<第1の実施形態>
以下、図面に基づいて本発明の概要を説明する。図1は、第1の実施形態における行政窓口通報システム1の概要の一例を示す図である。行政窓口通報システム1では、行政窓口において、警報を出力するようなトラブルが発生した場合に、ある端末装置から通報要求の入力操作を受け付けると、行政担当者の有する他の端末装置から警報を出力する。
行政窓口通報システム1は、通報管理装置10と、行政担当者の有する複数の端末装置20(20a~20f)とを有し、通報管理装置10と、複数の端末装置20とは、ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。また、複数の端末装置20は、通報管理装置10を介した通信のほか、互いに直接接続されるピアツーピア(以下、「P2P」と記載)型の通信が可能である。なお、複数の端末装置20を直接接続する方式としては、1対1で接続されるピュアP2Pのほか、セッションの確立を補助する図示しないサーバー装置を使用するいわゆるハイブリッドP2P、及び、いずれかの端末装置20が他の端末装置20の情報を管理するいわゆるスーパーノードP2Pのいずれであってもよく、通報管理装置10を介さずに直接情報の送受信を行う通信方式であればよい。
図1に示す例において、担当者m(m1~m4)は、各々端末装置20(20a・20b・20c・20d)を有し、窓口担当者tは端末装置20eを有し、警備員kは端末装置20fを有する。担当者m、窓口担当者t、及び警備員kは、いずれも行政担当者である。本図に示す例では、行政窓口に不審者fが来訪する。不審者fに気づいた行政担当者は、端末装置20に対し、通報要求の入力操作を行う。例えば、窓口担当者tが、端末装置20eに対し、通報要求の入力操作を行う。端末装置20eは、ネットワークNを介して、通報管理装置10に対して通報要求を示す情報を送信する。
通報管理装置10は、端末装置20eからの通報要求情報を受信すると、端末装置20eの近傍に位置する他の端末装置20に警報要求情報を送信する。警報要求情報を受信した端末装置20は、当該端末装置20を有する行政担当者に対し、音声を出力したり、警戒画面を表示したりする手段により、警報を出力する。本例において、通報管理装置10は、端末装置20eの近傍に端末装置20b及び端末装置20cが位置すると判定し、端末装置20b及び端末装置20cに対して警報要求情報を送信する。端末装置20b及び端末装置20cは、警報を出力する。このように、通報管理装置10を介して警報を出力する方式を、「第1通報方式」とする。
通報管理装置10の不具合や、ネットワークNの通信障害等により、通報管理装置10を介した通信に支障がある場合がある。通報を要求する端末装置20と、警報を出力する端末装置20との通信に、通報管理装置10の仲介が必要である場合において、通報管理装置10を介した通信に支障があると、端末装置20に通報要求が入力されたとしても、他の端末装置20から警報が出力されず、トラブルへの対処が遅れる。本実施形態では、通報管理装置10に不具合がある場合、通報要求を入力された端末装置20から他の端末装置20へ、P2P通信を介して警報要求情報を送信する。
図1に示す例を用いて説明すると、通報管理装置10に不具合がある場合、端末装置20eは、P2P方式で通信を行うことのできる1又は複数の他の端末装置20に対して、端末装置20eの位置情報を含む警報要求情報を送信する。警報要求情報を受信した端末装置20は、自機の位置情報と、警報要求情報に含まれる端末装置20eの位置情報とを用いて、自機が端末装置20eの近傍に位置するか否かを判定する。端末装置20は、自機が端末装置20eの近傍に位置すると判定すると、警報を出力する。
本図に示す例によれば、通報要求の入力操作を受け付けた端末装置20eは、端末装置20a・20b・20c・20d・20fに対し、直接、警報要求情報を送信する。端末装置20b及び端末装置20cは、自機が端末装置20eの近傍に位置すると判定し、担当者m2及び担当者m3に対し、警報を出力する。一方、端末装置20a、端末装置20d、及び端末装置20fは、自機が端末装置20eの近傍に位置しないと判定し、警報の出力を抑制する。このように、通報管理装置10を介さずに警報を出力する方式を、「第2通報方式」とする。
図2は、第1の実施形態における各通報方式の概要の一例を示す図である。図2(A)は、第1の実施形態における第1通報方式の概要の一例を示す図であり、図2(B)は、第1の実施形態における第2通報方式の概要の一例を示す図である。
図2(A)に示すように、第1通報方式において、端末装置20aの有する通報ボタン271が選択されると、通報管理装置10に通報要求情報が送信される。通報管理装置10は、端末装置20aの近傍に位置する端末装置20として、端末装置20b及び端末装置20cを抽出する。通報管理装置10は、端末装置20b及び端末装置20cに対し、警報要求情報を送信する。その結果、端末装置20b及び端末装置20cの有するモニター275に、警報が表示される。
なお、通報管理装置10は、端末装置20aの近傍に位置しない端末装置20dを抽出しない。その結果、端末装置20dの有するモニター275には、警報が表示されない。
第1通報方式において、端末装置20aは、通報管理装置10に対して通報要求情報を送信した後、通報管理装置10からの応答に基づいて、通報管理装置10の警報要求出力可否を判定する。端末装置20aは、通報管理装置10からの応答が所定の条件を満たす場合に、通報管理装置10が警報要求出力可能と判定する。
一方、通報管理装置10からの応答が所定の条件を満たさず、警報要求出力不可と判定する場合に、端末装置20aは、第2通報方式による処理を実行する。なお、所定の条件には、端末装置20aが一定時間内に通報管理装置10からの応答を受信することが含まれる。即ち、一定時間内に端末装置20aが通報管理装置10からの応答を受信しない場合には、応答が所定の条件を満たさないため、通報管理装置10が警報要求出力不可であると判定する。
図2(B)に示すように、第2通報方式において、端末装置20aは、端末装置20b、端末装置20c、及び端末装置20dに対し、警報要求情報を送信する。端末装置20aが送信する警報要求情報には、端末装置20aの位置情報が含まれる。端末装置20aから警報要求情報を受信した端末装置20b・20c・20dは、自機の位置情報を特定し、端末装置20aが自機の近傍に位置するか否かを判定する。端末装置20b・20c・20dは、警報要求情報を送信した端末装置20aが自機の近傍に位置すると判定すると、モニター275に警報を表示させる。
図2(B)に示す例において、端末装置20b及び端末装置20cは、端末装置20aが自機の近傍に位置すると判定し、警報を表示する。一方、端末装置20dは、端末装置20aが自機の近傍に位置しないと判定し、警報の表示を抑制する。
図3は、第1の実施形態における行政窓口通報システム1の機能ブロックの一例を示す図である。行政窓口通報システム1では、1つの通報管理装置10に対し、複数の端末装置20(20a~20n)がネットワークNを介して通信可能に接続されている。
通報管理装置10は、行政機関や、通報管理を支援する事業者等により管理される装置であって、例えばサーバー装置、PC(Personal Computer)、スマートフォン、又はタブレット等の情報処理装置である。通報管理装置10は、処理部110と、記憶部120と、入力部130と、出力部140と、通信部150と、を備える。処理部110は、通報管理装置10の全体を統括的に制御する。記憶部120は、処理部110による処理に必要な情報を記憶する。入力部130は、後述する入力IF(Interface)14を介して接続された各入力装置から、情報の入力を受け付ける。出力部140は、後述する出力IF15を介して接続された出力装置を介して、情報の出力を行う。通信部150は、後述する通信IF16を介して通信可能に接続された他の装置との情報の送信及び受信を仲介する。
処理部110は、通報要求受付部111と、近傍端末抽出部112と、管理装置側警報要求部113と、を備える。通報要求受付部111は、端末装置20から送信される通報要求情報を受け付ける。近傍端末抽出部112は、端末装置20から通報要求情報を受け付けると、後述の設置位置情報121に基づいて、当該端末装置20の近傍に位置する他の端末装置20を抽出する。管理装置側警報要求部113は、端末装置20からの通報要求に応じて、他の端末装置20に警報要求情報を送信する。なお、管理装置側警報要求部113が送信する警報要求情報には、端末装置20の位置情報が含まれていなくてもよい。
記憶部120は、設置位置情報121と、警報情報122と、を記憶している。設置位置情報121は、通信可能に接続される複数の端末装置20の設置位置を示す情報である。警報情報122は、端末装置20に対して出力させる警報の内容に関する情報である。
端末装置20は、例えばPC、スマートフォン、又はタブレット等の情報処理装置であって、行政機関の庁舎内に設置され、行政担当者により操作される。端末装置20は、処理部210と、記憶部220と、入力部230と、出力部240と、通信部250と、を備える。処理部210は、端末装置20の全体を統括的に制御する。記憶部220は、処理部210による処理に必要な情報を記憶する。入力部230は、後述する入力IF24を介して接続された各入力装置から、情報の入力を受け付ける。出力部240は、後述する出力IF25を介して接続された出力装置を介して、情報の出力を行う。通信部250は、後述する通信IF26を介して通信可能に接続された他の装置との情報の送信及び受信を仲介する。
処理部210は、通報指示受付部211と、端末側警報要求部212と、位置情報特定部213と、近傍判定部214と、警報出力部215と、管理装置要求可否判定部216と、を備える。通報指示受付部211は、行政窓口での通報要求の入力操作を受け付ける。例えば、通報指示受付部211は、通報ボタン271が選択された場合に、通報要求の入力操作があったものと取り扱う。なお、通報要求受付部111は、行政担当者以外の者による通報要求の入力操作を受け付けてもよい。例えば、端末装置20が、一般の来訪者による操作を可能として設置されている場合、通報指示受付部211は、来訪者による通報要求の入力操作を受け付けることができる。
端末側警報要求部212は、通報要求の相手方である通報管理装置10からの応答に基づいて、通報管理装置10から送信される警報要求に代えて、他の端末装置20に直接警報要求を送信するか否かを判定する。端末側警報要求部212は、例えば後述の管理装置要求可否判定部216により、通報管理装置10が警報要求出力不可と判定される場合に、他の端末装置20に直接警報要求を送信すると判定する。その場合、端末側警報要求部212は、他の端末装置20に直接警報要求情報を送信する。端末側警報要求部212が他の端末装置に送信する警報要求情報には、自機の位置情報が含まれる。
位置情報特定部213は、後述の位置情報取得装置27を用いて、自機の位置情報を特定する。近傍判定部214は、他の端末装置20から直接警報要求情報を受信すると、自機の位置情報と、警報要求情報に含まれる他の端末装置20の位置情報と、を用いて、他の端末装置20が自機の近傍に位置するか否かを判定する。例えば、近傍判定部214は、自機と、他の端末装置20との距離が所定距離以内である場合に、他の端末装置20が自機の近傍に位置すると判定する。
警報出力部215は、通報管理装置10又は他の端末装置20から警報要求情報を受信すると、端末装置20を有する行政担当者に対して警報を出力する。警報出力部215は、他の端末装置20が自機の近傍に位置する場合に、警報を出力する。管理装置要求可否判定部216は、通報管理装置10の応答に基づいて、通報管理装置10の警報要求の出力可否を判定する。管理装置要求可否判定部216は、応答が所定の条件を満たす場合に、警報要求出力可能と判定する。
例えば、管理装置要求可否判定部216は、一定期間内に通報管理装置10から応答があった場合に、条件を満たすものとして、警報要求出力可能と判定し、一定期間内に応答がない場合に警報要求出力不可と判定する。また例えば、管理装置要求可否判定部216は、通報管理装置10から受信した応答が、警報要求出力可能であることを示す応答か、又は警報要求出力不可であることを示す応答かを参照することにより、警報要求出力可否を判定する。
記憶部220は、通知先情報221と、警報情報222とを記憶している。通知先情報221は、P2P型による通信が可能な他の端末装置20に関する情報である。例えば通知先情報221は、他の端末装置20のアクセス先を示すアドレス等の情報を含む。警報情報222は、警報要求情報を受信した場合に、モニター275やマイク等の出力装置を介して出力する内容を示す情報である。
通信部250は、管理装置送受信部251と、他端末装置送受信部252と、を含む。管理装置送受信部251は、通報管理装置10との間で情報の送受信を実行する。管理装置送受信部251は、例えばサーバー通信モジュールとして機能する。他端末装置送受信部252は、他の端末装置20との間で情報の送受信を実行する。他端末装置送受信部252は、P2P形式の通信が可能であって、他の端末装置20との間でP2P形式の通信セッションを確立することができる。他端末装置送受信部252は、例えばP2P通信モジュールとして機能する。なお、他端末装置送受信部252は、Bluetooth(登録商標)などの短距離通信によりP2P形式の通信を行ってもよい。
図4は、設置位置情報121のデータ構造の一例を示す図である。設置位置情報121は、端末ID121aと、1又は複数の近傍端末ID121bと、警備端末ID121cと、位置情報121dと、を含む。端末ID121aは、端末装置20を特定する識別情報である。近傍端末ID121bは、端末ID121aにより特定される端末装置20の近傍に位置する、他の端末装置20を特定する識別情報である。警備端末ID121cは、警備員kの有する端末装置20fを特定する識別情報である。位置情報121dは、端末ID121aにより特定される端末装置20の所在地を示す情報である。位置情報121dは、例えば座標情報である。なお、設置位置情報121は、近傍端末ID121bか、又は位置情報121dの少なくともいずれか一方を含んでいればよい。
図5は、通報管理装置10のハードウェア構成例を示す図である。通報管理装置10は、演算装置11と、メモリ12と、外部記憶装置13と、入力IF14と、出力IF15と、通信IF16とを備え、各構成要素はバスにより接続されている。
演算装置11はCPU(Central Processing Unit)等の演算装置であり、メモリ12又は外部記憶装置13に記録されたプログラムに従って処理を実行する。通報管理装置10では、メモリ12又は外部記憶装置13上に読み出されたプログラムに従って動作する演算装置11により処理が行われる。処理部110を構成する各処理部は、演算装置11がプログラムを実行することにより各々の機能を実現する。
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)又はフラッシュメモリ等の記憶装置であり、プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリアとして機能する。外部記憶装置13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、CD-R(Compact Disc- Recordable)、DVD-RAM(Digital Versatile Disk-Random Access Memory)等の書き込み及び読み出し可能な記憶メディア及び記憶メディア駆動装置等である。
入力IF14は、操作者からの入力操作を受け付けるためのインターフェイスであり、例えばタッチパネル、キーボード、マウス、マイク等の入力装置が接続される。出力IF15は、通報管理装置10に内蔵又は接続された出力装置に対して情報を出力するためのインターフェイスであり、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイやスピーカー等の出力装置が接続される。通信IF16は、通報管理装置10をネットワークN及びバスに接続するためのインターフェイスであって、例えばLAN(Local Area Network)カード等の通信デバイスが接続される。通信IF16は、例えばWi-Fi(登録商標)等を用いた他の装置との通信を仲介する。入力部130は、入力IF14によりその機能が実現され、出力部140は、出力IF15によりその機能が実現され、通信部150は、通信IF16によりその機能が実現される。なお、通報管理装置10は、図示しない記憶媒体駆動装置を有し、可搬性のメディアから情報を入出力してもよい。
図6は、端末装置20のハードウェア構成例を示す図である。端末装置20は、演算装置21と、メモリ22と、外部記憶装置23と、入力IF24と、出力IF25と、通信IF26と、位置情報取得装置27とを備え、各構成要素はバスにより接続されている。
演算装置21はCPU等の演算装置であり、メモリ22又は外部記憶装置23に記録されたプログラムに従って処理を実行する。端末装置20では、メモリ22又は外部記憶装置23上に読み出されたプログラムに従って動作する演算装置21により処理が行われる。処理部210を構成する各処理部は、演算装置21がプログラムを実行することにより各々の機能を実現する。
メモリ22は、RAM又はフラッシュメモリ等の記憶装置であり、プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリアとして機能する。外部記憶装置23は、例えばHDDや、CD-R、DVD-RAM等の書き込み及び読み出し可能な記憶メディア及び記憶メディア駆動装置等である。
入力IF24は、操作者からの入力操作を受け付けるためのインターフェイスであり、例えばタッチパネル、キーボード、マウス、マイク等の入力装置が接続される。入力IF24に接続される通報ボタン271は、モニター275に入力操作可能に表示された選択領域であるが、専用のハードウェアスイッチであってもよい。
出力IF25は、端末装置20に内蔵又は接続された出力装置に対して情報を出力するためのインターフェイスであり、モニター275のほか、スピーカー等の出力装置が接続される。モニター275は、情報を表示する表示装置であって、例えばOLEDディスプレイである。
通信IF26は、端末装置20をネットワークN及びバスに接続するためのインターフェイスであって、例えばLAN(Local Area Network)カード等の通信デバイスが接続される。位置情報取得装置27は、例えばGPS(Global Positioning System)衛星等の衛星からの信号を受信し、移動体と衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで、端末装置20の現在地、進行速度および進行方位を測定する。なお、位置情報取得装置27は、GPS衛星よりも高精度な現在位置算出に用いられる準天頂衛星システム等からの測位信号を受信してもよい。
入力部230は、入力IF24によりその機能が実現され、出力部240は、出力IF25によりその機能が実現され、通信部250は、通信IF26によりその機能が実現される。なお、端末装置20は、図示しない記憶媒体駆動装置を有し、可搬性のメディアから情報を入出力してもよい。
なお、通報管理装置10及び端末装置20の各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、通報管理装置10及び端末装置20の各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
図7は、第1の実施形態における警報出力処理の一例を示すシーケンス図(その1)である。本図は、第1通報方式により警報を出力する場合の処理の一例を示す。
まず、端末装置20aの通報指示受付部211は、通報ボタン271の入力操作を受け付ける(ステップS11)。通報指示受付部211は、例えば行政機関の庁舎内でトラブルを発見した行政担当者からの通報要求の入力操作を受け付ける。先述したように、通報指示受付部211は、例えば一般の来訪者等の、行政担当者以外の者による入力操作を受け付けてもよい。
次に、管理装置送受信部251は、通報要求情報を通報管理装置10に送信する(ステップS12)。この時点において、通報要求情報には、端末装置20aを特定するIPアドレス等の識別情報が含まれていればよく、端末装置20aの位置情報は含まれていなくてもよい。
次に、通報管理装置10の通報要求受付部111は、警報要求を行うことを示す応答を端末装置20aに送信する(ステップS13)。通報要求受付部111は、ステップS12において端末装置20aから送信された通報要求情報を受信すると、応答として警報要求を行うことを示す情報を送信する。なお、通報要求受付部111は、通報管理装置10が警報要求を行うことができないと判定する場合に、警報要求を行わないことを示す情報を応答として送信してもよい。
次に、端末装置20aの管理装置要求可否判定部216は、通報管理装置10からの応答に基づいて、通報管理装置10の警報要求の出力可否を判定する(ステップS14)。具体的には、管理装置要求可否判定部216は、通報管理装置10からの応答が所定の条件を満たすか否かを判定することにより、警報要求の出力可否を判定する。なお、本図に示す例では、端末装置20は、ステップS12において通報要求情報を送信してから一定時間内に通報管理装置10からの応答を受信しており、条件を満たすものとする。端末装置20aの処理部210は、本シーケンス図の処理を終了する。
次に、通報管理装置10の近傍端末抽出部112は、近傍の端末装置20を抽出する(ステップS15)。具体的には、近傍端末抽出部112は、ステップS12において端末装置20から送信される通報要求情報を受信すると、設置位置情報121を参照し、ステップS12において通報要求情報を送信した端末装置20aの端末ID121aと関連する近傍端末ID121bを抽出する。なお、設置位置情報121に近傍端末121bが含まれない場合、近傍端末抽出部112は、通報要求情報を送信した端末装置20aの位置情報121dを用いて、当該位置から所定距離内に位置する他の端末装置20を抽出することができる。本図に示す例では、近傍端末抽出部112は、端末装置20aの近傍に位置する他の端末装置20bを抽出するものとする。
次に、通報管理装置10の管理装置側警報要求部113は、抽出した端末装置20に警報要求情報を送信する(ステップS16)。具体的には、管理装置側警報要求部113は、警報情報122を参照して警報内容を決定する。管理装置側警報要求部113は、近傍端末抽出部112により抽出された他の端末装置20に対して、決定した警報内容を含む警報要求情報を送信する。なお、管理装置側警報要求部113が端末装置20bに送信する警報要求情報には、端末装置20aの位置情報が含まれていなくてもよい。
端末装置20bが、通報管理装置10から警報要求情報を受信すると、警報出力部215は、行政担当者に対して警報を出力する(ステップS17)。具体的には、警報出力部215は、ステップS16で通報管理装置10から送信された警報要求情報に含まれる警報内容を、モニター275等の出力装置に出力する。その後、通報管理装置10の処理部110、及び端末装置20bの処理部210は、本シーケンス図の処理を終了する。結果として、端末装置20bの近傍に、通報要求情報を送信した端末装置20aが位置する場合に、端末装置20bから警報が出力される。
図8は、第1の実施形態における警報出力処理の一例を示すシーケンス図(その2)である。本図は、第2通報方式により警報を出力する場合の処理の一例を示す。
ステップS21及びステップS22において行われる処理は、図7のステップS11及びステップS12において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、端末装置20の管理装置要求可否判定部216は、通報管理装置10からの応答に基づいて、通報管理装置10の警報要求の出力可否を判定する(ステップS23)。本ステップの処理は、図7のステップS14において行われる処理と同様である。
なお、本図に示す例において、通報管理装置10は、ステップS22における端末装置20aからの通報要求情報に対し、応答を送信していない。即ち、端末装置20は、予め設定された一定時間内に、通報管理装置10からの応答を受信しない。従って、ステップS23において、管理装置要求可否判定部216は、通報管理装置10が条件を満たさず、警報要求を出力しないものと取り扱う。なお、ステップS22において、通報要求情報を受信した通報管理装置10が、警報を出力しないことを示す情報を端末装置20aに送信した場合であっても、管理装置要求可否判定部216は、同様に通報管理装置10が条件を満たさないものと判定する。
次に、端末装置20の位置情報特定部213は、警報要求出力不可の場合、自機の位置情報を特定する(ステップS24)。具体的には、位置情報特定部213は、位置情報取得装置27を用いて、自機の位置情報を特定する。
次に、端末装置20aの端末側警報要求部212は、他端末装置送受信部252を介して、位置情報を含む警報要求情報を端末装置20に送信する(ステップS25)。具体的には、端末側警報要求部212は、ステップS24で特定した自機の位置情報を含む警報要求情報を生成する。端末装置20aは、通知先情報221を参照し、自機とP2P通信を介して接続可能な他の端末装置20を抽出し、特定した端末装置20に対し、生成した警報要求情報を送信する。
次に、端末装置20bの位置情報特定部213は、自機の位置情報を特定する(ステップS26)。端末装置20bの他端末装置送受信部252が、他の端末装置20から警報要求情報を受信すると、位置情報特定部213は、位置情報取得装置27を用いて、自機の位置情報を特定する。
次に、端末装置20bの近傍判定部214は、他の端末装置20が自機の近傍に位置するか否かを判定する(ステップS27)。具体的には、近傍判定部214は、ステップS26で特定した自機の位置情報と、ステップS25において端末装置20aから受信した警報要求情報に含まれる端末装置20aの位置情報と、を用いて、自機と端末装置20aとの距離を算出する。近傍判定部214は、算出した距離と、予め設定された基準値とを比較し、端末装置20aが自機の近傍に位置するか否かを判定する。
次に、端末装置20bの警報出力部215は、他の端末装置20aが自機の近傍に位置する場合に、警報を出力する(ステップS28)。具体的には、端末側警報要求部212は、ステップS27の処理の結果、端末装置20aが自機の近傍に位置すると判定された場合、警報情報222を参照して出力する警報を決定する。警報出力部215は、決定した警報を出力する。その後、端末装置20a及び端末装置20bの処理部210は、本シーケンス図の処理を終了する。
図9は、第1の実施形態における通報要求受付画面269及び警報出力画面270の一例を示す図である。図9(A)は、第1の実施形態における通報要求受付画面269の一例を示す図であり、図9(B)は、第1の実施形態における警報出力画面270の一例を示す図である。
図9(A)に示す通報要求受付画面269は、通報ボタン271と、待ちキュー表示領域272とを含む。通報ボタン271は、行政担当者からの通報要求の入力操作を受け付ける入力領域である。待ちキュー表示領域272は、行政窓口において待機している来訪者の数及び処理順を表示する領域である。通報要求受付画面269は、行政窓口通報システム1の各端末装置20に表示される。
図9(B)に示す警報出力画面270は、警報出力領域273を含む。例えば、端末装置20の警報出力部215は、表示していた通報要求受付画面269に対し、警報出力領域273を重畳させることにより、警報出力画面270を表示する。本実施形態により、警報を出力する端末装置20を操作する行政担当者は、近傍の端末装置20の操作者がトラブルに直面していることを認識することができる。
以上、本実施形態によれば、行政窓口でトラブルが発生した場合において、通報管理装置10やネットワークNに何らかの不具合があった場合に、端末装置20から直接他の端末装置20に警報要求を出力する。従って、状況に応じて柔軟に警報を出力することができる。
なお、本実施形態の第1通報方式では、通報管理装置10は、設置位置情報121を用いて端末装置20の近傍の他の端末装置20を特定し、近傍の他の端末装置20に対して警報要求情報を送信する。一方で、第2通報方式では、端末装置20は、近傍であるか否かに関わらず、予め登録された他の端末装置20に警報要求情報を送信する。警報要求を受信した他の端末装置20は、警報要求情報を送信した他の端末装置20が自機の近傍に位置するか否かを判定する。即ち、第1通報方式における近傍の端末装置20の抽出方法と、第2通報方式における近傍の端末装置20の抽出方法とが異なる。
付言すれば、第1通報方式において、通報管理装置10が各端末装置20に位置情報を問い合わせて応答を受信し、通報要求情報を送信した端末装置20の近傍に位置する他の端末装置20を抽出してもよい。例えば行政担当者が端末装置20を持ち歩く場合などに、実際の位置に応じて近傍の端末装置20を抽出することができる。
しかしながら、第1通報方式において、通報管理装置10が設置位置情報121を用いて近傍の他の端末装置20を抽出する場合、各端末装置20の位置情報の取得に要する処理負荷や、各端末装置20からの位置情報の応答に要する通信負荷を軽減することができる。即ち、本実施形態により、効率的に近傍の端末装置20から警報を出力することができる。その一方、第2通報方式によれば、端末装置20が警報要求情報に自機の位置情報を含めて送信するため、警報要求情報を受信した端末装置20は、他の端末装置20の現在位置に基づいて近傍であるか否かを判定する。即ち、本実施形態の行政窓口通報システム1によれば、より効率的かつ状況に応じて警報を出力することができる。
<変形例>
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。以下、上述の実施形態と異なる点について説明する。上記の実施形態では、ある端末装置20が通報要求の入力操作を受け付けるとともに、他の端末装置20からの警報要求を受信し、警報を出力する。本変形例では、通報要求の入力操作を受け付ける端末装置20と、警報を出力する端末装置20との機能が異なる。
図10は、第1の実施形態の変形例における行政窓口通報システム1の機能ブロックの一例を示す図である。本変形例における行政窓口通報システム1は、1つの通報管理装置10に対し、1又は複数の通報要求端末装置30と、1又は複数の警報出力端末装置40と、が通信可能に接続される。
通報要求端末装置30は、処理部310と、記憶部320と、入力部330と、出力部340と、通信部350と、を備える。処理部310は、通報要求端末装置30の全体を統括的に制御する。記憶部320は、処理部310による処理に必要な情報を記憶する。入力部330は、図示しない入力IFを介して接続された各入力装置から、情報の入力を受け付ける。出力部340は、図示しない出力IFを介して接続された出力装置を介して、情報の出力を行う。通信部350は、図示しない通信IFを介して通信可能に接続された他の装置との情報の送信及び受信を仲介する。
処理部310は、通報指示受付部311と、端末側警報要求部312と、位置情報特定部313と、管理装置要求可否判定部316と、を備える。通報指示受付部311と、端末側警報要求部312と、位置情報特定部313と、管理装置要求可否判定部316とは、各々図3に示す端末装置20の処理部210が備える通報指示受付部211と、端末側警報要求部212と、位置情報特定部213と、管理装置要求可否判定部216と同様であるため、説明を省略する。
記憶部320は、通知先情報321と、警報情報322と、を記憶している。通知先情報321と、警報情報322とは、各々図3に示す端末装置20が記憶部220において記憶している通知先情報221と、警報情報222と同様であるため、説明を省略する。
通信部350は、管理装置送受信部351と、他端末装置送受信部352と、を備える。管理装置送受信部351と、他端末装置送受信部352とは、各々図3に示す端末装置20の通信部250が備える管理装置送受信部251と、他端末装置送受信部252と同様であるため、説明を省略する。
警報出力端末装置40は、処理部410と、記憶部420と、入力部430と、出力部440と、通信部450と、を備える。処理部410は、警報出力端末装置40の全体を統括的に制御する。記憶部420は、処理部410による処理に必要な情報を記憶する。入力部430は、図示しない入力IFを介して接続された各入力装置から、情報の入力を受け付ける。出力部440は、図示しない出力IFを介して接続された出力装置を介して、情報の出力を行う。通信部450は、図示しない通信IFを介して通信可能に接続された他の装置との情報の送信及び受信を仲介する。
処理部410は、近傍判定部414と、警報出力部415と、を備える。近傍判定部414と、警報出力部415とは、各々図3に示す端末装置20の処理部210が備える近傍判定部214と、警報出力部215と同様であるため、説明を省略する。
記憶部420は、警報情報422を記憶している。警報情報422は、図3に示す端末装置20が記憶部220において記憶している警報情報222と同様であるため、説明を省略する。
通信部450は、管理装置送受信部451と、他端末装置送受信部452と、を備える。管理装置送受信部451と、他端末装置送受信部452とは、各々図3に示す端末装置20の通信部250が備える管理装置送受信部251と、他端末装置送受信部252と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態において、通報要求端末装置30の通報指示受付部311が通報要求の入力操作を受け付け、通報管理装置10に通報要求情報を送信する。第1通報方式では、通報管理装置10が通報要求端末装置30の近傍に位置する警報出力端末装置40を抽出し、警報要求情報を送信する。警報要求情報を受信した警報出力端末装置40は、警報を出力する。
また、第2通報方式では、通報要求端末装置30は、通報管理装置10の警報要求出力可否を判定し、警報要求出力不可と判定する場合に、警報出力端末装置40に直接警報要求情報を送信する。警報要求情報を受信した警報出力端末装置40は、通報要求端末装置30が自機の近傍に位置するか否かを判定し、近傍に位置すると判定する場合に、警報を出力する。
以上、本変形例では、行政窓口通報システム1が、通報要求を行う通報要求端末装置30と、警報を出力する警報出力端末装置40とを有する。通報要求端末装置30は通報要求に特化した機能を有し、警報出力端末装置40は警報の出力に特化した機能を有するため、各々の装置の処理負荷の軽減に資する。例えば、窓口担当者tが通報要求端末装置30を有し、警備員kが警報出力端末装置40を有するなど、行政担当者の役割に応じて装置を使い分けることができ、行政窓口でのトラブル発生時に、より効率的に警報を出力することができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態における行政窓口通報システム1について説明する。第2の実施形態における行政窓口通報システム1では、通報要求の入力操作を受け付ける際に、通報種別の選択を受け付ける。第2の実施形態における行政窓口通報システム1では、通報種別に応じて、警報を出力する端末装置20を異ならせる。
また、第2の実施形態における行政窓口通報システム1は、警報を出力する他の端末装置20において、警報を確認したことを示す入力操作を受け付ける。警報を確認していない端末装置20が存在する場合、行政窓口通報システム1では、当該端末装置20を除く他の端末装置20に通知する。以下、上述の実施形態と異なる点について説明する。
図11は、第2の実施形態における行政窓口通報システム1の機能ブロックの一例を示す図である。本図では、1つの通報管理装置10に対し、便宜上1つの端末装置20が接続されているが、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、1つの通報管理装置10に対し、複数の端末装置20が接続される。
通報管理装置10の処理部110は、通報要求受付部111と、近傍端末抽出部112と、管理装置側警報要求部113とのほか、管理装置側通報種別判定部114と、管理装置側未確認端末通知部115と、を備える。
管理装置側通報種別判定部114は、端末装置20から受信した通報要求情報を参照し、通報種別を判定する。本実施形態の行政窓口通報システム1では、通報要求の入力操作を受け付ける端末装置20は、通報種別の入力を受け付ける。通報種別は、例えば「不審者」、「ケガ」、「クレーマー」、「ケンカ」、「病人」、及び「火事」等であって、「通報種別1」と、「通報種別2」と、「通報種別3」との3パターンのいずれかに分類される。
「通報種別1」に分類される通報種別が選択された場合、行政窓口通報システム1は、通報要求情報を送信する端末装置20の近傍に位置するか否かに関わらず、行政窓口通報システム1内のすべての他の端末装置20に警報を出力させる。本通信種別は、例えば火事や自然災害など、より広範に発生するトラブルへの対応を迫られる場合に有用である。「通報種別2」に分類される通報種別が選択された場合、行政窓口通報システム1は、第1の実施形態と同様に、通報要求情報を送信する端末装置20の近傍に位置する他の端末装置20に警報を出力させる。
「通報種別3」に分類される通報種別が選択された場合、行政窓口通報システム1は、予め登録された他の端末装置20に警報を出力させる。例えば、行政窓口通報システム1では、警備員kの有する端末装置20を対象として、警報要求情報を送信する。本通信種別は、例えば警備員k以外の端末装置20に警報を出力させることを望まない場合に有用である。なお、通報種別の分類は本例に限定されない。
管理装置側警報要求部113は、「通報種別1」の通報要求情報を受信すると、設置位置情報121に含まれるすべての端末装置20に対して警報要求情報を送信する。管理装置側警報要求部113は、「通報種別2」の通報要求情報を受信すると、近傍端末抽出部112により抽出された他の端末装置20に警報要求を送信し、「通報種別3」の通報要求情報を受信すると、予め登録された端末装置20に警報要求を送信する。
管理装置側未確認端末通知部115は、通報要求の対象となる複数の端末装置20を有する行政担当者の各々が、出力された警報を確認したか否かを判定する。管理装置側未確認端末通知部115は、警報を確認していない端末装置20が存在する場合に、当該端末装置20を特定した通知情報を生成し、すでに警報を確認した端末装置20に対して送信する。
第2の実施形態における警報情報122は、各通報種別に対して警報内容が関連付けられた情報である。本実施形態において、端末装置20は、通報種別ごとに異なる警報を出力する。例えば、警報情報122は、「火事」の通報種別に対し、「火事です!すぐに来訪者を避難させてください!」といったメッセージが関連付けられ、「不審者」の通報種別に対し、「不審者が現れました ご注意ください」といったメッセージが関連付けられ、「クレーマー」の通報種別に対し、「クレーマーによるトラブルが発生しています」といったメッセージが関連付けられた情報である。なお、警報情報122は、例えば「通報種別3」、「通報種別2」、「通報種別1」に属する通報種別の順に、警戒度合いの強い色合いで警報を表示するよう設定されていてもよい。
端末装置20の処理部210は、通報指示受付部211と、端末側警報要求部212と、位置情報特定部213と、近傍判定部214と、警報出力部215と、管理装置要求可否判定部216とのほか、端末側通報種別判定部217と、端末側未確認端末通知部218と、を備える。端末側通報種別判定部217は、警報要求を受信すると、通報種別を判定する。
端末側未確認端末通知部218は、警報要求情報を送信した複数の端末装置20を有する行政担当者の各々が、出力された警報を確認したか否かを判定する。管理装置側未確認端末通知部115は、警報を確認していない端末装置20が存在する場合に、当該端末装置20を特定した通知情報を生成し、警報を確認した端末装置20に対して送信する。
なお、本実施形態の警報出力部215は、通報管理装置10又は他の端末装置20から、警報を確認していない端末装置20に関する情報を受信した場合、モニター275に当該端末装置20を特定する情報を表示する。
図12は、第2の実施形態における通報管理装置10の警報要求処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、第2の実施形態において、「第1通報方式」の際に実行される。本フローチャートの処理に先立って、端末装置20の通報指示受付部211が、通報要求の入力操作を受け付ける。その際、通報指示受付部211は、通報種別の選択の入力操作を受け付ける。その後、通報指示受付部211は、通報管理装置10に対して通報種別を含む通報要求情報を送信する。
まず、通報要求受付部111は、通報種別を含む通報要求情報を端末装置20から受信する(ステップS31)。なお、次のステップS32で行われる処理は、図7のステップS13で行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、管理装置側通報種別判定部114は、ステップS31で受信した通報要求情報を参照し、通報要求情報に含まれる通報種別が「通報種別1」、「通報種別2」、又は「通報種別3」のいずれの分類に属するかを判定する(ステップS33)。
管理装置側通報種別判定部114が、通報種別が「通報種別1」に属すると判定する場合(ステップS33で「通報種別1」の場合)、管理装置側警報要求部113は、すべての端末装置20に警報要求情報を送信する(ステップS34)。具体的には、管理装置側警報要求部113は、設置位置情報121を参照し、行政要求通報システムが管理するすべての端末装置20を抽出する。また、管理装置側警報要求部113は、警報情報122を参照し、通報要求情報に含まれる通報種別と対応する警報内容を決定する。
管理装置側警報要求部113は、抽出した端末装置20に対し、決定した警報内容を含む警報要求情報を送信する。その後、管理装置側警報要求部113は本フローチャートの処理を終了する。
管理装置側通報種別判定部114が、通報種別が「通報種別2」に属すると判定する場合(ステップS33で「通報種別2」の場合)、近傍端末抽出部112は、近傍の端末装置20を抽出する(ステップS35)。本ステップで行われる処理は、図7のステップS15で行われる処理と同様である。
次に、通報管理装置10の管理装置側警報要求部113は、抽出した端末装置20に、警報確認要求を含む警報要求情報を送信する(ステップS36)。具体的には、管理装置側警報要求部113は、警報情報122を参照し、通報要求情報に含まれる通報種別と対応する警報内容を決定する。管理装置側警報要求部113は、ステップS35で抽出された他の端末装置20に対して、決定した警報内容と、警報の確認要求を示す情報とを含む警報要求情報を送信する。
次に、管理装置側未確認端末通知部115は、警報を確認したことを示す情報を受信する(ステップS37)。具体的には、管理装置側未確認端末通知部115は、ステップS36で警報要求情報を送信した1又は複数の端末装置20から、警報を確認したことを示す情報を受信する。
次に、管理装置側未確認端末通知部115は、警報を確認していない端末装置20があるか否かを判定する(ステップS38)。具体的には、管理装置側未確認端末通知部115は、ステップS36で警報要求情報を送信した端末装置20のうち、ステップS37において、警報を確認したことを示す情報を受信していない端末装置20があるか否かを判定する。管理装置側未確認端末通知部115は、警報を確認していない端末装置20がないと判定する場合(ステップS38で「NO」の場合)、本フローチャートの処理を終了する。
管理装置側未確認端末通知部115が、警報を確認していない端末装置20があると判定する場合(ステップS38で「YES」の場合)、管理装置側未確認端末通知部115は、警報を確認した端末装置20に、警報を確認していない端末装置20を特定した通知情報を送信する(ステップS39)。具体的には、管理装置側未確認端末通知部115は、ステップS38において、警報を確認したことを示す情報を受信していない端末装置20を未確認端末とし、未確認端末を含む通知情報を生成する。管理装置側未確認端末通知部115は、ステップS37において、警報を確認したことを示す情報を送信した端末装置20を抽出し、抽出した端末装置20に通知情報を送信する。その後、管理装置側未確認端末通知部115は、本フローチャートの処理を終了する。
管理装置側通報種別判定部114が、通報種別が「通報種別3」に属すると判定する場合(ステップS33で「通報種別3」の場合)、管理装置側警報要求部113は、警備用の端末装置20に警報要求情報を送信する(ステップS40)。具体的には、管理装置側警報要求部113は、警報情報122を参照し、通報要求情報に含まれる通報種別に対応する警報内容を決定する。また、管理装置側警報要求部113は、ステップS31で受信した通報要求情報を送信した端末装置20を特定する。管理装置側警報要求部113は、設置位置情報121において、特定した端末装置20の端末ID121aと関連する警備端末121cを特定する。管理装置側警報要求部113は、特定した警備端末121cに対し、決定した警報内容を含む警報要求情報を送信する。その後、管理装置側警報要求部113は、本フローチャートの処理を終了する。
図13は、第2の実施形態における端末装置20の警報要求処理の一例を示すフローチャートである。
まず、通報指示受付部211は、通報ボタン271の操作を受け付ける(ステップS41)。具体的には、通報指示受付部211は、通報要求受付画面269に含まれる通報ボタン271の入力操作を受け付ける。通報ボタン271が選択されると、出力部240は、後述の種別入力画面280を表示する。通報指示受付部211は、種別入力画面280に表示される複数の通報種別候補の中から、1つの通報種別の選択を受け付ける。
次に、通報指示受付部211は、通報種別を含む通報要求情報を、通報管理装置10に送信する(ステップS42)。具体的には、通報指示受付部211は、ステップS41で選択された通報種別を含む通報要求情報を生成し、通報管理装置10に送信する。
ステップS43及びステップS44で行われる処理は、図8のステップS23及びステップS24において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。なお、ステップS43の処理の結果、通報管理装置10が警報要求出力可能と判断される場合、処理部210は本フローチャートの処理を終了する。
次に、端末側通報種別判定部217は、通報種別を判定する(ステップS45)。端末側通報種別判定部217は、ステップS41で入力された通報種別が、「通報種別1」、「通報種別2」、又は「通報種別3」のいずれに属するかを判定する。
端末側通報種別判定部217が、通報種別が「通報種別1」に属すると判定する場合(ステップS45で「通報種別1」である場合)、端末側警報要求部212は、すべての端末装置20に、通報種別を含む警報要求情報を送信する(ステップS46)。具体的には、端末側警報要求部212は、通知先情報221を参照し、行政窓口通報システム1に含まれる1又は複数の他の端末装置20を抽出する。端末側警報要求部212は、抽出したすべての端末装置20に対し、通報種別を含む警報要求情報を送信する。その後、端末側通報種別判定部217は、本フローチャートの処理を終了する。
なお、本ステップにおいて、端末側警報要求部212は、警報要求情報に自機の位置情報を含めなくてもよいが、含めてもよい。警報要求情報に位置情報が含まれる場合、警報要求情報を受信した他の端末装置20は、端末要求情報に含まれる位置情報を、警報とともに表示することができる。
端末側通報種別判定部217が、通報種別が「通報種別2」に属すると判定する場合(ステップS45で「通報種別2」である場合)、端末側警報要求部212は、すべての端末装置20に、位置情報と通報種別とを含む警報要求情報を送信する(ステップS47)。具体的には、端末側警報要求部212は、通知先情報221を参照し、行政窓口通報システム1に含まれる1又は複数の他の端末装置20を抽出する。また、位置情報特定部213は、自機の位置情報を特定する。端末側警報要求部212は、抽出したすべての端末装置20に対し、他端末装置送受信部252を介して、位置情報と通報種別とを含む警報要求情報を送信する。
次に、端末側未確認端末通知部218は、応答を受信する(ステップS48)。具体的には、端末側未確認端末通知部218は、ステップS47において警報要求情報を送信した端末装置20から、警報要求情報の応答を受信する。なお、本例において、受信する応答は、警報を確認したことを示す情報か、又は警報を確認していないことを示す情報かのいずれか一方である。付言すれば、端末装置20から応答を受信しない場合は、端末側未確認端末通知部218は、本ステップの処理を実行せず、処理をステップS49に移行する。
次に、端末側未確認端末通知部218は、警報を確認した端末装置20を抽出する(ステップS49)。具体的には、端末側未確認端末通知部218は、ステップS48において受信した応答のうち、警報を確認したことを示す応答を送信した他の端末装置20を抽出する。
次に、端末側未確認端末通知部218は、抽出した端末装置20に、警報を確認していない他の端末装置20を示す通知情報を送信する(ステップS50)。具体的には、端末側未確認端末通知部218は、ステップS48において受信した応答を参照し、端末を確認していないことを示す応答を送信した端末装置20、即ち未確認端末を抽出する。端末側未確認端末通知部218は、抽出した未確認端末を特定する情報を含む通知情報を生成する。端末側未確認端末通知部218は、ステップS49で抽出した端末装置20に対し、生成した通知情報を送信する。その後、端末側未確認端末通知部218は、本フローチャートの処理を終了する。
付言すれば、端末側未確認端末通知部218は、ステップS48において応答を受信しなかった端末装置20を、未確認端末として抽出してもよい。
端末側通報種別判定部217が、通報種別が「通報種別3」に属すると判定する場合(ステップS45で「通報種別3」である場合)、端末側警報要求部212は、警備用の端末装置20に警報要求情報を送信する(ステップS51)。本ステップにおいて行われる処理は、図12のステップS40において行われる処理と同様である。その後、端末側通報種別判定部217は本フローチャートの処理を終了する。
図14は、第2の実施形態における端末装置20の警報出力処理の一例を示すフローチャート(その1)である。本フローチャートは、端末装置20が通報管理装置10から警報要求情報を受信した場合に実行される処理の一例を示すものである。即ち、本フローチャートの処理は、第1通報方式により警報を出力する場合の処理の一例を示す。
まず、警報出力部215は、通報管理装置10から警報要求情報を受信する(ステップS61)。本ステップにおいて、警報出力部215が受信する警報要求情報は、図12のステップS34、ステップS36、又はステップS40において、通報管理装置10から送信される。
次に、端末側通報種別判定部217は、通報種別が「通報種別1」、「通報種別2」又は「通報種別3」のいずれに属するかを判定する(ステップS62)。具体的には、端末側通報種別判定部217は、ステップS61で受信した警報要求情報に含まれる通報種別が、「通報種別1」、「通報種別2」、又は「通報種別3」のいずれに属するかを判定する。
端末側通報種別判定部217が、警報要求情報に含まれる通報種別が、「通報種別1」に属するか、又は「通報種別3」に属すると判定する場合(ステップS62で「通報種別1又は3」の場合)、警報出力部215は、警報を出力する(ステップS63)。具体的には、警報出力部215は、警報要求情報に含まれる警報内容を出力する。その後、警報出力部215は本フローチャートの処理を終了する。
端末側通報種別判定部217が、警報要求情報に含まれる通報種別が、「通報種別2」に属すると判定する場合(ステップS62で「通報種別2」の場合)、警報出力部215は、確認ボタンを含む警報を出力する(ステップS64)。具体的には、警報出力部215は、警報要求情報に含まれる警報内容を出力する。後に詳述するが、本ステップで出力される警報出力画面270には、警報を確認した行政担当者の入力操作を受け付ける確認ボタン274が表示されている。
次に、端末側未確認端末通知部218は、所定時間以内に確認ボタン274が選択されたか否かを判定する(ステップS65)。具体的には、端末側未確認端末通知部218は、ステップS64において警報を出力してから所定時間以内に、確認ボタン274が選択されたか否かを判定する。端末側未確認端末通知部218は、所定時間以内に確認ボタン274が選択されないと判定する場合(ステップS65で「NO」の場合)、本フローチャートの処理を終了する。
端末側未確認端末通知部218が、所定時間以内に確認ボタン274が選択されたと判定する場合(ステップS65で「YES」の場合)、端末側未確認端末通知部218は、警報を確認したことを示す情報を送信する(ステップS66)。具体的には、端末側未確認端末通知部218は、通報管理装置10に対し、管理装置送受信部251を介して、警報を確認したことを示す情報を送信する。なお、ステップS66で端末側未確認端末通知部218が送信する、警報を確認したことを示す情報は、図12に示すステップS37において、通報管理装置10において受信される。
次に、警報出力部215は、通報管理装置10から通知情報を受信したか否かを判定する(ステップS67)。警報出力部215は、通知情報を受信していないと判定する場合(ステップS67で「NO」の場合)、本フローチャートの処理を終了する。
警報出力部215は、通報管理装置10から通知情報を受信したと判定する場合(ステップS67で「YES」の場合)、通知情報を出力する(ステップS68)。なお、本ステップで警報出力部215が受信する通知情報は、図12のステップS39で通報管理装置10により送信される。その後、警報出力部215は本フローチャートの処理を終了する。
図15は、第2の実施形態における端末装置20の警報出力処理の一例を示すフローチャート(その2)である。本フローチャートは、端末装置20が端末装置20から警報要求情報を受信した場合に実行される処理の一例を示すものである。
まず、警報出力部215は、端末装置20から警報要求情報を受信する(ステップS71)。本ステップにおいて、警報出力部215が受信する警報要求情報は、図13のステップS46、ステップS47、又はステップS51において、他の端末装置20から送信され、他端末装置送受信部252を介して警報出力部215により受信される。
ステップS72において行われる処理は、図14のステップS62において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS72において、端末側通報種別判定部217が、警報要求情報に含まれる通報種別が、「通報種別1」か、又は「通報種別3」に属すると判定する場合(ステップS72で「通報種別1又は3」の場合)、警報出力部215は、警報を出力する(ステップS73)。具体的には、警報出力部215は、警報情報222を参照し、警報要求情報に含まれる種別と関連する警報内容を特定する。警報出力部215は、特定した警報内容を出力する。換言すれば、警報出力部215は、「通報種別1」、又は「通報種別3」の通報種別を含む通報要求情報を受信すると、通報要求情報を送信した他の端末装置20が近傍に位置するか否かに関わらず、警報を出力する。その後、警報出力部215は本フローチャートの処理を終了する。
端末側通報種別判定部217が、通報種別が「通報種別2」に属すると判定する場合(ステップS72で「通報種別2」の場合)、位置情報特定部213は、自機の位置情報を特定する(ステップS74)。本ステップで行われる処理は、図8のステップS26で行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、近傍判定部214は、他の端末装置20が自機の近傍に位置するか否かを判定する(ステップS75)。具体的には、近傍判定部214は、ステップS71で受信した警報要求情報に含まれる他の端末装置20の位置情報と、ステップS74で特定した自機の位置情報とを用いて、他の端末装置20と自機との距離を算出する。近傍判定部214は、算出した距離が所定距離以内である場合に、他の端末装置20が自機の近傍に位置すると判定する。近傍判定部214が、他の端末装置20が自機の近傍に位置しないと判定する場合(ステップS75で「NO」の場合)、近傍判定部214は本フローチャートの処理を終了する。
近傍判定部214が、他の端末装置20が自機の近傍に位置すると判定する場合(ステップS75で「YES」の場合)、警報出力部215は警報を出力する(ステップS76)。具体的には、警報出力部215は、警報情報222を参照し、ステップS71において受信した警報要求情報に含まれる種別と関連する警報内容を特定する。警報出力部215は、特定した警報内容を出力する。換言すれば、警報出力部215は、「通報種別2」の通報種別を含む通報要求情報を受信すると、通報要求情報を送信した他の端末装置20が近傍に位置する場合に、警報を出力する。なお、本ステップで出力される警報出力画面270には、警報を確認した行政担当者の入力操作を受け付ける確認ボタン274が表示されている。
次に、端末側未確認端末通知部218は、所定時間以内に確認ボタン274が選択されたか否かを判定する(ステップS77)。具体的には、端末側未確認端末通知部218は、ステップS76において警報を出力してから所定時間以内に、確認ボタン274が選択されたか否かを判定する。
端末側未確認端末通知部218が、所定時間以内に確認ボタン274が選択されたと判定する場合(ステップS77で「YES」の場合)、端末側未確認端末通知部218は、警報を確認したことを示す情報を送信する(ステップS78)。端末側未確認端末通知部218は、ステップS71において受信した警報要求情報を送信した端末装置20に対し、警報を確認したことを示す情報を送信する。
ステップS79及びステップS80において行われる処理は、図14のステップS67及びステップS68において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
端末側未確認端末通知部218が、所定時間以内に確認ボタン274が選択されていないと判定する場合(ステップS77で「NO」の場合)、端末側未確認端末通知部218は、警報を確認していないことを示す情報を送信する(ステップS81)。端末側未確認端末通知部218は、ステップS71において受信した警報要求情報を送信した端末装置20に対し、警報を確認していないことを示す情報を送信する。その後、端末側未確認端末通知部218は、本フローチャートの処理を終了する。
なお、ステップS78又はステップS81において、端末側未確認端末通知部218から送信される情報は、図13のステップS48において、他の端末装置20が受信する。
図16は、第2の実施形態における種別入力画面280及び警報出力画面270の一例を示す図である。図16(A)は、第2の実施形態における種別入力画面280の一例を示す図であり、図16(B)は、第2の実施形態における警報出力画面270の一例を示す図である。
図16(A)に示すように、種別入力画面280は、複数の通報種別候補の中から、通報種別の選択を受け付ける画面である。例えば、図16(A)に示す通報種別候補のうち、「不審者」、「ケンカ」、「ケガ」、「病人」は、「通報種別2」に該当し、「クレーマー」は、「通報種別3」に該当し、「火事」は、「通報種別1」に該当する。
図16(B)に示す警報出力画面270に含まれる警報出力領域273には、確認ボタン274が表示される。前述したように、確認ボタン274が選択されると、警報要求情報を送信した端末装置20又は通報管理装置10に対し、警報を確認したことを示す情報が送信される。
以上、本実施形態によれば、通報を行う行政担当者の通報種別の入力に基づいて、警報内容が決定されるため、警報を確認する行政担当者は、状況を適切に把握することができる。また、出力された警報を確認していない行政担当者を、確認した行政担当者に通知することができるため、未確認の行政担当者への対処が可能となる。従って、状況に応じて適切に警報の内容を行政担当者に通知し、対処を促すことができる。
<第3の実施形態>
図17は、第3の実施形態における行政窓口通報システム1の機能ブロックの一例を示す図である。本実施形態では、警報を出力する端末装置20は、通報要求を行った端末装置20との距離に応じて異なる内容の情報を出力する。なお、本実施形態では、種別入力画面280において、「不審者」が選択された場合に「通報種別2」に該当するものと判定される。
通報管理装置10の処理部110は、通報要求受付部111と、近傍端末抽出部112と、管理装置側警報要求部113と、管理装置側通報種別判定部114と、管理装置側未確認端末通知部115とのほか、管理装置側表示内容決定部116を有する。管理装置側表示内容決定部116は、通報要求を送信した端末装置20と、警報要求情報の送信先となる端末装置20との距離に応じて、異なる内容の警報を表示内容に決定する。また、管理装置側表示内容決定部116は、当該距離に応じて、警報を出力する端末装置20を有する行政担当者の確認を要求するか否かを決定する。
通報管理装置10の記憶部120は、設置位置情報121と、警報情報122とのほか、管理装置側経路情報123と、管理装置側容姿情報124と、を記憶する。管理装置側経路情報123は、行政施設に設けられた通路を示す情報である。例えば、管理装置側経路情報123を参照することにより、端末装置20の所在地から、行政施設の出口までの経路を特定することができる。
管理装置側容姿情報124は、不審者が現れた場合の、不審者の容姿を示す情報である。本実施形態では、通報要求受付部111が、通報要求に含まれる不審者の容姿に関する情報を、管理装置側容姿情報124として記憶部120に記憶させる。なお、本実施形態における設置位置情報121は、位置情報121dを含む。
端末装置20の処理部210は、通報指示受付部211と、端末側警報要求部212と、位置情報特定部213と、近傍判定部214と、警報出力部215と、管理装置要求可否判定部216と、端末側通報種別判定部217と、端末側未確認端末通知部218とのほか、端末側表示内容決定部219を備える。端末側表示内容決定部219は、警報要求情報を送信した端末装置20と自機との距離に応じて、異なる内容の情報を表示内容に決定する。即ち、本実施形態における警報出力部215は、他の端末装置20と自機との距離に応じて、出力する警報の内容を異ならせる。また、端末側表示内容決定部219は、当該距離に応じて、確認ボタン274を表示するか否かを決定する。
なお、本実施形態における通報指示受付部211は、不審者の容姿を含む通報要求の入力操作を受け付ける。
端末装置20の記憶部220は、通知先情報221と、警報情報222とのほか、端末側経路情報223と、端末側容姿情報224と、を記憶している。端末側経路情報223は、管理装置側経路情報123と同様に、行政施設に設けられた通路を示す情報である。端末側容姿情報224は、通報指示受付部211が通報要求の入力操作を受け付ける際に、行政担当者により入力される、不審者の容姿に関する情報である。
図18は、第3の実施形態における端末装置20の警報要求処理の一例を示すフローチャートである。ステップS91で行われる処理は、図13のステップS41で行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、通報指示受付部211は、通報種別が不審者に関するか否かを判定する(ステップS92)。具体的には、通報指示受付部211は、ステップS91で通報ボタン271の操作を受け付けた際に、種別入力画面280において入力された種別が、不審者の種別(即ち「通報種別2」)であるか否かを判定する。
通報指示受付部211が、通報種別が不審者に関すると判定する場合(ステップS92で「YES」の場合)、通報指示受付部211は、容姿入力画面290を表示して容姿の入力を受け付ける(ステップS93)。通報指示受付部211が入力を受け付けた、不審者の容姿を示す情報を、容姿情報として説明する。通報指示受付部211は、入力された容姿情報を、端末側容姿情報224に記憶させる。
図22は、第3の実施形態における容姿入力画面290の一例を示す図である。容姿入力画面290は、例えば図22に示すように、「性別」、「年齢」等の属性のほか、「トップス」、「ボトムス」等の服装の類型に対する選択肢を表示する。なお、容姿入力画面290において入力を受け付ける容姿は、図22に示す例に限定されない。
説明を図18に戻す。ステップS93の処理の次に、又は、ステップS92において、通報指示受付部211が、通報種別が不審者に関するものでないと判定する場合(ステップS92で「NO」の場合)、通報指示受付部211は、通報種別を含む通報要求情報を、通報管理装置10に送信する(ステップS94)。なお、通報指示受付部211は、ステップS93において、不審者の容姿に関する情報の入力を受け付けた場合、入力された情報を通報要求情報に含めて送信する。
ステップS95~S98において行われる処理は、図13のステップS43~S46において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS97において、端末側通報種別判定部217が、通報種別が「通報種別2」に属すると判定する場合(ステップS97で「通報種別2」である場合)、端末側警報要求部212は、すべての端末装置20に、位置情報、通報種別、及び不審者の容姿情報を含む警報要求情報を送信する(ステップS99)。
具体的には、端末側警報要求部212は、通知先情報221を参照し、行政窓口通報システム1に含まれる1又は複数の他の端末装置20を抽出する。端末側警報要求部212は、抽出したすべての端末装置20に対し、ステップS96で特定した自機の位置情報と、ステップS91で入力を受け付けた通報種別と、ステップS93で入力を受け付けた不審者の容姿情報とを含む警報要求情報を生成する。端末側警報要求部212は、生成した警報要求情報を、抽出したすべての端末装置20に送信する。
ステップS100~S103において行われる処理は、図13のステップS48~S51において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。その後、端末側警報要求部212は、本フローチャートの処理を終了する。
図19は、第3の実施形態における通報管理装置10の警報要求処理の一例を示すフローチャートである。ステップS111~S115において行われる処理は、図12のステップS31~S35において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。なお、ステップS111において、受信した通報要求情報に容姿情報が含まれる場合、通報要求受付部111は、容姿情報を管理装置側容姿情報124に記憶させる。
次に、管理装置側表示内容決定部116は、通報要求情報を送信した端末装置20の位置を特定する(ステップS116)。具体的には、管理装置側表示内容決定部116は、設置位置情報121を参照し、ステップS111で通報要求情報を送信した端末装置20の位置情報121dを特定する。
次に、管理装置側表示内容決定部116は、抽出した端末装置20と通報要求情報を送信した端末装置20との距離を特定する(ステップS117)。具体的には、管理装置側表示内容決定部116は、設置位置情報121を参照し、ステップS115で抽出した近傍の端末装置20の各々について、位置情報121dを特定する。管理装置側表示内容決定部116は、ステップS116で特定した端末装置20の位置情報を用いて、近傍の端末装置20の各々と、通報要求情報を送信した端末装置20との距離を特定する。管理装置側表示内容決定部116は、近傍の端末装置20の各々について、ステップS118以降の処理を実行する。
次に、管理装置側表示内容決定部116は、距離が第1の閾値未満であるか否かを判定する(ステップS118)。具体的には、近傍の端末装置20と、通報要求情報を送信した端末装置20との距離が、第1の閾値未満であるか否かを判定する。
管理装置側表示内容決定部116は、距離が第1の閾値未満であると判定する場合(ステップS118で「YES」の場合)、通報要求を送信した端末装置20の位置に対する避難経路情報を生成する(ステップS119)。具体的には、管理装置側表示内容決定部116は、管理装置側経路情報123を参照し、処理対象として特定した近傍の端末装置20から行政施設の外に避難するための経路を特定する。なお、管理装置側表示内容決定部116は、通用要求情報を送信した端末装置20の位置から遠ざかる方向に避難するよう、避難経路を特定する。避難経路の特定には、公知の方法を用いる。
次に、管理装置側表示内容決定部116は、避難経路情報・不審者の容姿・及び警報確認要求を含む警報要求情報を、抽出した端末装置20に送信する(ステップS120)。具体的には、管理装置側表示内容決定部116は、ステップS119で生成した避難経路情報と、通報要求情報に含まれる不審者の容姿情報と、警報の確認要求を示す情報とを含む警報要求情報を生成する。管理装置側表示内容決定部116は、生成した警報要求情報を、処理対象の端末装置20に送信する。
ステップS121からステップS123において行われる処理は、図12のステップS37からステップS39において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS118において、管理装置側表示内容決定部116は、距離が第1の閾値未満でないと判定する場合(ステップS118で「NO」の場合)、距離が第1の閾値以上第2の閾値未満であるか否かを判定する(ステップS124)。
管理装置側表示内容決定部116は、距離が第1の閾値以上第2の閾値未満であると判定する場合(ステップS124で「YES」の場合)、不審者の容姿を含む警報要求情報を、抽出した端末装置20に送信する(ステップS125)。具体的には、管理装置側表示内容決定部116は、通報要求情報に含まれる不審者の容姿情報を含む警報要求情報を生成し、処理対象の端末装置20に送信する。その後、管理装置側表示内容決定部116は、本フローチャートの処理を終了する。
管理装置側表示内容決定部116は、距離が第1の閾値以上第2の閾値未満でないと判定する場合(ステップS124で「NO」の場合)、即ち、距離が第2の閾値以上であると判定する場合、不審者が現れたことを示す情報を含む警報要求情報を、抽出した端末装置20に送信する(ステップS126)。具体的には、管理装置側表示内容決定部116は、不審者が現れたことを示す情報を含む警報要求情報を生成し、処理対象の端末装置20に送信する。その後、管理装置側表示内容決定部116は、本フローチャートの処理を終了する。
ステップS127において行われる処理は、図12に示すステップS40において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
なお、本実施形態において、管理装置側表示内容決定部116は、通報要求を行った端末装置20と他の端末装置20との距離が第1の閾値未満である場合に、不審者の容姿と避難経路に関する情報とを他の端末装置20に表示させる。また、管理装置側表示内容決定部116は、当該距離が第1の閾値以上第2の閾値未満である場合に、不審者の容姿を他の端末装置20に表示させる。また、管理装置側表示内容決定部116は、当該距離が第2の閾値以上である場合に、不審者が現れたことを示す情報を表示させる。管理装置側表示内容決定部116が他の端末装置20に表示させる情報は、本例に限定されない。
また、本実施形態では、ステップS120において、当該距離が第1の閾値未満である場合に、警報の確認要求を示す情報を警報要求情報に含めて端末装置20に送信する。しかしながら、警報の確認要求は、当該距離の如何、及び種別の如何に関わらず、端末装置20に送信してもよい。即ち、ステップS114、S125、S126、又はS127において端末装置20に送信する警報要求情報に、警報の確認要求を示す情報を含めてもよい。
図20は、第3の実施形態における端末装置20の警報出力処理の一例を示すフローチャート(その1)である。本フローチャートは、図14に示す第2の実施形態における警報出力処理と同様に、端末装置20が通報管理装置10から警報要求情報を受信した場合、即ち第1通報方式の際に実行される処理の一例を示すものである。ステップS131からステップS133において行われる処理は、図14のステップS61からS63において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS132において、端末側種別判定部が、通報種別が「通報種別2」に属すると判定する場合(ステップS132で「通報種別2」の場合)、警報出力部215は、警報要求情報に警報確認要求が含まれるか否かを判定する(ステップS134)。具体的には、警報出力部215は、ステップS131において受信した警報要求情報に、警報の確認要求を示す情報が含まれるか否かを判定する。なお、本実施形態では、図19のステップS120において、警報確認要求が含まれる警報要求情報が通報管理装置10から送信された場合に、警報出力部215は警報要求情報に警報の確認要求を示す情報が含まれると判定する。
警報出力部215が、警報要求情報に警報確認要求が含まれると判定する場合(ステップS134で「YES」の場合)、警報出力部215は、警報要求情報に応じて、確認ボタン274を含む警報を出力する(ステップS135)。
本実施形態において、図19のステップS120では、通報管理装置10は、避難経路情報、不審者の容姿、及び警報確認要求を含む警報要求情報を送信する。従って、ステップS135において、警報出力部215は、警報要求情報に応じて、避難経路、不審者の容姿、及び確認ボタン274を含む出力情報を生成し、出力する。ステップS136からステップS139において行われる処理は、図14のステップS65からステップS68において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
図23は、第3の実施形態における警報出力画面300の一例を示す図である。警報出力画面300は、避難経路表示領域301と、容姿表示領域302と、警報表示領域303とを含む。避難経路表示領域301には、行政施設の有する経路上に、自機位置3011と、不審者の位置3012とが表示され、自機位置3011から行政施設の出口までの避難経路3013が表示される。
容姿表示領域302は、不審者の容姿を表示する領域である。図23に示すように、容姿表示領域302には、警報要求を送信した端末装置20により入力された容姿の写真やキャラクター画像を表示することができる。不審者に見立てた画像を表示することで、警報を参照した行政担当者が不審者の容姿を直感的に認識することができる。
付言すれば、本実施形態では、通報要求を行った端末装置20の位置が、不審者の位置であると推定される。即ち、警報出力部215は、通報要求を行った端末装置20の位置に、不審者の位置3012を表示する。
警報表示領域303は、通報種別に応じた警報内容を表示する領域である。端末装置20は、警報の確認要求が必要である場合には、警報表示領域に確認ボタン274を表示させる。
説明を図20に戻す。ステップS134において、警報出力部215が、警報要求情報に警報確認要求が含まれないと判定する場合(ステップS134で「NO」の場合)、警報出力部215は、警報要求情報に応じて警報を出力する(ステップS140)。具体的には、ステップS131で受信した警報要求情報が、図19のステップS125において送信される情報である場合、警報出力部215は、警報要求情報に含まれる不審者の容姿を示す容姿表示領域302を含む警報を出力する。また、ステップS131で受信した警報要求情報が、図19のステップS126において送信される情報である場合、警報出力部215は、不審者が現れたことを示す警報を出力する。その後、警報出力部215は本フローチャートの処理を終了する。
以上、本実施形態では、通報管理装置10の管理装置側表示内容決定部116は、通報要求を行った端末装置20と、他の端末装置20との距離に応じて、他の端末装置20に表示させる警報の内容を決定する。また、管理装置側表示内容決定部116は、警報の内容として、不審者の容姿及び/又は端末装置20の位置から出口までの経路を他の端末装置20に表示させる。これにより、通報管理装置10を介して警報を出力する第1通報方式において、距離に応じた適切な情報を端末装置20に表示させることができる。
図21は、第3の実施形態における端末装置20の警報出力処理の一例を示すフローチャート(その2)である。ステップS141からステップS144において行われる処理は、図15のステップS71からステップS74において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、端末側表示内容決定部219は、警報を要求する端末装置20との距離を特定する(ステップS145)。具体的には、端末側表示内容決定部219は、ステップS141において受信した警報要求情報に含まれる、他の端末装置20の位置情報を特定する。なお、ステップS141において受信した警報要求情報は、図18のステップS99において、他の端末装置20から送信された情報である。
次に、端末側表示内容決定部219は、ステップS145において特定した距離が、第1の閾値未満であるか否かを判定する(ステップS146)。
端末側表示内容決定部219が、距離が第1の閾値未満であると判定する場合(ステップS146で「YES」の場合)、警報出力部215は、避難経路・不審者の容姿・及び確認ボタン274を含む警報を出力する(ステップS147)。具体的には、警報出力部215は、図23に示すような、避難経路表示領域301と、容姿表示領域302と、警報表示領域303とを含む警報出力画面300を表示する。
換言すれば、警報出力部215は、警報要求情報を出力した他の端末装置20と自機との距離が第1の閾値未満である場合に、自機の位置から出口までの経路を表示する。また、警報出力部215は、他の端末装置20と自機との距離が第2の閾値未満である場合に、不審者の容姿を表示する。
ステップS148からステップS152において行われる処理は、図15のステップS77からステップS81において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。その後、警報出力部215は本フローチャートの処理を終了する。
端末側表示内容決定部219が、距離が第1の閾値未満でないと判定する場合(ステップS146で「NO」の場合)、警報出力部215は、距離が第1の閾値以上第2の閾値未満であるか否かを判定する(ステップS153)。
端末側表示内容決定部219が、距離が第1の閾値以上第2の閾値未満であると判定する場合(ステップS153で「YES」の場合)、警報出力部215は、不審者の容姿を含む警報を出力する(ステップS154)。具体的には、警報出力部215は、不審者の容姿を表示する容姿表示領域302を含む警報出力画面300を出力する。その後、警報出力部215は本フローチャートの処理を終了する。
端末側表示内容決定部219が、距離が第1の閾値以上第2の閾値未満でないと判定する場合(ステップS153で「NO」の場合)、即ち、端末側表示内容決定部219が、距離が第2の閾値以上であると判定する場合、警報出力部215は、不審者が現れたことを示す警報を出力する(ステップS155)。その後、警報出力部215は本フローチャートの処理を終了する。
本実施形態において、端末側表示内容決定部219は、管理装置側表示内容決定部116と同様に、通報要求を行った端末装置20と他の端末装置20との距離が第1の閾値未満である場合に、不審者の容姿と避難経路に関する情報とを他の端末装置20に表示させ、当該距離が第1の閾値以上第2の閾値未満である場合に、不審者の容姿を他の端末装置20に表示させ、当該距離が第2の閾値以上である場合に、不審者が現れたことを示す情報を表示させる。第2通報方式においても、端末側表示内容決定部219が表示する情報は、本例に限定されない。
以上、本実施形態によれば、通報管理装置10を介さずに警報を出力する第2通報方式においても、警報要求を出力する端末装置20との距離に応じて出力内容を決定することができる。即ち、本実施形態の行政窓口通報システム1によれば、行政窓口でのトラブル発生の際に、状況に応じた警報出力を行うことができる。また、警報を確認していない端末装置20が存在する場合に、確認した端末装置20に通知することで、より確実に行政担当者に警報を知らせることができる。
以上、本発明に係る各実施形態及び変形例の説明を行ってきたが、本発明は、上記した実施形態の一例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態の一例は、本発明を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本発明は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の一例の構成の一部を他の一例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の一例の構成に他の一例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の一例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、図中の制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、全てを示しているとは限らない。ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
また、上記の通報管理装置10、及び端末装置20の機能構成は、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。上述の通り、上記の通報管理装置10、及び端末装置20の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。