JP2024500187A - 非経口カンナビノイド配合物およびその使用 - Google Patents

非経口カンナビノイド配合物およびその使用 Download PDF

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Abstract

本明細書で提供されるのは、少なくとも1種のカンナビノイド、典型的にはカンナビノールを含む非毒性非経口医薬配合物である。カンナビノイドは、植物供給源から、または合成により調製され得る。そのような配合物を調製するための方法、およびそのような配合物を使用するための方法もまた、開示される。そのような使用の方法は、周術期疼痛の処置のための本発明の配合物の静脈内投与を含むが、これに限定されない。本発明の配合物は、急性および慢性疼痛管理のためのオピオイドの、置換、または投薬量低減のためのアジュバントの可能性を提供し得る。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月21日出願の表題「PARENTERAL CANNABINOID FORMULATIONS AND USES THEREOF」の米国特許仮出願第63/128,447号に関し、その優先権を主張しており、この特許仮出願は、全体として参照により本明細書に組み入れられる。
背景
世界的なオピオイドクライシスは、例えば世界保健機関、米国疾患管理センターおよび米国保健福祉省などの、よく知られた健康機関からの統計値を用いてメディアおよび科学文献で報告されるとおり周知である。文献およびこれらの機関は、オピオイドの最初の使用が、依存につながる自主的使用を含む、様々な理由および供給源で起こることを報告するが、合法の医学的理由がしばしば、最初のオピオイド使用の根拠および正当化である。長期依存につながり得る、医学的に正当化されたオピオイド使用の最初のステップはしばしば、周術期および/または術後疼痛のために非経口投与されるオピオイドの使用による。したがって医薬的、健康的、社会的および医療的団体は、周術期および/または術後疼痛管理を含む、周術期疼痛管理の代わりの効果的で安全な処置を、概ねうまくいかずに、調査している。
本発明は、他の投薬適応の中で、特に、周術期疼痛の、処置のための1種または複数のカンナビノイドを含有する特定の非毒性非経口配合物を提供する。
カンナビノイド非経口配合物は、科学文献および特許文献に一般に記載されていない。一般に、科学論文の多くは、長期安全性および/または安定性への配慮なしに、実験動物中への直接注射用に設計されたカンナビノイド配合物を記載する。ある研究は単に、「動物性脂肪」に可溶化された、(-)-トランスΔ-テトラヒドロカンナビノールを含むまたは含まない、カンナビノイドであるカンナビジオール(CBD)を配合することを示した。
より医学的に洗練された非経口投与カンナビノイド配合物が、米国特許出願公開第2019/0314296号に記載され、これはまた、この特許公報の2017年6月17日の出願日に先立って開発された非経口カンナビノイド配合物のより詳細なレビューも含む。この中で教示されおよび主張される医薬配合物は、特定の重要な要素:
i)カンナビノイドと;
ii)等張剤と;
iii)界面活性剤と;
iv)少なくとも1種の抗酸化剤、
を含む。
等張剤は、
ポリエチレングリコール、グリセロール、生理食塩水およびグルコースからなる群として定義され、かつ100~500mOsMol/Kg、より好ましくは200~400mOsMol/Kg、より好ましくはさらに285~310mOsMol/Kgの範囲で、最も好ましくは約300mOsMol/Kgの重量オスモル濃度を提供する量で用いられる。最も好ましくは等張剤は、グリセロールであり、かつ5~50mg/ml、より好ましくは10~30mg/ml、最も好ましくは20mg/mlの量で存在する。
この米国特許出願公開は、例えば、7.0のpHを有する塩化ナトリウム(生理食塩水)、デキストロース(5%)および乳酸リンゲル液などの記載された配合物中での使用のための他の潜在的等張剤を記載する。
非経口医薬溶液中でしばしば用いられるが、等張剤は、問題を含み得、実際に、患者に対し、特に患者がまた維持IV輸液を投与されるならば、有毒であり得ることが、製薬技術分野では周知である。例えば、IV輸液としてのグルコースおよびデキストロースの使用は、国によって異なる。デキストロースを含有するIV輸液の投与の効果を悪化させる可能性がある、非経口薬中の追加のデキストロースなしに、
周術期環境での1つの無作為化試験は、デキストロースを含有するIV輸液を受けた患者の72%が一過性の高血糖を発症し、一方でデキストロースなしの患者は正常血糖のままであったことを示した。高血糖は急性神経傷害後の転帰の増悪と関連するため、デキストロースは、特にこの状況では、回避される必要があり得る。Hoorn, E. J. Intravenous Fluids: balancing Solutions. J Nephrol., 2020, January 28: 33(2): 387。
加えて、生理食塩水(塩化ナトリウム)の使用は、高クロール性代謝性アシドーシスを誘発することが示され、血液凝固を損なう場合がある。米国特許出公開第2019/0314296号で教示された配合物中で等張剤として用いられる生理食塩水の添加が、患者、特にこの特許出願公開で教示される配合物の標的患者集団である新生児に対し有毒であるかどうかは、未知である。しかし、新生児がIV輸液も受けていた場合、生理食塩水で誘発される毒性の確率は、実質的に上昇すると思われる。
そのため、非経口配合物中で、特に非経口カンナビノイド医薬配合物中での等張剤の利用は、特にIV溶液が共投与される場合に、そのような配合物を有毒にする、または少なくとも薬物的に問題にする場合がある。そのような共投与は、IVが周術期疼痛への投薬に加えて必要とされる場合珍しくない。
加えて、参照された米国特許出願公開は、バッファを含有しない。緩徐な輸液を介して投与される場合、投与される薬剤のpHが変動する可能性があり、おそらく約4.0のpHで、患者は、部位刺激および更なる疼痛に見舞われる可能性がある。緩衝されたカンナビノイド医薬配合物は、患者にとってより許容できるであろう。
さらに、緩衝されたカンナビノイド非経口配合物は、他の流体および/または非経口処置薬が、投与されていて、かつ本発明の組成物の投与、特に輸液により影響を受け得る場合に特に、担当医に既知の溶液を提供する。
したがって本発明は、数ある使用の中でも特に、周術期疼痛の処置のために用いられる非毒性で医薬的に許容できる安定な非経口カンナビノイド配合物を提供する。
概要
本発明の一態様は、
i.少なくとも1種のカンナビノイドと;
ii.少なくとも1種の界面活性剤と;
iii.少なくとも1種の抗酸化剤と;
iv.少なくとも1種のキレート化剤と;
v.場合により、低張性緩衝剤および高張性緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種の緩衝剤、
を含む、非毒性非経口医薬配合物を提供する。
本発明の別の態様は、
i.少なくとも1種のカンナビノイドと;
ii.少なくとも1種の界面活性剤と;
iii.少なくとも1種の抗酸化剤と;
iv.少なくとも1種のキレート化剤と;
v.場合により、低張性緩衝剤および高張性緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種の緩衝剤、
を含む、非毒性非経口医薬配合物を提供し、
但し、等張剤が配合物に添加されないことを条件とする。
本発明の要素または構成要素のそれぞれは、医薬的に許容できる。
追加的態様は、カンナビノイドが少なくとも1種の植物由来カンナビノイドおよび合成カンナビノイドからなる群から選択される、上記の配合物を提供する。
さらなる態様は、0.3%以下の(-)-トランスΔ-テトラヒドロカンナビノールを含有する上記の配合物を提供する。
別の態様は、(-)-トランスΔ-テトラヒドロカンナビノールを欠く上記の配合物を提供する。
追加的態様は、「THC」としても知られる、テトラヒドロカンナビノールの任意の形態を欠く上記の配合物を提供する。
さらなる態様は、冷蔵せずに少なくとも12か月の貯蔵寿命を有する上記の配合物を提供する。
追加的態様は、最終的に滅菌され得る本発明の配合物である。
別の態様は、
i.第一の容器に、少なくとも1種の界面活性剤を、少なくとも1種の抗酸化剤および少なくとも1種のカンナビノイドと混和すること;
ii.第二の容器に、少なくとも1種の同一または異なる第二の抗酸化剤と少なくとも1種のキレート化剤を混和すること;および
iii.第一のおよび第二の容器の内容物を混和すること;ならびに
iv.場合により、低張性緩衝剤および高張性緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種の緩衝剤を添加すること、
を含む、本発明の配合物を調製する方法を提供する。
別の態様は、
i.第一の容器に、少なくとも1種の界面活性剤を、少なくとも1種の抗酸化剤および少なくとも1種のカンナビノイドと混和すること;
ii.第二の容器に、少なくとも1種の同じまたは異なる第二の抗酸化剤と少なくとも1種のキレート化剤を混和すること;および
iii.第一のおよび第二の容器の内容物を混和すること;ならびに
iv.場合により、低張性緩衝剤および高張性緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種の緩衝剤を添加すること、
を含む、本発明の配合物を調製する方法を提供し、
但し、等張剤が配合物に添加されないことを条件とする。
追加的態様は、カンナビノイドが植物由来カンナビノイドおよび合成カンナビノイドからなる群から選択される、上記の方法を提供する。
さらなる態様は、配合物が0.3%以下の(-)-トランスΔ-テトラヒドロカンナビノールを含有する、上記の方法を提供する。
別の態様は、配合物が(-)-トランスΔ-テトラヒドロカンナビノールを欠く、上記の方法を提供する。
追加的態様は、配合物が「THC」としても知られるテトラヒドロカンナビノールの任意の形態を欠く、上記の方法を提供する。
さらなる態様は、本発明の組成物の非経口投与、典型的には静脈内投与を含む、処置を必要とする哺乳動物を処置する方法を提供する。多くの場合、処置される哺乳動物は、ヒトである。
より特別には、本発明はまた、本発明の配合物の非経口投与、典型的には静脈内投与を含む、周術期疼痛、術後疼痛およびそれらの組み合わせからなる群から選択される疼痛の処置を必要とする哺乳動物を処置する方法を提供する。
本開示の態様は、様々な改良および代替的形態を受け易いが、その具体的実施形態が、本明細書に詳細に記載される。しかし、詳細な記載は、例示される個々の形態に本開示を限定するものではなく、反対に本発明は、添付の特許請求の範囲により定義された本開示の主旨および範囲に該当する全ての改良、均等物および代替例を網羅することが、理解されなければならない。本明細書で用いられる見出しは、組織的目的で用いられるに過ぎず、本明細書の範囲を限定する意図はない。本出願全体で用いられる言語「であってよい」は、許可の意味で用いられ、「でなければならない」という必須の意味ではなくむしろ「可能性を有すること」を意味する。同様に、言語「含む(include)」、「含んでいる」および「含む(includes)」は、限定することなく含むことを意味する。加えて本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、内容がさもなければ明らかに規定しない限り、単一および複数の対象を含む。
本開示の範囲は、本明細書で取り組まれるあらゆる問題を軽減するか否かにかかわらず、本明細書に開示される(明確にまたは暗黙にのいずれかで)任意の特色もしくは特色の組合せ、またはそれらの任意の概念を含む。したがって新しい特許請求の範囲は、本出願(またはそれへの優先権を主張する出願)のプロセキューションの間に、特色の任意のそのような組み合わせに作成されてもよい。特に、添付の特許請求の範囲に関しては、従属クレームからの特色が、独立クレームの特色と組み合わされてよく、各独立クレームからの特色が、任意の適正な手法で、そして単に添付の特許請求の範囲で列挙された具体的組合わせを用いずに、組み合わされてよい。
詳細な記載
定義
用語「原薬」は、薬物製品の製造で用いられることを意図される物質または物質の混合物を意味し、薬物の製造において用いられる場合、薬物製品中の有効成分になる。
本明細書で用いられる用語「急性疼痛」は、突然始まり、通例は短時間(数日、数時間、数分)で減衰し、かつ身体への傷害および/または手術に続いて起こる場合があり、その身体傷害/術創が治癒すると概ね消失するする、疼痛を意味する。
用語「抗酸化剤」は、医薬配合技術分野で典型的に用いられる意味を有する。例示的な抗酸化剤は、本明細書にさらに記載される。
用語「緩衝剤」は、別の酸または塩基の添加後に選択された値に近い溶液の酸性度(pH)を維持するために用いられる弱酸または塩基、典型的には本明細書で用いられる塩基を意味する。即ち、緩衝剤の機能は、酸または塩基が溶液に添加された時のpHの急速な変化を防ぐことである。例示的な緩衝剤は、本明細書にさらに記載される。
用語「カンナビノイド」は、例えば非限定的に、カンナビクロメン(CBC)、カンナビクロメン酸(CBCV)、カンナビジオール(CBD)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロールプロピルバリアント(CBGV)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビノール(CBN)、カンナビノールプロピルバリアント(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)およびテトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、ならびにフィトカンナビノイドのそれぞれを含む大麻の他の活性構成要素を含む、密接に関連した化合物の群のいずれかを意味する。追加の生物活性構成要素としては、例えば非限定的に、カンナビジオール-C1(CBD-C1);カンナビジオール-C4(CBD-C4);およびカンナビジオール-C6(CBD-C6)が挙げられる。および非限定的に、7-ヒドロキシCBDなどの生物活性代謝産物。そのような化合物および構成要素は、大麻に由来し得るか、または合成により調製され得る。
用語「キレート化剤」は、薬物配合技術分野で典型的に用いられる意味を有する。例示的なキレート化剤は、本明細書にさらに記載される。
用語「慢性疼痛」は、正常な治癒時間を過ぎて持続し、生理学的侵害受容の急性警告機能を欠く、疼痛を意味する。通常、疼痛は、それが3~6か月より長く持続する場合、または再発した場合に慢性と見なされる。
用語「投与剤形」は、本発明の医薬的配合溶液を充填された1種または複数のバイアル、アンプル、シリンジ、輸液バッグ、または他の医薬的に許容できるコンテナを指す。
用語「周術期疼痛」は、外科処理の前、外科処置の間、および/または外科処置の後の疼痛を指す。
用語「周術期疼痛管理」は、患者が手術後に退院する前に術後疼痛を低減または排除することを意図した、外科処置の前、外科処置の間、および/または外科処置の後の措置を指す。
用語「医薬的に許容できる」は、概ね安全で非毒性でありかつ生物学的または他の意味で不適切でない、医薬組成物または配合物を調製することにおいて有用であることを意味し、かつヒトの医薬使用および獣医学的使用のために許容できるものを包含する。
用語「界面活性剤」は、薬物配合技術分野で典型的に用いられる意味を有する。本明細書で用いられる界面活性剤という用語は典型的には、1種または複数の界面活性剤、典型的には非イオン性界面活性剤の使用を指す。例示的な界面活性剤は、本明細書にさらに記載される。
用語「最終的に滅菌される」は、例えば非限定的に、本発明の配合物が、哺乳動物、典型的にはヒトへの投与のためのそのような配合物を分配するために用いられるコンテナに配置された時点での、滅菌の物理的方法を意味する。そのような方法としては、例えば、乾式加熱、蒸気、放射線およびプラズマが挙げられ、蒸気が典型的に用いられる。
用語「THC」は、テトラヒドロカンナビノールと称される化合物を指し、例えば、THCA、THCV、Delta-8 THC、およびDelta-9 THCを含み得る。
用語「処置」またはその派生語は、本発明の組成物が防護的に投与されるか、または適応症、特に疼痛の発病後に本発明のそのような医薬配合物が投与される場合の、標的適応症の部分的または完全な阻害、多くは疼痛の処置を企図する。
説明
以下の記載および実施例は、本開示の実施形態を実証するために含まれる。本明細書の実施例に開示される医薬配合物、技術および方法は開示される実施形態の実践において機能することが、当業者に認識されなければならない。しかし各技術分野の当業者は、本開示に照らして、変更が、開示された実施形態の主旨および範囲を逸脱することなく具体的実施形態に施されてよく、かつ同様の、または類似の結果を依然として得られることを、認識しなければならない。
本明細書は、「1つの態様/実施形態」または「ある態様/実施形態」の参照を含む。これらの語句は、必ずしも同じ実施形態を指さないが、本明細書に開示される特色または要素の任意の組合せを含む実施形態が、本明細書で明白に否認されない限り、概ね企図される。特別な医薬配合物、特色、工程、要素または特徴が、本開示と一致する任意の適切な様式で組み合わされてもよい。
先に参照された通り、安定で非毒性の非経口投与されるカンナビジオール配合物の配合に関しては、ほとんど知られていない。そのため、本発明は、
i.少なくとも1種のカンナビノイドと;
ii.少なくとも1種の界面活性剤と;
iii.少なくとも1種の抗酸化剤と;
iv.少なくとも1種のキレート化剤と;
v.場合により、低張性緩衝剤および高張性緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種の緩衝剤、
を含む、非毒性の非経口医薬配合物を提供する。
本発明はまた、
i.少なくとも1種のカンナビノイドと;
ii.少なくとも1種の界面活性剤と;
iii.少なくとも1種の抗酸化剤と;
iv.少なくとも1種のキレート化剤と;
v.場合により、低張性緩衝剤および高張性緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種の緩衝剤、
を含む、非毒性の非経口医薬配合物を提供し、
但し、そのような配合物が等張剤を含まないことを条件とする。
明確にするために、本発明の要素または構成要素のそれぞれは、医薬的に許容できる。さらに明確にするために、少なくとも1種の抗酸化剤が、本明細書の以後にさらに記載されるとおり、本発明の配合物の調製の間に2回用いられる。実際には、同じまたは異なる抗酸化剤が、用いられ得る。したがって本発明の追加的態様は、
i.少なくとも1種のカンナビノイドと;
ii.少なくとも1種の界面活性剤と;
iii.少なくとも2種の異なる抗酸化剤と;
iv.少なくとも1種のキレート化剤と;
v.場合により、低張性緩衝剤および高張性緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種の緩衝剤、
を含む、非毒性の非経口医薬配合物を提供する。
本発明はさらに、
i.少なくとも1種のカンナビノイドと;
ii.少なくとも1種の界面活性剤と;
iii.少なくとも2種の異なる抗酸化剤と;
iv.少なくとも1種のキレート化剤と;
v.場合により、低張性緩衝剤および高張性緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種の緩衝剤、
を含む、非毒性の非経口医薬配合物を提供し、
但し、そのような配合物が等張剤を含まないことを条件とする。
原薬として、少なくとも1種のカンナビノイドは、例えば非限定的に、カンナビクロメン(CBC)、カンナビクロメン酸(CBCV)、カンナビジオール(CBD)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロールプロピルバリアント(CBGV)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビノール(CBN)、カンナビノールプロピルバリアント(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)およびテトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、ならびに例えばフィトカンナビノイドのそれぞれを含む大麻の他の活性構成要素からなる群から選択され得る。追加の生物活性構成要素としては、例えば非限定的に、カンナビジオール-C1(CBD-C1);カンナビジオール-C4(CBD-C4);およびカンナビジオール-C6(CBD-C6)が挙げられる。および非限定的に7-ヒドロキシCBDなどの生物活性代謝産物。そのような化合物および構成要素は、合成により調製された、半合成により調製された大麻から、またはそのようなカンナビノイドの1種もしくは複数の代謝産物として、誘導され得る。
本発明の配合物において、最も一般的に用いられるカンナビノイドは、カンナビジオール(CBD)であり、好ましくは、任意の他のカンナビノイドを含まない。植物由来のCBDは、本発明の配合物中での使用に許容できるが、純粋な、またはほぼ純粋な植物由来CBDの原薬(「API」)を生成するための精製方法は今でも、改良の過程にある。そのため、合成により調製されたCDBもまた、本発明の配合物中での使用に許容できる。
植物由来のカンナビノイド、特にCBDは、簡単なインターネット検索を通して容易に識別可能である、米国のおよび国際的な種々の供給業者から入手できる。
合成的に調製されたカンナビジオールは、特殊化学製品であり、限定された製造業者から入手できる。例えば、カンナビジオールAPIは、Purisys LLC (米国ジョージア州アセンズ)から入手でき、本明細書に記載された配合物中で用いられる。そのようなカンナビジオールは、例えば非限定的に、米国特許第10,059,683号(Noramco, Inc.,米国デラウェア州ウィルミントン、譲受人)およびW02020/051371号(Noramco, Inc.,出願者)で説明された教示に従い合成的に調製され得る。典型的には、本発明の配合物中で用いられるCBDは、鏡像異性的に純粋な(-)-トランスCBD形態である。
さらに、本発明の配合物中で用いられるカンナビジオールは、0.3%以下の(-)-トランスΔ-テトラヒドロカンナビノールを含有し、可能ならば、(-)-トランスΔ-テトラヒドロカンナビノールを欠いてよい。加えて、本発明の配合物中で用いられるカンナビジオールは典型的には、0.3%以下の任意の形態のTHCを含有し、可能ならば、全ての形態のTHCを欠いてよい。より具体的には、本発明の配合物中で用いられるAPIは、0.3%以下、0.2%以下、0.1%以下、0.05%以下、0.01%以下、またはそれらの任意の一部を含有する。
本発明の配合物中で用いられる全カンナビノイド、特にカンナビジオールの濃度は、例えば非限定的に、最終配合物溶液ミリリットルあたり少なくとも0.5mgのAPIを含む範囲で変動し得る。より特別にはそのような濃度は、約0.5~約50mg/mL、より具体的には最終溶液の約5mg/mL、約10mg/mL、約20mg/mL、約30mg/mL、約40mg/mL、および約50mg/mL、または述べられた範囲内の任意の一部もしくは全数字の範囲である。
本発明の配合物の追加的要素は、少なくとも1種の医薬的に許容できる界面活性剤、典型的には非イオン界面活性剤の追加である。例示的な非イオン界面活性剤としては、例えば非限定的に、例えばSigma-Aldrich/MilliporeSigma(米国ミズーリ州セントルイス)を含む多数の供給業者から入手できるポリソルベート80(Tween80)とも呼ばれるオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン;主として12-ヒドロキシステアリン酸のモノエステルとジエステルとの混合物であるマクロゴール15ヒドロキシステアラートおよび12-ヒドロキシステアリン酸のエトキシル化により得られるマクロゴールが挙げられる。12-ヒドロキシステアリン酸のモルあたりの反応したエチレンオキシドのモル数は、15である。これらの界面活性剤の所有権のある型としては、Solutol HS15(MedChemExpress、米国ニュージャージー州モンマスジャンクション)、Crodasol(商標)HS(Croda Inc.、米国ニュージャージー州ニューアーク)、およびKolliphor(登録商標)HS15(BASF、米国ニュージャージー州フローラムパーク); およびポリオキシエチレンの2つの親水性鎖が隣接したポリオキシプロピレンの中央疎水性鎖のトリブロックコポリマーであるポロキサマーが挙げられる。ポロキサマーは、当該技術分野で周知であり、「Pluronic」の名称で入手でき、インターネット検索を介して見出される種々の供給業者により容易に供給される。本発明の配合物では、Kolliphor HS15および/またはKolliphor ELP が、本発明の配合物中でしばしば用いられる。
界面活性剤濃度は、約50mg/mL~約500mg/mLの範囲で本発明の配合物中で用いられる。例えば、所望のカンナビノイド濃度が最終配合物溶液の約10mg/mLである場合、界面活性剤の濃度は、最終配合物溶液の約150mg/mLである。カンナビノイドの濃度が上昇すると、界面活性剤の濃度もまた上昇する。さらなる例として、所望のカンナビノイド濃度が最終配合物溶液の約50mg/mLである場合、界面活性剤の濃度は、最終配合物溶液の約250mg/mLである。当業者は、所望の少なくとも1種のカンナビノイド、典型的にはカンナビジオールの所望の濃度に基づいて本発明の配合物中で用いられる界面活性剤の濃度をさらに外挿できる。追加の例示は、以下の表1に示される。
より具体的であるために、本発明の配合物中の界面活性剤濃度は、約50mg/mL、約100mg/mL、約150mg/mL、約200mg/mL、約250mg/mL、約300mg/mL、約350mg/mL、約400mg/mL、約450mg/mL、約500mg/mL、または最終配合物溶液の述べられた範囲内の任意の全てもしくは一部の数字であり得る。
抗酸化剤は、本発明の配合物の安定性において重要な役割を果たす。本発明の配合物の調製の間、同じまたは異なる抗酸化剤が、本明細書の以下により詳細に記載されるとおり、2つの別の工程ステップに添加される。概して、工程は、その中へと少なくとも1種のカンナビノイドと少なくとも1種の界面活性剤と第一の少なくとも1種の抗酸化剤が混和される第一の容器と;その中へと少なくとも1種のキレート化剤と少なくとも1種の同じまたは異なる抗酸化剤が混和される第二の容器を含み、第一の容器および第二の容器からの材料の混和がそれに続いて、本明細書で最終配合物と称される最終配合物溶液を提供し、それでもそのような原材料または複数の原材料が本明細書での使用から制限されない限り、任意の原材料の追加が可能である。
第一の容器では、少なくとも1種の抗酸化剤が、少なくとも1種のカンナビノイドの分解を低減するまたは排除するために添加される。典型的には、このステップでの抗酸化剤なしに、カンナビジオールは、ヒドロキシキノン誘導体へと急速に分解し、配合物溶液を汚染し、そのような溶液配合物中の所望のカンナビジオール濃度を低減する可能性がある。配合物溶液に紫がかった色がないことが、ヒドロキシキノン分解産物の非存在についての簡単なテストである。
第二の容器に添加される同じまたは異なる1種または複数の抗酸化剤の使用はさらに、酸化分解から、一般には水性形態の、最終配合物溶液を安定化させる。
医薬的に許容できる抗酸化剤は、製薬技術分野の当業者に一般に知られており、例えば非限定的に、以下の分類の抗酸化剤を含む:例えばトコフェロール(ビタミンE)、セサモール、グアヤク樹脂、およびメチオニンを含む天然抗酸化剤;例えばBHA、BHT、第三級ブチルヒドロキノンを含む合成抗酸化剤;例えばクエン酸、酒石酸、リン酸、アスコルビン酸(および以下に挙げられるそれらの前駆体)、ピロ亜硫酸ナトリウムおよびチオール誘導体を含む水溶性抗酸化剤;ならびに例えばBHAおよびBHTを含む脂溶性抗酸化剤。
本発明の医薬配合物を調製する目的で、用いられる抗酸化剤は典型的には、水溶性抗酸化剤からなる群から選択される。より具体的には、パルミチン酸アスコルビルの形態で用いられ、アスコルビル酸が存在する組成物に応じて一部または全体をアスコルビン酸に加水分解する、アスコルビン酸が、第一の容器で典型的に用いられる。第二の容器に添加される同じまたは異なる抗酸化剤は典型的には、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、クエン酸、またはそれらの組合せであり得るが、任意の適正な抗酸化剤が、第一または第二のどちらかの容器で用いられてよい。
少なくとも1種の医薬的に許容できる抗酸化剤の濃度は典型的には、合計で最終配合物溶液の約0.5mg/mL~最終配合物溶液の約10mg/mL、より典型的には最終配合物溶液の約1mg/mL~約5mg/mLを構成する。より具体的な抗酸化剤濃度は、約0.5mg/mL、約1.0mg/mL、約2.0mg/mL、約3.0mg/mL、約4.0mg/mL、約5.0mg/mL、約6.0mg/mL、約7.0mg/mL、約8.0mg/mL、約9.0mg/mL、約10.0mg/mL、または最終配合物溶液の述べられた範囲内の任意の全てもしくは一部の数字である。そのような濃度は、各容器中で同じまたは異なる抗酸化剤を用いて、2つの調製容器の間で、多くの場合各容器中で抗酸化剤の合計濃度の半量に、分割され得る。
少なくとも1種の医薬的に許容できるキレート化剤は、本発明のカンナビノイド配合物の追加的要素を表す。例示的なキレート化剤としては、例えば非限定的に、エデト酸(eideic acid)(Spectrum Chemical Manufacturing Corp.、米国ニュージャージー州ニューブランズウィック)、Versene(商標)NA(Dow Chemical Company、米国ミシガン州ミッドランド)およびEDTA(エチレンジアミン四酢酸;通例はEDTA二ナトリウムおよびカルシウムとして入手できる)および同様のものが挙げられる。EDTAは、簡単なインターネット検索を介して見出される種々の供給源から容易に入手できる。
本発明のカンナビノイド配合物中の少なくとも1種のキレート化剤の濃度は典型的には、最終配合物溶液の約0.1mg/mL~約5mg/mLの範囲で用いられる。より具体的なキレート化剤濃度は、約0.1mg/mL、0.5mg/mL、1.0mg/mL、2.0mg/mL、3.0mg/mL、4.0mg/mL、5.0mg/mL、または最終配合物溶液の述べられた範囲内の任意の全てもしくは一部の数字である。典型的には、本発明の配合物中で用いられるようなキレート化剤の濃度は、最終配合物溶液の約0.5mg/mL~約3.0mg/mLである。
語句「または述べられた範囲内の任意の全てまたは一部の数字」が、本明細書で用いられる場合、その語句は、本明細書で明確に述べられていない各具体的な全てまたは一部の数字を教示することを企図する。キレート化剤の典型的な投与量は、50mg/kg体重を超えてはならず、典型的には、3g/日を超えてはならない。これらのガイダンスは、本発明の配合物のキレート化剤要素からの毒性を回避するために本発明の配合物を配合する際に考慮される必要がある。
先に参照されたとおり、特に一定期間にわたり投与されるIV溶液の、注射部位は、注射部位刺激および疼痛を起こし得る。そのような刺激および疼痛の一般的な理由は、投与される溶液のpHである。加えて、本発明の静脈内(「IV」)投与配合物のpHは、他の投与される薬剤、特にIV投与される薬剤と干渉し得る。そのため、本発明の緩衝されたカンナビノイド配合物は、特に輸液として投与される場合、注射部位刺激および疼痛を低減でき、かつ本発明の配合物の既知の一定のpKaを担当医に提供できる。さらに、緩衝された溶液は、
3つの特性:それらを正常な血漿レベルにより近くさせる、より低いナトリウムおよび塩素の含有量;カリウムもしくは乳酸塩レベルなどの因子に影響を有し得る、または肝臓疾患において役割を担い得る、カリウム、カルシウムまたはマグネシウムなどの他のイオンの存在;および組織細胞により重炭酸塩に代謝され追加的緩衝効果を発揮し得る乳酸イオン、酢酸イオンおよびグルコン酸イオンなどの陰イオンの含有量、に関して等張生理食塩水と異なる。Cochrane Database Syst Rev. 2016 Jun;2016(6): CD012247。
本発明の配合物において、少なくとも1種の任意選択の低張または高張緩衝剤の添加についての懸念は、最終配合物溶液の標的とされる等張のオスモル濃度よりむしろ所定のポイントでの溶液pHの維持である。
したがって、本発明の配合物の任意選択の要素は、少なくとも1種の低張または高張緩衝剤である。そのような緩衝剤は、医薬配合物開発の技術分野において周知であり、かつ例えば非限定的に、高張または低張の(等張でない)量の少なくとも1種の緩衝剤、典型的にはクエン酸を含む。しかし、他の医薬的に許容できる緩衝剤が、公知であり、液体/水性医薬配合物中で用いられる。それらは、例えばクエン酸に加えて、重炭酸塩バッファ、カルボン酸バッファ、リン酸塩バッファ、両性イオンバッファ、TRISバッファおよび同様のものを包含する。
例示的なバッファおよびそれぞれのそのようなバッファについて提示される各pKa:
緩衝剤 pKa pH範囲
マレイン酸 1.9、6.2 2~3
酒石酸 2.9、4.2 2.5~4
乳酸 3.8 3~4.5
クエン酸 3.1、4.8、6.4 3~7
酢酸 4.75 4~6
重炭酸ナトリウム(範囲) 4.2~10.3 4~9
リン酸ナトリウム 2.2、7.2、12.4 8~8
本発明の配合物と共に用いられる際に、低張または高張(非等張)であるように調製される、そのようなバッファのそれぞれは、本発明の配合物を約4.5~約pH6.0、より典型的にはpH5.0~pH5.5の間のpHで安定化させるのに必要とされる量で用いられる。
例えばクエン酸の、非等張量は、特定量のクエン酸を水、典型的には脱イオン水に、または本発明の配合物などの水溶液に添加することにより調製される。例えば、クエン酸の低張または高張溶液は、種々の濃度で容易に調製され得る。本発明の配合物を緩衝するために用いられる量は、バッファの強度および所望の最終的な緩衝されたpHにより決定されるであろう。他のバッファは、同様に調製され、かつ当業者に周知である。
本発明のさらなる態様は、
i.第一の容器に、少なくとも1種の界面活性剤を、少なくとも1種の抗酸化剤および少なくとも1種のカンナビノイドと混和すること;
ii.第二の容器に、少なくとも1種の同じまたは異なる第二の抗酸化剤と、少なくとも1種のキレート化剤を混和すること;ならびに
iii.第一のおよび第二の容器の内容物を混和すること;ならびに
iv.場合により、低張性緩衝剤および高張性緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種の緩衝剤を添加すること、
を含む、本発明の配合物を調製する方法を提供する。
かつ、
i.第一の容器に、少なくとも1種の界面活性剤を、少なくとも1種の抗酸化剤および少なくとも1種のカンナビノイドと混和すること;
ii.第二の容器に、少なくとも1種の同一または異なる第二の抗酸化剤と、少なくとも1種のキレート化剤を混和すること;ならびに
iii.第一のおよび第二の容器の内容物を混和すること;ならびに
iv.場合により、低張性緩衝剤および高張性緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種の緩衝剤を添加すること、
を含み、
但し、等張剤が配合物に添加されないことを条件とする。
本発明の配合物をワンポット工程で調製することもまた可能であり得る。
以下のものは、i)カンナビノイド、特に合成により調製されたカンナビジオール、界面活性剤および抗酸化剤と;ii)抗酸化剤およびキレート化剤、の調製のために2つの容器を用い、その後2つの容器の溶液を混和する、本発明の配合物の非限定的で例示的な調製物である。
Figure 2024500187000001
1. Kolliphor HS15が、約40℃で加熱された(それが計量のために透明になり溶融されるようにした)
2.過剰な水は、注射のために約60℃の配合物に加熱された:
1.150mg/mL(15%w/v)のKolliphor HS15が、容器A中に分配され(約60℃で)、Kolliphor HS15の固化が起こらないことを確実にした。2mg/mL(0.2%w/v)のクエン酸が、添加され、溶解するまで撹拌された。
2.10mg/mLのCBDが、容器Aの中央に緩やかに添加され、容器の側面にCBDの塊ができないことを確実にし、CBDが溶解するまで撹拌された。
並行して
3.2.0mg/mL(0.02%w/w)のアスコルビン酸が、約60℃に予備加熱された容器Bに添加された。25%の最終容量の予備加熱された水、典型的には「注射用水」または「WFI」が、添加され、撹拌された。
4.容器Bに、1.0mg/mL(0.01%w/v)のEDTAカルシウム二ナトリウムが、添加され、完全に溶解するまで混合され、その後約60℃でオーブン中に(in the over)戻された。
容器Aが、CBD結晶が存在しない透明溶液を含有したら、
5.容器Bの内容物が、固化を防ぐために一定に撹拌しながら、緩やかな添加として容器Aに添加された。
6.容器Bが、約25%のさらなるWFIですすがれ、内容物が、容器Aに添加された。
7.水が、所定の容量になるように添加され(それぞれの要素の濃度に基づく)、泡および空気を導入しないように混合された。
8.混和された溶液が、約10分間撹拌され続け(約60℃で)、その後、周囲温度に放冷された。
得られた医薬配合物は、実施例1の冒頭に示された安定性試験で用いられた。
一般に、本発明の配合物は、以下の通り調製される:
調製物2:
・ 容器Aの調製物
HS15は、分配する際に透明で温かくなければならない。
容器Aは、約50℃~約70℃の工程条件に設定されなければならない。CBDの融点は、約65~約71℃である。CBD APIの粒子径は、溶解に影響を及ぼし、加熱条件のわずかな変動が、CBD APIの完全な溶解に必要とされ得る。
暖かいKolliphor HS15へのクエン酸の添加は、溶液がCBDの添加時に紫色に変わるのを予防するはずである。
CBDの過熱は分解を惹起し得るため、Kolliphor HS15中のCBDを過熱してはならない。
・ 容器Bの調製物
全ての賦形剤(EDTA、アスコルビン酸)は、水に容易に溶解する。
水相は、先に参照された温度で高温に保持され、それによりそれが容器Aに添加される時に、CBDを含有するKolliphor HS15の固化が起こらない。
工程全体は、先に示された温度範囲内で維持されなければならない。
アスコルビン酸の調製物は典型的には、作り置きされてはならない。
・ 相の混合
容器Aへの容器Bの内容物の添加は、緩やかに実行されなければならず、ミキサー速度は、配合物内の追加の泡を生成しないように調整されなければならない。
ミキサーまたはガラス棒を使用することは、あらゆるKolliphor HS15が容器の側部から離れて水和することを確実にし、かつ所望の濃度の各配合物要素を溶液中に溶かす。
溶液は、水が添加されたら、濁ることがあり;これは、形成されたミセルがより大きくなり高温では裸眼で見えるためである。
最終配合物溶液が最終容量にされたら、溶液は、濁りが薄まり、周囲温度に達すると典型的には完全に透明になる。そのため、水は、本発明の配合物の各要素について本明細書に示された濃度要件に適合するように、所望どおりまたは所定どおり配合物に添加される。
充填および仕上げ
生物負荷量の低減
約0.2ミクロンPVDFフィルタを用いる無菌濾過または当業者に知られる他の方法が、許容でき;チューブは、チューブへのCBD吸着を予防するために硬化された白金でなければならない。
典型的には、あらゆる泡は、本発明の配合物をバイアルまたは別の最終コンテナに充填する前に消散される。バイアルまたはそのような他のコンテナへの充填は、配合物の比重を利用して重量によって実行されなければならず、その後あらゆる溶解酸素を除去するために不活性ガスのスパージが続く。
上述のことは、種々の濃度の各要素を用いる本発明の配合物の調製を可能にし、カンナビノイド、典型的にはカンナビジオールの濃度が上昇されると、特定の要素を調節する。特定の例示的要素の濃度のそのような調整の非限定的例が、以下の表1に示される。
Figure 2024500187000002
表の比率は、注射用水でのQ.S.の際に透明液をもたらす。
最小CBD濃度はないが、例えば250mg/mLであれば、カンナビジオールに対する界面活性剤の比率は、安定性を維持しつつ、約0.1~約20mg/mLである。
少なからぬ科学的開発努力の後に、本発明は、少なくとも1種の非経口(静脈内(IV)、筋肉内(IM)および腹腔内(IP))投与手段を介して投与される非毒性配合物を提供する。そのような投与手段のために、種々の投与剤形が、利用可能である。したがって、本発明は、例えば非限定的に、本発明の配合物を充填された1つまたは複数のバイアル、アンプル、シリンジ、輸液バッグまたは他の医薬的に許容できるコンテナを含む投与剤形を提供する。そのような投与剤形は、単回または反復使用の投与剤形であってよい。
長期貯蔵寿命および安定性の目的のために、そのような投与剤形は、本発明の配合物の変色により典型的に示される、APIの酸化および/または分解の予防を支援するために不活性ガスのヘッドスペースを含んで調製されてよい。そのような不活性ガスとしては、典型的には窒素およびアルゴンを挙げることができる。さらに、そのような不活性ガスで仕上げられた長めのヘッドスペースバイアルは、本発明の配合物の追加の長期安定性を提供し得る。さらなる保護のために、先に参照されたガラスまたはプラスチック投与剤形が、任意の光分解への抵抗を確実にするために黄褐色または暗色に着色されてもよい。
本発明の配合物では、所与の投与剤形またはバルク配合物は典型的には、周囲温度で維持され得る。そのような投与剤形またはバルク配合物はまた、非凍結の冷蔵条件下で貯蔵されてよい。本発明の配合物はまた、マンニトール、ラクトース、スクロース、デキストラン、グリセリンおよび/またはトレハロースなどの医薬的に許容できる増量剤の添加を典型的に必要とする、フリーズドライされてよい。凍結乾燥された産物において、増量剤はまた、産物に凍結保護を提供する。添加される増量剤の濃度はしばしば、配合物中の他の原材料の性質および量に依存する。そのような濃度は、当業者に知られている。
本発明の医薬配合物は、少なくとも6か月~少なくとも2年の期間、またはこの範囲内もしくはこの範囲を超える任意の全てもしくは一部の数字の期間の間、安定である。より具体的には、バルク形態の、またはより特別には、本発明の配合物の投与にすぐ使用できる投与剤形の、本発明の配合物は、一般には冷蔵なしで、約6か月間、約1年間、約1.5年間、約2年間、または約6か月~約2年の範囲内の全てもしくは一部の数字の間、安定である。典型的には、本発明は、本発明の配合物を調製し1つまたは複数の適正なコンテナに充填した後少なくとも2年の期間、安定であり使用可能であることが望ましい。
本発明の別の態様は、最終的に滅菌され得る本発明の配合物を提供する。そのような滅菌は、本発明の滅菌配合物がコンテナ、典型的には哺乳動物、典型的にはヒトへの投与のためにそのような配合物を分配するために用いられるコンテナ中に配置されると、本発明の滅菌された配合物を提供し得る、目下知られているまたは将来開発される任意の方法により完了され得る。そのような方法としては、例えば乾式加熱、蒸気、放射線およびプラズマが挙げられ、蒸気が典型的に用いられる。
あるいは、例えば非限定的に、エチレンオキシド、グルタルアルデヒド、プロピレンオキシド、過酸化水素および二酸化塩素などの気体、滅菌濾過、ならびにサイズ排除、捕捉、静電気引力および他のモダリティを介して細菌および他の微生物を除去する適正な孔径/表面化学を利用して設計されるような無菌製造条件下での本発明の配合物の調製などの、滅菌医薬配合物における当業者に知られる他の方法が、用いられ得る。
さらに、本発明の配合物は、非経口投与に典型的に用いられる他の薬剤、流体または他の構成要素と共に調合され得る。
また提供されるのは、そのような医薬配合物の経皮送達のためのパッチ上で、またはパッチ中で調製される本発明のカンナビノール医薬配合物である。広範囲のパッチが、当該技術分野で知られており、例えばリザーバおよび速度制御膜パッチ、マトリックスパッチ、接着パッチ中の原薬、電気穿孔、イオントフォレーシス、ソノフォレーシスおよびマイクロニードルパッチを含む。そのためさらに提供されるのは、1種または複数の医薬的に許容できるパッチ送達システムを介して本発明の医薬配合物を送達する方法である。しかし、本発明のパッチ技術は、所望の投薬強度を完遂するために追加の研究および開発を必要とする本発明の医薬配合物の充分な送達のための選択肢であり得ない。そのようなパッチは、本明細書で示される非経口配合物により処置可能な疾患状態の処置に用いられ得、かつ本明細書に示される非経口医薬配合物の1回または複数回の非経口投与の前に、その投与と共に、またはその投与に続いて、単回処置として、または連続的に用いられ得る。
本発明はさらに、本発明の配合物の非経口投与、典型的には静脈内投与を含む処置を必要とする、哺乳動物、典型的にはヒトを処置する方法を提供する。本発明の配合物の薬剤的および/または医薬的使用は、多数の潜在的な医学的疾患が本発明の配合物の非経口投与を介して、多くの場合IV投与を介して処置され得るため、例示により限定されない。
1つのそのような使用は、例えば非限定的に、周術期疼痛、術後疼痛およびそれらの組合せからなる群から選択される疼痛を処置するための、または言い換えれば周術期および/もしくは術後疼痛管理のための、本発明の配合物の非経口投与、典型的にはIV投与を含む。そのような疼痛、およびそれによる処置の必要性は、医学界により使用される様々な疼痛スケールの任意の1つで、処置を必要とする患者により述べられる軽度、軽度~中等度、中等度、中等度~重度、重度、または他の疼痛として、評価され得る。
疼痛評価スケールは、疼痛強度を測定するために日常の臨床実務で用いられる。一般的に用いられる測定スケールとしては、Visual Analog Scale(VAS)、Graphic Rating Scale(GRS)、Simple Descriptor Scale(SDS)、Numerical Rating Scale(NRS)、およびFaces Rating Scale(FRS)が挙げられる。これらのスケールの全ては、疼痛強度の公式の尺度として証明されている。米国で最もよく用いられる3種のスケールは、数字、言語、および表情のスケールである。
本発明の配合物は、適正な、典型的には医療の関係者により投与されおよび監視される場合、病院、医院、自宅、軍隊または他の環境において、周術期疼痛または他の疼痛にかかわらず、例えば、神経因性疼痛および/または特定の形態の癌に関連する疼痛を含む、例えば、急性または慢性疼痛を処置するために、用いられ得る。さらに、本発明の配合物は、例えば非限定的に、線維筋痛症、幻肢痛、帯状疱疹後神経痛、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、糖尿病神経傷害、および卒中または脊髄傷害に関連する中枢疼痛のような状態を含む種々の異なる疼痛症候群に関連する疼痛を含むペインマトリックス(ニューロマトリックスとしても知られる)内に記載される疼痛を処置するのに用いられ得ることが、意図される。本発明の配合物を用いる方法はさらに、例えば、軟組織および骨組織における疼痛、外傷に関連する疼痛、および一般に、経口的に投与されるか非経口投与を介するかにかかわらずオピオイド薬が目下用いられる疼痛の任意の形態の処置を含む。本発明の配合物はまた、特に輸液として投与される場合、重度うつ病および難治性頭痛の処置のための特別な例で用いられてもよい。本発明の配合物はまた、ドラベ症候群、レノックスガストー症候群、ミオクロニー発作、若年性ミオクロニーてんかん、難治性てんかん、統合失調症、若年性けいれん、ウエスト症候群、結節性硬化症、脳腫瘍、大麻使用障害、外傷後ストレス障害、不安症、早期精神病、アルツハイマー病およびパーキンソン病などの神経変性疾患、ならびに自閉症を処置するために用いられ得る。より特別には、本発明の医薬配合物のてんかんへの使用は典型的には、緊急使用で用いられる。本発明の配合物により潜在的に処置され得る他の疾患状態としては、例えば心膜炎および心内膜炎などの心臓炎症性疾患を含む炎症性疾患、高血圧および血管弛緩薬により処置される他の疾患状態、不整脈、うっ血性心不全、動脈プラーク(およびその低減)、動脈壁からのグルコース吸収の低減、内毒素生成の阻害、卒中(卒中発生前、卒中発生の間、および卒中発生後、一般には、脳保護および脳回復を提供することによる;虚血および出血性卒中の処置)が挙げられる。本発明の配合物はまた、一般には、抗酸化剤として用いられ得る。
本発明の配合物は、例えば、バイアル、アンプル、シリンジ、輸液バックまた他の医薬的に許容できるコンテナを含む種々の投与剤形で調製され得る。そのような投与剤形は、本発明の配合物中で用いられる、カンナビノイド、典型的にはカンナビジオールの種々の投薬濃度の1つで充填され得る。例えば非限定的に、そのような投与剤形は、最終配合物溶液のミリリットルあたり、少なくとも0.5mgのカンナビノイド、典型的にはカンナビジオールを含む本発明の配合物を充填される。より特別には、そのような濃度は、最終配合物溶液の約0.5mg/mL~約50mg/mL、より具体的には約5mg/mL、約10mg/mL、約20mg/mL、約30mg/mL、約40mg/mLおよび約50mg/mL、または述べられた範囲内の任意の一部もしくは全ての数字に及ぶ。
本発明の配合物を含有する、例えばシリンジなどの、特定の投与剤形は、患者に投与され得る複数の医薬的に許容できる流体の任意の1種を含有するボーラスまたは輸液バッグに直接投与または注入され得る。そのような流体は、例えば非限定的に、栄養素、水和液、ならびに/または疼痛、他の病気のため、および/もしくはは任意の他の医療目的の処置剤を含んでよい。予防措置として、少量の本発明の配合物は、投与前の混合物の適合性を確実にするために他のそのような流体または複数の流体と予め混合されなければならない。本発明の配合物は、ボーラスまたは輸液投与のため、しばしば一定期間にわたる緩徐な輸液のための最終形態を調製するために用いられ得る他の医薬的に許容できるコンテナ中に存在し得る。
周術期および/または術後疼痛に関する処置を必要とする哺乳動物を処置するための本発明の配合物の使用では、そのような配合物は典型的には、術前に1~2回投与され、術後にさらに1回または2回投与される。実際の投与回数、投与濃度、および投与のタイミングは典型的には、担当医、准医師、医療従事者および同様の人の裁量に委ねられる。したがって、投薬量、投与回数およびそのような投与のタイミングは、本開示により限定されるものではない。
本発明の配合物の投与量は、mg/kgベースで、API、典型的にはカンナビジオールの量について計算されなければならず、そのような投薬量は、約0.1mg/Kg~約10mg/kgの範囲でなければならない。より特別には、そのような投与量は、例えば0.1mg/kg、0.5mg/kg、1.0mg/kg、2.0mg/kg、3.0mg/kg、4.0mg/kg、5.0mg/kg、6.0mg/kg、7.0mg/kg、8.0mg/kg、9.0mg/kg、10.0mg/kg、10.0mg/Kgを超える量、または述べられた範囲内の任意の全てもしくは一部の数字を含む。そのような投薬量の最終決定は、担当医または他の適正な医療関係者の裁量に委ねられなければならない。
具体的実施形態が、先に記載されているが、これらの実施形態は、1つだけの実施形態が、特別な特色に関して記載される場合でも、本開示の範囲を限定するものではない。本開示に提供される特色の例は、他に述べられない限り、制限ではなく例示を意図するものである。本開示は、本開示の利益を有する当業者に明白であるような代替法、改良、および/または均等物を網羅するものとする。
本発明の医薬配合物が本明細書に示される範囲および/または限定のみに限定され、そのような範囲内の変動に限定されないことが、理解されなければならない。本明細書で用いられる技術が、特別な実施形態のみを記載する目的であり、限定を意図しないこともまた、理解されなければならない。
本開示に記載される実施形態の様々な態様のさらなる改良および代替的実施形態が、本開示を考慮することにより当業者に明白となろう。要素および材料が、本明細書に例示および記載されるものと置き換えられてもよく、部品および工程が、反転されてもよく、実施形態の特定の特色が、独立して用いられてもよく、全てが、本明細書の利益を有した後に当業者に明白となろう。本明細書に記載される要素において、添付の特許請求の範囲の主旨および範囲を逸脱することなく、変更がなされてもよい。
実施例
実施例1:非経口配合物の安定性
調製1の医薬配合物が、安定性試験に供された。材料、方法、データおよび分析は、以下のとおりである:
分析:
HPLC分析法:
クオータナリーグラジエントーポンプ、オートサンプラ、カラムオーブン、および単一波長検出器(UV-可視)からなるAgilent 1200シリーズHPLCシステムが、CBDを分析するために用いられた。検出器の波長は、220nmに設定された。クロマトグラフィー分離は、Hichrom C18逆相カラム((150×4.5mm)、4.7μm)にて35℃の温度で実施された。移動相は、濾過され1mL/分の速度で流れる、アセトニトリル:0.25%酢酸:メタノール(75:20:5、v/v)の混合物であった。データが、回収され、分析された。
較正標準の調製:
CBDの原液(1.0mg/mL)が、50mLメスフラスコを用いてHPLC等級メタノール 50mLにCBD 50mgを溶解することにより調製された。その後、25、50、100、および250μg/mLのCBDの較正標準溶液が、原液をHPLC等級メタノールで希釈することにより調製された。
試料は、メタノール中に0.1mg/mLの濃度で調製され、システムに注入された。
Figure 2024500187000003
Figure 2024500187000004
Figure 2024500187000005
データのレビュー:
この安定性試験は、10mg/mL CBD静脈内配合物の1バッチで実行された。用いられた開発バッチは、1Lの製造ロットの提案された臨床スケールで製造された。バッチは、異なる貯蔵条件およびタイムポイントで十分な試料を提供するために小分けにされた。プラセボもまた、タイムポイントで必要とされる場合に、この試験と並行して設定された。
臨床試験のためのEMAガイダンス
IMPの貯蔵寿命および貯蔵条件は、活性物質の安定性プロファイルと、IMPで入手できるデータに基づいて定義されなければならない。外挿が利用されてもよいが、但し、安定性試験が臨床試験と並行に、かつ全期間を通して実行されることを条件とする。貯蔵寿命の外挿は、以下の条件下で行われ得る:
・ 長期のおよび加速された貯蔵条件での結果が、利用可能である;
・ 安定性挙動における傾向が、観察されない。何らかが観察されるならば、根拠が提供されなければならない。
入手できるデータに応じて、実時間データの4倍外挿が、12か月の貯蔵寿命まで許容されてよく、12か月より長い貯蔵寿命では、x+12か月の外挿が許容されてよい。
総括すると、今日までの6週の試験期間を通じて、試料のCBD量またはpHにおいて些細な変化があった。40℃±2℃/75%RH±5%RHの貯蔵条件で6週目のこれらの結果は、明細事項の範囲内である。試料の物理的外観または色に変化はなかった。製造の時点で溶液は、0.22ミクロンPVDFフィルタを用いて無菌的に濾過された。アッセイ結果に反映される通り、溶液中のCBDの結晶化の兆候はなかった。全ての分析結果は、分析変動の範囲内である。
全ての他の結果は、明細事項の範囲内である。
6週目の加速貯蔵条件40℃ 75%RHでは、バッチのデータは、明細事項に適合し、経時変化がない。
製造は、加熱されたジャケット付きミキサー容器を用いて1つの容器で行われ得る。予め加温されたKolliphor HS15を加熱されたミキサー容器中に計量する。カンナビノイドを分取し、撹拌しながらミキサー容器内のHS15に添加する。容器に抗酸化剤を添加し、溶解するまで混合し続ける。液体供給装置を用いて、抗酸化剤と緩衝剤とキレート化剤を含有する予め加温された水相を分取し、ミキサー容器内で一緒に混合する。混合されたら、ジャケット付き容器を室温に冷却するように設定する。生成物の無菌充填および窒素フラッシュ仕上げに先立って、出口バルブでバイオバーデンの低減フィルタを実行する。

Claims (38)

  1. i.少なくとも1種のカンナビノイドと;
    ii.少なくとも1種の界面活性剤と;
    iii.少なくとも1種の抗酸化剤と;
    iv.少なくとも1種のキレート化剤、
    を含む非毒性の非経口医薬配合物。
  2. 前記少なくとも1種のカンナビノイドが、カンナビジオールである、請求項1に記載の配合物。
  3. 前記少なくとも1種のカンナビノイドが、合成的に調製される、請求項1に記載の配合物。
  4. 前記合成カンナビジオールが、0.3%未満のテトラヒドロカンナビノールの任意の形態を含有する、請求項3に記載の配合物。
  5. 前記合成カンナビノイドが、テトラヒドロカンナビノールの任意の形態を欠く、請求項3に記載の配合物。
  6. 前記少なくとも1種の界面活性剤が、Kolliphor HS15である、請求項3に記載の配合物。
  7. 前記少なくとも1種の抗酸化剤が、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビルおよびクエン酸からなる群から選択される、請求項6に記載の配合物。
  8. 前記キレート化剤が、EDTAの少なくとも1種の形態から選択される、請求項7に記載の配合物。
  9. 前記EDTAの形態が、EDTA二ナトリウムおよびEDTAカルシウムからなる群から選択される、請求項8に記載の配合物。
  10. 低張性緩衝剤および高張性緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種の緩衝剤をさらに含む、請求項1に記載の配合物。
  11. 前記任意選択の緩衝剤が、重炭酸ナトリウムである、請求項10に記載の配合物。
  12. i.少なくとも1種のカンナビノイドと;
    ii.少なくとも1種の界面活性剤と;
    iii.少なくとも1種の抗酸化剤と;
    iv.少なくとも1種のキレート化剤、
    を含む非毒性の非経口医薬配合物であって、
    そのような配合物が等張剤を含まないことを条件とする、配合物。
  13. 低張性緩衝剤および高張性緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種の緩衝剤をさらに含む、請求項12に記載の配合物。
  14. 前記少なくとも1種のカンナビノイドが、合成的に調製されるカンナビジオールである、請求項12に記載の配合物。
  15. i.少なくとも1種のカンナビノイドと;
    ii.少なくとも1種の界面活性剤と;
    iii.少なくとも2種の異なる抗酸化剤と;
    iv.少なくとも1種のキレート、
    を含む非毒性の非経口医薬配合物。
  16. 前記少なくとも1種のカンナビノイドが、合成的に調製されるカンナビジオールである、請求項15に記載の配合物。
  17. 低張性緩衝剤および高張性緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種の緩衝剤をさらに含む、請求項15に記載の配合物。
  18. i.少なくとも1種のカンナビノイドと;
    ii.少なくとも1種の界面活性剤と;
    iii.少なくとも2種の異なる抗酸化剤と;
    iv.少なくとも1種のキレート化剤、
    を含む非毒性の非経口医薬配合物であって、
    そのような配合物が等張剤を含まないことを条件とする、配合物。
  19. 前記少なくとも1種のカンナビノイドが、合成的に調製されるカンナビジオールである、請求項18に記載の配合物。
  20. 低張性緩衝剤および高張性緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種の緩衝剤をさらに含む、請求項18に記載の配合物。
  21. i.第一の容器に少なくとも1種の界面活性剤を少なくとも1種の抗酸化剤および少なくとも1種のカンナビノイドと混和すること;
    ii.第二の容器に少なくとも1種の同じまたは異なる第二の抗酸化剤と少なくとも1種のキレート化剤を混和すること;ならびに
    iii.前記第一のおよび第二の容器の内容物を混和すること;
    を含む本発明の配合物を調製する方法。
  22. 低張性緩衝剤および高張性緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種の緩衝剤を添加することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記少なくとも1種のカンナビノイドが、合成的に調製されるカンナビジオールである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記配合物が、バイアルまたは他の適正な最終コンテナ中に充填されかつ不活性ガスのスパージが続く、請求項22に記載の方法。
  25. i.第一の容器に少なくとも1種の界面活性剤を少なくとも1種の抗酸化剤および少なくとも1種のカンナビノイドと混和すること;
    ii.第二の容器に少なくとも1種の同じまたは異なる第二の抗酸化剤と少なくとも1種のキレート化剤を混和すること;ならびに
    iii.前記第一のおよび第二の容器の内容物を混和すること、
    を含む本発明の配合物を調製する方法であって、
    等張剤が前記配合物に添加されないことを条件とする、方法。
  26. 低張性緩衝剤および高張性緩衝剤からなる群から選択される少なくとも1種の緩衝剤を添加することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記少なくとも1種のカンナビノイドが、合成的に調製されるカンナビジオールである、請求項26に記載の方法。
  28. 前記配合物が、バイアルまたは他の適正な最終コンテナ中に充填されかつ不活性ガスのスパージが続く、請求項26に記載の方法。
  29. 本発明の医薬配合物の非経口投与を含む処置を必要とする哺乳動物を処置する方法。
  30. 前記非経口投与が、静脈内投与である、請求項29に記載の方法。
  31. そのような処置を必要とすることが、急性疼痛および慢性疼痛からなる群から選択される疼痛である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記疼痛が、周術期疼痛である、請求項31に記載の方法。
  33. 本発明の組成物が、カンナビノイドとして合成的に調製されるカンナビジオールを含有する、請求項32に記載の方法。
  34. 前記合成カンナビノイドが、0.3%未満のテトラヒドロカンナビノールの任意の形態を含有する、請求項33に記載の方法。
  35. 冷蔵せずに少なくとも12か月の貯蔵寿命を有する本発明の医薬配合物。
  36. 最終的に滅菌される、本発明の医薬配合物。
  37. 経皮送達のための医薬的に許容できるパッチ上でまたはその中で調製される本発明の医薬配合物。
  38. 1種または複数の医薬的に許容できるパッチ送達システムを介して本発明の医薬配合物を送達する方法。
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