JP2024504831A - ピリミドピラン化合物 - Google Patents

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JP2024504831A JP2023546247A JP2023546247A JP2024504831A JP 2024504831 A JP2024504831 A JP 2024504831A JP 2023546247 A JP2023546247 A JP 2023546247A JP 2023546247 A JP2023546247 A JP 2023546247A JP 2024504831 A JP2024504831 A JP 2024504831A
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文元 朱
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Abstract

本願は、ピリミドピラン化合物に関し、具体的には式(III)で表される化合物およびその医薬的に許容される塩を開示する。TIFF2024504831000273.tif4649

Description

本願は、
2021年2月1日出願のCN202110139674.X、
2021年3月9日出願のCN202110258547.1、
2021年6月24日出願のCN202110706033.8、
2022年1月20日出願のCN202210070174.X
に基づく優先権を主張するものである。
(技術分野)
本開示は、ピリミドピラン化合物類、具体的には、式(III)で表される化合物およびその医薬的に許容される塩に関する。
がん遺伝子であるRAS遺伝子の変異は、ヒトのがんにおいて最もよく見られる活性化変異であり、ヒトの腫瘍の30%で起こる。RAS遺伝子ファミリーには3種類のサブタイプ(KRAS、HRAS、およびNRAS)があり、RAS由来のがんの85%はKRASサブタイプの変異によって起こる。一般にKRAS変異は、固形腫瘍(例えば肺腺がん、膵管がんおよび大腸がんなど)で認められる。KRAS変異腫瘍では、腫瘍を形成する変異の80%が12番目のコドンで起こり、最もよく見られる変異には、p.G12D(41%)、p.G12V(28%)、およびp.G12C(14%)が挙げられる。
KRASはネズミ肉腫ウイルスがん遺伝子であり、RASタンパク質の重要なファミリーメンバーの1つである。KRASは分子スイッチのようなものであり、変異していない場合には細胞増殖の経路を抑制および調整できる。変異後、KRAS遺伝子は上流の成長因子受容体のシグナルとは無関係に、独立して成長および増殖のシグナルを下流の経路に伝達し、制御不能な細胞増殖および腫瘍の進行が起こり得る。また、KRAS遺伝子の変異の有無は、腫瘍の予後における重要な指針にもなる。
現在、KRASG12Cの分野では、直接KRAS変異を標的とする低分子が主に増加しており、臨床試験では、AMG510(Amgen)およびMRTX849(Mirati Therapeutics)が、KRASG12C変異を有する腫瘍患者に対して優れた治療効果を示した。しかしこれまでのところ、KRASG12Dを標的とする低分子は臨床試験段階には進んでおらず、KRASG12D変異を有する腫瘍患者は未だ個別化医療を受けることが出来ていない。
本開示は、式(III)
Figure 2024504831000002
[式中、部分構造
Figure 2024504831000003
は、
Figure 2024504831000004
からなる群から選択され;
Figure 2024504831000005
は、単結合および二重結合から選択され;
T1は、CR7R8、NR9およびOから選択され;
T2は、CHおよびNから選択され;
L1は、-CH2-および結合から選択され;
R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立してHおよびC1-3アルキルから選択され、ここでC1-3アルキルは1、2または3個のRaで適宜置換されていてもよく;
R6は、C6-10アリールおよび5~10員ヘテロアリールから選択され、ここでC6-10アリールおよび5~10員ヘテロアリールは1、2、3、4または5個のRbで適宜置換されていてもよく;
R7およびR8は、それぞれ独立してH、CH3およびNH2から選択され;
R9は、HおよびCH3から選択され;
R10は、4~8員ヘテロシクロアルキルおよび
Figure 2024504831000006
から選択され、ここで4~8員ヘテロシクロアルキルおよび
Figure 2024504831000007
は1、2または3個のRcで適宜置換されていてもよく;
R11およびR12は、それぞれ独立してH、C1-3アルキルおよびC3-5シクロアルキルから選択され、ここでC1-3アルキルおよびC3-5シクロアルキルは1、2または3個のハロゲンで適宜置換されていてもよく;
部分構造
Figure 2024504831000008
は、5~6員ヘテロシクロアルケニルであり;
部分構造
Figure 2024504831000009
は、C3-5シクロアルキルであり;
部分構造
Figure 2024504831000010
は、4~5員ヘテロシクロアルキルであり;
mは、0、1および2から選択され;
nは、0、1および2から選択され;
pは、1および2から選択され;
qは、1、2および3から選択され;
rは、1および2から選択され;
sは、1、2および3から選択され;
Raは、それぞれF、Cl、BrおよびIから独立して選択され;
Rbは、それぞれF、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C2-3アルキニル、C2-3アルケニル、-C(=O)C1-3アルキルおよびC3-5シクロアルキルから独立して選択され、ここでC1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C2-3アルキニル、C2-3アルケニル、-C(=O)C1-3アルキルおよびC3-5シクロアルキルは1、2、3、4または5個のRで適宜置換されていてもよく;
Rcは、それぞれH、F、Cl、Br、I、OH、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシおよび-C1-3アルキル-O-C(=O)-C1-3アルキルアミノから独立して選択され;
Rは、それぞれF、Cl、BrおよびIから独立して選択される]
で表される化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
本開示の一部の実施態様において、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立してH、CH3、CH2CH3およびCH(CH3)2から選択され、ここでCH3、CH2CH3およびCH(CH3)2は1、2または3個のRaで適宜置換されていてもよく、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立してHおよびCH3から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、部分構造
Figure 2024504831000011
は、
Figure 2024504831000012
からなる群から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、部分構造
Figure 2024504831000013
は、
Figure 2024504831000014
からなる群から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、Rbは、それぞれF、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、CH3、CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、-CH=CH2、-CH2-CH=CH2、-C≡CH、-C(=O)CH3およびシクロプロピルから独立して選択され、ここでCH3、CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、-CH=CH2、-CH2-CH=CH2、-C≡CH、-C(=O)CH3およびシクロプロピルは1、2、3、4または5個のRで適宜置換されていてもよく、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、Rbは、それぞれF、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、CH3、CF3、CH2CH3、CF2CF3、-CH=CH2、-C≡CH、-C(=O)CH3およびシクロプロピルから独立して選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R6は、フェニル、ピリジル、ナフチル、インドリルおよびインダゾリルから選択され、ここでフェニル、ピリジル、ナフチル、インドリルおよびインダゾリルは1、2、3、4または5個のRbで適宜置換されていてもよく、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R6は、
Figure 2024504831000015
からなる群から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、Rcは、それぞれH、F、Cl、Br、OH、CN、CH3、CH2CH3、CH2CF3、OCH3、OCF3、および
Figure 2024504831000016
から独立して選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R10は、テトラヒドロピロリル、ヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルおよび1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニルから選択され、ここでテトラヒドロピロリル、ヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルおよび1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニルは1、2または3個のRcで適宜置換されていてもよく、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R10は、
Figure 2024504831000017
からなる群から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R10
Figure 2024504831000018
であり、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R11およびR12は、それぞれ独立してHおよびCH3から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示は、式(III)
Figure 2024504831000019
[式中、部分構造
Figure 2024504831000020
は、
Figure 2024504831000021
からなる群から選択され;
Figure 2024504831000022
は、単結合および二重結合から選択され;
T1は、CR7R8、NR9およびOから選択され;
T2は、CHおよびNから選択され;
L1は、-CH2-および結合から選択され;
R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立してHおよびC1-3アルキルから選択され、ここでC1-3アルキルは1、2または3個のRaで適宜置換されていてもよく;
R6は、C6-10アリールおよび5~10員ヘテロアリールから選択され、ここでC6-10アリールおよび5~10員ヘテロアリールは1、2、3、4または5個のRbで適宜置換されていてもよく;
R7およびR8は、それぞれ独立してH、CH3およびNH2から選択され;
R9は、HおよびCH3から選択され;
R10は、4~8員ヘテロシクロアルキルおよび
Figure 2024504831000023
から選択され、ここで4~8員ヘテロシクロアルキルおよび
Figure 2024504831000024
は1、2または3個のRcで適宜置換されていてもよく;
R11およびR12は、それぞれ独立してH、C1-3アルキルおよびC3-5シクロアルキルから選択され、ここでC1-3アルキルおよびC3-5シクロアルキルは1、2または3個のハロゲンで適宜置換されていてもよく;
部分構造
Figure 2024504831000025
は5~6員ヘテロシクロアルケニルであり;
部分構造
Figure 2024504831000026
は、C3-5シクロアルキルであり;
部分構造
Figure 2024504831000027
は、4~5員ヘテロシクロアルキルであり;
mは、0、1および2から選択され;
nは、0、1および2から選択され;
pは、1および2から選択され;
qは、1、2および3から選択され;
rは、1および2から選択され;
sは、1、2および3から選択され;
Raは、それぞれF、Cl、BrおよびIから独立して選択され;
Rbは、それぞれF、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C2-3アルキニル、C2-3アルケニルおよびC3-5シクロアルキルから独立して選択され、ここでC1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C2-3アルキニル、C2-3アルケニルおよびC3-5シクロアルキルは1、2または3個のRで適宜置換されていてもよく;
Rcは、それぞれH、F、Cl、Br、OH、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシおよび-C1-3アルキル-O-CO-C1-3アルキルアミノから独立して選択され;
Rは、それぞれF、ClおよびBrから独立して選択される]
で表される化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
本開示の一部の実施態様において、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立してH、CH3、CH2CH3およびCH(CH3)2から選択され、ここでCH3、CH2CH3およびCH(CH3)2は1、2または3個のRaで適宜置換されていてもよく、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立してHおよびCH3から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、部分構造
Figure 2024504831000028
は、
Figure 2024504831000029
から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、部分構造
Figure 2024504831000030
は、
Figure 2024504831000031
から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、Rbは、それぞれF、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、CH3、CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、-CH=CH2、-CH2-CH=CH2および-C≡CHから独立して選択され、ここでCH3、CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、-CH=CH2、-CH2-CH=CH2および-C≡CHは1、2または3個のRで適宜置換されていてもよく、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、Rbは、それぞれF、OH、NH2、CH3、CF3、CH2CH3および-C≡CHから独立して選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R6は、フェニル、ナフチル、インドリルおよびインダゾリルから選択され、ここでフェニル、ナフチル、インドリルおよびインダゾリルは1、2、3、4または5個のRbで適宜置換されていてもよく、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R6は、
Figure 2024504831000032
から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、Rcは、それぞれH、F、Cl、Br、OH、CN、CH3、CH2CH3、CH2CF3、OCH3、OCF3および
Figure 2024504831000033
から独立して選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R10は、テトラヒドロピロリル、ヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルおよび1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニルから選択され、ここでテトラヒドロピロリル、ヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルおよび1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニルは1、2または3個のRcで適宜置換されていてもよく、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R10は、
Figure 2024504831000034
から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R11およびR12は、それぞれ独立してHおよびCH3から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示は、式(II)
Figure 2024504831000035
[式中、部分構造
Figure 2024504831000036
は、
Figure 2024504831000037
からなる群から選択され;
Figure 2024504831000038
は、単結合および二重結合から選択され;
T1は、CR7R8、NR9およびOから選択され;
T2は、CHおよびNから選択され;
L1は、-CH2-および結合から選択され;
R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立してHおよびC1-3アルキルから選択され、ここでC1-3アルキルは1、2または3個のRaで適宜置換されていてもよく;
R6は、C6-10アリールおよび5~10員ヘテロアリールから選択され、ここでC6-10アリールおよび5~10員ヘテロアリールは1、2、3、4または5個のRbで適宜置換されていてもよく;
R7およびR8は、それぞれ独立してH、CH3およびNH2から選択され;
R9は、HおよびCH3から選択され;
R10は、4~8員ヘテロシクロアルキルおよび
Figure 2024504831000039
から選択され、ここで4~8員ヘテロシクロアルキルおよび
Figure 2024504831000040
は1、2または3個のRcで適宜置換されていてもよく;
部分構造
Figure 2024504831000041
は、5~6員ヘテロシクロアルケニルであり;
部分構造
Figure 2024504831000042
は、C3-5員シクロアルキルであり;
部分構造
Figure 2024504831000043
は、4~5員ヘテロシクロアルキルであり;
mは、0、1および2から選択され;
nは、0、1および2から選択され;
pは、1および2から選択され;
qは、1、2および3から選択され;
rは、1および2から選択され;
sは、1、2および3から選択され;
Raは、それぞれF、Cl、BrおよびIから独立して選択され;
Rbは、それぞれF、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C2-3アルキニル、C2-3アルケニルおよびC3-5シクロアルキルから独立して選択され、ここでC1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C2-3アルキニル、C2-3アルケニルおよびC3-5シクロアルキルは1、2または3個のRで適宜置換されていてもよく;
Rcは、それぞれH、F、Cl、Br、OH、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシおよび-C1-3アルキル-O-CO-C1-3アルキルアミノから独立して選択され;
Rは、それぞれF、ClおよびBrから独立して選択される]
で表される化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
本開示の一部の実施態様において、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立してH、CH3、CH2CH3およびCH(CH3)2から選択され、ここでCH3、CH2CH3およびCH(CH3)2は1、2または3個のRaで適宜置換されていてもよく、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立してHおよびCH3から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、部分構造
Figure 2024504831000044
は、
Figure 2024504831000045
からなる群から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、部分構造
Figure 2024504831000046
は、
Figure 2024504831000047
から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、Rbは、それぞれF、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、CH3、CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、-CH=CH2、-CH2-CH=CH2および-C≡CHから独立して選択され、ここでCH3、CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、-CH=CH2、-CH2-CH=CH2および-C≡CHは1、2または3個のRで適宜置換されていてもよく、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、Rbは、それぞれF、OH、NH2、CH3、CF3、CH2CH3および-C≡CHから独立して選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R6は、フェニル、ナフチル、インドリルおよびインダゾリルから選択され、ここでフェニル、ナフチル、インドリルおよびインダゾリルは1、2、3、4または5個のRbで適宜置換されていてもよく、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R6は、
Figure 2024504831000048
からなる群から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、Rcは、それぞれH、F、Cl、Br、OH、CN、CH3、CH2CH3、CH2CF3、OCH3、OCF3および
Figure 2024504831000049
から独立して選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R10は、テトラヒドロピロリル、ヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルおよび1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニルから選択され、ここでテトラヒドロピロリル、ヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルおよび1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニルは1、2または3個のRcで適宜置換されていてもよく、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R10は、
Figure 2024504831000050
から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示は、式(I)
Figure 2024504831000051
[式中、
Figure 2024504831000052
は、単結合および二重結合から選択され;
T1は、CR7R8およびNR9から選択され;
ここで
Figure 2024504831000053
が単結合の場合、T2は、CHおよびNから選択され;
Figure 2024504831000054
が二重結合の場合、T2はCであり;
R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立してHおよびC1-3アルキルから選択され、ここでC1-3アルキルは1、2または3個のRaで適宜置換されていてもよく;
R6は、フェニルおよびナフチルから選択され、ここでフェニルおよびナフチルは1、2、3、4または5個のRbで適宜置換されていてもよく;
R7およびR8は、それぞれ独立してH、CH3およびNH2から選択され;
R9は、HおよびCH3から選択され;
あるいはR1およびR2は、部分構造
Figure 2024504831000055

Figure 2024504831000056
を形成するように、それらが結合する原子と一体になって環を形成し;
あるいはR1およびR4は、部分構造
Figure 2024504831000057

Figure 2024504831000058
を形成するように、それらが結合する原子と一体になって環を形成し;
あるいはR4およびR5は、部分構造
Figure 2024504831000059

Figure 2024504831000060
を形成するように、それらが結合する原子と一体になって環を形成し;
あるいはR2およびR7は、それらが結合する原子と一体になってテトラヒドロピロリジニルを形成し;
あるいはR2およびR3は、それらが結合する原子と一体になってC3-5員シクロアルキルを形成し;
あるいはR7およびR8は、それらが結合する原子と一体になって4~5員ヘテロシクロアルキルを形成し;
mは、0、1および2から選択され;
nは、0、1および2から選択され;
pは、1および2から選択され;
qは、1、2および3から選択され;
rは、1および2から選択され;
sは、1、2および3から選択され;
Raは、それぞれF、Cl、BrおよびIから独立して選択され;
Rbは、それぞれF、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、CH3、CF3およびOCH3から独立して選択される]
で表される化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
本開示の一部の実施態様において、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立してH、CH3、CH2CH3およびCH(CH3)2から選択され、ここでCH3、CH2CH3およびCH(CH3)2は1、2または3個のRaで適宜置換されていてもよく、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立してHおよびCH3から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、部分構造
Figure 2024504831000061
は、
Figure 2024504831000062
からなる群から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、部分構造
Figure 2024504831000063
は、
Figure 2024504831000064
から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、部分構造
Figure 2024504831000065
は、
Figure 2024504831000066
であり、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R2およびR7は、それらが結合する原子と一体になって
Figure 2024504831000067
を形成し、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R2およびR3は、それらが結合する原子と一体になって
Figure 2024504831000068
を形成し、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R7およびR8は、それらが結合する原子と一体になって
Figure 2024504831000069
を形成し、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、部分構造
Figure 2024504831000070
は、
Figure 2024504831000071
から選択される。
本開示の一部の実施態様において、部分構造
Figure 2024504831000072
は、
Figure 2024504831000073
から選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、R6
Figure 2024504831000074
であり、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、化合物またはその医薬的に許容される塩が提供され、当該化合物は、
Figure 2024504831000075
[式中、
Figure 2024504831000076
は、単結合および二重結合から選択され;
T2、R6、R11およびR12は、本開示において定義される通りである]
から選択される。
本開示の一部の実施態様において、化合物またはその医薬的に許容される塩が提供され、当該化合物は、
Figure 2024504831000077
[式中、
Figure 2024504831000078
は、単結合および二重結合から選択され;
T2、R6、R11およびR12は、本開示において定義される通りである]
から選択される。
本開示の一部の実施態様において、化合物またはその医薬的に許容される塩が提供され、当該化合物は、
Figure 2024504831000079
[式中、
Figure 2024504831000080
は、単結合および二重結合から選択され;
zは、0、1、2、3、4および5から選択され;
T2、Rb、R11およびR12は、本開示において定義される通りである]
から選択される。
本開示の一部の実施態様において、化合物またはその医薬的に許容される塩が提供され、当該化合物は、
Figure 2024504831000081
[式中、
Figure 2024504831000082
は、単結合および二重結合から選択され;
Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、Rb5、Rb6およびRb7は、それぞれ独立してH、F、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C2-3アルキニル、C2-3アルケニル、-C(=O)C1-3アルキルおよびC3-5シクロアルキルから選択され、ここでC1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C2-3アルキニル、C2-3アルケニル、-C(=O)C1-3アルキルおよびC3-5シクロアルキルは1、2、3、4または5個のRで適宜置換されていてもよく;
Rは、それぞれF、Cl、BrおよびIから独立して選択され;
T2、R11およびR12は、本開示において定義される通りである]
から選択される。
本開示の一部の実施態様において、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、Rb5、Rb6およびRb7は、それぞれ独立してH、F、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、CH3、CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、-CH=CH2、-CH2-CH=CH2、-C≡CH、-C(=O)CH3およびシクロプロピルから選択され、ここでCH3、CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、-CH=CH2、-CH2-CH=CH2、-C≡CH、-C(=O)CH3およびシクロプロピルは1、2、3、4または5個のRで適宜置換されていてもよく、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、Rb5、Rb6およびRb7は、それぞれ独立してH、F、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、CH3、CHF2、CH2F、CF3、CH2CH3、CH2CF3、CF2CF3、OCH3、OCF3、-CH=CH2、-C≡CH、-C(=O)CH3、-C(=O)CF3、およびシクロプロピルから選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、Rb5、Rb6およびRb7は、それぞれ独立してH、F、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、CH3、CF3、CH2CH3、CF2CF3、-CH=CH2、-C≡CH、-C(=O)CH3およびシクロプロピルから選択され、その他の可変基は本開示において定義されている通りである。
本開示の一部の実施態様において、化合物またはその医薬的に許容される塩が提供され、当該化合物は、
Figure 2024504831000083
[式中、
Figure 2024504831000084
は、単結合および二重結合から選択され;
T2、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、Rb5、Rb6、Rb7、R11およびR12は、本開示において定義される通りである]
から選択される。
本開示は、上述の任意の可変基の組み合わせにより得られるいくつかの実施態様も含む。
本開示は、以下の式
Figure 2024504831000085
Figure 2024504831000086
Figure 2024504831000087
Figure 2024504831000088
Figure 2024504831000089
Figure 2024504831000090
Figure 2024504831000091
Figure 2024504831000092
Figure 2024504831000093
Figure 2024504831000094
Figure 2024504831000095
Figure 2024504831000096
Figure 2024504831000097
Figure 2024504831000098
Figure 2024504831000099
で表される化合物またはその医薬的に許容される塩も提供する。
本開示の一部の実施態様において、化合物またはその医薬的に許容される塩が提供され、当該化合物は、
Figure 2024504831000100
Figure 2024504831000101
Figure 2024504831000102
Figure 2024504831000103
Figure 2024504831000104
Figure 2024504831000105
Figure 2024504831000106
Figure 2024504831000107
Figure 2024504831000108
Figure 2024504831000109
Figure 2024504831000110
Figure 2024504831000111
Figure 2024504831000112
Figure 2024504831000113
Figure 2024504831000114
からなる群から選択される。
本開示の一部の実施態様において、化合物またはその医薬的に許容される塩が提供され、当該化合物は、
Figure 2024504831000115
Figure 2024504831000116
Figure 2024504831000117
Figure 2024504831000118
Figure 2024504831000119
Figure 2024504831000120
Figure 2024504831000121
Figure 2024504831000122
Figure 2024504831000123
Figure 2024504831000124
Figure 2024504831000125
Figure 2024504831000126
Figure 2024504831000127
Figure 2024504831000128
Figure 2024504831000129
Figure 2024504831000130
Figure 2024504831000131
Figure 2024504831000132
Figure 2024504831000133
Figure 2024504831000134
Figure 2024504831000135
Figure 2024504831000136
Figure 2024504831000137
Figure 2024504831000138
Figure 2024504831000139
Figure 2024504831000140
からなる群から選択される。
また本開示は、KRASG12D変異に関連する疾患を治療するための医薬の製造における、上記化合物またはその医薬的に許容される塩の使用も提供する。
また本開示は、腫瘍に関連する疾患を治療するための医薬の製造における、上記化合物またはその医薬的に許容される塩の使用も提供する。
(技術的効果)
本開示の化合物は、KRASG12D変異キナーゼに対する優れた抑制効果を有する。本開示の化合物はp-ERKを効果的に阻害することができ、KRASG12D変異細胞に対して優れた細胞増殖抑制活性を有し、インビボでの腫瘍の成長を効果的に阻害することができ、さらに優れた薬剤抵抗性を有する。本開示の化合物は、中程度から強度の血漿結合率および優れた薬物動力学的特性を有する。
(関連定義)
特に断りが無い限り、本明細書で用いる用語およびフレーズは、以下の意味を示す。特定の用語またはフレーズに特別な定義が無い場合、曖昧あるいは不明確なものとは解釈されず、従来の意味で理解されるべきである。本明細書で用いる商品名は、それに対応する商品またはその活性成分を指すことを意図する。
本明細書で化合物、物質、組成物、および/または製剤について用いる用語「医薬的に許容される」とは、信頼できる医学的判断の範囲内において、過度な毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題、もしくは合併症を伴うことなくヒトおよび動物の組織と接触させるのに適しており、合理的なベネフィット/リスク比をもたらすことを意味する。
用語「医薬的に許容される塩」は、本開示の特定の置換基を有する化合物を比較的毒性の低い酸または塩基と反応することで製造される、本開示の化合物の塩を意味する。本開示の化合物が相対的に酸性の官能基を含む場合、塩基付加塩は、純粋な溶媒または適切な不活性溶媒中で、化合物を十分な量の塩基と反応することで得られうる。医薬的に許容される塩基付加塩には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミンまたはマグネシウムの塩または類似の塩が挙げられる。本開示の化合物が相対的に塩基性の官能基を含む場合、酸付加塩は、純粋な溶媒または適切な不活性溶媒中で、化合物を十分な量の酸と反応することで得られうる。医薬的に許容される酸付加塩の例には無機酸塩(ここで無機酸には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、重炭酸、リン酸、リン酸一水素、リン酸二水素、硫酸、硫酸水素、ヨウ化水素酸、リン酸などが挙げられる);および有機酸塩(ここで有機酸には、例えば、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸およびメタンスルホン酸などが挙げられる);およびアミノ酸(例えばアルギニンなど)の塩および有機酸(例えばグルクロン酸など)の塩が挙げられる。本開示の特定の化合物は、塩基性および酸性官能基の両方を含み、任意の塩基または酸付加塩に変換され得る。
本開示の医薬的に許容される塩は、従来の化学的方法により酸性または塩基性部分を含む親化合物から製造され得る。一般に、そのような塩は、水または有機溶媒またはその混合溶媒中、化合物の遊離酸または遊離塩基形態と化学量論量の適当な塩基または酸が反応することにより製造され得る。
本開示の化学物は、特定の幾何異性体または立体異性体の形態で示されうる。本発明は、そのような全ての化合物(シスおよびトランス異性体、(-)および(+)エナンチオマー、(R)および(S)エナンチオマー、ジアステレオ異性体、(D)異性体、(L)異性体およびラセミ混合物およびその他の混合物(例えばエナンチオマーリッチまたはジアステレオマーリッチの混合物)など)を想定し、これらは全て本開示の範囲内に含まれる。置換基(例えばアルキル)はさらに非対称の炭素原子を有し得る。これらの全ての異性体およびその混合物は本開示の範囲内に含まれる。
本開示の化学物は、化合物を構成する1以上の原子に、天然には存在しない割合の原子の同位体を含み得る。例えば、化合物は、放射性同位体(例えばトリチウム(3H)、ヨウ素125(125I)またはC-14(14C))で標識化され得る。その他の例として、重水素化医薬を形成するために、水素は重水素で置換され得る。重水素と炭素間の結合は通常の水素と炭素間の結合よりも強力である。非重水素化医薬と比較して、重水素化医薬は有害な副作用を減少させ、医薬の安定性が増し、有効性を高め、医薬の生物学的半減期が延長される利点がある。同位体の活性にかかわらず、本開示の化学物の同位体組成物における全ての変更は、本発明の範囲内に含まれる。
用語「適宜」は、その後の事象または状況が起こり得るが、必須ではないことを意味し、当該用語にはその事象または状況が起こる例、およびその事象または状況が起こらない例が含まれる。
用語「置換」は、特定の原子の原子価が通常であり、置換化合物が安定である限り、特定の1以上の水素原子が、重水素および水素のバリアントを含む置換基で置換されることを意味する。置換基がオキソ(すなわち=O)である場合、2つの水素原子が置換される。なお、芳香環基でオキソ基の置換は起こらない。用語「適宜置換されていてもよい」とは、原子が1つの置換基で置換されても、されなくてもよく、特に断りが無い限り、化学的に可能であれば、置換基の種類および数は任意でよいことを意味する。
化合物の構成または構造において任意の可変基(例えばR)が1個以上存在する場合、その可変基の定義はそれぞれ独立している。そのため、例えば、基が0~2個のRで置換される場合、基は2個までのRで適宜置換されていてもよく、ここでRの定義はそれぞれ独立している。さらに、置換基および/またはそのバリアントの組み合わせは、組み合わせた結果、安定な化合物となるものに限られる。
リンカー基の数が0である場合(例えば-(CRR)0-)、リンカー基は単結合であることを意味する。
可変基の1つが単結合である場合、2つの基が単結合で直接結合することを意味する。例えば、A-L-ZのLが単結合を示す場合、A-L-Zの構造は、実質的にはA-Zである。
列記したリンカー基が連結の順番を明記していない場合、その順番は任意である。例えば、
Figure 2024504831000141
のリンカー基Lが-M-W-である場合、-M-W-は左から右へ読む順番と同じ順で環Aおよび環Bを連結し、
Figure 2024504831000142
を構成し得るか、または読む順番と逆の順で環Aおよび環Bを連結し、
Figure 2024504831000143
を構成し得る。リンカー基、置換基および/またはそのバリアントの組み合わせは、組み合わせた結果、安定な化合物となるものに限られる。
特に断りが無い限り、結合可能な部分を1以上有する場合、基の任意の1以上の部分は化学結合を介して他の基に結合し得る。化学結合の結合部位が可変であり、結合可能部位にH原子が存在する場合、H原子を有する結合可能部位が化学結合に用いられると、その部位のH原子の数は、結合する化学結合の数が増加するに従って減少し、当該基は対応する原子価の基となる。その部分と他の基の間の化学結合は、直線の実線結合(
Figure 2024504831000144
)、直線の破線結合(
Figure 2024504831000145
)、または波線(
Figure 2024504831000146
)で示され得る。例えば、-OCH3の直線の実線結合は、基の酸素原子を介して他の基に結合することを示す。
Figure 2024504831000147
の直線の破線結合は、この基のうち、窒素原子の2ヶ所を介して当該基が他の基に結合することを示す。
Figure 2024504831000148
の波線は、この基がフェニル基の1および2の位置の炭素原子を介して他の基に結合することを示す。
Figure 2024504831000149
は、ピペリジニル基における任意の結合可能部位が、1つの化学結合を介して他の基に結合し得ることを示し、少なくとも4タイプ
Figure 2024504831000150
の結合形式が含まれる。H原子が-N-上に表記されている場合でも、
Figure 2024504831000151
には、
Figure 2024504831000152
の結合形式が含まれる。化学結合がこの部位に結合した場合、当該部位のHはそれに伴って1つ減り、対応する1価のピペリジニル基となる。
特に断りが無い限り、くさび形の実線結合(
Figure 2024504831000153
)およびくさび形の破線結合(
Figure 2024504831000154
)は立体中心の絶対配置を表し、直線の実線結合(
Figure 2024504831000155
)および直線の破線結合(
Figure 2024504831000156
)は立体中心の相対配置を表し、波線(
Figure 2024504831000157
)はくさび形の実線結合(
Figure 2024504831000158
)またはくさび形の破線結合(
Figure 2024504831000159
)を表し、或いは波線(
Figure 2024504831000160
)は直線の実線結合(
Figure 2024504831000161
)または直線の破線結合(
Figure 2024504831000162
)を表す。例えば、
Figure 2024504831000163
は、
Figure 2024504831000164
を表し、
Figure 2024504831000165
は、
Figure 2024504831000166
を表す。
特に断りが無い限り、用語「C1-3アルキル」は、1~3個の炭素原子からなる直鎖または分枝鎖飽和炭化水素基を表すために用いられる。C1-3アルキルにはC1-2アルキル、C2-3アルキルなどが含まれ、1価(例えばメチル)、2価(例えばメチレン)または多価(例えばメテニル)であってもよい。C1-3アルキルの例には、以下に限らないが、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(n-プロピルおよびイソプロピルを含む)などが挙げられる。
特に断りが無い限り、用語「C1-3アルコキシ」は、酸素原子を介して他の分子に結合する、1~3個の炭素原子を含むアルキル基を意味する。C1-3アルコキシ基には、C1-2、C2-3、C3、およびC2アルコキシ基などが含まれる。C1-3アルコキシ基の例には、以下に限らないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(n-プロポキシおよびイソプロポキシを含む)などが挙げられる。
特に断りが無い限り、用語「C1-3アルキルアミノ」は、アミノ基を介して他の分子に結合する、1~3個の炭素原子を含むアルキル基を意味する。C1-3アルキルアミノ基は、C1-2、C3およびC2アルキルアミノ基などを含む。C1-3アルキルアミノ基の例には、以下に限らないが、-NHCH3、-N(CH3)2、-NHCH2CH3、-N(CH3)CH2CH3、-NHCH2CH2CH3、-NHCH2(CH3)2などが挙げられる。
特に断りが無い限り、「C2-3アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む、2~3個の炭素原子からなる直鎖または分枝鎖炭化水素基であって、炭素-炭素二重結合が基の任意の位置に存在し得るものを表すために用いられる。C2-3アルケニルには、C3およびC2アルケニルが含まれる。C2-3アルケニルは、1価、2価または多価であってもよい。C2-3アルケニルの例には、以下に限らないが、ビニル、プロペニルなどが挙げられる。
特に断りが無い限り、「C2-3アルキニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む、2~3個の炭素原子からなる直鎖または分枝鎖炭化水素基であって、炭素-炭素三重結合が基の任意の位置に存在し得るものを表すために用いられる。C2-3アルキニルは、1価、2価または多価であってもよい。C2-3アルキニルには、C3およびC2アルキニルが含まれる。C2-3アルキニルの例には、以下に限らないが、エチニル、プロピニルなどが挙げられる。
特に断りが無い限り、用語「4~5員ヘテロシクロアルキル」単体または他の用語との組み合わせは、それぞれ4~5個の環原子からなる飽和単環基を表し、ここで1、2、3または4個の環原子はO、SおよびNから独立して選択されるヘテロ原子であり、他は炭素原子である。さらに窒素原子は適宜4級化され、窒素および硫黄のヘテロ原子は適宜酸化(すなわち、NOおよびS(O)p、pは1または2)されていてもよい。また、「4~5員ヘテロシクロアルキル」において、ヘテロ原子は、ヘテロシクロアルキル基の他の分子への結合位置に存在してもよい。4~5員ヘテロシクロアルキルには、4員および5員のヘテロシクロアルキルが含まれる。4~5員ヘテロシクロアルキルの例には、以下に限らないが、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロチエニル(テトラヒドロチエン-2-イルおよびテトラヒドロチエン-3-イルなどを含む)、テトラヒドロフラニル(テトラヒドロフラン-2-イルなどを含む)などが挙げられる。
特に断りが無い限り、「C3-5シクロアルキル」は、3~5個の炭素原子からなる単環の飽和環状炭化水素基を指す。C3-5シクロアルキルには、C3-4およびC4-5シクロアルキルなどが含まれ、1価、2価または多価であってもよい。C3-5シクロアルキルの例には、以下に限らないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルなどが挙げられる。
特に断りが無い限り、用語「C6-10芳香環」および「C6-10アリール」は、本開示において同義で用いられてもよい。用語「C6-10芳香環」または「C6-10アリール」は、共役π電子系を有する、6~10個の炭素原子からなる環状炭化水素基を意味し、各環が芳香族の単環、縮合二環系または縮合三環系であってもよい。また、1価、2価または多価であってもよい。C6-10アリールには、C6-9、C9、C10およびC6アリールなどが含まれる。C6-10アリールの例には、以下に限らないが、フェニル、ナフチル(1-ナフチルおよび2-ナフチルなどを含む)が挙げられる。
特に断りが無い限り、用語「5~10員ヘテロ芳香環」および「5~10員ヘテロアリール」は同義で用いられ得る。用語「5~10員ヘテロアリール」は、共役π電子系を有する、5~10個の環原子からなる環状基を意味し、ここで1、2、3または4個の環原子はO、SおよびNから独立して選択されるヘテロ原子であり、他は炭素原子である。各環が芳香族の単環、縮合二環系または縮合三環系であってもよく、窒素原子は適宜4級化され、窒素および硫黄のヘテロ原子は適宜酸化(すなわち、NOおよびS(O)p、pは1または2)されていてもよい。5~10員ヘテロアリールは、ヘテロ原子または炭素原子を介して他の分子に結合し得る。5~10員ヘテロアリール基には、10員、9員、9~10員、5~8員、5~7員、5~6員、5員および6員のヘテロアリール基が含まれる。5~10員ヘテロアリールの例には、以下に限らないが、ピロリル(N-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリルなどを含む)、ピラゾリル(2-ピラゾリルおよび3-ピラゾリルなどを含む)、イミダゾリル(N-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、および5-イミダゾリルなどを含む)、オキサゾリル(2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、および5-オキサゾリルなどを含む)、トリアゾリル(1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-1,2,4-トリアゾリルおよび4H-1,2,4-トリアゾリルなど)、テトラゾリル、イソオキサゾリル(3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリルおよび5-イソオキサゾリルなど)、チアゾリル(2-チアゾリル、4-チアゾリルおよび5-チアゾリルなどを含む)、フリル(2-フリルおよび3-フリルなどを含む)、チエニル(2-チエニルおよび3-チエニルなどを含む)、ピリジル(2-ピリジル、3-ピリジルおよび4-ピリジルなどを含む)、ピラジニルまたはピリミジニル(2-ピリミジニルおよび4-ピリミジニルなどを含む)、ベンゾチアゾリル(5-ベンゾチアゾリルなどを含む)、プリニル、ベンゾイミダゾリル(2-ベンゾイミダゾリルなどを含む)、ベンゾオキサゾリル、インドリル(5-インドリルなどを含む)、イソキノリル(1-イソキノリル、5-イソキノリルなどを含む)、キノキサリニル(2-キノキサリニル、5-キノキサリニルなどを含む)またはキノリル(3-キノリル、6-キノリルなどを含む)が挙げられる。
特に断りが無い限り、用語「4~8員ヘテロシクロアルキル」単体または他の用語との組み合わせは、それぞれ4~8個の環原子からなる飽和環状基を表し、ここで1、2、3または4個の環原子はO、SおよびNから独立して選択されるヘテロ原子でり、他は炭素原子である。さらに窒素原子は適宜4級化され、窒素および硫黄のヘテロ原子は適宜酸化(すなわち、NOおよびS(O)p、pは1または2)されていてもよい。環には単環および二環式が含まれ、二環式にはスピロ環、縮合環、および架橋環が含まれる。また、「4~8員ヘテロシクロアルキル」において、ヘテロ原子は、ヘテロシクロアルキル基の他の分子への結合位置に存在してもよい。4~8員ヘテロシクロアルキルには、4~6員、5~6員、4員、5員、および6員のヘテロシクロアルキルなどが含まれる。4~8員ヘテロシクロアルキルの例には、以下に限らないが、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロチエニル(テトラヒドロチエン-2-イルおよびテトラヒドロチエン-3-イルなどを含む)、テトラヒドロフラニル(テトラヒドロフラン-2-イルなどを含む)、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル(1-ピペリジニル、2-ピペリジニルおよび3-ピペリジニルなどを含む)、ピペラジニル(1-ピペラジニルおよび2-ピペラジニルなどを含む)、モルホリニル(3-モルホリニルおよび4-モルホリニルなどを含む)、ジオキサニル、ジチアニル、イソキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,2-オキサジニル、1,2-ジチアニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニルまたはジオキセパニルなどが挙げられる。
特に断りが無い限り、用語「5~6員ヘテロシクロアルケニル」単体または他の用語との組み合わせは、それぞれ少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む、5~6個の環原子からなる部分的不飽和環状基を表し、ここで1、2、3または4個の環原子はO、SおよびNから独立して選択されるヘテロ原子であり、他の原子は炭素原子である。さらに窒素原子は適宜4級化され、窒素および硫黄のヘテロ原子は適宜酸化(すなわち、NOおよびS(O)p、pは1または2)されていてもよい。5~6員ヘテロシクロアルケニルは、単環式または二環式化合物であり、二環式にはスピロ環、縮合環および架橋環が含まれ、任意の環が非芳香族である。また、「5~6員ヘテロシクロアルケニル」において、ヘテロ原子は、ヘテロシクロアルケニル基の他の分子への結合位置に存在してもよい。5~6員ヘテロシクロアルケニル基には、5員および6員ヘテロシクロアルケニル基などが含まれる。5~6員ヘテロシクロアルケニル基の例には、以下に限らないが、
Figure 2024504831000167
が挙げられる。
特に断りが無い限り、Cn-n+mまたはCn-Cn+mには、炭素がn~n+m個である、任意の具体的な場合が含まれる。例えば、C1-12には、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11およびC12が含まれ、n~n+mの任意の範囲も含まれる。例えば、C1-12には、C1-3、C1-6、C1-9、C3-6、C3-9、C3-12、C6-9、C6-12およびC9-12などが含まれる。同様に、n員~n+m員とは、環原子の数がn~n+m個であることを示す。例えば、3~12員環には、3員環、4員環、5員環、6員環、7員環、8員環、9員環、10員環、11員環、および12員環が含まれ、n~n+mの任意の範囲も含まれる。例えば、3~12員環には、3~6員環、3~9員環、5~6員環、5~7員環、6~7員環、6~8員環、および6~10員環などが含まれる。
本開示の化学物は、以下に列挙する実施態様、それらを他の化学合成方法と組み合わせた実施態様、および当業者に周知の同等の置換など、当業者に周知の様々な合成方法によって製造され得る。好ましい実施態様には、以下に限らないが、本開示の実施態様が挙げられる。
本開示の化学物の構造は、当業者に周知の従来の方法によって確認され得る。本発明が化合物の絶対配置と関係する場合、その絶対配置は、当該分野の従来技術(例えば単結晶X線解析(SXRD))によって確認され得る。単結晶X線解析(SXRD)において、作製した単結晶の回折強度データをBruker D8 venture回折計(スキャンモード: φ/ωスキャン、光源: CuKα線)を用いて収集し、関連するデータを収集した後、結晶構造を直接法(Shelxs97)によりさらに分析し、絶対配置を決定した。
本開示で用いた溶媒は市販で入手可能なものである。以下の略語が本開示において用いられる。hrは、時間; LDAは、リチウムジイソプロピルアミド; B2Pin2は、ビス(ピナコラト)ジボロン; Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2は、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン付加物; DIPEAは、N,N-ジイソプロピルエチルアミン; NBSは、N-ブロモスクシンイミド; NISは、N-ヨードスクシンイミド; PdCl2(PPh3)2は、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II); CuIは、ヨウ化銅; Et3Nは、トリエチルアミン; K4FeCN6は、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム; n-BuLiは、n-ブチルリチウム; PhNTf2は、N-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド); Pd(dppf)Cl2は、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムを表す。
化合物は当該技術分野において一般的な命名法に従って、あるいはChemDraw(登録商標)ソフトウェアによって命名され、市販の化合物は販売会社のカタログ名を使用した。
本開示を、実施例を用いて以下に詳述する。しかしながら、これらの実施例は、本発明にとって不利な制約とはならないことを意図する。本発明は明細書にて詳述され、また、実施態様も明細書にて開示される。本開示の実施態様は、本発明の本質および範囲から離れることなく、様々な変更および修正がなされ得ることが、当業者に自明である。
参照例1
Figure 2024504831000168
ステップ1:化合物A1-2の合成
乾燥した三ツ口フラスコ(2L)中、N,N-ジメチルホルムアミド(510mL)に水素化ナトリウム(39.12g、978.08mmol、60%)を加えた。この不均一な灰色の反応系を0℃に冷却した。化合物A1-1(51g、407.53mmol)/N,N-ジメチルホルムアミド(200mL)の溶液を窒素下で滴下して加えた。この混合物を0℃でさらに0.5時間反応させ、p-メトキシベンジルクロリド(140.41g、896.57mmol、122.10mL)を加えた。これをゆっくりと20℃に加温し、さらに7.5時間窒素下で撹拌した。得られた反応溶液をゆっくりと飽和塩化アンモニウム(200mL)に加え、tert-ブチルメチルエーテル(200mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 石油エーテル:酢酸エチル=100:0~10:1)で精製し、化合物A1-2を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ: 7.23-7.18(m, 4H), 6.91-6.87(m, 1H), 6.82-6.76(m, 4H), 6.65-6.59(m, 2H), 4.20(s, 4H), 3.79(s, 6H), 2.19(s, 3H); MS m/z: 366.1 [M+H]+
ステップ2: 化合物A1-3の合成
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(31.31g、221.65mmol、37.63mL)を無水テトラヒドロフラン(300mL)に加えた。この混合物を-5℃に冷却し、n-ブチルリチウム(2.5M、94.57mL)を滴下して加えた。混合物を-5~0℃で15分間反応させ、-60℃に冷却した。化合物A1-2(27g、73.88mmol)/THF(60mL)の溶液を上記反応溶液に加え、これを-60℃で0.5時間反応させ、N,N-ジメチルホルムアミド(108.00g、1.48mol、113.69mL)を素早く加えた。この反応溶液を-60℃でさらに10分間撹拌し、飽和塩化アンモニウム(400mL)を加えた。得られた混合物をtert-ブチルメチルエーテル(200mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。有機溶媒を減圧除去して得られた粗製生成物を、混合溶媒(石油エーテル:tert-ブチルメチルエーテル=5:1、70mL)で0.5時間懸濁状態にし、濾過した。濾過ケーキを乾燥させた。濾液を濃縮し、次いで得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 石油エーテル:酢酸エチル=100:0~10:1)で精製した。濾過ケーキおよびカラムクロマトグラフィーの精製物を合わせて化合物A1-3を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ: 10.43-10.35(m, 1H), 7.21-7.18(m, 5H), 6.92-6.81(m, 5H), 4.25(s, 4H), 3.80(s, 6H), 2.23(s, 3H); MS m/z: 394.2 [M+H]+
ステップ3: 化合物A1-4の合成
化合物A1-3(17.8g、45.24mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(170mL)に加え、ブロモスクシンイミド(8.05g、45.24mmol)を加えて20℃で20分間撹拌した。この反応溶液を水(300mL)に加え、tert-ブチルメチルエーテル(150mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(100mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。有機溶媒を減圧除去して得られた粗製生成物を、混合溶媒(酢酸エチル:tert-ブチルメチルエーテル=1:1、50mL)で0.5時間懸濁状態にし、濾過した。濾過ケーキを乾燥し、化合物A1-4を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ: 10.39(s, 1H), 7.17(d, J=8.8Hz, 4H), 6.89(d, J=8.8Hz, 1H), 6.85-6.82(m, 4H), 4.22(s, 4H), 3.79(s, 6H), 2.28(s, 3H); MS m/z: 472.1[M+H]+、474.1[M+3H]+
ステップ4: 化合物A1-5の合成
化合物A1-4(19.3g、40.86mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(190mL)に加え、この溶液にヨウ化銅(15.56g、81.72mmol)およびジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチル(39.25g、204.30mmol、25.99mL)を加えた。この溶液を100℃に加熱し、1時間撹拌して得られた混合物を冷却した。反応溶液をセライト濾過し、濾液を水(300mL)に加えた。これをtert-ブチルメチルエーテル(150mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(200mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 石油エーテル:酢酸エチル=100:0~10:1)で精製し、化合物A1-5を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ: 10.37 (q, J=4.0Hz, 1H), 7.18-7.11(m, 4H), 6.89-6.82(m, 4H), 6.73(d, J=8.8Hz, 1H), 4.36(s, 4H), 3.81(s, 6H), 2.37-2.29(m, 3H); MS m/z: 484.0[M+Na]+
ステップ5: 化合物A1-6の合成
無水テトラヒドロフラン(50mL)および水素化ナトリウム(1.17g、29.26mmol、60%)を乾燥させた三ツ口フラスコに加え、混合物を0℃に冷却した。アセト酢酸エチル(3.40g、29.26mmol、3.15mL)を窒素下で滴下して加え、この溶液を0℃で0.5時間撹拌し、n-ブチルリチウム(2.5M、11.70mL)を滴下して加えた。反応溶液を同条件下でさらに0.5時間撹拌し、-60℃に冷却した。化合物A1-5(4.5g、9.75mmol)/テトラヒドロフラン(20mL)の溶液を滴下して加え、-60℃でさらに0.5時間撹拌した。この反応溶液に飽和塩化アンモニウム溶液(100mL)を加え、混合物を酢酸エチル(30mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(80mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 石油エーテル:酢酸エチル=100:0~3:1)で精製し、化合物A1-6を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ: 7.18-7.15(m, 4H), 6.90-6.78(m, 4H), 6.61(d, J=8.8Hz, 1H), 5.72-5.57(m, 1H), 4.31(m, 4H), 3.81(s, 6H), 3.76(s, 3H), 3.56(s, 2H), 3.50-3.38(m, 1H), 2.98-2.93(m, 1H), 2.38-2.26(m, 3H); MS m/z: 578.1[M+H]+
ステップ6:化合物A1-7の合成
化合物A1-6(3g、5.19mmol)を無水ジクロロメタン(30mL)に加え、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(742.74mg、6.23mmol、828.02μL)を加えた。この溶液を20℃で16時間撹拌し、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(884.66mg、6.23mmol、769.27μL)を加えた。この混合物を20℃でさらに1時間撹拌し、得られた反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20mL)に加えて層を分離した。水層をジクロロメタン(20mL)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 石油エーテル:酢酸エチル=100:0~3:1)で精製し、化合物A1-7を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ: 8.43(d, J=0.8Hz, 1H), 7.21-7.10(m, 4H), 6.91-6.81(m, 4H), 6.70(d, J=8.8Hz, 1H), 5.93 (dd, J=3.2, 14.8Hz, 1H), 4.35(s, 4H), 3.8(s, 3H), 3.81(s, 6H), 3.38-3.29(m, 1H), 2.68 (dd, J=3.6, 16.8Hz, 1H), 2.39-2.24(m, 3H); MS m/z: 588.2[M+H]+
ステップ7: 化合物A1-8の合成
化合物A1-7(2.1g、3.57mmol)を無水テトラヒドロフラン(21mL)に加え、この混合物を-60℃に冷却し、窒素下で水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素リチウム(1M、4.29mL)を加え、-60℃で0.5時間撹拌した。この反応溶液を飽和塩化アンモニウム(30mL)に加え、層を分離した。水層を酢酸エチル(30mL*2)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 石油エーテル:酢酸エチル=100:0~3:1)で精製し、化合物A1-8を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ: 7.167-7.14(m, 4H), 6.87-6.83(m, 4H), 6.63(d, J=8.8Hz, 1H), 5.05-5.00(m, 1H), 4.61-4.58(m, 1H), 4.42-4.24(m, 5H), 3.85-3.73(m, 10H), 3.13-3.05(m, 1H), 2.47-2.38(m, 1H), 2.35-2.31(m, 3H); MS m/z: 590.1[M+H]+
ステップ8:化合物A1-9の合成
化合物A1-8(1.27g、2.15mmol)をエタノール(15mL)および水(3mL)に加え、重炭酸ナトリウム(3.62g、43.08mmol、1.68mL)およびメチルイソチオ尿素硫酸塩(4.05g、21.54mmol)を加えて50℃で4時間撹拌した。この反応溶液を水(40mL)に加え、混合物を酢酸エチル(20mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(20mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 石油エーテル:酢酸エチル=100:0~1:1)で精製し、化合物A1-9を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ: 7.22-7.14(m, 4H), 6.91-6.82(m, 4H), 6.65 (dd, J=8.4 Hz 1H), 5.12-5.08(m, 1H), 4.97-4.91(m, 1H), 4.67-4.57(m, 1H), 4.45-4.22(m, 4H), 3.88-3.74(m, 6H), 3.43-3.35(m, 1H), 2.77-2.72(m, 1H), 2.59(m, 3H), 2.40-2.31(m, 3H); MS m/z: 630.2[M+H]+
ステップ9: 化合物A1およびA2の合成
化合物A1-9(51g、81.00mmol)をジクロロメタン(500mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(31.40g、242.99mmol、42.32mL)を加えた。この混合物を0~10℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(34.28g、121.49mmol、20.05mL)をゆっくりと加え、同温度で15分間反応させた。得られた反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液(400mL)に注ぎ、層を分離した。水層をジクロロメタン(50mL*2)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物を混合溶媒(石油エーテル:tert-ブチルメチルエーテル=20:1、100mL)で懸濁状態にし、濾過した。濾過ケーキを乾燥し、A1-10を得た。A1-10(20g)を超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)(カラム: DAICEL Chiralpak IG(250mm*50mm、10μm); 移動相A: CO2、移動相B: 0.1%アンモニア水含有EtOH; グラジエント: EtOH%: 11%~11%、8分)で精製した。A1(カラム: Chiralpak IG-3、3μm、内径0.46cm×長さ5cm; 移動相A:CO2、移動相B:0.1%イソプロピルアミン含有EtOH; グラジエント: B%=5~50%、3分; 流速: 3.4mL/分; 波長: 220nm; 圧力: 1800psi、Rt=0.924分、MS: m/z(ESI): 762.0 [M+H]+
Figure 2024504831000169
、濃度: 0.1682g/100mL)およびA2(カラム: Chiralpak IG-3、3μm、内径0.46cm×長さ5cm; 移動相A:CO2、移動相B:0.1%イソプロピルアミン含有EtOH; グラジエント: B%=5~50%、3分; 流速: 3.4mL/分; 波長: 220nm; 圧力: 1800psi、Rt=1.073分、キラル純度: 99.99%、MS: m/z(ESI): 762.0 [M+H]+
Figure 2024504831000170
、濃度: 0.3476g/100mL)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ: 7.03-7.14(m, 4H), 6.73-6.82(m, 4H), 6.57(d, J=8.4, 1H) 5.08(d, J=9.6, 1H), 4.92(d, J=15.6, 1H), 4.67(d, J=15.6, 1H), 4.24(q, J=10, 4H), 3.719(s, 6H) 3.42-3.59(m, 1H), 2.87-3.04(m, 1H), 2.47(s, 3H), 2.19-2.35(m, 3H)
実施例1
Figure 2024504831000171
ステップ1: 中間体1-1の製造
化合物A2(80mg、105.02μmol)および化合物1-A1(26.75mg、126.03μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(40.72mg、315.07μmol、54.88μL)を加えた。この溶液を100℃に加熱し、1時間撹拌した。得られた混合物を冷却し、有機溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: 石油エーテル:酢酸エチル=2:1)で精製し、化合物1-1を得た。MS m/z=824.3[M+H]+
ステップ2: 中間体1-2の製造
化合物1-1(70mg、84.96μmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、m-クロロ過安息香酸(34.50mg、169.92μmol、85%含有)を加えた。この溶液を20℃で3時間撹拌し、有機溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン: メタノール=10:1)で精製し、化合物1-2を得た。MS m/z=856.2 [M+H]+
ステップ3: 中間体1-3の製造
化合物1-2A(12.09mg、75.94μmol)を氷水浴中で無水トルエン(1mL)に溶解した。ナトリウムtert-ブトキシド(7.30mg、75.94μmol)を加え、この溶液をさらに30分間撹拌した。化合物1-2(50mg、58.42μmol)/トルエン(1mL)の溶液を加え、氷水浴中でさらに2時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン: メタノール=10:1)で精製し、化合物1-3を得た。MS m/z=935.3[M+H]+
ステップ4: 化合物1塩酸塩の製造
化合物1-3(40mg、42.78μmol)を無水ジクロロメタン(2mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を加えた。この溶液を20℃で2時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物を高速液体クロマトグラフィー(カラム: Phenomenex Synergi C18 150*30mm*4μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 15%~45%、9分)で精製し、化合物1の塩酸塩を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD) δ: 6.86-6.84(d, J=8.0Hz, 1H), 5.66-5.53(m, 1H), 5.27-5.25(m, 1H), 5.01-4.98(m, 1H), 4.84-4.77(m, 2H), 4.30-4.17(m, 2H), 4.12-3.82(m, 5H), 3.61-3.58(m, 1H), 3.51-3.38(m, 2H), 3.08-3.03(m, 1H), 2.80-2.47(m, 7H), 2.44-1.98(m, 10H); MS m/z=595.6 [M+H]+
実施例2
Figure 2024504831000172
ステップ1: 中間体2-1の製造
化合物A2(80mg、105.02μmol)および化合物2-A1(27.07mg、136.53μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.2mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(33.93mg、262.56μmol、45.73μL)を加えた。この溶液を100℃に加熱し、1時間撹拌した。得られた混合物を冷却し、有機溶媒を減圧除去した。粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: 石油エーテル:酢酸エチル=3:1)で精製し、化合物2-1を得た。MS m/z=810.1 [M+H]+
ステップ2: 中間体2-2の製造
化合物2-1(73mg、90.13μmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、m-クロロ過安息香酸(36.60mg、180.27μmol、85%含有)を加えた。この溶液を20℃で15時間撹拌し、有機溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: 石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で精製し、化合物2-2を得た。MS m/z=842.0 [M+H]+
ステップ3: 中間体2-3の製造
化合物1-2A(20.80mg、130.66μmol)を15℃で無水テトラヒドロフラン(1mL)に溶解し、ナトリウムtert-ブトキシド(12.56mg、130.66μmol)を加え、30分間撹拌した。化合物2-2(55mg、65.33μmol)を加え、反応溶液を同温度でさらに1時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン: メタノール=10:1)で精製し、化合物2-3を得た。MS m/z=921.4[M+H]+
ステップ4: 化合物2塩酸塩の製造
化合物2-3(42mg、45.60μmol)を無水ジクロロメタン(0.5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(0.25mL)を加え、15℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物を高速液体クロマトグラフィー(カラム: Phenomenex Synergi C18 150*30mm*4μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 12%~42%、9分)で精製して化合物2の塩酸塩を得た。MS m/z=581.6[M+H]+
実施例3
Figure 2024504831000173
ステップ1: 中間体3-1の製造
化合物A2(80mg、105.02μmol)および化合物3-1A(24.99mg、126.03μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.2mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(40.72mg、315.07μmol、54.88μL)を加えた。この溶液を100℃に加熱し、1時間撹拌した。得られた混合物を冷却し、有機溶媒を減圧除去した。粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: 石油エーテル:酢酸エチル=2:1)で精製し、化合物3-1を得た。MS m/z=810.2[M+H]+
ステップ2: 中間体3-2の製造
化合物3-1(67mg、82.73μmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、m-クロロ過安息香酸(33.59mg、165.45μmol、85%含有)を加えた。この溶液を20℃で5時間撹拌し、有機溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: 石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で精製し、化合物3-2を得た。MS m/z=842.4[M+H]+
ステップ3: 中間体3-3の製造
化合物1-2A(15.13mg、95.02μmol)を15℃で無水テトラヒドロフラン(1mL)に溶解し、ナトリウムtert-ブトキシド(9.13mg、95.02μmol)を加え、30分間撹拌した。化合物3-2(40mg、47.51μmol)を加え、この反応溶液を同温度でさらに1時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン: メタノール=10:1)で精製し、化合物3-3を得た。MS m/z=921.4[M+H]+
ステップ4: 化合物3塩酸塩の製造
化合物3-3(20mg、21.72μmol)を無水ジクロロメタン(0.5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(0.25mL)を加えた。この溶液を15℃で2時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物を高速液体クロマトグラフィー(カラム: Phenomenex Synergi C18 150*30mm*4μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 12%~42%、9分)で精製し、化合物3の塩酸塩を得た。MS m/z=581.6[M+H]+
実施例5
Figure 2024504831000174
ステップ1: 中間体5-1の製造
化合物A2(80mg、105.02μmol)および化合物5-1A(22.30mg、105.02μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(40.72mg、315.07μmol、54.88μL)を加えた。この溶液を100℃に加熱し、1時間撹拌した。得られた混合物を冷却し、有機溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: 石油エーテル:酢酸エチル=5:1)で精製し、化合物5-1を得た。MS m/z=824.3[M+H]+
ステップ2: 中間体5-2の製造
化合物5-1(60mg、72.82μmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、m-クロロ過安息香酸(29.57mg、145.64μmol、85%含有)を加えた。この溶液を20℃で16時間撹拌し、有機溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: 石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で精製し、化合物5-2を得た。MS m/z=856.3[M+H]+
ステップ3: 中間体5-3の製造
化合物1-2A(12.09mg、75.94μmol)を無水テトラヒドロフラン(1mL)に溶解し、ナトリウムtert-ブトキシド(7.30mg、75.94μmol)を加えた。この溶液を20℃で30分間撹拌し、化合物5-2(50mg、58.42μmol)を加え、同温度でさらに1時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン: メタノール=10:1)で精製して化合物5-3を得た。MS m/z=935.3[M+H]+
ステップ4: 化合物5塩酸塩の製造
化合物5-3(22mg、23.53μmol)を無水ジクロロメタン(1.4mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(0.7mL)を加えた。この溶液を20℃で1時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物を高速液体クロマトグラフィー(カラム: Phenomenex Synergi C18 150*30mm*4μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 20%~50%、9分)で精製し、化合物5の塩酸塩を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD) δ: 6.86-6.84(d, J=8.4Hz, 1H), 5.69-5.51(m, 1H), 5.27-5.25(m, 1H), 5.09-5.04(m, 2H), 5.00-4.94(m, 4H), 4.81-4.78(m, 1H), 3.97-3.88(m, 3H), 3.72-3.68(m, 1H), 3.53-3.38(m, 5H), 3.05-3.01(m, 1H), 2.66-2.63(m, 2H), 2.52-2.45(m, 1H), 2.42-2.15(m, 10H); MS m/z: 595.1 [M+H]+
実施例6
Figure 2024504831000175
ステップ1: 中間体6-1の製造
化合物A2(80mg、105.02μmol)および化合物6-1A(22.30mg、105.02μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(40.72mg、315.07μmol、54.88μL)を加えた。この溶液を100℃に加熱し、1時間撹拌した。得られた混合物を冷却し、有機溶媒を減圧除去した。粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: 石油エーテル:酢酸エチル=5:1)で精製し、化合物6-1を得た。MS m/z=824.5[M+H]+
ステップ2: 中間体6-2の製造
化合物6-1(70mg、84.96μmol)をジクロロメタン(1.5mL)に溶解し、m-クロロ過安息香酸(34.50mg、169.92μmol、85%含有)を加えた。この溶液を15℃で6時間撹拌し、有機溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: 石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で精製し、化合物6-2を得た。MS m/z=856.4[M+H]+
ステップ3: 中間体6-3の製造
化合物1-2A(12.09mg、75.94μmol)を無水テトラヒドロフラン(1mL)に溶解し、ナトリウムtert-ブトキシド(7.30mg、75.94μmol)を加えて15℃で30分間撹拌した。この溶液に化合物6-2(50mg、58.42μmol)/無水テトラヒドロフラン(0.2mL)の溶液を加え、同温度で1.5時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: 石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で精製して化合物6-3を得た。MS m/z=935.6[M+H]+
ステップ4:化合物6塩酸塩の製造
化合物6-3(36mg、38.50μmol)を無水ジクロロメタン(1.0mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(0.5mL)を加えた。この溶液を15℃で2時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物を高速液体クロマトグラフィー(カラム: Phenomenex Synergi C18 150*30mm*4μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 15%~45%、9分)で精製し、化合物6の塩酸塩を得た。MS m/z: 595.6 [M+H]+
実施例7
Figure 2024504831000176
ステップ1: 中間体7-2の製造
化合物7-1(160mg、487.14μmol)を20℃でジクロロメタン(2mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(2mL)を加え、同温度で18時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去し、粗製生成物7-2を得た。これをさらに精製せずに次のステップに直接用いた。
ステップ2: 中間体7-3の製造
化合物A2(350.00mg、459.48μmol)および化合物7-2(50.62mg、459.48μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(178.15mg、1.38mmol、240.10μL)を加えた。この溶液を100℃に加熱し、1時間撹拌した。得られた混合物を冷却し、化合物7-3の溶液を得た。これをさらに精製せずに次のステップに直接用いた。MS m/z: 722.1 [M+H]+
ステップ3: 中間体7-4の製造
ステップ2で得られた中間体7-3の溶液を20℃でジクロロメタン(10mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(177.26mg、1.37mmol、238.90μL)および二炭酸ジ-tert-ブチル(149.67mg、685.78μmol、157.55μL)を加えた。この溶液を同温度で18時間撹拌し、有機溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~15%)で精製し、化合物7-4を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD) δ: 7.17-7.14(d, J=8.8Hz, 4H), 6.86-6.84(d, J=8.8Hz, 4H), 6.64-6.62(d, J=8.0Hz, 1H), 6.26-6.20(m, 2H), 5.20-5.16(m, 1H), 4.73-4.61(m, 4H), 4.35-4.29(m, 4H), 3.81(s, 6H), 3.35-2.81(m, 6H), 2.51(s, 3H), 2.35(s, 3H), 1.52(s, 9H); MS m/z: 822.3 [M+H]+
ステップ4: 中間体7-5の製造
化合物7-4(50.06mg、60.91μmol)を20℃でメタノール(5mL)に溶解し、ペルオキシ一硫酸カリウム(37.44mg、60.91μmol)を加えた。この溶液を同温度で1時間撹拌し、有機溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: 石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で精製し、化合物7-5を得た。MS m/z: 838.3 [M+H]+
ステップ5: 中間体7-6の製造
化合物1-2A(7.42mg、46.60μmol)を20℃で無水テトラヒドロフラン(1mL)に溶解し、ナトリウムtert-ブトキシド(4.48mg、46.60μmol)を加え、同温度で30分間撹拌した。この溶液に化合物7-5(30.04mg、35.85μmol)を加え、同温度でさらに1時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン: メタノール=10:1)で精製して化合物7-6を得た。MS m/z=933.5 [M+H]+
ステップ6: 化合物7塩酸塩の製造
化合物7-6(25mg、26.79μmol)を20℃で無水ジクロロメタン(1.0mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を加えた。この溶液を同温度で1時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物を高速液体クロマトグラフィー(カラム: Xtimate C18 150*40mm*5μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 1%~30%、10分)で精製し、化合物7の塩酸塩を得た。MS m/z: 593.5 [M+H]+
実施例8
Figure 2024504831000177
ステップ1: 中間体8-2の製造
水素化ナトリウム(2.33g、58.28mmol、60%含有)を氷水浴中で無水テトラヒドロフラン(120mL)に懸濁し、化合物8-1(10g、44.83mmol)を加えて同温度で1時間撹拌し、次いで-78℃に冷却した。n-ブチルリチウム(2.5M、30.48mL)を滴下して加え、この反応溶液をさらに1時間撹拌した。最後にN,N-ジメチルホルムアミド(16.38g、224.15mmol、17.25mL)を加え、0.5時間撹拌した。反応を2M塩酸(10mL)でクエンチした。次いで得られた混合物を酢酸エチル(50mL*3)で抽出し、有機層を合わせて有機溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~30%)で精製し、化合物8-2を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ: 10.42(s, 1H), 9.10-9.06(m, 1H), 7.76-7.75(m, 1H), 7.67-7.66(m, 1H), 7.59-7.57(m, 2H), 7.46-7.45(m, 1H), 5.64(brs, 1H)
ステップ2: 中間体8-3の製造
化合物8-2(3.0g、17.42mmol)を氷水浴中で無水ジクロロメタン(50mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(6.76g、52.27mmol、9.10mL)およびクロロメチルメチルエーテル(2.10g、26.14mmol、1.99mL)を加えた。この溶液を2時間撹拌し、有機溶媒を減圧除去した。得られた残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解し、水(10mL*3)および飽和食塩水(10mL)で洗浄した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~10%)で精製して化合物8-3を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ: 10.40(s, 1H), 9.14-9.11(m, 1H), 7.82-7.80(m, 1H), 7.78-7.77(m, 1H), 7.69-7.67(m, 1H), 7.57-7.55(m, 2H), 5.36(s, 2H), 3.55(s, 3H)
ステップ3: 中間体8-4の製造
水素化ナトリウム(414.37mg、10.36mmol、60%含有)を窒素下で無水テトラヒドロフラン(8mL)に懸濁し、混合物を0℃に冷却した。アセト酢酸メチル(1.20g、10.36mmol、1.11mL)を加え、この溶液を30分間撹拌した。n-ブチルリチウム(2.5M、4.14mL)を滴下して加え、混合物をさらに30分間撹拌して反応させた。この反応溶液を-78℃に冷却し、化合物8-3(1.12g、5.18mmol)/無水テトラヒドロフラン(2mL)の溶液を滴下して加えた。この溶液を同温度でさらに1時間撹拌し、反応を水(20mL)でクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(80mL*3)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~75%)で精製して、化合物8-4を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ: 7.90-7.88(m, 1H), 7.79-7.77(m, 1H), 7.49-7.35(m, 4H), 5.98-5.95(m, 1H), 5.32(s, 2H), 3.78(s, 3H), 3.56(s, 2H), 3.53(s, 3H), 3.15-3.01(m, 3H); MS m/z: 350.2 [M+H2O]+
ステップ4: 中間体8-5の製造
化合物8-4(2.43g、7.31mmol)を18℃でジクロロメタン(15mL)に溶解し、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(871.27mg、7.31mmol、971.31μL)を加えた。この溶液を同温度で2時間撹拌し、次いで反応溶液を0℃に冷却した。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(1.04g、7.31mmol、902.37μL)を加え、この溶液をさらに1時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物に酢酸エチル(100mL)を加えた。この混合物を水(20mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)および飽和食塩水(10mL)で洗浄した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~35%)で精製して、化合物8-5を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ: 8.54(s, 1H), 7.79-7.77(m, 2H), 7.49-7.35(m, 4H), 6.30-6.26(m, 1H), 5.32(s, 2H), 3.87(s, 3H), 3.56(s, 3H), 3.15-3.01(m, 2H); MS m/z: 343.2 [M+H]+
ステップ5: 中間体8-6の製造
化合物8-5(1.42g、4.15mmol)を窒素下で無水テトラヒドロフラン(15mL)に溶解し、この溶液を-78℃に冷却した。水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素リチウム(1M、4.15mL)を滴下して加え、同温度でさらに1時間撹拌した。反応を水(1mL)でクエンチし、得られた混合物を酢酸エチル(80mL)で希釈した。有機層を水(20mL)および飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して有機溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~15%)で精製し、化合物8-6を得た。MS m/z: 367.1 [M+Na]+
ステップ6: 中間体8-7の製造
化合物8-6(1.14g、3.31mmol)および2-メチルチオ尿素(1.87g、9.93mmol)を窒素下でエタノール(20mL)に加え、炭酸ナトリウム(1.05g、9.93mmol)を加えた。この溶液を60℃に加熱し、15時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去し、残渣に水(15mL)および酢酸エチル(100mL)を加えた。この混合物を6M塩酸でpH 5~6に調整し、層を分離した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、有機溶媒を減圧除去して、粗製化合物8-7を得た。これをさらに精製せずに次のステップに直接用いた。MS m/z: 385.1 [M+H]+
ステップ7: 中間体8-8の製造
化合物8-7(1.34g、3.49mmol)を16℃でN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.35g、10.47mmol、1.82μL)およびN-フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(1.87g、5.24mmol)を加え、同温度で3時間撹拌した。これを酢酸エチル(100mL)で希釈し、この混合物を水(20mL*2)および飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~10%)で精製して、化合物8-8を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ: 7.92-7.90(m, 1H), 7.82-7.80(m, 1H), 7.49-7.46(m, 1H), 7.43-7.35(m, 3H), 5.50-5.47(m,1H), 5.32(s, 2H), 5.06-5.02(m, 1H), 4.94-4.90(m, 1H), 3.54(s, 3H), 3.40-3.22(m, 2H), 2.55(s, 3H); MS m/z: 517.0 [M+H]+
ステップ8: 中間体8-9の製造
化合物8-8(300mg、580.82μmol)および化合物1-1A(160.29mg、755.07μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(225.20mg、1.74mmol、303.51μL)を加えた。この溶液を100℃に加熱し、1時間撹拌した。得られた混合物を冷却し、有機溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~25%)で精製し、化合物8-9を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ: 7.98-7.96(m, 1H), 7.80-7.78(m, 1H), 7.49-7.36(m, 4H), 5.50-5.47(m, 1H), 5.31(s, 2H), 4.92-4.89(m, 1H), 4.78-4.75(m, 1H), 4.36-4.30(m, 2H), 3.97-3.78(m, 1H), 3.58-3.30(m, 6H), 3.19-3.12(m, 2H), 2.53(s, 3H), 1.78-1.46(m, 13H); MS m/z: 579.8 [M+H]+
ステップ9: 中間体8-10の製造
化合物8-9(270mg、466.55μmol)を15℃でジクロロメタン(2.5mL)に溶解し、m-クロロ過安息香酸(189.44mg、933.09μmol、85%含有)を加えた。この溶液を同温度で18時間撹拌し、有機溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~60%)で精製し、化合物8-10を得た。MS m/z=611.2 [M+H]+
ステップ10: 中間体8-11の製造
化合物1-2A(125.13mg、785.96μmol)を15℃で無水テトラヒドロフラン(2mL)に溶解し、ナトリウムtert-ブトキシド(75.53mg、785.96μmol)を加え、同温度で1時間撹拌した。この反応溶液に化合物8-10(240mg、392.98μmol)を加え、同温度でさらに0.5時間撹拌し、有機溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: メタノール/ジクロロメタン=0~4%)で精製し、化合物8-11を得た。MS m/z=690.3 [M+H]+
ステップ11: 化合物8塩酸塩の製造
化合物8-11(53mg、76.83μmol)を18℃で塩化水素/ジオキサン(2mL、4M)の溶液に溶解した。この溶液を同温度で30分間撹拌し、溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物を高速液体クロマトグラフィー(カラム: Phenomenex Synergi C18 150*30mm*4μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 9%~39%、9分)で精製し、化合物8の塩酸塩を得た。1H NMR(400MHz、D2O) δ: 7.95-7.93(m, 1H), 7.76-7.74(m, 1H), 7.48-7.36(m, 2H), 7.22-7.20(m, 2H), 5.95-5.47(m, 2H), 4.96-4.93(m, 1H), 4.66-4.53(m, 4H), 4.20-4.17(m, 2H), 3.87-3.68(m, 6H), 3.48-3.38(m, 2H), 3.17-3.15(m, 2H), 2.60-2.37(m, 2H), 2.28-2.23(m, 3H), 2.08-2.03(m, 4H), 1.88-1.85(m, 1H); MS m/z=546.3 [M+H]+
実施例9
Figure 2024504831000178
ステップ1: 中間体9-6の製造
水素化ナトリウム(346.70mg、8.67mmol、60%含有)を窒素下で無水テトラヒドロフラン(10mL)に懸濁し、混合物を0℃に冷却した。この溶液にプロピオニル酢酸メチル(1.13g、8.67mmol、1.07mL)を加え、30分間撹拌した。n-ブチルリチウム(2.5M、3.47mL)を滴下して加え、混合物をさらに30分間撹拌して反応させた。反応溶液を-78℃に冷却し、化合物A1-5(2.0g、4.33mmol)/無水テトラヒドロフラン(10mL)の溶液を滴下して加えた。この溶液を同温度でさらに1.5時間撹拌し、反応を0.5M塩酸(20mL)でクエンチした。層を分離し、水層を酢酸エチル(50mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~35%)で精製して、化合物9-6を得た。MS m/z: 614.5[M+Na]+
ステップ2: 中間体9-7の製造
化合物9-6(2.0g、3.38mmol)を20℃でジクロロメタン(10mL)に溶解し、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(1.21g、10.14mmol、1.35mL)を加えた。この溶液を同温度で18時間撹拌し、有機溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~35%)で精製し、化合物9-7を得た。MS m/z: 602.2 [M+H]+
ステップ3: 中間体9-8の製造
化合物9-7(750mg、1.25mmol)を窒素下で無水テトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。この溶液を-78℃に冷却し、水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素リチウム(1M、1.25mL)を滴下して加え、同温度で1時間撹拌した。反応を0.5M塩酸(5mL)でクエンチし、混合物を酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~20%)で精製して、化合物9-8を得た。MS m/z: 604.2 [M+H]+
ステップ4: 中間体9-9の製造
化合物9-8(750mg、1.24mmol)および2-メチルチオ尿素(701.63mg、3.73mmol)を窒素下でエタノール(10mL)に加え、炭酸ナトリウム(263.39mg、2.49mmol)を加えた。この溶液を60℃に加熱し、15時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去し、残渣に水(10mL)を加えた。この混合物を2M塩酸でpH 5~6に調整し、酢酸エチル(30mL*3)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(10mL)で洗浄し、有機溶媒を減圧除去し、粗製化合物9-9を得た。これをさらに精製せずに次のステップに直接用いた。MS m/z: 666.4 [M+Na]+
ステップ5: 中間体9-10の製造
化合物9-9(855mg、1.33mmol)を20℃でN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(515.68mg、3.99mmol、694.99μL)およびN-フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(570.17mg、1.60mmol)を加え、同温度で3時間撹拌した。この混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水(15mL*4)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~15%)で精製し、化合物9-10を得た。MS m/z: 776.1 [M+H]+
ステップ6: 中間体9-11の製造
化合物9-10(240mg、309.38μmol)および化合物1-1A(78.81mg、371.25μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(119.95mg、928.13μmol、161.66μL)を加えた。この溶液を100℃に加熱し、1時間撹拌した。得られた混合物を冷却し、有機溶媒を減圧除去した。粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~45%)で精製し、化合物9-11を得た。MS m/z: 838.5 [M+H]+
ステップ7: 中間体9-12の製造
化合物9-11(260mg、310.28μmol)を20℃でジクロロメタン(2mL)に溶解し、m-クロロ過安息香酸(3 125.98mg、620.55μmol、85%含有)を加え、同温度で15時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~25%)で精製して、化合物9-12を得た。MS m/z=870.3[M+H]+
ステップ8: 中間体9-13の製造
化合物1-2A(101.56mg、637.96μmol)を20℃で無水テトラヒドロフラン(2mL)に溶解し、ナトリウムtert-ブトキシド(40.87mg、425.31μmol)を加えて同温度で1時間撹拌した。この溶液に化合物9-12(185mg、212.65μmol)を加え、同温度でさらに1時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~65%)で精製し、化合物9-13を得た。MS m/z=949.3 [M+H]+
ステップ9: 化合物9の製造
化合物9-13(151mg、159.11μmol)をトリフルオロ酢酸(1.2mL)に20℃で溶解し、同温度で1時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物を高速液体クロマトグラフィー(カラム: Phenomenex C18 80*40mm*3μm; 移動相: [0.5%アンモニア水/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 47%~77%、8分)で精製して、化合物9を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD) δ: 6.74-6.72(d, J=8.8Hz, 1H), 5.38-5.24(m, 1H), 4.64-4.60(m, 2H), 4.20-4.10(m, 2H), 3.59-3.37(m,6H), 3.26-3.03(m, 5H), 2.40-2.37(m, 3H), 2.28-1.68(m, 11H), 1.21-1.17(m, 3H); MS m/z=609.3 [M+H]+
実施例10
Figure 2024504831000179
ステップ1: 中間体10-1の製造
化合物A1-7(518mg、881.62μmol)を窒素下で無水テトラヒドロフラン(2mL)に溶解して-78℃に冷却し、ジメチル銅酸リチウム(0.5M、5.29mL)を滴下して加え、同温度で0.5時間撹拌した。反応溶液を水(10mL)および酢酸エチル(50mL)に加え、この混合物を濾過した。層を分離し、水層を酢酸エチル(20mL*3)で抽出した。有機層を合わせて、有機溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~20%)で精製し、化合物10-1を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ: 7.17-7.14(m, 4H), 6.87-6.83(m, 4H), 6.63-6.61(d, J=7.2Hz, 1H), 5.42-5.39(m, 1H), 4.86-4.84(m, 1H), 4.38-4.24(m, 5H), 3.80-3.73(m, 9H), 3.13-3.05(m, 1H), 2.41-2.38(m, 4H), 1.48-1.37(m, 3H); MS m/z: 604.2 [M+H]+
ステップ2: 中間体10-2の製造
化合物10-1(488mg、808.48μmol)および2-メチルチオ尿素(456.53mg、2.43mmol)を窒素下でエタノール(5mL)に加え、炭酸ナトリウム(171.38mg、1.62mmol)を加えた。この溶液を60℃に加熱し、32時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去し、得られた残渣に水(20mL)を加えた。この混合物を2M塩酸でpH 5~6に調整し、酢酸エチル(100mL*3)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、有機溶媒を減圧除去して、粗製化合物10-2を得た。これをさらに精製せずに次のステップに直接用いた。MS m/z: 644.3 [M+H]+
ステップ3: 中間体10-3の製造
化合物10-2(502mg、779.88μmol)を20℃でN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(302.38mg、2.34mmol、407.52μL)およびN-フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(417.92mg、1.17mmol)を加えて、同温度で2時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~20%)で精製し、化合物10-3を得た。MS m/z: 776.1 [M+H]+
ステップ4: 中間体10-4の製造
化合物10-3(185mg、238.48μmol)および化合物1-1A(65.81mg、310.02μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.5mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(92.46mg、715.43μmol、124.62μL)を加えた。この溶液を100℃に加熱し、1時間撹拌した。得られた混合物を冷却し、有機溶媒を減圧除去した。粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~30%)で精製し、化合物10-4を得た。MS m/z: 838.8 [M+H]+
ステップ5: 中間体10-5の製造
化合物10-4(105.00mg、125.30μmol)を20℃でジクロロメタン(2mL)に溶解し、m-クロロ過安息香酸(50.88mg、250.61μmol、85%含有)を加えて、同温度で1.5時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~35%)で精製し、化合物10-5を得た。MS m/z=870.3 [M+H]+
ステップ6: 中間体10-6の製造
化合物1-2A(47.21mg、296.56μmol)を20℃で無水テトラヒドロフラン(1mL)に溶解し、ナトリウムtert-ブトキシド(19.00mg、197.71μmol)を加えて、同温度で1時間撹拌した。この溶液に化合物10-5(86.00mg、98.85)を加え、同温度でさらに1時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物に飽和食塩水(1mL)および酢酸エチル(5mL)を加え、層を分離した。有機溶媒を減圧除去し、粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: メタノール/ジクロロメタン=0~4%)で精製し、化合物10-6を得た。MS m/z=949.5 [M+H]+
ステップ7: 化合物10ギ酸塩の製造
化合物10-6(75.00mg、79.03μmol)を20℃でトリフルオロ酢酸(1.5mL)に溶解し、同温度で30分間撹拌した。溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物を高速液体クロマトグラフィー(カラム: Phenomenex C18, 150*40mm*5μm; 移動相: [0.025%ギ酸水溶液/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 5%~35%、10分)で精製し、化合物10のギ酸塩を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD) δ: 8.51(s, 1H), 6.72-6.70(d, J=8.4Hz, 1H), 5.51-5.31(m, 3H), 4.36-4.19(m, 4H), 4.10-4.07(m, 2H), 3.71-3.40(m, 4H), 3.21-3.18(m, 2H), 2.82-2.70(m, 1H), 2.51-1.98(m, 15H), 1.51-1.47(m, 3H); MS m/z=609.6 [M+H]+
実施例11
Figure 2024504831000180
ステップ1: 中間体11-2の製造
11-1(10g、44.39mmol、1当量)をTHF(100mL)に溶解し、-78℃でLDA(2M、24.41mL、1.1当量)を滴下して加えた。添加終了後、この混合物を0.5時間撹拌した。次いで11-2A(18.30g、46.61mmol、1.05当量)/THF(50mL)の溶液を滴下して加え、0.5時間撹拌し、次いで室温で0.5時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液を加えて反応をクエンチし、この混合物を酢酸エチル(500mL*2)で抽出した。抽出後、有機層を合わせて飽和食塩水(1L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 10%酢酸エチル/石油エーテル)で分離し、11-2を得た。
ステップ2: 中間体11-3の製造
11-2(15.2g、42.54mmol、1当量)、B2Pin2(12.96g、51.04mmol、1.2当量)、Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2(3.47g、4.25mmol、0.1当量)およびKOAc(12.52g、127.61mmol、3当量)を1,4-ジオキサン(130mL)に溶解し、窒素下、90℃で16時間反応させた。混合物を室温に冷却し、セライト濾過して、カラムクロマトグラフィー(溶離剤: 10%酢酸エチル/石油エーテル)で分離し、11-3を得た。
ステップ3: 中間体11-4の製造
A2(3.3g、4.33mmol)および11-3(2.18g、6.50mmol)/1,4-ジオキサン(30mL)および水(1mL)の混合物の溶液に、炭酸ナトリウム(1.38g、13.00mmol)および1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(530.68mg、649.84μmol)を加えた。系内を窒素で3回置換し、90℃で12時間加熱撹拌した。この混合物を濾過し、濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 10~20%酢酸エチル/石油エーテル)で分離し、11-4を得た。MS m/z: 821.4 [M+H]+
ステップ4: 中間体11-5の製造
11-4(530mg、645.61μmol)/ジクロロメタン(50mL)の溶液に、m-クロロ過安息香酸(131.07mg、645.61μmol)を加え、20℃で0.5時間撹拌した。この反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(30mL)および飽和食塩水(30mL)で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 20~60%の酢酸エチル/石油エーテル)で分離して、11-5を得た。MS m/z: 859.3 [M+Na]+
ステップ5: 中間体11-6の製造
1-2A(164.35mg、1.03mmol)/テトラヒドロフラン(15mL)の溶液に、ナトリウムtert-ブトキシド(99.21mg、1.03mmol)を20℃で加え、同温度で0.5時間撹拌した。次いで11-5(720.00mg、860.29μmol)を加え、さらに0.5時間撹拌した。この反応溶液を酢酸エチル(80mL)で希釈し、飽和食塩水(30mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 0~5%メタノール/ジクロロメタン)で分離して、11-6を得た。MS m/z: 932.4 [M+H]+
ステップ6: 中間体11-7の製造
化合物11-6(620mg、665.22μmol)/エタノール(40mL)の溶液に水酸化パラジウム(467.12mg、3.33mmol)を加え、水素雰囲気下(50psi)、50℃で15時間反応させた。これを濾過し、濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固して、11-7を得た。MS m/z: 934.4 [M+H]+
ステップ7: 化合物11A塩酸塩および化合物11B塩酸塩の製造
11-7(500mg、535.31μmol、1当量)/ジクロロメタン(5mL)の溶液に、トリフルオロ酢酸(5mL)を加え、20℃で1時間撹拌した。この溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣を分取HPLC(カラム: Xtimate C18, 150*40mm*5μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 10%~30%、10分)で分離し、化合物11A塩酸塩および化合物11B塩酸塩を得た。MS m/z=594.1 [M+H]+; 11A塩酸塩: 1H NMR(400MHz、CD3OD) δ=7.02(d, J =8.0Hz, 1H), 5.71-5.52(m, 1H), 5.26-5.16(m, 2H), 4.98-4.92(m, 1H), 4.78-4.67(m, 2H), 4.18(br s, 2H), 4.05-3.87(m, 3H), 3.58-3.44(m, 2H), 3.30-3.23(m, 1H), 3.02-2.93(m, 1H), 2.83-2.58(m, 2H), 2.54-2.38(m, 8H), 2.36-2.17(m, 5H), 2.04-1.86(m, 2H); 11B塩酸塩: 1H NMR(400MHz、CD3OD) δ=6.95(d, J =8.4Hz, 1H), 5.73-5.50(m, 1H), 5.31-5.17(m, 2H), 5.05-4.95(m, 1H), 4.80-4.60(m, 2H), 4.23-3.85(m, 5H), 3.59-3.35(m, 3H), 3.05-2.69(m, 2H), 2.66-2.35(m, 10H), 2.33-1.91(m, 6H)
実施例12
Figure 2024504831000181
ステップ1: 中間体12-1の製造
密閉瓶(100mL)に、窒素下、原料のA1-4(5g、10.59mmol)および銅粉(3.36g、52.93mmol)を加え、次いでDMSO(40mL)およびペンタフルオロヨードエタン(5.21g、21.17mmol)を加えた。蓋をした後、混合物を120℃に加熱し、12時間撹拌した。この反応溶液に飽和食塩水(50mL)およびtert-ブチルメチルエーテル(200mL)を加え、10分間撹拌し、濾過した。この混合物を静置して層を分離し、水層を除去した。有機層を減圧濃縮し、得られた残渣をクロマトグラフィー精製装置(溶離剤: 5%酢酸エチル/石油エーテル)により精製して、化合物12-1を得た。MS m/z=512.1[M+H]+
ステップ2: 中間体12-2の製造
水素化ナトリウム(1.56g、39.10mmol、60%含有)を窒素下、0℃(氷水浴)でテトラヒドロフラン(50mL)に加え、15分間撹拌後、アセト酢酸エチル(4.54g、39.10mmol)を滴下して加えた。この混合物をさらに15分間撹拌し、n-ブチルリチウム(2.5M、15.64mL)を滴下して加えた。これを30分間撹拌し、原料の12-1(4g、7.82mmol)/テトラヒドロフラン(10mL)の溶液を滴下して加えた。得られた混合物を室温に戻し、25℃で1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)をゆっくりと加えて反応をクエンチした。この混合物にtert-ブチルメチルエーテル(100mL)を加え、5分間撹拌した。水層を除去し、有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー精製装置(溶離剤: 10~20%酢酸エチル/石油エーテル)で精製し、化合物12-2を得た。MS m/z=628.2[M+H]+
ステップ3: 中間体12-3の製造
原料の12-2(1.6g、2.55mmol)/ジクロロメタン(20mL)の溶液に、窒素下、室温(25℃)でDMF-DMA(486.09mg、4.08mmol)を滴下して加え、1時間撹拌した。次いで反応容器を氷水浴で0℃に冷却し、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(542.77mg、3.82mmol)を加えて1時間撹拌した。この反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)およびジクロロメタン(30mL)を加え、5分間撹拌した。水層を除去し、有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー精製装置(溶離剤: 10~30%酢酸エチル/石油エーテル)で精製し、化合物12-3を得た。MS m/z=638.1[M+H]+
ステップ4: 中間体12-4の製造
原料の12-3/テトラヒドロフラン(15mL)の溶液に、窒素下、-60℃(ドライアイス/酢酸エチル浴)で水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素リチウム(1M、1.73mL)を滴下して加え、60分間撹拌した。この反応溶液に0.5M塩酸(2mL)、飽和食塩水(20mL)および酢酸エチル(50mL)を加え、10分間撹拌した。水層を除去し、有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー精製装置(溶離剤: 30%酢酸エチル/石油エーテル)で精製し、化合物12-4を得た。MS m/z=640.2[M+H]+
ステップ5: 中間体12-5の製造
原料の12-4(1g、1.56mmol)およびS-メチルイソチオ尿素硫酸塩(1.31g、4.69mmol)/エタノール(15mL)の溶液に、炭酸ナトリウム(331.43mg、3.13mmol)を加え、45℃に加熱して12時間撹拌した。この反応溶液を減圧濃縮し、大部分のエタノールを除去した。得られた残渣に0.5M塩酸(10mL)および2-メチルテトラヒドロフラン(30mL)を加え、10分間撹拌した。水層を除去し、有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー精製装置(溶離剤: 10~30%酢酸エチル/石油エーテル)で精製し、化合物12-5を得た。MS m/z=680.1[M+H]+
ステップ6: 中間体12-6の製造
原料の12-5(0.6g、882.78μmol)/ジクロロメタン(10mL)の溶液に、窒素下、0℃(氷水浴)でDIPEA(228.19mg、1.77mmol)を加え、次いでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(373.60mg、1.32mmol、218.48μL)を加えた。この混合物を1時間撹拌し、反応溶液にジクロロメタン(20mL)を加えて希釈し、次いで飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を加えた。これを10分間撹拌し、水層を除去して有機層を減圧濃縮し、化合物12-6を得た。MS m/z=812.0[M+H]+
ステップ7: 中間体12-7の製造
原料の12-6(0.75g、923.95μmol)/DMF(10mL)の溶液に、窒素下、室温(25℃)でDIPEA(358.24mg、2.77mmol)および1-1A(235.37mg、1.11mmol)を加え、50℃に加熱し、30分間撹拌した。この反応溶液に水(20mL)および酢酸エチル(30mL)を加え、10分間撹拌した。水層を除去し、有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー精製装置(溶離剤: 10~20%酢酸エチル/石油エーテル)で精製し、化合物12-7を得た。MS m/z=874.2[M+H]+
ステップ8: 中間体12-8の製造
原料の12-7(0.32g、366.16μmol)/ジクロロメタン(5mL)の溶液に、窒素下、0℃(氷水浴)でm-クロロ過安息香酸(81.77mg、402.77μmol、85%含有)を加え、2時間撹拌した。反応溶液にジクロロメタン(20mL)を加えて希釈し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)および飽和Na2SO3溶液(10mL)を加えた。この混合物を10分間撹拌し(ヨウ化カリウムでんぷん紙によりモニター)、水層を除去して有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー精製装置(溶離剤: 10~30%酢酸エチル/石油エーテル)で精製し、化合物12-8を得た。MS m/z=890.2[M+H]+
ステップ9: 中間体12-9の製造
原料の1-2A(85.87mg、539.36μmol)/テトラヒドロフラン(5mL)の溶液に、窒素下、0℃(氷水浴)でナトリウムtert-ブトキシド(69.11mg、719.15μmol)を加えて30分間撹拌後、原料の12-8(0.32g、359.57μmol)を加えた。この混合物を1時間撹拌し、反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)および酢酸エチル(20mL)を加え、10分間撹拌した。水層を除去し、有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー精製装置(溶離剤: 10%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、化合物12-9を得た。MS m/z=985.3[M+H]+
ステップ10: 化合物12ギ酸塩、化合物12Aおよび化合物12Bの製造
原料の12-9(0.1g、101.52μmol)/ジクロロメタン(1.5mL)の溶液に、室温(25℃)でトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、4時間撹拌した。反応溶液をそのまま減圧濃縮し、得られた残渣を分取HPLC(カラム: Phenomenex Luna C18 75*30mm*3μm; 移動相: [0.025%ギ酸水溶液/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 1%~35%、8分)で精製し、12のギ酸塩を得た。次いで12のギ酸塩についてキラル分離(カラム: DAICEL Chiralpak AD(250mm*30mm、10μm); 移動相: [0.1%アンモニア水含有MeOH];(メタノール)%: 40%~40%、10分)を行い、化合物12A(Rt=3.473分)および化合物12B(Rt=4.102分)を得た。
化合物12A: 1H NMR(400MHz、CD3OD) δ=6.74(d, J=8.6Hz, 1H), 5.40-5.20(m, 1H), 5.16-5.06(m, 1H), 4.76-4.54(m, 3H), 4.20-4.05(m, 3H), 3.65(br s, 2H), 3.59-3.51(m, 1H), 3.49-3.39(m, 1H), 3.27-3.16(m, 3H), 3.12-2.97(m, 2H), 2.84(br dd, J=3.2, 17.7Hz, 1H), 2.36(br dd, J=2.7, 6.9Hz, 5H), 2.16-1.68(m, 8H); MS m/z=645.3[M+H]+
化合物12B: 1H NMR(400MHz、CD3OD) δ=6.74(d, J=8.6Hz, 1H), 5.40-5.18(m, 1H), 5.10(br dd, J=3.9, 10.8Hz, 1H), 4.74-4.49(m, 3H), 4.21-4.08(m, 2H), 4.04(d, J=10.3Hz, 1H), 3.56-3.37(m, 4H), 3.29-3.13(m, 4H), 3.07-2.93(m, 2H), 2.83(br dd, J=3.1, 16.9Hz, 1H), 2.40-2.15(m, 5H), 2.14-1.63(m, 9H); MS m/z=645.3[M+H]+
実施例13
Figure 2024504831000182
ステップ1: 中間体13-1の製造
水素化ナトリウム(10.17g、254.16mmol、60%含有)を少しずつゆっくりと-5℃でテトラヒドロフラン(500mL)に加えた。系内を窒素で3回置換し、次いでアセト酢酸メチル(29.51g、254.16mmol)をゆっくりと加え、同温度で10分間反応させた。次いでn-ブチルリチウム(2.5M、101.66mL)を滴下して加え、添加終了後、10分間撹拌し、-10℃に冷却した。次いでA1-3(50g、127.08mmol)/テトラヒドロフラン(100mL)の溶液を滴下して加え、添加終了後、混合物をさらに10分間反応させた。飽和塩化アンモニウム溶液(400mL)を加えて反応をクエンチし、混合物を酢酸エチル(500mL*2)で抽出した。抽出後、有機層を合わせて飽和食塩水(1L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 15~40%酢酸エチル/石油エーテル)で分離して、13-1を得た。
ステップ2: 中間体13-2の製造
13-1(58.5g、114.80mmol)/ジクロロメタン(350mL)の溶液に、ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(21.89g、183.69mmol)を加え、25℃で1時間反応させた。系を0℃に冷却し、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(24.44g、172.21mmol)をゆっくりと滴下して加え、さらに15分間反応させた。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム溶液(350mL)を加え、混合物をジクロロメタン(300mL*2)で抽出した。抽出後、有機層を合わせて飽和食塩水(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 15~40%酢酸エチル/石油エーテル)で分離して、13-2を得た。MS m/z: 520.3 [M+H]+
ステップ3: 中間体13-3の製造
13-2(42.5g、81.80mmol)/テトラヒドロフラン(500mL)の溶液に、-60℃で水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素リチウム(1M、89.98mL)を滴下して加え、同温度で10分間反応させた。この反応溶液を1N塩酸(1L)に注ぎ、混合物を酢酸エチル(1L*2)で抽出した。抽出後、有機層を合わせて飽和食塩水(1.5L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 0~10%酢酸エチル/石油エーテル)で分離し、13-3を得た。MS m/z: 522.3 [M+H]+
ステップ4: 中間体13-4の製造
13-3(28.5g、54.64mmol)およびメチルイソチオ尿素硫酸塩(45.63g、163.93mmol)/エタノール(400mL)の溶液に、炭酸ナトリウム(11.58g、109.28mmol、2当量)を加え、50℃で18時間加熱撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、大部分のエタノールを除去した。これに水(400mL)および酢酸エチル(400mL)を加え、1N塩酸でpH 4に調整した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(400mL)で抽出した。抽出後、有機層を合わせて飽和食塩水(500mL)で洗浄した。有機層に多量の不溶性固体が存在していた。この固体を濾過し、濾液を蒸発乾固し、13-4を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ=7.20(d, J=8.4Hz, 4H), 6.88-6.80(m, 5H), 6.73(br d, J=6.4Hz, 1H), 4.90(dd, J=4.0, 10.0Hz, 1H), 4.68-4.41(m, 2H), 4.15(s, 4H), 3.71(s, 6H), 2.80-2.64(m, 2H), 2.47(s, 3H), 2.14(s, 3H); MS m/z: 562.2 [M+H]+
ステップ5: 中間体13-5の製造
13-4(24.5g、43.62mmol、1当量)/N,N-ジメチルホルムアミド(300mL)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(16.91g、130.86mmol)を加え、次いでN-フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(18.70g、52.34mmol)を加えた。これを20℃で0.5時間撹拌し、反応溶液を酢酸エチル(1.5L)で希釈した。この混合物を次いで水(800mL*2)および飽和食塩水(1L)で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 0~10%酢酸エチル/石油エーテル)で分離して、13-5を得た。MS m/z: 694.1 [M+H]+
ステップ6: 中間体13-6の製造
13-5(21.5g、30.99mmol)/N,N-ジメチルホルムアミド(150mL)の溶液に、1-1A(7.24g、34.09mmol)を加え、90℃で1時間加熱した。反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 5~20%酢酸エチル/石油エーテル)で分離して、13-6を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.19(d, J=8.8Hz, 4H), 6.88-6.79(m, 5H), 6.63(d, J=8.0Hz, 1H), 5.12(dd, J=4.0, 10.8Hz, 1H), 4.88-4.70(m, 2H), 4.42-4.25(m, 2H), 4.20(s, 4H), 3.81(s, 6H), 3.48-3.42(m, 2H), 3.18-2.92(m, 4H), 2.53(s, 3H), 2.21(s, 3H), 2.03-1.89(m, 3H), 1.75-1.65(m, 1H), 1.52(s, 9H); MS m/z: 756.4 [M+H]+
ステップ7: 中間体13-7の製造
13-6(1g、1.32mmol、1当量)を計量し、DCM(30mL)およびm-CPBA(268.57mg、1.32mmol、85%含有、1当量)を加えて25℃で1時間反応させた。重炭酸ナトリウムを加えて反応をクエンチした。混合物をDCMで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、13-7を得た。これを次のステップにそのまま用いた。
ステップ8: 中間体13-8の製造
1-2A(404.09mg、2.54mmol、2当量)/トルエン(50mL)の溶液に、ナトリウムtert-ブトキシド(10mg、0.103mmol)を20℃で加え、次いで13-7(979.69mg、1.27mmol、1当量)を加えた。これを120℃で15時間反応させ、反応溶液を室温に冷却した。水を加えて反応をクエンチし、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 0~5%メタノール/ジクロロメタン)で分離し、13-8を得た。MS m/z: 867.3[M+H]+
ステップ9: 化合物13塩酸塩の製造
13-8(0.6g、692.02μmol、1当量)に、トリフルオロ酢酸(5mL)を加え、55℃で5時間撹拌した。この反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固した。得られた残渣を分取HPLC(カラム: Phenomenex C18 150*40mm*5μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 1%~30%、10分)で精製し、化合物13の塩酸塩を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD) δ 7.57-7.50(m, 1H), 7.40-7.30(m, 1H), 5.74-5.55(m, 1H), 5.33-5.23(m, 1H), 5.21-5.11(m, 1H), 4.84-4.76(m, 2H), 4.34-4.22(m, 2H), 4.17-3.83(m, 5H), 3.71-3.61(m, 1H), 3.53-3.42(m, 1H), 3.36-3.22(m, 3H), 3.17-3.04(m, 1H), 2.85-2.47(m, 3H), 2.01-2.43(m, 10H); MS m/z: 527.2 [M+H]+
実施例14
Figure 2024504831000183
ステップ1: 中間体14-1の合成
化合物13-6(200mg、264.57μmol、1当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解し、、次いでN-クロロスクシンイミド(45.93mg、343.94μmol、1.3当量)を加え、25℃で15時間撹拌した。この反応溶液をそのまま高速液体クロマトグラフィー(カラム: Welch Xtimate C18 100*40mm*3μm; 移動相: [0.025%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル]; アセトニトリル%: 50%~80%、8分)で分離し、化合物14-1のトリフルオロ酢酸塩を得た。MS m/z=790.4 [M+H]+
ステップ2: 中間体14-2の合成
化合物14-1のトリフルオロ酢酸塩(123mg)を無水ジクロロメタン(2mL)に溶解し、次いでm-クロロ過安息香酸(31.59mg)を加え、15℃で15時間撹拌した。この反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=0~3%)で精製し、14-2を得た。MS m/z=806.2[M+H]+
ステップ3: 中間体14-3の合成
化合物1-2A(37.96mg、238.47μmol、3当量)、ナトリウムtert-ブトキシド(15.28mg、158.98μmol、2当量)および化合物14-2(64.1mg、79.49μmol、1当量)をトルエン(2mL)に加え、15℃で4時間撹拌して反応させた。この反応溶液を酢酸エチル(30mL)で希釈し、水(5mL)および飽和食塩水(5mL)で洗浄した。有機層をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=0~5%)で精製し、化合物14-3を得た。MS m/z=901.3[M+H]+
ステップ4: 化合物14塩酸塩の合成
化合物14-3(67mg、74.32μmol、1当量)をトリフルオロ酢酸(2mL)に加え、25℃で4時間撹拌して反応させた。この反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固した。得られた残渣に炭酸ナトリウム(300mg)および酢酸エチル(5mL)を加え、20分間撹拌し、濾過した。濾液から溶媒を減圧除去し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を分取高速液体クロマトグラフィー(カラム: Xtimate C18, 150*40mm*5μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 1%~30%、10分)で分離し、化合物14塩酸塩を得た。MS m/z=561.2[M+H]+
実施例15
Figure 2024504831000184
ステップ1: 中間体15-1の製造
13-6(2.00g、2.64mmol、1当量)を計量し、DMF(50mL)およびNBS(940.54mg、5.28mmol、2当量)を加えた。添加終了後、混合物を25℃で4時間反応させた。重炭酸ナトリウムを加えて反応をクエンチし、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 5~20%酢酸エチル/石油エーテル)で分離し、15-1を得た。MS m/z: 834.2 [M+H]+
ステップ2: 中間体15-2の製造
15-1(1g、1.32mmol、1当量)を計量し、DCM(30mL)およびm-CPBA(268.57mg、1.32mmol、85%含有、1当量)を加え、25℃で1時間反応させた。重炭酸ナトリウムを加えて反応をクエンチし、混合物をDCMで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、15-2を得た。これを次のステップにそのまま用いた。
ステップ3: 中間体15-3の製造
1-2A(16mg、0.103mmol)/テトラヒドロフラン(15mL)の溶液に、ナトリウムtert-ブトキシド(10mg、0.103mmol)を20℃で加え、同温度で0.5時間撹拌した。次いで15-2(73mg、86μmol)を加え、さらに0.5時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチル(10mL)で希釈し、飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 0~5%メタノール/ジクロロメタン)で分離して、15-3を得た。MS m/z: 946.8 [M+H]+
ステップ4: 化合物15塩酸塩の製造
15-3(40mg、1当量)に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、55℃で2時間撹拌した。反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固した。得られた残渣を分取HPLC(カラム: Xtimate C18, 150*40mm*5μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 1%~30%、10分)で精製し、化合物15の塩酸塩を得た。MS m/z: 605.0 [M+H]+
実施例16
Figure 2024504831000185
ステップ1: 中間体16-1の製造
13-6(1g、1.32mmol、1当量)を計量し、DMF(25mL)およびNIS(892.85mg、3.97mmol、3当量)を加え、25℃で5時間反応させた。水を加えて反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、乾燥した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 5~20%酢酸エチル/石油エーテル)で分離し、16-1を得た。MS m/z: 882.2 [M+H]+
ステップ2: 中間体16-2の製造
16-1(0.6g、680.40μmol、1当量)を計量し、DCM(30mL)およびm-CPBA(138.14mg、680.40μmol、85%含有、1当量)を加え、25℃で1時間反応させた。重炭酸ナトリウムを加えて反応をクエンチし、DCMで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、16-2を得た。これを次のステップにそのまま用いた。
ステップ3: 中間体16-3の製造
1-2A(132.99mg、835.34μmol、1.5当量)/テトラヒドロフラン(50mL)の溶液に、ナトリウムtert-ブトキシド(80.28mg、835.34μmol、1.5当量)を20℃で加え、次いで16-2(0.5g、556.90μmol、1当量)を加えた。添加終了後、混合物を25℃で15時間反応させ、水を加えて反応をクエンチした。この混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 0~5%メタノール/ジクロロメタン)で分離し、16-3を得た。MS m/z: 993.2 [M+H]+
ステップ4: 化合物16塩酸塩の製造
16-3(0.3g、302.14μmol、1当量)に、トリフルオロ酢酸(5mL)を加え、55℃で5時間撹拌した。反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣を分取HPLC(カラム: Xtimate C18, 150*40mm*5μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 1%~30%、10分)で精製し、化合物16の塩酸塩を得た。MS m/z: 653.3 [M+H]+
実施例17
Figure 2024504831000186
ステップ1: 中間体17-1の製造
16-1(0.8g、907.20μmol、1当量)を計量し、PdCl2(PPh3)2(127.35mg、181.44μmol、0.2当量)、CuI(51.83mg、272.16μmol、0.3当量)、EtOH(20mL)、Et3N(229.50mg、2.27mmol、315.68μL、2.5当量)およびトリメチルシリルアセチレン(330.91mg、1.81mmol、407.07μL、2当量)を加え、系内を窒素で3回置換した。混合物を80℃で5時間反応させ、これをセライト濾過した。濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 5~20%酢酸エチル/石油エーテル)で分離し、17-1を得た。MS m/z: 936.4 [M+H]+
ステップ2: 中間体17-2の製造
17-1(0.4g、427.21μmol、1当量)を計量し、DCM(10mL)およびm-CPBA(86.73mg、427.21μmol、85%含有、1当量)を加えた。添加終了後、混合物を25℃で1時間反応させ、重炭酸ナトリウムを加えて反応をクエンチした。混合物をDCMで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固して、17-2を得た。これを次のステップにそのまま用いた。MS m/z: 952.4 [M+H]+
ステップ3: 中間体17-3の製造
1-2A(100.31mg、630.05μmol、1.5当量)/テトラヒドロフラン(5mL)の溶液に、ナトリウムtert-ブトキシド(60.55mg、630.05μmol、1.5当量)を20℃で加え、次いで17-2(0.4g、420.04μmol、1当量)を加えた。添加終了後、混合物を25℃で15時間反応させ、水を加えて反応をクエンチした。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固して、17-3を得た。MS m/z: 1047.5 [M+H]+
ステップ4: 中間体17-4ギ酸塩の製造
17-3(0.3g、302.14μmol、1当量)にトリフルオロ酢酸(6mL)を加え、25℃で5時間撹拌した。反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣を分取HPLC(カラム: Xtimate C18 150*40mm*5μm; 移動相: [0.025%ギ酸水溶液/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 17%~57%、8分)で精製して、化合物17-4のギ酸塩を得た。MS m/z: 707.4 [M+H]+
ステップ5: 化合物17の製造
17-4のギ酸塩(30mg)を計量し、THF(2mL)およびテトラメチルアンモニウムフルオリド(11.86mg、127.30μmol、3当量)を加え、60℃で4時間反応させた。反応溶液をそのままロータリーエバポレーターで蒸発乾固した。得られた残渣を分取HPLC(カラム: Phenomenex C18 80*40mm*3μm; 移動相: [水(0.5%アンモニア水)-アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 43%~73%、8分)で精製し、化合物17を得た。MS m/z: 551.2 [M+H]+
実施例18
Figure 2024504831000187
ステップ1: 中間体18-1の製造
16-1(0.4g、453.60μmol、1当量)を計量し、K4FeCN6(36.76mg、99.79μmol、0.22当量)、Na2CO3(48.08mg、453.60μmol、1当量)、Pd(OAc)2(20.37mg、90.72μmol、0.2当量)およびDMAc(5mL)を加え、系内を窒素で3回置換した。混合物を120℃で15時間反応させ、水を加えて反応をクエンチした。この混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 5~20%酢酸エチル/石油エーテル)で分離し、18-1を得た。MS m/z: 781.2 [M+H]+
ステップ2: 中間体18-2の製造
18-1(100mg、128.05μmol、1当量)を計量し、DCM(10mL)およびm-CPBA(26.00mg、128.05μmol、85%含有、1当量)を加えた。添加終了後、混合物を25℃で1時間反応させた。重炭酸ナトリウムを加えて反応をクエンチし、混合物をDCMで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、18-2を得た。これを次のステップにそのまま用いた。MS m/z: 797.2 [M+H]+
ステップ3: 中間体18-3の製造
1-2A(27.97mg、175.67μmol、2当量)/トルエン(5mL)の溶液に、20℃でナトリウムtert-ブトキシド(10.97mg、114.19μmol、1.3当量)を加え、次いで18-2(70mg、87.84μmol、1当量)を加えた。添加終了後、混合物を120℃で5時間反応させ、水を加えて反応をクエンチした。この混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固して、18-3を得た。MS m/z: 892.4 [M+H]+
ステップ4: 化合物18の製造
18-3(60mg、108.77μmol、1当量)に、トリフルオロ酢酸(5mL)を加えて50℃で2時間撹拌した。この反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固した。得られた残渣を酸性HPLC(カラム: Xtimate C18 150*40mm*5μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 1%~30%、10分)および塩基性HPLC(カラム: Phenomenex C18 80*40mm*3μm; 移動相: [0.5%アンモニア水/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 40%~70%、8分)で順に分離し、化合物18を得た。MS m/z: 552.3 [M+H]+
実施例19
Figure 2024504831000188
ステップ1: 中間体19-1の製造
16-1(0.1g、113.40μmol、1当量)を計量し、Pd(dppf)Cl2(16.60mg、22.68μmol、0.2当量)、1,4-ジオキサン(5mL)、H2O(1mL)、4,4,5,5-テトラメチル-2-ビニル-1,3,2-ジオキサボロラン(26.20mg、170.10μmol、28.85μL、1.5当量)およびK2CO3(23.51mg、170.10μmol、1.5当量)を加え、系内を窒素で3回置換した。混合物を95℃で15時間反応させ、反応溶液をそのままロータリーエバポレーターで蒸発乾固した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 5~20%酢酸エチル/石油エーテル)で分離し、19-1を得た。MS m/z: 782.3 [M+H]+
ステップ2: 中間体19-2の製造
19-1(0.07g、89.52μmol、1当量)を計量し、DCM(10mL)およびm-CPBA(18.17mg、89.52μmol、85%含有、1当量)を加えた。添加終了後、混合物を25℃で1時間反応させ、重炭酸ナトリウムを加えて反応をクエンチした。混合物をDCMで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、19-2を得た。これを次のステップにそのまま用いた。MS m/z: 798.3 [M+H]+
ステップ3: 中間体19-3の製造
1-2A(19.95mg、125.32μmol、2当量)/トルエン(5mL)の溶液に、ナトリウムtert-ブトキシド(9.03mg、93.99μmol、1.5当量)を20℃で加え、次いで19-2(0.05g、62.66μmol、1当量)を加えた。添加終了後、この混合物を120℃で5時間反応させ、水を加えて反応をクエンチした。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、19-3を得た。MS m/z: 893.3 [M+H]+
ステップ4: 化合物19塩酸塩の製造
19-3(50mg、55.99μmol、1当量)に、トリフルオロ酢酸(3mL)を加え、55℃で5時間撹拌した。反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣を酸性HPLC(クロマトグラフィーカラム: Xtimate C18, 150*40mm*5μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 1%~30%、10分)で分離し、化合物19の塩酸塩を得た。MS m/z: 553.3 [M+H]+
実施例20
Figure 2024504831000189
ステップ1: 中間体20-2の合成
化合物20-1(85g、447.34mmol、1当量)、炭酸カリウム(154.57g、1.12mol、2.5当量)およびヨウ化カリウム(74.26g、447.34mmol、1当量)をN-メチルピロリドン(850mL)に加え、p-メトキシベンジルクロリド(143.62g、917.04mmol、124.89mL、2.05当量)をゆっくりと滴下して加えた。反応系がゆっくりと30℃まで発熱し、明らかに気体が発生した。混合物を1時間反応させ、反応溶液を水(1L)に注ぎ、次いでtert-ブチルメチルエーテル(500mL)を加えた。この混合物を撹拌し、層を分離して有機層を回収した。水層をtert-ブチルメチルエーテル(500mL*2)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(1Lx2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた粗製生成物に石油エーテル(400mL)を加え、2時間スラリー状にし、濾過した。濾過ケーキを石油エーテル(100mL*2)で濯ぎ、濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固して、化合物20-2を得た。MS m/z=430.0[M+H]+
ステップ2: 中間体20-3の合成
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(39.39g、278.87mmol、47.34mL、3当量)を無水テトラヒドロフラン(400mL)に加え、混合物を-10℃に冷却し、系内を窒素で3回置換した。n-ブチルリチウム(2.5M、111.55mL、3当量)を窒素下で滴下して加え、混合物を-10℃で10分間反応させ、-60℃に冷却した。化合物20-2(40g、92.96mmol、1当量)/無水テトラヒドロフラン(100mL)の溶液を滴下して加えた。混合物を0.5時間反応させた後、N,N-ジメチルホルムアミド(67.94g、929.56mmol、71.52mL、10当量)を素早く加えた。混合物を10分間反応させ、これに飽和塩化アンモニウム(500mL)を加えた。混合物を酢酸エチル(200mL*2)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、得られた粗製生成物を混合溶媒(100mL、石油エーテル:tert-ブチルメチルエーテル=5:1)で16時間スラリー状にし、これを濾過した。濾過ケーキを石油エーテル:tert-ブチルメチルエーテル(5:1、50mL*2)で洗浄し、次いでロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、化合物20-3を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ=10.35(s, 1H), 7.24-7.13(m, 5H), 6.90-6.77(m, 5H), 4.24(s, 4H), 3.79(s, 6H); MS m/z=458.0[M+H]+
ステップ3: 中間体20-4の合成
化合物20-3(42g、91.64mmol、1当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(210mL)に加え、系内を窒素で3回置換した。ヨウ化銅(3.49g、18.33mmol、0.2当量)を窒素下で加え、混合物を80℃に加熱した。ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチル(52.82g、274.92mmol、34.98mL、3当量)を滴下して加えて100℃に加熱し、1時間反応させた。この反応溶液をセライト濾過し、濾過ケーキをtert-ブチルメチルエーテル(300mL*4)で濯いだ後、濾液を水(1L)および飽和食塩水(1L)で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、化合物20-4を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ=10.44(s, 1H), 7.34(d, J=8.4Hz, 1H), 7.17(d, J=8.0Hz, 4H), 6.97 (t, J=8.4Hz, 1H), 6.86(d, J=8.4Hz, 4H), 4.39(s, 4H), 3.80(s, 6H); MS m/z=448.0[M+H]+
ステップ4: 中間体20-5の合成
水素化ナトリウム(1.27g、31.85mmol、60%含有、2.5当量)をテトラヒドロフラン(60mL)に溶解し、系内を窒素で2回置換した。次いで混合物を0℃に冷却し、アセト酢酸メチル(3.70g、31.85mmol、3.42mL、2.5当量)を加えて10分間撹拌した。次いでn-ブチルリチウム(2.5M、12.74mL、2.5当量)を加え、この混合物をさらに10分間撹拌し、-15℃に冷却した。化合物20-4(5.7g、12.74mmol、1当量)/テトラヒドロフラン(5mL)の溶液を加え、さらに30分撹拌した。この反応溶液に飽和塩化アンモニウム(100mL)を加え、混合物を酢酸エチル(100mL*2)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)で精製し、化合物20-5を得た。MS m/z=586.2[M+Na]+
ステップ5: 中間体20-6の合成
化合物20-5(6g、10.39mmol、1当量)をジクロロメタン(60mL)に溶解し、次いでN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(2.48g、20.78mmol、2.76mL、2当量)を加えた。この混合物を25℃で12時間撹拌し、次いで0℃に冷却した。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(2.65g、18.70mmol、2.31mL、1.8当量)を加え、この混合物を25℃で1時間撹拌した。濾液をゆっくりと飽和塩化アンモニウム溶液(50mL)に注ぎ、混合物を酢酸エチル(50mL*2)で抽出した。有機層を飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮し、得られた残渣をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)で精製し、化合物20-6を得た。MS m/z=596.1[M+Na]+
ステップ6: 中間体20-7の合成
化合物20-6(4.2g、7.32mmol、1当量)をテトラヒドロフラン(40mL)に溶解し、-65℃に冷却し、水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素リチウム(1M、8.79mL、1.2当量)を加えた。この混合物を0.5時間撹拌し、水を加えて反応をクエンチした。反応系をゆっくりと飽和塩化アンモニウム溶液(10mL)に注ぎ、混合物を酢酸エチル(10mL*2)で抽出した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮し、化合物20-7を得た。MS m/z=576.2[M+H]+
ステップ7: 中間体20-8の合成
化合物20-7(2g、3.47mmol、1当量)およびS-メチルイソチオ尿素硫酸塩(4.84g、17.37mmol、5当量)をエタノール(40mL)および水(5mL)に溶解し、次いで炭酸ナトリウム(1.29g、12.16mmol、3.5当量)を加え、50℃で16時間撹拌した。この反応溶液に水(50mL)を加え、混合物を酢酸エチル(40mL*2)で抽出した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮し、化合物20-8を得た。MS m/z=616.1[M+H]+
ステップ8: 中間体20-9の合成
化合物20-8(2.25g、3.65mmol、1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.83g、21.93mmol、3.82mL、6当量)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、混合物を0℃に冷却した。次いでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(4.64g、16.45mmol、2.71mL、4.5当量)を加え、0℃で0.5時間撹拌した。この反応溶液を飽和塩化アンモニウム(20mL)および飽和食塩水(20mL)で順に洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮し、得られた残渣をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)で精製し、化合物20-9を得た。MS m/z=748.1[M+H]+
ステップ9: 中間体20-10の合成
化合物20-9(0.35g、468.10μmol、1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(302.50mg、2.34mmol、407.68μL、5当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解し、、次いで1-1A(248.43mg、1.17mmol、2.5当量)を加え、50℃で0.5時間撹拌した。この反応溶液に酢酸エチル(25mL)を加え、この混合物を飽和塩化アンモニウム(25mL)および飽和食塩水(25mL*2)で順に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)で精製し、化合物20-10を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.24-7.27(m, 1H),7.14-7.17(m, 4H), 6.81-6.84(m, 5H), 5.13-5.16(m, 1H), 4.37-4.26(m, 6H), 3.89-3.79(m, 8H), 3.46-3.39(m, 3H), 2.97-3.07(m, 2H), 2.52(s, 3H), 1.93-1.99(m, 3H), 1.64-1.68(m, 2H), 1.50(s, 9H); MS m/z=810.3[M+H]+
ステップ10: 中間体20-11の合成
化合物20-10(300mg、370.41μmol、1当量)をジクロロメタン(3mL)に溶解し、次いでm-クロロ過安息香酸(97.76mg、481.54μmol、85%含有、1.3当量)を加えて15℃で0.5時間撹拌した。反応溶液をジクロロメタン(20mL)で希釈し、この混合物を5%チオ硫酸ナトリウム(10mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)および飽和食塩水(10mL)で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮し、得られた残渣をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)で精製し、化合物20-11を得た。MS m/z=826.3[M+H]+
ステップ11: 中間体20-12の合成
1-2A(77.10mg、484.31μmol、2.5当量)をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、混合物を-15℃に冷却した。次いでナトリウムtert-ブトキシド(37.24mg、387.45μmol、2当量)を加え、混合物を-15℃で0.5時間撹拌し、次いで化合物20-11(160mg、193.73μmol、1当量)/テトラヒドロフラン(1mL)の溶液を加えた。この混合物をさらに1時間撹拌し、反応溶液をゆっくりと飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)に注ぎ、酢酸エチル(15mL*2)で抽出した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮し、得られた残渣をカラム(ジクロロメタン:メタノール=50:1)で精製し、化合物20-12を得た。MS m/z=921.4[M+H]+
ステップ12: 化合物20塩酸塩、化合物20Aおよび化合物20Bの合成
化合物20-12(0.11g、119.43μmol、1当量)をジクロロメタン(4mL)に溶解し、次いでトリフルオロ酢酸(1.36g、11.94mmol、884.31μL、100当量)を加えた。この混合物を15℃で5時間撹拌し、反応溶液をゆっくりと水(10mL)に注いだ。層を分離し、水層を飽和炭酸水素ナトリウムでpH 9に調整し、酢酸エチル(15mL*2)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮し、得られた残渣を分取HPLC(カラム: Phenomenex Luna 80*30mm*3μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 5%~25%、8分)で分離し、化合物20の塩酸塩を得た。次いで化合物20の塩酸塩についてキラル分離(カラム: DAICEL Chiralcel OD(250mm*30mm、10μm); 移動相: [0.1%アンモニア水含有エタノール];(エタノール)%: 40%~40%、12分)を行い、化合物20A(Rt=3.920)および化合物20B(Rt=4.275)を得た。
化合物20A: 1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.27-7.29(m, 2H), 6.75-6.79(m, 1H), 5.12-5.33(m, 2H), 4.75-4.79(m, 2H), 3.88-4.10(m, 5H), 2.96-3.58(m, 12H), 2.15-2.28(m, 3H), 1.87-1.96(m, 5H); MS m/z=581.2[M+H]+
化合物20B: 1H NMR(400MHz、CDCl3) δ=7.30-7.27(m, 1H), 6.77 (t, J=8.4Hz, 1H), 5.34-5.17(m, 1H), 5.15-5.07(m, 1H), 4.80-4.71(m, 2H), 4.17-4.06(m, 3H), 3.97-3.86(m, 2H), 3.59(s, 2H), 3.49-3.08(m, 6H), 3.06-2.89(m, 3H), 2.31- 2.10(m, 3H), 2.06-1.65(m, 7H); MS m/z=581.2[M+H]+
実施例21
Figure 2024504831000190
ステップ1: 中間体21-2の合成
予め乾燥させた反応フラスコに化合物21-1(20g、137.40mmol、1当量)、N,N-ジメチルホルムアミド(200mL)、ヨウ化カリウム(22.81g、137.40mmoL、1当量)および無水炭酸カリウム(47.47g、343.50mmol、2.5当量)を加え、撹拌しながらp-メトキシベンジルクロリド(44.11g、281.67mmol、38.36mL、2.05当量)を加えた。次いでこの混合物を65℃に加熱し、4時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却し、次いでセライト濾過した。濾過ケーキをtert-ブチルメチルエーテル(200mL)で濯ぎ、次いで抽出するために濾液を水(200mL)に加えた。水層を酢酸エチル(100mL*2)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(200mL*3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、粗製生成物を得て、これを石油エーテル(50mL)で48時間スラリー状にした。この混合物を濾過し、濾過ケーキを回収し、乾燥して化合物21-2を得た。これを次のステップにそのまま用いた。1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ=7.18-7.17(m, 5H), 6.85-6.82(m, 6H), 4.24(s, 4H), 3.74-3.71(m, 6H); MS m/z=386.1[M+H]+
ステップ2: 中間体21-3の合成
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(43.93g、311.00mmol、52.80mL、4当量)をテトラヒドロフラン(300mL)に溶解し、次いで混合物を-5℃に冷却した。n-ブチルリチウム(2.5M、124.40mL、4当量)を加え、0.5時間撹拌した。次いで-60℃に冷却し、化合物21-2(30g、77.75mmol、1当量)/テトラヒドロフラン(30mL)の溶液を加え、0.5時間撹拌した。次いでN,N-ジメチルホルムアミド(113.66g、1.55 moL、119.64mL、20当量)を加え、さらに0.5時間撹拌した。この反応溶液に飽和塩化アンモニウム(200mL)を加え、混合物を酢酸エチル(200mL)で抽出した。層を分離し、有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)で精製し、化合物21-3を得た。
ステップ3: 中間体21-4の合成
水素化ナトリウム(6.38g、159.47mmol、60%含有、2.2当量)をテトラヒドロフラン(300mL)に溶解し、系内を窒素で2回置換した。次いで混合物を0℃に冷却し、アセト酢酸メチル(18.52g、159.47mmol、17.15mL、2.2当量)を加え、10分間撹拌した。次いでn-ブチルリチウム(2.5M、63.79mL、2.2当量)を加え、さらに10分間撹拌し、-15℃に冷却した。化合物21-3(30g、72.49mmol、1当量)/テトラヒドロフラン(50mL)の溶液を加え、さらに30分撹拌した。この反応溶液に飽和塩化アンモニウム(100mL)を加え、混合物を酢酸エチル(100mL*2)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)で精製し、化合物21-4を得た。MS m/z=530.2[M+H]+
ステップ4: 中間体21-5の合成
化合物21-4(20g、37.74mmol、1当量)を無水ジクロロ(50mL)に溶解し、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(5.40g、45.28mmol、6.02mL、1.2当量)を窒素下で加え、25℃で16時間反応させた。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(6.43g、45.28mmol、5.59mL、1.2当量)を加え、混合物を20℃で1時間反応させた。この反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)に加え、ジクロロメタン(20mL*2)で抽出し、層を分離した。有機層を合わせて飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、得られた粗製生成物をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~1:1)で精製し、化合物21-5を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ=8.45(s, 1H), 7.14(m, 4H), 7.00-6.69(m, 6H), 5.80(m, 1H), 4.27-4.10(m, 5H), 3.79(m, 1H), 3.94-3.66(m, 8H), 2.98-2.73(m, 1H); MS m/z=540.2[M+H]+
ステップ5: 中間体21-6の合成
化合物21-5(12g、22.22mmol、1当量)を無水テトラヒドロフラン(30mL)に加え、水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素リチウム(11.83g、62.22mmol、13.60mL、2.8当量)を窒素下で加えて、-60℃で1時間反応させた。反応溶液を水(40mL)に加え、混合物を酢酸エチル(20mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗製生成物をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=100:0~3:1)で精製し、化合物21-6を得た。MS m/z=542.2[M+H]+
ステップ6: 中間体21-7の合成
化合物21-6(5.5g、10.15mmol、1当量)をエタノール(15mL)および水(3mL)に加え、重炭酸ナトリウム(2.15g、20.30mmol、2当量)およびメチルイソチオ尿素硫酸塩(2.74g、30.44mmol、3当量)を加えて、45~50℃で16時間反応させた。反応溶液を水(20mL)および酢酸エチル(20mL*2)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(20mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、粗製生成物の化合物21-7を得た。得られた粗製生成物は次のステップにそのまま用いた。MS m/z=582.2[M+H]+
ステップ7: 中間体21-8の合成
化合物21-7(6g、8.04mmol、1当量)を無水ジクロロメタン(20mL)に加え、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.12g、24.12mmol、4.20mL、3当量)を0℃で加えた。混合物を0~10℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(4.08g、14.47mmol、2.39mL、1.8当量)をゆっくりと滴下して加えた。この混合物を0℃で0.5時間反応させた。反応溶液を飽和塩化アンモニウム(20mL)に加え、混合物を無水ジクロロメタン(10mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、得られた粗製生成物をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=1:0~0:1)で精製し、化合物21-8を得た。MS m/z=714.1[M+H]+
ステップ8: 中間体21-9塩酸塩の合成
化合物21-8(0.8g、1.12mmol、1当量)、化合物1-1A(475.62mg、2.24mmol、2当量)、およびDIPEA(434.33mg、3.36mmol、585.35μL、3当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に加え、50℃で1時間反応させた。反応溶液を飽和塩化アンモニウム(20mL)に加え、混合物を酢酸エチル(20mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗製生成物をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)で精製し、次いで生成物を分取HPLC(カラム: Phenomenex Luna C18, 250*50mm*10μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 65%~95%、10分)で分離し、化合物21-9の塩酸塩を得た。MS m/z=776.3[M+H]+
ステップ9: 中間体21-10の合成
化合物21-9塩酸塩(1.2g)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、混合物を0℃に冷却して、次いでN-ブロモスクシンイミド(330.13mg、1.85mmol、1.2当量)を加えた。この混合物を20℃で1時間撹拌し、これに水(30mL)を加えた。混合物を酢酸エチル(30mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(20mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=3:1~1:1)で精製し、化合物21-10を得た。MS m/z=856.1[M+H]+
ステップ10: 中間体21-11の合成
ジクロロメタン(10mL)を乾燥した反応フラスコに加え、次いで化合物21-10(0.3g、350.8μmoL、1当量)を加えて撹拌した。次いでm-クロロ過安息香酸((213.6mg、1052.3μmoL、85%含有、3当量)を加え、反応系を25℃で1時間撹拌した。反応溶液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、混合物を5%チオ硫酸ナトリウム溶液(5mL)および飽和食塩水(10mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を分取HPLC(カラム: Phenomenex Luna, 80*30mm*3μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 50%~80%、8分)で分離し、化合物21-11を得た。MS m/z=872.1[M+H]+
ステップ11: 中間体21-12塩酸塩の合成
化合物1-2A(274.09mg、1.72mmol、5当量)を無水テトラヒドロフラン(10mL)に加え、ナトリウムtert-ブトキシド(148.91mg、1.55mmol、4.5当量)を加えて、-15℃で30分間反応させた。化合物21-11(0.3g、344.33μmoL、1当量)を加え、-15℃で1時間反応させた。この反応溶液に飽和塩化アンモニウム溶液(5mL)を加え、抽出するために酢酸エチル(5mL*2)を加えた。有機層を合わせて飽和食塩水(5mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(カラム: Phenomenex Luna C18, 80*40mm*3μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 46%~66%、7分)で精製し、化合物21-12塩酸塩を得た。MS m/z=967.3[M+H]+
ステップ12: 化合物21塩酸塩の合成
化合物21-12塩酸塩(90.00mg)をトリフルオロ酢酸(2.12g、18.63mmol、1.38mL、200当量)/無水ジクロロ(7mL)の溶液に加え、-10~0℃で1時間反応させた。生成物を水(10mL)に注ぎ、混合物を酢酸エチル(5mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(5mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗製生成物を分取HPLC(カラム: Phenomenex Luna, 80*30mm*3μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 15%~35%、8分)で分離し、化合物21の塩酸塩を得た。MS m/z=627.1[M+H]+
実施例22
Figure 2024504831000191
ステップ1: 中間体22-2の合成
化合物22-1(50g、387.28mmol、1当量)、ヨウ化カリウム(64.29g、387.28mmol、1当量)および無水炭酸カリウム(133.81g、968.19mmol、2.5当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(500mL)に加え、撹拌しながらp-メトキシベンジルクロリド(121.30g、774.55mmol、105.48mL、2当量)を滴下して加えて、60℃で5時間反応させた。反応溶液を水(300mL)に加え、混合物を酢酸エチル(200mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、得られた粗製生成物をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=1:0~0:1)で精製し、化合物22-2を得た。MS m/z=370.0[M+H]+
ステップ2: 中間体22-3の合成
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(81.22g、574.98mmol、97.62mL、4当量)を無水テトラヒドロフラン(500mL)に加えて-5℃に冷却し、n-ブチルリチウム(2.5M、229.99mL、4当量)を滴下して加え、-5~0℃で15分間反応させ、-60℃に冷却した。化合物22-2(59g、143.75mmol、1当量)/テトラヒドロフラン(50mL)の溶液を加え、混合物を-60℃で0.5時間反応させた。N,N-ジメチルホルムアミド(210.13g、2.87mol、221.19mL、20当量)を素早く加え、混合物を-60℃で10分間反応させた。反応溶液を飽和塩化アンモニウム(300mL)に注ぎ、混合物をtert-ブチルメチルエーテル(100mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、得られた粗製生成物をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)で精製し、化合物22-3を得た。MS m/z=398.1[M+H]+
ステップ3: 中間体22-4の合成
NaH(5.31g、132.86mmol、60%含有、2.2当量)および無水テトラヒドロフラン(150mL)を窒素下、0℃で0.5時間反応させた。アセト酢酸メチル(15.43g、132.86mmol、14.28mL、2.2当量)を滴下して加え、0℃で0.5時間反応させた。n-BuLi(2.5M、53.14mL、2.2当量)を滴下して加え、0℃で0.5時間反応させ、-50℃に冷却した。化合物22-3(24g、60.39mmol、1当量)/無水テトラヒドロフラン(50mL)の溶液を滴下して加え、この混合物を-50℃で0.5時間反応させた。この反応溶液に飽和塩化アンモニウム溶液(80mL)を加え、混合物を酢酸エチル(50mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗製生成物をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=1:0~3:1)で精製し、化合物22-4を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ=7.18-7.16(m, 4H), 6.84-6.82(m, 4H), 6.76(m, 1H), 6.48(m 1H), 5.52-5.44(m, 1H), 4.21(s, 4H), 3.88-3.67(m, 9H), 3.53(s, 2H), 3.30(d, J=4Hz, 1H), 3.01-2.88(m, 2H); MS m/z=514.2[M+H]+
ステップ4: 中間体22-5の合成
化合物22-4(12g、23.37mmol、1当量)を無水ジクロロ(50mL)に溶解し、窒素下、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(4.18g、35.05mmol、4.66mL、1.5当量)を加え、25℃で16時間反応させた。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(6.63g、46.74mmol、5.77mL、2当量)を加え、混合物を20℃で1時間反応させた。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20mL)に加え、層を分離した。水層をさらにジクロロメタン(20mL)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、得られた粗製生成物をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=1:0-3:1)で精製し、化合物22-5を得た。MS m/z=524.2[M+H]+
ステップ5: 中間体22-6の合成
化合物22-5(10.5g、20.06mmol、1当量)を無水テトラヒドロフラン(30mL)に加え、窒素下で水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素リチウム(1M、22.06mL、1.1当量)を加えて、-60℃で1時間反応させた。この反応混合物を希塩酸(30mL)に加え、混合物を酢酸エチル(10mL*2)で抽出した。層を分離し、有機層を合わせて飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗製生成物をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=1:0~3:1)で精製し、化合物22-6を得た。MS m/z=526.2[M+H]+
ステップ6: 中間体22-7の合成
化合物22-6(4g、7.61mmol、1当量)をエタノール(16mL)および水(4mL)に加え、重炭酸ナトリウム(1.61g、15.22mmol、2当量)およびメチルイソチオ尿素硫酸塩(2.06g、22.83mmol、3当量)を加えて、45~50℃で16時間反応させた。この反応混合物を水(10mL)に加え、酢酸エチル(10mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(10mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、粗製生成物の化合物22-7を得た。得られた粗製生成物をそのまま次のステップに用いた。MS m/z=566.2[M+H]+
ステップ7: 中間体22-8の合成
化合物22-7(4.8g、4.67mmol、1当量)を無水ジクロロメタン(20mL)に加え、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.98g、7.00mmol、1.16mL、1.5当量)を加えて、0~10℃に冷却した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.81g、14.00mmol、2.44mL、3当量)をゆっくりと滴下して加え、0℃で0.5時間反応させた。反応溶液を飽和塩化アンモニウム(20mL)に加え、層を分離した。有機層を飽和食塩水(5mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、得られた粗製生成物をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=1:0~5:1)で精製し、化合物22-8を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ=7.17-7.15(m, 4H), 6.86-6.83(m, 4H), 6.75-6.72(m, 1H), 6.54-6.50(m, 1H), 5.09-5.00(m, 2H), 4.83-4.79(m, 1H), 4.23-4.20(m, 5H), 3.82-3.80(m, 7H), 2.56(s, 3H); MS m/z=698.1[M+H]+
ステップ8: 中間体22-9の合成
化合物22-8(3.7g、5.30mmol、1当量)、化合物1-1A(2.25g、10.61mmol、2当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.06g、15.91mmol、2.77mL、3当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に加え、50℃で1時間反応させた。反応溶液を飽和塩化アンモニウム(20mL)に加え、混合物を酢酸エチル(20mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗製生成物をカラム(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)で精製し、化合物22-9を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ=7.17-7.15(m, 4H), 6.85-6.83(m, 4H), 6.72-6.70(m, 1H), 6.50-6.46(m, 1H), 5.11-5.07(m, 1H), 4.83-4.71(m, 2H), 4.32-4.23(m, 6H), 3.80(s, 6H), 3.43-2.84(m, 5H), 2.51(s, 3H), 2.01-1.93(m, 3H), 1.69-1.66(m, 2H), 1.50(s, 9H); MS m/z=760.3[M+H]+
ステップ9: 中間体22-10の合成
化合物22-9(0.6g、789.58μmol、1当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、N-ブロモスクシンイミド(98.37mg、552.70μmol、0.7当量)を加え、0~10℃で1時間反応させた。水(20mL)を反応溶液に加え、混合物を酢酸エチル(10mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(10mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で分離し、化合物22-10を得た。MS m/z=838.2[M+H]+
ステップ10: 中間体22-11の合成
化合物22-10(0.3g、357.65μmol、1当量)、ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチル(343.55mg、1.79mmol、227.52μL、5当量)およびヨウ化銅(136.23mg、715.31μmol、2当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、系内を窒素で3回置換して、窒素下100℃で2時間反応させた。反応溶液を水(10mL)に注ぎ、混合物をtert-ブチルメチルエーテル(10mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(カラム: Phenomenex luna C18(250*70mm、15μm); 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 50%~98%、20分)で精製し、分離した溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液でpH 7~8に調整した。次いで混合物を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、化合物22-11を得た。MS m/z=828.3[M+H]+
ステップ11: 中間体22-12の合成
ジクロロメタン(10mL)を乾燥した反応フラスコに加え、次いで化合物22-11(130mg、157.02μmol、1当量)を加えて撹拌した。次いでm-クロロ過安息香酸(22.32mg、109.92μmol、85%含有、0.7当量)を加え、反応系を25℃で1時間撹拌した。反応溶液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、混合物を5%チオ硫酸ナトリウム溶液(5mL)および飽和食塩水(10mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で分離し、化合物22-12を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ=7.17-7.10(m, 4H), 6.87-6.83(m, 4H), 6.58-6.53(m, 1H), 5.21-5.10(m, 1H), 4.87-4.75(m, 2H), 4.44-4.22(m, 6H), 3.80(s, 6H), 3.58-3.44(m, 3H), 3.20-3.14(m, 2H), 2.97(m, 4H), 2.05-1.92(m, 4H), 1.49(s, 9H); MS m/z=844.3[M+H]+
ステップ12: 中間体22-13の合成
化合物1-2A(226.38mg、1.42mmol、20当量)を無水テトラヒドロフラン(10mL)に加え、ナトリウムtert-ブトキシド(109.32mg、1.14mmol、16当量)を加えて、-15℃で15分間反応させた。化合物22-12(60mg、71.10μmol、1当量)を加え、混合物を-15℃で1時間反応させた。飽和塩化アンモニウム(5mL)を反応溶液に加え、反応溶液を合わせて混合物を酢酸エチル(10mL*3)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(20mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で分離して化合物22-13を得た。MS m/z=939.5[M+H]+
ステップ13: 化合物22塩酸塩の合成
トリフルオロ酢酸(1.46g、12.78mmol、946.19μL、200当量)/無水ジクロロ(5mL)の溶液に、化合物22-13(60.00mg、63.90μmol、1当量)を加え、-10~0℃で1時間反応させた。生成物を水(10mL)に注ぎ、水層を酢酸エチル(5mL*2)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水(5mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(カラム: Phenomenex luna C18, 80*40mm*3μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 1%~30%、7分)で精製し、化合物22の塩酸塩を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD) δ=6.65-6.60(m, 1H), 6.74-6.53(m, 1H), 5.66-5.53(m, 1H), 5.22-5.19(m, 1H), 4.99-4.96(m, 3H), 4.25-4.18(m, 2H), 4.04-3.87(m, 5H), 3.55-3.38(m, 3H), 3.08-2.73(m, 1H), 2.67-1.87(m, 11H); MS m/z=599.2[M+H]+
実施例23
Figure 2024504831000192
ステップ1: 中間体23-2の合成
化合物23-1(1.2g、4.78mmol、1当量)およびビス-(4-メトキシベンジル)-アミン(2.46g、9.56mmol、2当量)をN-メチルピロリドン(30mL)に加え、マイクロ波により200℃で1時間反応させた。反応溶液を酢酸エチル(250mL)で希釈し、次いで混合物を水(20mL×3)および飽和食塩水(20mL)で洗浄した。有機層を乾燥し、濾過して乾燥剤を除去した。溶媒を濾液から減圧除去し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~35%)で精製し、化合物23-2を得た。MS m/z=428.6[M+H]+
ステップ2: 中間体23-3の合成
化合物23-2(4g、9.36mmol、1当量)を無水テトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、窒素下で-78℃に冷却した。次いでn-ブチルリチウム(2.5M、6.74mL、1.1当量)を滴下して加え、添加終了後、1時間撹拌して反応させた。次いでN,N-ジメチルホルムアミド(2.05g、28.08mmol、3当量)を滴下して加え、添加終了後、0.5時間撹拌して反応させた。反応を飽和塩化アンモニウム(10mL)および水(20mL)でクエンチし、次いで混合物を酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。有機層を合わせてロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、粗製生成物を得た。この粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~15%)で精製し、化合物23-3を得た。1H-NMR(400MHz、CDCl3) δ: 9.93(s, 1H), 7.23(s, 1H), 7.15(d, J=8.8Hz, 4H), 6.86(d, J=8.8Hz, 4H), 6.49(s, 1H), 4.77(s, 4H), 3.81(s, 6H), 2.26(s, 3H)
ステップ3: 中間体23-4の合成
化合物23-3(2.09g、2.66mmol、1当量)をDMF(20mL)に溶解し、次いでNBS(988.15mg、5.55mmol、1当量)を加え、窒素下、室温(20℃)で2時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチル(60mL)で希釈し、次いで混合物を水(20mL×3)および飽和食塩水(20mL)で洗浄した。有機層をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、粗製生成物を得た。この粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~25%)で精製し、化合物23-4を得た。
ステップ4: 中間体23-5の合成
化合物23-4(1.98g、4.34mmol、1当量)およびジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチル(4.17g、2.17mmol、5当量)をDMF(20mL)に加え、次いでCuI(205mg、1.08mol、1当量)を加えた。この溶液を窒素でパージし、オイルバス(100℃)に入れて8時間撹拌した。反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、粗製生成物を得た。この粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~25%)で精製し、化合物23-5を得た。MS m/z=445.1[M+H]+
ステップ5: 中間体23-6の合成
水素化ナトリウム(899.91mg、22.50mmol、60%含有、2当量)を無水テトラヒドロフラン(50mL)に懸濁し、窒素下、0℃に冷却した。次いでアセト酢酸メチル(2.61g、22.50mmol、2.42mL、2.0当量)をゆっくりと滴下して加え、添加終了後、30分間撹拌した。次いでn-ブチルリチウム(2.5M、9.0mL、2当量)を滴下して加え、添加終了後、30分間撹拌した。氷浴を外し、混合物を-78℃に冷却した。最後に、この混合物に化合物23-5(5g、11.25mmol、1当量)/無水テトラヒドロフラン(10mL)の溶液を滴下して加え、添加終了後、1時間撹拌して反応させた。反応溶液に水(20mL)を加えて反応をクエンチし、次いでこの混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機層を合わせてロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~45%)で精製し、化合物23-6を得た。MS m/z=561.2 [M+H]+
ステップ6: 中間体23-7の合成
化合物23-6(2.9g、5.17mmol、1当量)およびN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(1.85g、15.52mmol、2.06mL、3当量)を無水ジクロロメタン(20mL)に加え、混合物を室温(20℃)で24時間撹拌して反応させた。次いで0℃に冷却し、最後に、この混合物に三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(734.25mg、5.17mmol、636.26μL、1当量)を加え、添加終了後、20℃で1時間撹拌して反応させた。反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、粗製生成物を得た。この粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~40%)で精製し、化合物23-7を得た。MS m/z=593.1 [M+Na]+
ステップ7: 中間体23-8の合成
化合物23-7(635mg、1.11mmol、1当量)を無水テトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、窒素下で-78℃に冷却した。次いで水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素リチウム(1M、1.11mL、1当量)を滴下して加え、添加終了後、1時間撹拌して反応させた。反応を1M塩酸(1mL)でクエンチし、次いで飽和食塩水(20mL)および酢酸エチル(50mL)を加えて5分間撹拌した。有機層を分離し、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~25%)で精製し、化合物23-8を得た。MS m/z=573.2 [M+H]+
ステップ8: 中間体23-9の合成
化合物23-8(630mg、1.1mmol、1当量)および2-メチルチオ尿素一硫酸塩(621.31mg、3.30mmol、3当量)を無水エタノール(10mL)に加え、次いで炭酸ナトリウム(233.24mg、2.2mmol、2当量)を加えた。この溶液をオイルバス(60℃)に入れ、18時間撹拌した。反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣に水(5mL)および酢酸エチル(50mL)を加えた。この混合物を2M塩酸で~pH 6~7に調整し、有機層を分離した。水層を酢酸エチル(30mL)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して乾燥剤を除去した。溶媒を濾液から減圧除去し、化合物23-9を得た。MS m/z=613.2[M+H]+
ステップ9: 中間体23-10の合成
化合物23-9(541mg、883.63mmol、1当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(4mL)に溶解し、、次いでPhNTf2(473.19mg、1.32mmol、1.5当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(342.38mg、2.65mmol、461.43μL、3当量)を加え、室温(20℃)で1.5時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、次いで混合物を水(10mL×3)および飽和食塩水(10mL)で洗浄した。有機層をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~10%)で精製し、化合物23-10を得た。MS m/z=745.3 [M+H]+
ステップ10: 中間体23-11の合成
化合物23-10(240mg、322.27μmol、1当量)および化合物1-1A(82.1mg、386.72μmol、1.3当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に加え、次いでN,N-ジイソプロピルエチルアミン(124.95mg、966.80μmol、168.40μL、3当量)を加えた。この溶液をオイルバス(100℃)に入れ、1時間撹拌した。反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、粗製生成物を得た。この粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~35%)で精製し、化合物23-11を得た。MS m/z=807.4[M+H]+
ステップ11: 中間体23-12の合成
化合物23-11(210mg、260.27μmol、1当量)を無水ジクロロメタン(2mL)に溶解し、次いでm-クロロ過安息香酸(105.67mg、520.49μmol、85%含有、2当量)を加え、20℃で2時間撹拌した。反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、粗製生成物を得た。この粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~45%)で精製し、化合物23-12を得た。MS m/z=839.3[M+H]+
ステップ12: 中間体23-13の合成
化合物1-2A(121.83mg、765.26μmol、3当量)およびナトリウムtert-ブトキシド(49.03mg、510.17μmol、2当量)をテトラヒドロフラン(2mL)に加え、1時間撹拌して反応させた。次いで化合物23-12(214mg、255.09μmol、1当量)/テトラヒドロフラン(1mL)の溶液を加え、20℃で1時間撹拌した。反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣に酢酸エチル(30mL)および飽和食塩水(5mL)を加えた。この混合物を透明になるまで撹拌した。有機層を分離し、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、粗製生成物を得た。この粗製生成物をカラム(メタノール/ジクロロメタン=0~10%)で精製し、化合物23-13を得た。MS m/z=918.2[M+H]+
ステップ13: 化合物23ギ酸塩の合成
化合物23-13(194mg、221.32μmol、1当量)をトリフルオロ酢酸(2mL)に加え、55℃で15時間撹拌して反応させた。反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣に炭酸ナトリウム(300mg)および酢酸エチル(5mL)を加えた。この混合物を20分間撹拌し、濾過した。溶媒を濾液から減圧除去し、粗製生成物を得た。この粗製生成物を分取高速液体クロマトグラフィー(分離条件: カラム: Phenomenex C18, 150*40mm*5μm; 移動相: [0.025%ギ酸水溶液/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 1%~30%、10分)で分離し、化合物23のギ酸塩を得た。MS m/z=578.4[M+H]+
実施例24
Figure 2024504831000193
ステップ1: 中間体24-1の合成
水素化ナトリウム(866.75mg、21.67mmol、60%含有、2当量)を無水テトラヒドロフラン(50mL)に懸濁し、窒素下で0℃に冷却した。次いで化合物24-1A(3.38g、21.67mmol、2当量)をゆっくりと滴下して加え、添加終了後、30分間撹拌した。次いでn-ブチルリチウム(2.5M、8.67mL、2当量)を滴下して加え、添加終了後、30分間撹拌した。氷浴を外し、混合物を-78℃に冷却した。最後に、この混合物に化合物A1-5(5g、10.84mmol、1当量)/無水テトラヒドロフラン(10mL)の溶液を滴下して加え、添加終了後、1時間撹拌して反応させた。反応溶液に水(30mL)を加えて反応をクエンチし、次いで混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機層を合わせてロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、粗製生成物を得た。この粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~45%)で精製し、化合物24-1を得た。MS m/z=640.1 [M+Na]+
ステップ2: 中間体24-2の合成
化合物24-1(6.50g、10.52mmol、1当量)およびN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(3.76g、31.57mmol、4.19mL、3当量)を無水ジクロロメタン(20mL)に加え、室温(20℃)で24時間撹拌して反応させ、次いで0℃に冷却した。最後に、この混合物に三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(1.49g、10.52mmol、1.30mL、1当量)を加え、添加終了後、20℃で4時間撹拌して反応させた。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20mL)を加えて反応をクエンチし、次いでこの混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮し、粗製生成物を得た。この粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~45%)で精製し、化合物24-2を得た。MS m/z=628.2 [M+H]+
ステップ3: 中間体24-3の合成
化合物24-2(5.0g、7.97mmol、1当量)を無水テトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、窒素下で-78℃に冷却した。次いで水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素リチウム(1M、7.97mL、1当量)を滴下して加え、添加終了後、1時間撹拌して反応させた。反応を1M塩酸(10mL)でクエンチし、次いでこの混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせて濃縮し、粗製生成物を得た。この粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~25%)で精製し、化合物24-3を得た。MS m/z=630.2 [M+H]+
ステップ4: 中間体24-4の合成
化合物24-3(2.93g、4.65mmol、1当量)および2-メチルチオ尿素一硫酸(2.63g、13.96mmol、3当量)を無水エタノール(10mL)に加え、次いで炭酸ナトリウム(986.43mg、9.31mmol、2当量)を加えた。この溶液をオイルバス(60℃)に入れ、18時間撹拌した。反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣に水(15mL)および酢酸エチル(80mL)を加えた。この混合物を2M塩酸で~pH 6~7に調整し、有機層を分離した。水層を酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して乾燥剤を除去した。濾液を濃縮し、粗製生成物の化合物24-4を得た。MS m/z=670.2[M+H]+
ステップ5: 中間体24-5の合成
化合物24-4(3.15g、4.70mmol、1当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)に溶解し、次いで化合物PhNTf2(2.52g、7.06mmol、1.5当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.82g、14.11mmol、2.46mL、3当量)を加えた。この溶液を室温(20℃)で2時間撹拌した。反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~15%)で精製し、化合物24-5を得た。MS m/z=802.2 [M+H]+
ステップ6: 中間体24-6の合成
化合物24-5(3.15g、4.70mmol、1当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)に溶解し、次いで化合物1-1A(2.52g、7.06mmol、1.5当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.82g、14.11mmol、2.46mL、3当量)を加えた。この溶液を室温(20℃)で2時間撹拌した。反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~15%)で精製し、化合物24-6を得た。MS m/z=864.3[M+H]+
ステップ7: 中間体24-7の合成
化合物24-6(160mg、185.19μmol、1当量)を無水ジクロロメタン(2mL)に溶解し、次いでm-クロロ過安息香酸(75.19mg、370.37μmol、85%含有、2当量)を加え、20℃で15時間撹拌した。反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、粗製生成物を得た。この粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~25%)で精製し、化合物24-7を得た。MS m/z=896.3[M+H]+
ステップ8: 中間体24-8の合成
化合物1-2A(35.89mg、225.45μmol、2当量)およびナトリウムtert-ブトキシド(21.67mg、225.45μmol、2当量)をテトラヒドロフラン(1mL)に加え、1時間撹拌して反応させた。次いで化合物24-7(101mg、112.72μmol、1当量)/テトラヒドロフラン(1mL)の溶液を加え、25℃で1時間撹拌して反応させた。反応溶液を濃縮し、粗製生成物を得た。この粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~65%)で精製し、化合物24-8を得た。MS m/z=975.4[M+H]+
ステップ9: 化合物24A塩酸塩および化合物24Bの合成
化合物24-8(94mg、96.40μmol、1当量)をトリフルオロ酢酸(2mL)に加え、25℃で1時間撹拌して反応させた。この混合物を濃縮し、粗製生成物を得た。粗製生成物を分取高速液体クロマトグラフィー(分離条件: Phenomenex C18, 150*40mm*5μm; 移動相 [0.025%ギ酸水溶液/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 5%~35%、10分)で分離し、次いでキラル分離(カラム: DAICEL Chiralpak IG(250mm*30mm、10μm); 移動相: [0.1%アンモニア水含有エタノール];(エタノール)%: 45%~45%, 保持時間Rt=2.034分)を行い、化合物24Bを得た。MS m/z=635.9[M+H]+
別の異性体(保持時間Rt=2.469分)をさらに分取高速液体クロマトグラフィー(カラム: Welch Xtimate C18, 100*40mm*3μm; 移動相: [0.025%ギ酸水溶液/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 10%~40%、8分)で分離した。HCl/1,4-ジオキサン(0.5mL)を加え、化合物24Aの塩酸塩を得た。MS m/z=635.8[M+H]+
実施例25
Figure 2024504831000194
ステップ1: 中間体25-1の合成
化合物16-1(00mg、113.40μmol、1当量)、化合物25-1A(42.71mg、170.10μmol、47.56μL、50%THF溶液、1.5当量)および炭酸カリウム(31.35mg、226.80μmol、2当量)をジオキサン(2mL)/水(0.4mL)の混合溶媒に加え、次いでPd(dppf)Cl2(16.60mg、22.68μmol、0.2当量)を加えた。この溶液を窒素でパージし、95℃に加熱して15時間撹拌した。反応溶液を濃縮し、粗製生成物を得た。この粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=0~30%)で精製し、化合物25-1を得た。
ステップ2: 中間体25-2の合成
化合物25-1(72mg、93.51μmol、1当量)を無水ジクロロメタン(1mL)に溶解し、次いでm-クロロ過安息香酸(18.98mg、93.51μmol、85%含有、1当量)を加え、15℃で1時間撹拌して反応させた。反応溶液を濃縮し、化合物25-2を得た。MS m/z=786.3[M+H]+
ステップ3: 中間体25-3の合成
化合物1-2A(45.57mg、286.27μmol、3当量)、ナトリウムtert-ブトキシド(18.34mg、190.85μmol、2当量)および化合物25-2(75mg、95.42μmol、1当量)をトルエン(2mL)に加え、15℃で2時間撹拌して反応させた。反応溶液を酢酸エチル(30mL)で希釈し、次いでこの混合物を水(5mL)および飽和食塩水(5mL)で洗浄した。有機層を濃縮し、粗製生成物を得た。この粗製生成物をカラム(メタノール/ジクロロメタン=0~5%)で精製し、化合物25-3を得た。MS m/z=881.9[M+H]+
ステップ4: 中間体25塩酸塩の合成
化合物25-3(71mg、80.58μmol、1当量)をトリフルオロ酢酸(2mL)に加え、50℃で5時間撹拌して反応させた。反応溶液を濃縮し、粗製生成物を得た。この粗製生成物を分取高速液体クロマトグラフィー(カラム: Xtimate C18, 150*40mm*5μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 1%~30%、10分)で分離し、化合物25の塩酸塩を得た。MS m/z=541.3[M+H]+
実施例26
Figure 2024504831000195
ステップ1: 中間体26-1の製造
17-3(420mg、0.40mmol)/テトラヒドロフラン(10mL)の溶液に、テトラメチルアンモニウムフルオリド(150mg、1.61mmol)を加え、60℃で16時間加熱した。次いで酢酸エチル(50mL)で希釈し、混合物を飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を濃縮し、26-1を得た。MS m/z: 891.6[M+1]+
ステップ2: 中間体26-2の製造
26-1(250mg、280.57μmol、1当量)/メタノール(10mL)の溶液に、パラジウム/炭素(20mg、10%含有)を加え、水素雰囲気下(15psi)、20℃で1時間撹拌した。この混合物を濾過し、濾液を濃縮して26-2を得た。MS m/z: 895.6 [M+1]+
ステップ3: 化合物26塩酸塩の製造
26-2(220mg、245.79μmol、1当量)/ジクロロメタン(3mL)の溶液に、トリフルオロ酢酸(3mL)を加え、45℃で20時間撹拌した。この反応溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣を分取HPLC(カラム: Phenomenex C18 150*40mm*5μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 1%~30%、10分)で精製し、化合物26の塩酸塩を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD) δ=6.71(d, J=9.0Hz, 1H), 5.48-5.19(m, 2H), 4.74-4.59(m, 3H), 4.31-4.14(m, 3H), 3.97-3.52(m, 4H), 3.48-3.37(m, 2H), 3.30-3.06(m, 3H), 2.92-2.63(m, 3H), 2.45-2.27(m, 2H), 2.24(s, 3H), 2.22-1.84(m, 8H), 1.12 (t, J=7.4Hz, 3H); MS m/z: 555.2 [M+1]+
実施例27
Figure 2024504831000196
ステップ1: 中間体27-1の製造
15-3(200mg、0.212mmol)およびシクロプロピルボロン酸(92mg、1.059mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)および水(1mL)の混合溶媒に加え、次いで[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(20mg)および炭酸ナトリウム(45mg、0.425mmol)を加えた。系内を窒素で3回置換し、90℃で15時間反応させ、濾過した。濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン/メタノール=10:1)で分離し、27-1を得た。MS m/z: 907.6 [M+H]+
ステップ2: 化合物27塩酸塩の製造
27-1(60mg、0.066mmol)/ジクロロメタン(2mL)の溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL)を加え、20℃で1時間撹拌し、濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(カラム: Phenomenex C18, 150*40mm*5μm; 移動相: [0.05%塩酸/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 1%~30%、10分)で精製し、化合物27の塩酸塩を得た。MS m/z: 565.5 [M+H]+
実施例28
Figure 2024504831000197
ステップ1: 化合物28トリフルオロ酢酸塩の製造
26-1(50mg、56.11μmol)/ジクロロメタン(0.5mL)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、20℃で2時間撹拌した。反応溶液を濃縮し、得られた残渣を分取HPLC(カラム: Welch Xtimate C18, 100*40mm*3μm; 移動相: [0.025%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル];(アセトニトリル)%: 0%~30%、8分)で精製し、化合物28のトリクロロ酢酸塩を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD) δ=6.69(d, J=8.4Hz, 1H), 5.69-5.15(m, 2H), 4.75- 4.71(m, 2H), 4.60-4.36(m, 4H), 4.22-3.96(m, 3H), 3.95-3.65(m, 5H), 3.53-3.42(m, 1H), 3.21-3.11(m, 1H), 3.07-2.97(m, 1H), 2.75-2.55(m, 2H), 2.45(s, 3H), 2.43-2.25(m, 4H), 2.20-1.96(m, 7H)
実施例29
Figure 2024504831000198
ステップ1: 中間体29-2の合成
化合物29-1(50g、139.46mmol、1当量)を無水ジクロロメタン(500mL)に加え、N,N-ジイソプロピルエチレンジアミン(54.07g、418.39mmol、72.87mL、3当量)を加えた。混合物を0℃に冷却し、クロロメチルメチルエーテル(15.59g、193.64mmol、14.71mL、1.39当量)をゆっくりと滴下して加えた。この混合物をゆっくりと18℃に加温し、1時間反応させて反応溶液を氷水(500mL)に加えた。これをDCM(100mL*2)で抽出し、有機層を合わせて、次いで飽和炭酸ナトリウム(500mL)、飽和塩化アンモニウム(500mL)および半飽和食塩水(500mL)でそれぞれ洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濾液を濃縮した。得られた粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~50%)で精製し、化合物29-2を得た。MS m/z=403.2[M+H]+
ステップ2: 中間体29-3の合成
化合物29-2(36g、89.42mmol、1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチレンジアミン(34.67g、268.27mmol、46.73mL、3当量)を無水ジクロロメタン(360mL)に加え、-40℃に冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(37.85g、134.14mmol、22.13mL、1.5当量)を滴下して加え、1時間反応させた。反応溶液を氷水(300mL)に加え、層を分離し、抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(200mL)、飽和塩化アンモニウム(200mL)および食塩水(200mL)で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、得られた粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~30%)で精製し、化合物29-3を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ=7.71(dd, J=5.2, 9.2Hz, 1H), 7.43(d, J=2.4Hz, 1H), 7.36(d, J=2.0Hz, 1H), 7.33 (t, J=8.8Hz, 1H), 5.28(s, 2H), 3.53(s, 3H), 1.28-1.18(m, 21H)
ステップ3: 中間体29-4の合成
化合物29-3(34g、63.59mmol、1当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(340mL)に加え、ビニルトリブチルすず(42.03g、132.55mmol、38.56mL、2.08当量)および塩化リチウム(10.78g、254.38mmol、5.21mL、4当量)を加えた。系内を窒素で3回置換し、窒素下でビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロライド(4.46g、6.36mmol、0.1当量)を加えて、30℃で20時間反応させた。この反応溶液に20%KF水溶液(300mL)およびtert-ブチルメチルエーテル(300mL)を加えて20分間撹拌し、セライト濾過した。濾過ケーキをtert-ブチルメチルエーテル(50mL*4)で濯ぎ、水層を除去した。有機層を飽和食塩水(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮し、得られた粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=20%)で精製して化合物29-4を得た。MS m/z=413.3[M+H]+
ステップ4: 中間体29-5の合成
化合物29-4(20g、48.47mmol、1当量)を無水テトラヒドロフラン(200mL)および水(50mL)に加え、0℃に冷却した。過ヨウ素酸ナトリウム(31.10g、145.42mmol、8.06mL、3当量)および四酸化オスミウム(1.5g、5.90mmol、306.12μL、1.22e-1当量)を加えた。この混合物をゆっくりと18℃に加温し、1時間反応させた。反応溶液を10%チオ硫酸ナトリウム溶液(300mL)に加え、混合物を酢酸エチル(100mL*2)で抽出した。有機層を飽和食塩水(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、得られた粗製生成物をカラム(酢酸エチル/石油エーテル=20%)で精製し、化合物29-5を得た。MS m/z=415.3[M+H]+
ステップ5: 中間体29-7の合成
化合物29-6(1g、4.05mmol)および1-1A(1.03g、4.86mmol)/ジクロロメタンの溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.05g、8.11mmol)を加え、室温(25℃)で時間撹拌した。この反応溶液に水(20mL)およびジクロロメタン(50mL)を加え、5分間撹拌した。水層を除去し、有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー精製装置(酢酸エチル/石油エーテル=20%)で精製し、化合物29-7を得た。MS m/z=423.1[M+H]+
ステップ6: 中間体29-8の合成
化合物29-7(0.6g、1.42mmol)/テトラヒドロフラン(5mL)の溶液に、窒素下、0℃(氷水浴)で水素化リチウムアルミニウム(0.1g、2.84mmol)を少しずつ加えた。この混合物を25℃に戻し、2時間撹拌した。この溶液に水(0.1g)、15%水酸化ナトリウム水溶液(0.1g)、および水(0.3g)を順に滴下して加え、30分間撹拌し、濾過した。濾過ケーキをテトラヒドロフラン(10mL)で洗浄し、濾液を減圧濃縮して化合物29-8を得た。MS m/z=381.1[M+H]+
ステップ7: 中間体29-9の合成
化合物29-8(0.5g、1.33mmol)/テトラヒドロフラン(10mL)の溶液に、窒素下、-65℃(ドライアイス/酢酸エチル浴)でリチウムジイソプロピルアミド(1.51mL、3.02mmol、2M)を滴下して加えた。混合物を30分間撹拌後、化合物29-5(0.5g、1.51mmol)/テトラヒドロフラン(5mL)の溶液を滴下して加え、この混合物を25℃に戻した。この溶液に0.1M希塩酸(15mL)および酢酸エチル(20mL)を加え、10分間撹拌した。水層を除去し、有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー精製装置(酢酸エチル/石油エーテル=20%)で精製し、化合物29-9を得た。MS m/z=795.4[M+H]+
ステップ8: 中間体29-10の合成
化合物29-9(0.51g、641.44μmol)/テトラヒドロフラン(10mL)の溶液に、窒素下、-65℃(ドライアイス/酢酸エチル浴)でn-ブチルリチウム(2.5M、564.47μL)を滴下して加えた。混合物を30分間撹拌後、p-トルエンスルホニルクロリド(183.43mg、962.16μmol)/テトラヒドロフラン(3mL)の溶液を滴下して加えた。この混合物を25℃に戻し、2時間撹拌した。この溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)を加えて反応をクエンチし、次いで抽出するために酢酸エチル(50mL)を加えた。水層を除去し、有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィー精製装置(酢酸エチル/石油エーテル=30%)で精製し、化合物29-10を得た。MS m/z=777.4[M+H]+
ステップ9: 中間体29-11の合成
化合物29-10(45mg、57.91μmol)/ジクロロメタン(2mL)の溶液に、m-クロロ過安息香酸(14.11mg、69.49μmol、85%含有)を加え、室温(25℃)で2時間を撹拌した。この反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2mL)、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(2mL)およびジクロロメタン(5mL)を加え、5分間撹拌した。水層を除去し、有機層を減圧濃縮した。得られた残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=20%)で精製し、化合物29-11を得た。MS m/z=793.4[M+H]+
ステップ10: 中間体29-12の合成
化合物1-2A(32.12mg、201.76μmol)/テトラヒドロフラン(2mL)の溶液に、窒素下、0℃(氷水浴)でナトリウムtert-ブトキシド(19.39mg、201.76μmol)を加えた。混合物を30分間撹拌後、化合物29-11(40mg、50.44μmol)を加えた。この混合物を25℃に戻し、2時間撹拌した。反応溶液に0.5M塩酸を加えてpHを約6に調整した。酢酸エチル(5mL)および飽和食塩水(2mL)を加えて5分間撹拌した。水層を除去し、有機層を減圧濃縮して化合物29-12を得た。MS m/z=888.5[M+H]+
ステップ11: 中間体29-13の合成
化合物29-12(45mg、50.67μmol)/ジクロロメタン(1mL)の溶液に、塩酸/酢酸エチル(4M、126.67μL)を加え、室温(25℃)で2時間撹拌した。反応溶液をそのまま減圧濃縮し、化合物29-13のトリフルオロ酢酸塩を得た。MS m/z=744.4[M+H]+
ステップ12: 化合物29Aおよび化合物29Bの合成
化合物29-13(40mg、トリフルオロ酢酸)/DMF(1mL)の溶液に、フッ化セシウム(40.83mg、268.82μmol)および炭酸カリウム(22.29mg、161.29μmol)を加え、室温(25℃)で2時間撹拌した。この反応溶液を濾過し、メタノール(5mL)で洗浄した。濾液を減圧濃縮し、得られた残渣を分取HPLC(カラム: Phenomenex Luna C18, 75*30mm*3μm; 移動相: [0.025%ギ酸水溶液/アセトニトリル]; アセトニトリル%: 10%~40%、8分)で精製し、次いでキラル分離(カラム: DAICEL Chiralcel OD(250mm*30mm、10μm); 移動相: [0.1%アンモニア水含有メタノール]; メタノール%: 40%~40%、12分)を行い、化合物29A(Rt=1.386分)および化合物29B(Rt=2.079分)を得た。MS m/z=588.3[M+H]+
生物学的アッセイデータ:
アッセイ実施例1: KRASG12D阻害活性アッセイ
1.目的
KRASのGTPに対する結合を効果的に阻害できる化合物を、TR-FRET法によりスクリーニングした。
2.使用する物および機器
Figure 2024504831000199
3.試薬の製造
a.ストック試薬:
1)KRASヌクレオチド交換緩衝液
1000mMのHEPES(20mL)、500mMのEDTA(20mL)、5M塩化ナトリウム(10mL)、100%Tween 20(0.1mL)、および水(949.9mL)を計量し、1Lの溶液を調整した。この溶液を濾過により滅菌し、4℃で保管した。
2)KRASアッセイ緩衝液
1000mMのHEPES(20mL)、1000mM塩化マグネシウム(10mL)、5M塩化ナトリウム(30mL)、100%Tween 20(0.05mL)、および水(939.95mL)を計量し、1Lの溶液を調製した。この溶液を濾過により滅菌し、4℃で保管した。
3)KRAS/Bodipy GDP/Tb-SA混合物
95μMのKRASG12Dタンパク質(9.5μL)およびKRASヌクレオチド交換緩衝液(440.5μL)を計量し、混合した。この混合物を室温で1時間インキュベートし、次いで17.9μMのTb-SA(8.4μL)、5mMのBodipy GDP(1.8μL)およびKRASアッセイ緩衝液(9539.8μL)と共に溶液を1Lに調整した。混合後、この溶液を室温で6時間静置し、-80℃で保管した。
b.アッセイ試薬:
1)KRASキナーゼ溶液
KRAS/Bodipy GDP/Tb-SAの混合物(73.3μL)およびKRASアッセイ緩衝液(2126.7μL)を計量し、2200μLの溶液を調製した。
2)SOS/GTP混合物
166μMのSOSタンパク質(1.59μL)、100mMのGTP(198μL)およびKRASアッセイ緩衝液(2000.41μL)を計量し、2200μLの溶液を調製した。
4.アッセイ方法
1)コントロール化合物のストック溶液の濃度は1mMであり、アッセイを行う化合物のストック溶液の濃度は10mMであった。コントロール化合物(9μL)およびアッセイを行う化合物を384-LDVプレートに移した。
2)LDVプレート上の化合物をBravoで3倍連続希釈し、10種の濃度とした。
3)LDVプレートの化合物(9nL)をECHOを用いてアッセイプレートに移した。
4)Dragonfly automatic samplerを用いて、3nMのKras/0.5nMのTB-SA/30nMのBodipy GDPの混合物(3μL)およびRas緩衝液(3μL)をアッセイプレートの各ウェルに順に加え、アッセイプレートを1000rpm/分で1分間遠心分離した。
5)アッセイプレートを室温で1時間インキュベートした。
6)Dragonfly automatic samplerを用いて、120nMのSOS/9mMのGTPの混合物(3μL)をアッセイプレートの各ウェルに加え、アッセイプレートを1000rpm/分で1分間遠心分離した。
7)アッセイプレートを室温で1時間インキュベートした。
8)プレートをEnvisionで読み取り、データを回収した。
9)ExcelおよびXlfitを用いてデータを分析し、アッセイを行った化合物のIC50を計算した。
5.アッセイ結果
表2に結果を示す。
Figure 2024504831000200
アッセイの結論:本開示の化合物はKRASG12D酵素に対して優れた抑制効果を有する。
アッセイ実施例2: AGS細胞におけるp-ERK阻害アッセイ
1.目的
AGS細胞においてp-ERKを効果的に阻害することができる化合物を、HTRFによりスクリーニングした。
2.アッセイ方法
1)AGS細胞を透明な96ウェル細胞培養プレートに播種した。各ウェルには細胞懸濁液(80μL)および10000個の細胞が含まれる。この細胞プレートを二酸化炭素インキュベーター中、37℃で終夜インキュベートした。
2)インキュベーション完了後、細胞の上清を除去した。0.02%の血清を含む培地(80μL)を各ウェルに加えた。細胞プレートを二酸化炭素インキュベーター中、37℃で終夜インキュベートした。
3)化合物(2μL)を計量し、細胞培地(78μL)に加えた。混合物を完全に混合後、化合物の溶液(20μL)を計量し、細胞プレートの対応するウェルに加えた。この細胞プレートを二酸化炭素インキュベーターに戻し、さらに3時間インキュベートした。
4)インキュベーション完了後、細胞の上清を除去した。1倍の細胞溶解物(50μL)を各ウェルに加え、この混合物を振とうさせながら室温で30分間インキュベートした。
5)phospho-ERK1/2 Euクリプテート抗体およびphospho-ERK1/2 d2抗体を検出緩衝液で20倍希釈した。
6)細胞溶解物の上清(16μL)を計量し、新たな384白色マイクロウェルプレートの各ウェルに加え、次いでphospho-ERK1/2 Euクリプテート抗体の希釈溶液(2μL)およびphospho-ERK1/2 d2抗体の希釈溶液(2μL)を加えた。この混合物を室温で少なくとも4時間インキュベートした。
7)インキュベーション完了後、HTRFを複数標識分析装置(励起波長: 320nm、蛍光波長: 615nm、665nm)で読み取った。
8)アッセイを行った化合物のIC50を計算した。
3.アッセイ結果
結果を表3に示す。
Figure 2024504831000201
アッセイの結論: 本開示の化合物は、AGS細胞においてp-ERKに対する優れた抑制効果を有する。
アッセイ実施例3: GP2D細胞におけるp-ERK阻害アッセイ
1.目的
GP2D細胞においてp-ERKを効果的に阻害することができる化合物を、HTRFによりスクリーニングした。
2.アッセイ方法
1)GP2D細胞を透明な96ウェル細胞培養プレートに播種した。各ウェルには細胞懸濁液(80μL)および8000個の細胞が含まれる。この細胞プレートを二酸化炭素インキュベーター中、37℃で終夜インキュベートした。
2)化合物(2μL)を計量し、細胞培地(78μL)に加えた。混合物を完全に混合後、化合物の溶液(20μL)を計量し、細胞プレートの対応するウェルに加えた。この細胞プレートを二酸化炭素インキュベーターに戻し、さらに1時間インキュベートした。
3)インキュベーション完了後、細胞の上清を除去した。1倍の細胞溶解物(50μL)を各ウェルに加え、この混合物を振とうさせながら室温で30分間インキュベートした。
4)phospho-ERK1/2 Euクリプテート抗体およびphospho-ERK1/2 d2抗体を検出緩衝液で20倍に希釈した。
5)細胞溶解物(16μL)の上清を計量し、新たな384白色マイクロウェルプレートの各ウェルに加え、次いでphospho-ERK1/2 Euクリプテート抗体の希釈溶液(2μL)およびphospho-ERK1/2 d2抗体(2μL)の希釈溶液を加えた。この混合物を室温で少なくとも4時間インキュベートした。
6)インキュベーション完了後、HTRFを複数標識分析装置(励起波長: 320nm、蛍光波長: 615nm、665nm)で読み取った。
7)アッセイを行った化合物のIC50を計算した。
3.アッセイ結果
結果を表4に示す。
Figure 2024504831000202
アッセイの結論: 本開示の化合物は、GP2D細胞においてp-ERKに対する優れた抑制効果を有する。
アッセイ実施例4: PANC0403細胞におけるp-ERK阻害アッセイ
1.アッセイで使用する物:
PANC0403細胞(Nanjing Kebai)、RPMI-1640培地(Biological Industries)、ウシ胎児血清(Biosera)、およびAdvanced phospho-ERK1/2(THR202/TYR204)キット(Cisbio)。
Advanced phospho-ERK1/2(THR202/TYR204)キットの組成物を表5に示す。
Figure 2024504831000203
2.アッセイ方法
1)PANC0403細胞を透明な96ウェル細胞培養プレートに播種した。各ウェルには細胞懸濁液(80μL)および10000個のPANC0403細胞が含まれる。この細胞プレートを二酸化炭素インキュベーター中、37℃で終夜インキュベートした。
2)アッセイを行う化合物を100%DMSOで初濃度の2mMに希釈し、次いでピペットで5倍段階希釈し、8つの濃度(2mM~25.6nM)とした。化合物(2μL)を計量し、飢餓培地(78μL)に加えた。混合物を完全に混合後、化合物の溶液(20μL)を計量し、細胞プレートの対応するウェルに加えた。細胞プレートを二酸化炭素インキュベーターに戻し、さらに3時間インキュベートした。このとき、化合物の濃度は10μM~0.128nMであり、DMSOの濃度は0.5%であった。
3)インキュベーション完了後、細胞の上清を除去した。細胞溶解物(50μL)を各ウェルに加え、この混合物を振とうさせながら室温で30分間インキュベートした。
4)phospho-ERK1/2 Euクリプテート抗体およびphospho-ERK1/2 d2抗体を検出緩衝液で20倍に希釈した。
5)細胞溶解物の上清(16μL)を計量し、新たな384白色マイクロウェルプレートの各ウェルに加え、次いでphospho-ERK1/2 Euクリプテート抗体の希釈溶液(2μL)およびphospho-ERK1/2 d2抗体の希釈溶液(2μL)を加えた。この混合物を室温で終夜インキュベートした。
6)インキュベーション完了後、HTRFを複数標識分析装置(励起波長: 320nm、蛍光波長: 615nm、665nm)で読み取った。
3.データ分析
式:(サンプル-最小)/(最大-最小)*100%を用いて生データを阻害率に変換し、4次元パラメーターのカーブフィッティング(GraphPad Prismにおける「log(阻害剤)vs応答--勾配変化」モード)によりIC50値を得た。
最大ウェル: ポジティブコントロールのウェルの読み取り値は1倍の溶解物の値である。
最小ウェル: ネガティブコントロールのウェルの読み取り値は0.5%DMSO細胞ウェル中の細胞溶解物の値である。
4.アッセイ結果
結果を表6に示す。
Figure 2024504831000204
アッセイの結論: 本開示の化合物は、PANC0403細胞においてp-ERKに対する優れた抑制効果を有する。
アッセイ実施例5: 腫瘍細胞株AsPC-1およびGP2Dにおける化合物の抗細胞増殖効果
試験の目的
本アッセイでは、腫瘍細胞株AsPC-1およびGP2Dにおけるインビトロでの細胞活性に対する化合物の効果を検出することで、化合物の細胞増殖阻害効果を試験した。
アッセイに使用するもの
Figure 2024504831000205
Ultra Low Cluster-96ウェルプレート(Corning-7007)
CELLSTAR 96ウェルプレート(Greiner-#655090)
CellTiter-Glo 3D発光細胞生存率アッセイキット(Promega-G9683)
2104-10 EnVisionプレートリーダー(PerkinElmer)
RPMI 1640、DMEM、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)、FBS(ウシ胎児血清)、抗真菌性抗生物質、L-グルタミン、DMSO(ジメチルスルホキシド)
アッセイの方法およびステップ
細胞培地
培養法に示される培養条件に従って、腫瘍細胞株を37℃の5%CO2インキュベーターで培養した。細胞を定期的に継代し、対数増殖期の細胞をプレーティングに用いた。
細胞プレーティング
細胞をトリパンブルーで染色し、生存している細胞をカウントした。
細胞濃度を適当な濃度に調整した。
Figure 2024504831000206
ULA培養プレートの各ウェルに細胞懸濁液(135μL)を加え、ブランクのコントロールウェルに細胞を含まない同体積の培養培地加えた。
プレーティング後、ULA培養プレートを直ちに室温で10分間遠心分離(1000rpm)した。(注意: 遠心分離完了後に続く操作は、不要な衝撃を与えないようにするため、慎重に行われなければならない。)
培養プレートをインキュベーター(37℃、5%CO2、相対湿度100%)で終夜インキュベートした。
10倍の化合物の使用溶液の調製および化合物での細胞処理(1日目)
10倍の化合物の使用溶液(10倍使用溶液/DMSO)を調整し、次いでこの使用溶液をULA培養プレートに15μL加え、ビークルのコントロールおよびブランクのコントロールにはDMSOと細胞培養培地の混合溶液を、それぞれ15μL加えた。
96ウェル細胞プレートをインキュベーターに戻し、120時間インキュベートした。
細胞の三次元的なコロニー形成をアッセイ終了まで毎日観測した。
CellTiter-Glo発光細胞生存率アッセイ(5日目)
以下のステップをCellTiter-Glo 3D発光細胞生存率アッセイキット(Promega #G9683)の説明書に従って行った。
150μL(各ウェルの細胞培養培地と同体積)のCellTiter-Glo 3D試薬を各ウェルに加え、細胞プレートをアルミホイルで包み、遮光した。
培養プレートを振とう器で5分間振とうした。
次のステップに進む前に、細胞の球状コロニーを確実に十分分離させるために、ウェル中の混合物を慎重に10回ピペッティングして完全に混合した。
ULAプレート中の溶液を次いで黒色透明底培養プレート(#655090)に移し、室温で25分間放置して発光シグナルを安定させた。
発光シグナルを2104 EnVisionプレートリーダーで検出した。
データ分析
以下の式: IR(%)=(1-(化合物のRLU-ブランクのコントロールのRLU)/(ビークルのコントロールのRLU-ブランクのコントロールのRLU))*100%を用いてアッセイ化合物の阻害率(IR)を計算した。化合物の異なる濃度の阻害率をExcelで計算し、次いでGraphPad Prism softwareを用いて阻害曲線を描き、最小阻害率、最大阻害率、およびIC50を含む、関係するパラメーターを計算した。
アッセイ結果
結果を表9に示す。
Figure 2024504831000207
アッセイの結論: 本開示の化合物はKRASG12D細胞変異に対する抑制効果を有する。
アッセイ実施例6: 血漿タンパク質結合(PPB)アッセイ
目的
CD-1マウス、Sprague-Dawleyラット、ビーグル犬、カニクイザルおよびヒトの血漿における化合物のタンパク質結合率を平衡透析法により決定した。
アッセイの方法
上述の5つの種の血漿を化合物(濃度2μM)と共に血漿サンプルとして調整した。血漿サンプルを96ウェル型迅速平衡透析用デバイスに加え、リン酸緩衝生理食塩水を透析液として37±1℃で4時間透析した。このアッセイにおいて、ワルファリンをコントロール化合物として用いた。血漿中および透析緩衝液中の測定物質濃度をLC-MS/MSにより決定した。
アッセイ結果
アッセイ濃度(2μM)での化合物1の塩酸塩の非結合型分率(%)を以下の表10に示す。
Figure 2024504831000208
透析デバイス中の化合物1の回復率(%)は82.4~109.5であり、このアッセイに必要とされる回復率および安定性を満たしていた。
アッセイ結果
本開示の化合物は、上述の5つの種の血漿において、アッセイ濃度(2μM)での優れた遊離濃度を示す。
アッセイ実施例7: CD-1マウスにおける、経口投与および静脈内投与のアッセイ化合物の薬物動態試験
目的
CD-1マウスにおいて経口投与および静脈内投与した化合物の薬物動態を評価するために行う。
アッセイのステップ
アッセイ化合物を5%DMSO+95%(10%HP-β-CD)水溶液で混合した。この混合物をボルテックスし、ソニケーションを行って、0.5mg/mL(静脈内投与用)の透明溶液または3mg/mL(経口投与用)の透明溶液を調製した。これらの溶液は使用に際し、微多孔膜で濾過した。7~10週齢のオスのSDマウスを選択し、候補化合物の溶液を約2mg/kgの投与量で静脈内投与し、候補化合物の溶液を約30mg/kgの投与量で経口投与した。一定の時間全血を回収し、調整して血漿を得た。薬物濃度をLC-MS/MS方法により分析し、Phoenix WinNonlin software(Pharsight, USA)により薬物動態パラメーターを計算した。
アッセイ結果
結果を表11および12に示す。
Figure 2024504831000209
アッセイの結論:本開示の化合物は優れた経口バイオアベイラビリティを有する。
アッセイ実施例8: インビボでの薬理学的アッセイ
アッセイの方法
Balb/cヌードマウスの、ヒト結腸がんGP2D細胞の皮下異種移植腫瘍モデルを確立した。マトリゲルを加え、体積比率を1:1とした0.2mL(2×106)のGP2D細胞を、各マウスの右側背部皮下に移植した。平均腫瘍体積が149mm3に達したとき、各群の6匹のマウスに群ごとに投与を開始した。アッセイの日に、各群に対応する薬物を投与した。第1群(G1)はネガティブコントロール群とし、5%DMSO+95%(10%HP-β-CD)のみを強制経口投与により投与した。第2群(G2)~第4群(G4)には化合物1の塩酸塩を投与した。投与量および投与方法を表13に示す。
Figure 2024504831000210
注意: POは経口投与、QDは1日1回、BIDは1日1回を意味する。
アッセイ中、動物の体重および腫瘍の大きさを週に2回測定した。また、動物の臨床症状を毎日観察し、記録した。各投与に際し、動物の直近の体重を参照した。
腫瘍の長さ(a)および幅(b)をデジタルノギスで測定した。腫瘍体積(TV)の計算式は、TV=a×b2/2である。
アッセイ結果
化合物1の塩酸塩は、マウスにおけるヒト結腸がんGP2Dの異種移植腫瘍に対して優れた抑制効果を有する。投与の20日後、20日目の第2群(G2、3mg/kg、PO、BID)の腫瘍増殖抑制率(TGI(%))は19.4%であり、20日目の第3群(G3、10mg/kg、PO、BID)および第4群(G4、30mg/kg、PO、BID)の腫瘍増殖抑制率(TGI(%))は、それぞれ53.9%および83.7%であった。詳細な結果を表14に示す。
Figure 2024504831000211
注意: N/Aは、該当無しを意味する。
アッセイの結論:本開示の化合物は、インビボでの効力の態様において、GP2D細胞株における優れた腫瘍抑制効果を示し、明らかな用量依存性が見られる。
ステップ1: 中間体1-1の製造
化合物A2(80mg、105.02μmol)および化合物1-1A(26.75mg、126.03μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(40.72mg、315.07μmol、54.88μL)を加えた。この溶液を100℃に加熱し、1時間撹拌した。得られた混合物を冷却し、有機溶媒を減圧除去した。得られた粗製生成物を分取薄層クロマトグラフィー(展開溶媒: 石油エーテル:酢酸エチル=2:1)で精製し、化合物1-1を得た。MS m/z =824.3 [M+H] +
ステップ7: 中間体9-12の製造
化合物9-11(260mg、310.28μmol)を20℃でジクロロメタン(2mL)に溶解し、m-クロロ過安息香酸(125.98mg、620.55μmol、85%含有)を加え、同温度で15時間撹拌した。有機溶媒を減圧除去し、得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤: 酢酸エチル/石油エーテル=0~25%)で精製して、化合物9-12を得た。MS m/z=870.3[M+H]+
実施例12
Figure 2024504831000274
注意: POは経口投与、QDは1日1回、BIDは1日2回を意味する。

Claims (15)

  1. 式(III)
    Figure 2024504831000212
    [式中、部分構造
    Figure 2024504831000213
    は、
    Figure 2024504831000214
    からなる群から選択され;
    Figure 2024504831000215
    は、単結合および二重結合から選択され;
    T1は、CR7R8、NR9およびOから選択され;
    T2は、CHおよびNから選択され;
    L1は、-CH2-および結合から選択され;
    R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立してHおよびC1-3アルキルから選択され、ここでC1-3アルキルは1、2または3個のRaで適宜置換されていてもよく;
    R6は、C6-10アリールおよび5~10員ヘテロアリールから選択され、ここでC6-10アリールおよび5~10員ヘテロアリールは1、2、3、4または5個のRbで適宜置換されていてもよく;
    R7およびR8は、それぞれ独立してH、CH3およびNH2から選択され;
    R9は、HおよびCH3から選択され;
    R10は、4~8員ヘテロシクロアルキルおよび
    Figure 2024504831000216
    から選択され、ここで4~8員ヘテロシクロアルキルおよび
    Figure 2024504831000217
    は1、2または3個のRcで適宜置換されていてもよく;
    R11およびR12は、それぞれ独立してH、C1-3アルキルおよびC3-5シクロアルキルから選択され、ここでC1-3アルキルおよびC3-5シクロアルキルは1、2または3個のハロゲンで適宜置換されていてもよく;
    部分構造
    Figure 2024504831000218
    は、5~6員ヘテロシクロアルケニルであり;
    部分構造
    Figure 2024504831000219
    は、C3-5シクロアルキルであり;
    部分構造
    Figure 2024504831000220
    は、4~5員ヘテロシクロアルキルであり;
    mは、0、1および2から選択され;
    nは、0、1および2から選択され;
    pは、0、1および2から選択され;
    qは、1、2および3から選択され;
    rは、1および2から選択され;
    sは、1、2および3から選択され;
    Raは、それぞれF、Cl、BrおよびIから独立して選択され;
    Rbは、それぞれF、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C2-3アルキニル、C2-3アルケニル、-C(=O)C1-3アルキルおよびC3-5シクロアルキルから独立して選択され、ここでC1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C2-3アルキニル、C2-3アルケニル、-C(=O)C1-3アルキルおよびC3-5シクロアルキルは1、2、3、4または5個のRで適宜置換されていてもよく;
    Rcは、それぞれH、F、Cl、Br、I、OH、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシおよび-C1-3アルキル-O-C(=O)-C1-3アルキルアミノから独立して選択され;
    Rは、それぞれF、Cl、BrおよびIから独立して選択される]
    で表される化合物またはその医薬的に許容される塩。
  2. 式中、R1、R2、R3、R4およびR5が、それぞれ独立してH、CH3、CH2CH3およびCH(CH3)2から選択され、ここでCH3、CH2CH3およびCH(CH3)2は、1、2または3個のRaで適宜置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  3. 式中、R1、R2、R3、R4およびR5が、それぞれ独立してHおよびCH3から選択される、請求項1または2に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  4. 式中、部分構造
    Figure 2024504831000221
    が、
    Figure 2024504831000222
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  5. 式中、Rbが、それぞれF、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、CH3、CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、-CH=CH2、-CH2-CH=CH2、-C≡CH、-C(=O)CH3およびシクロプロピルから独立して選択され、ここでCH3、CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、-CH=CH2、-CH2-CH=CH2、-C≡CH、-C(=O)CH3およびシクロプロピルは、1、2、3、4または5個のRで適宜置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  6. 式中、Rbが、それぞれF、Cl、Br、I、OH、NH2、CN、CH3、CF3、CH2CH3、CF2CF3、-CH=CH2、-C≡CH、-C(=O)CH3およびシクロプロピルから独立して選択される、請求項5に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  7. 式中、R6が、フェニル、ピリジル、ナフチル、インドリルおよびインダゾリルから選択され、ここでフェニル、ピリジル、ナフチル、インドリルおよびインダゾリルは1、2、3、4または5個のRbで適宜置換されていてもよい、請求項1、5および6のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  8. 式中、R6が、
    Figure 2024504831000223
    からなる群から選択される、請求項7に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  9. 式中、Rcが、それぞれH、F、Cl、Br、OH、CN、CH3、CH2CH3、CH2CF3、OCH3、OCF3および
    Figure 2024504831000224
    から独立して選択される、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  10. 式中、R10が、テトラヒドロピロリル、ヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルおよび1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニルから選択され、ここでテトラヒドロピロリル、ヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルおよび1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニルは1、2または3個のRcで適宜置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  11. 式中、R10が、
    Figure 2024504831000225
    から選択される、請求項1、9および10のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  12. 式中、R11およびR12が、それぞれ独立してHおよびCH3から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  13. 以下の式
    Figure 2024504831000226
    Figure 2024504831000227
    Figure 2024504831000228
    Figure 2024504831000229
    Figure 2024504831000230
    Figure 2024504831000231
    Figure 2024504831000232
    Figure 2024504831000233
    Figure 2024504831000234
    Figure 2024504831000235
    Figure 2024504831000236
    Figure 2024504831000237
    Figure 2024504831000238
    Figure 2024504831000239
    Figure 2024504831000240
    で表される化合物またはその医薬的に許容される塩。
  14. 化合物が、
    Figure 2024504831000241
    Figure 2024504831000242
    Figure 2024504831000243
    Figure 2024504831000244
    Figure 2024504831000245
    Figure 2024504831000246
    Figure 2024504831000247
    Figure 2024504831000248
    Figure 2024504831000249
    Figure 2024504831000250
    Figure 2024504831000251
    Figure 2024504831000252
    Figure 2024504831000253
    Figure 2024504831000254
    Figure 2024504831000255
    Figure 2024504831000256
    Figure 2024504831000257
    Figure 2024504831000258
    Figure 2024504831000259
    Figure 2024504831000260
    Figure 2024504831000261
    Figure 2024504831000262
    Figure 2024504831000263
    Figure 2024504831000264
    Figure 2024504831000265
    Figure 2024504831000266
    Figure 2024504831000267
    Figure 2024504831000268
    Figure 2024504831000269
    Figure 2024504831000270
    Figure 2024504831000271
    Figure 2024504831000272
    から選択される、請求項13に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  15. KRASG12D変異に関する疾患を治療するための医薬における製造における、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩の使用。
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