JP2024076490A - 除湿ツール及び除湿ツールの製造方法 - Google Patents

除湿ツール及び除湿ツールの製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2024076490000001
【課題】吸湿初期の吸湿速度を抑え、吸湿中期以降の吸湿速度を一定値以上に向上させた、除湿ツールを提供する。
【解決手段】除湿ツールは、容器と、複数の除湿剤入袋と、を備え、前記容器は、1つ以上の通気孔を有し、前記除湿剤入袋は、透湿防水の性質を有する多孔質フィルムが一部又は全体に用いられた袋であり、前記除湿剤入袋には潮解性の除湿剤が封入され、複数の前記除湿剤入袋のうちの1つの除湿剤入袋の多孔質フィルムの表面の少なくとも一部が、他の前記除湿剤入袋の多孔質フィルム又は非多孔質フィルムの表面の一部と重なるように、前記容器に収納されたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、除湿ツール、及び、該除湿ツールの製造方法に関する。特に、吸湿量が吸湿限界に近づいても、一定以上の吸湿速度を維持可能である、除湿ツールに関する。
近年、建物の断熱性や気密性の向上により、住環境の改善が図られている。建物のかかる気密性の向上により、一旦滞留した空気中の水分はそのまま溜まってしまい、カビや腐食の発生の原因となりやすい。そのため、特に気密性の高い、衣類や布団や靴のクローゼット、タンス、保管ケース、流し下スペース等では、除湿の重要性がより認識されてきた。
除湿方法には、エアコン等の空調機や除湿機等を利用した電気的方法と、水分と反応する化学物質を利用した化学的方法等がある。
エアコン等の空調機や除湿機等の機械を利用した電気的方法は、機械のサイズが大きいため、クローゼットやタンス、保管ケースや、衣類や布団の間等の狭い空間に配置することが困難である。さらに、狭い空間においては、電源の確保も難しく、確保できたとしても、動作音が大きく、使いづらいという問題があった。
水分と反応する化学物質(除湿剤)を利用した化学的方法としては、容器の形状により、タンク型とシート型の除湿ツールが例示される。
タンク型の除湿ツールにおいては、封入可能な除湿剤の容量を大きくすることができるため、除湿剤の容量にほぼ比例する最大吸湿量を大きく設計することができる(特許文献1等参照)。しかしながら、タンク型の除湿ツールは、透湿フィルム(多孔質フィルム)と除湿剤の上面の間の距離が短い吸湿初期の吸湿速度は速いが、透湿フィルムと除湿剤の上面の間の距離が開く除湿中期以降の吸湿速度はどんどん遅くなり、最大吸湿量に到達しなくても吸湿速度が一定値以下となり、必要な吸湿性能が得られなくなるという課題があった。
また、タンク型の除湿ツールは、除湿剤が吸湿して生成した潮解液の量に合わせてタンクの大きさが設計されるため、除湿ツール全体が嵩張り、持ち運びや保管に不便という課題もあった。そこで、減容可能な柔軟性のある材料でタンクを形成し、吸湿前は脱気して除湿ツールの容積を小さくすることが検討された(特許文献2等参照)。該脱気したタンク型の除湿ツールは、持ち運びや保管に関する課題を解決することができ、また、透湿フィルムと除湿剤の上面との間の距離を保つことは可能となった。しかしながら、潮解液に除湿剤が沈むことにより、除湿剤が除湿する空気に触れにくくなり、吸湿速度の低下は避けられないという問題は残ったままであった。事実、該脱気したタンク型の除湿ツールも、吸湿中期以降の吸湿速度はどんどん遅くなり、最大吸湿量に到達しなくても吸湿速度が一定値以下となり、必要な吸湿性能が得られなくなることが発明者らによって明らかになっている。
一方、シート型の除湿ツールは、透湿フィルムと除湿剤が接触している(特許文献3等参照)。製法上、吸湿面全体が透湿フィルムとなるため、通常の使用方法のように衣類間に1つ又は一列で吊るしたり、衣装ケースの隙間に入れたりすると、吸湿速度が速いまま、最大吸湿量に到達してしまい、有効期間が短くなるという課題があった。
特開2010-274985号公報 特開2022-57079号公報 特開平5-245332号公報
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、吸湿初期の吸湿速度を抑え、吸湿中期以降の吸湿速度を一定値以上に向上させた、除湿ツールを提供することを主な課題とする。
すなわち、広い吸湿面を確保し、かつ、吸湿面に対し除湿する空気の接触を規制した除湿ツールを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の除湿ツールは、容器と、複数の除湿剤入袋と、を備え、前記容器は、使用時に1つ以上の通気孔を有し、前記除湿剤入袋は、透湿防水の性質を有する多孔質フィルムが一部又は全体に用いられた袋であり、前記除湿剤入袋には潮解性の除湿剤が封入され、複数の前記除湿剤入袋のうちの1つの除湿剤入袋の多孔質フィルムの表面の少なくとも一部が、他の前記除湿剤入袋の多孔質フィルム又は非多孔質フィルムの表面の一部と重なるように、前記容器に収納されたことを特徴とする。
前記容器は、通気孔を形成可能な通気孔形成用部をさらに有してもよい。
前記容器は、紙製であってもよい。
前記容器は、紙製であり、前記通気孔形成用部は弱化線で区画されることが好ましい。
前記容器の内側は、複数の前記除湿剤入袋を重ねた形状に略沿って形成されることが好ましい。
前記除湿剤入袋に、前記除湿剤の潮解液をゲル化するゲル化剤がさらに封入されることが好ましい。
本発明の除湿ツールの製造方法は、1つの除湿剤入袋の多孔質フィルムの表面の一部を、他の除湿剤入袋の多孔質フィルム又は非多孔質フィルムの表面の一部と重ねるステップと、前記重ねた複数の除湿剤入袋を、容器に収納するステップと、を含み、前記除湿剤入袋は、透湿防水の性質を有する多孔質フィルムが一部又は全体に用いられた袋であり、前記除湿剤入袋には潮解性物質の除湿剤が封入され、前記容器は紙製であり、通気孔、及び/又は、弱化線で区画された通気孔を形成可能な通気孔形成用部を有することを特徴とする。
通気孔形成用部を有する場合、前記通気孔形成用部の前記弱化線を切り取り、通気孔を形成するステップをさらに含んでもよい。
前記容器の内側は、前記重ねた複数の前記除湿剤入袋の形状に略沿って形成されることが好ましい。
本発明によれば、複数の除湿剤入袋のうちの1つの除湿剤入袋の多孔質フィルムの表面の一部を他の除湿剤入袋の多孔質フィルム又は非多孔質フィルムの表面の一部と重ね、かつ、重ねた複数の除湿剤入袋を、通気孔又は通気孔を形成可能な通気孔形成用部を有する容器に入れることで、吸湿初期の吸湿速度を抑え、吸湿中期以降の吸湿速度を一定値以上に維持させた、除湿ツールを提供することができる。
すなわち、広い吸湿面を確保し、かつ、吸湿面に対し除湿する空気の接触を規制した除湿ツールを提供することができる。
本発明の一例を示す。図1(a)は除湿ツールの左側面、正面、平面をみた概要図、図1(b)は除湿ツールの右側面、正面、平面をみた概要図、図1(c)は除湿ツールの横断面図、図1(d)は除湿ツールの複数の除湿剤入袋を折り畳んで重ねる前の概要図である。 本発明の他の一例を示す。図2(a)は除湿ツールの平面、正面、左側面をみた概要図、図2(b)は除湿ツールの底面、正面、左側面をみた概要図、図2(c)は除湿ツールの横断面図、図2(d)は除湿ツールの複数の除湿剤入袋を折り畳んで重ねる前の概要図である。 本発明の他の一例を示す。図3(a)は除湿ツールの通気孔を有する平面からみた概要図、図3(b)は除湿ツールの通気孔を有する底面からみた概要図、図3(c)は除湿ツールの横断面図、図3(d)は除湿ツールの複数の除湿剤入袋を折り畳んで重ねる前の概要図である。 本発明の除湿ツールの容器の一例を示す。図4(a)は、通気孔形成用部を有する容器の概要図であり、図4(b)は、図4(a)の通気孔形成用部の弱化線を切り取って通気孔とした容器の概要図である。 図1の除湿ツールの組立て前の容器(図5(a))及び除湿剤入袋(図5(b))の例を示す。 図1の除湿ツールの組立て例を示す。図6(a)は組み立てた容器に除湿剤入袋を収納した写真、図6(b)は左右のフラップを蓋した写真、図6(c)は上部のフラップを蓋した写真、図6(d)は下部のフラップを蓋した写真である。 図1の除湿ツールの開封例及び使用時の例を示す。図7(a)は正面のミシン目を指で押した写真、図7(b)は2重のフラップを持ち上げた写真、図7(c)は開封時の平面の写真、図7(d)は使用時の左側面の写真である。 通気孔形成用部を左側面及び右側面にそれぞれ1つずつ有する容器の例の、六面から撮影した写真である。なお、写真の倍率は各面で異なることに留意する。 図2の除湿ツールの組立て前の容器(図9(a))及び除湿剤入袋(図9(b))の例を示す。 図2の除湿ツールの開封例及び使用時の例を示す。図10(a)は平面のミシン目を指で押し下げた写真、図10(b)は2重のフラップを下に押し下げた写真、図10(c)は使用時の平面の写真である。 通気孔形成用部を平面及び底面にそれぞれ2つずつ有する容器の例の、六面から撮影した写真である。なお、写真の倍率は各面で異なることに留意する。 吸湿試験の結果を示すグラフである。
本発明の実施形態について、図1~11を用いて説明する。なお、本発明は図示例に限定されるものではない。
本発明の除湿ツール1は、容器3と、複数の除湿剤入袋2を備えるものである。
(容器)
容器3は、除湿する空気を容器内部にダイレクトに侵入させない程度に外部と画すことが可能な材質であればよく、厚紙、段ボール、プラスチック等が例示される。通気孔3aを形成しやすく、また、コストが抑えられる観点からは、厚紙が好ましい。
容器3は、使用時に1つ以上の通気孔3aを有する。通気孔3aの形状は特に限定されないが、丸、四角、楕円等が例示される。また、通気孔3aの位置も特に限定されないが、バランスよく吸湿させるために、容器3の右側面及び左側面の中央部、平面及び底面の中央部、正面及び背面の中央部のいずれか1対以上に対称的に配置させることが好ましい。そのとき、1つの面に通気孔3aが複数配置されていてもよい。通気孔3aの大きさも特に限定されないが、吸湿初期の吸湿速度を抑える程度に設計することが望ましい。たとえば除湿剤入袋2の縦横が100mm~150mm程度の場合、通気孔3aの大きさは、外径50mm~70mm程度が例示される。
容器3の通気孔3aは、使用時の通気孔3aの個数を調整可能なように、通気孔3aを形成可能な通気孔形成用部3bで提供されてもよい。通気孔形成用部3bは、容器3の表面に位置し、使用者が使用時等に通気孔3aを形成することができる部分である。容器3が紙製である場合は、通気孔形成用部3bは弱化線で区画されていることが望ましい。容器3がプラスチック製である場合は、通気孔形成用部3bの輪郭の厚みが薄くなっているか切れ目が入っており、使用者が手で押して切り取れるようになっていることが望ましい。
容器3は、図5~図11に例示されるように、組み立てられ、開封され、使用される構成であることが好ましい。通気孔3aの他、容器を指で押して開封できるミシン目3cを設けてもよい。
容器3の内側は、後述する複数の除湿剤入袋2を重ねた形状に沿って形成されることが望ましい。後述するように、複数の除湿剤入袋2のうちの1つの除湿剤入袋2の多孔質フィルム2aの表面の少なくとも一部が、他の除湿剤入袋2の多孔質フィルム2a又は非多孔質フィルム2bの表面の一部と重なるようにして、容器3に収納される必要があるため、容器3の内側形状が複数の除湿剤入袋2を重ねた形状に略沿わせることにより、使用時に複数の除湿剤入袋2がずれないようにすることが望ましい。ここで「略沿わせ」た容器の内側とは、複数の除湿剤入袋2を重ねた状態でスムーズに収納させることが可能で、かつ、収納された複数の除湿剤入袋2が運搬や保管、使用時に重ねた状態が大きくずれない程度にフィットさせた大きさの、略直方体の容器等が例示される。
したがって、容器3の好ましいサイズは、収納する除湿剤入袋2のサイズと個数と重ね方で決まる。
図1、図5~図8の場合、除湿剤入袋2の単体の大きさが縦140mm、横105mm、中心部厚み約10mmであり、容器3の好ましいサイズは、縦110mm、横90mm、奥行140mm程度となる。
図2、図9~図11の場合、除湿剤入袋2の単体の大きさが縦140mm、横105mm、中心部厚み約10mmであり、容器3の好ましいサイズは、縦40mm、横105mm、奥行280mm程度となる。
図3の場合、除湿剤入袋2の単体の大きさが縦140mm、横105mm、中心部厚み約10mmであり、容器3の好ましいサイズは、縦65mm、横140mm、奥行315mm程度となる。
また、容器3を、除湿剤入袋2の吸湿量が上限付近となったときの容量より小さくしてもよい。この場合、除湿剤入袋2の吸湿量上限付近で紙箱等の容器3が変形したり、容器3の蓋が開いたりする等して、除湿剤入袋2の吸湿量が上限付近に到達したことを報知することができる。
(除湿剤入袋)
除湿剤入袋2は、多孔質フィルム2aが一部又は全体に用いられた袋であり、除湿剤入袋2には潮解性の除湿剤2cが封入されている。
多孔質フィルム2aは、透湿防水の性質を有するフィルムであればよい。ポリエチレン系不織布、ポリプロピレン系不織布等が例示される。炭酸カルシウム等を含むポリエチレン、ポリプロピレン等を延伸して製造されたマイクロポーラスフィルム、デュポン社製のタイベック(登録商標)、トクヤマ社製のNFシートなどを用いることが好ましい。
多孔質フィルム2aが除湿剤入袋2の全体に使用されていてもよい。また、図1(d)、図2(d)、図3(d)のように、除湿剤入袋2の一面に多孔質フィルム2a、他の一面に非多孔質フィルム2bを使用する場合、潮解液が流れ出さないように防水性を高めることができる。さらに、多孔質フィルム2aが除湿剤入袋2の一面の一部のみに使用されてもよいが、吸湿初期段階の吸湿速度が遅くなり過ぎない程度に多孔質フィルム2aの面積を確保することが望ましい。
なお、非多孔質フィルムとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン(登録商標)、ウレタン等が挙げられ、ポリプロピレン/ポリエチレンや、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの2層フィルム等が例示される。
潮解性を有する除湿剤2cは、空気中の水分を吸収し,その水に溶解して液体化する性質を有する化合物であれば、特に限定されないが、塩化カルシウムや塩化マグネシウムが好ましく、コスト面から塩化カルシウムがより好ましい。
除湿剤入袋2には、潮解液をゲル化するゲル化剤がさらに任意で封入されてもよい。除湿剤2cが吸湿して潮解液となったときに、除湿剤入袋2の外に流出しにくくするためである。ゲル化剤としては、アルファー化澱粉(α化でんぷん)、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、メチルセルロース、グアガムなどが挙げられる。
ゲル化剤を配合する場合は、除湿剤2cに対し、10質量%~70質量%程度の範囲で配合されることが望ましい。
複数の除湿剤入袋2の重ね方の例について説明する。
複数の除湿剤入袋2のうちの1つの除湿剤入袋2の多孔質フィルム2aの表面の一部が、他の除湿剤入袋2の多孔質フィルム2a又は非多孔質フィルム2bの表面の一部と重なるように、容器3に収納される。すなわち、多孔質フィルム2aを他の表面と重ねることにより、重ねない場合に比べて、空気が直接触れる多孔質フィルム2aの面積を減らし、吸湿速度を一定程度遅くするように制御することができる。
図1のような容器3に複数の除湿剤入袋2を収納する場合、除湿剤入袋2を1つずつ切り離して、容器3内に適当な向きに並べて収納してもよいし、図1(d)のように2行3列に連なった6つの除湿剤入袋2を縦方向に蛇腹のように折り畳み、次いで上下方向に半分に折り畳んで、容器3内に収納してもよい(図1(c)参照)。
また、折り畳み方により、通気孔3aに現れる除湿剤入袋2の表面は、非多孔質フィルム2bであっても(図1(a)、図1(b)、図1(c)参照)、多孔質フィルム2aであってもよい。多孔質フィルム2aが通気孔3aに面するように重ねた除湿剤入袋2を収納すれば、吸湿速度を速めることができ、多孔質フィルム2aが通気孔3aに面していないように重ねた除湿剤入袋2を収納すれば、吸湿速度をより遅くするように制御することができる。一般的には、多孔質フィルム2aの表面のほとんどが容器内で重なって内側に入りすぎないように、非多孔質フィルム2bが外(通気孔3a側)を向かないように収納することが望ましい。
他の一例として、通気孔3aが一対の対称面に設けられ、奇数の行又は列で最後に折り畳む場合等は、一方の通気孔3aに多孔質フィルム2aが面し、他方の通気孔3aに非多孔質フィルム2bが面するようにすることもできる。
図2のような容器3に複数の除湿剤入袋2を収納する場合、たとえば、除湿剤入袋2を2つずつ切り離して、容器3内に適当な向きに並べて収納してもよいし、図2(d)のように2行3列に連なった6つの除湿剤入袋2を縦方向に蛇腹のように折り畳んで、容器3内に収納してもよい(図2(c)参照)。除湿剤入袋2を1つずつ切り離して容器3内に並べる場合は、運搬、保管、使用中に除湿剤入袋2の位置がずれる可能性があるため、別途テープ等で固定することが望ましい。
また、折り畳み方により、通気孔3aに現れる除湿剤入袋2の表面は、非多孔質フィルム2bであっても、多孔質フィルム2aであってもよいが、上述したように折り畳んだ場合は、片方の側面の通気孔3aには多孔質フィルム2aが面し、もう一方の側面の通気孔3aには非多孔質フィルム2bが面する。
図3のような容器3に複数の除湿剤入袋2を収納する場合、たとえば、除湿剤入袋2を3つずつ切り離して、容器3内に適当な向きに並べて収納してもよいし、図3(d)のように4行3列に連なった12の除湿剤入袋2を上下方向に蛇腹のように折り畳んで、容器3内に収納してもよい(図3(c)参照)。除湿剤入袋2を1つずつ切り離して容器3内に並べる場合は、運搬、保管、使用中に除湿剤入袋2の位置がずれる可能性があるため、別途テープ等で固定することが望ましい。
また、折り畳み方により、通気孔3aに現れる除湿剤入袋2の表面は、非多孔質フィルム2bであっても、多孔質フィルム2aであってもよい。
図1~図3の例において、容器3は、除湿剤入袋2の多孔質フィルム2a又は非多孔質フィルム2bの表面が面するように通気孔3aを配置したが、該表面以外の折り畳み部分が面するように通気孔3aを配置してもよい。
(除湿ツールの製造方法)
紙製の除湿ツール1の製造方法は以下のように例示される。
すなわち、1つの除湿剤入袋2の多孔質フィルム2aの表面の一部を、他の除湿剤入袋2の多孔質フィルム2a又は非多孔質フィルム2bの表面の一部と重ね、該重ねた複数の除湿剤入袋2を、容器3に収納する。
ここで、除湿剤入袋2は、透湿防水の性質を有する多孔質フィルム2aが一部又は全体に用いられた袋であり、除湿剤入袋2には潮解性物質の除湿剤2cが封入されたものである。
また、容器3は紙製であり、通気孔3a、及び/又は、通気孔3aを形成可能な通気孔形成用部3bを有し、通気孔形成用部3bは弱化線で区画されている。通気孔形成用部3bの弱化線は予め切り取られ、通気孔3aとなっていてもよい。
さらに、容器3は重ねた複数の除湿剤入袋2の形状に略沿って形成されることが好ましい。ここで「略沿って形成され」た容器の内側とは、複数の除湿剤入袋2を重ねた状態でスムーズに収納させることが可能で、かつ、収納された複数の除湿剤入袋2が運搬や保管、使用時に重ねた状態が大きくずれない程度にフィットさせた大きさの、略直方体の容器等が例示される。
(通気孔と通気孔形成用部)
容器3は、使用時には少なくとも1つ以上の通気孔3aを有するが、除湿ツール1の運搬や保管時には、1つ以上の通気孔形成用部3bを設けておき、使用時に弱化線を切り取って通気孔3aとしてもよい。
また、通気孔3aの面積を大きくすると、除湿剤と空気との接触がスムーズになり吸湿速度が早くなるため、吸湿中期以降に一部の通気孔形成用部3bの弱化線を切り取って通気孔3aの数を増やし、吸湿速度を制御してもよい。たとえば、図4(a)のように、吸湿初期に容器3の片側の面の通気孔3aを2つ形成させ、通気孔形成用部3bを残しておき、図4(b)のように、吸湿中期以降に該通気孔形成用部3bの弱化線を切り取って、通気孔3aの数を増やすことも可能である。
図5(a)に図1の除湿ツール1の組立て前の容器3の例、図5(b)に除湿剤入袋2の例の写真を示す。
図6(a)~図6(d)に、図1の除湿ツール1の組立て例を示す。なお、除湿ツール1の組立てを、使用者が行う場合は、防湿バリア袋(図示せず)から取り出した2行3列に連なった6つの除湿剤入袋2を縦方向に蛇腹のように折り畳み、次いで上下方向に半分に折り畳んでから、図6(a)のように組み立てた容器に除湿剤入袋2を収納し、図6(b)のように左右のフラップを蓋して、図6(c)のように上部のフラップを蓋して、図6(d)のように下部のフラップを蓋する。
除湿ツール1の組立てを、製造販売者が行う場合は、2行3列に連なった6つの除湿剤入袋2を縦方向に蛇腹のように折り畳み、次いで上下方向に半分に折り畳み、畳まれた複数の除湿剤入袋2を防湿バリア袋(図示せず)に入れてから、図6(a)のように組み立てた容器3に畳まれた複数の除湿剤入袋2を収納し、図6(b)のように左右のフラップを蓋して、図6(c)のように上部のフラップを蓋して、図6(d)のように下部のフラップを蓋する。
除湿ツール1の組立てを製造販売者が行った場合の開封例を図7(a)~図7(c)に示す。使用者は、図7(a)のように正面のミシン目3c(図3(a)等参照)を指で押し、図7(b)のように2重のフラップを持ち上げる。図7(c)は開封時の平面の状態を示す。防湿バリア袋に入れられた除湿剤入袋2を取り出し、防湿バリア袋を取り外してから、除湿剤入袋2を容器3に再度収納し、蓋をする。
通気孔形成用部3bで販売されている場合には、使用者は適宜弱化線を切り取り、通気孔3aを形成させる。
図7(d)は使用時の左側面の状態を示す。
図8に、通気孔形成用部を左側面及び右側面にそれぞれ1つずつ有する容器の例の、六面から撮影した写真を示す。なお、写真の倍率は各面で異なることに留意する。右側面と左側面に通気孔形成用部3bが配置され、正面の上下に開封のためのミシン目3cが配置される。
図9(a)に図2の除湿ツール1の組立て前の容器3の例、図9(b)に除湿剤入袋2の例の写真を示す。
図10(a)、図10(b)に図2の除湿ツール1の開封例を示す。使用者は、図10(a)のように正面のミシン目3cを指で押し下げ、図10(b)のように2重のフラップを下に押し下げる。防湿バリア袋に入れられた除湿剤入袋2を取り出し、防湿バリア袋を取り外してから、除湿剤入袋2を容器3に再度収納し、蓋をする。
通気孔形成用部3bで販売されている場合には、使用者は適宜弱化線を切り取り、通気孔3aを形成させる。
図10(c)は使用時の平面の状態を示す。
図11に、通気孔形成用部を平面及び底面にそれぞれ2つずつ有する容器の例の、六面から撮影した写真を示す。なお、写真の倍率は各面で異なることに留意する。平面と底面に通気孔形成用部3bが配置され、平面の左右に開封のためのミシン目3cが配置される。
(吸湿試験)
除湿ツールの吸湿試験を以下のとおり行った。
試料1は、12個の除湿剤入袋2(4行3列)を縦方向に蛇腹のように折り畳み、次いで上下に半分に折り畳み、折り畳んだ12の除湿剤入袋2を、平面及び底面にそれぞれ2つずつで計4つの通気孔3aを有する紙製の容器3に収納して作成した、本発明の実施例である除湿ツール1である。除湿剤入袋は縦140mm、横105mmであり、塩化カルシウムは1袋あたり31g、除湿ツールあたり372g、最大吸湿量は855.6g(塩化カルシウム量の2.3倍)である。
試料2は、12個の除湿剤入袋(4行3列)を縦方向に蛇腹のように折り畳み、次いで上下に半分に折り畳んだのみの、容器なしの除湿ツールである。除湿剤入袋は片面が多孔質フィルムであり、他の面が非多孔質フィルムである。除湿剤入袋は縦140mm、横105mmであり、塩化カルシウムは1袋あたり31g、除湿ツールあたり372g、最大吸湿量は855.6g(塩化カルシウム量の2.3倍)である。
試料3は、12個の除湿剤入袋(4行3列)を畳まずに、多孔質フィルム面を上にしたのみの、容器なしの除湿ツールである。なお、除湿剤入袋は片面が多孔質フィルムであり、他の面が非多孔質フィルムである。除湿剤入袋は縦140mm、横105mmであり、塩化カルシウムは1袋あたり31g、除湿ツールあたり372g、最大吸湿量は855.6g(塩化カルシウム量の2.3倍)である。
試料4は、550mLのタンク型の容器に塩化カルシウムを265g充填し、除湿ツールとした。最大吸湿量は609.5g(塩化カルシウム量の2.3倍)である。
試料1~4について、表1にまとめた。
Figure 2024076490000002
試料1~4の除湿ツールを、温度25℃、湿度80%の雰囲気に設置し、吸湿量(g)の経時変化を測定した。
吸湿量(g)を最大吸湿量で除して、吸湿率を算出した。
図12に、縦軸に吸湿率、横軸に経過日数をとって、試料1~4の除湿ツールの吸湿率を示す。
試料3の折り畳まない除湿剤入袋のみであると、吸湿初期段階から吸湿速度が早く、約20日で吸湿率が0.9以上に達してしまい、除湿ツールとしての有効期間も20日程度と短いことが分かった。
試料2の折り畳んだ除湿剤入袋のみであると、吸湿初期段階から吸湿速度が試料3よりも遅いものの試料1や試料4より早く、約90日で吸湿率が0.9以上に、約100日で吸湿率が0.97とほぼ最大吸湿量に達してしまい、除湿ツールとしての有効期間も80日~100日程度と短いことが分かった。
なお、有効期間の目安は、衣替えするタイミングで除湿ツールを交換することを考慮し、衣替えしてから次の衣替えのタイミングまでの間、吸湿性能を維持できるようにすることが望ましいため、100日~250日程度とされる。
試料4のタンク型除湿ツールでも、吸湿初期段階では吸湿速度が早いが、吸湿中期以降の吸湿速度はどんどん遅くなり、最大吸湿量に到達しなくても吸湿速度が一定値以下となり、必要な吸湿性能が得られなくなるということが分かった。タンク型の場合、除湿剤が潮解液となってタンク底面に落ちて溜まるため、50日程度を経過すると、除湿剤の上面と透湿フィルムの間の距離の開きが大きくなっていき、新たな空気が除湿剤に接触しづらく、吸湿速度が極端に落ちているものと考えられる。
一方、本発明の実施形態の1つである試料1の、通気孔3aを有する紙製の容器3に、重ねるように畳んだ除湿剤入袋2を収納した除湿ツールは、吸湿初期段階の吸湿速度を、試料2、試料3や試料4よりも遅く制御できていることが分かった。吸湿率が0.5となる日数は、試料3では約3日、試料2では約18日、試料4では約63日であるところ、試料1では約82日であった。
さらに、吸湿率が0.5から0.55になるまでの日数は、試料3では約1日、試料2では約4日と短く、試料4では約12日と長くなっているところ、試料1では約9日となり、吸湿中期以降において、吸湿速度を適宜制御できていることが分かった。
以上より、本発明の除湿ツールは、従来のシートタイプの除湿ツールを用いた場合、あるいは、シートタイプを畳んだのみの場合に比べ、吸湿初期の吸湿速度を抑えることが可能であり、使用期間を伸ばすことができる。また、従来のタンクタイプの除湿ツールを用いた場合に比べ、吸湿中期以降の吸湿速度を一定値以上に向上させることが可能である。
すなわち、本発明の除湿ツールは、シートタイプで広い吸湿面を確保し、かつ、通気孔を有する容器に収納することや折り畳んで多孔質フィルムの一部を重ねることで吸湿面に対し除湿する空気の接触を規制し、吸湿速度を調整することができる。
本発明は以下に示した項目の構成を有し得る。
[項1]
容器と、複数の除湿剤入袋と、を備え、
前記容器は、使用時に1つ以上の通気孔を有し、
前記除湿剤入袋は、透湿防水の性質を有する多孔質フィルムが一部又は全体に用いられた袋であり、前記除湿剤入袋には潮解性の除湿剤が封入され、
複数の前記除湿剤入袋のうちの1つの除湿剤入袋の多孔質フィルムの表面の少なくとも一部が、他の前記除湿剤入袋の多孔質フィルム又は非多孔質フィルムの表面の一部と重なるように、前記容器に収納された、除湿ツール。
[項2]
前記容器は、通気孔を形成可能な通気孔形成用部をさらに有する、上記項1に記載の除湿ツール。
[項3]
前記容器は、紙製である、上記項1又は2に記載の除湿ツール。
[項4]
前記容器は、紙製であり、前記通気孔形成用部は弱化線で区画された、上記項2に記載の除湿ツール。
[項5]
前記容器の内側は、複数の前記除湿剤入袋を重ねた形状に略沿って形成される、上記項1~4いずれか一項に記載の除湿ツール。
[項6]
前記除湿剤入袋に、前記除湿剤の潮解液をゲル化するゲル化剤がさらに封入された、上記項1~5いずれか一項に記載の除湿ツール。
[項7]
除湿ツールの製造方法であって、
1つの除湿剤入袋の多孔質フィルムの表面の一部を、他の除湿剤入袋の多孔質フィルム又は非多孔質フィルムの表面の一部と重ねるステップと、
前記重ねた複数の除湿剤入袋を、容器に収納するステップと、
を含み、
前記除湿剤入袋は、透湿防水の性質を有する多孔質フィルムが一部又は全体に用いられた袋であり、前記除湿剤入袋には潮解性物質の除湿剤が封入され、
前記容器は紙製であり、通気孔、及び/又は、弱化線で区画された通気孔を形成可能な通気孔形成用部を有する、除湿ツールの製造方法。
[項8]
通気孔形成用部を有する場合、前記通気孔形成用部の前記弱化線を切り取り、通気孔を形成するステップをさらに含む、上記項7に記載の除湿ツールの製造方法。
[項9]
前記容器の内側は、前記重ねた複数の前記除湿剤入袋の形状に略沿って形成される、上記項7又は8に記載の除湿ツールの製造方法。
1 除湿ツール
2 除湿剤入袋
2a 多孔質フィルム
2b 非多孔質フィルム
2c 除湿剤
3 容器
3a 通気孔
3b 通気孔形成用部
3c ミシン目

Claims (9)

  1. 容器と、複数の除湿剤入袋と、を備え、
    前記容器は、使用時に1つ以上の通気孔を有し、
    前記除湿剤入袋は、透湿防水の性質を有する多孔質フィルムが一部又は全体に用いられた袋であり、前記除湿剤入袋には潮解性の除湿剤が封入され、
    複数の前記除湿剤入袋のうちの1つの除湿剤入袋の多孔質フィルムの表面の少なくとも一部が、他の前記除湿剤入袋の多孔質フィルム又は非多孔質フィルムの表面の一部と重なるように、前記容器に収納された、除湿ツール。
  2. 前記容器は、通気孔を形成可能な通気孔形成用部をさらに有する、請求項1に記載の除湿ツール。
  3. 前記容器は、紙製である、請求項1又は2に記載の除湿ツール。
  4. 前記容器は、紙製であり、前記通気孔形成用部は弱化線で区画された、請求項2に記載の除湿ツール。
  5. 前記容器の内側は、複数の前記除湿剤入袋を重ねた形状に略沿って形成される、請求項1又は2に記載の除湿ツール。
  6. 前記除湿剤入袋に、前記除湿剤の潮解液をゲル化するゲル化剤がさらに封入された、請求項1に記載の除湿ツール。
  7. 除湿ツールの製造方法であって、
    1つの除湿剤入袋の多孔質フィルムの表面の一部を、他の除湿剤入袋の多孔質フィルム又は非多孔質フィルムの表面の一部と重ねるステップと、
    前記重ねた複数の除湿剤入袋を、容器に収納するステップと、
    を含み、
    前記除湿剤入袋は、透湿防水の性質を有する多孔質フィルムが一部又は全体に用いられた袋であり、前記除湿剤入袋には潮解性物質の除湿剤が封入され、
    前記容器は紙製であり、通気孔、及び/又は、弱化線で区画された通気孔を形成可能な通気孔形成用部を有する、除湿ツールの製造方法。
  8. 通気孔形成用部を有する場合、前記通気孔形成用部の前記弱化線を切り取り、通気孔を形成するステップをさらに含む、請求項7に記載の除湿ツールの製造方法。
  9. 前記容器の内側は、前記重ねた複数の前記除湿剤入袋の形状に略沿って形成される、請求項7又は8に記載の除湿ツールの製造方法。
JP2022188044A 2022-11-25 除湿ツール及び除湿ツールの製造方法 Pending JP2024076490A (ja)

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