JP2024063938A - 貼り合わせウエーハの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】第一ウエーハを容易に分割することが可能な貼り合わせウエーハの加工方法を提供する。【解決手段】第一ウエーハと接着層を介して第一ウエーハの表面側に表面側が貼り合わせられている第二ウエーハとを備える貼り合わせウエーハに対して、レーザービームを照射することによって第一ウエーハの内部に剥離層を形成した後、剥離層において第一ウエーハを分割する貼り合わせウエーハの加工方法であって、第一ウエーハの表面側において接着層が設けられている貼着領域と接着層が設けられていない不貼着領域との境界を特定する境界特定ステップと、不貼着領域に位置する外周を有する第一底面と、第一底面の外周と重なる一端を有する側面と、側面の他端と重なる外周を有する第二底面と、によって画定される仮想の構造物の側面及び第二底面に沿うような剥離層を形成する剥離層形成ステップと、剥離層において第一ウエーハを分割する分割ステップと、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、表面側に複数のデバイスが形成され、かつ、外周領域が面取りされている第一ウエーハと、第一ウエーハの外周領域に接触しないように表面側に設けられている接着層と、接着層を介して第一ウエーハの表面側に表面側が貼り合わせられている第二ウエーハと、を備える貼り合わせウエーハの加工方法に関する。
集積回路(IC)又はメモリ等のデバイスのチップは、一般的に、シリコン(Si)等の半導体材料からなる円盤状のウエーハを利用して製造される。具体的には、このウエーハは格子状に設定された分割予定ラインによって区画されており、複数の領域のそれぞれの表面側にはデバイスが形成されている。
そして、表面側に複数のデバイスが形成されているウエーハ(以下「第一ウエーハ」ともいう。)を分割予定ラインに沿って分割することによってチップが製造される。さらに、第一ウエーハには、複数のチップを含むパッケージの高集積化等を目的として、シリコン貫通電極(TSV)が設けられることがある。このパッケージにおいては、例えば、TSVを介して異なるチップに含まれる電極を電気的に接続することができる。
TSVは、例えば、以下の順序で第一ウエーハに設けられる。まず、第一ウエーハの表面側に溝を形成する。次いで、この溝にTSVを設ける。次いで、それぞれの表面側に設けられている接着層を介して第一ウエーハと第一ウエーハとは別のウエーハ(以下「第二ウエーハ」ともいう。)とを貼り合わせる。次いで、TSVが第一ウエーハの裏面において露出するまで、貼り合わせウエーハの第二ウエーハ側を保持した状態で第一ウエーハの裏面に対して研削を施す。
ここで、第一ウエーハは、割れの防止等を目的として、その外周領域が面取りされていることが多い。そして、外周領域が面取りされた第一ウエーハの裏面を第一ウエーハの厚さが半分以下になるまで研削すると、この外周領域の裏面側がナイフエッジのような形状になる。
この場合、第一ウエーハを研削中に外周領域の裏面側に応力が集中して第一ウエーハが割れやすくなり、第一ウエーハから得られるチップの歩留まりが低下するおそれがある。そこで、第一ウエーハの裏面に対する研削に先立って、外周領域の表面側の一部の除去(所謂エッジトリミング)等を実施することが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、貼り合わせウエーハの第二ウエーハ側を保持した状態で第一ウエーハの裏面においてTSVが露出するまで第一ウエーハの裏面に対して研削を施す場合、第一ウエーハの研削量が多くなり、この第一ウエーハを研削するために必要な砥石の摩耗量が多くなる。この場合、この貼り合わせウエーハを用いて製造されるチップ又はパッケージのコストが増加し、また、その加工が長期化するおそれがある。
これらの点に鑑み、第一ウエーハを透過する波長のレーザービームを利用して第一ウエーハを分割する貼り合わせウエーハの加工方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法においては、まず、レーザービームを照射した時に乱反射が生じない第一ウエーハの領域(端的には、面取りされている外周領域よりも内側の領域)に対して、第一ウエーハの表面側に集光点を位置付けた状態で円環状にレーザービームを照射する。
これにより、下面が第一ウエーハの表面側に位置し、かつ、上面が第一ウエーハの内部に位置する仮想の構造物の側面に沿うような剥離層(以下「第一剥離層」ともいう。)が形成される。なお、第一剥離層は、第一ウエーハを分割する際に第一ウエーハのデバイスが形成されている領域と外周領域との間の分割起点として機能する。
次いで、この第一剥離層よりも内側の領域に対して、上記の構造物の上面に集光点を位置付けた状態でレーザービームを照射する。これにより、上記の構造物の上面に沿うような剥離層(以下「第二剥離層」ともいう。)が形成される。なお、第二剥離層は、第一ウエーハを分割する際に第一ウエーハの表面側と裏面側との間の分割起点として機能する。
次いで、貼り合わせウエーハの第二ウエーハ側を保持した状態で第一ウエーハに外力を付与することによって、第一剥離層及び第二剥離層において第一ウエーハを分割する。これにより、第一剥離層において分割されることによって露出する側面と、第二剥離層において分割されることによって露出する上面と、を有する薄化ウエーハが形成される。
特開2007-158239号公報 特開2020-57709号公報 特開2020-136442号公報
貼り合わせウエーハにおいては、第一ウエーハと第二ウエーハとが接着層を介して貼り合わせられている。そして、第一剥離層の下端が第一ウエーハの径方向において接着層の外周よりも内側に形成されると、第一ウエーハの表面側のうち第一剥離層よりも外側に位置する領域が接着層と接触する。この場合、第一ウエーハに外力を付与することによって、第一剥離層において第一ウエーハを分割することが困難になるおそれがある。
この点に鑑み、本発明の目的は、第一ウエーハを容易に分割することが可能な貼り合わせウエーハの加工方法を提供することである。
本発明によれば、表面側に複数のデバイスが形成され、かつ、外周領域が面取りされている第一ウエーハと、該第一ウエーハの該外周領域に接触しないように該表面側に設けられている接着層と、該接着層を介して該第一ウエーハの該表面側に表面側が貼り合わせられている第二ウエーハと、を備える貼り合わせウエーハに対して、該第一ウエーハの裏面側から該第一ウエーハを透過する波長のレーザービームを照射することによって該第一ウエーハの内部に剥離層を形成した後、該第一ウエーハの厚さ方向に沿って該第一ウエーハに外力を付与することによって該剥離層において該第一ウエーハを分割する貼り合わせウエーハの加工方法であって、該第一ウエーハの該表面側において該接着層が設けられている貼着領域と該接着層が設けられていない不貼着領域との境界を特定する境界特定ステップと、該境界特定ステップを実施した後、該不貼着領域に位置する外周を有する第一底面と、該第一底面の該外周と重なる一端を有する側面と、該側面の他端と重なる外周を有し、かつ、該第一底面と平行な第二底面と、によって画定される仮想の構造物の該側面に沿うような第一剥離層及び該第二底面に沿うような第二剥離層を形成する剥離層形成ステップと、該剥離層形成ステップを実施した後、該第一剥離層において分割されることによって露出する第一剥離面と、該第二剥離層において分割されることによって露出する第二剥離面と、を有する薄化ウエーハが形成されるように該第一ウエーハを分割する分割ステップと、を備える貼り合わせウエーハの加工方法が提供される。
さらに、該仮想の構造物の該側面は、該第一ウエーハの該表面側から遠ざかるほど該外周領域から遠ざかるように傾斜することが好ましい。
また、該境界特定ステップにおいては、該貼り合わせウエーハを回転させながら該第一ウエーハを構成する材料を透過する光を利用して該第一ウエーハの裏面側から該接着層の外周を撮像することによって形成される画像を参照して該境界が特定されることが好ましい。
本発明においては、第一ウエーハの表面側において接着層が設けられている貼着領域と接着層が設けられていない不貼着領域との境界を特定してから、この不貼着領域に一端が位置するように第一剥離層が形成される。そのため、本発明においては、第一ウエーハの表面側のうち第一剥離層よりも外側に位置する領域が接着層と接触することなく、第一ウエーハを容易に分割することが可能である。
図1(A)は、ウエーハの一例を模式的に示す上面図であり、図1(B)は、ウエーハの一例を模式的に示す断面図である。 図2(A)は、ウエーハの表面側を支持ウエーハの表面側に貼り合わせる様子を模式的に示す断面図であり、図2(B)は、この貼り合わせによって形成される貼り合わせウエーハを模式的に示す断面図である。 図3は、貼り合わせウエーハの加工方法の一例を模式的に示すフローチャートである。 図4は、レーザー加工装置の一例を模式的に示す斜視図である。 図5は、レーザービーム照射ユニットにおいてレーザービームが進行する様子を模式的に示す図である。 図6は、接着層の外周を含む画像を形成する様子を模式的に示す一部断面正面図である。 図7は、第一剥離層を形成するためにウエーハに対してレーザービームを照射する様子を模式的に示す一部断面正面図である。 図8は、第二剥離層を形成するためにウエーハに対してレーザービームを照射する様子を模式的に示す一部断面正面図である。 図9(A)及び図9(B)のそれぞれは、第一剥離層及び第二剥離層が形成されたウエーハを分割する様子を模式的に示す一部断面側面図である。
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1(A)は、表面側に複数のデバイスが形成されているウエーハ(第一ウエーハ)の一例を模式的に示す上面図であり、図1(B)は、図1(A)に示されるウエーハの一例を模式的に示す断面図である。なお、図1(A)においては、このウエーハを構成する単結晶材料(ここでは、単結晶シリコン)の結晶方位も示されている。
図1(A)及び図1(B)に示されるウエーハ11は、結晶面{100}に含まれる特定の結晶面(ここでは、便宜上、結晶面(100)とする。)が表面11a及び裏面11bのそれぞれにおいて露出する円盤状の単結晶シリコンからなる。すなわち、このウエーハ11は、表面11a及び裏面11bのそれぞれの垂線(結晶軸)が結晶方位[100]に沿う円盤状の単結晶シリコンからなる。
なお、ウエーハ11は、表面11a及び裏面11bのそれぞれに結晶面(100)が露出するように製造されるものの、製造時の加工誤差等に起因して、その表面11a及び裏面11bのそれぞれが結晶面(100)から僅かに傾いた面となっていてもよい。具体的には、ウエーハ11の表面11a及び裏面11bのそれぞれは、結晶面(100)との間で形成される鋭角の角度が1°以下の面であってもよい。
すなわち、ウエーハ11の結晶軸は、結晶方位[100]との間で形成される鋭角の角度が1°以下の方向に沿っていてもよい。また、ウエーハ11の側面11cにはノッチ13が形成されており、このノッチ13からみて結晶方位<110>に含まれる特定の結晶面(ここでは、便宜上、結晶方位[011]とする。)にウエーハ11の中心が位置する。
さらに、ウエーハ11は、互いに交差する複数の分割予定ラインで複数の領域に区画されており、各領域の表面11a側にはIC又はメモリ等のデバイス15が形成されている。さらに、ウエーハ11の表面11a側には、TSVが設けられる溝が形成されていてもよい。
また、ウエーハ11の外周領域は、面取りされている。すなわち、ウエーハ11の側面11cは、外側に凸になるように湾曲している。なお、ウエーハ11の外周領域には、デバイス15が形成されていない。すなわち、ウエーハ11のデバイス15が形成されている領域(デバイス領域)は、その外周領域に囲まれている。
なお、ウエーハ11の材質、形状、構造及び大きさ等に制限はない。ウエーハ11は、例えば、シリコン以外の半導体材料(例えば、炭化シリコン(SiC)又は窒化ガリウム(GaN)等)からなっていてもよい。同様に、デバイス15の種類、数量、形状、構造、大きさ及び配置等にも制限はない。
図2(A)は、ウエーハ11の表面11a側を支持ウエーハ(第二ウエーハ)17の表面17a側に貼り合わせる様子を模式的に示す断面図であり、図2(B)は、この貼り合わせによって形成される貼り合わせウエーハを模式的に示す断面図である。なお、ウエーハ11と貼り合わせられる支持ウエーハ17は、例えば、ウエーハ11と同様の形状を有する。また、ウエーハ11と同様に、支持ウエーハ17の表面17a側には複数のデバイスが形成されていてもよい。
そして、ウエーハ11の表面11a側を支持ウエーハ(第二ウエーハ)17の表面17a側に貼り合わせる際には、まず、支持ウエーハ17の表面17aにアクリル系接着剤又はエポキシ系接着剤を含む接着層19を設ける。この接着層19は、例えば、ウエーハ11と同心円状であり、かつ、その半径がウエーハ11の半径よりも短い円盤状に設けられる。
なお、接着層19は、ウエーハ11の外周領域及び支持ウエーハ17の外周領域に接触することなく、ウエーハ11の表面11a側と支持ウエーハ17の表面17a側とを貼り合わせることができれば、どのような形状であってもよい。例えば、接着層19は、平面視において非円形になっていてもよい。
次いで、支持ウエーハ17の裏面17b側を支持した状態で、接着層19を介して、ウエーハ11の表面11aを支持ウエーハ17の表面17aに押し当てる。これにより、ウエーハ11と、ウエーハ11の外周領域に接触しないように表面11a側に設けられている接着層19と、接着層19を介してウエーハ11の表面11a側に表面17a側が貼り合わせられている支持ウエーハ17と、を備える貼り合わせウエーハ1が形成される。
図3は、貼り合わせウエーハ1の加工方法の一例を模式的に示すフローチャートである。この方法においては、まず、ウエーハ11の表面11a側において接着層19が設けられている貼着領域と接着層19が設けられていない不貼着領域との境界を特定する(境界特定ステップS1)。また、この境界特定ステップS1を実施した後には、円錐台の側面に沿うような第一剥離層及び上面に沿うような第二剥離層をウエーハ11の内部に形成する(剥離層形成ステップS2)。
なお、この円錐台は、不貼着領域に位置する外周を有する下面(第一底面)と、下面の外周と重なる下端(一端)を有し、かつ、ウエーハ11の表面11a側から遠ざかるほど外周領域から遠ざかるように傾斜する側面と、側面の上端(他端)と重なる外周を有し、かつ、下面と平行な上面(第二底面)とを含む仮想の構造物である。また、この円錐台においては、第一底面と側面とがなす角が、例えば、1°以上80°以下になる。
図4は、境界特定ステップS1及び剥離層形成ステップS2において用いられるレーザー加工装置の一例を模式的に示す斜視図である。なお、図4においては、レーザー加工装置の一部の構成要素が機能ブロックで示されている。また、図4に示されるX軸方向(左右方向)及びY軸方向(前後方向)は、水平面上において互いに直交する方向であり、また、Z軸方向(上下方向)は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(鉛直方向)である。
図4に示されるレーザー加工装置2は、各構成要素を支持する基台4を有する。この基台4の上面には、水平移動機構6が配置されている。そして、水平移動機構6は、基台4の上面に固定され、かつ、Y軸方向に沿って延在する一対のY軸ガイドレール8を有する。
一対のY軸ガイドレール8の上面側には、一対のY軸ガイドレール8に沿ってスライド可能な態様でY軸移動プレート10が連結されている。また、一対のY軸ガイドレール8の間には、Y軸方向に沿って延在するねじ軸12が配置されている。このねじ軸12の前端部(一端部)には、ねじ軸12を回転させるためのモータ14が連結されている。
また、ねじ軸12の螺旋状の溝が形成された表面には、回転するねじ軸12の表面を転がる多数のボールを収容するナット(不図示)が設けられ、ボールねじが構成されている。すなわち、ねじ軸12が回転すると多数のボールがナット内を循環してナットがY軸方向に沿って移動する。
さらに、このナットは、Y軸移動プレート10の下面側に固定されている。そのため、モータ14でねじ軸12を回転させれば、ナット部とともにY軸移動プレート10がY軸方向に沿って移動する。また、Y軸移動プレート10の上面には、X軸方向に沿って延在する一対のX軸ガイドレール16が固定されている。
一対のX軸ガイドレール16の上面側には、一対のX軸ガイドレール16に沿ってスライド可能な態様でX軸移動プレート18が連結されている。また、一対のX軸ガイドレール16の間には、X軸方向に沿って延在するねじ軸20が配置されている。このねじ軸20の一端部には、ねじ軸20を回転させるためのモータ22が連結されている。
また、ねじ軸20の螺旋状の溝が形成された表面には、回転するねじ軸20の表面を転がる多数のボールを収容するナット(不図示)が設けられ、ボールねじが構成されている。すなわち、ねじ軸20が回転すると多数のボールがナット内を循環してナットがX軸方向に沿って移動する。
さらに、このナットは、X軸移動プレート18の下面側に固定されている。そのため、モータ22でねじ軸20を回転させれば、ナットとともにX軸移動プレート18がX軸方向に沿って移動する。
X軸移動プレート18の上面側には、円柱状のテーブル基台24が配置されている。このテーブル基台24の上部には、例えば、貼り合わせウエーハ1を保持するための保持テーブル26が配置されている。この保持テーブル26は、例えば、X軸方向及びY軸方向に対して平行な円状の上面(保持面)を有し、この保持面においてはポーラス板26aが露出している。
また、テーブル基台24の下部には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。そして、この回転駆動源を動作させると、保持面の中心を通り、かつ、Z軸方向に平行な直線を回転軸として保持テーブル26が回転する。また、上述した水平移動機構6を動作させると、X軸方向及び/又はY軸方向に沿って保持テーブル26が移動する。
さらに、ポーラス板26aは、保持テーブル26の内部に設けられた流路等を介してエジェクタ等の吸引源(不図示)と連通している。そして、この吸引源を動作させると、保持テーブル26の保持面近傍の空間に吸引力が作用する。そのため、例えば、貼り合わせウエーハ1が保持テーブル26に置かれた状態で吸引源を動作させると、保持テーブル26において貼り合わせウエーハ1を保持できる。
また、水平移動機構6の後方には、Y軸方向及びZ軸方向に対して概ね平行な側面を有する支持構造30が設けられている。この支持構造30の側面には、鉛直移動機構32が配置されている。そして、鉛直移動機構32は、支持構造30の側面に固定され、かつ、Z軸方向に沿って延在する一対のZ軸ガイドレール34を有する。
一対のZ軸ガイドレール34の表面側には、一対のZ軸ガイドレール34に沿ってスライド可能な態様でZ軸移動プレート36が連結されている。また、一対のZ軸ガイドレール34の間には、Z軸方向に沿って延在するねじ軸(不図示)が配置されている。このねじ軸の上端部(一端部)には、ねじ軸を回転させるためのモータ38が連結されている。
また、ねじ軸の螺旋状の溝が形成された表面には、回転するねじ軸の表面を転がる多数のボールを収容するナット(不図示)が設けられ、ボールねじが構成されている。すなわち、このねじ軸が回転すると多数のボールがナット内を循環してナットがZ軸方向に沿って移動する。
さらに、このナットは、Z軸移動プレート36の裏面側に固定されている。そのため、モータ38で一対のZ軸ガイドレール34の間に配置されているねじ軸を回転させれば、ナットとともにZ軸移動プレート36がZ軸方向に沿って移動する。
Z軸移動プレート36の表面側には、支持具40が固定されている。この支持具40は、レーザービーム照射ユニット42の一部を支持する。図5は、レーザービーム照射ユニット42においてレーザービームLBが進行する様子を模式的に示す図である。なお、図5においては、レーザービーム照射ユニット42の構成要素の一部が機能ブロックで示されている。
レーザービーム照射ユニット42は、基台4に固定されたレーザー発振器44を有する。このレーザー発振器44は、例えば、レーザー媒質としてNd:YAG等を有し、ウエーハ11を透過する波長(例えば、1064nm又は1342nm)のレーザービームLBを出射する。このレーザービームLBは、例えば、周波数が60kHzのパルスレーザービームである。
そして、レーザービームLBは、その出力が減衰器46において調整された後、空間光変調器48に供給される。この空間光変調器48においては、レーザービームLBが分岐される。例えば、空間光変調器48は、後述する照射ヘッド52から出射されるレーザービームLBがX軸方向及びY軸方向に平行な平面(XY座標平面)における位置(座標)及び/又はZ軸方向における位置(高さ)が互いに異なる複数の集光点を形成するように、減衰器46において調整されたレーザービームLBを分岐する。
また、空間光変調器48において分岐されたレーザービームLBは、ミラー50によって反射されて照射ヘッド52へと導かれる。この照射ヘッド52には、レーザービームLBを集光する集光レンズ(不図示)等が収容されている。そして、この集光レンズで集光されたレーザービームLBは、保持テーブル26の保持面側に出射される。
なお、図4に示されるように、照射ヘッド52は、円柱状のハウジング54の前端部に設けられている。そして、このハウジング54の後側の側面には、支持具40が固定されている。さらに、このハウジング54の前側の側面には、ウエーハ11を構成する材料(ここでは、単結晶シリコン)を透過する波長の光(例えば、赤外線)を利用して撮像可能な撮像ユニット56が固定されている。
この撮像ユニット56は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の赤外光源と、対物レンズと、撮像素子とを含む。また、この撮像素子としては、例えば、InGaAsセンサ、CCD(Charge Coupled Device)センサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等が挙げられる。
そして、上述した鉛直移動機構32を動作させると、Z軸方向に沿って、レーザービーム照射ユニット42及び撮像ユニット56が移動する。さらに、基台4上には、上述した構成要素を覆うカバー(不図示)が設けられている。また、このカバーの前面には、タッチパネル58が配置されている。
このタッチパネル58は、例えば、静電容量方式又は抵抗膜方式のタッチセンサ等の入力装置と、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置とによって構成され、ユーザインターフェースとして機能する。そして、タッチパネル58の表示装置においては、例えば、撮像ユニット56による撮像によって形成された画像が表示される。
上述したレーザー加工装置2の構成要素は、レーザー加工装置2に内蔵されたコントローラ59によって制御される。このコントローラ59は、プロセッサ59aとメモリ59bとを含む。プロセッサ59aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)等によって構成される。
また、メモリ59bは、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリと、SSD(Solid State Drive)(NAND型フラッシュメモリ)又はHDD(Hard Disk Drive)(磁気記憶装置)等の不揮発性メモリとによって構成される。
そして、メモリ59bは、プロセッサ59aにおいて用いられる各種の情報(データ及びプログラム等)を記憶する。例えば、このメモリ59bには、ウエーハ11の半径から面取りされている外周領域の幅を減算して得られる距離(第一距離)等が記憶されている。また、プロセッサ59aは、例えば、境界特定ステップS1及び剥離層形成ステップS2を実施するためのプログラムをメモリ59bから読みだして実行するようにレーザー加工装置2の構成要素を制御する。
レーザー加工装置2においては、例えば、以下の順序で境界特定ステップS1及び剥離層形成ステップS2が実施される。具体的には、まず、貼り合わせウエーハ1の支持ウエーハ17の裏面17bの中心と保持テーブル26の保持面の中心とを一致させるように、貼り合わせウエーハ1を保持テーブル26に搬入する。この搬入は、例えば、プロセッサ59aが搬送ユニット(不図示)を動作させることによって行われる。
次いで、貼り合わせウエーハ1が保持テーブル26によって保持されるように、ポーラス板26aと連通する吸引源をプロセッサ59aが動作させる。次いで、貼り合わせウエーハ1に含まれる接着層19の外周の一部が撮像ユニット56によって撮像可能な領域に含まれるように、水平移動機構6をプロセッサ59aが動作させる。この時、プロセッサ59aは、その直下の領域を撮像するように撮像ユニット56を動作させながら水平移動機構6を動作させてもよい。
次いで、接着層19の外周を含む画像を形成する。図6は、この画像を形成する様子を模式的に示す一部断面正面図である。具体的には、この画像は、プロセッサ59aが、その直下の領域を撮像するように撮像ユニット56を動作させながら、保持テーブル26を一回転させるようにテーブル基台24の下部に連結されている回転駆動源を動作させることによって形成される。
そして、プロセッサ59aは、この画像を参照して、接着層19の外周の位置、すなわち、ウエーハ11の表面11a側において接着層19が設けられている貼着領域と接着層19が設けられていない不貼着領域との境界を特定する。また、プロセッサ59aは、特定された境界に関するデータをメモリ59bに記憶させる。
このデータは、例えば、この境界に含まれる複数の点のうち保持テーブル26の保持面の中心からの距離が最も遠くなる点の当該中心からの距離(第二距離)である。また、このデータは、この境界に含まれる複数の点を示す複数の座標であってもよい。以上によって、境界特定ステップS1が完了する。
次いで、レーザービーム照射ユニット42の照射ヘッド52がウエーハ11の外周領域よりも僅かに内側の領域の真上に位置付けられるように水平移動機構6をプロセッサ59aが動作させる。
次いで、上記の円錐台の側面に沿うような剥離層(第一剥離層)をウエーハ11の外周領域よりも内側の領域に形成する。具体的には、まず、分岐されたレーザービームLBをウエーハ11に照射するようにレーザービーム照射ユニット42をプロセッサ59aが動作させる。この時、レーザービームLBは、以下のような複数の集光点を形成するように分岐される。
当該複数の集光点は、ウエーハ11の表面11aから遠ざかるほど外周領域から遠ざかって配列する。また、当該複数の集光点のうちウエーハ11の表面11aに最も近接する集光点は、平面視において、境界特定ステップS1において特定された境界よりも外側に位置し、かつ、ウエーハ11の外周領域よりも内側に位置する。
図7は、第一剥離層を形成するためにウエーハ11に対してレーザービームLBを照射する様子を模式的に示す一部断面正面図である。このレーザービームLBは、例えば、ウエーハ11の径方向(Z軸方向に垂直な方向)及び厚さ方向(Z軸方向)のそれぞれにおいて、隣接する集光点の位置がウエーハ11の内部で10μmだけずれる複数(例えば、8個)の集光点を形成する。
また、当該複数の集光点のうちウエーハ11の表面11aに最も近接する集光点(最表面側集光点)と保持テーブル26の保持面の中心との平面視における間隔は、例えば、メモリ59bに記憶された上記の第二距離よりも長く、かつ、上記の第一距離よりも短くなる。なお、当該複数の集光点のうち最表面側集光点以外の集光点と当該中心との平面視における間隔は、上記の第二距離よりも長くてもよいし、短くてもよい。
この場合、複数の集光点のそれぞれを中心として、ウエーハ11の内部にウエーハ11を構成する材料の結晶構造が乱れた改質部21が形成される。すなわち、平面視においてウエーハ11の径方向に沿って直線状に並び、かつ、この直線とウエーハ11の表面11aとがなす鋭角の角度が45°となるような複数の改質部21が形成される。
なお、直線状に並ぶ複数の改質部21とウエーハ11の表面11aとがなす鋭角の角度は、45°に限定されない。すなわち、隣接する集光点のウエーハ11の径方向における間隔がその厚さ方向における間隔と異なる複数の集光点が形成されるように、レーザービームLBをウエーハ11に照射してもよい。
ただし、この角度は、1°以上であることが好ましい。すなわち、上記の円錐台の下面と側面とがなす角は、1°以上であることが好ましい。これにより、上記の円錐台の上面に沿うような剥離層を形成する際に、レーザービームLBによってウエーハ11の表面11a側に形成されているデバイス15が損傷することを防止できる。
さらに、複数の改質部21のそれぞれからは、隣接する一対の改質部21を接続させるように亀裂23が伸展する。これにより、複数の改質部21と、複数の改質部21のそれぞれから伸展する亀裂23とを含む剥離層がウエーハ11の内部に形成される。
次いで、レーザービーム照射ユニット42をプロセッサ59aが動作させたまま、貼り合わせウエーハ1を保持する保持テーブル26を少なくとも一回転させるように、テーブル基台24の下部に連結されている回転駆動源をプロセッサ59aが動作させる。その結果、上記の円錐台の側面に沿うような剥離層(第一剥離層)がウエーハ11の外周領域よりも内側の領域に形成される。
なお、第一剥離層を形成する際には、亀裂23の一部(例えば、複数の改質部21のうちウエーハ11の表面11aに最も近接する改質部21から伸展した亀裂23)が、ウエーハ11の内部に留まることなく、表面11a又は側面11cに到達するように、レーザービームLBの照射条件(例えば、レーザービームLBの出力又は照射回数(パス数))が調整されてもよい。
すなわち、第一剥離層に含まれる亀裂23の一部は、ウエーハ11の表面11aのうち境界特定ステップS1において特定された境界よりも外側に位置する領域に到達していてもよい。あるいは、第一剥離層に含まれる亀裂23の一部は、ウエーハ11の側面11cに到達していてもよい。
次いで、上記の円錐台の上面(第二底面)に沿うような剥離層(第二剥離層)をウエーハ11の第一剥離層よりも内側の領域に形成する。具体的には、まず、レーザービーム照射ユニット42の照射ヘッド52がウエーハ11の第一剥離層よりも僅かに内側の領域の真上に位置付けられるように水平移動機構6をプロセッサ59aが動作させる。
次いで、ウエーハ11を構成する単結晶シリコンの結晶方位[010]がX軸方向に平行になり、かつ、結晶方位[001]がY軸方向に平行になるように、テーブル基台24の下部に連結されている回転駆動源をプロセッサ59aが動作させる。
次いで、分岐されたレーザービームLBが照射されるようにレーザービーム照射ユニット42をプロセッサ59aが動作させる。この時、レーザービームLBは、複数の集光点の全てが上記の円錐台の上面(第二底面)に位置付けられるように分岐される。
図8は、第二剥離層を形成するためにウエーハ11に対してレーザービームLBを照射する様子を模式的に示す一部断面正面図である。このレーザービームLBは、Y軸方向(結晶方位[001])において等間隔(例えば、5μm~15μm)に配列する複数(例えば、2~10個)の集光点を形成するように分岐される。
この場合、上述したように、複数の改質部21と、複数の改質部21のそれぞれから伸展する亀裂23とがウエーハ11の内部に形成される。次いで、レーザービーム照射ユニット42をプロセッサ59aが動作させたまま、貼り合わせウエーハ1を保持する保持テーブル26をX軸方向に沿って移動させるように水平移動機構6をプロセッサ59aが動作させる。
その結果、ウエーハ11の第一剥離層よりも内側の領域に含まれるX軸方向(結晶方位[010])に沿った直線状の領域に剥離層が形成される。なお、結晶方位[001]に沿って配列する複数の集光点を形成するレーザービームLBを結晶方位[010]に沿った直線状の領域に照射することによって剥離層が形成される場合には、剥離層を幅広かつ薄くすることができる。
以下、この点について詳細に説明する。まず、単結晶シリコンは、一般的に、結晶面{111}に含まれる特定の結晶面において最も劈開しやすく、結晶面{110}に含まれる特定の結晶面において2番目に劈開しやすい。そのため、例えば、ウエーハ11を構成する単結晶シリコンの結晶方位<110>に含まれる特定の結晶方位(例えば、結晶方位[011])に沿って改質部が形成されると、この改質部から結晶面{111}に含まれる特定の結晶面に沿って伸展する亀裂が多く発生する。
他方、単結晶シリコンの結晶方位<100>に含まれる特定の結晶方位に沿った領域に、平面視において、この領域が延在する方向と直交する方向に沿って並ぶように複数の改質部が形成されると、この複数の改質部のそれぞれから結晶面{N10}(Nは、10以下の自然数)のうち当該領域が延在する方向に平行な結晶面に沿って伸展する亀裂が多く発生する。
例えば、上述したように、結晶方位[010]に沿った領域に、結晶方位[001]に沿って並ぶように複数の改質部21が形成されると、この複数の改質部21のそれぞれから結晶面{N10}のうち結晶方位[010]に平行な結晶面に沿って伸展する亀裂が多くなる。
具体的には、このように複数の改質部21が形成される場合には、以下の結晶面において亀裂が伸展しやすくなる。
Figure 2024063938000002

Figure 2024063938000003
そして、ウエーハ11の表面11a及び裏面11bに露出する結晶面(100)が結晶面{N10}のうち結晶方位[010]に平行な結晶面に対してなす角は、45°以下である。他方、結晶面(100)が結晶面{111}に含まれる特定の結晶面に対してなす角は、54.7°程度である。
そのため、上述したように剥離層が形成される場合には、単結晶シリコンの結晶方位[011]に沿った領域に、平面視において、この領域が延在する方向と直交する方向に沿って並ぶように複数の改質部が形成される場合と比較して、剥離層を幅広かつ薄くすることができる。
次いで、貼り合わせウエーハ1を保持する保持テーブル26をY軸方向に沿って移動させるように水平移動機構6をプロセッサ59aが動作させる。次いで、既に剥離層が形成されている直線状の領域に平行な直線状の領域に剥離層が形成されるようにレーザービーム照射ユニット42及び水平移動機構6をプロセッサ59aが動作させる。
さらに、ウエーハ11の第一剥離層よりも内側の全領域に剥離層が形成されるまで、同様の操作を繰り返す。その結果、上記の円錐台の上面(第二底面)に沿うような剥離層(第二剥離層)がウエーハ11の第一剥離層よりも内側の領域に形成される。以上によって、剥離層形成ステップS2が完了する。
なお、剥離層形成ステップS2においては、第二剥離層を形成してから第一剥離層が形成されてもよい。すなわち、剥離層形成ステップS2においては、ウエーハ11に含まれる複数の直線状の領域に対して順番にレーザービームLBを照射することによって第二剥離層を形成してから、これらの領域の外側に位置する円環状の領域にレーザービームLBを照射することによって第一剥離層を形成してもよい。
あるいは、剥離層形成ステップS2においては、第一剥離層及び第二剥離層が同時並行で形成されてもよい。具体的には、第一剥離層及び第二剥離層は、水平移動機構6、レーザービーム照射ユニット42及びテーブル基台24の下部に連結されている回転駆動源をプロセッサ59aが以下のように動作させることによって形成されてもよい。
まず、ウエーハ11の外周領域よりも僅かに内側の領域の真上にレーザービーム照射ユニット42の照射ヘッド52を位置付ける。次いで、ウエーハ11を構成する単結晶シリコンの結晶方位[010]がX軸方向に平行になり、かつ、結晶方位[001]がY軸方向に平行になるように貼り合わせウエーハ1を保持する保持テーブル26を回転させる。
次いで、分岐されたレーザービームLBが照射されるようにレーザービーム照射ユニット42を動作させる。この時、レーザービームLBは、例えば、上記の円錐台の下面のうちX軸方向における一端近傍に複数の集光点の全てが位置付けられ、かつ、当該複数の集光点のそれぞれと保持テーブル26の保持面の中心との平面視における間隔がメモリ59bに記憶された上記の第二距離よりも長く、かつ、上記の第一距離よりも短くなるように分岐される。
次いで、上記の円錐台の上面のうちX軸方向における一端近傍に複数の集光点の全てが位置付けられるまで、複数の集光点の位置を高くしながら貼り合わせウエーハ1を保持する保持テーブル26がX軸方向に沿って移動させる。これにより、第一剥離層の一部(第一傾斜部)がウエーハ11に含まれる結晶方位[010]に沿った直線状の領域(第一領域)の内部に形成される。
次いで、上記の円錐台の上面のうちX軸方向における他端近傍に複数の集光点の全てが位置付けられるまで、複数の集光点の全てを上記の円錐台の上面と同じ高さに位置付けたまま貼り合わせウエーハ1を保持する保持テーブル26をX軸方向に沿って移動させる。これにより、第二剥離層の一部(第一直線部)がウエーハ11の第一領域の内部に形成される。
次いで、上記の円錐台の下面のうちX軸方向における他端近傍に複数の集光点の全てが位置付けられ、かつ、当該複数の集光点のそれぞれと保持テーブル26の保持面の中心との平面視における間隔がメモリ59bに記憶された上記の第二距離よりも長く、かつ、上記の第一距離よりも短くなるまで、複数の集光点の位置を低くしながら貼り合わせウエーハ1を保持する保持テーブル26をX軸方向に沿って移動させる。これにより、第一剥離層の別の一部(第一傾斜部)がウエーハ11の第一領域の内部に形成される。
すなわち、以上のようなレーザービームLBの照射によって、一対の第一傾斜部と結晶方位[010]において一対の第一傾斜部の間に位置する第一直線部とがウエーハ11の第一領域の内部に形成される。次いで、貼り合わせウエーハ1を保持する保持テーブル26をY軸方向に沿って移動させる。
次いで、既に一対の傾斜部及び第一直線部が形成されている第一領域に平行な直線状の領域(第二領域)に別の一対の傾斜部(第二傾斜部)及び別の直線部(第二直線部)を形成する。さらに同様の操作を繰り返すことによって、第一剥離層及び第二剥離層が同時並行で形成される。
剥離層形成ステップS2を実施した後には、第一剥離層において分割されることによって露出する側面(第一剥離面)と、第二剥離層において分割されることによって露出する上面(第二剥離面)と、を有する薄化ウエーハが形成されるようにウエーハ11を分割する(分割ステップS3)。
図9(A)及び図9(B)のそれぞれは、第一剥離層及び第二剥離層が形成されたウエーハ11を分割する様子を模式的に示す一部断面側面図である。この分割ステップS3は、例えば、図9(A)及び図9(B)に示される分割装置60において実施される。
この分割装置60は、貼り合わせウエーハ1を保持するための保持テーブル62を有する。保持テーブル62は、円状の上面(保持面)を有し、この保持面においてはポーラス板(不図示)が露出している。さらに、このポーラス板は、保持テーブル62の内部に設けられた流路等を介してエジェクタ等の吸引源(不図示)と連通している。
そして、この吸引源を動作させると、保持テーブル62の保持面近傍の空間に吸引力が作用する。そのため、例えば、貼り合わせウエーハ1が保持テーブル62に置かれた状態で吸引源を動作させると、保持テーブル62において貼り合わせウエーハ1を保持できる。
また、保持テーブル62の上方には、分割ユニット64が設けられている。この分割ユニット64は、円柱状の支持部材66を有する。この支持部材66の上部には、例えば、ボールねじ式の昇降機構(不図示)が連結されており、この昇降機構を動作させることによって分割ユニット64が昇降する。
また、支持部材66の下端部は、円盤状の支持台68の上部の中央に固定されている。この支持台68の外周領域の下側には、支持台68の周方向に沿って概ね等しい角度の間隔で複数の可動部材70が設けられている。この可動部材70は、下方に向かって延在する板状の垂設部70aを有する。
この垂設部70aの上端部は支持台68に内蔵されたエアシリンダ等のアクチュエータに連結されており、このアクチュエータを動作させることによって可動部材70が支持台68の径方向に沿って移動する。また、この垂設部70aの下端部の内側面には、支持台68の中心に向かって延在し、かつ、支持台68の中心に近付くほど厚さが薄くなる板状の爪部70bが設けられている。
分割装置60においては、例えば、以下の順序で分割ステップS3が実施される。具体的には、まず、貼り合わせウエーハ1に含まれる支持ウエーハ17の裏面17bの中心と保持テーブル62の保持面の中心とを一致させるように、貼り合わせウエーハ1を保持テーブル62に置く。
次いで、貼り合わせウエーハ1が保持テーブル62によって保持されるように、この保持面において露出するポーラス板と連通する吸引源を動作させる。次いで、複数の可動部材70のそれぞれを支持台68の径方向外側に位置付けるようにアクチュエータを動作させる。
次いで、複数の可動部材70のそれぞれの爪部70bの先端を貼り合わせウエーハ1におけるウエーハ11と接着層19との界面に対応する高さに位置付けるように昇降機構を動作させる。次いで、爪部70bをウエーハ11に接触させるようにアクチュエータを動作させる。次いで、爪部70bを上昇させるように昇降機構を動作させる(図9(A)参照)。
これにより、ウエーハ11の外周領域に上向きの外力、すなわち、ウエーハ11の厚さ方向に沿った外力が付与される。その結果、第一剥離層及び第二剥離層に含まれる亀裂23がさらに伸展してウエーハ11が分割される(図9(B)参照)。すなわち、ウエーハ11の複数のデバイス15が形成されている領域と外周領域とが分離され、かつ、その表面11a側と裏面11b側とが分離される。
この時、第一剥離層に含まれる亀裂23のうちウエーハ11の表面11a近傍に位置するものは、ウエーハ11の側面11cに至るように伸展してもよい。すなわち、第一剥離層に含まれる亀裂23をさらに伸展させることによって、ウエーハ11の複数のデバイス15が形成されている領域及び外周領域の一部と、外周領域の残部と、が分離されてもよい。
これにより、第一剥離層において分割されることによって露出する側面25aと、第二剥離層において分割されることによって露出する上面(第二剥離面)25bと、を有する薄化ウエーハ25が形成される。以上によって、分割ステップS3が完了する。
図3に示される方法においては、ウエーハ11の表面11a側において接着層19が設けられている貼着領域と接着層19が設けられていない不貼着領域との境界を特定してから、この不貼着領域に一端が位置するように第一剥離層が形成される。そのため、この方法においては、ウエーハ11の表面11a側のうち第一剥離層よりも外側に位置する領域が接着層19と接触することなく、ウエーハ11を容易に分割することが可能である。
なお、上述した貼り合わせウエーハ1の加工方法は本発明の一態様であって、本発明は上述した方法に限定されない。例えば、本発明の境界特定ステップS1及び剥離層形成ステップS2は、同一の装置(レーザー加工装置2)においてではなく、異なる装置において実施されてもよい。
具体的には、本発明の境界特定ステップS1は、支持ウエーハ17を構成する材料を透過する波長を利用して支持ウエーハ17側から貼り合わせウエーハ1を撮像することによって接着層19の外周を含む画像を形成することが可能な撮像装置を用いて実施されてもよい。
あるいは、本発明の境界特定ステップS1は、超音波を利用して接着層19の外周の位置、すなわち、ウエーハ11の表面11a側における貼着領域及び不貼着領域の境界を特定することが可能な超音波探傷検査装置(SAT)を用いて実施されてもよい。
また、本発明の剥離層形成ステップS2において用いられるレーザー加工装置においては、保持テーブル26とレーザービームLBが集光される集光点とがX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のそれぞれに沿って相対的に移動できればよく、そのための構造に限定はない。
例えば、本発明の剥離層形成ステップS2は、レーザービーム照射ユニット42の照射ヘッド52等をX軸方向及び/又はY軸方向のそれぞれに沿って移動させる水平移動機構が設けられているレーザー加工装置を用いて実施されてもよい。
あるいは、本発明の剥離層形成ステップS2は、照射ヘッド52から照射されるレーザービームLBの方向を変更することが可能な走査光学系がレーザービーム照射ユニット42に設けられているレーザー加工装置を用いて実施されてもよい。なお、この走査光学系は、例えば、ガルバノスキャナ、音響光学素子(AOD)及び/又はポリゴンミラー等を含む。
また、本発明の剥離層形成ステップS2において形成される第一剥離層及び第二剥離層の形状は、円錐台の側面及び上面にそれぞれ沿った形状に限定されない。例えば、第一剥離層は、ウエーハ11の表面11a及び裏面11bに対して直交するように延在していてもよい。すなわち、第一剥離層は、円柱の側面に沿うような形状であってもよい。
あるいは、第一剥離層は、接着層19の外周、すなわち、ウエーハ11の表面11a側における貼着領域及び不貼着領域の境界との間隔が平面視において一定になるような形状であってもよい。なお、この場合、第二剥離層は、平面視において非円形形状であってもよい。
なお、この間隔が平面視において一定になるような第一剥離層を形成する場合には、例えば、ウエーハ11に対してレーザービームLBが照射された状態で、貼り合わせウエーハ1を保持する保持テーブル26を回転させながら、X軸方向又はY軸方向における保持テーブル26の位置を経時的に変更すればよい。
ただし、第一剥離層は、ウエーハ11の表面11aに対して鋭角を形成するような方向に延在していることが好ましい。すなわち、上記の仮想の構造物の側面は、ウエーハ11の表面11a側から遠ざかるほど外周領域から遠ざかるように傾斜することが好ましい。
この場合、ウエーハ11を分割する際に、薄化ウエーハ25の側面25aと、このウエーハ11の残部(外周領域を含む部分)の内側面と、が互いに接触する蓋然性が低い。そのため、この場合、両者の接触に起因した亀裂の発生を抑制できる。
さらに、このウエーハ11においては、第一剥離層が延在する方向に沿って亀裂23が伸展しやすくなる。この場合、薄化ウエーハ25の表面側に形成されているデバイス15に向かって亀裂23が伸展する蓋然性が低くなる。そのため、薄化ウエーハ25の形成に伴うデバイス15の破損を抑制するとともに、ウエーハ11から製造可能なチップの数の減少を抑制できる。
また、本発明の剥離層形成ステップS2においては、第一剥離層の形成方法は上述した方法に限定されない。例えば、本発明の剥離層形成ステップS2においては、テーブル基台24の下部に連結されている回転駆動源に換えて水平移動機構6を動作させることによって、ウエーハ11に対して円環状にレーザービームLBを照射することで第一剥離層が形成されてもよい。
また、本発明の剥離層形成ステップS2においては、分岐されていないレーザービームLBをウエーハ11に対して照射することで第一剥離層が形成されてもよい。この場合には、例えば、ウエーハ11に内部において上に行くほど回転半径が小さくなる螺旋階段のような軌跡が描かれるように、レーザービームLBが集光される集光点とウエーハ11とを相対的に移動させればよい。
また、本発明の剥離層形成ステップS2においては、第二剥離層の形成方法は上述した方法に限定されない。例えば、本発明の剥離層形成ステップS2においては、水平移動機構6に加えてテーブル基台24の下部に連結されている回転駆動源を動作させることによって、ウエーハ11に対して螺旋状にレーザービームLBを照射することで第二剥離層が形成されてもよい。
また、本発明の分割ステップS3においては、第一剥離層及び第二剥離層が形成されているウエーハ11の分割に先立って、このウエーハ11に超音波を付与してもよい。この場合、第一剥離層及び第二剥離層に含まれる亀裂23が伸展するため、ウエーハ11の分離が容易になる。
その他、上述した実施形態にかかる構造及び方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
1 :貼り合わせウエーハ
2 :レーザー加工装置
4 :基台
6 :水平移動機構
8 :Y軸ガイドレール
10 :Y軸移動プレート
11 :ウエーハ(第一ウエーハ)(11a:表面、11b:裏面、11c:側面)
12 :ねじ軸
13 :ノッチ
14 :モータ
15 :デバイス
16 :X軸ガイドレール
17 :支持ウエーハ(第二ウエーハ)(17a:表面、17b:裏面)
18 :X軸移動プレート
19 :接着層
20 :ねじ軸
21 :改質部
22 :モータ
23 :亀裂
24 :テーブル基台
25 :薄化ウエーハ(25a:側面(第一剥離面)、25b:上面(第二剥離面))
26 :保持テーブル(26a:ポーラス板)
30 :支持構造
32 :鉛直移動機構
34 :Z軸ガイドレール
36 :Z軸移動プレート
38 :モータ
40 :支持具
42 :レーザービーム照射ユニット
44 :レーザー発振器
46 :減衰器
48 :空間光変調器
50 :ミラー
52 :照射ヘッド
54 :ハウジング
56 :撮像ユニット
58 :タッチパネル
59 :コントローラ(59a:プロセッサ、59b:メモリ)
60 :分割装置
62 :保持テーブル
64 :分割ユニット
66 :支持部材
68 :支持台
70 :可動部材(70a:垂設部、70b:爪部)

Claims (3)

  1. 表面側に複数のデバイスが形成され、かつ、外周領域が面取りされている第一ウエーハと、該第一ウエーハの該外周領域に接触しないように該表面側に設けられている接着層と、該接着層を介して該第一ウエーハの該表面側に表面側が貼り合わせられている第二ウエーハと、を備える貼り合わせウエーハに対して、該第一ウエーハの裏面側から該第一ウエーハを透過する波長のレーザービームを照射することによって該第一ウエーハの内部に剥離層を形成した後、該第一ウエーハの厚さ方向に沿って該第一ウエーハに外力を付与することによって該剥離層において該第一ウエーハを分割する貼り合わせウエーハの加工方法であって、
    該第一ウエーハの該表面側において該接着層が設けられている貼着領域と該接着層が設けられていない不貼着領域との境界を特定する境界特定ステップと、
    該境界特定ステップを実施した後、該不貼着領域に位置する外周を有する第一底面と、該第一底面の該外周と重なる一端を有する側面と、該側面の他端と重なる外周を有し、かつ、該第一底面と平行な第二底面と、によって画定される仮想の構造物の該側面に沿うような第一剥離層及び該第二底面に沿うような第二剥離層を形成する剥離層形成ステップと、
    該剥離層形成ステップを実施した後、該第一剥離層において分割されることによって露出する第一剥離面と、該第二剥離層において分割されることによって露出する第二剥離面と、を有する薄化ウエーハが形成されるように該第一ウエーハを分割する分割ステップと、
    を備える貼り合わせウエーハの加工方法。
  2. 該仮想の構造物の該側面は、該第一ウエーハの該表面側から遠ざかるほど該外周領域から遠ざかるように傾斜する請求項1に記載の貼り合わせウエーハの加工方法。
  3. 該境界特定ステップにおいては、該貼り合わせウエーハを回転させながら該第一ウエーハを構成する材料を透過する光を利用して該第一ウエーハの裏面側から該接着層の外周を撮像することによって形成される画像を参照して該境界が特定される請求項1又は2に記載の貼り合わせウエーハの加工方法。
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