JP2024073608A - 生物活性植物化学物質 - Google Patents

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JP2024073608A
JP2024073608A JP2024043367A JP2024043367A JP2024073608A JP 2024073608 A JP2024073608 A JP 2024073608A JP 2024043367 A JP2024043367 A JP 2024043367A JP 2024043367 A JP2024043367 A JP 2024043367A JP 2024073608 A JP2024073608 A JP 2024073608A
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ナッシュ,ロバート
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Abstract

【課題】(2R,3R,4R,5S)-3,4,5-トリヒドロキシピペリジン-2-カルボン酸(idoBR1)を含む組成物の生成のためのプロセスを提供する。
【解決手段】プロセスは、(a)Cucurbitaceae科の植物を含む植物源からの植物材料を提供する工程;(b)前記植物材料を分画してidoBR1が濃縮された抽出物を生成する工程;(c)前記抽出物を(i)シアリダーゼまたはTNF-アルファに対する阻害活性;または(ii)IL-10刺激活性についてアッセイする工程、及び(d)前記アッセイされた抽出物を化粧的に、栄養補助的にまたは薬学的に許容可能な賦形剤または担体を用いて製剤化して化粧用、栄養補助用または薬学的組成物を生成する工程を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、(2R,3R,4R,5S)-3,4,5-トリヒドロキシピペリジン-2
-カルボン酸(idoBR1)を含む組成物の生成のためのプロセス、さらにそれに基づ
く様々な生成物、化合物、組成物、医学的使用及び方法及び炎症、感染症、皮膚障害の処
置、シアリダーゼ活性のin vivo阻害を含む、医学における使用のための様々な組
成物の調製におけるそれらの使用、ならびに様々な植物源から前記組成物を単離及び精製
するためのプロセスに関する。
本発明はまた、Cucurbitaceae抽出物(例えば、Cucumis抽出物)
の品質をモニタリングするための方法、Cucurbitaceae抽出物を生成するた
めのプロセス及びそのようなプロセスによって得ることができるCucurbitace
ae抽出物(及び特にCucumis抽出物)に関する。
キュウリ(Cucumis sativus)は、カボチャを含むウリ科Cucurb
itaceaeの広く栽培されている植物である。キュウリは、インドを発祥とし、西ア
ジアで少なくとも3000年間栽培されており、ヨーロッパの他の地域にはローマ人によ
って導入されたと考えられている。キュウリ栽培の記録は、9世紀にフランスで、14世
紀にイングランドで、16世紀半ばに北米で現れている。
キュウリ及びキュウリ抽出物は、抗炎症特性を有するものとして長く認識されており、
目の下の腫れ及び日焼けを含む様々なタイプの皮膚問題に局所的に使用されてきた。キュ
ウリは、エジプト、ギリシャ及びローマの古代文明で非常に人気があり、それは食品とし
てだけでなく、その皮膚を癒す特性のために使用された。
イミノ糖酸(ISA)は、イミノ糖として知られている植物化学物質のより広く分布し
ているクラスのサブクラスを構成する。多くの既知のISAは、植物化学物質であり、二
次代謝産物として植物組織に存在する(それらは防御において役割を果たし得る)。イミ
ノ糖は植物に広く分布しているが(Watson,A.et al.,2001,Phy
tochemistry 56,265)、イミノ糖酸ははるかに少なく分布しており、
単離及び同定がより困難である。(Martinez,R.,et al.,2019,
Amino acids 51,991)。
イミノ糖酸idoBR1は、より古いキュウリの品種には存在するが、所定の現代の商
業品種には存在しない。それは、所定のキュウリ果実の主要成分であることが示されてお
り、キュウリにおいて唯一のイミノ糖酸である。それは、所定のカボチャ及びヒョウタン
ではマイナー成分である。
WO2013/054070は、Cucumis抽出物をベースとした抗炎症ハーブ薬
における重要な生物活性要素としてidoBR1を同定している。
ハーブ食品添加剤及び治療剤
ハーブ治療剤及び補填剤の使用について現在大きな関心があり、食品製造者、ヘルスケ
ア企業及び医療専門職から、ハーブ製品は価値があり、確立された製剤及び処置を補完し
得るという承認が増えている。ハーブ食品添加剤及び補填剤は、現在広く使用されている
しかしながら、ハーブ食品添加剤の品質管理は、植物材料の複雑な特質及び固有の不均
一性のため困難である。ハーブ及び植物ベースの食品添加剤に使用される材料は通常、植
物全体またはその一部もしくは抽出物である。植物材料は多くの異なる化学成分を含有す
るので、材料は複雑な混合物である。これにより、材料の品質を標準化及び制御すること
が非常に困難となる。その上、多くのハーブ食品添加剤は、2種以上の植物ベースの成分
の混合物であり、そのため、混合物の混合物であるので、さらなるレベルの複雑性をもた
らす。さらに、使用される製造のレシピ及び方法はしばしば均一ではなく、未公開のまま
であり得る。これらの要因により、異なる供給源から得られ、表面上は同一である所与の
生成物の2つのサンプルが実際に同じ成分の混合物を含有することを確保することが極め
て困難となる。そのような材料の品質の制御の困難性をもたらすこの問題は、ハーブ熟練
者の中でさえも所定のハーブ抽出物の使用を制限している。
また、ハーブ薬の実務においてまたは食品補填剤/栄養補助剤として使用される植物は
、現地では頻繁に入手できず、そのため、エンドユーザから離れた供給源から入手する必
要があるという事実から別の問題が生じる。しかしながら、遠隔地からのそのような植物
の供給は、不安定で不正確である場合があり、その理由は特にそのような多くの植物には
同一性及び品質基準を含む詳細なモノグラフが存在しないからである。薬用植物に見られ
る成分の複雑な混合物は、植物源、植物が生育されている場所、その近くでどのような他
の植物または微生物が生育しているか、植物が収穫される時期、材料が保管及び処理され
る条件ならびに使用される抽出手順を含む多くの要因に応じて種類及び濃度が大幅に異な
る。
そのため、idoBR1を含有するハーブ生成物をプロファイル化し、それにより活性
に関連し得る植物由来生成物のための標準仕様を確立し、それによりハーブ薬、食品添加
剤、化粧品、栄養補助剤の生成における品質制御を可能にし、生物活性要素を理想的に(
構造的に及び/または機能的に)定量することができる繊細なプロセスが必要とされてい
る。
本発明者は今回、idoBR1がシアリダーゼ及びTNF-アルファに対する阻害活性
を示す一方で、IL-10刺激活性を示すことを発見した。この知見により、関連生物活
性要素であるidoBR1が今では植物材料の分画後に迅速に及び容易に機能的にアッセ
イされ得るので、Cucurbitaceae科の植物を含む植物源からの植物材料から
の抽出物に基づいて化粧用、栄養補助用または薬学的組成物を製剤化するための改善され
たプロセスの開発が可能となる。
よって、標準仕様に従う化粧用、栄養補助用または薬学的組成物の提供が大幅に容易化
される:本発明により、抽出物の機能品質の迅速アッセイが可能となる。また、時間がか
かり高価な物理的特性化(例えば、GC-MS及び/またはHPLCによる)が任意とな
る。さらに、抽出物の機能性がアッセイされるため、共抽出された部分による干渉/阻害
の可能性の影響をモニタリングすることができる。これは、抽出物が局所適用のために製
剤化された化粧品用途の場合に特に重要であり得る。
よって、本発明によれば、(2R,3R,4R,5S)-3,4,5-トリヒドロキシ
ピペリジン-2-カルボン酸(idoBR1)を含む組成物の生成のためのプロセスであ
って、前記プロセスは、
(a)Cucurbitaceae科の植物を含む植物源からの植物材料を提供する工
程、
(b)前記植物材料を分画してidoBR1が濃縮された抽出物を生成する工程、
(c)前記抽出物を(i)シアリダーゼまたはTNF-アルファに対する阻害活性;ま
たは(ii)IL-10刺激活性についてアッセイする工程、及び
(d)前記アッセイされた抽出物を化粧的に、栄養補助的にまたは薬学的に許容可能な
賦形剤または担体を用いて製剤化して化粧用、栄養補助用または薬学的組成物を生成する
工程
を含む、方法が提供される。
植物源は、CucumisまたはCucurbita属の植物を含み得る。Cucum
is属の好ましい種は、Cucumis sativus種(キュウリ)の植物である。
Cucurbita属の好ましい種は、Cucurbita melosまたはCucu
rbita moschata種である。
本明細書で言及されたすべての刊行物、特許、特許出願及び他の参考文献は、各々の個
々の刊行物、特許または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示さ
れ、その内容が完全に記載されているかのように、すべての目的のために参照によりそれ
らの全体が本明細書に組み込まれる。
定義
本明細書で使用される場合、また、別段具体的に示されない限り、以下の用語は、用語
が当該技術分野において享受し得る任意のより広い(またはより狭い)意味に加えて以下
の意味を有することが意図される。
文脈によって別段必要とされない限り、本明細書での単数形の使用は、複数形を含むも
のと解釈され、その逆も同じである。ある実体に関連して使用される用語「a」または「
an」は、その実体の1つ以上を指すために解釈される。このように、用語「a」(また
は「an」)、「1つ以上」、及び「少なくとも1つ」は、本明細書で互換的に使用され
る。
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprise)」、または「含む(co
mprises)」もしくは「含む(comprising)」などのその変形型は、任
意の記述された完全体(例えば、特徴、要素、特質、特性、方法/プロセス工程または限
定)または完全体の群(例えば、特徴、要素、特質、特性、方法/プロセス工程または限
定)の包含を示すが、任意の他の完全体または完全体の群の除外は示さないことが解釈さ
れるべきである。よって、本明細書で使用される場合、用語「含む」は、包括的またはオ
ープンエンドであり、追加の未記載の完全体または方法/プロセス工程を除外しない。
語句「から本質的になる」は、特定の完全体(複数可)または工程及び請求された発明
の特性または機能に実質的な影響を与えないものを必要とするために使用される。
本明細書で使用される場合、用語「からなる」は、記述された完全体(例えば、特徴、
要素、特質、特性、方法/プロセス工程または限定)または完全体の群(例えば、特徴、
要素、特質、特性、方法/プロセス工程または限定)の単独の存在を示すために使用され
る。
本明細書で使用される場合、用語「疾患」は、生理的機能を損ない、特定の症状に関連
する任意の異常な状態を定義するために使用される。その用語は、病因の性質にかかわら
ず(または疾患の病因的根拠が確立されているかどうかにかかわらず)、生理的機能が損
なわれている任意の障害、病気、異常、病理、疾患、状態または症候群を包含するように
広く使用されている。そのため、感染症、外傷、傷害、手術、放射線アブレーション、中
毒または栄養不足に起因する状態を包含する。
本明細書で使用される場合、用語「処置」または「処置すること」は、疾患の症状を治
癒、改善または軽減するまたはその原因(複数可)(例えば、病理学的多様化状態)を除
去する(またはその影響を軽減する)介入(例えば、対象への薬剤の投与)を指す。この
場合、その用語は、用語「療法」と同義的に使用される。
また、用語「処置」または「処置すること」は、疾患の発症または進行を予防または遅
延させるまたは処置された集団内のその発生率を低下(または根絶)させる介入(例えば
、対象への薬剤の投与)を指す。この場合、処置という用語は、用語「予防」と同義的に
使用される。
用語「対象」(文脈が許容する場合、「個体」、「動物」、「患者」または「哺乳動物
」を含むと解釈される)は、処置が示唆される任意の対象、特に哺乳動物対象を定義する
。哺乳動物対象には、ヒト、家畜、牧場動物、動物園の動物、スポーツ動物及びペット動
物が含まれるがこれらに限定されない。好ましい実施形態では、対象は、ヒトである。
糖尿病の処置に対する本明細書における言及は、1型及び2型糖尿病自体ならびに前糖
尿病(初期糖尿病)及びインスリン抵抗性の処置を含むと解釈されるべきである。用語「
前糖尿病」または「初期糖尿病」は、糖尿病の非存在下でグルコースまたはグリコシル化
ヘモグロビンのレベルの上昇が存在する状態を定義する。
本明細書で使用される場合、化合物または組成物の有効量は、過度の毒性、刺激、アレ
ルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずに、合理的な利益/リスク比に見合
った、対象に投与され得る量であるが、所望の効果、例えば、対象の状態の恒久的または
一時的な改善によって示される処置または予防を提供するのに十分なものを定義する。量
は、個体の年齢及び全身状態、投与様式及び他の要因に応じて対象ごとに変わる。よって
、正確な有効量を特定することはできないが、当業者は、慣例的な実験及び背景の一般的
知識を使用して任意の個々の症例において適切な「有効」量を決定することができる。こ
の文脈での処置結果には、症状の根絶または軽減、疼痛または不快感の減少、生存期間の
延長、可動性の改善及び他の臨床的改善のマーカーが含まれる。処置結果は、完全な治癒
である必要はない。
植物化学物質という用語は、巨大分子及び小分子を含む、植物の任意の化学的成分を包
含するために広い意味で本明細書で使用される。重要な例には、アルカロイド(例えば、
イミノ糖及びイミノ糖酸、例えば、構造クラスのピロリジン、ピペリジン、ピロリジジン
、インドリジジン、トロパン及びノルトパンから選択される)、炭水化物アナログ、フェ
ノール化合物、テルペノイド、酵素阻害剤、グリコシド、ヌクレオチド、アミノ酸、脂質
及び糖が含まれる。
「単離された」という用語は、本発明の化合物に適用される場合、その化合物が、天然
に存在するものとは異なる物理的環境に存在することを示すために本明細書で使用される
。例えば、単離された化合物は、それが自然に存在する複雑な細胞環境に関して実質的に
単離され得る(例えば、濃縮または精製され得る)。そのため、単離された化合物は、本
明細書に記載の植物源のいずれかの濃縮された画分または抽出物の形態をとり得る。
単離された材料が濃縮または精製される場合、濃縮または純度の絶対レベルは重要では
なく、当業者は、材料が置かれる用途に応じて適切なレベルを容易に決定し得る。少なく
とも0.1%w/w、0.2%w/w、0.3%w/w、0.4%w/w、0.5%w/
w、0.6%w/w、0.7%w/w、0.8%w/w、0.9%w/w、1.0%w/
w、1.1%w/w、1.2%w/w、1.3%w/w、1.4%w/w、1.5%w/
w、1.6%w/w、1.7%w/w、1.8%w/w、1.9%w/wまたは2.0%
w/wの純度レベルが好ましい。
少なくとも0.5~2.0%w/w、例えば、少なくとも0.8~1.5%w/w、例
えば、少なくとも約1.0%w/wの純度レベルが特に好ましい。必要に応じて、イオン
交換クロマトグラフィーなどの好適な濃縮技術を用いることによって、材料が天然源から
単離される場合は5~10%w/wのレベルが容易に得られ得る。
いくつかの状況では、単離された化合物は、例えば、他の成分を含有し得る組成物(例
えば、多くの他の物質を含有する多かれ少なかれ粗製の抽出物)または緩衝液系の一部を
形成する。他の状況では、単離された化合物は、例えば、分光光度法で、NMRによって
またはクロマトグラフィー(例えば、トリメチルシリル-誘導体のGC-MS)によって
決定された場合に本質的に均質となるまで精製され得る。
ハーブ薬という用語は、少なくとも1つの活性要素(例えば、化合物)が化学的に合成
されず、植物の植物化学成分である薬学的組成物を定義するために本明細書で使用される
。ほとんどの場合では、この非合成活性要素は、(本明細書で定義されるように)単離さ
れないが、植物源と関連する他の植物化学物質と一緒に存在する。しかしながら、いくつ
かの場合では、植物由来生物活性要素(複数可)は、濃縮された画分中にあり、または単
離され得る(時に高い程度の精製を含む)。しかしながら、多くの場合、ハーブ薬は、植
物の多かれ少なかれ粗製の抽出物、浸出液もしくは画分または未処理の植物全体(または
その一部)でさえ含むが、そのような場合では、植物(または植物の一部)は通常、少な
くとも乾燥及び/または粉砕される。ハーブ薬は、食品補填剤、食品添加剤、栄養補助剤
、飲料の形態であり得、ハーブ薬学的キットまたはパックとして単位用量で提供され得る
ハーブ食品という用語は、少なくとも1つの成分が化学的に合成されないが、植物の植
物化学成分である組成物を定義するために本明細書で使用される。ほとんどの場合では、
この非合成成分は、精製されないが、植物源と関連する他の植物化学物質と一緒に存在す
る。しかしながら、いくつかの場合では、植物由来成分(複数可)は、濃縮された画分中
にあり、または単離され得る(時に高い程度の純度まで)。しかしながら、多くの場合、
ハーブ食品添加剤は、植物の多かれ少なかれ粗製の抽出物、浸出液もしくは画分または未
処理の植物全体(またはその一部)でさえ含むが、そのような場合では、植物(または植
物の一部)は通常、少なくとも乾燥及び/または粉砕される。そのため、その用語には、
食品及び飲料と共に使用するための添加剤及び補填剤の形態のハーブ食品が含まれる。
生物活性要素という用語は、それが含まれるハーブ薬品の薬学的有効性に必要または十
分な植物化学成分を定義するために本明細書で使用される。本発明の場合、生物活性要素
は、idoBR1を含む。
栄養補助剤という用語は、疾患に対して生理的利益または保護を提供する食品生成物(
またはその単離物)を定義するために本明細書で使用される。本発明の好ましい栄養補助
剤は、抗炎症性である。
標準仕様という用語は、ハーブ薬、化粧品または栄養補助剤の許容可能な品質と相関す
る特性、または植物化学的プロファイルを定義するために本明細書で使用される。この文
脈において、品質という用語は、その意図された使用にとっての生成物の全体的適合性を
定義するために使用され、適切な濃度でのidoBR1の活性を含む。
植物化学的プロファイルという用語は、異なる植物化学成分に関する一連の特性を定義
するために本明細書で使用される。
機能アッセイ
本発明の抽出物は、(i)シアリダーゼまたはTNF-アルファに対する阻害活性;ま
たは(ii)IL-10刺激活性についてアッセイされる。機能アッセイは、生物学的ア
ッセイを含み得る。生物学的アッセイは、in vivoまたはin vitroで行わ
れ得、酵素阻害アッセイ(例えば、シアリダーゼ阻害)を含み得る。他の生物学的アッセ
イには、受容体結合アッセイ、細胞アッセイ(細胞複製、細胞-病原体及び細胞-細胞相
互作用ならびに細胞分泌アッセイを含む)、イムノアッセイ、抗微生物活性(例えば、細
菌及びウイルス細胞結合及び/または複製)アッセイならびに毒性アッセイ(例えば、L
50アッセイ)が含まれる。
機能的特性化はまた、生物学的活性の1つ以上のインデックスの同定を可能にする特性
化の形態によって間接的に行われ得る。
例示的な技術は、以下により詳細に記載されている。
シアリダーゼ
idoBR1またはそれを含有する抽出物によるシアリダーゼ(ノイラミニダーゼ)活
性の阻害は、例えば、Clostridium perfringensからの酵素(S
igma-Aldrich)を使用してノイラミニダーゼ活性が測定される酵素アッセイ
によって決定され得る。アッセイは、2’-(4-メチルウンベリフェリル)-α-D-
N-アセチルノイラミン酸(MUNANA)基質を切断して蛍光生成物4-メチルウンベ
リフェロン(4-MU)を放出する酵素に基づく。そのため、阻害効果は、(IC50
を得るために)酵素活性の50%を減少させるのに必要とされるidoBR1または抽出
物の濃度に基づいて決定される。
好適な方法は、以下の通りであり得る:
1.反応混合物を調製する。リン酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)、10mmolのM
UNANA4MU-NeuAc(緩衝液中に100μl)、100μl中に0.1mgの
酵素、100μlの植物抽出物または化合物
2.37Cで10~30分間インキュベーションする。
3.1.25mlの0.25Mグリシン-NaOH(pH10.4)の添加によって反応
を停止させる。
4.放出された4-メチルウンベリフェロン(4-MU)(発光448nm、励起365
nm)を蛍光分析的に測定する。
TNF-α及びIL-10
抽出物によって低下したTNF-α及び増加したIL-10は、ELISA法を使用し
て細胞培養物(例えば、THP-1単球細胞)または全血サンプルのいずれかで測定され
得る。
THP-1細胞は市販されている。培養細胞をマイクロタイタープレートにおいてRP
MI完全培地に入れ(例えば、96ウェルプレートにおけるウェル当たり5細胞)、24
時間インキュベーションした後、PMA(10ng/ml)を96ウェルプレートに添加
してTHP-1細胞を分化させ、TNF-α及びIL-10生成に対する影響を決定し得
る。細胞は、キュウリ抽出物で、例えば、200μg/ml~25μg/mlで前処置さ
れ、続いて2時間LPS(100ng/ml)刺激されるべきである。インキュベーショ
ン後、細胞上清をウェルの各々から滅菌マイクロ遠心チューブ内に吸引し、1000rp
mで2~3分間遠心分離して、存在する場合の任意の細胞を沈降させる。次いで細胞上清
を、ELISAを使用してTNF-αまたはIL-10の存在の評価のために使用する。
好適な抗体でコーティングされたサンドイッチELISAプレートは、広く利用可能であ
る(例えば、R&D Systems,USA)。
全血測定のため、全血のアリコート(800μl)をRPMI1640に溶解した抽出
物と共に48時間のプレインキュベーション期間インキュベーションすることができ、そ
の後LPS(10μg/ml)を添加し、空気中5%COの加湿(100%)雰囲気内
で37℃でさらに20時間インキュベーションを継続する。インキュベーション期間の最
後に、血漿からなる上清を室温での10,000gでの30秒間の遠心分離によって収集
し、ヒトTNF-α及びIL-10ELISAアッセイ(例えば、BioSource
Europe S.A.,Belgiumから利用可能なキット)を使用してTNF-α
及びIL-10レベルを測定する。
物理的特性化
本発明の抽出物はまた、物理的に特性化され得る(しかしこれは必須ではない)。これ
は、任意の所与の画分にまたはプロセスにおける他の段階で存在する植物化学成分(複数
可)の定量、成分の純度の測定、分子量の決定(または複数の異なる植物化学成分を含む
画分の場合は分子量分布またはその様々な統計関数)、分子式(e)の決定(例えば、核
磁気共鳴による)及び様々なスペクトル分析の形態をとることができる。
特に有用なスペクトル特性には、
・質量スペクトル(例えば、質量対電荷(m/z)値対存在量)、及び/または
・クロマトグラフィーデータ(例えば、スペクトル、カラム保持時間、溶出プロファイル
など)、及び/または
・フォトダイオードアレイ(PDA)スペクトル(例えば、UV及び可視範囲の両方にお
けるもの)、及び/または
・電気化学検出(ED)または蒸発光散乱(ELSD)検出;及び/または
・核磁気共鳴(NMR)スペクトル(H及び/または13CNMRを介して得られたス
ペクトルデータを含む)
が含まれる。
スペクトル特性化は、分画工程と組み合わせられ得る。例えば、GC-MS及びHPL
C-PDA-MS-ED-ELSDを(本明細書に記載されるように)を使用して、分画
と質量スペクトル、UV-可視スペクトル、電気化学反応または質量分率データ及びクロ
マトグラフィースペクトルデータの取得とを組み合わせることができる。
上記の特性のいずれかまたはすべては、任意の所与のサンプル(またはその任意の画分
もしくは植物化学成分)についての「化学的フィンガープリント」を定義するために使用
され得る。
化学的特性化
本発明の抽出物はまた、化学的に特性化され得る(しかしこれは必須ではない)。これ
は、とりわけ、植物化学的成分(複数可)の化学的反応性、それらの溶解性、安定性及び
融点の測定の形態をとり得る。
本発明の化合物の医学的使用
新生物
本発明の化合物は、シアリダーゼ阻害剤であり、よって、シアリダーゼ活性及び/また
はシアル酸によって媒介される疾患及び障害の処置または予防に適用される。
シアリダーゼは、細菌及びウイルス感染症ならびに新生物を含む多様な病理学的プロセ
スに関与するので、これらの酵素は魅力的な治療標的となる。シアリダーゼNeu1及び
Neu3の発現は、糖尿病において変化するようである(例えば、Neu1 activ
ity discussed by Natori,Y.,et al,2013,Bi
ol.Pharm.,Bull.,36,1027)。シアリダーゼはまた、アテローム
形成(Sukhorukov,V.N.,et al.,2017,Curr.Phar
m.Des.,23,4696)及び変形性関節症(Katoh,S.,et al.,
1999,J Immunol.,162,5058)に関与する。
そのため、本発明の化合物は、以下においてより詳細に記載するように、新生物/増殖
性障害の処置または予防に適用される。
本明細書で使用される場合、用語「新生物」は、新生物細胞の異常な増殖を含む疾患を
定義するために厳密な意味で使用される。その用語は、良性、前がん性及び悪性新生物(
上で定義されている)を含み、用語「増殖性障害」と同義的に使用される。
新生物は、正常な生理的制御から開放する遺伝子的またはエピジェネティック的変化を
取得した(すなわち、細胞が形質転換した)新生物細胞における不適切に高いレベルの細
胞分裂及び/または低いレベルのアポトーシスまたは老化から生じる。新生物は典型的に
は、新生物(成長が正常な組織のものを上回り、正常な組織とは協調せず、変化を引き起
こした刺激が停止した後も同じ過剰な様式で持続する組織の異常腫瘤)として知られてい
る構造物を生成する。ほとんどの新生物は組織(固体腫瘍)の大きな腫瘤を形成するのに
対し、一部の新生物はそのような個別の組織塊を形成しない。これらには、子宮頸部上皮
内新生物、肛門上皮内新生物及び白血病が含まれる。
新生物は、良性、潜在的悪性または悪性であり得る。良性新生物には、侵襲性ではなく
、悪性新生物に進行しない子宮筋腫及びメラノサイト母斑(皮膚ほくろ)が含まれる。潜
在的悪性(前がん性)新生物には、侵襲性ではないがそのうち悪性新生物に変わる上皮内
癌が含まれる。
悪性新生物は、周囲組織に侵入し、破壊する新生物(腫瘍)を引き起こし、転移を形成
し、最終的に宿主を死滅させ得る。用語「悪性新生物」及び「がん」は、本明細書では同
義語として使用される。
用語「増殖性障害」及び「新生物」は、in vivoでの細胞の病理学的成長を含む
疾患のクラスを定義するために本明細書で使用され得る。
そのため、増殖性障害には、がん、がん転移、平滑筋細胞増殖、全身性硬化症、肝臓の
肝硬変、成人呼吸窮迫症候群、特発性心筋症、エリテマトーデス、網膜症(例えば、糖尿
病性網膜症)、心臓肥大、良性前立腺肥大、卵巣嚢胞、肺線維症、子宮内膜症、線維腫症
、過誤腫、リンパ管腫症、サルコイドーシス及びデスモイド腫瘍が含まれる。平滑筋細胞
増殖を含む新生物には、血管系における細胞の過剰増殖(例えば、血管内膜平滑筋細胞過
形成、再狭窄及び血管閉塞(特に生物学的にまたは機械的に媒介した血管傷害、例えば、
血管形成術の後の狭窄を含む))が含まれる。その上、血管内膜平滑筋細胞過形成は、血
管系以外の平滑筋における過形成(例えば、胆管、気管支気道及び腎間質性線維症を有す
る患者の腎臓における閉塞)を含み得る。非がん性増殖性障害にはまた、皮膚における細
胞の過剰増殖、例えば、乾癬及びその変化した臨床形態、ライター症候群、毛孔性紅色粃
糠疹ならびに角化の障害の過剰増殖性変種(光線性角化症、老人性角化症及び強皮症を含
む)が含まれる。
用語「新生物」はまた、in vivoでの細胞の異常な成長及び/または分化を含む
疾患を定義するために本明細書で広義に使用され、そのため、過形成、化生及び異形成を
包含する。
過形成は、器官または組織内の正常な(変化していない)細胞が異常な程度まで増殖す
る状態を定義する。そのため、それは、器官の全体的拡大、良性腫瘍の形成をもたらし得
、または顕微鏡下でのみ視認可能であり得る。過形成は特定の刺激物に対する生理的反応
であり、過形成細胞は正常な調節制御メカニズムを保持する(正常な生理的制御に対して
非反応性の異常な様式で細胞が増殖する新生物成長とは異なる)。例には、先天性副腎過
形成、子宮内膜過形成、良性前立腺肥大(前立腺拡大)、乳房の過形成(乳管過形成を含
む)、巣状上皮過形成(ヘック病)、脂腺過形成及び肝臓過形成が含まれる。
化成は、ある成熟分化型の細胞が、別の成熟分化型の細胞に置き換えられた状態を指す
。例には、唾液腺管の円柱上皮細胞の扁平化生(結石が存在する場合)、膀胱の移行上皮
の扁平化生(この場合もまた、結石が存在する場合または感染症に関連する場合)、胃酸
逆流を有する患者における食道の腺化生(バレット食道)及び結合組織における骨化生が
含まれる。
異形成は、組織内の細胞の異常な成熟によって特性化された状態を定義する。これは通
常、未熟細胞の増殖からなり、成熟細胞の数及び位置の対応する減少を伴う。例えば、子
宮頸部の上皮異形成は、粘膜表面に限定された未熟細胞の集団の増加によって特性化され
る。骨髄異形成症候群、または造血細胞の異形成は、骨髄における未熟細胞の数の増加及
び血液における成熟機能性細胞の減少を示す。他の例には、神経線維腫症が含まれる。
過形成、化生、及び異形成は通常、刺激物(例えば、怪我または傷害)の結果である可
逆的状態である。対照的に、新生物は通常、不可逆であり、細胞形質転換に関連する。
本発明の化合物は、増殖性障害、良性、前がん性及び悪性新生物、過形成、化生及び異
形成を含む任意の新生物の処置に一般的に適用される。
そのため、本発明は、がん、がん転移、平滑筋細胞増殖、全身性硬化症、肝臓の肝硬変
、成人呼吸窮迫症候群、特発性心筋症、エリテマトーデス、網膜症(例えば、糖尿病性網
膜症)、心臓肥大、良性前立腺肥大、卵巣嚢胞、肺線維症、子宮内膜症、線維腫症、過誤
腫、リンパ管腫症、サルコイドーシス及びデスモイド腫瘍を含むがこれらに限定されない
増殖性障害の処置に適用される。平滑筋細胞増殖を含む新生物には、血管系における細胞
の過剰増殖(例えば、血管内膜平滑筋細胞過形成、再狭窄及び血管閉塞(特に生物学的に
または機械的に媒介した血管傷害、例えば、血管形成術の後の狭窄を含む))が含まれる
。その上、血管内膜平滑筋細胞過形成は、血管系以外の平滑筋における過形成(例えば、
胆管、気管支気道及び腎間質性線維症を有する患者の腎臓における閉塞)を含み得る。非
がん性増殖性障害にはまた、皮膚における細胞の過剰増殖、例えば、乾癬及びその変化し
た臨床形態、ライター症候群、毛孔性紅色粃糠疹ならびに角化の障害の過剰増殖性変種(
光線性角化症、老人性角化症及び強皮症を含む)が含まれる。
特に好ましくは、悪性新生物(がん)の処置である。本発明は、以下の主要なグループ
分けから選択されるものを含む任意のがんの処置に適用される:(a)がん;(b)芽細
胞腫;(c)白血病;(d)リンパ腫;(e)骨髄腫;(f)肉腫及び(g)混合型のが
ん。
がんは、上皮起源の悪性新生物または身体の内部または外部の内膜のがんを指す。上皮
組織の悪性腫瘍である癌腫は、すべてのがん症例の80~90パーセントを占める。上皮
組織は、全身を通して見られる。それは皮膚、ならびに器官の被覆部及び内膜及び内部通
路、例えば、胃腸管に存在する。好ましい実施形態では、本発明に従って処置されるがん
は、唾液腺;結腸;直腸;虫垂;肺;胸腺;乳房;子宮頸;膀胱及び眼のがんから選択さ
れる。
本発明は、肝芽腫(例えば、腎芽腫、非上皮腎臓腫瘍、ラブドイド腎臓腫瘍、腎臓肉腫
及び腎臓のpPNETを含む)、髄芽腫、膵芽腫、肺芽細胞腫、胸膜肺芽細胞腫、神経芽
腫(通常の末梢神経細胞腫瘍ならびに神経節芽腫及び網膜芽腫を含む)を含むすべての芽
細胞腫の処置に適用される。
本発明は、リンパ性白血病(例えば、前駆細胞白血病、成熟B細胞白血病、成熟T細胞
白血病及びNK細胞白血病);急性骨髄性白血病;慢性骨髄増殖性疾患;骨髄異形成症候
群及び他の骨髄増殖性疾患を含むすべての白血病、骨髄増殖性疾患及び骨髄異形成疾患の
処置に適用される。そのため、本発明は、リンパ性、リンパ球性、またはリンパ芽球性白
血病(リンパ性及びリンパ球性血液細胞系列の悪性腫瘍)を含む様々な白血病及び真性赤
血球増加症または赤血病(様々な血液細胞生成物の悪性腫瘍であるが、赤血球優勢を伴う
)の処置に適用される。
リンパ腫は、体液を精製し、感染症と闘う白血球、またはリンパ球を生成する血管、節
、及び器官(特に脾臓、扁桃腺、及び胸腺)のネットワークであるリンパ系の腺または節
に発生する。時に「液体がん」と呼ばれる白血病とは異なり、リンパ腫は「固体がん」で
ある。リンパ腫はまた、胃、乳房または脳などの特定の器官で生じ得る。これらのリンパ
腫は、節外性リンパ腫と称される。リンパ腫は、2つのカテゴリー:ホジキンリンパ腫及
び非ホジキンリンパ腫に細分類される。ホジキンリンパ腫におけるリード・スタンバーグ
細胞の存在は、ホジキンリンパ腫を非ホジキンリンパ腫から診断的に区別する。本発明は
、(a)ホジキンリンパ腫;(b)非ホジキンリンパ腫(例えば、前駆細胞リンパ腫、成
熟B細胞リンパ腫、成熟T細胞リンパ腫及びNK細胞リンパ腫;(c)バーキットリンパ
腫及び(d)マントル細胞リンパ腫を含む他のリンパ網内系新生物を含むすべてのそのよ
うなリンパ腫及び網内系新生物の処置に適用される。
そのため、本発明は、例えば、リンパ系(脾臓、扁桃腺、及び胸腺を含む)の腺または
節の腫瘍ならびに胃、乳房及び脳の節外性リンパ腫を含む広範囲のリンパ腫の処置に適用
される。
骨髄腫は、骨髄の血漿細胞を起源とするがんである。そのため、本発明は、リンパ系統
のものを含む造血器腫瘍及び血液悪性腫瘍(例えば、白血病、急性リンパ球性白血病、慢
性リンパ球性白血病、B細胞リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫など)、T細胞
リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫及びバーキットリ
ンパ腫)ならびに骨髄系統の造血器腫瘍(例えば、急性骨髄白血病、慢性骨髄白血病、骨
髄性白血病及びイマチニブ感受性及び難治性慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ボル
テゾミブ感受性及び難治性多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患または前骨髄球性白血病及び甲
状腺濾胞癌)の処置に適用される。
本発明は、すべての肉腫の処置に適用される。肉腫は、支持組織及び結合組織、例えば
、骨、腱、軟骨、筋肉及び脂肪を起源とするがんを指す。通常は若年成人で生じる最も一
般的な肉腫はしばしば、骨上の痛みを伴う腫瘤として発症する。肉腫腫瘍は通常、それら
が成長する組織に似ている。本発明による処置のための例示的な肉腫には、骨肉腫(また
は骨形成肉腫);軟骨肉腫;平滑筋肉腫(平滑筋);横紋筋肉腫(骨格筋);中皮肉腫ま
たは中皮腫(体腔の内膜);線維肉腫(線維組織);血管肉腫または血管内皮腫(血管)
;脂肪肉腫;神経膠腫;星状細胞腫;粘液肉腫(原始胚結合組織)及び間葉系または混合
性中胚葉腫瘍(混合性結合組織型)が含まれる。線維肉腫には、末梢神経鞘腫瘍及び他の
線維性新生物、例えば、線維芽及び筋線維芽腫瘍、神経鞘腫瘍及び他の線維腫新生物が含
まれる。カポジ肉腫も含まれる。また、軟部組織肉腫、例えば、軟部組織のユーイング腫
瘍及びアスキン腫瘍、軟部組織のpPNET、腎外ラブドイド腫瘍;線維組織球腫瘍;滑
膜肉腫;軟部組織の骨及び軟骨新生物ならびに胞巣状軟部肉腫が含まれる。骨肉腫(悪性
骨腫瘍)には、骨の悪性線維性新生物;悪性脊索腫及び歯原性悪性腫瘍が含まれる。神経
膠腫には、乏突起膠腫、混合性及び不特定神経膠腫及び神経上皮性グリア腫瘍が含まれる
本発明は、例えば、腺扁平上皮癌、混合性中胚葉腫瘍、がん肉腫及び奇形癌を含む混合
型のがん処置に適用される。そのため、本発明は、星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫、神
経鞘腫、上衣腫及び脈絡叢腫瘍(例えば、上衣腫及び脈絡叢腫瘍);頭蓋内及び髄腔内胎
児性腫瘍(例えば、髄芽腫、未分化神経外胚葉性腫瘍(PNET)、髄様上皮腫、非定型
奇形腫様/ラブドイド腫瘍及び他の頭蓋内及び髄腔内新生物(例えば、下垂体腺腫及びト
ルコ鞍領域のがん、腫瘍(頭蓋咽頭腫)、松果体実質腫瘍、ニューロン及び混合性ニュー
ロン-グリア腫瘍、髄膜腫ならびに通常の頭蓋内及び髄腔内新生物)を含む様々なCNS
、PNSならびに混合性頭蓋内及び髄腔内新生物の処置に適用される。
よって、本発明は、頭蓋内及び髄腔内胚細胞腫瘍;頭蓋内及び髄腔内胚細胞腫;頭蓋内
及び髄腔内奇形腫;頭蓋内及び髄腔内胎児性癌;頭蓋内及び髄腔内卵黄嚢腫瘍;頭蓋内及
び髄腔内絨毛癌ならびに混合型の頭蓋内及び髄腔内腫瘍の処置に特に適用される。
本発明はまた、様々な胚細胞腫瘍、栄養膜腫瘍及び生殖腺の新生物の処置に適用される
。よって、本発明は、例えば、頭蓋外及び生殖腺外部位の悪性胚細胞腫、頭蓋外及び生殖
腺外部位の悪性奇形腫、頭蓋外及び生殖腺外部位の胎児性癌、頭蓋外及び生殖腺外部位の
卵黄嚢腫瘍;頭蓋外及び生殖腺外部位の絨毛癌及び通常の頭蓋外及び生殖腺外部位の悪性
混合性胚細胞腫瘍を含む悪性頭蓋外及び生殖腺外胚細胞腫瘍の処置に適用される。本発明
はまた、例えば、悪性生殖腺胚細胞腫、精上皮腫、悪性生殖腺奇形腫、生殖腺胎児性癌、
生殖腺卵黄嚢腫瘍、生殖腺絨毛癌、混合型の悪性生殖腺腫瘍及び悪性生殖腺性腺芽腫を含
む悪性生殖腺胚細胞腫瘍の処置に適用される。
感染性疾患
本発明の化合物は、シアリダーゼ阻害剤であり、よって、シアリダーゼ活性及び/また
はシアル酸によって媒介される疾患及び障害の処置または予防に適用される。そのような
疾患及び障害には、感染性疾患(細菌及びウイルス感染症を含む)が含まれる。
本発明の化合物は、任意の感染性因子に対する抗感染(例えば、静病原性(patho
static)または殺病原性(pathocidal))活性を有し得る。そのため、
本発明の化合物は、広い範囲の異なる感染性因子を標的とし得る(すなわち、それに対す
る活性を有する)。よって、本発明は、ウイルス、細菌、真菌、原虫、プリオンまたは後
生動物体が関与する感染性疾患を含む任意の感染症または感染性疾患の処置または予防に
広く適用される。
よって、本発明は、ウイルス感染症の処置または予防;細菌感染症の処置または予防;
原虫感染症の処置または予防;真菌感染症の処置または予防;プリオン感染症の処置また
は予防;及び/または後生動物(例えば、寄生蠕虫)感染症または侵入の処置または予防
に広く適用される。本発明の化合物はまた、慢性、休眠中または潜伏性ウイルス、細菌、
原虫、真菌、プリオンまたは後生動物(例えば、寄生蠕虫)感染症または侵入の処置また
は予防に適用され得る。
・ウイルス標的には、以下のウイルス(またはウイルスクラス)が含まれるがこれらに限
定されない:Retroviridae(例えば、HIV-1を含むヒト免疫不全ウイル
ス);Picornaviridae(例えば、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス;エ
ンテロウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス);Ca
lciviridae(例えば、胃腸炎を引き起こす株);Togaviridae(例
えば、ウマ脳炎ウイルス、風疹ウイルス);Flaviridae(例えば、デングウイ
ルス、脳炎ウイルス、黄熱病ウイルス);Coronoviridae(例えば、コロナ
ウイルス);Rhabdoviradae(例えば、水胞性口炎ウイルス、狂犬病ウイル
ス);Filoviridae(例えば、エボラウイルス);Paramyxoviri
dae(例えば、パラインフルエンザウイルス、おたふく風邪ウイルス、麻疹ウイルス、
呼吸器合胞体ウイルス);Orthomyxoviridae(例えば、インフルエンザ
ウイルス);Bungaviridae(例えば、ハンターンウイルス、ブンヤウイルス
、フレボウイルス及びナイロウイルス);Arena viridae(出血熱ウイルス
);Reoviridae(例えば、レオウイルス、オルビウイルス及びロタウイルス)
;Birnaviridae;Hepadnaviridae(B型肝炎ウイルス);P
arvoviridae(パルボウイルス);Papovaviridae(パピローマ
ウイルス、ポリオーマウイルス);Adenoviridae(ほとんどのアデノウイル
ス);Herpesviridae(単純ヘルペスウイルス(HSV)1及び2、水痘帯
状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペスウイルス;Poxviri
dae(天然痘ウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス);及びIridov
iridae(例えば、アフリカ豚熱ウイルス);及び未分類ウイルス(例えば、海綿状
脳症の病原因子、デルタ肝炎の因子(B型肝炎ウイルスの欠陥サテライトと考えられる)
、HCVウイルス(非A型、非B型肝炎を引き起こす);ノーウォーク及び関連ウイルス
、及びアストロウイルス)。前述のもののうち、特に好ましいものは、HIV、A型肝炎
、B型肝炎、C型肝炎、狂犬病ウイルス、ポリオウイルス、インフルエンザウイルス、髄
膜炎ウイルス、麻疹ウイルス、おたふく風邪ウイルス、風疹、百日咳、脳炎ウイルス、パ
ピローマウイルス、黄熱病ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、パルボウイルス、チクング
ンヤ熱ウイルス、出血熱ウイルス及びヘルペスウイルス、特に、水痘、サイトメガロウイ
ルス及びエプスタイン・バーウイルスである。
・細菌標的には、グラム陰性及びグラム陽性細菌が含まれるがこれらに限定されない。本
発明の化合物によって標的とされ得る細菌の例には、Helicobacter pyl
ori、Borelia burgdorferi、Legionella pneum
ophilia、Mycobacterium spp(例えば、M.tubercul
osis、M.leprae、M.avium、M.intracellulare、M
.kansaii及びM.gordonae)、Staphylococcus aur
eus、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meni
ngitidis、Listeria monocytogenes、Streptoc
occus pyogenes(A群Streptococcus)、Streptoc
occus agalactiae(B群Streptococcus)、Strept
ococcus viridans、Streptococcus faecalis、
Streptococcus bovis、Streptococcus属の任意の嫌気
性種、Streptococcus pneumoniae、Campylobacte
r spp.、Enterococcus spp.、Haemophilus inf
luenzae、Bacillus anthracis、Corynebacteri
um spp.(C.diphtheriaeを含む)、Erysipelothrix
rhusiopathiae、Clostridium perfringens、C
lostridium tetani、Enterobacter aerogenes
、Klebsiella spp(K.pneumoniaeを含む)、Pasture
lla multocida、Bacteroides spp.、Fusobacte
rium nucleatum、Streptobacillus monilijor
mis、Treponema pallidium、Treponema perten
ue、Leptospira spp.、Rickettsia spp.及びActi
nomyces spp.(A.israeliiを含む)を含むがこれらに限定されな
い。in vivoで生体膜を形成する細菌は、本発明の化合物の特定の標的であり、こ
れらには、Tannerella forsythia、Tannerella den
ticola、Porphyromonas gingivalis及びGardner
ella vaginalisが含まれる。
・真菌標的には、Cryptococcus neoformans、Histopla
sma capsulatum、Coccidioides immitis、Blas
tomyces dermatitidis、Chlamydia trachomat
is及びCandida albicansが含まれるがこれらに限定されない。
・原虫標的には、Plasmodium spp.(Plasmodium falci
parum、Plasmodium malariae、Plasmodium ova
le及びPlasmodium vivaxを含む)、Toxoplasma spp.
(T.gondii及びT.cruziiを含む)、Leishmania spp.、
Cryptosporidium spp.(C.parvumを含む)、Cyclos
pora spp.(C.cayetanensisを含む)、Entamoeba(E
.histolyticaを含む)及びGiardia spp.(G.lamblia
を含む)が含まれるがこれらに限定されない。
・後生動物標的には、寄生生物または病原体、例えば、寄生蠕虫(例えば、Schist
osoma spp.)が含まれる。
in vivoでの細菌増殖の阻害
シアリダーゼ活性は、シアロコンジュゲート糖の利用の鍵であり、細菌との宿主-病原
体相互作用に関与する。糖タンパク質関連シアル酸は、バイオフィルム中で成長する場合
のTannerella forsythiaのための肝要なin vivo栄養素源と
して提案されている(Roy,S.,2011,Microbiology,157,3
195)。本発明の化合物のシアリダーゼ阻害特性はまた、in vivoでの片利共生
及び/または病原性細菌増殖の阻害、特に、哺乳動物(例えば、ヒト)宿主における細菌
バイオフィルムの阻害または排除を含む宿主-細菌細胞相互作用の妨害に適用される。
そのため、化合物は、細菌バイオフィルム(例えば、歯肉縁下プラークバイオフィルム
及び粘膜バイオフィルム)の存在によって媒介または特性化される疾患及び障害の処置ま
たは予防に適用される。
そのような疾患には、Tannerella forsythia、Tannerel
la denticola、Porphyromonas gingivalis及びG
ardnerella vaginalis(後者の種は細菌性膣症及び早産に関連する
)によって引き起こされる歯周病、細菌性膣症及び疾患が含まれる。
片利共生細菌増殖の調節
本発明の化合物のシアリダーゼ阻害性特性はまた、宿主における微生物叢(及び特に片
利共生細菌)の組成物の調節において、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)宿主における
片利共生細菌の組成の調節に適用される。腸内微生物叢の調節が特に好ましい。
アテローム形成
本発明の化合物は、シアリダーゼ阻害剤であり、そのため、アテローム形成の処置また
は予防に適用されるが、その理由はシアリダーゼがこのプロセスに関与するからである(
Sukhorukov,V.N.,et al.,2017,Curr.Pharm.D
es.,23,4696)and osteo-arthritis(Katoh,S.
,et al.,1999,J Immunol.,162,5058)。よって、本発
明の化合物は、アテローム性動脈硬化症の処置及び予防に適用される。
炎症
本発明の化合物は、変形性関節症におけるTNF-α誘導炎症プロセスに関与すると考
えられるシアリダーゼを阻害する(Gee,K.et al.,2003,J Biol
Chem.278,37275)。さらに、本発明の化合物は、TNF-α活性を抑制
または阻害し得る。このように、それらは、炎症が生理的機能の障害及び/または症状及
び/または疼痛において役割を果たす任意の障害に適用される。例えば、本発明の化合物
は、例えば、急性、慢性、局所または全身性炎症を減少または排除するために抗炎症剤と
して使用され得る。
炎症は、微生物、外傷、化学物質、熱、寒さ、日焼けまたは任意の他の有害事象によっ
て組織が損傷した場合に生じる。内因性化学物質(例えば、ブラジキニン、ヒスタミン及
びセロトニン)は、傷害または怪我時に放出され、そのような化学物質は、組織マクロフ
ァージ及び他の白血球を活性化し、引き寄せる。このプロセスの間、TNF-αなどの化
学的メディエーターが放出され、炎症を引き起こす。
炎症性障害は、炎症が持続的または慢性であるものである。そのような状況では、長引
く炎症が組織破壊を引き起こし、罹患した組織及び/または器官の広範囲損傷及び終局的
不調をもたらす。
よって、本発明の化合物は、非局在化炎症性障害、例えば、複数の器官に影響を及ぼす
ものの処置に適用される。そのような障害には、免疫機能障害から生じる(よって、自己
免疫性成分を有し得る)ものが含まれる。そのような状態には、全身性エリテマトーデス
(SLE)、強皮症及び過敏症が含まれる。
炎症が2型糖尿病の発症に関係するという証拠が増えてきている。
本発明の化合物はまた、皮膚炎症及び慢性前立腺炎、糸球体腎炎、炎症性腸疾患、骨盤
内炎症性疾患、再かん流傷害、関節リウマチ、移植拒絶反応、血管炎、喘息、座瘡、変形
性関節症、口腔粘膜、胃腸炎、眼、鼻及び耳炎症ならびに他のステロイド反応性炎症性障
害を含む局在化炎症性障害の処置に適用される。
特に、本発明の化合物は、皮膚炎症性疾患の処置に適用される。これらには、例えば、
光線性角化症、座瘡(尋常性座瘡、面皰性、酒さ性座瘡、及び嚢腫結節型座瘡を含む)、
アレルギー性接触皮膚炎、血管性浮腫、水疱性類天疱瘡、皮膚薬物反応、多形性紅斑、エ
リテマトーデス、光線皮膚炎、乾癬性関節炎、強皮症及びじんましん、乾癬、皮膚炎(例
えば、アトピー性皮膚炎)、強皮症、ステロイド反応性皮膚炎症性障害(例えば、尿毒症
性掻痒症)ならびに日光、放射線、化学療法及び環境刺激物に対する曝露に関連する皮膚
状態が含まれる。
本発明の化合物はまた、炎症性自己免疫疾患の処置に適用される。そのような疾患は、
特定の組織または器官(関節リウマチ及び強直性脊椎炎におけるものののような筋骨格組
織など)、GI管(例えば、クローン病及び潰瘍性結腸炎におけるもの)、CNS(例え
ば、アルツハイマー病、多発性硬化症、運動ニューロン疾患、パーキンソン病及び慢性疲
労症候群におけるもの)、膵臓ベータ細胞(例えば、インスリン依存性糖尿病)、副腎(
例えば、アジソン病)、腎臓(例えば、グッドパスチャー症候群、IgA腎症及び間質腎
炎)、外分泌腺(例えば、シェーグレン症候群及び自己免疫性膵炎)及び皮膚(例えば、
乾癬及びアトピー性皮膚炎)を含み得る。
本発明に従って処置可能な他の炎症性障害には、変形性関節症、歯周病、糖尿病(2型
糖尿病及び糖尿病性腎症を含む)、慢性閉塞性肺疾患、アテローム性動脈硬化症、移植片
対宿主病、慢性骨盤内炎症性疾患、子宮内膜症、慢性A型肝炎及び結核などの状態が含ま
れる。
薬量学
本発明の組成物及び化合物は、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、経皮、気道(エアロゾ
ル)、直腸、膣及び局所(口腔内及び舌下を含む)投与を含む、局所的にまたは経口もし
くは非経口経路によって投与され得る。
投与される量は、採用される特定の投与単位、処置の期間、処置される患者の年齢及び
性別、処置される障害の特質及び程度、ならびに選択された特定の化合物に応じて大きく
変わり得る。
通常、投与される化合物の有効量は通常、1日当たり約0.01mg/kg~500m
g/kgの範囲である。単位投薬量は、0.05~500mgの化合物を含有し得、1日
当たり1回以上服用され得る。化合物は、以下に記載されるように、経口、非経口、また
は局所のいずれかの従来の投薬単位形態を使用して薬学的担体と共に投与され得る。
好ましい投与経路は、経口投与である。通常、好適な用量は、1日当たりレシピエント
の体重1キログラム当たり0.01~500mgの範囲、好ましくは1日当たり体重1キ
ログラム当たり0.1~50mgの範囲、最も好ましくは1日当たり体重1キログラム当
たり1~5mgの範囲である。
所望の用量は、好ましくは、毎日の投与のために単回用量として提供される。しかしな
がら、1日を通して適切な間隔で投与される2、3、4、5もしくは6またはそれ以上の
副次的用量が用いられ得る。これらの副次的用量は、例えば、単位投薬形態当たり0.0
01~100mg、好ましくは0.01~10mg、最も好ましくは0.5~1.0mg
の活性成分を含有する単位投薬形態で投与され得る。
製剤
天然源から単離される場合、idoBR1は精製され得る。しかしながら、本発明の組
成物は、ハーブ薬、食品補填剤、食品添加剤、栄養補助剤、飲料または上記で定義された
ハーブ薬学的キットもしくはパックとしての単位用量の形態をとり得る。そのようなハー
ブ薬は好ましくは、使用前に標準仕様を満たしているかどうかを決定するために分析され
る。
本発明による使用のためのハーブ薬は、乾燥した植物材料であり得る。代替的には、ハ
ーブ薬は、処理された植物材料であり得、処理は、物理的または化学的前処理、例えば、
粉末化、粉砕、凍結、蒸発、濾過、プレス、噴霧乾燥、押し出し、超臨界溶媒抽出及びチ
ンキ生成を含む。ハーブ薬が植物全体(またはその一部)の形態で投与または販売される
場合、植物材料は、使用前に乾燥させられ得る。凍結乾燥、噴霧乾燥または空気乾燥を含
む任意の好都合な乾燥形態が使用され得る。
本発明の化合物は、極性溶媒(エタノール/水混合物、例えば、≧50%v/v(例え
ば、最大で約70%v/v)エタノール/水混合物など)中での抽出によってタンパク質
及び多糖類などの高分子量成分から分離され得る。他の好適な技術には、様々な膜技術が
含まれる。これらには、精密濾過、限外濾過及びナノ濾過が含まれる。代替的に、または
追加で、荷電化合物を濃縮するために電気透析も使用され得る。これらの方法は、所定サ
イズ未満の分子のみを通過させる孔サイズの膜を使用し、または膜を通過させるまたは通
過させないようにする分子上の電荷に依存する。陰イオン及び陽イオン交換樹脂も化合物
を濃縮するために使用され得る。
天然源から単離される場合、本発明による使用のための化合物は精製され得る。化合物
が薬学的に許容可能な賦形剤と一緒に製剤化される実施形態では、例えば、不活性希釈剤
、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、着色剤及び防腐剤を含む任意の好適な賦形
剤が使用され得る。好適な不活性希釈剤には、炭酸ナトリウム及びカルシウム、リン酸ナ
トリウム及びカルシウム、及びラクトースが含まれるが、トウモロコシデンプン及びアル
ギン酸は、好適な崩壊剤である。結合剤には、デンプン及びゼラチンが含まれ得るが、滑
沢剤は、存在する場合、通常はステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクで
ある。
薬学的組成物は、任意の好適な形態をとってもよく、例えば、錠剤、エリキシル、カプ
セル、溶液、懸濁液、粉末、顆粒及びエアロゾルを含み得る。
薬学的組成物は、部材のキットの形態をとってもよく、そのキットは、使用のための指
示書及び/または単位投薬形態の複数の異なる成分と共に本発明の組成物を含み得る。
経口用途のための錠剤は、不活性希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、
着色剤及び防腐剤などの薬学的に許容可能な賦形剤と混合された、本発明による使用のた
めの化合物を含み得る。好適な不活性希釈剤には、炭酸ナトリウム及びカルシウム、リン
酸ナトリウム及びカルシウム、及びラクトースが含まれるが、トウモロコシデンプン及び
アルギン酸は、好適な崩壊剤である。結合剤には、デンプン及びゼラチンが含まれ得るが
、滑沢剤は、存在する場合、通常はステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタル
クである。所望の場合、錠剤は、胃腸管における吸収を遅らせるためにグリセリルモノス
テアレートまたはグリセリルジステアレートなどの物質でコーティングされ得る。経口用
途のためのカプセルには、本発明による使用のための化合物が固体希釈剤と混合された硬
ゼラチンカプセル、及び活性成分が水またはピーナッツ油、液体パラフィンもしくはオリ
ーブ油などの油と混合された軟ゼラチンカプセルが含まれる。
直腸投与のための製剤は、例えば、ココアバターまたはサリチル酸塩を含む好適な基材
を有する座剤として提供され得る。膣投与に好適な製剤は、活性成分に加えて適切な当該
技術分野で知られているそのような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲ
ル、ペースト、フォームまたはスプレー製剤として提供され得る。
筋肉内、腹腔内、皮下及び静脈内用途の場合、本発明の化合物は通常、適切なpH及び
等張性に緩衝された滅菌水溶液または懸濁液で提供される。好適な水性ビヒクルには、リ
ンゲル液及び等張性塩化ナトリウムが含まれる。本発明による水性懸濁液は、懸濁剤、例
えば、セルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン及びトラガカン
トガム、ならびに湿潤剤、例えば、レシチンを含み得る。水性懸濁液に好適な防腐剤には
、エチル及びn-プロピルp-ヒドロキシベンゾエートが含まれる。
本発明の化合物はまた、リポソーム製剤として提供され得る。
経口投与の場合、1つの化合物または複数の化合物は、カプセル、丸剤、錠剤、トロー
チ、ロゼンジ、溶融物、粉末、顆粒、溶液、懸濁液、分散液またはエマルション(溶液、
懸濁液、分散液またはエマルションは、水性または非水性であり得る)などの固体または
液体調製物に製剤化され得る。固体単位投薬形態は、例えば、界面活性剤、滑沢剤、及び
不活性充填剤、例えば、ラクトース、スクロース、リン酸カルシウム、及びコーンデンプ
ンを含有する、通常の硬質または軟質シェルゼラチンタイプのものであり得るカプセルで
あり得る。
別の実施形態では、本発明の化合物は、結合剤、例えば、アカシア、コーンデンプン、
またはゼラチン、投与後の錠剤の分解及び溶解を補助することが意図された崩壊剤、例え
ば、ジャガイモデンプン、アルギン酸、トウモロコシデンプン、及びグアーガム、錠剤造
粒のフローを改善すること及び錠剤ダイ及びパンチの表面への錠剤物質の接着を防止する
ことが意図された滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸、またはステアリン酸マグネシ
ウム、カルシウム、もしくは亜鉛、色素、着色剤、ならびに錠剤の美的資質を改善し、患
者により受け入れられるようにすることが意図された香味剤と組み合わされた従来の錠剤
基材、例えば、ラクトース、スクロース、及びコーンデンプンを用いて錠剤化される。
経口液体投薬形態において使用するための好適な賦形剤には、薬学的に許容可能な界面
活性剤、懸濁剤または乳化剤を添加したまたは添加していない希釈剤、例えば、水及びア
ルコール、例えば、エタノール、ベンジルアルコール、及びポリエチレンアルコールが含
まれる。
本発明の化合物はまた、非経口で、すなわち、皮下、静脈内、筋肉内、または腹腔内に
投与され得る。
そのような実施形態では、化合物は、薬学的担体(滅菌液体または液体の混合物であり
得る)と一緒に生理的に許容可能な希釈剤中の注射可能な用量として提供され得る。好適
な液体には、薬学的に許容可能な界面活性剤(例えば、石鹸または洗浄剤)、懸濁剤(例
えば、ペクチン、カルホマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
、またはカルボキシメチルセルロース)、または乳化剤及び他の薬学的アジュバントを添
加したまたは添加していない水、生理食塩水、水性デキストロース及び関連する糖溶液、
アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール、またはヘキサデシルアルコール)
、グリコール(例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール)、グリセ
ロールケタール(例えば、2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-メタノール)
、エーテル(例えば、ポリ(エチレン-グリコール)400)、油、脂肪酸、脂肪酸エス
テルまたはグリセリド、またはアセチル化脂肪酸グリセリドが含まれる。本発明の非経口
製剤において使用され得る好適な油は、石油、動物、植物、または合成起源のもの、例え
ば、ピーナッツ油、大豆油、ゴマ油、綿実油、コーン油、オリーブ油、ペトロラタム、及
び鉱油である。好適な脂肪酸には、オレイン酸、ステアリン酸、及びイソステアリン酸が
含まれる。好適な脂肪酸エステルは、例えば、オレイン酸エチル及びミリスチン酸イソプ
ロピルである。
好適な石鹸には、脂肪アルカリ金属、アンモニウム、及びトリエタノールアミン塩が含
まれ、好適な洗浄剤には、カチオン性洗浄剤、例えば、ジメチルジアルキルアンモニウム
ハライド、アルキルピリジニウムハライド、及び酢酸アルキルアミン;アニオン性洗浄剤
、例えば、アルキル、アリール、及びオレフィンスルホネート、アルキル、オレフィン、
エーテル、及びモノグリセリドスルフェート、及びスルホスクシネート;非イオン性洗浄
剤、例えば、脂肪アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、及びポリオキシエチレン
ポリプロピレンコポリマー;及び両性洗浄剤、例えば、アルキル-ベータ-アミノプロピ
オネート、及び2-アルキルイミダゾリン第4級アンモニウム塩、ならびに混合物が含ま
れる。
本発明の非経口組成物は典型的には、溶液中に本発明による使用のための化合物を約0
.5~約25重量%含有する。防腐剤及び緩衝液も使用され得る。注射部位での刺激を最
小化または排除するために、そのような組成物は、約12~約17の親水性-親油性バラ
ンス(HLB)を有する非イオン性界面活性剤を含有し得る。そのような製剤における界
面活性剤の量は、約5~約15重量%の範囲である。界面活性剤は、上記HLBを有する
単一成分であり得、所望のHLBを有する2つ以上の成分の混合物であり得る。非経口製
剤において使用される界面活性剤の例は、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステルのクラ
ス、例えば、モノオレイン酸ソルビタン及びプロピレンオキシドとプロピレングリコール
との縮合によって形成される、疎水性ベースとエチレンオキシドとの高分子量付加物であ
る。
本明細書による使用のための1つの化合物または複数の化合物はまた、局所投与され得
、それが行われる場合、担体は、溶液、軟膏またはゲル基材を好適に含み得る。基材は、
例えば、以下のうちの1つ以上を含み得る:ペトロラタム、ラノリン、ポリエチレングリ
コール、蜜ろう、鉱油、希釈剤、例えば、水及びアルコール、ならびに乳化剤及び安定化
剤。局所製剤は、約0.1~約10%w/v(単位体積当たりの重量)の化合物の濃度を
含有し得る。
補助的に使用される場合、本明細書による使用のための1つの化合物または複数の化合
物は、1つ以上の他の薬物(複数可)と共に使用するために製剤化され得る。よって、補
助的使用は、他の薬物(複数可)と適合する(または相乗効果をもたらす)ように設計さ
れた特定の単位投薬量に、または1つの化合物もしくは複数の化合物が1つ以上の酵素と
混合された製剤に反映され得る。補助的使用はまた、本発明の薬学的キットの組成物に反
映され得、その場合、本発明の化合物は、酵素と共に共パッケージングされる(例えば、
単位用量のアレイの一部として)。補助的使用はまた、1つの化合物または複数の化合物
及び/または酵素の共投与に関する情報及び/または指示書に反映され得る。
化粧用製剤
本発明の化粧用組成物は、例えば、保湿組成物、クレンジング組成物、または皮膚に利
益を提供し得る任意の組成物から選択され得る。本発明の化粧用組成物は、例えば、以下
に記載されるものから選択される化粧的に許容可能な賦形剤または担体を含み得る。
一実施形態では、化粧用組成物は、クレンジング組成物である。好適なクレンジング組
成物は、室温で固体または半固体である。有用なクレンジング組成物の例には、グリセリ
ン石鹸を含む脂肪酸石鹸、合成洗浄剤及びそれらの混合物が含まれるがこれらに限定され
ない。固体クレンジング組成物は、Soap Technology for the
1990’sに広範に教示されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
クレンジング組成物は流動可能であることが望ましい。
本発明の一実施形態では、クレンジング組成物は、グリセリン石鹸を含む。本発明に有
用なグリセリン石鹸の例には、米国特許番号4,405,492及び4,879,063
(その開示は、参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているものが含まれるが
これらに限定されない。
好適な脂肪酸石鹸の例は、およそ10~22の炭化水素鎖長(カルボキシル炭素を含む
)に由来する石鹸を含み、飽和または不飽和であり得る。石鹸は、例えば、ナトリウム塩
、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩及びそれらの混合物であ
り得る。
好適な合成洗浄剤には、所望の目的のために当該技術分野で知られているものが含まれ
る。パーソナルクレンジングに有用な洗浄剤の例には、イセチオネート、サルコシネート
、及び純粋鎖長バリアントであり得るグリセリルエーテルスルホネートまたはココナッツ
油などの市販の油に由来するものが含まれる。他の好適な洗浄剤には、アニオン性アシル
サルコシネート、メチルアシルタウレート、N-アシルグルタメート、アルキルスルホス
クシネート、アルキルホスフェートエステル、エトキシル化アルキルホスフェートエステ
ル、トリデセススルフェート、タンパク質縮合物、エトキシル化アルキルスルフェートと
アルキルアミンオキシドとの混合物、ベタイン、スルタイン及びそれらの混合物が含まれ
る。1~12個のエトキシ基を有するアルキルエーテルスルフェート、特にアンモニウム
及びナトリウムラウリルエーテルスルフェートが含まれる。
化粧用組成物は、保湿組成物であり得る。
本発明の化粧用組成物の他の任意の成分には、香料、芳香剤、防腐剤、着色剤、色素、
抗凝固剤、及びパーソナルケア成分(皮膚及びヘアケア成分を含むがこれらに限定されな
い)が含まれるがこれらに限定されない。
本発明において有用な好適なパーソナルケア成分の例には、安全かつ有効量の保湿剤、
日焼け止め剤、皮膚緩和剤、抗刺激剤、抗炎症剤、皮膚軟化剤、コンディショニング剤、
湿潤剤、デオドラント、制汗剤、人工日焼け剤、抗菌剤、抗座瘡剤、抗しわ剤、抗皮膚萎
縮剤、皮膚引き締め剤、抗掻痒剤、抗真菌剤、局所麻酔剤、皮膚の色合いの平滑化剤、活
性天然成分、不要な毛の出現を最小化するためのまたは不要な毛の再生を遅らせるための
薬剤、皮膚質感改変剤、及びさらなるクレンジング剤が含まれるがこれらに限定されない
一実施形態では、化合物は、例えば、乾燥皮膚の処置及び軟化剤用途において用いられ
ているような油中水(w/o)エマルションを使用することによって水またはアルコール
性水抽出物から使用され得る。
軟化剤は、皮膚表面上または角質層内に留まって潤滑油として作用し、皮膚剥離を減少
させ、皮膚外観を改善するそれらの能力によって機能する。典型的な皮膚軟化剤には、脂
肪エステル、脂肪アルコール、鉱油、ポリエーテルシロキサンコポリマーなどが含まれる
。好適な皮膚軟化剤の例には、ポリプロピレングリコール(「PPG」)-15ステアリ
ルエーテル、PPG-10セチルエーテル、ステアレス-10、オレス-8、PPG-4
ラウリルエーテル、ビタミンEアセテート、PEG-7グリセリルココエート、ラノリン
、及びそれらの組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。ビタミンEアセテート、
PEG-7グリセリルココエート及びそれらの組み合わせが好ましい。
好適な保湿剤の例には、多価アルコールが含まれる。好適な多価アルコールには、グリ
セロール(グリセリンとしても知られている)、ポリアルキレングリコール、アルキレン
ポリオール及びそれらの誘導体(プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びそれらの誘導体を含む)、ソルビト
ール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3-ジブチレング
リコール、1,2,6,-ヘキサントリオール、エトキシル化グリセロール、プロポキシ
ル化グリセロール及びそれらの混合物が含まれるがこれらに限定されない。
好適な皮膚緩和剤には、パンテノール、ビサボロール、アラントイン、アロエ、及びそ
れらの組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。
好適なコンディショニング剤には、ジメチコーンプロピルPG-ベタイン、ジメチコー
ンコポリオール、ポリクオタニウム-10、グアー、グアー誘導体、及びそれらの組み合
わせが含まれるがこれらに限定されない。好適な抗座瘡活性成分には、サリチル酸、硫黄
、乳酸、グリコール酸、ピルビン酸、尿素、レゾルシノール、N-アセチルシステイン、
レチノイン酸、過酸化ベンゾイル、オクトピロックス、トリクロサン、アゼライン酸、フ
ェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フラボノイド、それらの誘導体、及びそ
れらの組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。サリチル酸及び過酸化ベンゾイル
が好ましい。
これより、本発明を具体的な実施例を参照して説明する。これらは単なる例示であり、
説明を目的とするものにすぎない:それらは、請求された独占権の範囲または記載された
発明にいかなる形でも制限することを意図していない。これらの例は、本発明を実施する
ために現在企図される最良の態様を構成する。
実施例1:idoBR1によるシアリダーゼ阻害
序論
シアリダーゼまたはノイラミニダーゼは、オリゴ糖及び複合糖質からの末端シアル酸の
切断を触媒する酵素である。それらは、生物学的システムにおけるシアル酸含有分子の代
謝を調節する上で重要な役割を果たしている。それらは、多くのウイルス及び病原性細菌
、例えば、Tannerella forsythiaにとって病原因子でもある。ヒト
好中球のシアリダーゼ活性は、宿主炎症反応において重要な役割を果たすことが報告され
ている(Glanz,V.Y.,2019,European J.Pharmacol
.842,345)。
方法。シアリダーゼアッセイは、20mMのリン酸ナトリウム緩衝液中の0.1mMの
メチルウンベリフェリル-N-アセチルノイラミン酸、pH7.2の存在下でインキュベ
ーションされた2.8mM及び0.28mMの阻害剤(または阻害剤を含まない水)及び
2.5nMのシアリダーゼ(T.forsythiaからのNanHを含む)を使用した
。反応を、pH10.5の60mMの炭酸ナトリウム緩衝液の添加により30秒及び60
秒の時点で停止させた。蛍光性メチルウンベリフェロン(MU)の放出を、450nmの
蛍光発光、350nmの励起を測定することによって定量した。シアリダーゼ活性パーセ
ンテージは、阻害剤を用いない反応のものと比較した30秒~60秒の間の蛍光の変化と
して表した。反応を三重に行った。
結果
idoBR1は、シアリダーゼの阻害をもたらしが、これは使用された両方の濃度(2
.8mM[36%]及び0.28mM[42%])で30%を超える阻害を伴い、明確に
は用量依存的ではなかった。両方の濃度で確認された同様の阻害は、阻害が競合的ではな
いことを示唆している。
実施例2:THP-1細胞における内因性シアリダーゼ活性の阻害アッセイ
序論
この研究の目的は、idoBR1または1%を超えるidoBR1を有するキュウリ抽
出物(Q-アクチンバッチB17CF001)が、ヒトTHP-1(単球様)細胞培養物
においてシアリダーゼの活性に影響を及ぼし得るかどうかを決定することであった。この
研究の結果は、idoBR1によるシアリダーゼの発現の減少または酵素の阻害の組み合
わせであり得る。
方法
シアリダーゼ活性試験のためのTHP-1細胞株処置
THP-1細胞を、培養フラスコにおいて80%コンフルエントとなるまでメルカプト
エタノール及びグルタミンが補填されたRPMI培地において培養し、次いで吸引し、1
500rpmで5分間遠心分離した。次いで細胞ペレットを1mlのRPMI完全培地に
再懸濁し、血球計を使用して慣例的にカウントした。細胞(5×106)を別のディッシ
ュにおいてPMA(10ng/ml)と共にインキュベーションしてTHP-1細胞を分
化させた。シアリダーゼ活性を決定するために、THP-1細胞を、idoBR1及びキ
ュウリ抽出物-Q-アクチン(バッチ番号B17CF001)でそれぞれ100μg/m
l~12.5μg/ml及び200μg/ml~25μg/mlの濃度で1時間前処置し
、続いてLPS(1μg/ml)で24時間刺激した。インキュベーション後、細胞を使
用してシアリダーゼ活性を決定した。
THP-1細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、0.25Mスクロース、
1mMのEDTA、及び0.2mMのフッ化フェニルメチルスルホニルを含有する氷冷緩
衝液に再懸濁した。細胞懸濁液を低設定(6%の振幅)(VibracellTM;So
nics and Materials Inc.,Newtown,CT)で氷上で1
5秒間超音波処理し、続いて25,000gで15分間4℃で遠心分離した。得られた上
清を使用してリソソームシアリダーゼ活性を決定した。上清のタンパク質定量を、上述し
たようにBio-Radタンパク質決定キットを使用して実施した。リソソームシアリダ
ーゼ活性の決定のため、200μgの総タンパク質を、40nmolの4-メチルウンベ
リフェリル-α-N-アセチル-D-ノイラミン酸(Sigma)、リソソームシアリダ
ーゼ特異的基質、10μmolの酢酸ナトリウム緩衝液、pH4.6、及び200μgの
ウシ血清アルブミン(合計体積200μl)と混合した。シアリダーゼ反応を37℃で1
時間進行させ、0.25MグリシンNaOH、pH10.4の添加によって停止させた。
放出された4-メチルウンベリフェロンを、365nmの励起波長及び448nmの発光
波長で蛍光測定(Synergy2マルチモードプレートリーダー)で測定した。シアリ
ダーゼ活性は、16時間の細胞インキュベーションの時点で最大であることが判明した。
結果
シアリダーゼ活性は、LPS(1μg/mL)処置後の16時間の時点で最高であるこ
とが判明し、そのため、このインキュベーション時間を、THP-1細胞におけるシアリ
ダーゼ活性に対するidoBR1及びキュウリ抽出物の効果のさらなる評価のために使用
した。
50μg/ml及び100μg/mlで試験された標準idoBR1は、LPS対照と
比較してそれぞれ0.63及び0.55の相対的シアリダーゼ活性の最大減少を示した。
100μg/ml及び200μg/mlでのQ-アクチンは、対照(LPS)と比較して
それぞれ0.7及び0.62の相対的シアリダーゼ活性の最大減少を示した。
実施例3:ELISAを使用したidoBR1の存在下でのCD44-HA(ヒアルロ
ン酸)結合活性のためのTHP-1細胞株処置
序論
CD44は、造血、粘膜リンパ組織へのホーミング、及び炎症性組織へのリンパ球浸潤
に関与することが示されている。CD44及びCD168(RHAMM)とのヒアルロン
酸(HA)相互作用は、チロシンキナーゼ、プロテインキナーゼC、FAK、及びPI3
K、MAPK、NFκB、及びRAS、ならびに炎症及びがんに必要とされる細胞骨格成
分の活性化を含む多数の細胞挙動を誘導し得る。ほとんどの細胞は、CD44のいくつか
の形態を発現するが、すべての細胞がHAに構成的に結合するわけではない(Krywo
ruchko,M.et al.,1999,Cellular Immunol.,1
94,54;Nandi et al.,2000,J.Biol.Chem.,275
,14939)。機能的に活性なHA接着CD44は、MAPK活性化を介してシアリダ
ーゼの誘導により生成される。LPSで誘導される炎症反応におけるMAPKの役割を理
解するために行われた研究は、MAPKp42/44媒介TNF-α生成及びその後のT
NF-α媒介p38活性化が、シアリダーゼ活性によるHA接着CD44の生成をもたら
すことを示している(Gee,K.et al.,2003,J Biol Chem.
278,37275)。
方法
THP-1細胞を、培養フラスコにおいて80%コンフルエントとなるまでメルカプト
エタノール及びグルタミンが補填されたRPMI培地において培養し、次いで吸引し、1
500rpmで5分間遠心分離した。次いで細胞ペレットを1mlのRPMI完全培地に
再懸濁し、血球計を使用して慣例的にカウントした。細胞(5x106)を別のディッシ
ュにおいてホルボール12-ミリステート13-アセテートPMA)(10ng/ml)
と共にインキュベーションしてTHP-1細胞の分化を引き起こした。CD44-HA結
合活性を決定するために、THP-1細胞を、idoBR1またはキュウリ抽出物-Q-
アクチン(バッチ番号B17CF001)でそれぞれ100μg/ml~12.5μg/
ml及び200μg/ml~25μg/mlの濃度で1時間前処置し、続いてLPS(1
μg/ml)で24時間刺激した。インキュベーション後、細胞ライセートをさらなる分
析のために得た。
抗CD44モノクローナル抗体(Invitrogen、2μg)を50mMの炭酸塩
/重炭酸塩緩衝液(pH9.6)中で96ウェルプレートにおける各ウェルにコーティン
グし、4℃で一晩インキュベーションした。未結合抗体を0.05%Tween20を有
するPBS(PBS-T洗浄溶液)を使用して除去した。ウェルを1%BSAを使用して
ブロッキングし、37℃で1時間インキュベーションした。ウェルを、PBS-T洗浄溶
液を使用して200μlをウェルに添加することによって3回十分に洗浄した。50μl
の細胞ライセートをウェルに添加し、37℃で1時間インキュベーションした。次いでウ
ェルを、各洗浄前にウェルを30秒間浸漬することによって200μlのPBS-Tを添
加することによって3回洗浄した。ビオチン化ヒアルロン酸(HA)抗体と、それに続い
てストレプトアビジン-HRPを添加して免疫複合体を形成し、37℃で60分間インキ
ュベーションした。溶液を吸引し、ウェルを200μlの洗浄溶液を用いてウェルを30
秒間浸漬することによって3回洗浄した。50μlのクロモゲンA及びクロモゲンBの両
方を各ウェルに添加した。プレートを光を避けて37℃で15分間インキュベーションし
た。反応を50μlの停止溶液を添加することによって停止させ、吸光度を450nmで
読み取った。
結果
CD44結合HAは、LPS刺激(1μg/ml)THP-1細胞で110.45ng
/mlであることが判明した。100μg/mlでのido-BR1は、LPS対照と比
較してTHP-1細胞においてLPS誘導炎症反応でCD44-HAレベルの最高減少(
26.62%)を示した。200μg/mlでのキュウリ抽出物-Q-アクチンは、LP
S対照と比較してTHP-1細胞においてLPS誘導炎症反応でCD44-HAレベルの
最高減少(30.60%)を示した。
実施例4:ヒト血液におけるidoBR1及びQ-アクチンキュウリ抽出物によるTN
F-アルファ生成の減少
序論
単球(マクロファージ)及びTリンパ球によって生成されるサイトカインであるTNF
-αは、炎症反応をもたらす因子のカスケードにおいて重要な要素であり、疾患状態の主
要なオーケストレータとして多くの多面的な効果を有する(Beutler,B.et
al.,1989,Annual Review of Immunology,7,6
25)。TNF-αの生物学的効果は、その濃度及び生成部位に依存する:低濃度では、
TNF-αは、所望の恒常性及び防御機能をもたらし得るが、高濃度では、全身的にまた
は所定の組織で、TNF-αは、他のサイトカイン、特にインターロイキン-1(IL-
1)と相乗作用して多くの炎症反応を悪化させ得る。この研究の目的は、ヒト全血におけ
るTNF-レベルを調節する能力に関してidoBR1またはidoBR1を有するキュ
ウリ抽出物の抗炎症活性を評価することであった。
方法
Scottish National Blood Transfusion Ser
vice(SNBTS),Glasgow,UKによって血液及びバフィーコート画分が
供給された。Ficoll Histopaque(1.077g/l)、リポ多糖(S
almonella abortus equi由来)をSigma-Aldrich
Co.Ltd.(UK)から購入した。PGEは、Cayman Chemical C
o.(Ann Arbor,MI)からのものである。TNF-αELISAアッセイの
ためのヒトTNF-α抗体対をInvitrogen/Life Sciences E
uropeから購入した。すべての薬物をGibco BRL,UK製のRPMI164
0に溶解した。
血液は、献血後にいかなるさらなる処置もせずに使用した。それは親切にも、Scot
tish National Blood Transfusion Serviceに
よって、すべてがHIV、B型及びC型肝炎、CMV及び寄生虫疾患、例えば、マラリア
について陰性であることを確保することによって(National Blood Tr
ansfusion serviceによって試験された)定義される正常な健康ドナー
から供給された。それらはまた、常に<50pg/mlであったTNF-αの基礎レベル
を測定することによって血液が採取された時に急性炎症性疾患がないことが我々の実験室
によって確認された。
細胞の刺激及びTNF-αの測定
全血のアリコート(800μl)を、結果に示されているように、RPMI1640に
溶解した化合物と共に適切なプレインキュベーション期間でインキュベーションし、この
後にLPSを添加し、空気中5%COの加湿(100%)雰囲気内で37℃でさらに2
0時間インキュベーションを継続した。インキュベーション期間の最後に、血漿または培
地のいずれかからの上清を10,000gで30秒間室温で遠心分離によって収集し、T
NF-αレベルをヒトTNF-αELISAシステム(BioSource Europ
e S.A.,Belgium、Invitrogenによって供給された)を使用して
測定した。
結果
ヒト血液中のLPS誘導TNF-αに対するキュウリ抽出物及びidoBR1の強力な
活性が以下の2つの表に示されている。0.09%でidoBR1を含有するキュウリ抽
出物(試作Q-アクチン)はTNF-αを減少させたのに対し、idoBR1は、10μ
Mよりもはるかに低くても有効であることが示され、idoBR1が単独でキュウリ抽出
物の抗炎症効果の原因であり得ることを確認した。Q-アクチンは、ここで使用された試
作抽出物よりも10~100倍多いidoBR1を含有する。10分の1のidoBR1
を有するQ-アクチン抽出物は、TNF-αに対して10分の1の効果を有していた(デ
ータは示されていない)。
第2の研究は、プレインキュベーションを用いたヒト血液におけるidoBR1(0.
01μMで有意)についてさらに高い活性を示した。48時間のプレインキュベーション
でのidoBR1のIC50を、血液の場合は182nMとして及びヒト単球細胞株TH
P-1細胞によるTNF-αの生成の阻害の場合は27nMとして算出した。idoBR
1は、トリパンブルー取り込みまたはMTT色素変換によって測定された場合、THP-
1細胞の生存性を有意に変化させなかった。idoBR1(10μM)の阻害性作用は、
デキサメタゾン(50μM)を用いた同じ前処置のものと同等であり、それぞれ>50%
及び>65%阻害した。LPSを伴うミフェプリストン(グルココルチコイド受容体アン
タゴニスト)単独では、THP-1細胞からのTNF-α生成を大幅に増幅させたが、デ
キサメタゾンの存在下では、それはデキサメタゾンの抑制作用を逆行させたが、idoB
R1のそれは逆行させなかった。データは、idoBR1がヒト血液におけるTNF-α
の生成を阻害することができることを明確に示している。よって、それは強力な抗炎症剤
であり得るようである。また、それは、ステロイド受容体経路とは異なる新規メカニズム
を介して作用している可能性があるようである。
ヒト血液においてLPSで刺激されたTNF-α生成に対する様々なidoBR1濃度
の効果を示す表。全血を様々な濃度のidoBR1と共に48時間プレインキュベーショ
ンし、その後にLPS(10μg/ml)を添加し、インキュベーションをさらに20時
間継続した。37℃(5%CO、100%湿度)でのインキュベーション後、血液から
血漿を遠心分離によって収集し、血漿サンプルにおけるTNF-αのレベルをELISA
によって測定した。
実施例5:LPSで刺激されたTHP-1細胞におけるサイトカインIL-10、IL
-12及びIL-1βに対するidoBR1及びキュウリ抽出物の効果
序論
IL-10は、抗炎症サイトカイン及び炎症性サイトカインの重要な負の調節因子であ
る。T細胞、B細胞、及び単球/マクロファージを含む多様な細胞タイプは、免疫活性化
の異なる条件下でIL-10を分泌する(Moore,K.et al.,1993,A
nnu.Rev.Immunol.,11,165)。in vitro研究は、IL-
10がIL-1β、IL-6、TNF-α、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、及
びIL-12の放出及び機能を抑制することを示し(Casatella,M.et a
l.,1993,J.Exp.Med.,178,2207;de Waal Male
fyt,R.et al.,1991,J.Exp.Med.,174,1209;Fi
orentino,D.et al.,1991,J.Immunol.,147,38
15)、これにより免疫反応及び炎症の制御のための正常な内因性フィードバックメカニ
ズムを示唆している(Asadullah,K.et al.,1998,J.Clin
.Invest.101,783;,Joosten,L.et al.,1997,A
rthritis Rheum.,40,249)。研究は、IL-10がIL-12
p40及びp35ならびに主に転写レベルでのTNF-a遺伝子発現に対するその抑制的
効果を発揮することを実証した(Aste-Amezaga,M.et al.,199
8,J.Immunol.,160,5936)。いくつかの自己免疫疾患の発病に関与
する炎症性サイトカインの中で、IL-12は、IFN-γ生成及びTヘルパー(Th)
1自己免疫反応の発生の主要な刺激剤である(Paunovic,V.et al.,2
008,Rheumatology,47,771)。IL-12は、多様なサイトカイ
ンと相乗作用し、IFN-γ及び炎症性サイトカインの生成を誘導することが実証されて
いる。単球/マクロファージは、感染時にまたはLPSの刺激によって炎症を媒介するT
NF-αと共にIL-1βを生成する。それは、独立して及び他のメディエーターと組み
合わさって炎症反応及び異化作用を誘導する。IL-1βによる細胞の生物学的活性化は
、別のIL-1群であるIL-1αとも結合し得る膜受容体、すなわち、IL-1R1(
IL-1RI、CD121a)との相互作用によって媒介される。
方法
THP-1単球に対するELISAアッセイ
ELISAアッセイのためのサンプル調製
80%コンフルエントの培養フラスコ内の細胞を吸引し、1500rpmで5分間遠心
分離した。次いで細胞ペレットを1mlのRPMI完全培地に再懸濁し、96ウェルマイ
クロタイタープレートの各ウェルに1×105細胞/ウェルで播種した。24時間のイン
キュベーション後、PMA(10ng/ml)を96ウェルプレートに添加してTHP-
1細胞を分化させてTNF-α生成を決定し、THP-1細胞を、idoBR1またはキ
ュウリ抽出物-Q-アクチン(バッチ番号B17CF001)で200μg/ml~25
μg/mlを2倍に順次希釈した濃度で1時間前処置し、続いてLPS(100ng/m
l)で2時間刺激した。インキュベーション後、ウェルの各々からの細胞上清を滅菌マイ
クロ遠心チューブ内に吸引し、1000rpmで2~3分間遠心分離した。次いで細胞上
清を、ELISAを使用してサイトカインの存在の評価のために使用した。
サンドイッチELISAアッセイ
IL-12、IL-1β、またはIL-10に対する抗体(R&D Systems,
USA)でコーティングされたELISAプレートを以下の研究のために使用した。各ウ
ェルに50μLのアッセイ希釈剤RD1Fを十分に混合した後に添加した。ウェル当たり
200μLのサンプル(idoBR1または抽出物)、または対照を添加し、接着ストリ
ップで覆った。2時間室温でインキュベーションした後、各ウェルを吸引し、洗浄緩衝液
(400μl)で4回洗浄した。最後の洗浄の後、残存する洗浄緩衝液を吸引またはデカ
ンテーションによって除去した。プレートを反転させ、清潔なペーパータオルで拭き取っ
た。各ウェルに200μlの適切なヒトコンジュゲートを添加し、次いでこれらを新たな
接着ストリップで覆い、室温で1時間インキュベーションした。次いで吸引/洗浄を繰り
返した。次いで200μLの基質溶液を各ウェルに添加し、遮光して室温で20分間さら
にインキュベーションした。50μLの停止溶液を各ウェルに添加した。ウェルの色は青
色から黄色に変化した。30分以内に450nmでODを測定した。
結果
idoBR1及びキュウリ抽出物の両方で抗炎症マーカーIL-10がそれぞれ3.0
4及び3.65倍増加した。IL-10の結果は、抗炎症効果を示す。100μg/mL
でのidoBR1は、LPS対照と比較してTHP-1細胞においてLPS誘導炎症反応
でIL-12レベルの24.53%の減少を示した。200μg/mLでのキュウリ抽出
物Q-アクチンは、LPS対照と比較してTHP-1細胞においてLPS誘導炎症反応で
IL-12レベルの25.88%の減少を示した。100μg/mLでのidoBR1は
、LPS対照と比較してTHP-1細胞においてLPS誘導炎症反応でIL-1βレベル
の24.07%の減少を与えた。200μg/mLでのキュウリ抽出物Q-アクチンは、
THP-1細胞においてLPS誘導炎症反応でIL-1βレベルの最も高い減少(22.
53%)を示した。
実施例6:Q-アクチンを用いたジムワークアウトは、ヒト血液中で測定されるIL-
10を増加させる
序論
我々は、idoBR1及びキュウリ抽出物(Q-アクチン)によるTHP-1細胞にお
ける抗炎症サイトカインIL-10の調節を示した。筋肉炎症反応を自然に引き起こす所
与の激しい運動レジームが与えられたQ-アクチンを摂取している人々におけるサイトカ
インの調節をここで試験する。
方法
運動回復実験において、7人のプラセボ対象及び10人のQ-アクチン対象を使用して
、血液サンプル中のIL-10を測定した。対象に1日2回10mgのQ-アクチンまた
はプラセボ(いずれもカプセル)を、激しい運動をした4日間の0日目から1、2、3日
目及び4日目(回復日である)に与えた。血液サンプルを1、2、3日目の運動の前及び
後ならびに回復の4日目の最後に採取した。IL-10をELISAアッセイによって測
定した。
結果
Q-アクチンが与えられた対象は、運動を開始するとIL-10が有意に大幅に増加す
る傾向を示し、LPSで刺激されたTHP-1細胞において得られた結果を裏付けた。
実施例7:idoBR1及びidoBR1を含有するキュウリ抽出物のMAPKシグナ
ル伝達効果
序論
MAPKシグナル伝達カスケードは、炎症反応の開始において役割を果たす。炎症性サ
イトカイン遺伝子の誘導は、MAPKの活性化を必要とし、細胞外調節プロテインキナー
ゼ/マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(ERK/MAPK)経路の刺激は、下流炎
症反応に不可欠である(Kaminska,B.,2005,Biochim.Biop
hys.Acta,1754,253;Buchholz,K.et al.,2007
,Infection and Immunity,75,5924)。MAPK経路は
また、COX-2、iNOS、IL-1β、及びTNF-αを含む炎症性メディエーター
遺伝子の発現に必要とされる。ERK及び/またはp38 MAPKは、IL-1βの上
方制御に関与することが報告された(Baldassare,J.et al.,199
9,J.Immunol.,162,5367)。
方法
THP-1細胞を、培養フラスコにおいて80%コンフルエントとなるまでメルカプト
エタノール及びグルタミンが補填されたRPMI培地において培養し、次いでそれらを吸
引し、1500rpmで5分間遠心分離した。次いで細胞ペレットを1mlのRPMI完
全培地に再懸濁し、血球計を使用して慣例的にカウントした。細胞(5×106)を別の
ディッシュにおいてPMA(10ng/ml)と共にインキュベーションしてTHP-1
細胞を分化させた。タンパク質発現p38及びp42/44を決定するために、THP-
1細胞をidoBR1-100μg/ml及び50μg/mlならびにキュウリ抽出物(
Q-アクチンバッチ番号B17CF001)-200μg/ml及び100μg/mlで
1時間前処置し、続いてLPS(1μg/ml)で2時間刺激した。インキュベーション
後、細胞を回収し、タンパク質全体を単離した。
ウェスタンブロット手順
細胞ペレットを溶解し、タンパク質濃度をBio-Radタンパク質決定アッセイ(B
io-Rad)を使用して決定した。全細胞タンパク質を8%ポリアクリルアミドSDS
ゲル電気泳動に供し、続いてポリビニリデンジフルオライド膜(Thermoscien
tific)上に移した。膜をマウス抗ホスホp38mAb(Thermoscient
ific)またはマウス抗ホスホp42/44mAb(Thermoscientifi
c)のいずれかで、続いて西洋ワサビペルオキシダーゼがコンジュゲートされたヤギ抗マ
ウスポリクローナル抗体(Thermoscientific)でプローブした。すべて
のイムノブロットをECL(Amersham Biosciences)によって可視
化した。100μg/ml及び200μg/mlで試験された試験サンプルQ-アクチン
は、LPS対照と比較してそれぞれ0.92及び0.83のリン酸化p38発現の相対的
減少を示した。50μg/ml及び100μg/mlのidoBR1の場合、LPS対照
と比較してそれぞれ0.88及び0.80のリン酸化p38発現の減少を示した。100
μg/ml及び200μg/mlで試験されたQ-アクチンは、LPS対照と比較してそ
れぞれ0.81及び0.78のリン酸化ERK42/44発現の相対的減少を示した。5
0μg/ml及び100μg/mlでのidoBR1は、LPS対照と比較してそれぞれ
0.80及び0.76のリン酸化ERK42/44発現の減少を示した。
そのため、idoBR1及びidoBR1を含有するキュウリ抽出物(Q-アクチン)
はいずれとも、炎症反応において不可欠な役割を果たすMAPKシグナル伝達カスケード
を低減することができることが示された。
実施例8:idoBR1の経口利用可能性及びin vivo安定性
序論
この研究の目的は、摂取されたキュウリ/ガーキンからのidoBR1の経口利用可能
性を尿中のそれを測定することによって調べることであった。この研究は、idoBR1
の経口利用可能性及び全身的活性の可能性を示唆しただけでなく、化合物が未変化のまま
膜を通過する能力を裏付けており、よって、局所利用可能性も裏付けている。
方法
Parisien picklingキュウリ(Lidl 2013から購入した種子
)を有機栽培し、1人の男性ボランティア及び1人の女性ボランティアの各々が正午に3
つ摂取した。消費された生重量は、消費されたキュウリのすべてから除去された30gの
比較用重量を加えて各場合で260gであり、これを分析のために維持した。ボランティ
アは、実験前の15時間、Cucurbitaceae食品を摂取しなかった。消費前の
尿サンプルをt=0として3時間にわたって収集し、次いでサンプルを女性の場合は9時
間及び男性の場合は15時間収集した。30gのキュウリサンプルを50%エタノール(
aq)中でホモジナイズし、15時間の抽出後にそれを濾過し、idoBR1画分をH+
型のカチオン交換樹脂IR120に結合させた。カラムを水で洗浄した後、2Mアンモニ
ア溶液で置換した物質を乾燥させ(52.3mg)、Pierce TriSilを使用
したトリメチルシリル化後にGC-MSによって分析した。次いで残りの51mgの物質
には、比較定量の目的のために0.2mgのカスタノスペルミンを添加した。アンモニア
溶液で置換された物質を同じ陽イオン交換樹脂(この場合はアンモニウム型)で2回目を
実行して強塩基(アンモニウム型のIR120に結合する)を減少させ、保持されなかっ
た物質のみが維持されたことを除き、陽イオン交換樹脂を使用して尿サンプル全体を同様
に処置した。尿idoBR1画分を乾燥させ、水で20mlとした。各々の500ulを
サンプリングし、0.025mgのカスタノスペルミンを添加した。
結果
キュウリのGCMS分析
これは、Perkin Elmer Turbomass Gold GCMSで行っ
た。10.33分での主要ピークのスペクトルは、真正のidoBR1,900288
PhytoQuest Ltd,UK)のGCMSスペクトルと一致した。真正のBR1
(900125,PhytoQuest Ltd)とカスタノスペルミンとの間の相対反
応因子は1:2であると計算された。同じ反応因子を想定して、idoBR1の量を30
gのサンプル中で1.5mgと推定し、これは、ボランティアがおおよそ260/30×
1.5mg=13mgのidoBR1を消費したことを意味する。
尿の結果
キュウリの消費前に収集した尿サンプルは、idoBR1の保持時間(10.33分)
で有意なピークを示さなかった。15時間後、男性は、カスタノスペルミン参照ピーク面
積と比較しておよそ2.4mgのidoBR1の排出を示したが、摂取及び排泄のより正
確な測定が、決定的なマスバランスに必要とされるであろう。女性は、およそ2.1mg
のidoBR1を排泄した。この研究では、idoBR1が経口で利用可能であり、尿中
で測定できることが確認され、このことは、それが経口摂取から血流に入ることができ、
少なくとも有意な割合が未変化のまま尿中に排泄されることを意味している。これは、化
合物が消化管において膜を通過でき、尿中に有意に存在することを示している。尿分析で
は明らかなコンジュゲーションは観察されなかった。
残存するidoBR1がより長い間体内に残存していた可能性がある。よって、それは
強力な抗炎症剤であり得、長期持続性であり得るようである。
実施例9:ミクログリア細胞に対するidoBR1の効果
序論
ミクログリア細胞は、中枢神経系(CNS)の常在マクロファージである。これらの細
胞は、CNSにおける活性免疫防御の主要な形態である。アルツハイマー病及びパーキン
ソン病などの神経変性障害では、ミクログリアは、慢性的に活性化され、正常なCNS活
性をさらに妨害する炎症性サイトカインの放出を促進する。生物活性食品成分が、酸化ス
トレスを減少させることによって及び/または炎症性遺伝子発現を減少させることによっ
て炎症の作用を軽減し得る程度を試験することについて大きな関心が存在する。
方法
ネズミ科動物ミクログリア細胞株BV-2の細胞培養物において準最適LPSを用いて
及び用いずに0、20、40及び80μg/mlでidoBR1を使用した。24時間後
にTNF-α及び亜硝酸塩の生成を測定した。興味深いことに、Q-アクチンからのid
oBR1は、刺激されたミクログリア細胞によるTNF-α及び亜硝酸塩生成を減少させ
るのに有効であることが判明した。
均等物
前述の説明は、本発明の現在の好ましい実施形態を詳述している。その実施における多
数の改変及び類型が生じることがこれらの説明を考慮して当業者に予想される。それらの
改変及び類型は、本明細書に添付された特許請求の範囲に包含されることが意図される。
植物源は、CucumisまたはCucurbita属の植物を含み得る。Cucumis属の好ましい種は、Cucumis sativus種(キュウリ)の植物である。Cucurbita属の好ましい種は、Cucurbita melosまたはCucurbita moschata種である。
本開示は、以下の[1]から[53]を含む。
[1](2R,3R,4R,5S)-3,4,5-トリヒドロキシピペリジン-2-カルボン酸(idoBR1)を含む組成物の生成のためのプロセスであって、上記プロセスは、
(e)Cucurbitaceae科の植物を含む植物源からの植物材料を提供する工程、
(f)上記植物材料を分画してidoBR1が濃縮された抽出物を生成する工程、
(g)上記抽出物を(i)シアリダーゼに対する阻害活性、(ii)TNF-アルファに対する阻害活性、または(iii)IL-10刺激活性についてアッセイする工程、及び
(h)上記アッセイされた抽出物を化粧的に、栄養補助的にまたは薬学的に許容可能な賦形剤または担体を用いて製剤化して化粧用、栄養補助用または薬学的組成物を生成する工程
を含む、上記プロセス。
[2]上記植物源は、Cucumis属の、例えば、Cucumis sativus種の植物を含む、上記[1]に記載のプロセス。
[3]上記植物源は、Cucurbita属の、例えば、Cucurbita melosまたはCucurbita moschata種の植物を含む、上記[1]に記載のプロセス。
[4]上記植物材料は、果物、果物部分、果物抽出物、果物ジュース、種子及び/または葉を含む、先行上記のいずれか1項に記載のプロセス。
[5]上記植物材料は、Cucumis sativus種の植物からのキュウリを任意に含む、キュウリを含む、先行上記のいずれか1項に記載のプロセス。
[6]idoBR1は単離され、例えば、少なくとも1%w/w、5%w/w、10%w/w;15%w/w;20%w/w;25%w/w;30%w/w;35%w/w;40%w/w;45%w/w;50%w/w、60%w/w、70%w/w、80%w/w、90%w/w、99%w/w(乾燥重量ベース)のレベルで上記組成物に存在する、先行上記のいずれか1項に記載のプロセス。
[7]idoBR1は、最大で5%w/w(乾燥重量ベース)のレベルで上記組成物に存在する、先行上記[1]~[5]のいずれか1項に記載のプロセス。
[8]idoBR1は、最大で1%w/w(乾燥重量ベース)のレベルで上記組成物に存在する、上記[7]に記載のプロセス。
[9]工程(d)の組成物は、化粧用組成物である、先行上記のいずれか1項に記載のプロセス。
[10]工程(d)の組成物は、栄養補助用組成物である、上記[1]~[8]のいずれか1項に記載のプロセス。
[11]工程(d)の組成物は、薬学的組成物である、上記[1]~[8]のいずれか1項に記載のプロセス。
[12]工程(d)の組成物は、(i)薬学的パック、キットもしくは患者パックの形態、または(ii)単位投薬形態である、上記[11]に記載のプロセス。
[13]上記製剤化工程は、上記アッセイされた抽出物を薬学的に許容可能な賦形剤と混合することを含む、上記[11]または[12]に記載のプロセス。
[14]工程(c)において、上記抽出物は、シアリダーゼに対する阻害活性についてアッセイされる、先行上記のいずれか1項に記載のプロセス。
[15]工程(c)において、上記抽出物は、TNF-アルファに対する阻害活性についてアッセイされる、先行上記のいずれか1項に記載のプロセス。
[16]工程(c)において、上記抽出物は、IL-10刺激活性についてアッセイされる、先行上記のいずれか1項に記載のプロセス。
[17]療法または予防において使用するための、先行上記のいずれか1項に記載のプロセスによって得ることができる、または生成される組成物。
[18]炎症性障害を処置する方法において使用するための上記[17]に記載の使用のための組成物。
[19]上記炎症性障害は、(a)非局在化炎症性障害(例えば、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症及び過敏症);(b)慢性前立腺炎;(c)糸球体腎炎;(d)炎症性腸疾患;(e)骨盤内炎症性疾患;(f)再かん流傷害;(g)関節リウマチ;(h)移植拒絶反応;(i)血管炎;(j)喘息;(k)座瘡;(l)変形性関節症;(m)口腔、粘膜、または胃腸炎症;(n)眼炎症;(o)鼻炎症;(p)耳炎症;(q)ステロイド反応性炎症性障害;(r)皮膚炎症性疾患(例えば、光線性角化症、尋常性座瘡、面皰性座瘡、酒さ性座瘡、嚢腫結節型座瘡、アレルギー性接触皮膚炎、血管性浮腫、水疱性類天疱瘡、皮膚薬物反応、多形性紅斑、エリテマトーデス、光線皮膚炎、乾癬性関節炎、強皮症及びじんましん、乾癬、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、強皮症、ステロイド反応性皮膚炎症性障害、尿毒症性掻痒症ならびに放射線、化学療法及び環境刺激物に対する曝露に関連する皮膚状態);(s)炎症性自己免疫疾患(例えば、強直性脊椎炎、クローン病、潰瘍性結腸炎、アルツハイマー病、多発性硬化症、運動ニューロン疾患、パーキンソン病、慢性疲労症候群、インスリン依存性糖尿病、アジソン病、グッドパスチャー症候群、IgA腎症、間質腎炎、シェーグレン症候群及び自己免疫性膵炎);(t)変形性関節症;(u)歯周病;(v)糖尿病性腎症;(w)慢性閉塞性肺疾患;(x)アテローム性動脈硬化症;(y)移植片対宿主病;(z)慢性骨盤内炎症性疾患;(a’)子宮内膜症;(b’)慢性肝炎;(c’)結核及び(d’)皮膚炎症、例えば、日光、アレルゲン、刺激物または熱傷に対する曝露によって引き起こされる皮膚炎症から選択される、上記[18]に記載の使用のための組成物。
[20]上記炎症性障害は、自己免疫疾患、喘息またはアレルギーである、上記[18]に記載の使用のための組成物。
[21]上記炎症性障害は、グレーブス病;関節リウマチ;橋本甲状腺炎;白斑;糖尿病(例えば、I型糖尿病またはII型糖尿病);悪性貧血;多発性硬化症;糸球体腎炎;全身性ループスE(SLE、ループス);シェーグレン症候群;強皮症;乾癬;強直性脊椎炎;重症筋無力症;天疱瘡;多発性筋炎;皮膚筋炎;ブドウ膜炎;ギラン・バレー症候群;クローン病;潰瘍性結腸炎及び炎症性腸疾患(IBD)から選択される自己免疫疾患である、上記[20]に記載の使用のための組成物。
[22]上記炎症性障害は、アトピー性アレルギー、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、過好酸球増加症、過敏性腸症候群、アレルゲン誘導片頭痛、細菌アレルギー、気管支アレルギー(喘息)、接触アレルギー(皮膚炎)、遅延型アレルギー、花粉症(枯草熱)、薬物アレルギー、刺し傷アレルギー、噛み傷アレルギー、胃腸アレルギー;食品アレルギー;及び物理的アレルギー、例えば、寒冷じんましん、血管性浮腫、コリン性じんましん及び光線過敏症から選択されるアレルギーである、上記[20]に記載の使用のための組成物。
[23]上記炎症性障害は、移植片対宿主病;サルコイドーシス;散在性血管内凝固、アテローム性動脈硬化症、川崎病を含む血管炎症性疾患;血管炎;シェーグレン症候群;乾癬性関節炎;腸疾患性関節炎;反応性関節炎及び炎症性腸疾患に関連する関節炎から選択される、上記[18]に記載の使用のための組成物。
[24]新生物を処置する方法において使用するための上記[17]に記載の使用のための組成物。
[25]上記新生物は、良性、前がん性及び悪性新生物、過形成、化生ならびに異形成から選択される、上記[24]に記載の使用のための組成物。
[26]上記新生物は、悪性新生物(がん)である、上記[25]に記載の使用のための組成物。
[27]上記悪性新生物は、(a)がん;(b)芽細胞腫;(c)白血病;(d)リンパ腫;(e)骨髄腫;(f)肉腫及び(g)混合型のがんから選択される、上記[26]に記載の使用のための組成物。
[28]上記悪性新生物は、膀胱、乳房(例えば、原発性乳房腫瘍、リンパ節転移のない乳癌、乳房の侵襲性導管腺癌及び非類内膜乳癌)、結腸(例えば、結腸腺癌及び結腸腺腫などの大腸癌)、腎臓、表皮(例えば、悪性黒色腫)、肝臓、肺(例えば、腺癌、副腎皮質、鼻咽頭、小細胞肺癌及び非小細胞肺癌)、食道、胆嚢、卵巣、膵臓(例えば、膵外分泌腺癌)、胃、子宮頸部、甲状腺、前立腺、胃腸系(例えば、胃腸間質腫瘍)または皮膚(例えば、扁平上皮癌)のがんから選択されるがんである、上記[26]に記載の使用のための組成物。
[29]上記悪性新生物は、リンパ性白血病、例えば、前駆細胞白血病、成熟B細胞白血病、成熟T細胞白血病及びNK細胞白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性疾患及び骨髄異形成症候群から選択される白血病である、上記[26]に記載の使用のための組成物。
[30]上記悪性新生物は、(a)ホジキンリンパ腫;(b)非ホジキンリンパ腫、例えば、前駆細胞リンパ腫、成熟B細胞リンパ腫、成熟T細胞リンパ腫及びNK細胞リンパ腫;(c)バーキットリンパ腫及び(d)リンパ網内系新生物、例えば、マントル細胞リンパ腫から選択されるリンパ腫である、上記[26]に記載の使用のための組成物。
[31]上記悪性新生物は、骨肉腫;軟骨肉腫;平滑筋肉腫;横紋筋肉腫;中皮腫;線維肉腫;血管肉腫または血管内皮腫;脂肪肉腫;神経膠腫;星状細胞腫;粘液肉腫及び間葉系及び混合性中胚葉腫瘍から選択される肉腫である、上記[26]に記載の使用のための組成物。
[32]ウイルス感染症を処置する方法において使用するための上記[17]に記載の使用のための組成物。
[33]細菌感染症を処置する方法において使用するための上記[17]に記載の使用のための組成物。
[34]上記方法は、in vivoで片利共生及び/または病原性細菌増殖を阻害することを含む、上記[33]に記載の使用のための組成物。
[35]上記方法は、宿主-細菌細胞相互作用を阻害すること、及び/または哺乳動物(例えば、ヒト)宿主において細菌バイオフィルム形成を阻害または排除することを含む、上記[34]に記載の使用のための組成物。
[36]上記方法は、細菌バイオフィルム(例えば、歯肉縁下プラークバイオフィルム及び粘膜バイオフィルム)の存在によって媒介または特性化される疾患及び障害の処置または予防を含む、上記[34]または[35]に記載の使用のための組成物。
[37]Tannerella forsythia、Tannerella denticola、Porphyromonas gingivalisまたはGardnerella vaginalisの感染によって引き起こされる歯周病、細菌性膣症及び/または疾患を処置する方法において使用するための上記[17]に記載の使用のための組成物。
[38]アテローム形成、例えば、アテローム性動脈硬化症を処置する方法において使用するための上記[17]に記載の使用のための組成物。
[39]哺乳動物宿主における片利共生細菌増殖を調節する方法において使用するための上記[17]に記載の使用のための組成物。
[40]上記方法は、哺乳動物、例えば、ヒト宿主における片利共生細菌の組成の調節を含む、上記[39]に記載の使用のための組成物。
[41]疾患の処置のためのまたは上記[18]~[40]のいずれか1項で定義される方法において使用するための薬品の製造のための上記[17]で定義される組成物の使用。
[42]化粧用、栄養補助用、ハーブ薬用または薬学的組成物であって、上記[1]~[16]のいずれか1項に記載のプロセスによって得ることができるまたは生成される組成物を含み、任意に化粧的に、栄養補助的にまたは薬学的に許容可能な賦形剤または担体をさらに含む、上記組成物。
[43]皮膚の腫れまたは紅斑の減少のための化粧方法であって、例えば、上記皮膚への局所適用による、上記[42]で定義される組成物の対象への投与を含む、上記方法。[44]補填された食料または飲料を生成するためのプロセスであって、(a)上記[42]で定義される組成物を提供する工程;及び(b)上記工程(a)の組成物を食料または飲料に添加して、補填された食料または飲料を生成する工程を含む、上記プロセス。[45]化粧用、栄養補助用または薬学的組成物の品質をモニタリングするための方法であって、(a)上記組成物のサンプルを提供する工程;及び(b)上記サンプルを(i)シアリダーゼに対する阻害活性;(ii)TNF-アルファに対する阻害活性;または(iii)IL-10刺激活性についてアッセイする工程を含む、上記方法。
[46]上記化粧用、栄養補助用または薬学的組成物は、idoBR1を含む、上記[45]に記載の方法。
[47]上記化粧用、栄養補助用または薬学的組成物は、Cucurbitaceae科の植物を含む植物源からの植物材料を含む、上記[45]または[46]に記載の方法。[48]上記植物源は、Cucumis属の、例えば、Cucumis sativus種の植物を含む、上記[47]に記載の方法。
[49]上記植物材料は、果物、果物部分、果物抽出物、果物ジュース、種子及び/または葉を含む、上記[47]または上記[48]に記載の方法。
[50]上記植物材料は、キュウリを含む、上記[49]に記載の方法。
[51]上記植物材料は、Cucumis sativus種の植物からのキュウリを含む、上記[50]に記載の方法。
[52]上記[24]~[40]のいずれか1項で定義される方法において使用するためのidoBR1。
[53]上記[24]~[40]のいずれか1項で定義される処置方法であって、有効量のidoBR1をそれを必要とする対象に投与することを含む、上記方法。

Claims (53)

  1. (2R,3R,4R,5S)-3,4,5-トリヒドロキシピペリジン-2-カルボン
    酸(idoBR1)を含む組成物の生成のためのプロセスであって、前記プロセスは、
    (e)Cucurbitaceae科の植物を含む植物源からの植物材料を提供する工
    程、
    (f)前記植物材料を分画してidoBR1が濃縮された抽出物を生成する工程、
    (g)前記抽出物を(i)シアリダーゼに対する阻害活性、(ii)TNF-アルファ
    に対する阻害活性、または(iii)IL-10刺激活性についてアッセイする工程、及

    (h)前記アッセイされた抽出物を化粧的に、栄養補助的にまたは薬学的に許容可能な
    賦形剤または担体を用いて製剤化して化粧用、栄養補助用または薬学的組成物を生成する
    工程
    を含む、前記プロセス。
  2. 前記植物源は、Cucumis属の、例えば、Cucumis sativus種の植
    物を含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記植物源は、Cucurbita属の、例えば、Cucurbita melosま
    たはCucurbita moschata種の植物を含む、請求項1に記載のプロセス
  4. 前記植物材料は、果物、果物部分、果物抽出物、果物ジュース、種子及び/または葉を
    含む、先行請求項のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. 前記植物材料は、Cucumis sativus種の植物からのキュウリを任意に含
    む、キュウリを含む、先行請求項のいずれか1項に記載のプロセス。
  6. idoBR1は単離され、例えば、少なくとも1%w/w、5%w/w、10%w/w
    ;15%w/w;20%w/w;25%w/w;30%w/w;35%w/w;40%w
    /w;45%w/w;50%w/w、60%w/w、70%w/w、80%w/w、90
    %w/w、99%w/w(乾燥重量ベース)のレベルで前記組成物に存在する、先行請求
    項のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. idoBR1は、最大で5%w/w(乾燥重量ベース)のレベルで前記組成物に存在す
    る、先行請求項1~5のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. idoBR1は、最大で1%w/w(乾燥重量ベース)のレベルで前記組成物に存在す
    る、請求項7に記載のプロセス。
  9. 工程(d)の組成物は、化粧用組成物である、先行請求項のいずれか1項に記載のプロ
    セス。
  10. 工程(d)の組成物は、栄養補助用組成物である、請求項1~8のいずれか1項に記載
    のプロセス。
  11. 工程(d)の組成物は、薬学的組成物である、請求項1~8のいずれか1項に記載のプ
    ロセス。
  12. 工程(d)の組成物は、(i)薬学的パック、キットもしくは患者パックの形態、また
    は(ii)単位投薬形態である、請求項11に記載のプロセス。
  13. 前記製剤化工程は、前記アッセイされた抽出物を薬学的に許容可能な賦形剤と混合する
    ことを含む、請求項11または12に記載のプロセス。
  14. 工程(c)において、前記抽出物は、シアリダーゼに対する阻害活性についてアッセイ
    される、先行請求項のいずれか1項に記載のプロセス。
  15. 工程(c)において、前記抽出物は、TNF-アルファに対する阻害活性についてアッ
    セイされる、先行請求項のいずれか1項に記載のプロセス。
  16. 工程(c)において、前記抽出物は、IL-10刺激活性についてアッセイされる、先
    行請求項のいずれか1項に記載のプロセス。
  17. 療法または予防において使用するための、先行請求項のいずれか1項に記載のプロセス
    によって得ることができる、または生成される組成物。
  18. 炎症性障害を処置する方法において使用するための請求項17に記載の使用のための組
    成物。
  19. 前記炎症性障害は、(a)非局在化炎症性障害(例えば、全身性エリテマトーデス(S
    LE)、強皮症及び過敏症);(b)慢性前立腺炎;(c)糸球体腎炎;(d)炎症性腸
    疾患;(e)骨盤内炎症性疾患;(f)再かん流傷害;(g)関節リウマチ;(h)移植
    拒絶反応;(i)血管炎;(j)喘息;(k)座瘡;(l)変形性関節症;(m)口腔、
    粘膜、または胃腸炎症;(n)眼炎症;(o)鼻炎症;(p)耳炎症;(q)ステロイド
    反応性炎症性障害;(r)皮膚炎症性疾患(例えば、光線性角化症、尋常性座瘡、面皰性
    座瘡、酒さ性座瘡、嚢腫結節型座瘡、アレルギー性接触皮膚炎、血管性浮腫、水疱性類天
    疱瘡、皮膚薬物反応、多形性紅斑、エリテマトーデス、光線皮膚炎、乾癬性関節炎、強皮
    症及びじんましん、乾癬、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、強皮症、ステロイド反応性皮膚炎
    症性障害、尿毒症性掻痒症ならびに放射線、化学療法及び環境刺激物に対する曝露に関連
    する皮膚状態);(s)炎症性自己免疫疾患(例えば、強直性脊椎炎、クローン病、潰瘍
    性結腸炎、アルツハイマー病、多発性硬化症、運動ニューロン疾患、パーキンソン病、慢
    性疲労症候群、インスリン依存性糖尿病、アジソン病、グッドパスチャー症候群、IgA
    腎症、間質腎炎、シェーグレン症候群及び自己免疫性膵炎);(t)変形性関節症;(u
    )歯周病;(v)糖尿病性腎症;(w)慢性閉塞性肺疾患;(x)アテローム性動脈硬化
    症;(y)移植片対宿主病;(z)慢性骨盤内炎症性疾患;(a’)子宮内膜症;(b’
    )慢性肝炎;(c’)結核及び(d’)皮膚炎症、例えば、日光、アレルゲン、刺激物ま
    たは熱傷に対する曝露によって引き起こされる皮膚炎症から選択される、請求項18に記
    載の使用のための組成物。
  20. 前記炎症性障害は、自己免疫疾患、喘息またはアレルギーである、請求項18に記載の
    使用のための組成物。
  21. 前記炎症性障害は、グレーブス病;関節リウマチ;橋本甲状腺炎;白斑;糖尿病(例え
    ば、I型糖尿病またはII型糖尿病);悪性貧血;多発性硬化症;糸球体腎炎;全身性ル
    ープスE(SLE、ループス);シェーグレン症候群;強皮症;乾癬;強直性脊椎炎;重
    症筋無力症;天疱瘡;多発性筋炎;皮膚筋炎;ブドウ膜炎;ギラン・バレー症候群;クロ
    ーン病;潰瘍性結腸炎及び炎症性腸疾患(IBD)から選択される自己免疫疾患である、
    請求項20に記載の使用のための組成物。
  22. 前記炎症性障害は、アトピー性アレルギー、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、
    アトピー性皮膚炎、過好酸球増加症、過敏性腸症候群、アレルゲン誘導片頭痛、細菌アレ
    ルギー、気管支アレルギー(喘息)、接触アレルギー(皮膚炎)、遅延型アレルギー、花
    粉症(枯草熱)、薬物アレルギー、刺し傷アレルギー、噛み傷アレルギー、胃腸アレルギ
    ー;食品アレルギー;及び物理的アレルギー、例えば、寒冷じんましん、血管性浮腫、コ
    リン性じんましん及び光線過敏症から選択されるアレルギーである、請求項20に記載の
    使用のための組成物。
  23. 前記炎症性障害は、移植片対宿主病;サルコイドーシス;散在性血管内凝固、アテロー
    ム性動脈硬化症、川崎病を含む血管炎症性疾患;血管炎;シェーグレン症候群;乾癬性関
    節炎;腸疾患性関節炎;反応性関節炎及び炎症性腸疾患に関連する関節炎から選択される
    、請求項18に記載の使用のための組成物。
  24. 新生物を処置する方法において使用するための請求項17に記載の使用のための組成物
  25. 前記新生物は、良性、前がん性及び悪性新生物、過形成、化生ならびに異形成から選択
    される、請求項24に記載の使用のための組成物。
  26. 前記新生物は、悪性新生物(がん)である、請求項25に記載の使用のための組成物。
  27. 前記悪性新生物は、(a)がん;(b)芽細胞腫;(c)白血病;(d)リンパ腫;(
    e)骨髄腫;(f)肉腫及び(g)混合型のがんから選択される、請求項26に記載の使
    用のための組成物。
  28. 前記悪性新生物は、膀胱、乳房(例えば、原発性乳房腫瘍、リンパ節転移のない乳癌、
    乳房の侵襲性導管腺癌及び非類内膜乳癌)、結腸(例えば、結腸腺癌及び結腸腺腫などの
    大腸癌)、腎臓、表皮(例えば、悪性黒色腫)、肝臓、肺(例えば、腺癌、副腎皮質、鼻
    咽頭、小細胞肺癌及び非小細胞肺癌)、食道、胆嚢、卵巣、膵臓(例えば、膵外分泌腺癌
    )、胃、子宮頸部、甲状腺、前立腺、胃腸系(例えば、胃腸間質腫瘍)または皮膚(例え
    ば、扁平上皮癌)のがんから選択されるがんである、請求項26に記載の使用のための組
    成物。
  29. 前記悪性新生物は、リンパ性白血病、例えば、前駆細胞白血病、成熟B細胞白血病、成
    熟T細胞白血病及びNK細胞白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性疾患及び骨髄異
    形成症候群から選択される白血病である、請求項26に記載の使用のための組成物。
  30. 前記悪性新生物は、(a)ホジキンリンパ腫;(b)非ホジキンリンパ腫、例えば、前
    駆細胞リンパ腫、成熟B細胞リンパ腫、成熟T細胞リンパ腫及びNK細胞リンパ腫;(c
    )バーキットリンパ腫及び(d)リンパ網内系新生物、例えば、マントル細胞リンパ腫か
    ら選択されるリンパ腫である、請求項26に記載の使用のための組成物。
  31. 前記悪性新生物は、骨肉腫;軟骨肉腫;平滑筋肉腫;横紋筋肉腫;中皮腫;線維肉腫;
    血管肉腫または血管内皮腫;脂肪肉腫;神経膠腫;星状細胞腫;粘液肉腫及び間葉系及び
    混合性中胚葉腫瘍から選択される肉腫である、請求項26に記載の使用のための組成物。
  32. ウイルス感染症を処置する方法において使用するための請求項17に記載の使用のため
    の組成物。
  33. 細菌感染症を処置する方法において使用するための請求項17に記載の使用のための組
    成物。
  34. 前記方法は、in vivoで片利共生及び/または病原性細菌増殖を阻害することを
    含む、請求項33に記載の使用のための組成物。
  35. 前記方法は、宿主-細菌細胞相互作用を阻害すること、及び/または哺乳動物(例えば
    、ヒト)宿主において細菌バイオフィルム形成を阻害または排除することを含む、請求項
    34に記載の使用のための組成物。
  36. 前記方法は、細菌バイオフィルム(例えば、歯肉縁下プラークバイオフィルム及び粘膜
    バイオフィルム)の存在によって媒介または特性化される疾患及び障害の処置または予防
    を含む、請求項34または35に記載の使用のための組成物。
  37. Tannerella forsythia、Tannerella dentico
    la、Porphyromonas gingivalisまたはGardnerell
    a vaginalisの感染によって引き起こされる歯周病、細菌性膣症及び/または
    疾患を処置する方法において使用するための請求項17に記載の使用のための組成物。
  38. アテローム形成、例えば、アテローム性動脈硬化症を処置する方法において使用するた
    めの請求項17に記載の使用のための組成物。
  39. 哺乳動物宿主における片利共生細菌増殖を調節する方法において使用するための請求項
    17に記載の使用のための組成物。
  40. 前記方法は、哺乳動物、例えば、ヒト宿主における片利共生細菌の組成の調節を含む、
    請求項39に記載の使用のための組成物。
  41. 疾患の処置のためのまたは請求項18~40のいずれか1項で定義される方法において
    使用するための薬品の製造のための請求項17で定義される組成物の使用。
  42. 化粧用、栄養補助用、ハーブ薬用または薬学的組成物であって、請求項1~16のいず
    れか1項に記載のプロセスによって得ることができるまたは生成される組成物を含み、任
    意に化粧的に、栄養補助的にまたは薬学的に許容可能な賦形剤または担体をさらに含む、
    前記組成物。
  43. 皮膚の腫れまたは紅斑の減少のための化粧方法であって、例えば、前記皮膚への局所適
    用による、請求項42で定義される組成物の対象への投与を含む、前記方法。
  44. 補填された食料または飲料を生成するためのプロセスであって、(a)請求項42で定
    義される組成物を提供する工程;及び(b)前記工程(a)の組成物を食料または飲料に
    添加して、補填された食料または飲料を生成する工程を含む、前記プロセス。
  45. 化粧用、栄養補助用または薬学的組成物の品質をモニタリングするための方法であって
    、(a)前記組成物のサンプルを提供する工程;及び(b)前記サンプルを(i)シアリ
    ダーゼに対する阻害活性;(ii)TNF-アルファに対する阻害活性;または(iii
    )IL-10刺激活性についてアッセイする工程を含む、前記方法。
  46. 前記化粧用、栄養補助用または薬学的組成物は、idoBR1を含む、請求項45に記
    載の方法。
  47. 前記化粧用、栄養補助用または薬学的組成物は、Cucurbitaceae科の植物
    を含む植物源からの植物材料を含む、請求項45または46に記載の方法。
  48. 前記植物源は、Cucumis属の、例えば、Cucumis sativus種の植
    物を含む、請求項47に記載の方法。
  49. 前記植物材料は、果物、果物部分、果物抽出物、果物ジュース、種子及び/または葉を
    含む、請求項47または請求項48に記載の方法。
  50. 前記植物材料は、キュウリを含む、請求項49に記載の方法。
  51. 前記植物材料は、Cucumis sativus種の植物からのキュウリを含む、請
    求項50に記載の方法。
  52. 請求項24~40のいずれか1項で定義される方法において使用するためのidoBR
    1。
  53. 請求項24~40のいずれか1項で定義される処置方法であって、有効量のidoBR
    1をそれを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
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