JP2024064257A - ノイズ電流漏洩防止構造、ノイズ電流漏洩防止方法および電気鉄道車両 - Google Patents

ノイズ電流漏洩防止構造、ノイズ電流漏洩防止方法および電気鉄道車両 Download PDF

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Abstract

【課題】電力変換装置のスイッチング動作に起因したノイズの漏洩を抑制することができるノイズ電流漏洩防止構造、ノイズ電流漏洩防止方法および電気鉄道車両を提供することができる。【解決手段】電気的に車体20側に接続する電力変換装置16と電気的にレール21側に接続する主電動機18との間で送電を行う3相出力線17と、3相出力線17に施されるシールド25と、シールド25に電気的に接続するとともに、車体20側とレール21側とをコンデンサ30を介して接続する接続線31a、31bと、を備えるノイズ電流漏洩防止構造。【選択図】図2

Description

本発明は、ノイズ電流漏洩防止構造、ノイズ電流漏洩防止方法、電気鉄道車両に関する。
例えば、電気鉄道車両には、変電所の電力変換器が発生する電磁ノイズや、鉄道車両の駆動用インバータが発生する電磁ノイズに加え、パンタグラフの架線からの離線に伴い発生する電磁ノイズや、車輪がレールと接触・離れることによるノイズなど、様々なノイズが重畳することがある。
このような電気鉄道において、問題となるノイズ要因の一つとして、電力変換装置のスイッチング動作に起因して発生するノイズが有る。電力変換装置は電動機に駆動電流を流して電動機を駆動させるときに、電動機の巻線部と電動機の金属筐体である電動機フレーム間に寄生容量が存在するため、この寄生容量を介して高周波ノイズ電流が漏洩する。
また、電力変換装置の小型・低損失化のため、近年、パワーデバイスにSiC(炭化ケイ素)といった新しい半導体材料が採用されつつある。この結果、電力変換装置はさらなる高速・高周波スイッチング動作可能となり、小型・低損失化を満たす一方で、スイッチング動作により生じる高周波ノイズ電流は、より高周波まで高調波成分を持つようになってきており、MHz帯といった高周波信号を扱う装置にも影響を与えるようになってきた。
こういったノイズ伝播を抑制する方法として、磁性体コアやシールド材といった対策部品の適用の他に、車両内の配線など艤装による対策が用いられている。
特許文献1には、電気車の回路構成が開示されている。この回路構成では、主変換装置は、架線から供給される単相交流電力を三相交流電力に変換し、主電動機を駆動する。アース線は、接地ブラシを介して車輪に接続されると共に電動機のケースに接続される。接地抵抗器は、アース線と車体との間に接続される。主変換装置の中性点接地部と接地抵抗器は、共通の接続点で車体に接続されている。
特許文献2には、鉄道車両について開示されている。台車上に配置して車輪を回転駆動する電動機と、架線から供給される電力を電動機を駆動する三相交流電力に変換する主変換装置と、電動機と主変換装置間を繋いで三相交流電力を送電する三相電線と、少なくとも電動機と主変換装置間を連続して覆う導体である車体と、三相電線を車体側へ近接するように支持する電線支持構造とを具備する鉄道車両であって、主変換装置と車体とを電気的に接続する接地導体と、三相電線の可とう性が必要となる領域において電動機のフレームと車体を電気的に接続する帰還導体とを有し、帰還導体は、三相電線に近接して沿うように配置するものである。
特開2011-166968号公報 特開2021-36742号公報
しかしながら、従来のシステムでは帰路のインピーダンスを十分に低減できず、また、電動機までに並走する配線への電磁結合まで抑制することができないため、ノイズ抑制効果を十分得ることができない。
本発明は、電力変換装置から発生するノイズ電流の漏洩を抑制することができるノイズ電流漏洩防止構造、ノイズ電流漏洩防止方法および電気鉄道車両を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため本発明は、電気的に車体側に接続する電力変換装置と電気的にレール側に接続する電動機との間で送電を行う送電線と、送電線に施されるシールドと、シールドに電気的に接続するとともに、車体側とレール側とをコンデンサを介して接続する接続線と、を備えるノイズ電流漏洩防止構造である。
ここで、シールドは、車体側とレール側とで分割され、接続線は、コンデンサを介し、分割されたシールドのそれぞれに電気的に接続するようにできる。この場合、車体側とレール側とを電気的に絶縁しつつ、ノイズ電流は通過させることができる。
また、送電線は、中継コネクタを介して、車体側とレール側とが電気的に接続し、接続線は、中継コネクタに配されたコンデンサを介し、分割されたシールドのそれぞれに電気的に接続するようにできる。この場合、中継コネクタを利用してコンデンサを配することができる。
さらに、シールドの一端側は車体側に電気的に接続し、シールドの他端側とレール側とがコンデンサを介し接続線により接続するようにできる。この場合、電気的にレール側に接続する機器を利用してコンデンサを配することができる。
またさらに、コンデンサは、電動機のフレームに配され、シールドの他端側とレール側である電動機とがコンデンサを介し接続線により接続することができる。この場合、電動機のフレームを利用してコンデンサを配することができる。
また、コンデンサは、台車枠に配され、シールドの他端側とレール側である台車枠とがコンデンサを介し接続線により接続することができる。この場合、台車枠を利用してコンデンサを配することができる。
さらに、シールドに電気的に接続するとともに、車体側とレール側および車体側同士の少なくとも一方を、誘電体を介してさらに接続することができる。この場合、車体とシールド間の電位差を抑制することができる。
またさらに、誘電体は、端子台に配されるようにできる。この場合、端子台を利用して誘電体を配することができる。
そして、誘電体は、複数の端子台のそれぞれに設けられ、車体側と接続することができる。この場合、車体とシールド間の電位差をさらに抑制することができる。
また、シールドは、電動機に寄生容量が存在することに起因して発生する漏洩電流の帰路とすることができる。この場合、送電線とシールドとの間の電磁結合を強くすることができると伴に、シールドが受ける外来ノイズの影響も防ぐことができる。
また、本発明は、電気的に車体側に接続する電力変換装置と電気的にレール側に接続する電動機との間で送電を行う送電線と、送電線に施されるシールドと、シールドに電気的に接続するとともに、車体側とレール側および車体側同士の少なくとも一方を、誘電体を介して接続する接続線と、を備えるノイズ電流漏洩防止構造である。
またさらに、本発明は、シールドが施され、電気的に車体側に接続する電力変換装置と電気的にレール側に接続する電動機との間で送電を行う際に、シールドに電気的に接続するとともに車体側とレール側とをコンデンサを介して接続することで、ノイズ電流の漏洩を防止する、ノイズ電流漏洩防止方法である。
またさらに、本発明は、金属製の車体と、電気的に車体側に接続し、供給される電力を交流電力に変換する電力変換装置と、電気的にレール側に接続し、変換された交流電力により車輪を回転駆動する電動機と、電力変換装置と電動機との間で送電を行う送電線と、送電線に施されるシールドと、シールドに電気的に接続するとともに、車体側とレール側とをコンデンサを介して接続する接続線と、を備える電気鉄道車両である。
本発明によれば、電力変換装置から発生するノイズ電流の漏洩を抑制することができるノイズ電流漏洩防止構造、ノイズ電流漏洩防止方法および電気鉄道車両を提供することができる。
本発明を適用可能な車両(電気鉄道車両)の一例を示す概略図である。 本発明を適用可能な車両用駆動回路を示す実施例1の構成図であり、鉄道車両に搭載される電力変換装置周辺の構成例を示している。 実施例1の鉄道車両の車両床下の回路構成を示す図である。 実施例2における車両の回路構成図を示した図である。 実施例3における車両の回路構成図を示した図である。 (a)~(c)は、実施例1~実施例3の効果について示した図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
<車両の全体説明>
図1は、本発明を適用可能な車両(電気鉄道車両)の一例を示す概略図である。図1では、左の駆動車両1と右の先頭車両2の2つの車両を示している。図1は説明のため2両の車両のみを示しているが、さらに車両を連結することが可能である。なお、図1の左右方向が車両の前後方向となる。
各車両は、客室を覆うように金属製の構体等で構成された車体20を備えている。車体20は、台車枠40や車輪19を備える前後2つの台車50に支持され、車輪19はレール21上で転動する。また、駆動車両1の上部には、パンタグラフ12を備え、架線11と接触可能に構成されている。
<車両用駆動回路の説明>
次に、上記駆動車両1、先頭車両2を駆動するための車両用駆動回路について説明する。ここでは、車両用駆動回路を、実施例1~実施例3により説明する。
<実施例1>
図2は、本発明を適用可能な車両用駆動回路を示す実施例1の構成図であり、鉄道車両に搭載される電力変換装置周辺の構成例を示している。図2の構成は、主に図1の駆動車両1に備えることができる構成である。また、図3は、実施例1の鉄道車両の車両床下の回路構成を示す図である。
図2に示すように、電力は、変電所から架線11、パンタグラフ12、VCB(Vacuum
Circuit Breaker:真空遮断器)13を介してトランス(変圧器)14の一次側に供給される。トランス14の一次巻線の一端は、パンタグラフ12を介して架線11に接続され、他端は、車両接地線22から車輪19を介して接地されているレール21に接続されている。車両接地線22は、車両との間に接地抵抗器23が接続され、この車両接地線22から車輪軸を経由してレール21に帰路電流が流れるようになっている。
架線11から供給される電力は、パンタグラフ12を介してトランス14の一次巻線に入力されるとともに、トランス14の2次巻線に生じた電力が電力変換装置16に入力される。トランス14の3次巻線に生じた電力は、換気空調装置等の補機類24に入力される。
電力変換装置16は、供給される電力を交流電力に変換する。電力変換装置16は、コンバータとインバータから構成され、コンバータは入力された交流電圧を所望の直流電圧に変換する。インバータは、コンバータで変換された直流電圧を任意の電圧および周波数の交流電圧に変換し、送電線の一例である3相出力線17を介して、主電動機18へ出力する。
主電動機18は、電動機の一例であり、変換された交流電力により車輪19を回転駆動する。
図3に示すように、主電動機18のフレームは、車体20を支えている台車の台車枠40に固定されており、図1に示すように、台車50は1車両に2台配置されている。なお、車体20は金属で構成され、車両接地線22と車体20の間には接地抵抗器23が接続されている。これにより、レール電流が車体20に吸い上がり、特定の接地ブラシ15にレール電流が集中することを抑制する。本実施の形態では、「車体20側」は、接地抵抗器23を境界とし、電気的に車体20側に属することを言い、「レール21側」とは、接地抵抗器23を境界とし、電気的にレール21側(車両接地線22側)に属することを言う。この場合、主電動機18は、電気的にレール21側に接続する。主電動機18をレール21側とすることで、モータ軸受けの電食を抑制することができる。一方、電力変換装置16は、電気的に車体側に接続する。
台車50は、鉄道車両の足まわり装置であり、台車枠40に車輪19やブレーキやTC(路面清掃装置)、軸箱体等が取り付けられている。機械的な接続部分は全てゴム等の弾性部品をしているため、台車枠40は車体20と電気的に絶縁されている。
鉄道車両の場合、例えば車両駆動用の電力変換装置16は、主電動機18に駆動電流を流す。その際、主電動機18内の巻線と主電動機フレーム間の寄生容量32が存在するため、駆動電流の一部が、この寄生容量32により高周波ノイズ電流として変換される。
この結果、高周波ノイズ電流の一部が漏洩電流として、寄生容量32等から車体20へ流れて隣接車両までノイズが伝播することになる。この漏洩電流により、車体20の電位変動が生じたり、車体20外へノイズ放射したりすることで、先頭又は最後尾車両に配置される信号装置等にノイズが混入し、誤動作・誤検知等を引き起こす恐れがある。また、先頭または最後尾車両の電位が変動すると、各電子機器のGNDレベルが変動して、信号のS/Nが悪化することも考えられる。
また、電力変換装置16の小型・低損失化のため、近年、パワーデバイスにSiC(炭化ケイ素)といった新しい半導体材料が採用されつつある。この結果、電力変換装置16はさらなる高速・高周波スイッチング動作可能となり、小型・低損失化を満たす一方で、スイッチング動作により生じる高周波ノイズ電流は、より高周波まで高調波成分を持つようになる。そのため、より高周波まで効果が得られる高周波ノイズ電流の漏洩対策が求められる。
以下、実施例1における高周波ノイズ電流の漏洩対策について説明する。
3相出力線17は、シールドの一例である金属シールド25a、25bで覆われている。なお、以後、金属シールド25a、25bをそれぞれ区別しない場合は、単に「金属シールド25」と言う場合がある。この金属シールド25は車体20に接続されるが、車体20とレール21間を電気的に接続してしまうため、金属シールド25は、主電動機18側と電気的に接続させることができない。また、車間や台車50上は可動部のため、屈曲性が求められる。そのため、台車50上部には中継コネクタ26が設けられ、屈曲性を確保する。一方、金属シールド25については、電力変換装置16から主電動機18まで一括したシールド施工が困難となる。そのため金属シールド25は、車体側とレール21側とで金属シールド25aおよび金属シールド25aに分割され施される。
3相出力線17は、中継コネクタ26を介して、車体20側とレール21側とが電気的に接続するとともに、中継コネクタ26により屈曲性を確保する。一方、中継コネクタ26の箇所で、金属シールド25は、車体側とレール21側とで金属シールド25aおよび金属シールド25aに分割され、そのため、主電動機18で変換されて生じる高周波ノイズ電流は金属シールド25を主な帰路とすることができず、例えば、主電動機18、車両接地線22、接地抵抗器23、車体20、電力変換装置16の経路を主な帰路として流れる。接地抵抗器23自体が高いインピーダンスを持つことや、車両接地線22は車輪に接続する必要があるため、常に3相出力線17と並走させることが難しく、3相出力線17と帰路との経路が作るループ面積が広いため、帰路のインピーダンスを十分小さくすることができない。
そこで、実施例1では、この高周波ノイズ電流の漏洩を防ぐため、金属シールド25との間の中継コネクタ26にコンデンサ30を配置し、このコンデンサ30を介して電力変換装置16側の金属シールド25aと主電動機18側の金属シールド25bが接続されるようにしている。さらに具体的には、コンデンサ30とともに、接続線31a、31bを設け、接続線31a、31bを、コンデンサ30を介し、分割された金属シールド25a、25bのそれぞれに電気的に接続する。また、実施例1では、コンデンサ30は、中継コネクタ26に設ける。よって、接続線31a、31bは、中継コネクタ26に配されたコンデンサ30を介し、分割された金属シールド25a、25bのそれぞれに電気的に接続する。これにより、中継コネクタ26を利用してコンデンサ30を配することができる。
この場合、中継コネクタ26では、電力変換装置16側の金属シールド25aと主電動機18側の金属シールド25bとは、コンデンサ30を介しているため電気的には絶縁する。即ち、この箇所では、車体20側とレール21側とが電気的に絶縁している。一方、高周波ノイズ電流は、中継コネクタ26に設けられたコンデンサ30を通過することができる。これにより、車体20とレール21との間の短絡を防ぐことができるため、架線11からレール21を流れる主電流が車体20に吸い上がり、先頭・最後尾車の接地ブラシ15に電流が集中することを防ぐことができる。また、高周波ノイズ電流に対しては、インバータノイズの帰路経路の連続性を保つことができるため、高周波ノイズ電流は、金属シールド25を主な帰路とでき、レール21などへの漏洩を防ぐことができる。
特にコンデンサ30は中継コネクタ26に配置するため、3相出力線17と金属シールド25との間を常に並走させることができる。これにより、3相出力線17と金属シールド25との間の電磁結合を強くすることができると伴に、金属シールド25が受ける外来ノイズの影響も防ぐことができる。
ここで、コンデンサ30は、抵抗など含めたフィルタ回路としても良い。金属シールド25に共振が生じる場合、フィルタ回路を構成することで共振の影響を抑制させることができる。
コンデンサ30の値に関してはレール21を流れる主電流に対しては十分高いインピーダンスを持ち、高周波ノイズ電流に対しては小さいインピーダンスとなる値とすることが望ましい。
実施例1では、電気的に車体20側に接続する電力変換装置16と電気的にレール21側に接続する主電動機18との間で送電を行う3相出力線17と、3相出力線17に施される金属シールド25a、25bと、金属シールド25a、25bに電気的に接続するとともに、車体20側とレール21側とをコンデンサ30を介して接続する接続線31a、31bと、を備えるノイズ電流漏洩防止構造をなすと言うことができる。
<実施例2>
次に、実施例1の応用例として、実施例2について説明する。
図4は、実施例2における車両の回路構成図を示した図である。
実施例1では、コンデンサ30を中継コネクタ26に配置したが、確実に固定され、振動耐性が十分であれば、主電動機18のフレームや台車枠40上に配置しても良い。図4では、台車枠40にコンデンサ30を配置し、金属シールド25とコンデンサ30とを接続線31cにより接続する。この場合、金属シールド25と台車枠40とは、コンデンサ30を介しているため電気的には絶縁する。即ち、この箇所を境界に車体20側とレール21側とが電気的に絶縁する。対して、高周波ノイズ電流は、台車枠40に設けられたコンデンサ30を通過することができる。一方、中継コネクタ26上は、実施例1のようにコンデンサ30を設けず、金属シールド25を電気的に接続する構成とする。この構成でも、高周波ノイズ電流に対して、インバータノイズの帰路経路の連続性を保つことができるため、高周波ノイズ電流はシールド材を主な帰路とでき、レール21などへの漏洩を防ぐことができる。
実施例2では、電気的に車体20側に接続する電力変換装置16と電気的にレール21側に接続する主電動機18との間で送電を行う3相出力線17と、3相出力線17に施される金属シールド25と、金属シールド25に電気的に接続するとともに、車体20側とレール21側とをコンデンサ30を介して接続する接続線31cと、を備えるノイズ電流漏洩防止構造をなすと言うことができる。
このとき実施例2では、金属シールド25の一端側(電力変換装置16側)は車体20側に電気的に接続し、金属シールド25の他端側(主電動機18側)とレール21側とがコンデンサ30を介し接続線31cにより接続する。この場合、電気的にレール21側に接続する機器を利用してコンデンサ30を配することができる。
また、コンデンサ30は、台車枠40に配され、金属シールド25の他端側とレール21側である台車枠40とがコンデンサ30を介し接続線31cにより接続する。なお、コンデンサ30は、主電動機18のフレームに配され、金属シールド25の他端側とレール21側である主電動機18とがコンデンサ30を介し接続線31cにより接続するようにしてもよい。この場合、台車枠40や主電動機18のフレームを利用してコンデンサ30を配することができる。
<実施例3>
次に、実施例1の応用例として、実施例3について説明する。
図5は、実施例3における車両の回路構成図を示した図である。
3相出力線17は、金属シールド25で覆われている。鉄道車両において、一般的に1点で金属シールド25と車体20間を電気的に接続する場合が多い。この理由として、車上装置は基本的には車体20を基準グラウンドとしているため、車体20にノイズ電流を極力流さないようにすることや、数10mの長さにもなる車体20の前後では電位差が生じてしまうため、金属シールド25上にノイズ電流が流れることを防ぐことなどが挙げられる。しかしながら、車体20に1点のみで電気的に接続された金属シールド25に高周波ノイズ電流が流れると、金属シールド25と車体20との間に電位差が生じる。そして、金属シールド25は、その長さからモノポールアンテナとして新たなノイズ放射源として働き、信号機器などに容量結合することでノイズを混入させる恐れがある。
そこで実施例3では、この車体20と金属シールド25間の電位差を抑制するため、車体20と金属シールド25との間に、端子台33上に配置する高誘電材料34を設ける。その結果、高誘電材料34を介して電気的に絶縁された状態で、高周波のみ接続する分岐点を配置する。これにより、車体20にノイズ電流が流れることを抑制しつつ、車体20と電気的に1点接続される金属シールド25において、電位差を抑制することができる。
図5では、金属シールド25に電気的に接続する接続線31dを3つ設けている。接続線31dは、一端が金属シールド25に電気的に接続し、3つのうち図中最も左側の接続線31dは、電気的にレール21側となる金属シールド25bに接続する。一方、他の2つは、電気的に車体20側となる金属シールド25aに接続する。即ち、接続線31dが金属シールド25に接続する側は、電気的に車体20側でもレール21側でも何れであってもよい。また、接続線31dは、他端は、端子台33に接続し、高誘電材料34を介して車体20側に接続される。ただし、接続線31dの他端側は、高誘電材料34により、車体20側と絶縁する。
ここで、車体20と金属シールド25との間の接続に用いた高誘電材料34は、基板などに実装されたコンデンサなどの電子部品だけでなく、車体20より面状導体と絶縁体から構成される寄生容量を介して接続しても良い。これにより電子部品の使用と比べて高寿命化を図ることができる。
実施例3では、実施例1や実施例2の形態に加え、さらに、金属シールド25に電気的に接続するとともに、車体20側とレール21側および車体20側同士の少なくとも一方を、誘電体の一例である高誘電材料34を介して接続する。高誘電材料34は、例えば、端子台33に配される。この場合、端子台33を利用して高誘電材料34を配することができる。
また図示するように、高誘電材料34は、複数の端子台33のそれぞれに設けられ、車体20側と接続することが好ましい。この場合、車体20と金属シールド25間の電位差をさらに抑制することができる。
なお、上述した説明では、実施例1や実施例2の形態に加え、さらに車体20側とレール21側とを高誘電材料34を介して接続する場合について説明したが、実施例1や実施例2の形態を用いず、単に車体20側とレール21側とを高誘電材料34を介して接続してもよい。
<実施例1~実施例3の効果の説明>
図6(a)~(c)は、実施例1~実施例3の効果について示した図である。
ここで、(0a)は、金属シールド25を設けなかった場合である。また、(0b)は、金属シールド25は設けるが、実施例1~3のような形態としなかった場合である。即ち、(0a)、(0b)は、従来の車両用駆動回路について図示している。
対して、(1)は、実施例1で示した車両用駆動回路を採用した結果である。また、(1+2)は、実施例1および実施例2で示した車両用駆動回路を採用した結果である。さらに、(3)は、実施例3で示した車両用駆動回路を採用した結果である。ただし、(3)は、実施例1~2の車両用駆動回路は採用していない場合を示す。
図6(a)は、(0a)、(0b)、(1)、(1+2)について、車体20とレール21との間の電圧を示した図である。図6(a)で、横軸は、周波数を表し、縦軸は、電圧を表す。
図6(a)に示すように、(0a)、(0b)に対し、(1)、(1+2)の方が、車体20とレール21との間の電圧が低減することがわかる。
図6(b)は、(0a)、(0b)、(1)、(1+2)について、レール電流を示した図である。図6(b)で、横軸は、周波数を表し、縦軸は、電流を表す。
図6(b)に示すように、(0a)、(0b)に対し、(1)、(1+2)の方が、レール電流が低減することがわかる。
図6(c)は、(0b)、(3)について、車体20とレール21との間の電圧を示した図である。図6(c)で、横軸は、周波数を表し、縦軸は、電圧を表す。
図6(c)に示すように、(0b)に対し、(3)の方が、車体20とレール21との間の電圧が低減することがわかる。
以上のことから、本実施例に示す構成によれば、電力変換装置16は、主電動機18に駆動電流を流して主電動機18を駆動させるときに、主電動機18の巻線部と主電動機ケース間の寄生容量32を介して発生する高周波ノイズ電流の漏洩を抑制する回路構成を提供することができる。そして、電力変換装置16から発生する高周波ノイズ電流の漏洩を抑制することができるノイズ電流漏洩防止構造を提供することができる。
なお、以上説明した金属シールド25は、3相出力線17を覆うように施される場合を示したが、これに限られるものではなく、一部を覆う形態であってもよい。例えば、樋形状の金属シールド25に、3相出力線17をはめ込むような形態であってもよい。なお、樋形状は、金属シールド25が延びる方向に対し交差する方向に開口部を有する形状である。または、金属シールド25が延びる方向に対し交差する方向の断面形状が凹形状になる、と言うこともできる。
また、以上説明した形態では、高周波ノイズ電流の漏洩を抑制する回路構成について説明したが、ノイズ電流の周波数について限定されるものではなく、低周波ノイズ電流についても適用ができる。
さらに、以上説明した形態では、シールドとして金属シールド25を使用していたが、これに限られるものではない。シールドは、導電性を有し電磁波を遮蔽する機能を有すれば、金属製でなくても、例えば、導電性の粒子を分散させた樹脂フィルムなどであってもよい。
<ノイズ電流漏洩防止方法の説明>
以上説明を行ったノイズ電流漏洩防止構造によりノイズ電流の漏洩を防止する方法は、金属シールド25が施され、電気的に車体側に接続する電力変換装置16と電気的にレール21側に接続する主電動機18との間で送電を行う際に、金属シールド25に電気的に接続するとともに車体側とレール21側とをコンデンサ30を介して接続することで、ノイズ電流の漏洩を防止する、ノイズ電流漏洩防止方法と捉えることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…駆動車両、2…先頭車両、16…電力変換装置、17…3相出力線、18…主電動機、19…車輪、21…レール、25、25a、25b…金属シールド、26…中継コネクタ、30…コンデンサ、31a~31d…接続線、32…寄生容量、33…端子台、34…高誘電材料、40…台車枠

Claims (13)

  1. 電気的に車体側に接続する電力変換装置と電気的にレール側に接続する電動機との間で送電を行う送電線と、
    前記送電線に施されるシールドと、
    前記シールドに電気的に接続するとともに、車体側とレール側とをコンデンサを介して接続する接続線と、
    を備えるノイズ電流漏洩防止構造。
  2. 前記シールドは、車体側とレール側とで分割され、
    前記接続線は、前記コンデンサを介し、分割された前記シールドのそれぞれに電気的に接続する請求項1に記載のノイズ電流漏洩防止構造。
  3. 前記送電線は、中継コネクタを介して、車体側とレール側とが電気的に接続し、
    前記接続線は、前記中継コネクタに配された前記コンデンサを介し、分割された前記シールドのそれぞれに電気的に接続する請求項2に記載のノイズ電流漏洩防止構造。
  4. 前記シールドの一端側は車体側に電気的に接続し、前記シールドの他端側とレール側とが前記コンデンサを介し前記接続線により接続する請求項1乃至3の何れか1項に記載のノイズ電流漏洩防止構造。
  5. 前記コンデンサは、前記電動機のフレームに配され、前記シールドの他端側とレール側である前記電動機とが前記コンデンサを介し前記接続線により接続する請求項4に記載のノイズ電流漏洩防止構造。
  6. 前記コンデンサは、台車枠に配され、前記シールドの他端側とレール側である前記台車枠とが前記コンデンサを介し前記接続線により接続する請求項4に記載のノイズ電流漏洩防止構造。
  7. 前記シールドに電気的に接続するとともに、車体側とレール側および車体側同士の少なくとも一方を、誘電体を介してさらに接続する請求項1乃至3の何れか1項に記載のノイズ電流漏洩防止構造。
  8. 前記誘電体は、端子台に配される請求項7に記載のノイズ電流漏洩防止構造。
  9. 前記誘電体は、複数の前記端子台のそれぞれに設けられ、車体側と接続する請求項8に記載のノイズ電流漏洩防止構造。
  10. 前記シールドは、前記電動機に寄生容量が存在することに起因して発生する漏洩電流の帰路となる請求項1に記載のノイズ電流漏洩防止構造。
  11. 電気的に車体側に接続する電力変換装置と電気的にレール側に接続する電動機との間で送電を行う送電線と、
    前記送電線に施されるシールドと、
    前記シールドに電気的に接続するとともに、車体側とレール側および車体側同士の少なくとも一方を、誘電体を介して接続する接続線と、
    を備えるノイズ電流漏洩防止構造。
  12. シールドが施され、電気的に車体側に接続する電力変換装置と電気的にレール側に接続する電動機との間で送電を行う際に、
    前記シールドに電気的に接続するとともに車体側とレール側とをコンデンサを介して接続することで、ノイズ電流の漏洩を防止する、
    ノイズ電流漏洩防止方法。
  13. 金属製の車体と、
    電気的に車体側に接続し、供給される電力を交流電力に変換する電力変換装置と、
    電気的にレール側に接続し、変換された交流電力により車輪を回転駆動する電動機と、
    前記電力変換装置と前記電動機との間で送電を行う送電線と、
    前記送電線に施されるシールドと、
    前記シールドに電気的に接続するとともに、車体側とレール側とをコンデンサを介して接続する接続線と、
    を備える電気鉄道車両。
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