JP2024090111A - 空間浄化装置 - Google Patents

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正太郎 山口
拓也 和田
将秀 福本
真司 吉田
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Abstract

【課題】小型化して貯留部に貯留することが可能な電解液の量が少量である場合であっても、放出する空気に含ませられる次亜塩素酸ガスの量を安定して保つことが可能な空間浄化装置を提供する。
【解決手段】空間浄化装置11は、筐体の内部に塩化ナトリウムまたは塩化カリウムを含む水溶液(以下、電解液13a)を貯留する貯留部13と、貯留部13内に設けられ、電解液13aを電気分解して次亜塩素酸水溶液13bを生成する電解部14と、筐体の外部から空気を吸い込み、貯留部13内に導入する空気導入部15と、貯留部13内の次亜塩素酸水溶液13bの上方空間23の空気を筐体の外部に放出する空気放出部16と、を備える。そして、電解部14は、電解液13a中に塩化ナトリウムまたは塩化カリウム(以下、電解質13c)が沈殿している状態で、電解液13aの電気分解を行って次亜塩素酸水溶液13bを生成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、居住空間などの除菌に用いられる空間浄化装置に関するものである。
従来、居住空間などを除菌し、感染症のリスクを低減させる装置として、次亜塩素酸を含む水溶液(以下、次亜塩素酸水溶液)に気化フィルタを含侵させて、空気を気化フィルタに透過させることで次亜塩素酸ガスを含む空気を外部に放出する空間浄化装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2019―174032号公報
空間浄化装置においては、貯留部に貯水された、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムが溶解した水溶液(以下、電解液)を電気分解することで次亜塩素酸水溶液を生成する。そして、空間浄化装置は、生成した次亜塩素酸水溶液を気化フィルタに透過させて流通する空気に触れさせることによって、次亜塩素酸ガスを含む空気を外部に放出して居住空間の浄化を行う。こういった空間浄化装置を小型化しようとすると、貯留部に貯留することが可能な電解液の量が少なくなる。しかしながら、貯留部に貯留する電解液の量が少ない状態で電気分解を行うと、塩化ナトリウムまたは塩化カリウム(以下、電解質)の電気分解に伴う消費に対して電解液の量が少ないために、電解液全体の電解質濃度がより低下しやすくなってしまう。より詳細には、空間浄化装置を小型化して貯留部に貯留することが可能な電解液の量が少量である場合、電解液の電気分解による次亜塩素酸水溶液の生成と、生成した次亜塩素酸水溶液による浄化運転とを繰り返し行っていると、時間経過に伴い電解質濃度が低下していき、電解液の電気分解による次亜塩素酸の生成効率(電解液に流した電流値に対する、生成された次亜塩素酸の割合)が低下する。このため、電解液の電気分解による次亜塩素酸生成量が減少することになる。つまり、小型化した空間浄化装置では、時間経過に伴って次亜塩素酸水溶液に含まれる次亜塩素酸量が減少することになり、その結果、浄化運転において流通する空気に含ませられる次亜塩素酸ガスの量を安定して保つことができない、ということが懸念される。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、小型化して貯留部に貯留することが可能な電解液の量が少量である場合であっても、放出する空気に含ませる次亜塩素酸ガスの量を安定して保つことが可能な空間浄化装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明に係る空間浄化装置は、筐体の内部に塩化ナトリウムまたは塩化カリウムを含む水溶液を貯留する貯留部と、貯留部内に設けられ、水溶液を電気分解して次亜塩素酸水溶液を生成する電解部と、筐体の外部から空気を吸い込み、貯留部内に導入する空気導入部と、貯留部内の次亜塩素酸水溶液の上方空間の空気を筐体の外部に放出する空気放出部と、を備える。そして、電解部は、水溶液中に塩化ナトリウムまたは塩化カリウムが沈殿している状態で、水溶液の電気分解を行って次亜塩素酸水溶液を生成することにより、所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、小型化して貯留部に貯留することが可能な電解液の量が少量である場合であっても、放出する空気に含ませる次亜塩素酸ガスの量を安定して保つことが可能な空間浄化装置とすることができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る空間浄化装置を備えた空間浄化機器の、室内における使用状態を示す透視図である。 図2は、空間浄化機器の構成を示す概略構成図である。 図3は、空間浄化装置の外観を示す外観斜視図である。 図4は、空間浄化装置の構成を示す透過斜視図である。 図5は、空間浄化装置における貯留部内の水溶液の流れ及び空気の流れを示す透過側面図である。 図6は、変形例に係る空間浄化装置における貯留部内の水溶液の流れ及び空気の流れを示す透過側面図である。
本発明に係る空間浄化装置は、筐体の内部に塩化ナトリウムまたは塩化カリウムを含む水溶液(以下、電解液)を貯留する貯留部と、貯留部内に設けられ、電解液を電気分解して次亜塩素酸水溶液を生成する電解部と、筐体の外部から空気を吸い込み、貯留部内に導入する空気導入部と、貯留部内の次亜塩素酸水溶液の上方空間の空気を筐体の外部に放出する空気放出部と、を備える。そして、電解部は、電解液中に塩化ナトリウムまたは塩化カリウム(以下、電解質)が沈殿している状態で、電解液の電気分解を行って次亜塩素酸水溶液を生成する。
こうした構成によれば、電解液に含まれる電解質が、電解液の電気分解によって消費されても、沈殿している電解質が電解液中に溶出して補充されるので、電解液の電気分解を行っている際に、電解液中の電解質濃度が低下することを抑制することができる。これにより、電解質濃度の低下に伴う、次亜塩素酸の生成効率(電解液に流した電流値に対する、生成された次亜塩素酸の割合)の低下を抑制することができるので、電解液の電気分解による次亜塩素酸の生成量を安定化させることができる。つまり、小型化して貯留部に貯留することが可能な電解液の量が少量である場合であっても、放出する空気に含ませる次亜塩素酸ガスの量を安定して保つことが可能な空間浄化装置とすることができる。
また、本発明に係る空間浄化装置は、貯留部には、電解質が沈殿する溶質領域から、電解部が設置された溶液領域に、電解質の沈殿物が浮上することを抑制する沈殿物フィルタが設けられてもよい。こうした構成によれば、沈殿している電解質の固形物が電解液中を浮遊し、電解部に達することを抑制できる。これにより、電解部が電解液の電気分解を行っている間に、電解部に電解質の固形物が堆積することによって次亜塩素酸の生成効率が悪化することを抑制できる。
また、本発明に係る空間浄化装置は、貯留部内に設けられ、電解液を攪拌するための攪拌部を備え、攪拌部は、電解部に水流を生じさせられるように設けられてもよい。こうした構成によれば、電解部が電解液の電気分解を行っている間に、水流によって電気分解で電極部表面に生じた酸素ガス及び水素ガスの気泡がそのまま電解部に付着している状態となることを抑制できる。この結果、電解部に付着した気泡によって電解部の電解有効面積が減少し、次亜塩素酸の生成効率が悪化することを抑制できる。
また、本発明に係る空間浄化装置では、攪拌部は、電解液を吸い込む水溶液吸込口と、水溶液吸込口から吸い込んだ電解液を貯留部内に吹き出す水溶液吹出口とを有し、水溶液吹出口は、電解部に向けて電解液を吹き出して水流を生じさせることが好ましい。このよ
うにすることで、電解部に集中して水流を生じさせることができるため、電気分解で電極部表面に生じた酸素ガス及び水素ガスの気泡がそのまま電解部に付着している状態となることを確実に抑制できる。この結果、電解部に付着した気泡によって電解部の電解有効面積が減少し、次亜塩素酸の生成効率が悪化することをさらに抑制できる。
また、本発明に係る空間浄化装置は、貯留部内に設けられ、次亜塩素酸水溶液を攪拌する攪拌部を備え、攪拌部は、次亜塩素酸水溶液を吸い込む水溶液吸込口と、水溶液吸込口から吸い込んだ次亜塩素酸水溶液を貯留部内に吹き出す水溶液吹出口とを有し、水溶液吹出口は、空気導入部と空気放出部との間における上方空間に向けて次亜塩素酸水溶液を吹き出すようにしてもよい。こうした構成によれば、空気導入部と空気放出部との間における上方空間において、次亜塩素酸水溶液が水柱あるいは水滴の形で上方空間内に存在するようになる。空気導入部から導入された空気が、水柱あるいは水滴となった次亜塩素酸水溶液によって、空気導入部から導入された空気が空気放出部から放出されるまでの間に、上方空間においてより広い面積で次亜塩素酸水溶液に接触することができる。これにより、同じ次亜塩素酸水溶液の次亜塩素酸濃度であっても、流通する空気に含ませられる次亜塩素酸ガスの量を増加させることができる。つまり、小型化して貯留部に貯留することが可能な次亜塩素酸水溶液の量が少量である場合であっても、放出する空気に含ませる必要な次亜塩素酸ガスの量を発生させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施の形態1)
まず、図1を参照して、本実施の形態1に係る空間浄化装置11を備えた空間浄化機器2の室内1における使用時の状態について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る空間浄化装置11を備えた空間浄化機器2の、室内1における使用状態を示す透視図である。
図1に示す通り、空間浄化装置11を備えた空間浄化機器2は、室内1に設置されて用いられる。空間浄化機器2が置かれる室内1は、利用者が日常生活で使用する空間であり、空間に設置された台上に空間浄化機器2を置くことを想定している。空間浄化機器2は、室内1の空気を吸込空気3として吸い込んで除塵し、次亜塩素酸ガスを含ませた吹出空気4として室内1に吹き出す。これにより、空間浄化機器2は、室内1の浄化を行う。
続いて、図2を用いて、本実施の形態1に係る空間浄化装置11を備えた空間浄化機器2の構成について説明する。図2は、空間浄化機器2の構成を示す概略構成図である。
空間浄化機器2は、内部に空間浄化装置11を備える。より詳細には、図2に示す通り、空間浄化機器2は、吸込口8、集塵フィルタ9、送風機10、空間浄化装置11、及び吹出口12を有して構成される。
空間浄化機器2は、上述した通り、吸込口8から吸込空気3を吸い込んで除塵し、次亜塩素酸ガスを含ませた吹出空気4として吹出口12から室内1に吹き出す。空間浄化機器2は、吹出口12から吹出空気4を吹き出す際、空間浄化装置11によって吹出空気4に次亜塩素酸ガスを含ませている。
吸込口8は、空間浄化機器2の正面下部右側に設けられており、室内1から空間浄化機器2の内部に吸込空気3を取り入れる。
集塵フィルタ9は、通過する空気を浄化する部材である。集塵フィルタ9は、吸込口8から吸い込んだ吸込空気3が通過するように設けられている。集塵フィルタ9を通過した吸込空気3は、集塵フィルタ9によって微粒子が取り除かれることにより除塵される。集塵フィルタ9には、例えば、HEPAフィルタが用いられる。
送風機10は、吸込口8から吸込空気3を吸い込み、吹出口12から吹出空気4として室内1に吹き出すための圧力を生じさせる部材である。送風機10は、吸込口8と吹出口12とを連通する内部風路において集塵フィルタ9の下流側に設置される。送風機10の動作によって、集塵フィルタ9を通過して送風機10に吸い込まれた吸込空気3は、送風機10を通して除塵空気5となる。そして、除塵空気5は、内部風路を流通する過程で、空間浄化装置11から放出される放出空気7(次亜塩素酸ガス含む空気)と混合されて吹出空気4として吹き出される。送風機10は、モータ部と、モータ部により回転するファン部と、それらを囲むスクロール形状のケーシング部とを有して構成されるが、一般的な送風ファンが用いられればよいので、詳細な説明は省略する。
空間浄化装置11は、除塵空気5の一部を導入空気6として内部に取り込み、空間浄化装置11の内部(後述する貯留部13内の上方空間23)で導入空気6に次亜塩素酸ガスを含ませた後、放出空気7として除塵空気5に合流させる。これにより、除塵空気5は、次亜塩素酸ガスを含む空気となる。なお、導入空気6を吸い込み、放出空気7として放出されるための空気の駆動力には、送風機10の風圧を利用することができる。例えば、送風機10によって作られた除塵空気5の流れ方向と対向するように導入空気6の導入口を設け、送風機10によって作られた除塵空気5の流れ方向と直交する向きに放出空気7の放出口を設けると、送風機10の風圧によって導入空気6を空間浄化装置11内に導入させ、放出空気7を空間浄化装置11から放出することができる。空間浄化装置11の詳細については後述する。
吹出口12は、空間浄化機器2の上面に設けられており、内部風路を流通して次亜塩素酸ガスを含んだ除塵空気5を、吹出空気4として室内1に吹き出す。
以上の構成により、空間浄化機器2は、室内1の空気を吸込空気3として吸い込んで除塵し、次亜塩素酸ガスを含ませた吹出空気4として室内1に吹き出すことができる。
続いて、図3及び図4を用いて、空間浄化機器2に組み込まれる空間浄化装置11の構成について説明する。図3は、空間浄化装置11の外観を示す外観斜視図である。図4は、空間浄化装置11の構成を示す透過斜視図である。
空間浄化装置11は、空間浄化機器2の内部に着脱可能に組み込まれるユニットである(図2参照)。そして、図3に示す通り、空間浄化装置11は、空気導入部15から空間浄化機器2の除塵空気5を導入空気6として取り込み、次亜塩素酸ガスを含ませた放出空気7として空気放出部16から空間浄化機器2の内部風路に放出する。
より詳細には、図4に示す通り、空間浄化装置11は、空気導入部15、空気放出部16、貯留部13、電解部14、攪拌部20、及び沈殿物フィルタ19を有して構成される。
空気導入部15は、空間浄化機器2の内部風路と、貯留部13の上部の密閉された上方空間23とをつなぐ管状の部材であり、空間浄化装置11の内部に導入空気6を取り入れる。具体的には、空気導入部15は、内部風路側に位置する導入口と、上方空間23側に位置する導出口とを有する。空気導入部15の内部風路側の導入口は、除塵空気5を導入
空気6として取り込むための管口であり、導入口の向きが、送風機10によって作られる除塵空気5の流れ方向と対向するように設置されている(図2参照)。空気導入部15の上方空間23側の導出口は、導入空気6を上方空間23に導入する管口であり、空間浄化装置11の上面に設置されている。これにより、空気導入部15では、導入口から取り込んだ導入空気6を、導出口から上方空間23に供給する。
空気放出部16は、貯留部13の上部の密閉された上方空間23と、空間浄化機器2の内部風路とをつなぐ管状の部材であり、空間浄化装置11の内部から放出空気7を放出する。具体的には、空気放出部16は、上方空間23側に位置する導入口と、内部風路側に位置する放出口とを有する。空気放出部16の上方空間23側の導入口は、空間浄化装置11の上面に設置されている。空気放出部16の内部風路側の放出口は、次亜塩素酸ガスを含む放出空気7を放出するための管口であり、放出口の向きが、送風機10によって作られる除塵空気5の流れ方向と直交するように設置されている(図2参照)。つまり、空気放出部16は、空気導入部15から空間浄化装置11の内部に取り入れた導入空気6を、次亜塩素酸ガスを含ませた放出空気7として空間浄化機器2の内部風路に吹き出す。なお、空気放出部16の放出口は、空気導入部15の導入口よりも内部風路の下流側に設置されている。導入空気6が次亜塩素酸ガスを含む過程については後述する。
貯留部13は、空気導入部15及び空気放出部16を取り付けた状態で、密閉された内部空間を構成し、内部に電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bを貯留する部材である。また、貯留部13は、電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bの液面の上方に上方空間23を有する。なお、貯留部13全体が、請求項の「筐体」に相当するものである。
ここで、本実施の形態では、貯留部13は、電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bの混合液を貯留しているが、以下では、両者を区別し、電気分解による次亜塩素酸水溶液の生成の際には電解液13aと称し、次亜塩素酸ガスを放出する浄化運転の際には次亜塩素酸水溶液13bと称して説明する。
電解液13aは、電気分解することで次亜塩素酸水溶液13bを生成するための水溶液であり、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムを溶解させた水溶液である。本実施の形態では、電解液13aは、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムからなる電解質13cが完全に溶解することなく電解質13cが沈澱した状態で、貯留部13内に貯留されている。こうした電解液13aを用いて電解部14で起こる反応については後述する。
沈澱する電解質13cは、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムの沈殿物であり、電気分解によって電解液13aから消費された塩化物イオンを再度電解液13aに供給するためのものである。こちらも詳細については後述する。
なお、本実施の形態では、電解質13cとして、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムを用いているが、それに限られるわけではない。後述するが、次亜塩素酸水溶液13bを生成するためには塩化物イオンが存在していればよいため、他に塩化カルシウムあるいは塩化リチウムなどの塩化物を用いることも考えられる。
次亜塩素酸水溶液13bは、電解液13a中に電解質13cが沈殿している状態で、電解液13aの電気分解を行って生成された溶液であり、いわゆる次亜塩素酸を含む水溶液である。次亜塩素酸水溶液13bの水素イオン濃度(pH)は、5~13がよく、特に5~7が好適である。次亜塩素酸水溶液13bは、pHが5を下回ると塩素ガスとして気化する危険性があり、また、pHが5以上であれば、pHが低いほど次亜塩素酸ガスとして気化しやすいためである。
貯留部13は、上述した通り、電解液13a中に電解質13cが沈殿している状態で、電解液13aを貯留するとともに、電解液13aの液面の上方に上方空間23を有している。貯留部13は、電解質13cが沈殿する溶質領域17と、後述する電解部14及び攪拌部20が設置された溶液領域18とに区画されている。
溶質領域17は、貯留部13の底部側に位置しており、電解質13cの沈澱物を含む電解液13aを保持する領域である。
溶液領域18は、溶質領域17の上方に位置しており、電解質13cの沈殿物を含まない電解液13aを保持する領域である。溶液領域18には、電解部14及び攪拌部20がそれぞれ浸漬した状態で設置されている。また、溶質領域17と溶液領域18との間には、沈殿物フィルタ19が設けられている。具体的には、溶液領域18の底部側(溶質領域17側)において、互いに区画された溶質領域17と溶液領域18とを連通する開口部を塞ぐように沈殿物フィルタ19が設けられている。沈殿物フィルタ19については後述する。
なお、上述した溶質領域17及び溶液領域18における電解液13aは、次亜塩素酸水溶液13bと読み替えてもよいし、電解液13aと次亜塩素酸水溶液13bの混合液と読み替えてもよい。
上方空間23は、貯留部13の内部において、電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bの液面の上方に生じる空気領域である。上方空間23は、空気導入部15と空気放出部16とによって空間浄化機器2の内部風路と連通接続されている。そして、上方空間23には、送風機10の動作時に、空間浄化機器2の内部風路から導入空気6が空気導入部15を通じて導入される。そして、導入空気6が上方空間23に導入されることで、上方空間23内の空気(次亜塩素酸ガスを含む空気)が放出空気7として空気放出部16から内部風路に押し出される。
電解部14は、貯留部13に貯留された電解液13aを電気分解して次亜塩素酸水溶液13bを生成する部材である。電解部14は、溶液領域18の底部側において、溶液領域18の電解液13aに浸漬されて設置されている。電解部14は、例えば、導電性基体の表面に触媒被膜を有して構成される陽極と陰極との一対の電極である。電解部14は、一対の電極に通電することで電解液13aの電気分解を行う。これにより、電解液13aに含まれる塩化物イオンが電解部14において電気分解され、次亜塩素酸が生成される。具体的には、電解部14では、電解液13aの電気分解を行うと、以下の3通りの反応が主に起きる。
陽極:Cl + HO → H + HClO + 2e ・・・ 式(1)
2HO → O + 4H + 4e ・・・ 式(2)
陰極:2H + 2e → H ・・・ 式(3)
電解部14は、陽極において、式(1)の反応を起こすことにより、電解液13aに含まれる塩化物イオンから次亜塩素酸を生成し、次亜塩素酸水溶液13bを生成する。また、式(2)の反応を起こすことにより、水から酸素と水素イオンを生成する。一方、電解部14は、陰極において、式(3)の反応を起こすことにより、電解液13aに含まれる水素イオンから水素を生成する。ここで、電解液13aの電気分解によって起きる式(1)及び式(2)の反応のうち、式(1)の反応が起きる割合(以下、次亜塩素酸発生効率)は、式(1)の左辺に含まれる塩化物イオンの濃度に依存する。具体的には、塩化物イオンの濃度が高いほど、次亜塩素酸発生効率は高くなる。したがって、次亜塩素酸発生効率を維持しながら次亜塩素酸を生成するためには、塩化物イオンの濃度を一定に維持することが重要となる。本実施の形態では、沈澱する電解質13cは、式(1)の反応によっ
て電解液13aから消費された塩化物イオンを電解液13aに供給する。具体的には、電解液13aの塩化物イオンを常に飽和状態(塩化ナトリウムの場合約4.4mol/L、塩化カリウムの場合約3.4mol/L)に保つ役割を有する。これにより、小型化して貯留部13に貯留することが可能な電解液13aの量が少量である場合であっても、電解液13aに含まれる塩化物イオンの濃度を一定に維持することができ、次亜塩素酸発生効率を維持することが可能となる。
改めて小型化の際の課題を説明する。従来のように、貯留部13に貯留する電解液13aの量が多量(例えば、1.5L)の場合には、式(1)の反応によって電解液13aから塩化物イオンが消費されても、多量にある電解液13aから塩化物イオンが供給されるので、電解液13aの電気分解による次亜塩素酸水溶液13bの生成と、生成した次亜塩素酸水溶液13bによる浄化運転とを繰り返し行っても、実質的な電解質濃度が低下することなく電解部14近傍の電解液13aに含まれる塩化物イオンの濃度を一定に維持することができる。このため、長期間にわたって次亜塩素酸発生効率を維持することできる。
これに対して、本実施の形態のように貯留部13に貯留する電解液13aの量を少量(約55mL)にすると、沈澱する電解質13cによる塩化物イオンの供給がない場合には、電気分解によって低下する電解液13aの塩化物イオン濃度が、電解液13aの容量に比例するので、電解液13aの体積を55mLとし、従来のような電解液を多く使用する機器の電解液の体積を1.5Lとすると、電気分解に伴う塩化物イオン濃度の減少速度は約27倍となる。つまり、小型化した空間浄化装置では、時間経過に伴って次亜塩素酸水溶液13bに含まれる次亜塩素酸量が減少することになり、その結果、浄化運転において流通する空気に含ませられる次亜塩素酸ガスの量を安定して保つことができなくなる。
攪拌部20は、貯留部13に貯留された電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bを貯留部13内で溶液を攪拌する部材である。攪拌部20は、その主要部が、電解部14の鉛直方向上方において、溶液領域18の電解液13aに浸漬されて設置される。攪拌部20は、水溶液吸込口20a、水溶液吹出口20b、及び駆動部20cを有し、駆動部20cが作動することによって水溶液吸込口20aから電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bを吸い込み、水溶液吹出口20bから電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bを吹き出す。
水溶液吸込口20aは、貯留部13の電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bを吸い込む円筒状の吸込口である。水溶液吸込口20aは、貯留部13の底部に対して略水平状態で、貯留部13の側面を向いて設置される。
水溶液吹出口20bは、水溶液吸込口20aから吸い込んだ電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bを、貯留部13内の電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13b中に放出する吐出口である。水溶液吹出口20bは、鉛直方向上方の電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bの液面を向いて設置される。そして、水溶液吹出口20bは、空気導入部15と空気放出部16との間における上方空間23に向けて電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bを吹き出して水流21を生じさせる(図5参照)。
駆動部20cは、溶液を攪拌するための水流21(図5参照)を生じさせるモータ部材である。より詳細には、駆動部20cは、回転駆動することにより、水溶液吸込口20aから電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bを吸い込み、水溶液吹出口20bから電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bを吹き出す流れを生じさせる。駆動部20cは、主要部(水溶液吸込口20a及び水溶液吹出口20b)とは異なり、貯留部13の外側に設置される。
本実施の形態では、攪拌部20は、電解液13aの電気分解と次亜塩素酸ガスの発生とをそれぞれ加速させる役割を有する。電気分解によって次亜塩素酸の生成量を増加させる機能として、攪拌部20の稼働によって後述する攪拌水流21bが発生することで、電解部14において発生する気泡の電解部14への付着を抑制することができる。また、次亜塩素酸ガスの供給量を増加させる機能として、次亜塩素酸水溶液13bを上方空間23に向けて吹き出すことにより空気導入部15より導入した導入空気6に含ませる次亜塩素酸ガスの量を増加させることができる。攪拌部20で生じさせる水流21の詳細については後述する。
沈殿物フィルタ19は、攪拌部20で生じさせた水流21により、溶質領域17において沈殿している電解質13cが浮遊し、電解部14に到達することを抑制するためのフィルタである。沈殿物フィルタ19は、溶質領域17と溶液領域18の間に設けられる。これにより、沈殿物フィルタ19は、電解質13cが沈殿する溶質領域17から、電解部14が設置された溶液領域18に、電解質13cの沈殿物が浮上して流れ込むことを抑制する。
以上の構成により、空間浄化装置11は、空間浄化機器2の内部風路から除塵空気5を導入空気6として取り込み、次亜塩素酸ガスを含ませた放出空気7として内部風路に放出することができる。
続いて、図5を用いて、空間浄化装置11における空気流22及び攪拌部20が生じさせる水流21について説明する。図5は、空間浄化装置11における貯留部13内の水溶液の流れ及び空気の流れを示す透過側面図である。
[空気流]
図5に示すように、貯留部13の上方空間23には、送風機10の動作時に、導入空気6が空気導入部15を通じて導入され、空気放出部16から放出空気7として放出されるまでの流れである空気流22が生じる。空気流22は、空気導入部15を通じて導入される導入空気6によって上方空間23内の空気を放出空気7として押し出す流れとも言える。
空気流22は、空気導入部15の導出口から空気放出部16の導入口までの上方空間23内を流通する過程で、次亜塩素酸水溶液13bと気液接触して次亜塩素酸水溶液13bから次亜塩素酸ガスを取り込む。このため、空気流22は、空気放出部16の放出口から放出される際には、次亜塩素酸ガスを含む放出空気7となる。
詳細は後述するが、本実施の形態では、吹出水流21aによって上方空間23に水柱あるいは水滴などが存在しているので、空気流22は、水柱あるいは水滴などがない場合と比較して、より広い面積で次亜塩素酸水溶液13bと気液接触することができる。
[水流]
図5に示すように、攪拌部20の動作時に、空気導入部15と空気放出部16との間における上方空間23に向けて電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bを吹き出して水流21を生じさせる。より詳細には、水流21として、吹出水流21a及び攪拌水流21bを生じさせる。
吹出水流21aは、攪拌部20の水溶液吹出口20bから上方空間23に吹き出される水の流れである。上方空間23に向けて吹き出された電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bは、吹出水流21aの勢いによって液面が盛り上がり水柱となる、あるいは、飛散して水滴となり、上方空間23に存在することができる。
ここで、次亜塩素酸水溶液13bの吹出水流21aは、水柱あるいは水滴などの形状で上方空間23に存在することにより、水柱あるいは水滴などがない場合と比較して、空気流22と広い面積で気液接触させることができる。このため、同じ次亜塩素酸水溶液13bの次亜塩素酸濃度であっても、空気流22に含ませられる次亜塩素酸ガスの量を増加させることができる。
攪拌水流21bは、吹出水流21aが液面に着水した後に、電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bの内部に作る水の流れである。攪拌水流21bは、液面から底部に向けて流れた後、溶質領域17に水の流れを生じさせないための沈殿物フィルタ19及び壁面に到達して方向転換し、攪拌部20の水溶液吸込口20aから攪拌部20に吸い込まれる。
ここで、電解液13aの攪拌水流21bは、電解部14を通過するように流れるため、この際に電解部14表面に生じた酸素ガス及び水素ガスの気泡がそのまま電解部14に付着している状態となることを抑制することができる。
本実施の形態では、空間浄化装置11は、次亜塩素酸ガスの供給を連続的に行いつつ、所定時間(例えば、10分)ごとに電気分解による次亜塩素酸の生成を4分程度行う制御となっている。このため、次亜塩素酸ガスの供給と電気分解とが同時に行われている期間には、攪拌部20の稼働によって発生する吹出水流21a及び攪拌水流21bによる効果は同時に得られるものである。
以上、本実施の形態1に係る空間浄化装置11によれば、以下の効果を享受することができる。
(1)空間浄化装置11では、筐体の内部に塩化ナトリウムまたは塩化カリウムを含む水溶液(以下、電解液13a)を貯留する貯留部13と、貯留部13内に設けられ、電解液13aを電気分解して次亜塩素酸水溶液13bを生成する電解部14と、筐体の外部(空間浄化機器2の内部風路)から導入空気6を吸い込み、貯留部13内に導入する空気導入部15と、貯留部13内の次亜塩素酸水溶液13bの上方空間23の空気を筐体の外部(空間浄化機器2の内部風路)に放出する空気放出部16と、を備える。そして、電解部14は、電解液13a中に塩化ナトリウムまたは塩化カリウム(以下、電解質13c)が沈殿している状態で、電解液13aの電気分解を行って次亜塩素酸水溶液13bを生成するようにした。
こうした構成によれば、電解液13aに含まれる電解質13cが、電解液13aの電気分解によって消費されても、沈殿している電解質13cが電解液13a中に溶出して補充されるので、電解液13aの電気分解を行っている際に、電解液13a中の電解質13cの濃度が低下することを抑制することができる。これにより、電解質13cの濃度の低下に伴う、次亜塩素酸の生成効率(電解液13aに流した電流値に対する、生成された次亜塩素酸の割合)の低下を抑制することができるので、電解液13aの電気分解による次亜塩素酸の生成量を安定化させることができる。つまり、空間浄化装置11を小型化して貯留部13に貯留することが可能な電解液13aの量が少量である場合であっても、放出する空気に含ませる次亜塩素酸ガスの量を安定して保つことが可能な空間浄化装置11とすることができる。
(2)空間浄化装置11では、貯留部13には、電解質13cが沈殿する溶質領域17から、電解部14が設置された溶液領域18に、電解質13cの沈殿物が浮上することを抑制する沈殿物フィルタ19を設けるようにした。こうした構成によれば、沈殿している電解質13cの固形物が電解液13a中を浮遊し、電解部14に達することを抑制できる
。これにより、電解部14が電解液13aの電気分解を行っている間に、電解部14に電解質13cの固形物が堆積することによって次亜塩素酸の生成効率が悪化することを抑制できる。
(3)空間浄化装置11では、貯留部13内に設けられ、電解液13aを攪拌するための攪拌部20を備え、攪拌部20は、電解部14に水流を生じさせられるように設けるようにした。こうした構成によれば、電解部14が電解液13aの電気分解を行っている間に、水流21(攪拌水流21b)によって電気分解で電解部14表面に生じた酸素ガス及び水素ガスの気泡がそのまま電解部14に付着している状態となることを抑制できる。この結果、電解部14に付着した気泡によって電解部14の電解有効面積が減少し、次亜塩素酸の生成効率が悪化することを抑制できる。
(4)空間浄化装置11は、貯留部13内に設けられ、次亜塩素酸水溶液13bを攪拌する攪拌部20を備え、攪拌部20は、次亜塩素酸水溶液13bを吸い込む水溶液吸込口20aと、水溶液吸込口20aから吸い込んだ次亜塩素酸水溶液13bを貯留部13内に吹き出す水溶液吹出口20bとを有し、水溶液吹出口20bは、空気導入部15と空気放出部16との間における上方空間23に向けて次亜塩素酸水溶液13bを吹き出すようにした。こうした構成によれば、空気導入部15と空気放出部16との間における上方空間23において、次亜塩素酸水溶液13bが水柱や水滴の形で上方空間23内に存在するようになる。空気導入部15から導入された導入空気6が、空気放出部16から放出空気7として放出されるまでの間に、上方空間23においてより広い面積で次亜塩素酸水溶液13bに接触することができる。これにより、同じ次亜塩素酸水溶液13bの次亜塩素酸濃度であっても、流通する空気に含ませられる次亜塩素酸ガスの量を増加させることができる。つまり、小型化して貯留部13に貯留することが可能な次亜塩素酸水溶液13bの量が少量である場合であっても、放出する空気に含ませる必要な次亜塩素酸ガスの量を発生させることができる。
また、室内1に対して目的の次亜塩素酸ガスの量を放出するために必要な次亜塩素酸水溶液13bの次亜塩素酸濃度を低下させることができるとも言えるので、電解液13aを電気分解し、目的の次亜塩素酸ガス量を放出可能な次亜塩素酸水溶液13bとする時間を短縮できる。つまり、装置の運転を開始してから目的の次亜塩素酸ガス量を放出できるようになるまでの時間を短縮し、流通する空気に含ませられる次亜塩素酸ガスの量を早期から安定させることが可能な空間浄化装置11とすることができる。
(変形例)
次に、図6を参照して、変形例に係る空間浄化装置11aについて説明する。図6は、変形例に係る空間浄化装置11aにおける貯留部13内の空気の流れ及び水溶液の流れを示す透過側面図である。
変形例に係る空間浄化装置11は、攪拌部20の水溶液吹出口20b1の吹出方向が電解部14の方向を向いている点で実施の形態1に係る空間浄化装置11と異なる。これ以外の空間浄化装置11aの構成は、実施の形態1に係る空間浄化装置11と同様である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
図6に示すように、変形例に係る空間浄化装置11aでは、攪拌部20における水溶液吹出口20b1の吹出方向が攪拌部20の鉛直斜め下方向に位置する電解部14の方向を向いている。
[空気流]
図6に示すように、貯留部13の上方空間23には、実施の形態1と同様、送風機10の動作時に、導入空気6が空気導入部15を通じて導入され、空気放出部16から放出空気7として放出されるまでの流れである空気流22が生じる。
空気流22は、空気導入部15の導出口から空気放出部16の導入口までの上方空間23内を流通する過程で、次亜塩素酸水溶液13bと気液接触して次亜塩素酸水溶液13bから次亜塩素酸ガスを取り込む。このため、空気流22は、空気放出部16の放出口から放出される際には、次亜塩素酸ガスを含む放出空気7となる。
[水流]
図6に示すように、攪拌部20の動作時に、電解部14に向けて電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bを吹き出して水流21(吹出水流21c)を生じさせる。つまり、空間浄化装置11aにおける攪拌部20では、吹出水流21aのように液面に水柱あるいは水滴などを生じさせる構成とはなっていない。より詳細には、攪拌部20は、水溶液吹出口20bから電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bを電解部14に向けて吹出水流21cとして吹き出す。吹出水流21cは、電解部14に向かって流れ、電解部14及び貯留部13の壁面に衝突し、方向変換した後、攪拌部20の水溶液吸込口20aから吸い込まれる。このようにして、吹出水流21cは、電解液13a及び次亜塩素酸水溶液13bを攪拌する攪拌水流の役割も担う。
以上、変形例に係る空間浄化装置11aによれば、上記した効果(1)及び効果(2)とともに、以下の効果を享受することができる。
(5)空間浄化装置11aでは、攪拌部20は、電解液13aを吸い込む水溶液吸込口20aと、水溶液吸込口20aから吸い込んだ電解液13aを貯留部13内に吹き出す水溶液吹出口20b1とを有し、水溶液吹出口20b1は、電解部14に向けて電解液13aを吹き出して水流21(吹出水流21c)を生じさせるようにした。こうした構成によれば、電解部14に集中して水流21を生じさせることができるため、電気分解で電解部14表面に生じた酸素ガス及び水素ガスの気泡がそのまま電解部14に付着している状態となることを確実に抑制できる。この結果、電解部14に付着した気泡によって電解部14の電解有効面積が減少し、次亜塩素酸の生成効率が悪化することをさらに抑制できる。

以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
実施の形態1に係る空間浄化装置11では、攪拌部20として、水溶液吸込口20aと、水溶液吸込口20aから吸い込んだ電解液13aを貯留部13内に吹き出す水溶液吹出口20bとを有する部材を用いたが、これに限られない。例えば、回転するフィンまたはスクリューなどによって水流を生じさせるようにしてもよい。
本発明に係る空間浄化装置では、小型化して貯留部に貯留することが可能な電解液の量が少量である場合であっても、放出する空気に含ませる次亜塩素酸ガスの量を安定して保つことができるので、有用である。
1 室内
2 空間浄化機器
3 吸込空気
4 吹出空気
5 除塵空気
6 導入空気
7 放出空気
8 吸込口
9 集塵フィルタ
10 送風機
11 空間浄化装置
11a 空間浄化装置
12 吹出口
13 貯留部
13a 電解液
13b 次亜塩素酸水溶液
13c 電解質
14 電解部
15 空気導入部
16 空気放出部
17 溶質領域
18 溶液領域
19 沈殿物フィルタ
20 攪拌部
20a 水溶液吸込口
20b 水溶液吹出口
20b1 水溶液吹出口
20c 駆動部
21 水流
21a 吹出水流
21b 攪拌水流
21c 吹出水流
22 空気流
23 上方空間

Claims (5)

  1. 筐体の内部に塩化ナトリウムまたは塩化カリウムを含む水溶液を貯留する貯留部と、
    前記貯留部内に設けられ、前記水溶液を電気分解して次亜塩素酸水溶液を生成する電解部と、
    前記筐体の外部から空気を吸い込み、前記貯留部内に導入する空気導入部と、
    前記貯留部内の前記次亜塩素酸水溶液の上方空間の空気を前記筐体の外部に放出する空気放出部と、
    を備え、
    前記電解部は、前記水溶液中に前記塩化ナトリウムまたは前記塩化カリウムが沈殿している状態で、前記水溶液の電気分解を行って前記次亜塩素酸水溶液を生成する、空間浄化装置。
  2. 前記貯留部には、前記塩化ナトリウムまたは前記塩化カリウムが沈殿する溶質領域から、前記電解部が設置された溶液領域に、前記塩化ナトリウムまたは前記塩化カリウムの沈殿物が浮上することを抑制する沈殿物フィルタが設けられている、請求項1に記載の空間浄化装置。
  3. 前記貯留部内に設けられ、前記水溶液を攪拌するための攪拌部を備え、
    前記攪拌部は、前記電解部に水流を生じさせられるように設けられている、請求項1または2に記載の空間浄化装置。
  4. 前記攪拌部は、前記水溶液を吸い込む水溶液吸込口と、前記水溶液吸込口から吸い込んだ前記水溶液を前記貯留部内に吹き出す水溶液吹出口とを有し、
    前記水溶液吹出口は、前記電解部に向けて前記水溶液を吹き出して水流を生じさせる、請求項3に記載の空間浄化装置。
  5. 前記貯留部内に設けられ、前記次亜塩素酸水溶液を攪拌する攪拌部を備え、
    前記攪拌部は、前記次亜塩素酸水溶液を吸い込む水溶液吸込口と、前記水溶液吸込口から吸い込んだ前記次亜塩素酸水溶液を前記貯留部内に吹き出す水溶液吹出口とを有し、
    前記水溶液吹出口は、前記空気導入部と前記空気放出部との間における前記上方空間に向けて前記次亜塩素酸水溶液を吹き出す、請求項1または2に記載の空間浄化装置。
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