JP2024071066A - ウェルアレイフィルター、粒子整列デバイスおよび粒子捕獲方法 - Google Patents

ウェルアレイフィルター、粒子整列デバイスおよび粒子捕獲方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ウェル内に一つずつ細胞等の粒子を捕捉しやすく、多数の粒子のスクリーニングが容易で、自動での画像解析も行いやすいウェルアレイフィルター、粒子整列デバイスおよび粒子捕獲方法を提供する。【解決手段】このウェルアレイフィルター1は、フィルタ本体2に複数のウェル3が形成され、ウェル3の開口部は多角形状もしくは角が丸められた多角形状をなし、ウェル3の開口部の円相当径は5μm以上200μm以下であり、ウェル底部4には貫通孔8が少なくとも一つ形成され、ウェル隔壁6の最大厚さは1μm以上20μm以下であり、ウェル形成領域の面積に対するウェル3の合計開口面積の比率は40%以上であり、ウェル3の深さはウェル隔壁6の厚さの2倍以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、細胞やビーズ等の粒子を捕捉するためのウェルアレイフィルター、粒子整列デバイス、および粒子捕獲方法に関する。
近年、特に創薬分野において、細胞解析のターゲッ卜が細胞群レベルから単一細胞レベルへと細分化され、細胞スクリーニングデバイス(粒子整列デバイス)を用いて、ウェルアレイフィルターの微細かつ多数のウェル内に細胞を1つ1つ捕捉したうえ、多数の細胞に対し一斉にスクリーニングテストを行い、目的の特性を有する細胞を選別する手法が使用されている。細胞をスクリーニングする方法としては、例えば、多数のウェル内に捕捉した細胞を、特定の抗体と結合するキャッチャーなどの試薬を分散させた液と接触させ、キャッチャーと結合した分泌物を分泌した細胞を探し出し、ウェルから回収する方法などが採用されている。
特許文献1に開示された粒子整列デバイスは、レジストで作製されたウェルアレイフィルターを備え、このウェルアレイフィルターには、底部に貫通孔を有するウェルが多数配列されて形成されている。各ウェルの開口形状は、細胞に類似させて、円形または楕円形とされている。特許文献1の実施例では、ウェルの開口径は100μm、ウェルの深さは30~100μm、貫通孔の開口径は2~5μmとされたウェルアレイフィルターが開示されている。
特許文献2に開示された粒子整列デバイスは、シリコンウェハで作製されたウェルアレイフィルターを備え、このウェルアレイフィルターには、エッチングにより多数のウェルが配列されて形成され、各ウェルの底部には、貫通孔を形成したSiNx膜が設けられている。各ウェルの開口形状は円形とされている。このウェルアレイフィルターは、シリコンウェハから作製されているので、特許文献2の実施例は、フィルタ本体の厚さが380μm、ウェルの開口径は100μm程度で、ウェル中心間距離は150μm程度とされている。
特許文献3に開示された粒子整列デバイスは、細胞を格納するための底部に貫通孔を有するウェル基板と、その細胞からの分泌物を検出するための細胞を格納するための基板の2層からなる分泌アッセイ用のウェルアレイフィルターを備えている。前記ウェル基板は、レジストで作製されている。特許文献3の実施例では、ウェルは円形で開口径は12μmと細胞に近いサイズであるが、ウェル中心間の距離は100μm程度とされている。
米国特許第10370630号明細書 米国特許第9638636号明細書 特開2019-213566号公報
特許文献1~3に記載されたウェルアレイフィルターでは、いずれもウェル間の距離が大きくされているため、ウェルに細胞やビーズ等の粒子が入らずに、ウェル間の隔壁上に残ってしまう頻度が大きかった。また、ウェル間の距離が大きいため、ウェルを高密度に配列できず、多数の細胞等を一度にスクリーニングするにはウェル配列密度が不十分であった。
また、ウェルの配列密度が低いため、ウェル底部の貫通孔を細胞等が確実に捕獲できる、すなわち細胞等が通り抜けない大きさにすると、ウェルアレイフィルターの面積に占める貫通孔の合計開口面積の比率が小さく、ピペット操作だけでは、ウェルアレイフィルターに十分な量のサンプルを通液しにくいという問題があった。
また、ウェルの開口形状が円形または楕円形にされているため、ウェル内に捕獲された細胞等を自動で画像解析する場合に、細胞とウェルの形状が似ており、画像解析がしにくいという問題もあった。
また、特許文献1~3のいずれもウェル隔壁が厚く、さらに特許文献2では硬いシリコンで形成されているため、フィルターの可撓性が乏しく、細いガラスキャピラリーを用いてウェルから細胞等を回収する際に、キャピラリーの先端がウェル隔壁に当たって破損する可能性があり、作業がしにくいという問題も有していた。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、ウェル内に一つずつ細胞等の粒子を捕捉しやすく、多数の粒子のスクリーニングが容易で、自動での画像解析も行いやすいウェルアレイフィルター、粒子整列デバイスおよび粒子捕獲方法を提供することを課題としている。
[態様1]本発明に係る一態様のウェルアレイフィルターは、平板状のフィルタ本体を有し、前記フィルタ本体には前記フィルタ本体の上面のウェル形成領域に開口する複数のウェルが形成され、互いに隣接する前記ウェル同士の間はウェル隔壁によりそれぞれ仕切られ、前記ウェルの下端にはウェル底部がそれぞれ形成され、前記ウェルの開口部は多角形状もしくは角が丸められた多角形状をなし、前記ウェルの開口部の円相当径は5μm以上200μm以下であり、前記ウェル底部には前記フィルタ本体の下面に達する貫通孔が少なくとも一つ形成され、前記ウェル隔壁の水平方向の最大厚さは1μm以上20μm以下であり、前記ウェル形成領域の面積に対する前記ウェルの合計開口面積の比率は40%以上であり、前記ウェルの深さは、前記ウェル隔壁の水平方向の最大厚さの2倍以上であることを特徴としている。
前記態様1のウェルアレイフィルターによれば、ウェル間のウェル隔壁が十分に薄いため、ウェル隔壁上に細胞やビーズ等の粒子が残留しにくいうえ、開口径の適切な設定により複数の粒子が一つのウェルの中に進入する率も減らすことができ、開口径に比して十分に深さのあるウェルで粒子を安定的に捕捉できる。また、ウェルが多角形状であるから自動画像解析の際に粒子とウェルとを識別することが容易であり、さらに高密度にウェルを配置できるため多数の粒子を一度にスクリーニングできる利点を有する。
[態様2]前記態様1において、前記貫通孔の最大内接円直径は4μm以下であってもよい。
この場合、前記貫通孔を細胞またはビーズ等の粒子が通り抜けてしまうことを効果的に抑制することができる。
[態様3]前記態様1または2において、前記ウェル形成領域の面積に対する前記貫通孔の合計開口面積の比率は0.5%以上3.5%以下であってもよい。
この場合、前記貫通孔の合計開口面積が適切であるためピペット操作でウェルアレイフィルターに通液することが容易である。
[態様4]前記態様1~3のいずれか1つにおいて、前記多角形状は、三角形状、四角形状、または六角形状のいずれかであってもよい。
この場合、ウェル形状が三角形状、四角形状、または六角形状のいずれかであることにより、フィルタ本体上にウェルを最密配列することが可能である。
[態様5]前記態様1~4のいずれか1つにおいて、前記ウェル隔壁と前記ウェル底部は互いに異なる材質で形成され、前記ウェル底部は前記ウェル隔壁よりも強度の高い材質で形成されていてもよい。
この場合、前記ウェル底部は前記ウェル隔壁よりも強度の高い材質で形成されているから、ウェルアレイフィルター全体の強度を高めつつ、前記ウェル壁部の成形時の収縮を緩和してウェルアレイフィルターの反りや歪を低減できる。
[態様6]前記態様1~5のいずれか1つにおいて、前記ウェル隔壁と前記ウェル底部は互いに異なる材質で形成され、前記ウェル底部はそれぞれ前記ウェルの開口部の形状に対応したタイル形状に分割されて隣接する前記ウェル底部の間には間隙が形成され、これら間隙内に前記ウェル隔壁を形成する材料が侵入して固化していてもよい。
この構造によれば、前記ウェル底部がタイル形状に分割されて相互に間隙が形成された状態としたのち、前記ウェル隔壁を形成して前記間隙内に前記ウェル隔壁を形成する材料を侵入固化させることができるため、ウェル底部が一枚板で形成されている場合に比して、固化収縮のためにウェルアレイフィルターに生じる反りや歪を低減できる。
[態様7]前記態様1~6のいずれか1つにおいて、少なくとも前記ウェルの内面に細胞接着を抑制するポリマーが塗布されていてもよい。前記ポリマーは例えば、MPCポリマー、PEG、PVA、PMEA、およびこれらの混合物であってもよい。
この場合、前記ウェルの内面に塗布されたポリマーが細胞接着を抑制するから、ウェルからの細胞または粒子の取り出しが容易になる。前記ポリマーを塗布するのは、前記ウェルの内面だけでなく、前記ウェル隔壁の上面、前記貫通孔の内面、および前記フィルタ本体の下面にも前記ポリマーを塗布してもよい。その場合、前記ウェル隔壁の上面に細胞等が付着したり、前記フィルタ本体の下面に細胞等が付着したりする問題を抑制できる。
[態様8]前記態様1~7のいずれか1つにおいて、前記ウェル底部の厚さは、1nm以上2μm以下であってもよい。
この場合、前記ウェル底部が薄いために、倒立顕微鏡でウェル内の捕捉物をウェル底部を通して観察しやすい上に、薄い分自家蛍光が小さいために自家蛍光による観察への悪影響も低減できる。
[態様9]本発明の態様9に係る粒子整列デバイスは、前記態様1~8のいずれか1つに記載のウェルアレイフィルターと、前記ウェルアレイフィルターを支持するとともに前記ウェルアレイフィルターの前記ウェルの開口部側から前記貫通孔を通じて前記ウェルの底面側へ向けてサンプル流路を有するデバイス本体を備えたものである。
前記態様9に係る粒子整列デバイスによれば、ウェル間のウェル隔壁が薄いためウェル隔壁上に細胞やビーズ等の粒子が残留しにくいうえ、ウェルが多角形状であるから自動画像解析の際に粒子とウェルとを識別することが容易であり、開口径に比して十分に深さのあるウェルで粒子を一つずつ安定的にトラップできる。さらに、高密度にウェルを配置できるため多数の粒子を一度にスクリーニングできるメリットを有する。
[態様10]本発明の態様10に係る粒子捕獲方法は、前記態様9の粒子整列デバイスの前記サンプル流路に前記ウェルアレイフィルターおよび前記デバイス本体を溶解または変質させない有機溶媒を含む液体を通液させる工程と、前記サンプル流路に水溶液を通液させて前記有機溶媒を含む液を前記水溶液で置換する工程と、前記水溶液で置換された前記サンプル流路に、前記ウェルで捕捉すべき粒子を含む水溶液を通液させ前記ウェル内に前記粒子を捕獲する工程を有する。前記有機溶媒を含む液体は限定されないが、例えば、エチルアルコールや、30~80%程度のエチルアルコール等の有機溶媒を含む水溶液等の液体、好ましくは70%エチルアルコール水溶液などが使用できる。
態様10に係る粒子捕獲方法によれば、前記有機溶媒を含む液体を前記サンプル流路に通液させ、次いで前記サンプル流路内を水溶液に置換した後に、細胞、細胞の成分や分泌物を付着させたビーズ、または、細胞の成分や分泌物を付着させるためのビーズ等の粒子を含む水溶液を通液させることにより、ウェルアレイフィルターの通液抵抗が低減されるとともに、ウェルに気泡が残留しにくく、各ウェル内に一つずつ前記細胞または前記粒子を捕獲することが容易である。
以上説明したように、本発明のウェルアレイフィルターによれば、ウェル間のウェル隔壁が十分に薄いため、ウェル隔壁上に細胞やビーズ等の粒子が残留しにくいうえ、開口径の適切な設定により過剰の粒子が一つのウェルの中に進入する率も減らすことができ、開口径に比して十分に深さのあるウェルで粒子を安定的に捕捉できる。また、ウェルが多角形状であるから自動画像解析の際に粒子とウェルとを識別することが容易であり、さらに高密度にウェルを配置できるため多数の粒子を一度にスクリーニングできるという優れた効果を奏する。
本発明の第1実施形態のウェルアレイフィルターの平面拡大図である。 同実施形態のウェルアレイフィルターの断面拡大図である。 同実施形態のウェルアレイフィルターのウェルの平面拡大図である。 第2実施形態のウェルアレイフィルターのウェルの平面拡大図である。 第3実施形態のウェルアレイフィルターのウェルの平面拡大図である。 第4実施形態のウェルアレイフィルターのウェルの平面拡大図である。 第5実施形態のウェルアレイフィルターのウェルの平面拡大図である。 第6実施形態のウェルアレイフィルターのウェルの平面拡大図である。 第7実施形態のウェルアレイフィルターの平面拡大図である。 第8実施形態のウェルアレイフィルターの平面拡大図である。 (a)~(f)はそれぞれ本発明の実施形態のウェルアレイフィルターの製造方法を示す断面拡大図である。 本発明の一実施形態の粒子整列デバイスを示す平面図である。 同実施形態の粒子整列デバイスを示す縦断面図である。 本発明の実施例の効果を示すグラフである。 本発明の実施例の効果を示すグラフである。 本発明の実施例の効果を示すグラフである。 本発明の実施例の効果を示す写真である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
図1および図2は、ウェルアレイフィルターの第1実施形態を示す平面拡大図および断面拡大図である。このウェルアレイフィルター1は、一定の厚さで平板状のフィルタ本体2を有し、フィルタ本体2には、フィルタ本体2の上面のウェル形成領域に、開口する多数のウェル3が形成されている。ウェル形成領域とは、フィルタ本体2のフィルタとして使用される領域を示し、フィルタ本体2はウェル形成領域の周囲に、フィルタを支持するための、ウェルが形成されていない支持領域等を有していてもよい。
互いに隣接するウェル3同士の間は、ウェル隔壁6によりそれぞれ仕切られている。個々のウェル3の下端には、図2に示すように平板状のウェル底部4がそれぞれ形成され、ウェル3の下端を塞いでいる。ウェル3の開口部は多角形状もしくは角が丸められた多角形状をなしている。この実施形態では、ウェル3は正六角形状をなし、各ウェル3およびウェル隔壁6は、ハニカム状に配列されている。倒立顕微鏡でウェル3内の細胞C等の粒子をウェル底部4を通して観察できるように、少なくともウェル底部4は透明な材質で形成されている。ウェル隔壁6も透明な材質で形成されていてもよいが、不透明な材質で形成することも可能である。
ウェル3の開口部の円相当径は5μm以上200μm以下にされている。円相当径とは、ウェル3の開口部と面積が等しい円の直径を示す。ウェル3の開口部の円相当径が5μm以上であると、細胞またはビーズ等の粒子を捕捉することが可能となり、200μm以下であると、細胞またはビーズ等の粒子を各ウェル3に一つまたは適切な一定数ずつ、捕捉することが容易になる。ウェル3の開口部の円相当径は、ウェル3で細胞を一つずつ捕捉できるように、より好ましくは10μm以上100μm以下であってもよく、さらに好ましくは15μm以上60μm以下であってもよい。
なお、ビーズとは、細胞の成分や分泌物を付着させて分析に供するための、樹脂などからなる粒子であり、ウェル3の外で細胞の成分を放出させてビーズに付着させ、前記細胞の成分や分泌物が付着したビーズをウェル3に捕捉して分析に供したり、あるいは、ウェル3内に細胞とビーズを入れ、細胞を壊して細胞の成分や分泌物をウェル3内でビーズに付着させる場合もある。また、磁気を帯びたビーズを使用して、ウェルアレイフィルター1の下方に配置された磁石でビーズを吸い寄せて、ウェル3に捕捉する場合もある。
ウェル底部4のそれぞれには、フィルタ本体2の下面に達する貫通孔8が少なくとも一つずつ形成されている。この実施形態では、貫通孔8の数はウェル3毎に2つであり、図3に示すように、ウェル底部4の中央に互いに間隔Wを開けて、ウェル底部4を垂直に貫通して形成されている。本発明では貫通孔8の数は限定されず、1個でも、3個でも、4個以上であってもよいが、1個だけ中央に貫通孔8を形成する場合には、十分な流量を確保しようとして貫通孔8の径Dをある程度大きくすると、細胞Cが変形しつつ貫通孔8を通り抜ける可能性が生じる。ウェル底部4に貫通孔8を複数形成した場合は、十分な流量を確保した場合にも細胞Cが貫通孔8を通り抜けにくい利点があるとともに、ウェル底部4の中心から外れた位置に少なくとも一部の貫通孔8が形成されるため、細胞Cによって全ての貫通孔8が閉塞されることが少なく、細胞Cが捕捉された後も貫通孔8を通じてウェル3内の液体を適度に流通させることが容易である。
ウェル隔壁6の水平方向の最大厚さB(図1参照)は、1μm以上20μm以下とされている。最大厚さBが1μm以上であることにより、ウェル隔壁6の強度を適切にすることができ、例えばピペットPをウェル隔壁6の上面に当てて細胞Cを吸う場合などに、ウェル隔壁6が崩れてしまうことを防止できる。また、最大厚さBが20μm以下であることにより、ウェル隔壁6の上に細胞やビーズ等の捕捉すべき粒子が留まってしまうことが抑制でき、ウェル3の密度も高めることができる。また、ピペットPを当てたときにウェル隔壁6に適度な可撓性をもたらすことができ、ピペットPの先端の破損を抑制することができる。ウェル隔壁6の最大厚さBは、好ましくは2μm以上20μm以下であってもよく、さらに好ましくは2μm以上12μm以下であってもよい。
ウェル形成領域の面積に対する、ウェル3の合計開口面積の比率は40%以上とされている。この比率は40%以上であると、ウェルアレイフィルター1に供給される細胞等の粒子のうち、ウェル3内に捕捉される粒子の割合、すなわち粒子捕捉率を十分に高めることができる。ウェル形成領域の面積に対するウェル3の合計開口面積の比率は、好ましくは40%以上95%以下であってもよく、さらに好ましくは40%以上75%以下であってもよい。前記比率が高いということは、ウェル隔壁6が薄いということに繋がる。
ウェル3の深さは、ウェル隔壁6の水平方向の最大厚さBの2倍以上とされている。ウェル3の深さがウェル隔壁6の厚さBの2倍以上であると、ウェル3内に捕捉された細胞C等の粒子が、液体の流れの乱れ等によりウェル3外に抜け出てしまうことが抑制できるから、いったん捕捉された粒子は安定的にウェル3内に保持することができる。より好ましくはウェル3の深さがウェル隔壁6の厚さBの2倍以上40倍以下であってもよく、さらに好ましくは2倍以上15倍以下であってもよい。
貫通孔8の平面視形状は、この実施形態では円であるが、本発明は円に限定されず、楕円形、三角形、四角形、五角形、六角形などの多角形、角の丸められた多角形、長方形、星形、スリット、鉄アレイ形状、H型、その他不定形などいかなる形状であってもよい。
貫通孔8の最大内接円直径は本発明では限定はされないが、4μm以下であることが好ましい。最大内接円直径とは、一つの貫通孔8の中に最大の内接円を描いた時の内接円の直径を示す。最大内接円直径が4μmを越えると、捕捉すべき細胞やビーズなどの粒子がすり抜ける可能性が生じる。好ましくは最大内接円直径は0.1μm以上4μm以下であってもよく、さらに好ましくは0.5μm以上3.5μm以下であってもよい。
ウェル形成領域の面積に対する貫通孔8の合計開口面積の比率は、本発明では限定されないが、0.5%以上3.5%以下であることが好ましい。貫通孔8の合計開口面積とは、ウェル形成領域内に形成されている全ての貫通孔8の開口面積(=流路断面積)の合計値である。貫通孔8の合計開口面積の比率が0.5%以上であると、貫通孔8を通過する流液抵抗が適度に小さくなるため、ピペットPの操作でウェルアレイフィルター1に通液することが容易である。貫通孔8の合計開口面積の比率が3.5%以下であると、ピペットPの操作でウェルアレイフィルター1に通液する際に、液体サンプルが流れすぎることがなく、操作性に優れる。前記貫通孔8の合計開口面積の比率は、好ましくは0.5%以上3.5%以下であってもよく、より好ましくは0.75%以上3.2%以下であってもよい。
ウェル3の平面視形状は、多角形状または角を丸められた多角形状であれば、自動画像解析の際に粒子とウェル3とを識別することが容易であるが、多角形状の中でも、三角形状、四角形状、または図示のように六角形状のいずれかであることが好ましい。三角形状、四角形状、または六角形状であると、同一形状のウェル3を規則的に配列してウェル3の配列密度を高めることが可能である。中でも、正三角形状、正四角形状、または正六角形状であると、幾何学的に単純な配列で、ウェル3の配列密度を高めることが可能であるから好ましい。
ウェル隔壁6とウェル底部4は、互いに同じ材質で形成されていてもよいが、好ましくは、互いに異なる材質で形成され、ウェル底部4はウェル隔壁6よりも強度の高い材質で形成されていてもよい。この場合、ウェルアレイフィルター1全体の強度を高めつつ、ウェル底部4の成形時の収縮を緩和してウェルアレイフィルター1の反りや歪を低減できる。ウェルアレイフィルター1に反りが無いことは、ウェル3に捕捉された粒子を倒立顕微鏡で観察する際に観察範囲全面に焦点を合わせるために重要である。
ウェル隔壁6とウェル底部4の材質は限定されないが、その微細構造を実現するために各種フォトレジストで形成されていてもよく、フォトレジストの種類や組成を変える、および/または露光条件を変えることにより、ウェル底部4はウェル隔壁6よりも強度の高い材質で形成することが好ましい。ウェル隔壁6とウェル底部4をフォトレジストで形成する場合、例えば、ウェル隔壁6を形成する隔壁レジスト6A(図11参照)を多官能エポキシ量が相対的に少ないフォトレジストで形成し、ウェル底部4を形成する底部レジスト4A(図11参照)を多官能エポキシ量が相対的に多いフォトレジストで形成し、ウェル底部4の材質の強度をウェル隔壁6の材質の強度よりも高めることが可能である。この場合、ウェル隔壁6の材質の自家蛍光が相対的に弱く、ウェル底部4の材質の自家蛍光が相対的に強くなりはするが、ウェル底部4の厚さは小さいため、倒立顕微鏡による観察に悪影響を与えることはない。
本発明ではウェル底部4とウェル隔壁6の形成方法は限定されないが、ウェルアレイフィルター1の応力を緩和するために、好ましくは、ウェル隔壁6とウェル底部4は互いに別々に形成され、ウェル底部4はそれぞれウェル3の開口部の形状に対応したタイル形状に分割され、隣接するウェル底部4の間には間隙が形成され、これら間隙内にウェル隔壁6を形成する材料が侵入して固化している構造とされてもよい。具体的な製造方法の一例を後述する。このようなタイル状にウェル底部4が分割されて、ウェル隔壁6がウェル底部4の間隙に侵入する構造でウェルアレイフィルター1を形成することにより、ウェル底部4の固化収縮のためにウェルアレイフィルター1に反りや歪が生じることを一層抑制できる。
本発明では必須ではないが、ウェル3の内面の少なくとも一部に、細胞接着を抑制するポリマーが予め塗布されていてもよい。この場合、ウェル3の内面に塗布されたポリマーが細胞Cの接着を抑制するから、ウェル3からの細胞Cまたは粒子の取り出しが容易になる。この種のポリマーとしては、例えば、MPCポリマー(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンポリマー)、PEG(ポリエチレングリコール)、PVA(ポリビニルアルコール)、PMEA(ポリ(2-メトキシエチルアクリレート))、およびこれらの混合物が採用できる。ポリマーの塗布位置はウェル3の内面だけでなく、ウェル隔壁6の上面、貫通孔8の内面、フィルタ本体2の下面にも前記ポリマーを塗布してもよい。その場合、ウェル隔壁6の上面に細胞等が付着したり、フィルタ本体2の下面に細胞等が付着したりする問題を抑制できる。
本発明では限定されないが、ウェル底部4の厚さは1nm以上2μm以下であってもよい。この場合、ウェル底部4が十分に薄いために、倒立顕微鏡でウェル3内の細胞C等の捕捉物をウェル底部4を通して観察しやすい上に、ウェル底部4が薄い分、ウェル底部4の自家蛍光が小さく抑えられ、自家蛍光による観察への悪影響も低減できる。ウェル底部4の厚さはより好ましくは100nm以上2μm以下であってもよく、さらに好ましくは500nm以上1.5μm以下であってもよい。
前記構成からなるウェルアレイフィルター1によれば、ウェル3間のウェル隔壁6が十分に薄いため、ウェル隔壁6上に細胞やビーズ等の粒子が残留しにくいうえ、開口径の適切な設定により複数の粒子が一つのウェル3の中に進入する率も減らすことができ、開口径に比して十分に深さのあるウェル3で粒子を安定的に捕捉できる。また、ウェル3が多角形状であるから自動画像解析の際に粒子とウェル3とを識別することが容易であり、さらに高密度にウェル3を配置できるため多数の粒子を一度にスクリーニングできる利点を有する。
[ウェルアレイフィルターの第2実施形態]
図4は、ウェルアレイフィルター1の第2実施形態を示し、この例では、ウェル底部4の中央に合計3つの貫通孔8が形成されている。貫通孔8は正三角形の頂点位置にそれぞれ形成されていてもよいが、正三角形以外の二等辺三角形、直角三角形、不等辺三角形の頂点にそれぞれ形成されていてもよい。三角形に配列した場合は、三角形の内側、好ましくは重心位置にウェル底部4の中心が位置することが好ましい。一本の線分上に等間隔または不等間隔で3つの貫通孔8を形成してもよい。その場合、線分上にウェル底部4の中心が位置することが好ましい。第2実施形態の他の構成は、第1実施形態と同様でよく、前述の説明を援用する。この第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
[ウェルアレイフィルターの第3実施形態]
図5は、ウェルアレイフィルター1の第3実施形態を示し、この例では、ウェル底部4の中央に合計4つの貫通孔8が形成されている。貫通孔8は正方形の頂点位置にそれぞれ形成されていてもよいが、正方形以外の長方形、台形、不等辺四角形の頂点にそれぞれ形成されていてもよい。四角形に配列した場合は、四角形の内側、好ましくは重心位置にウェル底部4の中心が位置することが好ましい。また、3つの貫通孔8を三角形の頂点位置に配列し、三角形の内側もしくは3辺のいずれかの上に、4つ目の貫通孔8を配置してもよい。この場合、三角形は正三角形でもよいが、正三角形以外の二等辺三角形、直角三角形、不等辺三角形であってもよい。三角形に配列した場合は、三角形の内側、好ましくは重心位置にウェル底部4の中心が位置することが好ましい。さらに一本の線分上に等間隔または不等間隔で4つの貫通孔8を形成してもよい。その場合、ウェル底部4の中心が線分上に位置することが好ましい。第3実施形態の他の構成は、第1実施形態と同様でよく、前述の説明を援用する。この第3実施形態においても、第1実施形態および第2実施形態と同様の効果が得られる。
[ウェルアレイフィルターの第4実施形態]
図6は、ウェルアレイフィルター1の第4実施形態を示し、この例では、ウェル底部4の中央に合計7つの貫通孔8が形成されている。図6の例では、6つの貫通孔8が正六角形の頂点位置にそれぞれ形成され、7つ目の貫通孔8が正六角形の中央に形成されている。図示の配列に限らず、本発明では、M角形(M≧3)の頂点位置と、前記M角形の内側または1以上の辺上にN個(N≧1)の貫通孔8を形成してもよい。第4実施形態の他の構成は、第1実施形態と同様でよく、前述の説明を援用する。この第4実施形態においても、第1~3実施形態と同様の効果が得られる。
[ウェルアレイフィルターの第5実施形態]
図7は、ウェルアレイフィルター1の第5実施形態を示し、この例では、ウェル底部4の中央に、二つの円をスリットでつないだ平面形状(鉄アレイ形状)の貫通孔8Aが形成されている。貫通孔8Aは単純な長穴であってもよい。貫通孔8Aは曲線状、屈曲線状であってもよい。このような形状を有する貫通孔8Aの場合、貫通孔8Aの最大内接円直径が4μm以下である場合にも、貫通孔8Aの開口面積(流路断面積)を大きく確保することができ、細胞やビーズ等の粒子が貫通孔8Aを通り抜けることを阻止しつつ、貫通孔8Aの流量を大きくすることができる。この場合、ウェル底部4の中心が貫通孔8A上に位置することが好ましい。第5実施形態の他の構成は、第1実施形態と同様でよく、前述の説明を援用する。この第5実施形態においても、第1~第4実施形態と同様の効果が得られる。
[ウェルアレイフィルターの第6実施形態]
図8は、ウェルアレイフィルター1の第6実施形態を示し、この例では、ウェル底部4の中央に、中心から放射状に延びる3本以上のスリットと、スリットの末端に形成された円孔からなる平面形状(放射形状)の貫通孔8Bが形成されている。貫通孔8Bの各スリットは単純な長穴であってもよい。このような形状を有する貫通孔8Bの場合にも、貫通孔8Aの最大内接円直径が4μm以下であっても、貫通孔8Bの開口面積(流路断面積)を大きく確保することができ、細胞やビーズ等の粒子が貫通孔8Bを通り抜けることを阻止しつつ、貫通孔8Bの流量を大きくすることができる。この場合、ウェル底部4の中心が貫通孔8Bの中心に位置することが好ましい。第6実施形態の他の構成は、第1実施形態と同様でよく、前述の説明を援用する。この第6実施形態においても、第1~第5実施形態と同様の効果が得られる。
[ウェルアレイフィルターの第7実施形態]
図9は、ウェルアレイフィルターの第7実施形態20を示し、この例では、ウェル隔壁6が正方眼形状に形成され、ウェル底部4はそれぞれ正方形に形成されていることを特徴とする。ウェル隔壁6は正方眼形状に限定されず、斜方眼形状であっても、直方眼形状であってもよいが、個々のウェル3の形状は互いに同一であることが好ましい。ウェル3を一列ごとに互い違いに配列してもよい。貫通孔8は、第1~第6実施形態のいずれかと同様でよい。第7実施形態の他の構成は、第1実施形態と同様でよく、前述の説明を援用する。この第7実施形態においても、第1~第6実施形態と同様の効果が得られる。
[ウェルアレイフィルターの第8実施形態]
図10は、ウェルアレイフィルターの第8実施形態30を示し、この例では、ウェル隔壁6が正三角形を交互に逆向きに並べた、いわゆるトラス形状に形成され、ウェル底部4はそれぞれ正三角形に形成されていることを特徴とする。ウェル隔壁6は正三角形状に限定されず、二等辺三角形状であっても、直角三角形形状であっても、不等辺三角形状であってもよいが、個々のウェル3の形状は互いに同一であることが好ましい。貫通孔8は、第1~第6実施形態のいずれかと同様でよい。第8実施形態の他の構成は、第1実施形態と同様でよく、前述の説明を援用する。この第8実施形態においても、第1~第7実施形態と同様の効果が得られる。
[ウェルアレイフィルターの製造方法の一実施形態]
図11(a)~(f)は、ウェルアレイフィルター1,20,30の製造方法の一例を示す断面図である。まず、図11(a)に示すように、Siウェーハ等からなる基板10上に、レジスト溶媒および現像液に溶解しない犠牲膜12を形成する。犠牲膜12は例えばスチレン系エラストマー、デキストリン、またはデキストラン等から形成することができる。
次に、図11(b)に示すように、犠牲膜12上に、ネガ型の底部レジスト4Aを、ウェル底部4として必要な一定の厚さに形成する。底部レジスト4Aを所定のパターンで光リソグラフィーにより露光し、さらに現像を行って、図11(c)に示すように、貫通孔8を有するウェル底部4が、多角形のタイル状をなして、互いに間隙14を空けて配列された状態とする。間隙14の幅はウェル隔壁6の厚さよりも若干小さい程度とされる。また、ウェル底部4同士の間隙14は、部分的に細いブリッジで架橋された状態としてもよい。その場合、ブリッジによりウェル底部4同士の配列が乱れないように位置決めできる。
次に、図11(d)に示すように、ウェル底部4を覆う隔壁レジスト6Aをウェル隔壁6として必要な厚さに形成する。この時、例えば、隔壁レジスト6Aを多官能エポキシ量が相対的に少ないフォトレジストで形成し、底部レジスト4Aを多官能エポキシ量が相対的に多いフォトレジストで形成し、ウェル底部4の材質の強度をウェル隔壁6の材質の強度よりも相対的に高めることが好ましい。この場合、副次効果として、ウェル隔壁6の材質の自家蛍光が相対的に弱く、ウェル底部4の材質の自家蛍光が相対的に強くなりはするが、ウェル底部4の厚さは小さいため、倒立顕微鏡による観察に悪影響を与えることはない。隔壁レジスト6Aに所定のパターンで光リソグラフィーにより露光し、さらに現像を行って、図11(e)に示すように、ウェル隔壁6を形成する。これにより、間隙14の内部には隔壁レジスト6Aが侵入し、露光により間隙14内で不溶化され、ウェル底部4同士を連結する。
次に、ウェル底部4およびウェル隔壁6の全体を例えば180℃に加熱し、レジストをさらに熱硬化させたのち、レジストを変質させない溶媒で犠牲膜12を溶解し、基板10をウェル底部4から剥離して、前記第1~第8実施形態に示すようなウェルアレイフィルター1,20,30が完成する。
前記製造方法によれば、形状精度の高いウェル3を有するウェルアレイフィルター1,20,30が効率よく製造できる。また、この製造方法によれば、ウェル底部4がタイル形状に分割されて相互に間隙14が形成された状態としたのち、ウェル隔壁6を形成して間隙14内にウェル隔壁6を形成する材料を侵入固化させるため、ウェル底部4の固化収縮のためにウェルアレイフィルター1,20,30に生じる反りや歪を低減できる。
[粒子整列デバイスの実施形態]
図12および図13は、本発明に係る粒子整列デバイスの一実施形態40を示す平面図および縦断面図である。この粒子整列デバイス40は、長方形状の底板部42と、底板部42の中央部に形成された壁部44とを有する。壁部44は、底板部42から起立する四角い枠状の周壁部と、この周壁部の内側に起立して互いに平行に形成された2枚の隔壁を有し、周壁部の内側が隔壁により、第1室46、第2室48、および第3室50に区画されている。第1室46の底部には円筒状の開口部52が形成され、第3室50の底部にも円筒状の開口部54が形成されている。
第2室48の底は開いており、図13に示すように、ウェルアレイフィルター1,20,30が底板部42から僅かな流路56を空けて壁部44の下端に固定されている。第1室46の底部と底板部42の間、第3室50の底部と底板部42の間もそれぞれ一定の間隙が空けられ、流路56を形成している。これにより、第2室48内に細胞Cやビーズ等の粒子を含む液体サンプルを入れ、開口部52または開口部54から液体を流出させることにより、ウェルアレイフィルター1のウェル3内に細胞Cやビーズ等の粒子を捕捉することが可能である。すなわち、第2室48、ウェルアレイフィルター1、流路56へと到るサンプル流路が形成される。また、開口部52または開口部54から試薬を入れて第2室48内の細胞Cやビーズ等の粒子と反応させることもできる。
[粒子捕獲方法の実施形態]
本発明に係る粒子捕獲方法の一実施形態は、粒子整列デバイス40のウェルアレイフィルター1,20,30を通じるサンプル流路、すなわち、ウェル3の開口部側から貫通孔8を通じてウェル3の底面側へ通じるサンプル流路に、ウェルアレイフィルター1およびデバイス本体40を溶解または変質させない有機溶媒を含む液体を通液させる工程と、前記サンプル流路に水溶液を通液させて前記有機溶媒を含む液体を前記水溶液で置換する工程と、前記サンプル流路に、ウェル3で捕捉すべき粒子を含む水溶液を通液させ、ウェル3内に粒子を捕獲する工程とを有する。
具体的には、粒子整列デバイス40の第2室48にエチルアルコール等の水溶性かつ低界面張力の有機溶媒、あるいは、30~80%程度のエチルアルコール等の有機溶媒を含む水溶液等の液体を供給し、ウェルアレイフィルター1,20,30に有機溶媒を含む液体を通液させる。前記液体としては、例えば70%エチルアルコール水溶液なども好適に使用できる。これにより、貫通孔8にも有機溶媒が満たされる。次に、リン酸緩衝液 (PBS)などの緩衝液等の水溶液を第2室48に加え、開口部52および/または開口部54から有機溶媒を含む液体を吸引する。これを数回繰り返して、第2室48、貫通孔8、および流路56の内部の有機溶媒を含む液体をリン酸緩衝液の水溶液で置換する。
次に、リン酸緩衝液等に細胞Cおよび/またはビーズ等の粒子を分散させたサンプル液体を第2室48に供給し、開口部52および/または開口部54からリン酸緩衝液を吸引することにより、細胞Cおよび/またはビーズは各ウェル3に一つずつもしくはほぼ一定の個数ずつ捕捉される。
次に、ターゲットとする細胞Cまたは細胞分泌物が付着したビーズと結合する試薬を第2室48または開口部52,54から加え、ターゲットをマーキングした後、倒立顕微鏡でターゲットを特定し、ピペットPやキャピラリー等でウェル3からターゲットとなる細胞Cまたはビーズを補集する。
以上の粒子捕獲方法によれば、ウェルアレイフィルター1を通じるサンプル流路に有機溶媒を含む液体を通液させ、さらに水溶液で置換した後に、細胞、細胞の成分や分泌物を付着させたビーズ、または、細胞の成分や分泌物を付着させるためのビーズ等の粒子を含む水溶液を通液させることにより、通液抵抗が減少するとともに、ウェル3に気泡が残留しにくくなり、各ウェル3内に一つずつもしくは所定数ずつ細胞Cまたはビーズ等の粒子を捕獲することが容易となる。したがって、多数の粒子のスクリーニングが安定して行える利点を有する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態のみに限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲内で、構成要件の追加、削除、および変更が可能である。
次に、実施例を挙げて本発明の効果を実証する。
[実験1]
図14は、図1および図2に示すように、ウェル3の開口部を正六角形としたウェルアレイフィルター1を、ウェル3の開口幅とウェル隔壁6の水平方向厚さを様々に変えて作成した場合の、ウェル3の開口率を示したグラフである。図14中、「Hex10」はウェル3が正六角形で平行な2辺間の開口幅が10μm、「Hex20」は同様に開口幅が20μm、「Hex50」は同様に開口幅が50μm、「Hex100」は同様に開口幅が100μmであることを示す。横軸の隔壁幅(μm)は、ウェル隔壁6の隔壁の水平方向の厚さ(μm)を示す。ウェル3が正六角形で平行な2辺間の開口幅がA(μm)の場合、ウェル3の円相当径は1.050075×Aとなる。縦軸の開口率は、ウェル形成領域の面積に対するウェル3の合計開口面積の比率を示す。図14に示すように、点線内で囲まれる場合に、隔壁幅1~20μm、開口率0.4(=40%)以上となることがわかる。
[実験2]
図15は、図1および図2に示すように、ウェル3の開口部を正六角形としたウェルアレイフィルター1を、ウェル3の開口幅と、ウェル隔壁6の厚さと、貫通孔8の寸法、形状および個数を様々に変えて作成した場合の、貫通孔8の合計開口率(%)を示したグラフである。図15中、「Hex10」~「Hex100」は図14と同じであり、「Hex125」はウェル3の平行な2辺間の開口幅が125μmであることを示す。横軸の「ウェル開口径+壁厚」は、ウェル3の平行な2辺間の開口幅(μm)+ウェル隔壁6の水平方向の厚さ(μm)を示す。縦軸の貫通孔開口率(%)は、ウェル形成領域の面積に対する貫通孔8の合計開口面積の比率(%)を示す。「2.5μmΦ×4」は直径2.5μmの円径の貫通孔8を各ウェル3毎に4個形成したことを示す。「2.8μm×4.6μm×4」は、2.8μm×4.6μmの長方形の貫通孔8を各ウェル3毎に4個形成したことを示す。図15に示すように、点線内で囲まれる場合に、ウェル3の開口幅が5μm以上、ウェル隔壁6の厚さが1μm以上、貫通孔開口率が0.5~3.5%となることがわかる。
[実験3]
図11およびウェルアレイフィルターの製造方法の一実施形態で説明した方法により、実施例1~8および比較例のウェルアレイフィルターを実際に製造した。ウェル3の開口部は正六角形とした。隔壁レジスト6Aは多官能エポキシ量が相対的にネガ型の少ないフォトレジストで形成し、底部レジスト4Aは多官能エポキシ量が相対的に多いネガ型のフォトレジストで形成した。
表1は、製造された実施例1~8および比較例のウェルアレイフィルターの各パラメータを示し、「Hex10-20」はウェル3が正六角形で、平行な2辺間の開口幅の目標値が10μm、ウェル3の深さの目標値が20μmであることを示している。他も同様である。「ウェル形状」における「開口径(μm)」は正六角形の平行な2辺間の開口径、「隔壁幅(μm)」はウェル隔壁6の水平方向の厚さ、「深さ(μm)」はウェル3の深さ、「開口率」はウェル形成領域の面積に対するウェル3の合計開口面積の比率(%)、「密度(cm-2)」はウェル形成領域の1cm当たりに形成されているウェル3の個数を示している。「貫通孔形状」における「貫通孔数」はウェル3一つ当たりの貫通孔8の個数、「開口形状」は個々の貫通孔8の開口形状、「開口部寸法」の「2.8」は円の直径、「3.15/5.19」は3.15μm×5.19μmの角が丸く面取りされた長方形であることを示し、「開口率」はウェル形成領域の面積に対する貫通孔8の合計開口率(%)を示している。
Figure 2024071066000002
表1に示すように、実施例1~8は貫通孔8の合計開口率が0.50%以上となったが、比較例は0.50%に満たず、0.38%となった。
[実験4]
実施例2,6,7,8および比較例のウェルアレイフィルターを用いて、エチルアルコールの通液時間の測定を行った。各ウェルアレイフィルターを図12および図13に示すような粒子整列デバイス40に装着した。ウェルアレイフィルターのウェル形成領域は17mm×17mmの正方形とした。第2室48にエチルアルコールを0.5ml注入し、ウェルアレイフィルターを通過して流路56にエチルアルコールの全量が流れ込むまでの通液時間(秒)を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2024071066000003
実施例2,6,7,8では51秒以内に通液が完了したが、比較例では通液に99秒を要した。実用上、エチルアルコールの通液時間が60秒以下であると使用しやすいため、貫通孔開口率は0.5%以上が望ましいことがわかった。図16は、表2の結果をプロットしたグラフである。
[実験5]
実施例2のウェルアレイフィルター(ウェル形成領域:17mm×17mm)を粒子整列デバイス40に装着し、エチルアルコールの通液後、リン酸緩衝液 (PBS)を3回通液した。次に、各種の細胞を所定の播種細胞数だけ分散させたリン酸緩衝液1mlを第2室48に入れて、ウェルアレイフィルターに通液した。次に、カルセイン水溶液でウェル3内の細胞を染色し、倒立型蛍光顕微鏡で底板部42を通してウェル3内の細胞を観察し、顕微鏡の視野内で、ウェル3に細胞Cが一つだけ捕捉されているウェル3の個数を全ウェル3の個数で除したシングルセル率(%)を計測した。
細胞としては、PBMC(末梢血単核細胞)、PC3(前立腺癌細胞)、HL60(白血病細胞)、MCF7(乳がん細胞)、およびA549(ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞)を使用した。ウェルアレイフィルターへの播種細胞数は10000、100000、200000とした。その結果を表3に示す。
Figure 2024071066000004
表3の「ポアソン分布」の数値は、播種細胞数とウェル数の比率から統計的に計算されたシングルセル率(%)を示す。表3に示すように、5種類のいずれの細胞でも、統計的な確率計算で求められたポアソン分布のシングルセル率よりも、高いシングルセル率が得られた。これは、ウェル3に一つ目の細胞が捕捉された後は、2つ目の細胞が入りにくくなることを示し、ウェル3の形状や貫通孔8の設定が適切であることを示している。
特に、細胞の大きさが10mm程度であり、貫通孔8の開口径に対して大きい粒径を有するがん細胞株(PC3、HL60、MCF7、A549)では、細胞数/ウェル数比によらず、高いシングルセル率が得られた。
図17は、A549細胞を200,000個播種した場合に、ウェルアレイフィルターのウェル3に格納された細胞のカルセイン染色後の蛍光顕微鏡写真(倍率:10倍)である。図17に示すように、A549細胞はすべてウェル3に規則的に格納され、ウェル隔壁6上に残ったA549細胞は見られなかった。
[実験6]
実施例2および実施例6のウェルアレイフィルターを粒子整列デバイス40に搭載し、リン酸緩衝液に分散させたA549細胞を播種し、ウェル3にシングルセルとしてA549細胞を格納した。次に、自動細胞ピックアップ装置:ALS Automated Lab Solutions社製商品名「CellCelector」を用い、内径20μmのガラスキャピラリーの下端を、細胞が格納された所定のウェル3の直上に垂直に当接して配置し、ウェル3内から100nLの液体を吸引した。吸引によって、所定のウェル3の周囲のウェル3に格納された細胞を吸い上げることはなく、所定のウェル3に格納された細胞のみをガラスキャピラリーで回収することができた。ガラスキャピラリーの先端が破損することもなかった。
本発明によれば、ウェル間のウェル隔壁が十分に薄いため、ウェル隔壁上に細胞やビーズ等の粒子が残留しにくいうえ、開口径の適切な設定により過剰の粒子が一つのウェルの中に進入する率も減らすことができ、開口径に比して十分に深さのあるウェルで粒子を安定的に捕捉できる。また、ウェルが多角形状であるから自動画像解析の際に粒子とウェルとを識別することが容易であり、さらに高密度にウェルを配置できるため多数の粒子を一度にスクリーニングできるという優れた効果を奏する。したがって、産業上の利用が可能である。
1 ウェルアレイフィルター
2 フィルタ本体
3 ウェル
4 ウェル底部
4A 底部レジスト
6 ウェル隔壁
6A 隔壁レジスト
8 貫通孔
10 基板
12 犠牲膜
14 間隙
20 ウェルアレイフィルター
30 ウェルアレイフィルター
40 粒子整列デバイス
41 デバイス本体
42 底板部
44 壁部
46 第1室
48 第2室
50 第3室
52 開口部
54 開口部
56 流路
A 開口径
B 隔壁厚さ
C 細胞
P ピペット
W 離間幅
D 直径

Claims (10)

  1. 平板状のフィルタ本体を有し、
    前記フィルタ本体には前記フィルタ本体の上面のウェル形成領域に開口する複数のウェルが形成され、
    互いに隣接する前記ウェル同士の間はウェル隔壁によりそれぞれ仕切られ、
    前記ウェルの下端にはウェル底部がそれぞれ形成され、
    前記ウェルの開口部は多角形状もしくは角が丸められた多角形状をなし、
    前記ウェルの開口部の円相当径は5μm以上200μm以下であり、
    前記ウェル底部には前記フィルタ本体の下面に達する貫通孔が少なくとも一つ形成され、
    前記ウェル隔壁の水平方向の最大厚さは1μm以上20μm以下であり、
    前記ウェル形成領域の面積に対する前記ウェルの合計開口面積の比率は40%以上であり、
    前記ウェルの深さは、前記ウェル隔壁の水平方向の最大厚さの2倍以上であることを特徴とするウェルアレイフィルター。
  2. 前記貫通孔の最大内接円直径は4μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のウェルアレイフィルター。
  3. 前記ウェル形成領域の面積に対する前記貫通孔の合計開口面積の比率は0.5%以上3.5%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のウェルアレイフィルター。
  4. 前記多角形状は、三角形状、四角形状、または六角形状のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載のウェルアレイフィルター。
  5. 前記ウェル隔壁と前記ウェル底部は互いに異なる材質で形成され、前記ウェル底部は前記ウェル隔壁よりも強度の高い材質で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のウェルアレイフィルター。
  6. 前記ウェル隔壁と前記ウェル底部は互いに異なる材質で形成され、前記ウェル底部はそれぞれ前記ウェルの開口部の形状に対応したタイル形状に分割されて隣接する前記ウェル底部の間には間隙が形成され、これら間隙内に前記ウェル隔壁を形成する材料が侵入して固化していることを特徴とする請求項1または2に記載のウェルアレイフィルター。
  7. 少なくとも前記ウェルの内面に細胞接着を抑制するポリマーが塗布されていることを特徴とする請求項1または2に記載のウェルアレイフィルター。
  8. 前記ウェル底部の厚さは、1nm以上2μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のウェルアレイフィルター。
  9. 請求項1または2に記載のウェルアレイフィルターと、前記ウェルアレイフィルターを支持するとともに前記ウェルアレイフィルターの前記ウェルの開口部側から前記貫通孔を通じて前記ウェルの底面側へ向けて通じるサンプル流路を有するデバイス本体を備えたことを特徴とする粒子整列デバイス。
  10. 請求項9の粒子整列デバイスの前記サンプル流路に前記ウェルアレイフィルターおよび前記デバイス本体を溶解または変質させない有機溶媒を含む液体を通液させる工程と、
    前記サンプル流路に水溶液を通液させて有機溶媒を含む液体を前記水溶液で置換する工程と、
    前記サンプル流路に、前記ウェルで捕捉すべき粒子を含む水溶液を通液させ前記ウェル内に前記粒子を捕獲する工程を有する粒子捕獲方法。
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