JP5112703B2 - ウェーハ面取り加工方法およびその装置 - Google Patents

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Description

本発明は回転砥石を2個セットにして加工することによりウェーハの面取り加工の精度を高めるウェーハ面取り加工方法およびその装置に関する。
各種結晶ウェーハその他の半導体デバイスウェーハ等の集積回路用基板として用いられる円盤状薄板材、その他金属材料を含む硬い材料からなる円盤状薄板材、例えばシリコン(Si)単結晶、ガリュウム砒素(GaAs)、水晶、石英、サファイヤあるいは石英、フェライト、炭化珪素(SiC)等からなる円盤状薄板材(これらを総称して単にウェーハという)の面取り加工では、樹脂系バインダーにより砥粒として混入させた工業用ダイヤモンドを固めた荒削り用砥石を用いて研削し、その後の仕上げ用にゴム砥石等を用いて研磨し、所定の形状と所定の表面粗さとを有する周縁部を形成する。
これら面取り加工に用いられるウェーハ1の各部は、ノッチ付きウェーハの場合では、図47に示すように、エッジ(周端部)1aとその周端1bの周方向の基準位置を示すためのV字形又はU字形のノッチ1nを刻設し、ノッチ1nの底部1nbから外周端(以下、ノッチコーナーという)1nc、1ncまでの間で開いている角度をノッチ角度α1とし、ノッチコーナー1ncから底部1nbまでの深さをノッチ深さdnとする。
また、オリエンテーションフラット付きウェーハ1の場合では、図48に示すように、オリエンテーションフラット1fの各端部(以下、オリフラコーナーという)1fc,1fcの間の長さ(以下、オリフラ長さという)lと、そしてオリエンテーションフラット1fを形成することによって消失する円弧の高さ(以下、オリフラ深さという)hとは、オリエンテーションフラット形成部の中心角をα2とするとl=2Rsin(α2/2)、h=D−B=R(1−cos(α2/2))となる。
図49に示すように、ウェーハ1のエッジ1aを、上平面1suに対して角度α3(約22°)だけ傾斜した上斜面1auと、下平面1sdに対し角度α3(約22°)だけ傾斜した下斜面11adと、単一の半径R1の円弧1cとにより滑らかに結ばれる断面形状に加工する場合、上斜面1auの水平長さを「面幅X1」と、下斜面1adの水平長さを「面幅X2」とそれぞれ呼び、これらの各寸法により定まるエッジ1aの断面を「断面形状(図50の形状と区別する場合には断面形状I)」、これらの各寸法の精度を「断面形状精度(図50の形状の場合と区別するには断面形状精度I)」と呼ぶことにする。
図50に示すように、ウェーハ1のエッジ1aを、上平面1suに対して角度α4だけ傾斜した上斜面1auと、下平面1sdに対して角度α4だけ傾斜した下斜面1adと、エッジ1aの端面を形成する周端1bとの間で2つの円弧すなわち同じ半径R2を有する円弧1c,1cにより滑らかに結ばれる断面形状に加工する場合、上斜面1auの水平長さを「面幅X1」と、下斜面1adの水平長さを「面幅X2」と、周端1bの面幅の長さを「面幅X3」とそれぞれ呼び、これらの各寸法により定まるエッジ1aの断面を「断面形状(図49の形状と区別する場合には断面形状IIとする)」、これらの各寸法の精度を「断面形状精度(図49の形状の場合と区別するには断面形状精度IIとする)」と呼ぶ。
また、図51に示すように、上下の両斜面1au,1adを単一の半径R1の円弧1cにより結ぶ形状(図中A)に加工した後、エッジ1aを上下方向で非対称な形状(図中B)に再加工してエッジ形状を変形し、ウェーハ1のエッジ1aを裏面(下面)側のみが薄くなるように片側のみ傾斜面となる形状に加工したもので、近年の半導体チップを上下に重ねてチップ間を直接結線させるなどの目的で裏面側を薄くする傾向があるので、その要望に答えるための形状である。
このようなウェーハ1の面取り加工には、断面形状や断面形状精度を得るため、加工すべきウェーハ周端部の外形状を形成した溝を有する溝付総形砥石を用いて加工するものがある(特許文献1〜6)。
例えば、メタルボンド砥石を用いて粗研削を行なった後、レジンボンド砥石を用いてエッジ1aが鏡面になるように仕上げ研磨を行なっている。
しかし、総形砥石を用いた場合には、砥石の溝の最深部には冷却剤が入りにくいため、砥石が傷み易く、またエッジ1aの円周方向に条痕が残って面粗度が大きくなり易いという問題点があった。
そこで、ウェーハ1の面取りに研磨材を含んだゴムホイールを砥石として用いた研磨方法および装置を提案し、特に大きな直径のゴムホイールを使用することにより、さらなる条痕の微細化を行なうことができるようになった(特許文献7)。
しかし、ゴムホイールが固定された回転軸の軸心がウェーハ1の回転方向と平行となるようにして研磨を行なっても、エッジ1aの全周には2乃至3個程度のピットが残存してしまい、全周で0個にするまでには至っていない。
このため、エッジ1aにおける研磨方向が面方向から略45°方向となるようにゴムホイールの周速度とウェーハ1の周速度とからゴムホイールの回転軸の必要傾斜角度αを算出し、回転軸をその必要傾斜角度に傾けて研磨するようにした(特許文献8)。
しかし、この方法によると、エッジ1aの断面形状をプログラム変更により任意に作成可能となる利点がある反面、ウェーハ1の下側、すなわちウェーハ取付台側に砥石が入る必要があるため、砥石を大きくすることができない、また砥石幅が狭くなる上に加工時間が長くなり、砥石の寿命が短くなる等の欠点があった。
特開平06−104228号公報 特開平06−262505号公報 特開平11−207584号公報 特開2000−052210公報 特開2000−317789公報 特開2000−107999公報 特開2001−300837公報 特開2005−040877公報
〔従来技術の問題点〕
これら従来のウェーハの面取り加工を行なう方法および装置では、溝付総形砥石、ウェーハ1と同一断面形状の溝を有する砥石等で、ウェーハ1を砥石の回転速度に比較して低速で1回転以上回転させることにより、加工時間が比較的短くなるという利点があるが、エッジ1aの断面形状が砥石の形状で決定されてしまい、断面形状精度が砥石の精度により左右されてしまうとともに、砥石交換を断面形状違いの砥石でしなければならない場合が生じ、また加工用冷却剤が加工部位に入りにくいため、溝の寿命が短く、先端部の形状くずれや条痕が入ると砥石の寿命が早く尽きてしまうという問題点があった。
また、半導体チップの集積度が高くなるに従い、ウェーハ1に形成される集積回路の密度も高くなり、かつウェーハ1内の回路部分も周縁部に拡がり、エッジ1aにおける回路の無形成部分が減少して周端縁に回路形成部分が迫るようになって、ウェーハ1の効率的利用が進み、端縁部の廃棄部分の極小化および端縁部の廃棄率の最小化が要求されてきたことにより、端縁形状の縮小化および加工精度の高度化が必要になり、そのための加工方法や加工装置の新たな開発が望まれるようになってきた。
本発明は、従来の技術における前記問題点に鑑みて成されたものであり、これを解決するため具体的に設定した技術的な課題は、ウェーハの面取り加工における断面形状精度を高めて必要な断面形状を正確に形成し、加工時間を短くするとともに砥石の寿命を長くすることができるウェーハ面取り加工方法およびその装置を提供することにある。
本発明における前記課題が効果的に解決されるウェーハ面取り加工方法およびその装置を特定するために、必要と認める事項の全てが網羅され、具体的に構成された、課題解決手段を以下に示す。
第1の発明は、2個の溝なし砥石によって、回転させられるウェーハ周端部の同一箇所に近接した位置を同時に加工して成形する加工方法であって、前記2個の溝なし砥石をウェーハ板厚方向においてそれぞれ一定の高さに保持しつつ回転させて前記ウェーハに接触させ、前記2個の溝なし砥石の加工面により前記ウェーハの外径を研削して縮径する方向に加工する周端縮径加工と、前記2個の溝なし砥石をウェーハ板厚方向においてそれぞれ各別に移動させつつ回転させて前記ウェーハに接触させ、ウェーハ周端部の径方向の同一箇所を2個の溝なし砥石により挟み込んで前記ウェーハの周端部を加工するコンタリング加工とを有することを特徴とする。
第2の発明は、2個の溝なし砥石によって、回転させられるウェーハの周端部の同一箇所に近接した位置を同時に加工して成形する加工方法であって、前記2個の溝なし砥石をウェーハ板厚方向においてそれぞれ一定の高さに保持しつつ回転させて前記ウェーハに接触させ、前記2個の溝なし砥石の加工面により前記ウェーハの外径を研削して縮径する方向に加工する周端縮径加工と、ウェーハ周端部の上面において前記2個の溝なし砥石を同時に移動させる加工と、前記ウェーハ周端部の下面において前記2個の溝なし砥石を同時に移動させる加工とによって前記ウェーハ周端部の上面及び下面を各別に加工して、ウェーハ周端部の断面を所望の形状に形成するコンタリング加工とを有することを特徴とする。
第3の発明は、前記コンタリング加工時において、ウェーハの回転に伴う板厚方向の位置振れが生じてもウェーハの周端部の断面を所定形状に加工するために、前記2個の溝なし砥石と前記ウェーハとの板厚方向の位置を相対的に制御しつつ前記ウェーハを加工することを特徴とする。
第4の発明は、前記コンタリング加工時において、ウェーハの回転に伴う板厚方向の位置振れが生じてもウェーハの周端部の断面を所定形状に加工するために、前記ウェーハに対して前記2個の溝なし砥石をまとめてウェーハの板厚方向に移動させるとともに、前記2個の溝なし砥石をウェーハの板厚方向にそれぞれ個別に移動させることを特徴とする。
第5の発明は、前記コンタリング加工時において、ウェーハの回転に伴う板厚方向の位置振れが生じてもウェーハの周端部の断面を所定形状に加工するために、前記2個の溝なし砥石に対して前記ウェーハをその板厚方向へ移動させるとともに、前記2個の溝なし砥石をウェーハの板厚方向にそれぞれ個別に移動させることを特徴とする。
第6の発明は、複数のウェーハを連続して面取り加工する際に、先のウェーハ面取り加工時と後のウェーハの面取り加工時とで、ウェーハの回転方向を逆にすることを特徴とする。
第7の発明は、ウェーハのオリエンテーションフラット部の同一箇所に近接した位置を2個の溝なし砥石によって同時に加工して成形する加工方法であって、前記2個の溝なし砥石をウェーハ板厚方向においてそれぞれ一定の高さに保持しつつ回転させるとともに前記ウェーハをそのオリエンテーションフラット部に沿って相対的に往復移動させて、前記2個の溝なし砥石を前記ウェーハのオリエンテーションフラット部の端面に接触させ、前記2個の溝なし砥石の加工面により前記ウェーハのオリエンテーションフラット部を研削して加工する周端縮小加工と、前記2個の溝なし砥石をウェーハ板厚方向においてそれぞれ各別に移動させつつ回転させるとともに前記ウェーハをそのオリエンテーションフラット部に沿って相対的に往復移動させて、前記2個の溝なし砥石を前記ウェーハのオリエンテーションフラット部の周端部に接触させ、前記ウェーハのオリエンテーションフラット部の周端部の径方向の同一箇所を前記2個の溝なし砥石により挟み込んで前記ウェーハのオリエンテーションフラット部の周端部を加工するコンタリング加工とを有することを特徴とする。
第8の発明は、ウェーハのオリエンテーションフラット部の同一箇所に近接した位置を2個の溝なし砥石によって同時に加工して成形する加工方法であって、前記2個の溝なし砥石をウェーハ板厚方向においてそれぞれ一定の高さに保持しつつ回転させるとともに前記ウェーハをそのオリエンテーションフラット部に沿って相対的に往復移動させて、前記2個の溝なし砥石を前記ウェーハのオリエンテーションフラット部の端面に接触させ、前記2個の溝なし砥石の加工面によりウェーハのオリエンテーションフラット部を研削して加工する周端縮小加工と、オリエンテーションフラット部の周端部の上面において前記2個の溝なし砥石を同時に移動させる加工と、前記オリエンテーションフラット部の周端部の下面において2個の溝なし砥石を同時に移動させる加工とによってオリエンテーションフラット部の周端部の上面及び下面を各別に加工して、前記オリエンテーションフラット部の周端部の断面を所望の形状に形成するコンタリング加工とを有することを特徴とする。
第9の発明は、前記2個の溝なし砥石は、前記ウェーハとの接触点における加工方向が互いに反対方向になるように回転させられることを特徴とする。
第10の発明は、砥石によってウェーハの周端部の同一箇所に近接した位置を同時に加工して成形する加工装置であって、ウェーハを保持する回転テーブルと、この回転テーブルを回転方向(θ方向)へ回転させるテーブル回転装置と、2個の溝なし砥石と、この2個の溝なし砥石を回転させる砥石回転装置と、前記2個の溝なし砥石を互いに近接して配置するとともに、前記回転テーブルに保持されたウェーハの板厚方向(Z軸方向)について前記2個の溝なし砥石を各独立に移動可能に保持する砥石移動装置と、前記回転テーブルに保持されたウェーハを、前記2個の溝なし砥石に対して近接離間させる奥行方向(Y軸方向)へ移動させる奥行方向移動装置と、前記回転テーブルに保持されたウェーハおよび前記砥石移動装置に保持された前記2個の溝なし砥石の相対位置を、ウェーハの板厚方向(Z軸方向)について移動させるZ軸方向移動装置とを有し、回転させた2個の溝なし砥石の加工面により回転させられるウェーハの周端部の同一箇所に近接した位置を同時に加工するとともに、ウェーハと2個の溝なし砥石とをY軸方向、Z軸方向及びθ軸方向へ相対的に移動させて、ウェーハの周端部の断面形状を所定の形状に面取り加工することを特徴とする。
第11の発明は、更に、前記回転テーブルに保持されたウェーハを、奥行方向(Y軸方向)に直交する左右方向(X軸方向)へ移動させる左右方向移動装置を有することを特徴とする。
第12の発明は、前記2個の溝なし砥石は、その回転軸が前記回転テーブルの回転軸に直交する軸に平行に配置された2個の円盤形溝なし砥石からなり、前記砥石移動装置は、この2個の円盤形溝なし砥石をそれぞれ独立してウェーハの板厚方向へ移動可能に保持する円盤形溝なし砥石移動装置からなることを特徴とする。
第13の発明は、前記Z軸方向移動装置は、前記2個の円盤形溝なし砥石をウェーハの板厚方向へまとめて移動させる砥石側Z軸方向移動装置を有することを特徴とする。
第14の発明は、前記2個の溝なし砥石は、その回転軸が前記回転テーブルの回転軸と交差する軸に平行に配置された2個のカップ形溝なし砥石からなり、前記砥石移動装置は、この2個のカップ形溝なし砥石をそれぞれ独立してウェーハの板厚方向へ移動可能に保持するカップ形溝なし砥石移動装置からなることを特徴とする。
第15の発明は、前記Z軸方向移動装置は、前記2個のカップ形溝なし砥石をウェーハの板厚方向へまとめて移動させる砥石側Z軸方向移動装置を有することを特徴とする。
第16の発明は、前記Z軸方向移動装置は、前記奥行方向移動装置に対して前記テーブル回転装置をウェーハの板厚方向に移動させるウェーハ側Z軸方向移動装置を有することを特徴とする。
第17の発明は、前記ウェーハ側Z軸方向移動装置は、モータによって駆動されるスクリューの回転によって前記テーブル回転装置を前記奥行方向移動装置に対してウェーハの板厚方向に移動させるスクリュー式直線移動装置を有することを特徴とする。
第18の発明は、前記ウェーハ側Z軸方向移動装置は、多数個の圧電アクチュエータによって前記テーブル回転装置を前記奥行方向移動装置に対してウェーハの板厚方向に移動させる圧電式直線移動装置を有することを特徴とする。
第1の発明によれば、溝なし砥石とウェーハとの相対的な動きにより、ノッチの有無にかかわらずウェーハ周端部に対して所定の断面形状を形成する面取り加工ができ、加工時には、各溝なし砥石がウェーハ周端部を上下の断面形状について同時に加工できて面取り加工時間を短縮でき、作業効率を向上するとともに各溝なし砥石の摩耗を少なくすることができて砥石の寿命を長くすることができる。
第2の発明によれば、ウェーハ周端部の断面形状を上下で非対称な形状に加工する場合、例えば、裏(下)側の研削量が多く、表(上)側の研削量が少ない形状(図51(B))では、2個の溝なし砥石が同じ方向へ一緒に動作したほうが、加工時間が短くなり、砥石の摩耗が少なくて済むとともに2個の砥石の摩耗量も同量になって、加工精度を良くすることができる。
また、ウェーハとの接触点においては、同時に当接する2個の溝なし砥石の回転方向を互いに逆にすることで、2個の溝なし砥石が同じ方向に一緒に動作して断面形状を作製する時にもウェーハのバタツキを抑えることができる。
第3の発明によれば、面取り加工において常に溝なし砥石とウェーハの周端部の振れとが同じ板厚方向に移動して相対的に同じ位置になるように動作するため、面取り加工が正確にでき、高い加工精度でウェーハ周端部の面取り加工ができる。
第4の発明によれば、2個の溝なし砥石をまとめて移動させることによりウェーハの回転に伴う周端部の板厚方向の位置振れによる変動に各溝なし砥石が追随でき、その追随した位置での各砥石の移動制御により、ウェーハの周端部の断面形状を加工するための軌跡に従い、正確に各溝なし砥石を移動することができて、薄いウェーハの周端部を正確に所定断面形状に加工することができる。
第5の発明によれば、ウェーハをZ軸方向に移動制御することによりウェーハの回転に伴うウェーハ周端部の板厚方向の位置振れに各溝なし砥石が追随でき、その追随した位置での各砥石の移動制御により、ウェーハ周端部の断面形状を加工する軌跡に従い、正確に各溝なし砥石を移動することができて、薄いウェーハの周端部を正確に所定断面形状に加工することができる。
第6の発明によれば、ウェーハ1枚毎にウェーハの回転方向を逆方向に換えるため、各溝なし砥石の摩耗が均一化され、砥石寿命が長くなるともに、均一に摩耗した砥石を使用しているため高い加工精度を維持することができる。
第7の発明によれば、溝なし砥石とウェーハとの相対的な動きにより、オリエンテーションフラットが形成されたウェーハに対して、オリエンテーションフラットに所定の断面形状を形成する面取り加工ができ、加工時には、各溝なし砥石がウェーハ周端部を上下の断面形状について同時に加工できて面取り加工時間を短縮でき、作業効率を向上するとともに各溝なし砥石の摩耗を少なくすることができて砥石の寿命を長くすることができる。
第8の発明によれば、ウェーハのオリエンテーション部の周端部の断面形状を上下で非対称な形状に加工する場合、例えば、裏(下)側の研削量が多く、表(上)側の研削量が少ない形状(図51(B))では、オリエンテーションフラット部の加工を行う場合にも、2個の溝なし砥石が同じ方向へ一緒に動作したほうが、加工時間が短くなり、砥石の摩耗が少なくて済むとともに2個の砥石の摩耗量も同量になって、加工精度を良くすることができる。
第9の発明によれば、各溝なし砥石の接触点における加工方向が互いに反対方向になることにより、ウェーハ周端部のバタツキを抑え、研削・研磨時に斜め方向に刻設される条痕が一方の砥石により刻設された後に他方の砥石により逆向きの斜め条痕が刻設され、加工箇所が条痕の交差した面となることによって、加工面を表面粗さが小さくて精細なものとなり、厚さの薄いウェーハやウェーハ周端部における断面斜面角度の小さい形状であっても、形状を精度良く加工することができ、ウェーハ周端部における断面形状の加工精度を高くすることができる。
第10の発明によれば、ウェーハ周端部で近接して配置した2個の溝なし砥石を、ウェーハの直径を小さくする周端縮径加工では、各溝なし砥石を取り付けた砥石移動装置により両溝なし砥石を同じ高さ位置でウェーハに接触させてウェーハの周端を加工し、前記ウェーハのエッジの断面を所望の形状に形成するコンタリング加工では、2個の溝なし砥石を砥石移動装置によりウェーハの各面に独立した状態で移動させ、ウェーハを各面から挟み込んだ状態で加工するとともに、ウェーハの周端の加工ではウェーハをテーブル回転装置により回転させ、かつウェーハを回転させた状態で平面的に移動させて加工し、ウェーハを、所定の断面形状を有する周端部に面取り加工することができる。
第11の発明によれば、左右方向移動装置と奥行方向移動装置との組合せによりウェーハを平面的に平行移動可能に形成したことにより、ウェーハを2個の溝なし砥石に対して相対的かつ平面的に往復移動でき、オリエンテーションフラット部の直線部の端面加工ではウェーハ側を左右方向に平行移動させて加工することができ、断面形状を所望の形状に加工するコンタリング加工ではウェーハ側を左右方向と奥行方向とを組み合せた動作によりオリエンテーションフラット部の加工形状に合わせたウェーハ側の動作ができる。
第12の発明によれば、ウェーハ外周のごく近傍に配置された2個の円盤形溝なし砥石が、回転テーブル上のウェーハと平行な平面内で相対的に公転でき、砥石移動装置によりウェーハの板厚方向へ各独立に直線的に移動できるとともに、平面移動装置の移動と砥石移動装置とZ軸方向移動装置との移動を組み合わせることによって立体的な加工ができ、ウェーハ周端部を所定形状に容易に加工することができて、砥石の摩耗に偏りのない状態で精度良く面取り加工ができる。
第13の発明によれば、ウェーハ外周のごく近傍に配置された2個の円盤形溝なし砥石が、Z軸方向移動装置により2個の円盤形溝なし砥石をウェーハの板厚方向へまとめて同時に移動できるようにしたことにより、砥石移動装置とZ軸方向移動装置とが2個の円盤形溝なし砥石を各独立にかつまとめて上下方向へ移動できて、平面移動装置の移動と砥石移動装置とZ軸方向移動装置との移動を組み合わせることによって立体的な加工ができ、ウェーハ周端部を所定形状に容易に加工することができて、砥石の摩耗に偏りのない状態で精度良く面取り加工ができる。
第14の発明によれば、ウェーハ外周のごく近傍に配置された2個のカップ形溝なし砥石が、回転テーブル上のウェーハと平行な平面内で相対的に公転できるようにし、さらにウェーハの板厚方向にも各独立に直線的に移動できるようにして、2個のカップ形溝なし砥石によりウェーハ周端部を立体的に加工できるようにし、ウェーハ周端部を所定形状に容易に加工することができるとともに、砥石の摩耗に偏りのない状態で精度良く面取り加工することができる。
第15の発明によれば、ウェーハ外周のごく近傍に配置された2個のカップ形溝なし砥石が、回転テーブル上のウェーハと平行な平面内で相対的に公転できるようにし、さらにウェーハの板厚方向にも各独立にかつまとめて直線的に移動できるようにして、2個のカップ形溝なし砥石によりウェーハ周端部を立体的に加工できるようにし、ウェーハ周端部を所定形状に容易に加工することができるとともに、砥石の摩耗に偏りのない状態で精度良く面取り加工することができる。
第16の発明では、ウェーハ側Z軸方向移動装置により2個の溝なし砥石に対してウェーハをその板厚方向へ直線的に移動できるようにしたことにより、平面移動装置砥石移動装置とウェーハ側Z軸方向移動装置との各移動を組み合わせることによって立体的な加工ができ、ウェーハ周端部を所定形状に容易に加工することができ、砥石の摩耗に偏りのない状態で精度良く面取り加工ができる。
第17の発明によれば、ウェーハ側Z軸方向移動装置をモータ駆動のスクリュー式直線移動装置により構成してウェーハを板厚方向へ移動できるようにしたことにより、ウェーハの上下方向への移動を滑らかにすることができ、立体的な加工をより均一化できて、ウェーハ周端部を所定形状に精度よく加工することができる。
また、第18の発明によれば、ウェーハ側Z軸方向移動装置として圧電アクチュエータを多数個配設することにより、加工時におけるウェーハと各溝なし砥石との相対的な位置を高速かつ正確に追随させ、2の溝なし砥石に対するウェーハの上下方向への移動を滑らかにすることができるとともに立体的な加工をより均一化でき、ウェーハ周端部を所定形状に速くかつ精度よく加工することができる。
以下、本発明による最良の実施形態を具体的に図示説明する。
ただし、この実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるため具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、発明内容を限定するものではない。
また、ウェーハ等のように、背景技術で説明したものと同じものは名称及び符号を同じにして説明を省略する。
〔面取り加工方法〕
溝なし砥石として、図1〜7により示す円盤形溝なし砥石又は図8〜14により示すカップ形溝なし砥石を使用する面取り加工方法について具体的に説明する。
〔第1実施態様〕
面取り加工方法の第1実施態様としては円盤形溝なし砥石を用いる場合を説明する。
〔構成〕
第1実施態様は、図1〜7により示す2つの円盤形溝なし砥石3,3を用いて仕上げ用の研削、研磨を行なう方法であり、円盤形溝なし砥石3,3の外周面をウェーハ1との接触面とし、1つのウェーハ1には同時に2つの円盤形溝なし砥石3,3が接触して面取り加工するものである。
ワーク取付台2に設けられた回転テーブル2a(図5参照)にウェーハ1を同心的に載置し、回転テーブル2aとともに回転するウェーハ1を2つの円盤形溝なし砥石3,3により同時に面取り加工する。
2つの円盤形溝なし砥石3,3は、周端1bの同一箇所に近接し、互いの対向する側面を近接して相対峙させるように配置し、回転する両溝なし砥石3,3の周面を加工面としてウェーハ1に同時に当接し、エッジ(ウェーハ1の周端部)1aの同一箇所に近接した位置を同時に加工して成形する(図1、図2及び図7参照)。
1. 加工方向
ウェーハ面取り加工方法において、2つの溝なし砥石3,3が、ウェーハ1との接触点における加工方向が互いに反対方向となるように、各溝なし砥石3,3の回転方向を定めて加工する。
2. 砥石動作
各砥石は、加工の種類によって、また、加工するウェーハ1の端部の形状によっても、 (1)同時に同じ方向へ移動する場合と、 (2)各別に異なる方向へ移動する場合とに分かれる。
(1)同時に同じ方向へ2つの砥石を移動する場合
(a) 周端加工
ノッチ1nを有するウェーハを加工する場合(図1参照)、ウェーハ1の外径を研削して縮径する方向に加工する周端縮径加工では、2つの溝なし砥石3,3をそれぞれ一定の高さに保持したままでウェーハ1に接触させて加工する(図3及び図4参照)。
この場合で、エッジ1aの断面形状が上下の斜面1au,1adと、周端1bに単一の半径R1の円弧1cと、により形成されるウェーハ1を加工する時には、2つの円盤形溝なし砥石3,3を同じ高さに保持して加工する(図3参照)。
また、エッジ1aの断面形状が上下の斜面1au,1adと、垂直面となる周端1bと、これらの間に同じ半径R2を有する上下各角部にそれぞれ接続してなる円弧1c,1cと、により形成されるウェーハ1を加工する時には、2つの円盤形溝なし砥石3,3のそれぞれの高さを異ならせて、周端1bが略垂直な面として加工されるような位置に配置し、それぞれ円盤形溝なし砥石3,3の位置を保持したままウェーハ1を回転させて周端を加工する(図4参照)。
(b) OF端面加工(オリエンテーションフラットを加工する場合、図2を参照)
オリエンテーションフラット1fを加工する2個の溝なし砥石3,3を、オリエンテーションフラット1fの同一箇所に近接し、対抗する面を相対峙させて配置するとともに、両溝なし砥石3,3の回転方向をウェーハ1との接触点で互いに反対方向へ回転させ、両溝なし砥石3,3の加工面によりオリエンテーションフラット1fの同一箇所に近接した位置を同時に加工して成形する。
この時、オリエンテーションフラット1fの端面を研削して寸法を縮小する方向に加工するOF端面加工では、2つの溝なし砥石3,3をそれぞれ一定の高さに保持したままでオリエンテーションフラット1fの端面に接触させて、回転する2つの溝なし砥石3,3によりウェーハ1を平行移動して平面に加工するか(図3参照)、2つの溝なし砥石3,3をそれぞれ各別の高さに保持したままでオリエンテーションフラット1fの端面に接触させて、回転する2つの溝なし砥石3,3によりウェーハ1を平行移動して平面に加工して(図4参照)、周端(あるいは周端面)1bを略垂直に形成する。
(c) 上下非対称な周端部のコンタリング加工
上下非対称な形状の周端部(図51(B)参照)に加工する場合には、2つの溝なし砥石3,3を同じ方向へ同時に動作させる方が効率良く加工できる場合がある。このような場合には、各溝なし砥石3,3を別に移動させることは避け、あたかも2つの溝なし砥石3,3が一体に形成されているかのようにおなじ動作を行なわせる。
この場合において、ノッチ1nを有するウェーハ1の円周部またはオリエンテーションフラット1fを有するウェーハ1の円周部の周端(または周端面)1bを加工する時には、ウェーハ1を加工する2個の溝なし砥石3,3を周端(または周端面)1bの同一箇所に近接し、各溝なし砥石3,3の互いに対向する側面を相対峙させて配置するとともに、各溝なし砥石3,3の回転方向をウェーハ1との接触点で互いに反対方向へ回転させ、両溝なし砥石3,3の加工面により周端(または周端面)1bの同一箇所に近接した位置を同時に加工して成形する。
(2) 2つの砥石の移動方向が各別の場合
(a) 上下対称な周端部のコンタリング加工
エッジ1aの断面を所望の形状に形成するコンタリング加工では、エッジ1aの各面に2個の溝なし砥石3,3のそれぞれを各別に移動させ、エッジ1aの径方向の同一箇所を各溝なし砥石3,3により上下から挟み込んで、それぞれの面を同時に加工する(図5及び図6参照)。
コンタリング加工の場合で、エッジ1aの断面形状が上下対称形の場合には、2つの円盤形溝なし砥石3,3を各別に動作させ、一方がウェーハの上側を加工する時には他方はウェーハの下側を加工し、ウェーハ1のバタツキあるいは上下動を抑えながらエッジ1aの断面形状を加工する(図5,6参照)。
また、オリエンテーションフラット1fを有するウェーハ1のエッジ1aの断面を所望の形状で上下対称形に形成するコンタリング加工の場合では、オリエンテーションフラット1fの両端部を含めて、径方向の同一箇所を2つの溝なし砥石3,3により上下からエッジ1aの径方向の同一箇所を挟み込み、それぞれの面を同時に加工する(図5及び図6参照)。
(b) 上下非対称な周端部のコンタリング加工
エッジ1aの断面形状が上下非対称形の場合で、2つの溝なし砥石3,3を各別に移動させる場合には、通常、この上下非対称形の場合は、2つの溝なし砥石3,3を同時に同一方向へ移動して加工する方が効率的であるが、何らかの理由により両溝なし砥石3,3を同時に同一方向へ移動させることができない時には、(a)の上下対称な周端部のコンタリング加工と同様に、エッジ1aの径方向の同一箇所を各溝なし砥石3,3により上下から挟み込んで、上下各面を同時に加工する。
〔作用効果〕
このように構成した面取り加工方法の第1実施形態では、2つの円盤形溝なし砥石3,3を用いて、ウェーハ1のエッジ1aを加工するとき、ウェーハ1と円盤形溝なし砥石3,3との相対的な動きにより、ノッチ1nの有無にかかわらずウェーハ1のエッジ1aに所定の断面形状を形成する面取り加工ができる。
加工時には、各溝なし砥石3,3がウェーハ1のエッジ1aを上下の断面形状について同時に加工することができ、この上下同時加工の場合には、ウェーハ1のバタツキを抑え、また図7に示すように、研削、研磨の時に斜め方向に刻設される条痕1dが一方の砥石により刻設された後に他方の砥石により逆向きの斜め条痕1eが刻設できるように加工できて、加工箇所が条痕の交差した面となり、加工面の表面粗さを小さくし精細なものにして、厚さの薄いウェーハ1やウェーハ1のエッジ1aにおける断面斜面角度の小さい形状であっても、精度良く加工して形成することができ、断面形状の加工精度を高くすることができる。
また、各溝なし砥石3,3の回転方向を、ウェーハ1との接触点において同時に当接する2個の溝なし砥石の回転方向を互いに逆にすることで、ウェーハ1のバタツキを抑えることができ、さらに加工の条痕1d,1eが互いに交差して加工面の表面粗さを小さくし精細なものにすることができ、断面形状の加工精度を高くすることができる。
また、ウェーハ1との接触点において同時に当接する2個の溝なし砥石3,3の回転方向を互いに逆にすることに加えて、ウェーハ1の加工につき1枚毎にウェーハ1の回転方向を逆方向に換えて加工することにより、各溝なし砥石3,3の摩耗が均一化され、砥石寿命が長くなり、摩耗が均一化されることにより高い加工精度を維持することができる。
また、オリエンテーションフラットや上下非対称形状の面取り加工のように、各溝なし砥石3,3を同時に同一方向へ相対的に移動して加工する場合には、フラット部だけの加工や、ウェーハ1のエッジ1aの上面側と下面側とが各別に加工されるとしても、2つの溝なし砥石3,3の回転方向を互いに逆にすることで、ウェーハ1のバタツキを抑えることができ、ウェーハ1の回転方向を2つの溝なし砥石3,3に対して1回の加工毎に逆回転することで、各溝なし砥石3,3の摩耗状態が均一となり、砥石寿命を長くするとともに、摩耗状態の偏りがない砥石形状により加工することで断面形状の加工精度を高くすることができる。
〔第2実施態様〕
面取り加工方法の第2実施態様としてはカップ形溝なし砥石を用いる場合を説明する。
〔構成〕
第2実施形態は、図8〜14により示す2つのカップ形溝なし砥石4,4を用いて仕上げ用の研削、研磨を行なう方法であり、カップ形溝なし砥石4,4のウェーハ1側を向いた端面4a,4aをウェーハ1との接触面とし、1つのウェーハ1には同時に2つのカップ形溝なし砥石4,4の各端面4a,4aが当接して面取り加工するものである。
回転テーブル2a(図31,33参照)にウェーハ1を同心的に載置し、回転テーブル2aとともに回転するウェーハ1を2つのカップ形溝なし砥石4,4の各端面4a,4aにより同時に面取り加工する。
2つのカップ形溝なし砥石4,4は、ウェーハ1の周端1bの同一箇所にそれぞれ近接し、互いの対向する周面を近接させるように配置し、回転する両カップ形溝なし砥石4,4の各端面4a,4aを加工面としてウェーハ1に同時に当接し、エッジ(ウェーハ1の周端部)1aの同一箇所に近接した位置を同時に加工して成形する(図8、図9参照)。
1. 加工方向
ウェーハ面取り加工方法において、2つのカップ形溝なし砥石4,4が、ウェーハ1との接触点における加工方向が互いに反対方向となるように、各カップ形溝なし砥石4,4の回転方向を定めて加工する。この場合には、各カップ形溝なし砥石4,4の回転方向は同じ方向に回転させることで、ウェーハ1との接触点における加工方向が互いに反対方向となる。
2. 砥石動作
各砥石は、加工の種類によって、また、加工するウェーハ1の端部の形状によっても、 (1)同時に同じ方向へ移動する場合と、 (2)各別に異なる方向へ移動する場合とに分かれる。
3. 加工用砥石とウェーハとの相対的な大きさ
(1)ウェーハ1の周端加工には、特に互いの大きさの制限はないが、 (2)オリエンテーションフラットを加工する場合には、カップ形溝なし砥石4,4の端面がウェーハ1の平行移動により加工端と反対側の端部が当たることがないように相互の大きさを定めなければならない。
例えば、図10に示すように、各カップ形溝なし砥石4,4の回転軸が平行で、直径300mmのウェーハ1の周端加工をする2つのカップ形溝なし砥石4,4の組合せを、同じ砥石を同じ配置で用いて、図11に示すウェーハ1のオリエンテーションフラットを加工する場合には、各カップ形溝なし砥石4,4の端面がウェーハ1の平行移動により加工端と反対側の端部が当たらないようにするためには、ウェーハ1の直径が200mmでフラット部に最大長さが約57.5mm程度のものにする必要がある。
このような各カップ形溝なし砥石4,4とウェーハ1との関係は、ウェーハ1の中心から各カップ形溝なし砥石4,4の回転軸4b,4bまでの距離は両者共に等距離Xa,Xbに配置し(図12参照)、ウェーハ1の上面から各カップ形溝なし砥石4,4の中心までの距離Za,Zbは、各カップ形溝なし砥石4,4の各半径Ra,Rbに基づきウェーハ1への接触点における加工角度がバタツキを起こしにくい角度になるように位置決めして、その位置に見合う高さになるように設定する(図13参照)。
(1)同時に同じ方向へ2つの砥石を移動する場合
(a) 周端加工
ノッチ1nを有するウェーハ1を加工する場合(図8参照)、ウェーハ1の外径を研削して縮径する方向に加工する周端縮径加工では、2つのカップ形溝なし砥石4,4をそれぞれ一定の高さに保持したままでウェーハ1に接触させて加工する(図8、図13及び図14参照)。
この場合で、エッジ1aの断面形状が上下の斜面1au,1adと、周端1bに単一の半径R1の円弧1cと、により形成されるウェーハ1(図49参照)を加工する時には、2つのカップ形溝なし砥石4,4を同じ高さに保持して加工する(図13又は図14参照)。
また、エッジ1aの断面形状が上下の斜面1au,1adと、垂直面となる周端1bと、これらの間に同じ半径R2を有する上下各角部にそれぞれ接続してなる円弧1c,1cと、により形成されるウェーハ1(図50参照)を加工する時には、2つのカップ形溝なし砥石4,4のそれぞれの高さを、同一高さにするか又は異ならせて、周端(または周端面)1bが略垂直な面として加工されるような位置に配置し、各カップ形溝なし砥石4,4の位置を保持したままウェーハ1を回転させて周端を加工する。
(b) OF端面加工
オリエンテーションフラット1fを加工する2つのカップ形溝なし砥石4,4を、オリエンテーションフラット1fの同一箇所に近接し、対向する周面を近接させて配置するとともに、両カップ形溝なし砥石4,4の回転方向を同じ方向へ回転させると、ウェーハ1との接触点で互いに加工方向が逆方向になり、両カップ形溝なし砥石4,4の加工面dによりオリエンテーションフラット1fの同一箇所に近接した位置を同時に加工して成形する(図9参照)。
この時、オリエンテーションフラット1fの端面を研削して寸法を縮小する方向に加工するOF端面加工では、2つのカップ形溝なし砥石4,4をそれぞれ一定の高さに保持したままでオリエンテーションフラット1fの端面に接触させて、回転する2つのカップ形溝なし砥石4,4によりウェーハ1を(図中X−X方向へ)平行移動して平面に加工するか(図9参照)、2つのカップ形溝なし砥石4,4をそれぞれ各別の高さに保持したままでオリエンテーションフラット1fの端面に接触させて、回転する2つのカップ形溝なし砥石4,4によりウェーハ1を平行移動して平面に加工して(図4参照)、周端(あるいは周端面)1bを略垂直に形成する。
(c) 上下非対称な周端部のコンタリング加工
上下非対称な形状の周端部(図51(B)参照)に加工する場合には、2つのカップ形溝なし砥石4,4を同じ方向へ同時に動作させる方が効率良く加工できる場合がある。このような場合には、各カップ形溝なし砥石4,4を別に移動させることは避け、あたかも2つのカップ形溝なし砥石4,4が一体に形成されているかのようにおなじ動作を行なわせる。
この場合において、ノッチ1nを有するウェーハ1の円周部またはオリエンテーションフラット1fを有するウェーハ1の円周部の周端(または周端面)1bを加工する時には、ウェーハ1を加工する2個の溝なし砥石3,3を周端(または周端面)1bの同一箇所に近接し、各カップ形溝なし砥石4,4の互いに対向する周面を近接させて配置するとともに、各カップ形溝なし砥石4,4の回転方向を軸周りで同じ方向に回転させて、ウェーハ1との接触点で互いに反対方向へ加工させ、両カップ形溝なし砥石4,4の加工面により周端(または周端面)1bの同一箇所に近接した位置を同時に加工して成形する。
(2) 2つの砥石の移動方向が各別の場合
(a) 上下対称な周端部のコンタリング加工
エッジ1aの断面を所望の形状に形成するコンタリング加工では、エッジ1aの各面に2つのカップ形溝なし砥石4,4のそれぞれを各別に移動させ、エッジ1aの径方向の同一箇所を各カップ形溝なし砥石4,4により上下から挟み込んで、それぞれの面を同時に加工する。
コンタリング加工の場合で、エッジ1aの断面形状が上下対称形の場合には、2つのカップ形溝なし砥石4,4を各別に動作させ、一方がウェーハの上側を加工する時には他方はウェーハの下側を加工し、ウェーハ1のバタツキあるいは上下動を抑えながらエッジ1aの断面形状を加工する。
また、オリエンテーションフラット1fを有するウェーハ1のエッジ1aの断面を所望の形状で上下対称形に形成するコンタリング加工の場合では、オリエンテーションフラット1fの両端部を含めて、径方向の同一箇所を2つのカップ形溝なし砥石4,4により上下からエッジ1aの径方向の同一箇所を挟み込み、それぞれの面を同時に加工する。
(b) 上下非対称な周端部のコンタリング加工
エッジ1aの断面形状が上下非対称形の場合で、2つのカップ形溝なし砥石4,4を各別に移動させる場合には、通常、この上下非対称形の場合は、2つのカップ形溝なし砥石4,4を同時に同一方向へ移動して加工する方が効率的であるが、何らかの理由により両カップ形溝なし砥石4,4を同時に同一方向へ移動させることができない時には、(a)の上下対称な周端部のコンタリング加工と同様に、エッジ1aの径方向の同一箇所を各カップ形溝なし砥石4,4により上下から挟み込んで、上下各面を同時に加工する。
〔作用効果〕
このように構成した面取り加工方法の第2実施形態では、2つのカップ形溝なし砥石4,4を用いて、ウェーハ1のエッジ1aを加工するとき、ウェーハ1と各カップ形溝なし砥石4,4との相対的な動きにより、ノッチ1nの有無にかかわらずウェーハ1のエッジ1aに所定の断面形状を形成する面取り加工ができる。
加工時には、各カップ形溝なし砥石4,4がウェーハ1のエッジ1aを上下の断面形状について同時に加工することができ、この上下同時加工の場合には、ウェーハ1のバタツキを抑え、また図14に示すように、研削、研磨の時に斜め方向に刻設される条痕1dが一方のカップ形溝なし砥石4により刻設された後に他方のカップ形溝なし砥石4により逆向きの斜め条痕1eが刻設できるように加工できて、加工箇所が条痕の交差した面となり、加工面の表面粗さを小さくし精細なものにして、厚さの薄いウェーハ1やウェーハ1のエッジ1aにおける断面斜面角度の小さい形状であっても、精度良く加工して形成することができ、断面形状の加工精度を高くすることができる。
また、各カップ形溝なし砥石4,4では、ウェーハ1との接触点において同時に当接する2つのカップ形溝なし砥石4,4の加工方向を互いに逆にすることで、ウェーハ1のバタツキを抑えることができ、さらに加工の条痕1d,1eが互いに交差して加工面の表面粗さを小さくし精細なものにすることができ、断面形状の加工精度を高くすることができる。
また、ウェーハ1との接触点において同時に当接する2つのカップ形溝なし砥石4,4の加工方向を互いに逆にすることに加えて、ウェーハ1の加工につき1枚毎にウェーハ1の回転方向を逆方向に換えて加工することにより、各カップ形溝なし砥石4,4の摩耗が均一化され、砥石寿命が長くなり、摩耗が均一化されることにより高い加工精度を維持することができる。
また、オリエンテーションフラットや上下非対称形状の面取り加工のように、各カップ形溝なし砥石4,4を同時に同一方向へ相対的に移動して加工する場合には、フラット部だけの加工や、ウェーハ1のエッジ1aの上面側と下面側とが各別に加工されるとしても、2つのカップ形溝なし砥石4,4の加工方向を互いに逆にすることで、ウェーハ1のバタツキを抑えることができ、ウェーハ1の回転方向を2つのカップ形溝なし砥石4,4に対して1回の加工毎に逆回転することで、各カップ形溝なし砥石4,4の摩耗状態が均一となり、砥石寿命を長くするとともに、摩耗状態の偏りがない砥石形状により加工することで断面形状の加工精度を高くすることができる。
〔面取り加工装置〕
面取り加工装置について、溝なし砥石に図1〜7により示す円盤形溝なし砥石又は図8〜14により示すカップ形溝なし砥石を使用するいくつかの面取り加工装置を図15乃至図45に基づき具体的に説明する。
〔第1実施態様〕
面取り加工装置の第1実施態様としては、図15乃至図20に示す円盤形溝なし砥石を用いた第1番目の面取り加工装置10を説明する。
〔構成〕
2つの円盤形溝なし砥石3,3を用いた面取り加工装置10は、ウェーハ1のエッジ(周端部)1aを面取り加工するための装置であって、2つの円盤形溝なし砥石3,3を互いに対向する側面を近接して配置すると共に周面を加工面として使用して、ウェーハ1との接触点の中間位置にウェーハ1の中心を通る直線と両円盤形溝なし砥石3,3の配置上の中心とが一致するように形成する。
これにより、常に、2つの円盤形溝なし砥石3,3をウェーハ1に対して中心線から左右等距離な位置に配置できて研削、研磨を左右均等に加工することができるようにする。
各円盤形溝なし砥石3,3は、ウェーハ中心軸に垂直で放射方向に延設される直線にさらに垂直な直線、又はウェーハ回転面と平行な直線であってウェーハ中心軸と交わらない直線であってウェーハ1を載置する回転テーブル2aの軸を通り奥行(Y−Y)方向に拡がる面に垂直な直線に平行な回転軸を有する(精密研削用スピンドルモータによりベルト駆動される)砥石駆動装置11a,11aを備えた砥石支持装置11,11により支持され、この砥石支持装置11,11が各別に上下(Z−Z)方向へ昇降自在に(精密研削用Z軸モータ付き)砥石昇降装置12,12により支持される。
さらに、各砥石昇降装置12,12は基台13に砥石昇降装置12,12の固定側部材を基準がぶれないように確実に固定するとともに移動側部材を昇降自在に支持し、この砥石昇降装置12,12を設けた基台13ごと全体を上下(Z−Z)方向へ昇降させる(加工側昇降用Z軸モータ付き)加工側昇降装置14により昇降自在に支持する。
ワーク支持装置15側では、ウェーハ1を載置する回転テーブル2aとその回転テーブル2aを回転させる(θ軸モータ付き)ワーク載置テーブル回転装置(図19参照)2bを内蔵したワーク取付台2とを設置する台座16と、その台座16を支持する架台17と、この架台17を奥行(Y−Y)方向へ直線移動するために延設されたレール17a,17aに載置されて奥行方向へ直線移動させる奥行方向移動体17b,17bおよびその駆動装置としての(Y軸モータ付き)奥行方向移動装置17cと、このレール17a,17a、奥行方向移動体17b,17bおよび奥行方向移動装置17cごと載置して左右(X−X)方向へ直線移動するために延設されたレール17d,17dに載置されて左右方向へ直線移動させる左右方向移動体17e,17eおよびその駆動装置としての(X軸モータ付き)左右方向移動装置17fとを具備して、ウェーハ1を回転させ、2つの円盤形溝なし砥石3,3が設けられている位置まで移動して面取り加工できるようにする。
この加工装置10で仕上げ加工の前に荒削り加工を行なえるようにするには、荒削り用の総形砥石6および棒状(あるいはドリル形)砥石7を備えた(粗研削用Z軸モータ付き)砥石上下方向移動装置8を、円盤形溝なし砥石3,3が設けられている位置の前面側に配置して、荒削り後にはウェーハ1の仕上げ加工に支障のない高所へ移動可能に設けて、ウェーハ1のエッジ1aを荒削りしても、荒削り加工後に上方へ移動して、仕上げ加工に支障のない位置に移動させ、荒削り直後に仕上げ加工ができるようにする。
これらの各砥石3,3、各砥石駆動装置11a,11a、各昇降装置12,12,14、各移動装置17c,17f等の加工時における動作を制御するための制御装置は、図18の制御系統図に示すように、コントロールボックス19に設けられている操作パネル19aより初期値設定等の入力をして、その設定に基づき面取り加工の動作の制御が行なわれるようにマイクロコンピュータやパソコン等の制御機器を利用した制御部19bから制御信号出力部19cを介して加工装置本体側に設けられた各制御部をそれぞれ内蔵した砥石昇降装置12,12、加工側昇降装置14、回転テーブル2aを回転させるワーク載置テーブル回転装置2bを内蔵したワーク取付台2、および奥行方向移動装置17cや左右方向移動装置17fを設けた架台17等に対して、動作指示となる制御信号を送出する。
コントロールボックス19は、図19,20に示すように、液晶モニター、キーボード、PBS(プッシュボタンスイッチ)等を備えて、入力部から各制御装置の動作に必要な初期条件の設定をおこない、必要な制御手順に従って行なう加工動作の指示を出すとともに、その設定条件、加工条件、初期状態や動作状況等の面取り加工に必要な条件や各装置の状態をモニターできるようにする操作パネル19aと、指定された設定条件に従って各円盤形溝なし砥石3,3を回転させる砥石駆動装置11a,11aおよび砥石昇降装置12,12、加工側昇降装置14、ワーク載置テーブル回転装置2bを内蔵したワーク取付台2、および奥行方向移動装置17cや左右方向移動装置17fを設けた架台17等の動作条件を設定して送出すべき制御信号を定める制御部19bと、この制御部19bから出力された信号を受けて指示された動作を行なわせるために必要な制御信号を送出する制御信号出力部19cとを備える。
各制御装置には、図20に示すように、ロボットZ軸モータ、吸着アームR軸モータまたはローダ用アクチュエータを起動してウェーハ1を待機場所から回転テーブル2aまで移送し、アライメント(θ軸、Y軸)モータを作動して偏心度を明らかにしてその偏心度を修正することにより軸心を合わせ、ウェーハ1を回転テーブル2aごと加工位置に移動して位置合せし、ノッチ1nやオリエンテーションフラット1fの位置から加工初期の位置を定め、必要に応じて外周端の仕上げ加工用に高速回転するとともに、加工後に表面を洗浄してから、仕上げたウェーハ1を加工済みウェーハ1の集積位置へ移し換えるウェーハセット用制御装置9aと、ウェーハ回転方向、左右方向(X軸方向)、奥行方向(Y軸方向)、仕上げ用上下方向(Z軸方向)等の動作方向を個々に制御する制御装置をまとめたウェーハ加工用制御装置9bと、ウェーハ1の精密加工の前に行なう粗加工用に追加された(粗研削用Z軸モータ付き)砥石上下方向移動装置8に配設された各制御対象の装置(総形砥石粗研削用モータ6a、棒状砥石粗研削用モータ7a等)をまとめたウェーハ粗加工用制御装置9cと、ウェーハ1の周上の基準位置を決めるノッチ1nを精密加工するための各駆動装置の制御装置をまとめたノッチ精密加工用制御装置9dとを備える。
これらの各制御装置9a〜9dを制御信号出力部19cから出力された制御信号に基づき制御して、必要な駆動装置11〜17を起動し、それぞれが他の駆動装置と調和して動作するように制御される。
〔作用効果〕
面取り加工装置10を使用してウェーハ1の面取り加工するときには、まず、制御部19bから制御信号出力部19cを介してウェーハセット用制御装置9aの中のロボットZ軸モータ、ローダ用アクチュエータ、又は吸着アームを駆動して、個々に積まれたウェーハ1又はカセットに収納されたウェーハ1,…,1から1枚のウェーハ1を取り出して回転テーブル2a上に移し、粗加工終了している場合には、さらに制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により奥行方向移動装置(Y軸モータ)17cを駆動して、ウェーハ1を載せた回転テーブル2aを図16,17に示すウェーハ準備位置から図15および図18に示すウェーハ1の精密加工位置まで移動し、移動後に周端の縮径加工を行なう。また、粗加工が必要な場合には、粗加工用の総形砥石6または棒状砥石7が配置された位置の真下に移動して粗加工した後、精密加工位置に移して精密加工に入る。
周端縮径加工時には、制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、2つの砥石昇降装置(Z軸モータ)12,12を駆動して、周端の形状により図3又は図4に示すようにウェーハ1に対する各円盤形溝なし砥石3,3の位置を定めて配置し、ウェーハ加工用制御装置9bのワーク載置テーブル回転装置(θ軸モータ)2bおよび各円盤形溝なし砥石3の砥石駆動装置(精密研削用スピンドルモータ)11a,11aを共に起動し、そして各円盤形溝なし砥石3,3の回転を周端縮径加工時の回転数に調節し、ウェーハ1の回転と円盤形溝なし砥石3,3の回転とを適切に制御して、精度良く研削し、必要な径に近づいてから精密な研磨作業(スパークアウト)に切り換えてウェーハ1のエッジ1aにおけるウェーハ径を目的とする寸法に合うように加工する。
続いて、コンタリング加工を行なう。コンタリング加工のときには、図5,6に示すように、ウェーハ1の上下各面を各円盤形溝なし砥石3,3によりそれぞれ挟むとともに、上下に位置した各円盤形溝なし砥石3,3を各独立に相対位置を調節しながら加工する。相対的な位置の調節には、制御信号出力部19cから出力されるZ軸制御信号により精密研削用上側砥石の砥石昇降装置(精密研削用上側砥石Z軸モータ)12の動作を調節し、同時に、制御信号出力部19cから出力されるZ軸制御信号により精密研削用下側砥石の砥石昇降装置(精密研削用下側砥石Z軸モータ)12の動作を調節して、ウェーハ1の変形、振動、バタツキ等による位置ずれを各円盤形溝なし砥石3,3により抑えるとともに各円盤形溝なし砥石3,3のZ軸方向の位置調節により、上下両面を各別に位置補正しつつコンタリング加工を進め、さらに同時に、制御信号出力部19cから出力されるZ軸制御信号により加工側昇降装置(加工側昇降用Z軸モータ)14による昇降動作を調節して、上下両円盤形溝なし砥石3,3のウェーハ1に対する上下方向の相対的な位置を一定に保ち、また、加工時における各円盤形溝なし砥石3,3の回転をコンタリング加工時の回転数に調節して、ウェーハ1の回転と円盤形溝なし砥石3,3の回転とを適切に制御して、エッジ形状を精度良く研削し、必要な形状に近づいてから精密な研磨作業(スパークアウト)に切り換え、ウェーハ1のエッジ1aの形状を目標とする形状に合せるように研磨し、加工形状の精度を向上する。
このようにウェーハ1のエッジ1aを高速で精密に加工することが可能になったことにより、加工時間を短縮でき、作業効率を向上するとともに各円盤形溝なし砥石3,3の摩耗を少なくすることができて、砥石寿命を長くすることができる。
また、各円盤形溝なし砥石3,3のウェーハ1への接触点における加工方向が互いに反対方向になるように各円盤形溝なし砥石3,3の回転方向を定めると、エッジ1aの周辺部に生じやすいバタツキを抑え、研削、研磨時に斜め方向へ刻設される条痕が一方の砥石により刻設された後に、重複して、他方の砥石による逆向きの斜め条痕が刻設されて、加工箇所が条痕の交差した面となり、加工面の表面粗さをより精細なものにして、表面粗さを向上することができ、厚さの薄いウェーハ1やエッジ1aにおける断面斜面角度の小さい形状であっても要求された断面形状を精度良く加工することができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bのワーク載置テーブル回転装置(θ軸モータ)2bの回転方向を、ウェーハ1が1枚加工される毎に逆方向へ切り換えて、新たなウェーハ1の加工を行なうと、各円盤形溝なし砥石3,3の摩耗が均一になり、寿命が長くなり、均一に摩耗した砥石を用いて加工するため高い加工精度を維持することができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bの各精密加工用(上側又は下側)砥石の砥石昇降装置(Z軸モータ)12,12を起動して、各円盤形溝なし砥石3,3の上下位置を調節するとともに、加工側昇降装置(加工側昇降用Z軸モータ)14による昇降動作を調節して、上下両円盤形溝なし砥石3,3のウェーハ1に対する上下方向の相対的な位置を一定に保つことにより、常に、2つの円盤形溝なし砥石3,3と振れあるいは位置ズレを起こしたウェーハ1のエッジ1aとの相対位置が同じになるように制御することができて、面取り加工が正確にでき、高い加工精度でエッジ1aの成形ができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bの左右方向移動装置(X軸モータ)17fを起動して、図3又は図4に示すように各円盤形溝なし砥石3,3をウェーハ1のオリエンテーションフラット1fとなる端縁に当接し、図2に示す状態で、ウェーハ1を左右方向移動装置(X軸モータ)17fにより駆動される左右方向移動体17e,17eの動作方向に従いX軸方向へ直線的に往復動することによりオリエンテーションフラット1fを所定の形状に加工することができ、同一加工装置によりエッジ1aの成形加工及び仕上げ加工とオリエンテーションフラット1fの成形加工及び仕上げ加工との両方ができて、ウェーハ加工の作業効率を向上させるとともに装置の稼働率を高めることができる。
〔第2実施態様〕
面取り加工装置の第2実施態様としては、図21乃至図25に示す円盤形溝なし砥石を用いた第2番目の面取り加工装置20を説明する。
なお、面取り加工装置10と同じものは同じ符号を付して具体的な説明を省略する。
〔構成〕
2つの円盤形溝なし砥石3,3を用いた面取り加工装置20は、ウェーハ1のエッジ(周端部)1aを面取り加工するための装置であって、2つの円盤形溝なし砥石3,3を互いに対向する側面を近接して配置すると共に周面を加工面として使用して、ウェーハ1との接触点の中間位置にウェーハ1の中心を通る直線と両円盤形溝なし砥石3,3の配置上の中心とが一致するように形成して研削、研磨を左右均等に加工できるようにする。
各円盤形溝なし砥石3,3は、砥石駆動装置11a,11aを備えた砥石支持装置11,11により支持され、この砥石支持装置11,11が各別に上下(Z−Z)方向へ昇降自在に(Z軸モータ付き)砥石昇降装置12,12により支持され、さらに、各砥石昇降装置12,12は、固定側部材を基台13に基準がぶれないように確実に固定するとともに移動側部材を上下(Z−Z)方向へ昇降自在に支持する。
ワーク支持装置15側では、ウェーハ1を載置する回転テーブル2aとその回転テーブル2aを回転させる(θ軸モータ付き)ワーク載置テーブル回転装置2bを内蔵したワーク取付台2とを設置する台座16と、その台座16を支持する架台17と、この架台17を奥行(Y−Y)方向へ直線移動するために延設されたレール17a,17aに載置されて奥行方向へ直線移動させる奥行方向移動体17b,17bおよびその駆動装置としての(Y軸モータ付き)奥行方向移動装置17cと、このレール17a,17a、奥行方向移動体17b,17bおよび奥行方向移動装置17cごと載置して左右(X−X)方向へ直線移動するために延設されたレール17d,17dに載置されて左右方向へ直線移動させる左右方向移動体17e,17eおよびその駆動装置としての(X軸モータ付き)左右方向移動装置17fとを具備して、ウェーハ1を回転させ、2つの円盤形溝なし砥石3,3が設けられている位置まで移動して面取り加工できるようにする。
この加工装置20による面取り加工の時に、ウェーハ1に上下方向の変形、振動、バタツキ等による変位を生じたとしても、円盤形溝なし砥石3,3の動きとともに相対的に位置ズレがないように加工するため、各レール17a,17aと各レール17d,17dの中間位置から台座16の下方にウェーハ側昇降装置24の取付け支持部材24aを垂下し、ウェーハ側昇降装置24により台座16ごと上下方向へ直線移動させる移動体24bを設け、加工中に移動体24bの位置を上下することにより、面取り加工に支障の生じない位置に常時移動させ、ウェーハ1と各砥石3,3との相対的な位置を一定にした仕上げ加工ができるようにする。
これらの各砥石3,3、各砥石駆動装置11a,11a、各昇降装置12,12,24、各移動装置17c,17f等の加工時における動作を制御するための制御装置は、図24の制御系統図に示すように、コントロールボックス19に設けられている操作パネル19aより初期値設定等の入力をして、その設定に基づき面取り加工の動作の制御が行なわれるようにマイクロコンピュータやパソコン等の制御機器を利用した制御部19bから制御信号出力部19cを介して加工装置本体側に設けられた各制御部をそれぞれ内蔵した砥石昇降装置12,12、ウェーハ側昇降装置24、回転テーブル2aを回転させるワーク載置テーブル回転装置2bを内蔵したワーク取付台2、および奥行方向移動装置17cや左右方向移動装置17fを設けた架台17等に対して、動作指示となる制御信号を送出する。
コントロールボックス19は、液晶モニター、キーボード、PBS等を備えて、入力部から各制御装置の動作に必要な初期条件の設定をおこない、必要な制御手順に従って行なう加工動作の指示を出すとともに、その設定条件、加工条件、初期状態や動作状況等の面取り加工に必要な条件や各装置の状態をモニターできるようにする操作パネル19aと、指定された設定条件に従って各円盤形溝なし砥石3,3を回転させる砥石駆動装置11a,11aおよび砥石昇降装置12,12、ウェーハ側昇降装置24、ワーク載置テーブル回転装置2bを内蔵したワーク取付台2、奥行方向移動装置17cや左右方向移動装置17fを設けた架台17等の動作条件を設定して送出すべき制御信号を定める制御部19bと、この制御部19bから出力された信号を受けて指示された動作を行なわせるために必要な制御信号を送出する制御信号出力部19cとを備える。
各制御装置には、図25に示すように、ロボットZ軸モータ、吸着アームR軸モータまたはローダ用アクチュエータを起動してウェーハ1を待機場所から回転テーブル2aまで移送し、アライメント(θ軸、Y軸)モータを作動して偏心度を明らかにし、その偏心度を修正することにより軸心を合わせ、ウェーハ1を回転テーブル2aごと加工位置に移動して位置合せし、ノッチ1nやオリエンテーションフラット1fの位置から加工初期の位置を定め、必要に応じて外周端の仕上げ加工用に高速回転するとともに、加工後に表面を洗浄してから、仕上げたウェーハ1を加工済みウェーハ1の集積位置へ移し換えるウェーハセット用制御装置9aと、ウェーハ回転方向、左右方向(X軸方向)、奥行方向(Y軸方向)、仕上げ用上下方向(Z軸方向)等の動作方向を個々に制御する制御装置をまとめたウェーハ加工用制御装置9bと、ウェーハ1の精密加工の前に行なう粗加工用に追加された(粗研削用Z軸モータ付き)砥石上下方向移動装置8に配設された各制御対象の装置(総形砥石粗研削用モータ6a、棒状砥石粗研削用モータ7a等)をまとめたウェーハ粗加工用制御装置9cと、ウェーハ1の周上の基準位置を決めるノッチ1nを精密加工するための各駆動装置の制御装置をまとめたノッチ精密加工用制御装置9dとを備える。
これらの各制御装置9a〜9dを制御信号出力部19cから出力された制御信号に基づき制御して、必要な駆動装置11〜17を起動し、それぞれが他の駆動装置と調和して動作するように制御される。
〔作用効果〕
面取り加工装置20を使用してウェーハ1の面取り加工するときには、まず、制御部19bから制御信号出力部19cを介してウェーハセット用制御装置9aを駆動して、個々に積まれたウェーハ1又はカセットに収納されたウェーハ1,…,1から1枚のウェーハ1を取り出して回転テーブル2a上に移し、さらに制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により奥行方向移動装置(Y軸モータ)17cを駆動して、ウェーハ1を載せた回転テーブル2aを図22,23に示すウェーハ準備位置から図21および図24に示すウェーハ加工位置まで移動し、移動後に周端の縮径加工を行なう。
周端縮径加工時には、制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、2つの砥石昇降装置(Z軸モータ)12,12を駆動して、周端の形状により図3又は図4に示すようにウェーハ1に対する各円盤形溝なし砥石3,3の位置を定めて配置し、ウェーハ加工用制御装置9bのワーク載置テーブル回転装置(θ軸モータ)2bおよび各円盤形溝なし砥石3の砥石駆動装置(精密研削用スピンドルモータ)11a,11aを共に起動し、そして各円盤形溝なし砥石3,3の回転を周端縮径加工時の回転数に調節し、ウェーハ1の回転と円盤形溝なし砥石3,3の回転とを適切に制御して、精度良く研削し、必要な径に近づいてから精密な研磨作業(スパークアウト)に切り換えてウェーハ1のエッジ1aにおけるウェーハ径を目標とする形状に合せるように加工する。
続いて、コンタリング加工を行なう。
コンタリング加工のときには、図5,6に示すように、ウェーハ1の上下各面を各円盤形溝なし砥石3,3によりそれぞれ挟むとともに、上下に位置した各円盤形溝なし砥石3,3を各独立に相対位置を調節しながら加工する。相対的な位置の調節には、制御信号出力部19cから出力される精密加工用上側砥石のZ軸制御信号により精密加工用上側砥石の砥石昇降装置(精密研削用上側砥石Z軸モータ)12の動作を調節し、同時に、制御信号出力部19cから出力される精密加工用下側砥石のZ軸制御信号により精密加工用下側砥石の砥石昇降装置(精密研削用下側砥石Z軸モータ)12の動作を調節して、ウェーハ1の変形、振動、バタツキ等による位置ずれを各円盤形溝なし砥石3,3により抑えるとともに各円盤形溝なし砥石3,3のZ軸方向の位置調節により、上下両面を各別に位置補正しつつコンタリング加工を進め、さらに同時に、制御信号出力部19cから出力されるZ軸制御信号によりウェーハ側昇降装置(ウェーハ側昇降用Z軸モータ)24による昇降動作を調節して、上下両円盤形溝なし砥石3,3とウェーハ1との上下方向の相対的な位置を一定に保ち、また、加工時における各円盤形溝なし砥石3,3の回転をコンタリング加工時の回転数に調節して、ウェーハ1の回転と円盤形溝なし砥石3,3の回転とを適切に制御して、エッジ形状を精度良く研削し、必要な形状に近づいてから精密な研磨作業(スパークアウト)に切り換え、ウェーハ1のエッジ1aの形状を目標とする形状に合せるように研磨し、加工形状の精度を向上する。
このようにウェーハ1のエッジ1aを高速で精密に加工することが可能になったことにより、加工時間を短縮でき、作業効率を向上するとともに各円盤形溝なし砥石3,3の摩耗を少なくすることができて、砥石寿命を長くすることができる。
また、各円盤形溝なし砥石3,3のウェーハ1への接触点における加工方向が互いに反対方向になるように各円盤形溝なし砥石3,3の回転方向を定めると、エッジ1aの周辺部に生じやすいバタツキを抑え、研削、研磨時に斜め方向へ刻設される条痕が一方の砥石により刻設された後に、重複して、他方の砥石による逆向きの斜め条痕が刻設されて、加工箇所が条痕の交差した面となり、加工面の表面粗さをより精細なものにして、表面粗さを向上することができ、厚さの薄いウェーハ1やエッジ1aにおける断面斜面角度の小さい形状であっても要求された断面形状を精度良く加工することができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bのワーク載置テーブル回転装置(θ軸モータ)2bの回転方向を、ウェーハ1が1枚加工される毎に逆方向へ切り換えて、新たなウェーハ1の加工を行なうと、各円盤形溝なし砥石3,3の摩耗が均一になり、寿命が長くなり、均一に摩耗した砥石を用いて加工するため高い加工精度を維持することができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bの各精密加工用(上側又は下側)砥石の砥石昇降装置(Z軸モータ)12,12を起動して、各円盤形溝なし砥石3,3の上下位置を調節するとともに、ウェーハ側昇降装置(ウェーハ側昇降用Z軸モータ)24による昇降動作を調節して、上下両円盤形溝なし砥石3,3のウェーハ1に対する上下方向の相対的な位置を一定に保つことにより、常に、2つの円盤形溝なし砥石3,3と振れあるいは位置ズレを起こしたウェーハ1のエッジ1aとの相対位置が同じになるように制御することができて、面取り加工が正確にでき、高い加工精度でエッジ1aの成形ができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bの左右方向移動装置(X軸モータ)17fを起動して、図3又は図4に示すように各円盤形溝なし砥石3,3をウェーハ1のオリエンテーションフラット1fとなる端縁に当接し、図2に示す状態で、ウェーハ1を左右方向移動装置(X軸モータ)17fにより駆動される左右方向移動体17e,17eの動作方向に従いX軸方向へ直線的に往復動することによりオリエンテーションフラット1fを所定の形状に加工することができ、同一加工装置によりエッジ1aの成形加工及び仕上げ加工とオリエンテーションフラット1fの成形加工及び仕上げ加工との両方ができて、ウェーハ加工の作業効率を向上させるとともに装置の稼働率を高めることができる。
〔第3実施態様〕
面取り加工装置の第3実施態様としては、図26乃至図30に示す円盤形溝なし砥石を用いた第3番目の面取り加工装置30を説明する。
なお、面取り加工装置20と同じものは同じ符号を付して具体的な説明を省略する。
〔構成〕
2つの円盤形溝なし砥石3,3を用いた面取り加工装置30は、ウェーハ1のエッジ(周端部)1aを面取り加工するための装置であって、2つの円盤形溝なし砥石3,3を互いに対向する側面を近接して配置すると共に周面を加工面として使用して、ウェーハ1との接触点の中間位置にウェーハ1の中心を通る直線と両円盤形溝なし砥石3,3の配置上の中心とが一致するように形成して研削、研磨を左右均等に加工できるようにする。
各円盤形溝なし砥石3,3は、砥石駆動装置11a,11aを備えた砥石支持装置11,11により支持され、この砥石支持装置11,11が各別に上下(Z−Z)方向へ昇降自在に(Z軸モータ付き)砥石昇降装置12,12により支持され、さらに、各砥石昇降装置12,12は、固定側部材を基台13に基準がぶれないように確実に固定するとともに移動側部材を上下(Z−Z)方向へ昇降自在に支持する。
ワーク支持装置15側では、ウェーハ1を載置する回転テーブル2aとその回転テーブル2aを回転させる(θ軸モータ付き)ワーク載置テーブル回転装置2bを内蔵したワーク取付台2とを設置する台座16と、その台座16を支持する架台17と、この架台17を奥行(Y−Y)方向へ直線移動するために延設されたレール17a,17aに載置されて奥行方向へ直線移動させる奥行方向移動体17b,17bおよびその駆動装置としての(Y軸モータ付き)奥行方向移動装置17cと、このレール17a,17a、奥行方向移動体17b,17bおよび奥行方向移動装置17cごと載置して左右(X−X)方向へ直線移動するために延設されたレール17d,17dに載置されて左右方向へ直線移動させる左右方向移動体17e,17eおよびその駆動装置としての(X軸モータ付き)左右方向移動装置17fとを具備して、ウェーハ1を回転させ、2つの円盤形溝なし砥石3,3が設けられている位置まで移動して面取り加工できるようにする。
この加工装置30による面取り加工の時に、ウェーハ1に上下方向の変形、振動、バタツキ等による変位を生じたとしても、円盤形溝なし砥石3,3の動きとともに相対的に位置ズレが生じないように加工するため、各レール17a,17aと各レール17d,17dの中間位置から台座16の下端面とウェーハ側昇降装置支持部材33をとの間で複数個の(ウェーハ側昇降用Z軸)圧電アクチュエータ34a,…,34aからなりウェーハ側昇降装置支持部材33を基準にして台座16ごと上下方向へ移動させるウェーハ側昇降装置34を介装する。
このウェーハ側昇降装置34により、加工中に台座16ごとウェーハ1を上下方向へ移動させることにより、面取り加工に支障の生じない位置に常時移動させ、ウェーハ1と各砥石3,3との相対的な位置を一定にできるようにする。
これら各砥石3,3、各砥石駆動装置11a,11a、各昇降装置12,12,34、各移動装置17c,17f等の加工時における動作を制御するための制御装置は、図29の制御系統図に示すように、コントロールボックス19に設けられている操作パネル19aより初期値設定等の入力をして、その設定に基づき面取り加工の動作の制御が行なわれるようにマイクロコンピュータやパソコン等の制御機器を利用した制御部19bから制御信号出力部19cを介して加工装置本体側に設けられた各制御部をそれぞれ内蔵した砥石昇降装置12,12、ウェーハ側昇降装置34、回転テーブル2aを回転させるワーク載置テーブル回転装置2bを内蔵したワーク取付台2、および奥行方向移動装置17cや左右方向移動装置17fを設けた架台17等に対して、動作指示となる制御信号を送出する。
コントロールボックス19は、液晶モニター、キーボード、PBS等を備えて、入力部から各制御装置の動作に必要な初期条件の設定をおこない、必要な制御手順に従って行なう加工動作の指示を出すとともに、その設定条件、加工条件、初期状態や動作状況等の面取り加工に必要な条件や各装置の状態をモニターできるようにする操作パネル19aと、指定された設定条件に従って各円盤形溝なし砥石3,3を回転させる砥石駆動装置11a,11aおよび砥石昇降装置12,12、ウェーハ側昇降装置34、ワーク載置テーブル回転装置2bを内蔵したワーク取付台2、奥行方向移動装置17cや左右方向移動装置17fを設けた架台17等の動作条件を設定して送出すべき制御信号を定める制御部19bと、この制御部19bから出力された信号を受けて指示された動作を行なわせるために必要な制御信号を送出する制御信号出力部19cとを備える。
各制御装置には、図30に示すように、ロボットZ軸モータ、吸着アームR軸モータまたはローダ用アクチュエータを起動してウェーハ1を待機場所から回転テーブル2aまで移送し、アライメント(θ軸、Y軸)モータを作動して偏心度を明らかにし、その偏心度を修正することにより軸心を合わせ、ウェーハ1を回転テーブル2aごと加工位置に移動して位置合せし、ノッチ1nやオリエンテーションフラット1fの位置から加工初期の位置を定め、必要に応じて外周端の仕上げ加工用に高速回転するとともに、加工後に表面を洗浄してから、仕上げたウェーハ1を加工済みウェーハ1の集積位置へ移し換えるウェーハセット用制御装置9aと、ウェーハ回転方向、左右方向(X軸方向)、奥行方向(Y軸方向)、仕上げ用上下方向(Z軸方向)等の動作方向を個々に制御する制御装置をまとめたウェーハ加工用制御装置9bと、ウェーハ1の精密加工の前に行なう粗加工用に追加された(粗研削用Z軸モータ付き)砥石上下方向移動装置8に配設された制御対象の装置(総形砥石粗研削用モータ6a、棒状砥石粗研削用モータ7a等)をまとめたウェーハ粗加工用制御装置9cと、ウェーハ1の周上の基準位置を決めるノッチ1nを精密加工するための各駆動装置の制御装置をまとめたノッチ精密加工用制御装置9dとを備える。
これらの各制御装置9a〜9dを制御信号出力部19cから出力された制御信号に基づき制御して、必要な駆動装置11〜17を起動し、それぞれが他の駆動装置と調和して動作するように制御される。
〔作用効果〕
面取り加工装置30を使用してウェーハ1の面取り加工するときには、まず、制御部19bから制御信号出力部19cを介してウェーハセット用制御装置9aを駆動して、個々に積まれたウェーハ1又はカセットに収納されたウェーハ1,…,1から1枚のウェーハ1を取り出して回転テーブル2a上に移し、さらに制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により奥行方向移動装置(Y軸モータ)17cを駆動して、ウェーハ1を載せた回転テーブル2aを図27,28に示すウェーハ準備位置から図26および図29に示すウェーハ加工位置まで移動し、移動後に周端の縮径加工を行なう。
周端縮径加工時には、制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、2つの砥石昇降装置(Z軸モータ)12,12を駆動して、周端の形状により図3又は図4に示すようにウェーハ1に対する各円盤形溝なし砥石3,3の位置を定めて配置し、ウェーハ加工用制御装置9bのワーク載置テーブル回転装置(θ軸モータ)2bおよび各円盤形溝なし砥石3の砥石駆動装置(精密研削用スピンドルモータ)11a,11aを共に起動し、そして各円盤形溝なし砥石3,3の回転を周端縮径加工時の回転数に調節し、ウェーハ1の回転と円盤形溝なし砥石3,3の回転とを適切に制御して、精度良く研削し、必要な径に近づいてから精密な研磨作業(スパークアウト)に切り換えてウェーハ1のエッジ1aにおけるウェーハ径を目標とする形状に合せるように加工する。
続いて、コンタリング加工を行なう。
コンタリング加工のときには、図5,6に示すように、ウェーハ1の上下各面を各円盤形溝なし砥石3,3によりそれぞれ挟むとともに、上下に位置した各円盤形溝なし砥石3,3を各独立に相対位置を調節しながら加工する。相対的な位置の調節には、制御信号出力部19cから出力される精密加工用上側砥石のZ軸制御信号により精密加工用上側砥石の砥石昇降装置(精密研削用上側砥石Z軸モータ)12の動作を調節し、同時に、制御信号出力部19cから出力される精密加工用下側砥石のZ軸制御信号により精密加工用下側砥石の砥石昇降装置(精密研削用下側砥石Z軸モータ)12の動作を調節して、ウェーハ1の変形、振動、バタツキ等による位置ずれを各円盤形溝なし砥石3,3により抑えるとともに各円盤形溝なし砥石3,3のZ軸方向の位置調節により、上下両面を各別に位置補正しつつコンタリング加工を進め、さらに同時に、制御信号出力部19cから出力されるウェーハ側昇降用Z軸の制御信号によりウェーハ側昇降装置(ウェーハ側昇降用Z軸アクチュエータ)34による昇降動作を調節して、上下両円盤形溝なし砥石3,3とウェーハ1との上下方向の相対的な位置を一定に保ち、また、加工時における各円盤形溝なし砥石3,3の回転をコンタリング加工時の回転数に調節して、ウェーハ1の回転と円盤形溝なし砥石3,3の回転とを適切に制御して、エッジ形状を精度良く研削し、必要な形状に近づいてから精密な研磨作業(スパークアウト)に切り換え、ウェーハ1のエッジ1aの形状を目的とする形状の寸法に合せるように研磨し、加工形状の精度を向上する。
このようにウェーハ1のエッジ1aを高速で精密に加工することが可能になったことにより、加工時間を短縮でき、作業効率を向上するとともに各円盤形溝なし砥石3,3の摩耗を少なくすることができて、砥石寿命を長くすることができる。
また、各円盤形溝なし砥石3,3のウェーハ1への接触点における加工方向が互いに反対方向になるように各円盤形溝なし砥石3,3の回転方向を定めると、エッジ1aの周辺部に生じやすいバタツキを抑え、研削、研磨時に斜め方向へ刻設される条痕が一方の砥石により刻設された後に、重複して、他方の砥石による逆向きの斜め条痕が刻設されて、加工箇所が条痕の交差した面となり、加工面の表面粗さをより精細なものにして、表面粗さを向上することができ、厚さの薄いウェーハ1やエッジ1aにおける断面斜面角度の小さい形状であっても要求された断面形状を精度良く加工することができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bのワーク載置テーブル回転装置(θ軸モータ)2bの回転方向を、ウェーハ1が1枚加工される毎に逆方向へ切り換えて、新たなウェーハ1の加工を行なうと、各円盤形溝なし砥石3,3の摩耗が均一になり、寿命が長くなり、均一に摩耗した砥石を用いて加工するため高い加工精度を維持することができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bの各精密加工用(上側又は下側)砥石の砥石昇降装置(Z軸モータ)12,12を起動して、各円盤形溝なし砥石3,3の上下位置を調節するとともに、ウェーハ側昇降装置(ウェーハ側昇降用Z軸アクチュエータ)34による昇降動作を調節して、上下両円盤形溝なし砥石3,3のウェーハ1に対する上下方向の相対的な位置を一定に保つことにより、常に、2つの円盤形溝なし砥石3,3と振れあるいは位置ズレを起こしたウェーハ1のエッジ1aとの相対位置が同じになるように、すばやく制御することができて、面取り加工が正確にでき、高い加工精度でエッジ1aの成形ができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bの左右方向移動装置(X軸モータ)17fを起動して、図3又は図4に示すように各円盤形溝なし砥石3,3をウェーハ1のオリエンテーションフラット1fとなる端縁に当接し、図2に示す状態で、ウェーハ1を左右方向移動装置(X軸モータ)17fにより駆動される左右方向移動体17e,17eの動作方向に従いX軸方向へ直線的に往復動することによりオリエンテーションフラット1fを所定の形状に加工することができ、同一加工装置によりエッジ1aの成形加工及び仕上げ加工とオリエンテーションフラット1fの成形加工及び仕上げ加工との両方ができて、ウェーハ加工の作業効率を向上させるとともに装置の稼働率を高めることができる。
〔第4実施態様〕
面取り加工装置の第4実施態様としては、図31乃至図36に示すカップ形溝なし砥石を用いた第1番目の面取り加工装置40を説明する。
なお、面取り加工装置10と同じものは同じ符号を付して具体的な説明を省略する。
〔構成〕
2つのカップ形溝なし砥石4,4を用いた面取り加工装置40は、ウェーハ1のエッジ(周端部)1aを面取り加工するための装置であって、2つのカップ形溝なし砥石4,4を互いに対向する側周面を近接して配置すると共に端面を加工面として使用して、各カップ形溝なし砥石4,4のウェーハ1との接触点の中間位置にウェーハ1の中心を通る直線が両カップ形溝なし砥石4,4のウェーハ1との接触点との間の中心点を通るように形成する。
これにより、常に、2つのカップ形溝なし砥石4,4をウェーハ1に対して中心線から左右等距離な位置に配置できて、研削、研磨を左右均等に加工できるようになる。
各カップ形溝なし砥石4,4は、ウェーハ中心軸に垂直で放射方向に延設される直線にさらに垂直な直線、又はウェーハ回転面と平行な直線であってウェーハ中心軸と交わらない直線であってウェーハ1を載置する回転テーブル2aの軸を通る奥行(Y−Y)方向の面に垂直な直線に平行な回転軸を有する(精密研削用モータ直結型の)砥石駆動装置41,41および(砥石向き変更用モータ付き)カップ形砥石向き変更装置42,42を備えた砥石支持装置43,43により支持され、この砥石支持装置43,43が各別に上下(Z−Z)方向へ昇降自在に(精密研削用Z軸モータ付き)砥石昇降装置12,12により支持される。
さらに、各砥石昇降装置12,12は固定側部材を基台13に基準がぶれないように確実に固定するとともに移動側部材を基台13に対して昇降自在に支持し、各砥石昇降装置12,12を設けた基台13ごと全体を上下(Z−Z)方向へ昇降させる(加工側昇降用Z軸モータ付き)加工側昇降装置14により昇降自在に支持される。
ワーク支持装置15側では、ウェーハ1を載置する回転テーブル2aとその回転テーブル2aを回転させる(θ軸モータ付き)ワーク載置テーブル回転装置2bを内蔵したワーク取付台2とを設置する台座16と、その台座16を支持する架台17と、この架台17を奥行(Y−Y)方向へ直線移動するために延設されたレール17a,17aに載置されて奥行方向へ直線移動させる奥行方向移動体17b,17bおよびその駆動装置としての(Y軸モータ付き)奥行方向移動装置17cと、このレール17a,17a、奥行方向移動体17b,17bおよび奥行方向移動装置17cごと載置して左右(X−X)方向へ直線移動するために延設されたレール17d,17dに載置されて左右方向へ直線移動させる左右方向移動体17e,17eおよびその駆動装置としての(X軸モータ付き)左右方向移動装置17fとを具備して、2つのカップ形溝なし砥石4,4が設けられている位置まで移動し、ウェーハ1を回転させて、ウェーハ1のエッジ1aを面取り加工できるようにする。
この加工装置40で仕上げ加工の前に荒削り加工を行なえるようにするには、荒削り用の総形砥石6および棒状(あるいはドリル形)砥石7を備えた粗加工用の(粗研削用Z軸モータ付き)砥石上下方向移動装置8を、カップ形溝なし砥石4,4が設けられている位置の前面側に配置し、荒削り後にはウェーハ1の仕上げ加工に支障のない高所へ移動可能に設けて、ウェーハ1のエッジ1aを荒削りした場合には、荒削り加工後に上方へ移動して、仕上げ加工に支障のない位置に移動させ、荒削り直後に引き続いて仕上げ加工ができるようにする。
これらの各砥石4,4、各駆動装置2b,41、各昇降装置12,12,14、各移動装置17c,17f,42等の加工時における動作を制御するための制御装置は、図34の制御系統図に示すように、コントロールボックス19に設けられている操作パネル19aより初期値設定等の入力をして、その設定に基づき面取り加工の動作の制御が行なわれるようにマイクロコンピュータやパソコン等の制御機器を利用した制御部19bから制御信号出力部19cを介して加工装置本体側に設けられた各制御部をそれぞれ内蔵した砥石昇降装置12,12、加工側昇降装置14、回転テーブル2aを回転させるワーク載置テーブル回転装置2bを内蔵したワーク取付台2、および奥行方向移動装置17cや左右方向移動装置17fを設けた架台17等に対して、動作指示となる制御信号を送出する。
コントロールボックス19は、図35,36のブロック図に示すように、液晶モニター、キーボード、PBS(プッシュボタンスイッチ)等を備えて、入力部から各制御装置の動作に必要な初期条件の設定をおこない、必要な制御手順に従って行なう加工動作の指示を出すとともに、その設定条件、加工条件、初期状態や動作状況等の面取り加工に必要な条件や各装置の状態をモニターできるようにする操作パネル19aと、指定された設定条件に従って各カップ形溝なし砥石4,4を回転させる(精密研削用モータ付き)砥石駆動装置41,41、各カップ形溝なし砥石4,4の端面を常にウェーハ1側に向ける(砥石向き変更用モータ付き)カップ形砥石向き変更装置42,42ならびに各カップ形溝なし砥石4,4をそれぞれ各独立に昇降させる砥石昇降装置12,12、各カップ形溝なし砥石4,4や各砥石昇降装置12,12を全体としてまとめて昇降させる加工側昇降装置14、ワーク載置テーブル回転装置2bを内蔵したワーク取付台2、奥行方向移動装置17cおよび左右方向移動装置17fを設けた架台17等の動作条件を設定して送出すべき制御信号を定める制御部19bと、制御部19bから出力された信号を受けて指示された動作を行なわせるために必要な制御信号を送出する制御信号出力部19cとを備える。
各制御装置には、図36に示すように、ロボットZ軸モータ、吸着アームR軸モータまたはローダ用アクチュエータ等を起動してウェーハ1を待機場所から回転テーブル2aまで移送し、アライメント(θ軸、Y軸)モータを作動して偏心度を求め、その偏心度を修正することにより軸心を合わせ、ウェーハ1を回転テーブル2aごと加工位置に移動して位置合せし、ノッチ1nやオリエンテーションフラット1fの位置から加工初期の位置を定め、必要に応じて外周端の仕上げ加工用に高速回転するとともに、加工後に仕上げたウェーハ1を加工済みウェーハ1の集積位置へ移し変えるウェーハセット用制御装置9aと、ウェーハ回転方向、左右方向(X軸方向)、奥行方向(Y軸方向)、仕上げ用上下方向(Z軸方向)等の動作方向を個々に制御する制御装置をまとめたウェーハ加工用制御装置9bと、ウェーハ1の精密加工の前に行なう粗加工用に追加された(粗研削用Z軸モータ付き)砥石上下方向移動装置8に配設された各制御装置(総形砥石粗研削用モータ6a、棒状砥石粗研削用モータ7a等)をまとめたウェーハ粗加工用制御装置9cと、ウェーハ1の周上の基準位置を決めるノッチ1nを精密加工するための各駆動装置の制御装置をまとめたノッチ精密加工用制御装置9dとを備える。
これらの各制御装置9a〜9dを制御信号出力部19cから出力された制御信号に基づき制御して、必要な駆動装置11〜17を起動し、それぞれが他の駆動装置と調和して動作するように制御される。
〔作用効果〕
面取り加工装置40を使用してウェーハ1の面取り加工するときには、まず、制御部19bから制御信号出力部19cを介してウェーハセット用制御装置9aの中のロボットZ軸モータ又はローダ用アクチュエータまたは吸着アームR軸モータを駆動して、個々に積まれたウェーハ1又はカセットに収納されたウェーハ1,…,1から1枚のウェーハ1を取り出して回転テーブル2a上に移し、粗加工終了している場合には、さらに制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により奥行方向移動装置(Y軸モータ)17cを駆動して、ウェーハ1を載せた回転テーブル2aを図32,33に示すウェーハ準備位置から図31および図34に示すウェーハ1の精密加工位置まで移動し、移動後に周端の縮径加工を行なう。また、粗加工が必要な場合には、粗加工用の総形砥石6または棒状砥石7が配置された位置の真下に移動して粗加工した後、精密加工位置に移して精密加工に入る。
周端縮径加工時には、制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、2つの砥石昇降装置(精密研削用Z軸モータ)12,12を駆動して、周端の形状により図10乃至図13に示すようにウェーハ1に対する各カップ形溝なし砥石4,4の位置を定めて配置し、ウェーハ加工用制御装置9bのワーク載置テーブル回転装置(θ軸モータ)2bおよび各カップ形溝なし砥石4,4の両砥石駆動装置(精密研削用モータ)41,41を共に起動し、そして各カップ形溝なし砥石4,4の回転を周端縮径加工時の回転数に調節し、ウェーハ1の回転とカップ形溝なし砥石4,4の回転とを適切に制御して、精度良く研削し、必要な径に近づいてから精密な研磨作業(スパークアウト)に切り換えてウェーハ1のエッジ1aにおけるウェーハ径を目的とする寸法に合うように加工する。
続いて、コンタリング加工を行なう。コンタリング加工のときには、図34に示すように、ウェーハ1の上下各面を各カップ形溝なし砥石4,4によりそれぞれ挟むとともに、上下に位置した各カップ形溝なし砥石4,4を各独立に相対位置を調節しながら加工する。 相対的な位置の調節には、制御信号出力部19cから出力される精密研削用上側砥石のZ軸制御信号により砥石昇降装置(精密研削用上側砥石Z軸モータ)12の動作を調節するとともに制御信号出力部19cから出力される上側砥石向き変更信号により上側砥石向き変更装置(上側砥石向き変更モータ)42の動作を制御し、同時に制御信号出力部19cから出力される精密研削用下側砥石のZ軸制御信号により砥石昇降装置(精密研削用下側砥石Z軸モータ)12の動作を調節するとともに制御信号出力部19cから出力される下側砥石向き変更信号により下側砥石向き変更装置(下側砥石向き変更モータ)42の動作を制御して、ウェーハ1の変形、振動、バタツキ等による位置ずれを各カップ形溝なし砥石4,4により抑えるとともに各カップ形溝なし砥石4,4のZ軸方向の位置調節およびその位置における向き調節により、上下両面を各別に位置補正しつつコンタリング加工を進め、さらに同時に、制御信号出力部19cから出力される加工側昇降用Z軸の制御信号により加工側昇降装置(加工側昇降用Z軸モータ)14による昇降動作を調節して、上下両カップ形溝なし砥石4,4のウェーハ1に対する上下方向の相対的な位置を一定に保ち、また、加工時における各カップ形溝なし砥石4,4の回転をコンタリング加工時の回転数に調節して、ウェーハ1の回転と各カップ形溝なし砥石4,4の回転とを適切に制御して、エッジ形状を精度良く研削し、必要な形状に近づいてから精密な研磨作業(スパークアウト)に切り換え、ウェーハ1のエッジ1aの形状を目的とする形状の寸法に合せるように研磨し、加工形状の精度を向上する。
このようにウェーハ1のエッジ1aを高速で精密に加工することが可能になったことにより、加工時間を短縮でき、作業効率を向上するとともに各カップ形溝なし砥石4,4の摩耗を少なくすることができて、砥石寿命を長くすることができる。
また、各カップ形溝なし砥石4,4のウェーハ1への接触点における加工方向が互いに反対方向になるように各カップ形溝なし砥石4,4の回転方向を定めると、エッジ1aの周辺部に生じやすいバタツキを抑え、研削、研磨時に斜め方向へ刻設される条痕が一方の砥石により刻設された後に、重複して、他方の砥石による逆向きの斜め条痕が刻設されて、加工箇所が条痕の交差した面となり、加工面の表面粗さをより精細なものにして、表面粗さを向上することができ、厚さの薄いウェーハ1やエッジ1aにおける断面斜面角度の小さい形状であっても要求された断面形状を精度良く加工することができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bの中のワーク載置テーブル回転装置(θ軸モータ)2bの回転方向を、ウェーハ1が1枚加工される毎に逆方向へ切り換えて、新たなウェーハ1の加工を行なうと、各カップ形溝なし砥石4,4の摩耗が均一になり、寿命が長くなり、均一に摩耗した砥石を用いて加工するため高い加工精度を維持することができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bの各精密研削用(上側又は下側)砥石の砥石昇降装置(精密研削用Z軸モータ)12,12を起動して、各カップ形溝なし砥石4,4の上下位置を調節するとともに、加工側昇降装置(加工側昇降用Z軸モータ)14による昇降動作を調節して、上下両カップ形溝なし砥石4,4のウェーハ1に対する上下方向の相対的な位置を一定に保つことにより、常に、2つのカップ形溝なし砥石4,4と振れあるいは位置ズレを起こしたウェーハ1のエッジ1aとの相対位置が同じになるように制御することができて、面取り加工が正確にでき、高い加工精度でエッジ1aの成形ができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bの左右方向移動装置(X軸モータ)17fを起動して、図11に示すように各カップ形溝なし砥石4,4をウェーハ1のオリエンテーションフラット1fとなる端縁に当接し、図9に示す状態で、ウェーハ1を左右方向移動装置(X軸モータ)17fにより移動される左右方向移動体17e,17eの動作方向に従い左右方向(X軸方向)へ直線的に往復動することによりオリエンテーションフラット1fを所定の形状に加工することができ、同一加工装置により周端部の加工とオリエンテーションフラット部の加工の両方ができて、ウェーハ加工の作業効率を向上させるとともに装置の稼働率を高めることができる。
〔第5実施態様〕
面取り加工装置の第5実施態様としては、図37乃至図41に示すカップ形溝なし砥石を用いた第2番目の面取り加工装置50を説明する。
なお、面取り加工装置40と同じものは同じ符号を付して具体的な説明を省略する。
〔構成〕
2つのカップ形溝なし砥石4,4を用いた面取り加工装置50は、ウェーハ1のエッジ(周端部)1aを面取り加工するための装置であって、2つのカップ形溝なし砥石4,4を互いに対向する側面を近接して配置すると共に端面を加工面として使用して、ウェーハ1との接触点の中間位置にウェーハ1の中心を通る直線と両カップ形溝なし砥石4,4の配置上の中心とが一致するように形成して研削、研磨を左右均等に加工できるようにする。
各カップ形溝なし砥石4,4は、精密研削用モータ直結型の砥石駆動装置41,41を接続するとともに各カップ形溝なし砥石4,4をそれぞれ各独立に砥石の向きを変更する砥石向き変更装置42,42を介して砥石支持装置43,43により支持され、この砥石支持装置43,43が各別に上下(Z−Z)方向へ昇降自在に砥石昇降装置12,12により支持され、さらに、各砥石昇降装置12,12は、基台13に砥石昇降装置12,12の固定側部材を基準がぶれないように確実に固定するとともに移動側部材を上下(Z−Z)方向へ昇降自在に支持する。
ワーク支持装置15側では、ウェーハ1を載置する回転テーブル2aとその回転テーブル2aを回転させるワーク載置テーブル回転装置2bを内蔵したワーク取付台2とを設置する台座16と、その台座16を支持する架台17と、この架台17を奥行(Y−Y)方向へ直線移動するために延設されたレール17a,17aに載置されて奥行方向へ直線移動させる奥行方向移動体17b,17bおよびその駆動装置としての奥行方向移動装置17cと、このレール17a,17a、奥行方向移動体17b,17bおよび奥行方向移動装置17cごと載置して左右(X−X)方向へ直線移動するために延設されたレール17d,17dに載置されて左右方向へ直線移動させる左右方向移動体17e,17eおよびその駆動装置としての左右方向移動装置17fとを具備して、ウェーハ1を回転させ、2つの円盤形溝なし砥石3,3が設けられている位置まで移動して面取り加工できるようにする。
この加工装置50による面取り加工の時に、ウェーハ1に上下方向の変形、振動、バタツキ等による変位を生じたとしても、カップ形溝なし砥石4,4の動きとともに相対的に位置ズレがないように加工するため、各レール17a,17aと各レール17d,17dの中間位置から台座16の下方に(ウェーハ側昇降用Z軸モータ付き)ウェーハ側昇降装置54の取付け支持部材54aを垂下し、ウェーハ側昇降装置54により台座16ごと上下方向へ直線移動させる移動体54bを設け、加工中に移動体54bの位置を上下することにより、面取り加工に支障の生じない位置に常時移動させ、ウェーハ1と各カップ形溝なし砥石4,4との相対的な位置を一定にした仕上げ加工ができるようにする。
これらの各カップ形溝なし砥石4,4、各砥石駆動装置11a,11a、各昇降装置12,12,54、各移動装置17c,17f等の加工時における動作を制御するための制御装置は、図40の制御系統図に示すように、コントロールボックス19に設けられている操作パネル19aより初期値設定等の入力をして、その設定に基づき面取り加工の動作の制御が行なわれるようにマイクロコンピュータやパソコン等の制御機器を利用した制御部19bから制御信号出力部19cを介して加工装置本体側に設けられた各制御部をそれぞれ内蔵した砥石昇降装置12,12、ウェーハ側昇降装置54、回転テーブル2aを回転させるワーク載置テーブル回転装置2bを内蔵したワーク取付台2、および奥行方向移動装置17cや左右方向移動装置17fを設けた架台17等に対して、動作指示となる制御信号を送出する。
コントロールボックス19は、液晶モニター、キーボード、PBS等を備えて、入力部から各制御装置の動作に必要な初期条件の設定をおこない、必要な制御手順に従って行なう加工動作の指示を出すとともに、その設定条件、加工条件、初期状態や動作状況等の面取り加工に必要な条件や各装置の状態をモニターできるようにする操作パネル19aと、指定された設定条件に従って各カップ形溝なし砥石4,4を回転させる砥石駆動装置41,41、砥石向き変更装置42,42、砥石支持装置43,43、砥石昇降装置12,12、ウェーハ側昇降装置54、ワーク載置テーブル回転装置2bを内蔵したワーク取付台2、奥行方向移動装置17cおよび左右方向移動装置17fを設けた架台17等の動作条件を設定して送出すべき制御信号を定める制御部19bと、この制御部19bから出力された信号を受けて指示された動作を行なわせるために必要な制御信号を送出する制御信号出力部19cとを備える。
各制御装置には、図41に示すように、ロボットZ軸モータ、吸着アームR軸モータまたはローダ用アクチュエータを起動してウェーハ1を待機場所から回転テーブル2aまで移送し、アライメント(θ軸、Y軸)モータを作動して偏心度を明らかにし、その偏心度を修正することにより軸心を合わせ、ウェーハ1を回転テーブル2aごと加工位置に移動して位置合せし、ノッチ1nやオリエンテーションフラット1fの位置から加工初期の位置を定め、必要に応じて外周端の仕上げ加工用に高速回転するとともに、加工後に表面を洗浄してから、仕上げたウェーハ1を加工済みウェーハ1の集積位置へ移し換えるウェーハセット用制御装置9aと、ウェーハ回転方向、左右方向(X軸方向)、奥行方向(Y軸方向)、仕上げ加工用上下方向(Z軸方向)等の動作方向を個々に制御する制御装置をまとめたウェーハ加工用制御装置9bと、ウェーハ1の精密加工の前に行なう粗加工用に追加された(粗研削用Z軸モータ付き)砥石上下方向移動装置8に設けられた各制御対象の装置(総形砥石粗研削用モータ6a、棒状砥石粗研削用モータ7a等)をまとめたウェーハ粗加工用制御装置9cと、ウェーハ1の周上の基準位置を決めるノッチ1nを精密加工するための各駆動装置の制御装置をまとめたノッチ精密加工用制御装置9dとを備える。
これらの各制御装置9a〜9dを制御信号出力部19cから出力された制御信号に基づき制御して、必要な駆動装置11〜17を起動し、それぞれが他の駆動装置と調和して動作するように制御される。
〔作用効果〕
面取り加工装置50を使用してウェーハ1の面取り加工するときには、まず、制御部19bから制御信号出力部19cを介してウェーハセット用制御装置9aを駆動して、個々に積まれたウェーハ1又はカセットに収納されたウェーハ1,…,1から1枚のウェーハ1を取り出して回転テーブル2a上に移し、さらに制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により奥行方向移動装置(Y軸モータ)17cを駆動して、ウェーハ1を載せた回転テーブル2aを図38,39に示すウェーハ準備位置から図37および図40に示すウェーハ1の精密加工位置まで移動し、移動後に周端の縮径加工を行なう。粗加工が必要な場合には、精密加工に入る前に行なう。
周端縮径加工時には、制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、2つの砥石昇降装置(精密研削用Z軸モータ)12,12を駆動して、周端の形状により図12、図13及び図14に示すようにウェーハ1に対する各カップ形溝なし砥石4,4の位置を定めて配置し、ウェーハ加工用制御装置9bのワーク載置テーブル回転装置(θ軸モータ)2bおよび各カップ形溝なし砥石4,4の両砥石駆動装置(精密研削用モータ)41,41を共に起動し、そして各カップ形溝なし砥石4,4の回転を周端縮径加工時の回転数に調節し、ウェーハ1の回転とカップ形溝なし砥石4,4の回転とを適切に制御して、精度良く研削し、必要な径に近づいてから精密な研磨作業(スパークアウト)に切り換えてウェーハ1のエッジ1aにおけるウェーハ径を目的とする寸法に合うように加工する。
続いて、コンタリング加工を行なう。
コンタリング加工のときには、図40に示すように、ウェーハ1の上下各面を各カップ形溝なし砥石4,4によりそれぞれ挟むとともに、上下に位置した各カップ形溝なし砥石4,4を各独立に相対位置を調節しながら加工する。
相対的な位置の調節には、制御信号出力部19cから出力される精密加工用上側砥石のZ軸制御信号により精密研削用上側砥石昇降装置(精密研削用上側砥石Z軸モータ)12の動作を調節し、同時に、制御信号出力部19cから出力される精密加工用下側砥石のZ軸制御信号により精密研削用下側砥石昇降装置(精密研削用下側砥石Z軸モータ)12の動作を制御して、ウェーハ1の変形、振動、バタツキ等による位置ずれを各カップ形溝なし砥石4,4により抑えるとともに各カップ形溝なし砥石4,4のZ軸方向の位置調節により、上下両面を各別に位置補正しつつコンタリング加工を進め、さらに同時に、制御信号出力部19cから出力されるウェーハ側昇降用Z軸の制御信号によりウェーハ側昇降装置(ウェーハ側昇降用Z軸モータ)54による昇降動作を制御して、上下両カップ形溝なし砥石4,4とウェーハ1との上下方向の相対的な位置を一定に保ち、また、加工時における各カップ形溝なし砥石4,4の回転をコンタリング加工時の回転数に調節して、ウェーハ1の回転とカップ形溝なし砥石4,4の回転とを適切に制御して、エッジ形状を精度良く研削し、必要な形状に近づいてから精密な研磨作業(スパークアウト)に切り換え、ウェーハ1のエッジ1aの形状を目的とする形状の寸法に合せるように研磨し、加工形状の精度を向上する。
このようにウェーハ1のエッジ1aを高速で精密に加工することが可能になったことにより、加工時間を短縮でき、作業効率を向上するとともに各カップ形溝なし砥石4,4の摩耗を少なくすることができて、砥石寿命を長くすることができる。
また、各カップ形溝なし砥石4,4のウェーハ1への接触点における加工方向が互いに反対方向になるように各カップ形溝なし砥石4,4の回転方向を定めると、エッジ1aの周辺部に生じやすいバタツキを抑え、研削、研磨時に斜め方向へ刻設される条痕が一方の砥石により刻設された後に、重複して、他方の砥石による逆向きの斜め条痕が刻設されて、加工箇所が条痕の交差した面となり、加工面の表面粗さをより精細なものにして、表面粗さを向上することができ、厚さの薄いウェーハ1やエッジ1aにおける断面斜面角度の小さい形状であっても要求された断面形状を精度良く加工することができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bのワーク載置テーブル回転装置(θ軸モータ)2bの回転方向を、ウェーハ1が1枚加工される毎に逆方向へ切り換えて、新たなウェーハ1の加工を行なうと、各カップ形溝なし砥石4,4の摩耗が均一になり、寿命が長くなり、均一に摩耗した砥石を用いて加工するため高い加工精度を維持することができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bの各精密加工用(上側又は下側)砥石の砥石昇降装置(Z軸モータ)12,12を起動して、各カップ形溝なし砥石4,4の上下位置を調節するとともに、ウェーハ側昇降装置(ウェーハ側昇降用Z軸モータ)54による昇降動作を調節して、上下両カップ形溝なし砥石4,4のウェーハ1に対する上下方向の相対的な位置を一定に保つことにより、常に、2つのカップ形溝なし砥石4,4と振れあるいは位置ズレを起こしたウェーハ1のエッジ1aとの相対位置が同じになるように制御することができて、面取り加工が正確にでき、高い加工精度でエッジ1aの成形ができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bの左右方向移動装置(X軸モータ)17fを起動して、図3又は図4に示すように各カップ形溝なし砥石4,4をウェーハ1のオリエンテーションフラット1fとなる端縁に当接し、図9,11に示す状態で、ウェーハ1を左右方向移動装置(X軸モータ)17fにより駆動される左右方向移動体17e,17eの動作方向に従いX軸方向へ直線的に往復動することによりオリエンテーションフラット1fを所定の形状に加工することができ、同一加工装置によりエッジ1aの成形加工及び仕上げ加工とオリエンテーションフラット1fの成形加工及び仕上げ加工との両方ができて、ウェーハ加工の作業効率を向上させるとともに装置の稼働率を高めることができる。
〔第6実施態様〕
面取り加工装置の第6実施態様としては、図42乃至図46に示すカップ形溝なし砥石を用いた第3番目の面取り加工装置60を説明する。
なお、面取り加工装置50と同じものは同じ符号を付して具体的な説明を省略する。
〔構成〕
2つのカップ形溝なし砥石4,4を用いた面取り加工装置60は、ウェーハ1のエッジ(周端部)1aを面取り加工するための装置であって、2つのカップ形溝なし砥石4,4を互いに対向する側面を近接して配置すると共に端面を加工面として使用して、ウェーハ1との接触点の中間位置にウェーハ1の中心を通る直線と両カップ形溝なし砥石4,4の配置上の中心とが一致するように形成して研削、研磨を左右均等に加工できるようにする。
各カップ形溝なし砥石4,4は、直結型の砥石駆動装置41,41を接続するとともにこの砥石の向きを変更する砥石向き変更装置42,42を備えた砥石支持装置43,43により支持され、この砥石支持装置43,43が各別に上下(Z−Z)方向へ昇降自在に砥石昇降装置12,12により支持され、さらに、各砥石昇降装置12,12は、基台13に砥石昇降装置12,12の固定側部材を基準がぶれないように確実に固定するとともに移動側部材を上下(Z−Z)方向へ昇降自在に支持する。
ワーク支持装置15側では、ウェーハ1を載置する回転テーブル2aとその回転テーブル2aを回転させるワーク載置テーブル回転装置2bを内蔵したワーク取付台2とを設置する台座16と、その台座16を支持する架台17と、この架台17を奥行(Y−Y)方向へ直線移動するために延設されたレール17a,17aに載置されて奥行方向へ直線移動させる奥行方向移動体17b,17bおよびその駆動装置としての奥行方向移動装置17cと、このレール17a,17a、奥行方向移動体17b,17bおよび奥行方向移動装置17cごと載置して左右(X−X)方向へ直線移動するために延設されたレール17d,17dに載置されて左右方向へ直線移動させる左右方向移動体17e,17eおよびその駆動装置としての左右方向移動装置17fとを具備して、ウェーハ1を回転させ、2つのカップ形溝なし砥石4,4が設けられている位置まで移動して面取り加工できるようにする。
この加工装置60による面取り加工の時に、ウェーハ1に上下方向の変形、振動、バタツキ等による変位を生じたとしても、カップ形溝なし砥石4,4の動きとともに相対的に位置ズレが生じないように加工するため、各レール17a,17aと各レール17d,17dの中間位置から台座16の下端面とウェーハ側昇降装置支持部材(上下方向移動装置支持部材)63との間で複数個の(ウェーハ側昇降用Z軸)圧電アクチュエータ64a,…,64aからなりウェーハ側昇降装置支持部材63を基準にして台座16ごと上下方向へ移動させるウェーハ側昇降装置64を介装する。
このウェーハ側昇降装置64により、加工中に台座16ごとウェーハ1を上下方向へ移動させることができ、面取り加工に支障の生じない位置に常時移動させ、ウェーハ1と各カップ形溝なし砥石4,4との相対的な位置を一定にできるようにする。
これら各カップ形溝なし砥石4,4、各砥石駆動装置11a,11a、各昇降装置12,12,34、各移動装置17c,17f等の加工時における動作を制御するための制御装置は、図45の制御系統図に示すように、コントロールボックス19に設けられている操作パネル19aより初期値設定等の入力をして、その設定に基づき面取り加工の動作の制御が行なわれるようにマイクロコンピュータやパソコン等の制御機器を利用した制御部19bから制御信号出力部19cを介して加工装置本体側に設けられた各制御部をそれぞれ内蔵した砥石昇降装置12,12、ウェーハ側昇降装置64、回転テーブル2aを回転させるワーク載置テーブル回転装置2bを内蔵したワーク取付台2、および奥行方向移動装置17cや左右方向移動装置17fを設けた架台17等に対して、動作指示となる制御信号を送出する。
コントロールボックス19は、液晶モニター、キーボード、PBS等を備えて、入力部から各制御装置の動作に必要な初期条件の設定をおこない、必要な制御手順に従って行なう加工動作の指示を出すとともに、その設定条件、加工条件、初期状態や動作状況等の面取り加工に必要な条件や各装置の状態をモニターできるようにする操作パネル19aと、指定された設定条件に従って各カップ形溝なし砥石4,4を回転させる砥石駆動装置41,41、砥石昇降装置12,12、ウェーハ側昇降装置64、ワーク載置テーブル回転装置2bを内蔵したワーク取付台2、奥行方向移動装置17cおよび左右方向移動装置17fを設けた架台17等の動作条件を設定して送出すべき制御信号を定める制御部19bと、この制御部19bから出力された信号を受けて指示された動作を行なわせるために必要な制御信号を送出する制御信号出力部19cとを備える。
各制御装置には、図46に示すように、ロボットZ軸モータ、吸着アームR軸モータまたはローダ用アクチュエータを起動してウェーハ1を待機場所から回転テーブル2aまで移送し、アライメント(θ軸、Y軸)モータを作動して偏心度を明らかにし、その偏心度を修正することにより軸心を合わせ、ウェーハ1を回転テーブル2aごと加工位置に移動して位置合せし、ノッチ1nやオリエンテーションフラット1fの位置から加工初期の位置を定め、必要に応じて外周端の仕上げ加工用に高速回転するとともに、加工後に表面を洗浄してから、仕上げたウェーハ1を加工済みウェーハ1の集積位置へ移し換えるウェーハセット用制御装置9aと、ウェーハ回転方向、左右方向(X軸方向)、奥行方向(Y軸方向)、仕上げ用上下方向(Z軸方向)等の動作方向を個々に制御する制御装置をまとめたウェーハ加工用制御装置9bと、ウェーハ1の精密加工の前に行なう粗加工用に追加された(粗研削用Z軸モータ付き)砥石上下方向移動装置8に配設された各制御対象の装置(総形砥石粗研削用モータ6a、棒状砥石粗研削用モータ7a等)をまとめたウェーハ粗加工用制御装置9cと、ウェーハ1の周上の基準位置を決めるノッチ1nを精密加工するための各駆動装置の制御装置をまとめたノッチ精密加工用制御装置9dとを備える。
これらの各制御装置9a〜9dを制御信号出力部19cから出力された制御信号に基づき制御して、必要な駆動装置11〜17を起動し、それぞれが他の駆動装置と調和して動作するように制御される。
〔作用効果〕
面取り加工装置60を使用してウェーハ1の面取り加工するときには、まず、制御部19bから制御信号出力部19cを介してウェーハセット用制御装置9aを駆動して、個々に積まれたウェーハ1又はカセットに収納されたウェーハ1,…,1から1枚のウェーハ1を取り出して回転テーブル2a上に移し、さらに制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により奥行方向移動装置(Y軸モータ)17cを駆動して、ウェーハ1を載せた回転テーブル2aを図43,44に示すウェーハ準備位置から図42および図45に示すウェーハ加工位置まで移動し、移動後に周端の縮径加工を行なう。
周端縮径加工時には、制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、2つの砥石昇降装置(精密研削用Z軸モータ)12,12を駆動して、周端の形状により図10,12及び図13に示すようにウェーハ1に対する各カップ形溝なし砥石4,4の位置を定めて配置し、ウェーハ加工用制御装置9bのワーク載置テーブル回転装置(θ軸モータ)2bおよび各カップ形溝なし砥石4,4の両砥石駆動装置(精密研削用モータ)41,41を共に起動し、そして各カップ形溝なし砥石4,4の回転を周端縮径加工時の回転数に調節し、ウェーハ1の回転とカップ形溝なし砥石4,4の回転とを適切に制御して、精度良く研削し、必要な径に近づいてから精密な研磨作業(スパークアウト)に切り換えてウェーハ1のエッジ1aにおけるウェーハ径を目的とする寸法に合うように加工する。
続いて、コンタリング加工を行なう。
コンタリング加工のときには、図45に示すように、ウェーハ1の上下各面を各カップ形溝なし砥石4,4によりそれぞれ挟むとともに、上下に位置した各カップ形溝なし砥石4,4を各独立に相対位置を調節しながら加工する。相対的な位置の調節には、制御信号出力部19cから出力される精密加工用上側砥石のZ軸制御信号により上側砥石の砥石昇降装置(精密研削用上側砥石Z軸モータ)12の動作を制御し、同時に、制御信号出力部19cから出力される精密加工用下側砥石のZ軸制御信号により下側砥石用の砥石昇降装置(精密加工用下側砥石Z軸モータ)12の動作を制御して、ウェーハ1の変形、振動、バタツキ等による位置ずれを各カップ形溝なし砥石4,4により抑えるとともに各カップ形溝なし砥石4,4のZ軸方向の位置調節により、上下両面を各別に位置補正しつつコンタリング加工を進め、さらに同時に、制御信号出力部19cから出力されるウェーハ側昇降用Z軸の制御信号によりウェーハ側昇降装置64の(ウェーハ側昇降用Z軸)圧電アクチュエータ64a,64aによる昇降動作を制御して、上下両カップ形溝なし砥石4,4とウェーハ1との上下方向の相対的な位置を一定に保ち、また、加工時における各カップ形溝なし砥石4,4の回転をコンタリング加工時の回転数に調節して、ウェーハ1の回転とカップ形溝なし砥石4,4の回転とを適切に制御して、エッジ形状を精度良く研削し、必要な形状に近づいてから精密な研磨作業(スパークアウト)に切り換え、ウェーハ1のエッジ1aの形状を目的とする形状の寸法に合せるように研磨し、加工形状の精度を向上する。
このようにウェーハ1のエッジ1aを高速で精密に加工することが可能になったことにより、加工時間を短縮でき、作業効率を向上するとともに各円盤形溝なし砥石3,3の摩耗を少なくすることができて、砥石寿命を長くすることができる。
また、各カップ形溝なし砥石4,4のウェーハ1への接触点における加工方向が互いに反対方向になるように各カップ形溝なし砥石4,4の回転方向を定めると、エッジ1aの周辺部に生じやすいバタツキを抑え、研削、研磨時に斜め方向へ刻設される条痕が一方の砥石により刻設された後に、重複して、他方の砥石による逆向きの斜め条痕が刻設されて、加工箇所が条痕の交差した面となり、加工面の表面粗さをより精細なものにして、表面粗さを向上することができ、厚さの薄いウェーハ1やエッジ1aにおける断面斜面角度の小さい形状であっても要求された断面形状を精度良く加工することができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bのワーク載置テーブル回転装置(θ軸モータ)2bの回転方向を、ウェーハ1が1枚加工される毎に逆方向へ切り換えて、新たなウェーハ1の加工を行なうと、各カップ形溝なし砥石4,4の摩耗が均一になり、寿命が長くなり、均一に摩耗した砥石を用いて加工するため高い加工精度を維持することができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bの各精密加工用(上側又は下側)砥石の砥石昇降装置(Z軸モータ)12,12を起動して、各カップ形溝なし砥石4,4の上下位置を調節するとともに、ウェーハ側昇降装置64の(ウェーハ側昇降用Z軸)圧電アクチュエータ64a,…,64aによる昇降動作を制御して、上下両カップ形溝なし砥石4,4のウェーハ1に対する上下方向の相対的な位置を一定に保つことにより、常に、2つのカップ形溝なし砥石4,4と振れあるいは位置ズレを起こしたウェーハ1のエッジ1aとの相対位置を高速に制御して一定に維持することができ、面取り加工が正確にでき、高い加工精度でエッジ1aの成形ができる。
制御部19bからの指示に従い制御信号出力部19cから出力される制御信号により、ウェーハ加工用制御装置9bの左右方向移動装置(X軸モータ)17fを起動して、図9又は図11に示すように各カップ形溝なし砥石4,4をウェーハ1のオリエンテーションフラット1fとなる端縁に当接し、図9に示す状態で、ウェーハ1を左右方向移動装置(X軸モータ)17fにより駆動される左右方向移動体17e,17eの動作方向に従いX軸方向へ直線的に往復動することによりオリエンテーションフラット1fを所定の形状に加工することができ、同一加工装置によりエッジ1aの成形加工及び仕上げ加工とオリエンテーションフラット1fの成形加工及び仕上げ加工との両方ができて、ウェーハ加工の作業効率を向上させるとともに装置の稼働率を高めることができる。
ウェーハの面取り加工における断面形状及びその寸法精度を高めて、必要な断面形状を正確に形成し、加工時間を短くするとともに砥石の寿命を長くすることができるようにしたことによって、ウェーハ端部の面取り加工につき、従来技術よりも短時間に高精度で仕上げることができ、製品品質を向上させるとともに歩留まりを高めることができ、しかも砥石の寿命を延ばして、製造コストを大幅に引き下げることができ、産業上極めて有意義な方法と装置を提供することができる。
本願発明の加工方法に係る第1実施態様におけるウェーハ周端の加工状態を示す斜視説明図である。 同上第1実施態様におけるウェーハのオリエンテーションフラット部の加工状態を示す斜視説明図である。 同上第1実施態様におけるウェーハ周端と円盤形溝なし砥石との接触状態を示す拡大部分断面説明図である。 同上第1実施態様における図3と形状の異なるウェーハ周端と円盤形溝なし砥石との接触状態を示す拡大部分断面説明図である。 同上第1実施態様におけるコンタリング加工時の円盤形溝なし砥石の接触状態を示す拡大部分断面説明図である。 同上第1実施態様におけるコンタリング加工時のウェーハ位置ズレに応じて位置を変化させる円盤形溝なし砥石の状態を示す拡大部分断面説明図である。 同上第1実施態様における円盤形溝なし砥石が形成する斜め条痕を示す加工説明図である。 本願発明の加工方法に係る第2実施態様におけるウェーハ周端の加工状態を示す斜視図である。 同上第2実施態様におけるウェーハのオリエンテーションフラット部の加工状態を示す斜視図である。 同上第2実施態様におけるウェーハ周端とカップ形溝なし砥石との接触状態を示す部分平面説明図である。 同上第2実施態様におけるウェーハのオリエンテーションフラット部とカップ形溝なし砥石との接触状態を示す平面説明図である。 同上第2実施態様におけるウェーハ周端に接触するカップ形溝なし砥石の接触状態を示す部分平面説明図である。 同上第2実施態様におけるウェーハ周端に接触するカップ形溝なし砥石の接触状態を示す部分正面説明図である。 同上第2実施態様におけるカップ形溝なし砥石が形成する斜め条痕を示す加工説明図である。 本願発明の加工装置に係る第1実施態様における円盤形溝なし砥石を用いた加工装置を示す正面図である。 同上第1実施態様における円盤形溝なし砥石を用いた加工装置を示す側面図である。 同上第1実施態様における円盤形溝なし砥石を用いた加工装置を示す平面図である。 同上第1実施態様における円盤形溝なし砥石を用いた加工装置の制御系統図である。 同上第1実施態様における円盤形溝なし砥石を用いた加工装置の制御系ブロック図である。 図19による制御系ブロック図の制御信号出力部と加工装置本体側の制御装置とを含む右側部分を示す拡大部分ブロック図である。 本願発明の加工装置に係る第2実施態様における円盤形溝なし砥石を用いた加工装置を示す正面図である。 同上第2実施態様における円盤形溝なし砥石を用いた加工装置を示す側面図である。 同上第2実施態様における円盤形溝なし砥石を用いた加工装置を示す平面図である。 同上第2実施態様における円盤形溝なし砥石を用いた加工装置の制御系統図である。 同上第2実施態様における円盤形溝なし砥石を用いた加工装置の制御系ブロック図における右側部分を示す拡大部分ブロック図である。 本願発明の加工装置に係る第3実施態様における円盤形溝なし砥石を用いた加工装置を示す正面図である。 同上第3実施態様における円盤形溝なし砥石を用いた加工装置を示す側面図である。 同上第3実施態様における円盤形溝なし砥石を用いた加工装置を示す平面図である。 同上第3実施態様における円盤形溝なし砥石を用いた加工装置の制御系統図である。 同上第3実施態様における円盤形溝なし砥石を用いた加工装置の制御系ブロック図における右側部分を示す拡大部分ブロック図である。 本願発明の加工装置に係る第4実施態様におけるカップ形溝なし砥石を用いた加工装置を示す正面図である。 同上第4実施態様におけるカップ形溝なし砥石を用いた加工装置を示す側面図である。 同上第4実施態様におけるカップ形溝なし砥石を用いた加工装置を示す平面図である。 同上第4実施態様におけるカップ形溝なし砥石を用いた加工装置の制御系統図である。 同上第4実施態様におけるカップ形溝なし砥石を用いた加工装置の制御系ブロック図である。 図35による制御系ブロック図の制御信号出力部と加工装置本体側の制御装置とを含む右側部分を示す拡大部分ブロック図である。 本願発明の加工装置に係る第5実施態様におけるカップ形溝なし砥石を用いた加工装置を示す正面図である。 同上第5実施態様におけるカップ形溝なし砥石を用いた加工装置を示す側面図である。 同上第5実施態様におけるカップ形溝なし砥石を用いた加工装置を示す平面図である。 同上第5実施態様におけるカップ形溝なし砥石を用いた加工装置の制御系統図である。 同上第5実施態様におけるカップ形溝なし砥石を用いた加工装置の制御系ブロック図における右側部分を示す拡大部分ブロック図である。 本願発明の加工装置に係る第6実施態様におけるカップ形溝なし砥石を用いた加工装置を示す正面図である。 同上第6実施態様におけるカップ形溝なし砥石を用いた加工装置を示す側面図である。 同上第6実施態様におけるカップ形溝なし砥石を用いた加工装置を示す平面図である。 同上第6実施態様におけるカップ形溝なし砥石を用いた加工装置の制御系統図である。 同上第6実施態様におけるカップ形溝なし砥石を用いた加工装置の制御系ブロック図における右側部分を示す拡大部分ブロック図である。 従来から用いられているノッチ付きウェーハを示す平面説明図である。 従来から用いられているオリエンテーションフラット付きウェーハを示す平面説明図である。 先端が単一の円弧で形成されるエッジ形状を有するウェーハ端部を示す部分断面図である。 先端が角部に2つの円弧を有する垂直周面で形成されるエッジ形状を有するウェーハ端部を示す部分断面図である。 先端部が上下非対称な形状をなし先端が単一の円弧で形成されるエッジ形状を有するウェーハ端部を示す部分断面図で、(A)は予備加工時の形状を示す部分断面図、(B)は上下非対称な最終形状を示す部分断面図である。
符号の説明
1 ウェーハ
1a エッジ(周端部)
1au 上斜面
1ad 下斜面
1b 周端
1c 円弧
1d 斜め条痕
1e (逆向きの)斜め条痕
1f オリエンテーションフラット
1fc オリフラコーナー
1n ノッチ
1nb ノッチ底部
1nc ノッチコーナー
2 ワーク取付台
2a 回転テーブル
2b (θ軸モータ付き)ワーク載置テーブル回転装置
3 円盤形溝なし砥石
4 カップ形溝なし砥石
4a 端面
4b (カップ形溝なし砥石の)回転軸
6 (粗研削用)総形砥石
6a 総形砥石粗研削用モータ
7 (粗研削用)棒状砥石(あるいはドリル形砥石)
7a 棒状砥石粗研削用モータ
8 (粗研削用Z軸モータ付き)砥石上下方向移動装置
9a ウェーハセット用制御装置
9b ウェーハ加工用制御装置
9c ウェーハ粗加工用制御装置
9d ノッチ精密加工用制御装置
10,20,30,40,50,60 面取り加工装置
11 砥石支持装置
11a (精密研削用スピンドルモータ付き)砥石駆動装置
12 (精密研削用Z軸モータ付き)砥石昇降装置
13 基台
14 (加工側昇降用Z軸モータ付き)加工側昇降装置
15 ワーク支持装置
16 台座
17 架台
17a,17d レール
17b 奥行(Y−Y)方向移動体
17c (Y軸モータ付き)奥行方向移動装置
17e 左右(X−X)方向移動体
17f (X軸モータ付き)左右方向移動装置
19 コントロールボックス
19a 操作パネル
19b 制御部
19c 制御信号出力部
24,54 (ウェーハ側昇降用Z軸モータ付き)ウェーハ側昇降装置
24a,54a 取付け支持部材
24b,54b 移動体
33,63 ウェーハ側昇降装置支持部材
34,64 ウェーハ側昇降装置
34a,64a (ウェーハ側昇降用Z軸)圧電アクチュエータ
41 (精密研削用モータ直結型の)砥石駆動装置
42 (砥石向き変更用モータ付き)カップ形砥石向き変更装置
43 砥石支持装置
B オリエンテーションフラットにより切り取られた円弧部分を除く径方向の長さ
D 直径
R,R1,R2,R3 半径
X1,X2,X3,X4 幅
X,Y,Z,θ (移動方向を示す)矢印
α1,α2,α3,α4,α5,α6 角度
dn ノッチの深さ
h オリエンテーションフラットの(消失した部分の)深さ

Claims (18)

  1. 個の溝なし砥石によって、回転させられるウェーハ周端部の同一箇所に近接した位置を同時に加工して成形する加工方法であって
    記2個の溝なし砥石をウェーハ板厚方向においてそれぞれ一定の高さに保持しつつ回転させて前記ウェーハに接触させ、前記2個の溝なし砥石の加工面により前記ウェーハの外径を研削して縮径する方向に加工する周端縮径加工と、
    記2個の溝なし砥石をウェーハ板厚方向においてそれぞれ各別に移動させつつ回転させて前記ウェーハに接触させ、ウェーハ周端部の径方向の同一箇所を2個の溝なし砥石により挟み込んで前記ウェーハの周端部を加工するコンタリング加工と、
    を有することを特徴とするウェーハ面取り加工方法。
  2. 個の溝なし砥石によって、回転させられるウェーハ周端部の同一箇所に近接した位置を同時に加工して成形する加工方法であって
    記2個の溝なし砥石をウェーハ板厚方向においてそれぞれ一定の高さに保持しつつ回転させて前記ウェーハに接触させ、前記2個の溝なし砥石の加工面により前記ウェーハの外径を研削して縮径する方向に加工する周端縮径加工と、
    ェーハ周端部の上面において前記2個の溝なし砥石を同時に移動させる加工と、前記ウェーハ周端部の下面において前記2個の溝なし砥石を同時に移動させる加工とによって前記ウェーハ周端部の上面及び下面を各別に加工して、ウェーハ周端部の断面を所望の形状に形成するコンタリング加工と、
    を有することを特徴とするウェーハ面取り加工方法。
  3. 前記コンタリング加工時において、ウェーハの回転に伴う板厚方向の位置振れが生じてもウェーハの周端部の断面を所定形状に加工するために、前記2個の溝なし砥石と前記ウェーハの板厚方向の位置を相対的に制御しつつ前記ウェーハを加工することを特徴とする請求項1又は請求項記載のウェーハ面取り加工方法。
  4. 前記コンタリング加工時において、ウェーハの回転に伴う板厚方向の位置振れが生じてもウェーハの周端部の断面を所定形状に加工するために、前記ウェーハに対して前記2個の溝なし砥石をまとめてウェーハの板厚方向に移動させるとともに、前記2個の溝なし砥石をウェーハの板厚方向にそれぞれ個別に移動させることを特徴とする請求項記載のウェーハ面取り加工方法。
  5. 前記コンタリング加工時において、ウェーハの回転に伴う板厚方向の位置振れが生じてもウェーハ周端部の断面を所定形状に加工するために、前記2個の溝なし砥石に対して前記ウェーハをその板厚方向へ移させるとともに、前記2個の溝なし砥石をウェーハの板厚方向にそれぞれ個別に移動させることを特徴とする請求項記載のウェーハ面取り加工方法。
  6. 複数のウェーハを連続して面取り加工する際に、先のウェーハ面取り加工時と後のウェーハの面取り加工時とで、ウェーハの回転方向を逆にすることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のウェーハ面取り加工方法。
  7. ウェーハのオリエンテーションフラット部同一箇所に近接した位置を2個の溝なし砥石によって同時に加工して成形する加工方法であって、
    前記2個の溝なし砥石をウェーハ板厚方向においてそれぞれ一定の高さに保持しつつ回転させるとともに前記ウェーハをそのオリエンテーションフラット部に沿って相対的に往復移動させて、前記2個の溝なし砥石を前ウェーハのオリエンテーションフラット部の端面に接触させ、前記2個の溝なし砥石の加工面により前記ウェーハのオリエンテーションフラット部を研削して加工する周端縮小加工と、
    前記2個の溝なし砥石をウェーハ板厚方向においてそれぞれ各別に移動させつつ回転させるとともに前記ウェーハをそのオリエンテーションフラット部に沿って相対的に往復移動させて、前記2個の溝なし砥石を前記ウェーハのオリエンテーションフラット部の周端部に接触させ、前記ウェーハのオリエンテーションフラット部周端部の径方向の同一箇所を前記2個の溝なし砥石により挟み込んで前記ウェーハのオリエンテーションフラット部の周端部を加工するコンタリング加工と、
    を有することを特徴とするウェーハ面取り加工方法。
  8. ウェーハのオリエンテーションフラット部の同一箇所に近接した位置を2個の溝なし砥石によって同時に加工して成形する加工方法であって
    記2個の溝なし砥石をウェーハ板厚方向においてそれぞれ一定の高さに保持しつつ回転させるとともに前記ウェーハをそのオリエンテーションフラット部に沿って相対的に往復移動させて、前記2個の溝なし砥石を前記ウェーハのオリエンテーションフラット部の端面に接触させ、前記2個の溝なし砥石の加工面によりウェーハのオリエンテーションフラット部を研削して加工する周端縮小加工と、
    リエンテーションフラット部周端部の上面において前記2個の溝なし砥石を同時に移動させる加工と、前記オリエンテーションフラット部周端部の下面において2個の溝なし砥石を同時に移動させる加工とによってオリエンテーションフラット部の周端部の上面及び下面を各別に加工して、前記オリエンテーションフラット部の周端部の断面を所望の形状に形成するコンタリング加工と、
    を有することを特徴とするウェーハ面取り加工方法。
  9. 前記2個の溝なし砥石は、前記ウェーハとの接触点における加工方向が互いに反対方向になるように回転させられることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のウェーハ面取り加工方法。
  10. 砥石によってウェーハの周端部の同一箇所に近接した位置を同時に加して成形する加工装置であって、
    ウェーハを保持する回転テーブルと、
    この回転テーブルを回転方向(θ方向)へ回転させるテーブル回転装置と、
    2個の溝なし砥石と、
    この2個の溝なし砥石を回転させる砥石回転装置と、
    前記2の溝なし砥石を互いに近接して配置するとともに、前記回転テーブルに保持されたウェーハ板厚方向(Z軸方向)について前記2個の溝なし砥石を各独立に移動可能に保持する砥石移動装置と
    記回転テーブルに保持されたウェーハを、前記2個の溝なし砥石に対して近接離間させる奥行方向(Y軸方向)へ移させる奥行方向移動装置と、
    前記回転テーブルに保持されたウェーハおよび前記砥石移動装置に保持された前記2個の溝なし砥石の相対位置を、ウェーハ板厚方向(Z軸方向)について移動させるZ軸方向移動装置とを有し、
    転させた2個の溝なし砥石の加工面により回転させられるウェーハ周端部の同一箇所に近接した位置を同時に加工するとともに、ウェーハと2個の溝なし砥石とをY軸方向、Z軸方向及びθ軸方向へ相対的に移動させて、ウェーハ周端部の断面形状を所定の形状に面取り加工することを特徴とするウェーハ面取り加工装置。
  11. 更に、前記回転テーブルに保持されたウェーハを、奥行方向(Y軸方向)に直交する左右方向(X軸方向)へ移させる左右方向移動装置を有することを特徴とする請求項10記載のウェーハ面取り加工装置。
  12. 前記個の溝なし砥石は、その回転軸が前記回転テーブルの回転軸直交する平行に配置された2個の円盤形溝なし砥石からなり
    前記砥石移動装置は、このの円盤形溝なし砥石をそれぞれ独立してウェーハ板厚方向へ移動可能に保持する円盤形溝なし砥石移動装置からなることを特徴とする請求項10又は請求項11記載のウェーハ面取り加工装置。
  13. 記Z軸方向移動装置は、前記2円盤形溝なし石をウェーハ板厚方向へまとめて移動させる砥石側Z軸方向移動装置を有することを特徴とする請求項12記載のウェーハ面取り加工装置。
  14. 前記個の溝なし砥石は、その回転軸が前記回転テーブルの回転軸交差する軸に平行に配置された2個のカップ形溝なし砥石からなり、
    前記砥石移動装置は、こののカップ形溝なし砥石をそれぞれ独立してウェーハの板厚方向へ移動可能に保持するカップ形溝なし砥石移動装置からなることを特徴とする請求項10又は請求項11記載のウェーハ面取り加工装置。
  15. 記Z軸方向移動装置は、前記カップ形溝なし砥石をウェーハ板厚方向へまとめて移動させる砥石側Z軸方向移動装置を有することを特徴とする請求項14記載のウェーハ面取り加工装置。
  16. 前記Z軸方向移動装置は、前記奥行方向移動装置に対して前記テーブル回転装置をウェーハの板厚方向に移動させるウェーハ側Z軸方向移動装置を有することを特徴とする請求項10、請求項11、請求項12、請求項14のいずれか一項に記載のウェーハ面取り加工装置。

  17. 前記ウェーハ側Z軸方向移動装置は、モータによって駆動されるスクリューの回転によって前記テーブル回転装置前記奥行方向移動装置に対してウェーハ板厚方向移動させるスクリュー式直線移動装置を有することを特徴とする請求項16記載のウェーハ面取り加工装置。
  18. 前記ウェーハ側Z軸方向移動装置は、多数個の圧電アクチュエータによって前記テーブル回転装置を前記奥行方向移動装置に対してウェーハの板厚方向に移動させる圧電式直線移動装置を有することを特徴とする請求項16記載のウェーハ面取り加工装置。
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