JP2024506349A - 媒体耐性のポリオキシメチレンポリマー組成物 - Google Patents

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Abstract

燃料耐性であり、特定にはディーゼル燃料耐性であり、さらに、高度に酸性の溶液に対して耐性である、ポリオキシメチレンポリマー組成物および該組成物から作製される成形品が開示される。ポリマー組成物は、ポリオキシメチレンポリマーを一般的に約90~約95重量%の量で含有する。加えて、ポリマー組成物は、酸中和剤および可塑剤を含有する。【選択図】図1

Description

関連出願
[0001]本出願は、参照により本明細書に組み入れられる2021年2月16日の出願日を有する米国仮特許出願第63/149,915号に基づき、その優先権を主張する。
[0002]ポリアセタールポリマーは、一般的にポリオキシメチレンポリマーと称され、様々な用途において極めて有用な工学的材料として確立されてきた。ポリオキシメチレンポリマーは、例えば、自動車産業や電気産業での使用のための部品のような成形部品を構築する際に広く使用される。ポリオキシメチレンポリマーは、例えば、優れた機械特性、耐疲労性、耐摩耗性、耐薬品性、および成形性を有する。
[0003]ポリオキシメチレンポリマーは、その優れた機械特性、耐熱性および耐薬品性のために、これまでに自動車やトラックなどの様々な車両のための構成部品を生産するために使用されてきた。例えば、ポリオキシメチレンポリマーは、燃料と接触してもそれほど分解しないため、ポリオキシメチレンポリマーから作製される成形部品は、燃料ラインや、車両の燃料と繰り返し接触する他の車両部品を生産するのに使用されてきた。燃料耐性であることに加えて、ポリオキシメチレンポリマー組成物は優れた耐衝撃性特性も有しており、当該ポリマーから作製される成形部品を、通常の摩耗や引裂が起こっている間のダメージまたはひび割れ形成に対して耐性にする。
[0004]しかしながら、ポリオキシメチレン組成物がディーゼル燃料と接触するように設計される場合、特定の問題に直面する。ディーゼル燃料は、例えば、硫黄または硫黄含有化合物を含有する場合がある。ディーゼル燃料が長期間にわたり加熱されると、硫黄含有化合物が酸化して、酸性硫黄化合物を生じることがあり、このような化合物は、多くの様々な合成ポリマーを分解する可能性があり、ポリオキシメチレンポリマーに対して何らかの影響を与えうる。したがって、ディーゼル燃料から形成され得る腐蝕性物質との接触に対してポリマーをより耐性にするために、従来、ポリオキシメチレンポリマーは、ヒンダードアミン光安定剤または酸化亜鉛などの様々な異なる添加剤と組み合わされてきた。
[0005]近年、自動車やトラックは、車両のタイヤに装飾リムを取り付けることが多くなっている。多くの例において、装飾リムは、ポリッシュされた金属、クロムなどから作製される。これらの材料をクリーニングするために、消費者や商業的な自動車およびトラックの洗浄施設は、典型的には、高度に酸性のホイールクリーナーを使用する。例えば、ホイールクリーナーは、3未満のpHを有する場合があり、さらには2未満ものpHを有する場合もある。これらのホイールクリーナーは、一般的に、ホイールへの適用中に、自動車の燃料部品上に噴霧される。これらの高度に酸性の溶液は、燃料部品の迅速な老化を引き起こす可能性があり、そのような部品が劣化したり経時的に機能しなくなったりする原因となる。
[0006]上記のことを考慮して、当業者は、酸に耐性のあるポリオキシメチレンポリマー組成物を配合することを試みた。例えば、どちらも参照により本明細書に組み入れられる米国特許第7,247,665号および米国特許公報第2018/0319980号は、耐酸性が改善されたポリオキシメチレンポリマー組成物を開示している。上記の両方の特許公報は、当業界において顕著な改善を示した組成物を開示しているが、耐酸性におけるさらなる改善がそれでもなお必要である。
[0007]したがって、現在、高度に酸性の溶液、例えばホイールクリーナーに対して耐性を有するポリオキシメチレンポリマー組成物の必要性がある。
[0008]一般的に、本開示は、主としてポリオキシメチレンポリマーを含有するポリマー組成物に向けられ、さらに、該組成物から作製された成形製品に向けられる。本開示のポリマー組成物は、特定には、耐酸性になるように配合される。より特定には、本開示のポリマー組成物および本組成物から成形された物品は、ディーゼル燃料などの様々な燃料との接触によく適しており、さらに、高度に酸性の液体、例えば様々な洗浄剤との接触によく適している。長期間にわたる燃料や酸性溶液との繰り返しの接触の後でさえも、本開示に従って成形された物品は、分解したり、ひび割れしたり、またはそれ以外の方式で機能しなくなったりしない。
[0009]一実施態様において、例えば、本開示のポリマー組成物は、ポリオキシメチレンポリマーを、少なくとも1種の酸中和剤および可塑剤と組み合わせて含む。より特定には、組成物は、ポリオキシメチレンポリマーを少なくとも60重量%よりも多い量で含有するだけでなく、マグネシウム化合物を含む少なくとも1種の酸中和剤および可塑剤も含有する。
[00010]ポリオキシメチレンポリマーは、例えば、ポリオキシメチレンコポリマーを含んでいてもよく、ポリマー組成物中に、約70重量%より多い量で、例えば約80重量%より多い量で、例えば約90重量%より多い量で存在していてもよい。一実施態様において、ポリオキシメチレンポリマーは、ポリマー組成物中に、約96重量%未満の量で、例えば約95重量%未満の量で存在する。ポリオキシメチレンポリマーは、ISO試験1133に従って190℃および2.16kgの負荷で測定した場合、約5g/10分より大きいメルトフローインデックスを有していてもよく、例えば約9g/10分より大きい、例えば約10g/10分より大きい、例えば約11g/10分より大きいメルトフローインデックスを有していてもよい。メルトフローインデックスは、一般的に、約40g/10分未満であり、例えば約35g/10分未満、例えば約30g/10分未満である。一実施態様において、メルトフローインデックスは、約10g/10分~約15g/10分である。
[00011]一実施態様において、ポリマー組成物中に存在するポリオキシメチレンポリマーは、相対的に低い量のコモノマーを含有するポリオキシメチレンコポリマーである。コモノマー含量は、例えば、約2重量%未満であってもよく、例えば、約1.8重量%未満の量、例えば約1.7重量%未満の量、例えば約1.6重量%未満の量であってもよい。ポリオキシメチレンコポリマーのコモノマー含量は、一般的に、約0.3重量%より大きくてもよく、例えば約0.5重量%より大きくてもよく、例えば約0.8重量%より大きくてもよく、例えば約1.1重量%より大きくてもよい。上述したような制御されたコモノマー含量を有するポリオキシメチレンコポリマーは、ポリマー組成物の耐酸性をさらに増加させることが見出されている。一態様において、比較的低いコモノマー含量を有するポリオキシメチレンコポリマーを組み合わせることは、1種またはそれより多くの酸中和剤との組み合わされて相乗的に作用し、一定の用途で最適な耐酸性を提供することができると考えられる。
[00012]上述したように、ポリオキシメチレンポリマーは、少なくとも1種の酸中和剤および可塑剤と組み合わされる。一形態において、酸中和剤は、1種またはそれより多くのマグネシウム化合物を含む。特定の実施態様において、例えば、マグネシウム化合物の使用は、粒子の物理的特性によって、最適な耐酸性を提供することができる。マグネシウム化合物は、例えば、水酸化物、酸化物、炭酸塩などであってもよい。一形態において、例えば、酸中和剤は、水酸化マグネシウムのみを含む。代替として、酸中和剤は、酸化マグネシウムのみを含んでいてもよい。別の実施態様において、水酸化マグネシウムおよび酸化マグネシウムの組合せが使用されてもよい。
[00013]一形態において、ポリマー組成物中に存在する酸中和剤の総量は、ポリマー組成物中に存在するマグネシウムの量に基づいていてもよい。組成物に含有されるマグネシウムの量は、例えば、マグネシウム化合物の分子量から計算することができる。例えば、ポリマー組成物中に存在する全ての酸中和剤の総量は、約1.8重量%より大きく約4.1重量%未満の範囲、加えて、それらの間で0.1重量%きざみで増加させた全ての値のマグネシウムの重量パーセントを提供することができる。各マグネシウム化合物は、その化合物が水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、または他のマグネシウム化合物であるかどうかにかかわらず、一般的に、マグネシウム化合物が、約0.6重量%より大きく、例えば約0.8重量%より大きく、例えば約1重量%より大きく、例えば約1.2重量%より大きく、例えば約1.4重量%より大きく、例えば約1.6重量%より大きく、例えば約1.8重量%より大きく、例えば約2重量%より大きく、一般的に、約4.1重量%未満、例えば約3.8重量%未満、例えば約3.5重量%未満、例えば約3.3重量%未満、例えば約3重量%未満のマグネシウムの重量パーセントを有するポリマー組成物を提供するように、ポリマー組成物中に存在していてもよい。
[00014]上述したように、ポリマー組成物はさらに可塑剤を含有する。可塑剤は、例えば、ポリアルキレングリコールを含んでいてもよい。ポリアルキレングリコールは、例えば、約2,000g/molより大きい平均分子量(mean molecular weight)を有していてもよく、例えば約3,000g/mol~約9,000g/molの平均分子量を有していてもよい。可塑剤は、ポリマー組成物中に、一般的に、約1重量%より多い量で、例えば約1.3重量%より多い量で、例えば約1.7重量%より多い量で、および一般的に、約10重量%未満の量で、例えば約5重量%未満の量で、例えば約4重量%未満の量で、例えば約3.3重量%未満の量で、例えば約2.8重量%未満の量で存在していてもよい。
[00015]他の実施態様において、可塑剤は、芳香族ポリエステルなどの芳香族エステル、脂肪族ジエステル、エポキシド、スルホンアミド、ポリエーテル、ポリブテン、ポリアミド、アセチル化モノグリセリド、クエン酸アルキル、または有機リン酸エステルを含んでいてもよい。
[00016]様々な他の成分が、様々な利益および利点を提供するようにポリマー組成物中に存在していてもよい。一般的に、他の材料および成分のそれぞれは、約0.1重量%~約10重量%の量で、例えば約0.1重量%~約2.5重量%の量で組成物に含有されていてもよい。
[00017]一形態において、ポリマー組成物は、1種またはそれより多くの抗酸化剤を含有する。例えば、ポリマー組成物は、ヒンダードフェノール系抗酸化剤を含む第一の抗酸化剤を含有していてもよい。ヒンダードフェノール系抗酸化剤は、ポリマー組成物中に、約0.3重量%より多い量で、例えば約0.5重量%より多い量で、例えば約0.7重量%より多い量で存在していてもよい。フェノール系抗酸化剤は、ポリマー組成物中に、一般的に、約2.5重量%未満の量で、例えば約2.2重量%未満の量で、例えば約1.8重量%未満の量で、例えば約1.5重量%未満の量で存在していてもよい。
[00018]一実施態様において、1種またはそれより多くの第二の抗酸化剤がポリマー組成物中に存在する。例えば、上述したようなヒンダードフェノール系抗酸化剤は、芳香族アミン抗酸化剤、チオジプロピオネート抗酸化剤、またはそれらの組合せと組み合わせることができる。例えば、1つの特定の実施態様において、ポリマー組成物は、芳香族アミン抗酸化剤を、約0.08重量%より多い量で、例えば約0.1重量%より多い量で、例えば約0.18重量%より多い量で、例えば約0.22重量%より多い量で、例えば約0.27重量%より多い量で、および一般的に、約0.7重量%未満の量で、例えば約0.5重量%未満の量で、例えば約0.4重量%未満の量で含有する。ジステアリルチオジプロピオネートのようなチオジプロピオネートはまた、約0.05重量%より多い量で、例えば約0.08重量%より多い量で、例えば約0.12重量%より多い量で、例えば約0.16重量%より多い量で、および一般的に、約0.7重量%未満の量で、例えば約0.5重量%未満の量で、例えば約0.3重量%未満の量で存在していてもよい。
[00019]ポリマー組成物はまた、ワックスを含有していてもよい。ワックスは、例えば、エチレンビス(ステアラミド)であってもよい。ワックスは、ポリマー組成物中に、約0.05重量%より多い量で、例えば約0.1重量%より多い量で、例えば約0.15重量%より多い量で、例えば約0.18重量%より多い量で、および一般的に、約2重量%未満の量で、例えば約1重量%未満の量で、例えば約0.8重量%未満の量で、例えば約0.7重量%未満の量で存在していてもよい。
[00020]ポリマー組成物はまた、ヒドロキシカルボン酸の塩のようなカルボン酸の塩を含有していてもよい。一形態において、ポリマー組成物は、ヒドロキシステアリン酸カルシウムを含有する。カルボン酸化合物は、例えば、ポリマー組成物中に、約0.1重量%より多い量で、例えば約0.2重量%より多い量で、および一般的に、約1.5重量%未満の量で、例えば約1重量%未満の量で、例えば約0.5重量%未満の量で存在していてもよい。
[00021]上述したように、ポリマー組成物は、ディーゼル燃料のような燃料と接触することが予想される成形品を生産するのによく適している。ポリマー組成物はまた、高度に酸性の溶液に対しても耐性である。一実施態様において、例えば、ポリマー組成物は、車両のエクステリア部品を生産するために使用することができる。成形された物品は、例えば、自動車またはトラックの燃料システムの一部を構成していてもよい。一実施態様において、例えば、成形された物品は、燃料と接触する部材を含み得る。燃料と接触する部材は、燃料ラインまたは燃料フランジを含み得る。
[00022]本開示の他の特徴および形態は、以下でより詳細に論じられる。
[00023]本開示の完全で実現可能な開示は、添付の図面への参照を含む明細書の残りの部分により詳細に記載される。
図1は、本開示に従って作製された燃料ラインの一実施態様の側面図である。 図2は、本開示に従って作製された燃料フランジの一実施態様の斜視図である。
[00024]明細書および図面における参照記号の繰り返しの使用は、本発明の同じまたは類似の特徴または要素を表すことが意図される。
詳細な説明
[00025]本議論は、例示的な実施態様のみの説明であり、本開示のより広い形態を限定するものとして意図されないことが当業者によって理解されるであろう。
[00026]一般的に、本開示は、ポリオキシメチレンポリマー組成物および該組成物から作製されるポリマー物品に向けられる。ポリマー組成物は、ポリオキシメチレンポリマーを含有し、燃料耐性特性、特定にはディーゼル燃料耐性特性を有する。加えて、本開示のポリマー組成物はまた、高度に酸性の溶液に対しても耐性になるように特別に配合される。特定には、本開示のポリマー組成物は、自動車またはトラックの燃料システムと接触する可能性がある高度に酸性の溶液または酸性副産物に対して耐性である。高度に酸性の溶液は、例えば、ホイールクリーナー、リムクリーナー、クロムクリーナーなどを含み得る。これまでに、ポリオキシメチレンポリマー組成物は、ディーゼル燃料耐性となるように配合されてきた。しかしながら、このような配合物は、燃料システムを構成する部品または物品に不注意で接触するホイールまたはリムクリーナー溶液と接触すると、ダメージまたは劣化を受けやすい場合がある。高度に酸性の液体に対して耐性であるポリマー組成物を生産するために、一実施態様において、特定のタイプのポリオキシメチレンコポリマーと組み合わせることができる様々な異なる成分が選択される。一般的に、例えば、ポリマー組成物は、1種またはそれより多くの酸中和剤を含有する。マグネシウム化合物を含む少なくとも1種の酸中和剤がポリマー組成物中に存在する。1種またはそれより多くのマグネシウム化合物は、耐酸性にとって最適であることが見出されている具体的な量のマグネシウム含量が提供されるように、ポリマー組成物中に存在する。
[00027]1種またはそれより多くのマグネシウム化合物に加えて、ポリマー組成物はまた、1種またはそれより多くの抗酸化剤を含有していてもよい。様々な異なる抗酸化剤は、本開示に従って作製されたポリマー物品の酸および/または燃料との接触に耐える能力をさらに改善するように、単独で選択されてもよいし、または組み合わせて選択されてもよい。
[00028]上述したように、一実施態様において、ポリマー組成物はまた、特定のタイプのポリオキシメチレンポリマーを含有していてもよい。ポリオキシメチレンポリマーは、例えば、制御された量のコモノマー、例えばジオキソランを含有するコポリマーであってもよい。
[00029]ポリオキシメチレンポリマーの調製は、グリコールのような分子量レギュレーターの存在下での、ポリオキシメチレンを形成する単量体、例えばトリオキサン、またはトリオキサンとジオキソランのような環式アセタールとの混合物の重合によって行うことができる。ポリマー組成物中に使用されるポリオキシメチレンポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマーを含んでいてもよい。一実施態様によれば、ポリオキシメチレンは、少なくとも50mol%、例えば少なくとも75mol%、例えば少なくとも90mol%、例えばさらには少なくとも97mol%の-CHO-反復単位を含むホモまたはコポリマーである。
[00030]一実施態様において、ポリオキシメチレンコポリマーが使用される。このコポリマーは、約0.1mol%~約20mol%、特定には約0.5mol%~約10mol%の反復単位を含有していてもよく、反復単位は、少なくとも2個の炭素原子を有する飽和もしくはエチレン性不飽和アルキレン基を含むか、または鎖中に硫黄原子もしくは酸素原子を有し、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ハロゲンもしくはアルコキシからなる群から選択される1つまたはそれより多くの置換基を含んでいてもよいシクロアルキレン基を含む。一実施態様において、開環反応を介してコポリマーに導入することができる環状エーテルまたはアセタールが使用される。
[00031]好ましい環状エーテルまたはアセタールは、以下の式を有するものである:
Figure 2024506349000002
式中、xは0または1であり、RはC~C-アルキレン基であって、場合によりC~C-アルキル基もしくはC~C-アルコキシ基、および/またはハロゲン原子、好ましくは塩素原子である1つまたはそれより多くの置換基を有する。単に一例として、環状エーテルとして、エチレンオキシド、プロピレン1,2-オキシド、ブチレン1,2-オキシド、ブチレン1,3-オキシド(butylene 1,3-oxide)、1,3-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、および1,3-ジオキセパンを挙げることができ、またコモノマーとして、直鎖状オリゴホルマールまたはポリホルマール、例えばポリジオキソランまたはポリジオキセパンを挙げることができる。
[00032]一実施態様において、ポリマー組成物中に存在するポリオキシメチレンポリマーは、ジオキソランのようなコモノマーを相対的に低い量で含有するコポリマーである。例えば、ポリオキシメチレンコポリマーは、コモノマー単位を、約2重量%未満の量で、例えば約1.8重量%未満の量で、例えば約1.7重量%未満の量で、例えば約1.6重量%未満の量で含有していてもよい。ポリオキシメチレンコポリマーのコモノマー含量は、一般的に、約0.3重量%より多く、例えば約0.5重量%より多い量で、例えば約0.7重量%より多い量で、例えば約0.9重量%より多い量で、例えば約1.1重量%より多い量で、例えば約1.3重量%より多い量であってもよい。
[00033]重合は、沈殿重合として実行してもよいし、または溶融状態で実行してもよい。重合パラメーター、例えば重合の持続時間または分子量レギュレーターの量の好適な選択によって、得られるポリマーの分子量と、MVR値を調整することができる。
[00034]一実施態様において、ポリマー組成物で使用されるポリオキシメチレンポリマーは、末端位置に相対的に多くの量の反応性基または官能基を含有していてもよい。反応性基は、例えば、-OHまたは-NH基を含んでいてもよい。
[00035]一実施態様において、ポリオキシメチレンポリマーは、任意に、ポリマーの全ての末端部位の少なくとも約50%より多くに、末端ヒドロキシル基、例えばヒドロキシエチレン基および/またはヒドロキシル側基を有していてもよい。例えば、ポリオキシメチレンポリマーは、存在する末端基の総数に基づいて、その末端基の少なくとも約70%、例えば少なくとも約80%、例えば少なくとも約85%がヒドロキシル基であってもよい。存在する末端基の総数は、全ての側の末端基を含むことが理解される。
[00036]一実施態様において、ポリオキシメチレンポリマーは、任意に、少なくとも15mmol/kg、例えば少なくとも18mmol/kg、例えば少なくとも20mmol/kgの末端ヒドロキシル基の含量を有する。一実施態様において、末端ヒドロキシル基の含量は、18~80mmol/kgの範囲である。代替の実施態様において、ポリオキシメチレンポリマーは、末端ヒドロキシル基を、100mmol/kg未満、例えば50mmol/kg未満、例えば20mmol/kg未満、例えば18mmol/kg未満、例えば15mmol/kg未満の量で含有していてもよい。例えば、ポリオキシメチレンポリマーは、末端ヒドロキシル基を、約5mmol/kg~約20mmol/kg、例えば約5mmol/kg~約15mmol/kg量で含有していてもよい。例えば、より低い末端ヒドロキシル基含量を有するが、より高いメルトボリュームフローレートを有するポリオキシメチレンポリマーを使用することができる。
[00037]末端ヒドロキシル基に加えて、またはその代わりに、ポリオキシメチレンポリマーはまた、これらのポリマーに一般的な他の末端基を有していてもよい。その例は、アルコキシ基、ギ酸基、酢酸基またはアルデヒド基である。一実施態様によれば、ポリオキシメチレンは、少なくとも50mol%、例えば少なくとも75mol%、例えば少なくとも90mol%の-CHO-反復単位を含むホモまたはコポリマーであり、例えば、さらに少なくとも95mol%もの-CHO-反復単位を含むホモまたはコポリマーである。
[00038]一実施態様において、ポリオキシメチレンポリマーは、カチオン重合プロセス、それに続いてあらゆる不安定な末端基を除去するために溶液加水分解(solution hydrolysis)を使用して生産することができる。カチオン重合中、グリコール、例えばエチレングリコールまたはメチラールは、連鎖停止剤として使用することができる。ヘテロポリ酸、トリフリック酸またはホウ素化合物は、触媒として使用することができる。
[00039]ポリオキシメチレンポリマーは、どのような好適な分子量を有していてもよい。ポリマーの分子量は、例えば、約4,000グラム/mol~約20,000g/molであってもよい。しかしながら、他の実施態様において、分子量は、20,000g/molをかなり超えていてもよく、例えば約20,000g/mol~約200,000g/molであってもよい。
[00040]組成物中に存在するポリオキシメチレンポリマーは、ISO試験1133に従って190℃および2.16kgで測定した場合、一般的に、約1~約50g/10分の範囲、例えば約9g/10分~約27g/10分の範囲のメルトフローインデックス(MFI)を有していてもよいが、それより高いまたは低いメルトフローインデックスを有するポリオキシメチレンも本開示に包含される。一実施態様において、ポリオキシメチレンポリマーは、一般的に約10g/10分より大きいメルトフローインデックスを有する。例えば、ポリオキシメチレンポリマーは、約11g/10分より大きい、約12g/10分より大きいメルトフローインデックスを有していてもよい。ポリオキシメチレンポリマーのメルトフローインデックスは、約35g/10分未満であってもよく、例えば約30g/10分未満、例えば約25g/10分未満、例えば約20g/10分未満、例えば約14g/10分未満であってもよい。
[00041]好適な商業的に入手可能なポリオキシメチレンポリマーは、セラニーズ(Celanese)/ティコナ(Ticona)からHostaform(登録商標)(HF)という商標名で入手可能である。
[00042]ポリオキシメチレンポリマーは、少なくとも60wt%、例えば少なくとも70wt%、例えば少なくとも75wt%、例えば少なくとも80wt%、例えば少なくとも85wt%、例えば少なくとも90wt%、例えば少なくとも93wt%の量でポリオキシメチレンポリマー組成物中に存在していてもよい。ポリオキシメチレンポリマーは、一般的に、約100wt%未満、例えば約97wt%未満、例えば約95wt%未満の量で存在し、ここで重量は、ポリオキシメチレンポリマー組成物の総重量に基づく。
[00043]本発明の開示によれば、ポリオキシメチレンポリマーは、少なくとも1種の酸中和剤および可塑剤と組み合わされる。酸中和剤は、一般的に、金属化合物および/または水酸化物、酸化物、硫化物または炭酸塩を含む。
[00044]一形態において、酸中和剤の少なくとも1種は、マグネシウム化合物である。例えば、本開示のポリマー組成物は、単一のマグネシウム化合物または複数のマグネシウム化合物を含有していてもよい。本開示での使用に特によく適したマグネシウム化合物としては、水酸化マグネシウム単独、酸化マグネシウム、または水酸化マグネシウムと酸化マグネシウムとの組合せが挙げられる。本発明の開示によれば、1種またはそれより多くのマグネシウム化合物は、特定には耐酸性を提供するのによく適していることが見出された特定のマグネシウム含量が達成されるようにポリマー組成物に添加される。ポリマー組成物のマグネシウム含量は、例えば、約1.8重量%より大きく、例えば約2重量%より大きく、例えば約2.2重量%より大きく、例えば約2.4重量%より大きく、例えば約2.6重量%より大きく、例えば約2.8重量%より大きく、例えば約3重量%より大きく、例えば約3.2重量%より大きく、例えば約3.4重量%より大きく、例えば約3.6重量%より大きくてもよい。ポリマー組成物のマグネシウム含量は、一般的に、約8.5重量%未満、例えば約7重量%未満、例えば約6重量%未満、例えば約5重量%未満である。一実施態様において、ポリマー組成物のマグネシウム含量は、約4.1重量%未満である。
[00045]一実施態様において、ポリマー組成物は、酸化マグネシウムのみを含有する。酸化マグネシウムは、ポリマー組成物が約2.5重量%~約6.5重量%のマグネシウム含量を有するのに十分な量でポリマー組成物中に存在していてもよい。
[00046]代替の実施態様において、ポリマー組成物は、水酸化マグネシウムを単独で含有していてもよいし、または酸化マグネシウムと組み合わせて含有していてもよい。水酸化マグネシウムは、水酸化マグネシウムが、ポリマー組成物の約0.6重量%~約4.5重量%のマグネシウムを占めるようにポリマー組成物中に存在していてもよい。例えば、水酸化マグネシウムは、約0.8重量%より大きく、例えば約1.2重量%より大きく、例えば約1.5重量%より大きく、例えば約1.8重量%より大きく、例えば約2重量%より大きく、例えば約2.2重量%より大きく、例えば約2.5重量%より大きく、例えば約2.8重量%より大きく、例えば約3重量%より大きく、例えば約3.2重量%より大きく、例えば約3.5重量%より大きく、一般的に、約6.3重量%未満、例えば約5.5重量%未満、例えば約4.1重量%未満のマグネシウム含量を提供するようにポリマー組成物に添加することができる。上述したように、水酸化マグネシウムは、単独で存在していてもよいし、または酸化マグネシウムと組み合わせて存在していてもよい。酸化マグネシウムが水酸化マグネシウムと組み合わせて存在する場合、酸化マグネシウムは、水酸化マグネシウムに関して上述したのと同じ量のマグネシウム含量がポリマー組成物に提供されるように存在していてもよい。
[00047]1種またはそれより多くのマグネシウム化合物に加えて、様々な他の酸中和剤もポリマー組成物に添加することができる。例えば、使用することができる他の酸中和剤としては、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫化硫黄、炭酸カルシウム、またはそれらの混合物が挙げられる。
[00048]一実施態様において、酸中和剤は、比較的小さい粒子サイズと高い表面積との組合せを有していてもよい。各酸中和剤は、例えば、約25m/gより大きい、例えば約35m/gより大きい、例えば約45m/gより大きい、例えば約55m/gより大きい、例えば約65m/gより大きい、例えば約75m/gより大きい、例えば約85m/gより大きい、例えば約95m/gより大きい、例えば約105m/gより大きい、例えば約115m/gより大きい、例えば約125m/gより大きい、例えば約135m/gより大きい、例えば約145m/gより大きい、例えば約155m/gより大きい、例えば約165m/gより大きい、例えば約175m/gより大きい、例えば約185m/gより大きい、例えば約195m/gより大きい、例えば約205m/gより大きい、例えば約215m/gより大きいBET表面積を有していてもよい。BET表面積は、一般的に、約400m/g未満である。
[00049]ポリオキシメチレンポリマーおよび酸中和剤に加えて、ポリマー組成物はさらに、可塑剤を含有する。可塑剤は、ポリアルキレングリコール、エステル、ポリエステル、エポキシド、スルホンアミド、ポリエーテル、ポリアミド、ポリブテン、アセチル化モノグリセリド、クエン酸アルキル、有機リン酸エステル、またはそれらの混合物を含んでいてもよい。
[00050]例えば、一実施態様において、可塑剤は、ポリエチレングリコールを含む。可塑剤の平均分子量は、一般的に、約1,000g/molより大きくてもよく、例えば約3,000g/molより大きくてもよく、例えば約5,000g/molより大きくてもよい。可塑剤の平均分子量は、一般的に、約55,000g/mol未満であり、例えば約30,000g/mol未満、例えば約15,000g/mol未満、例えば約8,000g/mol未満である。
[00051]代替の実施態様において、可塑剤は、エステル官能基を有していてもよく、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、マレイン酸エステル、トリメリット酸エステル、安息香酸エステル、またはそれらの混合物を含んでいてもよい。好適なフタル酸エステルの例は、フタル酸ジイソブチル(DIBP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジイソヘプチル(DIHP)、L79フタル酸エステル、L711フタル酸エステル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、L911フタル酸エステル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジイソウンデシル、フタル酸ウンデシルドデシル、フタル酸ジイソトリデシル(DTDP)およびフタル酸ブチルベンジル(BBP)である。
[00052]アジピン酸エステルの例は、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、およびアジピン酸ジイソデシルである。トリメリット酸エステルの例は、トリメリット酸トリオクチルである。リン酸エステルも使用することができる。好適な例は、リン酸トリ-2-エチルヘキシル、リン酸2-エチルヘキシルジフェニル、およびリン酸トリクレジルである。
[00053]セバシン酸エステルおよびアゼライン酸エステルとしては、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル(DOS)、およびアゼライン酸ジ-2-エチルヘキシル(DOZ)が挙げられる。
[00054]ポリエステル可塑剤は、典型的には、プロパンジオールまたはブタンジオールとアジピン酸または無水フタル酸との縮合生成物に基づく。反応化学量論の厳密な制御によって、末端封鎖されていないポリエステルを生産することができるが、これらのポリエステルの成長中のポリマー鎖は、次いで、アルコールまたは一塩基酸で末端封鎖されてもよい。
[00055]さらなる可塑剤は、安息香酸エステルであり、これは、JAYFLEX(登録商標)MB10、BENZOFLEX(登録商標)2088、BENZOFLEX(登録商標)LA-705、およびBENXOFLEX(登録商標)9-88として商業的に入手可能である。エポキシドベース可塑剤としては、エポキシ化された植物油が挙げられる。
[00056]一実施態様において、可塑剤は、芳香族ベンゼンスルホンアミドである。好ましくは、一般式(I)によって表されるベンゼンスルホンアミドが挙げられる:
Figure 2024506349000003
式中、R1は水素原子、C~Cアルキル基またはC~Cアルコキシ基を表し、Xは直鎖状または分岐状C~C10アルキレン基、またはアルキル基、またはメチレン基、または脂環式基、または芳香族基を表し、YはH基、OH基または
Figure 2024506349000004
のうちの1つを表し、RはC~Cアルキル基または芳香族基を表し、これらの基は、任意に、それ自体、OHまたはC~Cアルキル基で置換されていてもよい。
[00057]式(I)の好ましい芳香族ベンゼンスルホンアミドは、Rが水素原子またはメチルもしくはメトキシ基を表し、Xが直鎖状または分岐状C~C10アルキレン基またはフェニル基を表し、YがH、OH、または-O-CO-R基を表し、Rがメチルまたはフェニル基を表し、後者はOHまたはメチル基で任意に置換されていてもよい。
[00058]以下で特定されるように室温で液体(L)または固体(S)である式(I)の芳香族スルホンアミドのなかでも、それらに割り振られたこれらの略語と共に、以下の生成物を挙げることができる:
N-(2-ヒドロキシエチル)ベンゼンスルホンアミド(L)、
N-(3-ヒドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド(L)、
N-(2-ヒドロキシエチル)-p-トルエンスルホンアミド(S)、
N-(4-ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド(S)、
N-[(2-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-1-メチル)エチル]ベンゼンスルホンアミド(L)、
N-[5-ヒドロキシ-1,5-ジメチルヘキシル]ベンゼンスルホンアミド(S)、
N-(2-アセトキシエチル)ベンゼンスルホンアミド(S)、
N-(5-ヒドロキシペンチル)ベンゼンスルホンアミド(L)、
N-[2-(4-ヒドロキシベンゾイルオキシ)エチル]ベンゼン-スルホンアミド(S)、
N-[2-(4-メチルベンゾイルオキシ)エチル]ベンゼンスルホンアミド(S)、
N-(2-ヒドロキシエチル)-p-メトキシベンゼンスルホンアミド(S)および
N-(2-ヒドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド(L)。
[00059]1つの特定の可塑剤は、スルホンアミドであり、例えばN-(n-ブチル)ベンゼンスルホンアミドである。
[00060]ポリマー組成物中に存在する可塑剤の量は、存在する酸中和剤の量に加えて様々な他の因子の量によって決まる場合がある。一般的に、可塑剤は、約0.8重量%より多い量で存在し、例えば約1.2重量%より多い量で、例えば約1.6重量%より多い量で、例えば約1.8重量%より多い量で組成物中に存在する。可塑剤は、一般的に、約12重量%未満の量で存在し、例えば約8重量%未満の量で、例えば約6重量%未満の量で、例えば約3重量%未満の量で存在する。
[00061]ポリオキシメチレンポリマー、少なくとも1種の酸中和剤、および可塑剤に加えて、1つまたはそれより多くの特性を改善するために様々な他の成分および材料が組成物に含有されていてもよい。例えば、一実施態様において、組成物は、本組成物から成形されたあらゆる物品が静電気拡散性(ESD)能を示すように、導電性フィラーを含有していてもよい。導電性フィラーは、導電性粒子、粉末、繊維、またはそれらの組合せを含んでいてもよい。例えば、導電性フィラーは、金属粉末、金属フレーク、金属繊維(すなわち、ステンレス鋼繊維)、炭素粉末、炭素繊維、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、またはそれらの組合せを含んでいてもよい。
[00062]さらに、導電性フィラーは、ポリマー組成物の総重量に基づいて、約1重量%~約30重量%の範囲の量で、例えば約1.5重量%~約25重量%の範囲の量で、例えば約2重量%~約20重量%の範囲の量で本開示のポリマー組成物中に存在していてもよい。
[00063]一形態において、1種またはそれより多くの抗酸化剤がポリマー組成物中に存在していてもよい。例えば、一実施態様において、立体障害のある(sterically hindered)フェノールが存在していてもよい。商業的に入手可能な例は、ペンタエリスリチルテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコールビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート]、3,3’-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオノヒドラジド]、およびヘキサメチレングリコールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である。抗酸化剤は、ポリマー組成物中に、少なくとも約0.1wt%、例えば少なくとも約0.5wt%、例えば少なくとも約0.8wt%、例えば少なくとも約1.1重量%、および約4wt%未満、例えば約3wt%未満、例えば約2wt%未満の量で存在していてもよく、この場合、重量は、それぞれのポリマー組成物の総重量に基づく。
[00064]立体障害のあるフェノールに加えて、様々な他の抗酸化剤が本発明の開示に取り込まれていてもよい。実際に、一実施態様において、ポリマーを、酸、燃料、熱などと接触した後に劣化に対してより耐性にすることなどの1つまたはそれより多くの利点を提供するために、複数の抗酸化剤がポリマー組成物に取り込まれていてもよい。ポリマー組成物に取り込ませることができる他の抗酸化剤としては、芳香族アミンが挙げられる。芳香族アミンは、熱安定剤としても役立つ可能性がある。一実施態様において、芳香族アミン抗酸化剤は、4-(1-メチル-1-フェニルエチル)N-[4-(1-メチル-1-フェニルエチル)フェニル]アニリンである。芳香族アミン抗酸化剤は、ポリマー組成物中に、約0.1重量%より多い量で、例えば約0.15重量%より多い量で、例えば約0.2重量%より多い量で、例えば約0.25重量%より多い量で、例えば約0.27重量%より多い量で、および一般的に、約2重量%未満の量で、例えば約1重量%未満の量で、例えば約0.8重量%未満の量で、例えば約0.5重量%未満の量で存在していてもよい。
[00065]ポリマー組成物中に存在していてもよい別の抗酸化剤は、チオジプロピオネートであり、例えばジステアリルチオジプロピオネートである。チオジプロピオネート抗酸化剤は、ポリマー組成物中に、約0.08重量%より多い量で、例えば約0.1重量%より多い量で、例えば約0.15重量%より多い量で、例えば約0.18重量%より多い量で、および一般的に、約1.8重量%未満の量で、例えば約1.3重量%未満の量で、例えば約0.8重量%未満の量で、例えば約0.5重量%未満の量で存在していてもよい。
[00066]一実施態様において、コポリアミドは、ホルムアルデヒド放出を低減させるためにポリマー組成物中に存在していてもよい。コポリアミドは、一般的に、約120℃より大きい軟化点を有していてもよく、例えば約130℃より大きい、例えば約140℃より大きい、例えば約150℃より大きい、例えば約160℃より大きい、例えば約170℃より大きい軟化点を有していてもよい。コポリアミドの軟化点は、約210℃未満であってもよく、例えば約200℃未満、例えば約190℃未満、例えば約185℃未満であってもよい。コポリアミドは、230℃で、約7Pa・sより大きい溶融粘度を有していてもよく、例えば約8Pa・sより大きい、例えば約9Pa・sより大きい溶融粘度を有していてもよい。溶融粘度は、一般的に、約15Pa・s未満であり、例えば約14Pa・s未満、例えば約13Pa・s未満である。一実施態様において、コポリアミドは、エタノールに可溶性である。一実施態様において、コポリアミドは、ポリマー性脂肪酸と脂肪族ジアミンとの重縮合生成物を含んでいてもよい。コポリアミドは、組成物中に、一般的に、約0.01重量%より多い量で存在していてもよく、例えば約0.03重量%より多い量で、例えば約0.05重量%より多い量で存在していてもよい。コポリアミドは、一般的に、約2重量%未満の量で存在し、例えば約1.5重量%未満の量で、例えば約1重量%未満の量で、例えば約0.5重量%未満の量で、例えば約0.1重量%未満の量で存在する。
[00067]一実施態様において、酸スカベンジャーが存在していてもよい。酸スカベンジャーは、例えば、アルカリ土類金属塩を含んでいてもよい。例えば、酸スカベンジャーは、カルシウム塩、例えばクエン酸カルシウムまたは炭酸カルシウムを含んでいてもよい。一実施態様において、酸スカベンジャーは、クエン酸三カルシウムを含んでいてもよい。酸スカベンジャーは、少なくとも約0.01wt%の量で存在していてもよく、例えば少なくとも約0.05wt%、例えば少なくとも約0.09wt%の量で存在していてもよい。一実施態様において、例えば酸スカベンジャーが炭酸塩である場合、それより多くの量の酸スカベンジャーが使用される。例えば、酸スカベンジャーは、約2wt%より多い量で存在していてもよく、例えば約5wt%より多く、例えば約7wt%より多い量で存在していてもよい。酸スカベンジャーは、一般的に、約10wt%未満の量で存在し、例えば約7wt%未満、例えば約5wt%未満、例えば約1wt%未満、例えば約0.75wt%未満、例えば約0.5wt%未満の量で存在し、この場合、重量は、それぞれのポリマー組成物の総重量に基づく。
[00068]一実施態様において、核剤(nucleant)が存在していてもよい。核剤は、結晶性を増加させることができ、オキシメチレンターポリマーを含んでいてもよい。1つの特定の実施態様において、例えば、核剤は、ブタンジオールジグリシジルエーテル、エチレンオキシド、およびトリオキサンのターポリマーを含んでいてもよい。一実施態様において、ターポリマー核剤は、比較的小さい粒子サイズを有していてもよく、例えば、約1マイクロメートル未満、例えば約0.8マイクロメートル未満、例えば約0.6マイクロメートル未満、例えば約0.4マイクロメートル未満のd50粒子サイズであり、一般的に0.01マイクロメートルより大きいd50粒子サイズを有していてもよい。使用できる他の核剤としては、ポリアミド、窒化ホウ素、またはタルクが挙げられる。ポリアミド核剤は、PA6またはPA12であってもよい。核剤は、組成物中に、少なくとも約0.01wt%、例えば少なくとも約0.05wt%、例えば少なくとも約0.1wt%、および約2wt%未満、例えば約1.5wt%未満、例えば約1wt%未満の量で存在していてもよく、この場合、重量は、それぞれのポリマー組成物の総重量に基づく。
[00069]一実施態様において、潤滑剤が存在していてもよい。潤滑剤は、ポリマーワックス組成物を含んでいてもよい。一実施態様において、脂肪酸アミド、例えばエチレンビス(ステアラミド)が存在していてもよい。代替の実施態様において、潤滑剤は、可塑剤と比べて比較的低い分子量を有するポリアルキレングリコールを含んでいてもよい。例えば、潤滑剤は、約500~約4,000の平均分子量を有するポリエチレングリコールを含んでいてもよい。潤滑剤は、一般的に、ポリマー組成物中に、少なくとも約0.01wt%、例えば少なくとも約0.05wt%、例えば少なくとも約0.1wt%、および約1wt%未満、例えば約0.75wt%未満、例えば約0.5wt%未満の量で存在していてもよく、この場合、重量は、それぞれのポリマー組成物の総重量に基づく。
[00070]一実施態様において、着色剤が存在していてもよい。使用できる着色剤としては、あらゆる望ましい無機顔料が挙げられ、例えば二酸化チタン、ウルトラマリンブルー、コバルトブルー、並びに他の有機顔料および色素、例えばフタロシアニン、アントラキノンなどが挙げられる。他の着色剤としては、カーボンブラックまたは様々な他のポリマー可溶性色素が挙げられる。一実施態様において、着色剤の組合せがポリマー組成物中に含まれていてもよい。例えば、ポリマー組成物は、カーボンブラックを含有していてもよい。代替の実施態様において、ポリマー組成物中に存在する着色剤は、少なくとも1種の着色顔料、例えば黄色顔料および緑色顔料と組み合わせて、任意にカーボンブラックとさらに組み合わせて、二酸化チタンを含んでいてもよい。着色剤は、組成物中に、少なくとも約0.01wt%、例えば少なくとも約0.05wt%、例えば少なくとも約0.1wt%、例えば少なくとも約0.5wt%、および約5wt%未満、例えば約2.5wt%未満、例えば約1wt%未満の量で存在していてもよく、この場合、重量は、それぞれのポリマー組成物の総重量に基づく。
[00071]着色剤が存在する場合、1種またはそれより多くの光安定剤もまた、組成物内に含有されていてもよい。一実施態様において、紫外光安定剤に加えて、光安定剤、例えば立体障害アミンが存在していてもよい。使用できるヒンダードアミン光安定剤としては、N-メチル化された、オリゴマー性のヒンダードアミン化合物が挙げられる。例えば、ヒンダードアミン光安定剤は、高分子量のヒンダードアミン安定剤を含んでいてもよい。光安定剤は、存在する場合、ポリマー組成物中に、少なくとも約0.01wt%、例えば少なくとも約0.05wt%、例えば少なくとも約0.075wt%、および約1wt%未満、例えば約0.75wt%未満、例えば約0.5wt%未満の量で存在していてもよく、この場合、重量は、それぞれのポリマー組成物の総重量に基づく。
[00072]一実施態様において、紫外光安定剤が存在していてもよい。紫外光安定剤は、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、または安息香酸塩を含んでいてもよい。紫外線吸収剤は、存在する場合、ポリマー組成物中に、少なくとも約0.01wt%、例えば少なくとも約0.05wt%、例えば少なくとも約0.075wt%、および約1wt%未満、例えば約0.75wt%未満、例えば約0.5wt%未満の量で存在していてもよく、この場合、重量は、それぞれのポリマー組成物の総重量に基づく。
[00073]しかしながら、一実施態様において、ポリマー組成物は、光安定剤をまったく含まない。例えば、組成物は、紫外光安定剤またはヒンダードアミン光安定剤を含んでいなくてもよい。
[00074]一形態において、任意に、窒素を含有するホルムアルデヒドスカベンジャーがポリマー組成物中に存在していてもよい。しかしながら、代替の実施態様において、ポリマー組成物は、いかなる窒素含有ホルムアルデヒドスカベンジャーもまったく含まないように配合することができる。このようなホルムアルデヒドスカベンジャーは、例えば、耐酸性を提供する他の成分の能力に干渉する可能性がある。その例としてはなかでも、主として、アミノ置換された炭素原子またはカルボニル基のいずれかに隣接するヘテロ原子として少なくとも1個の窒素原子を有する複素環式化合物が挙げられ、例えば、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピロリドン、アミノピリジンおよびそれらに由来する化合物が挙げられる。このような化合物は、トリアミノ-1,3,5-トリアジン(メラミン)およびその誘導体、例えばメラミン-ホルムアルデヒド縮合体およびメチロールメラミンである。他の化合物としては、グアナミン化合物が挙げられる。
[00075]ポリマー組成物はまた、任意に1種またはそれより多くの強化材を含有していてもよい。例えば、ポリマー組成物は、強化繊維、例えばガラス繊維、炭素繊維などを含有していてもよい。強化繊維は、一般的に、約2重量%~約40重量%の量で、例えば約10重量%~約25重量%の量で存在していてもよい。
[00076]本開示の組成物は、当業界において公知のあらゆる技術を使用して配合し、ポリマー物品に成形することができる。例えば、それぞれの組成物を徹底的に混合して、実質的に均一なブレンドを形成することができる。ブレンドは、高い温度で、例えばポリマー組成物中に利用されるポリマーの融点より高いが分解温度より低い温度で、溶融混練してもよい。代替として、それぞれの組成物を溶融させ、従来のシングルまたはツインスクリュー押出機で一緒に混合してもよい。好ましくは、溶融混合は、100~280℃の範囲の温度で行われ、例えば120~260℃、例えば140~240℃または180~220℃の範囲の温度で行われる。
[00077]押出しの後、組成物をペレットに形成することができる。ペレットは、例えば射出成形、熱成形、吹込成形、回転成形などの当業界において公知の技術によってポリマー物品に成形することができる。
[00078]一実施態様において、ポリマー組成物は、自動車分野のために設計されるポリマー物品を生産するのに使用することができる。ポリマー物品は、例えば、車両のエクステリア部品になるように設計することができる。一実施態様において、成形品は、燃料と接触する部材に形成される。燃料と接触する部材は、例えば、自動車またはトラックのような車両の燃料システムに含有される1種またはそれより多くの部品であり得る。燃料と接触する部材は、例えば、ディーゼル燃料との繰り返しの接触について設計することができる。
[00079]図1を参照すれば、例えば、本開示のポリマー組成物から形成された燃料ライン100が示される。この実施態様において、燃料ライン100は、例えば、波形の管を含む。
[00080]燃料ラインに加えて、本開示のポリマー組成物は、燃料タンク、燃料ポンプの構成要素、燃料フィルターの構成要素、燃料レール、インジェクターの構成要素、圧力調節器、およびリターン燃料ラインを生産するのに使用することができる。
[00081]一実施態様において、ポリマー組成物は、図2で示されるような燃料フランジ200を生産するのに使用される。燃料フランジ200は、例えば、燃料タンク上に設置され、1本またはそれより多くの燃料ラインに接続されるように設計される。例えば、図2で示されるように、燃料フランジ200は、燃料を燃料タンクに供給するための、さらに、燃料タンクから燃料を分配するための、少なくとも1つの燃料入口または出口202を含んでいてもよい。燃料フランジ200は、車両内に含有される制御器を、燃料タンク中およびその周りに存在し得る様々なセンサーに接続するための電気コネクター204を含んでいてもよい。
[00082]ポリマー組成物は、ポリマー組成物を、燃料関連用途での使用に加えて多くの用途によく適したものにする物理的特性および耐酸性の組合せを有していてもよい。例えば、GM試験GMW18052に従って試験される場合、ポリマー組成物は、75%引張応力を維持するのに30サイクルより大きい耐酸性を示し、35%引張応力を維持するのに10サイクルより大きい耐酸性を示し、2500MPaより大きい引張係数を示し、54MPaより大きい降伏引張強度を示し、4kJ/mより大きい23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度を示し、3kJ/mより大きい-30℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度を示し、1.4g/cm~1.46g/cmの密度を示し、168℃~175℃の溶融温度を示し、90℃より高いDTULを示し、9g/10分~16g/16分のメルトフローレートを示す。例えば、ポリマー組成物は、2800MPaより大きく、例えば3000MPaより大きく、一般的に4500MPa未満の引張係数を示すことができ、56MPaより大きく、例えば58MPaより大きく、一般的に70MPa未満の降伏引張強度を示し、約5kJ/mより大きく、例えば約5.5kJ/mより大きく、一般的に約9kJ/m未満の23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度を示し、約5kJ/mより大きく、例えば約5.4kJ/mより大きく、一般的に約8.5kJ/m未満の-30℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度を示す。
[00083]本発明の開示は、以下の実施例を参照してよりよく理解することができる。
[00084]以下の実施例は、本発明をさらに例示するために提供されるが、その範囲を限定するものではない。本発明の他の変化形は、当業者に容易に理解できるものと予想され、添付の特許請求の範囲に包含される。
実施例1
[00085]この実施例において、様々なポリマー組成物を配合し、高度に酸性の溶液に対する耐性に関して試験した。ポリマー組成物はまた、様々な物理的特性に関しても試験した。
[00086]以下のポリマー組成物を配合した。
Figure 2024506349000005
[00087]上記のポリマー組成物を試験用プラークに成形し、以下の通りに試験した。
Figure 2024506349000006
[00088]本発明へのこれらおよび他の改変および変更は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載される本発明の本質および範囲から逸脱することなく当業者によって行うことができる。加えて、様々な実施態様の形態が、全体または部分的の両方で置き換え可能であることが理解されるものとする。さらに、当業者は、前述の説明は単なる一例としてであり、添付の特許請求の範囲に記載されるような本発明を限定することを意図していないことを理解しているであろう。
100 燃料ライン
200 燃料フランジ
202 入口または出口
204 電気コネクター

Claims (24)

  1. ポリマー組成物であって、
    少なくとも約60重量%の量で該ポリマー組成物中に存在するポリオキシメチレンポリマーであって、該ポリオキシメチレンポリマーは、コモノマーを含有するポリオキシメチレンコポリマーを含み、該コモノマーは、該ポリオキシメチレンコポリマー中に約2重量%未満の量で存在する、上記ポリオキシメチレンポリマー;
    マグネシウム化合物を含む少なくとも1種の酸中和剤であって、該ポリマー組成物中に存在する全ての酸中和剤の総量は、約1.8重量%より大きく、約4.1重量%未満のマグネシウムの重量パーセントを提供する、上記酸中和剤;および
    可塑剤
    を含む、上記ポリマー組成物。
  2. 前記コモノマーが、ジオキソランを含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
  3. 前記ポリオキシメチレンコポリマーが、前記コモノマーを、約1.8重量%未満の量で、例えば約1.7重量%未満の量で、かつ、一般的に約0.3重量%より多くの量で、例えば約0.8重量%より多くの量で含有する、請求項1または2に記載のポリマー組成物。
  4. 前記ポリオキシメチレンポリマーが、ISO試験1133に従って190℃および2.16kgの負荷で試験した場合、約10g/10分より大きく、例えば約11g/10分より大きく、かつ、約30g/10分未満のメルトフローインデックスを有する、請求項1、2または3に記載のポリマー組成物。
  5. 前記ポリマー組成物が、第一の抗酸化剤および少なくとも1種の第二の抗酸化剤をさらに含み、該第一の抗酸化剤は、ヒンダードフェノールを含み、該第一の抗酸化剤は、約0.5重量%~約2.5重量%の量で前記ポリマー組成物中に存在し、該第二の抗酸化剤は、芳香族アミン、ジステアリルチオジプロピオネート、またはそれらの混合物を含み、各第二の抗酸化剤は、約0.01重量%~約1.8重量%の量で前記ポリマー組成物中に存在する、請求項1、2、3または4に記載のポリマー組成物。
  6. ポリマー組成物であって、
    少なくとも約60重量%の量で該ポリマー組成物中に存在するポリオキシメチレンポリマー;
    水酸化マグネシウムを含む少なくとも1種の酸中和剤であって、該ポリマー組成物中に存在する全ての酸中和剤の総量は、約1.8重量%より大きく、約4.1重量%未満のマグネシウムの重量パーセントを提供する、酸中和剤;
    可塑剤
    を含み、
    窒素を含有するホルムアルデヒドスカベンジャーを含まない、上記ポリマー組成物。
  7. 金属酸化物を含む第2の酸中和剤を含む、請求項6に記載のポリマー組成物。
  8. 前記金属酸化物が、酸化マグネシウムを含む、請求項7に記載のポリマー組成物。
  9. 前記水酸化マグネシウムが、前記ポリマー組成物中に、約0.6重量%より大きい、例えば約1.2重量%より大きい、例えば約1.5重量%より大きいマグネシウムの重量パーセントを提供するのに十分な量で存在し、かつ、前記酸化マグネシウムが、前記ポリマー組成物中に、約0.6重量%より大きい、例えば約1.2重量%より大きい、例えば約1.5重量%より大きいマグネシウムの重量パーセントを提供するのに十分な量で存在する、請求項8に記載のポリマー組成物。
  10. 前記可塑剤が、前記ポリマー組成物中に、約1重量%~約5重量%の量で存在する、請求項6~9のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  11. 前記可塑剤が、ポリアルキレングリコールを含む、請求項6~10のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  12. 前記ポリアルキレングリコールが、約1,000~約5,000g/molの平均分子量を有する、請求項11に記載のポリマー組成物。
  13. ヒドロキシステアリン酸カルシウムをさらに含む、請求項6~12のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  14. エチレンビス(ステアラミド)をさらに含有する、請求項6~13のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  15. 前記ポリオキシメチレンポリマーが、前記ポリマー組成物中に、約80重量%より多い量で存在し、例えば約88重量%より多い量で存在する、請求項6~14のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  16. 前記ポリオキシメチレンポリマーが、コモノマーを含有するポリオキシメチレンコポリマーを含み、該コモノマーは、該ポリオキシメチレンコポリマー中に、約2重量%未満の量で、例えば約1.8重量%未満の量で、例えば約1.7重量%未満の量で存在する、請求項6~15のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  17. 前記コモノマーが、ジオキソランを含む、請求項16に記載のポリマー組成物。
  18. 前記ポリオキシメチレンポリマーが、ISO試験1133に従って190℃および2.16kgの負荷で試験した場合、約10g/10分より大きく、例えば約11g/10分より大きく、かつ、約30g/10分未満のメルトフローインデックスを有する、請求項6~17のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  19. 前記ポリマー組成物が、第一の抗酸化剤をさらに含み、該第一の抗酸化剤は、ヒンダードフェノールを含み、該第一の抗酸化剤は、約0.5重量%~約2.5重量%の量で前記ポリマー組成物中に存在する、請求項6~18のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  20. 前記ポリマー組成物が、少なくとも1種の第二の抗酸化剤をさらに含み、該第二の抗酸化剤は、芳香族アミン、ジステアリルチオジプロピオネート、またはそれらの混合物を含み、各第二の抗酸化剤は、約0.01重量%~約1.8重量%の量で前記ポリマー組成物中に存在する、請求項19に記載のポリマー組成物。
  21. 75%の引張応力を維持するのに30サイクルより大きい耐酸性を示し、35%の引張応力を維持するのに10サイクルより大きい耐酸性を示し、2500MPaより大きい引張係数を示し、54MPaより大きい降伏引張強度を示し、4kJ/mより大きい23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度を示し、3kJ/mより大きい-30℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃強度を示し、1.4g/cmg/cm~1.46g/cmの密度を示し、168℃~175℃の溶融温度を示し、90℃より高いDTULを示し、9g/10分~16g/16分のメルトフローレートを示す、請求項1~20のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  22. 請求項1~21のいずれか一項に記載のポリマー組成物から作製される成形された物品であって、車両のエクステリア部品を含む、上記成形された物品。
  23. 前記車両のエクステリア部品が、燃料と接触する部材を含む、請求項22に記載の成形された物品。
  24. 燃料ラインまたは燃料フランジを含む、請求項22に記載の成形された物品。
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