JP2024077262A - 塗料組成物 - Google Patents

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侑子 井藁
達也 鈴木
宏典 筒井
信之 名畑
悟 相澤
卓也 村上
拓海 露木
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Abstract

【課題】ハイライトにおいては高明度で色ボケが生じにくく、シェードにおいては低明度の彩度と光輝感とを両立しうる塗料組成物を提供する。【解決手段】樹脂と、顔料としてカーボンナノチューブと光輝性顔料と前記カーボンナノチューブ以外の着色顔料と、を含み、全固形分中、前記カーボンナノチューブを0.4質量%以上8.1質量%以下の範囲で含有し、前記光輝性顔料を11.2質量%以上の範囲で含有することを特徴とする、塗料組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、塗料組成物に関する。
自動車車体などの高い意匠性が必要とされる分野においては、光輝性顔料を含有する光輝性塗料を用いた塗膜が必要とされており、高いフリップフロップ性を有すること等の高品質な外観が要望されている。
自動車等の工業製品において、メタリック塗色は人気が高いものとなっている。その中で、ハイライト(正反射光近傍)では明度が高く、シェード(斜め方向)では明度の低い塗色への要求がある。メタリック塗色において、明度や色相を調整する場合には、通常、黒色顔料および光輝性顔料が使用される。例えば、下記特許文献1には、シルバーやグレーのメタリック塗色のための塗料組成物であって、鱗片状アルミニウム顔料などの鱗片状光輝性顔料および一次粒子径が20nm以上100nm以下のカーボンブラック顔料を含む塗料組成物が開示されている。当該構成により、ハイライトにおいては高明度であり、シェードにおいては低明度の青味の色相が得られるとされている。
特開2011-127026号公報
しかしながら、特許文献1の技術を採用した場合であっても、ハイライトにおいて白ボケが生じてしまう場合があることがわかった。また、メタリック塗色では、シェードにおいて低明度の色が高い彩度を有すると同時に光輝感が感じられることも求められている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ハイライトにおいては高明度で色ボケが生じにくく、シェードにおいては低明度の彩度と光輝感とを両立しうる塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、樹脂と顔料とを含む塗料組成物において、黒色顔料としてカーボンナノチューブを用い、カーボンナノチューブおよび光輝性顔料の含有量をそれぞれ所定の範囲に制御することにより、上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明の一形態は、樹脂と、顔料としてカーボンナノチューブと光輝性顔料と前記カーボンナノチューブ以外の着色顔料と、を含み、全固形分中、前記カーボンナノチューブを0.4質量%以上8.1質量%以下の範囲で含有し、前記光輝性顔料を11.2質量%以上の範囲で含有することを特徴とする、塗料組成物である。
本発明の塗料組成物によれば、ハイライトにおいては高明度で色ボケが生じにくく、シェードにおいては低明度の彩度と光輝感とが両立しうる。
本発明の一実施形態による積層塗膜の概略断面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(塗料組成物)
本発明の一形態は、樹脂と、顔料としてカーボンナノチューブと光輝性顔料と前記カーボンナノチューブ以外の着色顔料と、を含み、全固形分中、前記カーボンナノチューブを0.4質量%以上8.1質量%以下の範囲で含有し、前記光輝性顔料を11.2質量%以上の範囲で含有することを特徴とする、塗料組成物である。
車両の塗装は車両の価値を変化させる重要な因子であり、高い意匠性が求められる。特にメタリック塗色やパール塗色では優れた彩度に加えて高い光輝感が得られることも重視される。メタリック塗色において明度や色相を調整する場合には、上記特許文献1に記載されるように、光輝性顔料を含む塗料組成物に黒色顔料であるカーボンブラックを添加する方法が用いられている。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、メタリック色にカーボンブラックを用いると、ハイライトが白ボケしてしまう問題があることがわかった。これは、カーボンブラックは粒子形状のため、その表面の凹凸によって光が拡散すると白く見えることによるものと考えられる。
これに対して、本実施形態の塗料組成物では、黒色顔料としてカーボンナノチューブを用いる。カーボンナノチューブは、光がチューブ内部で吸収、減衰を繰り返す(鳥かご効果)ため、カーボンブラックよりも光の吸収効率が高く反射が抑えられる。そのため、カーボンナノチューブは少量の添加でも高い着色力を示し、メタリック色にて光輝感をスポイルしにくく、明度も維持することができる。また、光の拡散が起こりにくく、ハイライトやシェード部に見られる白ボケが生じない。
さらに、カーボンナノチューブの含有量および光輝性顔料の含有量をそれぞれ所定の範囲に制御することで、優れた彩度と光輝感とを両立することができる。その結果、ハイライトにおいては高明度で色ボケが生じにくく、シェードにおいては低明度の彩度と光輝感とが両立されることが明らかになった。
本実施形態の塗料組成物は、全固形分中、カーボンナノチューブを0.4質量%以上8.1質量%以下の範囲で含有し、光輝性顔料を11.2質量%以上の範囲で含有する。2種類以上のカーボンナノチューブを用いる場合は、その合計量が上記範囲である。同様に、2種類以上の光輝性顔料を用いる場合は、その合計量が上記範囲である。
塗料組成物中のカーボンナノチューブの含有量が全固形分中0.4質量%未満であると、シェードにおいて低明度の彩度が十分に得られない。そのため、シェードにおける低明度の彩度と光輝感とを両立することができない。一方、8.1質量%を超えると、シェードにおける光輝感が十分に得られず、シェードにおける低明度の彩度と光輝感とを両立することができない。カーボンナノチューブの含有量は、塗料組成物中の全固形分中、好ましくは0.5~8.1質量%であり、好ましくは0.6~8.1質量%であり、さらに好ましくは0.6~3.3質量%であり、さらにより好ましくは0.6~3.0質量%であり、さらにより好ましくは2.0~3.0質量%であり、特に好ましくは2.1~2.9質量%である。上記範囲であると本発明の効果がより顕著に得られうる。
また、塗料組成物中の光輝性顔料の含有量が全固形分中11.2質量%未満であると、シェードにおける光輝感が十分に得られず、シェードにおける低明度の彩度と光輝感とを両立することができない。
光輝性顔料の含有量の上限値は特に制限されないが、塗料組成物の全固形分中、例えば60質量%以下であり、好ましくは35質量%以下であり、さらに好ましくは31.3質量%以下である。このような範囲であると、前記塗料組成物を用いて得られた塗膜の密着性に優れる。光輝性顔料の含有量は、前記塗料組成物の全固形分中、22.0~32.0質量%であることが好ましく、24.0~26.0質量%であることがより好ましく、24.1~25.8質量%であることがさらにより好ましい。このような範囲であると、本発明の効果がより顕著に得られうる。
以下、本実施形態の塗料組成物の構成について説明する。
(カーボンナノチューブ)
カーボンナノチューブは、平面的なグラファイトを円筒状に巻いた形状を有している。カーボンナノチューブは、グラファイト層を1層巻いた構造を持つ単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、2層またはそれ以上で巻いた多層カーボンナノチューブ(MWCNT)或いはこれらが混在するものを用いることができる。コスト面や着色効果の面から多層カーボンナノチューブ(MWCNT)が好ましい。また、カーボンナノチューブの側壁がグラファイト構造ではなく、アモルファス構造をもったカーボンナノチューブでもよい。
カーボンナノチューブの形状は特に限定されないが、針状、円筒チューブ状、魚骨状(フィッシュボーンまたはカップ積層型)、トランプ状(プレートレット)、コイル状の形態などが例示できる。カーボンナノチューブの例としては、グラファイトウィスカー、フィラメンタスカーボン、グラファイトファイバー、極細炭素チューブ、カーボンチューブ、カーボンフィブリル、カーボンマイクロチューブ、カーボンナノファイバーなどを挙げることができる。カーボンナノチューブは、1種または2種以上を組み合わせた形態において使用することができる。
本発明においては、魚骨状(フィッシュボーン、カップ積層型)、トランプ状(プレートレット)、コイル状以外のカーボンナノチューブを用いることが好ましい。特に、針状または円筒チューブ状のカーボンナノチューブを用いることが好ましい。魚骨状、トランプ状、コイル状以外のカーボンナノチューブを用いると、塗料組成物または塗膜の製造時に発生するせん断応力によるグラファイトシートの積層面(x-y面)におけるカーボンナノチューブの切断が起こりにくい。すなわち、製造時にカーボンナノチューブの三次元構造が破壊されにくい。このため、カーボンナノチューブが樹脂中で充分なネットワーク構造を形成でき、光閉じ込め効果が十分に得られうる。その結果、黒度が向上し、着色効果が向上しうる。
カーボンナノチューブの繊維径は、特に制限されないが、分散の容易さや色相の観点から、1~500nmが好ましく、5~100nmがより好ましい。
カーボンナノチューブの繊維長は、特に制限されないが、分散の容易さや色相の観点から、0.1~150μmが好ましく、1~100μmがより好ましい。
カーボンナノチューブの炭素純度は、特に制限されないが、カーボンナノチューブ100質量%中、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
カーボンナノチューブは、通常、二次粒子として存在している。この二次粒子の形状は、例えば一般的な一次粒子であるカーボンナノチューブが複雑に絡み合っている状態でもよく、ほぐれ易くカーボンナノチューブを直線状にしたものの集合体であってもよい。直線状のカーボンナノチューブの集合体である二次粒子は絡み合っているものと比べると分散性がよいので好ましい。
カーボンナノチューブは、表面処理を行ったものや、カルボキシル基などの官能基を付与させたものであってもよい。また、有機化合物や金属原子、フラーレン等を内包させたカーボンナノチューブ等も用いることができる。なお、表面処理を行ったものや官能基を付与させたものを用いる場合、カーボンナノチューブの含有量は、表面処理剤や官能基を含む質量に基づいて算出するものとする。また、内包物を有する場合は、カーボンナノチューブの含有量は、内包物の質量を含めた質量に基づいて算出するものとする。
なお、本実施形態の塗料組成物は、カーボンナノチューブ以外の黒色顔料をさらに含んでもよい。カーボンナノチューブ以外の黒色顔料としては、例えば、アニリンブラック、アンスラキノンブラック、ペリレンブラック等の有機黒色顔料;カーボンブラック、ランプブラック、グラファイト、マグネタイト、鉄-チタン複合酸化物、酸化コバルト、二酸化マンガン、硫化亜鉛、銅-クロム複合酸化物、スズ-アンチモン複合酸化物、チタン-バナジウム-アンチモン複合酸化物、コバルト-ニッケル複合酸化物、マンガン-鉄複合酸化物、鉄-コバルト-クロム複合酸化物、銅-クロム複合酸化物、鉄-コバルト複合酸化物、クロム-鉄-ニッケル複合酸化物、二硫化モリブデン、黒色二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム等の無機黒色顔料が挙げられる。
ただし、本実施形態の塗料組成物において、黒色顔料としてのカーボンナノチューブは、前記塗料組成物に含まれる全黒色顔料中、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、97質量%以上であることがさらに好ましく、99質量%以上であることがさらにより好ましく、99.5質量%以上であることが特に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
カーボンナノチューブの入手方法は特に制限されず、市販のカーボンナノチューブ分散液を用いてもよい。
(光輝性顔料)
光輝性顔料とは、パールのような光沢もしくは金属性の光沢を有する顔料である。具体的には、光輝性顔料の表面で反射する光のばらつきにより、見る角度によって見え方が異なる顔料である。
光輝性顔料としては、例えば、アルミニウムフレーク、金属酸化物被覆アルミナフレーク、金属酸化物被覆シリカフレーク、金属酸化物被覆マイカ、チタンフレーク、ステンレスフレーク、板状酸化鉄顔料、ガラスフレーク、ホログラム顔料、パール顔料、二酸化チタン、二酸化スズ、酸化アルミニウム、フタロシアニンフレークなどが挙げられる。ガラスフレークとしては、特に制限されないが、金属メッキガラスフレーク、二酸化チタン被覆ガラスフレークなどの金属酸化物被覆ガラスフレークが好ましく用いられうる。2種類以上の光輝性顔料を用いてもよい。
本実施形態の塗料組成物においてはフレーク状の光輝性顔料を用いることが好ましい。フレーク状の光輝性顔料の平均粒子径は、通常、5~50μm程度が好ましく、5~30μm程度がより好ましい。平均厚みは、通常、0.01~2μmが好ましく、0.05~1.5μm程度がより好ましい。平均粒子径と平均厚みとの比(平均粒子径/平均厚み)は、通常、5~500程度が好ましく、20~300程度がより好ましい。
光輝性顔料としては、天然の雲母などの基材に二酸化チタンや酸化鉄、酸化スズ、酸化アルミニウムなどの金属酸化物をコートしたコーティング層を有するパール顔料を用いることが好ましい。上記パール顔料は、コーティング層が着色されたものであってもよく、コーティング層の外側にさらに着色コーティングされたものであってもよい。パール顔料としては、例えば、メルク社製パール顔料Iriodin 100 Silver Pearl、Iriodin 103 Rutil Sterling Silver、Iriodin 111 Rutile Fine Satin、Iriodin 120 Lustre Satin、Iriodin 123 Bright Lustre Satin、Iriodin 151 Lustre Pearl、Iriodin 153 Flash Pearl、Iriodin 163 Shimmer Pearl、Iriodin 183 Supernova White、Iriodin 201 Rutile Fine Gold、Iriodin 211 Rutile Fine Red、Iriodin 221 Rutile Fine Blue、Iriodin 223 Rutile Fine Lilac、Iriodin 231 Rutile Fine Green、Iriodin 205 Rutile Platinam Gold、Iriodin 215 Rutile Red Pearl、Iriodin 217 Rutile Copper Pearl、Iriodin 219 Rutile Lilac Pearl、Iriodin 225 Rutile Blue Pearl、Iriodin 235 Rutile Green Pearl、Iriodin 249 Flash Gold、Iriodin 259 Flash Red、Iriodin 289 Flash Blue、Iriodin 299 Flash Green、Iriodin 300 Gold Pearl、Iriodin 302 Gold Satin、Iriodin 303 Royal Gold、Iriodin 306 Olympic Gold、Iriodin 309 Medallion Gold、Iriodin 320 Bright Gold Satin、Iriodin 323 Royal Gold Satinl、Iriodin 351 Sunny Gold Pearl、Iriodin 355 Glitter Gold、Iriodin 500 Bronze、Iriodin 502 Red Brown、Iriodin 504 Red、Iriodin 505 Red Violet、Iriodin 507 Searab Red、Iriodin 520 Bronze Satin、Iriodin 522 Red Brown Satin、Iriodin524 Red Satin、Iriodin 530 Glitter Bronze、Iriodin 532 Glitter Red Brown、Iriodin 534 Glitter Redなどが挙げられる。
さらに、光輝性顔料として、溶剤または水を含有しているペースト状のものを用いてもよい。例えば、東洋アルミニウム株式会社製のアルペースト 76シリーズ(7640NS等)、アルペースト 56シリーズ、アルペースト 54シリーズ(5422NS等)、アルペースト TCRシリーズ、アルペースト 63シリーズ(6340NS等)、アルペースト 46シリーズ、アルペースト WXシリーズ、アルペースト WLシリーズ、アルペースト EMERALシリーズ(EMR-B17640、EMR-D5422、EMR-D6340等)、旭化成株式会社製のMH-6601、MH8801、MH8802、MH-8805、MH-9901、BS-120、BS-240、BS-210、BS-400、O-2100、O-2130、GX-2140、GX-180A、GX-40A、GX-50A、GX-3108、GX-3109、GX-3100、GX4100、GX-3140、GX3160、GX3180、FD-5060、FD-4070、FD-408S、FD-508H、FD-512H等が挙げられる。
また、例えば、ロックペイント株式会社製のユニバーサルパールベースシリーズ(ユニバーサルパールベース5R、ユニバーサルパール2Pなど)、プロタッチシリーズが挙げられる。
本発明の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの含有量は、塗料組成物の全固形分中、0.6~3.3質量%であり、かつ、光輝性顔料の含有量は、塗料組成物の全固形分中、22.0~32.0質量%である。なかでも、塗料組成物の全固形分中、カーボンナノチューブの含有量が0.6~2.9質量%であり、かつ、光輝性顔料の含有量が24.1~28.9質量%であることが好ましい。このような範囲であると、本発明の効果がより一層顕著に得られうる。
本発明の他の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの含有量は、塗料組成物の全固形分中、2.0~3.0質量%であり、かつ、光輝性顔料の含有量は、塗料組成物の全固形分中、24.0~26.0質量%である。なかでも、塗料組成物の全固形分中、カーボンナノチューブの含有量が2.1~2.9質量%であり、かつ、光輝性顔料の含有量が24.1~25.8質量%であることが好ましい。このような範囲であると、本発明の効果がさらにより一層顕著に得られうる。
(着色顔料)
本実施形態の塗料組成物は、カーボンナノチューブ以外の着色顔料を含む。着色顔料とは、塗膜に所望の色彩を与えるための顔料をいい、通常、無彩色顔料と有彩色顔料に分類することができる。無彩色顔料としては、白色顔料および黒色顔料などが挙げられる。有彩色顔料としては、前記無彩色顔料を除く着色顔料が包含される。本形態の塗料組成物は、着色顔料として、カーボンナノチューブを除く上記の無彩色顔料と有彩色顔料とのいずれもを用いることができる。例えば、本形態の塗料組成物は、着色顔料として、有彩色顔料、白色顔料、およびカーボンナノチューブ以外の黒色顔料からなる群から選択される1以上の顔料を含む。好ましくは、本形態の塗料組成物は、着色顔料として、有彩色顔料、および白色顔料からなる群から選択される1以上の顔料を含む。ここで顔料の色は、特に断りがない限りは、色材としてその顔料を単独で使用して塗料組成物を形成した際に呈する色を意味する。例えば黒色顔料とは、色材として当該顔料を単独で使用して塗料組成物を形成した際に呈する色が黒色となる顔料である。なお、本明細書中、着色顔料は、光輝性顔料および後述の艶消し顔料を含まないものとする。
着色顔料としては、従来公知の種々の有機顔料および無機顔料から任意に選択することができ、色相ないし構造について特に限定されるものではない。例えばフタロシアニン系顔料、ジオキサジンバイオレット系顔料、インダンスレンブルー系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ系顔料、アントラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、キノキサリン系顔料および金属錯体系顔料が挙げられる。2種類以上の着色顔料を組み合わせて用いてもよい。
塗料組成物中の着色顔料の含有量は特に制限されないが、全固形分中、例えば0を超えて15.0質量%以下であり、好ましくは0.01~10.0質量%であり、さらに好ましくは0.05~8.0質量%である。上記範囲であれば意匠性により優れる。
[フタロシアニン系顔料]
フタロシアニン系顔料としては、C.I.ピグメントブルー(以下PBと略す)1、PB2、PB14、PB16、PB15:1、PB15:2、PB15:3、PB15:4、PB15:5、PB15:6、PB60、アルミニウムフタロシアニン、C.I.ピグメントグリーン(以下PGと略す)1、PG2、PG3、PG4、PG7、PG36、PG45、PG58、PG62、PG63等が挙げられる。
[ジオキサジンバイオレット系顔料]
ジオキサジンバイオレット系顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット(以下PVと略す)1、PV2、PV3、PV4、PV12、PV23、PV27、PV39、PV50等が挙げられる。
[インダンスレンブルー系顔料]
インダンスレンブルー系顔料としては、PB60、PB64等が挙げられる。
[ペリレン系顔料]
ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド(以下PRと略す)123、PR149、PR178、PR179(BASF社製、Paliogen Red L3885等)、PR190、PV29等が挙げられる。
[キナクリドン系顔料]
キナクリドン系顔料としては、PR122、PR202、PR206、PR207、PR209、PV19、PV42等が挙げられる。
[ジケトピロロピロール系顔料]
ジケトピロロピロール系顔料としては、PR254、PR255、PR264、C.I.ピグメントオレンジ(以下POと略す)71、PO73等が挙げられる。
[アゾ系顔料]
アゾ系顔料としては、PR1、PR3、PR5、PR9、PR17、PR48:1、PR48:2、PR48:3、PR57:1、PR112、PR114、PR116、PR139、PR144、PR146、PR150、PR170、PR185、PR187、PR188、PR221、PR242、PO5、PO13、PO16、PO31、PO34、PO36、PO38、C.I.ピグメントイエロー(以下PYと略す)14、PY74、PY83、PY93、PY150、PY213等が挙げられる。
[アントラキノン系顔料]
アントラキノン系顔料としては、PR168、PR177、PO40等が挙げられる。
[キノフタロン系顔料]
キノフタロン系顔料としては、PY138、PY231等が挙げられる。
[イソインドリン系顔料]
イソインドリン系顔料としては、PY139、PY185、PO66、PO69、PR260等が挙げられる。
[キノキサリン系顔料]
キノキサリン系顔料としては、PY213等が挙げられる。
[金属錯体系顔料]
金属錯体系顔料としては、PY117、PY129、PY150、PY153等が挙げられる。
また、着色顔料を含有している市販の塗料を用い、当該塗料に含まれる着色顔料を本形態の塗料組成物の着色顔料としてもよい。このような塗料としては、例えば、ロックペイント株式会社製のプロタッチシリーズ等が挙げられる。
塗料組成物中の着色顔料の含有量は特に制限されず、適宜調整されうる。
(艶消し顔料)
本実施形態の塗料組成物は、艶消し効果を得るために、艶消し顔料をさらに含むことが好ましい。艶消し顔料とは、塗膜表面の正反射の量を減らして光を拡散させることで、艶がなく落ちついた印象を与える顔料を意味する。艶消し仕上げは、一般にマット仕上げとも呼ばれる。艶消し顔料を用いることで塗膜表面のつやを調整することができる。
艶消し顔料としては、無水珪酸、含水珪酸等の珪酸類、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウムなどの珪酸化合物、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、石膏、クレー、タルク、アルミホワイトのような無機顔料、ポリ(メタ)アクリレート系、ポリスチレン系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系等の有機微粒子、アセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂などを挙げることができる。
具体的には、東ソー・シリカ株式会社製の、ニップシール、SS-50、およびE-200、ならびに富士シリシア化学株式会社製のサイリシア350を挙げることができる。
また、必要に応じて艶消し顔料を塗料化している艶消し剤を用いることができる。具体的にはフラットベース(ロックペイント株式会社製)、PGエコ(関西ペイント株式会社製)等が挙げられる。なかでも、ロックペイント株式会社製のプロタッチシリーズのフラットベースなどが用いられうる。
塗料組成物中の艶消し顔料の含有量は特に制限されず、適宜調整されうる。
(樹脂)
本実施形態の塗料組成物は、樹脂をさらに含む。樹脂としては、特に限定されないが、熱硬化性樹脂が好ましく用いられうる。例えば、水酸基、カルボキシル基、ケイ素含有基、エポキシ基、ブロックされていてもよいイソシアネート基などから選ばれた1種以上の架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などから選ばれた1種以上の基体樹脂と、これらの官能基と反応するメラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物(ブロック体も含む)、カルボキシ基含有化合物、エポキシ基含有化合物などから選ばれた1種以上の架橋剤とを含む混合物などが挙げられる。これらは有機溶剤および/または水などの溶剤に溶解または分散して使用されうる。
基体樹脂と架橋剤との割合としては、特に制限されないが、固形分換算で基体樹脂が90~50質量%、架橋剤が10~50質量%であり、好ましくは基体樹脂が85~60質量%であり、架橋剤が15~40質量%である。架橋剤が10質量%以上(基体樹脂が90質量%以下)であると、塗膜中の架橋が効率的に進行しうるため好ましい。一方、架橋剤が50質量%以下(基体樹脂が50質量%以上)であると、塗料組成物の貯蔵安定性に優れるとともに、硬化速度が大きくなりすぎないため良好な塗膜外観が得られるため好ましい。
アクリル樹脂としては、アクリル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体が挙げられる。上記共重合に使用し得るアクリル系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、2-エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、ベンジル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメタクリル酸2-ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加物類、アクリル酸またはメタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN-メチロールアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらと共重合可能な上記他のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニル等が挙げられる。
アクリル樹脂としては市販品を使用できる。市販品の商品名としては、例えば、DIC株式会社製のアクリディック54-172-60、アクリディックA-332、A-405、アクリディックA-452、アクリディック47-712、A-801-P等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂が挙げられ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、飽和多塩基酸、不飽和多塩基酸が挙げられ、飽和多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等が挙げられ、不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、二価アルコール、三価アルコール等が挙げられ、二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられ、三価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
上記樹脂が硬化性樹脂である場合には、基体樹脂が架橋剤と混合して用いられ、加熱または常温で硬化反応を進行させることができる。また、上記樹脂として、硬化性を有しないラッカータイプの樹脂と硬化性樹脂とを併用することも可能である。
また、市販の塗料に含まれるアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、特殊変性ポリエステル樹脂などの樹脂を本形態の塗料組成物の樹脂としてもよい。樹脂の含有量も特に制限されず、従来公知の知見が適宜参照されうる。
塗料組成物中の樹脂の含有量は特に制限されないが、全固形分中、例えば55~85質量%であり、好ましくは60~80質量%であり、さらに好ましく67~69質量%である。2種類以上の樹脂を用いる場合はその合計量が上記範囲であることが好ましい。上記範囲であれば意匠性と塗膜の耐久性の両立の観点で優れる。
(添加剤)
本実施形態の塗料組成物は、必要に応じて、界面活性剤、分散剤(好ましくは樹脂型分散剤)、濡れ浸透剤、皮張り防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、架橋剤、防腐剤、防カビ剤、粘度調整剤、pH調整剤、レベリング剤、消泡剤などの添加剤をさらに含んでもよい。
界面活性剤は主にアニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性に分類され、要求特性に応じて好適な種類、配合量を選択して使用することができる。
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、ポリスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸スルホン酸塩、グリセロールボレート脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステルなどが挙げられ、具体的にはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩、β-ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩などが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類があり、具体的にはステアリルアミンアセテート、トリメチルヤシアンモニウムクロリド、トリメチル牛脂アンモニウムクロリド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロリド、メチルオレイルジエタノールクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、ラウリルピリジニウムクロリド、ラウリルピリジニウムブロマイド、ラウリルピリジニウムジサルフェート、セチルピリジニウムブロマイド、4-アルキルメルカプトピリジン、ポリ(ビニルピリジン)-ドデシルブロマイド、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩などが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン誘導体、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルアリルエーテルなどが挙げられ、具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。
界面活性剤の選択に際しては1種類に限定されるものではなく、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との併用、カチオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との併用など、2種以上の界面活性剤を併用して使用することも可能である。好ましくは、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との併用である。アニオン性界面活性剤としてはポリカルボン酸塩が好ましく、ノニオン性界面活性剤はポリオキシエチレンフェニルエーテルが好ましい。
樹脂型分散剤としては、ポリウレタン;ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル;不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物;ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤;(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物;ポリエステル系樹脂、変性ポリアクリレート系樹脂、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系樹脂等が挙げられる。樹脂型分散剤は単独または2種以上を混合して用いることができる。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を意味する。
これらの添加剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で適宜配合することができる。
(溶剤)
本実施形態の塗料組成物は、溶剤をさらに含むことが好ましい。溶剤は特に限定されるものではなく、水、有機溶媒のいずれも用いることができる。
塗工時の作業性や硬化前後の乾燥性の観点から、沸点が50~250℃の有機溶媒が好ましい。具体的な有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1-ブタノールなどのアルコール系溶媒;アセトン、ブチルジグリコールアセテート、MEKなどのケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、3-エトキシプロピオン酸エチル(EEP)等のエステル系溶媒;ジブチルエーテル、エチレングリコール、モノブチルエーテル等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;脂環式炭化水素、イソパラフィン系炭化水素などの炭化水素系溶媒;およびN-メチル-2-ピロリドンなどの非プロトン性極性溶媒などを用いることができる。これらの溶剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
本発明の好ましい実施形態において、前記塗料組成物は、カーボンブラックを含まない。カーボンブラックの含有量は、塗料組成物の全固形分中、例えば0.3質量%未満であり、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下である。
(塗料組成物の製造方法)
本実施形態の塗料組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、樹脂、カーボンナノチューブ、光輝性顔料および着色顔料を、必要に応じて艶消し顔料、添加剤、溶剤などとともに混合する。この際、得られる塗料組成物中のカーボンナノチューブおよび光輝性顔料の含有量がそれぞれ所定の値になるように各成分の配合量を調節すればよい。ついで、得られた混合物に対して、例えば、ペイントシェーカー(レッドデビル社製)、コロイドミル(PUC社製「PUCコロイドミル」、IKA社製「コロイドミルMK」)類、コーンミル(IKA社製「コーンミルMKO」等)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノーミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル、バスケットミル、ホモミキサー、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」等)、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS-5」、奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機、フーバーマーラー、3本ロールミル、エクストルーダー(二軸押出し機)、ヘンシェルミキサー等の分散機を使用して分散処理を行うことにより、塗料組成物を製造することができる。
また、塗料組成物を得るために高速攪拌機を使用することもできる。高速攪拌機としては、ホモディスパー(PRIMIX社製)、フィルミックス(PRIMIX社製)、ディゾルバー(井上製作所社製)、ハイパーHS(アシザワ・ファインテック社製)などが例示できる。
本実施形態の塗料組成物は、従来公知の様々な方法で作製することができる。カーボンナノチューブ、光輝性顔料およびその他着色顔料と、樹脂、および溶剤等の分散媒と、必要に応じて任意成分を含む混合液を分散して製造できる。また、カーボンナノチューブ、光輝性顔料およびその他着色顔料を、それぞれ別々に分散媒に分散し、カーボンナノチューブ分散液、光輝性顔料分散液およびその他着色顔料分散液としてから用いてもよい。
カーボンナノチューブ、光輝性顔料およびその他着色顔料と、分散媒と、その他任意成分を混合または分散する順序は特に限定されず、それぞれを順次添加してもよいし、いずれか2つ以上を同時に添加してもよい。
なかでも、カーボンナノチューブは、カーボンナノチューブ分散液としてから混合して用いることで、塗料組成物中でカーボンナノチューブおよび光輝顔料がそれぞれ均一に分散され、塗膜の漆黒性と光輝感を両立できる点で好ましい。
<カーボンナノチューブ分散液>
本実施形態のカーボンナノチューブ分散液は、カーボンナノチューブを樹脂または溶剤等の分散媒に、好ましくは界面活性剤、色素誘導体、または分散剤を用いて分散して製造することができる。この場合、界面活性剤、または分散剤とカーボンナノチューブを同時、または順次添加し、混合することで、界面活性剤、または分散剤をカーボンナノチューブに作用(吸着)させつつ分散することができる。なかでも、カーボンナノチューブ分散液の製造をより容易に行うためには、界面活性剤、または分散剤を溶媒に溶解、膨潤、または分散させ、その後、液中にカーボンナノチューブを添加し、混合することで界面活性剤、または分散剤をカーボンナノチューブに作用(吸着)させることが好ましい。
<カーボンナノチューブ分散液の作製>
本実施形態のカーボンナノチューブ分散液を得るには、カーボンナノチューブを分散媒中に分散させる処理を行う。かかる処理を行うために使用される分散装置は特に限定されず、前述の塗料組成物の製造方法と同様に分散機や高速撹拌機を使用できる。
本実施形態のカーボンナノチューブ分散液におけるカーボンナノチューブの含有量は、カーボンナノチューブ分散液100質量%に対して、0.1~30質量%が好ましく、0.5~25質量%が好ましく、1~10質量%が好ましく、1~5質量%が特に好ましい。
<塗膜および積層塗膜>
本実施形態の塗料組成物は、基材上に塗工して塗膜を形成することができる。すなわち、本発明によれば、本実施形態による塗料組成物により形成される塗膜が提供される。本実施形態による塗料組成物により形成される塗膜は、ハイライトにおいては高明度で色ボケが生じにくく、シェードにおいては低明度の彩度と光輝感とが両立される。
本発明の好ましい一実施形態は、基材上に、本実施形態による塗料組成物により形成されるカラー層を有する、積層塗膜である。本実施形態による積層塗膜は、ハイライトにおいては高明度で色ボケが生じにくく、シェードにおいては低明度の彩度と光輝感とが両立される。図1に、本実施形態による積層塗膜の概略断面図を示す。本実施形態の積層塗膜10は、基材11上に、カラー層12を有する。本実施形態の積層塗膜10は、カラー層12上にさらにクリア層13を有していてもよい。
(基材)
本実施形態における積層塗膜10を形成するために用いられる基材11は特に限定されない。基材の材質として、鉄、アルミニウムおよび銅もしくは鋼、ステンレス鋼、クロムモリブデン鋼、黄銅、青銅、ジュラルミン、ブリキ等の合金に代表される金属類;ガラス、セメントおよびコンクリートに代表される無機材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂およびエポキシ樹脂に代表される樹脂類;各種の繊維強化プラスチック(FRP)に代表されるプラスチック材料;木材;ならびに繊維材料(紙および布を含む)に代表される天然材料または合成材料が挙げられるが、これらに限定されない。
上記の材質のうち、鉄、アルミニウムおよび銅若しくは鋼、ステンレス鋼、クロムモリブデン鋼、黄銅、青銅、ジュラルミン、ブリキに代表される金属類が好ましい。また、着色顔料として、従来から塗料用として常用されている有機顔料、無機顔料や光輝性顔料を含む樹脂を用いてもよい。
基材の形状は板状、フィルム状、シート状または成形体状でありうる。成形体状の基材の作製方法は特に制限されないが、例えばインサート射出成形法、インモールド成形法、オーバーモールド成形法、二色射出成形法、コアバック射出成形法およびサンドイッチ射出成形法に代表される射出成形方法;Tダイラミネート成形法、多層インフレーション成形法、共押出成形法および押出被覆法に代表される押出成形法;ならびに多層ブロー成形法、多層カレンダー成形法、多層プレス成形法、スラッシュ成形法および溶融注型法に代表されるその他の成形法を使用することができる。
なお、上記基材の上に、直接カラー層を形成してもよいし、あらかじめ上記基材に下塗り塗膜層を形成し、下塗り塗膜層の上にカラー層を形成してもよい。下塗り塗膜層は、例えば、化成処理、電着塗装、スプレー塗装、粉体塗装などにより形成されうる。また、カラー層を形成する前に、下塗り塗膜層の上に、溶剤系塗料、水性塗料、または粉体塗料などにより、中塗り塗膜層をさらに形成していてもよい。基材上に下塗り塗膜層を形成せず、中塗り塗膜層を形成し、その上にカラー層を形成してもよい。
(カラー層)
カラー層は、本実施形態の塗料組成物を用いて形成される塗膜の層である。
カラー層を基材上に形成するためには、基材に応じて最適な技法を一般的な技法から選択すればよい。かかる技法としては、キャスト、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレー、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、スクリーン印刷、鋳型塗布、印刷転写、静電塗装、およびインクジェットを含むウエットコート法が挙げられる。
好ましくは、上記塗料組成物を静電塗装、エアスプレー、エアレススプレーなどの方法で塗装する。塗装した後に、塗膜を乾燥させ、加熱して硬化させることができる。例えば、塗装後、塗膜を室温で5~30分乾燥させた後、50~160℃の温度で10~60分間加熱して硬化させることができる。
なお、通常は上述のように塗料組成物を塗装した後に、塗膜を乾燥させ、加熱して硬化させるが、未硬化の状態で後述のクリア層塗布用組成物をさらに塗装してもよい。
また、二本ロール、三本ロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、単軸混練押出し機または二軸混練押出し機等を用いて溶融混練し、成形加工した塗料組成物を重ねる方法も用いられうる。
カラー層12の膜厚は特に制限されないが、硬化塗膜の膜厚が10~50μmであることが好ましい。
(クリア層)
本実施形態の積層塗膜10は、カラー層12の上に、クリア層13をさらに有していてもよい。クリア層は下層であるカラー層の塗膜を視認できる程度の透明性を有するものである。その材質としては、例えば、透明樹脂およびガラスに代表される透明素材を挙げることができる。このようなクリア層を設けることで、耐酸性や耐擦り傷性を得ることができる。また表面を平滑にすることができる。
透明樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)に代表されるポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、石油樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン樹脂、合成ゴム、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂、フッ素系樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、シリコーン系樹脂、ニトロセルロース、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性ポリアミド樹脂などを挙げることができるが、これらに限定されない。ガラスとしては、通常のソーダガラスを用いることができる。これらの複数の材料を組み合わせて用いることもできる。また、カラー層の塗膜を視認できる程度の着色顔料がクリア層に含まれてもよい。着色顔料としては、塗料組成物に用いられる着色顔料と同様の顔料を用いることができる。
クリア層には、艶消し効果を得るために、艶消し顔料を併用することもできる。艶消し顔料の具体的な形態は、上記カラー層に用いられるものと同様である。
クリア層をウエットコート法により作製する際のクリア層塗布用組成物を得る方法としては、特に限定されず、各成分をニーダーやロール等を用いて混練、サンドグラインドミルやディスパー等を用いて分散する等の当業者に周知の全ての方法を用いることができる。また、クリア層塗布用組成物として、市販のクリア塗料を用いてもよい。市販のクリア塗料としては、自動車塗料、自動車補修塗料などが好ましく用いられ、例えば、ロックペイント社製マルチトップ クリヤーQR(標準型)150-1150-01/02をマルチトップ Q硬化剤(標準型)150-1120-02/03と組み合わせて用いることができる。
クリア層13をカラー層12上に形成するには、形成する物質に応じて最適な技法を選択すればよい。かかる技法は、真空蒸着、EB蒸着およびスパッタ蒸着に代表されるドライ法、ならびにキャスト、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレーコート、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、スクリーン印刷、鋳型塗布、印刷転写およびインクジェットに代表されるウエットコート法を含む一般的な方法から選択することができる。また、クリア層は予め製膜されたものを積層してもよい。クリア層は、カラー層に積層されていれば、必ずしもこれらの層が密着していなくてもよい。
好ましくは、クリア層は、クリア層塗布用組成物を、静電塗装、エアスプレー、エアレススプレーなどの方法で塗装することにより作製される。塗装した後に、塗膜を乾燥させ、加熱して硬化させることができる。例えば、塗装後、塗膜を室温で5~30分乾燥させた後、50~160℃の温度で10~60分間加熱して硬化させることができる。
クリア層の可視光領域の全波長領域における分光透過率は特に制限されないが、例えば70%以上であり、好ましくは90%以上である。
クリア層の膜厚は特に制限されないが、硬化塗膜の膜厚が、例えば5~150μmであり、好ましくは20~50μmである。
本実施形態に係る塗料組成物、ならびにこれを用いて得られた塗膜および積層体は、高意匠性を有し、成形加工性に優れるので、住宅・建材用途、自動車車体、自動車部材、電気・電子部品、雑貨、フィルム等に好適に使用できる。特に、高い意匠性が求められる外観部材として好適であり、車両用部材や家電製品部材、家具用部品、OA筐体用途、フィルム用途等に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、本実施例中で単に「%」と記載した場合は「質量%」を指すものとする。
(赤色塗料組成物の作製)
市販の自動車補修用塗料と、カーボンナノチューブ分散液とを、固形分中のカーボンナノチューブ(CNT)の含有量および光輝性顔料の含有量が下記表1の値になる量で混合して実施例1~8の塗料組成物を得た。
塗料組成物の調製に使用した原料は以下の通りである:
トーヨーカラー株式会社製のカーボンナノチューブ1.82質量%分散液(カーボンナノチューブの繊維径は約10nm、繊維長は約50μmである)
ロックペイント株式会社製ユニバーサルベース051-4333(U.パールベース5R)(パール顔料30質量%および樹脂を含む)
ロックペイント株式会社製ユニバーサルベース051-4339(U.パールベース2P)(パール顔料30質量%および樹脂を含む)
ロックペイント株式会社製プロタッチ077-0049(ローズレッド)(着色顔料および樹脂を含む)
ロックペイント株式会社製プロタッチ077-0036(ファーストバイオレット)(着色顔料および樹脂を含む)
ロックペイント株式会社製プロタッチ077-0069(マホガニー)(着色顔料および樹脂を含む)
ロックペイント株式会社製プロタッチ077-0204(ホワイト)(着色顔料および樹脂を含む)
ロックペイント株式会社製プロタッチ077-0095(フラットベース)(艶消し顔料および樹脂を含む)。
また、上記において、カーボンナノチューブ1.82質量%分散液を使用せず、ロックペイント株式会社製プロタッチ077-0234(ブラック)(カーボンブラック(CB)1.2質量%を含む)を使用したことを除いては同様にして、比較例1、2の塗料組成物を得た。
(青色塗料組成物の作製)
市販の自動車補修用塗料と、カーボンナノチューブ分散液とを、固形分中のカーボンナノチューブの含有量および光輝性顔料の含有量が下記表1の値になる量で混合して実施例9~13、比較例3~6の塗料組成物を得た。
塗料組成物の調製に使用した原料は以下の通りである:
トーヨーカラー株式会社製のカーボンナノチューブ1.82質量%分散液(カーボンナノチューブの繊維径は約10nm、繊維長は約50μmである)
ロックペイント株式会社製プロタッチ077-0304(パールベースB)(パール顔料30質量%および樹脂を含む)
ロックペイント株式会社製プロタッチ077-0310(パールベース3B)(パール顔料30質量%および樹脂を含む)
ロックペイント株式会社製プロタッチ077-0049(シアニンブルー)(着色顔料および樹脂を含む)
ロックペイント株式会社製プロタッチ077-0036(インダンスレンブルー)(着色顔料および樹脂を含む)
ロックペイント株式会社製プロタッチ077-0204(ホワイト)(着色顔料および樹脂を含む)
ロックペイント株式会社製プロタッチ077-0095(フラットベース)(艶消し顔料および樹脂を含む)。
また、上記において、カーボンナノチューブ1.82質量%分散液を使用せず、ロックペイント株式会社製プロタッチ077-0234(ブラック)(カーボンブラック1.2質量%を含む)を使用したことを除いては同様にして、比較例7の塗料組成物を得た。
(塗膜試料の作製)
上記で得られた各実施例および比較例の塗料組成物を基材としてのブリキ板にエアスプレーを使用して塗装し、ブリキ板上にカラー層を作製した。
次いで、市販のクリア塗料であるロックペイント社製マルチトップ クリヤーQR(標準型)150-1150-01/02およびマルチトップ Q硬化剤(標準型)150-1120-02/03を混合して上記カラー層の上にエアスプレーを使用して塗装し、室温にて15分間放置した後に、60℃で30分間加熱してクリア層を作製した。これにより、ブリキ板上にカラー層およびクリア層がこの順に積層された塗膜試料を得た。
[評価]
<シェードにおける低明度の彩度と光輝感との両立>
晴れた日の日中、各実施例および比較例で作製した塗膜試料を西向きに固定し、シェードにおける低明度の彩度と光輝感とを両立した意匠であるかを評価した(官能評価)。評価はデザイナー5名が目視で行った。結果を下記表1に示す。下記基準で〇または△であれば問題なく使用できる:
〇:シェードにおける低明度の彩度と光輝感との両立が著しく優れていた、
△:シェードにおける低明度の彩度と光輝感との両立が良好であった、
×:シェードにおける低明度の彩度と光輝感との両立が認められなかった。
<明度:L75値>
各実施例および比較例で作製した塗膜試料について、BYK社製マルチアングル測色器・多角度測色器 BYK-mac iを用いてLh表色系における明度L75値を測定した。L値が低いほど黒い。L75は、測定対象面に垂直な軸に対し45°の角度から測定光を照射し、正反射角から測定光の方向に75°の角度で受光した光について測定したL値を表す。結果を下記表1に示す。下記基準で〇または△であれば問題なく使用できる:
〇:2以上6未満(シェードの明度が適度に低い)、
△:6以上(シェードの明度がやや高い)、
×:2未満(黒くて色がわからない)。
<彩度:C75値>
各実施例および比較例で作製した塗膜試料について、BYK社製マルチアングル測色器・多角度測色器 BYK-mac iを用いてLh表色系における彩度C75値を測定した。C値が高いほど彩度が高い。C75は、測定対象面に垂直な軸に対し45°の角度から測定光を照射し、正反射角から測定光の方向に75°の角度で受光した光について測定したC値を表す。結果を下記表1に示す。下記基準で〇または△であれば問題なく使用できる:
〇:4以上(彩度が非常に良い)、
△:1以上4未満(彩度が良い)、
×:1未満(彩度が不十分)。
<光輝感:Si75値>
各実施例および比較例で作製した塗膜試料について、BYK社製マルチアングル測色器・多角度測色器 BYK-mac iを用いてSi75値を測定した。Si値が高いほど光輝感が高い。Si75は、測定対象面に垂直な軸に対し45°の角度から測定光を照射し、正反射角から測定光の方向に75°の角度で受光した光について測定したSi値を表す。結果を下記表1に示す。下記基準で〇または△であれば問題なく使用できる:
〇:10以上(光輝感が非常に良い)、
△:3以上10未満(光輝感が良い)
×:3未満(光輝感が不十分)。
<ハイライトの濁り>
晴れた日の日中、各実施例および比較例で作製した塗膜試料を西向きに固定し、ハイライトの濁り(白ボケ)を評価した(官能評価)。評価はデザイナー5名が目視で行った。結果を下記表1に示す。下記基準で〇であれば問題なく使用できる:
〇:ハイライトの濁りが認められなかった、
×:ハイライトの濁りが認められた。
上記の表1の結果から、全固形分中、カーボンナノチューブを0.4質量%以上8.1質量%以下の範囲で含有し、光輝性顔料を11.2質量%以上の範囲で含有する実施例1~13の塗料組成物を用いた塗膜は、いずれも、ハイライトにおいては高明度で白ボケがなく、シェードにおいては低明度の彩度と光輝感を両立していた。
なかでも、全固形分中、カーボンナノチューブを0.6質量%以上3.3質量%以下の範囲で含有し、光輝性顔料を22.0質量%以上32.0質量%以下の範囲で含有する実施例4~6の塗料組成物を用いた塗膜は、低明度の彩度と光輝感とをより高水準で両立していた。特に、全固形分中、カーボンナノチューブを2.0質量%以上3.0質量%以下の範囲で含有し、光輝性顔料を24.0質量%以上26.0質量%以下の範囲で含有する実施例5、6ではさらに優れた意匠性が得られた。
一方で、黒色顔料としてカーボンブラックを用いた比較例1、2、7では、ハイライトで白ボケが生じた。また、比較例4~6では、カーボンナノチューブの含有量が所定量よりも多く、光輝感が不十分であった。その結果、シェードにおける低明度の彩度と光輝感との両立が得られなかった。比較例3では、光輝性顔料の含有量が所定量よりも少なく、光輝感が不十分であった。その結果、シェードにおける低明度の彩度と光輝感との両立が得られなかった。
10 積層塗膜、
11 基材、
12 カラー層、
13 クリア層。

Claims (7)

  1. 樹脂と、顔料としてカーボンナノチューブと光輝性顔料と前記カーボンナノチューブ以外の着色顔料と、を含み、
    全固形分中、前記カーボンナノチューブを0.4質量%以上8.1質量%以下の範囲で含有し、前記光輝性顔料を11.2質量%以上の範囲で含有することを特徴とする、塗料組成物。
  2. 前記光輝性顔料の含有量は、全固形分中、35質量%以下である、請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 前記カーボンナノチューブの含有量は、全固形分中、0.6質量%以上3.3質量%以下であり、前記光輝性顔料の含有量は、全固形分中、22.0質量%以上32.0質量%以下である、請求項1または2に記載の塗料組成物。
  4. 前記カーボンナノチューブの含有量は、全固形分中、2.0質量%以上3.0質量%以下であり、前記光輝性顔料の含有量は、全固形分中、24.0質量%以上26.0質量%以下である、請求項1または2に記載の塗料組成物。
  5. 艶消し顔料をさらに含む、請求項1または2に記載の塗料組成物。
  6. 基材上に、請求項1または2に記載の塗料組成物により形成されるカラー層を有する、積層塗膜。
  7. 前記カラー層の上に、透明樹脂またはガラスを含むクリア層をさらに有する、請求項6に記載の積層塗膜。
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