JP2024510672A - 耐久性補剛構造を備えるタイヤ - Google Patents

耐久性補剛構造を備えるタイヤ Download PDF

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Abstract

タイヤ(10)は、クラウン(12)と、2つの側壁(30A,30B)と、2つのビード(32A,32B)と、トーラス状キャビティ(35)を定める内面(33)と、側壁(30A,30B)の少なくとも1つ又はビード(32A,32B)の1つからクラウン(12)までトーラス状キャビティ(35)内を連続的に延びる補剛要素(52)を備える補剛構造(50)とを備える。補剛要素(52)は、側面(30A,30B)及び/又はビード(32A,32B)に配置された半径方向内側補強構造(60A,60B)に又はその周りに固着され、半径方向内側補強構造(60A,60B)は、側面(30A,30B)及び/又はビード(32A,32B)とタイヤ(10)の正中面(M)の同じ側に位置付けられた周方向補強要素(40A,40B)、及びクラウン(12)に配置された半径方向外側補強構造(70A,70B)から区別される。【選択図】図1

Description

本発明は、特に乗用車のためのタイヤに関する。タイヤは、装着支持体、例えば、リムと協働することによってキャビティを形成するように意図された空気タイヤを意味し、このキャビティは、大気圧よりも高い圧力に加圧されるようになっている。本発明によるタイヤは、タイヤの主軸線の周りに実質的に円形トーラス状の構造を有し、この主軸線は、タイヤの回転軸線と一致する。
乗用車に装備されるように意図されてWO2020/128225に説明されたタイヤが従来技術から公知である。説明されたタイヤは、第1及び第2の側壁の近くを及び次に装着支持体、例えば、リムと接触するように意図された第1及び第2のビードの近くをタイヤの正中面のそれぞれの対向側で半径方向内方に延長されたクラウンを備える。第1及び第2のビードの各々は、装着支持体へのタイヤの取り付けを可能にするように意図された周方向補強要素を備える。
タイヤは,それが装着支持体上に装着される時にタイヤのトーラス状膨張キャビティを定める内面を有する。
WO2020/128225に説明されたタイヤは、第1のビードからクラウンまでトーラス状キャビティ内を連続的に延びる第1の糸線補剛要素と、第2のビードからクラウンまでトーラス状キャビティ内を連続的に延びる第2の糸線補剛要素とを備える補剛構造を備える。
第1及び第2の糸線補剛要素の各々は、各ビードに接合され、そこからそれは、糸線補剛要素とビードの内面の一部との間のビード界面の近くを延びる。同様の方式で、第1及び第2の糸線補剛要素の各々は、糸線補剛要素とクラウンの内面の一部との間のクラウン界面の近くでタイヤのクラウンに締結される。各ビード及びクラウン界面は、糸線補剛要素と内面の対応する部分との間に位置決めされたエラストマー混合物クッションを備える。
各ビード及びクラウン界面に負荷が掛かって剥離することに注目されている。そのような界面は、糸線補剛要素とビードの内面及び/又はクラウンの半径方向内側に位置する内面との早期分離に至る及び従って補剛構造の早期破壊に至る可能性がある繰返し荷重に敏感である。
他のアセンブリ又はタイヤも従来技術から、特に、WO2019/115917、GB2299554、FR3089870、FR2638398、US3010504、又はUS2005279438から公知である。
WO2020/128225 WO2019/115917 GB2299554 FR3089870 FR2638398 US3010504 US2005279438 WO2017/005713 WO2013/017422 WO2017/168107 WO2018/046376 WO2013/182477 WO2010/51203 EP2660075 EP1253025 EP1876038 EP3406462
本発明の目的は、補剛構造の耐久性を改善することである。
本発明の目的は、従って、2つの側壁の近くを次に2つのビードの近くを半径方向内方に延長されたクラウンを備えるタイヤであり、各ビードは、タイヤの装着支持体の上へのタイヤの取り付けを可能にするように意図された少なくとも1つの周方向補強要素を備え、タイヤは、タイヤのトーラス状膨張キャビティを定める内面と、側壁又はビードのうちの少なくとも一方から少なくともクラウンまで遠くにトーラス状キャビティ内を連続的に延びる少なくとも1つの補強要素を備える補剛構造とを有し、上記又は各補強要素は、
-側壁及び/又はビードとタイヤの正中面の同じ側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別される側壁及び/又はビードに配置された少なくとも1つの半径方向内側補剛構造、及び
-クラウンに配置された少なくとも1つの半径方向外側補強構造、
に又はその周りに固着される:
半径方向内側及び外側補強構造に起因して、上記又は各補剛要素は、一方で側壁の1つ及び/又はビードの1つに及び他方でクラウンに固着され、これは、上記又は各補剛要素をタイヤに固着することによる締結を可能にする。この種の固着による締結は、WO2020/128225に説明されたビード及びクラウン界面よりも有意によりロバストである。実際に、固着は、タイヤの内部に向う上記又は各補剛要素の剥離時の負荷及び半径方向及び軸線方向滑りを回避することを可能にする。本発明によるタイヤの補剛構造の耐久性は、従って、実施されるかつ以下に説明する試験によって明らかにされるように有意に改善される。
クラウンに上記又は各補剛要素を固着することに起因して、上記又は各補剛要素は、それが固着されるクラウンの部品に対して軸線方向及び半径方向に固定される。同様の方式で、側壁及び/又はビードに上記又は各補剛要素を固着することに起因して、上記又は各補剛要素は、それが固着される側壁及び/又はビードの部品に対して軸線方向及び半径方向に固定される。
半径方向内側及び外側補強構造の各々は、タイヤの側壁又はビードに及びクラウンにそれぞれ配置され、すなわち、内面の半径方向内側に配置され、かつ側壁又はビードを構成する材料の塊に及びクラウンに埋め込まれ、上記又は各補剛要素は、内面を通過して半径方向内側固着点で半径方向内側補強構造に又はその周りに固着され、かつ内面を通過して半径方向外側固着点で半径方向外側補強構造に又はその周りに固着される。この特徴は、特に、補剛構造によって発生されるノイズを低減することを可能にし、このノイズは、上記又は各半径方向内側又は外側補強構造を装着支持体から分離するタイヤの構造によって減衰する。
本発明により、上記又は各補剛要素は、各半径方向内側及び外側補強構造に又はその周りに固着される。すなわち、第1の変形では、上記又は各補剛要素は、半径方向内側及び外側補強構造の一方又は両方の構造に固着される場合があり、すなわち、各補剛要素は、その構造の中に少なくとも部分的に貫通し、又は更にそれを完全に通過し、そのためにその構造は、構造内に上記又は各補剛要素の機械的固着を形成する。特に、構造が複数の糸線要素のアセンブリである状況では、上記又は各補剛要素が構造に固着されると述べることは、例えば、上記又は各補剛要素が構造自体を通過するように構造のある一定の糸線要素の周りに巻き付けられることを意味する。第2の変形では、上記又は各補剛要素は、半径方向内側及び外側補強構造の一方又は両方の構造の周りに固着される場合があり、すなわち、上記又は各補剛要素は、構造が上記又は各補剛要素上に作用される力の一部を吸収して側壁又はビードとクラウンとに構造を固着するようにその構造に対して圧迫する。特に、その構造が複数の糸線要素のアセンブリである状況では、上記又は各補剛要素が構造の周りに固着されると述べることは、例えば、上記又は各補剛要素が構造の周囲糸線要素の周りにそれを通過することなく巻き付けられることを意味する。
本発明により、上記又は各半径方向内側補強構造は、タイヤの正中面の同じ側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別され、これは、補剛構造によって発生されるノイズの補剛構造からタイヤの装着支持体を通じた車両への伝播を非常に有意に低減することを可能にする。実際に、本発明の背後の本発明者は、補剛構造によって発生されるノイズが、タイヤのその装着支持体への取り付けを可能にするように意図された各周方向補強要素から上記又は各半径方向内側補強構造を分離するタイヤの構造によって減衰するという仮説を立てた。この減衰は、タイヤの正中面の同じ側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別されることに起因して、半径方向内側補強構造が、タイヤの正中面の同じ側に位置する上記又は各周方向補強要素から機械的に切り離されるという事実の結果である。言い換えれば、半径方向内側補強構造とタイヤの正中面の同じ側に位置する上記又は各周方向補強要素とは、1又は2以上の分離材料、例えば、エラストマー材料によって物理的に互いに分離され、一方の他方からの機械的切断を可能にする。
トーラス状膨張キャビティは、最も多くの場合にリムである装着支持体上にタイヤが装着された状態で、膨張ガスによって加圧されるように意図している。
他の利点の中でも、補剛構造は、補剛構造を備えない古典的なタイヤだけでなく、WO2017/005713に説明されているような他の補剛構造を備えるタイヤと比較しても、タイヤの半径方向剛性、軸線方向剛性、及びコーナリング剛性を同時に改善することを可能にする。半径方向剛性は、daN/mmで表され、1mmに等しい半径方向変位が加わった時にタイヤによって発生される半径方向力である。軸線方向剛性は、daN/mmで表され、1mmに等しい軸線方向変位が加わった時にタイヤによって発生される軸線方向力である。コーナリング剛性は、daN/°で表され、半径方向軸線の周りに1°の角度で転がる時にタイヤによって発生される軸線方向力である。
半径方向剛性を高めることにより、補剛構造は、転動時にクラウンの半径方向変形を抑制し、特に、逆屈曲、すなわち、地面と接触しているトレッドの接触区域とは反対側の半径方向変形を抑制する。従って、ホイールの周りでタイヤが転がる間、補剛構造により、タイヤ、特に、トレッドの周期的な変形の振幅を抑制すること及び従って得られるエネルギの散逸を抑制することが可能になり、転がり抵抗の低減に寄与する。更に、半径方向荷重に対して、接地面積の値は変わらないので、WO2017/005713に説明されたタイヤと同じグリップ性能を維持することが可能である。
軸線方向剛性とコーナリング剛性を高めることにより、補剛構造は、例えば、コーナリング時のような横荷重下での挙動改善に寄与することになる。更に、横荷重の下では、接地面積が接触圧のより均一な分布を保証するので、横方向グリップを高めることが可能になる。
更に、補剛構造は、タイヤに加わる荷重を支持する時に少なくとも部分的に関与するので、この印加荷重は、そのタイヤ剛性と固有の構造的剛性とに起因して、タイヤによって及び補剛構造によって協働して吸収される。従って、タイヤが公称半径方向荷重を受ける場合に、接触区域の反対側に配置された上記又は各補剛要素は張力下になる。逆に、一部の実施形態では、接触区域に位置合わせした上記又は各補剛要素は、圧縮時に座屈を受ける。
従って、補剛構造の存在により、荷重支持に対するタイヤの寄与を低減することができ、従って、例えば、ビードの体積の低減により、タイヤの構造的剛性を低減することができる。実際に、古典的なタイヤのビードは、その体積とそれを備えるエラストマー混合物のヒステリシス特性とに起因して、有意な量のエネルギを散逸させる。従って、ビードの体積の低減により、転がり抵抗を有意に低減することができる。
補剛要素は、タイヤのトーラス状キャビティ内で2つずつ独立しており、すなわち、トーラス状キャビティ内で機械的に相互接続されないので、独立した機械的挙動を有する。例えば、それらは、キャビティ内で網目又はメッシュを形成するような方法では相互接続されない。
本発明によるタイヤは、タイヤの回転軸線と実質的に一致する旋回軸線の周りに実質的にトーラス状を有する。この旋回軸線は、当業者が従来から使用している3つの方向、すなわち、軸線方向、周方向、及び半径方向を定める。
軸線方向とは、タイヤの旋回軸線、すなわち、タイヤの回転軸線と実質的に平行な方向を意味する。周方向とは、軸線方向に対してもタイヤの半径に対しても実質的に垂直な(言い換えれば,タイヤの回転軸線を中心とする円に接する)方向を意味する。
半径方向とは、タイヤの半径に沿う方向、すなわち、タイヤの回転軸線と交差してその軸線に対して実質的に垂直なあらゆる方向を意味する。
タイヤの正中面(Mと表記)とは、2つのビードの軸線方向中間に位置してクラウン補強体の軸線方向中心を通るタイヤの回転軸線に対して垂直な平面を意味する。
タイヤの赤道周面(Eと表記)とは、子午断面で正中面と半径方向とに垂直なタイヤの赤道を通る平面を意味する。タイヤの赤道は、子午断面(周方向に垂直で半径方向及び軸線方向に平行な平面)でタイヤの回転軸線に平行であり、地面と接触するように意図されたトレッドの半径方向最外点と、支持体、例えば、リムと接触するように意図されたタイヤの半径方向最内点との間で等距離に位置する軸線である。
正中面とは、タイヤの回転軸線に平行でそれを含有し、周方向に垂直な平面を意味する。
半径方向内側、それぞれ半径方向外側とは、タイヤの回転軸線により近い、それぞれタイヤの回転軸線からより遠いことを意味する。軸線方向内側、それぞれ軸線方向外側とは、タイヤの正中面により近い、それぞれタイヤの正中面からより遠いことを意味する。
ビードとは、タイヤを装着支持体、例えば、リムを有するホイールに取り付けることができることを意図したタイヤの半径方向部分を意味する。従って、各ビードは、特に、ビードのフックと接触してその取り付けを可能にされるように意図している。従って、ビードは、タイヤの半径方向内縁によって半径方向内方に区切られ,欧州タイヤ及びリム技術機構(ETRTO)2020が発行した規格にある標準リムと接触する半径方向最外点を通る軸線方向直線セグメントによって半径方向外部で区切られる。
側壁とは、ビードをクラウンに接続するタイヤの半径方向部分を意味する。側壁は、タイヤ外面に垂直な直線セグメントであって、タイヤ外面に対する接線とその点を通る軸線方向に平行な直線セグメントとの成す角が30°に等しい点を通る上記直線セグメントにより、半径方向外側に区切られる。子午断面では、その角度が絶対値で30°に等しい点が複数存在する場合に、半径方向最外点が採用される。側壁は、欧州タイヤ及びリム技術機構(ETRTO)2020規格にある標準リムと接触する半径方向最外点を通る軸線方向直線セグメントによって半径方向内部で区切られる。
表現「aとbの間」に示す値の範囲は、aより大からbより小に延びる(すなわち、限界値a及びbを除外する)値の範囲を表すのに対して、表現「aからbまで」に示す値の範囲は、aからbまで延びる(すなわち、厳密な限界値a及びbを含む)値の範囲を意味する。
本発明のタイヤは、好ましくは、欧州タイヤ及びリム技術機構(ETRTO)2020規格の意味によって定められた乗用車を意図している。この種のタイヤは、欧州タイヤ及びリム技術機構(ETRTO)2020規格の意味で、子午断面で断面高さH及び公称断面幅SWによって特徴付けられる断面を有する。SW及びHの値は、例えば、ETRTOマニュアル2020に定められるように、タイヤの側壁のマーキングに示されている。
本発明が有利に適用される乗用車タイヤは、好ましくは、パーセントで表される比率H/Sが、最大で90に等しく、好ましくは最大で80に等しく、より好ましくは最大で70に等しく、かつ少なくとも20に等しく、好ましくは少なくとも30に等しく、公称断面幅SWは、好ましくは少なくとも115mmに等しく、好ましくは少なくとも155mmに等しく、より好ましくは少なくとも175mmに等しく、かつ最大で385mmに等しく、好ましくは最大で315mmに等しく、より好ましくは最大で285mmに等しいようになっている。更に、タイヤ取り付けのためのリムの直径を定めるフックでの直径Dは、少なくとも12インチに等しく、好ましくは少なくとも16インチに等しく、かつ最大で24インチに等しく、好ましくは最大で21インチに等しい。
クラウン補強体及びカーカス補強体を備えるタイヤでは、クラウンは、従来、地面と接触するように意図されたトレッドと、トレッドの半径方向内側に配置されたクラウン補強体とを備える。タイヤはまた、各ビードの中に固着されて各側壁内を半径方向に及びクラウン補強体の半径方向内側でクラウン内を軸線方向に延びるカーカス補強体を備える。従来、クラウン補強体は、補強要素を備える少なくとも1つのクラウン層を備える。それらの補強要素は、金属又は布地の糸線要素であることが好ましい。カーカス補強体は、周方向補強要素を使用して各ビードの中に固着される。
ETRTOによって定められるいわゆるラジアルタイヤで達成される性能を可能にする実施形態では、カーカス補強体は、少なくとも1つのカーカス層を備え、上記又は各カーカス層は、カーカス糸線補強要素を備え、各カーカス糸線補強要素は、タイヤの周方向と絶対値で80°から90°までの角度を形成する主方向に実質的に延びる。
好ましい実施形態では、補剛構造は、トーラス状キャビティ内で周方向に分散配置された複数の補剛要素を備える。
従って、補剛構造は、タイヤの全周にわたってその機能を発揮する。
周方向の分散配置は、補強要素がタイヤの全周にわたって一定の周方向ピッチで分配される補剛構造により、補強要素がタイヤの全周にわたって周期的に分配される補剛構造により、これに代えて補強要素がタイヤの全周にわたってランダムに分配される補剛構造によって得ることができる。1つの有利な実施形態では、上記又は各補剛要素は、タイヤの膨張ガスに対して気密ではない。従って、上記又は各補剛要素は、膨張ガスがそれを通過することを許容する。言い換えれば、各補剛要素は、タイヤの圧力下で副次的なキャビティを定めない。気密でないとは、補剛要素が膨張ガスに対して透過性であることを意味し、トーラス状キャビティ内で圧力が常に均一である、特にタイヤの膨張中は均一であることを意味する。
比較的実施しやすい製造方法を可能にするために、タイヤは、各ビードに固着されたカーカス補強体と、クラウン補強体及びトレッドを備えるクラウンとを備えることが非常に有利であり、カーカス補強体は、各側壁内と、クラウン補強体の半径方向内側でクラウン内とを延び、上記又は各半径方向外側補強構造は、カーカス補強体の半径方向内側に配置される。第1の実施形態では、上記又は各補剛要素は、
-第1の側壁及び/又は第1のビードに配置された第1の半径方向内側補強構造であって、第1の側壁及び/又は第1のビードとタイヤの正中面の同じ側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別される上記第1の半径方向内側補強構造と、
-クラウンに配置された上記又は複数の半径方向外側補強構造と、
-タイヤの正中面に対して第1の側壁及び/又は第1のビードの反対側に位置する第2の側壁及び/又は第2のビードに配置された第2の半径方向内側補強構造であって、第2の側壁及び/又は第2のビードとタイヤの正中面の同じ第2の側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別される上記第2の半径方向内側補強構造と、
に又はその周りに固着され、そのために上記又は各補剛要素は、第1の側壁及び/又は第1のビードから第2の側壁及び/又は第2のビードまでクラウン内を連続的に延びる。
この第1の実施形態では、上記又は各補剛要素は、第1及び第2の側壁又はビードの間で連続する。従って、クラウンに固着される補強要素の縁部が存在しないので、一方でタイヤの製造が容易になり、他方でクラウンに位置する補強要素の縁部が滑ってしまうリスクが抑制される。上記又は各補剛要素が連続していることにより、各第1及び第2の側壁及び/又はビード間の力の伝達も改善され、従って、その力はタイヤ全体に分散される。
更に、補剛構造は、タイヤの正中面の各側でその機能を発揮し、それにより、タイヤの均質な挙動を達成することが可能になる。
第1の好ましい実施形態の好ましい変形では、上記又は各補剛要素は、
-第1の半径方向内側補強構造と、
-クラウンにある第1及び第2の半径方向外側補強構造と、
-第2の半径方向内側補強構造と、
に又はその周りに固着される。
この好ましい変形では、タイヤは、互いに別々である第1及び第2の半径方向外側補強構造を備える。それにより、補剛構造の重量を低減することができ、クラウンの中に補強要素を締結することが可能になる。更に、所与の軸線方向幅に対して、第1及び第2の半径方向外側補強構造の使用により、単一半径方向外側補強構造と比べてクラウン内の許容応力を制限することができ、それによって一定の接触面積を維持することが可能になる。
第2の実施形態では、補剛構造は、少なくとも第1及び第2の補強要素を備え、上記又は各第1の補強要素は、
-第1の側壁及び/又は第1のビードに配置された第1の半径方向内側補強構造であって、第1の側壁及び/又は第1のビードとタイヤの正中面の同じ側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別される上記第1の半径方向内側補強構造と、
-上記又は複数の半径方向外側補強構造と、
に又はその周りに固着され、
上記又は各第2の補強要素は、
-タイヤの正中面に対して第1の側壁及び/又は第1のビードの反対側に位置する第2の側壁及び/又は第2のビードに配置された第2の半径方向内側補強構造であって、第2の側壁及び/又は第2のビードとタイヤの正中面の同じ第2の側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別される上記第2の半径方向内側補強構造と、
-上記又は複数の半径方向外側補強構造と、
に又はその周りに固着され、
そのために上記又は各第1及び第2の補強要素は、それぞれ第1の側壁及び/又は第1のビードから及び第2の側壁及び/又は第2のビードからクラウンまで連続的に延びる。
この第2の実施形態では、第1の実施形態とは対照的に、上記又は各第1の補強要素は、上記又は各第2の補強要素から区別され、かつ上記又は各第2の補強要素に対して不連続である。
この第2の実施形態の好ましい変形では、上記又は各第1の補強要素は、
-第1の半径方向内側補強構造と、
-クラウンにある第1の半径方向外側補強構造と、
に又はその周りに固着され、
上記又は各第2の補強要素は、
-第2の半径方向内側補強構造と、
-第1の半径方向外側補強構造から区別されるクラウンにある第2の半径方向外側補強構造と、
に又はその周りに固着される。
任意的に、第1及び第2の半径方向外側補強構造は、タイヤの正中面の両側で軸線方向に好ましくはタイヤの正中面に対して実質的に対称に配置される。従って、各第1及び第2の側壁及び/又はビードに及びクラウンに補強要素が及ぼす力の軸線方向分散が改善される。
トレッドの軸線方向座屈を可能な限り抑制し、従って、一方で接地面を均一に保ち、他方でタイヤのクラウン補強体に関する劣化のリスクを低減するために、半径方向内側補強構造から延びる上記又は各補剛要素は、
-上記又は各補剛要素が内面を通過して半径方向内側補強構造に又はその周りに固着される半径方向内側固着点と、
-上記又は各補剛要素が内面を通過してこの半径方向外側補強構造又は半径方向外側補強構造の1つに又はその周りに固着される半径方向外側固着点と、
の間でトーラス状キャビティ内を延びる部分を備え、半径方向外側固着点と半径方向内側固着点は、タイヤの正中面の同じ側に軸線方向に配置される。
第1の実施形態の場合に、上記又は各補剛要素は、
-上記又は各補剛要素が内面を通過して第1の半径方向内側補強構造に又はその周りに固着される第1の半径方向内側固着点と、
-上記又は各補剛要素が内面を通過して上記又は複数の半径方向外側補強構造に又はその周りに固着される第1の半径方向外側固着点と、
の間をトーラス状キャビティ内で延びる部分を備え、
上記又は各補剛要素は、
-上記又は各補剛要素が内面を通過して第2の半径方向内側補強構造に又はその周りに固着される第2の半径方向内側固着点と、
-上記又は各補剛要素が内面を通過して上記又は複数の半径方向外側補強構造に又はその周りに固着される第2の半径方向外側固着点と、
の間でトーラス状キャビティ内を延びる部分を備え、
第1及び第2の半径方向内側固着点と第1及び第2の半径方向外側固着点の各々は、
-第1の半径方向外側固着点と第1の半径方向内側固着点との間を延びる部分と、第2の半径方向外側固着点と第2の半径方向内側固着点との間を延びる部分とが、トーラス状キャビティ内でクロスオーバーせず、
-第1の半径方向外側固着点と第1の半径方向内側固着点が、タイヤの正中面の同じ側に軸線方向に配置され、かつ
-第2の半径方向外側固着点と第2の半径方向内側固着点が、タイヤの正中面の同じ他方側に軸線方向に配置される、
ようにものである。
実際に、一方で正中面の同じ側に位置する第1の固着点の間を延び、他方で正中面の他方側に位置する第2の固着点の間を延びる部分はクロスオーバーしないので、特に横荷重の大きい条件下で、トレッドの軸線方向の座屈、すなわち、トレッドの軸線方向圧縮を抑制することが可能になる。その結果、一方で接地面が均一に保たれ、他方で特にクラウン補強体を備える様々な要素、例えば、クラウン補強体の布地及び金属の繊維状補強要素材の圧縮を回避することにより、タイヤのクラウン補強体の劣化するリスクが低減される。
類似の方式では、第2の実施形態の場合に、上記又は各第1の補強要素は、
-上記又は各第1の補強要素が内面を通過して第1の半径方向内側補強構造に又はその周りに固着される第1の半径方向内側固着点と、
-上記又は各第1の補強要素が内面を通過して上記又は複数の半径方向外側補強構造に又はその周りに固着される第1の半径方向外側固着点と、
の間をトーラス状キャビティ内で延びる部分を備え、
上記又は各第2の補強要素は、
-上記又は各第2の補強要素が内面を通過して第2の半径方向内側補強構造に又はその周りに固着される第2の半径方向内側固着点と、
-上記又は各第2の補強要素が内面を通過して上記又は複数の半径方向外側補強構造に又はその周りに固着される第2の半径方向外側固着点と、
の間をトーラス状キャビティ内で延びる部分を備え、
第1及び第2の半径方向内側固着点と第1及び第2の半径方向外側固着点との各々は、
-第1の半径方向外側固着点と第1の半径方向内側固着点が、タイヤの正中面の同じ側に軸線方向に配置され、
-第2の半径方向外側固着点と第2の半径方向内側固着点が、タイヤの正中面の同じ他方側に軸線方向に配置され、かつ
-第1の半径方向外側固着点と第1の半径方向内側固着点との間を延びる部分と、第2の半径方向外側固着点と第2の半径方向内側固着点との間を延びる部分とが、トーラス状キャビティ内でクロスオーバーしない、
ように配置される。
これに代えて、第1の実施形態であるか第2の実施形態であるかを問わず、それとは反対に、各半径方向外側第1及び第2の固着点が、第1の固着点の間を延びる部分と第2の固着点の間を延びる部分とがトーラス状キャビティ内でクロスオーバーするように配置されるように、及び/又は第1の半径方向外側固着点と第1の半径方向内側固着点が、タイヤの正中面の2つの異なる側に軸線方向に配置されるように、及び/又は第2の半径方向外側固着点と第2の半径方向内側固着点が、タイヤの正中面の2つの異なる側に軸線方向に配置されるように想定することができる。
第1の実施形態の好ましい変形では、補剛構造は、第1の側壁及び/又は第1のビードと第2の側壁及び/又は第2のビードとの間でクラウンを通る犂耕式経路を示すように連続的な補強要素を形成する複数の補剛要素を備える。
従って、各側壁又は各ビードに固着される補強要素の縁部をなくすことにより、補剛構造のロバスト性が更に改善する。従って、この変形では、1つの連続的な補強要素がタイヤの全周にわたって補剛構造を形成することが可能である。同様に、複数の連続的な補強要素がそれぞれタイヤの周囲の一部にわたって補剛構造の一部を形成することも可能である。更に、この種の補剛構造は、異なるタイヤ寸法の関数として敷設法則を変えることができる単一補強要素を使用するので製造することが比較的簡単である。互いに異なる複数の補剛要素を使用する場合に、各タイヤ寸法に対してそれらの長さを調節することが必要になる。
第2の実施形態の好ましい変形では、補剛構造は、
-第1の側壁及び/又は第1のビードとクラウンの間に犂耕式経路を示すように第1の連続的な補強要素を形成する複数の第1の補強要素と、
-第2の側壁及び/又は第2のビードとクラウンの間に犂耕式経路を示すように第2の連続的な補強要素を形成する複数の第2の補強要素と、
を備える。
上記又は各補剛要素は、内面を通過してHをタイヤの断面高さとした場合にタイヤの半径方向最内点から0.10×Hから0.50×Hまで、好ましくは0.10×Hから0.35×Hまでの半径方向距離で半径方向に配置された半径方向内側固着点でこの半径方向内側補強構造又は半径方向内側補強構造の1つに又はその周りに固着されることが非常に有利である。
従って、補剛構造によって発生するノイズの補剛構造からタイヤの装着支持体を通じて車両への伝播は更に低減する。実際に、0.10×Hに等しい半径方向距離を超えると、半径方向内側固着点はビードから遠くなり、特にビードの周方向補強要素、例えば、ビードワイヤから遠くなり、補剛構造によって発生した音波は、タイヤと装着支持体の間でノイズを伝達する主要な要素を備える周方向補強要素に到達する前にタイヤの構造によって有意に減衰する。それにも関わらず、半径方向内側固着点は、補剛構造と側壁又はビードとの間で補強要素を通して軸線方向力の有効な吸収を可能にし、従って軸線方向剛性の改善に関与するので大き過ぎない半径方向距離にあることが好ましい。
上記又は各補剛要素は、内面を通過してSWをタイヤの断面幅とした場合に、タイヤの正中面から最大で0.45×SWに等しく、好ましくは0.05×SWから0.45×SWまでの軸線方向距離で軸線方向に配置された半径方向外側固着点でこの半径方向外側補強構造又は半径方向外側補強構造の1つに又はその周りに固着されることが非常に有利である。
0.45×Sを超えると、上記又は各補剛要素は半径方向に対して非常に小さい角度を形成する方向に延びるので、軸線方向剛性及びコーナリング剛性への寄与がそれぞれ低下する。
補剛構造に関して、各補強要素は、幾何学的に特にその平均断面Smによって特徴付けることができ、この特徴は必ずしも補強要素の全てに対して同一ではない。平均断面Smとは、タイヤと同軸線であって内側トーラス状キャビティ内で半径方向に包含される全円柱面と補強要素の交差によって得られる断面の平均である。断面が一定という最もよくある状況では、平均断面Smは補強要素の一定断面である。平均断面Smは、大きい方の特性寸法Dmaxと小さい方の特性寸法Dminとを備え、その比率R=Dmax/Dminを形状因子と呼ぶ。一例としてdに等しい直径を有する円形の平均断面Smを有する補強要素は、形状因子R=1を有し、長さL及び幅lを有する矩形の平均断面Smを有する補強要素は、形状因子R=L/lを有し、長軸線D及び短軸線dを有する楕円形の平均断面Smを有する補強要素は、形状因子R=D/dを有する。
形状因子Rが最大で3に等しく、第1の好ましいタイプの補強要素を1次元であると呼ぶ。言い換えれば、補強要素は、その平均断面Smの特性最大寸法Dmaxが最小特性寸法Dminの最大で3倍に等しい場合に、1次元であると見なされる。1次元の補強要素は、糸線タイプの機械的挙動を有し、すなわち、その平均線に沿った張力及び圧縮力だけを受けるものとすることができる。1次元の補強要素を通常は糸線補強要素と呼ぶのはこのためである。タイヤの分野で日常的に使用される部品のうち布地基本単繊維のアセンブリから構成される布地糸線要素、又は金属基本単繊維のアセンブリから構成される金属ケーブルは、その平均断面Smが実質的に円形であり、形状因子Rが1に等しく、従って、3未満であるので1次元補強要素と見なすことができる。
形状因子Rが少なくとも3に等しく、第2のタイプの補強要素を2次元であると呼ぶ。言い換えれば、補強要素は、その平均断面Smの特性最大寸法Dmaxが最小特性寸法Dminの少なくとも3倍に等しい場合に、2次元であると見なされる。2次元の補強要素は、膜型の機械的挙動を示し、すなわち、その平均断面Smの特性最小寸法Dminによって定められるその厚みの中でだけ張力又は圧縮力を受けるものとすることができる。第1の変形では、形状因子Rが少なくとも3に等しく、最大でも50に等しい補強要素をランヤード型2次元であると呼ぶ。第2の変形により、形状因子Rが少なくとも50に等しい補強要素をフィルム型2次元であると呼ぶ。
補強要素に関する第1の構造変形により、いずれの補強要素も、単一構成要素を有する均質な構造を備える。これは、例えば、単一材料の基本単繊維又は単一材料の層のような仮定される最も単純な構造である。第2の構造変形により、いずれの補強要素も、少なくとも2つの構成要素を有する複合構造を備える。それは、例えば、複数の基本単繊維を備えるアセンブリ、又は第1の材料の第1の層と第2の材料の第2の層とのアセンブリのような少なくとも2つの要素のアセンブリから構成される構造である。
補剛要素を構成する1又は複数の材料に関して、第1の構成変形では、いずれの補剛要素も単一材料を備える:例えば、単一材料の基本単繊維、又は同じ材料の複数の基本単繊維を備えるアセンブリ。第2の構成変形では、いずれの補剛要素も、少なくとも2つの材料を備える。この場合に、材料の観点から複合構造を備える:例えば、第1の材料の単繊維と、第1の材料とは異なる第2の材料の単繊維とを備えるアセンブリ、又はポリマー母材内に埋め込まれた単繊維又は単繊維のアセンブリを備える層。
非常に有利な実施形態では、上記又は各補剛要素は糸線補剛要素であり、好ましくは布地糸線補剛要素である。補強糸線要素は好ましくは同一であり、すなわち、同じ幾何学的特性を有し、同一材料から構成される。
これらの糸線補剛要素は、通常はステーと呼ばれる。糸線補剛要素を使用する利点は、低重量で低ヒステリシスの補剛構造を発生させることである。同一の補強糸線要素を使用することにより、補剛要素間に力の均一な分配が可能になる。
糸線である場合に、各糸線補剛要素は、好ましくは布地である。布地とは、各糸線補強素が非金属であることを意味し、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリケトン、ポリビニルアルコール、セルロース、鉱物繊維、天然繊維、エラストマー材料又はそれらの材料の混合物から選択される材料で作られる。ポリエステルに対しては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PBN(ポリブチレンナフタレート)、PPT(ポリプロピレンテレフタレート)、PPN(ポリプロピレンナフタレート)が挙げられよう。ポリアミドに対しては、4-6,6,6-6ポリアミド(ナイロン),11又は12のような脂肪族ポリアミド、及びアラミドのような芳香族ポリアミドが挙げられよう。材料は、ポリエステル又は脂肪族ポリアミドであることが好ましい。
例えば、各布地糸線補剛要素は、捻転された又は捻転されていない1又は2以上の基本単繊維を備える布地アセンブリである。従って、一実施形態では、基本単繊維が実質的に互いに平行であるアセンブリがある場合がある。別の実施形態では、同じく基本単繊維が螺旋状に巻き付けられたアセンブリもある場合がある。更に別の実施形態では、各糸線補剛要素は、基本単繊維を備える。各基本単繊維は、5μmから0.80mmまでの直径を有する。
第1の変形では、各布地糸線補剛要素は、各々が5μmから20μmまでの直径を有する複数の単繊維を備える1又は2以上の多繊維プライを備える。この第1の変形では、各多繊維プライの単繊維数は、一般的に100から10000までになる。この第1の変形による布地糸線補剛要素の単繊維間に存在する毛細管を通じた膨張ガスの漏れを抑制するために、有利は、各布地糸線補剛要素を例えば当業者に公知の1又は2以上のポリマー組成物で被覆してその毛細管を塞ぐようにすることができる。第2の変形では、各布地糸線補剛要素は、螺旋状に巻き付けられて各々が0.10mmから0.80mmまでの直径を有する複数の単繊維を備える多繊維プライを備える。この第2の変形では、単繊維の数は一般的に2から10までである。この第2の変形では、単繊維間の毛細管数が少ないので、布地糸線補剛要素を被覆することは、勿論想定することができるとしても、有用性がない。
各布地糸線補剛要素は、従来、例えば、RFLタイプの接着剤又は文書WO2013/017422、WO2017/168107に説明されているような少なくとも1つの水性粘着剤で被覆されている。
別の実施形態では、各糸線補剛要素は金属製であり、例えば、金属単繊維のアセンブリであり、各金属単繊維は通常50μm未満であり、例えば、10μmである。一実施形態では、各糸線補剛要素は、複数の金属単繊維から構成されるアセンブリを備える。別の実施形態では、各糸線補剛要素は金属単繊維を備える。
比較的簡単な方法を使用してタイヤの製造を可能にする変形では、糸線補剛要素は、トーラス状キャビティ内を側壁又はビードからクラウンまでタイヤの周方向と絶対値で85°から90°までの角度を形成する主方向に連続的に延びることが有利である。より複雑な方法を使用してタイヤの製造を可能にするが周方向剛性の増大を可能にする別の変形例では、特にWO2020/128225に説明されるように、上記又は各糸線補剛要素は、トーラス状キャビティ内を側壁又はビードからクラウンまでタイヤの周方向と絶対値で45°から75°までの角度を形成する主方向に延びる。
一実施形態では、上記又は各半径方向内側補強構造及び/又は上記又は各半径方向外側補強構造は、タイヤの周方向と10°よりも小さいか又はそれに等しい、好ましくは5°よりも小さいか又はそれに等しい、より好ましくは実質的にゼロの角度を形成する主方向に延びる少なくとも1つの糸線補剛要素を備える。
タイヤが旋回軸線の周りに実質的にトーラス状を有するので、半径方向内側補強構造の糸線補剛要素は、任意的に、旋回軸線の周りに最大で完全2巻回にわたって、好ましくは最大で1つの完全巻回にわたって周方向に巻き付けられる。
従って、半径方向内側補強構造の糸線補強要素は、自由端のないリングであると想定することができ、それは、これら糸線補強要素が、例えば、スリーブによって当接接合されるから又はこのリングが一体構造であるからである。半径方向内側補強構造の糸線補強要素に2つの自由端を持たせることも想定することができる。
半径方向内側円形構造の糸線補強要素は、好ましくは金属製である。一部の実施形態では、それによって有利なことに、周方向補強要素を製造するのに使用されるものと同一の金属糸線補強要素を使用することが可能になる。
一実施形態では、タイヤが旋回軸線の周りに実質的にトーラス状を有するので、上記又は各半径方向外側補強構造の糸線補強要素は、旋回軸線の周りに少なくとも2つの完全巻回にわたって最大で10個の完全巻回にわたって周方向に巻き付けられる。
従って、半径方向内側補強構造の糸線補強要素と同様に、半径方向外側補強構造の糸線補強要素も自由端のないリングであると想定することができ、それは、これら糸線補強要素が、例えば、スリーブによって当接接合されるから又はリングが一体構造であるからである。半径方向外側補強構造の糸線補強要素に2つの自由端を持たせることも想定することができる。
半径方向外側円形構造の糸線補強要素は布地構造である。それにより、クラウンの局所的な剛性化を回避することができる。従って、半径方向外側円形構造の糸線補強要素が金属製である状況とは対照的に、トレッドの正しい平坦化が維持される。比較的低い熱収縮を示す布地糸線補強要素が好ましい。
上記又は各補強要素は、任意的に、少なくとも部分的に上記又は各糸線補強要素の周りに巻き付けられる。
糸線補強要素の周りに少なくとも部分的に巻き付けられるので、補強要素がトーラス状キャビティを延びる方向は、側壁又はビードとクラウンとでは補強要素が延びる方向と共線ではない。
第4の実施形態では、補剛構造は、少なくとも1つの軸線方向内側固着補剛要素と、少なくとも1つの軸線方向外側固着補剛要素とを備え、内側及び外側の軸線方向固着補剛要素の各々は、側壁の少なくとも1つ及び/又はビードの少なくとも1つからクラウンまでトーラス状キャビティ内で連続的に延びており、
上記又は各軸線方向内側固着補剛要素は、
-側壁の1つ及び/又はビードの1つに配置された上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の半径方向内側固着補強構造であって、この側壁及び/又はこのビードとタイヤの正中面の同じ側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別される上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の半径方向内側固着補強構造と、
-クラウン内に配置された上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の少なくとも1つの半径方向外側固着補強構造と、
に又はその周りに固着され、
上記又は各軸線方向内側固着補剛要素は、
-上記又は各軸線方向内側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の半径方向内側固着補強構造に又はその周りに固着される半径方向内側固着点と、
-上記又は各軸線方向内側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の1又は2以上の半径方向外側固着補強構造に又はその周りに固着される半径方向外側固着点と、
の間をトーラス状キャビティ内で延びる部分を備え、
上記又は各軸線方向外側固着補剛要素は、
-上記又は各軸線方向内側固着補剛要素が固着される半径方向内側補強構造と同じ側壁及び/又は同じビードに配置された上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の半径方向内側固着補強構造であって、この側壁及び/又はこのビードとタイヤの正中面の同じ側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別される上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の半径方向内側固着補強構造と、
-クラウン内に配置された上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の少なくとも1つの半径方向外側固着補強構造と、
に又はその周りに固着され、
上記又は各軸線方向外側固着補剛要素は、
-上記又は各軸線方向外側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の半径方向内側固着補強構造に又はその周りに固着される半径方向内側固着点と、
-上記又は各軸線方向外側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の1又は2以上の半径方向外側固着補強構造に又はその周りに固着される半径方向外側固着点と、
の間をトーラス状キャビティ内で延びる部分を備え、
上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の半径方向外側固着点は、上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の半径方向外側固着点に対して軸線方向内側に配置される。
内側又は外側固着補剛要素という表現は、クラウン内の各補強要素の半径方向外側固着点に関する軸線方向オフセットの理由で使用される。従って、ある補剛要素に対して、それが軸線方向外側固着補剛要素であるというのは、クラウン内のその固着点が、クラウン内の固着点が軸線方向にタイヤの正中面に近い別の軸線方向内側固着補剛要素よりも軸線方向にタイヤの正中面から遠いからである。
半径方向外側固着点は、タイヤの正中面の同じ側にあることが好ましい。
第4の実施形態の変形では、上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の半径方向内側固着点と、上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の半径方向内側固着点とは、半径方向及び軸線方向では同じ周方向線上に位置合わせされる。第4の実施形態の別の変形では、以下に説明する第5実施形態で想定されるように、上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の半径方向内側固着点と、上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の半径方向内側固着点とは、互いに対して半径方向にオフセットする。
第4の実施形態の変形では、上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の各半径方向内側及び外側の固着点は、上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の各半径方向内側及び外側の固着点と同じ子午断面にある。第4の実施形態の別の変形では、上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の各半径方向内側及び外側の固着点は、上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の各半径方向内側及び外側の固着点とは異なる子午断面にある。
第4の実施形態の一構成では、上記又は各軸線方向内側固着補剛要素は、
-第1の側壁及び/又は第1のビードにある上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の第1の半径方向内側固着補強構造であって、第1の側壁及び/又は第1のビードとタイヤの正中面の同じ第1の側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別される上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の第1の半径方向内側固着補強構造と、
-クラウンにある上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の少なくとも1つの半径方向外側固着補強構造と、
-タイヤの正中面に対して第1の側壁及び/又は第1のビードの他方側に位置する第2の側壁及び/又は第2のビードにある上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の第2の半径方向内側固着補強構造であって、第2の側壁及び/又は第2のビードとタイヤの正中面の同じ第2の側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別される上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の第2の半径方向内側固着補強構造と、
に又はその周りに固着され、そのために、
上記又は各軸線方向内側補強要素は、第1の側壁及び/又は第1のビードから第2の側壁及び/又は第2のビードまでクラウン内を連続的に延び、
上記又は各軸線方向内側固着補剛要素は、
-トーラス状キャビティ内で延びる第1の部分であって、
-上記又は各軸線方向内側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の第1の半径方向内側固着補強構造に又はその周りに固着される第1の半径方向内側固着点と、
-上記又は各軸線方向内側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の1又は2以上の半径方向外側固着補強構造に又はその周りに固着される第1の半径方向外側固着点と、の間をトーラス状キャビティ内で延びる上記第1の部分と、
-トーラス状キャビティ内で延びる第2の部分であって、
-上記又は各軸線方向内側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の第2の半径方向内側固着補強構造に又はその周りに固着される第2の半径方向内側固着点と、
-上記又は各軸線方向内側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の1又は2以上の半径方向外側固着補強構造に又はその周りに固着される第2の半径方向外側固着点と、
の間をトーラス状キャビティ内で延びる上記第2の部分とを有し、
上記又は各軸線方向外側固着補剛要素は、
-第1の側壁及び/又は第1のビードにある上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の第1の半径方向内側固着補強構造であって、第1の側壁及び/又は第1のビードとタイヤの正中面の同じ第1の側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別される上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の第1の半径方向内側固着補強構造と、
-クラウンにある上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の少なくとも1つの半径方向外側固着補強構造と、
-タイヤの正中面に対して第1の側壁及び/又は第1のビードの他方側に位置する第2の側壁及び/又は第2のビードにある上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の第2の半径方向内側固着補強構造であって、第2の側壁及び/又は第2のビードとタイヤの正中面の同じ第2の側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別される上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の第2の半径方向内側固着補強構造と、
に又はその周りに固着され、そのために、
上記又は各軸線方向外側補強要素は、第1の側壁及び/又は第1のビードから第2の側壁及び/又は第2のビードまでクラウン内を連続的に延び、
上記又は各軸線方向外側固着補剛要素は、
-トーラス状キャビティ内で延びる第1の部分であって、
-上記又は各軸線方向外側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の第1の半径方向内側固着補強構造に又はその周りに固着される第1の半径方向内側固着点と、
-上記又は各軸線方向外側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の1又は2以上の半径方向外側固着補強構造に又はその周りに固着される第1の半径方向外側固着点と、
の間をトーラス状キャビティ内で延びる上記第1の部分と、
-トーラス状キャビティ内で延びる第2の部分であって、
-上記又は各軸線方向外側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の第2の半径方向内側固着補強構造に又はその周りに固着される第2の半径方向内側固着点と、
-上記又は各軸線方向外側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の1又は2以上の半径方向外側固着補強構造に又はその周りに固着される第2の半径方向外側固着点と、
の間をトーラス状キャビティ内で延びる上記第2の部分とを備え、
上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の第1及び第2の半径方向外側固着点の各々は、上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の第1及び第2の半径方向外側固着点の各々に対して軸線方向内側に配置される。
第4の実施形態の構成に関わらず、変形では、上記又は各軸線方向内側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側固着点の各々と、上記又は各軸線方向外側固着補剛要素に関する第1及び第2の第1の半径方向内側固着点の各々とは、それぞれ半径方向では同じ周方向線上に位置合わせされる。別の変形では、以下に説明する第5実施形態で想定されるように、上記又は各軸線方向内側固着補剛要素に関する第1及び第2の第1の半径方向内側固着点の各々と、上記又は各軸線方向外側固着補剛要素に関する第1及び第2の第1の半径方向内側固着点の各々とは、それぞれ互いに対して半径方向にオフセットする。
第4の実施形態の構成に関わらず、変形では、上記又は各軸線方向内側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側及び外側の固着点の各々は、上記又は各軸線方向外側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側及び外側の固着点の各々と同じ子午断面にある。別の変形では、上記又は各軸線方向内側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側及び外側の固着点の各々は、上記又は各軸線方向外側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側及び外側の固着点の各々とは異なる子午断面にある。
上記又は各軸線方向内側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側固着補強構造の各々は、それぞれ上記又は各軸線方向外側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側固着補強構造の各々であることが非常に有利である。これに代えて、上記又は各軸線方向内側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側固着補強構造の各々は、上記又は各軸線方向外側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側固着補強構造と別々である。
非常に有利なことに、上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の半径方向外側固着補強構造は、上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の半径方向外側固着補強構造である。これに代えて、上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の半径方向外側固着補強構造は、上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の半径方向外側固着補強構造である。
第5実施形態では、補剛構造は、少なくとも1つの半径方向内側固着補剛要素と、少なくとも1つの半径方向外側固着補剛要素とを備え、半径方向内側及び外側の固着補剛要素の各々は、側壁の少なくとも1つ及び/又はビードの少なくとも1つからクラウンまでトーラス状キャビティ内で連続的に延びており、
上記又は各半径方向内側固着補剛要素は、
-側壁の1つ及び/又はビードの1つにある上記又は各半径方向内側固着補剛要素の半径方向内側固着補強構造であって、この側壁及び/又はこのビードとタイヤの正中面の同じ側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別される上記又は各半径方向内側固着補剛要素の半径方向内側固着補強構造と、
-クラウンにある上記又は各半径方向内側固着補剛要素の少なくとも1つの半径方向外側固着補強構造と、
に又はその周りに固着され、
上記又は各半径方向内側固着補剛要素は、
-上記又は各半径方向内側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各半径方向内側固着補剛要素の半径方向内側固着補強構造に又はその周りに固着される半径方向内側固着点と、
-上記又は各半径方向内側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各半径方向内側固着補剛要素の1又は2以上の半径方向外側固着補強構造に又はその周りに固着される半径方向外側固着点と、
の間をトーラス状キャビティ内で延びる部分を備え、
上記又は各半径方向外側固着補剛要素は、
-上記又は各半径方向内側固着補剛要素が固着される半径方向内側補強構造と同じ側壁及び/又は同じビードにある上記又は各半径方向外側固着補剛要素の半径方向内側固着補強構造であって、この側壁及び/又はこのビードとタイヤの正中面の同じ側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別される上記又は各半径方向外側固着補剛要素の半径方向内側固着補強構造と、
-クラウンにある上記又は各半径方向外側固着補剛要素の少なくとも1つの半径方向外側固着補強構造と、
に又はその周りに固着され、
上記又は各半径方向外側固着補剛要素は、
-上記又は各半径方向外側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各半径方向外側固着補剛要素の半径方向内側固着補強構造に又はその周りに固着される半径方向内側固着点と、
-上記又は各半径方向外側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の1又は2以上の半径方向外側固着補強構造に又はその周りに固着される半径方向外側固着点と、
の間をトーラス状キャビティ内で延びる部分を備え、
上記又は各半径方向内側固着補剛要素の半径方向内側固着点は、上記又は各半径方向外側固着補剛要素の半径方向内側固着点に対して半径方向内側に配置される。
半径方向内側及び外側固着補剛要素という表現は、各側壁及び/又は各ビードにある各補強要素の半径方向内側固着点の半径方向オフセットに起因して使用されている。従って、ある補強要素を半径方向外側固着補剛要素と呼ぶのは、各側壁及び/又は各ビードにあるその固着点が、クラウンにある固着点が半径方向にタイヤの回転軸線に近い別の半径方向内側固着補剛要素よりも半径方向にタイヤの回転軸線から遠いからである。
半径方向外側固着点は、タイヤの正中面の同じ側にあることが好ましい。
第5実施形態の変形では、上記又は各軸線方向内側固着補剛要素の半径方向外側固着点と、上記又は各軸線方向外側固着補剛要素の半径方向外側固着点とは、半径方向及び軸線方向では同じ周方向線上に位置合わせされる。第5実施形態の別の変形では、上述の第4の実施形態で想定されるように、上記又は各半径方向内側固着補剛要素の半径方向外側固着点と、上記又は各半径方向外側固着補剛要素の半径方向外側固着点とは、互いに対して軸線方向にオフセットする。
第5実施形態の変形では、上記又は各半径方向内側固着補剛要素に関する半径方向内側及び外側の固着点の各々は、上記又は各半径方向外側固着補剛要素に関する半径方向内側及び外側の固着点の各々と同じ子午断面にある。第5実施形態の別の変形では、上記又は各半径方向内側固着補剛要素に関する半径方向内側及び外側の固着点の各々は、上記又は各半径方向外側固着補剛要素に関する第1の内側及び外側の固着点の各々とは異なる子午断面にある。
第5実施形態の一構成では、上記又は各半径方向内側固着補剛要素は、
-第1の側壁及び/又は第1のビードにある上記又は各半径方向内側固着補剛要素の第1の半径方向内側固着補強構造であって、第1の側壁及び/又は第1のビードとタイヤの正中面の同じ第1の側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別される上記又は各半径方向内側固着補剛要素の第1の半径方向内側固着補強構造と、
-クラウンにある上記又は各半径方向内側固着補剛要素の少なくとも1つの半径方向外側固着補強構造と、
-タイヤの正中面に対して第1の側壁及び/又は第1のビードの他方側に位置する第2の側壁及び/又は第2のビードにある上記又は各半径方向内側固着補剛要素の第2の半径方向内側固着補強構造であって、第2の側壁及び/又は第2のビードとタイヤの正中面の同じ第2の側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別される上記又は各半径方向内側固着補剛要素の第2の半径方向内側固着補強構造と、
に又はその周りに固着され、そのために、
上記又は各半径方向内側固着補剛要素は、第1の側壁及び/又は第1のビードから第2の側壁及び/又は第2のビードまでクラウン内を連続的に延び、
上記又は各半径方向内側固着補剛要素は、
-トーラス状キャビティ内で延びる第1の部分であって、
-上記又は各半径方向内側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各半径方向内側固着補剛要素の第1の半径方向内側固着補強構造に又はその周りに固着される第1の半径方向内側固着点と、
-上記又は各半径方向内側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各半径方向内側固着補剛要素の1又は2以上の軸線方向外側固着補強構造に又はその周りに固着される第1の半径方向外側固着点と、
の間をトーラス状キャビティ内で延びる上記第1の部分と、
-トーラス状キャビティ内で延びる第2の部分であって、
-上記又は各半径方向内側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各半径方向内側固着補剛要素の第2の半径方向内側固着補強構造に又はその周りに固着される第2の半径方向内側固着点と、
-上記又は各半径方向内側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各半径方向内側固着補剛要素の1又は2以上の半径方向外側固着補強構造に又はその周りに固着される第2の半径方向外側固着点と、
の間をトーラス状キャビティ内で延びる上記第2の部分とを備え、
上記又は各半径方向外側固着補剛要素は、
-第1の側壁及び/又は第1のビードにある上記又は各半径方向外側固着補剛要素の第1の半径方向内側固着補強構造であって、第1の側壁及び/又は第1のビードとタイヤの正中面の同じ第1の側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別される上記又は各半径方向外側固着補剛要素の第1の半径方向内側固着補強構造と、
-クラウンにある上記又は各半径方向外側固着補剛要素の少なくとも1つの半径方向外側固着補強構造と、
-タイヤの正中面に対して第1の側壁及び/又は第1のビードの他方側に位置する第2の側壁及び/又は第2のビードにある上記又は各半径方向外側固着補剛要素の第2の半径方向内側固着補強構造であって、第2の側壁及び/又は第2のビードとタイヤの正中面の同じ第2の側に位置する上記又は各周方向補強要素から区別される上記又は各半径方向外側固着補剛要素の第2の半径方向内側固着補強構造と、
に又はその周りに固着され、そのために、
上記又は各半径方向外側補強要素は、第1の側壁及び/又は第1のビードから第2の側壁及び/又は第2のビードまでクラウン内を連続的に延び、
上記又は各半径方向外側固着補剛要素は、
-トーラス状キャビティ内で延びる第1の部分であって、
-上記又は各半径方向外側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各半径方向外側固着補剛要素の第1の半径方向内側固着補強構造に又はその周りに固着される第1の半径方向内側固着点と、
-上記又は各半径方向外側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各半径方向外側固着補剛要素の1又は2以上の半径方向外側固着補強構造に又はその周りに固着される第1の半径方向外側固着点と、
の間をトーラス状キャビティ内で延びる上記第1の部分と、
-トーラス状キャビティ内で延びる第2の部分であって、
-上記又は各半径方向外側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各半径方向外側固着補剛要素の第2の半径方向内側固着補強構造に又はその周りに固着される第2の半径方向内側固着点と、
-上記又は各半径方向外側固着補剛要素が内面を通過して上記又は各半径方向外側固着補剛要素の1又は2以上の半径方向外側固着補強構造に又はその周りに固着される第2の半径方向外側固着点と、
の間をトーラス状キャビティ内で延びる上記第2の部分とを備え、
上記又は各半径方向内側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側固着点の各々は、上記又は各半径方向外側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側固着点の各々に対して半径方向内側に配置される。
第5実施形態の構成に関わらず、変形では、上記又は各半径方向内側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向外側固着点の各々と、上記又は各半径方向外側固着補剛要素に関する第1及び第2の第1の半径方向外側固着点の各々とは、それぞれ軸線方向では同じ周方向線上に位置合わせされる。別の変形では、上記で説明した第4の実施形態で想定されるように、上記又は各半径方向内側固着補剛要素に関する第1及び第2の第1の半径方向外側固着点の各々と、上記又は各半径方向外側固着補剛要素に関する第1及び第2の第1の半径方向外側固着点の各々とは、それぞれ互いに対して軸線方向にオフセットする。
第5実施形態の構成に関わらず、変形では、上記又は各半径方向内側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側及び外側の固着点の各々は、上記又は各半径方向外側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側及び外側の固着点の各々と同じ子午断面にある。別の変形では、上記又は各半径方向内側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側及び外側の固着点の各々は、上記又は各半径方向外側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側及び外側の固着点の各々とは異なる子午断面にある。
上記又は各半径方向内側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側固着補強構造の各々は、上記又は各半径方向外側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側固着補強構造の各々であることが非常に有利である。これに代えて、上記又は各半径方向内側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側固着補強構造の各々は、上記又は各半径方向外側固着補剛要素に関する第1及び第2の半径方向内側固着補強構造の各々から区別される。
上記又は各半径方向内側固着補剛要素の半径方向外側固着補強構造は、上記又は各半径方向外側固着補剛要素の半径方向外側固着補強構造であることが非常に有利である。これに代えて、上記又は各半径方向内側固着補剛要素の半径方向外側固着補強構造は、上記又は各半径方向外側固着補剛要素の半径方向外側固着補強構造である。
第4の及び第5の実施形態を組み合わせてクラウン及び各側壁及び/又は各ビードでの固着を区別し、半径方向及び軸線方向内側補強要素、又は半径方向及び軸線方向外側補強要素、又は半径方向内側及び軸線方向外側補強要素、又は半径方向外側及び軸線方向内側補強要素を有することができることに注意されたい。
上記又は各半径方向内側補強構造及び/又は上記又は各半径方向外側補強構造に関する別の変形では、上記又は各半径方向内側補強構造及び/又は上記又は各半径方向外側補強構造は、織布、編地、又は不織布を備え、好ましくは織布又は編地を備える。
上記又は各補強要素は、好ましくは織布、編地、又は不織布を通過し、好ましくは、上記又は各半径方向内側補強構造及び/又は上記又は各半径方向外側補強構造の織布又は編地を通過する。
上記又は各半径方向内側補強構造の更に別の変形では、タイヤは、各ビードに固着されて各側壁内を延びるカーカス補強体を備え、上記又は各半径方向内側補強構造は、側壁及び/又はビード内を半径方向に延びるカーカス補強体の一部分を備える。
上記又は各半径方向外側補強構造の更に別の変形では、タイヤは、クラウン内を軸線方向に延びるカーカス補強体を備え、上記又は各半径方向外側補強構造は、クラウン内を軸線方向に延びるカーカス補強体の一部分を備える。
すなわち、一実施形態では、カーカス補強体は、カーカス糸線補強要素を備え、上記又は各補剛要素は、側壁及び/又はビード及び/又はクラウンを軸線方向に延びるカーカス補強体の部品のカーカス糸線補強要素の1又は2以上の周りに少なくとも部分的に巻き付けられる。
ここまでの一般的な説明に続き、本発明は、単に非限定的な例として図面に関連して与えられる以下の詳細説明を読めばより良く理解されるであろう。
図1A、1B、1Cを備えて第1の実施形態によるタイヤを示し、図1Aは、タイヤの回転軸線に平行な子午断面での図であり、図1B及び1Cは、タイヤの内部を異なる方向から見た図である。 クラウン内の糸線補強要素の配置を示す図1のタイヤの切り欠き図である。 図1のタイヤに関する補剛構造の配置を示す図である。 図1AのゾーンIVの詳細図である。 図1AのゾーンVの詳細図である。 第2の実施形態によるタイヤに関する図1Aと類似の図である。 第3の実施形態によるタイヤに関する図1Aと類似の図である。 第4の実施形態によるタイヤに関する図1Aと類似の図である。 第5の実施形態によるタイヤに関する図1Aと類似の図である。 第6の実施形態によるタイヤに関する図1Aと類似の図である。 第6実施形態による図10のタイヤに関する図3と類似の図である。 第6実施形態による図10のタイヤに関する図4と類似の図である。 第6実施形態による図10のタイヤに関する図5と類似の図である。 第7実施形態によるタイヤに関する図1Aと類似の図である。 横力Fを受けた図1Aのタイヤに関するタイヤの回転軸線に平行な子午断面図である、 本発明に準拠しない対照タイヤに関するタイヤの回転軸線に平行な子午断面図である、 横力Fを受けた図1Aのタイヤに関するタイヤの接地面の図である。 本発明に準拠しない対照タイヤに関するタイヤの接地面の図である。 図19A及び19Bを備える第1の実施形態によるタイヤを製造するためのツール及び方法を示す図である。 図19A及び19Bを備える第1の実施形態によるタイヤを製造するためのツール及び方法を示す図である。 図20A及び20Bを備える第1の実施形態によるタイヤを製造するためのツール及び方法を示す図である。 図20A及び20Bを備える第1の実施形態によるタイヤを製造するためのツール及び方法を示す図である。 第1の実施形態によるタイヤを製造するためのツール及び方法を示す図である。 図22A~22Fを備える第1の実施形態によるタイヤを製造するためのツール及び方法を示す図である。 図22A~22Fを備える第1の実施形態によるタイヤを製造するためのツール及び方法を示す図である。 図22A~22Fを備える第1の実施形態によるタイヤを製造するためのツール及び方法を示す図である。 図22A~22Fを備える第1の実施形態によるタイヤを製造するためのツール及び方法を示す図である。 図22A~22Fを備える第1の実施形態によるタイヤを製造するためのツール及び方法を示す図である。 図22A~22Fを備える第1の実施形態によるタイヤを製造するためのツール及び方法を示す図である。
タイヤに関する図では、タイヤの通常の軸線方向(Y)、半径方向(Z)、及び周方向(X)にそれぞれ対応する軸線X、Y、Zの系を表している。
本発明に準拠し、かつ一般参照番号10で指定されるタイヤは、図1A、1B、1Cに表されている。タイヤ10は、軸線方向Yと実質的に平行な回転軸線の周りに実質的にトーラス状を有する。タイヤ10は、乗用車向けであり、寸法275/35ZR19を有する。様々な図では、タイヤ10は新品の状態、すなわち、まだ使用されていないものとして表している。
タイヤ10はクラウン12を備え、クラウン12は、転がる時に地面と接触するように意図されたトレッド14と、クラウン12内を周方向Xに延びるクラウン補強体16とを含む。タイヤ10はまた、膨張ガスに対して気密な層18を含む。
クラウン補強体16は、作動補強体20と包装補強体22とを備える。作動補強体20は、少なくとも1つの作動層を備え、ここでは2つの作動層24、26を備える。この例では、作動補強体20は、2つの作動層24、26から構成される。半径方向内側作動層24は、半径方向外側作動層26の半径方向内側に配置される。
包装補強体22は、少なくとも1つの包装層を備え、ここでは1つの包装層28を備える。ここでは、包装補強体22は、包装層28を備える。
クラウン補強体16は、トレッド14を半径方向に載せている。この場合に、包装補強体22、ここでは包装層28は、作動補強体20の半径方向外側に配置され、従って、作動補強体20とトレッド14との半径方向間に挟まれている。
タイヤ10は、クラウン12を半径方向内方に延びる第1及び第2の側壁30A、30Bを備える。第2の側壁30Bは、第1の側壁30Aに対して正中面Mの反対側に位置する。タイヤ10は、更に、各第1及び第2の側壁30A、30Bを半径方向内方にそれぞれ延びる第1及び第2のビード32A、32Bを含む。第2のビード32Bは、第1のビード32Aに対して正中面Mの反対側に位置する。第1及び第2の側壁30A、30Bの各々は、各第1及び第2のビード32A、32Bをそれぞれクラウン12に結合させる。タイヤ10の膨張ガスと触れることを意図した内面33は、タイヤのトーラス状膨張キャビティ35を定める。ここでは、内面33を気密層18が担っている。第1及び第2のビード32A、32Bの各々は、それぞれに第1及び第2の周方向補強要素40A、40Bを備え、ここではタイヤ10をタイヤ10の装着支持体、例えば、リムへの取り付けを可能にするビードワイヤを備える。
タイヤ10は、第1及び第2のビード32A、32Bのそれぞれの中に固着されたこの事例では第1及び第2の周方向補強要素40A、40Bの周りに巻き付けられたカーカス補強体34を備える。カーカス補強体34は、各側壁30では半径方向にクラウン12では軸線方向クラウン補強体16の半径方向内側を延びる。クラウン補強体16は、トレッド14とカーカス補強体34との半径方向間に配置される。カーカス補強体34は、少なくとも1つのカーカス層を備え、ここではただ1つのカーカス層36を備える。この事例では、カーカス補強体34はただ1つのカーカス層36から構成される。
作動層24、26の各々、すなわち、包装層28及びカーカス層36は、対応する層の1又は2以上の糸線補強要素が埋め込まれたエラストマー母材を備える。これらの層に対しては、次に図2を参照して説明する。
包装補強体22、ここでは包装層28は、包装補強体22の2つの軸線方向縁部28A、28Bによって軸線方向に区切られる。包装補強体22は、各包装糸線補強要素280の主方向D0では、包装層28の軸線方向縁部28Aから他方の軸線方向縁部28Bまで軸線方向に延びるように周方向に螺旋状に巻き付けられた1又は2以上の包装糸線補強要素280を備える。主方向D0は、タイヤ10の周方向Xと絶対値で10°よりも小さいか又はそれに等しい、好ましくは7°よりも小さいか又はそれに等しい、より好ましくは5°よりも小さいか又はそれに等しい角度AFを成す。ここでは、AF=-5°である。
半径方向内側作動層24は、2つの軸線方向縁部24A、24Bによって軸線方向に区切られる。半径方向内側作動層24は、軸線方向縁部24Aから他方の軸線方向縁部24Bまで主方向D1へ互いに実質的に平行に軸線方向に延びる作動糸線補強要素240を備える。同様に、半径方向外側作動層26は、2つの軸線方向縁部26A、26Bによって軸線方向に区切られる。半径方向外側作動層26は、軸線方向縁部26Aから他方の軸線方向縁部26Bまで主方向D2へ互いに実質的に平行に軸線方向に延びる作動糸線補強要素260を備える。半径方向内側作動層24の各作動糸線補強要素240が延びる主方向D1と、他方の半径方向外側作動層26の各作動糸線補強要素260が延びる主方向D2とは、タイヤ10の周方向Xとそれぞれ逆向きの角度AT1及びAT2を成す。各主方向D1、D2は、それぞれ、タイヤ10の周方向Xと、絶対値で厳密には10°より大きい、好ましくは15°から50°まで、より好ましくは20°から35°までの角度AT1、AT2を成す。ここでは、AT1=-26°、AT2=+26°である。
カーカス層36は、2つの軸線方向縁部36A、36Bによって軸線方向に区切られる。カーカス層36は、その軸線方向縁部36Aから他方の軸線方向縁部36Bまでタイヤ10の周方向Xと角度ACを成す主方向D3へ軸線方向に延びるカーカス糸線補強要素340を備え、角度ACは、絶対値で60°以上、好ましくは80°から90°までであり、ここではAC=+90°である。
各包装糸線補強要素280は、従来、脂肪族ポリアミド単繊維プライ、ここでは140texに対応する番手のナイロンから構成される多繊維プライと、芳香族ポリアミド単繊維プライ、ここでは167texに対応する番手のアラミドから構成される多繊維プライとを備える2つの多繊維プライを備え、これら2枚の多繊維プライは、有利には一方向に1m当たり290巻回で巻き付けられ、次に反対方向に1m当たり290巻回で互いに巻き付けられる。これら2つの多繊維プライは、互いに螺旋状に巻き付けられる。勿論、当業者に公知のあらゆる他の包装糸線補強要素も使用可能である。
各作動糸線補強要素240、260は、最初は無限ピッチで螺旋状に巻き付けられた2つの鋼製単繊維の内層と、最初は一方向に14.3mmのピッチで螺旋状に巻き付けられた2つの鋼製単繊維の外層とを備える4つの鋼製単繊維のアセンブリであり、4本の単繊維は、その後に反対方向に14.3mmのピッチで巻き付けられ、各鋼製単繊維は直径が0.26mmに等しい。別の変形では、各作動糸線補強要素240、260は、直径が0.30mmに等しい鋼製単繊維から構成される。更に別の変形では、各作動糸線補強要素は、直径が0.30mmに等しく、螺旋状に互いに巻き付けられた2つの単繊維のアセンブリである。より一般的には、鋼製単繊維は、0.25mmから0.32mmまでの直径を有する。勿論、当業者に公知のあらゆる他の作動糸線補強要素も使用可能である。
各カーカス糸線補強要素340は、従来、2つの多繊維プライを備え、各多繊維プライがポリエステルのここではPETの単繊維プライを備え、これら2つの多繊維プライは、個々に一方向に1m当たり270巻回で螺旋状に巻き付けられた後で反対方向に1m当たり240巻回で螺旋状に互いに巻き付けられる。これら多繊維ストランドの各々は、番手が334texに等しい。別の変形では、144texに等しい番手と1m当たり420巻回に等しい捻転、又は220texに等しい番手と1m当たり270巻回に等しい捻転を使用することができる。
図1A、1B、及び1Cを参照すると、タイヤ10は、トーラス状キャビティ35内を連続的に延びる複数の補剛要素52を備える補剛構造50を備える。補剛要素52は、トーラス状キャビティ35内で周方向に分散配置される。補剛要素52は、好ましくは1度と5度の間(包含的)、より好ましくは1度と3度の間(包含的)の反復角度ピッチで周方向に分散配置される。その結果、タイヤ10の寸法に応じて、補剛構造50は、72個と360個の間の補剛要素52、好ましくは120個と360個の間の補剛要素52、ここでは240個の補剛要素52を有する。この補剛要素52の数により、以下で説明するように、一方でタイヤ10の有効な補強を得るために十分に高い補強要素の数と、他方でコア1000の構造を過度に弱める又はモールドからの抽出を複雑にすることなく対応する数の通路1500をコア1000に配置することができるほどに適度な補剛要素52の数との間で良好なトレードオフを達成することが可能になる。
各補剛要素52は布地糸線補強要素であり、この場合は3つのポリエステル、ここではPETの多繊維プライのアセンブリを備え、これら3つの多繊維プライは、個々に一方向に1m当たり220巻回で巻き付けられ、次に反対方向に1m当たり220巻回で互いに巻き付けられる。これら多繊維プライの各々は、番手が220texに等しい。
各糸線補剛要素52は、クラウン12内を第1の側壁30A及び/又は第1のビード32Aから第2の側壁30B及び/又は第2のビード32Bまで、ここではクラウン12内を第1の側壁30Aからの第2の側壁30Bまで連続的に延びる。各補剛要素52がトーラス状キャビティ35内で延びる主方向は、周方向Xと絶対値で85°から90°までの角度を形成する。
補剛構造50はまた、第1及び第2の側壁30A、30B、及び/又は第1及び第2のビード32A、32Bにそれぞれここでは第1及び第2の側壁30A、30Bの各々にそれぞれ半径方向内側第1及び第2の補強構造60A、60Bを備える。半径方向内側第1及び第2の補強構造60A、60Bの各々は、第1及び第2の側壁30A、30Bの各々と正中面の同じ側に位置する第1及び第2の周方向補強要素40A、40Bの各々とはそれぞれ別々である。この事例では、半径方向内側第1及び第2の補強構造60A、60Bの各々は、第1及び第2の周方向補強要素40A、40Bのそれぞれの半径方向外側にそれぞれ配置されている。
半径方向内側第1及び第2補強構造60A、60Bの各々は、ここでは、5mmのピッチで螺旋状に巻き付けられた4つの0.35mm金属基本単繊維の内層と、10mmのピッチで内層の周りに螺旋状に巻き付けられた0.35mm金属基本単繊維の外層とのアセンブリを備える、第1及び第2の金属糸線補強要素62A、62Bをそれぞれに備える。各糸線補強要素62A、62Bは、図3及び図4に見られるように、周方向Xと10°よりも小さいか又はそれに等しい、好ましくは5°よりも小さいか又はそれに等しい、ここでは実質的にゼロの角度を形成する主方向に延びる。第1及び第2の半径方向内側補強構造60A、60Bの各々に対して第1及び第2の糸線補強要素62A、62Bは、旋回軸線Yの周りに最大で完全2巻回にわたってここでは最大で1つの完全巻回にわたって周方向に巻き付けられる。
各補剛要素52の最適な固着を保証するために、第1及び第2の半径方向内側補強構造60A、60Bの各々は、伸張時及び屈曲時に比較的高い剛性を有する。更に、尚も各補剛要素52の固着を最適化するために、第1及び第2の半径方向内側補強構造60A、60Bの各々は、1又は2以上の好ましくはエラストマー材料の塊に埋め込まれ、10%伸張時のその公称割線弾性係数は、20MPa以上、好ましくは30MPa以上であり、ここでは56MPaに等しい。その測定は、フランス規格NF T 46-002(1988年9月)に準拠して行われる。試験片の初期断面に対して10%伸張時に計算される公称割線弾性係数(又はMPa単位での見かけの応力)は、2回目の伸張時(すなわち、受け入れ後)に測定される。この引張測定は、フランス規格NF T 40-101(1979年12月)に準拠して温度(23±2℃)及び相対湿度(50±5%)という通常条件の下で行われる。
補剛構造50は、更に、第1及び第2の半径方向外側補強構造70A、70Bをクラウン12内に備える。第1及び第2の半径方向外側補強構造70A、70Bは、タイヤ10の正中面Mの両側に軸線方向に、ここではタイヤ10の正中面Mに対して実質的に対称に配置されている。半径方向外側補強構造70A、70Bの各々は、カーカス補強体34の半径方向内側に配置される。
第1及び第2の半径方向外側補強構造70A、70Bは、それぞれ、この場合に、各々が芳香族ポリアミド単繊維プライ、ここでは330texに対応する番手のアラミドから構成される2つの多繊維プライと、脂肪族ポリアミド単繊維プライ、ここでは188texに対応する番手のナイロンから構成される1つの多繊維プライとのアセンブリを備える第1及び第2の布地糸線補強要素72A、72Bを備え、この多繊維プライの各々は、一方向に1m当たり270巻回で個々に螺旋状に巻き付けられ、次に反対方向に1m当たり270巻回で互いに螺旋状に巻き付けられる。これら3つの多繊維ストランドは、互いの周りに螺旋状に巻き付けられる。糸線補強要素72A、72Bの各々は、図3及び5に見られるように、周方向Xと10°よりも小さいか又はそれに等しい、好ましくは5°よりも小さいか又はそれに等しい、ここでは実質的にゼロの角度を形成する主方向に延びる。第1及び第2の半径方向外側補強構造70A、70Bの各々に対して第1及び第2の糸線補強要素72A、72Bは、旋回軸線Yの周りに、少なくとも完全2巻回かつ最大で10個の完全巻回にわたって、ここでは旋回軸線の周りに最大で完全4巻回にわたって周方向に巻き付けられる。
各補剛要素52の最適な固着を保証するために、第1及び第2の半径方向外側補強構造70A、70Bの各々は、比較的高い伸張時の剛性と、比較的低い屈曲時の剛性とを有し、クラウン12の過包囲を制限してトレッド14の平坦性を低減するリスクがないようにする。更に、尚も各補剛要素52の固着を最適化するために、第1及び第2の半径方向外側補強構造70A、70Bの各々は、1又は2以上の好ましくはエラストマー材料の塊に埋め込まれ、10%伸張時のその公称割線弾性係数は2.5MPa以上、好ましくは15MPa以下、より好ましくは10MPa以下、より好ましくは5MPa以下であり、ここでは3MPaに等しい。
各補剛要素52は、第1の半径方向内側補強構造60Aの周りで第1の側壁30Aの中に固着され、第2の半径方向内側補強構造60Bの周りで第2の側壁30Bの中に固着される。ここでは、各補剛要素52は、第1及び第2の糸線補強要素62A、62Bのそれぞれの周りに少なくとも部分的に巻き付けられる。各補剛要素52はまた、クラウン12で第1及び第2の半径方向外側補強構造70A、70Bのそれぞれの周りに固着される。ここでは、各補剛要素52は、第1及び第2の糸線補強要素72A、72Bのそれぞれの周りに少なくとも部分的に巻き付けられる。
各補剛要素52は、第1の半径方向内側補強構造60Aの周りで固着される第1の半径方向内側固着点54Aと、第1の半径方向外側補強構造70Aの周りで固着される第1の半径方向外側固着点56Aとで内面33を通過する。補剛要素52は、第2の半径方向内側補強構造60Bの周りで固着される第2の半径方向内側固着点54Bと、第2の半径方向外側補強構造70Bの周りで固着される第2の半径方向外側固着点56Bとで内面33を通過する。
従って、各補剛要素52は、各側壁30A、30Bにそれぞれ埋め込まれた部分521、522と、それぞれ第1の半径方向内側固着点54Aと第1の半径方向外側固着点56Aの間及び第2の半径方向内側固着点54Bと第2の半径方向外側固着点56Bの間をトーラス状キャビティ35内で延びる第1及び第2の部分523、524と、第1及び第2の部分523、524の間でクラウン12に埋め込まれた部分525とを備える。
各補剛要素の最適な固着を保証するために、各部分521、522は、比較的長い長さ、ここでは20mm以上の長さを有し、各半径方向内側補強構造60A、60Bの1mm以上の長さに結合される。
図1Aに描写するように、第1の半径方向外側固着点56Aは、正中面Mに対して第1の半径方向内側固着点54A及び第1の半径方向内側構造60Aと軸線方向で同じ側にある。第2の半径方向外側固着点56Bは、正中面Mに対して第2の半径方向内側固着点54B及び第2の半径方向内側構造60Bと軸線方向で同じ側にある。第1及び第2の半径方向内側固着点54A、54B、及び第1及び第2の半径方向外側固着点56A、56Bの各々は、第1及び第2の部分523、524がトーラス状キャビティ35内でクロスオーバーしないように配置される。
第1及び第2の半径方向外側固着点56A、56Bの各々は、タイヤ10の正中面Mから最大で0.45×SW、好ましくは0.05×SWから0.45×SWまでのそれぞれの軸線方向距離D1、D2にあり、SWはタイヤ10の公称断面幅である。公称断面幅は、ETRTO2020規格のマニュアルに定められた通りであり、特にタイヤ10の側壁30A、30Bの少なくとも一方に施されたマーキングにSW/ARαVUβの形で見ることができ、この場合に、SWは公称断面幅を指定し、ARは公称アスペクト比を指定し、αは構造を指定してR又はZRであり、Vは公称リム径を指定し、Uは荷重指数を指定し、βは速度定格を指定する。ここでは、D1=D2=45mmである。
第1及び第2の半径方向内側固着点54A、54Bの各々は、HをH=SW×AR/100によって定められるタイヤの断面高さとした場合に、タイヤ10の半径方向最内点から、0.10×Hから0.50×Hまで、好ましくは0.10×Hから0.35×Hまでのそれぞれの半径方向距離B1、B2にあり、ここで、ETRTO2020規格のマニュアルに準拠してSWは公称断面幅であり、ARはタイヤの公称アスペクト比である。公称断面幅SW及び公称アスペクト比ARは、タイヤの側壁上の寸法マーキング中にあるものであり、ETRTO2020規格のマニュアルに準拠する。ここでは、B1=B2=30mmである。
図3及び4に示すように、補剛要素52は、クラウン12内で第1の側壁30Aと第2の側壁30Bの間に犂耕式経路を示すように連続的な補強要素を形成する。これに代えて、別々の及び従って不連続な補剛要素52も同様に想定することができる。
図6は、本発明の第2の実施形態によるタイヤを示している。第1の実施形態によるタイヤと類似する要素は、同一の参照番号で指定する。
第1の実施形態によるタイヤとは異なり、第2の実施形態によるタイヤ10の補剛構造50は、互いに別々である第1及び第2の補剛要素52A、52Bを備える。各補剛要素52Aは、第1の側壁30Aに配置された第1の半径方向内側補強構造60Aの周りと、クラウン12に配置された第1の半径方向外側補強構造70Aの周りとに固着される。各第2の補剛要素52Bは、各第1の補剛要素52Aが第1の側壁30Aからクラウン12までトーラス状キャビティ35内を連続的に延びるように、及び各第2の補剛要素52Bが第2の側壁30Bからクラウン12までトーラス状キャビティ35内を連続的に延びるように、第2の側壁30Bに配置された第2の半径方向内側補強構造60Bの周りと、クラウン12に配置された第2の半径方向外側補強構造70Bの周りとに固着される。
第1の補剛要素52Aは、第1の側壁30Aとクラウン12の間に犂耕式経路を示すように第1の連続的な補強要素を形成する。第2の補剛要素52Bは、第2の側壁30Bとクラウン12の間に犂耕式経路を示すように第2の連続的な補強要素を形成する。
第1及び第2の補剛要素52A、52Bの各々は、第1及び第2の側壁30A、30Bにそれぞれ埋め込まれた第1及び第2の部分521A、521Bと、それぞれ第1の半径方向内側固着点54Aと第1の半径方向外側固着点56Aの間及び第2の半径方向内側固着点54Bと第2の半径方向外側固着点56Bの間をトーラス状キャビティ35内で延びる第1及び第2の部分523A、524Bと、クラウン12に埋め込まれた第1及び第2の部分525A、525Bとを備える。明確にするために、図6では、補剛要素52A’、52B’の第1及び第2の部分の各々の一部523A’、523B’は、第1及び第2の補剛要素52A、52Bの各々と連続するが、図6の子午断面の外側に表している。
第1の実施形態と同様に、第1の半径方向外側固着点56Aは、正中面Mに対して第1の半径方向内側固着点54A及び第1の半径方向内側構造60Aと軸線方向で同じ側にある。第2の半径方向外側固着点56Bは、正中面Mに対して第2の半径方向内側固着点54B及び第2の半径方向内側構造60Bと軸線方向で同じ側に配置される。第1及び第2の半径方向内側固着点54A、54B、及び半径方向外側固着点56A、56Bの各々は、第1及び第2の部分523A、523Bがトーラス状キャビティ35内でクロスオーバーしないように配置される。
図示しない第2の実施形態の変形では、第2の実施形態に類似しているが、補剛構造50が2つの半径方向外側補強構造を備えるのではなく、以下で説明する第3の実施形態の場合と同様に、単一半径方向外側補強構造を備えるという実施形態を想定することができる。
図7は、本発明の第3の実施形態によるタイヤを示している。従来の実施形態によるタイヤと類似する要素は、同一の参照番号で指定する。
第1の実施形態によるタイヤとは異なり、第3の実施形態によるタイヤ10の補剛構造は、単一半径方向外側補強構造73を備える。各補剛要素52は、クラウン12内を第1の側壁30Aから第2の側壁30Bまで連続的に延びるように、第1の半径方向内側補強構造60Aの周りに、クラウン12内の半径方向外側補強構造73の周りに、及び第2の半径方向内側補強構造60Bの周りに固着される。
図8は、本発明の第4の実施形態によるタイヤを示している。従来の実施形態によるタイヤと類似する要素は、同一の参照番号で指定する。
第1の実施形態とは異なり、補剛構造50は、軸線方向外側固着補剛要素52と、軸線方向内側固着補剛要素53とを備える。補剛構造52は、正中面Mの両側に配置されて正中面Mに関して実質的に対称な第1及び第2の半径方向外側補強構造70A、70Bを備える。
各軸線方向外側固着補剛要素52は、それがクラウン12内を第1の側壁30Aから第2の側壁30Bまで連続的に延びるように、第1の半径方向内側補強構造60Aの周りに、第1及び第2の半径方向外側補強構造70A、70Bの周りに、及び第2の半径方向内側補強構造60Bの周りに固着される。各軸線方向外側固着補剛要素52は、各軸線方向外側固着補剛要素52が内面33を通過して第1の半径方向内側補強構造60Aの周りに固着される第1の半径方向内側固着点54Aと、各軸線方向外側固着補剛要素52が内面33を通過して第1及び第2の半径方向外側補強構造70A、70Bの周りに固着される第1の半径方向外側固着点56Aとの間をトーラス状キャビティ35内で延びる第1の部分523を備える。各軸線方向外側固着補剛要素52は、各軸線方向外側固着補剛要素52が内面33を通過して第2の半径方向内側補強構造60Bの周りに固着される第2の半径方向内側固着点54Bと、各軸線方向外側固着補剛要素52が内面33を通過して第1及び第2の半径方向外側補強構造70A、70Bの周りに固着される第2の半径方向外側固着点56Bとの間をトーラス状キャビティ35内で延びる第2の部分524を備える。
各軸線方向内側固着補剛要素53は、各第2の補剛要素53がクラウン12内を第1の側壁30Aから第2の側壁30Bまで連続的に延びるように、第1の半径方向内側補強構造60Aの周りに、第1及び第2の半径方向外側補強構造70A、70Bの周りに、及び第2の半径方向内側補強構造60Bの周りに固着される。各軸線方向内側固着補剛要素53は、各軸線方向内側固着補剛要素53が内面33を通過して第1の半径方向内側補強構造60Aの周りに固着される第1の半径方向内側固着点55Aと、各軸線方向内側固着補剛要素53が内面33を通過して第1及び第2の半径方向外側補強構造70A、70Bの周りに固着される第1の半径方向外側固着点57Aとの間をトーラス状キャビティ35内で延びる第1の部分533を備える。各軸線方向内側固着補剛要素53は、各軸線方向内側固着補剛要素53が内面33を通過して第2の半径方向内側補強構造60Bの周りに固着される第2の半径方向内側固着点55Bと、各軸線方向内側固着補剛要素53が内面33を通過して第1及び第2の半径方向外側補強構造70A、70Bの周りに固着される第2の半径方向外側固着点57Bとの間をトーラス状キャビティ35内で延びる第1の部分534を備える。
第1の実施形態に類似の方式で、各軸線方向内側固着補剛要素53及び軸線方向外側固着補剛要素52に関する第1及び第2の半径方向内側固着点54A、55A、54B、55B、及び第1及び第2の半径方向外側固着点56A、57A、56B、57Bの各々は、部分533と部分534がトーラス状キャビティ内でクロスオーバーしないように、かつ部分523と部分524がトーラス状キャビティ内でクロスオーバーしないように配置され、第1の半径方向外側固着点56A、57Aと第1の半径方向内側固着点54A、55Aは、タイヤの正中面の同じ側に軸線方向に配置され、第2の半径方向外側固着点56B、57Bと第2の半径方向内側固着点54B、55Bは、タイヤの正中面の同じ他方側に軸線方向に配置される。
各軸線方向内側固着補剛要素53に関する第1及び第2の半径方向外側固着点57A、57Bの各々は、各軸線方向外側固着補剛要素52に関する第1及び第2の半径方向外側固着点56A、56Bのそれぞれの各軸線方向内側にある。
各第1の半径方向内側固着点55Aと各第1の半径方向内側固着点54Aは、半径方向及び軸線方向で同じ周方向線上に位置合わせしていることに注意されたい。同様に、各第2の半径方向内側固着点と各第2の半径方向内側固着点54Bは、半径方向及び軸線方向で同じ周方向線上に位置合わせされる。
第1及び第2の半径方向内側及び外側固着点55A、55B、57A、57Bの各々は、第1及び第2の半径方向内側固着点、及び第1及び第2の半径方向外側固着点54A、54B、56A、56Bの各々と同じ子午断面にあることにも注意されたい。図示しない変形では、第1及び第2の半径方向内側及び外側固着点55A、55B、57A、57Bの各々が、第1及び第2の半径方向内側固着点及び第1及び第2の半径方向外側固着点54A、54B、56A、56Bの各々とは異なる子午断面にあることも同様に想定することができる。
この第4の実施形態では、各軸線方向内側固着補剛要素53に関する第1及び第2の半径方向内側固着補強構造60A、60Bの各々は、それぞれ各軸線方向外側固着補剛要素52に関する第1及び第2の半径方向内側固着補強構造60A、60Bである。更に、各軸線方向内側固着補剛要素53に関する第1及び第2の半径方向外側固着補強構造70A、70Bは、各軸線方向外側固着補剛要素52に関する半径方向外側補強構造70A、70Bである。変形では、それらが別々のものであると想定することができる。
図9は、本発明の第5実施形態によるタイヤを示している。従来の実施形態によるタイヤと類似する要素は、同一の参照番号で指定する。
第4の実施形態とは異なり、補剛構造50は、半径方向及び軸線方向外側固着補剛要素52と、半径方向及び軸線方向内側固着補剛要素53とを備える。補剛構造50は、第1の側壁30A内の各半径方向及び軸線方向外側固着補剛要素52の第1の半径方向外側固着補強構造60Aと、第1の側壁30A内の各半径方向及び軸線方向内側補剛要素53の第1の半径方向内側固着補強構造61Aとを備え、この補強構造61Aは、第1の半径方向外側補強構造60A及び第1の周方向補強要素40Aから区別される。補剛構造50はまた、第2の側壁30B内の各半径方向及び軸線方向外側固着補剛要素52の第2の半径方向外側固着補強構造60Bと、第2の側壁30B内の各半径方向及び軸線方向内側固着補剛要素53の第2の半径方向内側固着補強構造61Bとを備え、この補強構造61Bは、第2の半径方向外側補強構造60B及び第2の周方向補強要素40Bから区別される。
第4の実施形態とは異なり、各半径方向及び軸線方向内側固着補剛要素53に関する第1及び第2の半径方向内側固着点55A、55Bの各々は、各半径方向及び軸線方向外側固着補剛要素52の各第1及び第2の半径方向内側固着点54A、54Bの半径方向内側にある。
第1及び第2の半径方向外側固着点57A、57Bの各々、及び第1及び第2の第1の半径方向外側固着点56A、56Bの各々は、互いに対して軸線方向にずれていることに注意されたい。変形では、それらが半径方向及び軸線方向で同じ周方向線上に位置合わせしていると想定することができる。
第1及び第2の半径方向内側補強構造60A、60Bの各々は、第1及び第2の半径方向内側補強構造61A、61Bの各々から区別されることに注意されたい。この事例では、各半径方向内側補強構造60A、60B、61A、61Bは、同じ側壁及び/又は同じビード内にある他方の半径方向内側補強構造の糸線補強要素とは別々であって不連続なそれぞれの糸線補強要素62A、62B、63A、63Bを備える。変形では、これらの半径方向内側補強構造が同じであると想定することができる。
図10~13は、本発明の第6実施形態によるタイヤを示している。従来の実施形態によるタイヤと類似する要素は、同一の参照番号で指定する。
以前の実施形態とは異なり、第1及び第2の半径方向内側補強構造60A、60Bの各々は、側壁30A、30Bの各々を半径方向に延びるカーカス補強体34のそれぞれの部分34A1、34B1を備える。この事例では、各補剛要素52A、52Bは、側壁30A、30Bの各々を半径方向に延びるカーカス補強体34の各部分34A1、34B1のカーカス糸線補強要素340の周りに少なくとも部分的に巻き付けられる。
同様の方式で、第1及び第2の半径方向外側補強構造70A、70Bの各々は、クラウン内を軸線方向に延びるカーカス補強体34のそれぞれの部分34A2、34B2を備える。この事例では、各補剛要素52A、52Bは、クラウン内を軸線方向に延びるカーカス補強体34の各部分34A2、34B2のカーカス糸線補強要素340の周りに少なくとも部分的に巻き付けられる。
以前の実施形態とは異なり、この第6の実施形態では、第1及び第2の補剛要素52A、52Bの各々は、カーカス補強体34の各対応する部分34A1、34B1、34A2、34B2によって形成された第1及び第2の半径方向内側補強構造60A、60Bの各々、及び第1及び第2の半径方向外側補強構造70A、70Bのそれぞれの中に固着されており、その周りには固着されない。
図14は、本発明の第7実施形態によるタイヤを示している。従来の実施形態によるタイヤと類似する要素は、同一の参照番号で指定する。
第1の実施形態とは異なり、第1及び第2のビード32A、32Bは、カーカス補強体34の固着を可能にするそれぞれの周方向補強要素40A1、40A2及び40B1、40B2を備える。これら周方向補強要素の各々は、互いに半径方向に重ね合わされた旋回軸線の周りに複数回の周方向巻回を備える連続的な糸線補強要素である。
勿論、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態、第5実施形態、及び第6実施形態の補剛構造と組み合わされた第7の実施形態と同一の周方向補強要素を備える実施形態を想定することができる。
比較試験
補剛構造の耐久性に関して本発明の利点を明らかにするために、第1の実施形態によるタイヤ10と、WO2020/128225に説明されたが寸法が275/35R19である従来技術のタイヤRとを比較した。タイヤ10及びRの各々を公称リムに装着し、250kPaに等しい圧力まで膨らませる。次に、試験は、EEC-UNO規則第30号の付録VIIに説明された負荷/速度性能試験に類似するが、より厳しい負荷及び速度条件の下で行った。その後に、補剛要素の最初の離脱を認めるまでに走行したキロ数を記録した。この走行キロ数は、従来技術タイヤRの走行キロ数に対応する基準値100を参照させるので、100を超える走行キロ数は、補剛構造の耐久性に関する改善を表している。
例えば、10000kmと50000kmの間のような各製造業者がその仕様の関数として設定するキロメートル閾値の後で、タイヤが使用に適していれば試験に合格である。従来技術タイヤRを上述の条件下で試験し、判断されたキロメートル閾値よりも小さいキロ数の走行後に、従来技術タイヤRは、その構造劣化に伴う圧力低下により、もはや使用に堪えないものとなった。これに対して第1の実施形態によるタイヤ10は、劣化することなくキロメートル閾値を超え、更に多くのキロ数に耐えることができた。
第1の実施形態によるタイヤ10とタイヤRに対して半径方向剛性Kzz、軸線方向剛性Kyy、及びコーナリング剛性D(z)も比較した。これらの剛性は、WO2020/128225に説明された寸法275/35R19を備えるタイヤの剛性と実質的に同じであり、補剛構造を持たない従来の従来技術タイヤの剛性よりも遥かに良好である。
トレッドの良好な平坦化が得られる実施形態に関する付加的で任意的な利点を明らかにするために、第1の実施形態によるタイヤ10と、第1の半径方向外側固着点をタイヤの正中面に対して第1の半径方向内側構造の軸線方向反対側に配置し、第2の半径方向外側固着点をタイヤの正中面に対して第2の半径方向内側構造の軸線方向反対側に配置して部分523と524がトーラス状キャビティ35内でクロスオーバーするようにした同じく本発明に準拠する対照タイヤR’とを比較した。タイヤ10及びR’の各々が所与の横力Fを受け、公称リムに装着され、250kPaに等しい圧力まで膨らんだ状態で、公称荷重を超える荷重の下で各タイヤ10及びR’の地面との接触区域を模擬し、旋回部に対処する車両の外輪上で観察される荷重伝達と同等な荷重伝達を模擬するようにした。図15及び16では、タイヤ10の方が対照タイヤR’よりも軸線方向屈曲ゾーンの数が少ないことに注意されたい。図17及び18では、タイヤ10のトレッドの各リブの軸線方向限界を破線で表して互いに接触区域を比較することができるようにする。タイヤ10のトレッドの各リブは、タイヤR’の対応するリブの接触区域幅よりも有意に大きい接触区域幅を有することを見ることができる。上述のように、部分523と524がタイヤR’のトーラス状キャビティ内でクロスオーバーするという事実により、トレッドの複数の軸線方向屈曲ゾーンが出現し、従って、特に、各リブの軸線方向縁部が定めるトレッドの縦溝によって形成される空間での各リブの軸線方向縁部の半径方向変位に起因して地面と接触するリブの軸線方向幅が減少する。
ここで、本発明によるタイヤの製造を可能にするツール及び方法に関して説明する。
第1の実施形態によるタイヤ10を製造するために、以下に説明するツール及び方法が使用される。
図19A、19B及び図20A、20Bに示すように、ツールは、トーラス状コア1000を備え、その主軸線Z10の周りに凸面外側受け入れ面1000_outと、クラウン12を備える部品を受け入れることを意図した半径方向外側クラウンゾーン1100と、トーラス状コアの主軸線Z10に向けて湾曲し、第1の側壁30A及び第1のビード32Aの構成要素を受け入れることを意図した第1の横方向ゾーン1200と、トーラス状コアの主軸線Z10に向けて湾曲し、第2の側壁30B及び第2のビード32Bの構成要素を受け入れることを意図した第2の横方向ゾーン1300とを有する。
その結果、コア1000は、受け入れ面1000_outで外部から区切られて内部キャビティ35に対応するいわゆる保留体積を定める。このようにコア1000は、タイヤの製造中に一時的にその形状及び寸法が内部キャビティ35に対応する体積を占め、従って保留することができ、この体積が内部キャビティ35になる。
コア1000は、保留体積の内部を受け入れ面1000_outの下に延びて受け入れ面1000_outの上に開口する複数の通路1500を有し、通路1500の各々は、受け入れ面1000_outのクラウンゾーン1100を第1及び第2の横方向ゾーン1200、1300の一方に結合してコア10が補剛要素52を通路1500に受け入れることができるようになっている。溝1500は盲溝であり、保留体積内の受け入れ面1000_outの下に位置する中実底部1900を有する。
特に図20Aに見ることができるように、コア1000は、以下を備える複数の環状サブアセンブリ2100、2200、2300から構成されるアセンブリを備える:i)クラウン12の1又は2以上の構成要素を受け入れることを意図した受け入れ面1000_outのクラウンゾーン1100の中心部分を形成する中心クラウン2100と呼ぶ第1の環状サブアセンブリ2100、ii)第1の側壁30Aをクラウン12に結合する補剛要素52に向けた通路を形成する溝1500を閉じ込める左耳部2200と呼ぶ第2の環状サブアセンブリ2200、及びiii)第2の側壁30Bをクラウン12に結合する補剛要素52に向けた通路を形成する溝1500を閉じ込める右耳部2300と呼ぶ第3の環状サブアセンブリ2300。
環状サブアセンブリ2100、2200、2300の各々は、主軸線Z10の周りの方位角で角度的にセクタ2400、2500、2600、2800、2900、2500、2500、2500、2600、2700、2800、2900に分割され、いわゆる「キー」セクタ2400、2600、2800、2900と、キー2400、2600、2800によって定位置に保持されてロックされ、キー2400、2600、2800を取り外して解除された後で操作しやすくなるように設計されたいわゆる「ボールト」セクタ2500、2700、2900とが交互に並ぶ。中心リング2100は、複数のリングキー2400とリングボールト2500に分割される。耳部キー2600、2800と耳部ボールト2700、2900は共に、好ましくは金属合金製、より好ましくはアルミニウム合金製である。
タイヤ10を製造する方法は、実際には、上述のようなツールを使用することに等しい。本方法は、ツールを準備する準備段階(S0)を備える。準備段階(S0)中に、図20A及び20Bに示すように、キー2400とボールト2500を組み立てて中心リングを形成し、その後に、連続する耳部キー2600、2800と耳部ボールト2700、2900を各クリアランス面3200、3300の上に固定して耳部2200、2300を形成することになる。
本方法は、その後に、補剛要素52を嵌め込む段階(S2)を備え、段階中に補剛要素52が各通路1500に通される。この目的のために、補剛要素52は、連続通路1500を通る犂耕式経路に沿って連続して配置され、ここでは、溝1500内に連続的な補剛要素52を挿入し、図21に見ることができるように、連続的な補剛要素52は、クラウンゾーン1100及び横方向ゾーン1200、1300で半径方向内側固着点54A、54B及び半径方向外側固着点56A、56Bのレベルで受け入れ面1000_outの上に出現させることによって配置される。その場合に、図示しない段階で、本方法は、貫通防止デバイス(図示せず)を使用する保護段階(S3)を備え、このデバイスは、装着段階(S4)及び硬化段階(S5)中に、補剛要素52が係合される溝1500の中にクラウン12、側壁30A、30B及びビード32A、32Bの構成要素が貫通することに対する障害物を構成するようにコア1000と協働する。この種の貫通防止デバイスは、溝1500を充填するための要素、又は溝1500を覆うように溝にわたって置かれたマスキングバンド又はシェルを備えることができると考えられる。
本方法は、次に、クラウン12、側壁30A、30B、及びビード32A、32Bの構成要素が受け入れ面1000_out上に配置される装着段階(S4)を備える。これらの構成要素は、ポリマー化合物に基づくバンド又は層を備え、糸線補強要素により、タイヤ10の様々な層を形成することが可能になる。
本方法は、次に、硬化段階(S5)を備え、この段階中に、コア1000と、コア1000に支持されたタイヤ10のプリフォームとを硬化モールド内に配置して構成要素を加硫処理するようにする。
本方法は、次に、モールドからの抽出段階(S6)を備え、この段階中に、特に図22A~22Fの抽出シーケンスに示すように、タイヤ10のコア1000を離脱させて補剛要素52を内部キャビティ35の定位置に残す。この部品は、取り外され、徐々に抽出されてタイヤ10を自由にする。モールドからの抽出段階(S6)は、最初に、中心リング2100を取り外す第1の副段階を備え、この段階中に、耳部2200、2300を解除するためにキー2400を中心リングから半径方向に取り外した後で中心リングのボールト2500を取り外し、その構成は、図22Aに示すように耳部2200、2300のセクタ2600、2700、2800、2900がタイヤ10の内部からアクセス可能なものになるようにされ、次に、第1の耳部2200を取り出す第2の副段階を備え、この段階中に、内部キャビティ35の対応する部分とその部分に位置する補剛要素52を解除するために左右耳部の一方のキー2600を内部キャビティ35から取り出してから耳部2200のボールト2700を内部キャビティ35から取り出し、次に、第2の副段階と同様に行われる他方の耳部2300を取り出す第3の副段階を備える。ここで、セクタ2600、2700、2800、2900は、主軸線Z10と共線の軸線方向母線方向DG_Aに溝1500の側壁が生成される場合に、図22Bに示すように並進M_Aでの軸線方向抽出移動によって達成され、並進M_Aの軸線方向抽出移動に続いて、図22D、22Eに示すように、このセクタ2600、2700、2800、2900の矢状子午面に垂直な軸線の周りにピッチM_Bでの傾斜の移動を行うことができる。セクタ2600、2700、2800、2900が補剛要素52から離脱した時に、例えば、図22Fに示すように、このセクタ2600、2700、2800、2900を主軸線Z10に向けて移動してこのセクタをタイヤ10から完全に取り外すようにする半径方向移動により、タイヤ10の内部から自由に抽出シーケンスを完了することができる。耳部2200のセクタ2600、2700を取り出した時に又は耳部2200、2300の各々を解除した後で、貫通防止デバイスを順番に取り出すことができる。例えば、マスキングバンドの場合に、2つの連続的な補剛要素52の間に含まれる空間にマスキングバンドを入り込ませる渦巻形摺動でそれらを取り出すことができる。
準備段階(S0)の後でかつ段階(S2)の前に、本方法は、予備装着段階(S1)を備え、この段階中に、図21に示すように、半径方向内側補強構造60A、60B及び半径方向外側補強構造70A、70Bは、半径方向内側固着点54A、54B及び半径方向外側固着点56A、56Bに対面してコア1000の受け入れ面1000_outの横方向ゾーン1200、1300及びクラウンゾーン1100に置かれる。部分521、522を形成するループは、横方向ゾーン1200、1300に置かれた半径方向内側補強構造60A、60B及びタイヤ10の他の隣接構成要素上に捕捉されるように見出されることになり、一方で部分525は、半径方向外側補強構造70A、70B及びタイヤ10の他の隣接構成要素上に捕捉されるように見出されることになる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
実際に、第2の実施形態を第4及び第5の実施形態と組み合わせることは、勿論、想定することができると考えられる。
本発明の範囲から逸脱することなく、例えば、タイヤのキャビティノイズを低減するために、タイヤの装着支持体又はタイヤ自体に固定されたキャビティノイズ吸収体の使用を想定することができる。この種のノイズ吸収体は、特に、WO2018046376、WO2013182477、WO201051203、EP2660075、EP1253025、EP1876038、及びEP3406462に説明されている。
10 タイヤ
12 クラウン
35 トーラス状キャビティ
50 補剛構造
52 補強要素
M タイヤの正中面

Claims (14)

  1. タイヤが、2つの側壁(30A,30B)によって、次に、2つのビード(32A,32B)によって半径方向内方に延びたクラウン(12)を備え、各ビード(32A,32B)が、タイヤ(10)の装着支持体の上へのタイヤ(10)の取り付けを可能にするようになった少なくとも1つの周方向補強要素(40A,40B)を備え、
    前記タイヤ(10)が、
    タイヤのトーラス状膨張キャビティ(35)を定める内面(33)と、
    該ビード(32A,32B)の該側壁(30A,30B)の少なくとも1つから少なくとも該クラウン(12)まで遠くに該トーラス状キャビティ(35)内を連続的に延びる少なくとも1つの補剛要素(52;52A,52B;53)を備える補剛構造(50)と、
    を有するタイヤ(10)であって、
    前記補剛要素(52;52A,52B;53)又は各補剛要素(52;52A,52B;53)は、
    前記側壁(30A,30B)及び/又は前記ビード(32A,32B)に配置された少なくとも1つの半径方向内側補強構造(60A,60B;61A,61B)であって、該側壁(30A,30B)及び/又は該ビード(32A,32B)とタイヤ(10)の正中面(M)の同じ側に位置する前記又は各周方向補強要素(40A,40B)から区別される前記少なくとも1つの半径方向内側補強構造(60A,60B;61A,61B)と、
    前記クラウン(12)に配置された少なくとも1つの半径方向外側補強構造(70A,70B;73)と、
    に固着される、又はこれらの周りに固着される、
    ことを特徴とするタイヤ(10)。
  2. 前記補剛構造(50)は、前記トーラス状キャビティ(35)に周方向に分散配置された複数の補剛要素(52;52A,52B;53)を備えることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ(10)。
  3. 前記補剛要素(52;53)又は各補剛要素(52;53)は、
    第1の側壁(30A)及び/又は第1のビード(32A)に配置された第1の半径方向内側補強構造(60A;60B)であって、該第1の側壁(30A)及び/又は該第1のビード(32B)とタイヤ(10)の前記正中面(M)の同じ第1の側に位置する前記周方向補強要素(40A)又は各周方向補強要素(40A)から区別される前記第1の半径方向内側補強構造(60A;60B)と、
    前記クラウン(12)内の前記半径方向外側補強構造(70A,70B;73)又は複数の該半径方向外側補強構造(70A,70B;73)と、
    タイヤ(10)の前記正中面(M)に対して前記第1の側壁(30A)及び/又は前記第1のビード(32A)の他方の側に位置する第2の側壁(30B)及び/又は第2のビード(32B)に配置された第2の半径方向内側補強構造(60B;61B)であって、該第2の側壁(30B)及び/又は該第2のビード(32B)とタイヤ(10)の該正中面(M)の同じ該第2の側に位置する前記周方向補強要素(40B)又は各周方向補強要素(40B)から区別される前記第2の半径方向内側補強構造(60B;61B)と、
    に又はその周りに固着され、
    そのために前記補剛要素(52;53)又は各補剛要素(52;53)は、前記クラウン(12)内で前記第1の側壁(30A)及び/又は前記第1のビード(32A)から前記第2の側壁(30B)及び/又は前記第2のビード(32B)まで遠くに連続的に延びる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項2のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  4. 前記補剛要素(52;53)又は各補剛要素(52;53)は、
    前記第1の半径方向内側補強構造(60A;61A)と、
    前記クラウン(12)内の第1及び第2の半径方向外側補強構造(70A,70B;73)と、
    前記第2の半径方向内側補強構造(60B;61B)と、
    に又はその周りに固着される、
    ことを特徴とする請求項3に記載のタイヤ(10)。
  5. 前記第1及び第2の半径方向外側補強構造(70A,70B;73)は、タイヤ(10)の前記正中面(M)の軸線方向に両側であり、好ましくは、タイヤ(10)の該正中面(M)に関して実質的に対称であることを特徴とする請求項4に記載のタイヤ(10)。
  6. 前記補剛要素(52;52A,52B;53)又は各補剛要素(52;52A,52B;53)は、
    前記補剛要素(52;52A,52B;53)又は各補剛要素(52;52A,52B;53)が前記第1の半径方向内側補強構造(60A;61A)に又はこれらの周りに固着されるように前記内面(33)を通過する第1の半径方向内側固着点(54A;55A)と、
    前記補剛要素(52;52A,52B;53)又は各補剛要素(52;52A,52B;53)が前記半径方向外側補強構造(70A,70B;73)又は複数の該半径方向外側補強構造(70A,70B;73)に又はその周りに固着されるように前記内面(33)を通過する第1の半径方向外側固着点(56A;57A)と、
    の間で前記トーラス状キャビティ(35)内を延びる部分(523)を備え、
    前記補剛要素(52;52A,52B;53)又は各補剛要素(52;52A,52B;53)は、
    前記補剛要素(52;52A,52B;53)又は各補剛要素(52;52A,52B;53)が前記第2の半径方向内側補強構造(60B;61B)に又はその周りに固着されるように前記内面(33)を通過する第2の半径方向内側固着点(54B;55B)と、
    前記補剛要素(52;52A,52B;53)又は各補剛要素(52;52A,52B;53)が前記半径方向外側補強構造(70A,70B;73)又は複数の該半径方向外側補強構造(70A,70B;73)に又はその周りに固着されるように前記内面(33)を通過する第2の半径方向外側固着点(56B;57B)と、
    の間で前記トーラス状キャビティ(35)内を延びる部分(524)を備え、
    各又は前記第1及び第2の半径方向内側固着点(54A,54B;55A,55B)及び半径方向外側固着点(56A,56B;57A,57B)は、
    前記第1の半径方向外側固着点及び半径方向内側固着点(54A,56A;55A,57A)が、タイヤ(10)の前記正中面(M)の軸線方向に同じ側であり、
    前記第2の半径方向外側固着点及び半径方向内側固着点(54B,56B;55B,57B)が、タイヤ(10)の前記正中面(M)の軸線方向に同じ他方の側であり、かつ
    前記第1の半径方向外側固着点及び半径方向内側固着点(54A、56A;55A、57A)の間を延びる前記部分(523)と、前記第2の半径方向外側固着点及び半径方向内側固着点(54B、56B;55B、57B)の間を延びる前記部分(524)とが、前記トーラス状キャビティ(35)内でクロスオーバーしない、
    ようなものである、
    ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  7. 前記補剛構造(50)は、前記第1の側壁(30A)及び/又は前記第1のビード(32A)と前記第2の側壁(30B)及び/又は前記第2のビード(32B)との間で前記クラウン(12)を通過する犂耕式軌道を描くように連続的な補剛要素を形成する複数の補剛要素(52;53)を備えることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  8. 前記補剛要素(52;52A,52B;53)又は各補剛要素(52;52A,52B;53)は、Hがタイヤ(10)の断面高さであるとしてタイヤ(10)の半径方向最内点から0.10×Hから0.50×Hの範囲、好ましくは、0.10×Hから0.35×Hの範囲の半径方向距離(B1,B2)に半径方向に配置された半径方向内側固着点(54A,54B;55A,55B)で前記半径方向内側補強構造(60A,60B;61A,61B)又はそのうちの1つに又はその周りに固着されるように前記内面(33)を通過することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  9. 前記補剛要素(52;52A,52B;53)又は各補剛要素(52;52A,52B;53)は、SWがタイヤ(10)の公称断面幅であるとしてタイヤ(10)の前記正中面(M)から最大で0.45×SWに等しく、好ましくは、0.05×SWから0.45×SWまでの範囲の軸線方向距離(D1,D2)に軸線方向に配置された半径方向外側固着点(56A,56B;57A,57B)で前記半径方向外側補強構造(70A,70B;73)又はそのうちの1つに又はその周りに固着されるように前記内面(33)を通過することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  10. 前記補剛要素(52;52A,52B;53)又は各補剛要素(52;52A,52B;53)は、繊維状補強要素、好ましくは、布地繊維状補剛要素であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  11. 前記半径方向内側補強構造(60A,60B;61A,61B)又は各半径方向内側補強構造(60A,60B;61A,61B)及び/又は前記半径方向外側補強構造(70A,70B;73)又は各半径方向外側補強構造(70A,70B;73)は、タイヤ(10)の周方向(X)と10°よりも小さいか又はそれに等しく、好ましくは、5°よりも小さいか又はそれに等しく、より好ましくは実質的にゼロの角度を形成する主方向に沿って延びる少なくとも1つの繊維状補強要素(62A,62B,72A,72B;63A,63B)を備えることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
  12. タイヤ(10)が、旋回軸線の周りに実質的にトーラス状を有し、
    前記半径方向内側補強構造(60A,60B;61A,61B)の前記繊維状補強要素(62A,62B;63A,63B)は、前記旋回軸線の周りに最大で2つの完全巻回にわたって、好ましくは、最大で1つの完全巻回にわたって周方向に巻き付けられる、
    ことを特徴とする請求項11に記載のタイヤ(10)。
  13. タイヤ(10)が、旋回軸線の周りに実質的にトーラス状を有し、
    前記半径方向外側補強構造(70A,70B;73)又は各半径方向外側補強構造(70A,70B;73)の前記繊維状補強要素(72A,72B)は、前記旋回軸線の周りに少なくとも2つの完全巻回にわたって及び該旋回軸線の周りに最大で10個の完全巻回にわたって周方向に巻き付けられる、
    ことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載のタイヤ(10)。
  14. 前記補剛要素(52;52A,52B;53)又は各補剛要素(52;52A,52B;53)は、前記繊維状補強要素(62A,62B,72A,72B;63A,63B)又は各繊維状補強要素(62A,62B,72A,72B;63A,63B)の周りに少なくとも部分的に巻き付けられることを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか1項に記載のタイヤ(10)。
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