JP2024066212A - 塗工装置 - Google Patents

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明宏 飯山
和宏 江川
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Abstract

【課題】形成される塗膜の膜厚均一性に優れ、少量多品種にも対応できる塗工を実現可能な塗工装置を提供する。【解決手段】被塗工物1に塗工液を塗工するためのブース9と、ブース9内に被塗工物1を回転可能に保持する保持手段4と、被塗工物1の回転軸方向に沿って移動し、被塗工物1の塗工面に塗工液を吐出するノズル3を有する吐出手段と、塗工液の吐出方向Eと略平行な方向Fに気流を形成する気流発生手段5と、被塗工物1の塗工面を被覆し、塗工液の気化した溶媒蒸気を含む雰囲気を保持するとともに、気流発生手段5により生じたブース9内の気流を遮蔽するフード部材2と、を備える塗工装置。【選択図】図2

Description

本発明は、塗工装置に関する。
電子写真に用いられる感光体は、基体の周面に感光体材料を塗工することにより作製される。塗工方法としては、感光体材料の塗工液を収容した塗工槽に感光体の基体を浸漬させ、その後引上げるディッピング法や、微小な孔のノズルから塗工液を微粒液滴(ミスト)として吐出させ、回転する基体の表面に吹き付けて成膜するスプレー法等がある。
近年、感光体の基体に対する塗工は、形成される塗膜の膜厚の均一性確保と、少量多品種への対応が要求されている。
ディッピング法による塗工では、膜厚の均一性は得られるものの、塗工液中に基体を浸漬しなければならないため、必然的に装置が大型化し、塗液も多量に必要となり、少量多品種の塗工には向いていないという問題がある。また、ディッピング法は、取り扱う感光体が小型であれば好適な方法であるが、大型で長大なものは取扱い上不適切である。
一方、スプレー法は、使用する塗工液が少量で済み、感光体の形状による制約が少ないため、少量多品種には対応できるものの、被塗工物への付着効率が悪いという問題がある。
これらの問題に対し、基体に対して塗工液を噴霧ではなく吐出することで、少量の塗工液で膜を生成する塗工方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、電子写真感光体用支持体に、塗料吐出ガンより電子写真感光体形成用塗料を霧化せずに吐出して塗料液膜を形成し、その後該塗料液膜を指触乾燥することを含む電子写真感光体の製造方法において、塗料の吐出中及び塗料の吐出後の所定時間の間、該塗料液膜より発生する溶剤蒸気を該塗料液膜の周囲に封入する手段、該封入された雰囲気に一定風量で給気する手段及び該封入された雰囲気から一定風量で排気する手段を用いて指触乾燥する方法が記載されている。
被塗工面に塗工液を吐出する方法において、塗工装置内に発生する気流、被塗工物の回転速度、及び塗工液の粘性等、複数の条件がレベリングに影響を与えることがある。
特許文献1の方法では、給気による気流が被塗工物に当たる構成となっている。塗工装置の塗工ブース(塗工室)内への給気による気流が指触乾燥状態(中までは固まっていないが、表面を指で軽く触っても指につかない状態)の塗膜に衝突すると、塗膜の厚みが不均一になるというおそれがある。そして、塗膜の膜厚が不均一のまま乾燥を進めると、乾燥後の膜厚にムラが生じ、塗工品の品質確保が困難になるという課題がある。
そこで本発明は、形成される塗膜の膜厚均一性に優れ、少量多品種にも対応できる塗工を実現可能な塗工装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の薄膜塗工装置は、被塗工物に塗工液を塗工するためのブースと、前記ブース内に前記被塗工物を回転可能に保持する保持手段と、前記被塗工物の回転軸方向に沿って移動し、前記被塗工物の塗工面に前記塗工液を吐出する吐出手段と、前記塗工液の吐出方向と略平行な方向に気流を形成する気流発生手段と、前記被塗工物の前記塗工面を被覆し、前記塗工液の気化した溶媒蒸気を含む雰囲気を保持するとともに、前記気流発生手段により生じた前記ブース内の気流を遮蔽するフード部材と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の薄膜塗工装置は、被塗工物に塗工液を塗工するためのブースと、前記ブース内に前記被塗工物を回転可能に保持する保持手段と、前記被塗工物の回転軸方向に沿って移動し、前記被塗工物の塗工面に前記塗工液を吐出する吐出手段と、前記塗工液の吐出方向と略平行な方向に気流を形成する気流発生手段と、前記塗工液が塗工された前記被塗工物の前記塗工面を被覆し、前記塗工液の気化した溶媒蒸気を含む雰囲気を保持する第一のフード部材と、前記気流発生手段により生じた前記ブース内の気流を遮蔽する第二のフード部材と、を備え、前記第一のフード部材は、前記吐出手段に追従して前記被塗工物の回転軸方向に沿って移動することを特徴とする。
本発明によれば、形成される塗膜の膜厚均一性に優れ、少量多品種にも対応できる塗工を実現可能な塗工装置を提供することができる。
塗工装置の概略構成図である。 本発明に係る塗工装置の第1の実施形態の説明図である。 本発明に係る塗工装置の第2の実施形態の説明図である。 本発明に係る塗工装置の第3の実施形態の説明図である。 本発明に係る塗工装置の第4の実施形態の説明図である。 吐出手段の一例の外観模式図である。 吐出手段の一例の主要構成を模式的に示す説明図である。
以下、本発明に係る塗工装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明が適用される塗工装置について、フード部材を除く概略構成の一例を図1に示す。(フード部材の態様については、以下の図2~図5に示す。)図1(A)は長手方向から見た模式図であり、図1(B)は短手方向から見た模式図である。
図1に示す塗工装置は、吐出手段30のノズル3及び円筒状の被塗工物1が、ブース9の内部に収容されている。ブース9内の気流は、給気側から排気側に向かって矢印Fの方向に流れている。
被塗工物1は、保持手段により回転可能に保持され、回転軸Dを中心として任意の速度で回転する。なお、図1に矢印で示す回転方向は一例であり、回転方向はこれに限定されない。
ノズル3は、被塗工物1の回転軸D方向に沿って、移動軸3aにより移動しながら被塗工物1に塗工液を吐出する。塗工液の吐出方向を矢印Eで示している。
以下、図2~図5に本発明に係る塗工装置の例を示す。
本発明に係る塗工装置は、被塗工物1に塗工液を塗工するためのブース9と、ブース9内に被塗工物1を回転可能に保持する保持手段4と、被塗工物1の回転軸D方向に沿って移動し、被塗工物1の塗工面に塗工液を吐出するノズル3を有する吐出手段30と、塗工液の吐出方向Eと略平行な方向Fに気流を形成する気流発生手段5と、被塗工物1の塗工面を被覆し、塗工液の気化した溶媒蒸気を含む雰囲気を保持するとともに、気流発生手段5により生じたブース9内の気流を遮蔽するフード部材2と、を備えている。
なお、本発明に係る実施形態として、被塗工物1が電子写真感光体の基体である例について説明するが、被塗工物1はこれに限定されない。
被塗工物1の形状としては、特に限定されないが、円筒状(ドラム状)であることが好ましい。また、被塗工物1の材質としては、塗工液が吐出された後、レベリング及び乾燥が行われることから、吸水性を有しないものが好ましく、例えば金属(アルミニウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケル等)や、樹脂などが挙げられる。
(第1の実施形態)
本発明に係る塗工装置の第1の実施形態の例を図2に示す。図2(A)は長手方向の要部模式図、図2(B)は短手方向の要部模式図である。図示した構成は、図1と同様にブース9の内部に収容されている。
図2に示すように本実施形態の塗工装置は、被塗工物1に塗工液を塗工するためのブース9と、ブース9内に被塗工物1を回転可能に保持する保持手段4と、被塗工物1の回転軸D方向に沿って移動し、被塗工物1の塗工面に塗工液を吐出するノズル3を有する吐出手段30と、塗工液の吐出方向Eと略平行な方向Fに気流を形成する気流発生手段5と、塗工液が塗工された被塗工物1の塗工面を被覆し、塗工液の気化した溶媒蒸気を含む雰囲気を保持する第一のフード部材2aと、気流発生手段5により生じたブース9内の気流を遮蔽する第二のフード部材2bと、を備え、第一のフード部材2aは、ノズル3に追従して被塗工物1の回転軸D方向に沿って移動する。
第一のフード部材2aは、吐出手段30のノズル3から吐出され、被塗工面に着弾した塗工液の溶媒(溶剤)蒸気の保持を行う部材である。
第一のフード部材2aは、被塗工物1の少なくとも長手方向(回転軸D方向)の一部の周囲を覆う部材であり、フード部材2aと被塗工物1との間に形成される空間20に塗工液の溶媒蒸気が保持される。
第一のフード部材2aは、図中矢印D1で示すノズル3の移動に追従して、図中矢印D2で示す方向に移動する。
第一のフード部材2aは、装置の被稼働時、ノズル3により塗工液が吐出される位置よりも上流側(図2(A)では左側)で待機し、塗工開始後は、ノズル3による塗工後の領域を乾燥条件に応じて被塗工物1上を移動する。これにより、被塗工物1の塗工面は、第一のフード部材2aにより被覆されている間は溶媒蒸気が保持され、塗膜のレベリングが行われ、その後第一のフード部材2aが移動して露出されて乾燥が始まる。
第一のフード部材2aはノズル3に追従して移動するが、移動速度は塗膜のレベリングに必要な時間に応じて適宜設定することができ、ノズル3と異なっていてもよい。
本実施形態において、被塗工物1はドラム型の基体であり、第一のフード部材2aは中空の円筒状の部材である。被塗工物1の塗工面と対向する第一のフード部材2aの内壁との離間距離は、要求される乾燥性等に応じて調整することができるが、例えば、5mm~20mmとすることができる。
第一のフード部材2aの材質としては、耐溶剤性を有し、溶剤の蒸気を保持することができるものであれば特に限定されない。
第二のフード部材2bは、ブース内の換気装置である気流発生手段5による気流を遮蔽し、気流が直接被塗工物1に当たるのを防止する。
また、被塗工物1と気流発生手段5との間に配設され、気流を受け流し被塗工物1にあてないまま排気させる機構があると好ましい。
本実施形態において、第二のフード部材2bは気流を遮断可能なものであれば特に限定されず、形状や材質は適宜選択することができる。図2の例では、二方向に勾配を有する屋根型形状を有しているが、被塗工物1を気流から保護することができる形状であればこの形状に限定されない。
被塗工物1を回転可能に保持する保持手段4は、被塗工物1を被塗工面以外(内側)で支えるものであれば特に限定されない。また、被塗工物1を回転させるための回転機構を設けることができる。
本実施形態のフード部材は、溶媒蒸気を含む雰囲気を保持するための第一のフード部材2aと、気流を遮蔽する第二のフード部材2bとが別の部材として構成されているが、後述する他の実施形態のように一体の部材で構成されていてもよい。
本発明に係る塗工装置のフード部材は、ブース9内の気流による被塗工物1への影響を防止し、溶媒蒸気を含む雰囲気を保持して塗工後の塗膜のレベリングを補助し、ノズル3の移動により順次塗工された領域に沿って順次乾燥を開始するための機能を有している。
本実施形態の塗工装置において、回転している被塗工物1に対し、移動しながらノズル3が塗工液を吐出し、被塗工物1に塗膜を形成する。フード部材(第一のフード部材2a)に被覆された領域では、空間20に塗工液の溶媒の蒸気が飽和するため、塗膜が十分にレベリングされる。気流により塗膜がレベリング中に乾燥し始めてしまうと、膜厚の薄い部分と厚い部分との間で縞模様状のムラが生じ、均一な膜厚が得られないという問題があるが、フード部材(第一のフード部材2a)を設けることにより、これを防止することができる。
レベリング後は乾燥が開始されるが、乾燥初期の段階では塗膜はウェットの状態であるため、気流や風による影響を受けやすい。
これに対し、フード部材(第二のフード部材2b)により気流(乾燥させるための風)を遮蔽することにより、レベリングされた塗膜に歪みが生じるのを防止することができる。
ノズル3の移動により順次塗工された領域に沿って順次乾燥を開始する方法としては、本実施形態のように第一のフード部材2aをノズル3の移動に追従させる方法がある。また、後述するフード部材が一体の部材からなる態様においては、気流の下流方向に通気可能な構成を設け、ノズル3の移動に追従して順に通気を行う方法であってもよい。
(第2の実施形態)
本発明に係る塗工装置の第2の実施形態の例を図3に示す。図3(A)は長手方向の要部模式図、図3(B)は短手方向の要部模式図である。
本実施形態は、フード部材2が一体の単一部材からなる点において第1の実施形態と異なるが、それ以外の要部構成は第1の実施形態と同様である。また、図示した構成は、図1と同様にブース9の内部に収容されている。
本実施形態の塗工装置は、被塗工物1の回転軸D方向に沿って移動し、被塗工物1の塗工面に塗工液を吐出するノズル3を有する吐出手段30と、被塗工物1の塗工面を被覆し、塗工液の気化した溶媒蒸気を含む雰囲気を保持するとともに、気流発生手段5により生じたブース内の気流を遮蔽するフード部材2cと、を備えている。
また、図3に示すように、ブース9内の空気を吸引する吸引手段6を備え、吸引手段6は、気流発生手段5により生じたブース9内の気流の方向Fにおいて、被塗工物1の下流側に配設され、吐出手段のノズル3に追従して被塗工物1の回転軸D方向に沿って移動する。すなわち、吸引手段6は、図中矢印D1で示すノズル3の移動に追従して、図中矢印D3で示す方向に移動しながら吸引を行う。
フード部材2cは、被塗工物1を保護する機能と、塗工液の溶媒蒸気を保持する機能とを有している。フード部材を一体の部材とすることで、省スペース化を実現することができる。また、フード部材2cは密閉性が高いため、塗膜のレベリング速度の向上、塗膜安定性の向上の効果が得られる。
フード部材2cは、ブース9内に被塗工物1とともに設置・除去される態様であってもよい。この場合、フード部材2cは、ノズル3からの塗工液の吐出を受けるための図示しないスリットを備えていることが好ましい。さらに、フード部材2cは、吸引手段6による空間20内の気体(蒸気)の吸引を可能とするための図示しないスリットを備えていることが好ましい。スリットの幅としては、適宜選択することができるが、例えば、3mm~50mm程度であることが好ましい。
また、フード部材2cは、設置された被塗工物1に対してスライド移動して、塗工面を順次被覆し、開放する態様であってもよい。
フード部材2cの形状は、被塗工物1の全体を被覆可能であれば特に限定されず、適宜選択することができる。
被塗工物1の塗工面と対向するフード部材2cの内壁との離間距離は、要求される乾燥性等に応じて調整することができるが、例えば、5mm~20mmとすることができる。
またフード部材2cの材質としては、耐溶剤性を有し、溶剤の蒸気を保持することができるものであれば特に限定されない。
吸引手段6は、ブース9内の気流の下流側において吸気可能な手段であれば特に限定されない。吸引口の形状としては、例えば、丸形や矩形とすることができる。また、吸引口の面積としては、例えば、100m程度とすることができる
吸引手段6はノズル3に追従して移動しながら吸引を行うが、移動速度は塗膜の乾燥に必要な時間に応じて適宜設定することができ、ノズル3と異なっていてもよい。
(第3の実施形態)
本発明に係る塗工装置の第3の実施形態の例を図4に示す。図4(A)は長手方向の要部模式図、図4(B)は短手方向の要部模式図である。
本実施形態は、フード部材2が一体の単一部材からなる点において第1の実施形態と異なるが、それ以外の要部構成は第1の実施形態と同様である。また、図示した構成は、図1と同様にブース9の内部に収容されている。
本実施形態の塗工装置は、被塗工物1の回転軸D方向に沿って移動し、被塗工物1の塗工面に塗工液を吐出するノズル3を有する吐出手段30と、被塗工物1の塗工面を被覆し、塗工液の気化した溶媒蒸気を含む雰囲気を保持するとともに、気流発生手段5により生じたブース内の気流を遮蔽するフード部材2cと、を備えている。
また、図4に示すように、フード部材2cの一部が、通気可能な多孔質フィルター7からなる。
また、図4に示すように、ブース9内の空気を吸引する吸引手段6を備えている。吸引手段6は、上述の第二の実施形態と同様である。
フード部材2cは、被塗工物1を保護する機能と、塗工液の溶媒蒸気を保持する機能とを有している。フード部材を一体の部材とすることで、省スペース化を実現することができる。
また、本実施形態のフード部材2cは、一部が多孔質フィルター7で構成され、適度な通気性が付与されるため、乾燥効率が向上する。
多孔質フィルター7の材質としては、耐溶剤性を有するものであれば特に限定されない。また、多孔質フィルター7のメッシュは、通気性が付与される限り特に限定されないが、例えば、10~200μmとすることができる。
多孔質フィルター7を備えたフード部材2cを適用することにより、レベリングに必要な塗工液の溶媒蒸気を保持し、蒸気が過剰になるのを防止することができる。また、移動しながら吸引を行う吸引手段6を備えることにより、吸引による気流Fが被塗工物1に影響を与えない程度の吸引を行うことができ、ノズル3の移動により順次塗工された領域に沿って順次乾燥を行うことが出来る。
フード部材2cは、ブース9内に被塗工物1とともに設置・除去される態様であってもよい。この場合、フード部材2cは、ノズル3からの塗工液の吐出を受けるための図示しないスリットを備えていることが好ましい。
また、設置された被塗工物1に対してスライド移動して、塗工面を順次被覆し、開放する態様であってもよい。
フード部材2cの形状は、被塗工物1の全体を被覆可能であれば特に限定されず、適宜選択することができる。
被塗工物1の塗工面と対向するフード部材2cの内壁との離間距離は、要求される乾燥性等に応じて調整することができるが、例えば、5mm~20mmとすることができる。
またフード部材2cの材質としては、耐溶剤性を有し、溶剤の蒸気を保持することができるものであれば特に限定されない。
(第4の実施形態)
本発明に係る塗工装置の第5の実施形態の例を図5に示す。図5(A)は長手方向の要部模式図、図5(4)は短手方向の要部模式図である。
本実施形態は、フード部材2が一体の単一部材からなる点において第1の実施形態と異なるが、それ以外の要部構成は第1の実施形態と同様である。また、図示した構成は、図1と同様にブース9の内部に収容されている。
本実施形態の塗工装置は、被塗工物1の回転軸D方向に沿って移動し、被塗工物1の塗工面に塗工液を吐出するノズル3を有する吐出手段30と、被塗工物1の塗工面を被覆し、塗工液の気化した溶媒蒸気を含む雰囲気を保持するとともに、気流発生手段5により生じたブース内の気流を遮蔽するフード部材2cと、を備えている。
また、図5に示すように、フード部材2cは、ブース9内の気流の方向において下流側に開閉部材8を備えている。
図5に示す例において、開閉部材8は、被塗工物1の回転軸D方向に複数分割された扉状の可動片11と、被塗工物1の回転軸D方向に沿って設けられた可動片11の回動支点10と、を有している。複数の可動片11は、ノズル3の移動方向に沿って順次開く構成となっている。
図5(B)中、可動片11は破線で示した状態が「閉」状態であり、実線で示した状態が「開」状態であり、回動支点10を支点として矢印の方向に変位することにより「閉」から「開」となる。
開閉の動作は、外部の駆動機構等によって行われてもよい。また、開閉動作は、レベリングや乾燥の条件に応じて制御されることが好ましい。
可動片11の材質は、特に限定されず、フード部材2cと同様の材質とすることができる。
また、図5(A)に示す例では、可動片11は被塗工物1の回転軸方向(長手方向)に4分割されているが、分割数はこれに限定されない。可動片11が長手方向に分割されていない態様であってもよい。
図5(B)に示す例では、回動支点10を支点に可動片が開閉する態様を示しているが、開閉の態様はこれに限定されず、ノズル3の移動により順次塗工された領域に沿って順次乾燥を開始するように開放されるものであれば適宜選択することができる。
以上のように、本発明に係る塗工装置によれば、被塗工物1に形成される塗膜の膜厚均一性に優れ、少量多品種にも対応できる塗工を実現可能である。
(吐出手段)
本発明に係る塗工装置が備える吐出手段の例について説明する。
吐出手段とは、例えば、ノズルと、塗工液を吐出するノズル孔と、ノズル孔に連通する液室と、液室に塗工液を供給する塗工液供給部と、ノズル孔からの塗工液の吐出の可不を切り替える切換え部等を備え、塗工液を液状態のまま吐出して被塗工物を塗工するものを指す。また、少量の塗工液の供給、吐出を制御可能であることが好ましい。
図6は、吐出手段30の一例を示す説明図である。図6(A)に示す吐出部分と図6(B)に示す塗工液の貯留部分は互いに連通している。
塗工液タンク26にエアーパイプ27からエアーが送られ圧力がかかると、塗工液はフィルター25と塗工液走路24を通ってノズル(塗工ノズル)3に送られる。
ノズル3に送られた塗工液はニードル弁22によって制御される。塗工時は、ノズル3の先端からビーム状の塗工液23となり吐出される。
図7は、ノズル3の一例を示す説明図である。
図7に示すように、ノズル3は、塗工液が吐出されるノズル孔32と、ノズル孔32に塗工液を供給する液室33と、ノズル孔32を開閉するニードル弁34と、ニードル弁34を駆動する駆動機構38と、駆動機構38を収容する空間を区画する弾性体からなる隔膜40,41と、を備えている。
ニードル弁34は、液室33の中にあって、先端にてノズル孔32を閉鎖又は開放する。駆動機構38は、ニードル弁34に固定され、例えば、ピエゾ素子である。
液室33の側部には、塗料入力通路35が接続され、反対側の液室3の側部には塗料回収通路36が接続されている。液室33には、図示しない塗料供給部から塗料入力通路35を通じて常に塗料が供給され、塗料回収通路36から回収されることによって、塗料が滞留することなく塗料が充填される。ノズル孔32が閉状態にあっては、塗料入力通路35からの塗料流量が調整されることによって液室33内に所定の圧力がかかった状態が維持されるようになっている。
駆動機構38としてのピエゾ素子は、図示しない電圧印加部により所定以上の電圧が印加されると、ニードル弁34の軸方向に長さを変化させ、ニードル弁34をノズル孔32に向けて移動させる(前進させる)。この閉鎖手順によりニードル弁34の先端がノズル孔32を閉鎖するようになされている(ノズル孔閉状態)。
一方、ピエゾ素子は、ノズル閉状態から印加電圧が降下されると、ニードル弁34をノズル孔32から離す方向に変形し、ニードル弁34の先端がノズル孔32から離れるようになされている(ノズル孔開状態)。この開放手順によりノズル孔32が開くと、液室33内の圧力によりノズル孔32から塗工液が吐出される。
駆動機構38は、駆動機構収容空間39に収容されている。駆動機構収容空間39は、液室33とは、弾性体からなる隔膜(二重のOリング)40,41により分離され、液室33内の液体が駆動機構収容空間39に流出しないようになされている。
ノズル3は、塗工液と洗浄液とを切り換えて吐出可能であることが好ましい。
ノズル3は、塗工液及び洗浄液が吐出されるノズル孔32と、ノズル孔32に塗工液及び洗浄液を供給する液室33と、ノズル孔32を開閉するニードル弁34と、ニードル弁34を駆動する駆動機構38と、駆動機構38を収容する空間39を区画する弾性体からなる隔膜40,41と、塗工液と洗浄液の供給を切り換える機構と、を備える構成であることが好ましい。
洗浄液としては、通常塗工液に使用する溶媒である。使用される樹脂等により異なり、特に限定されない。
洗浄液を吐出可能とすることにより、ノズル3や塗工液給路内の洗浄を行うことができるとともに、塗液カス等による吐出圧力の変動を防止して均一な塗膜を形成可能にし、さらに異物の付着等による塗膜欠陥のない良好な塗膜を与えることができる。
例えば、被塗工物1に対する塗工を終了した後、塗工液供給口からの塗工液の供給を止め、洗浄液供給口より洗浄液を供給し、洗浄液を吐出することで、ノズル内部及びノズル先端部の詰まり、堆積・凝集物の発生を防止し、欠陥がなく、均一性に優れた塗膜が得られる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 被塗工物に塗工液を塗工するためのブースと、
前記ブース内に前記被塗工物を回転可能に保持する保持手段と、
前記被塗工物の回転軸方向に沿って移動し、前記被塗工物の塗工面に前記塗工液を吐出するノズルを有する吐出手段と、
前記塗工液の吐出方向と略平行な方向に気流を形成する気流発生手段と、
前記被塗工物の前記塗工面を被覆し、前記塗工液の気化した溶媒蒸気を含む雰囲気を保持するとともに、前記気流発生手段により生じた前記ブース内の気流を遮蔽するフード部材と、を備えることを特徴とする塗工装置である。
<2> 被塗工物に塗工液を塗工するためのブースと、
前記ブース内に前記被塗工物を回転可能に保持する保持手段と、
前記被塗工物の回転軸方向に沿って移動し、前記被塗工物の塗工面に前記塗工液を吐出するノズルを有する吐出手段と、
前記塗工液の吐出方向と略平行な方向に気流を形成する気流発生手段と、
前記塗工液が塗工された前記被塗工物の前記塗工面を被覆し、前記塗工液の気化した溶媒蒸気を含む雰囲気を保持する第一のフード部材と、
前記気流発生手段により生じた前記ブース内の気流を遮蔽する第二のフード部材と、を備え、
前記第一のフード部材は、前記吐出手段のノズルに追従して前記被塗工物の回転軸方向に沿って移動することを特徴とする塗工装置である。
<3> 前記ブース内の空気を吸引する吸引手段を備え、
前記吸引手段は、前記気流発生手段により生じた前記ブース内の気流の方向において、前記被塗工物の下流側に配設され、前記吐出手段の前記ノズルに追従して前記被塗工物の回転軸方向に沿って移動することを特徴とする前記<1>または<2>に記載の塗工装置である。
<4> 前記フード部材の一部が、通気可能な多孔質フィルターからなり、
前記ブース内の空気を吸引する吸引手段を備え、
前記吸引手段は、前記ブース内の気流の方向において、前記被塗工物の下流側に配設され、前記吐出手段の前記ノズルに追従して移動することを特徴とする前記<1>に記載の塗工装置である。
<5> 前記フード部材は、前記ブース内の気流の方向において下流側に開閉部材を備えることを特徴とする前記<1>に記載の塗工装置である。
<6> 前記フード部材は、前記ブース内の気流の方向において下流側に開閉部材を備え、
前記開閉部材は、前記被塗工物の回転軸方向に複数分割された扉状の可動片と、前記被塗工物の回転軸方向に沿って設けられた前記可動片の回動支点と、を有し、
複数の前記可動片が、前記ノズルの移動方向に沿って順次開くことを特徴とする<1>に記載の塗工装置である。
<7> 前記ノズルは、前記塗工液が吐出されるノズル孔と、前記ノズル孔に前記塗工液を供給する液室と、前記ノズル孔を開閉するニードル弁と、前記ニードル弁を駆動する駆動機構と、前記駆動機構を収容する空間を区画する弾性体からなる隔膜と、を備えることを特徴とする前記<1>から<6>のいずれかに記載の塗工装置である。
<8> 前記ノズルは、前記塗工液と洗浄液とを切り換えて吐出可能であり、
前記塗工液及び前記洗浄液が吐出されるノズル孔と、前記ノズル孔に前記塗工液及び前記洗浄液を供給する液室と、前記ノズル孔を開閉するニードル弁と、前記ニードル弁を駆動する駆動機構と、前記駆動機構を収容する空間を区画する弾性体からなる隔膜と、前記塗工液と前記洗浄液の供給を切り換える機構と、を備えることを特徴とする前記<1>から<6>のいずれかに記載の塗工装置である。
1 被塗工物
2 フード部材
2a 第一のフード部材
2b 第二のフード部材
3 ノズル
4 保持手段
5 気流発生手段
6 吸引手段
7 多孔質フィルター
8 開閉手段
9 ブース
10 回動支点
11 可動片
特開平2-272562号公報

Claims (8)

  1. 被塗工物に塗工液を塗工するためのブースと、
    前記ブース内に前記被塗工物を回転可能に保持する保持手段と、
    前記被塗工物の回転軸方向に沿って移動し、前記被塗工物の塗工面に前記塗工液を吐出するノズルを有する吐出手段と、
    前記塗工液の吐出方向と略平行な方向に気流を形成する気流発生手段と、
    前記被塗工物の前記塗工面を被覆し、前記塗工液の気化した溶媒蒸気を含む雰囲気を保持するとともに、前記気流発生手段により生じた前記ブース内の気流を遮蔽するフード部材と、を備えることを特徴とする塗工装置。
  2. 被塗工物に塗工液を塗工するためのブースと、
    前記ブース内に前記被塗工物を回転可能に保持する保持手段と、
    前記被塗工物の回転軸方向に沿って移動し、前記被塗工物の塗工面に前記塗工液を吐出するノズルを有する吐出手段と、
    前記塗工液の吐出方向と略平行な方向に気流を形成する気流発生手段と、
    前記塗工液が塗工された前記被塗工物の前記塗工面を被覆し、前記塗工液の気化した溶媒蒸気を含む雰囲気を保持する第一のフード部材と、
    前記気流発生手段により生じた前記ブース内の気流を遮蔽する第二のフード部材と、を備え、
    前記第一のフード部材は、前記吐出手段のノズルに追従して前記被塗工物の回転軸方向に沿って移動することを特徴とする塗工装置。
  3. 前記ブース内の空気を吸引する吸引手段を備え、
    前記吸引手段は、前記気流発生手段により生じた前記ブース内の気流の方向において、前記被塗工物の下流側に配設され、前記吐出手段の前記ノズルに追従して前記被塗工物の回転軸方向に沿って移動することを特徴とする請求項1または2に記載の塗工装置。
  4. 前記フード部材の一部が、通気可能な多孔質フィルターからなり、
    前記ブース内の空気を吸引する吸引手段を備え、
    前記吸引手段は、前記ブース内の気流の方向において、前記被塗工物の下流側に配設され、前記吐出手段の前記ノズルに追従して移動することを特徴とする請求項1に記載の塗工装置。
  5. 前記フード部材は、前記ブース内の気流の方向において下流側に開閉部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の塗工装置。
  6. 前記フード部材は、前記ブース内の気流の方向において下流側に開閉部材を備え、
    前記開閉部材は、前記被塗工物の回転軸方向に複数分割された扉状の可動片と、前記被塗工物の回転軸方向に沿って設けられた前記可動片の回動支点と、を有し、
    複数の前記可動片が、前記ノズルの移動方向に沿って順次開くことを特徴とする請求項1に記載の塗工装置。
  7. 前記ノズルは、前記塗工液が吐出されるノズル孔と、前記ノズル孔に前記塗工液を供給する液室と、前記ノズル孔を開閉するニードル弁と、前記ニードル弁を駆動する駆動機構と、前記駆動機構を収容する空間を区画する弾性体からなる隔膜と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の塗工装置。
  8. 前記ノズルは、前記塗工液と洗浄液とを切り換えて吐出可能であり、
    前記塗工液及び前記洗浄液が吐出されるノズル孔と、前記ノズル孔に前記塗工液及び前記洗浄液を供給する液室と、前記ノズル孔を開閉するニードル弁と、前記ニードル弁を駆動する駆動機構と、前記駆動機構を収容する空間を区画する弾性体からなる隔膜と、前記塗工液と前記洗浄液の供給を切り換える機構と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の塗工装置。
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