JP2024063935A - ウエーハの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄化ウエーハの形成に伴うデバイスの破損を抑制するとともに、ウエーハから製造可能なチップの数の減少を抑制できるウエーハの加工方法を提供する。【解決手段】ウエーハの内部に剥離層を形成した後、剥離層においてウエーハを分割するウエーハの加工方法であって、円錐台の側面に沿うような第一剥離層及び上面に沿うような第二剥離層を形成する剥離層形成ステップと、第一剥離層において分割されることによって露出する第一剥離面と、第二剥離層において分割されることによって露出する第二剥離面と、を有する薄化ウエーハが形成されるようにウエーハを分割する分割ステップと、少なくとも第一剥離面に対してウェットエッチングを施すウェットエッチングステップと、第二剥離面に対して研削を施す研削ステップと、第一剥離面及び第二剥離面に対して研磨を施す研磨ステップと、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、表面側に複数のデバイスが形成され、かつ、外周領域が面取りされているウエーハに対してウエーハを透過する波長のレーザービームを照射することによってウエーハの内部に剥離層を形成した後、ウエーハの厚さ方向に沿ってウエーハに外力を付与することによって剥離層においてウエーハを分割するウエーハの加工方法に関する。
集積回路(IC)又はメモリ等のデバイスのチップは、一般的に、シリコン(Si)等の半導体材料からなる円盤状のウエーハを利用して製造される。具体的には、このウエーハは格子状に設定された分割予定ラインによって区画されており、複数の領域のそれぞれの表面側にはデバイスが形成されている。
そして、このウエーハを分割予定ラインに沿って分割することによってチップが製造される。さらに、ウエーハには、複数のチップを含むパッケージの高集積化等を目的として、シリコン貫通電極(TSV)が設けられることがある。このパッケージにおいては、例えば、TSVを介して異なるチップに含まれる電極を電気的に接続することができる。
TSVは、例えば、以下の順序でウエーハに設けられる。まず、ウエーハの表面側に溝を形成する。次いで、この溝にTSVを設ける。次いで、ウエーハの表面側を支持ウエーハに貼り合わせる。次いで、TSVがウエーハの裏面において露出するまで、ウエーハの裏面に対して研削を施す。
ここで、ウエーハにおいては、割れの防止等を目的として、その外周領域が面取りされていることが多い。そして、外周領域が面取りされたウエーハの裏面をウエーハの厚さが半分以下になるまで研削すると、この外周領域の裏面側がナイフエッジのような形状になる。
この場合、ウエーハを研削中に外周領域の裏面側に応力が集中してウエーハが割れやすくなり、ウエーハから得られるチップの歩留まりが低下するおそれがある。そこで、ウエーハの裏面に対する研削に先立って、外周領域の表面側の一部の除去(所謂エッジトリミング)等を実施することが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、ウエーハの裏面においてTSVが露出するまでウエーハの裏面に対して研削を施す場合、ウエーハの研削量が多くなり、このウエーハを研削するために必要な砥石の摩耗量が多くなる。この場合、このウエーハを用いて製造されるチップ又はパッケージのコストが増加し、また、その加工が長期化するおそれがある。
これらの点に鑑み、ウエーハを透過する波長のレーザービームを利用してウエーハを分割する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法においては、まず、レーザービームを照射した時に乱反射が生じないウエーハの領域(端的には、面取りされている外周領域よりも内側の領域)に対して、ウエーハの表面側に集光点を位置付けた状態で円環状にレーザービームを照射する。
これにより、下面がウエーハの表面側に位置し、かつ、上面がウエーハの内部に位置する円柱の側面に沿うような剥離層(円筒状の剥離層)が形成される。次いで、この円筒状の剥離層よりも内側の領域に対して、上記の円柱の上面に集光点を位置付けた状態でレーザービームを照射する。これにより、上記の円柱の上面に沿うような剥離層(円盤状の剥離層)が形成される。
次いで、このウエーハに外力を付与することによって、円筒状の剥離層及び円盤状の剥離層においてウエーハを分割する。これにより、円筒状の剥離層において分割されることによって露出する側面と、円盤状の剥離層において分割されることによって露出する上面と、を有する薄化ウエーハが形成される。
特開2007-158239号公報 特開2020-57709号公報 特開2020-136442号公報
上述のように円筒状の剥離層及び円盤状の剥離層においてウエーハを分割する場合、ウエーハの外周領域をウエーハの径方向に沿ってデバイス領域から離隔させ、また、このデバイス領域の裏面側をウエーハの厚さ方向に沿って表面側から離隔させることが必要になる。
ここで、ウエーハの外周領域をデバイス領域から離隔させるために必要な外力の方向とデバイス領域の裏面側を表面側から離隔させるために必要な外力の方向とは直交する。そのため、ウエーハに対して特定の方向に沿った外力を付与することによって、円筒状の剥離層及び円盤状の剥離層においてウエーハを同時に分割することは必ずしも容易ではない。
例えば、ウエーハの厚さ方向に沿った外力をウエーハに付与することによってウエーハを分割する場合には、ウエーハの分割によって形成される薄化ウエーハの側面と、このウエーハの残部(外周領域を含む部分)の内側面と、が互いに接触するおそれがある。そして、この場合には、両者の接触に起因した亀裂が形成されるおそれがある。
また、円筒状の剥離層は、上述のとおり、レーザービームを照射した時に乱反射が生じないウエーハの領域(端的には、面取りされている外周領域よりも内側の領域)に形成される。そのため、この円筒状の剥離層においてウエーハが分割される場合には、薄化ウエーハの表面側に形成されているデバイスに向かって亀裂が伸展し、デバイスが破損するおそれがある。
なお、薄化ウエーハの側面近傍の領域にデバイスを形成しなければ、このようなデバイスの破損を防止できる。ただし、この場合には、ウエーハから製造可能なチップの数が減少するおそれがある。
以上の点に鑑み、本発明の目的は、薄化ウエーハの形成に伴うデバイスの破損を抑制するとともに、ウエーハから製造可能なチップの数の減少を抑制できるウエーハの加工方法を提供することである。
本発明によれば、表面側に複数のデバイスが形成され、かつ、外周領域が面取りされているウエーハに対して該ウエーハを透過する波長のレーザービームを照射することによって該ウエーハの内部に剥離層を形成した後、該ウエーハの厚さ方向に沿って該ウエーハに外力を付与することによって該剥離層において該ウエーハを分割するウエーハの加工方法であって、該ウエーハの該表面側に位置する第一底面と、該第一底面の外周と重なる一端を有し、かつ、該ウエーハの該表面側から遠ざかるほど該外周領域から遠ざかるように傾斜する側面と、該側面の他端と重なる外周を有し、かつ、該第一底面と平行な第二底面と、によって画定される円錐台の該側面に沿うような第一剥離層及び該第二底面に沿うような第二該剥離層を形成する剥離層形成ステップと、該剥離層形成ステップを実施した後、該第一剥離層において分割されることによって露出する第一剥離面と、該第二剥離層において分割されることによって露出する第二剥離面と、を有する薄化ウエーハが形成されるように該ウエーハを分割する分割ステップと、該分割ステップを実施した後、少なくとも該第一剥離面に対してウェットエッチングを施すウェットエッチングステップと、該ウェットエッチングステップを実施した後、該第二剥離面に対して研削を施す研削ステップと、該研削ステップを実施した後、該第一剥離面及び該第二剥離面に対して研磨を施す研磨ステップと、を備えるウエーハの加工方法が提供される。
本発明のウエーハの加工方法は、該分割ステップを実施する前に、該ウエーハの該表面側を、該ウエーハとは異なる第二ウエーハの表面側に貼り合わせる貼り合わせステップを更に備えることが好ましい。
さらに、該剥離層形成ステップにおいては、該第一剥離層及び該第二剥離層の一方を形成してから他方を形成することが好ましい。
あるいは、該ウエーハは、それぞれが所定の方向に沿って延在する第一領域及び第二領域を含み、該第一剥離層は、該第一領域に形成される一対の第一傾斜部と、該第二領域に形成される一対の第二傾斜部と、を含み、該第二剥離層は、該第一領域に形成され、かつ、該所定の方向において該一対の第一傾斜部の間に位置する第一直線部と、該第二領域に形成され、かつ、該所定の方向において該一対の第二傾斜部の間に位置する第二直線部と、を含み、該剥離層形成ステップにおいては、該一対の第一傾斜部及び該第一直線部を形成してから該一対の第二傾斜部及び該第二直線部を形成することが好ましい。
本発明においては、ウエーハの表面側に位置する第一底面と、第一底面の外周と重なる一端を有し、かつ、ウエーハの表面側から遠ざかるほど外周領域から遠ざかるように傾斜する側面と、側面の他端と重なる外周を有し、かつ、第一底面と平行な第二底面と、によって画定される円錐台の側面に沿うような第一剥離層及び第二底面に沿うような第二剥離層をウエーハの内部に形成する。
そして、本発明においては、第一剥離層において分割されることによって露出する第一剥離面(側面)と、第二剥離層において分割されることによって露出する第二剥離面(上面)と、を有する薄化ウエーハが形成されるようにウエーハを分割する。
ここで、このウエーハにおいては第一剥離層が円錐台の側面に沿うように形成されている。この場合、ウエーハを分割する際に、薄化ウエーハの側面と、このウエーハの残部(外周領域を含む部分)の内側面と、が互いに接触する蓋然性が低い。そのため、本発明においては、両者の接触に起因した亀裂の発生を抑制できる。
さらに、このウエーハにおいては、第一剥離層から円錐台の側面に沿った方向に亀裂が伸展しやすくなる。この場合、薄化ウエーハの表面側に形成されているデバイスに向かって亀裂が伸展する蓋然性が低くなる。そのため、本発明においては、薄化ウエーハの形成に伴うデバイスの破損を抑制するとともに、ウエーハから製造可能なチップの数の減少を抑制できる。
図1(A)は、ウエーハの一例を模式的に示す上面図であり、図1(B)は、ウエーハの一例を模式的に示す断面図である。 図2は、ウエーハの加工方法の一例を模式的に示すフローチャートである。 図3は、ウエーハの表面側を支持ウエーハの表面側に貼り合わせる様子を模式的に示す断面図である。 図4は、レーザー加工装置の一例を模式的に示す斜視図である。 図5は、レーザービーム照射ユニットにおいてレーザービームが進行する様子を模式的に示す図である。 図6は、ウエーハの外周領域よりも内側の領域に対して、レーザービームを照射する様子を模式的に示す一部断面正面図である。 図7は、ウエーハの第一剥離層よりも内側の領域に対して、レーザービームを照射する様子を模式的に示す一部断面正面図である。 図8(A)及び図8(B)のそれぞれは、ウエーハを分割する様子を模式的に示す一部断面正面図である。 図9は、薄化ウエーハの側面に対してウェットエッチングを施す様子を模式的に示す一部断面側面図である。 図10は、加工装置の一例を模式的に示す斜視図である。 図11は、薄化ウエーハの上面に対して研削を施す様子を模式的に示す一部断面側面図である。 図12は、薄化ウエーハの側面及び上面に対して研磨を施す様子を模式的に示す一部断面側面図である。
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1(A)は、ウエーハの一例を模式的に示す上面図であり、図1(B)は、ウエーハの一例を模式的に示す断面図である。なお、図1(A)においては、このウエーハを構成する単結晶材料(ここでは、単結晶シリコン)の結晶方位も示されている。
図1(A)及び図1(B)に示されるウエーハ11は、結晶面{100}に含まれる特定の結晶面(ここでは、便宜上、結晶面(100)とする。)が表面11a及び裏面11bのそれぞれにおいて露出する円柱状の単結晶シリコンからなる。すなわち、このウエーハ11は、表面11a及び裏面11bのそれぞれの垂線(結晶軸)が結晶方位[100]に沿う円柱状の単結晶シリコンからなる。
なお、ウエーハ11は、表面11a及び裏面11bのそれぞれに結晶面(100)が露出するように製造されるものの、製造時の加工誤差等に起因して、その表面11a及び裏面11bのそれぞれが結晶面(100)から僅かに傾いた面となっていてもよい。具体的には、ウエーハ11の表面11a及び裏面11bのそれぞれは、結晶面(100)との間で形成される鋭角の角度が1°以下の面であってもよい。
すなわち、ウエーハ11の結晶軸は、結晶方位[100]との間で形成される鋭角の角度が1°以下の方向に沿っていてもよい。また、ウエーハ11の側面11cにはノッチ13が形成されており、このノッチ13からみて結晶方位<110>に含まれる特定の結晶面(ここでは、便宜上、結晶方位[011]とする。)にウエーハ11の中心が位置する。
さらに、ウエーハ11は、互いに交差する複数の分割予定ラインで複数の領域に区画されており、各領域の表面11a側にはIC又はメモリ等のデバイス15が形成されている。さらに、ウエーハ11の表面11a側には、TSVが設けられる溝が形成されていてもよい。
また、ウエーハ11の外周領域は、面取りされている。すなわち、ウエーハ11の側面11cは、外側に凸になるように湾曲している。なお、ウエーハ11の外周領域には、デバイス15が形成されていない。すなわち、ウエーハ11のデバイス15が形成されている領域(デバイス領域)は、その外周領域に囲まれている。
なお、ウエーハ11の材質、形状、構造及び大きさ等に制限はない。ウエーハ11は、例えば、シリコン以外の半導体材料(例えば、炭化シリコン(SiC)又は窒化ガリウム(GaN)等)からなっていてもよい。同様に、デバイス15の種類、数量、形状、構造、大きさ及び配置等にも制限はない。
図2は、ウエーハの加工方法の一例を模式的に示すフローチャートである。この方法においては、まず、ウエーハ11の表面11a側を支持ウエーハ(第二ウエーハ)の表面側に貼り合わせる(貼り合わせステップS1)。図3は、ウエーハ11の表面11a側を支持ウエーハの表面側に貼り合わせる様子を模式的に示す断面図である。
なお、ウエーハ11と貼り合わせられる支持ウエーハ17は、例えば、ウエーハ11と同様の形状を有する。また、ウエーハ11と同様に、支持ウエーハ17の表面17a側には複数のデバイスが形成されていてもよい。また、支持ウエーハ17の表面17aには、例えば、アクリル系接着剤又はエポキシ系接着剤等の接着剤19が設けられている。
そして、貼り合わせステップS1においては、支持ウエーハ17の裏面17b側を支持した状態で、接着剤19を介して、ウエーハ11の表面11aを支持ウエーハ17の表面17aに押し当てる。これにより、ウエーハ11の表面11a側が支持ウエーハ17の表面17a側に貼り合わせられた貼り合わせウエーハが形成される。
貼り合わせステップS1を実施した後には、裏面11bが上を向くように配置されたウエーハ11に対してウエーハ11を透過する波長のレーザービームを上から照射することによってウエーハ11の内部に剥離層を形成する。具体的には、円錐台の側面に沿うような第一剥離層及び上面に沿うような第二剥離層をウエーハ11の内部に形成する(剥離層形成ステップS2)。
なお、この円錐台は、ウエーハ11の表面11a側に位置する下面(第一底面)と、下面の外周と重なる下端(一端)を有し、かつ、ウエーハ11の表面11a側から遠ざかるほど外周領域から遠ざかるように傾斜する側面と、側面の上端(他端)と重なる外周を有し、かつ、下面と平行な上面(第二底面)とを含む仮想の構造物である。また、この円錐台においては、第一底面と側面とがなす角が、例えば、1°以上80°以下になる。
図4は、剥離層形成ステップS2において用いられるレーザー加工装置の一例を模式的に示す斜視図である。なお、図4に示されるX軸方向(左右方向)及びY軸方向(前後方向)は、水平面上において互いに直交する方向であり、また、Z軸方向(上下方向)は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(鉛直方向)である。
図4に示されるレーザー加工装置2は、各構成要素を支持する基台4を有する。この基台4の上面には、水平移動機構6が配置されている。そして、水平移動機構6は、基台4の上面に固定され、かつ、Y軸方向に沿って延在する一対のY軸ガイドレール8を有する。
一対のY軸ガイドレール8の上面側には、一対のY軸ガイドレール8に沿ってスライド可能な態様でY軸移動プレート10が連結されている。また、一対のY軸ガイドレール8の間には、Y軸方向に沿って延在するねじ軸12が配置されている。このねじ軸12の前端部(一端部)には、ねじ軸12を回転させるためのモータ14が連結されている。
また、ねじ軸12の螺旋状の溝が形成された表面には、回転するねじ軸12の表面を転がる多数のボールを収容するナット(不図示)が設けられ、ボールねじが構成されている。すなわち、ねじ軸12が回転すると多数のボールがナット内を循環してナットがY軸方向に沿って移動する。
さらに、このナットは、Y軸移動プレート10の下面側に固定されている。そのため、モータ14でねじ軸12を回転させれば、ナット部とともにY軸移動プレート10がY軸方向に沿って移動する。また、Y軸移動プレート10の上面には、X軸方向に沿って延在する一対のX軸ガイドレール16が固定されている。
一対のX軸ガイドレール16の上面側には、一対のX軸ガイドレール16に沿ってスライド可能な態様でX軸移動プレート18が連結されている。また、一対のX軸ガイドレール16の間には、X軸方向に沿って延在するねじ軸20が配置されている。このねじ軸20の一端部には、ねじ軸20を回転させるためのモータ22が連結されている。
また、ねじ軸20の螺旋状の溝が形成された表面には、回転するねじ軸20の表面を転がる多数のボールを収容するナット(不図示)が設けられ、ボールねじが構成されている。すなわち、ねじ軸20が回転すると多数のボールがナット内を循環してナットがX軸方向に沿って移動する。
さらに、このナットは、X軸移動プレート18の下面側に固定されている。そのため、モータ22でねじ軸20を回転させれば、ナットとともにX軸移動プレート18がX軸方向に沿って移動する。
X軸移動プレート18の上面側には、円柱状のテーブル基台24が配置されている。このテーブル基台24の上部には、例えば、上述した貼り合わせウエーハを保持する保持テーブル26が配置されている。この保持テーブル26は、例えば、X軸方向及びY軸方向に対して平行な円状の上面(保持面)を有し、この保持面においてはポーラス板26aが露出している。
また、テーブル基台24の下部には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。そして、この回転駆動源を動作させると、保持面の中心を通り、かつ、Z軸方向に平行な直線を回転軸として保持テーブル26が回転する。また、上述した水平移動機構6を動作させると、X軸方向及び/又はY軸方向に沿って保持テーブル26が移動する。
さらに、ポーラス板26aは、保持テーブル26の内部に設けられた流路等を介してエジェクタ等の吸引源(不図示)と連通している。そして、この吸引源を動作させると、保持テーブル26の保持面近傍の空間に吸引力が作用する。そのため、例えば、上述した貼り合わせウエーハが保持テーブル26に置かれた状態で吸引源を動作させると、保持テーブル26において貼り合わせウエーハを保持できる。
また、水平移動機構6の後方には、Y軸方向及びZ軸方向に対して概ね平行な側面を有する支持構造30が設けられている。この支持構造30の側面には、鉛直移動機構32が配置されている。そして、鉛直移動機構32は、支持構造30の側面に固定され、かつ、Z軸方向に沿って延在する一対のZ軸ガイドレール34を有する。
一対のZ軸ガイドレール34の表面側には、一対のZ軸ガイドレール34に沿ってスライド可能な態様でZ軸移動プレート36が連結されている。また、一対のZ軸ガイドレール34の間には、Z軸方向に沿って延在するねじ軸(不図示)が配置されている。このねじ軸の上端部(一端部)には、ねじ軸を回転させるためのモータ38が連結されている。
また、ねじ軸の螺旋状の溝が形成された表面には、回転するねじ軸の表面を転がる多数のボールを収容するナット(不図示)が設けられ、ボールねじが構成されている。すなわち、このねじ軸が回転すると多数のボールがナット内を循環してナットがZ軸方向に沿って移動する。
さらに、このナットは、Z軸移動プレート36の裏面側に固定されている。そのため、モータ38で一対のZ軸ガイドレール34の間に配置されているねじ軸を回転させれば、ナットとともにZ軸移動プレート36がZ軸方向に沿って移動する。
Z軸移動プレート36の表面側には、支持具40が固定されている。この支持具40は、レーザービーム照射ユニット42の一部を支持する。図5は、レーザービーム照射ユニット42においてレーザービームLBが進行する様子を模式的に示す図である。なお、図5においては、レーザービーム照射ユニット42の構成要素の一部が機能ブロックで示されている。
レーザービーム照射ユニット42は、基台4に固定されたレーザー発振器44を有する。このレーザー発振器44は、例えば、レーザー媒質としてNd:YAG等を有し、ウエーハ11を透過する波長(例えば、1064nm又は1342nm)のレーザービームLBを出射する。このレーザービームLBは、例えば、周波数が60kHzのパルスレーザービームである。
そして、レーザービームLBは、その出力が減衰器46において調整された後、空間光変調器48に供給される。この空間光変調器48においては、レーザービームLBが分岐される。例えば、空間光変調器48は、後述する照射ヘッド52から出射されるレーザービームLBがX軸方向及びY軸方向に平行な平面(XY座標平面)における位置(座標)及び/又はZ軸方向における位置(高さ)が互いに異なる複数の集光点を形成するように、減衰器46において調整されたレーザービームLBを分岐する。
また、空間光変調器48において分岐されたレーザービームLBは、ミラー50によって反射されて照射ヘッド52へと導かれる。この照射ヘッド52には、レーザービームLBを集光する集光レンズ(不図示)等が収容されている。そして、この集光レンズで集光されたレーザービームLBは、保持テーブル26の保持面側に出射される。
なお、図4に示されるように、照射ヘッド52は、円柱状のハウジング54の前端部に設けられている。そして、このハウジング54の後側の側面には、支持具40が固定されている。さらに、このハウジング54の前側の側面には、撮像ユニット56が固定されている。
この撮像ユニット56は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の光源と、対物レンズと、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子とを有する。
そして、上述した鉛直移動機構32を動作させると、Z軸方向に沿って、レーザービーム照射ユニット42及び撮像ユニット56が移動する。さらに、基台4上には、上述した構成要素を覆うカバー(不図示)が設けられている。また、このカバーの前面には、タッチパネル58が配置されている。
このタッチパネル58は、例えば、静電容量方式又は抵抗膜方式のタッチセンサ等の入力装置と、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置とによって構成され、ユーザインターフェースとして機能する。
レーザー加工装置2においては、例えば、以下の順序で剥離層形成ステップS2が実施される。具体的には、まず、上述した貼り合わせウエーハの支持ウエーハ17の裏面17bの中心と保持テーブル26の保持面の中心とを一致させるように、貼り合わせウエーハを保持テーブル26に置く。
次いで、貼り合わせウエーハが保持テーブル26によって保持されるように、ポーラス板26aと連通する吸引源を動作させる。次いで、撮像ユニット56が貼り合わせウエーハのウエーハ11の裏面11b側を撮像して画像を形成する。
次いで、この画像を参照して、レーザービーム照射ユニット42の照射ヘッド52がウエーハ11の外周領域よりも僅かに内側の領域の真上に位置付けられるように水平移動機構6を動作させる。
また、この画像を参照して、保持テーブル26を回転させてウエーハ11を構成する単結晶シリコンの結晶方位[010]がX軸方向に平行になり、かつ、結晶方位[001]がY軸方向に平行になるように、テーブル基台24の下部に連結されている回転駆動源を動作させてもよい。
次いで、上記の円錐台の側面に沿うような剥離層(第一剥離層)をウエーハ11の外周領域よりも内側の領域に形成する。具体的には、まず、分岐されたレーザービームLBをウエーハ11に照射するようにレーザービーム照射ユニット42を動作させる。この時、レーザービームLBは、複数の集光点がウエーハ11の表面11aから遠ざかるほど外周領域から遠ざかって配列されるように分岐される。
図6は、ウエーハ11の外周領域よりも内側の領域に対して、レーザービームLBを照射する様子を模式的に示す一部断面正面図である。このレーザービームLBは、例えば、ウエーハ11の径方向(Z軸方向に垂直な方向)及び厚さ方向(Z軸方向)のそれぞれにおいて、隣接する集光点の位置がウエーハ11の内部で10μmだけずれる複数(例えば、8個)の集光点を形成する。
この場合、複数の集光点のそれぞれを中心として、ウエーハ11の内部にウエーハ11を構成する材料の結晶構造が乱れた改質部21が形成される。すなわち、平面視においてウエーハ11の径方向に沿って直線状に並び、かつ、この直線とウエーハ11の表面11aとがなす鋭角の角度が45°となるような複数の改質部21が形成される。
なお、直線状に並ぶ複数の改質部21とウエーハ11の表面11aとがなす鋭角の角度は、45°に限定されない。すなわち、隣接する集光点のウエーハ11の径方向における間隔がその厚さ方向における間隔と異なる複数の集光点が形成されるように、レーザービームLBをウエーハ11に照射してもよい。
ただし、この角度は、1°以上であることが好ましい。すなわち、上記の円錐台の下面と側面とがなす角は、1°以上であることが好ましい。これにより、上記の円錐台の上面に沿うような剥離層を形成する際に、レーザービームLBによってウエーハ11の表面11a側に形成されているデバイス15が損傷することを防止できる。
さらに、複数の改質部21のそれぞれからは、隣接する一対の改質部21を接続させるように亀裂23が伸展する。これにより、複数の改質部21と、複数の改質部21のそれぞれから伸展する亀裂23とを含む剥離層がウエーハ11の内部に形成される。
次いで、レーザービーム照射ユニット42を動作させたまま、貼り合わせウエーハを保持する保持テーブル26を少なくとも一回転させるように、テーブル基台24の下部に連結されている回転駆動源を動作させる。その結果、上記の円錐台の側面に沿うような剥離層(第一剥離層)がウエーハ11の外周領域よりも内側の領域に形成される。
次いで、上記の円錐台の上面(第二底面)に沿うような剥離層(第二剥離層)をウエーハ11の第一剥離層よりも内側の領域に形成する。具体的には、まず、レーザービーム照射ユニット42の照射ヘッド52がウエーハ11の第一剥離層よりも僅かに内側の領域の真上に位置付けられるように水平移動機構6を動作させる。
この時、必要であれば、保持テーブル26を回転させてウエーハ11を構成する単結晶シリコンの結晶方位[010]がX軸方向に平行になり、かつ、結晶方位[001]がY軸方向に平行になるように、テーブル基台24の下部に連結されている回転駆動源を動作させてもよい。なお、この保持テーブル26の回転は、例えば、撮像ユニット56による撮像によって形成されるウエーハ11の裏面11b側の画像を参照して行われる。
次いで、分岐されたレーザービームLBを照射するようにレーザービーム照射ユニット42を動作させる。この時、レーザービームLBは、複数の集光点の全てが上記の円錐台の上面(第二底面)に位置付けられるように分岐される。
図7は、ウエーハ11の第一剥離層よりも内側の領域に対して、レーザービームLBを照射する様子を模式的に示す一部断面正面図である。このレーザービームLBは、Y軸方向(結晶方位[001])において等間隔(例えば、5μm~15μm)に配列する複数(例えば、2~10個)の集光点を形成するように分岐される。
この場合、上述したように、複数の改質部21と、複数の改質部21のそれぞれから伸展する亀裂23とがウエーハ11の内部に形成される。次いで、レーザービームLBをウエーハ11に照射したまま、貼り合わせウエーハを保持する保持テーブル26をX軸方向に沿って移動させるように水平移動機構6を動作させる。
その結果、ウエーハ11の第一剥離層よりも内側の領域に含まれるX軸方向(結晶方位[010])に沿った直線状の領域に剥離層が形成される。なお、結晶方位[001]に沿って配列する複数の集光点を形成するレーザービームLBを結晶方位[010]に沿った直線状の領域に照射することによって剥離層が形成される場合には、剥離層を幅広かつ薄くすることができる。
以下、この点について詳細に説明する。まず、単結晶シリコンは、一般的に、結晶面{111}に含まれる特定の結晶面において最も劈開しやすく、結晶面{110}に含まれる特定の結晶面において2番目に劈開しやすい。そのため、例えば、ウエーハ11を構成する単結晶シリコンの結晶方位<110>に含まれる特定の結晶方位(例えば、結晶方位[011])に沿って改質部が形成されると、この改質部から結晶面{111}に含まれる特定の結晶面に沿って伸展する亀裂が多く発生する。
他方、単結晶シリコンの結晶方位<100>に含まれる特定の結晶方位に沿った領域に、平面視において、この領域が延在する方向と直交する方向に沿って並ぶように複数の改質部が形成されると、この複数の改質部のそれぞれから結晶面{N10}(Nは、10以下の自然数)のうち当該領域が延在する方向に平行な結晶面に沿って伸展する亀裂が多く発生する。
例えば、上述したように、結晶方位[010]に沿った領域に、結晶方位[001]に沿って並ぶように複数の改質部21が形成されると、この複数の改質部21のそれぞれから結晶面{N10}のうち結晶方位[010]に平行な結晶面に沿って伸展する亀裂が多くなる。
具体的には、このように複数の改質部21が形成される場合には、以下の結晶面において亀裂が伸展しやすくなる。
Figure 2024063935000002

Figure 2024063935000003
そして、ウエーハ11の表面11a及び裏面11bに露出する結晶面(100)が結晶面{N10}のうち結晶方位[010]に平行な結晶面に対してなす角は、45°以下である。他方、結晶面(100)が結晶面{111}に含まれる特定の結晶面に対してなす角は、54.7°程度である。
そのため、上述したように剥離層が形成される場合には、単結晶シリコンの結晶方位[011]に沿った領域に、平面視において、この領域が延在する方向と直交する方向に沿って並ぶように複数の改質部が形成される場合と比較して、剥離層を幅広かつ薄くすることができる。
次いで、貼り合わせウエーハを保持する保持テーブル26をY軸方向に沿って移動させるように水平移動機構6を動作させる。次いで、既に剥離層が形成されている直線状の領域に平行な直線状の領域に剥離層が形成されるようにレーザービーム照射ユニット42及び水平移動機構6を動作させる。
さらに、ウエーハ11の第一剥離層よりも内側の全領域に剥離層が形成されるまで、同様の操作を繰り返す。その結果、上記の円錐台の上面(第二底面)に沿うような剥離層(第二剥離層)がウエーハ11の第一剥離層よりも内側の領域に形成される。以上によって、剥離層形成ステップS2が完了する。
なお、剥離層形成ステップS2においては、第二剥離層を形成してから第一剥離層が形成されてもよい。すなわち、剥離層形成ステップS2においては、ウエーハ11に含まれる複数の直線状の領域に対して順番にレーザービームLBを照射することによって第二剥離層を形成してから、これらの領域の外側に位置する円環状の領域にレーザービームLBを照射することによって第一剥離層を形成してもよい。
あるいは、剥離層形成ステップS2においては、第一剥離層及び第二剥離層が同時並行で形成されてもよい。具体的には、第一剥離層及び第二剥離層は、以下のように形成されてもよい。
まず、ウエーハ11の外周領域よりも僅かに内側の領域の真上にレーザービーム照射ユニット42の照射ヘッド52を位置付ける。次いで、ウエーハ11を構成する単結晶シリコンの結晶方位[010]がX軸方向に平行になり、かつ、結晶方位[001]がY軸方向に平行になるように、貼り合わせウエーハを保持する保持テーブル26を回転させる。
次いで、分岐されたレーザービームLBを照射するようにレーザービーム照射ユニット42を動作させる。この時、レーザービームLBは、例えば、上記の円錐台の下面のうちX軸方向における一端近傍に複数の集光点の全てが位置付けられるように分岐される。
次いで、上記の円錐台の上面のうちX軸方向における一端近傍に複数の集光点の全てが位置付けられるまで、複数の集光点の位置を高くしながら貼り合わせウエーハを保持する保持テーブル26をX軸方向に沿って移動させる。これにより、第一剥離層の一部(第一傾斜部)がウエーハ11に含まれる結晶方位[010]に沿った直線状の領域(第一領域)の内部に形成される。
次いで、上記の円錐台の上面のうちX軸方向における他端近傍に複数の集光点の全てが位置付けられるまで、複数の集光点の全てを上記の円錐台の上面と同じ高さに位置付けたまま貼り合わせウエーハを保持する保持テーブル26をX軸方向に沿って移動させる。これにより、第二剥離層の一部(第一直線部)がウエーハ11の第一領域の内部に形成される。
次いで、上記の円錐台の下面のうちX軸方向における他端近傍に複数の集光点の全てが位置付けられるまで、複数の集光点の位置を低くしながら貼り合わせウエーハを保持する保持テーブル26をX軸方向に沿って移動させる。これにより、第一剥離層の別の一部(第一傾斜部)がウエーハ11の第一領域の内部に形成される。
すなわち、以上のようなレーザービームLBの照射によって、一対の第一傾斜部と結晶方位[010]において一対の第一傾斜部の間に位置する第一直線部とがウエーハ11の第一領域の内部に形成される。次いで、貼り合わせウエーハを保持する保持テーブル26をY軸方向に沿って移動させる。
次いで、既に一対の傾斜部及び第一直線部が形成されている第一領域に平行な直線状の領域(第二領域)に別の一対の傾斜部(第二傾斜部)及び別の直線部(第二直線部)が形成されるように、レーザービーム照射ユニット42及び水平移動機構6を動作させる。さらに同様の操作を繰り返すことによって、第一剥離層及び第二剥離層が同時並行で形成される。
剥離層形成ステップS2を実施した後には、第一剥離層において分割されることによって露出する側面(第一剥離面)と、第二剥離層において分割されることによって露出する上面(第二剥離面)と、を有する薄化ウエーハが形成されるようにウエーハ11を分割する(分割ステップS3)。
図8(A)及び図8(B)のそれぞれは、第一剥離層及び第二剥離層が形成されたウエーハ11を分割する様子を模式的に示す一部断面側面図である。この分割ステップS3は、例えば、図8(A)及び図8(B)に示される分割装置60において実施される。
この分割装置60は、ウエーハ11を含む貼り合わせウエーハを保持する保持テーブル62を有する。保持テーブル62は、円状の上面(保持面)を有し、この保持面においてはポーラス板(不図示)が露出している。さらに、このポーラス板は、保持テーブル62の内部に設けられた流路等を介してエジェクタ等の吸引源(不図示)と連通している。
そして、この吸引源を動作させると、保持テーブル62の保持面近傍の空間に吸引力が作用する。そのため、例えば、上述した貼り合わせウエーハが保持テーブル62に置かれた状態で吸引源を動作させると、保持テーブル62において貼り合わせウエーハを保持できる。
また、保持テーブル62の上方には、分割ユニット64が設けられている。この分割ユニット64は、円柱状の支持部材66を有する。この支持部材66の上部には、例えば、ボールねじ式の昇降機構(不図示)が連結されており、この昇降機構を動作させることによって分割ユニット64が昇降する。
また、支持部材66の下端部は、円盤状の支持台68の上部の中央に固定されている。この支持台68の外周領域の下側には、支持台68の周方向に沿って概ね等しい角度の間隔で複数の可動部材70が設けられている。この可動部材70は、下方に向かって延在する板状の垂設部70aを有する。
この垂設部70aの上端部は支持台68に内蔵されたエアシリンダ等のアクチュエータに連結されており、このアクチュエータを動作させることによって可動部材70が支持台68の径方向に沿って移動する。また、この垂設部70aの下端部の内側面には、支持台68の中心に向かって延在し、かつ、支持台68の中心に近付くほど厚さが薄くなる板状の爪部70bが設けられている。
分割装置60においては、例えば、以下の順序で分割ステップS3が実施される。具体的には、まず、第一剥離層及び第二剥離層が形成されたウエーハ11を含む貼り合わせウエーハに含まれる支持ウエーハ17の裏面17bの中心と保持テーブル62の保持面の中心とを一致させるように、貼り合わせウエーハを保持テーブル62に置く。
次いで、貼り合わせウエーハが保持テーブル62によって保持されるように、この保持面において露出するポーラス板と連通する吸引源を動作させる。次いで、複数の可動部材70のそれぞれを支持台68の径方向外側に位置付けるようにアクチュエータを動作させる。
次いで、複数の可動部材70のそれぞれの爪部70bの先端を貼り合わせウエーハの接着剤19に対応する高さに位置付けるように昇降機構を動作させる。次いで、爪部70bを貼り合わせウエーハに接触させるようにアクチュエータを動作させる。次いで、爪部70bを上昇させるように昇降機構を動作させる(図8(A)参照)。
これにより、ウエーハ11の外周領域に上向きの外力、すなわち、ウエーハ11の厚さ方向に沿った外力が付与される。その結果、第一剥離層及び第二剥離層に含まれる亀裂23がさらに伸展してウエーハ11が分割されて、ウエーハ11の複数のデバイス15が形成されている領域と外周領域とが分離され、かつ、その表面11a側と裏面11b側とが分離される(図8(B)参照)。
すなわち、第一剥離層において分割されることによって露出する側面(第一剥離面)25aと、第二剥離層において分割されることによって露出する上面(第二剥離面)25bと、を有する薄化ウエーハ25が形成される。なお、この側面25aには第一剥離層に含まれる亀裂23の形状を反映した凹凸が存在し、また、この上面25bには第二剥離層に含まれる亀裂23の形状を反映した凹凸が存在する。以上によって、分割ステップS3が完了する。
分割ステップS3を実施した後には、薄化ウエーハ25の側面25aに対してウェットエッチングを施す(ウェットエッチングステップS4)。図9は、薄化ウエーハ25の側面25aに対してウェットエッチングを施す様子を模式的に示す一部断面側面図である。
このウェットエッチングステップS4は、例えば、図9に示されるエッチング装置72において実施される。エッチング装置72は、薄化ウエーハ25を含む貼り合わせウエーハを保持する保持テーブル74を有する。
保持テーブル74は、円状の上面(保持面)を有し、この保持面においてはポーラス板(不図示)が露出している。さらに、このポーラス板は、保持テーブル74の内部に設けられた流路等を介してエジェクタ等の吸引源(不図示)と連通している。
そして、この吸引源を動作させると、保持テーブル74の保持面近傍の空間に吸引力が作用する。そのため、例えば、上述した貼り合わせウエーハが保持テーブル74に置かれた状態で吸引源を動作させると、保持テーブル74において貼り合わせウエーハを保持できる。
また、保持テーブル74は、モータ等の回転駆動源(不図示)に連結されている。そして、この回転駆動源を動作させると、保持面の中心を通り、かつ、鉛直方向に平行な直線を回転軸として保持テーブル74が回転する。さらに、保持テーブル74は、水平方向に沿って保持テーブル74を移動させるための水平移動機構(不図示)に連結されてもよい。
また、保持テーブル74の上方には、エッチング液供給ノズル76が設けられている。このエッチング液供給ノズル76は、その先端から直下にエッチング剤Eを供給する。なお、エッチング剤Eは、例えば、フッ酸等を含む。さらに、エッチング液供給ノズル76は、水平方向において移動可能である。例えば、エッチング液供給ノズル76は、その基端を中心として旋回するように移動可能である。
エッチング装置72においては、例えば、以下の順序でウェットエッチングステップS4が実施される。具体的には、まず、薄化ウエーハ25を含む貼り合わせウエーハの支持ウエーハ17の裏面17bの中心と保持テーブル74の保持面の中心とを一致させるように、貼り合わせウエーハを保持テーブル74に置く。
次いで、貼り合わせウエーハが保持テーブル74によって保持されるように、この保持面において露出するポーラス板と連通する吸引源を動作させる。次いで、エッチング液供給ノズル76の先端の直下に薄化ウエーハ25の側面25aが位置付けられるように、保持テーブル74及びエッチング液供給ノズル76を相対的に移動させる。
次いで、エッチング液供給ノズル76の先端から薄化ウエーハ25の側面25aに向けてエッチング剤Eを供給しながら、所定の期間に渡って貼り合わせウエーハを回転させるように回転駆動源を動作させる。これにより、薄化ウエーハ25の側面25aがエッチング剤Eによってエッチングされて、側面25aに存在する凹凸が緩和される。以上によって、ウェットエッチングステップS4が完了する。
なお、ウェットエッチングステップS4においては、薄化ウエーハ25の上面25bのうち外周近傍の領域等がエッチング剤Eによってエッチングされてもよい。同様に、ウェットエッチングステップS4においては、支持ウエーハ17の側面がエッチング剤Eによってエッチングされてもよい。
さらに、ウェットエッチングステップS4においては、薄化ウエーハ25の上面25bの全域がエッチング剤Eによってエッチングされてもよい。この場合、ウェットエッチングステップS4において薄化ウエーハ25の上面25bに存在する凹凸も緩和されるため、後述する研削ステップS5の所要時間を低減し、かつ/又は、研削ステップS5において用いられる研削砥石の摩耗を抑制することができる。
ウェットエッチングステップS4を実施した後には、薄化ウエーハ25の上面(第二剥離面)25bに対して研削を施す(研削ステップS5)。また、この研削ステップS5を実施した後には、薄化ウエーハ25の側面25a及び上面25bに対して研磨を施す(研磨ステップS6)。
図10は、研削ステップS5及び研磨ステップS6において用いられる加工装置の一例を模式的に示す斜視図である。なお、図10に示されるU軸方向及びV軸方向は、水平面上において互いに直交する方向であり、また、W軸方向(上下方向)は、U軸方向及びV軸方向のそれぞれに直交する方向(鉛直方向)である。
図10に示される加工装置102は、各構造を支持する基台104を備える。基台104の上面前側には開口104aが形成されており、この開口104a内には薄化ウエーハ25を含む貼り合わせウエーハを吸引して保持した状態で搬送する搬送機構106が設けられている。さらに、搬送機構106は、この貼り合わせウエーハを保持した状態で、その上下を反転させることもできる。
また、開口104aの前方には、カセットテーブル108a、108bが設けられている。このカセットテーブル108a、108bには、複数の貼り合わせウエーハを収容できるカセット110a、110bがそれぞれ置かれている。また、開口104aの斜め後方には、貼り合わせウエーハの位置を調整するための位置調整機構112が設けられている。
この位置調整機構112は、例えば、貼り合わせウエーハの中央の部分を支持できるように構成されたテーブル112aと、テーブル112aよりも外側においてテーブル112aに対して接近及び離隔できるように構成された複数のピン112bとを備える。このテーブル112aには、例えば、搬送機構106によってカセット110aから搬出された貼り合わせウエーハが搬入される。
そして、位置調整機構112においては、テーブル112aに搬入された貼り合わせウエーハの位置合わせが行われる。具体的には、テーブル112aに搬入された貼り合わせウエーハの側面に接触するまで複数のピン112bをテーブル112aに接近させることによって、U軸方向及びV軸方向に平行な面(UV平面)において、貼り合わせウエーハの中心の位置が所定の位置に合わせられる。
また、位置調整機構112の近傍には、貼り合わせウエーハを吸引して保持した状態で旋回して搬送する搬送機構114が設けられている。この搬送機構114は、貼り合わせウエーハの上面側を吸引できる吸引パッドを備え、位置調整機構112で位置が調整された貼り合わせウエーハを後方に搬送する。また、搬送機構114の後方には、円盤状のターンテーブル116が設けられている。
このターンテーブル116は、モータ等の回転駆動源(不図示)に連結されている。そして、この回転駆動源を動作させると、ターンテーブル116の中心を通り、かつ、W軸方向に平行な直線を回転軸としてターンテーブル116が回転する。また、ターンテーブル116の上面には、複数(例えば、4個)の保持テーブル118がターンテーブル116の周方向に沿って概ね等間隔に設けられている。
そして、搬送機構114は、貼り合わせウエーハを位置調整機構112のテーブル112aから搬出して搬送機構114の近傍の搬入搬出位置に配置された保持テーブル118へと搬入する。ターンテーブル116は、例えば、図10に示される矢印の方向に回転し、各保持テーブル118を、搬入搬出位置、粗研削位置、仕上げ研削位置及び研磨位置の順に移動させる。
さらに、保持テーブル118は、エジェクタ等の吸引源(不図示)に連結されている。そして、この吸引源を動作させると、保持テーブル118の上面(保持面)近傍の空間に吸引力が作用する。そのため、貼り合わせウエーハが保持テーブル26に置かれた状態で吸引源を動作させると、保持テーブル118において貼り合わせウエーハを保持できる。
また、保持テーブル118は、モータ等の回転駆動源(不図示)に連結されている。そして、この回転駆動源を動作させると、保持テーブル118の中心を通り、かつ、W軸方向に平行な直線を回転軸として保持テーブル118が回転する。
粗研削位置及び仕上げ研削位置のそれぞれの後方(ターンテーブル116の後方)には、柱状の支持構造120が設けられている。また、支持構造120の前面(ターンテーブル116側の面)には、W軸移動機構122が設けられている。このW軸移動機構122は、支持構造120の前面に固定され、かつ、W軸方向に沿って延在する一対のW軸ガイドレール124を有する。
また、一対のW軸ガイドレール124の前面側には、一対のW軸ガイドレール124に沿ってスライド可能な態様でW軸移動プレート126が連結されている。また、一対のW軸ガイドレール124の間には、W軸方向に沿って延在するねじ軸128が配置されている。このねじ軸128の上端部には、ねじ軸128を回転させるためのモータ130が連結されている。
そして、ねじ軸128の螺旋状の溝が形成された表面には、回転するねじ軸128の表面を転がる多数のボールを収容するナット(不図示)が設けられ、ボールねじが構成されている。すなわち、ねじ軸28が回転すると、多数のボールがナット内を循環して、ナットがW軸方向に沿って移動する。
また、このナットは、W軸移動プレート126の後面(裏面)側に固定されている。そのため、モータ130でねじ軸128を回転させれば、ナットとともにW軸移動プレート126がW軸方向に沿って移動する。さらに、W軸移動プレート126の表面(前面)には、固定具132が設けられている。
この固定具132は、薄化ウエーハ25の上面25bに対して研削を施すための研削ユニット134を支持する。研削ユニット134は、固定具132に固定されるスピンドルハウジング136を備える。このスピンドルハウジング136には、W軸方向に沿って延在するスピンドル138が回転可能な態様で収容されている。
そして、スピンドル138の上端部には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、スピンドル138は、この回転駆動源の動力によって、W軸方向に平行な直線を回転軸として回転できる。また、スピンドル138の下端部は、スピンドルハウジング136の下面から露出し、この下端部には、円盤状のマウント140が固定されている。
粗研削位置側の研削ユニット134のマウント140の下面には、粗研削用の研削ホイール142aが装着されている。この粗研削用の研削ホイール142aは、マウント140と概ね同径の円盤状のホイール基台を有する。そして、このホイール基台の下面には、それぞれが直方体状の複数の研削砥石(粗研削用研削砥石)が固定されている。
同様に、仕上げ研削位置側の研削ユニット134のマウント140の下面には、仕上げ研削用の研削ホイール142bが装着されている。この仕上げ研削用の研削ホイール142bは、マウント140と概ね同径の円盤状のホイール基台を有する。そして、このホイール基台の下面には、それぞれが直方体状の複数の研削砥石(仕上げ研削用研削砥石)が固定されている。
そして、粗研削用研削砥石及び仕上げ研削用研削砥石のそれぞれは、例えば、ダイヤモンド又はcBN(cubic Boron Nitride)等からなる砥粒と、この砥粒を保持する結合材とを含む。また、この結合材としては、例えば、メタルボンド、レジンボンド又はビトリファイドボンド等が用いられる。
なお、仕上げ研削用研削砥石に含まれる砥粒の平均粒径は、一般的に、粗研削用研削砥石に含まれる砥粒の平均粒径よりも小さい。例えば、粗研削用研削砥石に含まれる砥粒の平均粒径は、0.5μm以上30μm以下であり、仕上げ研削用研削砥石に含まれる砥粒の平均粒径は、0.5μm未満である。
さらに、研削ホイール142a,142bの近傍には、薄化ウエーハ25の上面25bを研削する際の加工点に純水等の液体(研削液)を供給するための研削液供給ノズル(不図示)が配置されている。あるいは、この研削液供給ノズルに換えて又は加えて、液体を供給するための開口が研削ホイール142a,142bに設けられ、この開口を介して加工点に研削液が供給されてもよい。
また、研磨位置の側方(ターンテーブル116の側方)には、支持構造144が設けられている。そして、支持構造144のターンテーブル116側の側面には、U軸移動機構146が設けられている。このU軸移動機構146は、支持構造144のターンテーブル116側の側面に固定され、かつ、U軸方向に沿って延在する一対のU軸ガイドレール148を有する。
また、一対のU軸ガイドレール148のターンテーブル116側には、一対のU軸ガイドレール148に沿ってスライド可能な態様でU軸移動プレート150が連結されている。また、一対のU軸ガイドレール148の間には、U軸方向に沿って延在するねじ軸152が配置されている。このねじ軸152の前端部には、ねじ軸152を回転させるためのモータ154が連結されている。
そして、ねじ軸152の螺旋状の溝が形成された表面には、回転するねじ軸152の表面を転がる多数のボールを収容するナット(不図示)が設けられ、ボールねじが構成されている。すなわち、ねじ軸152が回転すると、多数のボールがナット内を循環して、ナットがU軸方向に沿って移動する。
また、このナットは、U軸移動プレート150の支持構造144と対向する面(裏面)側に固定されている。そのため、モータ154でねじ軸152を回転させれば、ナットとともにU軸移動プレート150がU軸方向に沿って移動する。さらに、U軸移動プレート150のターンテーブル116側の面(表面)には、W軸移動機構156が設けられている。
このW軸移動機構156は、U軸移動プレート150の表面に固定され、かつ、W軸方向に沿って延在する一対のW軸ガイドレール158を有する。また、一対のW軸ガイドレール158のターンテーブル116側には、一対のW軸ガイドレール158に沿ってスライド可能な態様でW軸移動プレート160が連結されている。
また、一対のW軸ガイドレール158の間には、W軸方向に沿って延在するねじ軸162が配置されている。このねじ軸162の上端部には、ねじ軸162を回転させるためのモータ164が連結されている。そして、ねじ軸162の螺旋状の溝が形成された表面には、回転するねじ軸162の表面を転がる多数のボールを収容するナット(不図示)が設けられ、ボールねじが構成されている。
すなわち、ねじ軸162が回転すると、多数のボールがナット内を循環して、ナットがW軸方向に沿って移動する。また、このナットは、W軸移動プレート160のU軸移動プレート150と対向する面(裏面)側に固定されている。そのため、モータ164でねじ軸162を回転させれば、ナットとともにW軸移動プレート160がW軸方向に沿って移動する。
さらに、W軸移動プレート160のターンテーブル116側の面(表面)には、固定具166が設けられている。この固定具166は、薄化ウエーハ25の側面25a及び上面25bに対して研磨を施すための研磨ユニット168を支持する。研磨ユニット168は、固定具166に固定されるスピンドルハウジング170を備える。
このスピンドルハウジング170には、W軸方向に沿って延在するスピンドル172が回転可能な態様で収容されている。そして、スピンドル172の上端部には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、スピンドル172は、この回転駆動源の動力によって回転する。
また、スピンドル172の下端部は、スピンドルハウジング170の下面から露出し、この下端部には、円盤状のマウント174が固定されている。マウント174の下面には、円盤状の研磨パッド176が装着されている。この研磨パッド176は、マウント174と概ね同径の円盤状の基台を有する。
そして、この基台の下面には、マウント174と概ね同径の円盤状の研磨層が固定されている。この研磨層は、内部に砥粒が分散された固定砥粒層である。例えば、研磨層は、ポリエステル製の不織布に平均粒径が0.4μm~0.6μmの砥粒が分散されたウレタン溶液を含侵させた後、乾燥させることで製造される。
なお、研磨層の内部に分散される砥粒は、SiC、cBN、ダイヤモンド又は金属酸化物微粒子等の材料からなる。また、この金属酸化物微粒子としては、SiO(シリカ)、CeO(セリア)、ZrO(ジルコニア)又はAl(アルミナ)等からなる微粒子が用いられる。
また、研磨層は、柔軟であり、研磨の際に加わる圧力に応じて弾性変形する。例えば、この研磨層は、薄化ウエーハ25の上面25bを研磨する際に加わる圧力に応じて、薄化ウエーハ25が研磨層に埋没するように、すなわち、薄化ウエーハ25の側面25aを覆うように弾性変形する。この場合、薄化ウエーハ25の上面25bとともに側面25aに対して研磨が施される。
なお、このように薄化ウエーハ25の上面25bとともに側面25aを研磨するためには、上面25bと側面25aとがなす角が100°以上になることが好ましい。換言すると、上記の円錐台の側面と上面とがなす角が100°以上になること、すなわち、上記の円錐台の下面と側面とがなす角が80°以下になることが好ましい。
さらに、スピンドル172、マウント174並びに研磨パッド176の基台及び研磨層の径方向の中心位置は、概ね一致しており、これらの中心位置を貫通するように、円柱状の貫通孔が形成されている。そして、この貫通孔は、薄化ウエーハ25の側面25a及び上面25bを研磨する際の加工点に純水等の液体(研磨液)を供給する研磨液供給源(不図示)に連通している。
この研磨液供給源は、研磨液の貯留槽及び送液ポンプ等を有する。また、研磨液供給源は、スピンドル172等に形成された貫通孔を介して、研磨位置に位置付けられた保持テーブル118に向けて研磨液を供給する。なお、研磨液には、砥粒が含有されてもよいし、されなくてもよい。
また、搬送機構114の側方には、貼り合わせウエーハを吸引して保持した状態で旋回して搬送する搬送機構178が設けられている。この搬送機構178は、貼り合わせウエーハの上面側を吸引できる吸引パッドを備え、搬入搬出位置に位置付けられた保持テーブル118に載せられた貼り合わせウエーハを前方に搬送する。
また、搬送機構178の前方、かつ、開口104aの後方側には、搬送機構178によって搬出された貼り合わせウエーハの上面側を洗浄できるように構成された洗浄機構180が配置されている。また、この洗浄機構180で洗浄された貼り合わせウエーハは、搬送機構106によって搬送され、例えば、カセット110bに収容される。
加工装置102においては、例えば、以下の順序で研削ステップS5及び研磨ステップS6が実施される。まず、薄化ウエーハ25を含む貼り合わせウエーハを搬送機構106がカセット110aから搬出して薄化ウエーハ25が上になるように位置調整機構112のテーブル112aに搬入する。次いで、複数のピン112bを貼り合わせウエーハに接触させることによって貼り合わせウエーハの位置合わせを行う。
次いで、搬送機構114が貼り合わせウエーハをテーブル112aから搬出して薄化ウエーハ25が上になるように搬入搬出位置に配置された保持テーブル118に搬入する。次いで、貼り合わせウエーハが搬入された保持テーブル118が貼り合わせウエーハの支持ウエーハ17側を吸引して保持する。
次いで、図11に示されるように、薄化ウエーハ25の上面(第二剥離面)25bに対して研削を施す。具体的には、まず、貼り合わせウエーハを保持する保持テーブル118が粗研削位置に位置付けられるように、ターンテーブル116を回転させる。
次いで、保持テーブル118と粗研削位置側の研削ユニット134のスピンドル138との双方を回転させながら、研削ホイール142aの研削砥石と薄化ウエーハ25の上面25bとを接触させるように、粗研削位置側の研削ユニット134を下降させる。
これにより、薄化ウエーハ25の上面25bに対して粗研削が施されて、上面25bの凹凸が緩和される。この時、研削ホイール142aの研削砥石と薄化ウエーハ25の上面25bとの接触界面(加工点)には研削液が供給される。
次いで、研削ホイール142aの研削砥石と薄化ウエーハ25の上面25bとが離隔するように、粗研削位置側の研削ユニット134を上昇させる。次いで、保持テーブル118と粗研削位置側の研削ユニット134のスピンドル138との双方の回転を停止させる。
次いで、貼り合わせウエーハを保持する保持テーブル118が仕上げ研削位置に位置付けられるように、ターンテーブル116を回転させる。次いで、保持テーブル118と仕上げ研削位置側の研削ユニット134のスピンドル138との双方を回転させながら、研削ホイール142bの研削砥石と薄化ウエーハ25の上面25bとを接触させるように、仕上げ研削位置側の研削ユニット134を下降させる。
これにより、薄化ウエーハ25の上面25bに対して仕上げ研削が施されて、上面25bの凹凸がさらに緩和される。この時、研削ホイール142bの研削砥石と薄化ウエーハ25の上面25bとの接触界面(加工点)には研削液が供給される。
次いで、研削ホイール142bの研削砥石と薄化ウエーハ25の上面25bとが離隔するように、仕上げ研削位置側の研削ユニット134を上昇させる。次いで、保持テーブル118と仕上げ研削位置側の研削ユニット134のスピンドル138との双方の回転を停止させる。以上によって、研削ステップS5が完了する。
次いで、図12に示されるように、薄化ウエーハ25の側面(第一剥離面)及び上面(第二剥離面)25bに対して研磨を施す。具体的には、まず、貼り合わせウエーハを保持する保持テーブル118が研磨位置に位置付けられるように、ターンテーブル116を回転させる。
次いで、保持テーブル118と研磨ユニット168のスピンドル172との双方を回転させながら、薄化ウエーハ25が研磨パッド176の研磨層に埋没するように、すなわち、薄化ウエーハ25の側面25a及び上面25bを覆うように研磨層が弾性変形するまで研磨ユニット168を下降させる。
これにより、薄化ウエーハ25の側面25a及び上面25bが研磨されて、それぞれが平坦化される。この時、スピンドル172、マウント174並びに研磨パッド176を貫通する貫通孔182を介して研磨液供給源から薄化ウエーハ25の側面25a及び上面25bには研磨液Pが供給される。
次いで、研磨パッド176の研磨層と薄化ウエーハ25の側面25a及び上面25bとが離隔するように、研磨ユニット168を上昇させる。次いで、保持テーブル118とスピンドル172との双方の回転を停止させる。以上によって、研磨ステップS6が完了する。
ここで、研磨ステップS6は、薄化ウエーハ25の側面25aの凹凸を緩和するためのウェットエッチングステップS4と、その上面25bの凹凸を緩和するための研削ステップS5と、を実施してから実施される。この場合、ウェットエッチングステップS4が実施されることなく研削ステップS5及び研磨ステップS6が実施される場合と比較して、研磨パッド176の研磨層の負担を軽減できる点で好ましい。
具体的には、ウェットエッチングステップS4が実施されない場合には、薄化ウエーハ25の側面25aの凹凸の存在に起因して研磨層のうち側面25aと接触する部分の摩耗が激しくなる。これに対して、ウェットエッチングステップS4が実施されている場合には、薄化ウエーハ25の側面25aの凹凸が緩和されるため、研磨層の局所的な摩耗を防止することができる。
次いで、貼り合わせウエーハを保持する保持テーブル118が搬入搬出位置に位置付けられるように、ターンテーブル116を回転させる。次いで、搬入搬出位置に位置付けられた保持テーブル118が貼り合わせウエーハの支持ウエーハ17側の吸引を停止する。
次いで、搬送機構178が貼り合わせウエーハを保持テーブル118から搬出して薄化ウエーハ25が上になるように洗浄機構180に搬入する。次いで、洗浄機構180が貼り合わせウエーハの側面25a及び上面25bを洗浄する。次いで、搬送機構106が貼り合わせウエーハをカセット110bに搬入する。
図2に示されるウエーハの加工方法においては、ウエーハ11の表面11a側に位置する下面(第一底面)と、下面の外周と重なる一端を有し、かつ、ウエーハ11の表面11a側から遠ざかるほど外周領域から遠ざかるように傾斜する側面と、側面の他端と重なる外周を有し、かつ、下面と平行な上面(第二底面)と、によって画定される円錐台の側面に沿うような第一剥離層及び上面に沿うような第二剥離層をウエーハ11の内部に形成する。
そして、この方法においては、第一剥離層において分割されることによって露出する側面(第一剥離面)25aと、第二剥離層において分割されることによって露出する上面(第二剥離面)25bと、を有する薄化ウエーハ25が形成されるようにウエーハ11を分割する。
ここで、このウエーハ11においては第一剥離層が円錐台の側面に沿うように形成されている。この場合、ウエーハ11を分割する際に、薄化ウエーハ25の側面25aと、このウエーハ11の残部(外周領域を含む部分)の内側面と、が互いに接触する蓋然性が低い。そのため、この方法においては、両者の接触に起因した亀裂の発生を抑制できる。
さらに、このウエーハ11においては、第一剥離層から円錐台の側面に沿った方向に亀裂が伸展しやすくなる。この場合、薄化ウエーハ25の表面側に形成されているデバイス15に向かって亀裂が伸展する蓋然性が低くなる。そのため、この方法においては、薄化ウエーハ25の形成に伴うデバイス15の破損を抑制するとともに、ウエーハ11から製造可能なチップの数の減少を抑制できる。
なお、上述したウエーハの加工方法は本発明の一態様であって、本発明は上述した方法に限定されない。例えば、本発明においては、貼り合わせステップS1が実施されなくてもよい。すなわち、本発明は、単体のウエーハ11を分割して薄化ウエーハ25を形成するウエーハの加工方法であってもよい。
また、本発明の貼り合わせステップS1においては、接着剤19を利用することなく、ウエーハ11の表面11aと支持ウエーハ17の表面17a側とが貼り合わせられてもよい。例えば、本発明の貼り合わせステップS1は、それぞれの表面11a,17aの異物を除去するとともに活性化した状態で両表面11a,17aを接触させることによって実施されてもよい。
また、本発明においては、第一剥離層及び第二剥離層がウエーハ11に形成された後に、ウエーハ11の表面11a側を支持ウエーハ17の表面17a側に貼り合わせてもよい。すなわち、本発明においては、剥離層形成ステップS2を実施した後に貼り合わせステップS1を実施してもよい。
また、本発明の剥離層形成ステップS2において用いられるレーザー加工装置の構造は、上述したレーザー加工装置2の構造に限定されない。例えば、本発明の剥離層形成ステップS2は、レーザービーム照射ユニット42の照射ヘッド52等をX軸方向及び/又はY軸方向のそれぞれに沿って移動させる水平移動機構が設けられているレーザー加工装置を用いて実施されてもよい。
あるいは、本発明の剥離層形成ステップS2は、照射ヘッド52から照射されるレーザービームLBの方向を変更することが可能な走査光学系がレーザービーム照射ユニット42に設けられているレーザー加工装置を用いて実施されてもよい。なお、この走査光学系は、例えば、ガルバノスキャナ、音響光学素子(AOD)及び/又はポリゴンミラー等を含む。
すなわち、本発明の剥離層形成ステップS2において用いられるレーザー加工装置においては、保持テーブル26とレーザービームLBが集光される集光点とがX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のそれぞれに沿って相対的に移動できればよく、そのための構造に限定はない。
また、本発明の剥離層形成ステップS2においては、第一剥離層の形成方法は上述した方法に限定されない。例えば、本発明の剥離層形成ステップS2においては、テーブル基台24の下部に連結されている回転駆動源に換えて水平移動機構6を動作させることによって、ウエーハ11に対して円環状にレーザービームLBを照射することで第一剥離層が形成されてもよい。
また、本発明の剥離層形成ステップS2においては、分岐されていないレーザービームLBをウエーハ11に対して照射することで第一剥離層が形成されてもよい。この場合には、例えば、ウエーハ11に内部において上に行くほど回転半径が小さくなる螺旋階段のような軌跡が描かれるように、レーザービームLBが集光される集光点とウエーハ11とを相対的に移動させればよい。
また、本発明の剥離層形成ステップS2においては、第二剥離層の形成方法は上述した方法に限定されない。例えば、本発明の剥離層形成ステップS2においては、水平移動機構6に加えてテーブル基台24の下部に連結されている回転駆動源を動作させることによって、ウエーハ11に対して螺旋状にレーザービームLBを照射することで第二剥離層が形成されてもよい。
また、本発明の分割ステップS3においては、第一剥離層及び第二剥離層が形成されているウエーハ11の分割に先立って、このウエーハ11に超音波を付与してもよい。この場合、第一剥離層及び第二剥離層に含まれる亀裂23が伸展するため、ウエーハ11の分離が容易になる。
その他、上述した実施形態にかかる構造及び方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
2 :レーザー加工装置
4 :基台
6 :水平移動機構
8 :Y軸ガイドレール
10 :Y軸移動プレート
11 :ウエーハ(11a:表面、11b:裏面、11c:側面)
12 :ねじ軸
13 :ノッチ
14 :モータ
15 :デバイス
16 :X軸ガイドレール
17 :支持ウエーハ(第二ウエーハ)(17a:表面、17b:裏面)
18 :X軸移動プレート
19 :接着剤
20 :ねじ軸
21 :改質部
22 :モータ
23 :亀裂
24 :テーブル基台
25 :薄化ウエーハ(25a:側面(第一剥離面)、25b:上面(第二剥離面))
26 :保持テーブル(26a:ポーラス板)
30 :支持構造
32 :鉛直移動機構
34 :Z軸ガイドレール
36 :Z軸移動プレート
38 :モータ
40 :支持具
42 :レーザービーム照射ユニット
44 :レーザー発振器
46 :減衰器
48 :空間光変調器
50 :ミラー
52 :照射ヘッド
54 :ハウジング
56 :撮像ユニット
58 :タッチパネル
60 :分割装置
62 :保持テーブル
64 :分割ユニット
66 :支持部材
68 :支持台
70 :可動部材(70a:垂設部、70b:爪部)
72 :エッチング装置
74 :保持テーブル
76 :エッチング液供給ノズル
102:加工装置
104:基台(104a:開口)
106:搬送機構
108a,108b:カセットテーブル
110a,110b:カセット
112:位置調整機構(112a:テーブル、112b:ピン)
114:搬送機構
116:ターンテーブル
118:保持テーブル
120:支持構造
122:W軸移動機構
124:W軸ガイドレール
126:W軸移動プレート
128:ねじ軸
130:モータ
132:固定具
134:研削ユニット
136:スピンドルハウジング
138:スピンドル
140:マウント
142a,142b:研削ホイール
144:支持構造
146:U軸移動機構
148:U軸ガイドレール
150:U軸移動プレート
152:ねじ軸
154:モータ
156:W軸移動機構
158:W軸ガイドレール
160:W軸移動プレート
162:ねじ軸
164:モータ
166:固定具
168:研磨ユニット
170:スピンドルハウジング
172:スピンドル
174:マウント
176:研磨パッド
178:搬送機構
180:洗浄機構
182:貫通孔

Claims (4)

  1. 表面側に複数のデバイスが形成され、かつ、外周領域が面取りされているウエーハに対して該ウエーハを透過する波長のレーザービームを照射することによって該ウエーハの内部に剥離層を形成した後、該ウエーハの厚さ方向に沿って該ウエーハに外力を付与することによって該剥離層において該ウエーハを分割するウエーハの加工方法であって、
    該ウエーハの該表面側に位置する第一底面と、該第一底面の外周と重なる一端を有し、かつ、該ウエーハの該表面側から遠ざかるほど該外周領域から遠ざかるように傾斜する側面と、該側面の他端と重なる外周を有し、かつ、該第一底面と平行な第二底面と、によって画定される円錐台の該側面に沿うような第一剥離層及び該第二底面に沿うような第二剥離層を形成する剥離層形成ステップと、
    該剥離層形成ステップを実施した後、該第一剥離層において分割されることによって露出する第一剥離面と、該第二剥離層において分割されることによって露出する第二剥離面と、を有する薄化ウエーハが形成されるように該ウエーハを分割する分割ステップと、
    該分割ステップを実施した後、少なくとも該第一剥離面に対してウェットエッチングを施すウェットエッチングステップと、
    該ウェットエッチングステップを実施した後、該第二剥離面に対して研削を施す研削ステップと、
    該研削ステップを実施した後、該第一剥離面及び該第二剥離面に対して研磨を施す研磨ステップと、
    を備えるウエーハの加工方法。
  2. 該分割ステップを実施する前に、該ウエーハの該表面側を、該ウエーハとは異なる第二ウエーハの表面側に貼り合わせる貼り合わせステップを更に備える請求項1に記載のウエーハの加工方法。
  3. 該剥離層形成ステップにおいては、該第一剥離層及び該第二剥離層の一方を形成してから他方を形成する請求項1又は2に記載のウエーハの加工方法。
  4. 該ウエーハは、それぞれが所定の方向に沿って延在する第一領域及び第二領域を含み、
    該第一剥離層は、該第一領域に形成される一対の第一傾斜部と、該第二領域に形成される一対の第二傾斜部と、を含み、
    該第二剥離層は、該第一領域に形成され、かつ、該所定の方向において該一対の第一傾斜部の間に位置する第一直線部と、該第二領域に形成され、かつ、該所定の方向において該一対の第二傾斜部の間に位置する第二直線部と、を含み、
    該剥離層形成ステップにおいては、該一対の第一傾斜部及び該第一直線部を形成してから該一対の第二傾斜部及び該第二直線部を形成する請求項1又は2に記載のウエーハの加工方法。
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