JP2024504447A - 化合物の結晶形、その製造方法及び使用 - Google Patents

化合物の結晶形、その製造方法及び使用 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は化合物の結晶形、その製造方法及び使用を得ることにある。【解決手段】本発明は化合物の結晶形Aを開示する。その化合物は、S-(-)-2,3-メチレンジオキシ-5,8,13,13a-テトラヒドロ-10,11-ジメトキシ-6H-ジベンゾ[a,g]キナジンであり、その結晶形Aの粉末X線回折パターンは、以下の群から選択される3つ以上の2θ値を含む:12.21±0.2°、13.381±0.2°、15.181±0.2°、16.171±0.2°、17.101±0.2°、19.801±0.2°、21.511±0.2°、24.391±0.2°、25.321±0.2°。本発明の化合物の結晶形Aは、水と溶媒を含有せず、高い安定性と低い吸湿性を有し、医薬品に適している。【選択図】図2

Description

本発明は医薬品化学の分野に関し、具体的には化合物の結晶形、その製造方法及び使用に関する。
特許文献1では、S-(-)-2,3-メチレンジオキシ-5,8,13,13a-テトラヒドロ-10,11-ジメトキシ-6H-ジベンゾ[a,g]キナジンα1A-AR拮抗剤の製造方法が開示されている。
前立腺肥大は中高年の男性によく見られる生理的疾病で、世界の50歳以上の男性の半数以上が前立腺病変に苦しめられており、高齢者の泌尿器系における主な病気の一つになっている。現在では幾つかの5α-還元酵素阻害薬やα1アドレナリン受容体(α1-AR)拮抗剤が前立腺肥大の治療に用いられているが、これらの医薬品には薬効や安全性面において解決が待たれる幾らかの問題があり、性機能障害や体位性低血圧などの副作用によってこれらの医薬品の治療効果の発揮が大きく制限されていた。従って、より安全で有効な新型医薬品の開発は、BPH患者の臨床における投薬要件を満たすうえで重要な意義を持っている。
医薬品の様々な結晶形は、体内における溶出、吸収に影響を及ぼし、それによって医薬品の臨床治療効果や安全性にある程度影響を与える可能性があり、特に難溶性の経口固形又は半固形製剤では、結晶形の影響がさらに大きくなる。
従って、安定性が高く、吸湿性が低く、加工しやすい化合物の結晶形を開発する必要があった。
国際公開第2018/041112号
本発明は、安定性が高く、吸湿性が低く、加工しやすい式1の化合物の結晶形を提供することを目的とする。
本発明は、式1の化合物の結晶形Aを提供する。
結晶形Aの粉末X線回折パターンは、以下の群:
12.21±0.2°、13.381±0.2°、15.181±0.2°、16.171±0.2°、17.101±0.2°、19.801±0.2°、21.511±0.2°、24.391±0.2°、25.321±0.2°から選択される3つ以上の2θ値を含む。
さらに、結晶形Aの粉末X線回折パターンは、以下の群:
12.21±0.2°、13.381±0.2°、15.181±0.2°、16.171±0.2°、17.101±0.2°、19.801±0.2°、21.511±0.2°、24.391±0.2°、25.321±0.2°から選択される2θ値を含む。
さらに、結晶形Aの粉末X線回折パターンは、以下の群:
12.21±0.1°、13.381±0.1°、15.181±0.1°、16.171±0.1°、17.101±0.1°、19.801±0.1°、21.511±0.1°、24.391±0.1°、25.321±0.1°から選択される3つ以上の2θ値を含む。
さらに、前述の2θ値のピーク位置に対応する相対強度は以下の通りである。
さらに、結晶形Aは、以下の群:7.2ű0.2Å、6.6ű0.2Å、5.8ű0.2Å、5.5ű0.2Å、5.2ű0.2Å、4.5ű0.2Å、4.1ű0.2Å、3.6ű0.2Å、3.5ű0.2Åから選択される3つ以上の格子面間隔d値が有する特性ピークを含む。
さらに、結晶形Aは、基本的に図2に示すXRPDパターンを有するか、又は、結晶形Aの粉末X線回折パターンは、基本的に表1に示す通りである。2θ値における特性ピークの各ピークの2θ値は、選択的に±0.2°の誤差幅を有し、好適には±0.1°の誤差幅を有する。
さらに、結晶形Aは、以下の群:
1)結晶形AのTGA図に式1の化合物の分解前における重量損失がないこと、
2)結晶形AのDSC図が172±5℃(又は±3℃、又は±1℃)のピーク値(peak)に特性吸収ピークを有すること、
3)結晶形Aの相対湿度0~95%における吸湿重量増加が≦1%であり、好適には0.4%±0.3%であること、から選択される1つ以上の特徴を有する。
別の好ましい例において、結晶形AのIR図は、以下の波長λで表される3つ以上の特性吸収ピークを含む:3599±2cm-1、3001±2cm-1、2934±2cm-1、2835±2cm-1、2789±2cm-1、1611±2cm-1、1520±2cm-1、1485±2cm-1、1452±2cm-1、1348±2cm-1、1248±2cm-1、1217±2cm-1、1107±2cm-1、1030±2cm-1、995±2cm-1、926±2cm-1、856±2cm-1。好適には、各特性吸収ピークには±1cm-1の誤差幅が存在する。
さらに、結晶形Aは、以下の群:
1)結晶形Aは、基本的に図3に示すTGA図を有すること、
2)結晶形Aは、基本的に図4に示すDSC図を有すること、
3)結晶形Aは、基本的に図5に示すDVS図を有すること、
4)結晶形Aは、基本的に図6に示すIR図を有すること、から選択される1つ以上の特徴を有する。
本発明はさらに結晶組成物を提供し、結晶組成物は上述のいずれかの結晶形Aを含む。
別の好ましい例において、結晶組成物の総重量による計算では、結晶形Aの重量含有率は60~99.999%であり、好適には80~99.999%、より好適には90~99.999%である。
別の好ましい例において、結晶組成物はさらに、非結晶形Aの式1の化合物結晶又は非晶質の式1の化合物を含む。
本発明はさらに上述の結晶形Aの製造方法を提供し、その方法は、
式1の化合物を不活性溶媒中に懸濁し、攪拌、濾過を行って結晶形Aを得るという工程を含む。
別の好ましい例において、不活性溶媒はイソプロパノール又はノルマルヘキサンから選択される。
別の好ましい例において、式1の化合物の不活性溶媒中における重量体積比は10~100mg/mLであり、好適には15~50mg/mL、より好適には20~40mg/mLである。
別の好ましい例において、攪拌は、以下の群から選択される1つ以上の特徴を有する。
(1)攪拌の時間は12~48hであり、好適には18~36hである。
(2)攪拌の温度は25±5℃である。
本発明はさらに上述のいずれかの結晶形A又は上述の結晶組成物の使用を提供し、それらは前立腺肥大症の予防及び/又は治療を行うための医薬品を製造するのに用いることができる。
本発明はさらに上述のいずれかの結晶形A又は上述の結晶組成物及び薬学的に許容される担体を含む医薬品を提供する。
別の好ましい例において、担体は以下の群から選択される:充填剤、崩壊剤、潤滑剤、又はそれらの組み合わせ。
別の好ましい例において、充填剤は以下の群から選択される:アルファ化でんぷん、乳糖、微結晶セルロース、デキストリン、マンニトール、酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、又はそれらの組み合わせ。
別の好ましい例において、崩壊剤は以下の群から選択される:カルボキシメチルセルロース及びその塩、クロスカルメロース及びその塩、クロスポビドン、グリコール酸デンプンナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、又はそれらの組み合わせ。
別の好ましい例において、潤滑剤は以下の群から選択される:ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、又はそれらの組み合わせ。
なお、本発明の範囲内において、本発明の上述の各技術的特徴と以下(実施例など)で具体的に説明する各技術的特徴同士は互いに組み合わせることで新たな又は好適な技術案を構成し得ることを理解されたい。紙幅の都合上、ここでは一つ一つ論じることはしない。
実施例1の結晶形Aの偏光顕微鏡写真である。 実施例1の結晶形Aの粉末X線回折(XRPD)パターンである。 実施例1の結晶形Aの熱重量分析(TGA)図である。 実施例1の結晶形Aの示差走査熱量測定(DSC)図である。 実施例1の結晶形Aの動的水蒸気吸着(DVS)図である。 実施例1の結晶形Aの赤外吸収(IR)スペクトルである。 対比例1の結晶形Bの粉末X線回折(XRPD)パターンである。 対比例2の結晶形Cの粉末X線回折(XRPD)パターンである。 対比例3の結晶形Dの粉末X線回折(XRPD)パターンである。
本発明者は、広範且つ高度な研究、数多くのスクリーニングや試験を経て、式1の化合物の結晶形Aを提供するに至った。結晶形Aは水と溶媒を含有せず、高い安定性と低い吸湿性を有し、加工しやすく、医薬品に適している。本発明はこれを基にして完成された。
用語
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語の意味は、本発明が属する分野の当業者が一般的に理解する意味と同じである。
本明細書で使用される「約」という用語は、具体的に列挙される数値において使用される場合、その値は列挙する値からの変動が1%以下であることを意味する。例えば、本明細書が使用する「約100」という表現は、99と101の間の全ての値(例えば、99.1、99.2、99.3、99.4など)を含む。
本明細書で使用される「含有」又は「含む(包含する)」という用語は、開放式、半閉鎖式及び閉鎖式であり得る。言い換えると、その用語は「基本的に~により構成される」、又は「~により構成される」も含む。
本明細書で使用される「式1の化合物」、「S-(-)-2,3-メチレンジオキシ-5,8,13,13a-テトラヒドロ-10,11-ジメトキシ-6H-ジベンゾ[a,g]キナジン」という用語は置換可能に使用される。
本明細書で使用される「n個以上」という用語は、n及びnより大きい任意の正の整数(n、n+1、・・・など。)を含み、そのうち、上限Nupは当該群における全ての値の個数である。例えば、「1つ以上」は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、…上限Nupの各々の正の整数を含むだけでなく、「2つ以上」、「3つ以上」、「4つ以上」、「5つ以上」、「6つ以上」、「7つ以上」、「8つ以上」、「9つ以上」、「10個以上」、「11個以上」、「12個以上」、「13個以上」、「14個以上」、「15個以上」、などの範囲も含む。例えば、「3つ以上」は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、…上限Nupの各々の正の整数を含むだけでなく、「4つ以上」、「5つ以上」、「6つ以上」、「7つ以上」、「8つ以上」、「9つ以上」、「10個以上」、「11個以上」、「12個以上」、「13個以上」、「14個以上」、「15個以上」、などの範囲も含む。
本明細書で使用される「不活性溶媒」という用語は、本発明の式1の化合物と反応しない溶媒をいう。本発明の結晶形Aの製造方法において使用される溶媒はいずれも式1の化合物と反応しないのが好ましい。
特に説明がない限り、「室温」又は「常温」という用語は、温度が4~32℃であることを意味し、好適には25±5℃である。
結晶多形
固体は非晶質の形態か結晶の形態で存在する。結晶形態の場合、分子は三次元の結晶格子サイト内に配置されている。化合物が溶液又はスラリーから結晶化するとき、異なる空間格子配列で結晶化され(そうした性質は「結晶多形現象」と呼ばれる)、異なる結晶形態を有する結晶体を形成し得るが、この各種の結晶形態は「結晶多形」と呼ばれる。所与の物質の異なる結晶多形は、1つ以上の物理的属性(溶解度・溶解速度、真比重、結晶形態、堆積方式、流動性及び/又は固体状態の安定性)において互いに異なり得る。
本明細書で使用される「結晶形A」、「式1の化合物の結晶形A」、「本発明の結晶形A」、「S-(-)-2,3-メチレンジオキシ-5,8,13,13a-テトラヒドロ-10,11-ジメトキシ-6H-ジベンゾ[a,g]キナジンの結晶形A」という用語は置換可能に使用される。
結晶形A
本発明は、式1の化合物の結晶形Aを提供する。
結晶形Aの粉末X線回折パターンは、以下の群:
12.21±0.2°、13.381±0.2°、15.181±0.2°、16.171±0.2°、17.101±0.2°、19.801±0.2°、21.511±0.2°、24.391±0.2°、25.321±0.2°から選択される3つ以上の2θ値を含む。
さらに、結晶形Aの粉末X線回折パターンは、以下の群:
12.21±0.1°、13.381±0.1°、15.181±0.1°、16.171±0.1°、17.101±0.1°、19.801±0.1°、21.511±0.1°、24.391±0.1°、25.321±0.1°から選択される3つ以上の2θ値を含む。
さらに、前述の2θ値のピーク位置に対応する相対強度は以下の通りである。
さらに、結晶形Aは、以下の群:7.2ű0.2Å、6.6ű0.2Å、5.8ű0.2Å、5.5ű0.2Å、5.2ű0.2Å、4.5ű0.2Å、4.1ű0.2Å、3.6ű0.2Å、3.5ű0.2Åから選択される3つ以上の格子面間隔d値が有する特性ピークを含む。
さらに、結晶形Aは、基本的に図2に示すXRPDパターンを有するか、又は、結晶形Aの粉末X線回折パターンは、基本的に表1に示す通りである。2θ値における特性ピークの各ピークの2θ値は、選択的に±0.2°の誤差幅を有するか、又は好適には±0.1°の誤差幅を有する。
さらに、結晶形Aは、以下の群:
1)結晶形AのTGA図に式1の化合物の分解前における重量損失がないこと、
2)結晶形AのDSC図が172±5℃(又は±3℃、又は±1℃)のピーク値(peak)に特性吸収ピークを有すること、
3)結晶形Aの相対湿度0~95%における吸湿重量増加が≦1%であり、好適には0.4%±0.3%であること、から選択される1つ以上の特徴を有する。
別の好ましい例において、結晶形AのIR図は、以下の波長λで表される3つ以上の特性吸収ピークを含む:3599±2cm-1、3001±2cm-1、2934±2cm-1、2835±2cm-1、2789±2cm-1、1611±2cm-1、1520±2cm-1、1485±2cm-1、1452±2cm-1、1348±2cm-1、1248±2cm-1、1217±2cm-1、1107±2cm-1、1030±2cm-1、995±2cm-1、926±2cm-1、856±2cm-1。好適には、各特性吸収ピークには±1cm-1の誤差幅が存在する。
さらに、結晶形Aは、以下の群:
1)結晶形Aは、基本的に図3に示すTGA図を有すること、
2)結晶形Aは、基本的に図4に示すDSC図を有すること、
3)結晶形Aは、基本的に図5に示すDVS図を有すること、
4)結晶形Aは、基本的に図6に示すIR図を有すること、から選択される1つ以上の特徴を有する。
結晶組成物
本発明はさらに結晶組成物を提供し、結晶組成物は本発明の第1態様に記載の結晶形Aを含む。
別の好ましい例において、結晶組成物の総重量による計算では、結晶形Aの重量含有率は60~99.999%であり、好適には80~99.999%、より好適には90~99.999%である。
別の好ましい例において、結晶組成物はさらに、非結晶形Aの式1の化合物結晶又は非晶質の式1の化合物を含む。
結晶
溶液を操作し、目的化合物の溶解限度を超えるようにすることで、生産規模の結晶化を完了することができる。これは例えば、比較的高い温度下で化合物を溶解してから、溶液を飽和限界以下まで冷却するなど、様々な方法で完了することができる。或いは、沸騰、常圧蒸発、真空乾燥や他の幾つかの方法により液体の体積を減らしてもよい。溶解度の低い溶剤又はそのような溶剤を含む混合物に逆溶剤又は化合物を加えることで、対象化合物の溶解度を下げることができる。また、pH値を調整して溶解度を下げるという方法も選択可能である。
例えば、塩の形成と結晶化の同時発生を所望しており、反応媒体における塩の溶解度が原料よりも小さい場合には、適度な酸又はアルカリを加えることで所望の塩を直接結晶化させることができる。同様に、最終的な所望形態の溶解度が反応物よりも低い媒体では、合成反応の完了によって最終生成物を直接結晶化させることができる。
結晶化の最適化には、所望形態の結晶体を種結晶に使用して結晶媒体中に接種することを含み得る。また、多くの結晶方法では上述の方法の組み合わせが使用される。1つの実施例として、高温下で対象化合物を溶剤中に溶解してから、適当な体積の逆溶剤を制御された方法で加えることにより、系を飽和レベル以下にさせる。ここで、所望形態の種結晶を加えて(且つ種結晶の完全性を維持する)、系を冷却することにより結晶化を完了することができる。
結晶形Aの製造方法
本発明はさらに上述の結晶形Aの製造方法を提供し、その方法は、
式1の化合物を不活性溶媒中に懸濁し、攪拌、濾過を行って結晶形Aを得るという工程を含む。
別の好ましい例において、不活性溶媒はイソプロパノール又はノルマルヘキサンから選択される。
別の好ましい例において、式1の化合物の不活性溶媒中における重量体積比は10~100mg/mLであり、好適には15~50mg/mL、より好適には20~40mg/mLである。
別の好ましい例において、攪拌は、以下の群から選択される1つ以上の特徴を有する。
(1)攪拌の時間は12~48hであり、好適には18~36hである。
(2)攪拌の温度は25±5℃である。
好適には、上述の様々な製造方法の原料は、非晶質形態の式1の化合物である。
通常、上述の様々な製造方法で得る結晶形Aは、必要に応じ本分野において常套の方式で濾過、乾燥などの工程を行うことができる。
好適には、濾過は、遠心後の濾過、加圧濾過又は真空濾過から選択することができる(但し限定されない)。乾燥は、真空乾燥又は乾燥器による乾燥から選択することができる(但し限定されない)。
医薬組成物と使用
本発明の医薬組成物は、安全な有効量の式1の化合物の結晶形A及び薬学的に許容可能な担体を含む。
本発明における「活性成分」とは、本発明に記載の式1の化合物をいい、好適には、本発明の結晶形Aをいう。
通常、活性成分の総重量による計算では、結晶形Aの重量含有率は60~99.999%であり、好適には80~99.999%、より好適には90~99.999%である。
本発明の結晶形A、結晶組成物及び医薬組成物は、前立腺肥大症の予防及び/又は治療に用い得る。
ここで、「安全な有効量」とは、病状を顕著に改善するのに十分であるが、重篤な副作用の発生には至らない化合物の量をいう。通常、医薬組成物は、1~2000mgの本発明の結晶形A/剤を含有し、より好適には、10~500mgの本発明の化合物/剤を含有する。好適には、上述の「剤」は1つのカプセル又は錠剤である。
「薬学的に許容可能な担体」とは、1種類以上の適合性固体又は液体充填剤又はゲル物質をいい、それらは人への使用に適しており、且つ十分な純度と十分に低い毒性を有していなければならない。ここでいう「適合性」とは、組成物中の各成分が化合物の薬効を著しく低下させることなく本発明の化合物と、また成分同士と互いに混和し得ることをいう。薬学的に許容可能な担体の例の一部としては、セルロース及びその誘導体(例えばカルメロースナトリウム、エチルセルロースナトリウム、セルロース酢酸エステルなど)、ゼラチン、タルク、固体潤滑剤(ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムなど)、硫酸カルシウム、植物油(例えば大豆油、ごま油、ピーナッツオイル、オリーブオイルなど)、多価アルコール(例えばプロピレングリコール、グリセリン、マンニトール、ソルビトールなど)、乳化剤(TWEEN(登録商標)など)、湿潤剤(ドデシル硫酸ナトリウムなど)、着色剤、調味剤、安定剤、酸化防止剤、防腐剤、パイロジェンフリー水などがある。
本発明の化合物又は医薬組成物の使用方法に特別な制限はなく、代表的な使用方法には、経口、経直腸投与、非経口投与(静脈内投与、筋肉内投与又は皮下投与)、及び局所投与を含む(但し限定されない)。
本発明の結晶形Aの治療における有効量の一般的な範囲は、約1~2000mg/日、約10~1000mg/日、約10~500mg/日、約10~250mg/日、約10~100mg/日、又は約10~50mg/日である。治療の有効量は1つ又は複数の用量で投与される。しかしながら、何らかの特定の患者に対する本発明の化合物の特定の用量は、治療対象となる患者の年齢、性別、体重、一般的な健康状態、飲食、個体反応、投与期間、治療対象の病気の重篤度、使用する具体的な化合物の活性、剤形、使用方式及び併用薬など、様々な要素に依存することを理解されたい。所与の状況における治療の有効量は常套の試験を用いて測定することができ、臨床医又は医師の能力と判断の範囲内にある。いかなる状況においても、上述の化合物又は組成物は、患者の個体状況に基づき複数の用量で投与され且つ治療の有効用量を送達可能な方式で投与される。
本発明の主な利点は以下を含む。
(1)本発明の式1の化合物の結晶形Aは、水と溶媒を含有せず、高い安定性と低い吸湿性を有し、医薬品に非常に適している。
(2)本発明の式1の化合物の結晶形Aは、個包装などの医薬品製造過程において、舞い上がりにくく、収集しやすく、無駄が生じにくいうえに、操作者の身体の健康保護に資する。
(3)本発明の式1の化合物の結晶形Aは、製造方法が簡便であり、大規模な工業化生産に適している。
以下、具体的な実施例と合わせて本発明をさらに詳述する。なお、それらの実施例は本発明を説明するためのものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。下記の実施例において具体的な条件が明記されていない試験方法については、通常、常套の条件に従うか又は製造業者が推奨する条件に従った。別途に説明がない限り、百分比及び部数は重量に基づき計算した。
検査方法
X線回折(X-ray Diffraction,XRD)は、結晶体によって形成されるX線の回析を利用して、物質に対し内部の原子の空間分布状況における構造解析を行う方法である。一定の波長を有するX線を結晶性物質に照射したとき、X線が結晶内で規則的に並んだ原子又はイオンにぶつかることで散乱が生じ、散乱したX線は特定の方向で位相が増強され、これにより結晶構造に対応した特有の回析現象が示される。
本発明中、XRDの試験パラメータは以下の通りである。機器モデル:Bruker D8advance、ターゲット:Cu-Kα(40kV、40mA)、試料から検査器までの距離:30cm、走査範囲:3°~40°(2 theta値)、走査ステップサイズ:0.1s。
熱重量分析法(Thermo Gravimetric Analysis,TGA)は、プログラムにより温度制御された条件において、物質の温度に伴う質量変化を測定する分析技術の1つである。熱重量分析法は、試料の熱変化により生じる熱量を取得することができ、結晶形物質中の結晶溶媒又は結晶水分子の損失や試料の昇華、分解の過程及び値を検査するのに適しており、物質が結晶溶媒又は結晶水分子を含有するか否かを効果的に判断することもできる。
本発明中、TGAの試験パラメータは以下の通りである。機器モデル:Netzsch TG 209F3、温度範囲:30~400℃、走査速度:10K/min、パージガス:25mL/min、シールドガス:15mL/min。
示差走査熱量測定(Differential Scanning calorimetry,DSC)は、昇温又は降温のプログラム制御を採用し、試料と不活性基準物質(α-Alがよく使用される)との間のエンタルピー差の温度に伴う変化を測定する技術である。DSC検査は、試料の溶融分解状態、混晶物質状態、結晶転移状態などの分析に適している。
本発明中、DSCの試験パラメータは以下の通りである。機器モデル:Perkin Elmer DSC 8500、窒素ガス流速:20mL/min、温度範囲:50~200℃、走査速度:10℃/min。
赤外分光測定(Infra-red Spectrometry,IR)は、最も古くから結晶形物質の識別や同定に用いられてきた分析方法である。結晶形が異なる分子の共有結合は電気的環境が異なるため、共有結合の強度も変化する可能性があり、共有結合の強度の変化は必然的に結晶形が異なるIRスペクトルに違いを生じさせる。
本発明中、IRの試験パラメータは以下の通りである。機器モデル:Nicolet 6700型フーリエ変換赤外分光分析器、シングルポイントATR方法、分解能4.0cm-1
動的水蒸気吸着(DVS)試験/吸湿性試験は、設定した相対湿度(RH)の流動するキャリアガスによって生じる試料の水分の増減を素早く測定し、試料を浮遊状態の高感度・高安定性のマイクロ電子天秤に置いてから、材料の質量の増加/減少を測定することによって水蒸気の吸着/脱着を検査し、これにより試料の吸湿性を確定するものである。
本発明中、DVSの試験パラメータは以下の通りである。機器モデル:SMS DVS Intrinsic、0~95%RH、温度:25℃。
偏光顕微鏡
本発明中、偏光顕微鏡の機器モデルはXPV-400Eである。
実施例1
S-(-)-2,3-メチレンジオキシ-5,8,13,13a-テトラヒドロ-10,11-ジメトキシ-6H-ジベンゾ[a,g]キナジン結晶体の結晶形Aを調製した。
15mgのS-(-)-2,3-メチレンジオキシ-5,8,13,13a-テトラヒドロ-10,11-ジメトキシ-6H-ジベンゾ[a,g]キナジンを1mLのイソプロパノールに溶解し、25℃条件下の室温で攪拌し、少なくとも24時間平衡化させた。濾過し、得られた固体物を真空乾燥器に置き、真空乾燥してS-(-)-2,3-メチレンジオキシ-5,8,13,13a-テトラヒドロ-10,11-ジメトキシ-6H-ジベンゾ[a,g]キナジン結晶形Aの結晶体を得た。
実施例1で調製して得た結晶体の結晶形Aを偏光顕微鏡イメージング、XRPD、TGA、DSC、DVS、IR及びRamanなどでテストした。特性評価の結果は図1~図7に示す通りである。
図1は結晶形Aの偏光顕微鏡写真である。図1から、結晶形Aは塊状結晶体であることが分かる。
図2は結晶形AのXRPDパターンである(ピーク表は表1の通り)。
図3は結晶形AのTGA図である。図3から、結晶形Aに化合物の分解前における重量損失がないことが分かり、結晶形Aは水又は他の溶媒を含有しないことを示している。
図4は結晶形Aの示差走査熱量測定(DSC)図である。図4から、結晶形Aに対応するDSCはonesetが約170.3℃、溶融ピーク値温度が172.5℃を示していることが分かる。
図5は結晶形Aの動的水蒸気吸着(DVS)図である。図5から、結晶形Aが相対湿度0~95%の範囲内にあり、吸湿性の変化が約0.6%と小さく、重量変化が小さいことが分かり、これは、結晶形Aが低吸湿性を有することを示している。
図6は結晶形Aの赤外吸収(IR)スペクトルである。図6から、結晶形Aは、3599±2cm-1、3001±2cm-1、2934±2cm-1、2835±2cm-1、2789±2cm-1、1611±2cm-1、1520±2cm-1、1485±2cm-1、1452±2cm-1、1348±2cm-1、1248±2cm-1、1217±2cm-1、1107±2cm-1、1030±2cm-1、995±2cm-1、926±2cm-1、856±2cm-1において特性吸収ピークを有することが分かる。
実施例2
S-(-)-2,3-メチレンジオキシ-5,8,13,13a-テトラヒドロ-10,11-ジメトキシ-6H-ジベンゾ[a,g]キナジン結晶体の結晶形Aを調製した。
215mgのS-(-)-2,3-メチレンジオキシ-5,8,13,13a-テトラヒドロ-10,11-ジメトキシ-6H-ジベンゾ[a,g]キナジンを1mLのノルマルヘキサンに溶解し、25℃条件下の室温で攪拌し、少なくとも24時間平衡化させた。濾過し、得られた固体物を真空乾燥器に置き、真空乾燥してS-(-)-2,3-メチレンジオキシ-5,8,13,13a-テトラヒドロ-10,11-ジメトキシ-6H-ジベンゾ[a,g]キナジン結晶形Aの結晶体を得た。
得られた生成物のXRPD結果は基本的に実施例1と同様であった。
対比例1
S-(-)-2,3-メチレンジオキシ-5,8,13,13a-テトラヒドロ-10,11-ジメトキシ-6H-ジベンゾ[a,g]キナジン結晶体の結晶形Bを調製した。
15mgのS-(-)-2,3-メチレンジオキシ-5,8,13,13a-テトラヒドロ-10,11-ジメトキシ-6H-ジベンゾ[a,g]キナジンを1mLのメタノールに溶解し、25℃条件下の室温で攪拌し、少なくとも24時間平衡化させた。濾過し、得られた固体物を真空乾燥器に置き、真空乾燥して結晶形Bを得た。
得られた生成物のXRPD結果は図7に示す通りである。
対比例2
S-(-)-2,3-メチレンジオキシ-5,8,13,13a-テトラヒドロ-10,11-ジメトキシ-6H-ジベンゾ[a,g]キナジン結晶体の結晶形Cを調製した。
3mgのS-(-)-2,3-メチレンジオキシ-5,8,13,13a-テトラヒドロ-10,11-ジメトキシ-6H-ジベンゾ[a,g]キナジンを200μLのエタノール及び100μLのノルマルヘキサンに溶解し、混合して溶解し、25℃でゆっくりと揮発させて乾燥し、結晶形Cを得た。
得られた生成物のXRPD結果は図8に示す通りである。
対比例3
S-(-)-2,3-メチレンジオキシ-5,8,13,13a-テトラヒドロ-10,11-ジメトキシ-6H-ジベンゾ[a,g]キナジン結晶体の結晶形Dを調製した。
3mgのS-(-)-2,3-メチレンジオキシ-5,8,13,13a-テトラヒドロ-10,11-ジメトキシ-6H-ジベンゾ[a,g]キナジンを200μLのイソプロパノール及び600μLのクロロホルムに溶解し、混合して溶解し、25℃でゆっくりと揮発させて乾燥し、結晶形Dを得た。
得られた生成物のXRPD結果は図9に示す通りである。
結晶形間の変換実験
Form A、Form B、Form C、Form Dの4種類の結晶形で相互変換実験を行った。実験条件及び結果は以下の通りである。
各試料を5mg取り、25℃条件下で1mlの溶媒と攪拌した。実験条件及び結果は以下の通りである。
この結晶形変換の結果から、Form Aが最も安定した結晶形であることが分かる。
吸湿性の観測
動的水蒸気吸着測定装置(DVS)を使用し、25℃の温度下で、相対湿度0~95%における試料の水分に対する吸着・脱着状況を観測して、異なる結晶形の吸湿性を確定した。実験結果は以下の通りである。
医薬組成物の調製及び安定性の研究
2、調製工程
(1)処方に従いポリビニルピロリドンK30を秤取し、80%エタノールに溶解して結合剤を調製して得た。
(2)原料薬(結晶形A/B/C/D)を医薬品添加物のサッカロース/ラクトース/クロスポビドン(CL-M)と均一に混合し、結合剤を加えてソフトマテリアルを作製した。
(3)20メッシュで造粒した。
(4)50℃で乾燥し、水分は2.0%未満にコントロールした。
(5)20メッシュで整粒し、80メッシュで微粒を除去した。
(6)顆粒を収集した。
(7)一次包装を施した。
3、安定性の研究データ
上述の工程に従い、試料A、試料B、試料C、試料Dの4ロットのパイロットスケール試料を調製した。『中国薬典』2015年版二部付録XIXCの原料薬と薬物製剤の安定性試験ガイドラインに従い、上記4ロットの試料に対して加速安定性試験と観測を行った。
加速安定性試験の条件:上述の試料をそれぞれポリエステル/アルミニウム/ポリエチレン薬品包装用複合フィルムで包装し、温度40℃、相対湿度75%の条件下で6ヵ月放置し、試験期間の第0、1、3、6ヵ月目に1回ずつサンプリングを行い、安定性観測項目に基づき検査した。
結果は、結晶形Aから調製された顆粒剤の安定性は他の結晶形から調製された顆粒剤よりも優れており、溶出度も他の結晶形から調製された顆粒剤と比べて顕著に高いこと、また結晶形Aは顆粒剤関連物質の変化が他の結晶形よりもはるかに小さいことを示している。
このように、本発明に記載の結晶形Aは水又は溶媒を含有せず、柱状結晶体であり、良好な物理的安定性を有しており、且つ結晶形Aは相対湿度0~95%において低い吸湿性を有しており、医薬品に加工するのに非常に適していることが分かる。また、本発明の結晶形Aは、個包装などの医薬品製造過程において、舞い上がりにくく、収集しやすく、無駄が生じにくいうえに、操作者の身体の健康保護に資する。
本発明が言及するすべての文献は、各文献が参考として単独で引用されるのと同様に、本出願中に参考として引用されている。なお、本発明の上述の説明内容を読んだ後に、当業者は本発明に対し様々な変更または修正を行うことができ、それらの等価形態は同様に本出願に添付される特許請求の範囲が限定する範囲に属することを理解されたい。

Claims (10)

  1. 式1の化合物の結晶形Aであって、
    前記結晶形Aの粉末X線回折パターンは、以下の群:
    12.21±0.2°、13.381±0.2°、15.181±0.2°、16.171±0.2°、17.101±0.2°、19.801±0.2°、21.511±0.2°、24.391±0.2°、25.321±0.2°から選択される3つ以上の2θ値を含むことを特徴とする式1の化合物の結晶形A。
  2. 前記結晶形Aの粉末X線回折パターンは、
    12.21±0.2°、13.381±0.2°、15.181±0.2°、16.171±0.2°、17.101±0.2°、19.801±0.2°、21.511±0.2°、24.391±0.2°、25.321±0.2°の群から選択される2θ値を含むことを特徴とする請求項1に記載の結晶形A。
  3. 前記2θ値のピーク位置に対応する相対強度は
  4. 前記結晶形Aは、以下の群:7.2ű0.2Å、6.6ű0.2Å、5.8ű0.2Å、5.5ű0.2Å、5.2ű0.2Å、4.5ű0.2Å、4.1ű0.2Å、3.6ű0.2Å、3.5ű0.2Åから選択される3つ以上の格子面間隔d値が有する特性ピークを含むことを特徴とする請求項1に記載の結晶形A。
  5. 前記結晶形Aは、基本的に図2に示すXRPDパターンを有することを特徴とする請求項1に記載の結晶形A。
  6. 前記結晶形Aは、以下の群:
    1)前記結晶形AのTGA図に式1の化合物の分解前における重量損失がないこと、
    2)前記結晶形AのDSC図が172±5℃のピーク値に特性吸収ピークを有すること、
    3)前記結晶形Aの相対湿度0~95%における吸湿重量増加が≦1%であり、好適には0.4%±0.3%であること、から選択される1つ以上の特徴を有することを特徴とする請求項1に記載の結晶形A。
  7. 前記結晶形Aは、以下の群:
    1)前記結晶形Aは、基本的に図3に示すTGA図を有すること、
    2)前記結晶形Aは、基本的に図4に示すDSC図を有すること、
    3)前記結晶形Aは、基本的に図5に示すDVS図を有すること、
    4)前記結晶形Aは、基本的に図6に示すIR図を有すること、から選択される1つ以上の特徴を有することを特徴とする請求項1に記載の結晶形A。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の結晶形Aを含む、結晶組成物。
  9. 請求項1~7のいずれか1項に記載の結晶形Aの製造方法であって、前記方法は、
    式1の化合物を不活性溶媒中に懸濁し、攪拌、濾過を行って前記結晶形Aを得るという工程を含み、
    そのうち、前記不活性溶媒はイソプロパノール又はノルマルヘキサンから選択されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の結晶形Aの製造方法。
  10. 前立腺肥大症の予防及び/又は治療を行うための医薬品を製造するのに用いることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の結晶形A又は請求項8に記載の結晶組成物の使用。
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