JP2024091579A - 感光性樹脂組成物、これを用いた硬化膜及びその製造方法並びに半導体装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、これを用いた硬化膜及びその製造方法並びに半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低誘電特性(低誘電正接、及び低誘電率)と、高い残膜率と、所定の銅密着性の確保と所定の耐熱性の確保と、を実現できる硬化膜を形成可能な、感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)ポリイミド前駆体及びポリイミドから選択される少なくとも1種の成分と、(B)光重合開始剤と、(C)溶媒と、(D)下記一般式(1):
(式中、nは、0又は1であり、nが0のとき、Rは水素原子又は1価の非重合性の有機基であり、nが1のとき、Rは2価の有機基である。)
で表されるアリル基含有化合物と、を含む、感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、これを用いた硬化膜及びその製造方法並びに半導体装置に関する。
従来、電子部品の絶縁材料、及び半導体装置のパッシベーション膜、表面保護膜、並びに層間絶縁膜等には、優れた耐熱性、電気特性及び機械特性を併せ持つポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、及びフェノール樹脂等が用いられている。これらの樹脂の中でも、感光性樹脂組成物の形態で提供されるものは、該組成物の塗布、露光、現像、及びキュアによる閉環処理(イミド化、ベンゾオキサゾール化)並びに熱架橋によって、耐熱性に優れるレリーフパターン皮膜を形成し易い。このような感光性樹脂組成物は、従来の非感光型材料に比べて大幅な工程短縮を実現し易く、そのため、半導体装置の作製に好適に用いられている。
半導体装置(以下、「素子」とも言う。)は、目的に合わせて、様々な方法でプリント基板に実装される。従来の素子は、素子の外部端子(パッド)からリードフレームまで細いワイヤで接続するワイヤボンディング法により作製されることが一般的であった。しかし、素子の高速化が進み、動作周波数がGHzまで到達した今日、実装における各端子の配線長さの違いが、素子の動作に影響を及ぼすまでに至った。そのため、ハイエンド用途の素子の実装では、実装配線の長さを正確に制御する必要が生じ、そして、ワイヤボンディングではその要求を満たすことが困難となった。
そこで、半導体チップの表面に再配線層を形成し、その上にバンプ(電極)を形成した後、該チップを裏返し(フリップ)て、プリント基板に直接実装するという、フリップチップ実装が提案されている。このフリップチップ実装では、配線距離を正確に制御できるため、高速な信号を取り扱うハイエンド用途の素子に、また、実装サイズの小ささから携帯電話等にそれぞれ採用され、需要が急拡大している。最近では、前工程済みのウェハをダイシングして個片チップを製造し、支持体上に個片チップを再構築してモールド樹脂で封止し、支持体を剥離した後に再配線層を形成するという、ファンアウトウェハレベルパッケージ(FOWLP)と呼ばれる半導体チップ実装技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ファンアウトウェハレベルパッケージでは、再配線層が薄い膜厚で形成されるため、パッケージの高さを薄型化し易いうえ、高速伝送、及び低コスト化を実現し易い利点がある。
近年では、情報通信量の著しい増加に伴い、従来の水準以上の通信の高速化を図る必要があり、3GHz以上の周波数を使用した第5世代通信(5G)、又はより広い周波数帯域幅を確保し易い準ミリ波帯(20GHz~30GHz)~ミリ波帯(30GHz以上)の超高周波帯での通信への移行を余儀なくされている。そのため、プリント基板のみならず、基板が実装される半導体チップにおいても高周波対応が求められている。そこで、伝送損失を低下させるため、電波の送受信を行うフロントエンドモジュール(FEM)とアンテナが一体化した、アンテナインパッケージ(AiP)が開発されている(例えば、特許文献2参照)。AiPでは配線長が短いため、配線長に比例して増大する伝送損失を抑えることが可能であるが、通信周波数帯域の増大に伴い、再配線材料には低誘電特性の要求がある。また、AiPでは従来のFOWLPと同様に複数層の再配線層が必要となるため、再配線層の平坦化も要求される。再配線層が平坦であるためには、再配線材料が加熱硬化中に低収縮であること、すなわち、再配線層の残膜率(硬化後の残膜率)が高いことが望ましい。更に、半導体素子の信頼性の観点から、再配線層と、銅及び銅合金等の配線と、の間の、デラミネーションを抑制することも要求される。デラミネーションが起こらないためには、信頼性試験前の初期、及び信頼性試験後に所定の銅密着性が確保されることが望ましい。また、信頼性試験時の高温によるデラミネーションを抑制するためには、再配線層材料の熱膨張を小さくすることが望ましく、すなわち再配線層材料は所定の耐熱性が確保されることが望ましい。
上記に関して、高周波帯域での伝送損失を低減させるため、誘電損失を低減させる方法と、導体損失を低減させる方法と、という2つの方法が考えられる。例えば、誘電損失を低減させるために考えられる方法としては、特定の側鎖を有するポリイミドを使用することが知られている(例えば、特許文献3参照)。また、再配線層の残膜率を向上させるために考えられる方法として、特定の架橋剤(多官能(メタ)アクリレートを含む架橋剤)を樹脂中に添加する方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。更に、再配線層と配線との密着性を確保するために考えられる方法として、特定の光酸発生剤を樹脂中に添加する方法が知られている(例えば、特許文献5参照)。
特開2005-167191号公報 米国特許出願公開第2016/0104940号明細書 国際公開第2019/044874号 特開2021-152634号公報 特開2005-336125号公報
ポリイミドは、絶縁性能及び熱機械特性に優れるため材料信頼性が高い傾向にある一方、イミド基に由来する極性官能基、感光性化のために付加される極性官能基、及び添加剤等の影響により、誘電率、及び誘電正接が高い傾向にあることが問題視されている。
特許文献3に記載の感光性樹脂組成物は、測定周波数が1GHzと低いため、高周波用途であるAiPの再配線層としては性能が不十分である、という問題があった。
また、特許文献4に記載の感光性樹脂組成物では、架橋剤として添加される多量の多官能(メタ)アクリレートの影響により、高周波において誘電特性の悪化が懸念される、という問題があった。
更に、特許文献5に記載の感光性樹脂組成物では、その特許文献5で想定される光酸発生剤が高極性であるため、高周波において誘電特性の悪化が懸念される、という問題があった。
本発明は、低誘電特性と、高い残膜率と、所定の銅密着性の確保と、所定の耐熱性の確保と、を実現することで、高周波帯域のデバイスにおいて伝送損失を抑え、かつ信頼性が良好となり得る、硬化レリーフパターンを形成可能な、感光性樹脂組成物、これを用いた硬化膜及びその製造方法並びに半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は以下のとおりである。
[1]
(A)ポリイミド前駆体及びポリイミドから選択される少なくとも1種の成分と、
(B)光重合開始剤と、
(C)溶媒と、
(D)下記一般式(1):
(式中、nは、0又は1であり、nが0のとき、Rは水素原子又は1価の非重合性の有機基であり、nが1のとき、Rは2価の有機基である。)
で表されるアリル基含有化合物と、
を含む、感光性樹脂組成物。
[2]
前記(D)成分が、前記一般式(1)においてnが0であり、Rが炭素数3以上の1価の非重合性の有機基である化合物である、項目1に記載の感光性樹脂組成物。
[3]
前記(A)成分が、下記一般式(2):
(式中、Xは、炭素数6~40の4価の有機基であり、Yは、炭素数6~40の2価の有機基であり、nは、2~100の整数であり、そしてR及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~40の1価の有機基である。)及び
下記一般式(3):
(式中、Xは、炭素数6~40の4価の有機基であり、Yは、炭素数6~40の2価の有機基であり、そしてnは、2~100の整数である。)
から選択される少なくとも1種で表される成分を含む、項目1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
[4]
前記一般式(2)におけるR及びRのうち少なくとも一方は、下記一般式(4):
(式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~3の1価の有機基であり、そしてmは、2~10の整数である。)
で表される基を含む、項目1~3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[5]
(E)イミド化促進剤を更に含む、項目1~4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[6]
(F)第4族元素の遷移金属を含むキレート剤を更に含む、項目1~5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[7]
前記X及びXの少なくとも一方が、下記一般式(7):
(式中、Zは、それぞれ独立に、単結合、炭素数1~30の有機基、及びヘテロ原子を含む有機基から成る群から選択される2価の基であり、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1~10の炭化水素基、及び炭素数1~10の含フッ素炭化水素基から成る群から選択される1価の基であり、mは、それぞれ独立に、1~3の整数であり、そしてmは、それぞれ独立に、1~4の整数である。)
で表される、並びに/又は
前記Y及びYの少なくとも一方が、下記一般式(8):
(式中、Zは、それぞれ独立に、単結合、炭素数1~30の有機基、及びヘテロ原子を含む有機基から成る群から選択される2価の基であり、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1~10の炭化水素基、及び炭素数1~10の含フッ素炭化水素基から成る群から選択される1価の基であり、mは、それぞれ独立に、1~3の整数であり、そしてmは、それぞれ独立に、1~4の整数である。)
で表される、項目1~6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[8]
(D)アリル基含有化合物の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して、0.5~30質量部である、項目1~7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[9]
以下の工程:
項目1~8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して、感光性樹脂層を前記基板上に形成する工程;
得られた感光性樹脂層を加熱、及び乾燥してもよい工程;
任意に加熱及び乾燥した後、感光性樹脂層を露光する工程;
露光後の感光性樹脂層を現像する工程;及び
現像後の感光性樹脂層を加熱処理して、硬化膜を形成する工程;
を含む、硬化膜の製造方法。
[10]
項目1~8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化膜であって、
前記硬化膜は、摂動方式スプリットシリンダー共振器法を用いて10GHzで測定した誘電正接が0.015以下である、硬化膜。
[11]
項目1~8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を、基板上に塗布し、露光処理、現像処理、次いで加熱処理して得られる硬化膜であって、
前記硬化膜は、加熱処理後の膜厚が20μm以上であり、
摂動方式スプリットシリンダー共振器法を用いて10GHzで測定した誘電正接が0.015以下である、硬化膜。
[12]
項目1~8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、露光処理、現像処理、次いで加熱処理して得られる硬化膜の製造方法であって、
前記硬化膜は、摂動方式スプリットシリンダー共振器法を用いて10GHzで測定した誘電正接が0.015以下である、硬化膜の製造方法。
[13]
項目1~8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化膜を含む、半導体装置。
[14]
ポリイミド前駆体及びポリイミドから選択される少なくとも1種の成分を含む感光性樹脂組成物であって、
前記感光性樹脂組成物の硬化膜について、ガラス転移温度Tgと、信頼性試験後の銅とのピール強度Pと、摂動方式スプリットシリンダー共振器法を用いて10GHzで測定した誘電正接tanδ10と、が、下記式:
0.25≦(Tg×P×tanδ10)≦1.00
を満たす、感光性樹脂組成物。
[15]
ポリイミド前駆体及びポリイミドから選択される少なくとも1種の成分を含む感光性樹脂組成物であって、
前記感光性樹脂組成物の硬化膜について、ガラス転移温度Tgと、信頼性試験後の銅とのピール強度Pと、摂動方式スプリットシリンダー共振器法を用いて10GHzで測定した誘電正接tanδ10と、誘電率ε10が、下記式:
1.0≦(Tg×P×tanδ10×ε10)≦3.0
を満たす、感光性樹脂組成物。
本発明によれば、低誘電特性(低誘電正接、及び低誘電率)と、高い残膜率と、所定の銅密着性の確保と、所定の耐熱性の確保と、を実現できる硬化膜(一態様において、硬化レリーフパターン)を形成可能な、感光性樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、かかる感光性樹脂組成物を用いた硬化膜、及びその製造方法並びに半導体装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態(以下、本実施形態とも称する。)について詳細に説明する。本明細書中、一般式において同一符号で表される構造は、分子中に複数存在する場合、別途規定しない限りそれぞれ独立に選択され、そして、互いに同一でも異なってもよい。
本明細書中、段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換わってよい。また、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示される値に置き換わってよい。更に、「工程」の語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合でも、工程の機能が達成されれば本用語に含まれる。
<感光性樹脂組成物>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)ポリイミド前駆体及びポリイミドから選択される少なくとも1種の成分と、(B)光重合開始剤と、(C)溶媒と、(D)アリル基含有化合物と、を含有する。本開示の感光性樹脂組成物は、所望により、上記の成分以外に、(E)イミド化促進剤、(F)第4族元素の遷移金属を含むキレート剤、及びその他の成分を更に含有してよい。
(A)成分
(A)成分は、ポリイミド前駆体及びポリイミドから選択される少なくとも1種である。(A)成分は、下記一般式(2):
(式中、Xは、炭素数6~40の4価の有機基であり、Yは、炭素数6~40の2価の有機基であり、nは、2~100の整数であり、そしてR及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~40の1価の有機基である。)及び
下記一般式(3):
(式中、Xは、炭素数6~40の4価の有機基であり、Yは、炭素数6~40の2価の有機基であり、そしてnは、2~100の整数である。)
から選択される少なくとも1種で表される成分を含むことが、本発明の効果を奏し易い観点、また、各種特性に優れた硬化膜を実現し易い観点から好ましい。
式(2)中、R及びRのうち少なくとも一方は、熱又は光で反応する反応性置換基であることが好ましく、なかでも、本発明の効果を奏し易い観点、また、各種特性に優れた硬化膜を実現し易い観点から、下記一般式(4):
(式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~3の1価の有機基であり、そしてmは、2~10の整数である。)
で表される基を含むことがより好ましい。
式(4)中、炭素数1~3の1価の有機基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、及びイソプロピル基等が挙げられ、好ましくは、メチル基である。Rは、好ましくは、水素原子及びメチル基であり、そしてR及びRは、好ましくは、水素原子及びメチル基、より好ましくは水素原子である。mは、好ましくは2~5の整数、より好ましくは2~3の整数である。
式(2)及び(3)中、n及びnは、感光性樹脂組成物の感光特性及び機械特性の観点から、好ましくは1~100の整数、より好ましくは3~70の整数である。
式(2)及び(3)中、X及びXで表される4価の有機基は、耐熱性と感光特性とを両立する観点で、好ましくは炭素数6~40の有機基、より好ましくは、-COOR基及び-COOR基と、-CONH-基と、が互いにオルト位置にある基(特に、芳香族基又は脂環式脂肪族基)である。X及びXで表される4価の有機基として、具体的には、芳香族環を含有する炭素原子数6~40の有機基、例えば、下記一般式(5):
(式中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1~10の炭化水素基、及び炭素数1~10の含フッ素炭化水素基から成る群から選択される1価の基であり、mは、1又は2の整数であり、mは、1~3の整数であり、そしてmは、1~4の整数である。)
で表される構造を有する基が挙げられる。X及びXで表される4価の有機基は、1種でも2種以上の組み合わせでもよい。上記式(5)で表される構造を有するX及びX基は、耐熱性と感光特性とを両立する観点で特に好ましい。
上記式(2)及び(3)中、Y及びYで表される2価の有機基は、耐熱性と感光特性とを両立する観点で、好ましくは炭素数6~40の芳香族基、例えば、下記一般式(6):
(式中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1~10の炭化水素基、及び炭素数1~10の含フッ素炭化水素基から成る群から選択される1価の基であり、mは、1~3の整数であり、そしてmは、1~4の整数である。)
で表される構造を有する基が挙げられる。Y及びYで表される2価の有機基は、1種でも2種以上の組み合わせでもよい。上記式(6)で表される構造を有するY及びY基は、耐熱性と感光特性とを両立する観点で特に好ましい。
(A)成分において、テトラカルボン酸二無水物由来の骨格成分であるX及びX、並びにジアミン化合物由来の骨格成分であるY及びYのうち少なくともいずれかが、2つ以上のベンゼン環を有することが好ましい。2つ以上のベンゼン環は、直接又は二価以上の有機基を介して互いに結合していてよい。ベンゼン環の数は、3つ以上又は4つ以上、6つ以下、5つ以下又は4つ以下であってよく、より好ましくは4つである。(A)成分がこのような構造を有することにより、感光性樹脂組成物の解像性を維持し易く、そのため、得られる硬化レリーフパターンにおいて、低誘電特性を実現し易い傾向がある。
特に、X及びXの少なくとも一方が、下記一般式(7):
(式中、Zは、それぞれ独立に、単結合、炭素数1~30の有機基、及びヘテロ原子を含む有機基から成る群から選択される2価の基であり、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1~10の炭化水素基、及び炭素数1~10の含フッ素炭化水素基から成る群から選択される1価の基であり、mは、それぞれ独立に、1~3の整数であり、そしてmは、それぞれ独立に、1~4の整数である。)
で表される、並びに/又は
及びYの少なくとも一方が、下記一般式(8):
(式中、Zは、それぞれ独立に、単結合、炭素数1~30の有機基、及びヘテロ原子を含む有機基から成る群から選択される2価の基であり、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1~10の炭化水素基、及び炭素数1~10の含フッ素炭化水素基から成る群から選択される1価の基であり、mは、それぞれ独立に、1~3の整数であり、そしてmは、それぞれ独立に、1~4の整数である。)
で表されることが、低誘電特性の観点から好ましい。
(A)成分は、その繰り返し単位に含まれる反応性不飽和結合側鎖とは異なる、熱又は光で重合する他の反応性不飽和結合を、主鎖の末端に有してよい。反応性不飽和結合は、例えば、熱又は光で反応して互いに架橋することができる結合を言う。反応性置換基は、このような反応性不飽和結合を有する。
カルボキシル基とも反応する部位を有し、かつ、反応性置換基を有する構造、及び、反応性置換基で変性された主鎖末端の構造、の具体例を以下に示す。
(A)成分の製造方法
[テトラカルボン酸二無水物]
ポリイミド前駆体又はポリイミドを調製するために好適に用いられる、炭素数6~40の4価の有機基X及びXを有するテトラカルボン酸二無水物としては、上記で挙げられた構造由来のテトラカルボン酸二無水物以外に、例えば、無水ピロメリット酸、ジフェニルエーテル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルメタン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-無水フタル酸)プロパン、2,2-ビス(3,4-無水フタル酸)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、4,4‘-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)二無水フタル酸、4,4‘-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二酸無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
[ジアミン化合物]
ポリイミド前駆体又はポリイミドを調製するために好適に用いられる、炭素数6~40の2価の有機基Y及びYを有するジアミン化合物としては、上記で挙げられた構造由来のジアミン以外に、例えば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジメチルビフェニル、4,4-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノビフェニル、3,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、9,10-ビス(4-アミノフェニル)アントラセン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(3-アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、オルト-トリジンスルホン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、及びビス{4-(4-アミノフェノキシ)フェニル}ケトン、並びにこれらのベンゼン環上の水素原子の一部が、メチル基、エチル基等のアルキル鎖で置換されたもの、例えば、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノビフェニル、及びこれらの混合物等も挙げられる。しかしながら、ジアミン化合物はこれらに限定されない。これらのジアミン化合物は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
[末端反応性置換基導入化合物]
ポリイミド前駆体又はポリイミドの主鎖末端に反応性置換基を導入するための化合物(末端反応性置換基導入化合物)としては、例えば、2-イソシアナトエチルアクリレート、2-イソシアナトエチルメタクリレート、2-(2-メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアナート、1,1-(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、アリルアミン、メタクリル酸クロリド及びこれらの混合物等も挙げられる。しかしながら、末端反応性置換基導入化合物はこれらに限定されない。末端反応性置換基導入化合物は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
[反応溶媒]
ポリイミド前駆体又はポリイミドの合成の際の反応溶媒としては、原料のテトラカルボン酸二無水物及び後述の第一の置換基導入化合物、並びに生成物であるアシッド/エステル体を完全に溶解するものが好ましい。より好ましくは、更に、該アシッド/エステル体とジアミンとのアミド重縮合生成物であるポリイミド前駆体も完全に溶解する溶媒である。例えば、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等を挙げることができる。これらの具体例としては、ケトン類として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。エステル類として、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル等が挙げられる。ラクトン類として、例えば、γ-ブチロラクトン等が挙げられる。エーテル類として、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。ハロゲン化炭化水素類として、例えば、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,4-ジクロロブタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等が挙げられる。炭化水素類として、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは必要に応じて、単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって基板上に形成される感光性樹脂層と各種の基板との密着性を向上させるために、(A)成分の調製時に、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン等のジアミノシロキサン類を共重合することもできる。
[ポリイミド前駆体の合成]
本開示におけるポリイミド前駆体(ポリアミド酸エステル)は、例えば、(工程i)前述の4価の有機基Xを含むテトラカルボン酸二無水物と、光重合性の不飽和二重結合を有するアルコール類及び任意に炭素数1~4の飽和脂肪族アルコール類とを反応させて、部分的にエステル化したテトラカルボン酸(以下、アシッド/エステル体ともいう)を調製する工程、及び(工程ii)アシッド/エステル体と、前述の2価の有機基Yを含むジアミン類とをアミド重縮合させる工程、により得られる。
(工程i)アシッド/エステル体の調製
炭素数6~40の4価の有機基Xを含むテトラカルボン酸二無水物を用いて、熱又は光で反応する反応性置換基を有する化合物(本開示において、「置換基導入化合物」ともいう。)と反応させ、エステル化されたテトラカルボン酸(アシッド/エステル体)を得ることができる。
エステル化されたテトラカルボン酸の合成に好適に用いられる、置換基導入化合物(本開示において、「第一の置換基導入化合物」ともいう。)としては、熱又は光で反応する反応性置換基を有するアルコール類が挙げられる。熱又は光で反応する反応性置換基を有するアルコール類としては、例えば、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2-アクリロイルオキシエチルアルコール、1-アクリロイルオキシ-3-プロピルアルコール、2-アクリルアミドエチルアルコール、メチロールビニルケトン、2-ヒドロキシエチルビニルケトン、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-t-ブトキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-シクロヘキシルオキシプロピルアクリレート、2-メタクリロイルオキシエチルアルコール、1-メタクリロイルオキシ-3-プロピルアルコール、2-メタクリルアミドエチルアルコール、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-t-ブトキシプロピルメタクリレート、及び2-ヒドロキシ-3-シクロヘキシルオキシプロピルメタクリレート等を挙げることができる。
上記熱又は光で反応する反応性置換基を有するアルコール類とともに、任意的に使用できる飽和脂肪族アルコール類としては、炭素数1~4の飽和脂肪族アルコールが好ましい。その具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、tert-ブタノール等を挙げることができる。
上記のテトラカルボン酸二無水物と第一の置換基導入化合物とを、好ましくはピリジン等の塩基性触媒の存在下、好ましくは適当な反応溶媒中、温度20~50℃で4~10時間撹拌、混合することにより、酸無水物のエステル化反応が進行し、所望のアシッド/エステル体を得ることができる。
(工程ii):アシッド/エステル体とジアミンのアミド重縮合反応
前述で調整したアシッド/エステル体に、ジアミンを縮合反応させて、ポリアミド酸エステルを合成することができる。アシッド/エステル体は、典型的には上記の方法によりアシッド/エステル体を調製した後の反応溶媒中に溶解された溶液状態にある。好ましくは氷冷下、適当な脱水縮合剤を投入混合してアシッド/エステル体をポリ酸無水物とする。次いでこれに、ジアミンを溶解又は分散させた溶媒を滴下投入し、両者をアミド重縮合させることにより、ポリアミド酸エステルを得ることができる。上記2価の有機基Yを有するジアミン類とともに、ジアミノシロキサン類を併用してもよい。上記脱水縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エトキシカルボニル-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリン、1,1-カルボニルジオキシ-ジ-1,2,3-ベンゾトリアゾール、N,N’-ジスクシンイミジルカーボネート等が挙げられる。以上のようにして、中間体であるポリ酸無水化物が得られる。
アミド重縮合反応終了後、当該反応液中に共存している脱水縮合剤の吸水副生物を、必要に応じて濾別した後、重合体成分を含有する溶液に適当な貧溶媒、例えば水、脂肪族低級アルコール、その混合液等を投入し、重合体成分を析出させ、更に必要に応じて、再溶解及び再沈析出操作等の操作を繰り返して重合体を精製した後、真空乾燥を行うことにより、目的のポリイミド前駆体を単離する。精製度を向上させるために、陰イオン及び/又は陽イオン交換樹脂を適当な有機溶媒で膨潤させて充填したカラムに、この重合体の溶液を通し、イオン性不純物を除去してもよい。
ポリイミド前駆体の重量平均分子量は、熱処理後に得られる膜の耐熱性及び機械特性の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量で測定した場合に、3,000~150,000が好ましく、9,000~50,000がより好ましく、18,000~40,000が特に好ましい。重量平均分子量が8,000以上であれば、機械物性が良好であるため好ましく、他方、150,000以下であれば、現像液への分散性及びレリーフパターンの解像性能が良好であるため好ましい。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの展開溶媒としては、テトラヒドロフラン、N-メチル-2-ピロリドンが推奨される。また、分子量は、標準単分散ポリスチレンを用いて作成した検量線から求める。標準単分散ポリスチレンとしては、昭和電工社製 有機溶媒系標準試料 STANDARD SM-105から選ぶことが推奨される。
[ポリイミドの合成]
本開示におけるポリイミドは、前述の4価の有機基Xを含むテトラカルボン酸二無水物又はそのアシッド/エステル体と、前述の2価の有機基Yを含むジアミンを縮合反応させ、これをイミド化することにより得られる。
ポリイミドの合成において用いられるテトラカルボン酸二無水物は、イミド閉環率を高める観点で、好ましくは、アシッド/エステル体の形態ではなく酸二無水物の形態である。例えば、炭素数6~40の4価の有機基Xを含むテトラカルボン酸二無水物と、炭素数6~40の2価の有機基Yを含む過剰量のジアミン化合物とを縮合反応させて、加熱閉環することができる。イミド化の条件としては、限定されないが、例えば160℃以上300℃以下で1時間~10時間加熱すればよい。イミド閉環率は高いほど好ましく、限定されないが、例えば90%以上、95%以上が好ましく、99%以上又は100%がより好ましい。
イミド化反応終了後、当該反応液中に共存している脱水縮合剤の吸水副生物を、必要に応じて濾別した後、重合体成分を含有する溶液に適当な貧溶媒、例えば水、脂肪族低級アルコール、その混合液等を投入し、重合体成分を析出させ、更に必要に応じて、再溶解及び再沈析出操作等の操作を繰り返して重合体を精製した後、真空乾燥を行うことにより、目的のポリイミドを単離する。精製度を向上させるために、陰イオン及び/又は陽イオン交換樹脂を適当な有機溶媒で膨潤させて充填したカラムに、この重合体の溶液を通し、イオン性不純物を除去してもよい。
ポリイミドの重量平均分子量は、熱処理後に得られる膜の耐熱性及び機械特性の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量で測定した場合に、3,000~150,000が好ましく、4,000~50,000がより好ましく、5,000~40,000が特に好ましい。重量平均分子量が3,000以上であれば、機械物性が良好であるため好ましく、他方、150,000以下であれば、溶媒への溶解性、現像液への分散性及びレリーフパターンの解像性能が良好であるため好ましい。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの条件等については、前記と同様である。
(B)光重合開始剤
(B)光重合開始剤は、活性光線によりラジカルを発生し、エチレン性不飽和基含有化合物等を重合することができる化合物である。活性光線でラジカルを発生する開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N-アルキルアミノアセトフェノン、オキシムエステル、アクリジン及びホスフィンオキサイド等の構造を含む化合物が挙げられる。その例としては、ベンゾフェノン、N,N,N’,N’-テトラメチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N,N’,N’-テトラエチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4-メトキシ-4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-プロパノン-1、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド等の芳香族ケトン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-フェニル]-,2-(O-ベンゾイルオキシム)、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)(BASFジャパン(株)製、Irgacure Oxe02)、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-3-シクロペンチルプロパン-1,2-ジオン-2-(o-ベンゾイルオキシム)(常州強力電子新材料社製、PBG305)、1,2-プロパンジオン,3-シクロヘキシル-1-[9-エチル-6-(2-フラニルカルボニル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,2-(O-アセチルオキシム)(日興ケムテック(株)製、TR-PBG-326)等のオキシムエステル化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9,9’-アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N-フェニルグリシン等のN-フェニルグリシン誘導体;クマリン化合物;オキサゾール化合物;2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。上記で説明された(B)光重合開始剤は、単独、又は2種以上混合して用いることもできる。
本実施形態において、(B)光重合開始剤は、特に解像性の観点から、オキシムエステル化合物が好ましく、より好ましくは下記一般式:
(式中、Rは、炭素数1~12のアルキル基、フェニル基、又はトリル基であり、R10及びR11は、それぞれ独立に、炭素数1~12のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基であり、R12は、-H、-OH、-COOH、-O(CH)OH、-O(CHOH、-COO(CH)OH、又は-COO(CHOHである。)、
(式中、R13は、それぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基であり、R14は、NO又はArCO(Arはアリール基である)であり、R15及びR16は、それぞれ独立に、炭素数1~12のアルキル基、フェニル基、又はトリル基である。)、及び
(式中、R17は、炭素数1~6のアルキル基であり、R18は、アセタール結合を有する有機基であり、R19及びR20は、それぞれ独立に、炭素数1~12のアルキル基、フェニル基、又はトリル基である。)
から成る群から選択される化合物である。
(B)光重合開始剤の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.5質量部以上30質量部以下が好ましく、より好ましくは2質量部以上15質量部以下である。上記配合量は、光感度又はパターニング性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、他方、感光性樹脂組成物の硬化後の感光性樹脂層の物性の観点から、30質量部以下が好ましい。
(C)溶媒
(C)溶媒は、(A)成分、(B)光重合開始剤、を均一に溶解又は懸濁させうる溶媒が良い。そのような溶媒として、γ-ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフルフリルアルコール、アセト酢酸エチル、N,N-ジメチルアセトアセトアミド、ε-カプロラクトン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド等を例示することができる。これらの溶媒は一種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記溶媒は、感光性樹脂組成物の所望の塗布膜厚及び粘度に応じて、(A)成分100質量部に対して、例えば30~1500質量部の範囲、好ましくは100~1,000質量部の範囲で用いることができる。溶媒が、オレフィン系二重結合を有さないアルコールを含有する場合、全溶媒中に占める、オレフィン系二重結合を有さないアルコールの含量は、5~50質量%であることが好ましく、より好ましくは10~30質量%である。オレフィン系二重結合を有さないアルコールの上記含量が5質量%以上の場合、感光性樹脂組成物の保存安定性が良好になり易く、50質量%以下の場合、(A)成分の溶解性が良好になり易い。
(D)アリル基含有化合物
(D)アリル基含有化合物は、下記一般式(1):
(式中、nは、0又は1であり、nが0のとき、Rは水素原子又は1価の非重合性の有機基であり、nが1のとき、Rは2価の有機基である。)
で表される。
感光性樹脂組成物が、(A)~(C)成分とともに(D)アリル基含有化合物を含むことで、低誘電特性と、高い残膜率と、所定の銅密着性の確保と、所定の耐熱性の確保と、を実現できるメカニズムは定かではないが、発明者は以下のとおり推定している。
(D)アリル基含有化合物は、アリル基を有しているため、感光性樹脂組成物を加熱(例えば150℃以上)したとき、(A)成分と(D)アリル基含有化合物;(D)アリル基含有化合物同士;及び(D)アリル基含有化合物と後述されるその他の成分;の組み合わせで熱架橋反応が起こり得る。これにより、(D)アリル基含有化合物が加熱硬化工程中に全て揮発することなく、加熱硬化後の膜中に一定量が残存し、その結果、低誘電特性と、高い残膜率と、所定の耐熱性の確保と、という効果を発現することができると考えられる。他方、アリル基は、(メタ)アクリル基と比較してラジカル反応性が低い。このため、上記アリル基が存在することで、露光工程、又は加熱工程において(A)成分の置換基導入化合物等の高極性化合物が膜中に過剰に残存することを防ぐことができ、その結果、低誘電特性と、所定の銅密着性の確保と、という効果を発現することができると考えられる。さらに、アリル基は、エポキシ基と異なり架橋時に高極性の官能基を生じないため、低誘電特性を発現し易いと考えられる。
本実施形態において、一般式(1)中のnが0のとき、Rは、水素原子又は1価の非重合性の有機基である。前記非重合性の有機基は、炭素数1~30であってよく、炭素数1~30のアルキル基であってよい。低誘電特性の観点から、Rが、炭素数3以上であることが好ましく、低誘電特性および所定の耐熱性の確保の両立の観点から、好ましくは炭素数3~30、より好ましくは炭素数7~15の1価の非重合性の有機基、好ましくはアルキル基であることが好ましい。炭素数が1以上である場合、化合物中における低極性部位の割合が高いため、低誘電特性が発現しやすく、炭素数が30未満のアルキル基である場合、化合物中における柔軟部位の割合が低いため、耐熱性が維持しやすい。Rが、非重合性の有機基ではなく、例えば、アリル基、(メタ)アクリル基、又はエポキシ基といった重合性の有機基である場合、上述の熱架橋反応が過剰に進行し、(A)成分の置換基導入化合物等の高極性化合物が膜中に過剰に残存し、あるいは、架橋時に高極性の官能基を生じる。その結果、高い残膜率と高い耐熱性は達成されるものの、誘電特性が悪化すると考えられる。更に、膜中への残存物が過剰に存在することで、ポリマー鎖と銅との相互作用が阻害され、銅密着性が低下すると考えられる。
しかしながら、一般式(1)中のnが0のとき、Rが水素原子又は非重合性の有機基である場合の本実施形態によれば、過剰な熱架橋反応を防ぐことができ、ゆえに、低誘電特性が達成されると考えられる。加えて、銅密着性の低下も防止でき、ひいては、所定の銅密着性と、所定の耐熱性の確保も達成されると考えられる。よって、本実施形態におけるアリル基含有化合物は、nが0のとき、2個のアリル基を有することが好ましい。
また、本実施形態において、一般式(1)中のnが1のとき、Rは、2価の有機基である。前記2価の有機基は、炭素数1~30であってよく、炭素数1~30のアルキル基であってもよい。アリル基を有する二つのイソシアヌル環が、Rで連結される場合の本実施形態によれば、架橋が適切な密度で進行し、ゆえに、過剰な熱架橋反応を抑制することができると考えられる。その結果、4個のアリル基が存在しても、低誘電特性と、高い残膜率と、所定の銅密着性の確保と、所定の耐熱性の確保と、を両立できると考えられる。
上述の通り、本実施形態の特徴として、(メタ)アクリル基、又はエポキシ基と比較して誘電特性を発現し易い架橋基と、非重合性の有機基が、1分子中に同時に有することで、架橋反応が適切な密度で進行し、低誘電特性と、所定の耐熱性の確保が両立できることが挙げられる。この効果において、架橋基はアリル基に限定されず、ジエニル基、スチリル基、アセチレニル基といったその他の熱架橋基であっても、低誘電特性と、所定の耐熱性の確保が両立し得る。
(D)アリル基含有化合物は、イソシアヌル環を有するため安定な構造である。このような安定構造も、上記で述べた本実施形態の効果が奏される要因の一つと考えられる。なお、このような安定構造により、感光性樹脂組成物は、耐熱性に優れ易く、かつ、本開示で用いる溶媒への高い溶解性を発現し易い。
(D)アリル基含有化合物の例としては、例えば、下記の構造:
(式中、Rは、水素原子又は1価の非重合性の有機基である。Rがアルキル基である場合、その(D)化合物はジアリルアルキルイソシアヌレートと称される場合があり、例えばRがメチル基である場合、その(D)化合物はジアリルメチルイソシアヌレートと称される場合がある。)
(式中、Rは、2価の有機基である。)
が挙げられる。
このような(D)アリル基含有化合物の市販品としては、例えば、L-DAIC(nが0であり、Rが炭素数3以上のアルキル基)、Me-DAIC(nが0であり、Rが水素原子)、DD-1(nが1であり、Rが2価の非重合性の有機基)(以上はいずれも四国化成工業(株)製)、イソシアヌル酸ジアリルプロピル(nが0であり、Rが炭素数2のアルキル基)(東京化成工業(株)製)等が挙げられる。
低誘電特性の観点から、一般式(1)中のnが0であることがより好ましい。一般式(1)中のnが0であるとき、(D)アリル基含有化合物中の高極性部位の割合が少ないため、低誘電特性への効果が大きくなる。
(D)アリル基含有化合物の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.5~30質量部が好ましく、2~20質量部がより好ましい。上記配合量は、低誘電特性、及び高い残膜率等をより効果的に実現する観点から、2質量部以上がより好ましく、他方、溶媒、及び(A)成分との相溶性の観点から、20質量部以下がより好ましい。
(E)イミド化促進剤
(E)イミド化促進剤は、低誘電特性を好適に実現するため、任意に添加することができる。イミド化促進剤とは、本開示における感光性樹脂組成物の加熱硬化の過程において、イミド化を促進する化合物である。これを用いることで、(A)成分の置換基導入化合物が、早い段階で脱離し易く、そして、架橋が過剰に進行する前に揮発し易くなる。
(E)イミド化促進剤としては、添加により感光性樹脂組成物の加熱硬化の際のポリマー鎖の運動性を高め、これによりイミド化を促進する形式のものと、塩基性の化合物であることでイミド化を促進する形式のものと、がある。前者としては、加熱硬化の際のポリマー鎖の運動性を高めるために、加熱硬化の温度帯で溶融し、かつ揮発しない化合物であることが好ましい。例えば、SR-3000、PX-200(いずれも大八化学工業(株)製)が挙げられる。後者としては、塩基性の化合物が好ましく、保存中の変質を防ぐ観点から、例えばジエタノールアニリンが挙げられる。
(E)イミド化促進剤を配合する場合の含有量は、(A)成分に対して、0.01~15質量部が好ましく、0.1~5質量部がより好ましい。該含有量が上記範囲内であれば、(E)イミド化促進剤を配合することによる上記効果を好適に得易くなる。
(F)第4族元素の遷移金属を含むキレート剤
(F)第4族元素の遷移金属を含むキレート剤は、低誘電特性化及び高耐熱性のために、任意に添加することができる。上記キレート剤を含有することで、理論には拘束されないが、金属元素を含む有機化合物に含有される金属元素が、ポリイミド前駆体のエステル基及び/又はカルボキシル基に由来するカルボニル基に配位することで、ポリマー鎖の分子運動を抑制することができ、その結果、低誘電特性が達成されると考えられる。
(F)第4族元素の遷移金属を含むキレート剤は、一分子中にチタン及びジルコニウムから成る群から選択される少なくとも一種の金属元素、及び有機基を含むことが好ましい。有機基としては、炭化水素基、ヘテロ原子を含有する炭化水素基を含むことが好ましい。有機基を含有することにより、感光性樹脂組成物に含まれるポリイミド前駆体のイミド化率が上がり、硬化膜の誘電特性が低下し易い。使用可能な第4族元素の遷移金属を含むキレート剤としては、例えば、チタン原子又はジルコニウム原子に有機基が共有結合又はイオン結合を介して結合しているもの、すなわち有機チタン化合物又はジルコニウム化合物が挙げられる。
有機チタン化合物又はジルコニウム化合物の具体例を以下のI)~VII)に示す:
I)有機基としてアルコキシ基を2個以上有するキレート化合物としては、チタニウムビス(アセチルアセトネート)ジイソプロポキシド、チタニウムビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド、チタニウムジ(n-ブトキサイド)ビス(2,4-ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(2,4-ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)、これらの化合物のチタン原子をジルコニウム原子で置換した化合物が挙げられる。
II)テトラアルコキシ化合物としては、例えば、チタニウムテトラ(n-ブトキサイド)、チタニウムテトラエトキサイド、チタニウムテトラ(2-エチルヘキソキサイド)、チタニウムテトライソブトキサイド、チタニウムテトライソプロポキサイド、チタニウムテトラメトキサイド、チタニウムテトラメトキシプロポキサイド、チタニウムテトラメチルフェノキサイド、チタニウムテトラ(n-ノニロキサイド)、チタニウムテトラ(n-プロポキサイド)、チタニウムテトラステアリロキサイド、チタニウムテトラキス[ビス{2,2-(アリロキシメチル)ブトキサイド}]、これらの化合物のチタン原子をジルコニウム原子で置換した化合物が挙げられる。
III)チタノセン又はジルコノセン化合物としては、例えば、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキサイド、ビス(η-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)ビス(2,6-ジフルオロフェニル)チタニウム、ビス(η-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル)チタニウム、これらの化合物のチタン原子をジルコニウム原子で置換した化合物が挙げられる。
IV)モノアルコキシ化合物としては、例えば、チタニウムトリス(ジオクチルホスフェート)イソプロポキサイド、チタニウムトリス(ドデシルベンゼンスルホネート)イソプロポキサイド、これらの化合物のチタン原子をジルコニウム原子で置換した化合物が挙げられる。
V)チタニウムオキサイド又はジルコニウムオキサイド化合物としては、例えば、チタニウムオキサイドビス(ペンタンジオネート)、チタニウムオキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、フタロシアニンチタニウムオキサイド、これらの化合物のチタン原子をジルコニウム原子で置換した化合物が挙げられる。
VI)チタニウムテトラアセチルアセトネート又はジルコニウムテトラアセチルアセトネート化合物としては、例えば、チタニウムテトラアセチルアセトネート、これらの化合物のチタン原子をジルコニウム原子で置換した化合物が挙げられる。
VII)チタネートカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート等が挙げられる。
上記I)~VII)の中でも、有機チタン化合物が、上記I)チタンキレート化合物、II)テトラアルコキシチタン化合物、及びIII)チタノセン化合物から成る群から選択される少なくとも1種の化合物であることが、より良好な誘電特性を奏するという観点から好ましい。特に、チタニウムビス(アセチルアセトネート)ジイソプロポキシド、チタニウムテトラアセチルアセトネート、チタニウムジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムテトラ(n-ブトキサイド)、及びビス(η-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル)チタニウムが好ましい。本開示で用いる溶剤への相溶性の観点から、より好ましくは、チタニウムビス(アセチルアセトネート)ジイソプロポキシド、チタニウムテトラアセチルアセトネートである。
有機チタン化合物又はジルコニウム化合物を配合する場合の含有量は、(A)成分に対して、0.01~5質量部が好ましく、0.1~3質量部がより好ましい。該含有量が0.01質量部以上であれば、良好な樹脂組成物のイミド化率及び硬化膜の誘電特性が発現し易く、他方、5質量部以下であれば、保存安定性に優れ易いため好ましい。
(G)その他の成分
感光性樹脂組成物は、上記(A)~(F)成分以外の成分(その他の成分)を更に含有してよい。その他の成分としては、例えば、(A)成分以外の樹脂成分、第4族元素の遷移金属以外の金属元素を含む有機化合物、シランカップリング剤、上記(D)アリル基含有化合物以外のラジカル重合性化合物、上記(D)アリル基含有化合物以外の熱架橋剤、フィラー、増感剤、熱重合禁止剤、アゾール化合物、及びヒンダードフェノール化合物等が挙げられる。
上記樹脂成分としては、例えば、ポリアミド酸、ポリオキサゾール、ポリオキサゾール前駆体、フェノール樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、シロキサン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.01~20質量部の範囲である。
感光性樹脂組成物は、レリーフパターンの密着性を向上させるため、感光性樹脂組成物は、シランカップリング剤を任意に含むことができる。このような化合物としては、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等の化合物を挙げることができる。これらのシランカップリング剤は、1種で用いても2種以上の混合物で用いてもよい。
樹脂組成物中のシランカップリングの含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.2質量%~10質量%であることが好ましく、銅密着性の観点から、1~8質量%がより好ましく、2~6質量%が更に好ましい。
感光性樹脂組成物は、レリーフパターンの解像度向上、及び熱硬化時の硬化後残膜率を向上させるために、感光性樹脂組成物は、(D)アリル基含有化合物以外のラジカル重合性化合物を任意に含むことができる。このような化合物としては、光重合開始剤によりラジカル重合反応する(メタ)アクリル化合物が好ましく、特に以下に限定するものではないが、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートをはじめとする、エチレングリコール又はポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール又はポリプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート、グリセロールのジ(メタ)アクリレート若しくはトリ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールのジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、その誘導体、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールのジ(メタ)アクリレート若しくはトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート若しくはテトラ(メタ)アクリレート、これら化合物のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等の化合物を挙げることができる。これらのラジカル重合性化合物の中では硬化後残膜率を向上させる観点からはラジカル重合性基を3つ以上有することが好ましい。また、これらのラジカル重合性化合物は、1種で用いても2種以上の混合物で用いてもよい。
樹脂組成物中のラジカル重合性化合物の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.5~50質量%が好ましく、解像性と硬化後残膜率向上の観点から、5~40質量%がより好ましく、10質量%~30質量%であることが更に好ましい。
感光性樹脂組成物は、硬化後残膜率を向上させるために、上記(D)アリル基含有化合物以外の熱架橋剤を任意に含むことができる。
熱架橋剤とは、熱により付加反応、又は縮合重合反応を起こす化合物を意味する。これらの反応は(A)成分と熱架橋剤、熱架橋剤同士、及び熱架橋剤と後述されるその他の成分の組み合わせで起き、その反応温度としては、150℃以上が好ましい。
熱架橋剤の例としては、アルコキシメチル化合物、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビスマレイミド化合物、上記(D)アリル基含有化合物以外のアリル化合物、及びブロックイソシアネート化合物等が挙げられる。硬化後残膜率向上の観点から(F)熱架橋剤は窒素原子を含むことが好ましい。
アルコキシメチル化合物の例としては、下記化合物が挙げられる。
エポキシ化合物の例としては、ビスフェノールA型基を含むエポキシ化合物や水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル(たとえば共栄社化学(株)製エポライト4000)等が挙げられる。オキセタン化合物としては、1,4-ビス{[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ビス[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル、4,4’-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メチル]ビフェニル、4,4′-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ビフェニル、エチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)ジフェノラート、トリメチロールプロパントリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ポリ[[3-[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]プロピル]シラセスキオキサン]誘導体、オキセタニルシリケート、フェノールノボラック型オキセタン、1,3-ビス[(3-エチルオキセタンー3-イル)メトキシ]ベンゼン、OXT121(東亞合成製、商品名)、OXT221(東亞合成製、商品名)等が挙げられる。ビスマレイミド化合物としては、1,2-ビス(マレイミド)エタン、1,3-ビス(マレイミド)プロパン、1,4-ビス(マレイミド)ブタン、1,5-ビス(マレイミド)ペンタン、1,6-ビス(マレイミド)ヘキサン、2,2,4-トリメチル-1,6-ビス(マレイミド)ヘキサン、N,N’-1,3-フェニレンビス(マレイミド)、4-メチル-N,N’-1,3-フェニレンビス(マレイミド)、N,N’-1,4-フェニレンビス(マレイミド)、3-メチル-N,N’-1,4-フェニレンビス(マレイミド)、4,4’-ビス(マレイミド)ジフェニルメタン、3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチル-4,4’-ビス(マレイミド)ジフェニルメタン又は2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンが挙げられる。アリル化合物としては、アリルアルコール、アリルアニソール、安息香酸アリルエステル、桂皮酸アリルエステル、N-アリロキシフタルイミド、アリルフェノール、アリルフェニルスルフォン、アリルウレア、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、イソシアヌル酸ジアリル、トリアリルアミン、イソシアヌル酸トリアリル、シアヌル酸トリアリル、トリアリルアミン、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸トリアリル、トリメリト酸トリアリル、トリアリルホスフェート、トリアリルホスファイト、クエン酸トリアリルなどが挙げられる。ブロックイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート系ブロックイソシアネート(例えば、旭化成(株)製デュラネートSBN-70D、SBB-70P、SBF-70E、TPA-B80E、17B-60P、MF-B60B、E402-B80B、MF-K60B、及びWM44-L70G、三井化学(株)製タケネートB-882N、Baxenden社製7960、7961、7982、7991、及び7992など)、トリレンジイソシアネート系ブロックイソシアネート(例えば、三井化学(株)製タケネートB-830など)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネ-ト系ブロックイソシアネート(例えば、三井化学(株)製タケネートB-815N、大榮産業(株)製ブロネートPMD-OA01、及びPMD-MA01など)、1,3―ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン系ブロックイソシアネート(例えば、三井化学(株)製タケネートB-846N、東ソー(株)製コロネートBI-301、2507、及び2554など)、イソホロンジイソシアネート系ブロックイソシアネート(例えば、Baxenden社製7950、7951、及び7990など)が挙げられる。これらの中で、保存安定性の観点から、ブロックイソシアネートやビスマレイミド化合物が好ましい。熱架橋剤は単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物中の熱架橋剤の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.2~40質量部が好ましく、低誘電特性及び硬化後残膜率向上の観点から、1~20質量部がより好ましく、2質量部~10質量部であることが更に好ましい。
感光性樹脂組成物は、硬化後残膜率を向上させるために、フィラーを任意に含むことができる。フィラーとは、強度や各種性質を改良するために、添加される不活性な物質であれば限定されない。
フィラーは、樹脂組成物とした際の粘度上昇を抑える観点から、粒子状であることが好ましい。粒子状の例としては、針状、板状、球状などがあるが、樹脂組成物とした際の粘度上昇を抑える観点から、フィラーは球状が好ましい。
針状フィラーとしては、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、ゾノトライト、ホウ酸アルミニウム、針状炭酸カルシウムなどが挙げられる。板状フィラーとしては、タルク、マイカ、セリサイト、ガラスフレーク、モンモリロナイト、窒化ホウ素、板状炭酸カルシウムなどが挙げられる。球状フィラーとしては、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、酸化チタン、クレー、ハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウムなどが挙げられる。これらの中で、電気特性や樹脂組成物とした際の保存安定性の観点から、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウムが好ましく、シリカ、アルミナがより好ましい。これらのフィラーは、1種で用いても2種以上の混合物で用いてもよい。
フィラーの大きさとしては、球状の場合は一次粒子径を、板状や針状の場合は長辺の長さを大きさとして定義し、5~1000nmが好ましく、10~1000nmがより好ましい。10nm以上であれば樹脂組成物とした時に十分に均一になる傾向にあり、1000nm以下であれば、感光性を付与しうる。感光性付与の観点から、800nm以下が好ましく、600nm以下がより好ましく、300nm以下が特に好ましい。密着性や樹脂組成物均一性の観点から、15nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、50nm以上が特に好ましい。
樹脂組成物中のフィラーの含有量は、樹脂組成物の全体積に対して、1~20vol%が好ましく、誘電特性の観点から、5~20vol%が好ましく、解像度の観点から、5~10vol%が更に好ましい。
感光性樹脂組成物は、光感度を向上させるために増感剤を任意に含むことができる。増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5-ビス(4’-ジエチルアミノベンザル)シクロペンタン、2,6-ビス(4’-ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6-ビス(4’-ジエチルアミノベンザル)-4-メチルシクロヘキサノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p-ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p-ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2-(p-ジメチルアミノフェニルビフェニレン)-ベンゾチアゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾール、2-(p-ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3-ビス(4’-ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3-ビス(4’-ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3’-カルボニル-ビス(7-ジエチルアミノクマリン)、3-アセチル-7-ジメチルアミノクマリン、3-エトキシカルボニル-7-ジメチルアミノクマリン、3-ベンジロキシカルボニル-7-ジメチルアミノクマリン、3-メトキシカルボニル-7-ジエチルアミノクマリン、3-エトキシカルボニル-7-ジエチルアミノクマリン、N-フェニル-N’-エチルエタノールアミン、N-フェニルジエタノールアミン、N-p-トリルジエタノールアミン、N-フェニルエタノールアミン、4-モルホリノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、2-メルカプトベンズイミダゾール、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(p-ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2-(p-ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2-(p-ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2-d)チアゾール、2-(p-ジメチルアミノベンゾイル)スチレン等が挙げられる。これらは単独で、又は複数(例えば2~5種類)の組合せで用いることができる。増感剤の配合量は、(A)ポリアミド酸エステル構造、又はポリイミド構造を含む(A)成分100質量部に対して、0.1~25質量部が好ましい。
感光性樹脂組成物は、特に溶媒を含む溶液の状態での保存時の感光性樹脂組成物の粘度及び光感度の安定性を向上させるために、熱重合禁止剤を任意に含むことができる。熱重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、N-ニトロソジフェニルアミン、p-tert-ブチルカテコール、フェノチアジン、N-フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四酢酸、1,2-シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6-ジ-tert-ブチル-p-メチルフェノール、5-ニトロソ-8-ヒドロキシキノリン、1-ニトロソ-2-ナフトール、2-ニトロソ-1-ナフトール、2-ニトロソ-5-(N-エチル-N-スルフォプロピルアミノ)フェノール、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N-ニトロソ-N(1-ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩等が用いられる。また、これらの熱重合禁止剤は、1種で用いても2種以上の混合物で用いてもよい。
熱重合禁止剤の配合量としては、(A)成分100質量部に対して、0.005~12質量部の範囲が、光感度特性又はパターニング性の観点で好ましい。
感光性樹脂組成物は、銅又は銅合金から成る基板を用いる場合には、基板変色を抑制するために、アゾール化合物を任意に含むことができる。アゾール化合物としては、例えば、1H-トリアゾール、5-メチル-1H-トリアゾール、5-エチル-1H-トリアゾール、4,5-ジメチル-1H-トリアゾール、5-フェニル-1H-トリアゾール、4-t-ブチル-5-フェニル-1H-トリアゾール、5-ヒドロキシフェニル-1H-トリアゾール、フェニルトリアゾール、p-エトキシフェニルトリアゾール、5-フェニル-1-(2-ジメチルアミノエチル)トリアゾール、5-ベンジル-1H-トリアゾール、ヒドロキシフェニルトリアゾール、1,5-ジメチルトリアゾール、4,5-ジエチル-1H-トリアゾール、1H-ベンゾトリアゾール、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α―ジメチルベンジル)フェニル]-ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、4-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、4-カルボキシ-1H-ベンゾトリアゾール、5-カルボキシ-1H-ベンゾトリアゾール、1H-テトラゾール、5-メチル-1H-テトラゾール、5-フェニル-1H-テトラゾール、5-アミノ-1H-テトラゾール、1-メチル-1H-テトラゾール等が挙げられる。特に好ましくは、トリルトリアゾール、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、4-メチル-1H-ベンゾトリアゾールである。また、これらのアゾール化合物は、1種で用いても2種以上の混合物で用いてもよい。
アゾール化合物の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.1~20質量部が好ましく、光感度特性の観点から0.5~5質量部がより好ましい。アゾール化合物の(A)成分100質量部に対して、配合量が0.1質量部以上であれば、感光性樹脂組成物を銅又は銅合金の上に形成したときに、銅又は銅合金表面の変色が抑制され、他方、20質量部以下であれば、光感度に優れるため好ましい。
感光性樹脂組成物は、銅又は銅合金から成る基板を用いる場合には、基板変色を抑制するために、ヒンダードフェノール化合物を含むことができる。ヒンダードフェノール化合物としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,5-ジ-t-ブチル-ハイドロキノン、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネ-ト、イソオクチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4、4’-メチレンビス(2、6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4’-チオ-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、トリエチレングリコール-ビス〔3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6-ヘキサンジオール-ビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2-チオ-ジエチレンビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N’ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナマミド)、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、ペンタエリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレイト、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5-トリス(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-4-イソプロピルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-s-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス[4-(1-エチルプロピル)-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス[4-トリエチルメチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-4-フェニルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,5,6-トリメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-5-エチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-6-エチル-3-ヒドロキシ-2-メチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-6-エチル-3-ヒドロキシ-2,5-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-5,6-ジエチル-3-ヒドロキシ-2-メチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2-メチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,5-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-5‐エチル-3-ヒドロキシ-2-メチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン等が挙げられる。これらの中でも、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオンが特に好ましい。
ヒンダードフェノール化合物の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.1~20質量部が好ましく、光感度特性の観点から0.5~10質量部がより好ましい。ヒンダードフェノール化合物の(A)成分100質量部に対して、配合量が0.1質量部以上であれば、例えば、銅又は銅合金の上に感光性樹脂組成物を形成した場合に、銅又は銅合金の変色・腐食が防止され、他方、20質量部以下であれば、光感度に優れるため好ましい。
<硬化膜及びその製造方法>
本開示は、感光性樹脂組成物をポリイミドに変換する工程を含む、硬化膜の製造方法もまた提供する。本開示の硬化膜の製造方法は、例えば、以下の工程:
本開示の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して、感光性樹脂層を該基板上に形成する工程;
得られた感光性樹脂層を加熱及び乾燥してもよい工程;
任意に加熱及び乾燥した後、感光性樹脂層を露光する工程;
露光後の感光性樹脂層を現像する工程;及び
現像後の感光性樹脂層を加熱処理して、硬化膜を形成する工程;
を含む。
硬化膜の製造方法において使用される感光性樹脂組成物は、100質量部の(A)成分、0.5~30質量部の感光剤、及び100~1000質量部の溶媒を含むことが好ましい。感光剤として光ラジカル重合開始剤を含むことがより好ましく、感光性樹脂組成物がネガ型であることが更に好ましい。
硬化膜の製造方法における具体的な工程は、上述の硬化膜の製造方法の工程(1)~(5)に従って行われることができる。以下、各工程の典型的な態様について説明する。
(1)感光性樹脂層形成工程
本工程では、本開示の感光性樹脂組成物を基材上に塗布し、必要に応じて、その後に乾燥させて、感光性樹脂層を形成する。塗布方法としては、従来から感光性樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法等を用いることができる。
(2)加熱、及び乾燥工程
必要に応じて、感光性樹脂組成物膜を加熱し、乾燥させることができる。乾燥方法としては、風乾、オーブン又はホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。また、塗膜の乾燥は、感光性樹脂組成物中の(A)成分のポリイミド前駆体部分(ポリアミド酸エステル)のイミド化が起こらないような条件で行うことが望ましい。具体的には、風乾又は加熱乾燥を行う場合、20℃~140℃で1分~1時間の条件で乾燥を行うことができる。以上により基板上に感光性樹脂層を形成できる。
(3)露光工程
本工程では、上記で形成した感光性樹脂層を露光する。露光装置としては、例えばコンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光装置が用いられる。露光は、パターンを有するフォトマスク又はレチクルを介して、又は直接に行うことができる。露光に使用する光線は、例えば、紫外線光源等である。
露光後、光感度の向上等の目的で、必要に応じて、任意の温度及び時間の組合せによる露光後ベーク(PEB)及び/又は現像前ベークを施してもよい。ベーク条件の範囲は、温度は40~120℃、時間は10~240秒が好ましいが、本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物の諸特性を阻害するものでない限り、この範囲に限らない。
(4)現像工程
本工程では、露光後の感光性樹脂層を現像して、レリーフパターンを形成する。感光性樹脂組成物がネガ型である場合、露光後の感光性樹脂層のうち未露光部を現像除去する。露光(照射)後の感光性樹脂層を現像する現像方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば、回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸漬法等の中から任意の方法を選択して使用することができる。また、現像の後、レリーフパターンの形状を調製する等の目的で、必要に応じて、任意の温度及び時間の組合せによる現像後ベークを施してもよい。現像に使用される現像液としては、例えば、ネガ型感光性樹脂組成物に対する良溶媒、又は該良溶媒と貧溶媒との組合せが好ましい。良溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、α-アセチル-γ-ブチロラクトン等が好ましい。貧溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及び水等が好ましい。良溶媒と貧溶媒とを混合して用いる場合には、ネガ型感光性樹脂組成物中のポリマーの溶解性によって良溶媒に対する貧溶媒の割合を調製することが好ましい。また、各溶媒を2種以上、例えば数種類組合せて用いることもできる。露光後の感光性樹脂層を現像する工程において、膜厚5~40μmの感光性樹脂層が得られるように、上記塗布~現像工程を行うことが好ましい。
(5)硬化膜形成工程
本工程では、上記現像により得られたレリーフパターンを加熱して感光成分を希散させるとともに、(A)成分をイミド化させて、ポリイミドから成る硬化レリーフパターンに変換する。加熱硬化の方法としては、ホットプレートによるもの、オーブンを用いるもの、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いるもの等種々の方法を選ぶことができる。加熱は、例えば160~400℃で30分~5時間の条件で行うことができる。加熱硬化の際の雰囲気気体としては空気を用いてもよいし、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いてもよい。以上のようにして、硬化レリーフパターン(ポリイミド硬化膜)を製造することができる。
本開示は、上記で説明された感光性樹脂組成物から得られる硬化膜もまた提供する。誘電体由来の伝送損失を抑制する観点から、その硬化膜は、摂動方式スプリットシリンダー共振器法による周波数10GHzの誘電正接が、好ましくは0.015以下であり、低いほど好ましい。
本開示において、上記で説明された感光性樹脂組成物から得られる硬化膜は、高速通信に使用されるデバイスにおける伝送損失を抑制する観点から、さらに膜厚が20μm以上であることが望ましい。硬化膜の膜厚は、100μm以下でよい。
本開示の硬化膜の製造方法は、例えば、本開示の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、露光処理、現像処理、次いで加熱処理することを含む、硬化膜の製造方法であって、その硬化膜は、摂動方式スプリットシリンダー共振器法で10GHzにて測定した場合の誘電正接が、好ましくは0.015以下であり、低いほど好ましい。かかる誘電正接は、0超えでよい。また、かかる硬化膜は、摂動方式スプリットシリンダー共振器法で10GHzにて測定した場合の誘電率は1.5~3.5であることが好ましい。尚、誘電率、及び誘電正接は、後述の実施例に示される摂動方式スプリットシリンダー共振器法により測定されることができる。
<半導体装置>
本開示は、本開示の感光性樹脂組成物を用いて、上述した硬化レリーフパターン(硬化膜)の製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有する、半導体装置も提供することができる。すなわち、半導体装置は、上記感光性樹脂組成物の硬化膜を含む。従って、本実施形態の一態様において、半導体素子である基材と、上述した硬化レリーフパターン製造方法により該基材上に形成されたポリイミドの硬化レリーフパターンとを有する半導体装置が提供される。また、本開示は、基材として半導体素子を用い、上述した硬化レリーフパターンの製造方法を工程の一部として含む半導体装置の製造方法にも適用できる。半導体装置は、上記硬化レリーフパターン製造方法で形成される硬化レリーフパターンを、表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、又はバンプ構造を有する半導体装置の保護膜等として形成し、既知の半導体装置の製造方法と組合せることで製造することができる。
感光性樹脂組成物から形成される、硬化レリーフパターン(硬化膜)に含まれるポリイミドは、下記一般式(9):
(式中、Xは、炭素数6~40の4価の有機基であり、Yは、炭素数6~40の2価の有機基であり、そしてnは、2~100の整数である。)、及び/又は
下記一般式(3):
(式中、Xは、炭素数6~40の4価の有機基であり、Yは、炭素数6~40の2価の有機基であり、そしてnは、2~100の整数である。)
で表される構造を有することが好ましい。
本開示の感光性樹脂組成物は、上記のような半導体装置への適用の他、多層回路の層間絶縁、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等の用途にも有用である。
本開示は、上記で説明された感光性樹脂組成物から得られる硬化膜もまた提供する。誘電体由来の伝送損失の観点から、その硬化膜は、摂動方式スプリットシリンダー共振器法による周波数10GHzの誘電正接tanδ10が、好ましくは0.015以下であり、低いほど好ましい。また、再配線層の信頼性の観点から、硬化膜はガラス転移温度Tgが高いことが好ましく、190℃以上であることが好ましい。190℃以上あることで、信頼性試験時に高温に晒された際の、再配線層と、銅及び銅合金等の配線との間のデラミネーションやクラックを抑制することができる。さらに、再配線層と、銅及び銅合金等の配線との間のデラミネーションの起こりにくさは、信頼性試験後の銅とのピール強度Pでも表され、硬化膜はピール強度Pが高いことが好ましく、0.20N/mm以上であることが好ましい。
高速伝送に使用される銅配線の再配線材料としては、ガラス転移温度(Tg)と、信頼性試験後の銅とのピール強度(P)と、周波数10GHzにおける誘電正接(tanδ10)と、の積(Tg×P×tanδ10)が一定範囲にあることが好ましく、下記式:
0.25≦(Tg×P×tanδ10)≦1.00
を満たすことが好ましい。Tg×P×tanδ10が上記式の範囲内の数値となることで、高速伝送に使用される銅配線の再配線材料として好ましいポリイミド硬化物が得られる。 Tg×P×tanδ10は、より好ましくは0.30以上、0.90以下である。Tg×P×tanδ10が0.25以上のとき、信頼性が高いため、銅配線の再配線材料として適している。Tg×P×tanδ10が1.00以下のとき、誘電体由来の伝送損失が少ないため、高速伝送に使用されるデバイスでの使用が適している。値が高いほど高信頼性に寄与するTgとPと、値が低いほど低伝送損失に寄与するtanδ10とを用いて、これらの積をとることで、信頼性が高く、かつ高速伝送に使用されるデバイスでの使用が適している硬化膜の範囲が規定される。
本開示の実施形態によれば、0.25≦(Tg×P×tanδ10)≦1.00の範囲を満たす硬化膜が得られる。本実施形態の特徴である、(メタ)アクリル基、又はエポキシ基と比較して誘電特性を発現し易い架橋基と、非重合性の有機基が、1分子中に同時に有することで、架橋反応が適切な密度で進行し、低誘電特性と、所定の耐熱性と、所定の信頼性試験後の銅とのピール強度が同時に得られる。この効果において、架橋基はアリル基に限定されず、ジエニル基、スチリル基、アセチレニル基といったその他の熱架橋基であってもよい。
高速伝送に使用される銅配線の再配線材料として好ましいポリイミド硬化物としては、上に述べたガラス転移温度(Tg)と、信頼性試験後の銅とのピール強度(P)と、周波数10GHzにおける誘電正接(tanδ10)と、に加えて、誘電率(ε10)との積(Tg×P×tanδ10×ε)が一定範囲にあることが好ましく、下記式:
1.0≦(Tg×P×tanδ10×ε10)≦3.0
を満たすことが好ましい。ε10は誘電体の誘電分極のしやすさを表す指標であり、ε10が小さいことは、誘電体由来の伝送損失の抑制に寄与する。Tg×P×tanδ10×ε10が上記の範囲内の数値となることで、高速伝送に使用される銅配線の再配線材料として好ましいポリイミド硬化物が得られる。
<感光性樹脂組成物の製造方法>
本開示の感光性樹脂組成物の製造方法は、上記「(A)成分の製造方法」に記載するような本開示の方法により、
(A)成分を製造する工程と;
(A)成分と、(B)光重合開始剤と、(C)溶媒と、(D)特定のアリル基含有化合物を混合して感光性樹脂組成物を得る工程と;
を含む。任意選択的に、上記で説明した(E)イミド化促進剤、(F)第4族元素の遷移金属を含むキレート剤、及び(G)その他の成分を混合してもよい。
本開示の実施例、比較例、及び製造例における感光性樹脂組成物の物性は、以下の方法に従って測定及び評価を行った。
<測定及び評価方法>
(1)重量平均分子量
ジアミンオリゴマー及び共重合樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(標準ポリスチレン換算)により測定した。測定に用いたカラムは、昭和電工社製 商標名 Shodex 805M/806M直列であり、標準単分散ポリスチレンは、昭和電工社製 商標名 Shodex STANDARD SM-105を選び、展開溶媒は、N-メチル-2-ピロリドンであり、検出器は、昭和電工社製 商標名 Shodex RI-930を使用した。
(2)誘電率(ε10)、及び誘電正接(tanδ10
6インチ・シリコンウェハ(フジミ電子工業株式会社製、厚み625±25μm)上に、スパッタ装置(L-440S-FHL型、キヤノンアネルバ社製)を用いて100nm厚のアルミニウム(Al)をスパッタした。これにより、スパッタAlウェハ基板を準備した。後述の方法により調製した感光性樹脂組成物を、スピンコート装置(D-spin60A型、SOKUDO社製)を使用して上記スパッタAlウェハ基板にスピンコートし、110℃で360秒間加熱乾燥して、約37μmの感光性樹脂層を形成した。その後、アライナ(PLA-501F、キャノン社製)を用いて露光量600mJ/cmのghi線で全面露光し、縦型キュア炉(光洋リンドバーグ製、形式名VF-2000B)を用いて、窒素雰囲気下、230℃で2時間の加熱硬化処理を施した。これにより、Alウェハ上に、硬化膜を作製した。この硬化膜を、ダイシングソー(ディスコ製、型式名DAD-2H/6T)を用いて、縦80mm、横62mm(10GHz測定用)にカットした。そして、10%塩酸水溶液に浸漬してシリコンウェハ上から剥離し、フィルムサンプル(硬化膜サンプル)として扱った。サンプルを、共振器摂動法にて10GHzで、誘電率(ε10)と誘電正接(tanδ10)をそれぞれ測定した。測定方法の詳細は以下の通りである。
(測定方法)
共振器摂動法(摂動方式スプリットシリンダー共振器法)
(測定サンプル調湿)
23℃/50%RH 24時間静置
(測定条件)
23℃/50%RH
(装置構成)
ネットワークアナライザ:
PNA Network analyzer N5224B
(KEYSIGHT社製)
スプリットシリンダー共振器:
CR-710(関東電子応用開発社製、測定周波数:約10GHz)
(3)残膜率
6インチ・シリコンウェハ(フジミ電子工業株式会社製、厚み625±25μm)上に、スパッタ装置(L-440S-FHL型、キヤノンアネルバ社製)を用いて200nm厚のTi、400nm厚のCuを、この順にスパッタした。続いて、このウェハ上に、後述の方法により調製した感光性樹脂組成物をコーターデベロッパー(D-Spin60A型、SOKUDO社製)を用いて回転塗布し、ホットプレート上で110℃360秒間加熱乾燥して、約37μmの感光性樹脂層を形成した。その後、アライナ(PLA-501F、キャノン社製)を用いて露光量800mJ/cmのghi線で全面露光を行った。その後、ウェハ上に形成した塗膜を、シクロペンタノンを用いて、現像機(D-SPIN636型、日本国、大日本スクリーン製造社製)でスプレー現像した。そして、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートでリンスした後に、スピンドライにて乾燥を行った。この現像後の膜厚を測定し、膜厚1として扱った。現像後の膜を更に、縦型キュア炉(光洋リンドバーグ製、形式名VF-2000B)を用いて、窒素雰囲気下、230℃で2時間の加熱硬化処理を施した。この加熱処理後の膜厚を測定し、膜厚2として扱った。これらの膜厚を用いて、以下の式より残膜率を算出し、以下の基準に基づき評価した。
残膜率(%) = (膜厚2/膜厚1)×100
(評価基準)
A:硬化後の残膜率が85以上~100
B:硬化後の残膜率が80以上~85未満
C:硬化後の残膜率が80未満
本開示においては、残膜率は上記のB以上の結果が好ましいと考えられる。
(4)銅密着性評価
6インチ・シリコンウェハ(フジミ電子工業株式会社製、厚み625±25μm)上に、スパッタ装置(L-440S-FHL型、キヤノンアネルバ社製)を用いて200nm厚のTi、400nm厚のCuを、この順にスパッタした。続いて、このウェハ上に、後述の方法により調製した感光性樹脂組成物をコーターデベロッパー(D-Spin60A型、SOKUDO社製)を用いて回転塗布し、ホットプレート上で110℃360秒間加熱乾燥し、約37μm厚の感光性樹脂層を形成した。その後、アライナ(PLA-501F、キャノン社製)を用いて露光量800mJ/cmのghi線で全面露光し、縦型キュア炉(光洋リンドバーグ製、形式名VF-2000B)を用いて、窒素雰囲気下、230℃で2時間の加熱硬化処理を施し、Cuウェハ上に硬化膜を作製した。加熱処理後の膜にJIS K 5600-5-6規格のクロスカット法に準じて、銅基板/硬化樹脂塗膜間の接着特性を以下の基準に基づき、評価した。
(評価基準)
A:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が80以上~100
B:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が60以上~80未満
C:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が40以上~60未満
D:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が40未満
(5)信頼性試験後の銅密着性評価
前述の、銅密着性評価と同様の工程で、Ti、及びCuをスパッタしたウェハ上に硬化膜を作成した。この硬化膜を、PCT装置(平山製作所製、型式名PC―422R8D)で温度130℃、湿度85%RHの環境下で、168時間、信頼性試験を行った。その後、硬化膜上にテープ(積水化学工業製、エバーセルテープ)を貼り付け、測定箇所をカッターナイフにて、5mm幅にてカットし、引張り試験機(株式会社エーアンドディ製:RTG-1210)を用いて、速度100mm/minで引っ張ることで、180°ピール強度を測定した。
(6)耐熱性評価
前述の、誘電率(ε10)、及び誘電正接(tanδ10)と同様の工程で、Alウェハ上に硬化膜を作成した。この硬化膜を、ダイシングソー(ディスコ製、型式名DAD-2H/6T)を用いて、横3mmの短冊状にカットした。そして、10%塩酸水溶液に浸漬してシリコンウェハ上から剥離し、フィルムサンプル(硬化膜サンプル)として扱った。得られたサンプルを、熱機械分析装置(TMA)(TMA-60、日本国、島津製作所社製)を用いて、窒素雰囲気下にて室温から300℃まで10℃/minの昇温速度で加熱し、ガラス転移温度を測定した。
<(A)成分の製造>
ポリマーA1(ポリイミド前駆体(ポリアミド酸エステル))の合成:
酸成分として、4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)62gを1リットル容量のセパラブルフラスコに入れ、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)54g及びGBL190gを加えた。室温下で攪拌しながらピリジン32gを加えて、50℃で4時間加熱し、反応による発熱の終了後、室温まで放冷した。更に16時間静置し、反応混合物を得た。
次に、氷冷下において、反応混合物に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)81gをGBL81gに溶解した溶液を、攪拌しながら30分かけて加えた後にGBLを30g加えた。続いて、ジアミン成分として、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)33gをGBL106gと混合させた溶液を攪拌しながら30分かけて加えた。更に室温で4時間攪拌した後、エチルアルコール18g及びGBL140gを加えて30分間攪拌した。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。
得られた反応液を2250gのエチルアルコールに加えて、粗ポリマーから成る沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾取し、GBL1000gに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を陰イオン交換樹脂(オルガノ(株)製「アンバーリストTM15JWET」)を用いて精製し、ポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を9200gの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾取した後に真空乾燥することにより、粉末状のポリマーA1を得た。このポリマーA1の重量平均分子量(Mw)は20,000であった。
ポリマーA2(ポリイミド前駆体(ポリアミド酸エステル))の合成:
上記ポリマーA1の合成方法において、ODPA62gに代えて、4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物(BPADA)104gを用い、DADPE33gに代えて、2,2’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジアミン(m-TB)35gを用いた以外は、ポリマーA1の合成方法に記載の方法と同様にして反応を行うことにより、ポリマーA2の溶液を得た。このポリマーA2の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、18,000であった。
ポリマーA3(ポリイミド前駆体(ポリアミド酸エステル))の合成:
上記ポリマーA1の合成方法において、DADPE33gに代えて、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)を68g用いた以外はポリマーA1の合成方法に記載の方法と同様にして反応を行うことにより、ポリマーA3の溶液を得た。このポリマーA3の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、24,000であった。
ポリマーA4(ポリイミド)の合成:
ディーンスターク管と冷却管とを備えた0.5リットル容量のセパラブルフラスコに酸成分としてBPADA104g、ジアミン成分としてm-TB64g、溶媒としてNMP670gを加え、撹拌しながら溶解させた。更にトルエン42.3gを加え撹拌したのち、窒素気流下で185℃まで昇温した。185℃で2.5時間撹拌したのち、系中のトルエン及びイミド化によって生成した水を1.5時間かけて除去した。その後室温まで冷却し、ポリマーA4溶液を得た。このポリマーA4の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、7,000であった。このポリマーA4のH-NMR測定を行い、ポリイミドの芳香族環由来のピークに対するアミド結合由来のピークを比較することで、イミド閉環率を確認した。イミド閉環率は99%以上であった。
<(B)~(F)成分>
光重合開始剤B1:1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-3-プロパン-1,2-ジオン-2-(O-アセチルオキシム)(商品名:PBG-3057、常州強力電子新材料社製)
光重合開始剤B2:1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)(商品名:Irgacure Oxe02、BASFジャパン社製)
光重合開始剤B3:2-ベンジル-2―ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1(商品名:Omnirad369、IGM RESINS社製)
溶媒C1:γ-ブチロラクトン(GBL)
溶媒C2:ジメチルスルホキシド(DMSO)
化合物D1:L-DAIC(四国化成工業社製)
化合物D2:Me-DAIC(四国化成工業社製)
化合物D3:DD-1(四国化成工業社製)
化合物D4:DA-MGIC(四国化成工業社製)
化合物D5:TAIC(三菱ケミカル社製)
化合物D6:NKエステル A-9300(新中村化学工業社製)
化合物D7:イソシアヌル酸ジアリルプロピル(東京化成工業社製)
化合物D8:1,3,5-トリブチル-1,3,5-トリアジナン-2,4,6―トリオン(シグマアルドリッチ社製)
イミド化促進剤E1:SR-3000(大八化学工業社製)
イミド化促進剤E2:PX-200(大八化学工業社製)
イミド化促進剤E3:N-フェニルジエタノールアミン(東京化成工業社製)
キレート剤F1:オルガチックスTC-100(マツモトファインケミカル社製)
キレート剤F2:オルガチックスTC-401(マツモトファインケミカル社製)
<実施例1>
表に示すように、(A)成分として、ポリマーA1を100gと、(B)成分として光重合開始剤B1を3gとを、(C)溶媒としてGBL及びDMSOから成る混合溶媒(重量比C1:C2=127:23)に溶解し、感光性樹脂組成物溶液とした。この組成物について、上述の方法により評価した。
<実施例2~17、比較例1~5>
成分の種類及び量を表に記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物溶液を調製し、評価を行った。
上記表において、
「Tg*P*tanδ10」は、ガラス転移温度(Tg)と、信頼性試験後の銅とのピール強度(P)と、周波数10GHzにおける誘電正接(tanδ10)と、の積を、
「Tg*P*tanδ10*ε10」は、ガラス転移温度(Tg)と、信頼性試験後の銅とのピール強度(P)と、周波数10GHzにおける誘電正接(tanδ10)と、誘電率(ε10)と、の積を、
それぞれ示している。
表から明らかなように、実施例では、低誘電特性、かつ、高い残膜率を実現でき、その上、所定の銅密着性と、耐熱性とを確保できる硬化レリーフパターンを形成可能な、感光性樹脂組成物を提供することができた。具体的に、実施例では、誘電正接が0.015以下であることと、誘電率が3.1以下であることと、残膜率の評価結果が「B」以上であることと、信頼性試験前の初期の銅密着性の評価結果が「C」以上であることと、信頼性試験後の銅ピール強度の評価結果が0.2以上であることと、耐熱性(Tg)が190℃以上であることを、すべて実現する硬化レリーフパターンを形成可能な、感光性樹脂組成物を提供することができた。
他方、(D)成分を添加していない比較例1は、実施例と比較して、残膜率が低く、誘電正接が高い結果であった。また、式(1)中、Rが重合性官能基である比較例2、3、及び4では、残膜率と耐熱性(Tg)が高い一方、実施例と比較して、誘電正接が高く、信頼性試験前の初期の銅密着性が低い結果であった。更に、分子中に架橋基を一つも有さない比較例5では、実施例と比較して、誘電正接が低い一方、硬化後の残膜率が低く、銅密着性が低く、かつ、耐熱性が低い結果であった。以上の結果から、比較例ではいずれも十分な結果が得られなかった。
実施例、及び比較例1~4では、Tgが190℃以上であるため、高温時の熱膨張が抑えられ、信頼性試験を経て銅密着性が低下することがない。他方、比較例5はTgが低いため、信頼性試験後に銅密着性が著しく低下する。実施例は、Tg×P×tanδ10の値が0.25以上1.00以下の範囲内である一方、比較例1~4は1.00より大きくなり、信頼性は高い一方で、高速通信に用いられるデバイスでの使用は適さない。また比較例5は0.25未満となり、高速通信に用いられるデバイスでも伝送損失が抑制できる一方で、信頼性が低い。Tg×P×tanδ10×ε10の値についても同様の結果である。
本開示の感光性樹脂組成物は、例えば、半導体装置、多層配線基板等の電気・電子材料の製造に有用な感光性材料の分野において、好適に利用できる。

Claims (15)

  1. (A)ポリイミド前駆体及びポリイミドから選択される少なくとも1種の成分と、
    (B)光重合開始剤と、
    (C)溶媒と、
    (D)下記一般式(1):
    (式中、nは、0又は1であり、nが0のとき、Rは水素原子又は1価の非重合性の有機基であり、nが1のとき、Rは2価の有機基である。)
    で表されるアリル基含有化合物と、
    を含む、感光性樹脂組成物。
  2. 前記(D)成分が、前記一般式(1)においてnが0であり、Rが炭素数3以上の1価の非重合性の有機基である化合物である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(A)成分が、下記一般式(2):
    (式中、Xは、炭素数6~40の4価の有機基であり、Yは、炭素数6~40の2価の有機基であり、nは、2~100の整数であり、そしてR及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~40の1価の有機基である。)及び
    下記一般式(3):
    (式中、Xは、炭素数6~40の4価の有機基であり、Yは、炭素数6~40の2価の有機基であり、そしてnは、2~100の整数である。)
    から選択される少なくとも1種で表される成分を含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記一般式(2)におけるR及びRのうち少なくとも一方は、下記一般式(4):
    (式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~3の1価の有機基であり、そしてmは、2~10の整数である。)
    で表される基を含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  5. (E)イミド化促進剤を更に含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  6. (F)第4族元素の遷移金属を含むキレート剤を更に含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記X及びXの少なくとも一方が、下記一般式(7):
    (式中、Zは、それぞれ独立に、単結合、炭素数1~30の有機基、及びヘテロ原子を含む有機基から成る群から選択される2価の基であり、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1~10の炭化水素基、及び炭素数1~10の含フッ素炭化水素基から成る群から選択される1価の基であり、mは、それぞれ独立に、1~3の整数であり、そしてmは、それぞれ独立に、1~4の整数である。)
    で表される、並びに/又は
    前記Y及びYの少なくとも一方が、下記一般式(8):
    (式中、Zは、それぞれ独立に、単結合、炭素数1~30の有機基、及びヘテロ原子を含む有機基から成る群から選択される2価の基であり、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1~10の炭化水素基、及び炭素数1~10の含フッ素炭化水素基から成る群から選択される1価の基であり、mは、それぞれ独立に、1~3の整数であり、そしてmは、それぞれ独立に、1~4の整数である。)
    で表される、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  8. (D)アリル基含有化合物の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して、0.5~30質量部である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 以下の工程:
    請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して、感光性樹脂層を前記基板上に形成する工程;
    得られた感光性樹脂層を加熱、及び乾燥してもよい工程;
    任意に加熱及び乾燥した後、感光性樹脂層を露光する工程;
    露光後の感光性樹脂層を現像する工程;及び
    現像後の感光性樹脂層を加熱処理して、硬化膜を形成する工程;
    を含む、硬化膜の製造方法。
  10. 請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物の硬化膜であって、
    前記硬化膜は、摂動方式スプリットシリンダー共振器法を用いて10GHzで測定した誘電正接が0.015以下である、硬化膜。
  11. 請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物を、基板上に塗布し、露光処理、現像処理、次いで加熱処理して得られる硬化膜であって、
    前記硬化膜は、加熱処理後の膜厚が20μm以上であり、
    摂動方式スプリットシリンダー共振器法を用いて10GHzで測定した誘電正接が0.015以下である、硬化膜。
  12. 請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、露光処理、現像処理、次いで加熱処理して得られる硬化膜の製造方法であって、
    前記硬化膜は、摂動方式スプリットシリンダー共振器法を用いて10GHzで測定した誘電正接が0.015以下である、硬化膜の製造方法。
  13. 請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物の硬化膜を含む、半導体装置。
  14. ポリイミド前駆体及びポリイミドから選択される少なくとも1種の成分を含む感光性樹脂組成物であって、
    前記感光性樹脂組成物の硬化膜について、ガラス転移温度Tgと、信頼性試験後の銅とのピール強度Pと、摂動方式スプリットシリンダー共振器法を用いて10GHzで測定した誘電正接tanδ10と、が、下記式:
    0.25≦(Tg×P×tanδ10)≦1.00
    を満たす、感光性樹脂組成物。
  15. ポリイミド前駆体及びポリイミドから選択される少なくとも1種の成分を含む感光性樹脂組成物であって、
    前記感光性樹脂組成物の硬化膜について、ガラス転移温度Tgと、信頼性試験後の銅とのピール強度Pと、摂動方式スプリットシリンダー共振器法を用いて10GHzで測定した誘電正接tanδ10と、誘電率ε10が、下記式:
    1.0≦(Tg×P×tanδ10×ε10)≦3.0
    を満たす、感光性樹脂組成物。
JP2023216091A 2022-12-22 2023-12-21 感光性樹脂組成物、これを用いた硬化膜及びその製造方法並びに半導体装置 Pending JP2024091579A (ja)

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