JP2024072522A - 着色層形成用組成物、光学フィルム及び表示装置 - Google Patents

着色層形成用組成物、光学フィルム及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐光性及び耐熱性に優れる着色層を形成できる着色層形成用組成物の提供。【解決手段】色素(A)と、添加剤(B)と、光重合性化合物(C)と、光重合開始剤(D)と、溶剤(E)とを含み、前記色素(A)は、第一の色材、第二の色材、及び第三の色材のうち、少なくとも1つを含み、前記第一の色材は、吸収極大波長が470~530nmの範囲内にあり、吸光スペクトルの半値幅が15~45nmであり、前記第二の色材は、吸収極大波長が560~620nmの範囲内にあり、吸光スペクトルの半値幅が15~55nmであり、前記第三の色材は、380~780nmの波長の範囲において最も透過率の低い波長が650~780nmの範囲内にあり、前記添加剤(B)は、下記式(1)で表される含窒素複素環式カルベン配位子を含む金属錯体化合物である、着色層形成用組成物。TIFF2024072522000024.tif41170【選択図】なし

Description

本発明は、着色層形成用組成物、光学フィルム及び表示装置に関する。
表示装置は、室内外を問わず、外光が入射する環境下で使用されることが多い。表示装置に外部から入射する光(外光)は、表示装置の表面で反射され、視認性の低下等、表示品位の低下を引き起こす。中でも有機発光表示装置等の自発光表示装置は、電極及びその他多くの金属配線が外光を強く反射し、表示品位の低下が生じやすい。
このような外光反射での表示品位低下の問題を解決するために、偏光板及び位相遅延板を表示面側に配置して、外部光反射を抑制する構成がある。
しかし、偏光板及び位相遅延板を用いた方法には、表示装置から出射した光が偏光板及び位相遅延板を通過して外部に放出されるときに、その相当部分がともに損失され、素子寿命の低下を招きやすかった。
特許文献1には、有機発光素子を含む表示基板と、表示基板と離間配置された封止基板と、を備え、表示基板と封止基板との間の空間に、外部光を波長帯域ごとに選別的に吸収して透過率を調節する充填剤が埋められた有機発光表示装置が提案されている。特許文献1の発明によれば、外部光反射を抑制して視認性を向上させるとともに、表示装置から出射した光の中で特に色純度を低下させる波長帯域の光を選択的に吸収するため、色純度の向上も図られている。
色純度の向上に関して、特許文献2には、少なくとも480~510nm、580~610nmのそれぞれの波長領域に対し吸収極大波長を有する色素を含有した構成が開示されている。
特許第5673713号公報 特開2019-56865号公報
波長選択吸収色素には、耐光性、耐熱性が低いものが多く、時間経過とともに色素の機能が低下して色純度向上効果を十分に発揮できなくなる場合がある。
そこで本発明は、耐光性及び耐熱性に優れる着色層を形成できる着色層形成用組成物、耐光性及び耐熱性に優れる着色層を有する光学フィルム、並びに前記光学フィルムを用いた表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]色素(A)と、添加剤(B)と、光重合性化合物(C)と、光重合開始剤(D)と、溶剤(E)とを含み、
前記色素(A)は、第一の色材、第二の色材、及び第三の色材のうち、少なくとも1つを含み、
前記第一の色材は、吸収極大波長が470~530nmの範囲内にあり、吸光スペクトルの半値幅が15~45nmであり、
前記第二の色材は、吸収極大波長が560~620nmの範囲内にあり、吸光スペクトルの半値幅が15~55nmであり、
前記第三の色材は、380~780nmの波長の範囲において最も透過率の低い波長が650~780nmの範囲内にあり、
前記添加剤(B)は、下記式(1)で表される含窒素複素環式カルベン配位子を含む金属錯体化合物である、着色層形成用組成物。
Figure 2024072522000001
[上記式(1)において、Lは、窒素原子NとEとの間を結ぶ炭素数1~24の架橋構造を表し、Rは、炭素数1~50のアルキル基、炭素数2~50のアルケニル基、炭素数2~50のアルキニル基、又は炭素数6~30のアリール基を表し、これらの基はいずれも置換基を有することができ、Eは、酸素原子、硫黄原子、又はN-Rを表し、Rは、炭素数1~50のアルキル基、炭素数2~50のアルケニル基、炭素数2~50のアルキニル基、又は炭素数6~30のアリール基を表し、これらの基はいずれも置換基を有することができる。]
[2]ラジカル補捉剤、一重項酸素クエンチャー、及び過酸化物分解剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤(F)をさらに含む、[1]に記載の着色層形成用組成物。
[3]前記ラジカル捕捉剤が、下記式(2)で表される構造単位を含む重合体を含む、[2]に記載の着色層形成用組成物。
Figure 2024072522000002
[上記式(2)において、R12は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ヒドロキシ基、炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下のアルコキシカルボニル基、炭素数10以下のアルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、炭素数10以下のアシルアミノスルホニル基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭素数10以下のアルキルチオ基、炭素数10以下のアリールオキシ基、ニトロ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数10以下のアシルオキシ基、炭素数10以下のアシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、炭素数10以下のアリール基、置換アミノ基、置換ウレイド基、置換ホスホノ基、又は複素環基を表し、R13は、水素原子、又は炭素数30以下のアルキル基を表し、Xは、単結合、エステル基、炭素数30以下の脂肪族アルキル鎖、芳香族鎖、ポリエチレングリコール鎖、又はこれらを組み合わせてなる連結基を表し、いずれもスピロジオキサン環を含むことができる。]
[4]前記一重項酸素クエンチャーが、ジアルキルジチオホスフェート、ジアルキルジチオカルバメート、ベンゼンジチオール、これらの遷移金属錯体、及び下記式(3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、[2]又は[3]に記載の着色層形成用組成物。
Figure 2024072522000003
[上記式(3)において、R1は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、RCO、R10SO 、又はR11NHCOを表し、R、R10及びR11は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はへテロ環基を表し、R及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアルケニルオキシ基を表し、R~Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表す。]
[5]前記色素(A)が、ポルフィリン構造、メロシアニン構造、フタロシアニン構造、アゾ構造、シアニン構造、スクアリリウム構造、クマリン構造、ポリエン構造、キノン構造、テトラジポルフィリン構造、ピロメテン構造、及びインジゴ構造のいずれかを有する化合物、並びにその金属錯体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の着色層形成用組成物。
[6][1]~[5]のいずれかに記載の着色層形成用組成物の硬化物である着色層と、
前記着色層の一方の面側に位置する透明基材と、を有する、光学フィルム。
[7]前記着色層の一方又は他方の面側に位置する機能層をさらに有し、
前記透明基材および前記機能層の一方又は双方の、JIS L1925に記載の方法に準じて測定される紫外線遮蔽率が85%以上である、[6]に記載の光学フィルム。
[8]前記機能層が、反射防止層、及び防眩層の少なくとも一方を含む、[7]に記載の光学フィルム。
[9]前記機能層が、酸素透過度が10cm/(m・day・atm)以下である酸素バリア層を含む、[7]又は[8]に記載の光学フィルム。
[10]前記機能層が、帯電防止層、及び防汚層の少なくとも一方を含む、[7]~[9]のいずれかに記載の光学フィルム。
[11][6]~[10]のいずれかに記載の光学フィルムを備える、表示装置。
本発明によれば、耐光性及び耐熱性に優れる着色層を形成できる着色層形成用組成物、耐光性及び耐熱性に優れる着色層を有する光学フィルム、並びに前記光学フィルムを用いた表示装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る光学フィルムの断面図である。 本発明の他の実施形態に係る光学フィルムの断面図である。 本発明の他の実施形態に係る光学フィルムの断面図である。 本発明の他の実施形態に係る光学フィルムの断面図である。 本発明の他の実施形態に係る光学フィルムの断面図である。 本発明の他の実施形態に係る光学フィルムの断面図である。 本発明の他の実施形態に係る光学フィルムの断面図である。 本発明の他の実施形態に係る光学フィルムの断面図である。 実施例において有機EL光源及びカラーフィルタを通して出力された白色表示のスペクトルを示したグラフである。 実施例において有機EL光源及びカラーフィルタを通して出力された赤色表示時、緑色表示時、青色表示時の各々のスペクトルのグラフである。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。全ての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一又は相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[光学フィルム]
本発明の一実施形態に係る光学フィルム1について、図1に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、光学フィルム1は、着色層10と、透明基材20と、機能層30と、を有する。本実施形態では、機能層30は、低屈折率層31と、ハードコート層32と、を有する。すなわち、光学フィルム1は、着色層10の一方の面に位置する透明基材20を有し、着色層10、透明基材20、ハードコート層32、低屈折率層31が、この順で積層された積層体である。
光学フィルム1において、透明基材20及び機能層30(低屈折率層31、ハードコート層32)の一方又は双方は、紫外線遮蔽率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましく、100%であってもよい。本実施形態においては、透明基材20及び機能層30の双方が、着色層10の一方の面側に位置している。透明基材20及び機能層30の一方又は双方の紫外線遮蔽率が上記下限値以上であると、光学フィルム1の一方の面側から光学フィルム1に入射する外光に含まれる紫外線が遮蔽され、着色層10に入射する紫外線が低減されることで、着色層10中の色素(A)の劣化がより抑制される。
ここで、紫外線遮蔽率は、JIS L1925に準拠して測定される値であり、下記式(I)により算出される。
紫外線遮蔽率(%)=100-(波長290~400nmの紫外線の平均透過率(%)) ・・・(I)
光学フィルム1の厚さは、例えば、10~140μmが好ましく、15~120μmがより好ましく、20~100μmがさらに好ましい。光学フィルム1の厚さが上記下限値以上であると、光学フィルム1の強度をより高められる。光学フィルム1の厚さが上記上限値以下であると、光学フィルム1をより軽量にできるだけでなく、表示装置の薄型化に有利である。
以下、光学フィルム1を構成する各層について説明する。
≪着色層≫
着色層10は、本発明の着色層形成用組成物の硬化物である。本発明の着色層形成用組成物は、色素(A)と、添加剤(B)と、光重合性化合物(C)と、光重合開始剤(D)と、溶剤(E)とを含む。
着色層10の厚さは、例えば、0.5~10μmが好ましい。着色層10の厚さが上記下限値以上であると、着色層10の外観に異常を発生させることなく色素を含有でき、色素の光吸収性により反射特性や色再現性を向上させることができる。着色層10の厚さが上記上限値以下であると、表示装置の薄型化に有利である。
着色層10の厚さは、光学フィルム1の厚さ方向の断面を顕微鏡等で観察することにより求められる。
<色素(A)>
色素(A)は、以下に示す第一の色材、第二の色材、及び第三の色材のうち、少なくとも一つを含む。これにより、表示装置の低反射率化、高輝度化、及び色再現性の向上を図ることができる。
第一の色材の吸収極大波長は、470~530nmの範囲内にあり、吸光スペクトルの半値幅は、15~45nmである。第一の色材の吸収極大波長が上記下限値以上であると、青色発光の輝度効率を低下させにくく、上記上限値以下であると、緑色発光の輝度効率を低下させにくい。吸光スペクトルの半値幅が上記下限値以上であると、外光に対する反射特性への抑制効果に優れ、上記上限値以下であると、輝度効率を低下させにくい。
第二の色材の吸収極大波長は、560~620nmの範囲内にあり、吸光スペクトルの半値幅は、15~55nmである。第二の色材の吸収極大波長が上記下限値以上であると、緑色発光の輝度効率を低下させにくく、上記上限値以下であると、赤色発光の輝度効率を低下させにくい。吸光スペクトルの半値幅が上記下限値未満であると、外光に対する反射特性への抑制効果に優れ、上記上限値以下であると、輝度効率を低下させにくい。
第三の色材は、380~780nmの波長の範囲において最も透過率の低い波長が650~780nmの範囲内にある。第三の色材の380~780nmの波長の範囲において最も透過率の低い波長が上記下限値以上であると、赤色発光の輝度効率を低下させにくく、上記上限値以下であると、外光に対する反射特性への抑制効果に優れる。
色素(A)は、ポルフィリン構造、メロシアニン構造、フタロシアニン構造、アゾ構造、シアニン構造、スクアリリウム構造、クマリン構造、ポリエン構造、キノン構造、テトラジポルフィリン構造、ピロメテン構造、及びインジゴ構造のいずれかを有する化合物、並びにその金属錯体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。特に、ポルフィリン構造やピロメテン構造、フタロシアニン構造を有する金属錯体や、スクアリリウム構造を有する化合物を用いることが、信頼性に優れるため、より好ましい。色素(A)は、これらの化合物又はその金属錯体を1種単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。これらの化合物又はその金属錯体は、第一の色材に含まれていてもよく、第二の色材に含まれていてもよく、第三の色材に含まれていてもよく、これらの色材の2種以上に含まれていてもよい。
色素(A)の含有量は、着色層形成用組成物の固形分に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.01~10質量%がより好ましい。色素(A)の含有量が上記下限値以上であると、外部光や表示装置の光源からの副発光を効果的に吸収することができる。色素(A)の含有量が上記上限値以下であると、色素の凝集や会合を抑制することができる。
着色層形成用組成物の固形分は、溶剤(E)以外の全成分の合計である。着色層形成用組成物の固形分に対する色素(A)の含有量は、着色層の総質量に対する色素(A)の含有量とみなすことができる。
<添加剤(B)>
添加剤(B)は、下記式(1)で表される含窒素複素環式カルベン配位子を含む金属錯体化合物である。
着色層形成用組成物が添加剤(B)を含むことで、色素(A)の光や熱による酸化劣化(退色)が抑制され、着色層の耐光性及び耐熱性が向上する。
Figure 2024072522000004
上記式(1)において、Lは、窒素原子NとEとの間を結ぶ炭素数1~24の架橋構造を表し、Rは、炭素数1~50のアルキル基、炭素数2~50のアルケニル基、炭素数2~50のアルキニル基、又は炭素数6~30のアリール基を表し、これらの基はいずれも置換基を有することができ、Eは、酸素原子、硫黄原子、又はN-Rを表し、Rは、炭素数1~50のアルキル基、炭素数2~50のアルケニル基、炭素数2~50のアルキニル基、又は炭素数6~30のアリール基を表し、これらの基はいずれも置換基を有することができる。
Lは、窒素原子NとEとの間を結ぶ炭素数1~24の架橋構造を表し、二重結合を有していてもよく、単環構造又は縮環構造を有していてもよく、置換基を有していてもよい。
Lは、様々な構造であり得るが、例えば、上記式(1)で表される含窒素複素環式カルベン配位子の最小員環に含まれる部分の原子数が2~5であることが好ましく、2~4であることがより好ましく、2~3であることが更に好ましく、2であることが特に好ましい。
上記式(1)で表される含窒素複素環式カルベン配位子の最小員環に含まれる部分の原子は、特に限定されないが、炭素原子、窒素原子、リン原子、酸素原子、硫黄原子が好ましく、炭素原子、窒素原子がより好ましく、炭素原子が特に好ましい。
Lは、単環構造を有していてもよい。言い換えれば、Lで表される架橋構造が環構造を含んでいてもよい。
Lが単環構造を有する場合、単環構造と上記式(1)における窒素原子N及びEが直接結合するものであってもよく、単環構造と上記式(1)における窒素原子N及び/又はEとの間に2価の置換基が挟まれるものであってもよい。
上記2価の置換基としては、炭素数1~5のアルキレン基、炭素数2~5のアルケニレン基、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子、又は、これらが直列に結合されたもの等が挙げられる。
Lは、縮環構造を有していてもよい。言い換えれば、Lで表される架橋構造が縮環構造を含んでいてもよい。
Lが縮環構造を有する場合、縮環構造と上記式(1)における窒素原子N及びEが直接結合するものであってもよく、縮環構造と上記式(1)における窒素原子N及び/又はEとの間に2価の置換基が挟まれるものであってもよい。
上記2価の置換基としては、単環構造と上記式(1)における窒素原子N及び/又はEとの間に挟まれる2価の置換基として上述したものと同様である。
Lは、置換基を有していてもよい。Lが単環構造及び縮環構造のいずれも有さない場合は、該置換基は、上記式(1)におけるL、N、カルベン、及び、Eを含んで構成される環構造中のLの部分の置換基である。Lが単環構造又は縮環構造を有する場合は、該置換基は、単環構造又は縮環構造の置換基、又は、その他の、上記式(1)におけるL、N、カルベン、及び、Eを含んで構成される環構造中のLの部分の置換基である。該置換基は、例えば、ヘテロ原子を有するものであってもよく、その他の原子又は原子団であってもよい。該ヘテロ原子を有する置換基としては、炭素数1~18のアルコキシ基、炭素数7~18のアリールアルコキシ基、炭素数6~18のアリールオキシ基、炭素数2~18のアシル基、炭素数7~18のアロイル基、炭素数2~18のジアルキルアミノ基、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。該その他の原子又は原子団としては、例えば、炭素数3~18の芳香族基、炭素数1~18のアルキル基、ハロゲン原子等が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、中でもフッ素原子及び/又は塩素原子が特に好ましい。
Lの炭素数は、12以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましく、4以下であることが更に好ましい。また、Lの炭素数は、1以上であることが好ましい。
Lは炭素原子2個からなる構造であることが特に好ましい。
上記式(1)中、Rは、炭素数1~50のアルキル基、炭素数2~50のアルケニル基、炭素数2~50のアルキニル基、又は炭素数6~30のアリール基を表す。これらの基はいずれも置換基を有することができる。置換基としては、Lにおける置換基として上述したものと同様である。
アルキル基、アルケニル基はそれぞれ直鎖でもよく分岐鎖でもよく環式でもよい。
としては、炭化水素基が好ましく、第3級炭素原子及び/又は第4級炭素原子を有する炭化水素基(例えば、イソプロピル基、tert-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-アミル基、ヘキシル基、2-エチルへキシル基、フェニル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、メシチル基、3,5-ジイソプロピルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、2,4-ジイソプロピルフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基)がより好ましく、芳香族基及び/又は第4級炭素原子を有する炭化水素基が更に好ましい。例えば、tert-ブチル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基が特に好適なものとして挙げられる。
上記式(1)中、Eは、酸素原子、硫黄原子、又は、N-Rを表し、中でもN-Rを表すことが好ましい。なお、EがN-Rを表す場合は、N-RにおけるNがL及びカルベンのそれぞれに直接結合する。
は、炭素数1~50のアルキル基、炭素数2~50のアルケニル基、炭素数2~50のアルキニル基、又は炭素数6~30のアリール基を表す。これらの基はいずれも置換基を有することができる。これらの基はRとして上述したものと同様である。RはRと同一であっても異なっていてもよい。
上記含窒素複素環式カルベン配位子と金属錯体化合物を形成する金属元素としては、例えばパラジウム、銅、銀、金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、ベリリウム、スズ、インジウム、ゲルマニウム、白金、鉄、ルテニウム、ニッケル、ガリウム、イリジウム、モリブデン、バナジウム、チタン、スカンジウム、ルテチウム、イットリウム、アンチモン、コバルト、ビスマスが挙げられる。これらの中でも、着色性が少ない点から、パラジウム、銅、銀、金が好ましい。
金属錯体化合物を構成する配位子が2以上である場合、2以上の配位子の少なくとも一部が上記式(1)で表される含窒素複素環式カルベン配位子であればよく、それ以外の他の配位子を含んでいてもよい。他の配位子としては、公知の任意の配位子であってよく、例えばヒドロキシド、クロリド、ブロミド、ヨード、アリル、アミン、トリフェニルフォスフィン、トリシクロヘキシルフォスフィン、1,3‐ジフェニル‐1,3‐プロパンジオナート、ピリジル、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが挙げられる。
添加剤(B)の具体例を以下に示す。式中、i-Prはイソプロピル基を示す。
添加剤(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2024072522000005
添加剤(B)の含有量は、着色層形成用組成物の固形分に対して、0.1~15質量%が好ましく、0.1~10質量%がより好ましく、0.5~6質量%がさらに好ましい。添加剤(B)の含有量が上記下限値以上であると、退色抑制効果がより優れる。添加剤(B)の含有量が上記上限値以下であると、硬化性を保持しやすい。
<光重合性化合物(C)>
光重合性化合物(C)は、紫外線、電子線等の活性エネルギー線の照射により重合して硬化する化合物である。
光重合性化合物(C)としては、例えば、単官能、2官能又は3官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。光重合性化合物(C)は、2官能以上の(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの両方の総称であり、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルとメタクリロイルの両方の総称である。
単官能の(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイルを1つ有する化合物であり、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N-ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2-アダマンタン、アダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレート等のアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
2官能の(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイルを2つ有する化合物であり、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイルを3つ以上有する化合物であり、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2-ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物や、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε-カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
光重合性化合物(C)として、ウレタン(メタ)アクリレートを使用してもよい。ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーを反応させることによって得られるものが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートの例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー等が挙げられる。
上述した(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、上述した(メタ)アクリレートは、着色層形成用組成物中でモノマーであってもよく、一部が重合したオリゴマーであってもよい。
光重合性化合物(C)の含有量は、着色層形成用組成物の固形分に対して、20~98質量%が好ましく、30~90質量%がより好ましい。光重合性化合物(C)の含有量が上記下限値以上であると、退色抑制効果をより高められる。光重合性化合物(C)の含有量が上記上限値以下であると、着色層形成用組成物の取扱い性をより高められる。
<光重合開始剤(D)>
光重合開始剤(D)としては、例えば、紫外線、電子線等の活性エネルギー線が照射された際にラジカルを発生するものが挙げられる。
光重合開始剤(C)の例としては、ベンゾイン類(ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類等)、フェニルケトン類[例えば、アセトフェノン類(例えば、アセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン等)、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン等のアルキルフェニルケトン類;1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のシクロアルキルフェニルケトン類等]、アミノアセトフェノン類{2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノアミノプロパノン-1、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1等}、アントラキノン類(アントラキノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン等)、チオキサントン類(2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン等)、ケタール類(アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等)、ベンゾフェノン類(ベンゾフェノン等)、キサントン類、ホスフィンオキサイド類(例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等)が挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤(D)の含有量は、着色層形成用組成物の固形分に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.01~5質量%がより好ましい。光重合開始剤(D)の含有量が上記下限値以上であると、着色層形成用組成物を充分に硬化できる。光重合開始剤(D)の含有量が上記上限値以下であると、未反応の光重合開始剤(D)が残留しにくく、信頼性の悪化を抑制できる。
<溶剤(E)>
溶剤(E)としては、エーテル類、ケトン類、エステル類、セロソルブ類等が挙げられる。エーテル類としては、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、1,3,5-トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール又はフェネトール等が挙げられる。ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン又はエチルシクロヘキサノン等が挙げられる。エステル類としては、例えば、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n-ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n-ペンチル又はγ-ブチロラクトン等が挙げられる。セロソルブ類としては、例えば、メチルセロソルブ、セロソルブ(エチルセロソルブ)、ブチルセロソルブ又はセロソルブアセテート等が挙げられる。溶剤(E)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶剤(E)の含有量は、着色層形成用組成物の総質量に対して、20~80質量%が好ましく、30~70質量%がより好ましい。溶剤(E)の含有量が上記下限値以上であると、着色層形成用組成物の取り扱い性をより高められる。溶剤(E)の含有量が上記上限値以下であると、着色層を形成するための時間を短縮できる。
<添加剤(F)>
着色層形成用組成物は、ラジカル補捉剤、一重項酸素クエンチャー、及び過酸化物分解剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤(F)をさらに含むことができる。添加剤(F)は、光線、熱等による色素(A)の劣化を防止する機能を有する。着色層形成用組成物が添加剤(F)を含むことで、着色層の耐光性、耐熱性をより高められる。添加剤(F)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[ラジカル捕捉剤]
ラジカル捕捉剤は、色素(A)が酸化劣化する際のラジカルを捕捉し、自動酸化を抑制する働きを持ち、色素劣化(退色)を抑制する。
ラジカル補捉剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、芳香族アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤が挙げられる。
ラジカル捕捉剤は、ラジカルを捕捉する能力(ラジカル捕捉能)を有する樹脂であってもよい。
ラジカル捕捉能を有する樹脂の分子量は、2000以上が好ましい。ラジカル捕捉能を有する樹脂の分子量が2000以上であると、高い退色抑制効果が得られる。これは、着色層10内に留まる分子が多く、充分な退色抑制効果が得られるためであると考えられる。ラジカル捕捉能を有する樹脂の分子量の上限値は特に限定されないが、例えば20万程度である。
本明細書において、樹脂の分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)でポリスチレンを標準物質として測定される質量平均分子量を意味する。
ラジカル捕捉能を有する樹脂としては、例えば、アミン構造を有する樹脂が挙げられる。ここで、「アミン構造」とは、アンモニアの水素原子を炭化水素基又は芳香族原子団で置換した構造をいう。アミン構造としては、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンが挙げられ、第四級アンモニウムカチオンであってもよい。
ラジカル捕捉能を有するアミン構造を有する樹脂としては、例えば、下記式(2)で表される構造単位を含む重合体が挙げられる。
Figure 2024072522000006
上記式(2)において、R12は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ヒドロキシ基、炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下のアルコキシカルボニル基、炭素数10以下のアルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、炭素数10以下のアシルアミノスルホニル基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭素数10以下のアルキルチオ基、炭素数10以下のアリールオキシ基、ニトロ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数10以下のアシルオキシ基、炭素数10以下のアシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、炭素数10以下のアリール基、置換アミノ基、置換ウレイド基、置換ホスホノ基、又は複素環基を表し、R13は、水素原子、又は炭素数30以下のアルキル基を表し、Xは、単結合、エステル基、炭素数30以下の脂肪族アルキル鎖、芳香族鎖、ポリエチレングリコール鎖、又はこれらを組み合わせてなる連結基を表し、いずれもスピロジオキサン環を含むことができる。
12としては、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数10以下のアルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数としては、1~6が好ましく、1~3がより好ましい。
13としては、水素原子、炭素数10以下のアルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数としては、1~6が好ましく、1~3がより好ましい。
Xとしては、単結合又は炭素数30以下の脂肪族アルキル鎖が好ましい。脂肪族アルキル鎖の炭素数としては、10以下が好ましく、1~6が好ましく、2~4がより好ましい。
上記重合体は、上記式(2)で表される構造単位と、それ以外の他の構造単位とを有する共重合体であることが好ましい。共重合体であることにより、その他成分との相溶性を制御することができる。
他の構造単位としては、例えば、(メタ)アクリレート系構造単位、オレフィン系構造単位、ハロゲン原子含有構造単位、スチレン系構造単位、酢酸ビニル系構造単位、ビニルアルコール系構造単位等が挙げられる。
(メタ)アクリレート系構造単位としては、例えば、直鎖又は分岐のアルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリレート系モノマー由来の構造単位、水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリレート系モノマー由来の構造単位等が挙げられる。
直鎖又は分岐のアルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等が挙げられる。上記の中でも炭素数が1以上4以下の直鎖または分岐アルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリレート系モノマーが好ましい。
水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシフェニル等が挙げられる。
これらは単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
オレフィン系構造単位としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等のオレフィン系モノマー由来の構造単位が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ハロゲン原子含有構造単位としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン原子含有モノマー由来の構造単位が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
スチレン系構造単位としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマー由来の構造単位が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酢酸ビニル系構造単位としては、例えば、飽和カルボン酸とビニルアルコールとのエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等)由来の構造単位が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ビニルアルコール系構造単位としては、例えば、ビニルアルコール由来の構造単位、側鎖に1,2-グリコール結合を有する構造単位が挙げられる。
共重合体は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、及びグラフト共重合体のいずれの構造を有するものであってもよい。共重合体の構造がランダム共重合体であると、製造工程及びその他成分との調製が容易である。そのため、ランダム共重合体は、他の共重合体よりも好ましい。
重合体を得るための重合方法には、ラジカル重合を用いることができる。ラジカル重合は、工業的な生産が容易である点で好ましい。ラジカル重合は、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、および、懸濁重合法などであってよい。ラジカル重合には、溶液重合法を用いることが好ましい。溶液重合法を用いることによって、共重合体における分子量の制御が容易である。
ラジカル重合では、上述したモノマーを重合溶剤によって希釈した後に、重合開始剤を加えてモノマーの重合を行ってもよい。
重合溶剤は、例えば、エステル系溶剤、アルコールエーテル系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族系溶剤、アミド系溶剤、および、アルコール系溶剤などであってよい。エステル系溶剤は、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t-ブチル、乳酸メチル、および、乳酸エチルなどであってよい。アルコールエーテル系溶剤は、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、および、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノールなどであってよい。ケトン系溶剤は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、および、シクロヘキサノンなどであってよい。芳香族系溶剤は、例えば、ベンゼン、トルエン、および、キシレンなどであってよい。アミド系溶剤は、例えば、ホルムアミド、および、ジメチルホルムアミドなどであってよい。アルコール系溶剤は、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、s-ブタノール、t-ブタノール、ジアセトンアルコール、および、2-メチル-2-ブタノールなどであってよい。なお、上述した重合溶剤において、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
ラジカル重合開始剤は、例えば、過酸化物およびアゾ化合物などであってよい。過酸化物は、例えば、ベンゾイルペルオキシド、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、および、ジ-t-ブチルパーオキシドなどであってよい。アゾ化合物は、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスアミジノプロパン塩、アゾビスシアノバレリックアシッド(塩)、および、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]などであってよい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、モノマーの合計を100質量部に設定した場合に、0.0001質量部以上20質量部以下であることが好ましく、0.001質量部以上15質量部以下であることがより好ましく、0.005質量部以上10質量部以下であることがさらに好ましい。ラジカル重合開始剤は、モノマーおよび重合溶剤に対して、重合開始前に添加されてもよいし、重合反応系中に滴下されてもよい。ラジカル重合開始剤をモノマーおよび重合溶剤に対して重合反応系中に滴下することは、重合による発熱を抑制することができる点で好ましい。
ラジカル重合の反応温度は、ラジカル重合開始剤および重合溶剤の種類によって適宜選択される。反応温度は、製造上の容易性、および、反応制御性の観点から、60℃以上110℃以下であることが好ましい。
[一重項酸素クエンチャー]
一重項酸素クエンチャーは、一重項酸素による色素(A)の酸化劣化を抑制する化合物である。着色層形成用組成物が一重項酸素クエンチャーを含有することで、色素(A)の酸化劣化を抑制でき、着色層10を有する発光素子の長寿命化を図れる。
一重項酸素クエンチャーとしては、遷移金属錯体、色素類(ただし、色素(A)を除く。)、アミン類、フェノール類、スルフィド類等が挙げられる。具体例としては、(株)林原製のNKX1199(ビス[2’-クロロ-3-メトキシ-4-(2-メトキシエトキシ)ジチオベンジル]ニッケル)、NKX113(ビス(ジチオベンジル)ニッケル)、NKX114(ビス[4-(ジメチルアミノ)ジチオベンジル]ニッケル)、東京化成工業(株)製のD1781(ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(II))、B1350(ビス(ジチオベンジル)ニッケル(II))、B4360(ビス[4,4’-ジメトキシ(ジチオベンジル)]ニッケル(II))、T3204(テトラブチルアンモニウムビス(3,6-ジクロロ-1,2-ベンゼンジチオラト)ニッケラート)等が挙げられる。
一重項酸素クエンチャーとしては、ジアルキルジチオホスフェート、ジアルキルジチオカルバメート、ベンゼンジチオール、これらの遷移金属錯体、及び下記式(3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
遷移金属錯体における中心金属としては、ニッケル、銅又はコバルトが好適である。
Figure 2024072522000007
上記式(3)において、R1は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、RCO、R10SO 、又はR11NHCOを表し、R、R10及びR11は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はへテロ環基を表し、R及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアルケニルオキシ基を表し、R~Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表す。
[過酸化物分解剤]
過酸化物分解剤は、ヒドロペルオキシド(ROOH、Rはアルキル基、Oは酸素原子、Hは水素原子を表す。)をイオン的に分解し、不活性な化合物にさせ、ラジカルの生成を抑制する機能を持つ酸化防止剤の一種である。添加剤(F)が過酸化物分解剤を含有することで、色素(A)の酸化劣化を抑制でき、着色層10を有する発光素子の長寿命化を図れる。なお、過酸化物分解剤が一重項酸素クエンチャーに該当する場合、本明細書において、一重項酸素クエンチャーは、過酸化物分解剤から除くものとする。
過酸化物分解剤としては、例えば、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。硫黄系酸化防止剤としては、例えば、3,3’-チオジプロピオン酸ジドデシル、2-メルカプトベンゾイミダゾール等が挙げられる。リン系酸化防止剤としては、例えば、亜リン酸トリヘキシル、亜リン酸トリオレイル、亜リン酸トリオクチル、亜リン酸トリス(2-エチルヘキシル)、亜リン酸トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)、亜リン酸トリス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロピル)、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリス(2-メチルフェニル)、亜リン酸トリス(4-メチルフェニル)、3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
添加剤(F)の含有量は、添加剤(F)の構造、所望の特性等を考慮して適宜設定し得る。
添加剤(F)が、式(2)で表される構造単位を含む重合体のようなラジカル捕捉能を有する樹脂を含む場合、ラジカル捕捉能を有する樹脂の含有量は、着色層形成用組成物の固形分に対して、0.1~75質量%が好ましく、1~50質量%がより好ましく、5~35質量%がさらに好ましい。
添加剤(F)が一重項酸素クエンチャーを含む場合、一重項酸素クエンチャーの含有量は、着色層形成用組成物の固形分に対して、0.1~20質量%が好ましく、0.1~15質量%がより好ましい。
添加剤(F)が過酸化物分解剤を含む場合、過酸化物分解剤の含有量は、着色層形成用組成物の固形分に対して、0.1~20質量%が好ましく、0.1~15質量%がより好ましい。
添加剤(F)の含有量が上記下限値以上であると、退色抑制効果がより優れる。添加剤(F)の含有量が上記上限値以下であると、硬化性を保持しやすい。
<他の添加剤>
着色層形成用組成物は、添加剤(B)及び添加剤(F)以外の他の添加剤をさらに含むことができる。
他の添加剤としては、例えば、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、光増感剤、防汚剤、導電材料が挙げられる。他の添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
≪透明基材≫
透明基材20は、着色層10の一方の面側に位置し、光学フィルム1を形成するシート状部材である。
透明基材20の材質としては、透光性を有するものであればよく、透明樹脂、ガラス等が挙げられる。透明樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、シクロオレフィンコポリマー、含ノルボルネン樹脂、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン等が挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。ポリアクリレートとしては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が挙げられる。ポリアミドとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン66等が挙げられる。中でも、PET、PETを除くポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、PMMAが好ましい。
透明基材20の可視光線透過率は、90%以上であることが好ましい。透明基材20の可視光線透過率は、分光光度計((株)日立製作所製、U-4100)を用いて測定できる。
透明基材20は、紫外線遮蔽能を有していてもよい。
例えば、透明基材20の原料となる透明樹脂に紫外線吸収剤を添加することで、透明基材20に紫外線遮蔽能を付与できる。
紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
透明基材20が紫外線遮蔽能を有する場合、透明基材20の紫外線遮蔽率は、前記したように、85%以上が好ましい。
透明基材20の厚さは、特に限定されないが、例えば、10~100μmが好ましい。透明基材20の厚さが上記下限値以上であると、光学フィルム1の強度をより高められる。透明基材20の厚さが上記上限値以下であると、光学フィルム1をより薄膜にできる。
透明基材20の厚さは、デジタルノギス等を用いて測定することにより求められる。
≪機能層≫
機能層30は、着色層10の一方又は他方の面側に位置する。光学フィルム1は、機能層30を有することで、種々の機能を発揮できる。
機能層30の機能としては、反射防止機能、防眩機能、酸素バリア機能、帯電防止機能、防汚機能、強化機能、紫外線遮蔽機能(紫外線遮蔽能)等が挙げられる。
機能層30は、単層であってもよく、複数の層であってもよい。機能層30は、1種の機能を有していてもよく、2種以上の機能を有していてもよい。
機能層30が反射防止機能を有する場合、機能層30は、反射防止層として機能する。反射防止層としては、後述するハードコート層32や防眩層34、透明基材20よりも低い屈折率を呈する低屈折率層31が挙げられる。低屈折率層31は、ハードコート層32や防眩層34、透明基材20の材質よりも屈折率が低い材質を機能層に採用することで形成できる。
低屈折率層31の屈折率調整のため、フッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF)、ヘキサフルオロアルミニウムナトリウム(氷晶石、クリオライト、3NaF・AlF、NaAlF)、フッ化アルミニウム(AlF)等の微粒子や、シリカ微粒子等を配合してもよい。シリカ微粒子としては、多孔質シリカ微粒子や中空シリカ微粒子等の粒子内部に空隙を有するものを用いることが、低屈折率層31の低屈折率化に有効である。また、低屈折率層31を形成する組成物(低屈折率層形成用組成物)には、着色層10で説明した光硬化性化合物(C)、光重合開始剤(D)、溶剤(E)、添加剤(F)、他の添加剤等を適宜配合してもよい。
低屈折率層31の屈折率は、1.20~1.55とすることが好ましい。
低屈折率層31の厚さは、特に限定されないが、例えば40nm~1μmが好ましい。
機能層30が防眩機能を有する場合、機能層30は、防眩層34として機能する。防眩層34は、表面に微細な凹凸を有し、この凹凸で外光を散乱させ、映り込みを抑えて表示品位を向上させる層である。低屈折率層31と組み合わされる場合、低屈折率層31と防眩層34とで反射防止層を構成する。
防眩層34には、必要に応じて有機微粒子及び無機微粒子から選択される1種以上が含まれる。
有機微粒子は、表面に微細な凹凸を形成し、外光を散乱させる機能を付与する材料である。有機微粒子としては、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン系樹脂等の透光性樹脂材料からなる樹脂粒子が挙げられる。屈折率や樹脂粒子の分散性を調整するために、材質(屈折率)の異なる2種類以上の樹脂粒子を混合して使用してもよい。
無機微粒子は、有機微粒子の沈降や凝集を調整する材料である。無機微粒子としては、例えば、シリカ微粒子や、金属酸化物微粒子、各種の鉱物微粒子等を使用することができる。シリカ微粒子としては、例えば、コロイダルシリカや(メタ)アクリロイル基等の反応性官能基で表面修飾されたシリカ微粒子等を使用することができる。金属酸化物微粒子としては、例えば、アルミナ(酸化アルミニウム)や酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタニア(二酸化チタン)、ジルコニア(二酸化ジルコニウム)等を使用することができる。鉱物微粒子としては、例えば、雲母、合成雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ノントロナイト、マガディアイト、アイラライト、カネマイト、層状チタン酸、スメクタイト、合成スメクタイト等を使用することができる。鉱物微粒子は、天然物及び合成物(置換体、誘導体を含む)のいずれであってもよく、両者の混合物を使用してもよい。鉱物微粒子の中でも、層状有機粘土がより好ましい。層状有機粘土とは、膨潤性粘土の層間に有機オニウムイオンを導入したものをいう。有機オニウムイオンは、膨潤性粘土の陽イオン交換性を利用して有機化することができるものであれば制限されない。鉱物微粒子として、層状有機粘土鉱物を用いる場合、上述した合成スメクタイトを好適に使用できる。合成スメクタイトは、防眩層形成用の塗工液の粘性を増加させ、樹脂粒子及び無機微粒子の沈降を抑制して、防眩層34(機能層30)の表面の凹凸形状を調整する機能を有する。
機能層30が酸素バリア機能を有する場合、機能層30は、酸素バリア層33として機能する。酸素バリア層33の酸素透過度は、10cm/(m・day・atm)以下であり、5cm/(m・day・atm)以下が好ましく、1cm/(m・day・atm)以下がより好ましい。酸素バリア層33の酸素透過度が上記上限値以下であると、機能層30に充分な酸素バリア機能を付与できる。酸素バリア層33の酸素透過度の下限値は、特に限定されず、0cm/(m・day・atm)であってもよい。
酸素バリア層33の厚さは特に限定されず、所望の酸素透過度が得られる厚さとすればよい。
酸素バリア層33の酸素透過度は、酸素透過度測定装置を用いて、30℃、相対湿度60%の条件下で測定される値である。
機能層30が帯電防止機能を有する場合、機能層30は、帯電防止層として機能する。帯電防止層としては、例えば、アンチモンをドープした酸化錫(ATO)、スズをドープした酸化インジウム(ITO)等の金属酸化物微粒子、高分子型導電性組成物、4級アンモニウム塩等の帯電防止剤を含有する層が挙げられる。
帯電防止層は、機能層30の最表面に設けられてもよいし、機能層30と透明基材20との間に設けられてもよい。あるいは、上述した機能層30を構成するいずれかの層に帯電防止剤を配合することにより、帯電防止層を形成してもよい。帯電防止層を設ける場合、光学フィルムの表面抵抗値は、1.0×10~1.0×1012(Ω/cm)であることが好ましい。
機能層30が防汚機能を有する場合、機能層30は、防汚層として機能する。防汚層は、撥水性及び撥油性の双方又はいずれか一方を付与することにより、防汚性を高めるものである。防汚層としては、珪素酸化物、フッ素含有シラン化合物、フルオロアルキルシラザン、フルオロアルキルシラン、フッ素含有珪素系化合物、パーフルオロポリエーテル基含有シランカップリング剤等の防汚剤を含有する層が挙げられる。
防汚層は、機能層30の最表面に設けられてもよく、上述した機能層30のうち、最表面となる層に防汚剤を配合することにより、防汚層を形成してもよい。
機能層30が強化機能を有する場合、機能層30は、強化層として機能する。強化層は、光学フィルムの強度を高める層である。強化層としては、例えば、ハードコート層32が挙げられる。ハードコート層32としては、例えば、単官能、2官能又は3官能以上の(メタ)アクリレートやウレタン(メタ)アクリレートを含むハードコート剤で形成された層が挙げられる。
機能層30が紫外線遮蔽能を有する場合、機能層30は、紫外線遮蔽層として機能する。紫外線遮蔽層としては、例えば、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヘキシルオキシフェノール等のトリアジン系、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤を含有する層が挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は、紫外線遮蔽層を形成する材料の総質量に対して、0.1~5質量%が好ましい。紫外線吸収剤の含有量が上記下限値以上であると、機能層30に充分な紫外線遮蔽能を付与できる。紫外線吸収剤の含有量が上記上限値以下であると、硬化成分の減少に伴う硬度不足を回避できる。
紫外線遮蔽層の紫外線遮蔽率は、前記したように、85%以上が好ましい。
機能層30は、外光反射による視認性の低下を抑制する観点から、反射防止層、及び防眩層34の少なくとも一方を含むことが好ましい。
機能層30は、酸素による色素(A)の劣化を抑制する観点から、酸素バリア層を含むことが好ましい。
機能層30は、静電気の発生防止や防指紋性、撥水・撥油性の観点から、帯電防止層、及び防汚層の少なくとも一方を含むことが好ましい。
機能層30は、紫外線による色素(A)の劣化を抑制する観点から、紫外線遮蔽層を含むことが好ましい。紫外線遮蔽能以外の機能を有する機能層に紫外線吸収剤を含有させて紫外線遮蔽能を付与してもよい。
機能層30の厚さは、例えば、0.04~25μmが好ましく、0.1~20μmがより好ましく、0.2~15μmがさらに好ましい。機能層30の厚さが上記下限値以上であると、光学フィルム1に種々の機能を付与しやすい。機能層30の厚さが上記上限値以下であると、表示装置の薄型化に有利である。
機能層30の厚さは、光学フィルム1の厚さ方向の断面を顕微鏡等で観察することにより求められる。
[光学フィルムの製造方法]
本実施形態の光学フィルム1は、本発明の着色層形成用組成物を用いること以外は、従来公知の方法により製造できる。
例えば、透明基材20の一方の面に着色層形成用組成物を塗布し、必要に応じて乾燥(溶剤(E)を除去)し、活性エネルギー線を照射して着色層形成用組成物を硬化することにより着色層10を得る。
活性エネルギー線を照射して着色層形成用組成物を硬化させ、着色層10を形成するための光源は、活性エネルギー線を発生する光源であれば制限なく使用できる。活性エネルギー線としては、放射線(ガンマ線、X線等)、紫外線、可視光線、電子線(EB)等の光エネルギー線が使用でき、通常、紫外線、電子線である場合が多い。例えば、紫外線を放射するランプとして低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電管等を使用できる。照射条件として紫外線照射量は、通常100~1000mJ/cmである。
次に、透明基材20の他方の面にハードコート剤を塗布し、着色層10と同様に活性エネルギー線を照射してハードコート剤を硬化することによりハードコート層32を得る。
得られたハードコート層32上に低屈折率層31を形成することにより、透明基材20の他方の面に機能層30が位置する光学フィルム1が得られる。
低屈折率層31の形成方法に制限はなく、低屈折率層形成用組成物をハードコート層32に塗布し、活性エネルギー線を照射して硬化させる方法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、プラズマ気相成長法等を使用できる。
[その他の実施形態]
光学フィルムは、図2に示すように、着色層10の一方の面に位置する透明基材20を有し、着色層10、透明基材20、酸素バリア層33、ハードコート層32、低屈折率層31が、この順で積層された光学フィルム2であってもよい。光学フィルム2では、酸素バリア層33、ハードコート層32、低屈折率層31が機能層30を構成する。酸素バリア層33としては、上述した酸素バリア層と同様の層が挙げられる。この場合、透明基材20、低屈折率層31、ハードコート層32、及び酸素バリア層33のうち少なくとも1つは、紫外線遮蔽率が85%以上であることが好ましい。
本実施形態の光学フィルム2は、酸素バリア層33を有するため、色素(A)の劣化がさらに抑制され、耐光性及び耐熱性により優れる。
光学フィルムは、図3に示すように、着色層10の一方の面に位置する透明基材20を有し、着色層10、透明基材20、防眩層34が、この順で積層された光学フィルム3であってもよい。光学フィルム3では、防眩層34が機能層30を構成する。防眩層34としては、上述した防眩層と同様の層が挙げられる。この場合、透明基材20、及び防眩層34のうち少なくとも1つは、紫外線遮蔽率が85%以上であることが好ましい。
本実施形態の光学フィルム3は、防眩層34を有するため、表示品位により優れる。
光学フィルムは、図4に示すように、着色層10の一方の面に位置する透明基材20を有し、着色層10、透明基材20、防眩層34、低屈折率層31が、この順で積層された光学フィルム4であってもよい。光学フィルム4では、防眩層34、低屈折率層31が機能層30を構成する。この場合、透明基材20、低屈折率層31、及び防眩層34のうち少なくとも1つは、紫外線遮蔽率が85%以上であることが好ましい。
本実施形態の光学フィルム4は、低屈折率層31と防眩層34とを有するため、表示品位により優れる。
光学フィルムは、図5に示すように、着色層10の一方の面に位置する透明基材20と、着色層10の他方の面に位置する機能層30とを有し、透明基材20、着色層10、ハードコート層32、低屈折率層31が、この順で積層された光学フィルム5であってもよい。光学フィルム5では、ハードコート層32、低屈折率層31が機能層30を構成する。この場合、低屈折率層31、及びハードコート層32のうち少なくとも1つは、紫外線遮蔽率が85%以上であることが好ましい。
本実施形態の光学フィルム5は、透明基材20の一方の面に着色層10と機能層30とを有するため、表示品位により優れる。
光学フィルムは、図6に示すように、着色層10の一方の面に位置する透明基材20と、着色層10の他方の面に位置する機能層30とを有し、透明基材20、着色層10、酸素バリア層33、ハードコート層32、低屈折率層31が、この順で積層された光学フィルム6であってもよい。光学フィルム6では、酸素バリア層33、ハードコート層32、低屈折率層31が機能層30を構成する。この場合、低屈折率層31、ハードコート層32、及び酸素バリア層33のうち少なくとも1つは、紫外線遮蔽率85%以上の紫外線遮蔽性を有することが好ましい。
本実施形態の光学フィルム6は、酸素バリア層33を有するため、色素(A)の劣化がさらに抑制され、耐光性及び耐熱性により優れる。
光学フィルムは、図7に示すように、着色層10の一方の面に位置する透明基材20と、着色層10の他方の面に位置する機能層30とを有し、透明基材20、着色層10、防眩層34が、この順で積層された光学フィルム7であってもよい。光学フィルム7では、防眩層34が機能層30を構成する。この場合、防眩層34は、紫外線遮蔽率が85%以上であることが好ましい。
本実施形態の光学フィルム7は、防眩層34を有するため、表示品位により優れる。
光学フィルムは、図8に示すように、着色層10の一方の面に位置する透明基材20と、着色層10の他方の面に位置する機能層30とを有し、透明基材20、着色層10、防眩層34、低屈折率層31が、この順で積層された光学フィルム8であってもよい。光学フィルム8では、防眩層34、低屈折率層31が機能層30を構成する。この場合、低屈折率層31、及び防眩層34のうち少なくとも1つは、紫外線遮蔽率が85%以上であることが好ましい。
本実施形態の光学フィルム8は、低屈折率層31と防眩層34とを有するため、表示品位により優れる。
上述した各実施形態に係る光学フィルムは、本発明の着色層形成用組成物の硬化物である着色層を有するため、着色層の耐光性及び耐熱性に優れている。このため、本実施形態の光学フィルムを備える表示装置は、長期間にわたって色素(A)による色補正機能が発揮され、優れた表示品位を維持できる。
以上、本発明の光学フィルムの実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ等も含まれる。
例えば、上記実施形態の光学フィルムは、着色層10の数が1つであるが、着色層の数は2以上であってもよい。
上記実施形態の光学フィルムにおいて、紫外線吸収能は、透明基材20に付与してもよく、ハードコート層32等の機能層30に付与してもよく、それらの双方に付与してもよい。
[表示装置]
本発明の表示装置は、本発明の光学フィルムを備える。
表示装置の具体例としては、例えば、テレビ、モニタ、携帯電話、携帯型ゲーム機器、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤ等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、自動販売機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、個人認証機器、光通信機器、ICカード等が挙げられる。中でも、金属製の電極や配線により、外光反射の影響を受けやすく、本発明の有用性が高い点で、LED、有機EL、無機蛍光体、量子ドット等の自発光素子を備えた表示装置が好適である。
以下に、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明する。本発明の技術的範囲は、これら実施例の具体的内容のみを根拠として何ら限定されるものではない。
[実施例1~15、比較例1~3]
以下の実施例及び比較例では、表1~3に示す層構成の光学フィルムを作製し、作製した光学フィルムについて、光学フィルム特性、及び有機ELパネルでの表示装置特性を評価した。表中、「-」は、その層を有しないことを示す。
Figure 2024072522000008
Figure 2024072522000009
Figure 2024072522000010
≪光学フィルムの作製≫
以下、各層の形成方法を説明する。
[着色層の形成]
(着色層形成用組成物の使用材料)
着色層形成用組成物の材料として、以下のものを用いた。なお、色材の吸収極大波長、半値幅、及び規定波長範囲での最小透過率波長は、硬化塗膜での特性値である。
<色素(A)>
・第一の色材
A-1:ピロメテンコバルト錯体染料(吸収極大波長493nm、半値幅26nm)。下記製造例で得た合成品。
「A-1の製造例」
5-ホルミル-2,4-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸エチル(2.5g)を反応容器に封入し、メタノール(50mL)に溶解させた後、47%臭化水素酸(45g)を添加して、1時間還流を行った。析出した固体を濾別することで、3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジ-エトキシカルボニル-2,2’-ジピロメテン臭化水素酸塩(2.6g)を得た。
3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジ-エトキシカルボニル-2,2’-ジピロメテン臭化水素酸塩(0.6g)を反応容器に封入し、メタノール(5mL)、トリエチルアミン(0.17g)、酢酸コバルト四水和物(0.18g)を添加し、2時間還流を行った。析出した固体を濾別することで、A-1(0.42g)を得た。
・第二の色材
A-2:テトラアザポルフィリン銅錯体染料(山田化学工業(株)製、FDG-007、吸収極大波長595nm、半値幅22nm)。
A-3:テトラアザポルフィリン銅錯体染料(山本化成(株)製、PD-311S、吸収極大波長586nm、半値幅22nm)。
・第三の色材
A-4:フタロシアニン銅錯体染料(山田化学工業(株)製、FDN-002、400~780nmでの最小透過率波長780nm)。
<添加剤(B)>
B-1:含窒素複素環式カルベン銅錯体(Sigma-Aldrich社製、696250)。
B-2 含窒素複素環式カルベン銀錯体(東京化成工業社製、C2373)。
B-3 含窒素複素環式カルベン金錯体(STREM社製、79-0205)。
B-4 含窒素複素環式カルベンパラジウム錯体(Sigma-Aldrich社製、660361)。
B-1~B-4の構造を以下に示す。
Figure 2024072522000011
<光重合性化合物(C)>
UA-306H:ペンタエリスリトールトリアクリレート ヘキサメチレンジイソシアネート ウレタンプレポリマー(共栄社化学(株)製、UA-306H)。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート。
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート。
<光重合開始剤(D)>
TPO:アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(IGM Resins B.V.社製、Omnirad TPO)。
<溶剤(E)>
MEK:メチルエチルケトン。
酢酸メチル。
<添加剤(F)>
・ラジカル捕捉剤
樹脂1:上記式(2)で表される構造単位を含む重合体。下記製造例で得た合成品。
「樹脂1の製造例」
メタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル(昭和電工マテリアルズ(株)製、FA-711MM)2.4g、メタクリル酸メチル(関東化学(株)製)5.6g、シクロヘキサノン(関東化学(株)製)31g、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(富士フイルム和光純薬(株)製)0.11gを反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下、70℃で8時間加熱攪拌した。その後、100℃で1時間加熱攪拌を行うことでポリマー溶液を得た。このポリマー溶液をメタノール(関東化学(株)製)400mL中へ注ぐことで生じた析出物をろ過、乾燥することでメタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル:メタクリル酸メチル=15:85[mоl%]で共重合された樹脂1を得た。
なお、100℃で1時間の追加加熱攪拌を行うことで、開始剤である2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)を完全に分解させることができ、残存開始剤による光学フィルムの劣化を抑制することができる。
また、ポリマー溶液をメタノール中へ注ぐことで、未反応のモノマーや重合溶媒、開始剤の分解物などを除くことができ、光学フィルムの劣化を抑制することができる。
・一重項酸素クエンチャー
D1781:ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)(東京化成工業(株)製、D1781)。
<他の添加剤>
T479:ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(BASFジャパン(株)製、Tinuvin(登録商標)479)。
LA-36:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤((株)ADEKA製、アデカスタブ(登録商標)LA-36)。
(透明基材)
透明基材としては、下記のものを用いた。
TAC:トリアセチルセルロースフィルム(富士フイルム(株)製、TG60UL、基材厚60μm、紫外線遮蔽率92.9%)。
PMMA:ポリメチルメタクリレートフィルム(住友化学(株)製、W002N80、基材厚80μm、紫外線遮蔽率13.9%)。
(着色層の形成)
表4に示す組成に従って各材料を混合し、着色層a~k、m、nの形成に用いる着色層形成用組成物を得た。なお、添加量は質量比(質量%)である。表中、「-」は、その成分を含有しないことを示す。
表1~3に示す透明基材上に、得られた着色層形成用組成物を塗布し、80℃のオーブンで60秒間乾燥させた。その後、紫外線照射装置を用いて照射線量150mJ/cm(フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、光源Hバルブ)で紫外線照射を行うことにより塗膜を硬化させ、硬化後の膜厚が5.0μmとなるよう着色層を形成した。
Figure 2024072522000012
[機能層の形成:ハードコート層]
(ハードコート層形成用組成物の使用材料)
ハードコート層形成用組成物の材料として、以下のものを用いた。
・光硬化性化合物
UA-306H:ペンタエリスリトールトリアクリレート ヘキサメチレンジイソシアネート ウレタンプレポリマー(共栄社化学(株)製、UA-306H)。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート。
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート。
・光重合開始剤
TPO:アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(IGM Resins B.V.社製、Omnirad TPO)。
・添加剤(紫外線(UV)吸収剤)
T479:ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(BASFジャパン(株)製、Tinuvin(登録商標)479)。
LA-36:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤((株)ADEKA製、アデカスタブ(登録商標)LA-36)。
・溶剤
MEK:メチルエチルケトン。
酢酸メチル。
(ハードコート層の形成)
表5に示す組成に従って各材料を混合し、ハードコート層1、2の形成に用いるハードコート層形成用組成物を得た。なお、添加量は質量比(質量%)である。表中、「-」は、その成分を含有しないことを示す。
表1~3に示す透明基材又は着色層上又はO2バリア層上に、得られたハードコート層形成用組成物を塗布し、80℃のオーブンで60秒間乾燥させた。その後、紫外線照射装置を用いて照射線量150mJ/cm(フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、光源Hバルブ)で紫外線照射を行うことにより塗膜を硬化させ、硬化後の膜厚が5.0μmとなるようハードコート層を形成した。
Figure 2024072522000013
[機能層の形成:防眩層]
(防眩層形成用組成物)
以下の各材料を混合して、防眩層形成用組成物を得た。
・光硬化性化合物
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートPE-3A、屈折率1.52) 43.7質量部。
・光重合開始剤
Omnirad TPO(IGM Resins B.V.社製) 4.55質量部。
・樹脂粒子
スチレン-メタクリル酸メチル共重合体粒子(屈折率1.515、平均粒径2.0μm) 0.5質量部。
・無機微粒子
合成スクメタイト 0.25質量部。
アルミナナノ粒子(平均粒径40nm) 1.0質量部。
・溶剤
トルエン 15質量部。
イソプロピルアルコール 35質量部。
(防眩層の形成)
表3に示す透明基材上に、上記の防眩層形成用組成物を塗布し、80℃のオーブンで60秒間乾燥させた。その後、紫外線照射装置を用いて照射線量150mJ/cm(フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、光源Hバルブ)で紫外線照射を行うことにより塗膜を硬化させ、硬化後の膜厚が5.0μmとなるよう防眩層を形成した。
[機能層の形成:酸素(O2)バリア層]
(O2バリア層形成用組成物)
ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA117)の80%水溶液をO2バリア層形成用組成物とした。
(O2バリア層の形成)
表3に示す透明基材上に、上記のO2バリア層形成用組成物を塗布し、乾燥することで、酸素透過度が1cc/m・day・atmであるO2バリア層を形成した。
[機能層の形成:低屈折率層]
(低屈折率層形成用組成物)
以下の各材料を混合して、低屈折率層形成用組成物を得た。
・屈折率調整剤
多孔質シリカ微粒子(平均粒径75nm、固形分20%)メチルイソブチルケトン分散液 8.5質量部。
・防汚付与剤
オプツール(登録商標)AR-110(ダイキン工業(株)製、固形分15%、溶剤:メチルイソブチルケトン) 5.6質量部。
・光硬化性化合物
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 0.4質量部。
・光重合開始剤
Omnirad TPO(IGM Resins B.V.社製) 0.07質量部。
・レベリング剤
RS-77(DIC(株)製) 1.7質量部。
・溶剤
メチルイソブチルケトン 83.73質量部。
(低屈折率層の形成)
表1~3に示すハードコート層上又は防眩層上に、上記の低屈折率層形成用組成物を塗布し、80℃のオーブンで60秒間乾燥させた。その後、紫外線照射装置を用いて照射線量200mJ/cm(フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、光源Hバルブ)で紫外線照射を行うことにより塗膜を硬化させ、硬化後の膜厚が100nmである低屈折率層を形成した。
≪光学フィルムの評価≫
以下、光学フィルムの評価方法を説明する。
[光学フィルム特性評価]
<着色層上の紫外線遮蔽率>
着色層より上層に透明基材となる場合は、基材を自動分光光度計((株)日立製作所製、U-4100)を用いて透過率を測定した。また、着色層が基材より上層にくる場合は、JIS-K5600-5-6:1999付着性試験準拠の透明感圧付着テープを用いて着色層より上層を剥離し、自動分光光度計((株)日立製作所製、U-4100)を用い、粘着テープをリファレンスとして着色層上層の透過率を測定した。これらの透過率を用いて、紫外域(290nm~400nm)の平均透過率[%]を算出し、紫外線遮蔽率[%]を100%から紫外域(290nm~400nm)の平均透過率[%]を引いた値として算出した。
<耐光性試験>
得られた光学フィルムの耐光性試験として、キセノンウェザーメーター試験機(スガ試験機株式会社製、X75)を用い、キセノンランプ照度60W/m(300nm~400nm)、試験機内温度45℃・湿度50%RH条件にて120時間、表1~3に示す層構成の上側(例えば実施例1の場合は低屈折率層側)から光学フィルムに光を照射する試験を行った。試験前後に自動分光光度計((株)日立製作所製、U-4100)を用いて透過率測定を行い、波長範囲470nm~530nmにて試験前の最小透過率を示す波長λ1での試験前後透過率差ΔTλ1、波長範囲560nm~620nmにて試験前の最小透過率を示す波長λ2での試験前後透過率差ΔTλ2を算出した。透過率差はゼロに近い方が良好であり、|ΔTλN|≦15(N=1、2)となるものが好ましく、|ΔTλN|≦10(N=1、2)となるものがさらに好ましい。
<耐熱性試験>
得られた光学フィルムの耐熱性試験として、環境試験機(ESPEC株式会社製、SU-221)を用い、90℃にて500時間試験し、試験前後に自動分光光度計((株)日立製作所製、U-4100)を用いて透過率測定を行い、波長範囲470nm~530nmにて試験前の最小透過率を示す波長λ1での試験前後透過率差ΔTλ1、波長範囲560nm~620nmにて試験前の最小透過率を示す波長λ2での試験前後透過率差ΔTλ2を算出した。透過率差はゼロに近い方が良好であり、|ΔTλN|≦15(N=1、2)となるものが好ましく、|ΔTλN|≦10(N=1、2)となるものがさらに好ましい。
[表示装置特性評価]
<白表示透過特性>
得られた光学フィルムの透過率を自動分光光度計((株)日立製作所製、U-4100)を用いて測定し、この透過率を用いて、白表示時に光学フィルムを透過した光の効率を算出し、白表示透過特性として評価した。基準として、図9に示すスペクトルの白色有機EL光源とカラーフィルタを通して出力される白表示時のスペクトルの効率を100とした。100に近いほど白表示透過率が高く、輝度効率に優れる。
<表示装置反射特性>
得られた光学フィルムの透過率T(λ)及び表面反射率R2(λ)を自動分光光度計((株)日立製作所製、U-4100)を用いて測定した。表面反射率R2(λ)の測定については、透明基材の着色層及び機能層が形成されていない面につや消し黒色染料を塗布して反射防止の処理を行い、入射角5°の分光反射率を測定して表面反射率R2(λ)とした。電極反射率R(λ)を波長380nmから780nmまで全て100%として、各層での界面反射及び表面反射は考慮せず、光学フィルムの無い状態でのD65光源(CIE(国際照明委員会)標準光源D65)に対する表示装置反射値を100とした際の相対反射値を下記式(1)から(4)に基づいて算出し、観測者側最表層の表面反射率R(λ)を表示装置反射特性として評価した。表示装置反射特性の値が低いほど、外光反射を低減可能で、反射特性に優れる。なお、式(1)から(4)において、R1(λ)は内部反射成分を、YはD65光源の白色点における3刺激値のうちの一つを、PD65(λ)はD65光源のスペクトルを、y(λ)はCIE1931等色関数を、それぞれ表す。
Figure 2024072522000014
Figure 2024072522000015
Figure 2024072522000016
Figure 2024072522000017
<色再現性>
自動分光光度計((株)日立製作所製、U-4100)を用いて、得られた光学フィルムの透過率を測定し、図9に示すスペクトルの、白色EL光源とカラーフィルタを通して出力される図10の赤色表示、緑色表示、青色表示スペクトルを測定した。図9及び図10のグラフの縦軸は、発光強度[a.u.](任意単位:arbitrary unit)を表す。測定した透過率と図10の赤色表示、緑色表示、青色表示スペクトルとを用いて算出されるCIE1931色度値からNTSC(全米テレビジョン放送方式標準化委員会)比を算出し、NTSC比を色再現性の指標として評価した。NTSC比が高いほど色再現性に優れる。
評価結果を表6~8に示した。なお、着色層を有しない光学フィルムを用いた比較例1では、着色層上の紫外線遮蔽率の測定、耐光性試験、耐熱性試験を行っていないため、表6中「-」で示した。また、着色層が第一の色材を含まない光学フィルムを用いた実施例2では、耐光性試験のΔTλ1及び耐熱性試験のΔTλ1は求めなかったため、表7中「-」で示した。
また、比較例1における白表示透過特性を基準とした白表示透過特性の割合(比較例1比)、比較例1における表示装置反射特性を基準とした表示装置反射特性の割合(比較例1比)をそれぞれ表6~8に示した。
Figure 2024072522000018
Figure 2024072522000019
Figure 2024072522000020
実施例1及び比較例2の結果から、又は実施例2~9及び比較例3の結果から、着色層が含窒素複素環式カルベン金属錯体である添加剤(B)を含むことで、光や熱による退色が軽減されたことが確認された。
実施例3、5、6の結果から、添加剤(B)の添加量に応じて退色軽減効果が向上することが確認された。
実施例6~9の結果から、中心金属が異なる種々の含窒素複素環式カルベン金属錯体で退色軽減効果が得られることが確認された。
実施例5、10、11の結果から、添加剤(B)と添加剤(F)とを併用することで退色軽減効果がさらに向上することが確認された。
実施例12、13の結果から、機能層が防眩層を含む場合でも、実施例11と同様の効果が得られることが確認された。
実施例14の結果から、着色層上の基材が紫外線遮蔽能を有さない場合でも、着色層上の機能層が紫外線遮蔽能を有していれば、実施例11と同様の効果が得られることが確認された。
実施例1、11、14の結果から、着色層が紫外線遮蔽能を有するよりも、着色層上の基材や機能層が紫外線遮蔽能を有する方が、退色軽減効果が向上することが確認された。
実施例15の結果から、機能層が酸素バリア層を含む場合、実施例11よりも退色軽減効果が向上することが確認された。
本発明の着色層を備える各実施例の表示装置は、着色層を有さない比較例1の表示装置に比べ大幅に表面反射を低減できた。また、円偏光板を用いた場合は透過率が大きく低下するとされているのに対し、各実施例の表示装置は白表示透過性の評価値に示されるように輝度効率にも優れ、さらに色再現性も向上した。
実施例2、3、4ではそれぞれ1波長吸収、2波長吸収、2波長及び近赤外領域吸収を志向した光学設計をしており、吸収領域が多いほど反射特性は優れた結果を示した。
以上、本発明の一実施形態および実施例について詳述したが、本発明は特定の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせなども含まれる。
1,2,3,4,5,6,7,8 光学フィルム
10 着色層
20 透明基材
30 機能層
31 低屈折率層
32 ハードコート層
33 酸素バリア層
34 防眩層

Claims (11)

  1. 色素(A)と、添加剤(B)と、光重合性化合物(C)と、光重合開始剤(D)と、溶剤(E)とを含み、
    前記色素(A)は、第一の色材、第二の色材、及び第三の色材のうち、少なくとも1つを含み、
    前記第一の色材は、吸収極大波長が470~530nmの範囲内にあり、吸光スペクトルの半値幅が15~45nmであり、
    前記第二の色材は、吸収極大波長が560~620nmの範囲内にあり、吸光スペクトルの半値幅が15~55nmであり、
    前記第三の色材は、380~780nmの波長の範囲において最も透過率の低い波長が650~780nmの範囲内にあり、
    前記添加剤(B)は、下記式(1)で表される含窒素複素環式カルベン配位子を含む金属錯体化合物である、着色層形成用組成物。
    Figure 2024072522000021
    [上記式(1)において、Lは、窒素原子NとEとの間を結ぶ炭素数1~24の架橋構造を表し、Rは、炭素数1~50のアルキル基、炭素数2~50のアルケニル基、炭素数2~50のアルキニル基、又は炭素数6~30のアリール基を表し、これらの基はいずれも置換基を有することができ、Eは、酸素原子、硫黄原子、又はN-Rを表し、Rは、炭素数1~50のアルキル基、炭素数2~50のアルケニル基、炭素数2~50のアルキニル基、又は炭素数6~30のアリール基を表し、これらの基はいずれも置換基を有することができる。]
  2. ラジカル補捉剤、一重項酸素クエンチャー、及び過酸化物分解剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤(F)をさらに含む、請求項1に記載の着色層形成用組成物。
  3. 前記ラジカル捕捉剤が、下記式(2)で表される構造単位を含む重合体を含む、請求項2に記載の着色層形成用組成物。
    Figure 2024072522000022
    [上記式(2)において、R12は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ヒドロキシ基、炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下のアルコキシカルボニル基、炭素数10以下のアルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、炭素数10以下のアシルアミノスルホニル基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭素数10以下のアルキルチオ基、炭素数10以下のアリールオキシ基、ニトロ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数10以下のアシルオキシ基、炭素数10以下のアシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、炭素数10以下のアリール基、置換アミノ基、置換ウレイド基、置換ホスホノ基、又は複素環基を表し、R13は、水素原子、又は炭素数30以下のアルキル基を表し、Xは、単結合、エステル基、炭素数30以下の脂肪族アルキル鎖、芳香族鎖、ポリエチレングリコール鎖、又はこれらを組み合わせてなる連結基を表し、いずれもスピロジオキサン環を含むことができる。]
  4. 前記一重項酸素クエンチャーが、ジアルキルジチオホスフェート、ジアルキルジチオカルバメート、ベンゼンジチオール、これらの遷移金属錯体、及び下記式(3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項2に記載の着色層形成用組成物。
    Figure 2024072522000023
    [上記式(3)において、R1は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、RCO、R10SO 、又はR11NHCOを表し、R、R10及びR11は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はへテロ環基を表し、R及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアルケニルオキシ基を表し、R~Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表す。]
  5. 前記色素(A)が、ポルフィリン構造、メロシアニン構造、フタロシアニン構造、アゾ構造、シアニン構造、スクアリリウム構造、クマリン構造、ポリエン構造、キノン構造、テトラジポルフィリン構造、ピロメテン構造、及びインジゴ構造のいずれかを有する化合物、並びにその金属錯体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の着色層形成用組成物。
  6. 請求項1~4のいずれか一項に記載の着色層形成用組成物の硬化物である着色層と、
    前記着色層の一方の面側に位置する透明基材と、を有する、光学フィルム。
  7. 前記着色層の一方又は他方の面側に位置する機能層をさらに有し、
    前記透明基材および前記機能層の一方又は双方の、JIS L1925に記載の方法に準じて測定される紫外線遮蔽率が85%以上である、請求項6に記載の光学フィルム。
  8. 前記機能層が、反射防止層、及び防眩層の少なくとも一方を含む、請求項7に記載の光学フィルム。
  9. 前記機能層が、酸素透過度が10cm/(m・day・atm)以下である酸素バリア層を含む、請求項7に記載の光学フィルム。
  10. 前記機能層が、帯電防止層、及び防汚層の少なくとも一方を含む、請求項7に記載の光学フィルム。
  11. 請求項6に記載の光学フィルムを備える、表示装置。
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