JP2024068983A - 切削ブレード検出機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】切削ブレードの状態の検出精度の低下を抑制することができる切削ブレード検出機構を提供すること。【解決手段】切削ブレード検出機構1は、複数の発光体10と、複数の受光体20と、受光体20が受光した光13を信号31に変換する光電変換器30と、信号31,41を伝達する回路50上に配設され入力した信号41の出力を停止する回路50を選択するセレクタ60と、制御ユニット170と、を有し、制御ユニット170は、回路50の中から所定の期間、信号31,41を伝達する回路50-1を特定する回路特定部172と、回路特定部172で特定された複数の回路50-1の内、切削ブレード121の切れ刃124に近い側の少なくとも1つの回路50-2以外の回路50-1の信号41の出力をセレクタ60に停止させるセレクタ制御部173とを備える。【選択図】図6
Description
本発明は、半導体ウェーハ等のウェーハを切削する切削装置に装備される切削ブレードの状態を検出する為の切削ブレード検出機構に関する。
半導体ウェーハをチップ状に個片化するには、通常、ダイサーと呼ばれる切削装置が使用される。この切削装置は、摩耗して直径が減少した切削ブレードの環状の切れ刃の交換時期及び環状の切れ刃の欠けを検出する為の切削ブレード検出機構を備えている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
上記切削ブレード検出機構は、切削ブレードの環状の切れ刃が侵入するブレード侵入部と、該ブレード侵入部に対向して配列される複数の発光体及び受光体(共に光ファイバー)を備えている。この切削ブレード検出機構は、発光体が発光する光を受光体が受光し、受光体が受光した光の光量に対応した電圧に変換することにより、発光体と受光体との間のブレード侵入部に位置する切削ブレードの環状の切れ刃の状態を検出する。
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2等に記載された切削ブレード検出機構は、切削中に切れ刃の検出を行う為、切削中の切削水が発光体と受光体との間に散乱し、検出精度を低下させるという課題がある。
本発明の目的は、切削ブレードの状態の検出精度の低下を抑制することができる切削ブレード検出機構を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の切削ブレード検出機構は、被加工物を保持するチャックテーブルに保持された被加工物を切削する環状の切れ刃を備えた切削ブレードの回転軸方向の一方の側に該切削ブレードの径方向に直列に互いに隣接して配列された複数の発光体と、切削ブレードの回転軸方向の他方の側に該複数の発光体と対向して配設され該発光体によって照射された光を受光する複数の受光体と、該複数の受光体が受光した光を光量に対応した電圧値の信号に変換する光電変換器と、を具備する切削装置の切削ブレード検出機構であって、該光電変換器から出力された該信号を伝達する回路上に配設され、入力した該信号の出力を停止する回路を選択するセレクタと、制御手段と、を有し、該制御手段は、該回路の中から所定の期間、該光電変換器からの該信号を伝達する回路を特定する回路特定部と、該回路特定部で特定された複数の回路の内、該切削ブレードの切れ刃に近い側の少なくとも1つの回路以外の回路の該信号の出力を停止するように該セレクタを制御するセレクタ制御部と、を、備え、該複数の受光体毎の受光量によるバラつきの影響を低減し、高精度で切削ブレードの検出が可能なことを特徴とする。
前記切削ブレード検出機構では、該制御手段は、該回路特定部で特定された回路の内、該切削ブレードの切れ刃に近い側の少なくとも1つの回路以外の回路に接続した該発光体からの発光を停止する発光停止部を更に備えても良い。
本発明は、切削ブレードの状態の検出精度の低下を抑制することができるという効果を奏する。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る切削装置の切削ブレード検出機構を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係る切削装置の切削ブレード検出機構を備える切削装置の構成例を示す斜視図である。図2は、図1に示された切削装置の切削ユニットの斜視図である。図3は、図1に示された切削装置の切削ブレード検出機構の構成を示す一部断面で示す正面図である。図4は、図3に示された切削ブレード検出機構の発光体及び受光体を示す図である。図5は、図3に示された切削ブレード検出機構の構成を示すブロック図である。図6は、図5に示された切削ブレード検出機構の回路特定部が特定した回路の内セレクタ制御部が最も切れ刃の先端に近い回路以外の回路の出力を停止した状態を示すブロック図である。
本発明の実施形態1に係る切削装置の切削ブレード検出機構を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係る切削装置の切削ブレード検出機構を備える切削装置の構成例を示す斜視図である。図2は、図1に示された切削装置の切削ユニットの斜視図である。図3は、図1に示された切削装置の切削ブレード検出機構の構成を示す一部断面で示す正面図である。図4は、図3に示された切削ブレード検出機構の発光体及び受光体を示す図である。図5は、図3に示された切削ブレード検出機構の構成を示すブロック図である。図6は、図5に示された切削ブレード検出機構の回路特定部が特定した回路の内セレクタ制御部が最も切れ刃の先端に近い回路以外の回路の出力を停止した状態を示すブロック図である。
(被加工物)
実施形態1に係る切削装置の切削ブレード検出機構1は、図1に示す切削装置100を構成する。図1に示された切削装置100は、被加工物200を切削する加工装置である。実施形態1では、切削装置100の加工対象の被加工物200は、シリコン、サファイア、ガリウムヒ素、又はSiC(炭化ケイ素)等などを基板とする円板状の半導体ウェーハや光デバイスウェーハ等のウェーハである。被加工物200は、表面201に互いに格子状に形成された複数の分割予定ライン202によって格子状に区画された領域にデバイス203が形成されている。
実施形態1に係る切削装置の切削ブレード検出機構1は、図1に示す切削装置100を構成する。図1に示された切削装置100は、被加工物200を切削する加工装置である。実施形態1では、切削装置100の加工対象の被加工物200は、シリコン、サファイア、ガリウムヒ素、又はSiC(炭化ケイ素)等などを基板とする円板状の半導体ウェーハや光デバイスウェーハ等のウェーハである。被加工物200は、表面201に互いに格子状に形成された複数の分割予定ライン202によって格子状に区画された領域にデバイス203が形成されている。
デバイス203は、例えば、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)又はメモリ(半導体記憶装置)である。
実施形態1では、被加工物200は、表面201の裏側の裏面204に被加工物200よりも大径な円板状の粘着テープ205が貼着され、粘着テープ205の外縁部に円環状の環状フレーム206が貼着されて、環状フレーム206に支持される。
なお、実施形態1では、被加工物200は、半導体ウェーハや光デバイスウェーハ等のウェーハであるが、本発明では、ウェーハに限らず、例えば、セラミックスコンデンサ基板、CSP(チップサイズパッケージ)基板等のパッケージ基板等の種々の被加工物でも良い。
(切削装置)
図1に示された切削装置100は、被加工物200をチャックテーブル110で保持し分割予定ライン202に沿って切削ブレード121で切削する加工装置である。切削装置100は、図1に示すように、被加工物200を保持面111で吸引保持するチャックテーブル110と、チャックテーブル110で保持された被加工物200を切削ブレード121で切削する切削ユニット120と、チャックテーブル110に保持された被加工物200を撮像する撮像ユニット130と、制御手段である制御ユニット170とを備える。
図1に示された切削装置100は、被加工物200をチャックテーブル110で保持し分割予定ライン202に沿って切削ブレード121で切削する加工装置である。切削装置100は、図1に示すように、被加工物200を保持面111で吸引保持するチャックテーブル110と、チャックテーブル110で保持された被加工物200を切削ブレード121で切削する切削ユニット120と、チャックテーブル110に保持された被加工物200を撮像する撮像ユニット130と、制御手段である制御ユニット170とを備える。
また、切削装置100は、チャックテーブル110を切削ユニット120に対して相対的に移動させる移動ユニット140を備える。移動ユニット140は、チャックテーブル110を水平方向と平行なX軸方向に加工送りするX軸移動ユニット141と、切削ユニット120を水平方向と平行でかつX軸方向に直交するY軸方向に割り出し送りするY軸移動ユニット142と、切削ユニット120をX軸方向とY軸方向との双方と直交する鉛直方向に平行なZ軸方向に切り込み送りするZ軸移動ユニット143と、チャックテーブル110をZ軸方向と平行な軸心回りに回転する回転移動ユニット144とを備える。
X軸移動ユニット141は、切削装置100の装置本体101に設置されている。X軸移動ユニット141は、チャックテーブル110を加工送り方向であるX軸方向に移動させることで、チャックテーブル110と切削ユニット120とを相対的にX軸方向に沿って加工送りするものである。Y軸移動ユニット142及びZ軸移動ユニット143は、装置本体101から立設した支持フレーム102に設置されている。Y軸移動ユニット142は、切削ユニット120を割り出し送り方向であるY軸方向に移動させることで、チャックテーブル110と切削ユニット120とを相対的にY軸方向に沿って割り出し送りするものである。Z軸移動ユニット143は、切削ユニット120を切り込み送り方向であるZ軸方向に移動させることで、チャックテーブル110と切削ユニット120とを相対的にZ軸方向に沿って切り込み送りするものである。回転移動ユニット144はX軸移動ユニット141によりチャックテーブル110とともにX軸方向に移動される。
X軸移動ユニット141、Y軸移動ユニット142及びZ軸移動ユニット143は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじと、ボールねじを軸心回りに回転させてチャックテーブル110又は切削ユニット120をX軸方向、Y軸方向又はZ軸方向に移動させる周知のモータと、チャックテーブル110又は切削ユニット120をX軸方向、Y軸方向又はZ軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレールとを備える。回転移動ユニット144は、チャックテーブル110を軸心回りに回転する周知のモータ等を備える。
チャックテーブル110は、円盤形状であり、被加工物200を保持する保持面111がポーラスセラミック等から形成されている。また、チャックテーブル110は、X軸移動ユニット141により切削ユニット120の下方の加工領域と、切削ユニット120の下方から離間して被加工物200が搬入出される搬入出領域とに亘ってX軸方向に移動自在に設けられ、かつ回転移動ユニット144によりZ軸方向と平行な軸心回りに回転自在に設けられている。
チャックテーブル110は、保持面111が図示しない真空吸引源と接続され、真空吸引源により吸引されることで、保持面111に載置された被加工物200を吸引保持する。実施形態1では、チャックテーブル110は、粘着テープ205を介して被加工物200の裏面204側を吸引保持する。また、チャックテーブル110の周囲には、図1に示すように、環状フレーム206をクランプするクランプ部112が複数設けられている。
切削ユニット120は、スピンドル123の先端に円環状の切削ブレード121を装着可能な加工ユニットである。切削ユニット120は、チャックテーブル110に保持された被加工物200に対して、Y軸移動ユニット142によりY軸方向に移動自在に設けられ、かつ、Z軸移動ユニット143によりZ軸方向に移動自在に設けられている。切削ユニット120は、X軸移動ユニット141、Y軸移動ユニット142及びZ軸移動ユニット143により、チャックテーブル110の保持面111の任意の位置に切削ブレード121を位置付け可能となっている。
切削ユニット120は、図1に示すように、切削ブレード121と、Y軸移動ユニット142及びZ軸移動ユニット143によりY軸方向及びZ軸方向に移動自在に設けられたスピンドルハウジング122と、スピンドルハウジング122に軸心回りに回転自在に設けられたスピンドル123と、スピンドル123を軸心回りに回転する図示しないスピンドルモータとを有する。
切削ブレード121は、略リング形状を有する極薄の切削砥石である。実施形態1において、切削ブレード121は、図2及び図3に示すように、チャックテーブル110に保持された被加工物200を切削する円環状の切れ刃124と、切れ刃124を外縁に支持しかつスピンドル123に着脱自在に装着される円環状の環状基台125とを備えている。切れ刃124は、ダイヤモンドやCBN(Cubic Boron Nitride)等の砥粒と、金属や樹脂等のボンド材(結合材)とからなり所定厚みに形成されている。なお、本発明では、切削ブレード121は、切れ刃124のみからなる所謂ワッシャーブレードでも良い。切削ブレード121は、被加工物200の切削中に切れ刃124の一部が欠けることがある。
スピンドルハウジング122は、Z軸移動ユニット143によりZ軸方向に移動自在に支持され、Z軸移動ユニット143を介してY軸移動ユニット142によりY軸方向に移動自在に支持されている。スピンドルハウジング122は、スピンドル123の先端部を除く部分及び図示しないスピンドルモータ等を収容し、スピンドル123を軸心回りに回転可能に支持する。
スピンドル123は、切削ブレード121が先端部に装着されるものである。スピンドル123は、図示しないスピンドルモータにより軸心回りに回転されるとともに、先端部がスピンドルハウジング122の先端面より突出している。スピンドル123の先端部は、先端に向かうにしたがって徐々に細く形成されており、切削ブレード121が装着される。切削ユニット120のスピンドル123及び切削ブレード121の軸心は、Y軸方向と平行である。即ち、切削ユニット120の切削ブレード121は、スピンドルモータにより軸心回りに回転される。
また、切削ユニット120は、図2に示すように、スピンドル123の先端面に装着されたブレードカバー126と、切削ブレード121に切削水を供給する切削水ノズル127とを有する。
ブレードカバー126は、切削ブレード121の少なくとも上方を覆うものである。ブレードカバー126は、スピンドルハウジング122の先端面に固定されている。
切削水ノズル127は、チャックテーブル110の保持面111で保持された被加工物200を切削ブレード121が切削する際に、切削ブレード121に切削水を供給するものである。切削水ノズル127は、図2に示すように、シャワーノズル128と、一対のブレードノズル129とを備える。
ノズル128,129は、ブレードカバー126に取り付けられ、図示しない切削水供給源から切削水が供給される。シャワーノズル128は、切削ブレード121の切れ刃124の先端とX軸方向に対面する噴射口を備え、切削中に切削ブレード121の切れ刃124の先端に噴射口から切削水を供給する。
ブレードノズル129は、X軸方向と平行に延在し、互いにY軸方向に間隔をあけて配置されている。ブレードノズル129は、互いの間に切削ブレード121の切れ刃124の下端部を位置づけており、切削ブレード121の切れ刃124の下端部に対面する図示しない噴射口を備えている。ブレードノズル129は、切削中に切削ブレード121の切れ刃124の下端部に噴射口から切削水を供給する。
撮像ユニット130は、切削ユニット120と一体的に移動するように、切削ユニット120に固定されている。撮像ユニット130は、チャックテーブル110に保持された切削前の被加工物200の分割すべき領域を撮影する撮像素子を含む。撮像素子は、例えば、複数の画素を有するCCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。撮像ユニット130は、チャックテーブル110に保持された被加工物200の表面201を対物レンズを通して撮像素子で撮像する。
撮像ユニット130は、チャックテーブル110に保持された被加工物200を撮影して、被加工物200と切削ブレード121との位置合わせを行なうアライメントを遂行するための画像を取得し、取得した画像を制御ユニット170に出力する。
また、切削装置100は、チャックテーブル110のX軸方向の位置を検出するため図示しないX軸方向位置検出ユニットと、切削ユニット120のY軸方向の位置を検出するための図示しないY軸方向位置検出ユニットと、切削ユニット120のZ軸方向の位置を検出するためのZ軸方向位置検出ユニットと、チャックテーブル110の軸心回りに角度を検出する角度検出ユニットとを備える。X軸方向位置検出ユニット及びY軸方向位置検出ユニットは、X軸方向、又はY軸方向と平行なリニアスケールと、読み取りヘッドとにより構成することができる。Z軸方向位置検出ユニットは、モータのパルスで切削ユニット120のZ軸方向の位置を検出する。角度検出ユニットは、周知のロータリエンコーダ等により構成される。
X軸方向位置検出ユニット、Y軸方向位置検出ユニット及びZ軸方向位置検出ユニットは、チャックテーブル110のX軸方向、切削ユニット120のY軸方向又はZ軸方向の位置を制御ユニット170に出力する。角度検出ユニットは、チャックテーブル110の軸心回りの基準位置からの角度を制御ユニット170に出力する。なお、実施形態1では、切削装置100の各構成要素のX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の位置は、予め定められた図示しない基準位置を基準とした位置で定められる。
また、切削装置100は、切削前後の被加工物200を収容するカセット151が載置されかつカセット151をZ軸方向に移動させるカセットエレベータ150と、洗浄ユニット160と、図示しない搬送ユニットとを備える。カセット151は、被加工物200をZ軸方向に間隔をあけて複数収容可能な収容容器であり、被加工物200を出し入れ可能とする出し入れ口152を備えている。カセットエレベータ150は、搬入出領域に位置付けられたチャックテーブル110のY軸方向の一方側の隣に配置され、搬入出領域に位置付けられたチャックテーブル110側に出し入れ口152を位置付けて、カセット151が載置される。
洗浄ユニット160は、切削後の被加工物200を洗浄するものである。洗浄ユニットは、搬入出領域に位置付けられたチャックテーブル110のY軸方向の他方側の隣に配置され、カセット151及び搬入出領域に位置付けられたチャックテーブル110とY軸方向に並ぶ位置に配置されている。洗浄ユニット160は、被加工物を吸引保持するスピンナテーブル161と、スピンナテーブル161に吸引保持された被加工物200の表面201に洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル162とを備える。
搬送ユニットは、カセット151内とチャックテーブル110上と洗浄ユニット160のスピンナテーブル161上に亘って被加工物200を搬送するものである。
制御ユニット170は、切削装置100の各構成要素をそれぞれ制御して、被加工物200に対する加工動作を切削装置100に実施させるものでもある。なお、制御ユニット170は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット170の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、切削装置100を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介して切削装置100の各構成要素に出力する。
制御ユニット170は、加工動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される図示しない表示ユニットと、オペレータが加工条件などを登録する際に用いる入力ユニットと、報知ユニットとに接続されている。入力ユニットは、表示ユニットに設けられたタッチパネルと、キーボード等の外部入力装置とのうち少なくとも一つにより構成される。報知ユニットは、音と光の少なくとも一方を発して、オペレータに報知するものである。
また、制御ユニット170は、加工制御部171を備える。加工制御部171は、切削装置100の上述した各構成要素をそれぞれ制御して、被加工物200に対する加工動作を切削装置100の各構成要素に実施させるものである。加工制御部171の機能は、演算処理装置が記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施することにより実現される。
また、切削装置100は、図3に示す一部を示す切削ブレード検出機構1を備える。切削ブレード検出機構1は、切削ブレード121の切れ刃124の状態を検出するものである。なお、本発明では、切削ブレード検出機構1は、切削ブレード121の切れ刃124の状態として、切れ刃124の欠けの有無、切れ刃124の摩耗状態を示す切れ刃124の先端の位置、及び切れ刃124が全周に亘って欠けたか否かを検出する。
(切削ブレード検出機構)
切削ブレード検出機構1は、図3に示すように、機構本体2と、複数の発光手段である発光体10と、複数の受光手段である受光体20とを具備する。機構本体2は、ブレードカバー126に取り付けられて、切削ブレード121の上方に配置されている。機構本体2は、Y軸方向に沿って間隔をあけ、かつそれぞれがZ軸方向に延在しているとともに、互いの間に切削ブレード121の切れ刃124を位置付ける一対の垂直部3と、垂直部3の上端同士を連結した連結部4とを有している。機構本体2は、一対の垂直部3間に切削ブレード121の切れ刃124を侵入させるブレード侵入部5を形成している。即ち、切削ブレード検出機構1は、ブレード侵入部5を具備している。
切削ブレード検出機構1は、図3に示すように、機構本体2と、複数の発光手段である発光体10と、複数の受光手段である受光体20とを具備する。機構本体2は、ブレードカバー126に取り付けられて、切削ブレード121の上方に配置されている。機構本体2は、Y軸方向に沿って間隔をあけ、かつそれぞれがZ軸方向に延在しているとともに、互いの間に切削ブレード121の切れ刃124を位置付ける一対の垂直部3と、垂直部3の上端同士を連結した連結部4とを有している。機構本体2は、一対の垂直部3間に切削ブレード121の切れ刃124を侵入させるブレード侵入部5を形成している。即ち、切削ブレード検出機構1は、ブレード侵入部5を具備している。
機構本体2は、ブレードカバー126のねじ孔に螺合した調整ねじ6が連結部4に取り付けられている。機構本体2は、調整ねじ6がオペレータ等に軸心回りに回転されることで、Z軸方向に沿ってブレードカバー126に対して移動されて、ブレードカバー126に対する切削ブレード121の切れ刃124の径方向の位置が調整される。
複数の発光体10は、切削ブレード121の回転軸であるY軸方向の一方の側の垂直部3(以下、符号3-1で示す)に配設されている。複数の発光体10は、図3及び図4に示すように、切削ブレード121の切れ刃124の径方向に直列に互いに隣接して配列されている。複数の発光体10は、他方側の垂直部3(以下、符号3-2で示す)に対面し、Z軸方向即ち切削ブレード121の切れ刃124の径方向に沿う直線上に配列されている。発光体10は、図5に示された発光素子11に接続された光ファイバ12の端部であって、発光素子11が発した光13を他方側の垂直部3-2に向けて照射する。なお、発光素子11は、例えば、LED(Light-Emitting Diode)又はLD(Laser Diode)である。
複数の受光体20は、切削ブレード121の回転軸であるY軸方向の他方の側の垂直部3-2に配設されている。複数の受光体20は、図3及び図4に示すように、切削ブレード121の切れ刃124の径方向に直列に互いに隣接して他方の側の垂直部3-2に配列されている。複数の受光体20は、一方側の垂直部3-1に対面し、Z軸方向即ち切削ブレード121の切れ刃124の径方向に沿う直線上に配列されて、複数の発光体10と対向している。
受光体20は、それぞれ、発光体10と1対1で対応しており、対応する発光体10と切削ブレード121の回転軸であるY軸方向に沿って対向する。受光体20は、光ファイバ22の端部であって、それぞれ、対応する発光体10が照射した光13を受光する。
なお、実施形態1では、発光体10及び受光体20は、それぞれ、各垂直部3-1,3-2に16個配設されている。また、実施形態1では、発光体10及び受光体20は、それぞれ、垂直部3-1,3-2に配設されているので、ブレード侵入部5は、複数の発光体10と、複数の受光体20との間に形成されている。
また、切削ブレード検出機構1は、図5に示すように、光電変換器30と、アンプ40と、制御手段である制御ユニット170を備えている。このように、実施形態1では、制御ユニット170は、切削装置100全体の加工動作を制御するとともに、切削ブレード検出機構1を構成する。しかしながら、本発明では、切削ブレード検出機構1を構成する制御手段を、切削装置100全体の加工動作を制御する制御ユニット170と別に設けても良い。
光電変換器30は、複数の受光体20がそれぞれ受光した光13を光13の光量に対応した電圧値の信号31に変換するものである。実施形態1では、光電変換器30は、受光体20と1対1で対応して、複数設けられている。光電変換器30は、端部が受光体20である光ファイバ22の他端部に接続して、対応した受光体20及び受光体20を介して受光体20が対応する発光体10と接続している。また、実施形態1では、光電変換器30は、それぞれ、制御ユニット170の透過率算出部174と回路50により接続されている。即ち、実施形態1では、光電変換器30及び回路50は、発光体10及び受光体20と同数設けられ、回路50は、光電変換器30を介して、受光体20及び発光体10と接続している。
光電変換器30は、対応した受光体20が受光した光13が光ファイバ22により伝達され、対応した受光体20が受光した光13を光量に対応した電圧値の信号31に変換し、変換した信号31を回路50上に配設されたアンプ40に向けて出力する。なお、光電変換器30は、例えば、PD(Photodiode)である。
アンプ40は、光電変換器30から出力された信号31の電圧値を調整するものである。アンプ40は、受光体20及び光電変換器30と1対1で対応して、複数設けられ、回路50上に配設されている。即ち、実施形態1では、アンプ40は、発光体10、受光体20、光電変換器30及び回路50と同数設けられている。アンプ40は、対応した光電変換器30から出力された信号31の電圧値を調整し、調整後の信号41を制御ユニット170の透過率算出部174に向けて出力する。なお、図5は、信号31,41の電圧値が、13mVである例を示している。
また、実施形態1では、切削ブレード検出機構1は、セレクタ60を備える。セレクタ60は、光電変換器30から出力された信号31及びアンプ40により電圧値が調整された信号41を伝達する回路50上に配設されている。実施形態1では、セレクタ60は、全ての回路50上のアンプ40と透過率算出部174との間に配設され、回路50を介して全ての光電変換器30及び全てのアンプ40と接続し、全ての回路50を介して透過率算出部174と接続している。
セレクタ60は、全ての回路50を介して、光電変換器30から出力されかつアンプ40により電圧値が調整された信号41が入力する。セレクタ60は、図5に示すように、回路50を介して入力した信号41を、回路50を介して透過率算出部174に出力可能である。また、セレクタ60は、複数の回路50のうち入力した信号41の透過率算出部174への出力を停止する回路50を選択可能であり、選択した回路50を介して信号41の出力を停止可能である。また、セレクタ60は、選択した回路50を介して信号41の出力を停止した場合、図6に示すように、選択した回路50を介して他の回路50から入力した信号41を出力することも可能である。
なお、実施形態1において、光電変換器30、アンプ40及びセレクタ60の機能は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサー、又は並列プログラム化したプロセッサー等の専用の処理回路(ハードウェア)により実現される。
また、実施形態1において、切削ブレード検出機構1を構成する制御ユニット170は、図5に示すように、回路特定部172と、セレクタ制御部173と、透過率算出部174とを備える。
回路特定部172は、切削水を供給しながらスピンドル123でブレード侵入部5内に位置する切削ブレード121を回転している間に、複数の回路50の中から所定の期間、光電変換器30から出力されかつアンプ40により電圧値が調整された信号41を伝達する回路50(以下、符号50-1で示し、図5及び図6に示す)を特定するものである。例えば、図5に示すように、複数の発光体10のうち切削ブレード121の軸心から最も離れた3つの発光体10(以下、符号10-1で示す)が照射した光13が切削ブレード121により遮られずに受光体20(以下、符号20-1で示す)に受光され、他の発光体10が照射した光13が切削ブレード121により遮られて受光体20に受光されない場合、回路特定部172は、複数の発光体10のうち切削ブレード121の軸心から最も離れた3つの発光体10-1に接続した回路50-1を特定する。
セレクタ制御部173は、切削水を供給しながらスピンドル123でブレード侵入部5に位置する切削ブレード121を回転している間に、回路特定部172で特定された複数の回路50-1の内、切削ブレード121の切れ刃124に近い側の少なくとも1つの回路50-1以外の回路50-1の信号41の出力を停止するようにセレクタ60を制御するものである。実施形態1では、セレクタ制御部173は、回路特定部172で特定された複数の回路50-1の内、最も切削ブレード121の軸心に近い受光体20-1及び発光体10-1に接続した回路50-1(以下、符号50-2で示す)を特定する。
セレクタ制御部173は、回路特定部172で特定された複数の回路50-1の内、セレクタ制御部173が特定した回路50-2以外の回路50-1の透過率算出部174への信号41の出力を停止するようにセレクタ60を制御する。また、実施形態1では、セレクタ制御部173は、セレクタ60が透過率算出部174への信号41の出力を停止した回路50-1に、セレクタ制御部173が特定した最も切削ブレード121の軸心に近い受光体20-1及び発光体10-1に接続した回路50-2から入力した信号41(以下、符号41-1で示す)を伝達させて、図6に示すように、前述した回路50-1を介して信号41-1を透過率算出部174に出力するように、セレクタ60を制御する。
透過率算出部174は、全ての回路50,50-1,50-2から入力した信号41,41-1の電圧値を合算して、合算した電圧値に基づいて、受光体20,20-1が受光した光13の透過率を算出し、切削ブレード121の切れ刃124の状態を検出するものである。なお、透過率とは、全ての受光体20,20-1が光13を受光した場合を100パーセントとし、全ての受光体20が光13を受光しない場合0パーセントとした値、即ち、複数の発光体10,10-1が照射した全ての光13がブレード侵入部5を透過した場合に対する発光体10,10-1が照射した光13がブレード侵入部5を透過した割合を示す値である。要するに、透過率は、ブレード侵入部5に侵入した切削ブレード121の切れ刃124が摩耗するにしたがって増加し、ブレード侵入部5に侵入した切削ブレード121の切れ刃124の一部が欠けると周期的に増加する値である。
なお、回路特定部172、セレクタ制御部173及び透過率算出部174の機能は、演算処理装置が記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施することにより実現される。
切削装置100は、加工制御部171が切削装置100の上述した各構成要素をそれぞれ制御して、チャックテーブル110に保持した被加工物200を切削水を供給しながら切削ブレード121で切削する加工動作中に、図5に示すように、切削ブレード検出機構1の複数の発光体10が複数の受光体20に向けて光13を照射して、透過率算出部174が、切削ブレード121の切れ刃124の状態を検出する。
このとき、対応した発光体10-1が照射した光13が切削ブレード121により遮られていない受光体20-1は、光13を受光し、対応した発光体10が照射した光13が切削ブレード121により遮られた受光体20は、光13を受光しない。光13を受光した受光体20-1に接続した光電変換器30は、信号31を出力し、光電変換器30から信号31が入力したアンプ40は電圧値を調整して信号41,41-1をセレクタ60を介して透過率算出部174に出力する。また、光13を受光しない受光体20に接続した光電変換器30は信号31を出力しない。
例えば、切れ刃124の先端が図5に破線で示す位置から図5に実線で示す位置まで、切削ブレード121の切れ刃124が摩耗すると、発光体10-1が照射した光13が切削ブレード121により遮られずに受光体20-1に受光され、他の発光体10が照射した光13が切削ブレード121により遮られて受光体20に受光されない。受光体20-1に接続した光電変換器30が出力した信号31が回路50-1を介してアンプ40に入力し、アンプ40が出力した信号41,41-1がセレクタ60を介して透過率算出部174に入力し、他の回路50は、信号31,41を伝達しない。
すると、切削ブレード検出機構1は、回路特定部172は、複数の回路50のうち信号41,41-1を伝達する回路50-1を特定する。切削ブレード検出機構1は、セレクタ制御部173が、回路特定部172で特定された複数の回路50-1の内、最も切削ブレード121の軸心に近い受光体20-1及び発光体10-1に接続した回路50-2を特定する。
切削ブレード検出機構1は、セレクタ制御部173が、回路特定部172で特定された複数の回路50-1の内、セレクタ制御部173が特定した回路50-2以外の回路50-1の透過率算出部174への信号41の出力をセレクタ60に停止させる。切削ブレード検出機構1は、セレクタ制御部173が、図6に示すように、セレクタ60が透過率算出部174への信号41の出力を停止した回路50-1を介して、セレクタ制御部173が特定した回路50-2から入力した信号41-1をセレクタ60から透過率算出部174に出力させる。
切削ブレード検出機構1は、透過率算出部174が、セレクタ60から入力した信号41-1の電圧値に基づいて切削ブレード121の切れ刃124の状態を検出する。例えば、切削装置100は、切削ブレード121の切れ刃124の一部又は全体が欠けたことを切削ブレード検出機構1が検出すると、制御ユニット170の加工制御部171が加工動作を停止し、報知ユニットを動作させて、オペレータに報知する。
以上説明したように、実施形態1に係る切削ブレード検出機構1は、回路特定部172が複数の回路50の中から所定の期間、光電変換器30からの信号41を伝達する回路50-1を特定し、セレクタ制御部173が、回路特定部172で特定された複数の回路50-1の内、最も切削ブレード121の軸心に近い受光体20-1及び発光体10-1に接続した回路50-2を特定し、回路50-2外の回路50-1の信号41の出力をセレクタ60に停止させる。また、実施形態1に係る切削ブレード検出機構1は、セレクタ制御部173が、セレクタ60が透過率算出部174への信号41の出力を停止した回路50-1を介して、回路50-2から入力した信号41-1をセレクタ60から透過率算出部174に出力させ、透過率算出部174が、セレクタ60から入力した信号41-1の電圧値に基づいて切削ブレード121の切れ刃124の状態を検出する。
このように、実施形態1に係る切削ブレード検出機構1は、回路特定部172で特定された複数の回路50-1の内、最も切削ブレード121の軸心に近い受光体20-1及び発光体10-1に接続した回路50-2を特定し、回路50-2以外の回路50-1の信号41の出力をセレクタ60に停止させるので、透過率算出部174に入力する信号41-1に含まれる切削水の影響によるノイズを低減でき、複数の受光体20,20-1毎の受光量によるバラつきの影響を低減することができる。
その結果、実施形態1に係る切削ブレード検出機構1は、切削水による影響を低減し、切削中の切削ブレード121の検出の精度を向上させることができるという効果即ち切削ブレード121の切れ刃124の状態の検出精度の低下を抑制することができるという効果を奏する。
また、実施形態1に係る切削ブレード検出機構1は、セレクタ制御部173が、セレクタ60が透過率算出部174への信号41の出力を停止した回路50-1を介して、セレクタ制御部173が特定した最も切削ブレード121の切れ刃124に近い側の少なくとも1つの回路50-2から入力した信号41-1を、セレクタ60から透過率算出部174に出力させるので、透過率算出部174に入力する信号41-1に含まれる切削水の影響によるノイズを低減できる。
〔実施形態2〕
実施形態2に係る切削装置の切削ブレード検出機構を図面に基づいて説明する。図7は、実施形態2に係る切削ブレード検出機構の回路特定部が特定した回路の内セレクタ制御部が最も切れ刃の先端に近い回路以外の回路の出力を停止した状態を示すブロック図である。なお、図7は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態2に係る切削装置の切削ブレード検出機構を図面に基づいて説明する。図7は、実施形態2に係る切削ブレード検出機構の回路特定部が特定した回路の内セレクタ制御部が最も切れ刃の先端に近い回路以外の回路の出力を停止した状態を示すブロック図である。なお、図7は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態2に係る切削ブレード検出機構1は、図7に示すように、制御ユニット170が発光停止部175を更に備えること以外、実施形態1と同様である。発光停止部175は、回路特定部172で特定された回路50-1の内、切削ブレード121の切れ刃124に近い側の少なくとも1つの回路50-2以外の回路50-1に接続した発光体10-1(以下、符号10-2で示す)からの発光を停止するものである。
実施形態2に係る切削ブレード検出機構1は、回路特定部172が複数の回路50のうち信号41を伝達する回路50-1を特定し、セレクタ制御部173が回路特定部172で特定された複数の回路50-1の内、最も切削ブレード121の軸心に近い受光体20-1及び発光体10-1に接続した回路50-2を特定し、回路50-2外の回路50-1の信号41の出力をセレクタ60に停止させる。実施形態2に係る切削ブレード検出機構1は、セレクタ制御部173が、セレクタ60が透過率算出部174への信号41の出力を停止した回路50-1を介して、回路50-2から入力した信号41-1をセレクタ60から透過率算出部174に出力させた後、図7に示すように、発光停止部175が、回路特定部172が特定した回路50-1の内、セレクタ制御部173が特定した回路50-2以外の回路50-1に接続した発光体10-2の光13の照射を停止する。発光停止部175の機能は、演算処理装置が記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施することにより実現される。
実施形態2に係る切削ブレード検出機構1は、回路特定部172で特定された複数の回路50-1の内、最も切削ブレード121の軸心に近い受光体20-1及び発光体10-1に接続した回路50-2を特定し、回路50-2以外の回路50-1の信号41の出力をセレクタ60に停止させるので、実施形態1と同様に、切削ブレード121の切れ刃124の状態の検出精度の低下を抑制することができるという効果を奏する。
また、実施形態2に係る切削ブレード検出機構1は、発光停止部175が、回路特定部172が特定した回路50-1の内、セレクタ制御部173が特定した回路50-2以外の回路50-1に接続した発光体10-1の光13の照射を停止するので、消費電力を抑制することができるという効果を奏する。
なお、本発明は、上記実施形態等に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本発明では、例えば、セレクタ制御部173が回路特定部172で特定された複数の回路50-1の内、最も切削ブレード121の軸心に近い受光体20-1及び発光体10-1に接続した複数の回路50-2を特定し、回路50-2外の回路50-1の信号41の出力をセレクタ60に停止させても良い。この場合、発光停止部175が、回路特定部172で特定された回路50-1の内、切削ブレード121の切れ刃124に近い側の複数の回路50-2以外の回路50-1に接続した発光体10-2からの発光を停止しても良い。
1 切削ブレード検出機構
5 ブレード侵入部
10,10-1 発光体
13 光
20,20-1 受光体
30 光電変換器
31,41 信号
50 回路
50-1 回路
50-2 回路
60 セレクタ
100 切削装置
110 チャックテーブル
121 切削ブレード
124 切れ刃
170 制御ユニット(制御手段)
172 回路特定部
173 セレクタ制御部
175 発光停止部
200 被加工物
5 ブレード侵入部
10,10-1 発光体
13 光
20,20-1 受光体
30 光電変換器
31,41 信号
50 回路
50-1 回路
50-2 回路
60 セレクタ
100 切削装置
110 チャックテーブル
121 切削ブレード
124 切れ刃
170 制御ユニット(制御手段)
172 回路特定部
173 セレクタ制御部
175 発光停止部
200 被加工物
Claims (2)
- 被加工物を保持するチャックテーブルに保持された被加工物を切削する環状の切れ刃を備えた切削ブレードの回転軸方向の一方の側に該切削ブレードの径方向に直列に互いに隣接して配列された複数の発光体と、切削ブレードの回転軸方向の他方の側に該複数の発光体と対向して配設され該発光体によって照射された光を受光する複数の受光体と、該複数の受光体が受光した光を光量に対応した電圧値の信号に変換する光電変換器と、を具備する切削装置の切削ブレード検出機構であって、
該光電変換器から出力された該信号を伝達する回路上に配設され、入力した該信号の出力を停止する回路を選択するセレクタと、
制御手段と、を有し、
該制御手段は、
該回路の中から所定の期間、該光電変換器からの該信号を伝達する回路を特定する回路特定部と、
該回路特定部で特定された複数の回路の内、該切削ブレードの切れ刃に近い側の少なくとも1つの回路以外の回路の該信号の出力を停止するように該セレクタを制御するセレクタ制御部と、
を、備え、該複数の受光体毎の受光量によるバラつきの影響を低減し、高精度で切削ブレードの検出が可能な切削ブレード検出機構。 - 該制御手段は、
該回路特定部で特定された回路の内、該切削ブレードの切れ刃に近い側の少なくとも1つの回路以外の回路に接続した該発光体からの発光を停止する発光停止部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の切削ブレード検出機構。
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