を図24に示す。観察の結果として、細胞投与による体重の変化はなかったことが確認された。
TIL及びIL-2の同時投与による体重の変化の確認
さらに、G4(IL-2投与コントロール)、G5(低用量TIL+IL-2同時投与群)、及びG6(高用量TIL+IL-2同時投与群)において、マウスにTILを投与した後の体重の変化を観察した。結果を図25に示す。観察の結果として、細胞投与による体重の変化はなかったことが確認された。
2.腫瘍体積の変化の測定
TIL投与による腫瘍体積の変化の確認
G1、G2(低用量TIL投与群)、及びG3(高用量TIL投与群)において、マウスにTILを投与した後の腫瘍体積の変化が観察された。結果を図26及び図27に示す。図28及び図29は、TIL投与後28日目にマウスの腫瘍移植部位を撮影した画像である。さらに、TIL投与後38日目にマウスを安楽死させ、腫瘍を摘出し、腫瘍体積を測定した。結果を図30に示し、摘出された腫瘍の画像を図31に示す。測定の結果として、G2(低用量TIL投与群)及びG3(高用量TIL投与群)において腫瘍成長が抑制され、腫瘍体積がコントロールのそれよりも小さいことが確認された。
TIL+IL-2同時投与による腫瘍体積の変化の確認
G4(IL-2投与コントロール)、G5(低用量TIL+IL-2同時投与群)、及びG6(高用量TIL+IL-2同時投与群)において、マウスにTILを投与した後、腫瘍体積の変化が観察された。結果を図32及び図33に示す。図34及び図35は、TIL投与後28日目のマウスの腫瘍移植部位の画像である。さらに、TIL投与後38日目に、マウスを安楽死させ、腫瘍を摘出し、腫瘍体積を測定した。結果を図36に示し、摘出された腫瘍の画像を図37に示す。測定の結果として、G5((低用量TIL+IL-2同時投与群)及びG6((高用量TIL+IL-2同時投与群)において腫瘍成長が抑制され、腫瘍体積がコントロールのそれよりも小さいことが確認された。
実験例9.
TILを含む免疫細胞組成物の効能の確認 - 肺癌患者由来TILの腫瘍阻害効能の確認
肺癌患者の腫瘍組織から培養されたTILのin vivo腫瘍阻害効能を、同じ患者に由来する患者由来異種移植片(PDX)において確認した。
方法
1.PDX調製
PDXを以下の方法によって調製した。
順化した5週齢のNOD-SCIDマウス(NOD.CB17-Prkdcscid、Koatech)を拘束した。20mg/mLのトリブロモエタノール(1xアベルチン)を250mg/kgでマウスに腹腔内投与して麻酔した。麻酔されたマウスの耳にイヤーパンチを使用してイヤータグを取り付けることによって、被験体を識別した。脱毛器を使用して手術部位から体毛を除去した。大腿筋の上方の皮下組織をおおよそ1cm切開した。真っ直ぐな鉗子(アイリスフォーセップ)を使用して、皮下組織及び筋膜間の鈍的分離を行った。1~2mmのサイズを有する患者由来の腫瘍組織をこの動物の右側の同じ位置において脇腹の皮下に移植した。移植が完了した後、オートクリップを使用して、切開した皮下組織を縫合し、ポビドンで消毒した。この動物をケージに入れ、体温を維持するために落葉落枝で覆った。ケージネームタグに動物情報を記録し、個別換気ケージ(IVC)ラックに動物を閉じ込めた後、動物が麻酔から覚醒したことを確認した。
2.TILの調製
増殖後に液体窒素中で冷凍保存された凍結したTIL(すなわち、実験例1又は実験例7の方法に従って生成された冷凍保存された最終産物、LC20001-TIL試料)を37℃の水浴で解凍した。冷凍保存液中に存在するDMSOを除去するために、温CTS-AIM-V培地及び最終産物の体積を9:1の比で混合した。室温にて1,500rpmで5分間遠心分離を行い、上清を除去した後、沈殿した細胞をCTS-AIM-V培地中に懸濁し、計数した。室温にて1,500rpmで5分間遠心分離した後、上清を除去し、細胞ペレットをDPBS中に懸濁し、TILの数を200μL当たり5×10細胞に調節した。TILの用量を下の表に示す。コントロールは、IL-2のみを投与した群であり、ここで、1.5×10IUのIL-2を0日目から5日目まで毎日投与した。コントロールをIL-2と称する。細胞投与群は、TIL及びIL-2を同時投与した群であり、ここで、5×10のTILを投与し、TIL投与後0日目から5日目まで毎日1.5×10IUのIL-2を投与した。細胞投与群は、TIL+IL-2と称される。
表12.
TIL及び/又はIL-2の用量に関する情報
3.TIL及びIL-2の同時投与
おおよそ13~63mmの腫瘍体積を有するマウスを群化した。拘束具を用いてマウスを拘束し、次に、尾を温水に入れることによって血管を弛緩させた。30Gインスリンシリンジを使用して、TIL及びIL-2を1分/頭で静脈内投与した。TILを0日目に1回投与した。同時投与群において、TIL投与後0日目、1日目、2日目、3日目、4日目、及び5日目に、IL-2を1.5×10IU/頭で投与した。すなわち、各投与時間において、IL-2を1.5×10IU/頭で投与した。投与後、腫瘍体積を週に2回測定し、体重を週に1回測定した。腫瘍体積を、それが2,000mmに達するまで観察し、それが2,000mmを超えたとき、COを用いてマウスを安楽死させた。マウスの安楽死の後、腫瘍を除去し、腫瘍のサイズを測定した。
結果
1.マウスの体重の変化
コントロール(IL-2)及び細胞投与群(TIL+IL-2)の静脈内投与後、体重の変化を観察した。結果を図38に示す。観察の結果として、細胞投与による体重の変化はなかったことが確認された。
2.腫瘍体積の変化の測定腫瘍体積は、IL-2のみを投与されたコントロール及びTIL及びIL-2を同時投与された細胞投与群の静脈内投与の1週間後に2回測定された。結果を図39~図41に示す。図42は、TIL投与後64日目におけるマウスの腫瘍移植部位の画像である。さらに、TIL投与後70日目にマウスを安楽死させ、腫瘍を摘出し、腫瘍体積を測定した。結果を図43に示す。測定の結果として、細胞投与群では、腫瘍成長が抑制され、腫瘍体積がコントロールのそれよりも小さかったことが確認できる。

Claims (43)

  1. 免疫細胞組成物を生成するための方法であって、
    (a)腫瘍試料を第1の容器において培養する段階、
    ここで、前記腫瘍試料は、前記第1の容器内の第1の組成物中で培養され、前記第1の組成物は、培地、血清、及び500~1500IU/mLのIL-2を含み、
    ここで、前記第1の容器は、ガス透過性容器又はガス供給システムを有する容器であり、
    ここで、前記培養は、13~15日間行われ、
    ここで、前記培養中、前記第1の容器に第1の添加剤組成物が1回又は2回又はそれよりも多い回数添加され、前記第1の添加剤組成物は、培地、血清、及びIL-2を含む;
    (b)(a)から入手された前記培養された産物から第1の免疫細胞集団を入手する段階;
    (c)第2の容器内に第2の組成物及び第2の免疫細胞集団を播種する段階、
    ここで、前記第2の免疫細胞集団は、前記第1の免疫細胞集団に由来し、
    ここで、前記第2の組成物は、培地、血清、1000~3000IU/mLのIL-2、抗CD3抗体、及びフィーダー細胞を含み、
    ここで、前記第2の容器は、ガス透過性容器又はガス供給システムを有する容器である;
    (d)前記第2の免疫細胞集団を増殖させて第3の免疫細胞集団を生成する段階、
    ここで、前記増殖中、前記第2の容器に第2の添加剤組成物が1回又は2回又はそれよりも多い回数添加され、前記第2の添加剤組成物は、培地、血清、及びIL-2を含み、
    ここで、前記増殖は、13~15日間行われる;及び
    (e)(d)から入手された前記増殖させた産物から前記第3の免疫細胞集団を入手するとともに前記免疫細胞組成物を生成する段階、
    ここで、前記第3の免疫細胞集団は、前記第2の免疫細胞集団と比較して、少なくとも2500倍多い細胞を有する
    を備える方法。
  2. 前記方法は、前記腫瘍試料を調製する段階をさらに備え、
    前記腫瘍試料を前記調製する段階は、(a)の前に行われる
    請求項1に記載の方法。
  3. (a)において、前記腫瘍試料は、被験体から入手された腫瘍断片から入手され、
    前記腫瘍試料は、おおよそ1mm~4mmの断面積を有する
    請求項1または2に記載の方法。
  4. (a)において、12~24の前記腫瘍試料が培養される
    請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第1の組成物の血清の濃度は、5vol%又はそれよりも低い
    請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第1の組成物の血清の濃度は、約3vol%である
    請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第1の組成物の前記培地は、CTS-AIM-V培地である
    請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第1の組成物のIL-2の濃度は、約1000IU/mLである
    請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記第1の組成物の体積は、前記第1の容器の最大許容可能容量の30%又はそれよりも小さい
    請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記第1の容器はT75フラスコであり、前記第1の組成物の体積は6mlである
    請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記第1の添加剤組成物は、前記第1の組成物と同じ組成物質及び比を有する組成物である
    請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記第1の添加剤組成物の前記IL-2の濃度は、1000IU/mLであり、
    前記第1の添加剤組成物の前記血清の濃度は、3vol%であり、
    前記第1の添加剤組成物の前記培地は、CTS-AIM-V培地である
    請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記培養中、前記第1の添加剤組成物は、前記第1の容器に2回又はそれよりも多い回数添加される
    請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記培養中、前記第1の添加剤組成物は、前記培養の開始日から7日目、10日目、及び12日目に前記第1の容器に添加され、
    各添加点において添加される前記第1の添加剤組成物の量は同じである
    請求項13に記載の方法。
  15. 前記第2の免疫細胞集団は、前記第1の免疫細胞集団から入手される
    請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記第2の免疫細胞集団は、前記第1の免疫細胞集団を洗浄する段階を含む方法によって入手される
    請求項15に記載の方法。
  17. 前記第2の組成物の前記培地は、CTS-AIM-Vである、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記第2の組成物の前記血清の濃度は、5vol%又はそれよりも低い
    請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記第2の組成物の前記血清の濃度は、3vol%又はそれよりも低い
    請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記第2の組成物の前記IL-2の濃度は、約2000IU/mLである
    請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記抗CD3抗体は、OKT3である
    請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記第2の組成物の前記抗CD3抗体の濃度は、10ng/mL~100ng/mLである
    請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記第2の組成物の前記抗CD3抗体の濃度は、約30ng/mLである
    請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記フィーダー細胞は、不活性化同種異系末梢血単核細胞である
    請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記フィーダー細胞は、前記第2の免疫細胞集団中の細胞数に基づいて、おおよそ1:200(前記第2の免疫細胞集団の細胞数:フィーダー細胞数)の比で、前記第2の組成物に含まれている
    請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記播種する段階において、前記第2の容器に播種される前記第2の免疫細胞集団の細胞数は、1E5~10E5である
    請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記播種する段階において、前記第2の容器に播種される前記第2の免疫細胞集団の細胞数は、約4E5である
    請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記第2の組成物の体積は、前記第2の容器の最大許容可能容量の30%又はそれよりも小さい
    請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記第2の容器は、GREX100Mであり、前記第2の組成物の体積は、約20mlである
    請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記増殖中、免疫細胞は、前記第2の容器から除去されない、又は、外部から添加されない
    請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記第2の添加剤組成物は、前記抗CD3抗体及び前記フィーダー細胞を除外して、前記第2の組成物と同じ組成物質及び比を有する
    請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記第2の添加剤組成物の前記IL-2の濃度は、約2000IU/mLであり、
    前記第2の添加剤組成物の前記血清の濃度は、約3体積%であり、
    前記第2の添加剤組成物の前記培地は、CTS-AIM-Vである
    請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記増殖中、前記第2の添加剤組成物は、前記第2の容器に2回又はそれよりも多い回数添加される
    請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 添加される前記第2の添加剤組成物の量は、各添加点において変わる
    請求項33に記載の方法。
  35. 前記増殖中、前記第2の添加剤組成物は、前記増殖の開始日から4日目、6日目、8日目、及び10日目に前記第2の容器に添加され、添加される前記第2の添加剤組成物の量は、各添加点において徐々に増加される
    請求項33に記載の方法。
  36. 前記第2の添加剤組成物は、前記増殖の開始日から4日目に20ml、前記増殖の開始日から6日目に60ml、前記増殖の開始日から8日目に180ml、及び前記増殖の開始日から10日目に540ml、前記第2の容器に添加される
    請求項33に記載の方法。
  37. 前記第3の免疫細胞集団は、前記第2の免疫細胞集団の少なくとも4000倍又はそれよりも多い細胞を有する
    請求項1から36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記免疫細胞組成物は、前記第3の免疫細胞集団を含む
    請求項1から37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記免疫細胞組成物は、前記第3の免疫細胞集団から入手された第4の免疫細胞集団を含む
    請求項1から38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記腫瘍試料は、乳癌、大腸癌、肺癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、又は悪性黒色腫を含む皮膚癌を有する被験体の固形腫瘍に由来する
    請求項1から39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記腫瘍試料は、肺癌を有する被験体の悪性胸水に由来する
    請求項1から39のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記方法は、
    前記第1の免疫細胞集団を冷凍保存する段階;及び
    前記冷凍保存された第1の免疫細胞集団を解凍する段階
    をさらに備え、
    ここで、前記第1の免疫細胞集団を冷凍保存する段階及び前記冷凍保存された第1の免疫細胞集団を前記解凍する段階は、(a)から入手された前記培養された産物から第1の免疫細胞集団を入手する段階(b)の後に行われる
    請求項1から41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 腫瘍浸潤リンパ球を含む免疫細胞組成物。
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