JP2024074517A - 板ガラスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基台に対して加工具の移動を案内するガイド機構を備えた板ガラス加工装置によって、板ガラスの端面を加工する端面加工工程を備える板ガラスの製造方法であって、当該ガイド機構の摩耗を防げる板ガラスの製造方法を提供する。【解決手段】基台2と、加工具100と、基台2と加工具100との位置関係を変更する第1サーボ機構(可動機構)4とを備えた板ガラス加工装置(加工装置)1によって行われ、加工具100により板ガラスGの端面を加工する端面加工工程S01を備える板ガラスの製造方法であって、端面加工工程S01は、第1サーボ機構4(可動機構)によって、板ガラスGの端面を押圧する押圧方向に加工具100を変位させて、押圧力を制御する制御工程S13と、板ガラスGの端面と基台2との距離関係を変更させる位置調整工程S11とを備える。【選択図】図5

Description

本発明は、板ガラスの端面を加工する端面加工工程を備えた、板ガラスの製法方法に関する。
近年、液晶ディスプレイ等の製造分野においては、生産効率に対する改善要請に応じるべく、当該ディスプレイ等に使用される板ガラス(ガラス基板)の、製造効率に対する改善要求が高まっている。
ここで、板ガラスの製造工程においては、大型のガラス原板(成形原板)から1枚、または複数枚の板ガラスを切り出される。これにより、所望の外形寸法からなる板ガラスが取得できる。
一方、ガラス原板から切り出された板ガラスの端面は、通常、切断面、または折割面となることから、当該端面には、微小な傷や欠陥等が存在する場合が多い。
このような微小な傷や欠陥等が板ガラスの端面に存在すると、当該端面に割れ等を発生させる要因となり得ることから、板ガラスの端面に対して、研削加工(粗加工)、及び研磨加工(仕上げ加工)が施されるのが一般的である。
そこで、このような加工(研削加工及び研磨加工)を施す装置の一例として、例えば特許文献1においては、板ガラスと加工具とを相対的に移動させることで、前記板ガラスの端面を加工する板ガラス加工装置が開示されている。
前記板ガラス加工装置は、板ガラスの端面と当接可能な加工具と、加工具を支持するとともにコアレスリニアモータによって駆動される支持部材と、基台に対して支持部材の移動を直線的に案内するガイド機構とを備えている。
また、ガイド機構は、例えばクロスローラガイド等のリニアガイド機構からなり、当該ガイド機構によって、支持部材は、板ガラスの端面に対して、近接・離反方向に向かって直線的に移動可能に構成されている。
そして、板ガラス加工装置は、上記近接方向に向かって支持部材を移動させ、所定の一定圧にて板ガラスの端面に加工具を押し当てながら、当該板ガラスの端面に対して、研削加工(粗加工)、または研磨加工(仕上げ加工)を施す構成となっている。
国際公開第2022/137894号
前述したように、特許文献1における板ガラス加工装置においては、板ガラスの端面に加工具を押し当てながら加工する際に、加工具における板ガラスとの相対的な位置が、略一定になる傾向にある。
ここで、クロスローラガイド等からなるガイド機構は、固定レールと、固定レールに対して相対的に移動可能な移動レールと、固定レールと移動レールとの間に介在する複数のローラ(転動体)とを有する。
そのため、クロスローラガイド等からなるガイド機構においては、固定レール及び/または移動レール上の略同一の位置に複数のローラが留まり易く、当該固定レール及び/または移動レールに局所的な摩耗が発生し易い。
その結果、短期間でガイド機構を交換する必要があった。
本発明は、以上に示した現状の問題点に鑑みてなされたものであり、加工具の移動を案内するガイド機構において、当該ガイド機構の摩耗を防げる板ガラスの製造方法を提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、本発明の第一形態に係る板ガラスの製造方法は、基台と、加工具と、前記基台と前記加工具との位置関係を変更する可動機構とを備えた加工装置によって行われ、前記加工具により板ガラスの端面を加工する端面加工工程を備える板ガラスの製造方法であって、前記端面加工工程は、前記可動機構によって、前記板ガラスの端面を押圧する押圧方向に前記加工具を変位させて、押圧力を制御する制御工程と、前記板ガラスの端面と前記基台との距離関係を変更させる位置調整工程とを備えることを特徴とする。
このような構成を有することにより、可動機構に設けられるガイド機構の摩耗を抑制することができる。
また、本発明の第二形態に係る板ガラスの製造方法法は、第一形態において、前記可動機構が、固定レールと、前記加工具とともに前記固定レールと相対的に移動する移動レールと、前記固定レールと前記移動レールとの間に配置される複数の転動体とを有したガイド機構を有することを特徴とする。
このようなガイド機構を有する可動機構が設けられた加工装置を用いる場合であっても、本発明に係る板ガラスの製造方法によれば、ガイド機構の摩耗を抑制することができる。
また、本発明の第三形態に係る板ガラスの製造方法法は、第一形態において、前記可動機構が、前記基台と直交する回動軸と、前記回動軸と同軸上に設けられる軸受と、前記軸受を介して回動可能に設けられる回動体を有する回動レバーとを有することを特徴とする。
このような、回動軸、軸受、及び回動レバーからなるガイド機構を有する可動機構が設けられた加工装置を用いる場合であっても、本発明に係る板ガラスの製造方法によれば、ガイド機構の摩耗を抑制することができる。
また、本発明の第四形態に係る板ガラスの製造方法法は、第一~第三形態の何れかにおいて、前記端面加工工程によって、複数枚の板ガラスを繰り返し加工し、前記位置調整工程は、前記複数の板ガラスの加工の間に行われることを特徴とする。
このような構成を有することにより、位置調整工程によって、基台に対する加工具の位置が予め適正な位置に調整された状態で、端面加工工程を行うことができ、より精度よく板ガラスの端面を加工することができる。
また、本発明の第五形態に係る板ガラスの製造方法法は、第一~第四形態の何れかにおいて、前記位置調整工程が、前記制御工程の実行中に行われることを特徴とする。
このような構成を有することにより、制御工程における板ガラスの端面への加工具の押圧状況に応じて位置調整工程を行い、基台に対する加工具の位置を適宜調整することができ、ガイド機構の摩耗を、より確実に抑制することができる。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係る板ガラスの製造方法によれば、板ガラス加工装置に備えられるガイド機構の摩耗を防止することができる。
本発明に係る板ガラスの製造方法を実施する、板ガラス加工装置の全体的な構成を示した平面図である。 板ガラス加工装置の全体的な構成を示した正面図である。 板ガラス加工装置の全体的な構成を示した側面図である。 板ガラス加工装置における制御系の構成を示したブロック図である。 第2サーボ機構によって適宜変更される基台の停止位置を説明するための図であって、各状態における板ガラス加工装置の状態を示した平面図である。 板ガラスの製造方法における各工程を示した工程図である。 本実施形態によって実施される板ガラスの製造方法の一連の流れを説明するための図であって、各工程における板ガラス加工装置の状態を経時的に示した平面図である。 第1別実施形態によって実施される板ガラスの製造方法の各工程を示した工程図である。 第1別実施形態によって実施される板ガラスの製造方法の一連の流れを説明するための図であって、各工程における板ガラス加工装置の状態を経時的に示した平面図である。 第2別実施形態における板ガラスの製造方法を実施する、板ガラス加工装置の全体的な構成を示した平面図である。
次に、本発明の一実施形態について、図1乃至図10を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図1乃至図3中に示した矢印の方向によって、板ガラス加工装置1の前後方向、左右方向、及び上下方向を規定して説明する。
[板ガラス加工装置1の構成]
先ず、本発明に係る板ガラスの製造方法を実施する、板ガラス加工装置1の構成について、図1乃至図5を用いて説明する。
図1において、板ガラス加工装置1は、本発明に係る加工装置の一例であって、所望の外形寸法に作製された板ガラスGの端面に加工具100を押し当てながら(押圧しながら)、当該板ガラスGの端面を加工する装置である。
ここで、本実施形態において、板ガラス加工装置1の加工対象となる板ガラスGは、例えば、0.05mm以上10mm以下(好ましくは0.1mm以上1mm以下)の板厚に設定された、矩形状の板ガラスである。
なお、板ガラスGの構成については、本実施形態に限定されるものではなく、例えば多角形や円形等、矩形状以外の形状からなる板ガラスであってもよく、また、0.05mm未満や10mmを超える板厚に設定された板ガラスであってもよい。
加工具100による板ガラスGの端面加工としては、例えば、板ガラスGの端面の面取り加工(研削加工)や、面取り加工後の端面の凹凸を均一にする研磨加工などが挙げられる。
加工具100は、例えば円形短柱形状の砥石によって構成され、軸心を中心にして回転駆動しながら、板ガラスGの端面に対して外周面を押し当てることにより、当該端面を研削加工、または研磨加工するものである。砥石の外周面には、面取り加工後の端面(端部)形状に対応する形状を有する溝部が設けられてもよい。
ここで、研削加工用の加工具100としては、例えば、高剛性砥石であるダイヤモンド砥粒を電着ボンドで固めた所謂電着砥石、或いは、砥粒を金属質結合剤で固めた所謂メタル砥石などが、好適に使用される。
板ガラスGと加工具100とは、互いに相対的に移動する。
以下の説明においては、板ガラスGと加工具100とが、板ガラスGの端面に沿って相対的に移動する方向を「送り方向A」という。
本実施形態においては、送り方向A(本実施形態においては、左方向)に沿って移動する板ガラスGに対して、加工具100の位置を、板ガラスGの端面に所望の圧力で押し当てた状態で保持することにより、当該板ガラスGの端面加工が行われる。この際、板ガラスGは、テーブル等で保持される。
なお、これに限定されるものではなく、板ガラスGの位置を保持し、加工具100を当該板ガラスGの端面に所望の圧力で押し当てた状態で、送り方向Aに沿って移動させることにより、板ガラスGの端面加工を行うこととしてもよい。
また、加工具100は、送り方向Aと交差する方向(例えば平面視直交方向であって、本実施形態においては前後方向)において、板ガラスGの端面に対して接近・離反可能に構成される。
以下の説明においては、加工具100が板ガラスGの端面に対して接近・離反する方向を「切り込み方向B」という。
また、切り込み方向Bにおいて、加工具100が板ガラスGの端面に近づく方向(加工具100によって板ガラスGの端面を押圧する押圧方向であって、本実施形態においては、前方向)を「切り込み方向前方Bf」といい、加工具100が板ガラスGの端面から離れる方向(本実施形態においては、後方向)を「切り込み方向後方Bb」という。
図2に示すように、板ガラス加工装置1は、主に、基台2と、上述した加工具100と、加工具100を駆動する回転駆動装置3と、基台2と加工具100との位置関係を変更する第1サーボ機構4とを備える。なお、第1サーボ機構4は、本発明に係る可動機構の一例である。
また、板ガラス加工装置1は、機械台M1の上面において、装置全体を切り込み方向Bに沿って移動させる第2サーボ機構5と、回転駆動装置3、第1サーボ機構4、及び第2サーボ機構5の制御を実行する制御装置6(図4を参照)とを備える。
基台2は、例えば矩形状の平板部材からなり、第2サーボ機構5の上方において、略水平状に配置される。
なお、基台2の構成については、本実施形態に限定されるものではなく、例えばブロック形状や、その他の各種形状に構成されていてもよい。
そして、基台2の上面2aには、後述する第1ガイド機構42の固定レール42a、及び第1コアレスリニアモータ43の固定子7が、各々固定されている。
回転駆動装置3は、軸心を中心にして加工具100を回転駆動させる装置である。
回転駆動装置3は、例えば同期モータ、インダクションモータ、またはサーボモータ等からなる電動モータによって構成される。
そして、回転駆動装置3は、制御装置6と電気的に接続されており、当該制御装置6によって、回転駆動装置3の始動、停止、及び回転速度等が制御される。
第1サーボ機構4は、回転駆動装置3を介して加工具100を支持する支持部材41と、支持部材41を切り込み方向Bに沿って直線的に案内する第1ガイド機構42と、支持部材41を駆動する第1コアレスリニアモータ43と、加工具100の位置を検出する第1検出器44と、第1コアレスリニアモータ43の制御を実行する第1制御部45(図4を参照)とを備える。
また、第1サーボ機構4は、第1検出器44及び第1制御部45によって、第1コアレスリニアモータ43のフィードバック制御を実行する。
支持部材41は、例えば矩形状の平板部材からなり、基台2の上方、且つ加工具100の下方において、略水平状に配置される。
なお、支持部材41の構成については、本実施形態に限定されるものではなく、例えばブロック形状や、その他の各種形状に構成されていてもよい。
支持部材41の上面41aには、加工具100と駆動連結された回転駆動装置3、及び後述する第1検出器44の磁気センサ44aが配置されている。
また、支持部材41の下面41bには、後述する第1ガイド機構42の移動レール42b、及び第1コアレスリニアモータ43の可動子8が、各々固定されている。
そして、支持部材41は、第1ガイド機構42によって下方から支持されるとともに、当該第1ガイド機構42によって、切り込み方向Bに沿って直線的に案内される。
第1ガイド機構42・42は、例えば、1基の板ガラス加工装置1において2個設けられており、支持部材41の下方において、切り込み方向Bとの平面視直交方向(本実施形態においては、左右方向)に間隔を空けて配置されている。
各第1ガイド機構42は、例えばクロスローラガイドからなるリニアガイド機構によって構成され、固定レール42aと、固定レール42aと相対的に移動する移動レール42bと、これらの固定レール42aと移動レール42bとの間に配置される複数のローラ(転動体)42c・42c・・・とを有している。第1ガイド機構42は、転動体としてローラに代えてボールを有するボールガイドであってもよい。
そして、図3に示すように、第1ガイド機構42は、固定レール42aに対して、移動レール42bが切り込み方向Bに沿って移動可能に配置される。
また、上述したように、固定レール42aは、基台2の上面2aに固定され、且つ移動レール42bは、支持部材41の下面41bに固定される。
これにより、第1ガイド機構42は、加工具100の移動方向が一方向(切り込み方向B)となるように配置されることとなり、支持部材41を介して、加工具100の押し当て方向(切り込み方向前方Bf)への移動を案内する。
このように、本実施形態において、第1サーボ機構4は、クロスローラガイドからなる第1ガイド機構42を有する構成となっている。
このような、クロスローラガイドを有するサーボ機構を備えた板ガラス加工装置1によって、板ガラスGの端面加工を行う場合であっても、本実施形態における板ガラスの製造方法によれば、後述するように、固定レール42a上及び/または移動レール42b上における複数のローラ42c・42c・・・の位置を適宜変更させることで、第1ガイド機構42の摩耗を効果的に抑制することができる。
第1コアレスリニアモータ43は、図2に示すように、支持部材41の下方において、一対(2個)の第1ガイド機構42・42の間に配置されている。
また、第1コアレスリニアモータ43は、図1に示すように、これら一対の第1ガイド機構42・42に対して、切り込み方向後方Bb側に配置されている。
これにより、冷却または洗浄のための液体が、加工具100に使用される場合であっても、この液体が第1コアレスリニアモータ43に付着することを防止できる。
第1コアレスリニアモータ43は、固定子7と、可動子8とを備える。
固定子7は、図2に示すように、基台2の上面2aに固定されている。
固定子7は、複数の磁石71・71・・・と、これら複数の磁石71・71・・・を支持する取付座72とを有する。
取付座72は、上下方向に間隔をおいて配置される一対の支持部(第1支持部72a及び第2支持部72b)と、これら一対の支持部を連結する連結部72cとを有する。
第1支持部72a及び第2支持部72bは、正面視において、連結部72cから、それぞれ水平方向、且つ一方向(本実施形態においては、右方向)に突出するように設けられている。
また、第1支持部72a及び第2支持部72bは、それぞれ複数の磁石71・71・・・を支持している。
そして、連結部72cは、これらの第1支持部72a及び第2支持部72bを、上下方向に離間させた状態で支持している。
上記支持部において、第1支持部72aは上側に配置され、第2支持部72bは下側に配置されている。
第1支持部72aと第2支持部72bとの間には、可動子8が挿入される溝部が形成されている。
上記溝部は、水平方向に開口し、且つ切り込み方向Bに沿って延びている。
第1支持部72aは、支持部材41に接触することなく、当該支持部材41の下方に位置する。また、第2支持部72bは、基台2の上面2aに固定されている。
これらの第1支持部72a及び第2支持部72bは、切り込み方向Bにおいて、互いに隣り合う磁石71・71の極性が相互に異なるように、複数の磁石71・71・・・を支持している。
即ち、上記支持部に各々支持される複数の磁石71・71・・・は、切り込み方向Bにおいて、N極の磁石71とS極の磁石71とが、順に交互に並ぶように配列されている。
第1支持部72aに支持される複数の磁石71・71・・・と、第2支持部72bに支持される複数の磁石71・71・・・とは、上下方向において対向している。
また、上記の各支持部(第1支持部72aまたは第2支持部72b)は、上下方向において対向する磁石71・71の極性が異なるように、複数の磁石71・71・・・を支持している。
即ち、例えば第1支持部72aに支持されるN極の磁石71は、第2支持部72bに支持されるS極の磁石71と対向する。
可動子8は、固定子7の上記溝部(第1支持部72aと第2支持部72bとの隙間)に挿入される電機子巻線81と、電機子巻線81を保持する保持部82とを有する。
電機子巻線81は、複数のコイルを有するとともに、モールド樹脂により被覆されている。
一方、保持部82は、固定子7の上記溝部に電機子巻線81を挿入した状態で、当該溝部の外側において、電機子巻線81の一端部を保持する。
そして、保持部82の上端部は、支持部材41の下面41bに固定されている。
このように、電機子巻線81は、鉄心(コア)にコイルを巻回することなく構成されるため、コアと磁石の吸引により動作抵抗が上がったり、コギングが発生したりすることも抑制できる。
第1検出器44は、例えばリニアエンコーダにより構成される。
本実施形態においては、第1検出器44として、磁気式のリニアエンコーダを例示するが、光学式のリニアエンコーダ等を用いてもよい。
第1検出器44は、支持部材41の上面41aに固定される磁気センサ44aと、支持部材41に近接して設けられた構造物M2に固定される磁気スケール44bとを有する。
そして、図1において、第1検出器44は、支持部材41の移動に伴って、磁気センサ44aが磁気スケール44bに対する位置を読み取ることにより、切り込み方向Bにおける加工具100の位置を検出することができる。
第1制御部45は、例えばサーボアンプやドライバ等によって構成されており、図4に示すように、第1コアレスリニアモータ43、第1検出器44、及び制御装置6と電気的に接続されている。
また、第1制御部45は、第1コアレスリニアモータ43の電流値(または電圧値)、及び第1検出器44による検出値に基づき、切り込み方向Bにおける加工具100の移動速度、及び/または押圧力を一定に維持するための、フィードバック制御を実行する。
なお、第1制御部45は、第1検出器44による検出値に基づき、基台2に対する加工具100の位置を一定に維持するための、フィードバック制御を行うことも可能である。
そして、第1制御部45は、加工具100の移動速度、及び/または押圧力についての目標値を、指令信号として制御装置6から受信すると、上記フィードバック制御を実行しながら、第1コアレスリニアモータ43に適宜電気信号(駆動信号)を送信し、切り込み方向Bにおける加工具100の移動速度、及び/または押圧力が、当該目標値にて一定に維持されるように、第1コアレスリニアモータ43の駆動を制御する。
なお、本実施形態において、加工具100の押圧力は、加工具100が切り込み方向Bに沿って移動する速度、加工具100の板ガラスGに対する加工代、及び加工具100の回転速度等から演算により求められるが、これに限定されるものではなく、例えば、圧力センサ等の検出器を、別途設けることとしてもよい。
図2において、第2サーボ機構5は、例えば、上述した第1サーボ機構4と略同等に構成することができ、基台2を切り込み方向Bに沿って直線的に案内する第2ガイド機構(図示せず)と、基台2を駆動する第2コアレスリニアモータ51(図4を参照)と、加工具100の位置を検出する第2検出器52と、当該第2コアレスリニアモータ51の制御を実行する第2制御部53とを備える。
なお、この場合、第2サーボ機構5における第2ガイド機構、第2コアレスリニアモータ51、及び第2検出器52は、第1サーボ機構4における第1ガイド機構42、第1コアレスリニアモータ43、及び第1検出器44と略同等な構成からなるため、以下の説明については、記載を省略する。
また、第2コアレスリニアモータ51に代えて種々の送り機構を用いてもよい。送り機構は、例えばモータと送りねじとを有する構成としてもよく、或いは、モータと、ピニオンと、ラックとを有する構成としてもよい。
第2制御部53も第1制御部45と同様に、例えばサーボアンプやドライバ等によって構成されており、図4に示すように、第2コアレスリニアモータ51、第2検出器52、及び制御装置6と電気的に接続されている。
また、第2制御部53は、機械台M1に対して適宜変更される基台2の停止位置にて、基台2が一定に維持されるように、第2検出器52による検出値に基づき、フィードバック制御を実行する。
例えば、図5(a)に示すように、ある板ガラスG(以下、適宜「第1板ガラスG1」と記載)の端面加工を行う場合、基台2は、第2制御部53による上記フィードバック制御によって、機械台M1に対して第1停止位置P1にて一定に保持される。
続いて、図5(b)に示すように、次の新たな板ガラスG(以下、適宜「第2板ガラスG2」と記載)の端面加工を行う場合、基台2は、第2制御部53による上記フィードバック制御によって、第1停止位置P1に比べて切り込み方向前方Bf側に距離dだけ変位した第2停止位置P2にて、一定に保持される。
さらに、図5(c)に示すように、次の新たな板ガラスG(以下、適宜「第3板ガラスG3」と記載)の端面加工を行う場合、基台2は、第2制御部53による上記フィードバック制御によって、第2停止位置P2に比べて切り込み方向前方Bf側に距離dだけ変位した第3停止位置P3にて、一定に保持される。
そして、図4において、第2制御部53は、適宜変更される基台2の停止位置についての目標値を、指令信号として制御装置6から受信すると、上記フィードバック制御を実行しながら、第2コアレスリニアモータ51に適宜電気信号(駆動信号)を送信し、基台2の位置が、当該目標値にて一定に維持されるように、第2コアレスリニアモータ51の駆動を制御する。
制御装置6は、例えばCPU、ROM、RAM、HDD、モニタ、入出力インターフェース等の各種ハードウェアを実装するコンピュータ(例えばPC)等によって構成される。
制御装置6は、回転駆動装置3による加工具100の始動、停止、及び回転速度の制御を実行する。
また、後述するように、制御装置6は、第1制御部45からの信号に基づいてコアレスリニアモータ43を駆動し、加工具100の切り込み位置、切り込み方向Bにおける加工具100の移動速度、及び板ガラスGの端面に対する加工具100の押圧力等を制御する。
さらに、後述するように、制御装置6は、第2制御部53からの信号に基づいて第2コアレスリニアモータ51を駆動し、適宜変更される基台2の停止位置を制御する。
[板ガラスGの製造方法]
次に、本実施形態によって具現化される、板ガラスGの製造方法について、図5乃至図7を用いて説明する。
本実施形態における板ガラスGの製造方法は、所望の外形寸法からなる板ガラスGを製造する方法であって、例えば、公知のフロート法やダウンドロー法(例えばオーバーフローダウンドロー法)等によって成形された大型の板ガラス原板(成形原板)より、予め所定寸法に切断された板ガラスGの端面に対して、研削加工(面取り加工)や研磨加工を行う端面加工工程S01を備えるものである。
端面加工工程S01は、前述した板ガラス加工装置1によって実施され、図6に示すように、主に、経時的に順に実施される位置調整工程S11、加工具セット工程S12、制御工程S13、及び退避工程S14を有する。
位置調整工程S11は、板ガラスGの端面と基台2との距離関係を変更させる工程である。
位置調整工程S11においては、前述した第2制御部53によるフィードバック制御によって、機械台M1に対して適宜変更される停止位置に基台2が変位され、当該停止位置にて、基台2の位置が一定に維持される。
加工具セット工程S12は、板ガラスGの端面と当接可能な所定位置に、加工具100を変位させる工程である。
加工具セット工程S12においては、前述した第1制御部45によるフィードバック制御によって、基台2に対して切り込み方向前方Bf側の所定位置に加工具100が変位され、当該所定位置にて、加工具100の位置が一定に維持される。
なお、位置調整工程S11及び加工具セット工程S12は、互いに同時に行うこととしてもよく、また、加工具セット工程S12、位置調整工程S11の順に行うこととしてもよい。
制御工程S13は、第1サーボ機構4によって、板ガラスGの端面を押圧する押圧方向(切り込み方向前方Bf)に加工具100を変位させて、当該端面に対する加工具100の押圧力を制御する工程である。
制御工程S13においては、前述した第1制御部45によるフィードバック制御によって、切り込み方向Bにおける加工具100の移動速度、及び/または押圧力が一定に維持された状態で、板ガラスGの端面加工が実際に行われる。
退避工程S14は、板ガラスGの端面加工の終了後、加工具100を、所定の退避位置まで退避させる工程である。
これらの位置調整工程S11、加工具セット工程S12、制御工程S13、及び退避工程S14は、図7に示すように、以下に示す動作手順に従い、板ガラス加工装置1を可動させることにより実施される。
まず始めに、板ガラスGの端面加工の開始前において、板ガラス加工装置1は初期状態となっており、基台2は、板ガラスGの端面に対して、切り込み方向後方Bb側に十分退避した退避位置X1にて、保持された状態となっている。
また、加工具100は、基台2と相対する所定の退避位置Y1にて、保持された状態となっている。
さらに、加工具100は、軸心を中心にして、所定の回転速度によって回転駆動された状態となっている。
加工対象となる板ガラスGが、板ガラス加工装置1の近傍(具体的には、板ガラス加工装置1に対して、送り方向Aの上流側の所定位置)に到達すると、制御装置6は、第2サーボ機構5に電気信号(指令信号)を送信し、当該第2サーボ機構5を可動させる。
その結果、基台2は、第2制御部53によるフィードバック制御によって、退避位置X1から切り込み方向前方Bfに向かって変位され、所定の停止位置X2(例えば、図5(a)における第1停止位置P1)にて、一定に保持される(位置調整工程S11)。
基台2が停止位置X2(第1停止位置P1)にて保持されると、制御装置6は、続いて、第1サーボ機構4に電気信号(指令信号)を送信し、当該第1サーボ機構4を可動させる。
その結果、加工具100は、第1制御部45によるフィードバック制御によって、退避位置Y1から切り込み方向前方Bfに向かって変位され、板ガラスGの端面と当接可能な所定の停止位置Y2にて、一定に保持される(加工具セット工程S12)。
その後、板ガラスGの端部における、送り方向Aの下流側(左側)の先端が、加工具100と当接すると、第1制御部45によるフィードバック制御が切替わり、加工具100の移動速度、及び/または押圧力が、一定に保持される(制御工程S13)。
また、板ガラスGは、加工具100に当接された後、引き続き、送り方向Aに向かって移動される。
これにより、板ガラスGの端面加工が実行される。
板ガラスGの端部における、送り方向Aの上流側(右側)の先端が、加工具100を通過し、当該板ガラスGの端面加工の実行が終了すると、制御装置6は、制御工程S13を終了し、第2サーボ機構5を可動させて、基台2を退避位置X1に変位させるとともに、第1サーボ機構4を可動させて、加工具100を退避位置Y1に変位させる(退避工程S14)。
これにより、板ガラス加工装置1は、再び初期状態に復帰され、板ガラスGの端面加工における一連の動作手順が終了する。
そして、新たな板ガラスGが、板ガラス加工装置1の上記近傍に到達すると、上述した一連の動作手順が再び繰り返され、端面加工工程S01は、引き続き継続される。
ここで、本実施形態においては、位置調整工程S11によって基台2が保持される停止位置X2が、加工対象となる板ガラスG毎に、適宜変更される制御方法となっている。
具体的には、図5において、例えば、基台2の停止位置X2を第1停止位置P1に設定していた、上記一連の動作手順が終了し、続いて新たな板ガラスGの端面加工を行う場合、当該基台2の停止位置X2は、第1停止位置P1に比べて切り込み方向前方Bfに距離dだけ変位した第2停止位置P2(図5(b)を参照)に変更される。
また、基台2の停止位置X2を第2停止位置P2に設定していた、上記一連の動作手順が終了し、さらに新たな板ガラスGの端面加工を行う場合、当該基台2の停止位置X2は、第2停止位置P2に比べて切り込み方向前方Bfに距離dだけ変位した第3停止位置P3(図5(c)を参照)に変更される。
なお、位置調整工程S11において、基台2の停止位置X2が適宜変更されると、加工具セット工程S12及び制御工程S13における加工具100の停止位置Y2も、切り込み方向後方Bb側に適宜変更され、板ガラスGの端部に対する加工具100の位置は、常に一定に維持される。
具体的には、図5(b)に示すように、位置調整工程S11において、基台2の停止位置X2が、第1停止位置P1から第2停止位置P2に向かって、切り込み方向前方Bf側に距離dだけ変位すると、加工具セット工程S12及び制御工程S13における加工具100の停止位置Y2は、切り込み方向後方Bb側に距離dだけ変位する。
また、図5(c)に示すように、位置調整工程S11において、基台2の停止位置X2が、第2停止位置P2から第3停止位置P3に向かって、切り込み方向前方Bf側に距離dだけ変位すると、加工具セット工程S12及び制御工程S13における加工具100の停止位置Y2は、さらに切り込み方向後方Bb側に距離dだけ変位する。
このような制御方法を用いることにより、板ガラスGの端面加工を行う場合において、板ガラスGの端部に対する加工具100の位置を維持しつつ、基台2に対する支持部材41の位置を容易に変更することができる。
従って、第1ガイド機構42における固定レール42aと移動レール42bとの相対位置を、容易に変更することができ、例えば、固定レール42a及び/または移動レール42b上の略同一の位置に複数のローラが留まることで発生する局所的な摩耗を、防止することができる。
このように、本実施形態においては、端面加工工程S01において、複数枚の板ガラスG・G・・・を繰り返し加工し、適宜変更される停止位置X2に基台2を保持する位置調整工程S11は、複数の板ガラスG・G・・・の加工の間、即ち、各々の板ガラスG・G・・・に対して実施される制御工程S13・S13・・・の間に行われる構成となっている。
このような構成を有することにより、位置調整工程S11によって、基台2に対する加工具100の位置が予め適正な位置に調整された状態で、端面加工工程S01を行うことができ、より精度よく板ガラスGの端面を加工することができる。
[板ガラスGの製造方法(第1別実施形態)]
次に、本発明に係る板ガラスGの製造方法の第1別実施形態について、図8及び図9を用いて説明する。
第1別実施形態における板ガラスGの製造方法は、前述した本実施形態における板ガラスGの製造方法と同じく、板ガラス加工装置1によって実施され、板ガラスGの端面に対して、研削加工(面取り加工)や研磨加工を行う端面加工工程S02を備える。
前記端面加工工程S02は、図8に示すように、主に、経時的に順に実施される初期位置調整工程S21、加工具セット工程S22、制御工程S23、及び退避工程S24と、制御工程S23の実行中に行われる第1位置調整工程S25及び第2位置調整工程S26とを有する。
ここで、第1位置調整工程S25及び第2位置調整工程S26は、本発明に係る位置制御工程の一例であって、本別実施形態のように、2工程設けられることに限定されることはなく、例えば、1工程のみ設けられていてもよく、また3工程以上設けられていてもよい。
なお、加工具セット工程S22、制御工程S23、及び退避工程S24は、前述した本実施形態における端面加工工程S01の加工具セット工程S12、制御工程S13、及び退避工程S14と略同等な工程となるため、以下の説明については記載を省略する。
初期位置調整工程S21は、板ガラスGの端面と基台2との距離関係が、予め定められた所定の関係となるように変更させる工程である。
初期位置調整工程S21においては、前述した第2制御部53によるフィードバック制御によって、予め設定された所定の停止位置に基台2が変位され、当該停止位置にて、基台2の位置が一定に維持される。
なお、上記所定の停止位置については、本別実施形態のように、常に一定の位置にて設定される必要はなく、例えば、前述した本実施形態における位置調整工程S11のように、加工対象となる板ガラスG毎に、適宜変更されることとしてもよい。
第1位置調整工程S25は、初期位置調整工程S21によって変位された基台2に対して、板ガラスGの端面と基台2との距離関係を変更させる工程である。
第1位置調整工程S25においては、第2制御部53によるフィードバック制御によって、機械台M1に対して適宜変更される停止位置に基台2が変位され、当該停止位置にて、基台2の位置が一定に維持される。
第2位置調整工程S26は、第1位置調整工程S25によって変位された基台2に対して、板ガラスGの端面と基台2との距離関係を変更させる工程である。
第2位置調整工程S26においては、第2制御部53によるフィードバック制御によって、さらに機械台M1に対して適宜変更される停止位置に基台2が変位され、当該停止位置にて、基台2の位置が一定に維持される。
これらの初期位置調整工程S21、加工具セット工程S22、制御工程S23、及び退避工程S24と、第1位置調整工程S25、及び第2位置調整工程S26とは、図9に示すように、以下に示す動作手順に従い、板ガラス加工装置1を可動させることにより実施される。
まず始めに、板ガラスGの端面加工の開始前において、板ガラス加工装置1は初期状態となっており、基台2は、板ガラスGの端面に対して、切り込み方向後方Bb側に十分退避した退避位置X21にて、保持された状態となっている。
また、加工具100は、基台2と相対する所定の退避位置Y21にて、保持された状態となっている。
さらに、加工具100は、軸心を中心にして、所定の回転速度によって回転駆動された状態となっている。
加工対象となる板ガラスGが、板ガラス加工装置1の近傍(具体的には、板ガラス加工装置1に対して、送り方向Aの上流側の所定位置)に到達すると、制御装置6は、第2サーボ機構5に電気信号(指令信号)を送信し、当該第2サーボ機構5を可動させる。
その結果、基台2は、第2制御部53によるフィードバック制御によって、退避位置X21から切り込み方向前方Bfに向かって変位され、所定の停止位置X22(例えば、図5(a)における第1停止位置P1)にて、一定に保持される(初期位置調整工程S21)。
基台2が停止位置X22(第1停止位置P1)にて保持されると、制御装置6は、続いて、第1サーボ機構4に電気信号(指令信号)を送信し、当該第1サーボ機構4を可動させる。
その結果、加工具100は、第1制御部45によるフィードバック制御によって、退避位置Y21から切り込み方向前方Bf(前方)に向かって変位され、板ガラスGの端面と当接可能な停止位置Y22にて、一定に保持される(加工具セット工程S22)。
その後、板ガラスGの端部における、送り方向Aの下流側(左側)の先端が、加工具100と当接すると、第1制御部45によるフィードバック制御が切替わり、加工具100の移動速度、及び/または押圧力が、一定に保持される(制御工程S23)。
また、板ガラスGは、加工具100に当接された後、引き続き、送り方向Aに向かって移動される。
これにより、板ガラスGの端面加工が実行される。
板ガラスGの端部における上記先端が、加工具100と当接してから所定時間が経過すると、制御装置6は、再び第2サーボ機構5に電気信号(指令信号)を送信し、当該第2サーボ機構5を可動させる。
その結果、基台2は、第2制御部53によるフィードバック制御によって、上記停止位置X22から切り込み方向前方Bfに向かって変位され、所定の停止位置X23(例えば、図5(b)における第2停止位置P2)にて、一定に保持される(第1位置調整工程S25)。
また、制御装置6は、基台2が停止位置X23に向かって変位するのと略同時に、第1サーボ機構4にも電気信号(指令信号)を送信し、当該第1サーボ機構4を可動させる。
その結果、加工具100は、第1制御部45によるフィードバック制御によって、上記停止位置Y22から切り込み方向後方Bbに向かって変位され、板ガラスGの端面と当接可能な所定の停止位置Y23にて、当該加工具100の移動速度、及び/または押圧力が、一定に保持される。
第1位置調整工程S25の終了後、さらに所定時間が経過すると、制御装置6は、再び第2サーボ機構5に電気信号(指令信号)を送信し、当該第2サーボ機構5を可動させる。
その結果、基台2は、第2制御部53によるフィードバック制御によって、上記停止位置X23から切り込み方向前方Bfに向かって変位され、所定の停止位置X24(例えば、図5(c)における第3停止位置P3)にて、一定に保持される(第2位置調整工程S26)。
また、制御装置6は、基台2が停止位置X24に向かって変位するのと略同時に、第1サーボ機構4にも電気信号(指令信号)を送信し、当該第1サーボ機構4を可動させる。
その結果、加工具100は、第1制御部45によるフィードバック制御によって、上記停止位置Y23から切り込み方向後方Bbに向かって変位され、板ガラスGの端面と当接可能な所定の停止位置Y24にて、当該加工具100の移動速度、及び/または押圧力が、一定に保持される。
板ガラスGの端部における、送り方向Aの上流側(右側)の先端が、加工具100を通過し、当該板ガラスGの端面加工の実行が終了すると、制御装置6は、制御工程S23を終了し、第2サーボ機構5を可動させて、基台2を退避位置X21に変位させるとともに、第1サーボ機構4を可動させて、加工具100を退避位置Y21に変位させる(退避工程S14)。
これにより、板ガラス加工装置1は、再び初期状態に復帰され、板ガラスGの端面加工における一連の動作手順が終了する。
そして、新たな板ガラスGが、板ガラス加工装置1の上記近傍に到達すると、上述した一連の動作手順が再び繰り返され、端面加工工程S02は、引き続き継続される。
このように、本発明に係る板ガラスGの製造方法の第1別実施形態においては、第1位置調整工程S25及び第2位置調整工程S26が、制御工程S23の実行中に行われる構成となっている。
このような構成を有することにより、制御工程S23における、板ガラスGの端面への加工具100の押圧状況に応じて、第1位置調整工程S25及び第2位置調整工程S26を行い、基台2に対する加工具100の位置を適宜調整することができる。
従って、第1ガイド機構42において、例えば、固定レール42a及び/または移動レール42b上の略同一の位置に複数のローラが留まることで発生する局所的な摩耗を、より確実に抑制することができる。
[板ガラスGの製造方法(第2別実施形態)]
次に、本発明に係る板ガラスGの製造方法の第2別実施形態について、図10を用いて説明する。
第2別実施形態における板ガラスGの製造方法は、以下に示す回転レバー方式の板ガラス加工装置201によって実施される点において、前述した本実施形態における板ガラスGの製造方法、或いは第2別実施形態における板ガラスGの製造方法と相違する。
なお、板ガラス加工装置201は、本発明に係る加工装置の一例である。
板ガラス加工装置201は、主に、基台202と、加工具200と、加工具200を駆動する回転駆動装置203と、基台202と加工具200との位置関係を変更する第3サーボ機構204とを備える。なお、第3サーボ機構204は、本発明に係る可動機構の一例である。
また、板ガラス加工装置201は、機械台M1の上面において、基台202を切り込み方向Bに向かって移動させる第4サーボ機構(図示せず)と、回転駆動装置203、第3サーボ機構204、及び第4サーボ機構の制御を実行する制御装置(図示せず)とを備える。
なお、基台202、加工具200、回転駆動装置203、第4サーボ機構、及び制御装置は、前述した本実施形態における板ガラス加工装置1の基台2、加工具100、回転駆動装置3、第2サーボ機構5、及び制御装置6と略同等な構成からなるため、以下の説明については、記載を省略する。
第3サーボ機構204は、基台202の上面において、当該基台202と直交して設けられる回動軸242と、回動軸242と同軸上に設けられる軸受243と、回動体244aを有する回動レバー244と、回転レバー244を駆動可能なサーボモータ245とを有する。
回動体244aは、例えば本別実施形態においては、平面視略L字状に形成された部材からなる。
回動体244aの一端には、加工具200が回転駆動装置203を介して設けられている。
また、回動体244aの他端には、リンク機構246が設けられており、当該リンク機構246を介して、回動体244aはサーボモータ245と連結されている。
さらに、回動体244aの中央には、回動軸242が軸受243を介して貫通されており、回動体244aは、回動軸242を中心にして回動可能に設けられている。
そして、第3サーボ機構204は、サーボモータ245を駆動させて回動体244aを可動させることにより、回動軸242を中心にして、加工具200を回動可能に構成されている。
このような構成からなる板ガラス加工装置201によっても、前述した本実施形態における板ガラスGの製造方法、或いは第2別実施形態における板ガラスGの製造方法を実施することが可能である。
即ち、図10(a)及び図10(b)によって各々示されるように、本実施形態における板ガラスGの製造方法を実施する場合、前述した位置調整工程S11において、基台202が保持される停止位置X2が、加工対象となる板ガラスG毎に適宜変更されるのに伴い、回動軸242を中心にして回動体244aの回動角度を調節することで、板ガラスGの端部に対する加工具200の位置は、常に一定に維持される。
また、第2別実施形態における板ガラスGの製造方法を実施する場合、前述した第1位置調整工程S25及び第2位置調整工程S26において、基台202が保持される各々の停止位置X23・X24が、加工対象となる板ガラスG毎に適宜変更されるのに伴い、回動軸242を中心にして回動体244aの回動角度を調節することで、板ガラスGの端部に対する加工具200の位置は、常に一定に維持される。
このように、本発明に係る板ガラスGの製造方法の第2別実施形態においては、回転レバー方式の板ガラス加工装置201によって実施され、当該板ガラス加工装置201が備える第3サーボ機構204は、基台202と直交する回動軸242と、回動軸242と同軸上に設けられる軸受243と、軸受243を介して回動可能に設けられる回動体244aを有する回動レバー244とを有する構成となっている。
このような、回動軸242、軸受243、及び回動レバー244からなるガイド機構を有する第3サーボ機構204が設けられた板ガラス加工装置201を用いる場合であっても、本発明に係る板ガラスGの製造方法によれば、軸受243の外輪及び/または内輪上における複数のコロの位置を適宜変更することができ、例えば、軸受243の外輪及び/または内輪上の略同一の位置に複数のコロが留まることで発生する局所的な摩耗を、より確実に抑制することができる。
なお、第2別実施形態の変形形態として、特開2016-203307号や特開2017-30089号に開示された回転レバー方式の板ガラス加工装置を用いてもよい。
以上のように、前述した本実施形態(或いは、第1別実施形態または第2別実施形態)における板ガラスGの製造方法は、基台2(202)と、加工具100(200)と、前記基台2(202)と前記加工具100(200)との位置関係を変更する第1サーボ機構4(第3サーボ機構204)とを備えた板ガラス加工装置1(板ガラス加工装置201)によって行われ、加工具100(200)により板ガラスGの端面を加工する端面加工工程S01(S02)を備える板ガラスの製造方法である。
そして、端面加工工程S01(S02)は、第1サーボ機構4(第3サーボ機構204)によって、板ガラスGの端面を押圧する押圧方向(切り込み方向前方Bf)に加工具100(200)を変位させて、押圧力を制御する制御工程S13(S23)と、板ガラスGの端面と基台2(202)との距離関係を変更させる位置調整工程S11(第1位置調整工程S25及び第2位置調整工程S26)とを備える構成となっている。
このような構成を有することにより、本実施形態(或いは、第1別実施形態または第2別実施形態)における板ガラスGの製造方法によれば、位置調整工程S11(第1位置調整工程S25及び第2位置調整工程S26)によって、板ガラスGの端面と基台2(202)との距離関係を変更しながら、板ガラスGの端面を加工することから、例えば、第1サーボ機構4(第3サーボ機構204)にクロスローラガイド等が設けられており、板ガラスGの端面に加工具100(200)を押し当てながら加工する際、固定レール42a及び/または移動レール42b上の略同一の位置に複数のローラ42c・42c・・・が留まり易く、当該固定レール42a及び/または移動レール42bに局所的な摩耗が発生し易い場合であっても、固定レール42a及び/または移動レール42b上における複数のローラ42c・42c・・・の位置を適宜変更させることができ、このような摩耗の発生を低減することができる。
以上、本発明を具現化する一実施形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、及び範囲内の全ての変更を含む。
1、201 板ガラス加工装置
2、202 基台
4 第1サーボ機構(可動機構)
100、200 加工具
204 第3サーボ機構(可動機構)
242 回動軸
243 軸受
244 回動レバー
244a 回動体
Bf 切り込み方向前方
G 板ガラス
S01、S02 端面加工工程
S11 位置調整工程
S13、S23 制御工程
S25 第1位置調整工程(位置調整工程)
S26 第2位置調整工程(位置調整工程)

Claims (5)

  1. 基台と、加工具と、前記基台と前記加工具との位置関係を変更する可動機構とを備えた加工装置によって行われ、前記加工具により板ガラスの端面を加工する端面加工工程を備える板ガラスの製造方法であって、
    前記端面加工工程は、
    前記可動機構によって、前記板ガラスの端面を押圧する押圧方向に前記加工具を変位させて、押圧力を制御する制御工程と、
    前記板ガラスの端面と前記基台との距離関係を変更させる位置調整工程とを備える、
    ことを特徴とする板ガラスの製造方法。
  2. 前記可動機構は、固定レールと、前記加工具とともに前記固定レールと相対的に移動する移動レールと、前記固定レールと前記移動レールとの間に配置される複数の転動体とを有したガイド機構を有する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の板ガラスの製造方法。
  3. 前記可動機構は、
    前記基台と直交する回動軸と、
    前記回動軸と同軸上に設けられる軸受と、
    前記軸受を介して回動可能に設けられる回動体を有する回動レバーとを有する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の板ガラスの製造方法。
  4. 前記端面加工工程において、複数枚の板ガラスを繰り返し加工し、
    前記位置調整工程は、
    前記複数の板ガラスの加工の間に行われる、
    ことを特徴とする、請求項1~請求項3の何れか一項に記載の板ガラスの製造方法。
  5. 前記位置調整工程は、
    前記制御工程の実行中に行われる、
    ことを特徴とする、請求項1~請求項3の何れか一項に記載の板ガラスの製造方法。
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