JP2024065288A - 照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた無線性能を有する照明器具を提供する。【解決手段】照明器具1は、光源部10と、光源部10に電力を供給するための電源部20と、少なくとも光源部10の制御に関する無線通信を行う無線モジュール61と、光源部10を支持する金属製の支持部材30と、支持部材30と合わさることで無線モジュール61を収納する空間が形成される金属製の器具本体40と、を備える。支持部材30及び器具本体40の少なくとも一方は、外部との無線通信を行うためのスリット40aを有する。スリット40aの長さをAとし、無線通信を行う際の無線信号の波長をλとし、nを自然数とすると、0.84×n×λ/2×≦A≦0.12×n×λ/2の関係式を満たしている。【選択図】図8
Description
本発明は、照明器具に関する。
光源部と、光源部に電力を供給するための電源部と、光源部及び電源部を支持する金属製の支持部材とを備える長尺状の照明器具が知られている。この種の照明器具として、無線通信機能を有するものが知られている(例えば特許文献1)。無線通信機能を有する照明器具は、外部機器と無線通信を行うことができる無線モジュールを備える。無線モジュール及び電源部は、例えば、支持部材の裏側(光源部側とは反対側)に配置される。
しかしながら、無線通信機能を有する従来の照明器具は、無線性能が悪いという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、優れた無線性能を有する照明器具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る照明器具の一態様は、光源部と、前記光源部に電力を供給するための電源部と、少なくとも前記光源部の制御に関する無線通信を行う無線モジュールと、前記光源部を支持する金属製の支持部材と、前記支持部材と合わさることで前記無線モジュールを収納する空間が形成される金属製の器具本体と、を備え、前記支持部材及び前記器具本体の少なくとも一方は、外部との前記無線通信を行うためのスリットを有し、前記スリットの長さをAとし、前記無線通信を行う際の無線信号の波長をλとし、nを自然数とすると、0.84×n×λ/2×≦A≦0.12×n×λ/2の関係式を満たしている。
優れた無線性能を有する照明器具を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程及び工程の順序等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。また、各図において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表しており、本実施の形態では、Z軸方向を鉛直方向とし、Z軸に垂直な方向(XY平面に平行な方向)を水平方向としている。X軸及びY軸は、互いに直交し、且つ、いずれもZ軸に直交する軸である。なお、本明細書において、「上」及び「下」という用語は、必ずしも、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではない。
(実施の形態)
まず、実施の形態に係る照明器具1の構成について、図1~図5を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る照明器具1の斜視図である。図2は、同照明器具1の分解斜視図である。図3は、照明器具1の短手方向と平行な平面で切断したときの同照明器具1の断面図である。図4は、図3の断面における同照明器具1の断面斜視図である。図5は、照明器具1の長手方向と平行な平面で切断したときの同照明器具1の断面図である。なお、図5は、照明器具1の長手方向の一方の端部側の部分を示している。
まず、実施の形態に係る照明器具1の構成について、図1~図5を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る照明器具1の斜視図である。図2は、同照明器具1の分解斜視図である。図3は、照明器具1の短手方向と平行な平面で切断したときの同照明器具1の断面図である。図4は、図3の断面における同照明器具1の断面斜視図である。図5は、照明器具1の長手方向と平行な平面で切断したときの同照明器具1の断面図である。なお、図5は、照明器具1の長手方向の一方の端部側の部分を示している。
図1に示すように、照明器具1は、全体として長尺状のベースライトであり、ライン状の照明光を発する。照明器具1は、照明光として、例えば白色光等の所定の色の光を発する。本実施の形態における照明器具1は、照明光を調光及び調色することができる調光調色タイプの照明器具である。例えば、照明器具1は、照明光として、昼光色~電球色(6500K~2700K)の範囲の任意の色温度の白色光を照射することができる。また、本実施の形態において、照明器具1は、配線ダクト2(ライティングダクト)に取り付けられて使用される。
配線ダクト2は、照明器具1が取り付けられる被取付部材の一例であり、施設、店舗又は住宅等の建物における天井、梁又は壁等の造営材に設置される。照明器具1は、配線ダクト2に取り付けられることで、配線ダクト2から交流電力(系統電力等)の供給を受ける。なお、照明器具1は、配線ダクト2に設置される場合に限らず、建物の造営材を被取付部材としてもよい。この場合、照明器具1は、建物の造営材に直接設置されることになる。
照明器具1は、LED(Light Emitting Diode)を光源とするLED照明である。図2及び図3に示すように、照明器具1は、光源部10と、電源部20と、支持部材30と、器具本体40と、カバー部材50とを備える。支持部材30と器具本体40とカバー部材50とによって照明器具1の外郭が構成されている。光源部10と電源部20との間に支持部材30が配置されている。本実施の形態において、照明器具1は、光源部10が床側で、電源部20が天井側となるように配線ダクト2に設置される。
また、照明器具1は、無線通信機能を有する照明器具である。したがって、照明器具1は、外部と無線通信を行うことができるように、さらに、無線モジュール61を含む無線部60を備える。例えば、照明器具1は、無線通信機能を有する無線リモコン(電波リモコン)等の外部装置と無線通信を行うことができる。
光源部10は、所定の色の光を発する。本実施の形態において、光源部10は、照明器具1の照明光として白色光を発する。また、光源部10は、長尺状のライン光源であり、ライン状の光を発する。上記のように、照明器具1は、調光調色タイプの照明器具であるので、光源部10が発する白色光は、昼光色~電球色の範囲の任意の色温度の光色となるように制御される。
光源部10は、LEDを用いたLEDモジュールであり、図3~図5に示すように、光源基板である基板11と、基板11に配置されたLED素子12とを有する。
基板11は、LED素子12を実装するための実装基板である。本実施の形態において、基板11は、支持部材30の長手方向(Y軸方向)に長尺状をなす略矩形状に形成されている。基板11は、例えば金属配線が所定のパターンで形成されたプリント配線基板である。基板11を構成する基材としては、絶縁性樹脂材料からなる樹脂基板、アルミナ等のセラミック材料の焼結体からなるセラミック基板、アルミニウムまたは銅等の金属材料からなる金属基材の表面に絶縁被膜を施すことで得られるメタルベース基板等が用いられる。なお、基板11は、リジッド基板であってもよいし、フィルム状のフレキシブル基板であってもよい。
基板11に形成された金属配線は、電源部20の電源装置21と電気的に接続されている。この場合、基板11に形成された電極又はコネクタ端子と電源装置21とは、リード線等の電線によって接続されている。基板11と電源装置21とを接続する電線は、例えば、支持部材30に設けられた貫通孔に挿通されている。
基板11は、支持部材30に配置される。基板11は、LED素子12が実装される面である第1面と、第1面に背向する第2面とを有する。基板11の第1面は、カバー部材50側の面であり、基板11の第2面は、支持部材30側の面である。
基板11には、LED素子12が配置されている。具体的には、基板11の第1面に複数のLED素子12が配置されている。図5に示すように、本実施の形態において、複数のLED素子12は、基板11の長手方向に沿って直線状に一列に且つ所定の間隔をおいて実装されている。具体的には、複数のLED素子12は、基板11の長手方向の略全長にわたって実装されている。なお、複数のLED素子12は、基板11の長手方向に沿って、一列ではなく、複数列で実装されていてもよい。複数のLED素子12は、電源装置21と基板11とを接続する電線を介して電源装置21から供給される直流電流によって発光する。LED素子12(光源部10)が発した光は、カバー部材50を透過して照明器具1の外部に出射される。
複数のLED素子12の各々は、個々にパッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)タイプのLED光源である。したがって、光源部10は、SMDタイプのLEDモジュールである。
SMDタイプのLED素子12は、樹脂製又はセラミック製の白色の容器(パッケージ)と、容器内に配置されたLEDチップ(ベアチップ)と、LEDチップを封止する封止部材とを備える。本実施の形態において、LED素子12は、白色光を放出する白色LED光源である。この場合、例えば、LEDチップとしては、通電されると青色光を発する青色LEDチップが用いられ、容器に充填される封止部材としては、YAG等の黄色蛍光体等が含有されたシリコーン樹脂(蛍光体含有樹脂)が用いられる。
このように構成される光源部10は、支持部材30に配置される。光源部10は、支持部材30の一方の面側である第1面側に配置される。支持部材30の第1面側は、オモテ側であり、本実施の形態では、床側の面である。一方、支持部材30の他方の面は、裏側となる第2面であり、本実施の形態では、天井側の面である。
なお、光源部10は、COB(Chip On Board)タイプのLEDモジュールであってもよい。COBタイプの光源モジュールは、基板11に直接実装された複数のLEDチップと複数のLEDチップを個別に又は一括して封止する封止部材(蛍光体含有樹脂)とを有する。
電源部20は、光源部10に電力を供給するための電源ユニットである。図5に示すように、電源部20は、光源部10を発光させるための電力を生成する電源装置21と、電源装置21を収納する電源ケース22とを有する。
電源装置21は、光源部10のLED素子12を発光させるための電力を生成する電源回路によって構成されている。例えば、電源装置21は、商用電源等の外部電源からの交流電力を、整流、平滑及び降圧等して所定レベルの直流電力に変換する。電源装置21で生成された直流電力は、電線介して光源部10に供給される。なお、電源装置21には、調光回路又は調色回路等が組み合わされていてもよい。
図5に示すように、電源装置21は、回路基板21aと、回路基板21aに実装された複数の回路素子21bとを有する。回路基板21aは、例えば金属配線が所定のパターンで形成されたプリント配線基板である。回路基板21aに実装された複数の回路素子21bの各々は、光源部10を発光させるための電子部品であり、例えば、容量素子(電解コンデンサ、セラミックコンデンサ等)、抵抗素子(抵抗器等)、整流回路素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、ダイオード、集積回路素子(IC)、又は、半導体素子(FET等)等である。
電源ケース22は、回路素子21bが実装された回路基板21aを収納する金属製又は絶縁樹脂製の筐体(ボックス)である。本実施の形態において、電源ケース22は、金属製の金属ケースである。電源ケース22は、金属板にプレス加工等を施すことで所定形状に形成されている。具体的には、電源ケース22は、開口部を有する長尺状で略直方体の筐体である。
このように構成される電源部20は、支持部材30の他方の面側である第2面側(光源部10側とは反対の面側)に配置されている。つまり、電源部20は、支持部材30の裏側に配置されている。本実施の形態において、電源部20は、電源ケース22の開口部が支持部材30側に向くように配置されている。
また、電源部20は、支持部材30の長手方向の中心をまたがるように、支持部材30の長手方向に延在している。具体的には、電源ケース22が支持部材30の長手方向の中心をまたがるように支持部材30の長手方向に延在している。本実施の形態では、電源部20の長手方向の中心と支持部材30の長手方向の中心とがほぼ一致しているが、これに限るものではない。例えば、電源部20は、支持部材30の長手方向の両端のうちの一方に偏って配置されていてもよい。また、電源部20の長手方向の長さは、支持部材30の長手方向の長さの半分程度占めているが、これに限るものではない。例えば、電源部20の長手方向の長さは、支持部材30の長手方向の長さの1/2以下(例えば3/1程度、4/1程度)であってもよいし、支持部材30の長手方向の長さの1/2以上であってもよい。
電源部20は、支持部材30に固定される。図2に示すように、本実施の形態において、電源部20は、ネジによって支持部材30に固定されている。電源部20と支持部材30との固定方法については後述する。なお、電源部20は、ネジ以外の固定部材によって支持部材30に固定されていてもよい。
図3~図5に示すように、支持部材30は、光源部10を支持する金属製で長尺状の基台(ベース部材)である。本実施の形態において、支持部材30は、光源部10だけではなく、電源部20及びカバー部材50も支持している。
支持部材30は、照明器具1の長手方向(Y軸方向)に延在する長尺状の金属部材である。本実施の形態において、支持部材30は、アルミニウム合金を用いて構成されており、例えば押し出し成形によって形成されている。なお、支持部材30の素材は、アルミニウム合金に限るものではなく、他の金属材料を用いたものであってもよい。また、支持部材30の形成方法は、押し出し成形に限るものではない。例えば、支持部材30は、金属板にロール成形加工及び/又はプレス加工等の板金加工を施すことにより所定の形状に形成されたものであってもよい。
図3に示すように、支持部材30は、断面形状が略コの字形状であり、底面部31と、底面部31の端部に立設する一対の側面部32とを有する。底面部31及び一対の側面部32は、平板状であり、同じ厚さである。本実施の形態において、底面部31及び一対の側面部32の各々は、矩形の長尺状である。一対の側面部32の一方は、底面部31の短手方向の一方の端部に設けられ、一対の側面部32の他方は、底面部31の短手方向の他方の端部に設けられている。
底面部31は、光源部10が取り付けられる部位である。具体的には、光源部10は、底面部31の外側(カバー部材50側)に取り付けられている。光源部10の基板11は、底面部31の外側の面に載置されている。なお、底面部31にはカバー部材50も取り付けられる。具体的には、カバー部材50は、底面部31の短手方向の端部に取り付けられる。
一対の側面部32は、照明器具1の外郭を構成する部位である。一対の側面部32は、電源部20及び無線部60を挟んでいる。一対の側面部32には、器具本体40が固定される。
図3に示すように、器具本体40は、支持部材30と合わさることで電源部20及び無線部60を収納する空間が形成される。器具本体40は、金属製の金属部材であり、支持部材30と器具本体40とが合わさることで四方が囲まれた筒状の金属筐体が構成される。電源部20及び無線部60は、この金属筐体の内部空間に収納される。つまり、電源部20の電源装置21及び無線部60の無線モジュール61は、器具本体40と支持部材30とが合わさることで形成される空間に収納されている。
器具本体40は、断面形状が略コの字状の支持部材30の開口部を塞ぐように支持部材30に固定されている。器具本体40は、この開口部を支持部材30側に向くようにして支持部材30に固定されている。
本実施の形態において、器具本体40は、断面形状が略コの字状であり、開口部を有する。具体的には、器具本体40は、天面部41と、天面部41の端部に立設する一対の側面部42とを有する。天面部41及び一対の側面部42は、平板状であり、同じ厚さである。本実施の形態において、天面部41及び一対の側面部42の各々は、矩形の長尺状である。一対の側面部42の一方は、天面部41の短手方向の一方の端部に設けられ、一対の側面部42の他方は、天面部41の短手方向の他方の端部に設けられている。
天面部41は、支持部材30の開口部に蓋をするように設けられている。一対の側面部42は、支持部材30の一対の側面部32に対面している。具体的には、一対の側面部42は、支持部材30の一対の側面部32に接している。
図3及び図4に示すように、器具本体40には、スリット40aが設けられている。図6に示すように、スリット40aは、器具本体40の長手方向に沿って延在している。図6は、器具本体40における長手方向の端部周辺の拡大図である。本実施の形態において、スリット40aは、一直線状であり、器具本体40の長手方向(Y軸方向)と平行に延在している。
なお、スリット40aは、器具本体40の長手方向と平行に延在していなくてもよく、器具本体40の長手方向と直交する方向(短手方向)と平行に延在していてもよいし、器具本体40の長手方向に対して傾斜していてもよい。
ここで、器具本体40におけるスリット40aの位置について、図7及び図8を用いて説明する。図7は、実施の形態に係る照明器具1の上面図を示している。図8は、図7の破線で囲まれる領域VIIIの拡大図である。なお、図7及び図8において、(a)は、支持部材30に器具本体40が取り付けられた状態を示しており、(b)は、(a)において器具本体40を取り外した状態を示している。
図7及び図8に示すように、スリット40aの中心は、支持部材30の長手方向において電源部20の中心よりも支持部材30の端部寄りに位置している。具体的には、スリット40aの全体が、支持部材30の長手方向において電源部20よりも支持部材30の端部寄りに位置している。つまり、スリット40aは、支持部材30の長手方向の中心(=照明器具1の長手方向の中心)を基準として、電源部20よりも外側に位置するように形成されている。より具体的には、スリット40aは、電源部20の電源ケース22よりも支持部材30の長手方向の端部側に形成されている。
スリット40aは、外部との無線通信を行うための開口孔である。本実施の形態において、スリット40aは、スロットアンテナとして機能し、無線モジュール61のアンテナと電磁的に結合する。例えば、外部から送信された無線信号を受信する場合、当該無線信号によってスリット40aの短手方向に電界が発生する。これにより、スリット40aがアンテナとして機能し、受信した無線信号を内部の無線モジュール61のアンテナに向けて放射する。また、無線モジュール61のアンテナが無線信号を送信する場合も同様に、当該無線信号によってスリット40aの短手方向に電界が発生する。これにより、スリット40aがアンテナとして機能し、無線信号を外部に放射する。スロットアンテナであるスリット40aは、無線モジュール61のアンテナの励振によって当該アンテナから放射された無線信号(電磁波)を通過させる。このため、スリット40aは、無線モジュール61のアンテナの励振方向に直交するように延在しているとよい。
なお、スリット40aをスロットアンテナとして機能させるため、無線モジュール61のアンテナは、スリット40aの近くに位置しているとよい。つまり、スリット40aは、無線モジュール61の近くに形成されているとよい。
図3に示すように、スリット40aは、無線モジュール61の近傍において、器具本体40のうち支持部材30から露出する部分に形成されている。具体的には、スリット40aは、器具本体40の天面部41に設けられている。例えば、スリット40aは、器具本体40の短手方向(幅方向)における天面部41の端部に設けられている。本実施の形態において、スリット40aは、天面部41から側面部42にわたって形成されている。つまり、図3に示すように、スリット40aは、断面形状が略コの字状の器具本体40の角部を切り欠くように形成されている。したがって、スリット40aは、支持部材30の短手方向における照明器具1の断面視(XZ断面)において、無線モジュール61の斜め方向に位置している。具体的には、スリット40aは、無線モジュール61の斜め上方に位置している。
また、スリット40aは、器具本体40に複数形成されている。これにより、無線モジュール61の無線性能(受信感度)を向上させることができる。具体的には、図6及び図8に示すように、2本のスリット40aが器具本体40に形成されている。2本のスリット40aは、少なくとも一部が器具本体40の短手方向(X軸方向)において対向している。
図8に示すように、上面視において、2本のスリット40aの少なくとも一方は、無線モジュール61に対向しているとよい。具体的には、スリット40aは、上面視において、無線モジュール61の基板61aに対向しているとよい。これにより、無線モジュール61の無線性能(受信感度)を向上させることができる。本実施の形態では、上面視において、2本のスリット40aは、いずれも基板61aに対向している。
図1及び図2に示すように、器具本体40には、照明器具1を配線ダクト2に取り付けるための取付部材70が設けられている。本実施の形態では、器具本体40の長手方向に沿って2つの取付部材70が設けられている。各取付部材70は、配線ダクト2のダクトレールの溝部に差し込まれるガイド71と、回転させることで配線ダクト2のダクトレールに係止する係止部が形成されたレバー72とを有する。2つの取付部材70のうちの一方は、配線ダクト2と電源部20とを電気的に接続するための接続構造を有する。
照明器具1を配線ダクト2に取り付ける際、2つの取付部材70の各々のガイド71を配線ダクト2のダクトレールの溝部に差し込んで、2つの取付部材70の各々のレバー72を回転させて、各レバー72の係止部をダクトレールに係止させる。これにより、照明器具1を配線ダクト2に保持させることができるとともに、配線ダクト2から照明器具1に交流電源が供給される。なお、レバー72を逆回転させることで、照明器具1を配線ダクト2から取り外すことができる。
図3~図5に示すように、カバー部材50は、光源部10を覆っている。本実施の形態において、カバー部材50は、光源部10とともに、支持部材30も覆っている。カバー部材50は、光源部10及び支持部材30と同様に、長尺状に形成されている。
カバー部材50は、支持部材30に取り付けられる。具体的には、カバー部材50は、支持部材30の底面部31の幅方向の端部に取り付けられる。
カバー部材50は、透光性を有する透光カバーの一例であり、光源部10のLED素子12から出射する光を透過する。本実施の形態において、カバー部材50は、透光性を有するだけではなく、拡散性を有する拡散カバーである。したがって、カバー部材50に入射したLED素子12の光は、カバー部材50で拡散(散乱)しながらカバー部材50を透過する。
カバー部材50は、断面形状が略コの字形状であり、図3に示すように、主面部51と、主面部51の端部に立設する一対の側面部52とを有する。主面部51及び一対の側面部52は、平板状であり、同じ厚さである。本実施の形態において、主面部51及び一対の側面部52の各々は、矩形の長尺状である。一対の側面部52の一方は、主面部51の短手方向(X軸方向)の一方の端部に設けられ、一対の側面部52の他方は、主面部51の短手方向の他方の端部に設けられている。LED12から出射した光は、主面部51及び側面部52を透過して外部に出射する。
図3に示すように、カバー部材50の短手方向の長さ(幅)と支持部材30の短手方向の長さ(幅)とは、同じである。したがって、カバー部材50の主面部51の幅と支持部材30の底面部31の幅とは同じ長さであり、また、カバー部材50の一対の側面部52と支持部材30の一対の側面部32とは面一になっている。
なお、カバー部材50の断面形状は、略コの字形状に限るものではない。例えば、カバー部材50の断面形状は、円弧状に湾曲していてもよい。この場合、カバー部材50の断面形状は、扁平状の略セミシリンドリカル形状又はシリンドリカル形状等とすることができる。
カバー部材50は、アクリルやポリカーボネート等の透光性樹脂材料又はガラス材料等の透光性を有する材料で構成されている。本実施の形態において、カバー部材50は、透光性樹脂材料によって構成されている。この場合、カバー部材50は、光拡散材が内部に分散された乳白色のカバー部材とすることができる。このようなカバー部材50は、光拡散材を混合した透光性樹脂材料を所定形状に樹脂成型することによって作製することができる。光拡散材としては、シリカ粒子等の光反射性微粒子を用いることができる。カバー部材50は、例えば、押し出し成形によって形成することができる。
なお、カバー部材50としては、内部に光拡散材を分散させるのではなく、透明カバーの表面(内面又は外面)に光拡散材等を含む乳白色の光拡散膜を形成することによって構成されていてもよい。また、カバー部材50は、光拡散材を用いるのではなく、拡散加工を施すことによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。例えば、カバー部材50は、シボ加工等の表面処理を施すことによって透明カバーの表面に微小凹凸を形成したり、透明カバーの表面にドットパターンを印刷したりすることによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。なお、カバー部材50は、拡散加工する場合であっても、光拡散性を高めるために、さらに光拡散材を含有させてもよい。
カバー部材50と支持部材30とが固定されることで長尺状の筒体が構成される。光源部10は、この筒体内に収納されている。図1及び図2に示すように、カバー部材50と支持部材30とで構成される筒体の長手方向の両端部の各々にエンドキャップ80が取り付けられている。
エンドキャップ80は、支持部材30とカバー部材50とで構成される筒体の開口端部を封鎖するように設けられている。つまり、エンドキャップ80は、支持部材30とカバー部材50とで構成される筒体の開口端部に蓋をするように筒体に取り付けられており、筒体の開口端部を閉塞している。なお、エンドキャップ80は、支持部材30とカバー部材50とで構成される筒体の開口端部を完全に閉塞せずに、エンドキャップ80と支持部材30との間に多少の隙間が空いていてもよい。
エンドキャップ80は、カバー部材50の長手方向の両端部の各々に取り付けられている。つまり、エンドキャップ80は、カバー部材50の端部に設けられたカバーエンドである。エンドキャップ80とカバー部材50とは、接着剤により固定されていてもよいし、エンドキャップ80及びカバー部材50に形成された爪部や凹部等の係止構造により固定されていてもよい。エンドキャップ80は、例えば、樹脂材料によって構成されている。なお、エンドキャップ80は、透光性を有していてもよいし、透光性を有していなくてもよい。
図3~図5に示すように、無線部60は、無線モジュール61と、無線モジュール61を収納する無線ケース62とを有する。図5に示すように、無線モジュール61は、コネクタ線65によって電源部20の電源装置21と電気的に接続されている。
無線モジュール61は、外部との無線通信を行うための無線通信モジュールである。無線モジュール61は、少なくとも光源部10の制御に関する無線通信を行う。例えば、無線モジュール61は、光源部10の発光状態を制御するための無線信号を受信する。具体的には、無線モジュール61は、光源部10を消灯したり点灯したり調光したり調色したりするための無線信号を受信する。無線モジュール61で受信した無線信号は、コネクタ線65を介して電源部20の電源装置21に送信される。これにより、電源装置21によって光源部10の制御を行うことができる。
無線モジュール61は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)又はZigBee(登録商標)等の無線通信規格に基づいた無線通信を行う。例えば、無線モジュール61が受信する無線信号の周波数は、例えば、2.4GHz帯又は920MHz帯であるが、これに限らない。
無線モジュール61で受信する無線信号は、例えば、無線送信機能を有する無線リモコン等の外部装置から送信される。無線リモコンは、スマートフォン等の移動可能な携帯端末であってもよいし、壁等に固定されたコントローラ等であってもよい。無線モジュール61との間で無線通信を行う無線リモコンは、ユーザによって操作される。ユーザが無線リモコンを操作することによって、無線リモコンから照明器具1を制御するための無線信号が送信される。
なお、無線モジュール61は、光源部10の制御に関する無線通信以外の無線通信を行ってもよい。例えば、無線モジュール61は、無線リモコンと照明器具1とのペアリングを行うための無線信号(ペアリング用無線信号)を受信したり無線信号を送信したりしてもよい。この場合、無線モジュール61は、無線リモコンとペアリング済みの複数の照明器具1を1つのグループとして、この1つのグループに属する複数の照明器具1を同時に制御するための無線信号(一括照明制御用無線信号)を受信する。
ここで、無線部60の詳細な構成について、図9~図11を用いて説明する。図9は、無線部60を一の方向から見たときの斜視図であり、図10は、無線部60を他の方向から見たときの斜視図である。図11は、無線部60の分解斜視図である。
図9~図11に示すように、無線モジュール61は、無線基板である基板61aと、無線信号を受信するアンテナ61bと、アンテナ61bで受信した無線信号を処理するための電子部品61c(IC等)とを有する。電子部品61cは、1つ又は複数であり、基板61aに実装されている。
基板61aは、例えば金属配線が所定のパターンで形成されたプリント配線基板である。アンテナ61bは、パターンアンテナであり、基板61aの一方の面に所定のパターンで形成されている。アンテナ61bは、例えば、銅等の金属配線である。
例えば、アンテナ61bは、ミアンダ状に形成された金属配線からなる放射導体と、接地された矩形状の接地導体とを有する。放射導体と接地導体との境界は給電点となる。放射導体の長さは、無線通信の周波数(電磁波の波長)に応じた長さに形成されているとよい。例えば、無線信号の波長をλとすると、放射導体の長さは、略λ/4にするとよい。なお、放射導体の形状は、ミアンダ状に限るものではなく、直線状、L字状又はスパイラル状等の線状であってもよい。また、接地導体の形状も矩形状に限るものではない。
このように構成されたアンテナ61bは、スロットアンテナであるスリット40aと電磁的に結合する。つまり、アンテナ61bは、一次励磁用のアンテナであり、スリット40aを二次アンテナとして機能させる。アンテナ61bは、スリット40aを介して無線信号を受信したり無線信号を外部に送信したりする。アンテナ61bで受信した無線信号は、電子部品61cで構成される処理回路によって所定の制御信号(電気信号)に変換されて、コネクタ線65を介して電源部20の電源装置21に送信される。
無線モジュール61は、無線ケース62に固定されている。具体的には、無線ケース62の内面には、無線モジュール61の基板61aの端部を挟持する挟持部を有しており、無線モジュール61は、基板61aをスライドさせて基板61aの端部を無線ケース62の挟持部に挟持させることで無線ケース62に保持される。
無線ケース62は、無線信号を通すことができるように樹脂材料によって構成されている。無線ケース62を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)又はポリブチレンテレフタレート(PBT)等を用いることができる。無線ケース62は、開口部を有する有底筒状の箱形状である。
このように構成される無線部60は、図5に示すように、電源部20と同様に、支持部材30の他方の面側である第2面側に配置されている。つまり、無線モジュール61は、支持部材30の第2面側に配置されている。本実施の形態では、無線モジュール61は、図3に示すように、アンテナ61bが支持部材30の側面部32に対向するように配置されている。つまり、無線モジュール61は、基板61aが支持部材30の底面部31に立った状態となるように縦置きの姿勢で配置されている。また、無線モジュール61を収納する無線ケース62は、無線ケース62の開口部が支持部材30の底面部31に向くように配置されている。
本実施の形態において、無線部60は、電源部20に隣接している。つまり、無線モジュール61及び無線ケース62は、電源部20に隣接している。具体的には、無線部60と電源部20とは、支持部材30の長手方向に沿って並べられている。
図2及び図5に示すように、無線部60は、電源部20に固定されている。具体的には、無線ケース62が電源部20に固定されている。本実施の形態において、無線ケース62は、電源部20に当接するように設けられている。具体的には、無線ケース62は、電源部20の電源ケース22に当接した状態で、電源ケース22に固定されている。
無線ケース62は、電源部20のみに固定されており、支持部材30には固定されていない。また、無線ケース62は、支持部材30に接触しておらず、支持部材30の底面部31から浮いた状態になっている。つまり、無線ケース62の開口端部は、支持部材30の第2面の表面に接触していない。また、無線ケース62に収納された無線モジュール61も支持部材30から浮いている。つまり、無線モジュール61は、支持部材30から浮いた状態で無線ケース62に収納されている。
このように、無線モジュール61及び無線ケース62を支持部材30から浮いた状態にすることで、ネジ91によって互いに固定された無線部60及び電源部20を支持部材30に容易に取り付けることができる。また、無線モジュール61及び無線ケース62を支持部材30から浮かすことで、無線モジュール61及び無線ケース62が支持部材30に接触しないので、無線モジュール61の基板61a及び無線ケース62と支持部材30との接触によって異音が発生することを抑制できる。
図8に示すように、無線部60は、ネジ91(第1ネジ)によって電源部20に固定される。具体的には、無線部60は、無線ケース62の一部をネジ91によって電源部20の電源ケース22にねじ止めすることで電源ケース22に固定される。
また、電源部20は、ネジ92(第2ネジ)によって支持部材30に固定される。具体的には、電源部20は、電源ケース22の一部をネジ92によって支持部材30にねじ止めすることで支持部材30に固定される。なお、ネジ91及び92は、固定部材の一例である。
ここで、電源部20と支持部材30との固定構造と無線部60と電源部20との固定構造とについて、図12を用いて詳細に説明する。図12は、無線部60及び電源部20の固定構造を示す分解斜視図である。
図12に示すように、電源部20の電源ケース22は、板金製の長尺状の筐体であり、電源ケース22の底板となる第1板部22aと、第1板部22aに立設し且つ支持部材30の長手方向に延在する一対の第2板部22bと、第1板部22aに立設し且つ一対の第2板部22bの長手方向の端部に接続された一対の第3板部22cとを有する。
第3板部22cの下端には、外方に突出するように形成された突出片22dが設けられている。突出片22dには、電源ケース22を支持部材30に固定するためのネジ92が挿通されるネジ穴22eが形成されている。
無線部60の無線ケース62は、電源ケース22に隣接している。このため、電源ケース22を支持部材30に固定する際にネジ92が無線ケース62に干渉しないように、無線ケース62は、ネジ92を避ける形状を有している。
具体的には、図8に示すように、無線ケース62は、照明器具1の上面視(無線ケース62と支持部材30とが重なる方向から見たときの平面視)において、ネジ92を避ける形状に形成された切り欠き部62aを有する。
無線ケース62の切り欠き部62aは、電源ケース22の突出片22dのネジ穴22eと重なる位置に形成されている。つまり、無線ケース62に切り欠き部62aを設けることで、照明器具1の上面視において、無線ケース62の突出片22dのネジ穴22eが露出することになる。図9~図11に示すように、切り欠き部62aは、無線ケース62の外形線の一部を部分的に窪ませた凹部である。
図8に示すように、切り欠き部62aは、無線ケース62の上面視において、ネジ92の少なくとも一部を囲む形状であればよい。この場合、切り欠き部62aは、無線ケース62の上面視において、ネジ92を少なくとも2方向から囲む又は2つの直線で囲む形状であるとよい。つまり、この場合、切り欠き部62aは、無線ケース62の上面視において、ネジ92を3方向以上の複数の方向から囲む又は3つ以上の複数の直線で囲む形状であるとよい。本実施の形態において、切り欠き部62aの上面視形状は、略台形状であり、ネジ92を3つの方向から(3つの直線で)囲っている。
なお、切り欠き部62aの上面視形状は、略台形状に限るものではない。例えば、切り欠き部62aの上面視形状は、三角形であってもよいし、円形の一部であってもよい。したがって、切り欠き部62aは、無線ケース62の上面視において、ネジ92を直線ではなく曲線で囲む形状であってもよい。
また、図12に示すように、無線ケース62の一部は、電源ケース22に向けて突出している。この無線ケース62の突出部は、電源ケース22の第1板部22aに重ねられている。無線ケース62の突出部には、無線ケース62を電源ケース22に固定するためのネジ91が挿通されるネジ穴62bが形成されている。
無線ケース62を固定するためのネジ91を電源ケース22にねじ込む方向と、電源ケース22を固定するためのネジ92を支持部材30にねじ込む方向とは、同じであり、本実施の形態では、Z軸方向である。これにより、電源部20及び無線部60を支持部材30に容易に固定することができる。つまり、照明器具1の組立性を向上させることができる。
次に、電源部20及び無線部60を支持部材30に固定する方法について、図12を参照しつつ、図13及び図14を用いて説明する。図13は、電源部20と無線部60とを固定したときの状態を示す図である。図14は、無線部60が固定された電源部20を支持部材30に固定するときの様子を示す図である。
まず、電源部20と無線部60とを固定する。具体的には、図12に示すように、無線モジュール61が収納された無線ケース62のネジ穴62bにネジ91を挿通し、そのネジ91を電源ケース22の第1板部22aのネジ穴にねじ込む。これにより、図13に示すように、無線モジュール61が収納された無線ケース62を、電源装置21が収納された電源ケース22に固定することができる。つまり、無線部60を電源部20に固定することができる。このように、ネジ91によって無線部60と電源部20とを固定することで、無線部60と電源部20とを一体にすることができる。これにより、無線部60と電源部20とを容易に支持部材30に取り付けることができる。なお、無線部60と電源部20とは、2本のネジ91で固定したが、これに限らない。
次に、図14に示すように、無線部60が固定された電源部20の電源ケース22と支持部材30とを固定する。具体的には、電源ケース22に形成された突出片22dのネジ穴22eにネジ92を挿通し、そのネジ92を支持部材30の底面部31に設けられたネジ穴31aにねじ込む。このとき、無線ケース62には、ネジ92を避ける形状として切り欠き部62aが形成されている。これにより、本実施の形態のように、細長くて狭い領域である支持部材30の裏側領域に無線ケース62を電源部20に隣接して配置したとしても、ネジ92によって電源部20を支持部材30に固定する際に、ネジ92が無線ケース62と干渉することを抑制できる。したがって、ネジ92を突出片22dのネジ穴22eに挿通して支持部材30のネジ穴31aに容易にねじ込むことができる。つまり、電源部20を支持部材30に容易に固定することができる。
本実施の形態において、無線ケース62に形成された切り欠き部62aは、無線ケース62の外形線の一部を部分的に窪ませた凹部である。この構成により、切り欠き部62aである凹部によってネジ92を囲むことができるので、ネジ92を切り欠き部62a(凹部)に収納させることができる。
なお、図示しないが、電源ケース22の長手方向の反対側にもネジ穴を有する突出片が形成されており、このネジ穴にもネジを挿通して支持部材30に設けられたネジ穴にねじ込む。これにより、電源装置21が収納された電源ケース22を支持部材30に固定することができる。
このとき、電源部20には無線部60が固定されているので、電源部20を支持部材30に固定することで、無線部60も支持部材30に固定することができる。つまり、無線部60は、電源部20を介して支持部材30に固定することができる。
以上説明したように、本実施の形態における照明器具1では、無線モジュール61の無線性能を向上させるために、上記のように、無線モジュール61の近傍に、スリット40aが設けられている。しかも、本実施の形態における照明器具1では、無線モジュール61の無線性能をさらに向上させるために、外部との無線通信を行うためのスリット40aの位置を工夫している。
具体的には、スリット40aの中心は、支持部材30の長手方向において電源部20の中心よりも支持部材30の端部寄りに位置している。本実施の形態では、スリット40aの全体が、支持部材30の長手方向において電源部20よりも支持部材30の端部寄りに位置している。つまり、支持部材30の長手方向の中心(=照明器具1の長手方向の中心)を基準として、スリット40aは、電源部20よりも外側に位置するように形成されている。
この構成により、外部との無線通信を行うためのスリット40aを電源部20から遠ざけることができるので、スリット40aを介して無線通信を行う際の無線信号が、電源部20を構成する金属部材によって遮蔽されることを抑制できる。無線信号を遮蔽する金属部材としては、例えば、電源部20の電源装置21における回路基板21aの金属配線、又は、その回路基板21aに実装された回路素子21bの金属部等がある。
特に、無線モジュール61は、支持部材30の裏側(光源部10側とは反対側)に配置されることが多いが、強度及び放熱性の観点から、支持部材30や支持部材30の裏側に配置される器具本体40等は金属材料によって構成されていることが多い。しかも、電源部20の電源ケース22も、強度及び放熱性の観点から金属製のものを用いることが多い。このように、本実施の形態における照明器具1では、無線モジュール61の周辺に金属部材が多く存在し、無線信号がこれらの金属部材(特に金属製の電源ケース22)によって遮蔽されやすい構造になっている。これに対して、本実施の形態では、スリット40aの中心を、支持部材30の長手方向において電源部20の中心よりも支持部材30の端部寄りに位置している。これにより、スリット40aを介して無線通信を行う際の無線信号が上記の金属部材によって遮蔽されることを効果的に抑制することができる。したがって、本実施の形態に係る照明器具1によれば、無線モジュール61の無線性能を向上させることができるので、優れた無線性能を有する照明器具1を得ることができる。このため、無線通信を行う際の目標通信距離を容易に満足させることができる。
また、本実施の形態に係る照明器具1では、外部との無線通信を行うためのスリット40aが複数形成されている。
この構成により、無線モジュール61の無線性能を一層向上させることができるので、さらに優れた無線性能を有する照明器具1を得ることができる。
この場合、本実施の形態に係る照明器具1において、2つのスリット40aは、少なくとも一部が支持部材30の短手方向において対向している。
この構成により、無線モジュール61の無線性能をさらに向上させることができる。したがって、さらに優れた無線性能を有する照明器具1を得ることができる。
また、スリット40aの長さ(延在方向の長さ)は、無線通信の周波数に対応する波長λの略半波長(つまりλ/2)であるとよいが、本発明者らが検討した結果、スリット40aの長さには好適な範囲があることが分かった。この点について、図15を用いて説明する。図15は、スリット40aの長さと無線信号の利得との関係を示す図である。なお、図15において、実線は、放射電力(Radiated Power)を示しており、一点鎖線は、放射効率(Radiation Efficiency)を示している。
この解析では、無線通信の周波数を2.4GHzとした。この場合、電磁波の伝播速度を299792458m/sとすると、周波数に対応する波長λは、124.91mmとなる。また、2分の1波長(λ/2)は、62.46mmとなる。
これをもとに、スリット40aの長さと無線信号の利得との関係をシミュレーションすると、図15に示される結果が得られた。ここで、照明器具における無線信号による目標通信距離の規格値(条件)を15m以上とすると、放射電力の利得(dB)は、その規格値以上にする必要がある。この場合、図15に示すように、スリット40aの長さの下限は、52mmとなり、スリット40aの長さの上限は、70mmであることが好ましいといえる。この場合、2分の1波長(λ/2)を基準にすると、スリット40aの長さの下限は、-16%であり、スリット40aの長さの上限は、+12%である。
以上より、スリット40aの長さをAとし、無線通信を行う際の無線信号の波長をλとし、nを自然数とすると、0.84×n×λ/2×≦A≦0.12×n×λ/2の関係式を満たしているとよいことが分かる。なお、A=n×λ/2を除いてもよい。
このように、この関係式を満たすようにスリット40aの長さを設定することで、目標通信距離を満足させることができる無線通信機能を有する照明器具1を実現することができる。
(変形例)
以上、本発明に係る照明器具について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
以上、本発明に係る照明器具について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態において、外部との無線通信を行うためのスリット40aは、器具本体40に形成されていたが、これに限らない。具体的には、照明器具の外部との無線通信を行うためのスリットは、支持部材30に形成されていてもよい。この場合も、スリットの中心は、支持部材30の長手方向において電源部20の中心よりも支持部材30の端部寄りに位置している。また、照明器具の外部との無線通信を行うためのスリットは、器具本体40及び支持部材30の両方に形成されていてもよい。つまり、外部との無線通信を行うためのスリットは、支持部材30及び器具本体40の少なくとも一方に形成されていればよい。
例えば、外部との無線通信を行うためのスリットを支持部材30に形成する場合、図16に示される照明器具1Aのように、外部との無線通信を行うためのスリット32aは、支持部材30の側面部32に形成することができる。この場合、スリット32aは、支持部材30の短手方向において、無線モジュール61に対向しているとよい。つまり、スリット32aは、無線モジュール61の横に位置しているとよい。具体的には、スリット32aは、無線モジュール61の基板61aに形成されたアンテナ61bに対向しているとよい。これにより、無線モジュール61の無線性能(受信感度)を向上させることができる。なお、図16において、スリット32aは、一対の側面部32の各々に形成されているが、これに限らない。つまり、スリット32aは、2つではなく、1つであってもよい。また、図16において、器具本体40Aには、スリットが形成されていないが、スリット40aが形成されていてもよい。
また、上記実施の形態において、無線部60は、無線ケース62を電源ケース22に直接ネジ止めすることで電源部20に固定されていたが、これに限らない。例えば、無線部60は、取付金具等の別部材によって電源部20に間接的に固定されていてもよい。具体的には、帯状部(ライン部)とネジ穴が形成された取付部と有する板金製の取付金具を用いて、取付金具の帯状部によって無線ケース62を抱えるようにして取付金具で保持するとともに取付金具で無線ケース62を電源ケース22に押さえつけ、取付金具の取付部のネジ穴にネジ91を挿通してそのネジ91を電源ケース22のネジ穴にねじ込む。これにより、ネジ91によって電源ケース22に取付金具をネジ止めすることで、取付金具に保持された無線ケース62が電源ケース22に間接的に固定される。なお、この場合も、無線ケース62には、ネジ92を避ける形状に形成された切り欠き部62aが設けられている。
また、上記実施の形態において、支持部材30及び器具本体40の断面形状は、コの字状であったが、これに限らない。例えば、支持部材30及び器具本体40の断面形状は、L字状であってもよいし、I字状であってもよい。
また、上記実施の形態において、2つのスリット40aは、器具本体40の長手方向(支持部材30の長手方向)の一方側のみに形成されていたが、これに限らない。例えば、器具本体40の長手方向の両側に2つのスリット40a(合計4つのスリット40a)を形成してもよい。この場合、一対の2つのスリット40aを、器具本体40の中心を基準にして器具本体40の長手方向(つまり支持部材30の長手方向)に線対称となるように形成するとよい。つまり、4つのスリット40aは、支持部材30の長手方向において線対称となる位置に存在しているとよい。これにより、支持部材30に対する器具本体40の方向性を無くすことができるので、器具本体40を左右どちらの向きに配置しても器具本体40に取り付けることができる。したがって、器具本体40を支持部材30に容易に組み付けることができる。なお、この場合、スリット40aは、4つに限るものではない。具体的には、スリット40aの個数を2n個(nは、1以上の整数)とすると、2n個のスリット40aは、支持部材30の長手方向において線対称となる位置に存在しているとよい。
また、上記実施の形態において、カバー部材50は、拡散性及び透光性を有していたが、これに限らない。例えば、カバー部材50は、拡散性及び透光性のうち透光性のみを有する透光カバーであってもよい。この場合、透光カバーとして、向こう側が透けて見えるくらいに透過率が高い透明カバーを用いてもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。また、本願出願時の特許請求の範囲に記載された複数の請求項の中から技術的に矛盾しない範囲で2つ以上の請求項を任意に組み合わせたものも本発明に含まれる。例えば、本願出願時の特許請求の範囲に記載された引用形式請求項を、技術的に矛盾しない範囲で上位請求項の全てを引用するようにマルチクレーム又はマルチマルチクレームとしたときに、そのマルチクレーム又はマルチマルチクレームに含まれる全ての請求項の組み合わせも本発明に含まれる。
1、1A 照明器具
10 光源部
20 電源部
21 電源装置
22 電源ケース
30 支持部材
32a スリット
40、40A 器具本体
40a スリット
60 無線部
61 無線モジュール
61a 基板(無線基板)
61b アンテナ
10 光源部
20 電源部
21 電源装置
22 電源ケース
30 支持部材
32a スリット
40、40A 器具本体
40a スリット
60 無線部
61 無線モジュール
61a 基板(無線基板)
61b アンテナ
Claims (11)
- 光源部と、
前記光源部に電力を供給するための電源部と、
少なくとも前記光源部の制御に関する無線通信を行う無線モジュールと、
前記光源部を支持する金属製の支持部材と、
前記支持部材と合わさることで前記無線モジュールを収納する空間が形成される金属製の器具本体と、を備え、
前記支持部材及び前記器具本体の少なくとも一方は、外部との前記無線通信を行うためのスリットを有し、
前記スリットの長さをAとし、前記無線通信を行う際の無線信号の波長をλとし、nを自然数とすると、
0.84×n×λ/2×≦A≦0.12×n×λ/2の関係式を満たす、
照明器具。 - 前記スリットは、前記支持部材の長手方向において前記電源部よりも前記支持部材の端部寄りに位置している、
請求項1に記載の照明器具。 - 前記支持部材の短手方向における前記照明器具の断面視において、前記スリットは、前記無線モジュールの斜め方向に位置している、
請求項1に記載の照明器具。 - 前記支持部材の短手方向において、前記スリットは、前記無線モジュールに対向している、
請求項1に記載の照明器具。 - 前記スリットは、複数である、
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明器具。 - 複数の前記スリットのうちの2つは、少なくとも一部が前記支持部材の短手方向において対向している、
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明器具。 - 複数の前記スリットのうちの2k個(kは、1以上の整数)は、前記支持部材の長手方向において線対称となる位置に存在する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明器具。 - 前記無線モジュールは、所定のパターンでアンテナが形成された無線基板を有する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明器具。 - 前記無線モジュールは、前記電源部に隣接している、
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明器具。 - 前記無線モジュールを収納する無線ケースを備え、
前記無線ケースは、前記電源部に固定されている、
請求項9に記載の照明器具。 - 前記光源部は、前記支持部材の一方の面側に配置され、
前記電源部及び前記無線モジュールは、前記支持部材の他方の面側に配置されている、
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022174066A JP2024065288A (ja) | 2022-10-31 | 2022-10-31 | 照明器具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022174066A JP2024065288A (ja) | 2022-10-31 | 2022-10-31 | 照明器具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024065288A true JP2024065288A (ja) | 2024-05-15 |
Family
ID=91064820
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022174066A Pending JP2024065288A (ja) | 2022-10-31 | 2022-10-31 | 照明器具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024065288A (ja) |
-
2022
- 2022-10-31 JP JP2022174066A patent/JP2024065288A/ja active Pending
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