JP2024076033A - ハブユニット軸受及び、ハブ輪の製造方法 - Google Patents

ハブユニット軸受及び、ハブ輪の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】軽量化された高強度のハブ輪を備えたハブユニット軸受及び、ハブ輪の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】ハブユニット軸受は、原料粉を成形及び焼結して得られたハブ輪を備える。ハブ輪の径方向中心側を形成する原料粉の粒子径が、ハブ輪の径方向外側を形成する原料粉の粒子径よりも大きい。【選択図】図2

Description

本発明は、原料粉を成形及び焼結して得られたハブ輪を備えたハブユニット軸受及び、ハブ輪の製造方法に関する。
ハブユニット軸受は、一般的にタイヤ等と同様にバネ下荷重となるため、省燃費だけでなく、操安性や乗り心地の観点からも軽量化が必要な部品である。ハブユニット軸受の軽量化のためには、ハブユニット軸受の重量の約半分を占めるハブ輪の軽量化が効果的である。
これに対し、特許文献1には、ハブ輪を金属焼結体で成形し、軌道面をバニシング加工又は転造加工して緻密化する技術が開示されている。これにより特許文献1では、軽量化された高強度なハブ輪を得ることを図っている。
特開2022-45034号公報
ところで、ハブユニット軸受は、路面反力をモーメント荷重として支承する軸受であるため、軌道面だけでなく、ハブフランジや軸部の表面にも強度が必要になる。通常の金属焼結体は、粒子径が数十ミクロンの鉄粉を原料粉とし、原料粉を金型に50%~60%の充填率で充填し、これをプレス成形及び焼結処理することで製造されるものが多い。その一方で、強度が必要な部品に用いる金属焼結体は、鉄粉に、鉄粉よりも粒子径の小さいクロムやモリブデンを添加したものを原料粉とし、原料粉を金型に80%~90%の充填率で充填し、これをプレス成形及び焼結処理することで製造される。
これに対し、特許文献1に記載のハブ輪では、軌道面を塑性加工で緻密化していることから、緻密化領域では気孔存在量が限りなく0に近づいているため、熱間鍛造で得られたハブ輪と密度に大きな差はなく、車輪取り付けフランジからアウター側の部分を圧縮する金型と、車輪取り付けフランジからインナー側の部分を圧縮する金型と、でハブ輪の全体を緻密化した場合、ハブ輪の軽量化が十分に実現できないという課題がある。したがって、必要な強度を備えたハブ輪のさらなる軽量化が望まれている。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、軽量化された高強度のハブ輪を備えたハブユニット軸受及び、ハブ輪の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 原料粉を成形及び焼結して得られたハブ輪を備えたハブユニット軸受であって、
前記ハブ輪の径方向中心側を形成する前記原料粉の粒子径が、前記ハブ輪の径方向外側を形成する前記原料粉の粒子径よりも大きい、
ハブユニット軸受。
(2) 前記ハブ輪の径方向中心側を形成する前記原料粉の一部は、前記ハブ輪の外周面に近接させた、
(1)に記載のハブユニット軸受。
(3) ハブ輪の径方向中心側を形成する芯部に相当する第1圧粉体を成形する第1プレス成形工程と、
第1圧粉体の外周面側に、ハブ輪の径方向外側を形成する外径部に相当する圧粉体が成形された第2圧粉体を成形する第2プレス成形工程と、を有し、
第1プレス成形工程で用いられる原料粉は、第2プレス成形工程で用いられる原料粉よりも、粒子径が大きい、
ハブ輪の製造方法。
本発明によれば、ハブ輪の中心側と外径側とで、粒子径の異なる原料粉を用いてハブ輪を成形及び焼結することによって、高強度で軽量化されたハブ輪が製造されるため、ハブユニット軸受を軽量化できる。
本実施形態に係るハブ輪を備えたハブユニット軸受を示した断面図である。 ハブ輪の構成を示した断面図である。 ハブ輪の製造工程のフローを示す図である。 第1プレス成形工程を示した図である。 第2プレス成形工程を示した図である。 別実施例1のハブ輪の構成を示した断面図である。 別実施例2のハブ輪の構成を示した断面図である。
本発明の一実施形態に係るハブ輪を備えたハブユニット軸受について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るハブ輪を備えたハブユニット軸受を示した断面図である。
なお、ハブユニット軸受に関して、本明細書及び特許請求の範囲の全体で、軸方向に関して「外」とは、自動車への組み付け状態で車体の幅方向外側となる、図1の左側を言い、「アウトボード側」とも称す。また、反対に車体の幅方向中央側となる、図1の右側を、軸方向に関して「内」と言い、「インボード側」とも称す。「軸方向」とは、回転軸Oが延びる方向を表し、図1中の左右方向である。「径方向外側」とは、回転軸Oから遠ざかる方向を表し、図1中の上側である。「径方向内側」及び「径方向中心側」とは、回転軸Oに近づく方向を表し、図1中の下側である。「周方向」とは、回転軸Oを中心に旋回する方向を表す。
本実施形態のハブユニット軸受1は、従動輪用であり、外輪2と、ハブ3と、複数の円錐ころ4、4と、シールリング5と、エンコーダ付組合せシール6と、を主に備える。
外輪2は、外周面に静止側フランジ7を、内周面に複列(2列)の外輪軌道面8a,8bを、それぞれ有している。外輪2は、使用時に、静止側フランジ7を、懸架装置のナックルに結合固定することにより、この懸架装置に支持された状態で回転しない。
ハブ3は、ハブ輪9と内輪10とにより構成されており、外輪2の径方向内側に外輪2と同軸(同芯)に配置されている。
ハブ輪9には、外輪2の軸方向外側(アウトボード側)開口から軸方向外方に突出した部分に、径方向外側に延出して、車輪(駆動輪)及びディスクロータ等の制動用回転部材を支持固定するための円輪状の回転側フランジ11が設けられている。具体的に、回転側フランジ11には複数の挿通孔11aが設けられ、各挿通孔11aが雌ねじの場合には、それぞれ図示しないハブボルトが螺合されており、各挿通孔11aが円筒孔の場合には、スタッドボルトがセレーション嵌合されている。
また、ハブ輪9の外周面には、外輪2の軸方向外側(アウトボード側)列の外輪軌道面8aと対向する部分に、軸方向外側列(一方の列)の内輪軌道面12aが設けられている。また、ハブ輪9の外周面のうち、外輪2の軸方向内側(インボード側)列の外輪軌道面8bと対向する軸方向内端部には、小径段部13が設けられている。また、ハブ輪9の外周面は、軸方向外側(アウトボード側)列の円錐ころ4の頭部4bと当接可能な軸方向側面を持った大鍔部19を有する。さらに、大鍔部19の軸方向外側には、シールリング5のリップが摺接される摺接面16が形成されている。
内輪10の外周面には、軸方向内側列(他方の列)の内輪軌道面12bが設けられている。内輪10は、そのアウトボード側端面10aを小径段部13の段差面13aに突き当てた状態で、ハブ輪9の小径段部13の外周面に締め代を持って圧入により外嵌され、ハブ輪9に固定されている。
また、内輪10は、複列の円錐ころ4、4の尾部4a,4aとそれぞれ近接対向可能な軸方向両側面を持った小鍔部15を有する。また、内輪10は、軸方向内側(インボード側)列の円錐ころ4の頭部4bと当接可能な軸方向側面を持った大鍔部14を有する。
円錐ころ4、4は、軸方向外側列の外輪軌道面8aと内輪軌道面12aとの間部分、及び、軸方向内側列の外輪軌道面8bと内輪軌道面12bとの間部分に、それぞれ複数ずつ、各列の円錐ころ4、4の尾部4a,4aが向かい合うようにして、1対の保持器30、30により保持された状態で転動自在に設けられている。
シールリング5は、外輪2の軸方向外端部に支持固定された状態で、外輪2の内周面と、ハブ輪9の大鍔部19よりアウトボード側の摺接面16と、の間に存在する、複数の円錐ころ4、4が設けられた内部空間の軸方向外端開口を塞いでいる。
エンコーダ付き組合せシール6は、外輪2の内周面と、内輪10のインボード側の外周面との間に設けられて、複数の円錐ころ4、4が設けられた内部空間の軸方向内側開口を塞いでいる。エンコーダ付き組合せシール6は、固定輪である外輪2のインボード側端部に内嵌固定されるシールリング17と、回転輪である内輪10のインボード側端部に外嵌固定されるスリンガ18と、該スリンガ18に支持固定されるエンコーダ25と、を備えている。
したがって、本実施形態のハブ輪9は、アウトボード側からインボード側に向かって、回転側フランジ11、摺接面16、大鍔部19、軸方向外側列の内輪軌道面12a、及び小径段部13を有する。
次に、図2に基づき、ハブ輪9の内部構造について説明する。図2は、ハブ輪の内部構造を示した断面図である。
ハブ輪9は、原料粉(焼結粉末)を成形及び焼結することにより製造されている。図2に示されるように、ハブ輪9は、ハブ輪9の径方向中心側を構成する芯部9Aと、ハブ輪9の径方向外側を構成する外径部9Bと、を有する。芯部9Aと外径部9Bとは、成形及び焼結に用いる原料粉の粒子径が互いに異なっている。具体的には、比較的に強度が必要ない芯部9Aでは、強度が必要になる外径部9Bよりも、素材となる原料粉の粒子径を大きくし、充填率(密度)を小さくしている。
芯部9Aを構成する原料粉の粒子径を100μm以上、好ましくは0.5mm以上とすることによって、芯部9Aの充填率を50%程度にしている。このとき、芯部9Aの密度は3.9g/cm程度となる。
外径部9Bを構成する原料粉の粒子径を20μm以下と小さくすることによって、外径部9Bの充填率を80%~90%程度にしている。このとき、外径部9Bの密度は6.3~7g/cm程度となる。ハブ輪9の外径部9Bのうち内輪軌道面12aを形成する箇所には、バニシング加工又は転造加工による緻密化を施すことによって、より強度を高くしている。緻密化された箇所では、充填率は95%以上となり、密度は7.4g/cm以上となる。
該構成によれば、ハブ輪9は、外径部9Bの強度は高く保ちつつ、芯部9Aのみ密度を大きく下げることができる。言い換えると、ハブ輪9の性能を落とすことなく軽量化できる。
また、芯部9Aと外径部9Bとを形成する原料粉は、粒子径が異なる一方で、同種金属で(異種金属を使わないで)構成することができる。これにより、芯部9Aの外側に外径部9Bをプレス成形し、焼結処理を施す際に、芯部9Aと外径部9Bとの間で、融点差による影響が生じたり、ガルバニックコロージョン(異種金属接触腐食)や、線膨張係数差による問題が発生したりする虞がなくなる。ハブ輪9の製造工程については後述する。
次に、図3~図4Bに基づき、前記ハブ輪9の製造工程について説明する。図3は、ハブ輪の製造工程のフローを示す図である。図4Aは、第1プレス成形工程を示した図であり、図4Bは、第2プレス成形工程を示した図である。ハブ輪9の製造工程は、工程順に、混合工程S101、第1プレス成形工程S102、第2プレス成形工程S103、焼結工程S104、緻密化工程S105、熱処理工程S106、研削工程S107を含んでいる。なお、緻密化工程S105、熱処理工程S106、研削工程S107は必須の工程ではない。
(混合工程)
混合工程S101は、ハブ輪9の原料粉(焼結粉末)を混合する工程である。混合工程S101においては、所定の金属粉末及び添加剤を所定の割合で配合し、混合装置で均一に混合して原料粉を得る。金属粉末としては、例えば純鉄粉を用いることで塑性変形し易くすることができる。
添加剤としては、例えば黒鉛を用いることで強度を向上させることができる。原料粉がプレス成形で用いる金型に凝着することを防止するために、固体潤滑剤を添加しても良い。添加剤として、銅、二硫化モリブデン、黒鉛等の固体潤滑剤や、成形を容易にするために金属系潤滑剤であるステアリン酸亜鉛や非金属系潤滑剤であるエチレンビスステアルアミド等の潤滑剤を混合しても良い。また、強度や焼入れ性などの機械的性質を向上させるために、各種粉末を添加してもよい。
本実施例では、ハブ輪9を構成する芯部9Aと外径部9Bとで、粒子径が異なる同種の金属粉末を別途に用意した。芯部9Aを形成する芯部用の原料粉の粒子径は、100μm以上、好ましくは0.5mm以上とし、外径部9Bを形成する外径部用の原料粉の粒子径は、20μm以下とした。
(第1プレス成形工程)
第1プレス成形工程S102は、混合工程S101において調整された原料粉を第1金型21でプレス成形する工程である。第1プレス成形工程S102においては、図4Aに示されるように、所定形状の第1金型21を有するプレス装置に芯部9A用の原料粉を投入し、冷間プレス成形することで、ハブ輪9の芯部9Aに相当する第1圧粉体20Aを成形することができる。
(第2プレス成形工程)
第2プレス成形工程S103は、混合工程S101において調整された原料粉を第2金型22でプレス成形する工程である。第2プレス成形工程S103においては、図4Bに示されるように、まず、所定形状の第2金型22を有するプレス装置に第1圧粉体20Aをセットし、次に、該第1圧粉体20Aの外周面側に外径部9B用の原料粉を投入する。この状態で、冷間プレス成形することで、第1圧粉体20Aの周りに外径部9Bに相当する圧粉体が成形された第2圧粉体20を成形することができる。
各プレス成形工程における冷間プレス成形は、室温~200℃程度の範囲で行われる。成形温度を上げることで原料粉が軟化し、固体潤滑剤が液化するために成形性が向上し、各圧粉体の密度の向上や、プレス圧力の低下などの利点がある。プレス成形時の圧力は金型の耐久性などを考慮して4~12MPaの範囲とすることが好ましい。
(焼結工程)
焼結工程S104は、第2プレス成形工程S103において作成された第2圧粉体20を固相接合(焼結)する工程である。焼結工程S104においては、第2圧粉体20を焼結炉内へ送り、融点以下の温度のガス雰囲気中で加熱して焼結することで、隣り合う原子同士が接合し、金属焼結体であるハブ輪9を得る。焼結炉のガス雰囲気は不活性雰囲気又は還元雰囲気とする。これにより、金属粉末同士が一体化し、金属粉末間に存在する気孔が低減する。
(緻密化工程)
緻密化工程S105は、焼結工程S104において作成された金属焼結体を再圧縮して緻密化する工程である。緻密化工程S105においては、金属焼結体における内輪軌道面12aと摺接面16とを、バニシング加工又は転造加工によって緻密化処理する。
バニシング加工及び転造加工は、内輪軌道面12aと摺接面16とにそれぞれ半球状の側面を有する円柱状のローラを回転させながら押付け、押し均すことで滑らかな仕上げ面を得る加工である。バニシング加工又は転造加工による緻密化工程S105の後のハブ輪9によれば、緻密化された領域が形成され、内輪軌道面12aと摺接面16との気孔存在量が限りなく0に近づくため、強度などの機械的性質が向上する。バニシング加工又は転造加工等の塑性加工により緻密化された領域は、その他の領域よりも多孔質素質が緻密化された緻密面に成形される。
上述したバニシング加工又は転造加工による緻密化工程S105と、鍛造加工による緻密化工程S105と、において、緻密化される領域(緻密化領域)は、気孔を起因とする剥離が抑制されるため、少なくとも内輪軌道面12a及び摺接面16の耐久力が向上する。
(熱処理工程)
熱処理工程S106は、緻密化工程S105において緻密化されたハブ輪9に焼入れする工程である。熱処理工程S106においては、鍛造されたハブ輪9に、浸炭焼入れ、焼入れ、焼戻しといった従来から行われている一連の熱処理が行われる。熱処理の方法は公知の手法であれば良く、上記手法に限られない。熱処理工程S106によってハブ輪9には焼入れ部が形成され、表面硬度及び強度が向上する。
(研削工程)
研削工程S107は、内輪軌道面12a及び摺接面16に研削加工を施す工程である。研削工程S107によれば、熱処理工程によって生じた変形箇所を研削することにより、内輪軌道面12a及び摺接面16を平滑にすることができる。
上述の製造方法によれば、ハブ輪9の径方向中心側は十分に軽量化された芯部9Aを有し、ハブ輪9の径方向外側は十分な強度を備えた外径部9Bを有する、ハブ輪9を製造できる。すなわち、上述のハブ輪9によれば、ハブユニット軸受1として機能するための強度は落とすことなく、大幅に軽量化できる。
次に、図5及び図6に基づき、ハブ輪の別実施例について説明する。図5は、別実施例1のハブ輪の構成を示した断面図である。ハブ輪9を形成する原料粉の粒子径の種類を3種類以上に増やして、芯部9A側から外径部9B側に向けて、ハブ輪9を構成する原料粉の粒子径を徐々に小さくしても良い。
図5に示す例では、ハブ輪9は、芯部9Aと外径部9Bとの間に中間部9Cが形成されている。この場合、冷間プレス成形は、芯部9A用の金型と、中間部9C用の金型と、外径部9B用の金型と、を用いて行われ、ハブ輪9は、中心側から順番に、芯部9A、中間部9C、外径部9Bの順番で成形される。中間部9Cを成形する原料粉の粒子径は、芯部9Aを形成する原料粉の粒子径よりも小さくし、外径部9Bを形成する原料粉の粒子径よりも大きくした。なお、中間部9Cを構成する原料粉の粒子径は0.1mm程度とした。
該構成によれば、径方向に隣接する芯部9Aと、中間部9Cと、外径部9Bと、の間の各境界において、粒子径の差が小さくなることによって、ハブ輪9内での応力の伝達が分散されるため、ハブ輪9全体の強度が向上する。なお、図5では、3種類の粒子径からなる原料粉を用いて、ハブ輪9を径方向に3つに区切ったが、3種類を超える粒子径を用いて、ハブ輪9を構成する原料粉の粒子径が径方向でより滑らかに変化するようにしても良い。
図6は、別実施例2のハブ輪の構成を示した断面図である。粒子径の大きい原料粉で成形された芯部9Aの一部を、ハブ輪9の外周面に近接させることにより、ハブ輪9に若干の通気性を持たせた構成としても良い。なお、ここで、「近接させる」とは、粒子径の大きい原料粉で成形された芯部9Aの一部と、ハブ輪9の外周面と、の径方向距離が、2mm以下であることをいう。上記径方向距離が2mm以下であれば、水の浸透を防ぎながら通気性を持たせることが出来る。一方、上記径方向距離が2mm超の場合、通気性が失われるという問題がある。なお、上記径方向距離をゼロとして、ハブ輪9の芯部9Aの一部が、表面に露出することは、水が浸透しやすくなるため好ましくない。
図6に示す例では、上述の例と比較して、軸方向で小径段部13の段差面13aのアウトボード側近傍から内輪軌道面12aの間で、芯部9Aの径方向肉厚はより太く形成される一方で、外径部9Bの径方向肉厚はより薄く形成されている。
ここで、ハブユニット軸受1は、駆動輪の駆動、駆動停止による温度の上昇によって、円錐ころ4、4が設けられた内部空間の内圧が高まって、シールリング5のリップと摺接面16との間を通じて空気が外部空間に漏れた場合、その後にハブユニット軸受1の温度が低下して内部空間の内圧が負圧になると、シールリング5のリップが摺接面16側に貼り付く、貼り付き現象が発生する。この貼り付き現象により、シールリング5のリップの摩耗が促進されることがある。
これに対し、ハブ輪9に若干の通気性を持たせることによって、内部空間内の圧力の昇降を抑制できるため、シールリング5のリップの貼りつき現象を抑制できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものでなく、適宜、変更、改良などが可能である。例えば、本実施形態においては従動輪用のハブユニット軸受について説明したが、本発明は、駆動輪用のハブユニット軸受にも同様に適用できる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 原料粉を成形及び焼結して得られたハブ輪を備えたハブユニット軸受であって、
前記ハブ輪の径方向中心側を形成する前記原料粉の粒子径が、前記ハブ輪の径方向外側を形成する前記原料粉の粒子径よりも大きい、
ハブユニット軸受。
本構成によれば、ハブ輪の径方向外側の強度を落とすことなく軽量化したハブ輪が製造されるため、ハブ輪の強度を高く保ったまま、ハブユニット軸受を軽量化できる。
(2) 前記ハブ輪の径方向中心側を形成する前記原料粉の一部は、前記ハブ輪の外周面に近接させた、
(1)に記載のハブユニット軸受。
本構成によれば、ハブ輪に若干の通気性を持たせることができるため、内圧変化によるシールリングのリップの貼り付き現象を抑制することができる。
(3) ハブ輪の径方向中心側を形成する芯部に相当する第1圧粉体を成形する第1プレス成形工程と、
第1圧粉体の外周面側に、ハブ輪の径方向外側を形成する外径部に相当する圧粉体が成形された第2圧粉体を成形する第2プレス成形工程と、を有し、
第1プレス成形工程で用いられる原料粉は、第2プレス成形工程で用いられる原料粉よりも、粒子径が大きい、
ハブ輪の製造方法。
本構成によれば、外径部の強度を落とすことなく芯部が軽量化されたハブ輪を製造できる。
1 ハブユニット軸受
2 外輪
3 ハブ
4 円錐ころ
4a 尾部
4b 頭部
5 シールリング
6 エンコーダ付組合せシール
7 静止側フランジ
8a、8b 外輪軌道面
9 ハブ輪
9A 芯部
9B 外径部
9C 中間部
10 内輪
10a アウトボード側端面
11 回転側フランジ
11a 挿通孔
12a、12b 内輪軌道面
13 小径段部
13a 段差面
14 大鍔部
15 小鍔部
16 摺接面
17 シールリング
18 スリンガ
19 大鍔部
20 第2圧粉体
20A 第1圧粉体
21 第1金型
22 第2金型
25 エンコーダ
30 保持器

Claims (3)

  1. 原料粉を成形及び焼結して得られたハブ輪を備えたハブユニット軸受であって、
    前記ハブ輪の径方向中心側を形成する前記原料粉の粒子径が、前記ハブ輪の径方向外側を形成する前記原料粉の粒子径よりも大きい、
    ハブユニット軸受。
  2. 前記ハブ輪の径方向中心側を形成する前記原料粉の一部は、前記ハブ輪の外周面に近接させた、
    請求項1に記載のハブユニット軸受。
  3. ハブ輪の径方向中心側を形成する芯部に相当する第1圧粉体を成形する第1プレス成形工程と、
    第1圧粉体の外周面側に、ハブ輪の径方向外側を形成する外径部に相当する圧粉体が成形された第2圧粉体を成形する第2プレス成形工程と、を有し、
    第1プレス成形工程で用いられる原料粉は、第2プレス成形工程で用いられる原料粉よりも、粒子径が大きい、
    ハブ輪の製造方法。
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