JP2024505891A - 積層駆動部材を備えた外科用ステープリング・デバイス - Google Patents

Abstract

外科用ステープリング・デバイスは、細長い本体と、関節のために細長い本体に枢動可能に連結されたツール・アセンブリと、駆動アセンブリとを含む。駆動アセンブリは、ツール・アセンブリからステープルを射出し、ツール・アセンブリの顎部の間に締め付けられた組織を切断するために、ツール・アセンブリに関連して動くことができる。駆動アセンブリは、可撓性駆動ビームに連結された作業端を含む。可撓性駆動ビームは、金属コア部材及びコア部材の両側に固定された外部積層を含む。外部積層は、外科用ステープリング・デバイスの発射力を最小化するために、コア部材より低い摩擦係数を有する材料から形成される。

Description

本開示は、一般に可撓性駆動ビームを含む駆動アセンブリを備えた外科用ステープリング・デバイスに関し、より詳細には、関節ツール・アセンブリ及び可撓性駆動ビームを有する駆動アセンブリを含む、外科用ステープリング・デバイスに関する。

細長い本体及び細長い本体上に支持されたツール・アセンブリを含む、内視鏡ステープリング・デバイスは周知である。典型的には、ツール・アセンブリは、ツール・アセンブリが関節位置と非関節位置との間を枢動できるように、細長い本体の長手方向軸に垂直な枢軸を画定する枢動部材により、細長い本体の遠位部に連結される。このようなステープリング・デバイスは、ツール・アセンブリがツール・アセンブリからステープルを射出するために発射される時に、枢軸を中心に曲がることができる可撓性駆動ビームを有する駆動アセンブリを含む。

内視鏡外科的処置の間に体腔内の組織により良く接近するために、９０度の範囲にわたるツール・アセンブリの関節が望ましい。しかしこのような高角度に関節のあるツール・アセンブリでステープリング・デバイスを発射することにより、ステープリング・デバイスを発射するために必要な発射力が大きく増加する。

ステープリング・デバイスのツール・アセンブリが関節位置にある時に、ステープリング・デバイスを発射するために必要な発射力を最小化することができるステープリング・デバイスが、当技術分野で引き続き必要とされている。

本開示は、一般に細長い本体と、関節のために細長い本体に枢動可能に連結されたツール・アセンブリと、駆動アセンブリとを含む、外科用ステープリング・デバイスに関する。駆動アセンブリは、可撓性駆動ビームに連結された作業端を含む。可撓性駆動ビームは、金属コア部材及びコア部材の両側に固定された外部積層を有する。外部積層は、外科用ステープリング・デバイスの発射力を最小化するために、コア部材より低い摩擦係数を有する材料から形成される。

本開示の態様は、作業端を含む駆動アセンブリ及び駆動ビーム・アセンブリを対象とする。作業端は、Ｉビーム構成を有し、第１のビーム、第２のビーム、及び第１のビームを第２のビームに相互接続する垂直支柱を含む。駆動ビーム・アセンブリは、コア部材及び外部積層を含む。コア部材は、平坦な側壁、頂壁、及び底壁を有する、可撓性ビームを含む。可撓性ビームは、作業端に固定された遠位部を有し、外部積層は、可撓性ビームの平坦な側壁に沿って支持される。コア部材は金属から形成され、外部積層は、コア部材より低い摩擦係数を有する材料から形成される。

本開示の他の態様は、アダプタ・アセンブリ、ツール・アセンブリ、及び駆動アセンブリを含む、ステープリング・デバイスを対象とする。アダプタ・アセンブリは長手方向軸を画定し、近位部及び遠位部を有する。ツール・アセンブリは、ツール・アセンブリが枢軸を中心に非関節位置と関節位置との間で関節運動ができるように、長手方向軸に垂直な枢軸を画定する枢動部材によりアダプタ・アセンブリの遠位部上に支持される。ツール・アセンブリは、開位置とクランプ位置との間で互いに関連して動くことができる、アンビル・アセンブリ及びカートリッジ・アセンブリを含む。駆動アセンブリは、ツール・アセンブリを作動させるために後退位置と前進位置との間でツール・アセンブリに関連して動くことができ、作業端及び駆動ビーム・アセンブリを含む。作業端は、Ｉビーム構成を有し、第１のビーム、第２のビーム、及び第１のビームを第２のビームに相互接続する垂直支柱を含む。駆動ビーム・アセンブリは、コア部材及び外部積層を含む。コア部材は、平坦な側壁、頂壁、及び底壁を有する、可撓性ビームを含む。可撓性ビームは、作業端に固定された遠位部を有し、外部積層は、可撓性ビームの平坦な側壁に沿って支持される。コア部材は金属から形成され、外部積層は、コア部材より低い摩擦係数を有する材料から形成される。

本開示の態様では、外部積層は、ポリテトラフルオロエチレンから形成される。

本開示の一部の態様では、コア部材は、ステンレス鋼から形成される。

本開示の特定の態様では、外部積層は、空洞及び頂壁と反対側の開口を画定するＵ字形積層アセンブリを形成するために、頂壁によって一緒に連結される。

本開示の態様では、空洞は、開口を通してコア部材を受領する。

本開示の一部の態様では、コア部材の底壁はノッチを画定し、外部積層の１つは、ノッチと位置合わせされ、開口の中に延在する指部を含む。

本開示の特定の態様では、指部は、Ｕ字形積層アセンブリをコア部材上に固定するために、Ｕ字形積層アセンブリがコア部材上に位置付けられた時に、ノッチ内にスナップ嵌合式に受領される。

本開示の一部の態様では、コア部材は開口を画定し、外部積層のそれぞれは、コア部材内の開口と位置合わせされる開口を画定する。

本開示の特定の態様では、外部積層内の開口は、コア部材内の開口内に受領される内方に突出するリブによって結び付けられ、外部積層上の内方に延在するリブは、外部積層をコア部材の両側に固定するために、コア部材の開口内に一緒に固定される。

本開示の態様では、外部積層は、コア部材を受領する空洞を画定する長方形の積層アセンブリを形成するために、頂壁及び底壁と一緒に連結される。

本開示の一部の態様では、コア部材の頂壁及び底壁のそれぞれは突起を含み、長方形の積層アセンブリの頂壁及び底壁のそれぞれは、長方形の積層アセンブリをコア部材上に固定するために、突起の１つを受領する切欠きを画定する。

本開示の特定の態様では、外部積層のそれぞれは、切欠きを画定する遠位延長部を含み、駆動アセンブリの作業端は、長方形の積層アセンブリをコア部材に固定するために、切欠き内に受領された突起を含む。

本開示の態様では、外部積層及びコア部材は開口を画定し、長方形の積層アセンブリは、開口を通って延在するピン、ダボ、リベット、及びグロメットから構成される群から選択された締結具でコア部材に固定される。

本開示の一部の態様では、外部積層のそれぞれは開口を画定し、突起を含み、コア部材は、外部積層の突起を受領する細長いスロットを含む。

本開示の特定の態様では、外部積層のそれぞれの突起は、外部積層を互いに、及びコア部材に固定するために、外部積層の他方の開口内に受領される。

本開示の態様では、コア部材内の細長いスロットは、外部積層とコア部材との間の相対移動を促進する。

他の態様、特徴、及び利点は、説明、図面、及び続く特許請求の範囲から明らかになろう。

本開示の様々な態様及び特徴は、図面を参照して説明され、同じ番号は、複数の図のそれぞれにおける同一又は対応する要素を示す。

本開示の態様による外科用ステープリング・デバイスの遠位端からの側面斜視図であり、ステープリング・デバイスのツール・アセンブリは締め付けられた非関節位置にあり、締め付けられた関節位置にあるツール・アセンブリが仮想線で示されている。 図１に示された外科用ステープリング・デバイスの再荷重アセンブリの側面斜視図であり、ツール・アセンブリは非関節の開位置にある。 図２に示された再荷重アセンブリの側面斜視部分分解図であり、ツール・アセンブリは開位置に示されている。 図３に示されたステープリング・デバイスの駆動アセンブリの側面斜視分解図である。 図４の５－５断面線に沿って切り取った断面図である。 図３に示された詳細を示した領域の拡大図である。 外部積層が駆動ビームの上に位置付けられた際の、図６に示された駆動アセンブリの駆動ビーム及び外部積層を通って切り取った断面図である。 図６の８－８断面線に沿って切り取った、駆動アセンブリを通る断面図である。 図８の９－９断面線に沿って切り取った断面図である。 図１に示されたステープリング・デバイスのツール・アセンブリの平面図であり、ツール・アセンブリは締結位置にあり、駆動アセンブリは一部後退位置にある。 図１に示されたステープリング・デバイスのツール・アセンブリの平面図であり、ツール・アセンブリは締結位置にあり、駆動アセンブリは前進位置にある。 図１に示された外科用ステープリング・デバイスの駆動アセンブリの代替版の側面斜視図である。 図１２の１３－１３断面線に沿って駆動アセンブリを通って切り取った断面図である。 図１２に示された駆動アセンブリの分解図である。 図１に示された外科用ステープリング・デバイスの駆動アセンブリの別の代替版の遠位部の側面斜視図である。 図１５に示された駆動アセンブリの遠位部の側面図であり、部品が分離している。 外部積層が駆動ビームの上に位置付けられた際の、図１５の１７－１７断面線に沿って駆動アセンブリを通って切り取った断面図である。 図１５の１８－１８断面線に沿って駆動アセンブリを通って切り取った断面図であり、外部積層は駆動ビームの上に固定されている。 図１に示された外科用ステープリング・デバイスの駆動アセンブリの尚別の代替版の遠位部の側面斜視図である。 図１９に示された駆動アセンブリの遠位部の側面図であり、部品が分離している。 図１に示された外科用ステープリング・デバイスの駆動アセンブリの別の代替版の部品が分離した状態の側面斜視図である。 図１に示された外科用ステープリング・デバイスの駆動アセンブリの別の代替版の部品が分離した状態の側面斜視図である。 組み立てられた図２２に示された駆動アセンブリの遠位部の側面斜視図である。 図２３の２４－２４断面線に沿って切り取った断面図である。 図１に示された外科用ステープリング・デバイスの駆動アセンブリの別の代替版の一部の断面図である。 図１に示された外科用ステープリング・デバイスの駆動アセンブリの尚別の代替版の一部の断面図である。

次に開示された外科用ステープリング・デバイスについて、同じ参照番号が複数の図のそれぞれにおいて同一又は対応する要素を示す図面を参照して詳細に記載される。しかし本明細書に含まれる本開示の態様は、本開示の例に過ぎず、様々な形に具現化されてもよいことを理解されたい。周知の機能又は構築は、不要な詳細で本開示を不明瞭にすることを避けるために、詳細には記載されていない。従って本明細書に開示された特定の構築及び機能の詳細は、限定と解釈されるべきではなく、特許請求の範囲のための根拠として、及び事実上あらゆる適切な詳細の構築において本開示を様々に利用するために当業者に教示するための代表的な根拠としてのみ解釈されるべきである。加えて、正面、背面、上部、下部、頂部、底部などの方向用語、及び類似用語は、記載を理解する支援をするために使用され、本開示を限定することを意図するものではない。

本記載では、用語「近位」は、デバイスを使用中にその意図する目的のために医療従事者に近いデバイスのその部分を概して指すために使用される一方で、用語「遠位」は、デバイスを使用中にその意図する目的のために医療従事者から遠いデバイスのその部分を概して指すために使用される。加えて、用語「約」及び「実質的に」は、一覧のパラメータ及び一覧のパラメータのプラス又はマイナス１０パーセントを含む範囲を含むことを意図する。更に、用語「医療従事者」は、医師、看護師、及び補助要員を含む医療要員を概して指すために使用される。

本開示は、細長い本体、ツール・アセンブリ、及び駆動アセンブリを含む、外科用ステープリング・デバイスを対象とする。駆動アセンブリは、ツール・アセンブリからステープルを射出し、ツール・アセンブリの顎部の間に締め付けられた組織を切断するために、ツール・アセンブリに関連して動くことができる。ツール・アセンブリは、ツール・アセンブリが、非関節位置と関節位置との間で枢軸を中心に関節運動ができるように、細長い本体の長手方向軸に垂直な枢軸を画定する、枢動部材によって細長い本体に固定される。駆動アセンブリは、可撓性駆動ビームに連結された作業端を含む。可撓性駆動ビームは、金属コア部材、及びコア部材より低い摩擦係数を有する材料から形成され、外科用ステープリング・デバイスの発射力を最小化するためにコアの周りに固定された外部積層を含む。

図１は、ハンドル・アセンブリ１２、細長い本体又はアダプタ・アセンブリ１４、及びツール・アセンブリ１６を含む、ステープリング・デバイス１０として概して示された外科用ステープリング・デバイスを示す。本開示の態様では、ハンドル・アセンブリ１２は、電動式であり、静止ハンドグリップ１８及び作動ボタン２０を含む。作動ボタン２０は、接近、ステープリング、及び組織の切断を含む、アダプタ・アセンブリ１４を介してツール・アセンブリ１６の様々な機能を作動するために操作できる。示されていないが、ハンドル・アセンブリ１６は、ステープリング・デバイス１０を作動するために、ハンドル・アセンブリ１２にエネルギーを提供する電池（図示せず）を支持することができる。ステープリング・デバイス１０は電動式ステープリング・デバイスとして示されているが、本開示の利点は、手動式外科用ステープリング・デバイス、並びにロボット制御式ステープリング・デバイスで使用するのに適していることが想定される。

本開示の態様では、ツール・アセンブリ１６は、ツール・アセンブリ１６及び本体部２４を含む再荷重アセンブリ２２の一部を形成する。本体部２４は、ステープリング・デバイス１０のアダプタ・アセンブリ１４（図１）に解除可能に連結された近位部、及びツール・アセンブリ１６を支持する遠位部を有する。ツール・アセンブリ１６は、再荷重アセンブリ２２の一部を形成する必要はないが、アダプタ・アセンブリ１４の遠位部にしっかりと接続することができることが想定される。

図２及び３は、枢動部材２６及び連結部材２８により本体部２４の遠位部上に支持されたツール・アセンブリ１６を備えた荷重アセンブリ２２を示す。枢動部材２６は、ツール・アセンブリ１６の近位部に固定され、アダプタ・アセンブリ１４の再荷重アセンブリ２４の本体部２４の長手方向軸「Ｘ」（図１）に垂直な枢軸「Ｚ」（図１）を画定する、装着部材３０上に支持される。連結部材２８のそれぞれは、枢動部材２６に連結された遠位部、及びツール・アセンブリ１６が枢軸「Ｚ」を中心に枢動できるように、再荷重アセンブリ２２の本体部２４にしっかりと固定された近位部を有する。

ツール・アセンブリ１６は、アンビル・アセンブリ３２及びカートリッジ・アセンブリ３４を含む。アンビル・アセンブリ３２は、ステープル形成ポケット３８（図２）及び中心ナイフ・スロット４０を画定する、アンビルプレート３６を含む。ステープル形成ポケット３８は、中心ナイフ・スロット４０の両側に列状に位置合わせされ、アンビル・アセンブリ３２とカートリッジ・アセンブリ３４との間に締め付けられた組織内にステープルを形成するために、ステープリング・デバイス１０が発射された時に、カートリッジ・アセンブリ３４から射出されたステープル（図示せず）を受領する。

カートリッジ・アセンブリ３４は、チャネル部材４２、及びチャネル部材４２内で支持されたステープル・カートリッジ４４を含む。ステープル・カートリッジ４４は、ステープル・スロット４６（図３）及び中心ナイフ・スロット４８を画定する。ステープル・スロット４６は、中心ナイフ・スロット４８の両側に列状に位置合わせされ、ステープル（図示せず）を受領する。チャネル部材４２も、ステープル・カートリッジ４４内のナイフ・スロット４８と軸方向に位置合わせされた、中心ナイフ・スロット４８ａを画定する。本開示の態様では、アンビル・アセンブリ３２は、装着部材３０にしっかりと固定され、カートリッジ・アセンブリ３４は、カートリッジ・アセンブリ３４が、開位置とクランプ位置との間でアンビル・アセンブリ３２に関連して動くことができるように、装着部材３０上に枢動可能に支持される。クランプ位置では、アンビル・アセンブリ３２のアンビルプレート３６は、カートリッジ・アセンブリ３４のステープル・カートリッジ４４と並列に位置合わせされる。アンビル・アセンブリ３２は、装着部材３０に枢動可能に固定することができ、カートリッジ・アセンブリ３４は、装着部材３０にしっかりと固定することができることが想定される。米国特許第７，８９１，５３４号明細書（「第’５３４号特許」）は、ステープリング・デバイス１０と共に使用するのに適したツール・アセンブリを詳細に開示している。

再荷重アセンブリ２２の本体部２４は、本体５０、駆動アセンブリ５２、及び外部管５４を含む。本開示の態様では、本体５０は本体半体部５０ａ及び５０ｂから形成され、本体半体部５０ａ及び５０ｂは、一緒に固定された時に、本体５０内の後退位置と前進位置との間で駆動アセンブリ５２の動きを促進するために、駆動アセンブリ５２を受領する長手方向チャネル５６を形成する。本体５０は、本体半体部５０ａ及び５０ｂが組み立てられた時に、外部管５４内に受領される。

図４～９は、作業端６０及び可撓性駆動ビーム・アセンブリ６２を含む駆動アセンブリ５２を示す。駆動アセンブリ５２の作業端６０は、Ｉビーム構成を有し、第１のビーム６４、第２のビーム６６、及び第１のビーム６４を第２のビーム６６にしっかりと連結する垂直支柱６８を含む。本開示の態様では、垂直支柱６８は、遠位に面する切断縁部７１を支持し又は含む。駆動アセンブリ５２の作業端６０は、開位置とクランプ位置との間でツール・アセンブリ１６を動かし、ステープル・カートリッジ４４からステープルを発射するために、ツール・アセンブリ１６内に受領され、ツール・アセンブリ１６を通って動くことができる。駆動アセンブリ５２の作業端６０とツール・アセンブリ１６の相互作用のより詳細な記載については、第’５３４号特許を参照されたい。

駆動ビーム・アセンブリ６２は、金属コア部材７０及びコア部材７０の両側に位置付けられた外部積層７２を含む。コア部材７０は、平坦な側壁７６、頂壁７８、及び底壁８０を有する可撓性ビーム７４、近位部並びに遠位部を含む。可撓性ビーム７４の遠位部は、駆動アセンブリ６０の作業端６０に連結される。本開示の態様では、コア部材７０の遠位部は、溶接により駆動アセンブリ６０の作業端６０に固定される。別法として、駆動アセンブリ５２の作業端６０を可撓性ビーム７４に固定するために、連動構造、例えばダブテール・コネクタなどの他の技法を使用することができる。本開示の態様では、コア部材７０は、ステンレス鋼、例えばステンレス鋼３０１から形成することが可能であるが、コア部材７０を形成するために他の金属を使用することができることが想定される。コア部材７０は、金属シートの積層から形成することができることも想定される。

駆動ビーム・アセンブリ６２の外部積層７２は、コア部材７０の側壁７６に固定される。本開示の態様では、外部積層７２は、コア部材７０より低い摩擦係数を有する可撓性材料から形成される。本開示の一部の態様では、外部積層７２は、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）から形成されるが、外部積層７２を形成するための他の材料、例えばナイロン及びポリプロピレンなどの使用も想定される。外部積層を形成するために選択された材料は、駆動ビーム・アセンブリ６２とツール・アセンブリ１６の金属成分との間の摩擦係数を約０．０５～０．２に低減することが想定される。

本開示の態様では、外部積層７２は、外部積層７２で空洞８４を画定するＵ字形積層アセンブリ８３を形成するために、頂壁８２によって一緒に連結される。空洞８４は、コア部材７０を受領するように寸法化される。Ｕ字形積層アセンブリ８３は、外部積層７２がコア部材７０の側壁７６に沿って位置付けられるように、コア部材７０を中心に積層アセンブリ８３を通過させることができる、頂壁８２の反対側に位置付けられた開口８６（図４）を画定する。

本開示の態様では、コア部材７０の底壁８０はノッチ８８を画定し、外部積層７２の１つは、積層アセンブリ８３の開口８６（図５）を横切って延在する指部９０を含む。指部９０は、コア部材７０のノッチ８８内に受領されるように位置付けられる。Ｕ字形積層アセンブリ８３が図４及び７における矢印「Ａ」によって示された方向にコア部材７０の上を摺動する時、指部９０は、指部９０を支持する外部積層７２を矢印「Ｂ」の方向に外方に変形させるために、コア部材７０の側壁７６の１つを係合する。指部９０がコア部材７０内でノッチ８８と位置合わせして動かされると、指部９０を支持する外部積層７２は、ノッチ８８内に指部９０を位置付け、コア部材７０を中心にＵ字形積層アセンブリ８３を固定するために、図８における矢印「Ｃ」によって示された方向に内方にスナップ嵌合する。

図１０は、ツール・アセンブリ１６をクランプ位置に動かすために、駆動アセンブリ５２の一部が前進又はクランプ位置で９０度関節運動をしたツール・アセンブリ１６を示す。駆動アセンブリ５２とツール・アセンブリ１６との間の相互作用の詳述については、第’５３４号特許を参照されたい。この位置では、駆動ビーム・アセンブリ６２は、枢動部材２６と隣接した位置で９０度曲げられる。

図１１は、ツール・アセンブリ１６を発射又は作動するために前進した駆動アセンブリ５２を示す。ツール・アセンブリが関節位置にある状態で、駆動アセンブリ５２がステープリング・デバイス１０を発射するために前進されると、駆動ビーム・アセンブリ６２は、駆動アセンブリ５２の作業端６０がツール・アセンブリ１６を通って前進するために、矢印「Ｄ」の方向に９０度の屈曲に沿って前進する。ツール・アセンブリ１６を通って作業端６０が前進することにより、ツール・アセンブリ１６を通って作動スレッドが前進して、ステープル・カートリッジ４４からステープルを射出し、アンビル・アセンブリ３２とカートリッジ・アセンブリ３４との間に締め付けられた組織を切断する。外部積層７２をコア部材７０の各側面７６に提供することにより、駆動アセンブリ５２上の摩擦力は、ステープリング・デバイス１０（図１）を発射するために必要な力を下げるために実質的に低減される。

図１２～１４は、概して駆動アセンブリ１５２として示された、ステープリング・デバイス１０の駆動アセンブリ５２の代替版を示す。駆動アセンブリ１５２は、作業端１６０及び可撓性駆動ビーム・アセンブリ１６２を含む。駆動アセンブリ１５２の作業端１６０は、駆動アセンブリ５２の作業端６０（図４）と同一であり、本明細書では更に詳細に記載されない。可撓性駆動ビーム・アセンブリ１６２は、コア部材１７０及び外部積層１７２を含む。コア部材１７０は、コア部材１７０を通るコア部材１７０の側壁１７６の間に延在する細長い開口１７４を画定する。外部積層１７２のそれぞれは、コア部材１７０内の細長い開口１７４と位置合わせされ、外部積層１７２を通って延在する、細長い開口１７８を画定する。細長い開口１７８のそれぞれは、外部積層１７２をコア部材１７０の側壁１７６に固定するために、コア部材１７０内の開口１７４の各々の中に受領された、内方に突出するリブ１８０によって結び付けられる。本開示の態様では、外部積層１７２のリブ１８０は、外部積層１７２をコア部材１７０の両側１７６に固定するために、超音波溶接などによって一緒に固定することができる。

駆動アセンブリのこの版及び以下に記載されている駆動アセンブリの版のコア部材１７０及び外部積層１７２は、コア部材７０及び外部積層７２について上に同定された材料から形成され、本明細書では更に詳細には記載されない。

図１５～１８は、概して駆動アセンブリ２５２として示された、ステープリング・デバイス１０の駆動アセンブリ５２（図４）の代替版を示す。駆動アセンブリ２５２は、作業端２６０及び可撓性駆動ビーム・アセンブリ２６２を含む。駆動アセンブリ２５２の作業端２６０は、駆動アセンブリ５２の作業端６０（図４）と同一であり、本明細書では更に詳細に記載されない。可撓性駆動ビーム・アセンブリ２６２は、コア部材２７０及び外部積層２７２を含み、外部積層２７２は、空洞２８６を画定する長方形の積層アセンブリ２８３を形成するために、頂壁及び底壁２８２によって一緒に連結される。空洞２８６は、コア部材２７０を摺動可能に受領するように寸法化される。本開示の態様では、コア部材２７０の頂壁２７８及び底壁２８０は、近位に面する傾斜面、及びコア部材２７０の長手方向軸に垂直な遠位停止面を含む、突起２８８を含む。長方形の積層アセンブリ２８３は、積層アセンブリ２８３の頂壁２８２ａ及び底壁２８２ｂ内に切欠き２９０を有する遠位部を含む。コア部材２７０が空洞２８６内に受領され、積層アセンブリ２８３が図１６における矢印「Ｅ」の方向に摺動されると、突起２８８は、積層アセンブリ２８３をコア部材２７０の周りに固定するために、切欠き２９０内に受領される。

本開示の態様では、積層アセンブリ２８３の遠位部は、コア部材２７０上の突起２８８を積層アセンブリ２８３内の切欠き２９０の中を通過させることができるように、積層アセンブリ２８３の頂壁及び底壁２８２を図１７における矢印「Ｆ」の方向に外方に曲げることができるために、積層アセンブリ２８３の遠位端に可撓性を提供するスロット２９２（図１５）を含む。一旦突起２８８が切欠き２９０の中を通過すると、積層アセンブリ２８３の遠位部は、積層アセンブリ２８３をコア部材２７０に固定するためにその非付勢位置に戻る。

図１９及び２０は、概して駆動アセンブリ３５２として示された、ステープリング・デバイス１０の駆動アセンブリ２５２（図１５）の代替版を示す。駆動アセンブリ３５２は、長方形の積層アセンブリ３８３内の切欠き３９０が、積層アセンブリの頂壁及び底壁上より、むしろ外部積層３７２の遠位延長部３７２ａ上に形成され、突起３８８が、コア部材の頂壁及び底壁上より、むしろ駆動アセンブリ３５２の作業端３６０の垂直支柱３６８上に形成されることを除いて、駆動アセンブリ２５２に実質的に類似している。積層アセンブリ３８３が、図２０における矢印「Ｇ」の方向にコア部材３７０の上を摺動すると、駆動アセンブリ３５２の作業端３６０の垂直支柱３６８上の突起３８８は、積層アセンブリ３８３をコア部材３７０に固定するために、突起２８８（図１８）が切欠き２９０内に受領されるのと同じ手法で、外部積層３７２の遠位延長部内に形成された切欠き３９０内に受領される。

図２１は、概して駆動アセンブリ４５２として示された、ステープリング・デバイス１０の駆動アセンブリ５２の別の代替版を示す。駆動アセンブリ４５２は、作業端４６０及び可撓性駆動ビーム・アセンブリ４６２を含む。駆動アセンブリ４５２の作業端４６０は、駆動アセンブリ５２の作業端６０（図４）と同一であり、本明細書では更に詳細に記載されない。可撓性駆動ビーム・アセンブリ４６２は、コア部材４７０及び外部積層４７２を含み、外部積層４７２は、空洞４８６を画定する長方形の積層アセンブリ４８３を形成するために、頂壁及び底壁４８２によって一緒に連結される。空洞４８６は、コア部材４７０を受領する。本開示の態様では、コア部材４７０及び外部積層４７２は、コア部材４７０を空洞４８６内の外部積層４７２に固定するために、ピン又はダボ４９４を受領する開口４９２を画定する。

図２２～２４は、概して駆動アセンブリ５５２として示された、ステープリング・デバイス１０の駆動アセンブリ５２の別の代替版を示す。駆動アセンブリ５５２は、作業端５６０及び可撓性駆動ビーム・アセンブリ５６２を含む。駆動アセンブリ５５２の作業端５６０は、駆動アセンブリ５２の作業端６０（図４）と同一であり、本明細書では更に詳細に記載されない。可撓性駆動ビーム・アセンブリ５６２は、コア部材５７０及び外部積層５７２を含む。本開示の態様では、外部積層５７２のそれぞれは段付開口５７４を画定し、拡大頭部５９６を備えた内方に延在する突起５９４を含む。コア部材５７０は、突起５９４と位置合わせされた細長いスロット５９８を画定する。突起５９４は、コア部材５７０内の細長いスロット５９８を通って位置付けられ、外部積層５７２を互いに及びコア部材５７０に固定するために、他方の外部積層５７２の段付開口５７４の中に圧入される。コア部材５７０内に細長いスロット５９８を提供することにより、外部積層５７２は、コア部材５７０に関連して一斉に摺動することができる。外部積層５７２のそれぞれは、１つの突起５９４を含み、１つの開口５７４を画定してもよく、又は外部積層５７２の一方は、２つの開口５７４を画定することができ、外部積層５７２の他方は、２つの突起５９４を含むことができることが想定される。

図２５及び２６は、概して駆動アセンブリ６５２及び７５２として示された、ステープリング・デバイス１０の駆動アセンブリ５２の他の代替版を示す。駆動アセンブリ６５２では、駆動ビーム・アセンブリ６６２の外部積層６７２及びコア部材６７０は、開口６７４及び６７６のそれぞれを画定し、開口６７４及び６７６は互いに位置合わせされる。開口６７４及び６７６は、外部積層６７２をコア部材６７０に固定するグロメット６７８（図２５）を受領する。本開示のこの態様では、グロメット６７８は外端６８０を含み、外端６８０は、外部積層６７２をコア部材６７０に緊密に固定するために、開口６７４の一部を画定する外部積層６７２の角度の付いた面６８２に分岐して係合する。

駆動アセンブリ７５２（図２６）は、外部積層７７２が管状リベット７７８を使用して互いに、及びコア部材７７０に固定されることを除いて、駆動アセンブリ６５２（図２５）と実質的に同じである。本開示のこの態様では、外部積層７７２内の開口７７４は段付であり、外部積層７７２を互いに、及びコア部材７７０に固定するために、リベット７７８の頭部７８０を受領する。

本明細書に具体的に記載され、添付図面に示されたデバイス及び方法は、非限定的な例示的実施形態であることが当業者には理解されよう。一例示的実施形態に関連して示され、又は記載された要素及び特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく別の要素及び特徴と組み合わせてもよいことが想定される。その上、当業者は、上記の実施形態に基づいた本開示の更なる特徴及び利点を認識するであろう。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示されたものを除いて、具体的に示されて記載されたものによって限定されるものではない。

Claims (20)

1. 第１のビーム、第２のビーム、及び前記第１のビームを前記第２のビームに相互接続する垂直支柱を含む、Ｉビーム構成を有する作業端と、
   コア部材及び外部積層を含む駆動ビーム・アセンブリであって、前記コア部材は、平坦な側壁、頂壁、及び底壁を有する可撓性ビームを含み、前記可撓性ビームは、前記作業端に固定された遠位部を有し、前記外部積層は、前記可撓性ビームの前記平坦な側壁に沿って支持され、前記コア部材は金属から形成され、前記外部積層は、前記コア部材より低い摩擦係数を有する材料から形成される、駆動ビーム・アセンブリを含む、駆動アセンブリ。
2. 前記外部積層は、ポリテトラフルオロエチレンから形成される、請求項１に記載の駆動アセンブリ。
3. 前記コア部材は、ステンレス鋼から形成される、請求項２に記載の駆動アセンブリ。
4. 前記外部積層は、空洞及び頂壁と反対側の開口を画定するＵ字形積層アセンブリを形成するために、前記頂壁によって一緒に連結され、前記空洞は、前記開口を通して前記コア部材を受領する、請求項１に記載の駆動アセンブリ。
5. 前記コア部材の前記底壁はノッチを画定し、前記外部積層の１つは、前記ノッチと位置合わせされ、前記開口の中に延在する指部を含み、前記指部は、前記Ｕ字形積層アセンブリを前記コア部材上に固定するために、前記Ｕ字形積層アセンブリが前記コア部材上に位置付けられた時に、前記ノッチ内にスナップ嵌合式に受領される、請求項４に記載の駆動アセンブリ。
6. 前記コア部材は開口を画定し、前記外部積層のそれぞれは、前記コア部材内の前記開口と位置合わせされる開口を画定し、前記外部積層内の前記開口は、前記コア部材内の前記開口内に受領された内方に突出するリブによって結び付けられ、前記外部積層上の前記内方に延在するリブは、前記外部積層を前記コア部材の両側に固定するために、前記コア部材の前記開口内に一緒に固定される、請求項１に記載の駆動アセンブリ。
7. 前記外部積層は、長方形の積層アセンブリを形成するために、頂壁及び底壁と一緒に連結され、前記長方形の積層アセンブリは、前記コア部材を受領する空洞を画定する、請求項１に記載の駆動アセンブリ。
8. 前記コア部材の前記頂壁及び前記底壁のそれぞれは突起を含み、前記長方形の積層アセンブリの前記頂壁及び前記底壁のそれぞれは、前記長方形の積層アセンブリを前記コア部材上に固定するために、前記突起の１つを受領する切欠きを画定する、請求項７に記載の駆動アセンブリ。
9. 前記外部積層のそれぞれは、切欠きを画定する遠位延長部を含み、前記駆動アセンブリの前記作業端は突起を含み、前記突起は、前記長方形の積層アセンブリを前記コア部材に固定するために、前記切欠き内に受領される、請求項７に記載の駆動アセンブリ。
10. 前記外部積層及び前記コア部材は開口を画定し、前記長方形の積層アセンブリは、ピン、ダボ、リベット、及びグロメットから構成される群から選択された締結具で前記コア部材に固定され、前記締結部は前記開口を通って延在する、請求項７に記載の駆動アセンブリ。
11. 前記外部積層のそれぞれは開口を画定し、突起を含み、前記コア部材は、前記外部積層の前記突起を受領する細長いスロットを含み、前記外部積層のそれぞれの前記突起は、前記外部積層を互いに、及び前記コア部材に固定するために、前記外部積層の他方の前記開口内に受領され、前記コア部材内の前記細長いスロットは、前記外部積層と前記コア部材との間の相対移動を促進する、請求項１に記載の駆動アセンブリ。
12. 長手方向軸を画定し、近位部及び遠位部を有するアダプタ・アセンブリと、
    ツール・アセンブリが枢軸を中心に非関節位置と関節位置との間で関節運動ができるように、前記長手方向軸に垂直な前記枢軸を画定する枢動部材により、前記アダプタ・アセンブリの前記遠位部上に支持されるツール・アセンブリであって、前記ツール・アセンブリは、開位置とクランプ位置との間で互いに関連して動くことができる、アンビル・アセンブリ及びカートリッジ・アセンブリを含む、ツール・アセンブリと、
    前記ツール・アセンブリを作動させるために、後退位置と前進位置との間で前記ツール・アセンブリに関連して動くことができる駆動アセンブリであって、前記駆動アセンブリは、
    第１のビーム、第２のビーム、及び前記第１のビームを前記第２のビームに相互接続する垂直支柱を含む、Ｉビーム構成を有する作業端と、
    コア部材及び外部積層を含む駆動ビーム・アセンブリであって、前記コア部材は、平坦な側壁、頂壁、及び底壁を有する可撓性ビームを含み、前記可撓性ビームは、前記作業端に固定された遠位部を有し、前記外部積層は、前記可撓性ビームの前記平坦な側壁に沿って支持され、前記コア部材は金属から形成され、前記外部積層は、前記コア部材より低い摩擦係数を有する材料から形成される、駆動ビーム・アセンブリを含む、駆動アセンブリを含む、ステープリング・デバイス。
13. 前記外部積層は、ポリテトラフルオロエチレンから形成される、請求項１２に記載のステープリング・デバイス。
14. 前記コア部材は、ステンレス鋼から形成される、請求項１３に記載のステープリング・デバイス。
15. 前記外部積層は、空洞及び頂壁と反対側の開口を画定するＵ字形積層アセンブリを形成するために、前記頂壁によって一緒に連結され、前記空洞は、前記開口を通して前記コア部材を受領する、請求項１２に記載のステープリング・デバイス。
16. 前記コア部材の前記底壁はノッチを画定し、前記外部積層の１つは、前記ノッチと位置合わせされ、前記開口の中に延在する指部を含み、前記指部は、前記Ｕ字形積層アセンブリを前記コア部材上に固定するために、前記Ｕ字形積層アセンブリが前記コア部材上に位置付けられた時に、前記ノッチ内にスナップ嵌合式に受領される、請求項１５に記載のステープリング・デバイス。
17. 前記コア部材は開口を画定し、前記外部積層のそれぞれは、前記コア部材内の前記開口と位置合わせされる開口を画定し、前記外部積層内の前記開口は、前記コア部材内の前記開口内に受領された内方に突出するリブによって結び付けられ、前記外部積層上の前記内方に延在するリブは、前記外部積層を前記コア部材の両側に固定するために、前記コア部材の前記開口内に一緒に固定される、請求項１２に記載のステープリング・デバイス。
18. 前記外部積層は、長方形の積層アセンブリを形成するために、頂壁及び底壁と一緒に連結され、前記長方形の積層アセンブリは前記コア部材を受領する空洞を画定する、請求項１２に記載のステープリング・デバイス。
19. 前記コア部材の前記頂壁及び前記底壁のそれぞれは突起を含み、前記長方形の積層アセンブリの前記頂壁及び前記底壁のそれぞれは、前記長方形の積層アセンブリを前記コア部材上に固定するために、前記突起の１つを受領する切欠きを画定する、請求項１８に記載のステープリング・デバイス。
20. 前記外部積層のそれぞれは、切欠きを画定する遠位延長部を含み、前記駆動アセンブリの前記作業端は突起を含み、前記突起は、前記長方形の積層アセンブリを前記コア部材に固定するために、前記切欠き内に受領される、請求項１８に記載のステープリング・デバイス。

Images