JP2024065582A - 無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスおよびその製造方法 - Google Patents

無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融混練した際の流動性が高く、水酸基などの極性基含有樹脂との反応性が高い無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを提供する。【解決手段】下記(1)~(2)を満たす熱分解無水マレイン酸変性ポリエチレンワックス。(1)GPC法によって測定した数平均分子量が、500以上3,000未満である。(2)1H-NMR測定によって算出した主鎖CH21000個当たりのグラフト化無水マレイン酸の数が、0.5以上20以下である。【選択図】 なし

Description

本発明は、無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスおよびその製造方法に関するものである。
分子量1万以下の低分子量ポリマーは、分子量数万から数十万の一般的なポリマーとは異なる物理的、化学的性質を示す。なかでも低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなどのポリオレフィンワックスは、生産されるプラスチックの多くを占めるポリオレフィンと高い相溶性を示し、顔料分散剤や成形加工助剤、インキまたは塗料の添加剤、ホットメルト接着剤の添加剤など幅広い用途に使用されている。さらに、ポリオレフィンワックスを変性することで得られる変性ポリオレフィンワックスは、水酸基などの極性基含有成分との相溶性が高いことから、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネートなどの合成樹脂とポリオレフィンから成るポリマーアロイにおける相溶化剤だけでなく、木粉、紙粉などのセルロース系粉末、ガラス繊維などをポリオレフィン系樹脂に複合化する際の分散剤としても有用である。一般的に、ポリエチレンを変性させる手法としては、エチレン系モノマーと不飽和無水カルボン酸を共重合させる重合法と、ポリエチレンに不飽和無水カルボン酸をグラフト化させるグラフト法などが挙げられる。グラフト法については廃棄されたポリエチレンを使用することができるため、近年重要視されているリサイクルの観点からも有用な手法である。グラフト化の方法としては、バッチ式(例えば、特許文献1、2)、連続式いずれの方法も知られており、連続式では、押出機中で溶融させたポリエチレンに無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸を導入し、反応押出する方法(例えば、特許文献3~7参照。)が例示されている。
特開2004-114610号公報 特開2022-29376号公報 特開2006-342290号公報 特表2008-516059号公報 特許第5385129号公報 特表平9-506657号公報 特開2021-73331号公報
特許文献1に提案された変性低分子量エチレン系重合体は、バッチ式で長い反応時間を要するため、生産性に問題があった。特許文献2に提案されたマレイン酸変性ポリオレフィンおいては、融点低下を抑制するため、一定以上の分子量に保持する必要があり、流動性および極性基含有成分との反応性には限界があった。
特許文献3および4においては、分子量が大きいことから溶融混練する際の流動性が低く、極性基含有樹脂との反応性に乏しいことが問題であった。特許文献5および6においては、不飽和基の少ない原料を用いるため、酸価度を増加させるために過酸化物および不飽和カルボン酸無水物を多量に使用する必要があり、ゲル化や臭気の発生が問題であった。特許文献7に提案されたMAH-g-LLDPEにおいては、ラジカル開始剤を添加せずに調製されているが、メルトインデックス(MI)が低く、ワックス用途としては流動性が不十分であることが問題であった。
そこで、本発明は、成形加工助剤としての高い流動性、および極性基含有成分との高い相溶性を有し、かつゲル化などによる増粘、臭気の発生が抑制された無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを提供することを目的とするものであり、さらに詳しくは、プラスチックスやゴムの成形助剤、滑剤、離型剤、インキおよび塗料添加剤、顔料分散剤、ホットメルト接着剤用途などのポリエチレンワックスとしての用途に加え、ポリマーアロイ用相溶化剤、フィラー等の分散剤としても有用である無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスが、流動性および極性基含有成分との反応性が高く、かつ低コストとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の各態様は、以下に示す[1]~[4]である。
[1]下記(1)~(2)を満たす無水マレイン酸変性熱分解ポリエチレンワックス。
(1)GPC法によって測定した数平均分子量が、500以上3,000未満である。
(2)H-NMR測定によって算出した主鎖CH1000個当たりのグラフト化無水マレイン酸の数が、0.5以上20以下である。
[2]以下の工程(a)、(b)を含む[1]に記載の無水マレイン酸変性熱分解ポリエチレンワックスの製造方法。
工程(a)押出機に供給されたポリエチレン系樹脂を熱分解する工程
工程(b)工程(a)で得られた熱分解ポリエチレンワックスを押出機中で無水マレイン酸変性する工程
[3]工程(a)の押出機のシリンダ温度が330℃以上480℃以下、工程(b)の押出機のシリンダ温度150℃以上250℃以下である、[2]に記載の無水マレイン酸変性熱分解ポリエチレンワックスの製造方法。
[4] 工程(a)及び工程(b)を、連結されたそれぞれ異なる押出機で行う、[2]又は[3]に記載の無水マレイン酸変性熱分解ポリエチレンワックスの製造方法。
本発明によれば、プラスチックスやゴムの成形助剤、滑剤、離型剤、インキおよび塗料添加剤、顔料分散剤、ホットメルト接着剤用途などのポリエチレンワックスとしての用途に加え、ポリマーアロイ用相溶化剤、フィラー等の分散剤としても有用である無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを提供することができ、その産業的価値は極めて高いものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の一態様である無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスは、GPCによって測定した数平均分子量(Mn)が500以上3,000未満のものである。数平均分子量(Mn)が500未満である場合、高温加工時の発煙や成形体のべたつきが多く、耐ブロッキング性、靭性に劣るものとなる。一方、3,000を超える場合、極性基含有成分と過剰な反応性による増粘およびゲル化が発生する恐れがある。
H-NMR測定によって算出した前記無水マレイン酸変性ポリエチレンワックス主鎖CH1000個当たりのグラフト化無水マレイン酸の数は、0.5以上20以下である。ここで、0.5未満であると、ポリマーアロイ用相溶化剤およびフィラー分散剤として極性基含有成分に混合した際の反応性に劣り、逆に20超であると、過剰な反応による増粘およびゲル化が発生する恐れがある。グラフト化無水マレイン酸の数の算出は後述の方法により行った。
前記無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスは、無水マレイン酸変性された熱分解ポリエチレンワックスである。重合ポリエチレンワックスは無水マレイン酸との反応性が低いため、無水マレイン酸変性された重合ポリエチレンワックスは、製品中に未反応の無水マレイン酸が残存することで、臭気の発生や人体へ悪影響を及ぼす恐れがある。
前記無水マレイン酸変性熱分解ポリエチレンワックスの製造方法としては、以下の工程(a)、(b)を含む方法が挙げられる。
(a)押出機に供給されたポリエチレン系樹脂を熱分解する工程
(b)ポリエチレン系樹脂を熱分解することによって得られた熱分解ポリエチレンワックスを押出機中で無水マレイン酸変性する工程
(a)工程で用いるポリエチレン系樹脂(以下、原料ポリエチレン(A)とする)は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン―酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと略記することもある。)、ケン化EVA等のポリエチレン系樹脂を挙げることができる。これらポリエチレン系樹脂の中でも、特に成形加工助剤、ポリマーアロイ用相溶化剤、フィラー分散剤など幅広い用途に使用でき、分子量の制御が容易であることから、ポリエチレンを主成分としたポリエチレン系樹脂であることが好ましく、該ポリエチレンの含有量としては、安定した品質の無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスとなることから、該ポリエチレンが70重量%以上含まれることが好ましく、特に該ポリエチレンが80重量%以上であることが好ましい。
前記押出機は、特に限定されるものではなく、例えば単軸スクリュ押出機、同方向回転2軸スクリュ押出機、異方向回転2軸スクリュ押出機、スクリュが押出機のシリンダ内に3本以上、並列して配置された4軸ないしは8軸などの多軸スクリュ押出機、さらにタンデム式押出機として、2台以上の押出機を直列に連結したもの、一方の押出機の出口と他方の押出機の入口とを連結してL字状に配置したもの、一方の押出機の出口と他方の押出機の側面とを連結してT字状に配置したものなどを挙げることができる。また、該タンデム式押出機を構成する各押出機としては、単軸スクリュ押出機あるいは2軸以上8軸以下の多軸スクリュ押出機などを挙げることができ、これら押出機を2台以上組み合わせてタンデム式押出機とすることができる。これら押出機の中でも、とりわけ品質の安定した無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスが得られ、押出時のトルクや吐出量の安定性に優れることから、同方向回転2軸スクリュ押出機、4軸~8軸の多軸スクリュ押出機、タンデム式押出機であることが好ましい。これら押出機には無水マレイン酸、ラジカル開始剤等を投入するためのサイドフィーダーを設置することが好ましい。タンデム式押出機では、安定した品質の無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスとなることから、一段目でポリエチレンの熱分解により熱分解ポリエチレンワックスを製造し、二段目で熱分解ポリエチレンワックスと無水マレイン酸との反応により無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを製造することが好ましい。
また、前記押出機は、熱分解した低分子量のガス成分および未反応の無水マレイン酸を効率的に押出機外に排出するため、真空ベント口が設置されたものであることが好ましい。さらに、原料ポリエチレン(A)の熱分解および熱分解ポリエチレンの無水マレイン酸変性を効率良く行うことができ、品質の安定した無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスが得られることから、スクリュ長さ(L)とスクリュ直径(D)の比(L/D)は30以上、特に40以上のスクリュであることが好ましい。
前記工程(a)において、原料ポリエチレン(A)を押出機に供給した後、熱分解させる条件としては、所望の熱分解ポリエチレンワックスの分子量により適宜調整されるべきものであるが、熱分解を短時間で行い、得られる熱分解ポリエチレンワックスの酸化、臭気を抑えることが容易となることから、例えば、熱分解領域でのシリンダ温度は、330~480℃の範囲を挙げることができ、350~460℃であることがさらに好ましく、特に好ましくは380~450℃の範囲である。滞留時間としては、ポリエチレンの熱分解領域で1~30分の範囲を挙げることができ、2~20分であることがさらに好ましく、特に好ましくは3~15分の範囲である。
また、工程(b)において、押出機中で熱分解ポリエチレンワックスを無水マレイン酸変性させる条件としては、所望の無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスの変性度により適宜調整されるべきものであるが、得られる無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスの増粘を抑えることが容易となることから、例えば、無水マレイン酸変性領域でのシリンダ温度は、150~250℃の範囲を挙げることができ、165℃~235℃であることがさらに好ましく、特に好ましくは180~220℃の範囲である。滞留時間としては、熱分解ポリエチレンワックスの無水マレイン酸変性領域で1~20分の範囲を挙げることができ、2~15分であることがさらに好ましく、特に好ましくは3~10分の範囲である。また、無水マレイン酸供給量は、原料ポリエチレン(A)に対して1重量%以上50重量%以下が好ましく、3重量%以上45重量%以下であることがさらに好ましく、特に好ましくは5重量%以上40重量%以下である。
工程(b)において、ラジカル反応促進のためのラジカル開始剤等を配合することができる。ラジカル開始剤は、例えば、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物を用いることが好ましい。ラジカル開始剤は熱分解ポリエチレンワックスに対して1000ppm以下が好ましい。1000ppmを超えると過剰な反応による増粘の発生などの恐れがあるため好ましくない。
前記無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスには、本発明の目的を逸脱しない範囲で、各種添加剤を混合して使用することができ、例えば酸化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2-t-ブチル-4-メチルフェノール、n-オクタデシル-3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス[β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニトリルオキシメチル]メタン等、スリップ剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、離型剤および相溶化剤などの添加剤を1種以上添加したものであってもよい。なお、これらの添加剤は、原料ポリエチレン(A)に含まれていてもよく、無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスの製造後に添加しても構わない。
また、得られる無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスの酸化劣化、臭気を抑え、かつ分子量、変性度の制御が容易となることから、熱分解および無水マレイン酸変性させる際の押出機内は水素、ヘリウム、アルゴン、窒素、炭酸ガス等の不活性ガスにより置換されていることが好ましく、特に窒素ガスにより置換されていることが好ましい。
前記無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスは、ペレットやパウダー、フレーク、グラニュール、グレイン、ペーストなどの任意の形態として使用することができる。また、無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスは、フィラー、顔料などの分散剤、離型剤、滑剤、可塑剤などとしてのプラスチックやゴムの成形加工助剤、インキ、塗料、コーティング剤、ポリッシュ、シーラント、天然ワックスあるいはホットメルト接着剤などへの添加剤、化粧品、洗顔料、紙質向上剤、ロードマーキングやアスファルト改質剤などの土木用添加剤、ポリマーアロイ用相溶化剤などの用途として幅広く使用できる。
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)メルトマスフローレート(MFR)
JIS K6922-1(1997年)に準拠して測定した。
(2)密度
JIS K6922-1(1997年)に準拠して測定した。
(3)GPC測定
装置:HLC-8321GPC/HT(検出器:RI方式)(東ソー株式会社製)
カラム:以下の(i)のカラムを1本、(ii)のカラムを3本、直列で使用
(i)TSKgel guardColumuH(HR)(30)HT
(7.5mmI.D.)×7.5Cm)(東ソー株式会社製)×1本
(ii)TSKgel GMH(HR)-H(20)HT
(7.5mmI.D.)×30Cm)(東ソー株式会社製)×3本
溶離液:1,2,4-トリクロロベンゼン(BHT:0.05wt%含有)
(富士フィルム和光純薬株式会社より購入)
流速:1.0mL/分
注入量:0.3mL
カラム温度:140℃
システム温度:40℃
試料濃度:1mg/mL
検量線:東ソー株式会社製、標準ポリスチレンを用いた5次近似曲線。但し、分子量はQファクターを用いてPE換算分子量にした。
(4)NMR測定およびグラフト化数の算出
H-NMR測定~
装置: Bruker ADVANCE NEO 700
プローブ:10mmφ PABBO BB
溶媒:オルトジクロロベンゼン-d
温度:100℃
積算回数:256回
~グラフト化数の算出~
主鎖CH1000個当たりのグラフト化無水マレイン酸数はH-NMR(核磁気共鳴)分光法のスペクトルから求めることができる。すなわち、該スペクトル中のピークを帰属し、主鎖CH(1.0~2.2ppm)およびグラフト化無水マレイン酸(CHおよびCH:2.2~3.2ppm)由来の積分値から、H数で規格化し、下記式(1)によって算出した。
(5)溶融粘度および流動性の評価
粘度計(ブルックフィールド社製、商品名DV2Tを用いて、測定温度140℃の条件下で溶融粘度を測定した。そして、粘度が2,000mPa・s以下のものを流動性に優れると判断した。
[実施例1]
押出機として、スクリュ径11mm、スクリュ長さLとスクリュ直径Dの比(L/D)40の同方向噛合型二軸押出機(押出機C-1と表す)を用いた。該押出機はL/D=5相当を1ゾーンとして8ゾーンの温度設定ができ、スクリュ根本からダイ出口にかけてゾーン1からゾーン8とし、ゾーン1および2を可塑化領域、ゾーン3~5を熱分解領域、ゾーン6~8を無水マレイン酸変性領域とした。サイドフィーダーは無水マレイン酸(B)投入用(ゾーン6)として1箇所設置し、真空ベント口は脱気用(ゾーン2)、熱分解ガス排出用(ゾーン5)、未反応無水マレイン酸排出用(ゾーン8)として3箇所設置した。そして、原料ポリエチレン(A)として東ソー株式会社製の高密度ポリエチレン、商品名ニポロンハード:1200(A-1と表す、MFR21g/10分、密度952kg/m)、無水マレイン酸(B)として東京化成工業製の無水マレイン酸を用い、一定流量の窒素ガスと共にA-1を該押出機のメインフィーダーから、B-1を該押出機のサイドフィーダーから供給し、該押出機の熱分解領域のシリンダ温度を450℃、無水マレイン酸変性領域を200℃に加熱した条件でA-1供給速度1.0kg/hr、B-1供給速度200g/hrにて溶融混練することで熱分解および無水マレイン酸変性させた。次いで、該溶融混練物を該押出機の先端のシリンダ温度を200℃に加熱した条件にて、窒素雰囲気下に設置されたスチールベルト上に押出して冷却した後、カッティングすることでペレット状の無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを得た。そして、得られた無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを用いてGPC測定、H-NMR測定および流動性の評価を行った。それぞれの測定および評価を行った結果を表1に示した。
[実施例2]
原料ポリエチレン(A)として東ソー株式会社製の直鎖低密度ポリエチレン、商品名ニポロン-Z:HF213K(A-2と表す、MFR2.0g/10分、密度905kg/m)を使用した以外は実施例1と同様の方法により無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを得た。そして得られた無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを用いてGPC測定、H-NMR測定および流動性の評価を行った。それぞれの測定および評価を行った結果を表1に示した。
[実施例3]
原料ポリエチレン(A)として東ソー株式会社製の低密度ポリエチレン、商品名ペトロセン:202K(A-3と表す、MFR24g/10分、密度918kg/m)を使用した以外は実施例1と同様の方法により無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを得た。そして得られた無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを用いてGPC測定、H-NMR測定および流動性の評価を行った。それぞれの測定および評価を行った結果を表1に示した。
[実施例4]
タンデム式押出機として、スクリュ径12mm、スクリュ長さLとスクリュ直径Dの比(L/D)50の同方向噛合型二軸押出機を第一押出機とし、スクリュ径20mm、L/D30の2軸スクリュ押出機を第二押出機として、該第一押出機の出口と第二押出機の入口とを連結してL字状に配置した(押出機C-2と表す)。真空ベント口は脱気用として第一押出機に1箇所、熱分解ガス排出用として第一押出機に1箇所、未反応無水マレイン酸排出用として第二押出機に1箇所の計3箇所設置した。そして、A-1を一定流量の窒素ガスと共に第一押出機に供給し、該第一押出機のニーディングゾーンのシリンダ温度を450℃に加熱した条件でA-1供給速度1.0kg/hrにて溶融混練することで熱分解させた。次いで、該A-1の溶融混練物を該第一押出機の出口と連結された第二押出機に供給し、ニーディングゾーンのシリンダ温度を200℃に加熱した条件で、B-1供給速度300g/hrにて溶融混練することで無水マレイン酸変性させた。次いで、該溶融混練物を該第二押出機の先端のシリンダ温度を200℃に加熱した条件にて、窒素雰囲気下に設置されたスチールベルト上に押出して冷却した後、カッティングすることでペレット状の無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを得た。そして、得られた無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを用いてGPC測定、H-NMR測定および流動性の評価を行った。それぞれの測定および評価を行った結果を表1に示した。
[比較例1]
押出機C-1のゾーン3~5のシリンダ温度を300℃とし、ダイ出口から押し出されるストランド状の溶融部を冷却水槽に通過させ、その後ペレタイザーによってカッティングした以外は、実施例1と同様の方法により試料を得た。そして得られた試料を用いてGPC測定、H-NMR測定および流動性の評価を行った。それぞれの測定および評価を行った結果を表1に示した。
[比較例2]
C-1のゾーン6~8のシリンダ温度を130℃とした以外は、実施例1と同様の方法により試料を得た。そして得られた試料を用いてGPC測定、H-NMR測定および流動性の評価を行った。それぞれの測定および評価を行った結果を表1に示した。
[比較例3]
原料ポリエチレンとして、三井化学株会社製の低分子量高密度ポリエチレン、商品名ハイワックス:400(A-4と表す、数平均分子量2,100、密度980kg/m)を用い、C-1のゾーン3~5のシリンダ温度を200℃とし、熱分解させずにゾーン6~8で無水マレイン酸変性させた以外は実施例1と同様の方法により試料を得た。そして得られた試料を用いてGPC測定、H-NMR測定および流動性の評価を行った。それぞれの測定および評価を行った結果を表1に示した。
本発明は、溶融混練した際の流動性が高く、水酸基などの極性基含有樹脂との反応性が高い無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを提供するものであり、特にプラスチックスやゴムの成形助剤、ポリマーアロイ用相溶化剤、フィラー分散剤などに有用なものである。

Claims (4)

  1. 下記(1)~(2)を満たす無水マレイン酸変性熱分解ポリエチレンワックス。
    (1)GPC法によって測定した数平均分子量が、500以上3,000未満である。
    (2)H-NMR測定によって算出した主鎖CH1000個当たりのグラフト化無水マレイン酸の数が、0.5以上20以下である。
  2. 以下の工程(a)、(b)を含む請求項1に記載の無水マレイン酸変性熱分解ポリエチレンワックスの製造方法。
    (a)押出機に供給されたポリエチレン系樹脂を熱分解する工程
    (b)工程(a)で得られた熱分解ポリエチレンワックスを押出機中で無水マレイン酸変性する工程
  3. 工程(a)の押出機のシリンダ温度が330℃以上480℃以下、工程(b)の押出機のシリンダ温度が150℃以上250℃以下である、請求項2に記載の無水マレイン酸変性熱分解ポリエチレンワックスの製造方法。
  4. 工程(a)及び工程(b)を、連結されたそれぞれ異なる押出機で行う、請求項2又は3に記載の無水マレイン酸変性熱分解ポリエチレンワックスの製造方法。
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