JP2024117822A - パウチ容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば医療現場で経腸栄養剤用の容器などとして好適に用いられる、新規な構造の医療用のパウチ容器を提供すること。【解決手段】互いに重ね合わされた一対の本体シート1A,1Bと、一対の側方シール部42と、収容部51と、開口部52と、を備えたパウチ容器であって、一対の本体シート1A,1Bの少なくとも一方の本体シート1Aの内側に沿って設けられた、本体シート1Aよりも合成が高い樹脂製の補強部材3Aと、一方の本体シート1Aとともに補強部材3Aを挟み、且つ一対の側方シール部42において一対の本体シート1A,1Bに固定された内装シート2Aと、を備え、補強部材3Aは、一対の側方シール部42の少なくともいずれかにおいて一方の本体シート1Aに固定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば経腸栄養剤などを収容して患者に投与するのに医療現場において用いられるパウチ容器に関する。
従来から、パウチ容器は、経腸栄養剤や静脈栄養剤、輸液等の容器としても広く用いられている。栄養剤を患者に投与する際に使用される医療用パウチ容器には、栄養剤やその希釈液を注入するための開口部が設けられている。医療分野でのパウチ容器では、その用途の特殊性から、速やかな操作性や確実な操作性、雑菌付着の防止など、各分野における要求乃至は課題がある。
例えば、上記開口部から栄養剤等を注入する場合には、開口部を押し広げる必要がある。このような作業は不安定であり、作業性の改善が求められている。特許文献1に記載のパウチ容器においては、本体シートの外面に細長形状のシートが貼り付けられることにより、密閉収容部が形成されている。この密閉収容部に、アルミニウムからなる線状部材が収容されている。線状部材は、開口部が開かれた状態を維持するために用いられる。
特開2007-319283号公報
しかしながら、上記の特許文献1記載のパウチ容器では、例えばシートの外面に細長状のシートが貼り付けられているため、使用者が触ったときに違和感を覚えたり、引っ掛かりが生じたりするといったことが懸念される場合もある。また、その他の観点からも、従来の医療用のパウチ容器、特に経腸栄養剤用のパウチ容器には、特定用途として要求される各種課題に関して、未だ改善の余地があった。
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、パウチ容器の要求特性を満足するように改良されて、新規な構造を有するパウチ容器を提供することをその課題とする。
以下、本発明を把握するための好ましい態様について記載するが、以下に記載の各態様は、例示的に記載したものであって、適宜に互いに組み合わせて採用され得る。即ち、以下の各態様は、他の態様を引用した形式で記載されているか否かに拘わらず、2つ以上の態様を組み合わせることも可能であるし、或いは特定の態様に記載された一部の構成を取り出して他の態様に組み合わせることも可能である。要するに、各態様に記載の複数の構成要素についても、可能な限り独立して認識及び採用することができ、適宜に別の態様に記載の何れかの構成要素と組み合わせて採用することもできる。それによって、本発明では、以下に記載の態様に限定されることなく、種々の別態様が実現され得る。
第一の態様は、
一対の本体シートの重ね合わせ面間に、上方に開口する収容部が形成されると共に、下方が上方に比して幅方向の長さが短い開口部分を有する経腸栄養剤用のパウチ容器であって、
前記一対の本体シートには前記収容部を封止するチャックが設けられていると共に、
該チャックよりも開口側に位置して、前記本体シートよりも変形剛性が大きくされて該本体シートを湾曲形状に保持し得る補強部材が、少なくとも一方の該本体シートにおいてシート幅方向に延びるように設けられている
経腸栄養剤用のパウチ容器である。
本態様に係る経腸栄養剤用のパウチ容器では、チャックの上方に補強部材が配設される。それ故、例えばチャックを開く操作力で補強部材を開口方向へ湾曲させて、収容部の開口を効率的に開くことができる。また、例えば下方が上方に比して幅方向の長さが短い開口部分を有する場合、上方において広がった幅方向側方にまで力が伝達されにくく、開口しにくい傾向があるが、開口操作力を及ぼす前に当該開口部分に位置する補強部を湾曲変形させておくことで、開口する方向にシートが変形した状態から開口操作力を及ぼすことができ、開口操作時の開口安定性の向上が図られる。
また、かかるチャック部材による安定した開口操作を利用して、チャック部材の上方に配設した補強部材へも湾曲操作力が及ぼされることにより、補強部材が配された開口部分を手指による幅方向両側からの押圧力が間接的に伝達されて、押圧操作によって開口させる操作を安定して実現可能にすることも可能になる。
第二の態様は、
一対の本体シートの重ね合わせ面間に、上方に開口する収容部が形成された経腸栄養剤用のパウチ容器であって、
前記収容部における上方への開口部分には、前記本体シートよりも変形剛性の大きい補強部材が、少なくとも一方の該本体シートの内側においてシート幅方向に延びるように設けられている
経腸栄養剤用のパウチ容器である。
本態様に係る経腸栄養剤用のパウチ容器では、本体シートの内側(収容部が形成される面側)に補強部材が配設される。それ故、一対の本体シートを互いに離れる方向に保持して開口を開くような補強部材による開口形状の保持力を、本体シートの内面から押すように作用させることができる。その結果、例えば本体シートの外側に補強部材が配設された場合に比して、補強部材によって本体シートに及ぼされる開口形状の保持力が、補強部材と本体シートとの固着状態などによって影響されることを回避することも可能になる。
また、本体シートの外側に補強部材を配設する場合のように、外面の凹凸を避けることができ、外面を平滑にすることが可能になって、パウチ容器の外面への意図しない引っ掛かりや汚れが溜まるといったことなども防止され得、容器内に汚染物質が流入することを防止できる。更に、本体シートの外面を印刷層とした場合には外面が平骨であるため、見栄えが良く、清潔感を重要視する病院等に好適な容器とすることができる。
第三の態様は、上記第二の態様の経腸栄養剤用のパウチ容器であって、
前記本体シートの内側に設けられた前記補強部材を覆う内装シートが、該本体シートの内面に重ね合わされており、
該内装シートは、該補強部材の下方と上方とにおいてそれぞれ該本体シートへ固着されている
経腸栄養剤用のパウチ容器である。
本態様に係る経腸栄養剤用のパウチ容器では、本体シートの内側に設けられた補強部材が内装シートで覆われる。それ故、開口部分を通じて注入される液体の補強部材への接触を回避することが可能になり、補強部材の材質の選択範囲を広げることもできる。また、開口部分の内面を滑らかにして、補強部材による凹凸による注入液体の不要な留まりや跳ね返りなどを防止することも可能である。
第四の態様は、
一対の本体シートの重ね合わせ面間に、上方に開口する収容部が形成された経腸栄養剤用のパウチ容器であって、
前記収容部における上方への開口部分には、前記本体シートよりも変形剛性が大きくされて該本体シートを湾曲形状に保持し得る補強部材が、少なくとも一方の該本体シートにおいてシート幅方向に延びるように設けられている一方、
該補強部材の両端部が、該一対の本体シートの幅方向の両端縁に形成された側方シール部に対して固定されている
経腸栄養剤用のパウチ容器である。
本態様に係る経腸栄養剤用のパウチ容器では、補強部材の長さ方向(本体シート幅方向)の端部が本体シートの側方シール部へ固定されている。それ故、補強部材の端部が本体シートの中央部分に位置する場合に考えられる、例えば補強部材の端部で開口部分の曲げ剛性が大きく変化してしまって、当該部位で屈曲していびつな開口形状になってしまうような不具合等について、かかる不具合を回避して、開口部分において周方向で滑らかな開口形状の実現が図られ得る。また、補強部材の端部が本体シートの開口部分に位置する場合に考えられる、例えば当該部位でシート強度が大きく変化して変形に伴う応力集中によるシートの損傷のおそれ等について、かかる不具合を回避して、本体シートの薄肉化や低強度化なども実現可能になる。また、補強部材の周辺の側方シール部が湾曲変形しにくくなるため、側方シール部が湾曲することで開口部分の側方が同様に湾曲してしまい、開口部形状が安定しない、といった事態を防止することができる。
第五の態様は、
一対の本体シートの重ね合わせ面間に、上方に開口する収容部が形成された経腸栄養剤用のパウチ容器であって、
上方への開口部分において、下方が上方に比して幅方向における容器内寸が小さく形成されていると共に、
該開口部分には、前記本体シートよりも変形剛性が大きくされて該本体シートを湾曲形状に保持し得る補強部材が、少なくとも一方の該本体シートにおいてシート幅方向に延びるように設けられており、
該補強部材よりも上方又は下方に該開口部分を開く操作力を及ぼすための押圧操作部が位置している
経腸栄養剤用のパウチ容器である。
本態様に係る経腸栄養剤用のパウチ容器では、下方が上方に比して幅方向における容器内寸が小さく形成される開口部において、補強部材が位置している。このため、押圧操作部に及ぼされる開口操作力を、補強部材を介して幅方向に広い領域にわたって伝達することができる。なお、押圧操作部における該本体シートの幅方向の容器内寸に比して、該補強部材の長さ寸法が大きくされており、補強部材よりも下方に押圧操作部が位置することが好ましい。また、補強部材は、開口部分の上下方向で上端や下端を除く中間部分(上下方向の中央でなくても良い)に配されることが好ましく、その際、押圧操作部は開口部分の下端や下方等であってもよい。
第六の態様は、
一対の本体シートの重ね合わせ面間に、上方に開口する収容部が形成された経腸栄養剤用のパウチ容器であって、
前記収容部における上方への開口部分には、前記本体シートよりも変形剛性の大きい補強部材が、各該本体シートの内側においてシート幅方向に延びるように設けられていると共に、
各該本体シートの内面には該補強部材を覆う内装シートが重ね合わされて、一対の該本体シートのシート幅方向の両側端縁に設けられた側方シール部において各該内装シートが一対の該本体シートに対して溶着されており、
各該内装シートにおける内面側のシーラント層が外面側のシーラント層に比して高融点とされている
経腸栄養剤用のパウチ容器である。
本態様に係る経腸栄養剤用のパウチ容器では、内装シート表裏のシーラント層の溶融温度の違いにより、製造段階における溶着工程の簡略化などを図ることが可能になる。具体的には、例えば一対の本体シートにおける開口部分の各内側(内面)に補強部材と内装シートを順次に重ね合わせるように配して、第一段階の比較的低温の溶着工程で、各本体シートの内面に補強部材と内装シートをそれぞれの略全面に亘って溶着した後、第二段階のより高温の溶着工程で、本体シートの幅方向両端の側方シール部だけを溶着することができる。これにより、低温の第一段階の溶着工程では、互いに重ね合わされた内装シート同士の溶着を回避して開口状態を確保しつつ、より高温の第二段階の溶着工程において、側方シール部における溶着による開口部分の形成と、当該側方シール部における補強部材の押しつぶしによる凹凸の軽減乃至は解消を実現することが可能になる。特に、内装シート同士の溶着を回避するために非溶着シートを開口部分における内装シート同士の重ね合わせ面間にセットしてから溶着するなどといった手間が不要となり、作業性や製造効率の向上を図りつつ、開口部分が不必要に部分的に溶着されてしまったような不良品の発生を防止することも可能になる。
第七の態様は、
一対の本体シートの重ね合わせ面間に、上方に開口する収容部が形成された医療用のパウチ容器を、上下方向で畳んだ状態で、該収容部に接続された排出部と共に袋状の密封ケースに収容した経腸栄養剤用のパウチ容器製品であって、
前記パウチ容器の前記収容部における上方への開口部分には、前記本体シートよりも変形剛性の大きい補強部材が、少なくとも一方の該本体シートの内側においてシート幅方向に延びるように設けられており、該補強部材が設けられた該開口部分において一対の該本体シートが互いに離れて開口するように予め癖付けされた状態で該パウチ容器が前記密封ケースに収容されている
経腸栄養剤用のパウチ容器製品である。
本態様に係る経腸栄養剤用のパウチ容器製品では、袋状の密封ケースへ収容された医療用のパウチ容器が、かかる収容状態で予め開口状態に癖付けされた開口部分を備えている。それ故、密封ケースへの収容状態のままで医療現場へ提供されて、医療現場で密封ケースが開封されて取り出された医療用のパウチ容器は、当該取り出した時点において、既に、開口部分が多少なりとも開口方向へ湾曲等されていることとなる。かかる状態であれば、本体シートの幅方向の両側に設けられて開口部分を開く操作力を及ぼすための両側の押圧操作部に対して互いに内方に向かう操作力を及ぼすことにより、補強部材を容易に且つ安定して開口方向へ湾曲変形させて、開口部分を速やかに開口させることが可能になる。これにより、収容状態で閉じられた開口部分を、密封ケースから取り出した後に開口させるために、開口部分に手指を差し入れて一対の本体シートを離隔方向へ引っ張って開口させるような作業が不要となり、開口部分に差し入れられる手指によって、液体の注入時に液体が触れることとなる開口部分の内面への手指からの雑菌が付着するリスクを回避することも可能になる。
特に、本態様に係る経腸栄養剤用のパウチ容器製品では、例えば軟質のシート材などから形成される袋状の密封ケースが採用される場合であっても、チューブなどと共にパウチ容器が収容されることで、折り畳んだ状態で収容されていることとも相俟って、密封ケースの内部にはある程度のスペースが存在している。換言すれば、平らに伸ばした展開状態で医療用のパウチ容器の一つ又は複数を密封ケースに収容すると、ストックや搬送する際のスペース効率には優れるものの、開口部分も押しつぶされた状態となってしまいやすい。本態様では、内部に存在するある程度のスペースを逆に(即ち、ストックや搬送する際のデメリットとされていたことを逆に)利用することで、収容された医療用のパウチ容器の開口部分をある程度の開口状態に保つことを可能にし、当該開口部分に補強部材を設けたことと組み合わせることで、医療現場での密封容器の開封時において医療用のパウチ容器の開口部分をある程度の開口状態に保ちつつ、医療現場へ医療用のパウチ容器を提供することを可能となし得た。
第八の態様は、
互いに重ね合わされた一対の本体シートと、
前記一対の本体シートの幅方向における両側端縁が接合された一対の側方シール部と、 前記一対の本体シート及び前記一対の側方シール部に囲まれた、内容物を収容するための収容部と、
前記収容部に繋がり且つ前記一対の本体シートの上端縁によって規定された開口部と、を備えたパウチ容器であって、
前記一対の本体シートの少なくとも一方の本体シートの内側に沿って設けられた、前記本体シートよりも剛性が高い樹脂製の補強部材と、
前記一方の本体シートとともに前記補強部材を挟み、且つ前記一対の側方シール部において前記一対の本体シートに固定された内装シートと、を備え、
前記補強部材は、前記一対の側方シール部の少なくともいずれかにおいて前記一方の本体シートに固定されていることを特徴とする、
パウチ容器である。
第九の態様は、前記第八の態様において、
前記補強部材は、前記一対の側方シール部の双方において前記一方の本体シートに固定されているパウチ容器である。
第十の態様は、前記第十一の態様において、
前記補強部材の両端と前記一方の本体シート及び前記内装シートの両側端とは、互いに一致しているパウチ容器である。
第十一の態様は、前記第八~十の何れかの態様において、
前記一対の側方シール部の内端縁のうち前記内装シートに重なる部分は、下方に向かうほど幅方向内方に位置するように傾いているパウチ容器である。
第十二の態様は、前記第八~十一の何れかの態様において、
前記補強部材の曲げ剛性が部分的に小とされた折曲げ容易部を備えるパウチ容器である。
本態様に係るパウチ容器では、補強部材の長さ方向で部分的に曲げ剛性を小さくした部位が設けられている。それ故、曲げ剛性を小さくした部位を予め所定位置に設けたことで、補強部材の曲げ変形を容易に生ぜしめることや、予め目的とする変形後の形状に補強部材を安定して変形させることなども可能になる。
なお、補強部材において部分的に曲げ剛性を小さくした部位は、例えば厚さ寸法や幅寸法などを部分的に異ならせて断面積又は断面係数を小さくすることで、好適に形成され得る。或いは、補強部材を本体シートの内面又は外面に固着して配置するに際して、補強部材の長さ方向で部分的に本体シートへ非固着とされて本体シートによる変形拘束力が及ぼされない構造とすることで、当該非固着部分を曲げ剛性の小さい部位とすることなども可能である。
第十三の態様は、前記第八~十二の何れかの態様において、
前記一方の本体シートと前記補強部材とが接合された中間外方シール部を備えるパウチ容器である。
第十四の態様は、前記第八~十三の何れかの態様において、
前記一対の本体シートの他方の本体シートの内側に沿って設けられた、前記本体シートよりも剛性が高い樹脂製の他方の補強部材と、
前記他方の本体シートとともに前記他方の補強部材を挟み、且つ前記一対の側方シール部において前記一対の本体シートに固定された他方の内装シートと、をさらに備えるパウチ容器である。
第十五の態様は、前記第八~十四の何れかの態様において、
前記一方の補強部材と前記他方の補強部材とが、上下方向に互いにずれて配置されているパウチ容器である。
本発明によれば、各態様について前述したとおり、従来のパウチ容器、特に医療分野で用いられる経腸栄養剤用のパウチ容器に対して要求される各種課題に関して何等かの改善を図り得た新規な構造を有するパウチ容器が提供され得る。
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明の第1実施形態に係る医療用のパウチ容器を示す正面図である。 図1のII-II線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態に係る医療用のパウチ容器を示す要部拡大断面図である。 図1のIV-IV線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態に係る医療用のパウチ容器を示す要部拡大正面図である。 図5のVI-VI線に沿う断面図である。 図5のVII-VII線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態に係る医療用のパウチ容器を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る医療用のパウチ容器の第1変形例を示す要部拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係る医療用のパウチ容器の第2変形例を示す要部拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係る医療用のパウチ容器の第3変形例を示す要部拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係る医療用のパウチ容器の第4変形例を示す要部正面図である。 図12のXIII-XIII線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態に係る医療用のパウチ容器の第5変形例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る医療用のパウチ容器を示す要部正面図である。 本発明の第2実施形態に係る医療用のパウチ容器の第1変形例を示す要部正面図である。 本発明の第3実施形態に係る医療用のパウチ容器を示す要部正面図である。 本発明の第3実施形態に係る医療用のパウチ容器の第1変形例を示す要部正面図である。 本発明の第3実施形態に係る医療用のパウチ容器の第2変形例を示す要部正面図である。 本発明の第4実施形態に係る医療用のパウチ容器を示す要部正面図である。 本発明の第4実施形態に係る医療用のパウチ容器を示す要部拡大正面図である。 図21のXXII-XXII線に沿う断面図である。 本発明の第4実施形態に係る医療用のパウチ容器の第1変形例を示す要部拡大断面図である。 本発明の第4実施形態に係る医療用のパウチ容器の第2変形例を示す要部正面図である。 本発明の第4実施形態に係る医療用のパウチ容器の第3変形例を示す要部正面図である。 本発明の第5実施形態に係る医療用のパウチ容器を示す要部正面図である。 本発明の第6実施形態に係る医療用のパウチ容器を示す要部拡大断面図である。 本発明の第7実施形態に係る医療用のパウチ容器を示す要部拡大断面図である。 本発明の第8実施形態に係る医療用のパウチ容器製品の一例を示す斜視説明図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
以下では、医療用のパウチ容器(以下、単にパウチ容器という)に注入される充填物として液状の栄養剤(図示せず)を例示する。但し、充填物は、これに限定されず、例えば、栄養剤を希釈するための水や薬液等であってもよく、ゼリー状やペースト状の物であってもよい。本発明のパウチ容器は、特に内部に栄養液や輸液等の液状物が収容されて栄養剤補給用空バッグ等の医療用バッグとして好適に用いられるが、本発明の構成は医療用途に限定されず、各種の容器に適用されてもよい。
以下では、あるシートの端縁が他のシートに固定された構造が記載される。本明細書において「あるシートの端縁が他のシートに固定された」とは、2つの別体のシート材料が互いに固定された構造と、1つのシート材料が折り返されることにより、折り返し部を介して2つのシートが固定された構造と、を含む概念である。また、シート同士の「固定」は、ヒートシールや接着剤等による接合を含む概念である。
以下では、開口部よりも下方の部分が後述の第1本体シート1A及び第2本体シート1Bのみから構成される平パウチを例示するが、底部(ボトムガゼット)を有するスタンディングパウチやサイドガゼット部分を有するパウチなど、他のパウチ形態に本発明の構成を適用してもよい。なお、これらのガゼットを有するパウチ容器において、第1本体シート1A及び第2本体シート1Bの側端部同士を接合して形成される後述の側方シール部42は、例えば、第1本体シート1Aとガゼット部(第2本体シート1Bの一部)の側端部同士を接合して形成される側方シール部42をも含むものである。即ち、かくの如きガゼット部を形成するシートが第1本体シート1Aや第2本体シート1Bとは別に用いられる場合、第1本体シート1Aに対して第2本体シート1Bは直接に重ね合わされて固着される他、ガゼット部を形成するシートを介して、間接に重ね合わされて固着されても良い(一対の本体シート1A,1Bの両端縁部や底縁部の接合は、ガゼットシートを介して間接的に接合されている態様を含む)。
なお、本発明に係るパウチ容器及びその構成要素の上下方向は、パウチ容器の開口部を円筒状(楕円等の断面形状等であっても良い)に拡開した際にその円筒(楕円等)の中心を通る直線方向を意味し、幅方向は、上下方向と直角である方向であって、後述の側方シール部42同士が離れている方向を意味する。また、ある部材の外側とは、パウチ容器を基準にして、内容物に対して遠い側を指し、ある部材の内側とは、その反対側を指す。
<第1実施形態>
図1~図8を参照しつつ、第1実施形態に係るパウチ容器A1について説明する。図1は、パウチ容器A1を示す正面図である。図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。図3は、パウチ容器A1を示す要部拡大断面図である。図4は、図1のIV-IV線に沿う断面図である。図5は、パウチ容器A1を示す要部拡大正面図である。図6は、図5のVI-VI線に沿う断面図である。図7は、図5のVII-VII線に沿う断面図である。図8は、開口部52を拡開した状態のパウチ容器A1を示す斜視図である。なお、図2~図4、図6及び図7においては、パウチ容器A1の構造の理解の便宜上、各シートの厚さを誇張することにより模式的に示している。
パウチ容器A1は、第1本体シート1A、第2本体シート1B、第1内装シート2A、第2内装シート2B、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bを備えており、収容部51、開口部52、底シール部41、一対の側方シール部42、注出シール部43、第1上方シール部44A、第2上方シール部44B、第1下方シール部45A、第2下方シール部45B、第1中間外方シール部46A及び第2中間外方シール部46Bが形成されている。図示されたパウチ容器A1の正面視形状は、全体として略矩形状であるが、パウチ容器A1の形状はこれに限定されない。例えば、パウチ容器A1の正面視形状は、円形状、楕円形状、オーバル(卵)形状、三角形(好適には逆三角形)、多角形等の各種形状が採用され得る。図示された例においては、第1本体シート1A及び第2本体シート1Bの外端縁と、第1内装シート2A及び第2内装シート2Bの上端縁及び両側端縁が、一致する構成であるが、これらの一部が互いにずれた構成であってもよい。
第1本体シート1A及び第2本体シート1Bは、表裏方向に互いに重ね合わされており、パウチ容器A1の外面のほとんどを構成している。図1及び図2に示すように、底シール部41は、第1本体シート1Aと第2本体シート1Bとの下端縁及び下端縁近傍部分を含む下端部同士が接合されることにより形成されている。図1、図4、図6及び図7に示すように、一対の側方シール部42は、第1本体シート1Aと第2本体シート1Bとの一対の側端縁及び一対の側端縁近傍部分を含む一対の側端部同士が接合されることにより形成されている。なお、側方シール部42の上部においては、第1本体シート1Aと第2本体シート1Bとの間に第1内装シート2A、第2内装シート2B、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bが挟まれた状態で接合されている。底シール部41及び一対の側方シール部42における接合手法は、たとえばヒートシールや高周波溶着などが好適に用いられる。
図1に示すように、図示された例においては、一対の側方シール部42のそれぞれは、内端縁421及び湾曲部423を有する。内端縁421は、略一定の幅寸法をもって延びる側方シール部42の内方に位置する端縁である。図示された例においては、内端縁421のうち第1内装シート2A及び第2内装シート2Bと重なる部分は、第1上方シール部44A(第2上方シール部44B)から第1下方シール部45A(第2下方シール部45B)へと下方に向かうほど、幅方向内方に位置するように傾いている。湾曲部423は、側方シール部42の一部が、幅方向内方に凹むように湾曲した部位である。図示された例においては、湾曲部423は、第1補強部材3A(第2補強部材3B)の下方であって、第1内装シート2A及び第2内装シート2Bの下端縁や第1下方シール部45A及び第2下方シール部45B、さらには、チャック53と重なる位置に設けられている。
収容部51は、底シール部41及び一対の側方シール部42の内端によって正面視形状が規定された、第1本体シート1Aと第2本体シート1Bとによって囲まれた空間である。収容部51は、栄養剤等の内容物を充填するための部位である。開口部52は、第1本体シート1A及び第2本体シート1Bの上端縁によって規定されている。開口部52は、上方に向けて開口しており、収容部51に繋がっている。
パウチ容器A1には、チャック53が設けられている。チャック53は、収容部51を密閉するためのものである。チャック53が閉じられると、底シール部41、一対の側方シール部42及びチャック53によって収容部51が密閉される。チャック53の具体的構成は特に限定されず、図示された例においては、図2及び図3に示すように、凸条部付きのシートと、凸条部に嵌合する凹条部付きのシートとが、対向配置された構成である。同図においては、凸条部付きのシートが第1本体シート1Aの内面に接合されており、凹条部付きのシートが第2本体シート1Bの内面に接合されている。
図1に示すように、パウチ容器A1には、注出部54が設けられている。注出部54は、収容部51に充填された栄養剤を注出するためのものである。注出部54は、例えば、栓付きのプラスチック管であって、第1本体シート1A及び第2本体シート1Bの下端縁と側端縁との角部に取り付けられている。具体的には、第1本体シート1Aと第2本体シート1Bの間に注出部54を挟んだ状態で各部材を接合することにより注出シール部43が形成されており、これにより注出部54が取り付けられている。
注出部54には、例えば、長尺状のチューブ(図示略)が取付けられる。このチューブは、収容部51に連通接続される注出部54の内側開口部と反対の外側開口部に対して接続される。当該チューブは、従来公知のものが使用可能であって詳しい説明を省略するが、可撓性のチューブであり、必要に応じてチャンバー(点滴筒)やクレンメ(流量調整器)、コネクター等(何れも図示せず)が設けられて、鼻腔等から挿入されて胃や十二指腸等の患者体内(図示せず)に至っている。そして、収容部51に収容される栄養剤等の内容物が当該チューブを通じて患者の体内に投与される。なお、図示していないが、投与する際にパウチ容器A1を吊り下げて使用するための吊り下げ孔を、注出部54の対角側に設けても良い。
図1~図4に示すように、第1内装シート2Aは、第1本体シート1Aの上部に重なるように配置されており、第1本体シート1Aの内側に設けられている。また、図示された例においては、第1内装シート2Aは、チャック53よりも上方に配置されている。第1内装シート2Aの上端縁は、第1本体シート1Aに固定されている。第1内装シート2Aの上端縁が第1本体シート1Aに固定される構造は特に限定されず、図示された例においては第1内装シート2Aの上端縁と第1本体シート1Aの上端縁とを含む部分同士が、ヒートシールによって接合された第1上方シール部44Aが設けられている。第1上方シール部44Aは、本発明の第1上方固定部の一例である。図示された例においては、第1上方シール部44Aは、第1本体シート1A及び第1内装シート2Aの全幅にわたって形成されている。
また、第1内装シート2Aの下端縁付近の部分は、第1本体シート1Aに固定されている。第1内装シート2Aの下端縁付近の部分が第1本体シート1Aに固定される構造は特に限定されず、図示された例においては第1内装シート2Aの下端縁付近の部分と第1本体シート1Aとが、ヒートシールによって接合された第1下方シール部45Aが設けられている。なお、第1内装シート2Aの下端縁が、第1下方シール部45Aによって第1本体シート1Aに固定された構成であってもよい。第1下方シール部45Aは、本発明の第1下方固定部の一例である。第1下方シール部45Aは、第1本体シート1A及び第1内装シート2Aの全幅にわたって形成されている。
図1~図4に示すように、第2内装シート2Bは、第2本体シート1Bの上部に重なるように配置されており、第2本体シート1Bの内側に設けられている。また、図示された例においては、第2内装シート2Bは、チャック53よりも上方に配置されている。第2内装シート2Bの上端縁は、第2本体シート1Bに固定されている。第2内装シート2Bの上端縁が第2本体シート1Bに固定される構造は特に限定されず、図示された例においては第2内装シート2Bの上端縁と第2本体シート1Bの上端縁とを含む部分同士が、ヒートシールによって接合された第2上方シール部44Bが設けられている。第2上方シール部44Bは、本発明の第2上方固定部の一例である。図示された例においては、第2上方シール部44Bは、第2本体シート1B及び第2内装シート2Bの全幅にわたって形成されている。
また、第2内装シート2Bの下端縁付近の部分は、第2本体シート1Bに固定されている。第2内装シート2Bの下端縁付近の部分が第2本体シート1Bに固定される構造は特に限定されず、図示された例においては第2内装シート2Bの下端縁付近の部分と第2本体シート1Bとが、ヒートシールによって接合された第2下方シール部45Bが設けられている。なお、第2内装シート2Bの下端縁が、第2下方シール部45Bによって第2本体シート1Bに固定された構成であってもよい。第2下方シール部45Bは、本発明の第2下方固定部の一例である。第2下方シール部45Bは、第2本体シート1B及び第2内装シート2Bの全幅にわたって形成されている。
第1補強部材3Aは、図1~図7に示すように、第1本体シート1Aと第1内装シート2Aとの間に設けられている。また、第1補強部材3Aは、上下方向において、第1上方シール部44Aと第1下方シール部45Aとの間に配置されている。図示された例においては、第1補強部材3Aは、開口部分の上下方向で上端や下端を除く中間部分(上下方向の中央でなくても良い)に配され、より具体的には第1上方シール部44Aと第1下方シール部45Aとの略中間に配置されている。このようにすることで補強部材が開口部に及ぼす作用の効率性を高め、開口部分を上下方向に広く確保することができる。第1補強部材3Aの形状は特に限定されず、図示された例においては、一対の側方シール部42が離間する方向に延びる帯状である。第1補強部材3Aは、樹脂製であり、第1本体シート1A及び第1内装シート2Aよりも剛性が高い。また、第1補強部材3Aは、好ましくは、良好な可撓性を有しており、直状の状態や屈曲状の状態を安定して維持しうる。さらに、第1補強部材3Aは、シーラント性を有する材質からなるものが好ましい。具体的には、10~40倍延伸された延伸ポリオレフィンシートであり、特に溶融押し出し等で成型したシートを圧延し、さらに総延伸倍率が10~40倍になるように延伸加工を行うことにより作成される。第1補強部材3Aの一例としては、積水成型工業製のポリオレフィンシートであるフォルテ(登録商標)が挙げられる。さらに、第1補強部材3Aの材質を例示すると、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
図示された例においては、第1補強部材3Aの両端が、一対の側方シール部42において第1本体シート1A及び第1内装シート2Aに接合されている。また、第1補強部材3Aの両端縁は、第1本体シート1A及び第1内装シート2Aの両端縁と一致している。
第1中間外方シール部46Aは、第1本体シート1Aの内面と第1補強部材3Aとが、例えばヒートシールによって接合された部位である。図示された例においては、第1中間外方シール部46Aは、第1補強部材3Aの全長にわたって形成されている。なお、第1中間外方シール部46Aの個数は特に限定されず、互いに平行な2つの第1中間外方シール部46Aを設けてもよい。また、複数の第1中間外方シール部46Aが、第1補強部材3Aの長手方向に互いに離間配置されていてもよい。
第1補強部材3Aの具体的な構成は何ら限定されず、図示された例においては、図5~図7に示すように、通常幅部31A、広幅部32A及び遷移部33Aを有する。通常幅部31Aは、第1補強部材3Aのうち一対の側方シール部42の間に位置する部分の殆どを締めている。通常幅部31Aの幅W1(図5における図中上下方向の寸法)は、パウチ容器A1に用いられる前の第1補強部材3Aの材料の幅と略同じである。広幅部32Aは、第1補強部材3Aのうち側方シール部42において第1本体シート1A及び第1内装シート2Aに接合された部位及びその近傍部位である。広幅部32Aの幅W2(図5における図中上下方向の寸法)は、幅W1よりも大きい。遷移部33Aは、通常幅部31Aと広幅部32Aとの間に介在している。遷移部33Aの幅は、通常幅部31A側から広幅部32A側へと向かう程に徐々に広くなっており、遷移部や広幅部により接合面積を大きく確保し、補強部材の位置ずれを防止している。また、遷移部33Aの周縁は第1本体シート1A及び第1内装シート2Aが接合しており、第1補強部材3Aの位置ズレを防止している。また、広幅部は通常幅部より下方に延びているため、湾曲部周辺の側方シール部分が正面側又は背面側の一方に撓んだ場合に、側方シール部の変形を下方で抑えることができ、通常幅部周辺の開口部分の開口安定性を向上させる。
第1補強部材3Aが、通常幅部31A、広幅部32A及び遷移部33Aを有する構成であることは、たとえばパウチ容器A1の製造方法に起因する。パウチ容器A1の製造において側方シール部42を形成するに先立ち、第1補強部材3Aのうち側方シール部42によって第1本体シート1A及び第1内装シート2Aに接合されるべき部分と当該部分の周辺部分とを、図5のシール金型S1を用いて第1本体シート1A及び第1内装シート2Aにヒートシールする。これは、側方シール部42の形成において、第1補強部材3Aが未だ肉厚であることに起因して、第1補強部材3Aの近傍で側方シール部42のヒートシール不足が生じることを抑制することを目的とする。一定の幅及び厚さであった第1補強部材3Aは端部において強固にヒートシールされて、このため、第1補強部材3Aのうちシール金型S1によって押さえられた部分の厚さが減少すると共に幅が拡幅される。これにより、広幅部32Aが形成される。即ち、広幅部32Aは補強部材の一部をあえて潰すことで形成される。なお、パウチ容器A1の製造において側方シール部42を形成した後に図5のシール金型S1を用いて第1補強部材3Aの端部を第1本体シート1A及び第1内装シート2Aにヒートシールすることもできるし、シール金型(形状等)や熱(ヒートシール温度)や押え圧(型締圧等)などの条件を変えることで、複数工程に分けず一度の工程で広幅部32Aを形成することもできる。
第2補強部材3Bは、図1~図7に示すように、第2本体シート1Bと第2内装シート2Bとの間に設けられている。また、第2補強部材3Bは、上下方向において、第2上方シール部44Bと第2下方シール部45Bとの間に配置されている。図示された例においては、第2補強部材3Bは、第2上方シール部44Bと第2下方シール部45Bとの略中間に配置されている。なお、第2補強部材3Bの具体的な位置は特に限定されず、図示された例においては、図6に示すように、第1補強部材3Aと重なる位置に設けられている。第2補強部材3Bの形状は特に限定されず、図示された例においては、一対の側方シール部42が離間する方向に延びる帯状である。第1補強部材3Aと同様に、第2補強部材3Bは、樹脂製であり、第2本体シート1B及び第2内装シート2Bよりも剛性が高い。また、第2補強部材3Bは、好ましくは、良好な可撓性を有しており、直状の状態や屈曲状の状態を安定して維持しうる。さらに、第2補強部材3Bは、シーラント性を有する材質からなるものが好ましい。第2補強部材3Bの材質の一例としては、第1補強部材3Aの材質と同様のものが挙げられる。なお、第2補強部材3Bの材質は、第1補強部材3Aの材質と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
図示された例においては、第2補強部材3Bの両端が、一対の側方シール部42において第2本体シート1B及び第2内装シート2Bに接合されている。また、第2補強部材3Bの両端縁は、第2本体シート1B及び第2内装シート2Bの両端縁と一致している。
第2中間外方シール部46Bは、第2本体シート1Bの内面と第2補強部材3Bとが、例えばヒートシールによって接合された部位である。図示された例においては、第2中間外方シール部46Bは、第2補強部材3Bの全長にわたって形成されている。なお、第2中間外方シール部46Bの個数は特に限定されず、互いに平行な2つの第2中間外方シール部46Bを設けてもよい。また、複数の第2中間外方シール部46Bが、第2補強部材3Bの長手方向に互いに離間配置されていてもよい。
第2補強部材3Bの具体的な構成は何ら限定されず、図示された例においては、図6及び図7に示すように、通常幅部31B、広幅部32B及び遷移部33Bを有する。通常幅部31B、広幅部32B及び遷移部33Bの構成は、通常幅部31A、広幅部32A及び遷移部33Aと同様である。
パウチ容器A1を構成する各シートは、通常、樹脂フィルムから構成される。シートを構成する樹脂フィルムには、耐衝撃性、耐磨耗性、及び耐熱性など、包装体としての基本的な性能を備えることが要求される。また、上記各シール部及び上記接合部は、通常、ヒートシールにより形成されるので、シートにはシーラント性も要求される。シートとしては、ベースフィルム層と、シーラント性を付与するシーラント層とを有する複層シートが好適であり、高いガスバリア性や遮光性が要求される場合には、ベースフィルム層とシーラント層との間にバリア層を設けることが好適である。なお、ベースフィルム層そのものにバリア性を付与してもよい。この場合は、バリア層をベースフィルム層として用い、バリア層とシーラント層とを有する複層シートとなる。また、シートの両面にシーラント性を付与する場合は、後述のシーラント層を形成する単層フィルムを用いてもよいし、複層シートの場合は、同種又は異種のシーラント層を二層有するか(このとき、シーラント層の一層を形式的にベースフィルム層として用いることになる)、或いはベースフィルム層の両面にシーラント層を有するシートを用いてもよい。本実施形態では、第1本体シート1A及び第2本体シート1Bとして、外面がベースフィルム層からなり内面がシーラント層からなる複層シートが使用されている。また、第1内装シート2A及び第2内装シート2Bとして、外面及び内面の双方がシーラント層からなるシートが使用されている。
ここで、ベースフィルム層、シーラント層、及びガスバリア層の構成材料を例示する。なお、これら各層の積層は、慣用のラミネート法、例えば、接着剤によるドライラミネーション、無溶剤タイプ接着剤によるラミネート、熱接着性層を挟んで熱により接着させる熱ラミネーションなど、或いはベースフィルム層にシーラント層となる樹脂を溶融押出する押出しラミネートにより行うことができる。
ベースフィルム層を構成するフィルムとしては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ-ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)など)、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリアミド(ナイロン-6、ナイロン-66など)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリ塩化ビニル(PVC)、及びポリ塩化ビニリデン(PVDC)等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示でき、特に厚さ9~30μmの二軸延伸PETフィルム、二軸延伸ポリアミドフィルムが良い。
シーラント層を構成する樹脂層としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン-プロピレン共重合体(EP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、エチレン-オレフィン共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等から構成される一層又は二層以上のフィルムや押出ラミネートされた樹脂が例示できる。シーラント層の厚さは、20~150μm、好ましくは40~120μmである。なお、第1本体シート1A及び第2本体シート1Bの内面と、第1内装シート2A及び第2内装シート2Bの外面とのシーラント層よりも、第1内装シート2A及び第2内装シート2Bの内面のシーラント層の方が高融点(高温でヒートシールされる)であることが好ましい。このような融点差は、例えば、LDPEやLLDPEで融点の異なるタイプを使用する、LDPE(LLDPE)に対し高融点のHDPEを使用する、LDPE(LLDPE)に対し高融点のEPやCPP(ホモPP、ランダムPP)を使用することで実現できる。
ガスバリア層としては、アルミニウム等の金属薄膜、又は塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)などの樹脂フィルム、或いは任意の合成樹脂フィルム(例えば、ベースフィルム層であってもよい)に、アルミニウム、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物などを蒸着(又はスパッタリング)したフィルムが例示できる。
第1本体シート1A又は第2本体シート1Bには、例えば、栄養剤の液量を計測するための目盛り(図示せず)を設けることが好適である。なお、目盛りの他にも、商品名や原材料、使用上の注意事項などを表示する印刷層を設けてもよい。印刷層は、ベースフィルム層にグラビア印刷やフレキソ印刷により設けることができる。
第1本体シート1A、第2本体シート1B、第1内装シート2A、第2内装シート2B、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bの厚さは、何ら限定されない。それぞれの材質が上述した例の場合、第1本体シート1A、第2本体シート1B、第1内装シート2A及び第2内装シート2Bの厚さは、たとえば80μm~170μmであり、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bの厚さは、たとえば300μm~1000μmであり、幅は、1.5mm~20mmである。この場合、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bの厚さは、第1本体シート1A、第2本体シート1B、第1内装シート2A及び第2内装シート2Bの厚さよりも厚い。
図8は、パウチ容器A1の開口部52を拡開した状態を示している。この拡開は、一対の側方シール部42における押圧操作部としての湾曲部423を指等によって両側から(例えば、親指と人差指で掴むように)押すことにより行う。一対の湾曲部423が押されると、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bを湾曲させる力が作用し、第1本体シート1A及び第1内装シート2Aと第2本体シート1B及び第2内装シート2Bとが互いに離間する。これにより、開口部52が拡開される。なお、この例では、湾曲部423を設けたが、湾曲部に変えて側方シール部42の幅を部分的に広げで指が挿入できる孔を設けた構成でもよい。
なお、図1や図8から判るように、本実施形態では、側方シール部42における湾曲部423の容器内寸Laに比して、開口部分の上方に配設された補強部材3A,3Bの長さ寸法Lbが大きくされている。これにより、手の小さな女性看護師にも取り扱いしやすく、煩雑な操作が余儀なくされる場において一方の手に持った容器から他方の手に持った容器に内容物を移す際に、栄養剤や薬剤や水等をこぼしにくく、定められた容量を投与しやすい。また、容器内寸が上方に向かって大きくなるような開口部分形状の場合、開口部分上方の変形形状が安定しにくいが、LbがLaに比して大きいことで上端に至るまで周方向で滑らかな湾曲形状をもって安定的に形成しやすくなる。因みに、本実施形態では、開口部分は、液体が収容される収容部51の上方に位置して、開口端縁にまで至る領域の部分(開口部52)とされており、当該開口部分の下端付近にチャック53が配されていると共に、上端(開口端縁)に向かって内寸が広がるテーパ状の部分を含んで開口部分とされている。
また、本実施形態において、補強部材3A,3Bは、少なくとも本体シートよりも変形剛性が大きく、より好適にはチャックよりも変形剛性が大きい。なお、補強部材3A,3Bは外力による可撓性(変形可能性)を有しており、当該補強部材の変形剛性は、変形時に元の形状に弾性的に復元するものでなく塑性的な変形特性を有するものであって、変形状態での形状保持力を有しており、当該変形状態下での変形剛性を有するものである。
また、本実施形態のチャック53は、各本体シートに重ね合わされて溶着される一対のテープ状のベース部と、各ベース部の対向面から突出して一体形成されて相互に離脱可能に係合する係合部とを備えた、一対のチャック部材から構成されている。そして、当該チャック53における各ベース部に比して、本実施形態の補強部材3A,3Bは厚さ寸法が大きくされて、形状の保持特性の向上が図られている。
また、本実施形態の補強部材3A,3Bは、幅寸法(本体シートの上下方向寸法)が、本体シートの両側縁部における側方シール部42や底シール部41の幅寸法に比して、1/2以上、より好適には2/3以上とされている。また、補強部材3A,3Bの幅寸法が大きくされることで捩じれ変形が抑えられて、変形形状の安定化が図られ得ると共に、本体シートに対する接着面積の向上なども図られ得る。また、補強部材3A,3Bの幅寸法がチャックにおけるベース部の幅に比して同等かより大きく形成されて、形状の保持特性の向上が図られている。なお、補強部材は、幅方向(本体シートの上下方向)に部分的に突出する突出部を設けたり、本体シート等と重ね合わされる外面や内面にシボ状など凹凸を設けることも可能であり、それによって接着力の向上や、本体シートへの力の伝達効率の向上などを図ることもできる。
次に、パウチ容器A1の作用について説明する。
本実施形態によれば、第1補強部材3Aは、第1本体シート1Aと第1内装シート2Aとの間に設けられている。すなわち、第1本体シート1Aの外面には、第1補強部材3Aを設けるための追加のシート部材等は貼り付けられていない。このため、第1本体シート1Aの外面性状をより平滑とすることが可能である。次に、第1補強部材3Aは、第1本体シート1Aや第1内装シート2Aと同様に樹脂からなる。このため、パウチ容器A1は、金属を含まず、パウチ容器A1を廃棄する際に、第1補強部材3Aを分別することなく樹脂としてリサイクル等の処分ができる。また、第1本体シート1Aと第1内装シート2Aとが第1下方シール部45Aによって全幅にわたって接合されていることにより、たとえば第1補強部材3Aから生じた異物が、収容部51に漏れ入ることを防止することが可能である。そして、可撓性を有し、形状を維持し得る剛性を有する第1補強部材3Aが、側方シール部42において接合されている。これにより、湾曲部423を押した際の力が、第1補強部材3Aへと伝わりやすくなり、第1補強部材3A全体をより確実に湾曲させることが可能である。一旦湾曲させられた第1補強部材3Aは、湾曲状態を良好に維持する。したがって、パウチ容器A1によれば、第1本体シート1Aの外面の平滑化と分別負担の軽減とを図りつつ、開口部52の形状をより確実に維持することができる。なお、第1補強部材3Aによる開口部52の形状維持は、拡開状態及び封鎖状態のいずれの状態であっても発揮される。
特に例示のように、下方に比して上方の幅方向寸法が大きい開口部分を有する容器において、補強部材が側方シール部上に位置し、側方シール部は上下方向において剛性が異なっている。このため、湾曲部423を押した際に湾曲部423周辺の側方シール部が正面側又は背面側に湾曲変形しやすく、側方シール部を介して開口部上方も正面側又は背面側に湾曲変形しやすい傾向にあるが、第1補強部材3Aが、開口部の側方シール部42上に固定されていることで、湾曲部423を押した際に湾曲部423周辺の側方シール部が正面側又は背面側に湾曲変形しても、補強部材の剛性により、補強部材の周辺の側方シール部が正面側又は背面側に湾曲変形する事態を防止することができる。これにより、正面側又は背面側の一方に大きく湾曲した側方シール部に引っ張られて、開口部分側方が正面側又は背面側の一方に撓んでしまい、いびつな開口形状となってしまう事態を防止することができる。
また、経腸栄養分野のバッグは大量に使い捨てられることから、製造コストを低くするために剛性が小さい薄肉の容器(例えば、ベースフィルムが一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムで形成された容器)が好まれるが、この場合、側方から指で押圧した際に押圧された容器部分が歪に変形しやすい。開口部分上方に補強部材を位置させることで、押圧された容器部分が歪に大きく変形したとしても、開口部分上方は歪に大きく変形しにくいようにすることができる。
また、開口部分内に位置する補強部材において、上方が下方に比して幅方向に長い。このため、補強部が湾曲した際に上方においてより幅広く容器に力を伝達でき、開口部上方においてより大きく開口させる力が生じる。
また、本実施形態のパウチ容器A1によれば、第1補強部材3Aが第1本体シート1Aの内側に位置すると共に側方シール部42上に位置して、第1本体シート1Aの外面性状が平滑化されている。このため、第1補強部材3Aが第1本体シート1Aの外側に位置する場合に比して第1補強部材3Aに指が当たりにくく、また、当たった場合もシートや第1補強部材3Aが正面又は背面側の一方に変形しにくい。
また、本実施形態の第1補強部材3Aは厚紙や樹脂等の非金属部材とされることで、分別負担の軽減が図られつつ、開口部52の形状をより確実に維持することができる。なお、第1補強部材3Aによる開口部52の形状維持は、拡開状態及び封鎖状態のいずれの状態であっても発揮される。
パウチ容器A1は、第1補強部材3Aに加えて第2補強部材3Bを備える。これにより、開口部52を、第1本体シート1A及び第1内装シート2A側と、第2本体シート1B及び第2内装シート2B側との両側から、より確実に拡開することが可能であり、開口部52の形状維持に好ましい。
第1補強部材3A及び第2補強部材3Bの両端が、一対の側方シール部42において接合されている。これにより、一対の湾曲部423を押した際に第1補強部材3A及び第2補強部材3Bの全体に亘って操作力が効率的に伝達されやすい。例えば、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bの長さ方向の端部が側方シール部42にまで達していないと、補強部材の端部付近で変形剛性が大きく変化することから応力や歪が集中しやすく、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bの長さ方向の端部が側方シール部42にまで達していることで、開口部の変形形状の安定化が図られる。
図示された例においては、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bの両端と、第1本体シート1A、第2本体シート1B、第1内装シート2A及び第2内装シート2Bの両側端縁とが、互いに一致している。これにより、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bのうち側方シール部42において接合される部分を拡大することが可能であり、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bの固定に好ましい。また、このような構成は、パウチ容器A1の製造方法において、第1本体シート1A、第2本体シート1B、第1内装シート2A及び第2内装シート2Bとなる長尺状のシート材料と、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bとなる長尺状の帯状材料とを互いに重ね合わせ、底シール部41、一対の側方シール部42等のシール部分を形成した後に、これらを一括して型抜き切断することにより、パウチ容器A1を製造する場合に生じうる構成である。したがって、このような構成は、複数のパウチ容器A1を連続して効率よく製造するのに適している。また、第1本体シート1A及び第2本体シート1Bの内面と、第1内装シート2A及び第2内装シート2Bの外面のシーラント層よりも、第1内装シート2A及び第2内装シート2Bの内面のシーラント層の方が高融点であれば、これらを適切な温度で同時にヒートシールすることで、第1内装シート2A及び第2内装シート2Bの内面同士を熱融着させることなく、第1本体シート1Aと第1内装シート2Aとの間に第1補強部材3Aを固定し、第2本体シート1Bと第2内装シート2Bとの間に第2補強部材3Bを固定することができる。
第1補強部材3Aは、第1中間外方シール部46Aによって第1本体シート1Aに接合されており、第2補強部材3Bは、第2中間外方シール部46Bによって第2本体シート1Bに接合されている。これにより、第1本体シート1A及び第2本体シート1Bを、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bにより密着して添わせることが可能である。これは、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bによって第1本体シート1A及び第2本体シート1Bの形状を規定するのに好ましい。
一対の内端縁421のうち第1内装シート2A及び第2内装シート2Bと重なる部分は、上述した向きに傾いている。これにより、図8に示すように、開口部52を拡開した状態において、収容部51の上端が広く開口した漏斗状の部分が形成される。この漏斗状の部分により、収容部51に内容物より容易に充填することができる。
図9~図28は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
<第1実施形態 第1変形例>
図9は、パウチ容器A1の第1変形例を示す要部拡大断面図である。本変形例のパウチ容器A11は、第1本体シート1Aの上端と第1内装シート2Aの上端とがずれており、第1本体シート1Aの上端縁がより上方に位置している。また、第2本体シート1Bの上端縁と第2内装シート2Bの上端縁とがずれており、第2本体シート1Bの上端がより上方に位置している。本変形例によっても、外面性状の平滑化と分別負担の軽減とを図りつつ、開口部52の形状をより確実に維持することができる。本変形例から理解されるように、パウチ容器A1を構成する各シートの端縁は、互いに一致していてもよいし、部分的にずれていてもよい。
<第1実施形態 第2変形例>
図10は、パウチ容器A1の第2変形例を示す要部拡大断面図である。本変形例のパウチ容器A12においては、第1内装シート2Aの上端縁が第1本体シート1Aの上端縁よりも上方に位置しており、第2内装シート2Bの上端縁が第2本体シート1Bの上端縁よりも上方に位置している。本変形例によっても、外面性状の平滑化と分別負担の軽減とを図りつつ、開口部52の形状をより確実に維持することができる。本変形例から理解されるように、パウチ容器A1を構成する各シートの端縁が、部分的にずれる態様は、様々に設定される。
<第1実施形態 第3変形例>
図11は、パウチ容器A1の第2変形例を示す要部拡大断面図である。本変形例のパウチ容器A13においては、本発明の第1上方固定部及び第2上方固定部の構成が、上述した例と異なっている。本変形例では、第1上方固定部として第1折り返し部61Aが設けられており、第2上方固定部として第2折り返し部61Bが設けられている。
第1本体シート1A及び第1内装シート2Aの上端縁同士は、第1折り返し部61Aを介してそれぞれの全長にわたって繋がっている。すなわち、図示された例においては、第1本体シート1Aと第1内装シート2Aとは、連続した1枚のシート材料によって形成されている。また、第2本体シート1B及び第2内装シート2Bの上端縁同士は、第2折り返し部61Bを介してそれぞれの全長にわたって繋がっている。すなわち、図示された例においては、第2本体シート1Bと第2内装シート2Bとは、連続した1枚のシート材料によって形成されている。本例においては、第1本体シート1A及び第2本体シート1Bの外面が第1内装シート2A及び第2内装シート2Bの内面に繋がっている。このため、第1本体シート1A及び第2本体シート1Bの外面は、シーラント層によって構成されることが好ましい。
本変形例によっても、外面性状の平滑化と分別負担の軽減とを図りつつ、開口部52の形状をより確実に維持することができる。また、本変形例から理解されるように、本発明の第1上方固定部及び第2上方工程部の具体的構成は、種々に設定される。
<第1実施形態 第4変形例>
図12は、パウチ容器A1の第4変形例を示す要部正面図であり、図13は、図12のXIII-XIII線に沿う断面図である。本変形例のパウチ容器A11においては、上述した第1中間外方シール部46A及び第2中間外方シール部46Bが設けられていない。第1補強部材3A及び第2補強部材3Bは、一対の側方シール部42の間において、第1本体シート1A及び第1内装シート2Aと、第2本体シート1B及び第2内装シート2Bと、接合されていない。
このような変形例であっても、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bのそれぞれの少なくとも一端が側方シール部42において接合されていることにより、開口部52の拡開を適切に行うことができる。
<第1実施形態 第5変形例>
図14は、パウチ容器A1の第5変形例を示す断面図である。本変形例のパウチ容器A15は、第1中間外方シール部46A及び第2中間外方シール部46Bに加えて、第1中間内方シール部47A及び第2中間内方シール部47Bを有する。第1中間内方シール部47Aは、第1補強部材3Aと第1内装シート2Aの内面とが、ヒートシール等によって接合された部位である。第2中間内方シール部47Bは、第2補強部材3Bと第2内装シート2Bの内面とが、ヒートシールによって接合された部位である。
このような変形例であっても、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bのそれぞれの少なくとも一端が側方シール部42において接合されていることにより、開口部52の拡開を適切に行うことができる。また、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bに第1本体シート1A及び第1内装シート2Aと第2本体シート1B及び第2内装シート2Bとがそれぞれ接合されていることにより、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bの形状維持機能を高めることができる。なお、パウチ容器A1、パウチ容器A14及びパウチ容器A15から理解されるように、第1中間外方シール部46A、第2中間外方シール部46B、第1中間内方シール部47A及び第2中間内方シール部47Bのいずれを採用するかは任意であり適宜設定可能である。
<第2実施形態>
図15は、本発明の第2実施形態に係るパウチ容器を示す要部正面図である。本実施形態のパウチ容器A2は、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bと一対の側方シール部42との関係が上述した実施形態と異なっている。図示されたパウチ容器A2においては、第1補強部材3Aの両端は、一対の側方シール部42(第1本体シート1A及び第1内装シート2A)の両側端縁とずれており、これらよりも幅方向内方に位置している。また同様に、第2補強部材3Bの両端は、一対の側方シール部42(第2本体シート1B及び第2内装シート2B)の両側端縁とずれており、これらよりも幅方向内方に位置している。
このような実施形態によっても、外面性状の平滑化と分別負担の軽減とを図りつつ、開口部52の形状をより確実に維持することができる。また、パウチ容器A2は、たとえば、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bとなる材料部材を、間欠的に供給する製造方法に適している。
<第2実施形態 第1変形例>
図16は、パウチ容器A2の第1変形例を示す要部正面図である。本変形例のパウチ容器A21においては、第1補強部材3Aの一端は一方の側方シール部42に到達しているものの、他端は他方の側方シール部42に到達していない。また、第2補強部材3Bの他端も、側方シール部42に到達していない構成であってもよい。このような変形例によっても、外面性状の平滑化と分別負担の軽減とを図りつつ、開口部52の形状をより確実に維持することができる。また、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bは、少なくとも一端が側方シール部42に到達していればよい。
このように、補強部材を長さ方向の端部において本体シートの側方シール部から離すことで、側方シール部の内周端での補強部材による変形拘束を回避して、一対の本体シートを互いに反対側に向けて屈曲させて両側へ一層大きく開くことなども可能になる。また、補強部材を長さ方向の端部において本体シートの側方シール部から離すことで、補強部材による開口抵抗力を軽減等調節することもできる。
<第3実施形態>
図17は、本発明の第3実施形態に係るパウチ容器を示す要部正面図である。本実施形態のパウチ容器A3は、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bの上下方向における位置が上述した実施形態と異なっている。図示された例においては、第1補強部材3Aは、上下方向において第1上方シール部44A寄り(上方寄り)に配置されている。これと同様に第2補強部材3Bも、第2上方シール部44B寄り(上方)に配置されていてもよい。
本実施形態によっても、外面性状の平滑化と分別負担の軽減とを図りつつ、開口部52の形状をより確実に維持することができる。また、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bが上方寄りであることは、パウチ容器A3の上端の形状をより確実に維持するのに適している。
<第3実施形態 第1変形例>
図18は、パウチ容器A3の第1変形例を示す要部正面図である。本変形例のパウチ容器A31においては、第1補強部材3Aは、上下方向において第1下方シール部45A寄り(下方寄り)に配置されている。これと同様に、第2補強部材3Bも、第2下方シール部45B寄り(下方寄り)に配置されていてもよい。
本実施形態によっても、外面性状の平滑化と分別負担の軽減とを図りつつ、開口部52の形状をより確実に維持することができる。また、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bが下方寄りであることは、パウチ容器A3のチャック53付近の形状をより確実に維持するのに適している。また、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bが一対の湾曲部423と重なる位置に設けられていれば、一対の湾曲部423を押すことによって第1補強部材3A及び第2補強部材3Bをより湾曲させやすいという利点がある。
<第3実施形態 第2変形例>
図19は、パウチ容器A3の第2変形例を示す要部正面図である。本変形例のパウチ容器A32においては、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bが、チャック53よりも下方に位置している。第1内装シート2A及び第2内装シート2Bの下端縁は、チャック53よりも下方に位置しており、第1下方シール部45A及び第2下方シール部45Bも、チャック53よりも下方に設けられている。この場合は、チャック53は、第1内装シート2A及び第2内装シート2Bの内面側に設けられている。本変形例によっても、外面性状の平滑化と分別負担の軽減とを図りつつ、開口部52の形状をより確実に維持することができる。なお、図示された例では、チャック53を湾曲部423付近に設けられているが、チャック53を開口部52の上端近くに設けてもよい。また、本変形例から理解されるように、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bとチャック53との上下方向における位置関係は何ら限定されない。
<第4実施形態>
図20は、本発明の第4実施形態に係るパウチ容器を示す要部正面図であり、図21は、要部拡大平面図であり、図22は、図21のXXII-XXII線に沿う要部拡大断面図である。本実施形態のパウチ容器A4は、第1折曲げ容易部71A及び第2折曲げ容易部71Bを有する。第1折曲げ容易部71Aは、第1補強部材3Aの厚みが部分的に小とされた部位である。第2折曲げ容易部71Bは、第2補強部材3Bの厚みが部分的に小とされた部位である。図示された例においては、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bは、内端縁421に対して若干幅方向外側に設けられており、側方シール部42と重なっている。図22に示すように、図示された例においては、第1折曲げ容易部71A及び第2折曲げ容易部71Bは、第1本体シート1A及び第2本体シート1Bを介して、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bの一部を三角溝状に凹ませることによって形成されている。
本実施形態によっても、外面性状の平滑化と分別負担の軽減とを図りつつ、開口部52の形状をより確実に維持することができる。また、第1折曲げ容易部71A及び第2折曲げ容易部71Bが設けられていることにより、一対の湾曲部423を押した場合に、第1折曲げ容易部71A及び第2折曲げ容易部71Bにおいて、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bがより容易に折り曲げられる。したがって、開口部52の拡開をより少ない力でスムーズに行うことができる。
<第4実施形態 第1変形例>
図23は、パウチ容器A4の第1変形例を示す要部拡大断面図である。本変形例のパウチ容器A41においては、第1折曲げ容易部71A及び第2折曲げ容易部71Bが、第1補強部材3A及び第2補強部材3Bを部分的に切断することによって形成されている。第1補強部材3A及び第2補強部材3Bが切断された箇所は、断面積が0である。本発明における第1折曲げ容易部71A及び第2折曲げ容易部71Bは、断面積が0である構成を含む概念である。
<第4実施形態 第2変形例>
図24は、パウチ容器A4の第2変形例を示す要部正面図である。本変形例のパウチ容器A42においては、3つの第1折曲げ容易部71Aが設けられている。一対の第1折曲げ容易部71Aが一対の側方シール部42と重なる位置に設けられており、これらの間に1つの第1折曲げ容易部71Aが設けられている。本変形例によっても、外面性状の平滑化と分別負担の軽減とを図りつつ、開口部52の形状をより確実に維持することができる。また、第1補強部材3Aの略中央に第1折曲げ容易部71Aが設けられていることにより、第1補強部材3Aの中央付近をより容易に折り曲げることが可能であり、開口部52の開口面積を拡大することができる。なお、第2折曲げ容易部71Bを第1折曲げ容易部71Aと同様の配置としてもよい。
<第4実施形態 第3変形例>
図25は、パウチ容器A4の第3変形例を示す要部正面図である。本変形例のパウチ容器A43においては、一対の側方シール部42の間に、2つの第1折曲げ容易部71Aが互いに離間して設けられている。本変形例によっても、外面性状の平滑化と分別負担の軽減とを図りつつ、開口部52の形状をより確実に維持することができる。また、本変形例から理解されるように、第1折曲げ容易部71Aの個数や配置は何ら限定されない。第2折曲げ容易部71Bを第1折曲げ容易部71Aと同様の個数及び配置としてもよい。
<第5実施形態>
図26は、本発明の第5実施形態に係るパウチ容器を示す要部正面図である。本実施形態のパウチ容器A5は、第1上方シール部44Aの構成が、上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、第1上方シール部44Aは、略中央において途切れた構成となっている。ただし、第1下方シール部45Aは、幅方向全域に設けられている。
本実施形態によっても、外面性状の平滑化と分別負担の軽減とを図りつつ、開口部52の形状をより確実に維持することができる。また、第1上方シール部44Aが途切れている構成であっても、第1上方シール部44Aが途切れた部分は、収容部51に直接繋がる箇所ではない。したがって、第1補強部材3Aに起因する異物等が収容部51に漏れ入ることを抑制することができる。
<第6実施形態>
図27は、本発明の第6実施形態に係るパウチ容器を示す要部拡大断面図である。本実施形態のパウチ容器A6は、第1補強部材3Aと第2補強部材3Bとが、上下方向に互いにずれて配置されている。本実施形態によっても、外面性状の平滑化と分別負担の軽減とを図りつつ、開口部52の形状をより確実に維持することができる。また、第1補強部材3Aと第2補強部材3Bとが重なっている構成と比較して、側方シール部42のうち第1補強部材3Aと重なる箇所や第2補強部材3Bと重なる箇所の厚さを薄くすることが可能である。
<第7実施形態>
図28は、本発明の第7実施形態に係るパウチ容器を示す要部拡大断面図である。本実施形態のパウチ容器A7は、第1補強部材3Aのみを備え、第2補強部材3Bを備えない点が、上述した実施形態と異なる。
本実施形態によっても、外面性状の平滑化と分別負担の軽減とを図りつつ、開口部52の形状をより確実に維持することができる。また、本実施形態から理解されるように、第1補強部材3Aのみを備え、第2補強部材3Bを備えない構成であってもよい。このような構成においても、第1補強部材3Aによる形状維持の機能により、パウチ容器A7の開口状態等を適切に維持することができる。
<第8実施形態>
図29は、本発明の第8実施形態に係るパウチ容器製品の一例を示す斜視説明図である。本実施形態において、パウチ容器A8としては、前記第1~7の実施形態の如き何れの態様のものも採用可能である。そして、かかるパウチ容器A8は、注出部54(図1参照)を介して収容液を排出させる排出部、例えば、外部流路を形成するチューブ80やチューブ80を接続するための筒状のコネクタを備えている。なお、本実施形態では、当該チューブ80に対して、チャンバー(点滴筒)やクレンメ(流量調整器)、コネクター等(何れも図示せず)の流路器具82も装着されている。尤も、これらチューブ80や流路器具82は、パウチ容器A8の注出部54へ接続されていることが望ましいが、必要に応じて分離状態で(例えば選択的に使用される器具など)あっても良い。
パウチ容器A8は、チューブ80や流路器具82と共に、袋状の密封ケース84へ収容されている。かかる収容状態において、パウチ容器A8は、上下方向で折り畳んだ状態とされている。なお、折り畳んだ状態は、例えば二つ折りや三つ折り、四つ折り等の折り目を湾曲した丸め形状として畳んだ状態や、全体を丸めたものを径方向一方向に圧縮して押しつぶしたような楕円やオーバル状に丸め畳んだ状態などが好適であるが、平らな展開状態や折れ曲がった折り目をもって180度折り返して密着状態で重ねあわされたた折り畳み状態でなければ差し支えない。
このように丸めるように折り畳んだ状態で収容されたパウチ容器A8は、好適には、畳んだ内部にチューブ80や流路器具82を少なくとも部分的に入れ込んだ状態で、即ち、チューブ80や流路器具82等の排出部を丸めたパウチ容器A8で包み込んだ状態とされて、密封ケース84へ収容されている。なお、収容後に密封ケースは必要に応じて滅菌処理される。
このようにしてパウチ容器A8を収容した密封ケース84は、内部にある程度のスペースを確保された空間を有しており、たとえ軟質のシートで形成されていてもある程度の厚みを保持する態様である。そして、内部の空間(スペース)を利用することで、パウチ容器A8の開口部分は、少しでも開いた開口状態に保持されている。かかる開口状態は、例えば前記図4や図7,図13,図14などを参照すれば理解され得る。特に前記各実施形態に示されているように、開口部分には補強部材が設けられていることから、かかる補強部材の変形剛性に基づいて、開口部分が、予め癖付けされた開口状態に保持されるようになっている。
従って、本実施形態における医療用のパウチ容器製品90では、医療現場において密封ケースを開いて取り出したパウチ容器A8が、取り出した段階で既に開口部分が開いている(チャック53も閉じられていない)ことから、そのまま幅方向両側の側方シール部42,42の開口操作部(湾曲部423,423)を手指で互いに接近させるように内方へ押圧操作するだけで、開口部分を容易に且つ速やかに安定して大きく開口させることができる。また、補強部材がチャックより上方にあることで、栄養剤注入時に開口してほしい側、即ち、チャックより下方ではなく上方が大きく開く。それ故、緊急性を要する医療現場において好適に用いられると共に、開口部分を開くために、開口部分を形成する両シートの内部に手指を差し入れる必要もなく、手指の開口部分内面への接触に伴う雑菌の付着リスクを回避することも可能になる。なお、チャック53は開かれることで、双方のベース部から内方に突出する係合部により開口部分が開かれる方向に僅かに湾曲され得る。
本発明に係るパウチ容器は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るパウチ容器の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
例えば、第1本体シート1Aと第2本体シート1Bを、下端縁の底部側で折り返された連続した1枚のシートによって構成することも可能であり、その場合には下端の底シール部41は必須でない。同様に、第1本体シート1Aと第2本体シート1Bをシート幅方向の一方の端縁で折り返された連続した1枚のシートによって構成することも可能であり、その場合には当該折り返された端縁の側方シール部42は必須でない。また、筒状の成形シートを筒長さ方向で所定長さで切断して底部側を溶着して底シール部41とすることにより、第1本体シート1Aと第2本体シート1Bを幅方向の両側縁で連続した1枚のシートによって構成することも可能である。
また、パウチ容器の開口部分における形状は例示の如き上方に向かって拡開するテーパ状に限定されるものでなく、ストレートに延びる筒状の開口部分を採用することも可能であるし、本体シート幅方向の一方の側だけに傾斜部を設けたテーパ状や、両側で異なる傾斜角度とされた傾斜部を設けたテーパ状なども適宜に採用され得る。更に、開口部分の特に上端側は、本体シート幅方向の一方又は両方の側方シール部42がなく、第1本体シート1Aと第2本体シート1Bが重ね合わせ方向で互いに離隔して開くようなフラップ状とされていても良い。開口部分の上端側がフラップ状の場合、ストレートに延びる筒状の開口部分を採用しても開口面積を大きくすることができ、また、補強部材をチャックと同位置又は下方に配置させたとしても、或いは、補強部材の長さを封止部より短くしても開口部分の上方部分が比較的開口しやすくすることができる。なお、開口部分の上端側がフラップ状の場合においても、補強部材の端部は側方シール部上に位置しているのが好ましい。また、パウチ容器の封止部としてチャックを用いているが、これに限るものではない。例えば、パウチ容器を折り曲げることで封止を実現してもよい。また、封止部材の代わりに第3及び第4の補強部材を設けてもよく、特に第1及び第2補強部材に比して剛性が低い第3及び第4の補強部材を設けるのが好ましい。また、開口操作性に劣るが、補強部材は予め湾曲状態に癖付けされておらず、主面及び背面に帯を設けて、使用者が帯を引っ張ることで癖付けされるようであってもよく、また、主面にのみ補強部材が設けられ、背面に帯を設けることもでき、帯は手指を挿入可能な環状体としてもよい。また、補強部材としては合成樹脂以外のものも採用することができ、例えば、補強部材として幅広帯状の厚紙を採用することができる。この場合、本体シートと内装シート又は本体シートと外装シートの間に補強部材収容空間を形成し、その内部に厚紙を収容するとよく、また、厚紙が位置ズレしないように厚紙の周辺においてシート同士が接合されているとよい。
[付記1]
互いに重ね合わされた第1本体シート及び第2本体シートと、
前記第1本体シート及び前記第2本体シートの幅方向における両側端縁が接合された一対の側方シール部と、
前記第1本体シート、前記第2本体シート及び前記一対の側方シール部に囲まれた、内容物を収容するための収容部と、
前記収容部に繋がり且つ前記第1本体シート及び前記第2本体シートの上端縁によって規定された開口部と、を備えたパウチ容器であって、
前記第1本体シートの内側に設けられ、且つ前記一対の側方シール部において前記第1本体シート及び前記第2本体シートに接合された第1内装シートと、
前記第1本体シートと前記第1内装シートとの間に設けられた樹脂製の第1補強部材と、
前記第1補強部材に対して上側において前記第1本体シートと前記第1内装シートとが固定された第1上方固定部と、
前記第1補強部材に対して下側において前記第1本体シートと前記第1内装シートとが固定された第1下方固定部と、を備え、
前記第1補強部材は、前記第1本体シート及び前記第1内装シートよりも剛性が高く、且つ前記一対の側方シール部の少なくともいずれかにおいて前記第1本体シート及び前記第1内装シートに接合されていることを特徴とする、パウチ容器。
[付記2]
前記第1補強部材は、前記一対の側方シール部の双方において前記第1本体シート及び前記第1内装シートに接合されている、付記1に記載のパウチ容器。
[付記3]
前記第1補強部材の両端と前記第1本体シート、前記第2本体シート及び前記第1内装シートの両側端とは、互いに一致している、付記2に記載のパウチ容器。
[付記4]
前記一対の側方シール部の内端縁のうち前記第1内装シートに重なる部分は、下方に向かうほど前記幅方向内方に位置するように傾いている、付記1ないし3のいずれかに記載のパウチ容器。
[付記5]
前記第1補強部材の厚みが部分的に小とされた第1折曲げ容易部を備える、付記1ないし4のいずれかに記載のパウチ容器。
[付記6]
前記第1本体シートと前記第1補強部材とが接合された第1中間外方シール部を備える、付記1ないし5のいずれかに記載のパウチ容器。
[付記7]
前記第2本体シートの内側に設けられ、且つ前記一対の側方シール部において前記第1内装シート及び前記第2本体シートに接合された第2内装シートと、
前記第2本体シートと前記第2内装シートとの間に設けられた樹脂製の第2補強部材と、
前記第2補強部材に対して上側において前記第2本体シートと前記第2内装シートとが固定された第2上方固定部と、
前記第2補強部材に対して下側において前記第2本体シートと前記第2内装シートとが固定された第2下方固定部と、を備え、
前記第2補強部材は、前記第2本体シート及び前記第2内装シートよりも剛性が高く、且つ前記一対の側方シール部の少なくともいずれかにおいて前記第2本体シート及び前記第2内装シートに接合されている、付記1ないし5のいずれかに記載のパウチ容器。 [付記8]
前記第2補強部材は、前記一対の側方シール部の双方において前記第2本体シート及び前記第2内装シートに接合されている、付記7に記載のパウチ容器。
[付記9]
前記第2補強部材の両端と前記第1本体シート、前記第2本体シート、前記第1内装シート及び前記第2内装シートの両側端とは、互いに一致している、付記8に記載のパウチ容器。
[付記10]
前記第2補強部材の厚みが部分的に小とされた第2折曲げ容易部を備える、付記7ないし9のいずれかに記載のパウチ容器。
[付記11]
前記第2本体シートと前記第2補強部材とが接合された第2中間外方シール部を備える、付記7ないし10のいずれかに記載のパウチ容器。
[付記12]
前記第1補強部材と前記第2補強部材とが、上下方向に互いにずれて配置されている、付記7ないし11のいずれかに記載のパウチ容器。
A1,A11,A12,A13,A14,A15,A2,A21,A3,A31,A32,A4,A41,A42,A43,A5,A6,A7,A8:パウチ容器
1A :第1本体シート
1B :第2本体シート
2A :第1内装シート
2B :第2内装シート
3A :第1補強部材
3B :第2補強部材
31A :通常幅部
31B :通常幅部
32A :広幅部
32B :広幅部
33A :遷移部
33B :遷移部
41 :底シール部
42 :側方シール部
43 :注出シール部
44A :第1上方シール部(第1上方固定部)
44B :第2上方シール部(第2上方固定部)
45A :第1下方シール部
45B :第2下方シール部
46A :第1中間外方シール部
46B :第2中間外方シール部
47A :第1中間内方シール部
47B :第2中間内方シール部
51 :収容部
52 :開口部
53 :チャック
54 :注出部
61A :第1折り返し部
61B :第2折り返し部
71A :第1折曲げ容易部
71B :第2折曲げ容易部
80 :チューブ
82 :流路器具
84 :密封ケース
90 :パウチ容器製品
421 :内端縁
423 :湾曲部
S1 :シール金型

Claims (8)

  1. 一対の本体シートの重ね合わせ面間に、上方に開口する収容部が形成されると共に、下方が上方に比して幅方向の長さが短い開口部分を有する経腸栄養剤用のパウチ容器であって、
    前記一対の本体シートには前記収容部を封止するチャックが設けられていると共に、
    該チャックよりも開口側に位置して、前記本体シートよりも変形剛性が大きくされて該本体シートを湾曲形状に保持し得る補強部材が、少なくとも一方の該本体シートにおいてシート幅方向に延びるように設けられており、且つ、
    前記開口部分において、幅方向の長さが短い幅狭部分に該チャックが設けられていると共に、幅方向の長さが長い幅広部分に該補強部材が設けられている経腸栄養剤用のパウチ容器。
  2. 請求項1に記載の経腸栄養剤用のパウチ容器を、上下方向で畳んだ状態で、前記収容部に接続された排出部と共に袋状の密封ケースに収容した経腸栄養剤用のパウチ容器製品であって、
    前記補強部材が、少なくとも一方の前記本体シートの内側においてシート幅方向に延びるように設けられており、該補強部材が設けられた前記開口部分において一対の該本体シートが互いに離れて開口するように予め癖付けされた状態で該パウチ容器が前記密封ケースに収容されている経腸栄養剤用のパウチ容器製品。
  3. 一対の本体シートの重ね合わせ面間に、上方に開口する収容部が形成された経腸栄養剤用のパウチ容器であって、
    前記収容部における上方への開口部分には、前記本体シートよりも変形剛性の大きい補強部材が、少なくとも一方の該本体シートの内側においてシート幅方向に延びるように設けられており、且つ、
    該補強部材を覆う内装シートが設けられていると共に、該内装シートが該本体シートの上端まで延びている経腸栄養剤用のパウチ容器。
  4. 前記本体シートの内側に設けられた前記補強部材を覆う内装シートが、該本体シートの内面に重ね合わされており、
    該内装シートは、該補強部材の下方と上方とにおいてそれぞれ該本体シートへ固着されている請求項3に記載の経腸栄養剤用のパウチ容器。
  5. 前記補強部材が、各前記本体シートの内側においてシート幅方向に延びるように設けられていると共に、
    各該本体シートの内面には該補強部材を覆う内装シートが重ね合わされて、一対の該本体シートのシート幅方向の両側端縁に設けられた側方シール部において各該内装シートが一対の該本体シートに対して溶着されており、
    各該内装シートにおける内面側のシーラント層が外面側のシーラント層に比して高融点とされている請求項3又は4に記載の経腸栄養剤用のパウチ容器。
  6. 前記一対の本体シートの少なくとも一方の本体シートの内側に沿って設けられた、前記本体シートよりも剛性が高い樹脂製の前記補強部材と、
    前記一方の本体シートとともに該補強部材を挟み、且つ該一対の本体シートの幅方向における両側端縁が接合された一対の側方シール部において該一対の本体シートに固定された内装シートと、を備え、
    該補強部材は、該一対の側方シール部の少なくともいずれかにおいて該一方の本体シートに固定されている請求項3又は4に記載の経腸栄養剤用のパウチ容器。
  7. 一対の本体シートの重ね合わせ面間に、上方に開口する収容部が形成された経腸栄養剤用のパウチ容器であって、
    前記収容部における上方への開口部分には、前記本体シートよりも変形剛性が大きくされて該本体シートを湾曲形状に保持し得る補強部材が、少なくとも一方の該本体シートにおいてシート幅方向に延びるように設けられている一方、
    該補強部材の両端部が、該一対の本体シートの幅方向の両端縁に形成された側方シール部に対して固定されており、且つ、
    該補強部材の両端部の高さ寸法が、該補強部材において一対の該側方シール部の間に位置する部分の高さ寸法よりも大きくされている経腸栄養剤用のパウチ容器。
  8. 一対の本体シートの重ね合わせ面間に、上方に開口する収容部が形成された経腸栄養剤用のパウチ容器であって、
    上方への開口部分において、下方が上方に比して幅方向における容器内寸が小さく形成されていると共に、
    該開口部分には、前記本体シートよりも変形剛性が大きくされて該本体シートを湾曲形状に保持し得る補強部材が、少なくとも一方の該本体シートにおいてシート幅方向に延びるように設けられており、
    該補強部材よりも上方又は下方に該開口部分を開く操作力を及ぼすための押圧操作部が位置しており、且つ、
    前記開口部分において、幅方向の長さが短い幅狭部分に前記収容部を封止するチャックが設けられていると共に、幅方向の長さが長い幅広部分に該補強部材が設けられている経腸栄養剤用のパウチ容器。
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