JP2024092118A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024092118000001
【課題】無端状のベルト表面の変形が最大となる変形最大位置とベルトの加圧力が最大となる圧力最大位置が、ベルトと加圧手段とで形成されるニップ部において同じ位置である場合に比べて、定着性を確保しつつ、被定着媒体が湾曲するのを抑制する。
【解決手段】表面層が弾性変形可能な無端状のベルトと、前記ベルトと圧接し、ニップ部を形成する加圧手段と、を備え、前記ベルト表面の変形が最大となる変形最大位置が前記ベルトの加圧力が最大となる圧力最大位置と異なる位置に設定されている。
【選択図】図7

Description

この発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
従来、定着装置に関する技術としては、例えば、特許文献1乃至3等に開示されたものが既に提案されている。
特許文献1は、支持部材の摺動部は、加圧部材方向に凸となるように加熱部材を屈曲させる形状を有しており、屈曲部における弾性層表面の変形率の最大値ηmaxと前記ニップ部内における弾性層表面の変形率の最小値ηminとの比が、1.0<ηmax/ηmin≦1.5であるように構成したものである。
特許文献2は、ガイド部材は、定着ベルトの内面に当接する加圧ローラー側に凸形状の曲面からなる接触面を有してなり、接触面の曲率半径は、定着ベルトの回転方向の上流側から下流側に向かって小さくなるように変化するものである。
特許文献3は、定着部材は、ニップ部を形成するニップ部形成領域において、無端ベルトの回転方向における上流側に設けられた曲面部と、回転方向の下流側に設けられ、曲面部に接続された平面部とを有し、曲面部は、ローラーに対して凹となるように円弧状に湾曲しており、平面部は、曲面部に接続される接続位置に接する曲面部の接線上に位置するか、接線よりもローラー側に傾斜するように設けられ、ニップ部形成領域に印加される圧力の分布において、ピーク位置が平面部に存在するよう構成したものである。
特開2010-128299号公報 特開2014-006317号公報 特開2021-156927号公報
この発明の目的は、無端状のベルト表面の変形が最大となる変形最大位置とベルトの加圧力が最大となる圧力最大位置が、ベルトと加圧手段とで形成されるニップ部において同じ位置である場合に比べて、定着性を確保しつつ、被定着媒体が湾曲するのを抑制することにある。
請求項1に記載された発明は、表面層が弾性変形可能な無端状のベルトと、
前記ベルトと圧接し、ニップ部を形成する加圧手段と、
を備え、
前記ベルト表面の変形が最大となる変形最大位置が前記ベルトの加圧力が最大となる圧力最大位置と異なる位置に設定されていることを特徴とする定着装置である。
請求項2に記載された発明は、前記ベルト表面の変形が最大となる変形最大位置が前記ベルトの加圧力が最大となる圧力最大位置と異なるよう前記ベルトの走行位置を規制する規制手段を有する請求項1に記載の定着装置である。
請求項3に記載された発明は、前記規制手段は、前記ベルト表面の変形最大位置が前記ニップ部の出口より外側となるよう前記ベルトの走行位置を規制する請求項2に記載の定着装置である。
請求項4に記載された発明は、前記規制手段は、前記ニップ部の出口の外側において前記ベルトの裏面に当接して、前記ベルトが前記ニップ部の出口で受ける変形方向と逆方向に変形するよう前記ベルトの走行位置を規制する当接部を有する請求項3に記載の定着装置である。
請求項5に記載された発明は、前記ベルトは、前記ニップ部の出口の手前に前記圧力最大位置を有する請求項1に記載の定着装置である。
請求項6に記載された発明は、前記ベルトを介して前記加圧手段に圧接する面状発熱体を有し、
前記面状発熱体は、前記ベルトの移動方向に沿った下流側の端部が前記加圧手段に圧接することで前記圧力最大位置を形成する請求項5に記載の定着装置である。
請求項7に記載された発明は、前記規制手段は、前記面状発熱体を保持する保持手段を兼ねる請求項6に記載の定着装置である。
請求項8に記載された発明は、前記規制手段は、前記ニップ部における前記ベルトの移動方向に沿った下流側の端部に、前記ベルトの裏面と接触しない非接触領域を有する請求項1に記載の定着装置である。
請求項9に記載された発明は、前記規制手段の非接触領域は、前記ベルトの移動方向に沿って第1の距離を有し、且つ前記加圧手段から離間する方向に第2の距離だけ退避するよう設定されている請求項8に記載の定着装置である。
請求項10に記載された発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記記録媒体に前記画像を定着する定着手段と、
を備え、
前記定着手段として請求項1乃至9のいずれかに記載の定着装置を用いた画像形成装置である。
請求項1及び2に記載された発明によれば、無端状のベルト表面の変形が最大となる変形最大位置とベルトの加圧力が最大となる圧力最大位置が、ベルトと加圧手段とで形成されるニップ部において同じ位置である場合に比べて、定着性を確保しつつ、被定着媒体が湾曲するのを抑制することができる。
請求項3に記載された発明によれば、規制手段は、ベルト表面の変形最大位置が定着ニップ部の出口より内側にある場合に比べて、変形最大位置を圧力最大位置と異ならせることが容易となる。
請求項4に記載された発明によれば、ベルトがニップ部の出口で受ける変形方向と逆方向に変形するようベルトの走行位置を規制する当接部を有しない場合に比べて、ベルト表面の変形最大位置がニップ部の出口より外側となることを容易とすることができる。
請求項5に記載された発明によれば、ベルトは、ニップ部の出口の手前に圧力最大位置を有しない場合に比べて、良好な定着性を確保することができる。
請求項6に記載された発明によれば、面状発熱体は、ベルトの移動方向に沿った下流側の端部が加圧手段に圧接しない場合に比べて、圧力最大位置を形成することが容易となる。
請求項7に記載された発明によれば、規制手段は、面状発熱体を保持する保持手段と別部材からなる場合に比べて、部品点数を低減することができる。
請求項8に記載された発明によれば、規制手段は、ニップ部におけるベルトの移動方向に沿った下流側の端部がベルトの裏面と接触する場合に比べて、圧力最大位置と変形最大位置をずらすことが容易となる。
請求項9に記載された発明によれば、第1及び第2の距離を適宜設定することにより、変形最大位置を確実に形成することが可能となる。
請求項10に記載された発明によれば、定着手段として請求項1乃至9のいずれかに記載の定着装置を用いない場合に比べて、定着性を確保しつつ、被定着媒体が湾曲するのを抑制することが可能となる。
この発明の実施の形態1に係る定着装置を適用した画像形成装置を示す全体構成図である。 この発明の実施の形態1に係る定着装置を示す断面構成図である。 加熱ベルトを示す断面構成図である。 セラミックヒータの発熱部を示す平面構成図である。 この発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示す断面構成図である。 セラミックヒータの発熱温度を示すグラフである。 この発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示す断面構成図である。 図7の要部拡大図である。 図7の要部拡大図である。 この発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を拡大して示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を拡大して示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る定着装置におけるシミュレーション実験の結果を示す図表である。
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係る定着装置を適用した画像形成装置を示すものである。
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、現像剤4を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する複数の作像装置10と、各作像装置10で形成されたトナー像をそれぞれ保持して最終的に記録媒体の一例としての記録用紙5に二次転写する二次転写位置まで搬送する中間転写装置20と、中間転写装置20の二次転写位置に供給すべき所要の記録用紙5を収容して搬送する給紙装置50と、中間転写装置20で二次転写された記録用紙5上のトナー像を定着させる定着手段の一例としての定着装置40等を備えている。複数の作像装置10及び中間転写装置20は、記録用紙5に画像を形成する画像形成手段2を構成している。なお、図中の1aは画像形成装置1の装置本体を示し、この装置本体1aは支持構造部材、外装カバー等で形成されている。また、図中の二点鎖線は、装置本体1a内において記録用紙5が搬送される主な搬送経路を示す。画像形成手段2は、フルカラーの画像を形成する画像形成手段に限定されるものではなく、モノクロの画像を形成する画像形成手段であっても良いことは勿論である。
作像装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像をそれぞれ専用に形成する4つの作像装置10Y,10M,10C,10Kで構成されている。これらの4つの作像装置10(Y,M,C,K)は、装置本体1aの内部空間において傾斜した状態で1列に並べた状態となるよう配置されている。
4つの作像装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)のカラーの作像装置10(Y,M,C)と、ブラック(K)の作像装置10Kとから構成されている。ブラックの作像装置10Kは、中間転写装置20の中間転写ベルト21の移動方向Bに沿った最も下流側に配置されている。画像形成装置1は、画像形成モードとして、カラーの作像装置10(Y,M,C)及びブラック(K)の作像装置10Kを動作させてフルカラーの画像を形成するフルカラーモードと、ブラック(K)の作像装置10Kのみを動作させて白黒(モノクロ)の画像を形成する白黒モードとを備える。
各作像装置10(Y,M,C,K)は、図1に示されるように、像保持体の一例としての回転する感光体ドラム11を備えており、この感光体ドラム11の周囲に、次のようなトナー像形成手段の一例としての各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する露光装置13と、その静電潜像を対応する色(Y,M,C,K)の現像剤4のトナーで現像してトナー像にする現像装置14(Y,M,C,K)と、その各トナー像を中間転写装置20に転写する一次転写手段の一例としての一次転写装置15(Y,M,C,K)と、一次転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置16(Y,M,C,K)等である。
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するように支持されている。
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触した状態で配置される接触型の帯電ロールで構成される。帯電装置12には帯電用電圧が供給される。帯電用電圧としては、現像装置14が反転現像を行うものである場合、現像装置14から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が供給される。なお、帯電装置12としては、感光体ドラム11の表面に非接触状態で配置されるスコロトロン等の非接触型の帯電装置を用いてもよい。
露光装置13は、感光体ドラム11の軸方向に沿って配列された複数の発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)により感光体ドラム11に画像情報に応じた光を照射して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなる。なお、露光装置13としては、画像情報に応じて構成されるレーザー光を感光体ドラム11の軸方向に沿って偏向走査するものを用いても良い。
現像装置14(Y,M,C,K)はいずれも、開口部と現像剤4の収容室が形成された筐体140の内部に、現像剤4を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する現像ロール141と、現像剤4を攪拌しながら現像ロール141を通過させるよう搬送する2つのスクリューオーガー等の攪拌搬送部材142,143と、現像ロール141に保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材144などを配置して構成したものである。この現像装置14には、その現像ロール141と感光体ドラム11の間に現像用電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール141や攪拌搬送部材142,143は、図示しない駆動装置からの動力が伝達されて所要の方向に回転する。さらに、上記4色の現像剤4(Y,M,C,K)としては、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。
一次転写装置15(Y,M,C,K)は、感光体ドラム11の周囲に中間転写ベルト21を介して接触し回転するとともに一次転写用電圧が供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
ドラム清掃装置16は、一部が開口する容器状の本体160と、一次転写後の感光体ドラム11の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板161と、清掃板161で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収システムに送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材162等で構成されている。清掃板161としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
中間転写装置20は、図1に示されるように、各作像装置10(Y,M,C,K)の上方の位置に存在するように配置される。この中間転写装置20は、感光体ドラム11と一次転写装置15(一次転写ロール)の間となる一次転写位置を通過しながら矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21をその内面から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数のベルト支持ロール22~27と、ベルト支持ロール25に支持されている中間転写ベルト21の外周面(像保持面)側に配置されて中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に二次転写させる二次転写手段の一例としての二次転写装置30と、二次転写装置30を通過した後に中間転写ベルト21の外周面に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を取り除いて清掃するベルト清掃装置28とで主に構成されている。
中間転写ベルト21としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。また、ベルト支持ロール22はベルト清掃装置28の対向ロールを兼ねる図示しない駆動装置によって回転駆動される駆動ロールとして構成され、ベルト支持ロール23は中間転写ベルト21の画像形成面を形成する面出しロールとして構成され、ベルト支持ロール24は中間転写ベルト21に張力を付与する張力付与ロールとして構成され、ベルト支持ロール25は二次転写装置30と対向する対向ロールとして構成され、ベルト支持ロール26,27は中間転写ベルト21の従動ロールとして構成されている。
二次転写装置30は、図1に示されるように、中間転写装置20におけるベルト支持ロール25に支持されている中間転写ベルト21の外周面部分である二次転写位置において、中間転写ベルト21の周面に接触して回転するとともに二次転写用電圧が供給される二次転写ロール31を備えた接触型の転写装置である。また、二次転写ロール31又は中間転写装置20のベルト支持ロール25には、トナーの帯電極性と逆極性又は同極性を示す直流の電圧が二次転写用電圧として図示しない電源装置から供給される。
定着装置40は、記録用紙5の導入口及び排出口が形成された筐体41の内部に、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるよう加熱手段によって加熱される加熱ベルト42と、この加熱ベルト42の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して回転する加圧ロール43などを配置して構成されたものである。この定着装置40では、加熱ベルト42と加圧ロール43が接触する接触部が所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部となる。なお、定着装置40については、後に詳述する。
給紙装置50は、作像装置10(Y,M,C,K)の下方側の位置に存在するように配置される。この給紙装置50は、所望のサイズ、種類等の記録用紙5を積載した状態で収容する単数(又は複数)の用紙収容体51と、用紙収容体51から記録用紙5を1枚ずつ送り出す送出装置52とで主に構成されている。用紙収容体51は、例えば、装置本体1aの正面(使用者が操作時に向き合う側面)側に引き出すことができるように取り付けられている。
記録用紙5としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙やトレーシングペーパー等の薄紙、あるいはOHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録用紙5の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等の坪量が相対的に大きい所謂厚紙なども好適に使用することができる。
給紙装置50と二次転写装置30との間には、給紙装置50から送り出される記録用紙5を二次転写位置まで搬送する単数又は複数の用紙搬送ロール対53,54や搬送ガイド55で構成される給紙搬送路56が設けられている。給紙搬送路56において二次転写位置の直前の位置に配置される用紙搬送ロール対54は、例えば記録用紙5の搬送時期を調整するロール(レジストロール)として構成されている。また、二次転写装置30と定着装置40との間には、二次転写装置30から送り出される二次転写後の記録用紙5を定着装置40まで搬送するための用紙搬送路57が設けられている。さらに、画像形成装置1の装置本体1aに形成される用紙の排出口に近い部分には、定着装置40から出口ロール36により送り出される定着後の記録用紙5を装置本体1aの上部の用紙排出部58に排出するための用紙排出ロール対59aを備えた排出搬送路59が設けられている。
図1中符号200は、画像形成装置1の動作を統括的に制御する制御装置を示している。制御装置200は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、あるいはこれらCPUやROM等を接続するバス、通信インターフェイスなどを備えている。また、符号201は画像形成装置1が外部の機器と通信を行う通信部を、202は通信部201を介して入力される画像情報を処理する画像処理部をそれぞれ示している。
<画像形成装置の動作>
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
ここでは、まず、前記4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成するフルカラーモードにおける動作を説明する。
画像形成装置1は、図示しないユーザインターフェイスやプリンタドライバ等から通信部201を介して制御装置200がフルカラーの画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、4つの作像装置10(Y,M,C,K)、中間転写装置20、二次転写装置30、定着装置40等が始動する。
そして、各作像装置10(Y,M,C,K)においては、図1に示されるように、まず各感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、各帯電装置12が各感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位にそれぞれ帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の情報を画像処理部202によって各色成分(Y,M,C,K)に変換して得られる画像の信号に基づいて発光される光を照射し、その表面に所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)が、感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーを現像ロール141からそれぞれ供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、各感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像は、その対応する色のトナーでそれぞれ現像された4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が一次転写位置まで搬送されると、一次転写装置15(Y,M,C,K)が、その各色のトナー像を中間転写装置20の矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21に対して順番に重ね合わされるような状態で一次転写させる。
また、一次転写が終了した各作像装置10(Y,M,C,K)では、ドラム清掃装置16が付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃する。これにより、各作像装置10(Y,M,C,K)は、次の作像動作が可能な状態にされる。
続いて、中間転写装置20では、中間転写ベルト21の回転により一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置まで搬送する。一方、給紙装置50では、作像動作に合わせて所要の記録用紙5を給紙搬送路56に送り出す。給紙搬送路56では、レジストロールとしての用紙搬送ロール対54が記録用紙5を転写時期に合わせて二次転写位置に送り出して供給する。
二次転写位置においては、二次転写装置30が、中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に一括して二次転写させる。また、二次転写が終了した中間転写装置20では、ベルト清掃装置28が、二次転写後の中間転写ベルト21の表面に残留したトナー等の付着物を取り除いて清掃する。
続いて、トナー像が二次転写された記録用紙5は、中間転写ベルト21から剥離された後に用紙搬送路57を介して定着装置40まで搬送される。定着装置40では、回転する加熱ベルト42と加圧ロール43との間の接触部に二次転写後の記録用紙5を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)をして未定着のトナー像を記録用紙5に定着させる。最後に、定着が終了した後の記録用紙5は、用紙排出ロール対59aにより、例えば、装置本体1aの上部に設置された用紙排出部58に排出される。
以上の動作により、4色のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像が形成された記録用紙5が出力される。
<定着装置の構成>
図2はこの実施の形態1に係る定着装置を示す断面構成図である。
定着装置40は、所謂フリーベルトニップ方式を採用している。定着装置40は、図2に示されるように、大別して、回転する無端状のベルトの一例としての加熱ベルト42を有する加熱ユニット44と、加熱ユニット44に対して圧接される加圧手段の一例としての加圧ロール43を備えている。加熱ベルト42と加圧ロール43の間には、未定着像の一例としての未定着トナー像Tを保持した被加熱体(被定着部材)の一例としての記録用紙5が通過する領域である定着ニップ部Nが形成されている。なお、記録用紙5は、搬送方向と交差する方向に沿った中央を基準(所謂センターレジ)として搬送される。
加熱ユニット44は、図2に示されるように、加熱ベルト42と、加熱ベルト42の内部に配置され、加熱ベルト42を加熱する面状発熱部材の一例としてのセラミックヒータ45と、同じく加熱ベルト42の内部に配置され、セラミックヒータ45を加熱ベルト42を介して加圧ロール43の表面に圧接させるよう支持する支持手段の一例であるパッド部材46と、同じく加熱ベルト42の内部に配置され、パッド部材46を加圧ロール43に圧接させるよう保持する保持手段の一例としての保持部材47と、加熱ベルト42の内部に配置され、加熱ベルト42の内周面に付与される潤滑剤を保持する潤滑剤保持手段の一例としてのフェルト部材48等を備えている。
なお、面状発熱部材の一例としてのセラミックヒータ45は、後述するように、発熱部自体が面状である必要はなく、発熱部が直線状に形成されたものであっても、加熱ベルト42を加熱するセラミックヒータの下端面が面状であれば良い。
加熱ベルト42は、可撓性を有する材料からなり、装着前の状態である自由形状が薄肉円筒形の無端状ベルトとして構成されている。加熱ベルト42は、図3に示されるように、基材層421と、基材層421の表面に被覆された弾性体層422と、弾性体層422の表面に被覆された離型層423とを備える。加熱ベルト42は、その表面側に弾性体層422を有しており、当該弾性体層422を含む表面層が弾性変形可能に構成されている。基材層421は、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性を有する合成樹脂や、ステンレス、ニッケル、銅等の薄肉の金属によって形成される。弾性体層422は、耐熱性を有するシリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体からなる。離型層423は、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)やポリテトラフロオロエチレン(PTFE)等によって形成される。加熱ベルト42は、例えば、その厚さが100~600μm程度に設定可能である。
セラミックヒータ45は、図4及び図5に示されるように、セラミック製の基板451と、基板451の表面に長手方向に沿って直線状に複数本形成された第1乃至第3の発熱部452~452と、第1乃至第3の発熱部452~452に個別に通電するための第1乃至第3の電極453~453と、第1乃至第3の発熱部452~452の他端部に共通に通電する共通電極454と、少なくとも第1乃至第3の発熱部452~452の表面を被覆するガラス被覆層455とを備えている。
第1乃至第3の発熱部452~452は、図4に示されるように、基板451の幅方向に沿って互いに平行に配置されている。第1乃至第3の発熱部452~452は、当該第1乃至第3の発熱部452~452を構成する発熱材料の線幅及び/又は厚さを異ならせることにより、各第1乃至第3の発熱部452~452の長手方向に沿った発熱領域が異なるよう設定されている。なお、第1乃至第3の発熱部452~452は、その長手方向に沿った長さが等しく設定されている。
第1の発熱部452は、長手方向に沿った発熱領域の中央Cを基準にして左右に長さL1の領域にわたり発熱するように、発熱領域の中央Cに位置する長さL1の領域が発熱材料の線幅が細く電気抵抗が大きくなるよう設定されている。第1の発熱部452は、長さL1の両端部に位置する領域が発熱材料の線幅が太く電気抵抗が小さくなるよう設定されており、発熱しないか発熱しても極僅かとなるよう構成されている。
第2の発熱部452は、第1の発熱部452とは逆に、長手方向に沿った中央Cを基準にして左右に長さL1以外の領域にわたり発熱するように、長手方向に沿った中央Cを基準にして左右に長さL1以外の領域が発熱材料の線幅が細く設定されている。第2の発熱部452は、長さL1の両端部に位置する領域が発熱材料の線幅が太く設定されており、発熱しないか発熱しても極僅かとなるよう構成されている。
第3の発熱部452は、第1及び第2の発熱部452,452と異なり、長手方向に沿った発熱領域の中央Cを基準にして左右に長さL3の領域にわたり発熱するように、発熱領域の中央Cに位置する長さL3の領域が発熱材料の線幅が細く電気抵抗が大きくなるよう設定されている。第3の発熱部452は、長さL3の両端部に位置する領域が発熱材料の線幅が太く電気抵抗が小さくなるよう設定されており、発熱しないか発熱しても極僅かとなるよう構成されている。
図6は、第1乃至第3の発熱部452~452の発熱温度を模式的に示したグラフである。
第1の発熱部452は、図6に示されるように、長手方向に沿った発熱領域の中央Cを基準にして左右に長さL1の領域にわたり予め設定された設定温度となるよう発熱する。第2の発熱部452は、長手方向に沿った中央Cを基準にして左右に長さL1以外の領域にわたり予め設定された設定温度となるよう発熱する。第3の発熱部452は、長手方向に沿った発熱領域の中央Cを基準にして左右に長さL3の領域にわたり予め設定された設定温度となるよう発熱する。
第1の発熱部452は、図4に示されるように、記録用紙5の搬送方向と交差する方向に沿った長さがL1の中程度の長さを有する記録用紙5を加熱定着する際に使用される。
第2の発熱部452は、第1の発熱部452と同時に使用され、記録用紙5の搬送方向と交差する方向に沿った長さがL1+2・L2である大きいサイズを有する記録用紙5を加熱定着する際に使用される。
第3の発熱部452は、記録用紙5の搬送方向と交差する方向に沿った長さがL3の最も小さいサイズを有する記録用紙5を加熱定着する際に使用される。
保持部材47は、図2に示されるように、例えば、ステンレスやアルミニウム、あるいは鋼鉄等の金属製の板材から構成される。保持部材47は、定着ニップ部Nの加熱ベルト42の回転方向に沿った上流側及び下流側において、セラミックヒータ45の表面に対して略垂直にそれぞれ配置された垂直板部471,472と、垂直板部471,472の基端部を連結するよう水平方向に沿って配置された水平板部473とから断面略コ字形状に形成されている。
加熱ベルト42は、セラミックヒータ45の定着ニップ部Nと反対側の面に接触するよう配置された図示しない温度センサによって定着ニップ部Nの温度が検知される。セラミックヒータ45は、上述したように、長手方向に沿った発熱領域が異なる第1乃至第3の発熱部452~452を備えている。そのため、温度センサ49は、第1乃至第3の発熱部452~452に対応してセラミックヒータ45の長手方向に沿って複数(例えば、3つ)配置される。加熱ベルト42は、温度センサの検知結果に基づいてセラミックヒータ45の各第1乃至第3の発熱部452~452への通電を図示しない温度制御回路によって制御することにより、記録用紙5のサイズに応じて定着ニップ部Nが所要の定着温度(例えば、200℃程度)となるよう加熱される。
パッド部材46は、図2に示されるように、例えば、射出成形等により所要の形状に一体成形された耐熱性を有する合成樹脂からなる。耐熱性を有する合成樹脂としては、例えば、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、あるいはこれらの複合材料などが挙げられる。
パッド部材46は、定着ニップ部Nにおいてセラミックヒータ45を加熱ベルト42を介して加圧ロール43に加圧するよう支持するセラミックヒータ45の平面形状に対応した細長い矩形状の支持用凹部461を有している。パッド部材46は、加熱ベルト42の長手方向に沿った全長よりも長く配設されている。
パッド部材46には、図2に示されるように、定着ニップ部Nの加熱ベルト42の回転方向に沿った上流側に加熱ベルト42を定着ニップ部Nへと案内する断面形状が曲面形状に形成された第1の案内部462が設けられている。パッド部材46の下端面463は、平面形状に形成されている。また、パッド部材46には、後に詳述するように、定着ニップ部Nの加熱ベルト42の回転方向に沿った下流側に、定着ニップ部Nを通過した加熱ベルト42の走行位置を規制する規制部464が設けられている。パッド部材46は、加熱ベルト42の走行位置を規制する規制手段を兼ねている。
また、パッド部材46には、図2に示されるように、定着ニップ部Nと反対側の面に保持部材47の垂直板部471,472の先端が当接する当接部465,466が設けられている。
加圧ロール43は、図2に示されるように、ステンレスやアルミニウム、あるいは鉄(薄肉高張力鋼管)等の金属からなる円柱形状又は円筒形状の芯金431と、芯金431の外周に相対的に厚く被覆されたシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性を有する弾性体からなる弾性体層432と、弾性体層432の表面に薄く被覆されたポリテトラフロオロエチレン(PTFE)やパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)等からなる離型層433を有している。なお、加圧ロール43の内部には、必要に応じてハロゲンランプ等からなる加熱手段(加熱源)を配置しても良い。
加圧ロール43は、その長手方向(軸方向)に沿った両端部が定着装置40の図示しない装置ハウジングのフレームに軸受部材を介して回転可能に支持されている。加圧ロール43は、図示しない加圧機構によりパッド部材46に保持されたセラミックヒータ45の下端面に所要の押圧力で圧接されるよう構成されている。加圧ロール43は、回転軸を兼ねる芯金431の軸方向に沿った一端部に取り付けられた図示しない駆動ギアを介して駆動装置により矢印C’方向に沿って所要の速度で回転駆動される。なお、加熱ベルト42は、回転駆動される加圧ロール43に圧接されて従動回転する。
上記の如く構成される定着装置40は、図2に示されるように、加熱手段としてセラミックヒータ45により加熱される加熱ベルト42を用いている。加熱ベルト42は、薄肉円筒形状の部材であり、加熱ロールに比較して熱容量が小さく、加熱開始から定着可能温度に達するまでのウオームアップ時間が短く、画像形成装置1において多く使用されている。
このような加熱ベルトを採用した定着装置としては、特許文献1等に開示されたものが知られている。特許文献1は、カラー画像において高速化及び高画質化、特に光沢感と粒状性・鮮鋭性の両立を図るため、ベルト表面に接触する支持部材の摺動部は、加圧部材方向に凸となるように加熱部材を屈曲させる形状を有しており、屈曲部における弾性層表面の変形率の最大値とニップ部内における弾性層表面の変形率の最小値との比が一定の関係を満たすように構成したものである。
しかしながら、加熱ベルトを採用した定着装置は、画質向上を図るため、ニップ部において支持部材の摺動部に加圧部材へ向けて凸形状となるように加熱ベルトを屈曲させる屈曲部を設けて、圧力ピークと弾性層表面の歪ピークを構成すると、記録用紙に対する圧力がピークとなる位置で当該記録用紙の曲率変化が最大となり、記録用紙が大きく湾曲してカールが生じるため、記録用紙の搬送性が悪化するという技術的課題を有していた。
そこで、この実施の形態1に係る定着装置は、定着性を確保しつつ、被定着媒体が湾曲するのを抑制するため、ベルト表面の変形が最大となる変形最大位置がベルトの加圧力が最大となる圧力最大位置と異なる位置に設定されるよう構成したものである。
また、この実施の形態1に係る定着装置は、ベルト表面の変形が最大となる変形最大位置がベルトの加圧力が最大となる圧力最大位置と異なるようベルトの走行位置を規制する規制手段を有するように構成したものである。
すなわち、この実施の形態1に係る定着装置40は、図2及び図7に示されるように、加熱ベルト42の表面の変形が最大となる変形最大位置が加熱ベルト42の加圧力が最大となる圧力最大位置と異なるよう加熱ベルト42の走行位置を規制する規制手段の一例としてのパッド部材46を備えている。
パッド部材46は、上述したように、セラミックヒータ45を収容する細長い矩形状の支持用凹部461を有している。セラミックヒータ45を収容したパッド部材46の表面は、図7に示されるように、定着ニップ部Nの記録用紙5の移動方向に沿った上流側が、セラミックヒータ45の下面と同一の表面463を形成しており、定着ニップ部Nの外部において加熱ベルト42を定着ニップ部Nへと案内する第1の案内部462へと連続している。
一方、セラミックヒータ45を収容したパッド部材46の表面は、図9に示されるように、定着ニップ部Nの記録用紙の移動方向に沿った下流側において、セラミックヒータ45の下面より図中の上方に所要の微小な高さΔHにわたり退避した段差部467を形成しており、当該段差部467は、水平方向に沿って所要の微小な長さΔDにわたり設けられている。段差部467の記録用紙5の移動方向に沿った下流側には、加熱ベルト42の裏面に当接して当該加熱ベルト42の走行位置を規制する規制部464が形成されている。
加熱ベルト42は、図2に示されるように、その表面が加圧ロール43によって押圧されることで、裏面がパッド部材46及びセラミックヒータ45に圧接されて定着ニップ部Nを形成している。
この実施の形態1では、図7及び図8に示されるように、定着ニップ部Nの記録用紙5の移動方向に沿った上流側の端部が、セラミックヒータ45の記録用紙5の移動方向に沿った上流側の端部45aより下流側に位置している。また、この実施の形態1では、図9に示されるように、定着ニップ部Nの記録用紙5の移動方向に沿った下流側の端部が、セラミックヒータ45の記録用紙5の移動方向に沿った下流側の端部45bより下流側に位置するように構成されている。このとき、セラミックヒータ45の記録用紙5の移動方向に沿った下流側の端部45bは、当然のことながら、定着ニップ部Nの記録用紙5の移動方向に沿った下流側の端部より上流側に位置している。
セラミックヒータ45の記録用紙5の移動方向に沿った下流側の端部45bには、上述したように、パッド部材46の表面が上方に向けて対比した段差部467が設けられている。
加熱ベルト42は、定着ニップ部Nにおいて加圧ロール43によってセラミックヒータ45の表面に向けて押圧されており、セラミックヒータ45の記録用紙5の移動方向に沿った下流側の端部45bにおいて、図10に示されるように、加熱ベルト42の加圧力が最大となる圧力最大位置となっている。
セラミックヒータ45の記録用紙5の移動方向に沿った下流側の端部には、段差部467が設けられているため、加熱ベルト42の加圧力は、圧力最大位置の記録用紙5の移動方向に沿った下流側において急激に低下してゼロとなる。この加熱ベルト42の加圧力がゼロとなる位置が定着ニップ部Nの記録用紙5の移動方向に沿った下流側の端部である。加熱ベルト42の加圧力がゼロとなる位置は、パッド部材46の段差部467の範囲内に位置している。
なお、図示の実施の形態では、図10に示されるように、加熱ベルト42の加圧力が最大となる圧力最大位置が定着ニップ部Nの記録用紙5の移動方向に沿った上流側にも存在する。この定着ニップ部Nの記録用紙5の移動方向に沿った上流側に存在する圧力最大位置は、加圧ロール43の中心位置に略対応している。
この実施の形態1では、図7に示されるように、定着ニップ部Nにおいて記録用紙の移動方向に沿ってセラミックヒータ45のみが加圧ロール43と接触(圧接)している。したがって、加熱ベルト42の加圧力が最大となる圧力最大位置は、セラミックヒータ45の記録用紙5の移動方向に沿った幅と加圧ロール43の外径を一定とすれば、セラミックヒータ45と加圧ロール43の位置関係によって決まる。
この実施の形態1では、セラミックヒータ45の記録用紙5の移動方向に沿った下流側の端部の位置が加熱ベルト42の加圧力が最大となる圧力最大位置となるよう、例えば、図7に示されるように、セラミックヒータ45の記録用紙の移動方向に沿った下流側の端部45bの位置を加圧ロール43の表面に向けて記録用紙5の移動方向に沿って僅かな角度ではあるが傾斜させるように配置されている。
加熱ベルト42は、その表面層に弾性体層422を有しており、定着ニップ部Nの内部を移動する間に弾性変形する。記録用紙5は、加熱ベルト42と密着した状態で定着ニップ部Nを通過するため、加熱ベルト42の定着ニップ部N内における弾性変形は、記録用紙5の搬送性に直接影響を与える。
この実施の形態1では、加熱ベルト42の表面の変形が最大となる変形最大位置が当該加熱ベルト42の加圧力が最大となる圧力最大位置と異なる位置に設定されている。
更に説明すると、この実施の形態1では、図10に示されるように、加熱ベルト42表面の変形最大位置が定着ニップ部Nの出口より僅かではあるが外側となるよう設定されている。
加熱ベルト42は、定着ニップ部Nを通過した後、従来の定着装置では、図11に破線で示されるように、その裏面がパッド部材46により案内されて記録用紙5の搬送方向に沿った下流側へと移動する。
一方、この実施の形態1に係る定着装置40では、図11に示されるように、セラミックヒータ45の記録用紙5の搬送方向に沿った下流側の端部に段差部467が設けられており、段差部467の記録用紙5の搬送方向に沿った下流側に加熱ベルト42の走行位置へ加圧ロール43側へ向けて規制する規制部464が設けられている。
そのため、加熱ベルト42は、図12に示されるように、定着ニップ部Nを通過した後、その走行位置がパッド部材46の規制部464によって規制されて加圧ロール43側へ向けて湾曲するよう変形した形状となる。その結果、加熱ベルト42は、定着ニップ部Nの圧力最大位置において下向きに凸形状となるような湾曲が抑制されて変形最大とはならず、定着ニップ部Nを通過した直後に湾曲が最大となり、この位置が加熱ベルト42表面の変形が最大となる変形最大位置となる。図10の中段のグラフは、加熱ベルト42の代わりに歪センサを用いて加熱ベルト42の弾性体層422に作用する変形(歪)を測定した結果を示したグラフである。
したがって、加熱ベルト42に密着して移動する記録用紙5は、加熱ベルト42表面の変形が最大となる変形最大位置において加熱ベルト42から当該記録用紙5自身の腰によって剥離される。
この加熱ベルト42表面の変形が最大となる変形最大位置は、加熱ベルト42の加圧力が最大となる圧力最大位置と異なっているため、加熱ベルト42の圧力最大位置において仮に記録用紙5が湾曲したとしても、圧力最大位置における湾曲が抑制されているため、記録用紙5が湾曲するのを抑制することができる。その結果、記録用紙5の表面に定着される未定着トナー像は、圧力最大位置において良好な定着性が得られるのは勿論のこと、加熱ベルト42の変形最大位置において記録用紙5が湾曲するのを抑制することができ、定着処理後の記録用紙5にカールが生じて搬送性が低下するのを抑制することが可能となる。
なお、本発明者らは、段差部の高さを変化させて加熱ベルト42の変形最大位置と圧力最大位置に起因した定着後の画質及び記録用紙の変形がどのように変化するかを確認するシミュレーション実験を行った。その際、加熱ベルト42の変形最大位置と圧力最大位置に差がある場合と、加熱ベルト42の変形最大位置と圧力最大位置に差がない場合の双方についてシミュレーション実験を行った。段差部の高さは、1.2mm~1.8mmまで0.1mm毎に変化させた。因みに、段差部の長さは、1.5mmに設定した。
図13は、上記シミュレーション実験の結果を示したものである。
図13から明らかなように、段差部の高さが1.2mm及び1.3mmであると、記録用紙5の変形(カール)は抑制することができ良好(〇)であったが、加熱ベルト42の変形最大位置と圧力最大位置に差がある場合においても、定着画像の画質は不良(×)であった。その理由は、段差部の高さが1.2mm及び1.3mmであると、加熱ベルト42の圧力最大位置における圧力が分散する傾向が生じ、定着画像の画質が低下するものと考えられる。
また、図13から明らかなように、段差部の高さが1.3mmを超えて1.4mm~1.6mmである場合には、定着画像の画質及び記録用紙の変形は良好(〇)であった。なお、段差部の高さは、1.6mmを超えて1.7mm以上であっても、加熱ベルト42の変形最大位置と圧力最大位置に差がある場合は、定着画像の画質及び記録用紙の変形は共に良好(〇)であると考えられる。
したがって、このシミュレーション実験の結果によれば、段差部の高さは、1.4mm~1.6mmであることが望ましいことが判る。
一方、段差部の高さが1.7mm及び1.8mmである場合において、加熱ベルト42の変形最大位置と圧力最大位置に差がない場合は、従来技術と同様に、定着画像の画質は良好(〇)であるが、記録用紙の変形は不良(×)であり、カールが発生することになる。
なお、前記実施の形態では、面状発熱手段としてセラミックヒータを用いた場合について説明したが、面状発熱手段としては、セラミックヒータに限定されるものではなく、定着ニップ部Nにおいて文字通り面状に発熱するものであれば良い。
また、前記実施の形態では、加圧手段として加圧ロールを用いた場合について説明したが、加圧手段としては加圧ベルトを用いたものであっても良い。
また、本発明は、電子写真方式の画像形成装置で説明を行ったが、電子写真方式の画像形成装置に限られるものではなく、例えば、インクによる未乾燥層の画像(未定着のインク画像)を保持して搬送された用紙に接してその未定着インク画像を用紙上に定着する、インクジェット方式の画像形成装置等にも適用することができる。
(付記)
(((1)))
表面層が弾性変形可能な無端状のベルトと、
前記ベルトと圧接し、ニップ部を形成する加圧手段と、
を備え、
前記ベルト表面の変形が最大となる変形最大位置が前記ベルトの加圧力が最大となる圧力最大位置と異なる位置に設定されていることを特徴とする定着装置。
(((2)))
前記ベルト表面の変形が最大となる変形最大位置が前記ベルトの加圧力が最大となる圧力最大位置と異なるよう前記ベルトの走行位置を規制する規制手段を有する(((1)))に記載の定着装置。
(((3)))
前記規制手段は、前記ベルト表面の変形最大位置が前記ニップ部の出口より外側となるよう前記ベルトの走行位置を規制する(((2)))に記載の定着装置。
(((4)))
前記規制手段は、前記ニップ部の出口の外側において前記ベルトの裏面に当接して、前記ベルトが前記ニップ部の出口で受ける変形方向と逆方向に変形するよう前記ベルトの走行位置を規制する当接部を有する(((3)))に記載の定着装置。
(((5)))
前記ベルトは、前記ニップ部の出口の手前に前記圧力最大位置を有する(((1)))に記載の定着装置。
(((6)))
前記ベルトを介して前記加圧手段に圧接する面状発熱体を有し、
前記面状発熱体は、前記ベルトの移動方向に沿った下流側の端部が前記加圧手段に圧接することで前記圧力最大位置を形成する(((5)))に記載の定着装置。
(((7)))
前記規制手段は、前記面状発熱体を保持する保持手段を兼ねる(((6)))に記載の定着装置。
(((8)))
前記規制手段は、前記ニップ部における前記ベルトの移動方向に沿った下流側の端部に、前記ベルトの裏面と接触しない非接触領域を有する(((1)))に記載の定着装置。
(((9)))
前記規制手段の非接触領域は、前記ベルトの移動方向に沿って第1の距離を有し、且つ前記加圧手段から離間する方向に第2の距離だけ退避するよう設定されている(((8)))に記載の定着装置。
(((10)))
記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記記録媒体に前記画像を定着する定着手段と、
を備え、
前記定着手段として(((1)))乃至(((9)))のいずれかに記載の定着装置を用いた画像形成装置。
(((1)))及び(((2)))に係る定着装置によれば、無端状のベルト表面の変形が最大となる変形最大位置とベルトの加圧力が最大となる圧力最大位置が、ベルトと加圧手段とで形成されるニップ部において同じ位置である場合に比べて、定着性を確保しつつ、被定着媒体が湾曲するのを抑制することができる。
(((3)))に係る定着装置に記載された発明によれば、規制手段は、ベルト表面の変形最大位置が定着ニップ部の出口より内側にある場合に比べて、変形最大位置を圧力最大位置と異ならせることが容易となる。
(((4)))に係る定着装置によれば、ベルトがニップ部の出口で受ける変形方向と逆方向に変形するようベルトの走行位置を規制する当接部を有しない場合に比べて、ベルト表面の変形最大位置がニップ部の出口より外側となることを容易とすることができる。
(((5)))に係る定着装置によれば、ベルトは、ニップ部の出口の手前に圧力最大位置を有しない場合に比べて、良好な定着性を確保することができる。
(((6)))に係る定着装置によれば、面状発熱体は、ベルトの移動方向に沿った下流側の端部が加圧手段に圧接しない場合に比べて、圧力最大位置を形成することが容易となる。
(((7)))に係る定着装置によれば、規制手段は、面状発熱体を保持する保持手段と別部材からなる場合に比べて、部品点数を低減することができる。
(((8)))に係る定着装置によれば、規制手段は、ニップ部におけるベルトの移動方向に沿った下流側の端部がベルトの裏面と接触する場合に比べて、圧力最大位置と変形最大位置をずらすことが容易となる。
(((9)))に係る定着装置によれば、第1及び第2の距離を適宜設定することにより、変形最大位置を確実に形成することが可能となる。
(((10)))に係る画像形成装置によれば、定着手段として(((1)))乃至(((9)))のいずれかに記載の定着装置を用いない場合に比べて、定着性を確保しつつ、被定着媒体が湾曲するのを抑制することが可能となる。
1…画像形成装置
1a…画像形成装置本体
40…定着装置
42…加熱ベルト
43…加圧ロール
45…セラミックヒータ
452…発熱部
46…パッド部材
467…段差部

Claims (10)

  1. 表面層が弾性変形可能な無端状のベルトと、
    前記ベルトと圧接し、ニップ部を形成する加圧手段と、
    を備え、
    前記ベルト表面の変形が最大となる変形最大位置が前記ベルトの加圧力が最大となる圧力最大位置と異なる位置に設定されていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記ベルト表面の変形が最大となる変形最大位置が前記ベルトの加圧力が最大となる圧力最大位置と異なるよう前記ベルトの走行位置を規制する規制手段を有する請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記規制手段は、前記ベルト表面の変形最大位置が前記ニップ部の出口より外側となるよう前記ベルトの走行位置を規制する請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記規制手段は、前記ニップ部の出口の外側において前記ベルトの裏面に当接して、前記ベルトが前記ニップ部の出口で受ける変形方向と逆方向に変形するよう前記ベルトの走行位置を規制する当接部を有する請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記ベルトは、前記ニップ部の出口の手前に前記圧力最大位置を有する請求項1に記載の定着装置。
  6. 前記ベルトを介して前記加圧手段に圧接する面状発熱体を有し、
    前記面状発熱体は、前記ベルトの移動方向に沿った下流側の端部が前記加圧手段に圧接することで前記圧力最大位置を形成する請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記規制手段は、前記面状発熱体を保持する保持手段を兼ねる請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記規制手段は、前記ニップ部における前記ベルトの移動方向に沿った下流側の端部に、前記ベルトの裏面と接触しない非接触領域を有する請求項1に記載の定着装置。
  9. 前記規制手段の非接触領域は、前記ベルトの移動方向に沿って第1の距離を有し、且つ前記加圧手段から離間する方向に第2の距離だけ退避するよう設定されている請求項8に記載の定着装置。
  10. 記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    前記記録媒体に前記画像を定着する定着手段と、
    を備え、
    前記定着手段として請求項1乃至9のいずれかに記載の定着装置を用いた画像形成装置。
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