JP2022045034A - 車輪用軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】接合技術を用いずにハブ輪を軽量化することができる車輪用軸受装置を提供する。【解決手段】内周に複列の外側軌道面2c、2dを有する外輪2と、外周に軸方向に延びる小径段部3aを有したハブ輪3、及びハブ輪3の小径段部3aに圧入された内輪4からなり、複列の外側軌道面2c、2dに対向する複列の内側軌道面3c、4aを有する内方部材と、外輪2と内方部材との両軌道面間に転動自在に収容された複列のボール7と、外輪2と内方部材とによって形成された環状空間のアウター側開口端に嵌合されるアウター側シール部材9とを備えた車輪用軸受装置であって、ハブ輪3は、金属焼結体で形成され、塑性加工面を有する。【選択図】図1
Description
本発明は車輪用軸受装置に関する。
エネルギー消費量の削減や二酸化炭素排出量の削減は国際的な共通課題となっている。その中で、自動車から排出される二酸化炭素を削減することは、この課題解決に大きく貢献する。自動車における二酸化炭素排出量削減には燃費向上が欠かせないが、その方法の一つとして車両の軽量化が挙げられ、自動車を取り巻く企業の大きな技術課題の一つである。
その中で、サスペンションからタイヤにかけてのいわゆる「足回り部品」は、軽量化による燃費向上の効果が大きいと言われている。このため、「足回り部品」の一つである車輪用軸受装置についてもこれまで多数の軽量化に関する提案がなされてきた。
例えば特許文献1では、複列の転動体を転動自在に収容する複列の内側軌道面の一つがハブ輪の外周に直接形成された第3世代構造のハブ輪について、転動体が転送する軌道面やシールが摺動する摺動面を金属部材とする一方で、その他の部位を炭素繊維複合材料とすることで軽量化を図っている。
しかしながら、特許文献1では、金属部材と炭素繊維複合材料との具体的な接合方法は開示されていない。通常、接合部は曲げや捩じりに耐え得るため、面接合する必要があり、例えば、接着剤や熱融着など、樹脂による接着が有効である。ところが、車輪用軸受装置に求められる接着力を得るには高度な技術が必要となる。
そこで、本発明においては、接合技術を用いずにハブ輪を軽量化することができる車輪用軸受装置を提供する。
本発明の車輪用軸受装置は、内周に複列の外側軌道面を有する外方部材と、外周に軸方向に延びる小径段部を有したハブ輪、及び前記ハブ輪の小径段部に圧入された内輪からなり、前記複列の外側軌道面に対向する複列の内側軌道面を有する内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との両軌道面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と前記内方部材とによって形成された環状空間のアウター側開口端に嵌合されるシール部材と、を備えた車輪用軸受装置であって、前記ハブ輪は、金属焼結体で形成され、塑性加工面を有することを特徴とする。
本発明によれば、車輪用軸受装置において、主として粉末冶金法を用いてハブ輪を製造することにより、接合技術を用いずにハブ輪を軽量化することができ、その結果、車輪用軸受装置を軽量化することができる。
[車輪用軸受装置の構成]
以下に、図1を用いて、本発明が実施される車輪用軸受装置の一実施形態である車輪用軸受装置1の構成について説明する。
以下に、図1を用いて、本発明が実施される車輪用軸受装置の一実施形態である車輪用軸受装置1の構成について説明する。
図1に示す車輪用軸受装置1は、自動車等の車両の懸架装置において車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受装置1は第3世代と称呼される構成を備えており、外方部材である外輪2と、内方部材であるハブ輪3及び内輪4と、転動列である二列のインナー側ボール列5及びアウター側ボール列6と、インナー側シール部材9及びアウター側シール部材10とを具備する。ここで、インナー側とは、車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車体側を表し、アウター側とは、車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車輪側を表す。また、軸方向とは、車輪用軸受装置1の回転軸に沿った方向を表す。
外輪2のインナー側端部には、インナー側シール部材9が嵌合可能なインナー側開口部2aが形成されている。外輪2のアウター側端部には、アウター側シール部材10が嵌合可能なアウター側開口部2bが形成されている。外輪2の内周面には、インナー側の外側軌道面2cと、アウター側の外側軌道面2dとが形成されている。外輪2の外周面には、外輪2を車体側部材に取り付けるための車体取り付けフランジ2eが一体的に形成されている。車体取り付けフランジ2eには、車体側部材と外輪2とを締結する締結部材(ここでは、ボルト)が挿入されるボルト孔2gが設けられている。
ハブ輪3のインナー側端部には、外周面にアウター側端部よりも縮径された小径段部3aが形成されている。ハブ輪3における小径段部3aのアウター側端部には肩部3eが形成されている。ハブ輪3のアウター側端部には、車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジ3bが一体的に形成されている。車輪取り付けフランジ3bには、ハブ輪3と車輪又はブレーキ部品とを締結するためのハブボルトが圧入されるボルト孔3fが設けられている。
ハブ輪3の外周面には、外輪2のアウター側の外側軌道面2dに対向するようにアウター側の内側軌道面3cが設けられている。つまり、内方部材のアウター側には、ハブ輪3によって内側軌道面3cが構成されている。ハブ輪3における車輪取り付けフランジ3bの基部側には、アウター側シール部材10が摺接する摺接面3dが形成されている。アウター側シール部材10は、外輪2とハブ輪3とによって形成された環状空間のアウター側開口端に嵌合されている。ハブ輪3は、車輪取り付けフランジ3bよりもアウター側の端部にアウター側端面3gを有している。
本発明に係るハブ輪は、金属焼結体で形成されるものであるため、転造加工などの塑性加工を追加することにより、所定精度のハブ輪を容易に所定精度に成形することができ、しかも塑性加工が施された部位は加工前に比べ表面(表層部)の多孔質組織が緻密化されるため、ハブ輪の機械的強度、特に繰り返し疲労強度を高めることができる。従って、必要とされる機能を備えたハブ輪を加工性良く量産することができると共に、複雑形状のハブ輪であっても材料の無駄なく製作することができる。これにより、車輪用軸受装置の低コスト化を図ることができる。
金属焼結体は、鉄系合金を主成分とし、これに少なくとも0.5~20mass%のクロム(Cr)および3mass%以下のモリブデン(Mo)を含む合金化粉を主体とした金属粉末の圧粉体を焼結して得ることができる。具体的には、例えば、1.5mass%のクロムおよび0.2mass%のモリブデンを含み、残部を鉄系合金および不可避的不純物とした合金化粉の圧粉体を焼結することで成形することができる。なお、ここでいう合金化粉は、完全合金化粉と部分合金化粉の双方を含む概念である。
ハブ輪3の小径段部3aには、内輪4が設けられている。内輪4は、圧入及び加締加工によりハブ輪3の小径段部3aに固定されている。内輪4は、転動列であるインナー側ボール列5及びアウター側ボール列6に予圧を付与している。内輪4は、インナー側端部にインナー側端面4bを有しており、アウター側端部にアウター側端面4cを有している。ハブ輪3のインナー側端部には、内輪4のインナー側端面4bに加締められた加締部3hが形成されている。
内輪4の外周面には、外輪2のインナー側の外側軌道面2cと対向するようにインナー側の内側軌道面4aが設けられている。つまり、内方部材のインナー側には、内輪4によって内側軌道面4aが構成されている。
転動列であるインナー側ボール列5とアウター側ボール列6とは、転動体である複数のボール7が保持器8によって保持されることにより構成されている。インナー側ボール列5は、内輪4の内側軌道面4aと、外輪2のインナー側の外側軌道面2cとの間に転動自在に挟まれている。アウター側ボール列6は、ハブ輪3の内側軌道面3cと、外輪2のアウター側の外側軌道面2dとの間に転動自在に挟まれている。つまり、インナー側ボール列5とアウター側ボール列6とは、外方部材と内方部材との両軌道面間に転動自在に収容されている。
車輪用軸受装置1においては、外輪2と、ハブ輪3及び内輪4と、インナー側ボール列5と、アウター側ボール列6とによって複列アンギュラ玉軸受が構成されている。なお、車輪用軸受装置1は複列アンギュラ玉軸受に替えて複列円錐ころ軸受を構成していてもよい。
[車輪用軸受装置の製造方法]
次に、車輪用軸受装置1の製造方法について説明する。車輪用軸受装置1の製造方法は、各部材の製造工程と、各部材の組付け工程とを含んでいる。各部材の製造工程においては、外輪2と、ハブ輪3と、内輪4と、インナー側ボール列5と、アウター側ボール列6と、インナー側シール部材9と、アウター側シール部材10とを各部材に適した材料及び製造方法を用いて製造する。
次に、車輪用軸受装置1の製造方法について説明する。車輪用軸受装置1の製造方法は、各部材の製造工程と、各部材の組付け工程とを含んでいる。各部材の製造工程においては、外輪2と、ハブ輪3と、内輪4と、インナー側ボール列5と、アウター側ボール列6と、インナー側シール部材9と、アウター側シール部材10とを各部材に適した材料及び製造方法を用いて製造する。
各部材の組付け工程においては、図2に示すように、ハブ輪3を、軸方向が垂直方向となり、アウター側端面3gが下方に位置する姿勢で、支持台11に載置する。続いて、インナー側ボール列5、アウター側ボール列6及びアウター側シール部材10が組み付けられた外輪2を、上方からハブ輪3に装着する。このとき、ハブ輪3と外輪2との間にはグリースが充填される。続いて、ハブ輪3の小径段部3aに、内輪4を圧入する。続いて、内輪4が圧入されたハブ輪3と、外輪2とを相対的に回転させることにより、ハブ輪3と外輪2との間に充填されているグリースをインナー側ボール列5及びアウター側ボール列6のボール7になじませる。
次に、図3に示すように、ハブ輪3における小径段部3aのインナー側端部を内輪4のインナー側端面4bに加締める。そして、図4に示すように、外輪2のインナー側開口部2aにインナー側シール部材9を嵌合することにより、外輪2のインナー側端部と内輪4のインナー側端部との間にインナー側シール部材9を装着する。以上により、車輪用軸受装置1の組付け工程が完了する。
[ハブ輪の製造工程]
次に、ハブ輪3の製造工程について詳しく説明する。ハブ輪3の製造工程では、主として粉末冶金法を用いる。図5に示すように、ハブ輪3の製造工程は、工程順に、混合工程(S01)、プレス成形工程(S02)、焼結工程(S03)、緻密化工程(S04)、熱処理工程(S05)、研削工程(S06)を含んでいる。なお、緻密化工程(S04)、熱処理工程(S05)、研削工程(S06)は必須の工程ではない。ハブ輪3の各製造工程について、以下に説明する。
次に、ハブ輪3の製造工程について詳しく説明する。ハブ輪3の製造工程では、主として粉末冶金法を用いる。図5に示すように、ハブ輪3の製造工程は、工程順に、混合工程(S01)、プレス成形工程(S02)、焼結工程(S03)、緻密化工程(S04)、熱処理工程(S05)、研削工程(S06)を含んでいる。なお、緻密化工程(S04)、熱処理工程(S05)、研削工程(S06)は必須の工程ではない。ハブ輪3の各製造工程について、以下に説明する。
(混合工程)
混合工程(S01)は、ハブ輪3の原料紛を混合する工程である。図6に示すように、混合工程(S01)においては、種々の金属粉末及び添加剤を所定の割合で配合し、混合機12で均一に混合して原料紛13を得る。
混合工程(S01)は、ハブ輪3の原料紛を混合する工程である。図6に示すように、混合工程(S01)においては、種々の金属粉末及び添加剤を所定の割合で配合し、混合機12で均一に混合して原料紛13を得る。
金属粉末としては、例えば純鉄粉を用いることで塑性変形しやすくすることができる。金属粉末は、例えば、鉄(Fe)粉末を主成分粉末とし、これに少なくとも0.5~20mass%のクロム(Cr)および3mass%以下のモリブデン(Mo)を含む部分合金粉又は完全合金粉とすることができる。ここでは、1.5mass%のクロムおよび0.2mass%のモリブデンに加え、さらに0.3mass%の炭素(C)を含み、残部を鉄とした完全合金粉とされる。
添加剤としては、例えば黒鉛を用いることで強度を向上させることができる。原料紛13がプレス成形工程(S02)で用いる金型へ凝着することを防止するために、固体潤滑剤を添加してもよい。添加剤として、銅、二硫化モリブデン、黒鉛等の固体潤滑剤や、成形を容易にするために金属系潤滑剤であるステアリン酸亜鉛や非金属系潤滑剤であるエチレンビスステアルアミド等の潤滑剤を混合してもよい。また、強度や焼入れ性などの機械的性質を向上させるために、各種粉末を添加してもよい。
(プレス成形工程)
プレス成形工程(S02)は、混合工程(S01)において調整された原料紛13を金型でプレス成形する工程である。図6に示すように、プレス成形工程(S02)においては、所定形状の金型15を有するプレス機14に原料紛13を投入し、冷間プレス成形することで、圧紛体16を得る。冷間プレス成形は、室温~200℃程度の範囲で行われる。成形温度を上げることで原料紛13が軟化し、固体潤滑剤が液化するために成形性が向上し、圧粉体16の密度の向上や、プレス圧力の低下などの利点がある。プレス成形時の圧力は金型の耐久性などを考慮して4~12MPaの範囲とすることが好ましい。
プレス成形工程(S02)は、混合工程(S01)において調整された原料紛13を金型でプレス成形する工程である。図6に示すように、プレス成形工程(S02)においては、所定形状の金型15を有するプレス機14に原料紛13を投入し、冷間プレス成形することで、圧紛体16を得る。冷間プレス成形は、室温~200℃程度の範囲で行われる。成形温度を上げることで原料紛13が軟化し、固体潤滑剤が液化するために成形性が向上し、圧粉体16の密度の向上や、プレス圧力の低下などの利点がある。プレス成形時の圧力は金型の耐久性などを考慮して4~12MPaの範囲とすることが好ましい。
(焼結工程)
焼結工程(S03)は、プレス成形工程(S02)において作製された圧紛体16を固相接合(焼結)する工程である。図6に示すように、焼結工程(S03)においては、圧紛体16を焼結炉17内へ送り、融点以下の温度のガス雰囲気中で加熱して焼結することで、金属焼結体18を得る。焼結炉17のガス雰囲気は不活性雰囲気又は還元雰囲気とする。これにより、金属粉末同士が一体化し、金属粉末間に存在する気孔が低減する。
焼結工程(S03)は、プレス成形工程(S02)において作製された圧紛体16を固相接合(焼結)する工程である。図6に示すように、焼結工程(S03)においては、圧紛体16を焼結炉17内へ送り、融点以下の温度のガス雰囲気中で加熱して焼結することで、金属焼結体18を得る。焼結炉17のガス雰囲気は不活性雰囲気又は還元雰囲気とする。これにより、金属粉末同士が一体化し、金属粉末間に存在する気孔が低減する。
(緻密化工程)
緻密化工程(S04)は、焼結工程(S03)において作製された金属焼結体18を再圧縮して緻密化する工程である。図7に示すように、緻密化工程(S04)においては、金属焼結体18における内側軌道面3cと摺接面3dとを、バニシング加工又は転造加工によって緻密化処理する。
緻密化工程(S04)は、焼結工程(S03)において作製された金属焼結体18を再圧縮して緻密化する工程である。図7に示すように、緻密化工程(S04)においては、金属焼結体18における内側軌道面3cと摺接面3dとを、バニシング加工又は転造加工によって緻密化処理する。
バニシング加工及び転造加工は、内側軌道面3cと摺接面3dとにそれぞれ半球状の側面を有する円柱状のローラ19を回転させながら押し付け、押しならすことで滑らかな仕上げ面を得る加工である。図8に示すように、バニシング加工又は転造加工による緻密化工程(S04)後のハブ輪20によれば、緻密化された領域(緻密化領域)が形成され、内側軌道面3cと摺接面3dとの気孔存在量が限りなく0に近づくため、強度などの機械的性質が向上する。バニシング加工又は転造加工等の塑性加工により緻密化された領域(緻密化領域)は、その他の領域(塑性加工が施されていない領域)よりも多孔質組織が緻密化された緻密面に成形される。塑性加工面が緻密面に成形されれば、応力集中源となる気孔が少なくなり、それを起点としたクラックも発生し難くなることから、ハブ輪の信頼性や耐久寿命が向上する。
図9に示すように、緻密化工程(S04)においては、金属焼結体18全体を鍛造加工によって緻密化処理してもよい。鍛造加工は、金属焼結体18における車輪取り付けフランジ3bからアウター側の部分を圧縮する金型21と、金属焼結体18における車輪取り付けフランジ3bよりもインナー側の部分を圧縮する金型22とで金属焼結体18全体を圧縮する加工である。図10に示すように、鍛造加工による緻密化工程(S04)後のハブ輪23によれば、緻密化されたハブ輪23全体の気孔存在量が限りなく0に近づくため、強度などの機械的性質が向上する。鍛造加工等の塑性加工により、他領域(塑性加工が施されていない領域)よりも多孔質組織が緻密化された緻密面に成形される。塑性加工面が緻密面に成形されれば、応力集中源となる気孔が少なくなり、それを起点としたクラックも発生し難くなることから、ハブ輪の信頼性や耐久寿命が向上する。
上述したバニシング加工又は転造加工による緻密化工程(S04)と、鍛造加工による緻密化工程(S04)とにおいて、緻密化される領域(緻密化領域)が少なくとも表面から最大せん断深さ(最大せん断応力の発生位置)までの領域であれば、気孔を起因とする剥離を抑制でき、耐久性の向上を図ることができる。換言すれば、ハブ輪3の内側軌道面3c及び摺接面3dをバニシング加工又は転造加工、もしくはハブ輪3全体を転造加工によって緻密化領域を形成することで、加工を施した箇所の、表面から最大せん断深さまでの領域の相対密度が緻密化処理前の同じ領域(他の領域)の相対密度よりも高いことで、少なくとも内側軌道面3c及び摺接面3dの耐久性を向上させることができる。
(熱処理工程)
熱処理工程(S05)は、緻密化工程(S04)において緻密化されたハブ輪23を焼入れする工程である。熱処理工程(S05))においては、ずぶ焼入れ、浸炭焼入れ、浸炭浸窒焼入れ、高周波焼入れなどの手法を用いてハブ輪23を焼入れする。熱処理工程(S05)後のハブ輪23には焼入れ部が形成され、表面硬度及び強度が向上し、内側軌道面3cの転動疲労寿命が向上する。焼入れ部は、表面に表面硬化層が形成され、これにより、金属焼結体からなるハブ輪3に一層高い表面硬度を付与することができ、転がり軸受用の軌道面に必要とされるロックウェルCスケール硬さ(HRC)58以上を確実に得ることができる。ずぶ焼入れや浸炭焼入れを採用することができる。
熱処理工程(S05)は、緻密化工程(S04)において緻密化されたハブ輪23を焼入れする工程である。熱処理工程(S05))においては、ずぶ焼入れ、浸炭焼入れ、浸炭浸窒焼入れ、高周波焼入れなどの手法を用いてハブ輪23を焼入れする。熱処理工程(S05)後のハブ輪23には焼入れ部が形成され、表面硬度及び強度が向上し、内側軌道面3cの転動疲労寿命が向上する。焼入れ部は、表面に表面硬化層が形成され、これにより、金属焼結体からなるハブ輪3に一層高い表面硬度を付与することができ、転がり軸受用の軌道面に必要とされるロックウェルCスケール硬さ(HRC)58以上を確実に得ることができる。ずぶ焼入れや浸炭焼入れを採用することができる。
(研削工程)
研削工程(S06)は、内側軌道面3c及び摺接面3dに研削加工を施すことで表面処理する工程である。研削工程(S06)後のハブ輪3によれば、内側軌道面3c及び摺接面3dの平滑度が向上し、摺動抵抗を低下させることができる。
研削工程(S06)は、内側軌道面3c及び摺接面3dに研削加工を施すことで表面処理する工程である。研削工程(S06)後のハブ輪3によれば、内側軌道面3c及び摺接面3dの平滑度が向上し、摺動抵抗を低下させることができる。
本実施形態の車輪用軸受装置1によれば、ハブ輪の製造工程に粉末冶金法によるプレス成形工程と焼結工程とを含むことにより、材料歩留りが高く、鍛造加工及び旋削加工の大部分を省略できるために低コストで大量生産ができる。また、本実施形態のハブ輪3は金属焼結体特有の気孔を有しているために、溶製材と比較して相対密度(溶製材の密度を100%としたときの密度割合)が低くなり、軽量化することができる。
なお、本実施形態においては従動輪用の車輪用軸受装置1について説明したが、本製造方法は、駆動輪用の車輪用軸受装置にも適用することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、及び範囲内のすべての変更を含む。
1 車輪用軸受装置
2 外輪
2c 外側軌道面
2d 外側軌道面
3 ハブ輪
3a 小径段部
3c 内側軌道面
4 内輪
4a 内側軌道面
7 ボール(転動体)
9 アウター側シール部材(シール部材)
18 金属焼結体
S02 プレス成形工程
S03 焼結工程
S04 緻密化工程
S05 熱処理工程
2 外輪
2c 外側軌道面
2d 外側軌道面
3 ハブ輪
3a 小径段部
3c 内側軌道面
4 内輪
4a 内側軌道面
7 ボール(転動体)
9 アウター側シール部材(シール部材)
18 金属焼結体
S02 プレス成形工程
S03 焼結工程
S04 緻密化工程
S05 熱処理工程
Claims (5)
- 内周に複列の外側軌道面を有する外方部材と、
外周に軸方向に延びる小径段部を有したハブ輪、及び前記ハブ輪の小径段部に圧入された内輪からなり、前記複列の外側軌道面に対向する複列の内側軌道面を有する内方部材と、
前記外方部材と前記内方部材との両軌道面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
前記外方部材と前記内方部材とによって形成された環状空間のアウター側開口端に嵌合されるシール部材と、
を備えた車輪用軸受装置であって、
前記ハブ輪は、金属焼結体で形成され、塑性加工面を有する車輪用軸受装置。 - 前記ハブ輪は、前記内側軌道面及び前記ハブ輪における前記シール部材が摺接する摺接面の少なくとも一部が、塑性加工面であり、当加工面に緻密化領域を有することを特徴とする請求項1に記載の車輪用軸受装置。
- 前記ハブ輪は、塑性加工面がバニシング加工面もしくは転造加工面であって、当加工面に緻密化領域を有すると共に、焼入れ部を有することを特徴とする請求項1に記載の車輪用軸受装置。
- 前記ハブ輪は、ハブ輪の表面の全体が、鍛造加工面を有し、当加工面に緻密化領域と共に、焼入れ部を有することを特徴とする請求項1に記載の車輪用軸受装置。
- 前記ハブ輪の緻密化領域において、ハブ輪の表面から最大せん断深さまでの当該領域の相対密度が、他の領域よりも高いことを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか一項に記載の車輪用軸受装置。
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