JP2024076039A - ガス発生器 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期的に確実にシール性を確保することができ、しかも安価に製造することができるガス発生器を提供する。【解決手段】ガス発生器1は、金属製のホルダ10、点火器20および樹脂成形部30を含む点火器組立体2と、カップ40と、ガス発生剤50とを備える。カップ40は、フランジ部43を有し、点火器組立体2には、フランジ部43を受け入れる環状溝部が設けられる。環状溝部の内側壁面は、樹脂成形部30の第1被覆部31の外周面によって規定され、環状溝部の底面は、ホルダ10の第1端面10aによって規定され、環状溝部の外側壁面は、ホルダ10に設けられた環状鍔部13の内周面によって規定される。環状鍔部13が内側に向けて折り曲げられることにより、ホルダ10の第1端面10aと第1被覆部31の外周面との境目が、環状溝部の内部に塗布されたシール剤60によって覆われた状態でカップ40がホルダ10に組付けられる。【選択図】図1

Description

本発明は、ガス発生器に関し、特に、作動時において比較的少量のガスが発生するように構成された小型のガス発生器に関する。
従来、自動車等の乗員の保護の観点から、乗員保護装置であるシートベルト装置が普及している。シートベルト装置は、車両等衝突時に生じる衝撃から乗員を保護する目的で装備されるものであり、乗員の身体にベルトを巻き付けることで乗員を座席に拘束するものである。これにより、車両等衝突時に乗員が車内や車外に投げ出されることが防止される。
シートベルト装置のうち、いわゆるプリテンショナを備えたものには、マイクロガスジェネレータと称される小型のガス発生器が組み込まれる。プリテンショナは、衣服の厚み等によって生じるシートベルトの弛みを、車両等の衝突が検知された場合に瞬時に巻き上げる装置であり、このような機能は、ガス発生器から出力されるガスの圧力によってシートベルトの一端が強く引き込まれることで実現される。
一般に、この種のガス発生器においては、ガス発生剤が装填された有底略円筒状のカップが、ガス発生剤を燃焼させるための点火器が予めホルダに組付けられてなる点火器組立体に対して固定されることにより、その製造が行なわれる。
ホルダに対する点火器の組付構造には、種々の構造のものが存在する。その一つに、樹脂材料を原料とした射出成形(より特定的にはインサート成形)によって点火器をホルダに対して組付ける組付構造が知られている。このような組付構造が開示された文献としては、たとえば特開2003-161599号公報(特許文献1)や、実用新案登録第3134430号公報(特許文献2)、特開2010-276263号公報(特許文献3)、特開2019-99022号公報(特許文献4)等がある。
特開2003-161599号公報 実用新案登録第3134430号公報 特開2010-276263号公報 特開2019-99022号公報
ここで、樹脂材料を原料とした射出成形によって点火器をホルダに組付ける場合には、射出成形によって形成されることとなる樹脂成形部とホルダとの間の界面において、長期的に確実にシール性を確保することが必要になる。この点、上述した特許文献1ないし4においては、樹脂成形部で覆われることとなる部分のホルダの表面に立壁部や溝部等の各種の凹凸を付与することにより、そのシール性が確保されるように構成されている。
しかしながら、ホルダの表面に立壁部や溝部等の各種の凹凸を付与することでシール性を確保するためには、非常に高精度の切削加工をホルダに対して施す必要があり、この点が製造コストを大幅に押し上げてしまう要因となる。
したがって、本発明は、上述した問題を解決すべくなされたものであり、樹脂成形部とホルダとの間の界面において長期的に確実にシール性を確保することができ、しかも安価に製造することができるガス発生器を提供することを目的とする。
本発明に基づくガス発生器は、燃焼することでガスを発生するガス発生剤と、上記ガス発生剤を収容するとともに、軸方向の一端が開放端として構成された有底略円筒状のカップと、上記カップが同軸上に組付けられることで上記カップの上記開放端を閉塞する略円柱状の外形を有する点火器組立体とを備えている。上記点火器組立体は、点火薬が装填された点火部および当該点火部に接続された端子ピンを有する点火器と、上記カップに面する側の軸方向端面である第1端面、上記カップに面さない側の軸方向端面である第2端面、および、上記第1端面と上記第2端面とに達し、上記点火器の少なくとも一部が挿通された貫通部を有する略円柱状の金属製のホルダと、上記点火器と上記ホルダとの間の空間を充填することにより、上記点火部が上記ガス発生剤に面することとなるように上記点火器を上記ホルダに固定する樹脂成形部とを含んでいる。上記ホルダの上記第1端面には、上記貫通部を取り囲むように突出形状の環状鍔部が設けられている。上記樹脂成形部は、上記ホルダの上記第1端面のうちの上記貫通部の周囲に位置する部分に固着してこれを覆う第1被覆部と、上記ホルダの上記第2端面のうちの上記貫通部の周囲に位置する部分に固着してこれを覆う第2被覆部と、上記貫通部を埋め込むことで上記第1被覆部と上記第2被覆部とを接続する接続部とを有している。上記カップは、上記開放端から外側に向けて延びるフランジ部を有しており、上記点火器組立体の上記カップに面する側の軸方向端面には、上記フランジ部を受け入れる環状溝部が設けられている。上記環状溝部の内側壁面は、上記第1被覆部の外周面によって規定されており、上記環状溝部の底面は、上記ホルダの上記第1端面によって規定されており、上記環状溝部の外側壁面は、上記環状鍔部の内周面によって規定されている。上記本発明に基づくガス発生器は、上記環状溝部の内部にシール剤が塗布されるとともに上記フランジ部が上記環状溝部に受け入れられた状態において上記環状鍔部が内側に向けて折り曲げられることにより、上記環状溝部の内部において露出する上記ホルダの上記第1端面と上記第1被覆部の外周面との境目が上記シール剤によって覆われた状態で上記フランジ部が上記環状鍔部と上記環状溝部の底面とによって挟み込まれ、これにより上記カップが上記ホルダに組付けられてなるものである。
本発明によれば、樹脂成形部とホルダとの間の界面において長期的に確実にシール性を確保することができ、しかも安価に製造することができるガス発生器を提供することが可能になる。
実施の形態に係るガス発生器の模式断面図である。 図1中に示すII-II線に沿った模式断面図である。 図1中に示す領域IIIの拡大図である。 図1に示すガス発生器の製造途中における点火器組立体の模式断面図である。 図1に示すガス発生器の製造方法を示す模式断面図である。 図1に示すガス発生器の製造方法を示す模式断面図である。 図1に示すガス発生器の製造方法を示す模式断面図である。 図1に示すガス発生器の製造方法を示す模式断面図である。 図1に示すガス発生器がプリテンショナに組み込まれた状態を示す模式断面図である。 図1に示すガス発生器にショーティングクリップを取付ける方法を示す模式断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、プリテンショナを備えたシートベルト装置に好適に組み込まれるガス発生器(いわゆるマイクロガスジェネレータ)に本発明を適用した場合を例示するものである。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、実施の形態に係るガス発生器の模式断面図であり、図2は、図1中に示すII-II線に沿った模式断面図である。また、図3は、図1中に示す領域IIIの拡大図であり、図4は、図1に示すガス発生器の製造途中における点火器組立体の模式断面図である。まず、これら図1ないし図4を参照して、本実施の形態に係るガス発生器1の構成について説明する。
図1ないし図3に示すように、本実施の形態に係るガス発生器1は、ホルダ10、点火器20および樹脂成形部30からなる略円柱状の外形を有する点火器組立体2と、有底略円筒状のカップ40と、ガス発生剤50と、シール剤60とを備えている。ガス発生器1においては、カップ40が点火器組立体2と同軸上に配置されてこれに組付けられることにより、点火器組立体2のうちのホルダ10および樹脂成形部30と、カップ40とによって当該ガス発生器1の外殻となるハウジングが構成されている。
ガス発生剤50は、点火器組立体2とカップ40とによって規定される空間に収容されており、点火器20は、その点火部21がガス発生剤50に面することとなるように、樹脂成形部30を介してホルダ10に固定されている。なお、シール剤60は、カップ40と点火器組立体2との間の所定の部位においてこれらに介在するように設けられているが、その詳細については後述することとする。
図1および図2に示すように、ホルダ10は、点火器20およびカップ40を保持するための部材であり、略円柱状の外形を有している。ここで、本実施の形態においては、ホルダ10に後述する凹部14および貫通部10cが設けられているため、ホルダ10は、実質的には略円筒状の形状を有している。
より詳細には、ホルダ10は、筒状の胴部11と、胴部11の内側であってかつ胴部11のカップ40側の軸方向端部に位置する略円盤状の隔壁部12とを含んでいる。隔壁部12の中央には、開口形状の貫通部10cが位置しており、胴部11の内側であってかつ胴部11のカップ40側とは反対側の軸方向端部には、凹部14が位置している。これら貫通部10cと凹部14とは、互いに通じている。
ここで、ホルダ10は、カップ40に面する側の軸方向端面である第1端面10aを有しており、当該第1端面10aは、胴部11のカップ40側の軸方向端面と、隔壁部12のカップ40側の主面とによって規定されている。また、ホルダ10は、カップに面さない側の軸方向端面である第2端面10bを有しており、当該第2端面10bは、胴部11のカップ40側とは反対側の軸方向端面と、隔壁部12のカップ40側とは反対側の主面(より厳密には、当該主面には上述した凹部14が設けられているため、当該主面は、凹部14の表面に相当する)とによって規定されている。なお、上述した貫通部10cは、ホルダ10のこれら第1端面10aおよび第2端面10bの双方に達している。
また、ホルダ10の第1端面10aには、貫通部10cを取り囲むように突出形状の環状鍔部13が設けられている。この環状鍔部13は、カップ40の後述するフランジ部43をかしめ固定するための部位であり、当該かしめ固定の際には、環状鍔部13が内側に向けて折り曲げられることにより、フランジ部43を第1端面10aとの間で挟み込むことでカップ40をホルダ10に対して移動不能に固定する。なお、環状鍔部13は、第1端面10aの外縁部に位置しており、これにより上述した第1端面10aは、貫通部10cと環状鍔部13との間に位置することになる。
ホルダ10は、上述したようにハウジングの一部を構成する部材でもあり、たとえばアルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料からなる成形品にて構成される。ホルダ10は、たとえば原料となる板状金属部材または棒状金属部材に鍛造加工や打抜き加工、必要に応じて切削加工等が所定の順番でそれぞれ一回または複数回実施されることで図4に示す如くの形状に成形される。
点火器20は、火炎を発生させるためのものであり、スクイブとも称される。点火器20は、点火部21と、一対の端子ピン22とを有している。点火部21は、その内部に、作動時において着火して燃焼することで火炎を発生する点火薬と、この点火薬を着火させるための抵抗体(ブリッジワイヤ)とを含んでいる。一対の端子ピン22は、点火薬を着火させるために点火部21に接続されている。
より詳細には、点火部21は、カップ状に形成されたスクイブカップを含んでおり、このスクイブカップ内に挿入された一対の端子ピン22の先端を連結するように上述した抵抗体が取付けられ、この抵抗体を取り囲むようにまたはこの抵抗体に近接するようにスクイブカップ内に点火薬が装填された構成を有している。
ここで、抵抗体としては一般にニクロム線等が利用され、点火薬としては一般にZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム)、ZWPP(ジルコニウム・タングステン・過塩素酸カリウム)、鉛トリシネート等が利用される。なお、上述したスクイブカップは、一般に金属製またはプラスチック製である。
衝突を検知した際には、端子ピン22を介して抵抗体に所定量の電流が流れる。抵抗体に所定量の電流が流れることにより、抵抗体においてジュール熱が発生し、点火薬が燃焼を開始する。燃焼により生じた高温の火炎は、点火薬を収納しているスクイブカップを破裂させる。抵抗体に電流が流れてから点火器20が作動するまでの時間は、抵抗体にニクロム線を利用した場合に一般に2ms以下である。
点火器20は、ホルダ10の隔壁部12に設けられた貫通部10cに端子ピン22が挿通された状態でホルダ10に取付けられている。具体的には、ホルダ10の周囲には、当該ホルダ10と点火器20との間の空間を充填するように上述した樹脂成形部30が設けられており、点火器20は、当該樹脂成形部30によって保持されることでホルダ10に対して組付けられている。
樹脂成形部30は、型を用いた射出成形(より特定的にはインサート成形)によって形成されたものであり、ホルダ10の隔壁部12に設けられた貫通部10cを経由してホルダ10の第1端面10aの一部から第2端面10bの一部にまで達するように絶縁性の流動性樹脂材料をホルダ10に付着させてこれを固化させることによって形成される。
点火器20は、樹脂成形部30の成形の際に、貫通部10cに端子ピン22が挿通するようにホルダ10の第1端面10a側から挿入された状態とされ、この状態において点火器20とホルダ10との間の空間を充填するように上述した流動性樹脂材料が流し込まれることにより、樹脂成形部30を介してホルダ10に固定される。
ここで、ホルダ10に設けられた貫通部10cの大きさは、点火器20の最大外形部分である点火部21の外形よりも小さく構成されている。このように構成することにより、万が一樹脂成形部30に予期せぬ破損が生じた場合であっても、後述する収容空間44(すなわち、ガス発生剤50が収容された空間)の内圧の上昇を受けて点火器20が当該貫通部10cを通過してハウジングの外部に飛び出てしまうことを防止でき、ガス発生器1の安全な動作が確保されることになる。
射出成形によって形成される樹脂成形部30の原料としては、硬化後において耐熱性や耐久性、耐腐食性等に優れた樹脂材料が好適に選択されて利用される。その場合、エポキシ樹脂等に代表される熱硬化性樹脂に限られず、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂(たとえばナイロン6やナイロン66等)、ポリプロピレンスルフィド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂等に代表される熱可塑性樹脂を利用することも可能である。これら熱可塑性樹脂を原材料として選択する場合には、成形後において樹脂成形部30の機械的強度を確保するためにこれら樹脂材料にガラス繊維等をフィラーとして含有させることが好ましい。しかしながら、熱可塑性樹脂のみで十分な機械的強度が確保できる場合には、上述の如くのフィラーを添加する必要はない。
樹脂成形部30は、ホルダ10の第1端面10aの一部を覆う第1被覆部31と、ホルダ10の第2端面10bの一部を覆う第2被覆部32と、ホルダ10の隔壁部12に設けられた貫通部10c内に位置し、第1被覆部31と第2被覆部32とを接続する接続部33とを有している。
樹脂成形部30は、第1被覆部31、第2被覆部32および接続部33のそれぞれのホルダ10側の表面において当該ホルダ10に固着している。また、樹脂成形部30は、点火器20の点火部21の下方端寄りの部分の側面および下面と、点火器20の端子ピン22の上方端寄りの部分の表面とにそれぞれ固着している。これにより、貫通部10cは、端子ピン22と樹脂成形部30とによって完全に埋め込まれた状態となり、当該部分におけるシール性が確保されることでハウジングの内部の空間の気密性が確保されている。
ここで、第1被覆部31は、ホルダ10の第1端面10aのうちの貫通部10cに隣接する部分を覆うように形成されており、その外縁は、環状鍔部13に達することなく当該環状鍔部13から距離をもってより内側に位置している。そのため、ホルダ10の第1端面10aは、その外縁側の部分が第1被覆部31によって覆われることなく露出している。
また、第1被覆部31には、点火器20の点火部21の側面に沿って上方に向けて突設された補強部31aが設けられている。当該補強部31aは、ガス発生器1の作動時において開裂する点火器20のスクイブカップの開き具合を調整する(すなわち、過度にスクイブカップが開いてしまうことを防止する)ための部位である。この補強部31aを設けることにより、点火器20が作動することによって発生する熱粒子に指向性をもたせることが可能になり、当該熱粒子を効率的にガス発生剤50へと導くことができる。
一方、第2被覆部32は、ホルダ10の第2端面10bのうちの凹部14の表面を覆う第1部分32aと、凹部14が設けられていない部分のホルダ10の第2端面10b(すなわち、胴部11によって規定される部分の第2端面10b)からカップ40が位置する側とは反対側に向けて突出する第2部分32bとを含むように形成されている。また、第2被覆部32には、さらに、これら第1部分32aと第2部分32bとに跨がるように凹状の雌型コネクタ部32cが設けられている。
雌型コネクタ部32cには、点火器20の一対の端子ピン22が露出した状態で位置しており、これにより雌型コネクタ部32cは、当該一対の端子ピン22を介した点火器20の外部接続のための雄型コネクタ(不図示)を受け入れ保持するための部位として機能する。すなわち、この雌型コネクタ部32cに、コントロールユニット(不図示)に接続されたハーネスの雄型コネクタが挿し込まれることにより、当該ハーネスの芯線と端子ピン22との電気的導通が実現されることになり、これによって点火器20とコントロールユニットとが結線されることになる。
なお、雌型コネクタ部32cの内側面のうちの上述した第2部分32b(すなわち、第2被覆部32のうち、凹部14が設けられていない部分のホルダ10の第2端面10bから突出する部分)によって規定される部分には、ショーティングクリップ80(図10参照)を保持するための窪み形状の係止部32b1が設けられている。
ここで、本実施の形態に係るガス発生器1にあっては、凹部14の表面に、ホルダ10の隔壁部12に設けられた貫通部10cから、凹部14が設けられていない部分のホルダ10の第2端面10bにまで達するように、複数の溝部14aが設けられている。当該溝部14aは、ホルダ10の周方向に沿って点在するように設けられており、本実施の形態においては、図2に示すように、周方向に沿って互いに均等に配置されるように3つの溝部14aが設けられている。これら溝部14aは、いずれも樹脂成形部30の第2被覆部32によって埋め込まれている。
このように構成することにより、溝部14aとこれを埋め込む部分の第2被覆部32とが互いに噛み合うことになり、樹脂成形部30がホルダ10に対して回転してしまうことが未然に防止できることになる。また、このように構成することにより、樹脂成形部30の射出成形の際に、その成形性が大幅に向上することになるが、この点については後において詳述することとする。
また、本実施の形態に係るガス発生器1にあっては、図1に示すように、第2被覆部32の第2部分32bの突出長さをAとし、ホルダ10へのカップ40の組付け後の状態におけるホルダ10の軸方向長さ(すなわち、折り曲げ後の環状鍔部13の上端から凹部14が設けられていない部分のホルダ10の第2端面10bまでのホルダ10の軸方向距離)をBとした場合に、これら突出長さAおよび軸方向長さBが、B<1.8×Aの条件(以下、これを「第1条件」と称する)を満たしている。
加えて、本実施の形態に係るガス発生器1にあっては、図1に示すように、さらに雌型コネクタ部32cの深さをCとした場合に、上記突出長さAおよび当該深さCが、C<1.8×Aの条件(以下、これを「第2条件」と称する)を満たしている。
これら第1条件および第2条件の少なくともいずれかを満たすことにより、第2被覆部32の第2部分32bの突出長さAを顕著に長く構成することが可能になり、これによって後述するガス発生器1のプリテンショナへの組付け後における雄型コネクタの挿し込みの容易化が図られるという効果が得られるとともに、カップ40を大型化することなくガス発生剤50の充填量を増加させることが可能になる効果が得られることになるが、これらの点については後において詳述することとする。
以上において説明したホルダ10、点火器20および樹脂成形部30からなる点火器組立体2は、ガス発生器1の製造に際して、予めこれらが相互に組付けられることで一体化された単一の部品として製作され、その後、この単一の部品である点火器組立体2に対して、残る部品であるカップ40、ガス発生剤50およびシール剤60が組付けられることにより、ガス発生器1が製造されることになる。
したがって、図4に示すように、点火器組立体2が製作された時点においては、ホルダ10の第1端面10aに設けられた上述した環状鍔部13は、未だ内側に向けて折り曲げられておらず、ホルダ10の軸方向に沿って立設した状態にある。そのため、当該状態においては、カップ40のフランジ部43を受け入れるための環状溝部2aが、外部に向けて開放された状態で点火器組立体2のカップ40が組付けられる側の軸方向端面に位置していることになり、当該環状溝部2aの内側壁面(すなわち、径方向内側に位置する側面)は、樹脂成形部30の第1被覆部31の外周面によって規定され、環状溝部2aの底面は、ホルダ10の露出した部分の第1端面10aによって規定され、環状溝部の外側壁面(すなわち、径方向外側に位置する側面)は、ホルダ10に設けられた環状鍔部13の内周面によって規定されることになる。
図1および図3に示すように、カップ40は、軸方向の一端が開放端41aとして構成された有底略円筒状の部材からなり、側壁部41と底壁部42とフランジ部43とを有している。側壁部41および底壁部42によって規定されるカップ40の収容空間44には、ガス発生剤50が収容されている。
上述した開放端41aは、側壁部41の一対の軸方向端部のうちの底壁部42が位置する側とは反対側の端部にて構成されている。フランジ部43は、この開放端41aから外側に向かって延びるように位置している。当該フランジ部43は、カップ40をホルダ10に固定するための部位である。
カップ40の底壁部42には、その表面に溝状の切れ込みが形成されることでスコア42aが設けられている。このスコア42aは、底壁部42の所定位置に他の位置に比べて脆弱な脆弱部を形成するために設けられたものであり、当該スコア42aを設けることにより、ガス発生器1の作動時において当該部分を起点にカップ40が開口するように構成することができる。
カップ40は、ハウジングの一部を構成する部材でもあり、たとえばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼を含む鉄系材料等の金属材料からなる成形品にて構成される。なお、カップ40の成形には、一般に金型を用いたプレス加工等が利用される。
上述したように、カップ40は、そのフランジ部43がホルダ10に設けられた環状鍔部13によってかしめ固定されることでホルダ10に組付けられている。具体的には、点火器組立体2に設けられた上述した環状溝部2aにカップ40のフランジ部43が挿入された状態で環状鍔部13が内側に向けて折り曲げられることにより、カップ40が点火器組立体2に固定されることになる。
ガス発生剤50は、点火器20によって着火されて燃焼することで多量のガスを発生するものである。ガス発生剤50としては、無煙火薬(ニトロセルロース)の成形体や、有機窒素化合物と酸化剤とからなる非アジ化系組成物の成形体等が利用される。なお、近年においては、ガス発生剤50として、一酸化炭素等の有害物質の生成量が極めて少ない非ニトロセルロース系ガス発生剤を利用することが注目されている。
ガス発生剤50の成形体としては、顆粒状、ペレット状、円柱状、ディスク状等、種々の形状のものが利用できる。また、貫通孔を有する有孔状(たとえばマカロニ状や蓮根状等)のものもガス発生剤50の成形体として利用できる。これらの形状は、ガス発生器1が組付けられるプリテンショナの仕様に応じて最適のものが選択される。また、形状の他にも、線燃焼速度、圧力指数等を考慮に入れてガス発生剤50の成形体のサイズ等が選択される。なお、ガス発生剤50の充填量は、組付けられるプリテンショナの仕様に応じて適宜変更され得るが、無煙火薬を使用した場合には、概ね0.1g~2.0g程度とされることが一般的である。
図1および図3に示すように、カップ40が点火器組立体2に組付けられた状態においては、上述したように、カップ40のフランジ部43が点火器組立体2の環状溝部2aに収容された状態とされており、当該フランジ部43が環状鍔部13と環状溝部2aの底面とによって挟み込まれた状態となっている。ここで、環状鍔部13と環状溝部2aとの間には、シール剤60が介在している。
シール剤60は、ガス発生剤50が収容された収容空間44を外部の空間から気密に封止するためのものであり、具体的には、ホルダ10とカップ40との間の界面およびホルダ10と樹脂成形部30との間の界面を介した気体の流通を阻止するためのものである。
具体的には、シール剤60は、主として、ホルダ10の第1端面10aによって規定される環状溝部2aの底面と、ホルダ10の環状鍔部13の内周面によって規定される環状溝部2aの外側壁面の下部側の部分と、樹脂成形部30の第1被覆部31の外周面によって規定される環状溝部2aの内側壁面の下部側部分と、カップ40のフランジ部43の下面とによって規定される空間を充填するように位置しており、これにより、ホルダ10とカップ40との間に介在するとともに、環状溝部2aの内部において露出するホルダ10の第1端面10aと第1被覆部31の外周面との境目2bを覆っている。
ここで、シール剤60としては、硬化後においてシール性を発揮するものであればどのようなものを用いてもよいが、硬化後において適度な弾性を有していることが好ましく、たとえばシリコーン系樹脂やポリオレフィン系樹脂を原料として含むものが好適に利用できる。
当該シール剤60は、上述した環状鍔部13によるフランジ部43のかしめ固定に先立って環状溝部2aの内部に液状の状態で塗布されるものであり、この状態において環状溝部2aにフランジ部43が挿入されて環状鍔部13によるフランジ部43のかしめ固定が行なわれることにより、上述した態様でホルダ10と樹脂成形部30とカップ40との間に介在するように形成されるものである。なお、液状の状態で塗布されたシール剤60の硬化は、かしめ固定前に行なわれてもよいし、かしめ固定後に行なわれてもよいが、シール剤60によるシール性確保をより確実ならしめるためには、かしめ固定後に行なわれることが好ましい。
図5ないし図8は、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法を示す模式断面図である。次に、これら図5ないし図8を参照して、本実施の形態に係るガス発生器1の製造方法について説明する。
本実施の形態に係るガス発生器1を製造するに際しては、まず、ホルダ10が準備される。ホルダ10は、上述したように、原料となる板状金属部材または棒状金属部材に鍛造加工や打抜き加工、必要に応じて切削加工等が所定の順番でそれぞれ一回または複数回実施されることで製作される。ここで、本実施の形態に係るガス発生器1が具備するホルダ10は、後に樹脂成形部30によって覆われる部分の表面に複雑な形状の部位を有していないため、高コスト化の要因となる高精度の切削加工は必要としない。
次に、図5(A)に示すように、上型201、下内型202Aおよび下外型202Bからなる射出成形用の金型200に、ホルダ10および点火器20がセットされる。具体的には、予め組み合わされた状態にある下内型202Aおよび下外型202Bのうち、下外型202Bにホルダ10がセットされ、この状態において点火器20の一対の端子ピン22がホルダ10の貫通部10cを挿通するように点火器20が下内型202Aにセットされる。さらに、その後、ホルダ10および点火器20を覆うように上型201が下内型202Aおよび下外型202Bに組み合わされ、これにより金型200の内部に位置するホルダ10および点火器20の周囲に、樹脂成形部30に対応する形状のキャビティ203が形成される。
次に、図5(B)に示すように、樹脂成形部30が射出成形によって形成される。具体的には、上型201に設けられたゲート201aからキャビティ203に向けて絶縁性の流動性樹脂材料が射出され、これによりキャビティ203が当該流動性樹脂材料によって充填される。その後、キャビティ203内に充填された流動性樹脂材料が固化することにより、ホルダ10および点火器20の表面に固着することで、ホルダ10と点火器20とを相互に固定する樹脂成形部30が形成されることになる。
ここで、樹脂成形部30の成形性を高める観点からは、キャビティ203内に射出された流動性樹脂材料がキャビティ203の隅々にまで流れ込むことが重要である。特に、何らの手当ても行なわなかった場合には、樹脂成形部30の構造上、流動性樹脂材料の流動方向と直交する方向におけるキャビティ203の断面積が最も小さくなる部分である、樹脂成形部30のうちのホルダ10の第2端面10bを覆う部分(すなわち、第2被覆部32の上述した第1部分32a)に対応した位置おいて、流動性樹脂材料の流動が阻害される可能性がある。
この点、本実施の形態に係るガス発生器1においては、上述したように、ホルダ10の凹部14の表面に、隔壁部12に設けられた貫通部10cから、凹部14が設けられていない部分の第2端面10bにまで達するように、複数の溝部14aが設けられているため、当該複数の溝部14aが設けられた部分に面する領域のキャビティ203の断面積が、当該複数の溝部14aが設けられていない部分に面する領域のキャビティ203の断面積よりも大きく構成されることになる。すなわち、複数の溝部14aが設けられていない部分に面する領域のキャビティ203が、流動性樹脂材料が通流する狭小路203aとして構成されるのに対し、複数の溝部14aが設けられた部分に面する領域のキャビティ203が、流動性樹脂材料が通流する広大路203bとして構成されることになる。
したがって、このように、流動性樹脂材料の流動方向と直交する方向におけるキャビティ203の断面積が最も小さくなる部分の一部に流動性樹脂材料が通流する広大路203bを設けることにより、キャビティ203内における流動性樹脂材料の巡りが改善され、流動性樹脂材料がキャビティ203の隅々にまで行き渡ることで樹脂成形部30の成形性が飛躍的に向上することになる。
加えて、本実施の形態に係るガス発生器1においては、上述したように、第2被覆部32の第2部分32bの突出長さA、ホルダ10へのカップ40の組付け後の状態におけるホルダ10の軸方向長さB、および、雌型コネクタ部32cの深さC(いずれも図1参照)が、上述した第1条件(すなわち、B<1.8×Aの条件)および/または第2条件(すなわち、C<1.8×Aの条件)を満たしていることにより、第2被覆部32の第2部分32bの突出長さAが顕著に長く構成されている。
そのため、第2被覆部32の第2部分32bの突出長さAが長い分だけ、上述した狭小路203aの長さも自ずと短くなるため、この点においてもキャビティ203内における流動性樹脂材料の巡りが改善されることになり、樹脂成形部30の成形性が飛躍的に向上することになる。
次に、樹脂成形部30が形成されることで製作されたホルダ10、点火器20および樹脂成形部30からなる点火器組立体2が金型200から取り出され、その後、図6に示すように、シール剤60の塗布が行なわれる。具体的には、樹脂成形部30の第1被覆部31の外周面、ホルダ10の第1端面10a、および、ホルダ10の環状鍔部13の内周面によって規定された点火器組立体2の環状溝部2aに、たとえばディスペンサ210を用いて液状のシール剤60が塗布される。その際、液状のシール剤60は、硬化後において、環状溝部2aの内部において露出するホルダ10の第1端面10aと第1被覆部31の外周面との境目2bを覆うのに十分な量が塗布される。
次に、図7および図8に示すように、点火器組立体2に対するカップ40の組付けが行なわれる。具体的には、まず、図7に示すように、液状のシール剤60が環状溝部2aの内部に塗布されてなる点火器組立体2の当該環状溝部2aに、所定量のガス発生剤50が内部に収容されたカップ40のフランジ部43が挿入される。続いて、図8に示すように、フランジ部43が環状溝部2aに受け入れられた状態を維持しつつ、ホルダ10に設けられた環状鍔部13が内側に向けて(すなわち、図中に示す矢印D方向に向けて)折り曲げられることにより、環状鍔部13によるフランジ部43のかしめ固定が行なわれる。
これにより、環状溝部2aの内部において露出するホルダ10の第1端面10aと樹脂成形部30の第1被覆部31の外周面との境目2b(図3参照)がシール剤60によって覆われた状態でフランジ部43が環状鍔部13と環状溝部2aの底面とによって挟み込まれることになり、これによってカップ40が点火器組立体2に組付けられることになる。
上述したように、シール剤60の硬化は、環状鍔部13によるフランジ部43のかしめ固定前またはかしめ固定後に行なわれ、これにより図1に示す如くのガス発生器1の製造が完了する。なお、シール剤60は、上述した境目2bを覆うのみならず、ホルダ10とカップ40との間にも介在することになるため、当該シール剤60により、ホルダ10とカップ40との間の部分およびホルダ10と樹脂成形部30との間の部分の双方における気密性を確保することが可能になる。
以上において説明したように、本実施の形態に係るガス発生器1とすることにより、シール剤60によって樹脂成形部30とホルダ10との間の界面において長期的に確実にシール性を確保することが可能になるばかりでなく、高精度の切削加工を必要としない安価に製造することができるガス発生器とすることが可能になる。
図9(A)および図9(B)は、本実施の形態に係るガス発生器がプリテンショナに組み込まれた状態の一例および他の一例を示す模式断面図である。次に、これら図9(A)および図9(B)を参照して、本実施の形態に係るガス発生器1のプリテンショナへの組付構造について説明する。
図9(A)に示すように、シートベルト装置が備えるプリテンショナ100Aにガス発生器1が組み込まれるに際しては、プリテンショナ100Aが有する略円筒状のケーシング110にガス発生器1が組付けられる。
より詳細には、まず、ガス発生器1が、そのカップ40が位置する側の軸方向端部からケーシング110の内部に挿入される。このとき、ケーシング110の内周面に設けられた段差部111に、ガス発生器1のホルダ10に設けられた環状鍔部13の上端が当接することにより、ケーシング110に対するガス発生器1の位置決めが行なわれる。この位置決めが行なわれた状態においては、ガス発生器1の樹脂成形部30のうちの第2被覆部32の第2部分32bと、ケーシング110の先端側の部分とが、ケーシング110の径方向において対向することになる。
次に、この状態において、ケーシング110の先端側の部分が内側に向けて(すなわち、ガス発生器1の上述した第2被覆部32の第2部分32b側に向けて)折り曲げられることにより、当該ケーシング110の折り曲げられた部分であるかしめ部112と上述した段差部111とによってガス発生器1のホルダ10の胴部11が挟み込まれることになり、これによってガス発生器1がケーシング110に対してかしめ固定されることになる。
以上により、プリテンショナ100Aにガス発生器1が組付けられることになる。このガス発生器1がプリテンショナ100Aに組付けられた状態においては、ケーシング110の先端よりもガス発生器1の上述した第2被覆部32の第2部分32bが突出した状態となるため、この第2被覆部32の第2部分32bがガイドとなることにより、当該第2被覆部32に設けられた雌型コネクタ部32cに対する雄型コネクタの挿し込みがより容易に行なえることになる。
一方、図9(B)に示すプリテンショナ100Bにおいては、その耐圧性能を向上させる目的から、ケーシング110の厚みが上述したプリテンショナ100Aのそれよりも大きく構成されている。この場合、ケーシング110の厚みの増加に伴い、ガス発生器1をかしめ固定するための部位であるかしめ部112の厚みも大きくなることになり、ガス発生器1の上述した第2被覆部32の第2部分32bの突出量が十分に大きくない場合には、ケーシング110の先端よりもガス発生器1の上述した第2被覆部32の第2部分32bが突出した状態とはならず、上述したガイド機能が発揮されないこととなってしまう。
この点、本実施の形態に係るガス発生器1においては、上述したように、第2被覆部32の第2部分32bの突出長さA、ホルダ10へのカップ40の組付け後の状態におけるホルダ10の軸方向長さB、および、雌型コネクタ部32cの深さC(いずれも図1参照)が、上述した第1条件(すなわち、B<1.8×Aの条件)および/または第2条件(すなわち、C<1.8×Aの条件)を満たしていることにより、第2被覆部32の第2部分32bの突出長さAが顕著に長く構成されている。
そのため、第2被覆部32の第2部分32bの突出量が十分に確保されていることになり、ケーシング110の厚みが増加した場合にも、当該第2被覆部32の第2部分32bによるガイド機能が失われることなく発揮されることになり、雄型コネクタの挿し込みの容易化が図られるという効果を得ることができる。
加えて、図9(A)および図9(B)を参照して、より高いガス出力が必要とされる場合には、ガス発生器1に充填されるガス発生剤50の量を増加させるためにカップ40の軸方向長さを長大化させることが効果的ではあるものの、そのように構成した場合には、ケーシング110に対するガス発生器1の挿入量も必然的に大きくなってしまい、ガス発生器1が挿入されていない部分のケーシング110の内容積を確保するためには、結果としてケーシング110もその分だけ長大化させる必要が生じ、プリテンショナ100A,100Bの大型化が問題となる。
この点、本実施の形態に係るガス発生器1においては、上述した第1条件および/または第2条件が満たされていることにより、第2被覆部32の第2部分32bの突出長さAが顕著に長く確保されているため、雌型コネクタ部32cをガス発生器1の軸方向に沿ってカップ40からより離れる方向に向けて後退させて配置することが可能になり、これに伴って樹脂成形部30、ホルダ10の隔壁部12および点火器20についても、これらをカップ40からより離れる方向に向けて後退させて配置さすることが可能になる。
そのため、カップ40の軸方向長さを長大化させなくとも、これら樹脂成形部30、ホルダ10の隔壁部12および点火器20を後退させた分だけ収容空間44の体積が増加することになり、これに伴ってガス発生剤50の充填量を増加させることができる。したがって、当該構成を採用することにより、より高いガス出力が必要とされる場合には、プリテンショナ100A,100Bを大型化させることなくこれを実現することが可能になる。
図10は、本実施の形態に係るガス発生器にショーティングクリップを取付ける方法を示す模式断面図である。次に、この図10を参照して、本実施の形態に係るガス発生器1にショーティングクリップ80を取付ける方法について説明する。
本実施の形態に係るガス発生器1にあっては、車両への搭載前に、たとえば静電放電等によって誤作動が生じてしまうことを未然に防止することが必要になる。図10に示すように、ショーティングクリップ80は、この誤作動を防止するために、ガス発生器1の上述した雌型コネクタ部32cに取付けられるものであり、このショーティングクリップ80が雌型コネクタ部32cに取付けられた状態においては、点火器の一対の端子ピン22が、ショーティングクリップ80が具備する導電性の板バネ部(不図示)によって意図的に短絡される。
ショーティングクリップ80をガス発生器1に取付けるに際しては、ショーティングクリップ80が、ガス発生器1の雌型コネクタ部32cに挿入される。このとき、ショーティングクリップ80の周面に設けられた複数の被係止部81が、雌型コネクタ部32cの内側面に設けられた係止部32b1によって係止される。この係止部32b1による被係止部81の係止により、ショーティングクリップ80が雌型コネクタ部32cに固定されることになる。
また、ショーティングクリップ80には、点火器20の一対の端子ピン22を受け入れる中空部(不図示)が設けられており、当該中空部には、上述した板バネ部が配置されている。この板バネ部は、ショーティングクリップ80が雌型コネクタ部32cに固定された状態において、一対の端子ピン22の双方に弾性付勢された状態で接触可能となるように構成されており、これにより、一対の端子ピン22が短絡させられた状態が維持されることになる。
ここで、本実施の形態に係るガス発生器1にあっては、上述した第1条件および/または第2条件が満たされていることにより、第2被覆部32の第2部分32bの突出長さA(図1参照)が顕著に長く確保されているため、ガス発生器1に設けられる係止部32b1は、雌型コネクタ部32cの内側面のうちの上述した第2部分32bによって規定される部分に設けられることになる。
次に、前述の図1を参照して、本実施の形態に係るガス発生器1の作動時における動作について説明する。
図1を参照して、本実施の形態に係るガス発生器1が搭載された車両が衝突した場合には、車両に別途設けられた衝突検知手段によって衝突が検知され、これに基づいたコントロールユニットからの通電により、点火器20が作動する。点火器20が作動することにより、点火部21に収容された点火薬が着火されて燃焼し、これによってスクイブカップが開裂する。
点火薬が燃焼することで生じた火炎は、スクイブカップが開裂することによってガス発生剤50が収容された収容空間44に向けて噴出する。この火炎により、ガス発生剤50が着火されて燃焼し、収容空間44において多量のガスが発生する。このガス発生剤50の燃焼により、収容空間44の内圧が急速に上昇し、これによりカップ40の底壁部42がスコア42aを起点に開口し、発生した多量のガスがガス発生器1の外部へと導出されることになる。
その後、ガス発生器1から導出された多量のガスは、当該ガス発生器1が組み込まれたプリテンショナの作動空間(すなわち、上述したケーシング110の内部の空間(図9(A)および図9(B)等参照)へと導かれる。これにより、プリテンショナが駆動されることになり、シートベルト装置に設けられたシートベルトの一端が強く引き込まれることになる。
上述した実施の形態において開示したガス発生器の特徴的な構成を要約すると、以下のとおりとなる。
[付記1]
燃焼することでガスを発生するガス発生剤と、
上記ガス発生剤を収容するとともに、軸方向の一端が開放端として構成された有底略円筒状のカップと、
上記カップが同軸上に組付けられることで上記カップの上記開放端を閉塞する略円柱状の外形を有する点火器組立体とを備え、
上記点火器組立体は、
点火薬が装填された点火部および当該点火部に接続された端子ピンを有する点火器と、
上記カップに面する側の軸方向端面である第1端面、上記カップに面さない側の軸方向端面である第2端面、および、上記第1端面と上記第2端面とに達し、上記点火器の少なくとも一部が挿通された貫通部を有する略円柱状の金属製のホルダと、
上記点火器と上記ホルダとの間の空間を充填することにより、上記点火部が上記ガス発生剤に面することとなるように上記点火器を上記ホルダに固定する樹脂成形部とを含み、
上記ホルダの上記第1端面には、上記貫通部を取り囲むように突出形状の環状鍔部が設けられ、
上記樹脂成形部は、上記ホルダの上記第1端面のうちの上記貫通部の周囲に位置する部分に固着してこれを覆う第1被覆部と、上記ホルダの上記第2端面のうちの上記貫通部の周囲に位置する部分に固着してこれを覆う第2被覆部と、上記貫通部を埋め込むことで上記第1被覆部と上記第2被覆部とを接続する接続部とを有し、
上記カップは、上記開放端から外側に向けて延びるフランジ部を有し、
上記点火器組立体の上記カップに面する側の軸方向端面には、上記フランジ部を受け入れる環状溝部が設けられ、
上記環状溝部の内側壁面は、上記第1被覆部の外周面によって規定され、
上記環状溝部の底面は、上記ホルダの上記第1端面によって規定され、
上記環状溝部の外側壁面は、上記環状鍔部の内周面によって規定され、
上記環状溝部の内部にシール剤が塗布されるとともに上記フランジ部が上記環状溝部に受け入れられた状態において上記環状鍔部が内側に向けて折り曲げられることにより、上記環状溝部の内部において露出する上記ホルダの上記第1端面と上記第1被覆部の外周面との境目が上記シール剤によって覆われた状態で上記フランジ部が上記環状鍔部と上記環状溝部の底面とによって挟み込まれ、これにより上記カップが上記ホルダに組付けられてなる、ガス発生器。
[付記2]
上記ホルダの上記第2端面には、上記貫通部に通じる凹部が設けられ、
上記第2被覆部は、上記凹部を覆う部分である第1部分と、上記凹部が設けられていない部分の上記ホルダの上記第2端面から上記カップが位置する側とは反対側に向けて突出する第2部分とを含むように設けられ、
上記端子ピンが配置されるとともに当該端子ピンを介した上記点火器の外部接続のための雄型コネクタを受け入れ保持するための凹状の雌型コネクタ部が、上記第2被覆部の上記第1部分と上記第2部分とに跨がって設けられている、付記1に記載のガス発生器。
[付記3]
上記第2部分の突出長さをAとし、上記ホルダへの上記カップの組付け後の状態における上記ホルダの軸方向長さをBとした場合に、B<1.8×Aの条件を満たしている、付記2に記載のガス発生器。
[付記4]
上記第2部分の突出長さをAとし、上記雌型コネクタ部の深さをCとした場合に、C<1.8×Aの条件を満たしている、付記2に記載のガス発生器。
[付記5]
上記雌型コネクタ部の内側面のうちの上記第2部分によって規定される部分に、ショーティングクリップを保持するための窪み形状の係止部が設けられている、付記2から4のいずれかに記載のガス発生器。
[付記6]
上記貫通部から上記凹部が設けられていない部分の上記ホルダの上記第2端面にまで達する溝部が、上記凹部の表面に設けられ、
上記溝部が、上記第2被覆部によって埋め込まれている、付記2から5のいずれかに記載のガス発生器。
なお、上述した実施の形態においては、環状鍔部のかしめに先立って環状溝部の内部に予めシール剤を塗布する手順にてガス発生器を製造する場合を例示して説明を行なったが、環状鍔部のかしめに先だって環状溝部の内部に予めシール剤を塗布することなくカップのフランジ部にのみ予めシール剤を塗布してもよいし、環状鍔部のかしめに先だって環状溝部の内部およびフランジ部の双方にシール剤を塗布することとしてもよい。
また、上述した実施の形態において示した各部の形状や構成、大きさ、数、材質等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜その変更が可能である。
このように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 ガス発生器、2 点火器組立体、2a 環状溝部、2b 境目、10 ホルダ、10a 第1端面、10b 第2端面、10c 貫通部、11 胴部、12 隔壁部、13 環状鍔部、14 凹部、14a 溝部、20 点火器、21 点火部、22 端子ピン、30 樹脂成形部、31 第1被覆部、31a 補強部、32 第2被覆部、32a 第1部分、32b 第2部分、32b1 係止部、32c 雌型コネクタ部、33 接続部、40 カップ、41 側壁部、41a 開放端、42 底壁部、42a スコア、43 フランジ部、44 収容空間、50 ガス発生剤、60 シール剤、80 ショーティングクリップ、81 被係止部、100A,100B プリテンショナ、110 ケーシング、111 段差部、112 かしめ部、200 金型、201 上型、201a ゲート、202A 下内型、202B 下外型、203 キャビティ、203a 狭小路、203b 広大路、210 ディスペンサ。

Claims (6)

  1. 燃焼することでガスを発生するガス発生剤と、
    前記ガス発生剤を収容するとともに、軸方向の一端が開放端として構成された有底略円筒状のカップと、
    前記カップが同軸上に組付けられることで前記カップの前記開放端を閉塞する略円柱状の外形を有する点火器組立体とを備え、
    前記点火器組立体は、
    点火薬が装填された点火部および当該点火部に接続された端子ピンを有する点火器と、
    前記カップに面する側の軸方向端面である第1端面、前記カップに面さない側の軸方向端面である第2端面、および、前記第1端面と前記第2端面とに達し、前記点火器の少なくとも一部が挿通された貫通部を有する略円柱状の金属製のホルダと、
    前記点火器と前記ホルダとの間の空間を充填することにより、前記点火部が前記ガス発生剤に面することとなるように前記点火器を前記ホルダに固定する樹脂成形部とを含み、
    前記ホルダの前記第1端面には、前記貫通部を取り囲むように突出形状の環状鍔部が設けられ、
    前記樹脂成形部は、前記ホルダの前記第1端面のうちの前記貫通部の周囲に位置する部分に固着してこれを覆う第1被覆部と、前記ホルダの前記第2端面のうちの前記貫通部の周囲に位置する部分に固着してこれを覆う第2被覆部と、前記貫通部を埋め込むことで前記第1被覆部と前記第2被覆部とを接続する接続部とを有し、
    前記カップは、前記開放端から外側に向けて延びるフランジ部を有し、
    前記点火器組立体の前記カップに面する側の軸方向端面には、前記フランジ部を受け入れる環状溝部が設けられ、
    前記環状溝部の内側壁面は、前記第1被覆部の外周面によって規定され、
    前記環状溝部の底面は、前記ホルダの前記第1端面によって規定され、
    前記環状溝部の外側壁面は、前記環状鍔部の内周面によって規定され、
    前記環状溝部の内部にシール剤が塗布されるとともに前記フランジ部が前記環状溝部に受け入れられた状態において前記環状鍔部が内側に向けて折り曲げられることにより、前記環状溝部の内部において露出する前記ホルダの前記第1端面と前記第1被覆部の外周面との境目が前記シール剤によって覆われた状態で前記フランジ部が前記環状鍔部と前記環状溝部の底面とによって挟み込まれ、これにより前記カップが前記ホルダに組付けられてなる、ガス発生器。
  2. 前記ホルダの前記第2端面には、前記貫通部に通じる凹部が設けられ、
    前記第2被覆部は、前記凹部を覆う部分である第1部分と、前記凹部が設けられていない部分の前記ホルダの前記第2端面から前記カップが位置する側とは反対側に向けて突出する第2部分とを含むように設けられ、
    前記端子ピンが配置されるとともに当該端子ピンを介した前記点火器の外部接続のための雄型コネクタを受け入れ保持するための凹状の雌型コネクタ部が、前記第2被覆部の前記第1部分と前記第2部分とに跨がって設けられている、請求項1に記載のガス発生器。
  3. 前記第2部分の突出長さをAとし、前記ホルダへの前記カップの組付け後の状態における前記ホルダの軸方向長さをBとした場合に、B<1.8×Aの条件を満たしている、請求項2に記載のガス発生器。
  4. 前記第2部分の突出長さをAとし、前記雌型コネクタ部の深さをCとした場合に、C<1.8×Aの条件を満たしている、請求項2に記載のガス発生器。
  5. 前記雌型コネクタ部の内側面のうちの前記第2部分によって規定される部分に、ショーティングクリップを保持するための窪み形状の係止部が設けられている、請求項2から4のいずれかに記載のガス発生器。
  6. 前記貫通部から前記凹部が設けられていない部分の前記ホルダの前記第2端面にまで達する溝部が、前記凹部の表面に設けられ、
    前記溝部が、前記第2被覆部によって埋め込まれている、請求項2から4のいずれかに記載のガス発生器。
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