JP2024073687A - 光電変換装置及び撮像システム - Google Patents

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Abstract

Figure 2024073687000001
【課題】省電力化や補正の高精度化を実現しうる光電変換装置を提供する。
【解決手段】光電変換装置は、複数の画素を有する画素アレイ部と、画素アレイ部の複数の列の各々に対応して設けられ、対応する列の画素から出力される画素信号が各々に入力される複数の列回路と、複数の列回路に信号を供給する複数の信号線と、を有する。画素アレイ部は、光電変換部を有する画素が配されており光が入射する第1領域と、光電変換部を有しない画素が配されており遮光されている第2領域と、を有し、第1領域及び第2領域は列によって規定されている。複数の信号線は、第1領域の列に対応する列回路に接続されており第2領域の列に対応する列回路には接続されていない第1信号線と、第2領域の列に対応する列回路に接続されており第1領域の列に対応する列回路には接続されていない第2信号線と、を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、光電変換装置及び撮像システムに関する。
CMOSイメージセンサなどの光電変換装置においては、画素の暗電流成分や電源ゆれなどに起因するノイズ成分を補正するための信号を取得するために、入射光の光量に応じた信号を出力する画素に加えて、遮光された画素(遮光画素)を設けることがある。特許文献1には、画素アレイ部に、光電変換部を有する画素が配置され光が入射する領域と、光電変換部を有する画素が配置され遮光されている領域と、光電変換部を有しない画素が配置され遮光されている領域と、を有する撮像装置が記載されている。
特開2020-017916号公報
特許文献1に記載の撮像装置によれば、画素の暗電流成分やその面内分布によって発生するシェーディングや電源ゆれなどに起因する筋ムラを低減することができる。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、省電力化や補正の高精度化の観点からは必ずしも好ましいと言えない場合があった。
本発明の目的は、遮光画素の信号を用いてノイズ成分の補正を行う機能を備えた光電変換装置及び撮像システムにおいて、省電力化や補正の高精度化を実現するための技術を提供することにある。
本明細書の一開示によれば、複数の列をなすように配された複数の画素を有する画素アレイ部と、前記複数の列の各々に対応して設けられ、対応する列の画素から出力される画素信号が各々に入力される複数の列回路と、前記複数の列回路に信号を供給する複数の信号線と、を有し、前記画素アレイ部は、光電変換部を有する画素が配されており光が入射する第1領域と、光電変換部を有しない画素が配されており遮光されている第2領域と、を有し、前記第1領域及び前記第2領域は、列によって規定されており、前記複数の信号線は、前記第1領域の列に対応する列回路の各々に接続されており、前記第2領域の列に対応する列回路には接続されていない第1信号線と、前記第2領域の列に対応する列回路の各々に接続されており、前記第1領域の列に対応する列回路には接続されていない第2信号線と、を有する光電変換装置が提供される。
また、本明細書の他の一開示によれば、複数の列をなすように配された複数の画素を有する画素アレイ部と、前記複数の列の各々に対応して設けられ、対応する列の画素から出力される画素信号が各々に入力される複数の列回路と、前記複数の列回路に信号を供給する複数の信号線と、を有し、前記画素アレイ部は、光電変換部を有する画素が配されており光が入射する第1領域と、光電変換部を有しない画素が配されており遮光されている第2領域と、光電変換部を有する画素が配されており遮光されている第3領域と、を有し、前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域は、列によって規定されており、前記複数の信号線は、前記第3領域の列に対応する列回路の各々に接続されており、前記第2領域の列に対応する列回路には接続されていない第1信号線と、前記第2領域の列に対応する列回路の各々に接続されており、前記第3領域の列に対応する列回路には接続されていない第2信号線と、を有する光電変換装置が提供される。
本発明によれば、遮光画素の信号を用いてノイズ成分の補正を行う機能を備えた光電変換装置及び撮像システムにおいて、省電力化や補正の高精度化を実現することができる。
本発明の第1実施形態による光電変換装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態による光電変換装置における画素の構成例を示す回路図(その1)である。 本発明の第1実施形態による光電変換装置における画素の構成例を示す回路図(その2)である。 本発明の第1実施形態による光電変換装置における列回路の構成例を示す回路図(その1)である。 本発明の第1実施形態による光電変換装置における列回路の構成例を示す回路図(その2)である。 本発明の第1実施形態による光電変換装置の構成例を示す模式図である。 本発明の第2実施形態による光電変換装置における列回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第2実施形態による光電変換装置の駆動方法を示すタイミング図である。 本発明の第3実施形態による光電変換装置における列回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第3実施形態による光電変換装置の駆動方法を示すタイミング図である。 本発明の第4実施形態による光電変換装置における列回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第4実施形態による光電変換装置における切り替え部の構成例を示す回路図である。 本発明の第4実施形態による光電変換装置の駆動方法を示すタイミング図である。 本発明の第4実施形態の変形例による光電変換装置における列回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第5実施形態による光電変換装置における列回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第6実施形態による撮像システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第7実施形態による撮像システム及び移動体の構成例を示す図である。 本発明の第8実施形態による機器の概略構成を示すブロック図である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による光電変換装置及びその駆動方法について、図1乃至図6を用いて説明する。図1は、本実施形態による光電変換装置の概略構成を示すブロック図である。図2及び図3は、本実施形態による光電変換装置における画素の構成例を示す回路図である。図4及び図5は、本実施形態による光電変換装置における列回路の構成例を示す回路図である。図6は、本実施形態による光電変換装置の構成例を示す模式図である。
本実施形態による光電変換装置100は、図1に示すように、画素アレイ部10と、垂直走査回路30と、読み出し回路40A,40Bと、参照信号生成回路48A,48Bと、カウンタ回路58A,58Bと、を有する。また、光電変換装置100は、水平走査回路70A,70Bと、出力回路80A,80Bと、制御回路90と、を更に有する。
画素アレイ部10には、複数の行及び複数の列に渡って行列状に配された複数の画素12,14,16が設けられている。画素アレイ部10は、列によって規定される領域10A,10B,10Cを含む。なお、画素アレイ部10を構成する行の数や、領域10A,10B,10Cの各々に含まれる列の数は、特に限定されるものではない。
領域10Aには複数の画素12が、領域10Bには複数の画素14が、領域10Cには複数の画素16が、それぞれが配されている。画素12は、フォトダイオード等の光電変換素子からなる光電変換部と、光電変換部から信号を読み出すための読み出し回路と、を含み、入射光の光量に応じた信号を出力する役割を有する。画素14は、画素12と同様、光電変換部及び読み出し回路を含むが、遮光されており、光電変換素子の暗電流に応じた信号を出力する役割を有する。画素16は、画素12,14と同様の読み出し回路は有するが光電変換部は有さず、また、遮光されており、読み出し回路の構成素子に起因するノイズを含む信号を出力する役割を有する。なお、画素14,16は、厳密には画像を構成するための信号を生成するものではないが、画素12と共通の回路要素を含むため、本明細書では便宜的に「画素」と呼ぶ。画素12,14,16の具体的な構成については後述する。
画素アレイ部10の各行には、第1の方向(図1において横方向)に延在して制御線18が配されている。制御線18の各々は、第1の方向に並ぶ画素12,14,16にそれぞれ接続され、これら画素12,14,16に共通の信号線をなしている。制御線18の延在する第1の方向は、行方向或いは水平方向と呼ぶことがある。制御線18は、垂直走査回路30に接続されている。なお、各行の制御線18は複数の信号線を含み得る。
画素アレイ部10の各列には、第1の方向と交差する第2の方向(図1において縦方向)に延在して、垂直出力線20A又は垂直出力線20Bが配されている。垂直出力線20Aと垂直出力線20Bとは、各列に交互に配されている。例えば、垂直出力線20Aは奇数列に配され、垂直出力線20Bは偶数列に配される。垂直出力線20A,20Bの各々は、第2の方向に並ぶ画素12、画素14又は画素16にそれぞれ接続され、これら画素12、画素14又は画素16に共通の信号線をなしている。垂直出力線20A,20Bの延在する第2の方向は、列方向或いは垂直方向と呼ぶことがある。垂直出力線20Aは、読み出し回路40Aに接続されている。垂直出力線20Bは、読み出し回路40Bに接続されている。
垂直走査回路30は、制御回路90からの制御信号を受け、画素12,14,16を駆動するための制御信号を生成し、制御線18を介して画素12,14,16に出力する機能を備える制御回路である。垂直走査回路30には、シフトレジスタやアドレスデコーダといった論理回路が用いられ得る。垂直走査回路30は、各行の制御線18に順次制御信号を出力し、画素アレイ部10の画素12,14,16を行単位で順次駆動する。行単位で画素12,14,16から読み出された信号は、画素アレイ部10の各列に配された垂直出力線20A又は垂直出力線20Bを介して読み出し回路40A又は読み出し回路40Bに入力される。
読み出し回路40Aは、垂直出力線20Aが配された列の数に対応する複数の列回路42を有する。読み出し回路40Aを構成する複数の列回路42は、図1では、領域10Aの列に対応するものを列回路42A、領域10Bの列に対応するものを列回路42B、領域10Cに対応するものを列回路42Cの符号でそれぞれ表している。読み出し回路40Aの列回路42A,42B,42Cは、対応する列の垂直出力線20Aに接続されている。同様に、読み出し回路40Bは、垂直出力線20Bが配された列の数に対応する複数の列回路42を有する。読み出し回路40Bを構成する複数の列回路42は、図1では、領域10Aの列に対応するものを列回路42A、領域10Bの列に対応するものを列回路42B、領域10Cに対応するものを列回路42Cの符号でそれぞれ表している。読み出し回路40Bの列回路42A,42B,42Cは、対応する列の垂直出力線20Bに接続されている。
列回路42Aは、対応する列の画素12から読み出された画素信号に対して所定の処理を実施する処理回路である。列回路42Bは、対応する列の画素14から読み出された画素信号に対して所定の処理を実施する処理回路である。列回路42Cは、対応する列の画素16から読み出された画素信号に対して所定の処理を実施する処理回路である。列回路42A,42B,42Cが実施する処理としては、例えば、増幅処理、アナログ・デジタル変換(AD変換)等の信号処理が挙げられる。列回路42A,42B,42Cは、処理後の画素信号を保持するための信号保持回路(メモリ)を有する。なお、以下の説明において列回路42A,42B,42Cについて共通の説明をするときは、A,B,Cの区別を省略し、列回路42と表記することがある。
参照信号生成回路48Aは、読み出し回路40Aに接続されている。参照信号生成回路48Aは、制御回路90からの制御信号を受け、AD変換に用いるための参照信号を生成し、読み出し回路40Aに出力する機能を備える。同様に、参照信号生成回路48Bは、読み出し回路40Bに接続されている。参照信号生成回路48Bは、制御回路90からの制御信号を受け、AD変換に用いるための参照信号を生成し、読み出し回路40Bに出力する機能を備える。
AD変換に用いるための参照信号は、画素信号のレンジに応じた所定の振幅を有し、時間の経過とともに信号レベルが変化する信号であり得る。参照信号は、特に限定されるものではないが、例えば、時間の経過とともに信号レベルが単調増加し又は単調減少するランプ信号を適用可能である。なお、信号レベルの変化は、必ずしも連続的である必要はなく、ステップ状であってもよい。また、信号レベルの変化は、必ずしも時間に対して線型的である必要はなく、時間に対して曲線的(例えば、正弦波や余弦波)であってもよい。
カウンタ回路58Aは、読み出し回路40Aに接続されている。カウンタ回路58Aは、制御回路90からの制御信号に応じてカウント動作を行い、そのカウント値を示すカウント信号を読み出し回路40Aへと出力する機能を備える。カウンタ回路58Aは、参照信号生成回路48Aから供給される参照信号の信号レベルの変化が開始するタイミングに同期してカウント動作を開始する。同様に、カウンタ回路58Bは、読み出し回路40Bに接続されている。カウンタ回路58Bは、制御回路90からの制御信号に応じてカウント動作を行い、そのカウント値示すカウント信号を読み出し回路40Bへと出力する機能を備える。カウンタ回路58Bは、参照信号生成回路48Bから供給される参照信号の信号レベルの変化が開始するタイミングに同期してカウント動作を開始する。
水平走査回路70Aは、制御回路90からの制御信号を受け、読み出し回路40Aの列回路42A,42B,42Cから画素信号を読み出すための制御信号を生成し、読み出し回路40Aに出力する機能を備える制御回路である。水平走査回路70Aは、読み出し回路40Aの列回路42A,42B,42Cを順次走査し、各々に保持されている画素信号を、水平出力線72Aを介して順次出力回路80Aへと出力させる。同様に、水平走査回路70Bは、制御回路90からの制御信号を受け、読み出し回路40Bの列回路42A,42B,42Cから画素信号を読み出すための制御信号を生成し、読み出し回路40Bに出力する機能を備える制御部である。水平走査回路70Bは、読み出し回路40Bの列回路42A,42B,42Cを順次走査し、各々に保持されている画素信号を、水平出力線72Bを介して順次出力回路80Bへと出力させる。水平走査回路70A,70Bには、シフトレジスタやアドレスデコーダといった論理回路が用いられ得る。
出力回路80Aは、バッファアンプや差動増幅器などから構成され、水平走査回路70Aによって選択された列の画素信号に対して所定の信号処理を実行し、処理後の画素データを出力する処理回路である。同様に、出力回路80Bは、バッファアンプや差動増幅器などから構成され、水平走査回路70Bによって選択された列の画素信号に対して所定の信号処理を実行し、処理後の画素データを出力する処理回路である。出力回路80A,80Bが行う信号処理としては、例えば、相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)による補正処理、増幅処理などが挙げられる。
制御回路90は、垂直走査回路30、読み出し回路40A,40B、参照信号生成回路48A,48B、カウンタ回路58A,58B、水平走査回路70A,70Bの動作を制御する制御信号を生成し、各機能ブロックに出力するための制御回路である。なお、垂直走査回路30、読み出し回路40A,40B、参照信号生成回路48A,48B、カウンタ回路58A,58B、水平走査回路70A,70Bの動作を制御する制御信号の少なくとも一部は、光電変換装置100の外部から供給してもよい。
なお、図1には、読み出し回路40A、水平走査回路70A、出力回路80A等を含む読み出し回路ブロックと、読み出し回路40B、水平走査回路70B、出力回路80B等を含む読み出し回路ブロックと、の2つの読み出し回路ブロックを設けた例を示している。しかしながら、読み出し回路ブロックは、必ずしも2つである必要はなく、1つであってもよい。
画素アレイ部10を構成する画素12及び画素14の各々は、例えば図2に示すように、光電変換素子PDと、転送トランジスタM1と、リセットトランジスタM2と、増幅トランジスタM3と、選択トランジスタM4と、により構成され得る。画素14は、図示しない遮光層によって遮光されているほかは、画素12と同様である。
光電変換素子PDは、例えばフォトダイオードであり、アノードが基準電圧ノードに接続され、カソードが転送トランジスタM1のソースに接続されている。転送トランジスタM1のドレインは、リセットトランジスタM2のソース及び増幅トランジスタM3のゲートに接続されている。転送トランジスタM1のドレイン、リセットトランジスタM2のソース及び増幅トランジスタM3のゲートが接続されるノードFDは、いわゆる浮遊拡散(フローティングディフュージョン)部である。浮遊拡散部は、容量成分(浮遊拡散容量)を含み、電荷保持部としての機能を備える。浮遊拡散容量には、pn接合容量や配線容量などが含まれ得る。リセットトランジスタM2のドレイン及び増幅トランジスタM3のドレインは、電源電圧(電圧VDD)が供給されるノードに接続されている。増幅トランジスタM3のソースは、選択トランジスタM4のドレインに接続されている。選択トランジスタM4のソースは、垂直出力線20A(又は垂直出力線20B)に接続されている。
図2の画素構成の場合、各行の制御線18は、転送トランジスタM1のゲート、リセットトランジスタM2のゲート及び選択トランジスタM4のゲートに接続された3本の信号線を含む。転送トランジスタM1のゲートには、垂直走査回路30から制御信号PTXが供給される。リセットトランジスタM2のゲートには、垂直走査回路30から制御信号PRESが供給される。選択トランジスタM4のゲートには、垂直走査回路30から制御信号PSELが供給される。各トランジスタがN型MOSトランジスタで構成される場合、垂直走査回路30からハイレベルの制御信号が供給されると対応するトランジスタがオンになる。また、垂直走査回路30からローレベルの制御信号が供給されると対応するトランジスタがオフになる。
なお、本実施形態では、光入射によって光電変換素子PDで生成される電子正孔対のうち、電子を信号電荷として用いる場合を想定して説明を行う。信号電荷として電子を用いる場合、画素12,14を構成する各トランジスタは、N型MOSトランジスタによって構成され得る。ただし、信号電荷は電子に限られるものではなく、正孔を信号電荷として用いてもよい。信号電荷として正孔を用いる場合、各トランジスタの導電型は、本実施形態で説明するものとは逆導電型となる。また、MOSトランジスタのソース及びドレインの呼称はトランジスタの導電型や着目する機能によって異なることがある。本実施形態において使用するソース及びドレインの名称の一部又は全部は、逆の名称で呼ばれることもある。
光電変換素子PDは、入射光をその光量に応じた量の電荷に変換(光電変換)し、生じた電荷を蓄積する。転送トランジスタM1は、オンになることにより光電変換素子PDが保持する電荷をノードFDに転送する。光電変換素子PDから転送された電荷は、ノードFDの容量(浮遊拡散容量)に保持される。その結果、ノードFDは、浮遊拡散容量による電荷電圧変換によって、光電変換素子PDから転送された電荷の量に応じた電位となる。
選択トランジスタM4は、オンになることにより増幅トランジスタM3を垂直出力線20A(又は垂直出力線20B)に接続する。増幅トランジスタM3は、ドレインに電圧VDDが供給され、ソースに選択トランジスタM4を介して不図示の電流源(後述する電流源44)からバイアス電流が供給される構成となっており、ゲートを入力ノードとする増幅部(ソースフォロワ回路)を構成する。これにより増幅トランジスタM3は、ノードFDの電圧に基づく信号を、選択トランジスタM4を介して垂直出力線20A(又は垂直出力線20B)に出力する。この意味で、増幅トランジスタM3及び選択トランジスタM4は、ノードFDに保持された電荷の量に応じた画素信号を出力する出力部である。
リセットトランジスタM2は、電荷保持部としてのノードFDをリセットするための電圧(電圧VDD)のFDノードへの供給を制御する機能を備える。リセットトランジスタM2は、オンになることによりノードFDを電圧VDDに応じた電圧にリセットする。
画素14は、前述のように、光電変換素子PDが遮光された遮光画素である。画素14は遮光されているが、光電変換素子PDを有していることにより、その出力信号から光電変換素子PDの暗電流成分を取得することが可能である。したがって、画素14の出力信号を用いて画素12の出力信号を補正することにより、画素12の出力信号から暗電流成分を除去することが可能である。
画素アレイ部10を構成する画素16の各々は、例えば図3に示すように、転送トランジスタM1と、リセットトランジスタM2と、増幅トランジスタM3と、選択トランジスタM4と、により構成され得る。画素16におけるこれら構成要素間の接続は、画素12,14と同様である。転送トランジスタM1のソースは、フローティング或いは所定の電圧ノードに対して接続可能に構成され得る。画素16は、光電変換素子PDを有していない点で、画素12及び画素14とは異なっている。また、画素16は、図示しない遮光層によって遮光されている点で、画素12と異なっており、画素14と同様である。
画素16は光電変換素子PDを有していないため、画素16からは光電変換素子PDの暗電流成分を取得することはできない。しかしながら、光電変換素子PDを有していないことで、特異的に暗電流成分が大きい画素(ホワイトスポット画素)の影響を受けることはなく、暗電流以外のノイズ成分の補正信号を高精度で得ることができるというメリットがある。例えば、リセットトランジスタM2及び増幅トランジスタM3のドレインに供給される電源電圧(電圧VDD)には、電源電圧を生成する素子に起因する電源ノイズが含まれ得る。この電源ノイズが寄生容量(例えば、増幅トランジスタM3のゲート-ドレイン間容量)を介してノードFDにカップリングすると、取得画像に横筋状に重畳するノイズが生じることがある。この横筋状のノイズ成分を画素16で検出し、画素16の出力信号を用いて画素12の出力信号を補正することで、横筋状のノイズを低減することが可能となる。
読み出し回路40Aを構成する列回路42A,42B,42Cの各々は、例えば図4に示すように、電流源44と、比較回路54と、メモリ62W,62Rと、により構成され得る。比較回路54は、比較対象となる2つの信号が入力される2つの入力ノード(非反転入力ノード(+)及び反転入力ノード(-))と、比較結果を示す信号が出力される1つの出力ノードと、を有し、例えば差動増幅回路によって構成され得る。メモリ62Wは、2つの入力ノードと1つの出力ノードとを有する。メモリ62Rは、2つの入力ノードと1つの出力ノードとを有する。
垂直出力線20Aは、対応する列の列回路42の電流源44と比較回路54の一方の入力ノード(反転入力ノード)とに接続されている。電流源44は、画素12,14,16の増幅トランジスタM3の負荷電流源としての役割を有する。比較回路54の当該一方の入力ノードには、垂直出力線20Aから信号VOUTが入力される。比較回路54の他方の入力ノード(非反転入力ノード)は、参照信号線50に接続されている。比較回路54の当該他方の入力ノードには、参照信号生成回路48Aから参照信号線50を介して参照信号VRAMPが入力される。
メモリ62Wの一方の入力ノードは、比較回路54の出力ノードに接続されている。メモリ62Wの他方の入力ノードは、カウント信号線60に接続されている。メモリ62Wの他方の入力ノードには、カウンタ回路58Aからカウント信号線60を介してカウント信号COUNTが入力される。メモリ62Rの一方の入力ノードは、メモリ62Wの出力ノードに接続されている。メモリ62Rの他方の入力ノードは、水平走査回路70Aに接続されている。メモリ62Rの出力ノードは、水平出力線72Aに接続されている。
比較回路54は、垂直出力線20Aから供給される信号VOUTのレベルと、参照信号線50から供給される参照信号VRAMPのレベルとを比較し、比較の結果に応じた信号を出力する。例えば、比較回路54は、参照信号VRAMPのレベルが信号VOUTのレベルよりも低いときにはハイレベルの信号を出力する。また、比較回路54は、参照信号VRAMPのレベルが信号VOUTのレベルよりも高いときにはローレベルの信号を出力する。なお、入力信号の大小関係と出力信号のレベルとの関係は逆であってもよい。
メモリ62Wは、比較回路54の出力ノードのレベルが反転したタイミングにおいてカウンタ回路58Aから供給されているカウント信号COUNTで示されるカウント値を、画素信号のデジタルデータとして保持する。メモリ62Rは、メモリ62Wから転送される画素信号のデジタルデータを保持する。メモリ62Rに保持されたデジタルデータは、水平走査回路70Aから供給される制御信号に応じて、列毎に順次、水平出力線72Aを介して出力回路80Aへと転送される。メモリ62Wの後段にメモリ62Rを設けることで、出力回路80Aへの転送動作と並行してAD変換動作を実施することが可能となる。
なお、カウンタ回路58Aを設ける換わりに、列回路42のメモリ62Wがカウンタ回路の機能を備えていてもよい。この場合、各列の列回路42のメモリ62Wが、制御回路90から出力される共通のクロック信号を受信し、クロック信号のパルスを計数する。比較回路54の出力信号のレベルが反転したタイミングにおける計数値が、メモリ62Wが保持するデジタルデータとなる。
読み出し回路40Bの列回路42A,42B,42Cは、読み出し回路40Aの列回路42A,42B,42Cが配された列とは異なる列に配されている他は読み出し回路40Aの列回路42A,42B,42Cと同じであるため、説明は省略する。以後、読み出し回路40Aの列回路42A,42B,42Cに着目して説明を行うが、読み出し回路40Bの列回路42A,42B,42Cについても同じである。また、以下の説明において読み出し回路40A,40B、参照信号生成回路48A,48B等について共通の説明をするときは、A,Bの区別を省略し、読み出し回路40、参照信号生成回路48等と表記することがある。
ここで、本実施形態による光電変換装置においては、図4に示すように、列回路42Aの比較回路54と、列回路42Bの比較回路54と、列回路42Cの比較回路54とに、互いに異なる制御線が配されている。すなわち、領域10Aに対応する各列の列回路42Aには、制御回路90から制御線52を介して制御信号pwr1が供給される。領域10Bに対応する各列の列回路42Bには、制御回路90から制御線52を介して制御信号pwr2が供給される。領域10Cに対応する各列の列回路42Cには、制御回路90から制御線52を介して制御信号pwr3が供給される。
制御信号pwr1,pwr2,pwr3は、例えば、比較回路54の電流経路の導通と遮断とを行う不図示のスイッチを制御するための制御信号であり得る。例えば、比較回路54が差動増幅回路で構成される場合、制御信号pwr1,pwr2,pwr3は、テイル電流源の導通と遮断とを行うスイッチの制御信号や、テイル電流源に流れる電流値を制御する制御信号であり得る。
列回路42A,42B,42Cの比較回路54をこのように構成することで、状況に応じて読み出し回路40の動作を最適化することが可能である。例えば、画素16の出力信号を用いた横筋ノイズ補正を行わない場合には、列回路42A,42Bの比較回路54の消費電流は下げず、列回路42Cの比較回路54の消費電流を下げた状態とすることで、省電力化を行うことが可能である。また、高画質を重視する場合には、画素14,16の出力信号を用いた補正処理を実施するために、列回路42Aの比較回路54に加え、列回路42B,42Cの比較回路54を動作状態とすることが可能である。また、低電力を重視する場合には、列回路42Aの比較回路54の消費電流はそのままに、列回路42B,42Cの比較回路54は消費電流を下げた状態とすることが可能である。また、低電力を重視するが、蓄積時間が長く暗電流成分が大きくなる場合には、列回路42A,42Bの比較回路54の消費電流はそのままに、列回路42Cの比較回路54は消費電流を下げた状態とすることが可能である。
なお、図4の構成例では列回路42A,42B,42Cの比較回路54に互いに異なる制御線を配しているが、例えば図5に示すように、列回路42A,42Bの比較回路54と列回路42Cの比較回路54とに互いに異なる制御線を配してもよい。例えば、領域10A,10Bに対応する各列の列回路42A,42Bには、制御回路90から制御線52を介して制御信号pwr1を供給する。領域10Cに対応する各列の列回路42Cには、制御回路90から制御線52を介して制御信号pwr2を供給する。
図5の構成例の場合、図4の構成例の場合と比較して動作のバリエーションは減るが、列回路42Cの比較回路54を低消費電流状態とすることで省電力化が可能である。図5の構成例には、図4の構成例と比較して、比較回路54に制御信号を供給する信号線の数を減らすことができるというメリットがある。
本実施形態の光電変換装置100は、1つの基板の上に上述した総ての回路ブロックを配置する構成としてもよいし、複数の基板を積層した積層型として各基板に回路ブロックを作り分ける構成としてもよい。
図6(a)は、画素アレイ部10を配置した画素基板110と、その他の回路ブロックを配置した回路基板120とを積層した場合の模式図である。画素基板110と回路基板120とを別々の基板に配置することで、画素アレイ部10の面積を犠牲にすることなく光電変換装置100の小型化を図ることが可能となる。
図6(b)は、画素アレイ部10を配置した画素基板110と、その他の回路ブロックを配置した回路基板120,130とを積層した場合の模式図である。この場合にも、画素アレイ部10の面積を犠牲にすることなく光電変換装置100の小型化を図ることが可能となる。
なお、1つの機能ブロックを構成する回路要素は、必ずしも同じ基板に配置する必要はなく、別々の基板に配置してもよい。
このように、本実施形態によれば、遮光画素の信号を用いてノイズ成分の補正を行う機能を備えた光電変換装置において、省電力化や補正の高精度化を実現することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による光電変換装置及びその駆動方法について、図7及び図8を用いて説明する。第1実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図7は、本実施形態による光電変換装置における列回路の構成例を示す回路図である。図8は、本実施形態による光電変換装置の駆動方法を示すタイミング図である。
本実施形態による光電変換装置は、列回路42A,42B,42Cの構成が異なるほかは、第1実施形態による光電変換装置と同様である。本実施形態では、第1実施形態の光電変換装置と異なる点を中心に説明し、第1実施形態の光電変換装置と同様の部分については適宜説明を省略する。
本実施形態による光電変換装置は、列回路42A,42Bの比較回路54に入力される参照信号と、列回路42Cの比較回路54に入力される参照信号とが異なっている。すなわち、列回路42A,42Bの比較回路54には参照信号生成回路48から参照信号線50Hを介して参照信号VRAMPHが入力され、列回路42Cの比較回路54には参照信号生成回路48から参照信号線50Lを介して参照信号VRAMPLが入力される。参照信号VRAMPHと参照信号VRAMPLとは、時間に対する信号レベルの変化の割合が異なっている。具体的には、参照信号VRAMPHは、時間に対する信号レベルの変化の割合が参照信号VRAMPLよりも大きい。別の言い方をすれば、参照信号VRAMPHの振幅は、参照信号VRAMPLの振幅よりも大きい。例えば、参照信号VRAMPH,VRAMPLがランプ信号の場合、参照信号VRAMPHのスロープは参照信号VRAMPLのスロープよりも大きくなる。光電変換装置をこのように構成することで、画素16の出力信号を高精度でAD変換することができ、画素16の出力信号を用いた横筋ノイズ補正をより高精度で行うことが可能となる。
次に、本実施形態による光電変換装置の動作について、図8を用いてより具体的に説明する。図8のタイミング図には、制御信号PTX,PRES、参照信号VRAMPH,VRAML、画素12に接続される垂直出力線20Aの電圧(電圧VOUTA)及び画素16に接続される垂直出力線20Aの電圧(電圧VOUTC)の波形を示している。
まず、画素12から垂直出力線20Aに出力される信号(電圧VOUTA)のAD変換動作について説明する。なお、画素14から垂直出力線20Aに出力される信号(電圧VOUTB)のAD変換動作は、画素12から垂直出力線20Aに出力される信号(電圧VOUTA)のAD変換動作と同じである。
時刻t0の直前において、読み出し対象の行の制御信号PSEL(図示せず)はハイレベルであるものとする。これにより、当該行に属する画素12の選択トランジスタM4はオンになっており、これら画素12の各々は対応する列の垂直出力線20Aに画素信号を出力できる状態である。また、時刻t0の直前において、読み出し対象の行の制御信号PTX,PRESはローレベルであり、参照信号VRAMPは所定の基準電圧であるものとする。
時刻t0から時刻t1の期間において、垂直走査回路30は、読み出し対象の行の制御信号PRESをハイレベルに制御する。これにより、当該行に属する画素12のリセットトランジスタM2がオンになり、ノードFDが電圧VDDに応じた電圧にリセットされる。画素12に接続される垂直出力線20Aには、ノードFDのリセット電圧に応じた電圧VOUTA(画素12のリセットレベルの画素信号)が出力される。
続く時刻t2において、参照信号生成回路48Aは、参照信号VRAMPHの電圧を時間の経過と共に変化するスロープ動作を開始する。また、カウンタ回路58Aは、スロープ動作の開始と同時にカウントアップを開始し、カウント値を示すカウント信号COUNTを各列の列回路42Aにカウント信号線60を介して出力する。
列回路42Aの比較回路54は、電圧VOUTAのレベルと参照信号VRAMPHのレベルとの比較動作を行う。そして、比較回路54の出力信号のレベルは、電圧VOUTAのレベルと参照信号VRAMPHのレベルとの大小関係が変化したタイミング、例えば図8における時刻t3において反転する。
列回路42Aのメモリ62Wは、比較回路54の出力信号のレベルが反転したタイミングにカウンタ回路58Aから出力されているカウント信号COUNTが示すカウント値を、画素12のリセットレベルの画素信号のデジタルデータとして保持する。このようにして、画素12のリセットレベルの画素信号に対するAD変換が行われる。メモリ62Wに保持されたデジタルデータは、メモリ62Rに転送された後、水平走査回路70Aからの制御信号に応じて出力回路80Aに転送される。
続く時刻t4において、参照信号生成回路48Aは、参照信号VRAMPHを基準電圧のレベルにリセットする。
続く時刻t5から時刻t6の期間において、垂直走査回路30は、読み出し対象の行の制御信号PTXをハイレベルに制御する。これにより、当該行に属する画素12の転送トランジスタM1がオンになり、所定の露光期間の間に光電変換素子PDに蓄積された電荷がノードFDに転送される。これにより、ノードFDの電圧は光電変換素子PDから転送された電荷の量に応じて低下し、垂直出力線20Aの電圧VOUTAも低下する。垂直出力線20Aには、ノードFDの電圧に応じた電圧VOUTA(画素12の光信号レベルの画素信号)が出力される。
続く時刻t7において、参照信号生成回路48Aは、参照信号VRAMPHの電圧を時間の経過と共に変化するスロープ動作を開始する。また、カウンタ回路58Aは、カウント信号線60を介して出力する。
の開始と同時にカウントアップを開始し、カウント値を示すカウント信号COUNTを各列の列回路42Aにカウント信号
列回路42Aの比較回路54は、電圧VOUTAのレベルと参照信号VRAMPHのレベルとの比較動作を行う。そして、比較回路54の出力信号のレベルは、電圧VOUTAのレベルと参照信号VRAMPHのレベルとの大小関係が変化したタイミング、例えば図8における時刻t9において反転する。
列回路42Aのメモリ62Wは、比較回路54の出力信号のレベルが反転したタイミングにカウンタ回路58Aから出力されているカウント信号COUNTが示すカウント値を、画素12の光信号レベルの画素信号のデジタルデータとして保持する。このようにして、画素12の光信号レベルの画素信号に対するAD変換が行われる。メモリ62Wに保持されたデジタルデータは、メモリ62Rに転送された後、水平走査回路70Aからの制御信号に応じて出力回路80Aに転送される。
このようにして取得された画素信号のデジタルデータに対しては、後段の出力回路80AにおいてデジタルCDS(相関二重サンプリング:Correlated Double Sampling)による補正処理が施される。デジタルCDSによる補正処理では、光信号レベルの画素信号のデジタルデータからリセットレベルの画素信号のデジタルデータを差し引き、光信号レベルの画素信号に重畳するノイズ成分を除去する。
次に、画素16から垂直出力線20Aに出力される信号(電圧VOUTC)のAD変換動作について、電圧VOUTAのAD変換動作との違いを説明する。
画素16は光電変換素子PDを有していないため、時刻t5から時刻t6において制御信号PTXがハイレベルになった後も、垂直出力線20Aの信号レベルはほぼ変化しない。このため、垂直出力線20Aの信号をAD変換するために用いる参照信号VRAMPLのスロープは、図8に示すように、参照信号VRAMPHのスロープよりも小さくすることが可能である。これにより、1LSB当たりの電圧値を小さくし、より高精度のAD変換を行うことが可能となる。したがって、本実施形態の構成を用いて画素16の出力信号を用いた横筋ノイズ補正を行うことにより、より高精度の横筋ノイズ補正を行うことができる。
このように、本実施形態によれば、遮光画素の信号を用いてノイズ成分の補正を行う機能を備えた光電変換装置において、補正精度を向上し、良質の画像を取得することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による光電変換装置及びその駆動方法について、図9及び図10を用いて説明する。第1又は第2実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図9は、本実施形態による光電変換装置における列回路の構成例を示す回路図である。図10は、本実施形態による光電変換装置の駆動方法を示すタイミング図である。
本実施形態による光電変換装置は、列回路42A,42B,42Cの構成が異なるほかは、第1又は第2実施形態による光電変換装置と同様である。本実施形態では、第1実施形態の光電変換装置と異なる点を中心に説明し、第1実施形態の光電変換装置と同様の部分については適宜説明を省略する。
本実施形態による光電変換装置の列回路42A,42B,42Cの各々は、図9に示すように、電流源44と、比較回路54と、メモリ62W,62Rとに加え、容量C1,C2と、スイッチSW1,SW2とを更に有している。また、比較回路54は、例えば差動増幅回路によって構成され、非反転入力ノード(+)と、反転入力ノード(-)と、非反転出力ノード(+)と、反転出力ノード(-)と、を有している。
各列の垂直出力線20Aは、対応する列回路42の電流源44と容量C1の一方の電極とに接続されている。比較回路54の反転入力ノードは、容量C1の他方の電極に接続されている。比較回路54の反転入力ノードには、垂直出力線20Aから容量C1を介して信号VOUTが入力される。参照信号線50は、容量C2の一方の電極に接続されている。比較回路54の非反転入力ノードは、容量C2の他方の電極に接続されている。比較回路54の非反転入力ノードには、参照信号線50から容量C2を介して参照信号VRAMPが入力される。比較回路54の反転入力ノードと非反転出力ノードとの間には、スイッチSW1が接続されている。比較回路54の非反転入力ノードと反転出力ノードとの間には、スイッチSW2が接続されている。比較回路54の非反転出力ノードは、メモリ62Wに接続されている。
列回路42A,42BのスイッチSW1,SW2は、制御回路90からクランプ制御線56を介して供給される制御信号AZ1により制御されるスイッチである。列回路42CのスイッチSW1,SW2は、制御回路90からクランプ制御線56を介して供給される制御信号AZ2により制御されるスイッチである。スイッチSW1,SW2は、比較回路54の閾値電圧をリセットするリセット動作を制御するためのスイッチである。
比較回路54は、垂直出力線20Aから容量C1を介して供給される信号VOUTのレベルと、参照信号線50から容量C2を介して供給される参照信号VRAMPのレベルとを比較し、比較の結果に応じた信号を出力する。例えば、比較回路54は、参照信号VRAMPのレベルが信号VOUTのレベルよりも低いときにはハイレベルの信号を出力する。また、比較回路54は、参照信号VRAMPのレベルが信号VOUTのレベルよりも高いときにはローレベルの信号を出力する。なお、入力信号の大小関係と出力信号のレベルとの関係は逆であってもよい。
なお、比較回路54は、画素信号が入力されるノードと参照信号が入力されるノードとを有し、画素信号及び参照信号の電圧に基づいてオフセットを設定するオフセットクランプ動作を実施可能なものであれば、図示する構成に限定されるものではない。
このように、本実施形態の光電変換装置においては、列回路42A,42Bの比較回路54に共通の制御信号AZ1が入力される一方、列回路42Cの比較回路54には個別の制御信号AZ2が入力される。光電変換装置をこのように構成することで、列回路42A,42Bの比較回路54の反転動作に起因する電源変動などが列回路42Cの比較回路54の反転動作に影響を与え、列回路42CにおけるAD変換精度の劣化を引き起こすのを抑制することができる。これにより、画素16の出力信号を高精度でAD変換することができ、画素16の出力信号を用いた横筋ノイズ補正をより高精度で行うことが可能となる。
次に、本実施形態による光電変換装置の動作について、図10を用いてより具体的に説明する。図10のタイミング図には、制御信号PTX,PRES、参照信号VRAMP、信号rmp1,rmp2,vouta,voutc、制御信号AZ1,AZ2の波形を示している。ここで、信号rmp1は列回路42Aの比較回路54の非反転入力ノードの電圧を示し、信号rmp2は列回路42Cの比較回路54の非反転入力ノードの電圧を示している。また、信号voutaは列回路42Aの比較回路54の反転入力ノードの電圧を示し、信号voutcは列回路42Cの比較回路54の反転入力ノードの電圧を示している。
まず、画素12から垂直出力線20Aに出力される信号(電圧VOUTA)のAD変換動作について説明する。なお、画素14から垂直出力線20Aに出力される信号(電圧VOUTB)のAD変換動作は、画素12から垂直出力線20Aに出力される信号(電圧VOUTA)のAD変換動作と同じである。
時刻t0よりも前の期間において、読み出し対象の行の制御信号PSEL(図示せず)はハイレベルであるものとする。これにより、当該行に属する画素12の選択トランジスタM4はオンになっており、これら画素12の各々は対応する列の垂直出力線20Aに画素信号を出力できる状態である。また、時刻t0の直前において、読み出し対象の行の制御信号PTXはローレベルであり、読み出し対象の行の制御信号PRES,AZ1,AZ2はハイレベルであり、参照信号VRAMPは所定の第1基準レベルであるものとする。
時刻t0までの期間において、読み出し対象の行の制御信号PRESはハイレベルである。これにより、当該行に属する画素12のリセットトランジスタM2はオンになっており、ノードFDは電圧VDDに応じた電圧にリセットされている。
時刻t0において、垂直走査回路30は、読み出し対象の行の制御信号PRESをハイレベルからローレベルに制御する。これにより、当該行に属する画素12のリセットトランジスタM2がオフになり、ノードFDのリセット状態が解除される。画素12に接続される垂直出力線20Aには、ノードFDのリセット電圧に応じた電圧VOUTA(画素12のリセットレベルの画素信号)が出力される。
また、時刻t0までの期間において、制御信号AZ1はハイレベルである。これにより、列回路42AのスイッチSW1,SW2はオンになっており、比較回路54の反転入力ノード及び非反転入力ノードはリセットレベルの電圧にリセットされている。つまり、時刻t0の時点において、容量C1の一方の電極は画素12のリセットレベルの電圧になっており、容量C1の他方の電極は比較回路54のリセットレベルの電圧になっている。また、容量C2の一方の電極は参照信号VRAMPの第1基準レベルの電圧になっており、容量C2の他方の電極は比較回路54のリセットレベルの電圧になっている。比較回路54の閾値電圧は、画素12のリセットレベルの電圧と参照信号VRAMPの第1基準レベルの電圧との間の電位差に相当する電圧にリセットされる。
なお、比較回路54の閾値電圧とは、比較回路54から出力される比較信号のレベルが変化するときの、画素信号の信号レベルと参照信号の信号レベルとの差に相当する電圧である。すなわち、比較回路54は、画素信号の信号レベルと参照信号の信号レベルとの差が閾値電圧よりも小さい場合と大きい場合とにおいて、異なるレベルを示す比較信号を出力する。
続く時刻t1において、制御回路90は、制御信号AZ1をローレベルに制御する。これにより、列回路42AのスイッチSW1,SW2がオフになり、容量C1には画素12のリセットレベルがクランプされ、容量C2には参照信号VRAMPの第1基準レベルがクランプされる。
続く時刻t2において、参照信号生成回路48Aは、参照信号VRAMPを、第1基準レベルから、第1基準レベルよりも高い第2基準レベルへと変化させる。これにより、信号rmp1のレベルも、第1基準レベルと第2基準レベルとの電圧差分、増加する。
続く時刻t4において、参照信号生成回路48Aは、参照信号VRAMPを基準電圧から所定のスタート電圧まで増加する。そして、参照信号生成回路48Aは、続く時刻t5から、時間の経過とともに参照信号VRAMPの電圧を時間の経過とともに変化するスロープ動作を開始する。また、カウンタ回路58Aは、スロープ動作の開始と同時にカウントアップを開始し、カウント値を示すカウント信号COUNTを列回路42Aにカウント信号線60を介して出力する。
列回路42Aの比較回路54は、容量C1を介して入力される電圧VOUTA(信号vouta)のレベルと容量C2を介して入力される参照信号VRAMP(信号ramp1)のレベルとの比較動作を行う。そして、比較回路54の出力信号のレベルは、信号rmp1のレベルと信号voutaのレベルとの大小関係が変化したタイミング、例えば図10における時刻t7において反転する。
列回路42Aのメモリ62Wは、比較回路54の出力信号のレベルが反転したタイミングにカウンタ回路58Aから出力されているカウント信号COUNTが示すカウント値を、画素12のリセットレベルの画素信号のデジタルデータとして保持する。このようにして、画素12のリセットレベルの画素信号に対するAD変換が行われる。メモリ62Wに保持されたデジタルデータは、メモリ62Rに転送された後、水平走査回路70Aからの制御信号に応じて出力回路80Aに転送される。
続く時刻t8において、参照信号生成回路48Aは、参照信号VRAMPを第1基準レベルにリセットする。
続く時刻t9から時刻t10の期間において、垂直走査回路30は、読み出し対象の行の制御信号PTXをハイレベルに制御する。これにより、当該行に属する画素12の転送トランジスタM1がオンになり、所定の露光期間の間に光電変換素子PDに蓄積された電荷がノードFDに転送される。これにより、ノードFDの電圧は光電変換素子PDから転送された電荷の量に応じて低下し、垂直出力線20Aの電圧VOUTAも低下する。垂直出力線20Aには、ノードFDの電圧に応じた電圧VOUTA(画素12の光信号レベルの画素信号)が出力される。
続く時刻t11において、参照信号生成回路48Aは、参照信号VRAMPを基準電圧から所定のスタート電圧まで増加する。そして、参照信号生成回路48Aは、続く時刻t12において、参照信号VRAMPの電圧を時間の経過と共に変化するスロープ動作を開始する。また、カウンタ回路58Aは、スロープ動作の開始と同時にカウントアップを開始し、カウント値を示すカウント信号COUNTを各列の列回路42Aにカウント信号線60を介して出力する。
列回路42Aの比較回路54は、容量C1を介して入力される電圧VOUTA(信号vouta)のレベルと容量C2を介して入力される参照信号VRAMP(信号rmp1)のレベルとの比較動作を行う。そして、比較回路54の出力信号のレベルは、信号rmp1のレベルと信号voutaのレベルとの大小関係が変化したタイミング、例えば図10における時刻t14において反転する。
列回路42Aのメモリ62Wは、比較回路54の出力信号のレベルが反転したタイミングにカウンタ回路58Aから出力されているカウント信号COUNTが示すカウント値を、画素12の光信号レベルの画素信号のデジタルデータとして保持する。このようにして、画素12の光信号レベルの画素信号に対するAD変換が行われる。メモリ62Wに保持されたデジタルデータは、メモリ62Rに転送された後、水平走査回路70Aからの制御信号に応じて出力回路80Aに転送される。
このようにして取得された画素信号のデジタルデータに対しては、後段の出力回路80AにおいてデジタルCDSによる補正処理が施される。デジタルCDSによる補正処理では、光信号レベルの画素信号のデジタルデータからリセットレベルの画素信号のデジタルデータを差し引き、光信号レベルの画素信号に重畳するノイズ成分を除去する。
次に、画素16から垂直出力線20Aに出力される信号(電圧VOUTC)のAD変換動作について、電圧VOUTAのAD変換動作との違いを説明する。
列回路42Cにおいては、参照信号VRAMPが第2基準レベルに設定された時刻t2よりも後の時刻t3において、制御信号AZ2がローレベルに制御される。つまり、列回路42Cにおいては、スイッチSW1,SW2がオフになる時刻t3において、容量C1には画素16のリセットレベルがクランプされ、容量C2には参照信号VRAMPの第2基準レベルがクランプされることになる。この動作により、画素16のリセットレベルの画素信号に対するAD変換時において、信号rmp2のレベルと信号voutcのレベルとの大小関係は、時刻t7よりも早い時刻t6において反転することになる。また、画素16の光信号レベルの画素信号に対するAD変換時において、信号rmp2のレベルと信号voutcのレベルとの大小関係は、時刻t14よりも早い時刻t13において反転することになる。
このように、本実施形態においては、列回路42A,42Bの比較回路54に供給されるクランプ制御信号(制御信号AZ1)と列回路42Cの比較回路54に供給されるクランプ制御信号(制御信号AZ2)とを別々の制御信号としている。そして、制御信号AZ1,AZ2を適宜制御することにより、列回路42Cの比較回路54の出力信号を列回路42Aの比較回路54の出力信号よりも早いタイミングで反転させるように構成している。したがって、本実施形態によれば、列回路42A,42Bの比較回路54の反転動作に起因する電源変動などが列回路42Cの比較回路54の反転動作に与える影響を低減し、列回路42CにおけるAD変換精度の劣化を抑制することが可能となる。これにより、画素16の出力信号をより高精度でAD変換することが可能となり、より高精度の横筋ノイズ補正を行うことができる。
このように、本実施形態によれば、遮光画素の信号を用いてノイズ成分の補正を行う機能を備えた光電変換装置において、補正精度を向上し、良質の画像を取得することができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による光電変換装置及びその駆動方法について、図11乃至図14を用いて説明する。第1乃至第3実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図11は、本実施形態による光電変換装置における列回路の構成例を示す回路図である。図12は、本実施形態による光電変換装置における切り替え部の構成例を示す回路図である。図13は、本実施形態による光電変換装置の駆動方法を示すタイミング図である。図14は、本実施形態の変形例による光電変換装置における列回路の構成例を示す回路図である。
本実施形態による光電変換装置は、列回路42A,42B,42Cの構成が異なるほかは、第1乃至第3実施形態による光電変換装置と同様である。本実施形態では、第2実施形態の光電変換装置と異なる点を中心に説明し、第2実施形態の光電変換装置と同様の部分については適宜説明を省略する。
本実施形態による光電変換装置の列回路42A,42B,42Cの各々は、図11に示すように、電流源44と、比較回路54と、メモリ62W,62Rとに加え、スイッチSW3,SW4と、切り替え部64と、判定結果保持部66と、を更に有している。
参照信号生成回路48Aから参照信号VRAMPLが出力される参照信号線50Lは、スイッチSW3を介して比較回路54の非反転入力ノードに接続されている。参照信号生成回路48Aから参照信号VRAMPHが出力される参照信号線50Hは、スイッチSW4を介して比較回路54の非反転入力ノードに接続されている。切り替え部64は、制御線68に接続されている。判定結果保持部66は、比較回路54の出力ノードと、切り替え部64と、メモリ62Wと、に接続されている。
切り替え部64は、制御回路90から制御線68を介して出力される制御信号mux又は制御信号mux’により制御される。列回路42A,42BのスイッチSW3は、切り替え部64から出力される制御信号Lにより制御される。列回路42A,42BのスイッチSW4は、切り替え部64から出力される制御信号Hにより制御される。列回路42CのスイッチSW3は、切り替え部64から出力される制御信号L’により制御される。列回路42CのスイッチSW4は、切り替え部64から出力される制御信号H’により制御される。
切り替え部64は、例えば図12に示すように、2入力NOR回路LC1と、NOT回路LC2と、により構成され得る。NOR回路LC1の出力ノードは、NOT回路LC2の入力ノードに接続されている。列回路42A,42Bの切り替え部64のNOR回路LC1には、制御回路90からの制御信号muxと、判定結果保持部66からの判定信号jdgと、が入力される。NOT回路LC2には、NOR回路LC1の出力信号が入力される。NOR回路LC1の出力信号が制御信号Lとなり、NOT回路LC2の出力信号が制御信号Hとなる。すなわち、列回路42A,42Bの切り替え部64は、制御信号mux及び判定信号jdgに応じた制御信号L,Hを出力する。また、列回路42Cの切り替え部64のNOR回路LC1には、制御回路90からの制御信号mux’と、判定結果保持部66からの判定信号jdg’と、が入力される。NOT回路LC2には、NOR回路LC1の出力信号が入力される。NOR回路LC1の出力信号が制御信号L’となり、NOT回路LC2の出力信号が制御信号H’となる。すなわち、列回路42Cの切り替え部64は、制御信号mux’及び判定信号jdg’に応じた制御信号L’,H’を出力する。
次に、本実施形態による光電変換装置の動作について、図13を用いてより具体的に説明する。図13のタイミング図には、制御信号PTX,PRES、参照信号VRAMPH,VRAMPL、制御信号mux,mux’,L,H,L’,H’、判定信号jdg,jdg’、信号rmp,rmp’,電圧VOUTA,VOUTCの波形を示している。ここで、信号rmpは列回路42Aの比較回路54の非反転入力ノードに入力される信号を示し、信号rmp’は列回路42Cの比較回路54の非反転入力ノードに入力される信号を示している。また、電圧VOUTAは画素12に接続される垂直出力線20Aの電圧を示し、電圧VOUTCは画素16に接続される垂直出力線20Aの電圧を示している。
まず、画素12から垂直出力線20Aに出力される信号(電圧VOUTA)のAD変換動作について説明する。なお、画素14から垂直出力線20Aに出力される信号(電圧VOUTB)のAD変換動作は、画素12から垂直出力線20Aに出力される信号(電圧VOUTA)のAD変換動作と同じである。
時刻t0の直前において、読み出し対象の行の制御信号PSEL(図示せず)はハイレベルであるものとする。これにより、当該行に属する画素12の選択トランジスタM4はオンになっており、これら画素12の各々は対応する列の垂直出力線20Aに画素信号を出力できる状態である。また、時刻t0の直前において、読み出し対象の行の制御信号PTX,PRESはローレベルであり、参照信号VRAMPH,VRAMPLは所定の基準電圧であるものとする。
また、時刻t0の直前において、制御信号mux及び判定信号jdgはローレベルであるものとする。つまり、列回路42Aの切り替え部64は、ローレベルの制御信号mux及びローレベルの判定信号jdgの入力に応じて、ハイレベルの制御信号L及びローレベルの制御信号Hを出力している。そして、列回路42AのスイッチSW3はハイレベルの制御信号Lを受けてオンになっており、列回路42AのスイッチSW4はローレベルの制御信号Hを受けてオフになっている。
時刻t0から時刻t1の期間において、垂直走査回路30は、読み出し対象の行の制御信号PRESをハイレベルに制御する。これにより、当該行に属する画素12のリセットトランジスタM2がオンになり、ノードFDが電圧VDDに応じた電圧にリセットされる。画素12に接続される垂直出力線20Aには、ノードFDのリセット電圧に応じた電圧VOUTA(画素12のリセットレベルの画素信号)が出力される。
続く時刻t2において、参照信号生成回路48Aは、参照信号VRAMPH,VRAMPLの電圧を時間の経過と共に変化するスロープ動作を開始する。この際、列回路42AではスイッチSW3がオンでスイッチSW4がオフであることから、列回路42Aの比較回路54の非反転入力ノードには、これら参照信号のうち参照信号VRAMPLが入力される。図13には、列回路42Aの比較回路54の非反転入力ノードに入力されるこの信号を、信号rmpとして示している。また、カウンタ回路58Aは、スロープ動作の開始と同時にカウントアップを開始し、カウント値を示すカウント信号COUNTを各列の列回路42Aにカウント信号線60を介して出力する。
列回路42Aの比較回路54は、電圧VOUTAのレベルと信号rmp(参照信号VRAMPL)のレベルとの比較動作を行う。そして、比較回路54の出力信号のレベルは、電圧VOUTAのレベルと信号rmpのレベルとの大小関係が変化したタイミング、例えば図13における時刻t3において、例えばハイレベルからローレベルに反転する。
列回路42Aのメモリ62Wは、比較回路54の出力信号のレベルが反転したタイミングにカウンタ回路58Aから出力されているカウント信号COUNTが示すカウント値を、画素12のリセットレベルの画素信号のデジタルデータとして保持する。このようにして、画素12のリセットレベルの画素信号に対するAD変換が行われる。メモリ62Wに保持されたデジタルデータは、メモリ62Rに転送された後、水平走査回路70Aからの制御信号に応じて出力回路80Aに転送される。
続く時刻t4において、参照信号生成回路48Aは、参照信号VRAMPH,VRAMPLを、輝度値判定の基準となる所定のレベルへと遷移させる。すなわち、垂直出力線20Aの信号レベルが参照信号VRAMPH,VRAMPLに設定する当該信号レベルを下回った場合には、被写体が低輝度であると判定されることになる。
続く時刻t5から時刻t6の期間において、垂直走査回路30は、読み出し対象の行の制御信号PTXをハイレベルに制御する。これにより、当該行に属する画素12の転送トランジスタM1がオンになり、所定の露光期間の間に光電変換素子PDに蓄積された電荷がノードFDに転送される。これにより、ノードFDの電圧は光電変換素子PDから転送された電荷の量に応じて低下し、垂直出力線20Aの電圧VOUTAも低下する。垂直出力線20Aには、ノードFDの電圧に応じた電圧VOUTA(画素12の光信号レベルの画素信号)が出力される。
ノードFDに信号電荷を転送することにより垂直出力線20Aの信号レベルが信号rmp(参照信号VRAMPL)のレベルを下回った場合、つまり被写体がダークや低輝度ではない場合、比較回路54の出力信号のレベルがローレベルからハイレベルに反転する。判定結果保持部66は、比較回路54からの出力信号を保持し、続く時刻t7において、保持結果を判定信号jdgに反映させる。すなわち、時刻t7において、判定信号jdgのレベルは、ローレベルからハイレベルに遷移する。列回路42Aの切り替え部64は、ローレベルの制御信号mux及びハイレベルの判定信号jdgの入力に応じて、ローレベルの制御信号L及びハイレベルの制御信号Hを出力する。そして、列回路42AのスイッチSW3はローレベルの制御信号Lを受けてオフになり、列回路42AのスイッチSW4はハイレベルの制御信号Hを受けてオンになる。つまり、比較回路54の非反転入力ノードに供給される信号rmpは、参照信号VRAMPLから参照信号VRAMPHに切り替わる。
なお、ノードFDに信号電荷を転送しても垂直出力線20Aの信号レベルと信号rmp(参照信号VRAMPL)のレベルとの関係が変化しない場合、つまり被写体がダークや低輝度の場合には、比較回路54の出力信号のレベルはローレベルのままである。判定結果保持部66は、比較回路54からの出力信号を保持し、続く時刻t7において、保持結果を判定信号jdgに反映させるが、比較回路54の出力信号のレベルはローレベルであるため判定信号jdgはローレベルのまま変化しない。したがって、列回路42AのスイッチSW3はオン、列回路42AのスイッチSW4はオフのままであり、比較回路54の非反転入力ノードに供給される信号rmpは参照信号VRAMPLのまま変化しない。なお、図13には、被写体がダークや低輝度の場合における判定信号jdg、制御信号H,L及び信号rmpの波形を一点鎖線で示している。
同じく時刻t7において、参照信号生成回路48Aは、参照信号VRAMPH,VRAMPLを所定の基準電圧にリセットする。
続く時刻t8において、参照信号生成回路48Aは、参照信号VRAMPH,VRAMPLの電圧を時間の経過と共に変化するスロープ動作を開始する。この際、列回路42AではスイッチSW3がオフでスイッチSW4がオンであることから、列回路42Aの比較回路54の非反転入力ノードに入力される信号rmpは、これら参照信号のうち参照信号VRAMPHとなる。カウンタ回路58Aは、スロープ動作の開始と同時にカウントアップを開始し、カウント値を示すカウント信号COUNTを各列の列回路42Aにカウント信号線60を介して出力する。
列回路42Aの比較回路54は、電圧VOUTAのレベルと信号rmp(参照信号VRAMPH)のレベルとの比較動作を行う。そして、比較回路54の出力信号のレベルは、電圧VOUTAのレベルと信号rmpのレベルとの大小関係が変化したタイミング、例えば図13における時刻t10において、例えばハイレベルからローレベルに反転する。
列回路42Aのメモリ62Wは、比較回路54の出力信号のレベルが反転したタイミングにカウンタ回路58Aから出力されているカウント信号COUNTが示すカウント値を、画素12の光信号レベルの画素信号のデジタルデータとして保持する。このようにして、画素12の光信号レベルの画素信号に対するAD変換が行われる。また、列回路42Aのメモリ62Wは、判定結果保持部66が保持するデータ(判定信号jdg)を輝度判定データとして保持する。メモリ62Wに保持されたデジタルデータ及び輝度判定データは、メモリ62Rに転送された後、水平走査回路70Aからの制御信号に応じて出力回路80Aに転送される。
このようにして取得された画素信号のデジタルデータに対しては、後段の出力回路80AにおいてデジタルCDSによる補正処理が施される。デジタルCDSによる補正処理では、光信号レベルの画素信号のデジタルデータからリセットレベルの画素信号のデジタルデータを差し引き、光信号レベルの画素信号に重畳するノイズ成分を除去する。
この際、光信号レベルのAD変換に用いた参照信号VRAMPHは、リセットレベルのAD変換に用いた参照信号VRAMPLと比較してスロープの傾きが大きいため、傾きの比の分だけAD変換結果が小さくなる。そこで、デジタルCDS処理では、光信号レベルのデジタルデータに対して傾きの比に応じたデジタルゲインをかけた後に、リセットレベルのデジタルデータを差し引く処理を行う。なお、被写体がダークや低輝度の場合は光信号レベルのAD変換にも参照信号VRAMPLが用いられるため、光信号レベルのデジタルデータに対してデジタルゲインをかけずにそのままデジタルCDS処理を行う。
光信号レベルのデジタルデータに対するデジタルゲイン処理は、画素信号のデジタルデータとともに出力回路80Aに転送される輝度判定データに基づいて行うことができる。すなわち、輝度判定データが判定信号jdgのハイレベルに対応する値(例えば‘1’)を有する場合には、光信号レベルのデジタルデータに対してデジタルゲイン処理を行う。輝度判定データが判定信号jdgのローレベルに対応する値(例えば‘0’)を有する場合には、光信号レベルのデジタルデータに対するデジタルゲイン処理は行わない。
このように、本実施形態による光電変換装置は、被写体の輝度に応じてAD変換に使用する参照信号を切り替え可能に構成している。これにより、被写体が低輝度の場合には傾きが小さい参照信号を用いて高精度のAD変換を行うことができ、被写体が高輝度の場合には傾きの大きい参照信号を用いて高速にAD変換を行うことができる。
次に、画素16から垂直出力線20Aに出力される信号(電圧VOUTC)のAD変換動作について、電圧VOUTAのAD変換動作との違いを説明する。
列回路42Cにおいては、制御信号mux,L,H及び判定信号jdgの代わりに制御信号mux’,L’,H’及び判定信号jdg’が用いられる。時刻t0の直前において、制御信号mux’及び判定信号jdg’はローレベルであるものとする。列回路42Cの切り替え部64は、ローレベルの制御信号mux’及びローレベルの判定信号jdg’の入力に応じて、ハイレベルの制御信号L’及びローレベルの制御信号H’を出力している。そして、列回路42CのスイッチSW3はハイレベルの制御信号L’を受けてオンになっており、列回路42CのスイッチSW4はローレベルの制御信号H’を受けてオフになっている。
列回路42Cにおける時刻t7までの動作は、制御信号mux,L,H及び判定信号jdgの代わりに制御信号mux’,L’,H’及び判定信号jdg’が用いられるほかは、基本的に列回路42Aにおける動作と同様である。ただし、画素16は光電変換部を含まない遮光された画素であるため、時刻t5から時刻t6の期間において転送トランジスタがオンになっても電圧VOUTCのレベルは変化せず、比較回路54の出力信号もローレベルのまま維持される。したがって、列回路42CのスイッチSW3はオン、列回路42CのスイッチSW4はオフのままであり、比較回路54の非反転入力ノードに供給される信号rmp’は参照信号VRAMPLのまま変化しない。
続く時刻t7において、制御回路90は、制御信号mux’をローレベルからハイレベルに制御する。これにより、列回路42Cの切り替え部64は、判定信号jdg’のレベルによらず、常にローレベルの制御信号L’及びハイレベルの制御信号H’を出力する。そして、列回路42CのスイッチSW3はローレベルの制御信号L’を受けてオンになり、列回路42CのスイッチSW4はハイレベルの制御信号H’を受けてオンになる。つまり、列回路42Cにおける光信号レベルの画素信号のAD変換は、常に参照信号RAMPHを用いて行われることになる。これにより、列回路42Cからは、被写体が高輝度の場合に画素12の画素信号のAD変換結果を補正するためのデータを取得することができる。
前述のように、被写体が高輝度の場合、列回路42Aにおけるリセットレベルの画素信号のAD変換には参照信号VRAMPLが用いられ、列回路42Aにおける光信号レベルの画素信号のAD変換には参照信号VRAMPHが用いられる。しかしながら、参照信号VRAMPLを用いる場合と参照信号VRAMPHを用いる場合とでは、反転遅延に要する時間、すなわち比較回路54への2つの入力信号のレベルが等しくなってから出力信号のレベルが反転するまでの時間が異なる。また、この時間差は、参照信号VRAMPLのスロープの傾きと参照信号VRAMPHのスロープの傾きとの比とは比例関係にならない。そのため、光信号レベルのデジタルデータに対してデジタルゲインをかけた後にリセットレベルのデジタルデータを差し引くデジタルCDS処理では、光信号レベルのデジタルデータに重畳するノイズ成分を完全に除去することができない。その結果、デジタルCDS処理後のデータに補正残りが生じ、画質が劣化する虞がある。
そこで、本実施形態においては、列回路42Cにおける光信号レベルの画素信号のAD変換を、列回路42Aにおいて被写体が高輝度の場合に用いるAD変換条件と同様の条件で常に行う。そして、列回路42Cにより取得したデジタルデータに対しても、列回路42Aにより取得したデジタルデータと同様、光信号レベルのデジタルデータに対してデジタルゲインをかけた後にリセットレベルのデジタルデータを差し引くデジタルCDS処理を行う。これにより、列回路42Aにより取得したデジタルデータのデジタルCDS処理後に生じる補正残りに相当するノイズ成分を、列回路42Cにより取得したデジタルデータから取得することができる。したがって、列回路42Aにより取得したデータのデジタルCDS処理後のデータから列回路42Cより取得したデータのデジタルCDS処理後のデータを差し引くことで、補正残りを低減したデータを取得することができる。
なお、図11の構成例では、列回路42Aの切り替え部64の制御信号muxと列回路42Cの切り替え部64の制御信号mux’とを個別に設けることで列回路42CにおけるAD変換ゲインと列回路42AにおけるAD変換ゲインとを独立して制御している。しかしながら、列回路42CにおけるAD変換ゲインを列回路42AにおけるAD変換ゲインから独立して制御する方法はこれに限定されるものではない。例えば、制御線68を設ける代わりに列回路42A,42Bの切り替え部64の制御線と列回路42Cの切り替え部64の制御線とを個別に設け、これらを独立して制御するように構成してもよい。
また、例えば図14に示す構成例のように、列回路42A,42B,42Cの各々にバッファ回路74,76を設け、バッファ回路74,76を介して参照信号VRAMPL,VRAMPHを比較回路54に入力するように構成してもよい。列回路42A,42B,42Cをこのように構成することで、列回路42A,42B,42Cにおける参照信号の選択状態に応じて参照信号線50L,50Hの負荷容量が変動するのを抑制し、画質を向上することができる。
このように、本実施形態によれば、遮光画素の信号を用いてノイズ成分の補正を行う機能を備えた光電変換装置において、補正精度を向上し、良質の画像を取得することができる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態による光電変換装置及びその駆動方法について、図15を用いて説明する。第1乃至第4実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図15は、本実施形態による光電変換装置における列回路の構成例を示す回路図である。
第4実施形態では被写体の輝度に応じて光信号レベルの画素信号のAD変換時におけるAD変換ゲインを選択する構成を示したが、被写体の輝度に応じて増幅回路のゲインを選択する構成とすることもできる。本実施形態では、被写体の輝度に応じて増幅回路のゲインを選択する場合の構成例を説明する。
本実施形態による光電変換装置は、列回路42A,42B,42Cの構成が異なるほかは、第1実施形態による光電変換装置と同様である。本実施形態では、第1実施形態の光電変換装置と異なる点を中心に説明し、第1実施形態の光電変換装置と同様の部分については適宜説明を省略する。
本実施形態による光電変換装置の列回路42A,42B,42Cの各々は、図15に示すように、電流源44と、比較回路54と、メモリ62W,62Rとに加え、増幅器78と、容量C0,Cvと、判定部82と、を含む増幅回路を更に有している。
各列の垂直出力線20Aは、対応する列回路42の電流源44と容量C0の一方の電極とに接続されている。容量C0の他方の電極は、増幅器78の入力ノードに接続されている。増幅器78の出力ノードは、比較回路54の反転入力ノードと、判定部82と、に接続されている。増幅器78の入力ノードと出力ノードとの間には、容量Cvが接続されている。容量Cvは、判定部82から出力される信号に応じて容量値を変更可能に構成された可変容量回路である。容量Cvは、判定部82からの信号に応じて、少なくとも、第1の容量値と、第1の容量値よりも大きい第2の容量値と、を取り得る。増幅回路のゲインは容量C0の容量値と容量Cvの容量値との比(C0/Cv)で表されるため、容量Cvの容量値を切り替えることにより増幅回路のゲインを切り替えることが可能である。列回路42A,42Bの判定部82には、制御回路90から制御線84を介して制御信号gainが入力される。また、列回路42Cの判定部82には、制御回路90から制御線84を介して制御信号gain’が入力される。
判定部82は、垂直出力線20Aの信号レベルに応じて増幅回路のゲインを制御する機能を備える。より具体的には、判定部82は、光電変換素子PDが保持する電荷をノードFDに転送した際の垂直出力線20Aの信号レベルの変化量が所定値を超えたか否かを判定する。そして、当該判定結果と制御信号gain又は制御信号gain’とに応じて、容量Cvの容量値を制御する信号を容量Cvに出力する。列回路42A,42Bの判定部82に入力される制御信号gainと列回路42Cの判定部82に入力される制御信号gain’とを分けることで、列回路42A,42Bの増幅回路のゲインと列回路42Cの増幅回路のゲインとを個別に設定することが可能となる。
列回路42A,42B,42Cにおける増幅回路のゲインは、第4実施形態におけるAD変換ゲインと同様に設定することができる。すなわち、光信号レベルの画素信号のAD変換時における列回路42A,42Bの増幅回路のゲインは、被写体の輝度に応じて適宜設定する。具体的には、列回路42A,42Bの判定部82は、垂直出力線20Aの信号レベルの変化量が所定値未満の場合、すなわち被写体がダーク又は低輝度である場合には、容量Cvを第1の容量値に設定し、増幅回路のゲインを第1のゲインに設定する。また、列回路42A,42Bの判定部82は、垂直出力線20Aの信号レベルの変化量が所定値以上の場合、すなわち被写体が高輝度である場合には、容量Cvを第2の容量値に設定し、増幅回路のゲインを第1のゲインよりも低い第2のゲインに設定する。一方、光信号レベルの画素信号のAD変換時における列回路42Cの増幅回路のゲインは、被写体の輝度によらず、容量Cvを第2の容量値に設定し、増幅回路のゲインを第2のゲインに設定する。
増幅回路のゲインをこのように設定することで、第4実施形態の場合と同様、列回路42Aにより取得したデジタルデータのデジタルCDS処理後に生じる補正残りに相当するノイズ成分を、列回路42Cにより取得したデジタルデータから取得することができる。したがって、列回路42Aにより取得したデータのデジタルCDS処理後のデータから列回路42Cより取得したデータのデジタルCDS処理後のデータを差し引くことで、補正残りを低減したデータを取得することができる。
このように、本実施形態によれば、遮光画素の信号を用いてノイズ成分の補正を行う機能を備えた光電変換装置において、補正精度を向上し、良質の画像を取得することができる。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態による撮像システムについて、図16を用いて説明する。図16は、本実施形態による撮像システムの概略構成を示すブロック図である。
上記第1乃至第5実施形態で述べた光電変換装置100は、種々の撮像システムに適用可能である。適用可能な撮像システムの例としては、デジタルスチルカメラ、デジタルカムコーダ、監視カメラ、複写機、ファックス、携帯電話、車載カメラ、観測衛星などが挙げられる。また、レンズなどの光学系と撮像装置とを備えるカメラモジュールも、撮像システムに含まれる。図16には、これらのうちの一例として、デジタルスチルカメラのブロック図を例示している。
図16に例示した撮像システム200は、撮像装置201、被写体の光学像を撮像装置201に結像させるレンズ202、レンズ202を通過する光量を可変にするための絞り204、レンズ202の保護のためのバリア206を有する。レンズ202及び絞り204は、撮像装置201に光を集光する光学系である。撮像装置201は、第1乃至第5実施形態のいずれかで説明した光電変換装置100であって、レンズ202により結像された光学像を画像データに変換する。
撮像システム200は、また、撮像装置201より出力される出力信号の処理を行う信号処理部208を有する。信号処理部208は、撮像装置201が出力するデジタル信号から画像データの生成を行う。また、信号処理部208は必要に応じて各種の補正、圧縮を行って画像データを出力する動作を行う。撮像装置201は、信号処理部208で処理されるデジタル信号を生成するAD変換部を備えうる。AD変換部は、撮像装置201の光電変換部が形成された半導体層(半導体基板)に形成されていてもよいし、撮像装置201の光電変換部が形成された半導体層とは別の半導体基板に形成されていてもよい。また、信号処理部208が撮像装置201と同一の半導体基板に形成されていてもよい。
撮像システム200は、更に、画像データを一時的に記憶するためのメモリ部210、外部コンピュータ等と通信するための外部インターフェース部(外部I/F部)212を有する。更に撮像システム200は、撮像データの記録又は読み出しを行うための半導体メモリ等の記録媒体214、記録媒体214に記録又は読み出しを行うための記録媒体制御インターフェース部(記録媒体制御I/F部)216を有する。なお、記録媒体214は、撮像システム200に内蔵されていてもよく、着脱可能であってもよい。
更に撮像システム200は、各種演算とデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御・演算部218、撮像装置201と信号処理部208に各種タイミング信号を出力するタイミング発生部220を有する。ここで、タイミング信号などは外部から入力されてもよく、撮像システム200は少なくとも撮像装置201と、撮像装置201から出力された出力信号を処理する信号処理部208とを有すればよい。
撮像装置201は、撮像信号を信号処理部208に出力する。信号処理部208は、撮像装置201から出力される撮像信号に対して所定の信号処理を実施し、画像データを出力する。信号処理部208は、撮像信号を用いて、画像を生成する。
このように、本実施形態によれば、第1乃至第5実施形態による光電変換装置100を適用した撮像システムを実現することができる。
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態による撮像システム及び移動体について、図17を用いて説明する。図17は、本実施形態による撮像システム及び移動体の構成を示す図である。
図17(a)は、車載カメラに関する撮像システムの一例を示したものである。撮像システム300は、撮像装置310を有する。撮像装置310は、上記第1乃至第5実施形態のいずれかに記載の光電変換装置100である。撮像システム300は、撮像装置310により取得された複数の画像データに対し、画像処理を行う画像処理部312と、撮像システム300により取得された複数の画像データから視差(視差画像の位相差)の算出を行う視差取得部314を有する。また、撮像システム300は、算出された視差に基づいて対象物までの距離を算出する距離取得部316と、算出された距離に基づいて衝突可能性があるか否かを判定する衝突判定部318と、を有する。ここで、視差取得部314や距離取得部316は、対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段の一例である。すなわち、距離情報とは、視差、デフォーカス量、対象物までの距離等に関する情報である。衝突判定部318はこれらの距離情報のいずれかを用いて、衝突可能性を判定してもよい。距離情報取得手段は、専用に設計されたハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアモジュールによって実現されてもよい。また、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated circuit)等によって実現されてもよいし、これらの組合せによって実現されてもよい。
撮像システム300は車両情報取得装置320と接続されており、車速、ヨーレート、舵角などの車両情報を取得することができる。また、撮像システム300は、衝突判定部318での判定結果に基づいて、車両に対して制動力を発生させる制御信号を出力する制御装置である制御ECU330が接続されている。また、撮像システム300は、衝突判定部318での判定結果に基づいて、ドライバーへ警報を発する警報装置340とも接続されている。例えば、衝突判定部318の判定結果として衝突可能性が高い場合、制御ECU330はブレーキをかける、アクセルを戻す、エンジン出力を抑制するなどして衝突を回避、被害を軽減する車両制御を行う。警報装置340は音等の警報を鳴らす、カーナビゲーションシステムなどの画面に警報情報を表示する、シートベルトやステアリングに振動を与えるなどしてユーザに警告を行う。
本実施形態では、車両の周囲、例えば前方又は後方を撮像システム300で撮像する。図17(b)に、車両前方(撮像範囲350)を撮像する場合の撮像システムを示した。車両情報取得装置320が、撮像システム300ないしは撮像装置310に指示を送る。このような構成により、測距の精度をより向上させることができる。
上記では、他の車両と衝突しないように制御する例を説明したが、他の車両に追従して自動運転する制御や、車線からはみ出さないように自動運転する制御などにも適用可能である。更に、撮像システムは、自車両等の車両に限らず、例えば、船舶、航空機あるいは産業用ロボットなどの移動体(移動装置)に適用することができる。加えて、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)等、広く物体認識を利用する機器に適用することができる。
[第8実施形態]
本発明の第8実施形態による機器について、図18を用いて説明する。図18は、本実施形態による機器の概略構成を示すブロック図である。
図18は、光電変換装置APRを含む機器EQPを示す模式図である。光電変換装置APRは、第1乃至第5実施形態のいずれかの光電変換装置100の機能を備える。光電変換装置APRの全部又は一部が、半導体デバイスICである。本例の光電変換装置APRは、例えば、イメージセンサやAF(Auto Focus)センサ、測光センサ、測距センサとして用いることができる。半導体デバイスICは、光電変換部を含む画素回路PXCが行列状に配列された画素エリアPXを有する。半導体デバイスICは画素エリアPXの周囲に周辺エリアPRを有することができる。周辺エリアPRには画素回路以外の回路を配置することができる。
光電変換装置APRは、複数の光電変換部が設けられた第1半導体チップと、周辺回路が設けられた第2半導体チップとを積層した構造(チップ積層構造)を有していてもよい。第2半導体チップにおける周辺回路は、ぞれぞれ、第1半導体チップの画素列に対応した列回路とすることができる。また、第2半導体チップにおける周辺回路は、それぞれ、第1半導体チップの画素あるいは画素ブロックに対応したマトリクス回路とすることもできる。第1半導体チップと第2半導体チップとの接続は、貫通電極(TSV)、銅等の導電体の直接接合によるチップ間配線、チップ間のマイクロバンプによる接続、ワイヤボンディングによる接続などを採用することができる。
光電変換装置APRは、半導体デバイスICの他に、半導体デバイスICを収容するパッケージPKGを含みうる。パッケージPKGは、半導体デバイスICが固定された基体と、半導体デバイスICに対向するガラス等の蓋体と、基体に設けられた端子と半導体デバイスICに設けられた端子とを接続するボンディングワイヤやバンプ等の接続部材と、を含みうる。
機器EQPは、光学装置OPT、制御装置CTRL、処理装置PRCS、表示装置DSPL、記憶装置MMRY及び機械装置MCHNのうちの少なくともいずれかを更に備えうる。光学装置OPTは、光電変換装置としての光電変換装置APRに対応するものであり、例えばレンズやシャッター、ミラーである。制御装置CTRLは、光電変換装置APRを制御するものであり、例えばASICなどの半導体デバイスである。処理装置PRCSは、光電変換装置APRから出力された信号を処理するものであり、AFE(アナログフロントエンド)あるいはDFE(デジタルフロントエンド)を構成する。処理装置PRCSは、CPU(中央処理装置)やASIC(特定用途向け集積回路)などの半導体デバイスである。表示装置DSPLは、光電変換装置APRで得られた情報(画像)を表示する、EL表示装置や液晶表示装置である。記憶装置MMRYは、光電変換装置APRで得られた情報(画像)を記憶する、磁気デバイスや半導体デバイスである。記憶装置MMRYは、SRAMやDRAMなどの揮発性メモリ、或いは、フラッシュメモリやハードディスクドライブなどの不揮発性メモリである。機械装置MCHNは、モーターやエンジン等の可動部あるいは推進部を有する。機器EQPでは、光電変換装置APRから出力された信号を表示装置DSPLに表示したり、機器EQPが備える通信装置(不図示)によって外部に送信したりする。そのために、機器EQPは、光電変換装置APRが有する記憶回路部や演算回路部とは別に、記憶装置MMRYや処理装置PRCSを更に備えることが好ましい。
図18に示した機器EQPは、撮影機能を有する情報端末(例えばスマートフォンやウエアラブル端末)やカメラ(例えばレンズ交換式カメラ、コンパクトカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ)などの電子機器でありうる。カメラにおける機械装置MCHNはズーミングや合焦、シャッター動作のために光学装置OPTの部品を駆動することができる。また、機器EQPは、車両や船舶、飛行体などの輸送機器(移動体)でありうる。また、機器EQPは、内視鏡やCTスキャナーなどの医療機器でありうる。また、機器EQPは、内視鏡やCTスキャナーなどの医療機器でありうる。
輸送機器における機械装置MCHNは移動装置として用いられうる。輸送機器としての機器EQPは、光電変換装置APRを輸送するものや、撮影機能により運転(操縦)の補助及び/又は自動化を行うものに好適である。運転(操縦)の補助及び/又は自動化のための処理装置PRCSは、光電変換装置APRで得られた情報に基づいて移動装置としての機械装置MCHNを操作するための処理を行うことができる。
本実施形態による光電変換装置APRは、その設計者、製造者、販売者、購入者及び/又は使用者に、高い価値を提供することができる。そのため、光電変換装置APRを機器EQPに搭載すれば、機器EQPの価値も高めることができる。よって、機器EQPの製造、販売を行う上で、本実施形態の光電変換装置APRの機器EQPへの搭載を決定することは、機器EQPの価値を高める上で有利である。
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態に追加した例や、他の実施形態の一部の構成と置換した例も、本発明の実施形態である。
また、上記第2乃至第5実施形態では、列回路42Aと列回路42Bとを同じ制御線を介して供給される制御信号によって制御したが、第1実施形態と同様、列回路42Aと列回路42Bとを別の制御線を介して供給される制御信号によって個別に制御してもよい。
また、上記第1乃至第5実施形態では、画素アレイ部10の各列に1本ずつ垂直出力線20を設ける場合を示したが、画素アレイ部10の各列に設ける垂直出力線20の本数は1本に限定されるものではなく、2本以上であってもよい。
また、図2及び図3に示した画素12,14,16の回路構成は一例であり、適宜変更が可能である。例えば、各々の画素12,14が2つ以上の光電変換素子を備えていてもよい。この場合、複数の光電変換素子が1つのFDノードを共有する構成としてもよい。また、複数の光電変換素子が1つのマイクロレンズを共有する瞳分割画素とし、位相差を検出可能な構成としてもよい。また、画素12,14,16は、必ずしも選択トランジスタM4を有する必要はない。また、ノードFDの容量値が切り替え可能に構成されていてもよい。
また、上記第6及び第7実施形態に示した撮像システムは、本発明の光電変換装置を適用しうる撮像システム例を示したものであり、本発明の光電変換装置を適用可能な撮像システムは図16及び図17に示した構成に限定されるものではない。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
なお、上記実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
上記実施形態の開示は、以下の構成及び方法を含む。
(構成1)
複数の列をなすように配された複数の画素を有する画素アレイ部と、
前記複数の列の各々に対応して設けられ、対応する列の画素から出力される画素信号が各々に入力される複数の列回路と、
前記複数の列回路に信号を供給する複数の信号線と、を有し、
前記画素アレイ部は、
光電変換部を有する画素が配されており光が入射する第1領域と、
光電変換部を有しない画素が配されており遮光されている第2領域と、を有し、
前記第1領域及び前記第2領域は、列によって規定されており、
前記複数の信号線は、
前記第1領域の列に対応する列回路の各々に接続されており、前記第2領域の列に対応する列回路には接続されていない第1信号線と、
前記第2領域の列に対応する列回路の各々に接続されており、前記第1領域の列に対応する列回路には接続されていない第2信号線と、を有する
ことを特徴とする光電変換装置。
(構成2)
光電変換部を有する画素が配されており遮光されている第3領域を更に有し、
前記複数の信号線は、前記第3領域の列に対応する列回路の各々に接続されており、前記第1領域の列に対応する前記列回路及び前記第2領域の列に対応する前記列回路には接続されていない第3信号線を更に有する
ことを特徴とする構成1記載の光電変換装置。
(構成3)
光電変換部を有する画素が配されており遮光されている第3領域を更に有し、
前記第1信号線は、前記第3領域の列に対応する列回路の各々に接続されている
ことを特徴とする構成1記載の光電変換装置。
(構成4)
複数の列をなすように配された複数の画素を有する画素アレイ部と、
前記複数の列の各々に対応して設けられ、対応する列の画素から出力される画素信号が各々に入力される複数の列回路と、
前記複数の列回路に信号を供給する複数の信号線と、を有し、
前記画素アレイ部は、
光電変換部を有する画素が配されており光が入射する第1領域と、
光電変換部を有しない画素が配されており遮光されている第2領域と、
光電変換部を有する画素が配されており遮光されている第3領域と、
光電変換部を有しない画素が配されており遮光されている第3領域と、を有し、
前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域は、列によって規定されており、
前記複数の信号線は、
前記第3領域の列に対応する列回路の各々に接続されており、前記第2領域の列に対応する列回路には接続されていない第1信号線と、
前記第2領域の列に対応する列回路の各々に接続されており、前記第3領域の列に対応する列回路には接続されていない第2信号線と、を有する
ことを特徴とする光電変換装置。
(構成5)
前記複数の列回路の各々は、前記画素信号と参照信号とを比較する比較回路を有し、
前記第1信号線及び前記第2信号線の各々は、前記比較回路に接続された信号線である
ことを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載の光電変換装置。
(構成6)
前記第1信号線及び前記第2信号線は、前記比較回路の消費電流を制御する制御信号を供給する信号線である
ことを特徴とする構成5記載の光電変換装置。
(構成7)
前記第1信号線及び前記第2信号線は、前記比較回路のリセット動作を制御する制御信号を供給する信号線である
ことを特徴とする構成5記載の光電変換装置。
(構成8)
前記第1信号線は、前記比較回路に第1参照信号を供給する信号線であり、
前記第2信号線は、前記比較回路に前記第1参照信号と異なる第2参照信号を供給する信号線である
ことを特徴とする構成5記載の光電変換装置。
(構成9)
前記第1参照信号の振幅と前記第2参照信号の振幅とが異なっている
ことを特徴とする構成8記載の光電変換装置。
(構成10)
前記複数の列回路の各々は、前記画素信号と参照信号とを比較する比較回路と、前記比較回路に入力される前記参照信号を切り替える切り替え部と、を有し、
前記第1信号線及び前記第2信号線は、前記切り替え部を制御する制御信号を供給する信号線である
ことを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載の光電変換装置。
(構成11)
前記複数の列回路の各々は、前記参照信号が供給される信号線と前記比較回路との間に接続されたバッファ回路を更に有する
ことを特徴とする構成10記載の光電変換装置。
(構成12)
前記複数の列回路の各々は、前記画素信号を増幅する増幅回路を有し、
前記第1信号線及び前記第2信号線は、前記増幅回路のゲインを制御する制御信号を供給する信号線である
ことを特徴とする構成1乃至11のいずれかに記載の光電変換装置。
(方法1)
構成10記載の光電変換装置の駆動方法であって、
リセットレベルの前記画素信号をAD変換する際に、前記第1領域の列に対応する前記列回路の前記切り替え部に前記第1信号線を介して第1参照信号を選択する制御信号を出力し、前記第2領域の列に対応する前記列回路の前記切り替え部に前記第2信号線を介して前記第1参照信号を選択する制御信号を出力し、
光信号レベルの前記画素信号をAD変換する際に、
被写体が低輝度である場合には、前記第1領域の列に対応する前記列回路の前記切り替え部に前記第1信号線を介して前記第1参照信号を選択する制御信号を出力し、前記第2領域の列に対応する前記列回路の前記切り替え部に前記第2信号線を介して前記第1参照信号よりも振幅の大きい第2参照信号を選択する制御信号を出力し、
被写体が高輝度である場合には、前記第1領域の列に対応する前記列回路の前記切り替え部に前記第1信号線を介して前記第2参照信号を選択する制御信号を出力し、前記第2領域の列に対応する前記列回路の前記切り替え部に前記第2信号線を介して前記第2参照信号を選択する制御信号を出力する
ことを特徴とする光電変換装置の駆動方法。
(構成13)
構成1乃至12のいずれかに記載の光電変換装置と、
前記光電変換装置から出力される信号を処理する信号処理装置と
を有することを特徴とする撮像システム。
(構成14)
移動体であって、
構成1乃至12のいずれかに記載の光電変換装置と、
前記光電変換装置からの信号に基づく視差画像から、対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段と、
前記距離情報に基づいて前記移動体を制御する制御手段と
を有することを特徴とする移動体。
(構成15)
構成1乃至12のいずれかに記載の光電変換装置と、
前記光電変換装置に対応する光学装置、
前記光電変換装置を制御する制御装置、
前記光電変換装置から出力された信号を処理する処理装置、
前記光電変換装置で得られた情報に基づいて制御される機械装置、
前記光電変換装置で得られた情報を表示する表示装置、及び、
前記光電変換装置で得られた情報を記憶する記憶装置、の少なくともいずれかと
を備えることを特徴とする機器。
SW1,SW2…スイッチ
10…画素アレイ部
12,14,16…画素
20A,20B…垂直出力線
42…列回路
50,50L,50H…参照信号線
52,68,84…制御線
54…比較回路
56…クランプ制御線
90…制御回路
100…光電変換装置

Claims (16)

  1. 複数の列をなすように配された複数の画素を有する画素アレイ部と、
    前記複数の列の各々に対応して設けられ、対応する列の画素から出力される画素信号が各々に入力される複数の列回路と、
    前記複数の列回路に信号を供給する複数の信号線と、を有し、
    前記画素アレイ部は、
    光電変換部を有する画素が配されており光が入射する第1領域と、
    光電変換部を有しない画素が配されており遮光されている第2領域と、を有し、
    前記第1領域及び前記第2領域は、列によって規定されており、
    前記複数の信号線は、
    前記第1領域の列に対応する列回路の各々に接続されており、前記第2領域の列に対応する列回路には接続されていない第1信号線と、
    前記第2領域の列に対応する列回路の各々に接続されており、前記第1領域の列に対応する列回路には接続されていない第2信号線と、を有する
    ことを特徴とする光電変換装置。
  2. 光電変換部を有する画素が配されており遮光されている第3領域を更に有し、
    前記複数の信号線は、前記第3領域の列に対応する列回路の各々に接続されており、前記第1領域の列に対応する前記列回路及び前記第2領域の列に対応する前記列回路には接続されていない第3信号線を更に有する
    ことを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
  3. 光電変換部を有する画素が配されており遮光されている第3領域を更に有し、
    前記第1信号線は、前記第3領域の列に対応する列回路の各々に接続されている
    ことを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
  4. 複数の列をなすように配された複数の画素を有する画素アレイ部と、
    前記複数の列の各々に対応して設けられ、対応する列の画素から出力される画素信号が各々に入力される複数の列回路と、
    前記複数の列回路に信号を供給する複数の信号線と、を有し、
    前記画素アレイ部は、
    光電変換部を有する画素が配されており光が入射する第1領域と、
    光電変換部を有しない画素が配されており遮光されている第2領域と
    光電変換部を有する画素が配されており遮光されている第3領域と、
    を有し、
    前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域は、列によって規定されており、
    前記複数の信号線は、
    前記第3領域の列に対応する列回路の各々に接続されており、前記第2領域の列に対応する列回路には接続されていない第1信号線と、
    前記第2領域の列に対応する列回路の各々に接続されており、前記第3領域の列に対応する列回路には接続されていない第2信号線と、を有する
    ことを特徴とする光電変換装置。
  5. 前記複数の列回路の各々は、前記画素信号と参照信号とを比較する比較回路を有し、
    前記第1信号線及び前記第2信号線の各々は、前記比較回路に接続された信号線である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光電変換装置。
  6. 前記第1信号線及び前記第2信号線は、前記比較回路の消費電流を制御する制御信号を供給する信号線である
    ことを特徴とする請求項5記載の光電変換装置。
  7. 前記第1信号線及び前記第2信号線は、前記比較回路のリセット動作を制御する制御信号を供給する信号線である
    ことを特徴とする請求項5記載の光電変換装置。
  8. 前記第1信号線は、前記比較回路に第1参照信号を供給する信号線であり、
    前記第2信号線は、前記比較回路に前記第1参照信号と異なる第2参照信号を供給する信号線である
    ことを特徴とする請求項5記載の光電変換装置。
  9. 前記第1参照信号の振幅と前記第2参照信号の振幅とが異なっている
    ことを特徴とする請求項8記載の光電変換装置。
  10. 前記複数の列回路の各々は、前記画素信号と参照信号とを比較する比較回路と、前記比較回路に入力される前記参照信号を切り替える切り替え部と、を有し、
    前記第1信号線及び前記第2信号線は、前記切り替え部を制御する制御信号を供給する信号線である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光電変換装置。
  11. 前記複数の列回路の各々は、前記参照信号が供給される信号線と前記比較回路との間に接続されたバッファ回路を更に有する
    ことを特徴とする請求項10記載の光電変換装置。
  12. 前記複数の列回路の各々は、前記画素信号を増幅する増幅回路を有し、
    前記第1信号線及び前記第2信号線は、前記増幅回路のゲインを制御する制御信号を供給する信号線である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光電変換装置。
  13. 請求項10記載の光電変換装置の駆動方法であって、
    リセットレベルの前記画素信号をAD変換する際に、前記第1領域の列に対応する前記列回路の前記切り替え部に前記第1信号線を介して第1参照信号を選択する制御信号を出力し、前記第2領域の列に対応する前記列回路の前記切り替え部に前記第2信号線を介して前記第1参照信号を選択する制御信号を出力し、
    光信号レベルの前記画素信号をAD変換する際に、
    被写体が低輝度である場合には、前記第1領域の列に対応する前記列回路の前記切り替え部に前記第1信号線を介して前記第1参照信号を選択する制御信号を出力し、前記第2領域の列に対応する前記列回路の前記切り替え部に前記第2信号線を介して前記第1参照信号よりも振幅の大きい第2参照信号を選択する制御信号を出力し、
    被写体が高輝度である場合には、前記第1領域の列に対応する前記列回路の前記切り替え部に前記第1信号線を介して前記第2参照信号を選択する制御信号を出力し、前記第2領域の列に対応する前記列回路の前記切り替え部に前記第2信号線を介して前記第2参照信号を選択する制御信号を出力する
    ことを特徴とする光電変換装置の駆動方法。
  14. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光電変換装置と、
    前記光電変換装置から出力される信号を処理する信号処理装置と
    を有することを特徴とする撮像システム。
  15. 移動体であって、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光電変換装置と、
    前記光電変換装置からの信号に基づく視差画像から、対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段と、
    前記距離情報に基づいて前記移動体を制御する制御手段と
    を有することを特徴とする移動体。
  16. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光電変換装置と、
    前記光電変換装置に対応する光学装置、
    前記光電変換装置を制御する制御装置、
    前記光電変換装置から出力された信号を処理する処理装置、
    前記光電変換装置で得られた情報に基づいて制御される機械装置、
    前記光電変換装置で得られた情報を表示する表示装置、及び、
    前記光電変換装置で得られた情報を記憶する記憶装置、の少なくともいずれかと
    を備えることを特徴とする機器。
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