JP2024508470A - 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びそれから製造された成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びそれから製造された成形品 Download PDF

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Abstract

本記載は、熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びそれを含む成形品に関し、より詳細には、(A)ポリアミド樹脂35~65重量%と;(B)ガラス繊維18~40重量%と;(C)複合難燃剤10~30重量%と;(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤0.06~0.4重量%と;(E)銅系複合熱安定剤0.1~0.7重量%と;を含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びそれを含む成形品に関する。本発明によれば、非ハロゲンリン系難燃剤を使用して高難燃性を実現し、含湿後にも機械的物性及び電気的物性に優れた熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びそれを含む成形品を提供する効果がある。【選択図】なし

Description

〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2022年01月26日付の韓国特許出願第10-2022-0011269号及びこれに基づいて2023年01月04日付で再出願された韓国特許出願第10-2023-0001114号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み込まれる。
本発明は、熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びそれを含む成形品に関し、より詳細には、非ハロゲンリン系難燃剤を使用して高難燃性を実現し、水分の吸収後にも機械的物性及び電気的物性に優れた熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びそれを含む成形品に関する。
エンジニアリングプラスチックの一種であるポリアミド樹脂は、結晶性かつ熱可塑性の素材であって、機械的強度、耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、耐アーク性などが非常に優れるので、自動車部品、電気・電子部品、各種産業材などの様々な分野で広く活用されている。但し、ポリアミド樹脂内のアミド結合により高い水分吸収率を有し、吸収された水分によって機械的物性及び電気的特性が激しく低下するため、その適用範囲が制限される限界がある。
また、ポリアミド樹脂は、それ自体難燃性が低いため、難燃性が求められる分野では難燃剤を使用する。
近年、欧州のREACH及びRoHS規制に従って、ポリアミド樹脂組成物に使用される臭素系難燃剤を非ハロゲン難燃剤に変更しようとする研究が活発に行われている。
非ハロゲン難燃剤のうちリン系難燃剤の場合、既存の臭素系難燃剤と同じ含量で適用されたとき、グローワイヤ燃焼性指数(Glow Wire Flammability Index;GWFI)が960℃のレベルに達し、比較トラッキング指数(Comparative Tracking Index;CTI)が600Vに達するなど、最高レベルの難燃性を実現できるという利点があるが、臭素系難燃剤に比べて高価であるため、原価上昇の原因となる。
更に他の非ハロゲン難燃剤である窒素系難燃剤は、臭素系難燃剤及びリン系難燃剤と異なる方式で難燃性を実現する。臭素系難燃剤とリン系難燃剤は、熱源によって燃えるとき、ポリマーの外部にチャー(char)を形成し、酸素と熱の流入を遮断することによって難燃性を実現するが、窒素系難燃剤の場合、熱源によってエネルギーを受けるとき、ポリマーの崩壊を発生させ、材料自体の消尽(drip)を誘導して難燃性を実現する。
一般に、窒素系難燃剤は、ガラス繊維のような無機フィラー補強材と共には使用できないが、ガラス繊維がポリマーの内部で支持台の役割をすることによって、ポリマーの崩壊を防いで材料の消尽性を低下させるためである。このような結果、無機フィラー補強材と窒素系難燃剤を共に使用する場合、GWFIは600℃以下、CTIは500V以下のレベルに過ぎず、そのため、電気的特性及び難燃性が劣悪である。
また、電気的特性を改善するために銅系複合熱安定剤を使用するが、水分の吸収後に電気的特性の低下が激しいという問題がある。
そのため、非ハロゲン難燃剤で高難燃性を実現すると共に、含湿後にも機械的物性及び電気的特性に優れるので湿った条件下で使用することができる熱可塑性樹脂組成物の開発が必要な実情である。
韓国公開特許第10-2014-0086795号
上記のような従来技術の問題点を解決するために、本記載は、非ハロゲンリン系難燃剤を使用して高難燃性を実現し、含湿後にも機械的物性及び電気的物性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
また、本記載は、前記の熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
また、本記載は、前記の熱可塑性樹脂組成物から製造される成形品を提供することを目的とする。
本記載の上記目的及びその他の目的は、以下で説明する本記載によって全て達成することができる。
上記の目的を達成するために、本記載は、(A)ポリアミド樹脂35~65重量%と;(B)ガラス繊維18~40重量%と;(C)複合難燃剤10~30重量%と;(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤0.06~0.4重量%と;(E)銅系複合熱安定剤0.1~0.7重量%と;を含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物を提供する。
好ましくは、前記熱可塑性樹脂組成物は、70℃の水槽で7日間含浸させた後、IEC 60112に準拠して、厚さ3mmの試験片で測定した比較トラッキング指数(Comparative Tracking Index、CTI)が530V以上であってもよい。
好ましくは、前記熱可塑性樹脂組成物は、その総重量に対して、(F)核剤0.01~0.6重量%を含むことができる。
好ましくは、前記(F)核剤は、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、またはこれらの塩またはエステルからなる群から選択された1種以上の有機核剤;タルク、マイカ、ウォラストナイト、シリカ、カオリン及びクレーからなる群から選択された1種以上の無機核剤;またはこれらの混合であってもよい。
好ましくは、前記(A)ポリアミド樹脂は、炭素数2~30個のジアミンと炭素数4~30個のジカルボン酸の重合体;ラクタム重合体;アミノカルボン酸重合体;及びラクタムとアミノカルボン酸の共重合体;からなる群から選択された1種以上であってもよい。
好ましくは、前記(B)ガラス繊維は、平均直径3~25μm及び平均長さ1~10mmであってもよい。
好ましくは、前記(C)複合難燃剤は、(c-1)有機ホスフィナート金属塩、及び(c-2)メラミンホスフェート系難燃剤を含むことができる。
好ましくは、前記(c-1)有機ホスフィナート金属塩は、下記化学式1で表される化合物であってもよい。
(前記R1及びR2は、それぞれ、炭素数1~6のアルキル基又はアリール基であり、Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、K及びプロトン化された窒素塩基(protonated nitrogen base)からなる群から選択された1種以上であり、前記nは、1~4の整数である。)
好ましくは、前記(c-2)メラミンホスフェート系難燃剤は、メラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、メラミンピロホスフェート金属塩、及び環状ベンジルホスフェートからなる群から選択された1種以上であってもよい。
好ましくは、前記(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤は、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェニル-ジ-トリデシル)ホスファイト、環状ネオペンタンテトライル-ビス(オクタデシル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニル)ホスファイト、ジオクタデシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、及びジ-n-オクタデシル-1-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニル)-エタンホスホネートからなる群から選択された1種以上であってもよい。
好ましくは、前記(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤は、その総重量に対してリン含量が8~13重量%であってもよい。
好ましくは、前記(E)銅系複合熱安定剤は、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(II)及びヨウ化銅(II)からなる群から選択された1種以上であってもよい。
好ましくは、前記(E)銅系複合熱安定剤は、アルカリ金属ハライドを含むことができる。
また、本記載は、(A)ポリアミド樹脂35~65重量%と、(B)ガラス繊維18~40重量%と、(C)複合難燃剤10~30重量%と、(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤0.06~0.4重量%と、(E)銅系複合熱安定剤0.1~0.7重量%とを含んで、220~280℃及び100~400rpmの条件下で混練及び押出してペレットに製造するステップを含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供することができる。
また、本記載は、前記熱可塑性樹脂組成物を含むことを特徴とする成形品を提供する。
本発明によれば、非ハロゲンリン系難燃剤を使用して高難燃性を実現し、(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤と(E)銅系複合熱安定剤の組み合わせによって、含湿後にも機械的物性及び電気的物性がいずれも優れたシナジー効果が発現されるため、自動車部品、電気・電子部品などに高品質で適用できる熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びそれを含む成形品を提供する効果がある。
特に、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、湿った条件下で機械的物性及び電気的特性が維持されるため、コネクタ、配線遮断器製品などに適用可能であるという効果がある。
以下、本記載の熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びそれを含む成形品を詳細に説明する。
本発明者らは、ポリアミド樹脂、ガラス繊維及び複合難燃剤に、ホスファイト(phosphite)系熱安定剤及び銅系複合熱安定剤を所定の含量で含む場合、非ハロゲンリン系難燃剤で高難燃性を実現し、外観品質に優れ、含湿後にも、機械的物性及び電気的物性が含湿前と類似又は同等のレベルに改善された効果を確認し、これに基づいてさらに研究に邁進して本発明を完成するようになった。
本記載による熱可塑性樹脂組成物を詳細に説明すると、次の通りである。
本記載の熱可塑性樹脂組成物は、(A)ポリアミド樹脂35~65重量%と;(B)ガラス繊維18~40重量%と;(C)複合難燃剤10~30重量%と;(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤0.06~0.4重量%と;(E)銅系複合熱安定剤0.1~0.7重量%と;を含むことを特徴とし、このような場合、非ハロゲンリン系難燃剤を使用して高難燃性を実現し、含湿後にも機械的物性及び電気的物性に優れるという利点がある。
以下、本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成別に詳細に説明する。
(A)ポリアミド樹脂
前記(A)ポリアミド樹脂は、(A)~(E)成分の総重量に対して、一例として35~65重量%、好ましくは40~60重量%、より好ましくは45~55重量%、さらに好ましくは45~51重量%含まれてもよく、この範囲内で、機械的強度、押出加工性、外観品質などの物性バランスに優れるという利点がある。
前記(A)ポリアミド樹脂は、特に制限されないが、ラクタム又はω-アミノ酸などを単独または2種以上縮重合させて製造したポリアミド、あるいは二価酸(diacid)とジアミンを縮重合させて製造したポリアミドであってもよい。
好ましくは、前記(A)ポリアミド樹脂は、炭素数2~30個のジアミンと炭素数4~30個のジカルボン酸の重合体;ラクタム重合体;アミノカルボン酸重合体;及びラクタムとアミノカルボン酸の共重合体;からなる群から選択された1種以上であり、この場合、機械的物性及び外観品質に優れるという効果がある。
また、前記(A)ポリアミド樹脂は、一例として、ホモポリアミド(homopolyamide)、コポリアミド(copolyamide)、またはこれらの混合であってもよい。
前記(A)ポリアミド樹脂は、一例として、結晶性、半結晶性または非結晶であってもよい。
前記炭素数2~30個のジアミンと炭素数4~30個のジカルボン酸の重合体は、好ましくは、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、5-メチルノナヘキサメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4-ビスアミノメチルシクロヘキサン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキサン)メタン、ビス(4-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペリジンなどの脂肪族または芳香族ジアミンと、アジピン酸、セバシン酸(sebacic acid)、アゼライン酸(azelaic acid)、テレフタル酸、2-クロロテレフタル酸、2-メチルテレフタル酸などの脂肪族または芳香族ジカルボン酸などとの重合から収得されるポリアミドからなる群から選択される1種以上の重合体であってもよい。
前記ラクタム重合体は、好ましくは、カプロラクタム、ラウロラクタムなどのラクタム化合物を開環重合して収得されてもよい。
前記アミノカルボン酸重合体は、好ましくは、アミノカプロン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸などのアミノカルボン酸を重合して収得されてもよい。
前記ポリアミド樹脂は、好ましくは、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6/66、ポリアミド6/612、ポリアミドMXD6、ポリアミド6/MXD6、ポリアミド66/MXD6、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド6/6T、ポリアミド6/6I、ポリアミド66/6T、ポリアミド66/6I、ポリアミド6/6T/6I、ポリアミド66/6T/6I、ポリアミド9T、ポリアミド9I、ポリアミド6/9T、ポリアミド6/9I、ポリアミド66/9T、ポリアミド6/12/9T、ポリアミド66/12/9T、ポリアミド6/12/9I、及びポリアミド66/12/6Iからなる群から選択された1種以上を含むことができる。
前記(A)ポリアミド樹脂は、より好ましくはポリアミド6であってもよく、この場合、価格や加工性の面で有利であることは勿論、機械的物性及び耐熱性を改善させる利点がある。
前記(A)ポリアミド樹脂は、一例として相対粘度(RV)が2~3、好ましくは2.1~2.7、より好ましくは2.2~2.5であってもよく、この場合、押出成形時に、押出機のスクリューと溶融された組成物との摩擦により過熱する問題を引き起こさず、溶融された組成物に加えられる張力が適切であるので、押出加工性に優れるという利点がある。
本記載において、相対粘度は、特に言及がない限り、96重量%の硫酸100mlにポリアミド1gを溶解させて製造された溶液を用いて、20℃でUFIT-UVS機器で測定する。
前記(A)ポリアミド樹脂は、数平均分子量が、一例として10,000~500,000g/mol、好ましくは10,000~300,000g/mol、より好ましくは10,000~180,000g/mol、さらに好ましくは10,000~100,000g/molであってもよく、この範囲内で、物性バランスに優れながらも、成形性に優れるという利点がある。
本記載において、特に言及がない限り、数平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーを用いて40℃で測定した値であり、具体的には、樹脂10mgを10gのヘキサフルオロイソプロパノールに溶解させて測定し、標準物質としてはポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いる。このとき、具体的な測定例として、溶媒:ヘキサフルオロイソプロパノール、カラム温度:40℃、流速:0.3ml/min、試料の濃度:20mg/ml、注入量:5μl、カラムモデル:1×PLgel 10μm MiniMix-B(250×4.6mm)+1×PLgel 10μm MiniMix-B(250×4.6mm)+1×PLgel 10μm MiniMix-B Guard(50×4.6mm)、装備名:Agilent 1200シリーズシステム、Refractive index detector:Agilent G1362 RID、RI温度:35℃、データの処理:Agilent ChemStation S/W、試験方法(Mn、Mw及びPDI):OECD TG 118の条件で測定することができる。
前記(A)ポリアミド樹脂の製造方法は、この技術分野で通常適用される製造方法であれば、特に制限されず、商業的に入手可能な製品も構わない。
(B)ガラス繊維
前記(B)ガラス繊維は、低コストで組成物の機械的物性を補強するための目的で含まれ、(A)~(E)成分の総重量に対して、一例として18~40重量%、好ましくは22~38重量%、より好ましくは27~33重量%含まれてもよく、この範囲で、加工性を低下させずに機械的物性が改善され、最終品の外観特性に優れるという利点がある。
前記(B)ガラス繊維は、一例として、平均直径が3~25μm、好ましくは5~20μm、より好ましくは7~15μmであってもよく、この範囲内で、機械的強度が改善されると共に、最終品の外観特性に優れるという効果がある。
前記(B)ガラス繊維は、一例として、平均長さが1~10mm、好ましくは1~7mm、より好ましくは2~5mmであってもよく、この範囲内で、機械的強度が改善されると共に、最終品の外観特性に優れるという効果がある。
前記(B)ガラス繊維は、一例として、平均直径(D)に対する平均長さ(L)の比であるアスペクト比(L/D)が100~550、好ましくは150~500、より好ましくは200~400であってもよく、この範囲内で、樹脂との相溶性に優れるので、表面外観に優れるという利点がある。
本記載において、ガラス繊維の平均直径及び平均長さは、顕微鏡分析法を通じて30個を測定し、その平均値で算出する。
前記(B)ガラス繊維は、一例としてチョップドガラス繊維(chopped glass fiber)であってもよい。
本記載において、チョップドガラス繊維は、本発明の属する技術分野で通常用いるチョップドファイバーガラス(chopped fiber glass)であれば、特に制限されない。
前記(B)ガラス繊維は、一例として、アミノシラン系化合物、エポキシシラン系化合物、及びウレタンからなる群から選択された1種以上の表面処理剤で表面処理されたものを使用することができ、この場合、相溶性が改善され、組成物内に均一に分散されて機械的な強度をさらに向上させる利点を提供する。
前記表面処理剤は、一例として、表面処理されたガラス繊維の総100重量%(ガラス繊維+表面処理剤)に対して0.1~10重量%、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.1~0.8重量%、さらに好ましくは0.2~0.5重量%の範囲で含まれてもよく、この範囲内で、機械的物性、耐摩擦摩耗性及び物性バランスに優れるという効果がある。
前記アミノシラン系化合物は、一般にガラス繊維にコーティング剤として使用されるアミノシランであれば、特に制限されないが、一例として、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ-アセトアセテートプロピルトリメトキシシラン、γ-アセトアセテートプロピルトリエトキシシラン、γ-シアノアセチルトリメトキシシラン、γ-シアノアセチルトリエトキシシラン及びアセトキシアセトトリメトキシシランからなる群から選択された1種以上であってもよく、この場合、機械的物性及び熱的特性に優れながらも、射出物の表面特性に優れるという効果がある。
前記エポキシシラン系化合物は、一般にガラス繊維にコーティング剤として使用されるエポキシシランであれば、特に制限されないが、一例として、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、及び2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランからなる群から選択された1種以上であってもよく、この場合、機械的物性及び耐熱性に優れながらも、射出物の表面特性に優れるという効果がある。
前記(B)ガラス繊維は、本発明の定義に従う限り、当業界で通常使用される範囲内で適宜選択して使用することができ、円筒形、楕円形などの断面形状は、特に制限されない。
(C)複合難燃剤
前記(C)複合難燃剤は、(A)~(E)成分の総重量に対して、一例として10~30重量%、好ましくは15~25重量%、より好ましくは17~23重量%含まれてもよく、この範囲内で、少ない含量で高難燃性を実現し、機械的物性に優れるという効果がある。
前記(C)複合難燃剤は、一例として、(c-1)有機ホスフィナート金属塩、及び(c-2)メラミンホスフェート系難燃剤を含むことができ、この場合、少ない含量で高難燃性を実現し、機械的物性に優れるという効果がある。
前記(c-1)有機ホスフィナート金属塩と(c-2)メラミンホスフェート系難燃剤の重量比(c-1:c-2)は、一例として60:40~90:10、好ましくは65:35~85:15、より好ましくは70:30~80:20であってもよく、この範囲内で、優れた難燃性及び物性のバランスがとれる利点がある。
前記(c-1)有機ホスフィナート金属塩は、一例として、下記化学式1で表される化合物であってもよく、この場合、優れた難燃性を提供し、物性バランスに優れるという効果がある。
(前記R1及びR2は、それぞれ、炭素数1~6のアルキル基又はアリール基であり、Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、K及びプロトン化された窒素塩基(protonated nitrogen base)からなる群から選択された1種以上であり、前記nは、1~4の整数である。)
前記(c-1)有機ホスフィナート金属塩は、好ましくは、アルミニウムホスフィナート、カルシウムホスフィナート及び亜鉛ホスフィナートからなる群から選択された1種以上であり、より好ましくは、アルミニウムエチルメチルホスフィナート、アルミニウムジエチルホスフィナートまたはこれらの混合であり、さらに好ましくはアルミニウムジエチルホスフィナートであり得、この場合、優れた難燃性及び物性のバランスがとれる利点がある。
前記(c-2)メラミンホスフェート系難燃剤は、一例として、メラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、メラミンピロホスフェート金属塩、及び環状ベンジルホスフェートからなる群から選択された1種以上であり、好ましくはメラミンポリホスフェートであり得、この場合、難燃性の上昇及び火炎のドリッピングの改善効果がある。
前記(C)複合難燃剤は、前記(c-1)有機ホスフィナート金属塩及び(c-2)メラミンホスフェート系難燃剤を混合使用することによって、難燃性のシナジー効果が発揮され、機械的物性に優れるという利点がある。
(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤
前記(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤は、(A)~(E)成分の総重量に対して、一例として0.06~0.4重量%、好ましくは0.1~0.3重量%、より好ましくは0.1~0.25重量%含まれてもよく、この範囲内で、含湿後に機械的物性及び電気的物性に優れるという効果があり、前記範囲を超える場合、熱可塑性樹脂組成物内で不純物として作用して機械的物性を低下させる。
前記(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤は、一例として、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェニル-ジ-トリデシル)ホスファイト、環状ネオペンタンテトライル-ビス(オクタデシル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニル)ホスファイト、ジオクタデシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、及びジ-n-オクタデシル-1-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニル)-エタンホスホネートからなる群から選択された1種以上であってもよく、好ましくはトリフェニルホスファイトであってもよく、この場合、後述する(E)銅系複合熱安定剤との組み合わせによって、含湿前と後の電気的性能がいずれも改善される利点がある。
前記(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤は、一例として、その総重量に対してリン含量が5~15重量%、より好ましくは7~13重量%であってもよく、この場合、難燃性に優れると共に、耐衝撃性に優れるという効果がある。
本記載において、リン含量は、ホスファイト(phosphite)系熱安定剤の分子構造上に含まれたリンの分子量から換算したリンの重量%を意味する。
前記(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤は、より好ましくは、その総重量に対してリン含量が5~15重量%であるトリフェニルホスファイトであり、この場合、後述する(E)銅系複合熱安定剤との組み合わせによって、含湿前と後の電気的性能がいずれも改善される利点がある。
(E)銅系複合熱安定剤
前記(E)銅系複合熱安定剤は、(A)~(E)成分の総重量に対して、一例として0.1~0.7重量%、好ましくは0.2~0.6重量%、より好ましくは0.2~0.5重量%含まれてもよく、この範囲内で、(D)ホスファイト系熱安定剤との組み合わせによって、含湿前と後においていずれも機械的物性及び電気的特性に優れるという利点があり、前記範囲を超える場合、熱可塑性樹脂組成物内で不純物として作用して機械的物性を低下させる。前記(E)銅系複合熱安定剤は、単独で使用するときより、(D)ホスファイト系熱安定剤と共に使用したときに電気的特性がより改善される効果がある。
前記(E)銅系複合熱安定剤は、一例として、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(II)及びヨウ化銅(II)からなる群から選択された1種以上であり、好ましくはヨウ化銅(I)であり、この場合、含湿後の機械的物性及び電気的特性の低下を防止する利点がある。
好ましくは、前記(E)銅系複合熱安定剤は、アルカリ金属ハライドと共に使用することができ、この場合、含湿後に機械的物性及び電気的特性がより優れるという利点がある。
前記アルカリ金属ハライドは、一例として、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム及びヨウ化カリウムからなる群から選択された1種以上であってもよく、好ましくは、臭化カリウム及びヨウ化カリウムからなる群から選択された1種以上であってもよく、この場合、含湿後に機械的物性及び電気的特性に優れるという利点がある。
前記(E)銅系複合熱安定剤は、一例として、その総重量に対して銅含量が50~150ppm、好ましくは80~130ppm、より好ましくは90~120ppmであってもよく、この範囲内で、含湿後の機械的物性及び電気的特性の低下を防止する利点がある。
本記載において、銅系複合熱安定剤内の銅含量は、X線蛍光分析機器(X-ray fluorescence)を用いて、WDXRF(Wavelength Dispersive X-ray Fluorescence)またはEDXRF(Energy Dispersive X-ray Fluorescence)の条件下で測定する。
本発明は、前記(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤と(E)銅系複合熱安定剤の組み合わせによって、ポリアミド樹脂の鎖状構造と水分との間の双極子-双極子相互作用(dipole-dipole interaction)、またはリガンド構造として存在することで、水溶性の銅塩を不溶性の銅化合物に誘導して、水分が十分に存在する多湿な環境にさらされた場合に、水溶性の銅塩が材料の表面に出ないことによって生じる電気的特性の低下を最小化させるシナジー効果が発現される。
(添加剤)
(F)核剤
前記熱可塑性樹脂組成物は、一例として(F)核剤を含むことができる。
前記(F)核剤は、(A)~(E)成分及び(F)成分の総重量に対して、一例として0.01~0.6重量%、好ましくは0.05~0.5重量%、より好ましくは0.1~0.3重量%で含むことができ、この範囲内で、ポリアミド樹脂とガラス繊維との結合力が上昇し、ポリアミド樹脂の結晶化度が増加して、水分の吸収による機械的物性及び電気的物性の低下を抑制し、表面外観に優れるという利点がある。また、前記範囲を超える場合、熱可塑性樹脂組成物内で不純物として作用して機械的物性を低下させる。
前記(F)核剤は、一例として、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、またはこれらの塩またはエステルからなる群から選択された1種以上の有機核剤;タルク、マイカ、ウォラストナイト、シリカ、カオリン及びクレーからなる群から選択された1種以上の無機核剤;またはこれらの混合であってもよく、この場合、機械的物性及び電気的物性がより改善される効果がある。
前記(F)核剤は、好ましくは有機核剤であってもよく、この場合、表面外観に優れるという効果がある。
前記有機核剤は、好ましくは、リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム及び亜リン酸カリウムからなる群から選択された1種以上であり、より好ましくはリン酸ナトリウムであってもよく、この場合、ポリアミド樹脂とガラス繊維の結合力が上昇し、ポリアミド樹脂の結晶化度が増加して、水分の吸収による機械的物性及び電気的物性の低下を抑制し、表面外観に優れるという利点がある。
前記(F)核剤は、好ましくは、(E)銅系複合熱安定剤と同一又は少ない量で含まれてもよく、この場合、含浸前後の機械的物性及び電気的物性がより優れるという効果がある。
(G)滑剤
前記熱可塑性樹脂組成物は、一例として、(G)滑剤を含むことができる。
前記(G)滑剤は、(A)~(E)成分及び(G)滑剤の総重量に対して、一例として0.01~1重量%、好ましくは0.05~0.7重量%、より好ましくは0.1~0.6重量%含まれてもよく、この範囲内で、ポリアミド樹脂との相溶性を高めることで、表面不良現象が低減され、機械的物性に優れるという効果がある。
前記(G)滑剤は、一例として、脂肪酸アミド系化合物、モンタン系ワックス及びオレフィン系ワックスからなる群から選択された1種以上であってもよく、好ましくは、脂肪酸アミド系化合物及びモンタン系ワックスからなる群から選択された1種以上であってもよく、この場合、ポリアミド樹脂との相溶性を高めることで、表面不良現象が低減される効果がある。
前記脂肪酸アミド系化合物は、一例として、ステアルアミド(stearamide)、ベヘンアミド(behenamide)、エチレンビス(ステアルアミド)[ethylene bis(stearamide)]、N,N’-エチレンビス(12-ヒドロキシステアルアミド)[N,N’-ethylene bis(12-hydroxy stearamide)]、エルカミド(erucamide)、オレアミド(oleamide)及びエチレンビスオレアミド(ethylene bis oleamide)からなる群から選択された1種以上であってもよい。
前記モンタン系ワックスは、一例として、モンタンワックス、モンタンエステルワックス、またはこれらの混合であってもよい。
前記モンタンエステルワックスは、一例として、モンタン系ワックスがエチレングリコールとモンタン酸でエステル化されたワックス、グリセリンとモンタン酸でエステル化されたワックス、モンタン酸エステルが含まれたモンタン酸カルシウム、モンタン酸をベースとしたエステル混合ワックスから選択された1種以上であってもよい。
前記オレフィン系ワックスは、一例として、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、またはこれらの混合であってもよい。
前記熱可塑性樹脂組成物は、一例として、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、帯電防止剤、滴下防止剤、抗菌剤、加工助剤、耐摩擦剤、耐摩耗剤、金属不活性化剤、カップリング剤、顔料及び染料からなる群から選択された1種以上を、前記(A)~(E)成分の合計100重量部を基準として、それぞれ、0.01~5重量部、好ましくは0.05~3重量部、より好ましくは0.1~2重量部、さらに好ましくは0.2~1.5重量部さらに含むことができ、この範囲内で、本記載の熱可塑性樹脂組成物本来の物性を低下させないながらも、必要な物性が良好に実現される効果がある。
(熱可塑性樹脂組成物)
前記熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、70℃の水槽で7日間含浸させた後、IEC 60112に準拠して、厚さ3mmの試験片で測定した含湿後の比較トラッキング指数(Comparative Tracking Index、CTI)が530V以上、より好ましくは550V以上、さらに好ましくは550~750Vであってもよく、この範囲内で、物性バランスに優れ、水分条件下で使用される自動車及び電気・電子部品に適用可能であるという利点がある。
前記熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、含浸前に、IEC 60112に準拠して、厚さ3mmの試験片で測定した比較トラッキング指数(Comparative Tracking Index、CTI)が550V以上、より好ましくは600V以上、さらに好ましくは600~800Vであってもよく、この範囲内で、物性バランスに優れ、電気的物性に優れるという効果がある。
前記熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、70℃の水槽で7日間含浸させた後、ISO 179に準拠して、常温で厚さ4mmの試験片で測定した含湿後のシャルピー衝撃強度が15kJ/m2以上、より好ましくは17kJ/m2以上、さらに好ましくは20kJ/m2以上、より一層好ましくは20~30kJ/m2であってもよく、この範囲内で、物性バランスに優れ、水分条件下で使用される成形品に適用可能であるという利点がある。
本記載において、常温は、20±5℃の範囲内の一地点であり得る。
前記熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、含浸前に、ISO 179に準拠して、常温で厚さ4mmの試験片で測定したシャルピー衝撃強度が8kJ/m2以上、より好ましくは9kJ/m2以上、さらに好ましくは9~15kJ/m2であってもよく、この範囲内で、物性バランスに優れ、機械的物性に優れるという効果がある。
前記熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、70℃の水槽で7日間含浸させた後、ISO 527-1及びISO 527-2に準拠して、厚さ4mmの試験片及びクロスヘッド速度(cross head speed)5mm/min下で測定した含湿後の引張強度が70MPa以上、より好ましくは73MPa以上、さらに好ましくは75MPa以上、より一層好ましくは75~100MPaであってもよく、この範囲内で、物性バランスに優れ、水分条件下で使用される自動車及び電気・電子部品に適用可能であるという利点がある。
前記熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、含浸前に、ISO 527-1及びISO 527-2に準拠して、厚さ4mmの試験片及びクロスヘッド速度(cross head speed)5mm/min下で測定した引張強度が130MPa以上、より好ましくは135MPa以上、さらに好ましくは137MPa以上、より一層好ましくは137~150MPaであってもよく、この範囲内で、物性バランスに優れ、機械的物性に優れるので、自動車部品、電気・電子部品に高品質で適用可能であるという効果がある。
前記熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、70℃の水槽で7日間含浸させた後、ISO 527-1及びISO 527-2に準拠して、厚さ4mmの試験片及びクロスヘッド速度(cross head speed)5mm/min下で測定した含湿後の引張伸び率が7.5%以下、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは6.7%以下、より一層好ましくは3~6.7%であってもよく、この範囲内で、機械的物性及び物性バランスに優れ、水分条件下で使用される自動車及び電気・電子部品に適用可能であるという利点がある。
前記熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、含浸前に、ISO 527-1及びISO 527-2に準拠して、厚さ4mmの試験片及びクロスヘッド速度(cross head speed)5mm/min下で測定した引張伸び率が1.5%以上、より好ましくは1.8%以上、さらに好ましくは1.8~2.4%であってもよく、この範囲内で、物性バランスに優れ、機械的物性に優れるという効果がある。
前記熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、含浸前に、ISO 75-1又はISO 75-2に準拠して、厚さ4mmの試験片、試験片の方向はフラットワイズ方向(flatwise)で荷重1.80MPa下で測定した熱変形温度が205℃以上、より好ましくは208℃以上、さらに好ましくは208℃~220℃であってもよく、この範囲内で、物性バランス及び耐熱性に優れるという利点がある。
前記熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、含浸前に、IEC 60695-2-12に準拠して、厚さ1.5mmの試験片で測定したグローワイヤ燃焼性指数(Glow Wire Flammability Index;GWFI)が960℃以上であってもよく、この場合、物性バランス及び難燃性に優れるという利点がある。
本記載において、グローワイヤ燃焼性指数(Glow Wire Flammability Index;GWFI)は、電気・電子分野で用いられるエンジニアリングプラスチックに対して、UL94基準に基づく難燃規格以外に追加で要求される難燃規格であって、これは、より実質的な難燃挙動を把握して、火災を未然に防止することができる。UL94基準の難燃評価方法は、ひとまず炎を熱源として利用することによって、既に火災が発生していることを前提として難燃挙動を模写する方法であり、国際電気標準会議(IEC)基準のグローワイヤ燃焼性指数(Glow Wire Flammability Index;GWFI)は、火災の原因となり得る熱源をグローワイヤとして提供し、これに対する挙動を把握することによって、火災発生時の安全を考慮した進化した難燃テスト方法であると見ることができる。
具体的なグローワイヤ燃焼性指数の測定方法は、試験片にグローワイヤを30秒間接触させ、グローワイヤを取り去った後30秒以内に炎が消火される最大温度を測定する。
前記熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、70℃の水槽で7日間含浸させた後、UL94に準拠して、厚さ0.8mmの試験片で測定した難燃等級がV-0等級以上であり、この範囲内で、物性バランスに優れ、水分条件下で使用される成形品に適用可能であるという利点がある。
前記熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、含浸前に、UL94に準拠して、厚さ0.8mmの試験片で測定した難燃等級がV-0等級以上であり、この場合、物性バランス及び難燃性に優れるという利点がある。
(熱可塑性樹脂組成物の製造方法)
本記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、(A)ポリアミド樹脂35~65重量%と、(B)ガラス繊維18~40重量%と、(C)複合難燃剤10~30重量%と、(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤0.06~0.4重量%と、(E)銅系複合熱安定剤0.1~0.7重量%とを含んで、220~280℃及び100~400rpmの条件下で混練及び押出してペレットに製造するステップを含むことを特徴とする。このような場合、非ハロゲンリン系難燃剤を使用して高難燃性を実現し、含湿後にも機械的物性及び電気的物性に優れるという利点がある。
前記混練及び押出は、一例として、一軸押出機、二軸押出機、またはバンバリーミキサを通じて行われてもよく、好ましくは二軸押出機を通じて行い、この場合、組成物が均一に分散されて相溶性に優れるという効果がある。
前記混練及び押出は、一例としてバレル温度が220~280℃、好ましくは240~260℃である範囲内で行われてもよく、この場合、単位時間当たりの処理量が適切であると共に、十分な溶融混練が可能であり、樹脂成分が熱分解されるなどの問題を引き起こさない効果がある。
前記混練及び押出は、一例としてスクリュー回転数が100~400rpm、好ましくは200~400rpm、より好ましくは250~350rpmである条件下で行われてもよく、この場合、単位時間当たりの処理量が適切であるので、工程効率に優れながらも、ガラス繊維の過度の切断を抑制する効果がある。
前記熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、前述した熱可塑性樹脂組成物の全ての技術的特徴を共有する。したがって、重複部分についての説明は省略する。
(成形品)
本記載の成形品は、本記載の熱可塑性樹脂組成物を含むことを特徴とし、この場合、非ハロゲンリン系難燃剤を使用して高難燃性を実現し、含湿後にも機械的物性及び電気的物性に優れるという利点がある。
前記成形品は、好ましくは、自動車部品または電気・電子部品であってもよく、より好ましくは、コネクタ、ジャンクションボックス(junction box)、充電ガンインレット(Inlet)または充電ガンアウトレット(Outlet)であってもよい。
本記載の成形品の製造方法は、一例として、(A)ポリアミド樹脂35~65重量%と、(B)ガラス繊維18~40重量%と、(C)複合難燃剤10~30重量%と、(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤0.06~0.4重量%と、(E)銅系複合熱安定剤0.1~0.7重量%とを含んで、220~280℃及び100~400rpmで混練及び押出してペレットに製造するステップと;製造されたペレットを射出機を用いて射出するステップと;を含むことを特徴とし、この場合、物性バランスに優れながらも、射出加工性に優れるという利点がある。
本記載の熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及び成形品を説明するにおいて、明示的に記載していない他の条件や装備などは、当業界において通常行われる範囲内で適宜選択することができ、特に制限されないことを明示する。
以下、本記載の理解を助けるために好ましい実施例を提示するが、以下の実施例は、本記載を例示するものに過ぎず、本記載の範疇及び技術思想の範囲内で様々な変更及び修正が可能であることは当業者にとって明らかであり、このような変更及び修正が添付の特許請求の範囲に属することも当然である。
[実施例]
下記の実施例及び比較例で用いられた物質は、次の通りである。
*(A)ポリアミド樹脂:ポリアミド6(相対粘度2.3)
*(B)ガラス繊維:アミノシランで表面処理された平均直径9~13μm及び平均長さ3mmのチョップドガラス繊維
*(C)複合難燃剤:アルミニウムジエチルホスフィナート(Clariant社、OP1230)とメラミンポリホスフェート(BASF社、Melapur200-70)を重量比75:25で混合
*(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤:トリフェニルホスファイト(TPP;リン含量9重量%)
*(E)銅系複合熱安定剤:CuIとKIの混合(銅含量:100ppm)(Crystran社のCupper Iodide、Potassium Iodide)
*(F-1)核剤:リン酸ナトリウム(Bruggemann社、P22)
*(F-2)核剤:タルク(KOCH社、KC-3000)
*(G)滑剤:モンタンワックス(Clariant社、OP-Wax)
*(H)酸化防止剤:フェノール系酸化防止剤(N,N’-hexane-1,6-diylbis(3-(3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenylpropionamide)とホスファイト系酸化防止剤(Tris(2,4-di-t-butylphenyl)Phosphite)を重量比1:1で混合(BASF社、Irganox B225)
(実施例1~12及び比較例1~8)
(A)ポリアミド樹脂、(B)ガラス繊維、(C)複合難燃剤、(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤、(E)銅系複合熱安定剤、(F)核剤、(G)滑剤及び(H)酸化防止剤を、下記の表1~表3に示された含量でヘンシェルミキサーを用いて均一に混合し、二軸押出機(twin-screw extruder、¢=40mm、L/D=42)で押出温度240~260℃及びスクリュー回転速度300rpmの押出条件で押出してペレット状の熱可塑性樹脂組成物を製造した。
製造されたペレット状の樹脂組成物を、120℃の熱風乾燥機で2時間以上乾燥させた後、射出機(Engel社、80ton)を用いて射出温度260℃及び金型温度60℃で射出成形して試験片を製造し、これを恒温恒湿室(23℃)で24時間以上放置した後、物性を測定し、下記の表1~表3に示した。
[試験例]
前記実施例1~12及び比較例1~8で製造された試験片の特性を、下記のような方法で測定し、その結果を下記の表1~表3に示した。
(測定方法)
*引張強度(MPa):ISO 527-1及びISO 527-2に準拠して、厚さ4mmの試験片及びクロスヘッド速度(cross head speed)5mm/min下で測定した。
*含湿後の引張強度(MPa):70℃の水槽で7日間含浸させた後、ISO 527-1及びISO 527-2に準拠して、厚さ4mmの試験片及びクロスヘッド速度(cross head speed)5mm/min下で測定した。
*引張伸び率(%):ISO 527に準拠して、厚さ4mmの試験片及びクロスヘッド速度(cross head speed)5mm/min下で測定した。
*含湿後の引張伸び率(%):70℃の水槽で7日間含浸させた後、ISO 527-1及びISO 527-2に準拠して、厚さ4mmの試験片及びクロスヘッド速度(cross head speed)5mm/min下で測定した。
*熱変形温度(HDT、℃):ISO 75-1及びISO 75-2に準拠して、厚さ4mmの試験片、試験片の方向は面方向(flatwise)で荷重1.80MPa下で測定した。
*シャルピー衝撃強度(kJ/m2):ISO 179に準拠して、常温で厚さ4mmの試験片で測定した。
*含湿後のシャルピー衝撃強度(kJ/m2):70℃の水槽で7日間含浸させた後、ISO 179に準拠して、常温で厚さ4mmの試験片で測定した。
*比較トラッキング指数(Comparative Tracking Index、CTI):IEC 60112に準拠して、厚さ3mmの試験片で測定した。このとき、比較トラッキング指数の単位はV(ボルト)である。
*含湿後の比較トラッキング指数(Comparative Tracking Index、CTI):70℃の水槽で7日間含浸させた後、IEC 60112に準拠して、厚さ3mmの試験片で測定した。
*難燃性(UL94):UL94に準拠して、厚さ0.8mmの試験片を垂直に立て、バーナーで試験片に火を付け、一定時間内に試験片に付いた火が自然に消える程度に応じて、V-2、V-1、V-0の等級に区分した。V-0等級が難燃性に最も優れる。
*含湿後の難燃性(UL94):試験片を70℃の水槽で7日間含浸させた後、UL94に準拠して、厚さ0.8mmの試験片で測定した。
*グローワイヤ燃焼性指数(Glow Wire Flammability Index;GWFI):IEC 60695-2-12に準拠して、厚さ1.5mmの試験片にグローワイヤを30秒間接触させ、グローワイヤを取り去った後30秒以内に炎が消火される最大温度を測定した。
*表面外観:サイズ125mm×13mm×1mmである射出品の表面を目視で観察して、表面にガラス繊維の浮き(Glass Fiber Floating)現象が発生したか否かを観察し、下記のように評価した。
○:表面にガラス繊維の浮き現象が発生しないので、表面外観が優秀
△:表面にガラス繊維の浮き現象が一部発生して表面外観が普通
×:表面にガラス繊維の浮き現象が発生して表面外観が不良
前記表1~表3に示したように、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物(実施例1~12)は、比較例1~8と比較して、含湿後にも衝撃強度、引張強度、引張伸び率などの機械的物性に優れ、比較トラッキング指数、GWFI及び難燃性に優れるという効果が確認できた。
ここで、核剤として、(F-1)リン酸ナトリウム又は(F-2)タルクを含む実施例1~5、7、8及び10~12は、含浸前と後においていずれも機械的物性及び電気的特性がより優れていた。特に、(F-1)リン酸ナトリウムを0.01~0.5重量%で含む実施例1~5、7、8及び11は、機械的物性及び電気的特性以外にも、表面外観に優れていた。また、(F-2)タルクを含む実施例10、及び(F-1)リン酸ナトリウムを0.8重量%で含む実施例12は、機械的物性は優れているが、表面外観においてガラス繊維による表面浮き(Glass Fiber Floating)現象が発生した。
具体的に、(D)TPPを少量含む比較例1は、含浸前と後の電気的特性が低下し、(D)TPPを過量含む比較例2は、含浸前の引張強度が130MPa未満で、自動車部品及び電気・電子部品で求められる引張強度を満たすことができなかった。
また、(D)TPPを含まず、(E)銅系複合熱安定剤を単独で含む比較例3及び比較例5は、含浸前と後の電気的特性が低下し、(D)TPP及び(E)銅系複合熱安定剤をいずれも含まない比較例4は、含浸後の引張強度及び電気的特性が低下した。
また、(E)銅系複合熱安定剤を少量含む比較例6は、含浸後に難燃性が低下し、(E)銅系複合熱安定剤を過量含む比較例7は、含浸前と後においていずれも電気的特性が低下した。
結論的に、本発明に係る(A)ポリアミド樹脂、(B)ガラス繊維、(C)複合難燃剤、(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤及び(E)銅系複合熱安定剤を所定の含量で含む熱可塑性樹脂組成物は、非ハロゲンリン系難燃剤を使用して高難燃性を実現し、水分の吸収後にも機械的物性及び電気的物性に優れるという効果が確認できた。
前記(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤は、一例として、その総重量に対してリン含量が5~15重量%、好ましくは8~13重量%、より好ましくは7~13重量%であってもよく、この場合、難燃性に優れると共に、耐衝撃性に優れるという効果がある。
前記(F)核剤は、一例として、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、またはこれらの塩またはエステルからなる群から選択された1種以上のリン含有核剤;タルク、マイカ、ウォラストナイト、シリカ、カオリン及びクレーからなる群から選択された1種以上の無機核剤;またはこれらの混合であってもよく、この場合、機械的物性及び電気的物性がより改善される効果がある。
前記(F)核剤は、好ましくはリン含有核剤であってもよく、この場合、表面外観に優れるという効果がある。
前記リン含有核剤は、好ましくは、リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム及び亜リン酸カリウムからなる群から選択された1種以上であり、より好ましくはリン酸ナトリウムであってもよく、この場合、ポリアミド樹脂とガラス繊維の結合力が上昇し、ポリアミド樹脂の結晶化度が増加して、水分の吸収による機械的物性及び電気的物性の低下を抑制し、表面外観に優れるという利点がある。

Claims (15)

  1. (A)ポリアミド樹脂35~65重量%と、
    (B)ガラス繊維18~40重量%と、
    (C)複合難燃剤10~30重量%と、
    (D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤0.06~0.4重量%と、
    (E)銅系複合熱安定剤0.1~0.7重量%とを含むことを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記熱可塑性樹脂組成物は、70℃の水槽で7日間含浸させた後、IEC 60112に準拠して、厚さ3mmの試験片で測定した比較トラッキング指数(Comparative Tracking Index、CTI)が530V以上であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記熱可塑性樹脂組成物は、(F)核剤0.01~0.6重量%を含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記(F)核剤は、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、並びにこれらの塩及びエステルからなる群から選択された1種以上の有機核剤;タルク、マイカ、ウォラストナイト、シリカ、カオリン及びクレーからなる群から選択された1種以上の無機核剤;またはこれらの混合であることを特徴とする、請求項3に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記(A)ポリアミド樹脂は、炭素数2~30個のジアミンと炭素数4~30個のジカルボン酸の重合体;ラクタム重合体;アミノカルボン酸重合体;及びラクタムとアミノカルボン酸の共重合体;からなる群から選択された1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記(B)ガラス繊維は、平均直径3~25μm及び平均長さ1~10mmであることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 前記(C)複合難燃剤は、(c-1)有機ホスフィナート金属塩、及び(c-2)メラミンホスフェート系難燃剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 前記(c-1)有機ホスフィナート金属塩は、下記化学式1で表される化合物であることを特徴とする、請求項7に記載の熱可塑性樹脂組成物。
    (前記R1及びR2は、それぞれ、炭素数1~6のアルキル基又はアリール基であり、Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、K及びプロトン化された窒素塩基(protonated nitrogen base)からなる群から選択された1種以上であり、前記nは、1~4の整数である。)
  9. 前記(c-2)メラミンホスフェート系難燃剤は、メラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、メラミンピロホスフェート金属塩、及び環状ベンジルホスフェートからなる群から選択された1種以上であることを特徴とする、請求項7に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  10. 前記(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤は、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェニル-ジ-トリデシル)ホスファイト、環状ネオペンタンテトライル-ビス(オクタデシル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニル)ホスファイト、ジオクタデシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、及びジ-n-オクタデシル-1-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニル)-エタンホスホネートからなる群から選択された1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  11. 前記(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤は、その総重量に対してリン含量が8~13重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  12. 前記(E)銅系複合熱安定剤は、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(II)及びヨウ化銅(II)からなる群から選択された1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  13. 前記(E)銅系複合熱安定剤は、アルカリ金属ハライドを含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  14. (A)ポリアミド樹脂35~65重量%と、(B)ガラス繊維18~40重量%と、(C)複合難燃剤10~30重量%と、(D)ホスファイト(phosphite)系熱安定剤0.06~0.4重量%と、(E)銅系複合熱安定剤0.1~0.7重量%とを含んで、220~280℃及び100~400rpmの条件下で混練及び押出してペレットに製造するステップを含むことを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  15. 請求項1~13のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を含むことを特徴とする、成形品。
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