JP2024071167A - 電気機械 - Google Patents

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信雄 有賀
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Abstract

Figure 2024071167000001
【課題】磁石保持部が熱収縮しても磁石や磁石保持部の破損を防止する構造を備えたモータを実現する。
【解決手段】ロータコア21と、推力発生方向(S方向)に沿ってロータコア21の表面に配置される複数の磁石22と、磁石22、22間に配置される磁石保持部23とを備え、磁石保持部23が、ロータコア21から磁石22、磁石22間を通って推力発生方向(S方向)と直交する方向である径方向(T方向)に延びる突部23aと、突部23aの先端から磁石22に重合する位置に延びる爪部23bとを含んで構成されるものにおいて、磁石保持部23が熱収縮した際に圧縮される位置に、磁石22よりも弾性率の低い圧縮層24を設けることとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、SPM(Surface Permanent Magnet)モータ等のようにコアの表面に磁石を配置する構造を備えた電気機械に関するものである。
従来、表面に磁石を配置する電気機械としてSPMモータが知られている(例えば特許文献1)。
SPMモータは、磁石を有するロータと、ステータとからなる。ロータはシャフトにロータコアを取り付け、ロータコアの表面に磁石を配置して構成される。ステータはロータの外周に配置され、ロータに向かって延びるティースと、ティースに巻回されたコイルとを備える。
このSPMモータは、表面の磁石を保持するためにインセット型と称される磁石保持部を有する。この磁石保持部は、ロータコアから磁石と磁石の間を外径方向に突出する突部と、その突部の先端から磁石に重合する方向に延びる爪部とを含んで構成され、磁石は磁石保持部によって、回転時の周方向、および、径方向の移動を規制されている。
特開2020-78177
ところで、このモータを低温環境下で使用する場合、磁石保持部と磁石の線膨張係数差によって、磁石保持部が熱収縮差で磁石を径方向に圧縮することにより、磁石、および、磁石保持部に熱応力が発生し、磁石、または、磁石保持部、あるいは両方が破損する恐れがある。熱応力は環境温度が低いほど、また磁石が大きいほど大きくなる。
このような問題は、SPMモータに限らず、磁石を磁石保持部で保持する構造を備えたものであれば、例えばリニアモータ等であっても同様である。
そこで本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、磁石保持部が熱収縮しても磁石や磁石保持部の破損を防止することができる、新たな構造の電気機械を実現することを目的としている。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明の電気機械は、コアと、推力発生方向に沿って前記コアの表面に配置される複数の磁石と、前記磁石間に配置される磁石保持部とを備え、前記磁石保持部が、前記コアから磁石と磁石の間を通って推力発生方向と直交する方向に延びる突部と、前記突部の先端から前記磁石に重合する位置に延びる爪部とを含んで構成されるものにおいて、前記磁石保持部が熱収縮した際に圧縮される位置に、磁石よりも弾性率の低い圧縮層を設けたことを特徴とする。
このような構造のもと、磁石保持部が熱収縮すると、圧縮層が圧縮変形することで磁石保持部に生じる応力が低減する。このため、磁石や磁石保持部が熱応力で破損することを有効に防止することができる。
この場合、前記磁石が推力発生方向と直交する方向に分割されており、その分割された磁石と磁石の間に前記圧縮層が設けてあることが好ましい。
このように構成すると、磁石保持部が推力発生方向と直交する方向に熱収縮したときに、分割隙間に設けた圧縮層が圧縮変形することで磁石保持部に生じる応力が低減する。しかも、渦電流を誘起する磁束の通る断面は変わらないが、磁石が分割されていることから、磁石に流れる渦電流が囲む断面積が小さくなるため、圧縮層が絶縁材料であれば渦電流損の低減にもつながる。分割数を増やせば各々の圧縮層の厚みはより小さくて済み、強度的に安定するとともに、うず電流損の低減効果は増大する。
或いは、前記磁石と前記コアの表面との間、または、前記磁石と前記磁石保持部の爪部との間に前記圧縮層が設けてあることも好ましい。
この位置に圧縮層を設けても、磁石保持部が推力発生方向と直交する方向に熱収縮したときに、圧縮層が圧縮変形することで磁石、および、磁石保持部に生じる応力を低減することができる。
また、前記磁石と前記磁石保持部の突部との間に前記圧縮層が設けてあることも好ましい。
この位置に圧縮層を設けると、圧縮層に推力発生方向の応力が作用することで圧縮層が圧縮変形するので、磁石の装入が容易になる。また、磁石挿入時に液状、シート状あるいは固体にかかわらず樹脂充填容易性、充填率が向上し,さらに低温時の磁石とコア間の熱変形差による応力緩和が可能となる。
また、上記圧縮層に臨む位置に、圧縮層が圧縮されることで圧縮方向と交叉する方向に伸びる変形を許容する変形許容部を設けていることが好ましい。
圧縮層の体積がほぼ変わらないとすれば、変形許容部を設けておくことで圧縮層の適切な圧縮変形を引き起こすことができる。
上記における圧縮層の厚みは、予定される圧縮量が圧縮強度を超えない範囲に設定されていることが好ましい。
単に磁石をコアに接着する接着剤などは、圧縮されることで破壊して弾性体としての機能を損なうが、圧縮層を圧縮強度以内に抑える設計をすることで、本発明の圧縮層として有効に機能させることができる。
以上説明した本発明の電気機械によれば、磁石保持部が熱収縮しても、圧縮層が圧縮変形することで磁石保持部に生じる応力を低減することができるため、磁石や磁石保持部が熱応力で破損することを有効に防止することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る電気機械たるモータの模式的な断面図。 図1のインセット構造を比較例とともに展開して示す図。 同実施形態における圧縮層の説明図。 本発明の変形例1を示す図。 本発明の変形例2を示す図。 本発明の変形例3を示す図。 本発明の変形例4を示す図。 本発明の変形例5を示す図。 本発明の変形例6を示す図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の電気機械を回転電動機であるモータMに適用した例を示す模式的な横断面図である。
モータMは、図1(a)に示すようにインナーロータ型のもので、シャフト1に可動子たるロータ(回転子)2を一体回転可能に取付け、ロータ2の外周にステータ(固定子)3を配置することによって構成されている。
ステータ3は、略円筒状に構成されたコアであるステータコア31と、このステータコア31の等角位置より内周に向けて一体に形成された複数のティース32と、各ティース32に巻回されたコイル33とを備えている。コイル33には図示しない電源装置が接続され、給電によって回転子2を回転させるための回転磁界を発生させるように構成されている。
ロータ2は、固定子3の内周側に所定のギャップを介して配置されている。ロータ2は、略円筒状に構成されたコアであるロータコア21と、ロータコア21に沿って外周の表面に配置された磁石(永久磁石)22とを備えている。
磁石22は、推力発生方向(S方向)すなわちロータコア21の円周方向に極数分だけ複数配置された扇形のもので、全体として略円環状に構成されている。個々の磁石22は、図1(b)に矢印Hで示すように、配向方向(磁化容易方向)が推力発生方向(S方向)と直交する方向である径方向(T方向)を向くように配置されている。磁石22の材料には例えばネオジム磁石やサマリウムコバルト磁石などの希土類系磁石が採用される。
そして、この磁石22を、インセット型と称される磁石保持部23によってロータコア21に保持している。磁石保持部23は、ロータコア21から磁石22と磁石22の間を推力発生方向(S方向)と直交する方向である径方向(T方向)に延びる突部23aと、この突部23aの先端から回転方向進み側と遅れ側に向かって両側に位置する磁石22の外周面に重合する位置に延びる爪部23bとを含むT字状に構成されている。この磁石保持部23によって磁石22は、回転時の周方向(S方向)の移動が突部23aにより規制され、径方向(T方向)の移動が爪部23bにより規制される。磁石保持部23の材料には例えばロータコア21と同様の電磁鋼板が用いられる。
図1の磁石保持部23は模式図に過ぎない。このため、爪部23bの外周が磁石22の外周面と一致するように爪部23bを磁石22の外周面に設けた凹部に埋設する形態等を採用しても構わない。
図2(a)は図1(a)のインセット構造を直線状に展開して示すものである。磁石22は実際には磁石片22a、22aに分割されており、磁石片22a、22a間に圧縮層24を設けている。
図2(b)は比較例として、従来のインセット構造を示す。この従来構造は、周方向(S方向)に配置される磁石保持部23、23間に単一のブロック状の磁石22が配置されている。磁石保持部23も凸部23aと爪部23bを有している。磁石22と磁石保持部23の間は、周方向(S方向)および径方向(T方向)に隙間はないか、若しくは極小隙間にとどめて、磁石22の移動を規制している。
このため、このモータMを低温環境下で使用すると、磁石保持部23が熱収縮し、磁石22を図中白抜き矢印で示すように径方向に圧縮することにより、磁石22、および、磁石保持部23に熱応力が発生し、磁石22、または、磁石保持部23、あるいは両方が破損する恐れがある。
磁石22の線膨張係数については、例えば磁石22をネオジウム磁石とした場合、配向方向と平行な方向(磁化容易方向)に7×10-6[1/℃]、配向方向と直交する方向(磁化の垂直方向)に略0[1/℃]である。この線膨張係数の値は、例えば140℃下がると、略0.1%縮む計算である。一方、磁石保持部23を電磁鋼板で構成した場合の膨張係数は、12×10-6[1/℃]であり、磁石よりも大きい。
収縮量(膨張量)ΔXは、線膨張方向の長さをX、線膨張係数をα、温度差をΔTとした場合、
ΔX=X×α×ΔT …(1)
で表される。
本実施形態では磁石22の配向方向が径方向(T方向)であって、その径方向の磁石22の長さ(厚み)がX1であるとした場合、対する磁石保持部23は、実質的に磁石22を保持する長さは突部23aの基端位置すなわちヨーク21の外周面21aから爪部23bの下面23b1までの距離X2であって、磁石22を隙間なく保持すれば、X1=X2(=X)である。したがって、数式(1)において、磁石22と磁石保持部23の温度差ΔTも同じ環境下で同一とすれば、磁石22と磁石保持部23の線膨張差ΔXは、線膨張係数差Δαで決まる。
このため、磁石22より線膨張係数が大きい磁石保持部23の収縮が支配的になることで、爪部23bとロータコア表面21aとの距離X2が磁石22の厚みX1よりも小さくなり、図中白抜き矢印で示すように磁石22に対する圧縮が引き起こされる。
そこで本実施形態では、上述したように図1(a)に示すインセット構造において、図2(a)に示すように磁石22を複数の磁石片22aに分割して構成している。そして、径方向(T方向)に隣接する磁石片22a、22a間に、磁石22よりも弾性率の低い圧縮層24を設け、磁石保持部23が熱収縮した際の圧縮応力で圧縮層24を変形させるようにしている。各磁石片には同じ符号22aを付しているが、それらの厚みは必ずしも同一である必要はない(以下、同様)。
圧縮層24は、弾性素材で構成され、磁石保持部23、23間において、内周側の磁石片22aと外側の磁石片22aの間に略全域に亘って均一な厚みで周方向、径方向にほぼ隙間なく配置される。図1(a)、図2(a)の紙面に垂直な方向(シャフト1の軸方向)についても、磁石保持部23、23間において、内周側の磁石片22aと外側の磁石片22aの間に略全域に亘って均一な厚みで軸方向にほぼ隙間なく配置される。
圧縮層24の素材としては、例えばエポキシ系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系が挙げられる。製法としては、磁石片22a、22a間に材料を流し込んで固化させるか、シート状に成型した圧縮層24を磁石片22a、22a間に挟み込んで組み付ける。
この場合の圧縮層24の厚みは、予定される圧縮量が圧縮強度を超えない範囲に設定される。また、磁石22やロータコア21の強度も考慮して圧縮層24の厚みが決められても良い。
圧縮層24が図3のAライン(降伏点A1)に示すような圧縮特性であれば、圧縮量ΔXは降伏点A1に至らないが、圧縮層24が図3のBライン(降伏点B1)に示すような圧縮特性であると、圧縮量ΔXは降伏点B1を超えるため、圧縮層24が圧縮によって弾性体としての機能を失うことになる。例えば、図1に示すロータ2の磁石保持部23の長さが10mmとすると、周囲の温度が20℃から-180℃まで200℃下がった場合、磁石保持部23による圧縮量は、10mm×200℃×(12×10-6-7×10-6)≒0.01mmである。このとき、この収縮を通常の接着層(厚み0.1mm)が受けるとすると、接着層は10%程度圧縮され、図3のBラインのケースに相当して接着層は弾性体としての機能が破壊されるおそれがある。
これに対して本実施形態では、予定された温度差で熱収縮が起こっても収縮量ΔXが図3のAラインのように降伏点A1を越えないようにするために、図2(a)に示す圧縮層24の厚みDや材料を設定している。例えば圧縮層24の厚みは通常の接着層の厚み(0.1mm)の2倍の0.2mm程度に設定し、200℃の温度変化があっても圧縮率が5%以内に収まるように設定することで、破壊を回避して弾性体としての機能を担保している。
上記は簡単な例であるが、実際に圧縮層24に生じる圧縮応力は、磁石22の厚さ(磁石保持部23の長さ)、磁化方向の角度、磁石22の線膨張係数、環境温度、圧縮層24の厚さ、圧縮層24のヤング率などで決まるため、この圧縮応力に対して破壊しない圧縮層24でなければならない。圧縮層24の1層あたりの厚みの一例としては、0.01mm~1.0mmであり、好ましくは、0.03mm~0.8mmであり、より好ましくは、0.05mm~0.5mmであり、必要に応じて圧縮層24の総数を増やしている。
以上のように、本実施形態の電気機械であるモータMは、ロータコア21と、推力発生方向(S方向)に沿ってロータコア21の表面に配置される複数の磁石22と、磁石22、22間に配置される磁石保持部23とを備え、磁石保持部23が、ロータコア21から磁石22、磁石22間を通って推力発生方向(S方向)と直交する方向である径方向(T方向)に延びる突部23aと、突部23aの先端から磁石22に重合する位置に延びる爪部23bとを含んだ構成からなるものである。
そして、磁石保持部23が熱収縮した際に圧縮される位置に、磁石22よりも弾性率の低い圧縮層24を設けている。
このような構造のもと、磁石保持部23が熱収縮すると、圧縮層24が圧縮変形することで磁石22、および、磁石保持部23に生じる応力が低減する。このため、磁石22(磁石片22a)や磁石保持部23が熱応力で破損することを有効に防止することができる。
特に本実施形態は、磁石22が推力発生方向(S方向)と直交する方向(T方向)に分割されており、その分割された磁石片22a、22a間に圧縮層24を設けている。
このように構成すると、磁石保持部23が推力発生方向(S方向)と直交する径方向(T方向)に熱収縮したときに、磁石片22a、22a間に設けた圧縮層24が圧縮変形することで磁石22、および、磁石保持部23に生じる応力が低減する。しかも、磁石22を磁石片22a、22aに分割することで、渦電流を誘起する磁束の通る断面は変わらないが、磁石が分割されていることから、磁石に流れる渦電流が囲む断面積が小さくなるため、圧縮層が絶縁材料であれば渦電流損の低減、ひいてはモータ効率の向上にもつなげることができる。
以上により、本実施形態のモータMは、磁石22、および、磁石保持部23に生じる応力を有効に低減することができるため、例えば高高度の環境、宇宙環境や液体窒素による冷却環境のような低温環境においても、SPMモータのインセット型が成立できるようになる。そして、これによってモータMの小型化、軽量化や高性能化を有効に実現することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。以下、いくつかの変形例について説明するが、上記実施形態と共通する部分には同一符号を付し、特に説明が必要な部分以外の説明を省略している。
(変形例1)
例えば、図4に示すように、磁石22の径方向(T方向)の分割数は2以上であっても良い。分割数を増やすことで、熱応力の総和だけでなく個々の磁石片22a内の渦電流損失が低減でき、損失による発熱低減やモータMの高効率化の効果が得られる。
この場合、圧縮層24は直列になるので、例えば圧縮層24の厚みが0.2mm必要な場合、個々の圧縮層24の厚みDの総和がこの値を満たせばよい。各圧縮層24の厚みDは同じ値である必要はない。
(変形例2)
また、分割面は磁石保持部23の熱収縮方向に対して平行でなければ良いので、図5に示すように、圧縮層24を傾いて構成しても構わない。このような構造で磁石片22a、22a間に圧縮層24を形成しても、磁石保持部23が推力発生方向(S方向)と直交する径方向(T方向)に熱収縮したときに、圧縮層24の径方向(T方向)成分が圧縮変形することで、磁石22や磁石保持部24に生じる応力を低減することができる。
このような斜めの圧縮層24は、ハルバッハのような磁束集中型の磁石配列を有する回転機械に適用しても有効となる。
(変形例3)
また、図6に示すように、磁石22を周方向(S方向)と径方向(T方向)に分割し、径方向(T方向)の磁石片22a、22a間と、周方向(S方向)の磁石片22a、22a間に圧縮層24を形成してもよい。このようにすることで、圧縮層24の径方向(T方向)への熱応力を低減すると同時に、変形例1に比べてさらに磁石22の渦電流損を低減することができる。
(変形例4)
また、図7に示すように、磁石22を分割せず、磁石22とロータコア21の表面21aとの間、または、磁石22と磁石保持部23の爪部23bの下面23b1との間に厚みDの圧縮層24を設ける構成でも良い。この位置に圧縮層24を設けても、磁石保持部23が推力発生方向(S方向)と直交する方向(T方向)に熱収縮したときに、圧縮層24が圧縮変形することで磁石22、および、磁石保持部23に生じる応力を低減することができる。この場合、磁石22と磁石保持部23の隙間を大きくできるため、ロータコア21への磁石22の挿入が容易になる利点が得られる。ここでも各圧縮層24の厚みDの値は同一である必要はない。
この例では、磁石保持部23の突部23aと磁石22との周方向(S方向)の隙間にも圧縮層24が設けてある。このようにすると、磁石挿入時に液状、シート状あるいは固体にかかわらず樹脂樹充填容易性、充填率が向上し、さらに低温時の磁石とコア間の熱変形差による応力緩和が可能となる。
(変形例5)
また、図8(a)のB-B線断に相当する図8(b)に示すように、圧縮層24に臨む位置に、圧縮層24が圧縮されることで当該圧縮層24が圧縮方向(T方向)と交叉する方向(S方向)に伸びる変形を許容する変形許容部Sを設けておくことが望ましい。
圧縮層24の体積がほぼ変わらないとすれば、圧縮層24が圧縮されるためには他の部位が伸長する必要がある。そこで、変形許容部Sを設けておくことで、圧縮層24の適切な圧縮変形を引き起こすことができる。
(変形例6)
或いは、図9に示すように、圧縮層24を介在させた磁石22を、インセット型ではなく、シュリンクリング25で保持しても良い。
この場合、ロータコア21から磁石22aと磁石22aの間を通って推力発生方向(S方向)と直交する方向(T方向)に突部23bが立ち上がっているものの、突部23bの先端は磁石22の表面を押さえる位置まで延びていない。このため、磁石22の外周をシュリンクリング25で押さえることで、径方向の移動を規制している。
このような構造に圧縮層24を設けると、シュリンクリング25を圧入することで磁石22の位置ずれによる偏心を抑える効果も得られる。また、シュリンクリング25の圧入時に発生するシュリンクリング25、および、磁石22への応力を圧縮層24で低減できるため、シュリンクリング25や磁石22の破損を防げる。さらに、応力低減によって、圧入代を大きくできるため、シュリンクリング25に大きなプリテンション(径方向に縮む力)を掛けられることで高速回転時に生じるシュリンクリング25と磁石22の間の隙間を無くすことができ、高速回転化が可能になる。
(変形例7)
以上は電気機械が回転電動機(モータ)である場合について説明したが、図2~図9中、Sを推力発生方向である直進方向、Tをこれに直交する方向とすれば、リニアモータのような直動型機械としても成立させることができる。
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
M…電気機械(モータ)
21…コア(ロータコア)
22…磁石
23…磁石保持部
23a…突部
23b…爪部
24…圧縮層

Claims (6)

  1. コアと、推力発生方向に沿って前記コアの表面に配置される複数の磁石と、前記磁石間に配置される磁石保持部とを備え、前記磁石保持部が、前記コアから磁石と磁石の間を通って推力発生方向と直交する方向に延びる突部と、前記突部の先端から前記磁石に重合する位置に延びる爪部とを含んで構成されるものにおいて、
    前記磁石保持部が熱収縮した際に圧縮される位置に、磁石よりも弾性率の低い圧縮層を設けたことを特徴とする、電気機械。
  2. 前記磁石が推力発生方向と直交する方向に分割されており、その分割された磁石と磁石の間に前記圧縮層が設けてある、請求項1に記載の電気機械。
  3. 前記磁石と前記コアの表面との間、または、前記磁石と前記磁石保持部の爪部との間に前記圧縮層が設けてある、請求項1に記載の電気機械。
  4. 前記磁石と前記磁石保持部の突部との間に前記圧縮層が設けてある請求項1に記載の電気機械。
  5. 前記圧縮層に臨む位置に、圧縮層が圧縮されることで圧縮方向と交叉する方向に伸びる変形を許容する変形許容部を設けている、請求項1に記載の電気機械。
  6. 前記圧縮層の厚みは、予定される圧縮量が圧縮強度を超えない範囲に設定されている、請求項1~5の何れかに記載の電気機械。
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