JP2024062258A - ポリチオフェン、当該ポリチオフェンを含む導電性高分子組成物、及びそれらの用途 - Google Patents

ポリチオフェン、当該ポリチオフェンを含む導電性高分子組成物、及びそれらの用途 Download PDF

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Abstract

【課題】従来公知の導電性高分子は粘着剤への分散性が悪いという課題があり、当該導電性高分子を含む導電性粘着剤の提供が困難であった。【解決手段】下記一般式(1)で表される構造単位を含むポリチオフェン。【化1】JPEG2024062258000013.jpg40139{前記一般式(1)中、R1は、炭素数1~6のアルキル基、又はハロゲン原子を表す。M1は、[N(R2)4]+で表される第4級アンモニウムカチオンを表す。R2は、各々独立して、炭素数1~6のアルキル基、又は置換基を有する総炭素数1~20のアルキル基を表す。mは1~6の整数を表す。}【選択図】なし

Description

本発明は、ポリチオフェン、当該ポリチオフェンを含む組成物、及びそれらの用途に関するものである。
ポリチオフェンは、高い導電性を有することから固体電解コンデンサ、帯電防止、太陽電池用正孔注入剤、及び透明電極等の広い分野での利用を検討されている。ポリチオフェン系導電性材料としては、一般的にポリスチレンスルホン酸、又はポリビニルスルホン酸等の水溶性酸性ポリマーを外部トーパントとした水分散体のものと、外部ドーパントを必要としない自己ドープ型導電性ポリマー含有水溶液に分類される。
前者の代表例としては、ポリスチレンスルホン酸(PSS)の存在下に、3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を重合させた導電性ポリマーであるPEDOT:PSSが報告されており、後者の例では、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸ポリマーのような直鎖又は分岐のアルキレンスルホン酸が置換したポリチオフェン(特許文献1)が報告されており、いずれも数百S/cm以上の導電率を有している。
また、有機溶媒に分散又は溶解する高導電性ポリチオフェンも報告されている。例えば、特許文献2では自己ドープ型導電性ポリマーであるポリチオフェンと、アミン化合物又は第4級アンモニウム塩との反応物を報告している。この化合物はアルコール溶媒、芳香族炭化水素溶媒、又はケトン溶媒等の有機溶媒に分散又は溶解可能であり、その導電率は250S/cm~300S/cmである。
一方で、有機溶媒に溶解する低導電性ポリチオフェンに関する報告例は少ない。例えば、Luebbenらは、トルエンスルホナト基又は過塩素酸塩を外部ドーパントとするPEDOTおよびポリエチレングリコールのブロック共重合体を報告している(非特許文献1)。このブロック共重合体は炭酸プロピレン及びニトロメタン等の極性の有機溶媒に分散可能であり、その導電率は10-4S/cm~1S/cmである。
非特許文献2には、自己ドープ型導電性ポリマーであるポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イルメトキシ)-1-ブタンスルホン酸)(PEDOT-S)の第4級アンモニウム化合物を報告している。この化合物はメタノールとクロロホルムとの混合液に分散可能であり、その導電率は0.4S/cm~0.8S/cmである。
国際公開WO2014/007299パンフレット 特開2019-210356公報
Polymeric Materials:Science & Engineering、2004年、第91巻、979頁 Scientific Reports、2015年、第5巻、11242
しかしながら、先行技術文献に開示された導電性高分子は粘着剤への分散性が悪いという課題があった。
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記に示す発明が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一態様は、以下の[1]~[12]に存する。
[1] 下記一般式(1)で表される構造単位を含む、ポリチオフェン。
{前記一般式(1)中、Rは、炭素数1~6のアルキル基、又はフッ素原子を表す。Mは、[N(Rで表される第4級アンモニウムカチオンを表す。Rは、各々独立して、置換基を有していてもよい総炭素数1~6の炭化水素基を表す。mは、1~6の整数を表す。}
[2] 下記一般式(2)で表される構造単位をさらに含む、[1]に記載のポリチオフェン。
{前記一般式(2)中、Rは、炭素数1~6のアルキル基、又はフッ素原子を表す。Mは、[N(Rで表される第4級アンモニウムカチオンを表す。Rは、各々独立して、置換基を有していてもよい総炭素数1~6の炭化水素基を表す。mは1~6の整数を表す。}
[3] 前記一般式(1)中、前記mが2又は3を表す、[1]または[2]に記載のポリチオフェン。
[4] 前記一般式(1)中、前記Rが、各々独立して、置換基を有していてもよい総炭素数3~6の炭化水素基である、[1]から[3]のいずれかに記載のポリチオフェン。
[5] 前記一般式(1)中、前記Rが、各々独立して、炭素数3~6の炭化水素基である、[1]から[4]のいずれかに記載のポリチオフェン。
[6] [1]から[5]のいずれかに記載のポリチオフェンと、有機溶媒とを含んでなる、導電性高分子組成物。
[7] 前記有機溶媒が、アルコール溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ケトン溶媒、エーテル溶媒、グリコールエステル溶媒、グリコールエーテル溶媒、ハロゲン溶媒、アミド溶媒若しくは含硫黄溶媒又はそれらの混合物である、[6]に記載の導電性高分子組成物。
[8] [6]または[7]に記載の導電性高分子組成物にさらに、粘着剤を含む、粘着剤組成物。
[9] [1]から[5]のいずれかに記載のポリチオフェンを含む、粘着膜。
[10] [8]に記載の粘着剤組成物を支持体に塗布し、乾燥させて粘着膜を得る、粘着膜の製造方法。
[11] [9]に記載の粘着膜で支持体を被覆してなる被覆物品。
[12] 下記一般式(3)で表される構造単位を含むポリチオフェンと、[N(R]で表される第4級アンモニウム塩(前記のRは、各々独立して、置換基を有していてもよい総炭素数1~6の炭化水素基を表す。前記のMは、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、ホウ化物イオン、ホウフッ化物イオン、次亜塩素酸イオン、硫酸水素イオン、酢酸イオン、アジ化物イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、チオシアン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、又はパラトルエンスルホン酸イオンを表す。)とを混合接触させることを特徴とする、ポリチオフェンの製造方法。
[前記一般式(3)中、Rは、炭素数1~6のアルキル基、又はフッ素原子を表す。Mは、水素イオン、又はアルカリ金属イオンを表す。mは、1~6の整数を表す。]
本発明の一態様によれば、粘着剤に対して分散性が高く、導電性高分子の凝集等が生じにくいポリチオフェン、又は粘着剤に対する分散性に優れる導電性高分子組成物等を提供できる。
以下、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書において、「~」はその両端の数値を含む以上以下の数値範囲を意味する。
本発明者が鋭意研究を行った結果、後述する、特定の式で表される構造単位を含むポリチオフェン、又は上記ポリチオフェンと有機溶媒との配合物が、エステル系溶媒での使用が好まれる普及型の粘着剤に効率よく分散、又は混合することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。このような配合物について、本明細書では、導電性高分子組成物とも称する。
現在、一般的に普及している粘着剤は、酢酸エステル系の有機溶媒を用いて製造されている。粘着剤に添加剤を加えて機能を付与する場合は、添加剤が粘着剤中に均一に混錬される必要がある為、当該添加剤については、酢酸エステル系有機溶媒との相溶性に優れることが要求される。
本発明者は、上記のポリチオフェン、又は上記ポリチオフェンと有機溶媒とを含む導電性高分子組成物を用いることによって、当該ポリチオフェンと上記粘着剤とを相溶させることができることを見出した。これによって、市場普及品の粘着剤に対して上記のポリチオフェンを用いて帯電防止機能を付与することが可能になった。
このように、本発明の一実施形態によれば、粘着剤に対して分散性に優れたポリチオフェン、又は導電性高分子組成物を提供することができる。このようなポリチオフェン、又は導電性高分子組成物を用いることで、従来報告されていない導電性高分子、又は導電性高分子組成物に基づく、帯電防止特性を有する新しい粘着剤組成物を提供することができる。また、従来報告されているものと比較し、導電性材料の分散性が高く、導電性材料の凝集等に伴う品質低下を起こしにくい粘着剤組成物を提供することができる。更に、本発明の一実施形態によれば、このような粘着剤組成物により得られる導電性の粘着膜を提供することができる。
また、上述のような構成によれば、例えば、液晶表示パネル等に本発明の一実施形態に係る粘着膜を適用することで、静電気に起因する製品の不具合発生率を低減できる。このような効果は、例えば、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の目標12「持続可能な生産消費形態を確保する」等の達成にも貢献するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔1.ポリチオフェン〕
本発明の一実施形態に係るポリチオフェンは、下記一般式(1)で表される構造単位を含有するポリチオフェンである。また、低導電性(例えば、導電率が1S/cm以下)の範囲を含む適切な導電性を示す点で、下記一般式(1)で表される構造単位及び下記一般式(2)で表される構造単位を含有するポリチオフェンであることが好ましい。
{上記一般式(1)又は(2)中、Rは、炭素数1~6のアルキル基、又はフッ素原子を表す。Mは、[N(Rで表される第4級アンモニウムカチオンを表す。Rは、各々独立して、置換基を有していてもよい総炭素数1~6の炭化水素基を表す。mは、1~6の整数を表す。}
上記一般式(2)で表される構造単位は、上記一般式(1)で表される構造単位のドーピング状態を表し、そのドーピング状態は、上記一般式(1)で表される構造単位中のスルホ基又はスルホナート基がp型ドーパントとして作用することにより発現する。
上記一般式(1)又は(2)中、Rは、炭素数1~6のアルキル基、又はフッ素原子を表す。
炭素数1~6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、シクロペンチル基、n-へキシル基、2-エチルブチル基、又はシクロヘキシル基等が挙げられる。
これらのうち、置換基Rについては、成膜性の点で、メチル基、エチル基、又はフッ素原子であることが好ましい。
は、[N(Rで表される第4級アンモニウムカチオンを表す。
上記のRとしては、各々独立して、置換基を有していてもよい総炭素数1~6の炭化水素基を表す。置換基を有していてもよい総炭素数1~6の炭化水素基については、例えば、炭素数1~6の炭化水素基、又は置換基を有する総炭素数1~6の炭化水素基を表すことができる。上記のRとしては、各々独立して、置換基を有していてもよい総炭素数3~6の炭化水素基であってもよく、炭素数3~6の炭化水素基であってもよい。
炭素数1~6の炭化水素基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、シクロペンチル基、n-へキシル基、2-エチルブチル基、又はシクロヘキシル基等が挙げられる。
置換基を有する総炭素数1~6の炭化水素基としては、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、オキシ基、又はヒドロキシ基を有する総炭素数1~6の炭化水素基が挙げられ、具体的には、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、クロロメチル基、2-クロロエチル基、2-ヒドロキシエチル基、又は2-アミノエチル基等が例示される。
これらのうち、置換基Rについては、成膜性の点で、各々独立して、メチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、又はn-ヘキシル基であることが好ましい。
上記の第4級アンモニウムカチオンとしては、特に限定するものではないが、テトラプロピルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、ブチルトリメチルアンモニウムカチオン、ペンチルトリメチルアンモニウムカチオン、又はヘキシルトリメチルアンモニウムカチオン等を挙げられる。
これらのうち、第4級アンモニウムカチオンについては、成膜性の点で、テトラペンチルアンモニウムカチオン、又はテトラヘキシルアンモニウムカチオンであることが好ましい。
上記一般式(1)又は(2)中、mは、1~6の整数を表し、好ましくは、mは、1~4の整数であり、より好ましくは2又は3である。
上記の一般式(1)で表される構造単位を含有するポリチオフェンについては、適切な導電率が得られる点で、ゲル浸透クロマトグラフィー測定におけるポリスチレンスルホン酸換算数平均分子量が、3,500以上であることが好ましく、4,000以上であることがより好ましく、5,000以上であることが更に好ましい。なお、上記のポリチオフェンを含む導電性高分子組成物の操作性の点で、上記ポリチオフェンのゲル浸透クロマトグラフィー測定におけるポリスチレンスルホン酸換算数平均分子量は、30,000以下であることが好ましく、20,000以下であることがより好ましく、15,000以下であることがより好ましい。そのため、上記ポリチオフェンのポリスチレンスルホン酸換算数平均分子量は、3,500~30,000であることが好ましく、4,000~20,000であることがより好ましく、5,000~15,000であることが更に好ましい。
上記のポリチオフェンのゲル浸透クロマトグラフィー法による分子量測定の方法及び条件については、ISO 16014-3:2012(JIS K 7252-3:2016)に従う。
〔1-2.ポリチオフェンの製造方法〕
本発明の一実施形態に係るポリチオフェンの製造方法は、下記一般式(3)で表される構造単位を含むポリチオフェンと、[N(R]で表される第4級アンモニウム塩(前記のRは、各々独立して、置換基を有していてもよい総炭素数1~6の炭化水素基を表す。前記のMは、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、ホウ化物イオン、ホウフッ化物イオン、次亜塩素酸イオン、硫酸水素イオン、酢酸イオン、アジ化物イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、チオシアン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、又はパラトルエンスルホン酸イオンを表す。)とを混合接触させる方法である。
[上記一般式(3)中、Rは、炭素数1~6のアルキル基、又はフッ素原子を表す。Mは、水素イオン、又はアルカリ金属イオンを表す。mは、1~6の整数を表す。]
本発明の一実施形態に係るポリチオフェンの原料となる、上記一般式(3)で表される構造単位を含むポリマーは、公知の方法により製造してよい。このような方法は、例えば、特開2014-65898に開示されている。
本発明の一実施形態に係るポリチオフェンは、上記一般式(3)で表される構造単位を含むポリチオフェンを、水又はアルコール溶媒中、[N(R]で表される第4級アンモニウム塩と反応させることによって製造することができる。また、その後、必要に応じて、溶媒洗浄、再沈殿、遠心沈降、限外ろ過、透析、イオン交換樹脂処理等の操作を組み合わせることが好ましい。
なお、低導電性(例えば、導電率が1S/cm以下)の範囲を含む適切な導電性を有するポリチオフェンを得るという点で、上記一般式(3)及び下記一般式(4)で表される構造単位を含むポリチオフェンを、水又はアルコール溶媒中、[N(R]で表される第4級アンモニウム塩と反応させることによって製造することが好ましい。また、その後、必要に応じて、溶媒洗浄、再沈殿、遠心沈降、限外ろ過、透析、又はイオン交換樹脂処理等の操作を組み合わせることが好ましい。
[上記一般式(4)中、Rは、炭素数1~6のアルキル基、又はフッ素原子を表す。mは1~6の整数を表す。]
上記一般式(3)又は(4)中、Rは、炭素数1~6のアルキル基、又はフッ素原子を表す。
炭素数1~6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、シクロペンチル基、n-へキシル基、2-エチルブチル基、又はシクロヘキシル基等が挙げられる。
これらのうち、置換基Rについては、成膜性の点で、メチル基、エチル基、又はフッ素原子であることが好ましい。
上記一般式(3)又は(4)中、mは、1~6の整数を表し、好ましくは、mは、1~4の整数であり、より好ましくは2又は3である。
上記一般式(3)中、Mは、水素イオン、又はアルカリ金属イオンを表す。
上記のアルカリ金属イオンとしては、例えば、Liイオン、Naイオン、又はKイオンが好ましい。
上記一般式(3)又は(4)で表される構造単位を含むポリチオフェンとしては、特に限定するものではないが、具体的には、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸ポリマー、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウムポリマー、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-エチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウムポリマー、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-プロピル-1-プロパンスルホン酸ナトリウムポリマー、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-ブチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウムポリマー、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-ペンチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウムポリマー、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-ヘキシル-1-プロパンスルホン酸ナトリウムポリマー、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-イソプロピル-1-プロパンスルホン酸ナトリウムポリマー、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-イソブチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウムポリマー、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-イソペンチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウムポリマー、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-フルオロ-1-プロパンスルホン酸ナトリウムポリマー、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸カリウムポリマー、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸アンモニウムポリマー、又は3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸トリエチルアンモニウムポリマー等が挙げられる。
[N(R]で表される第4級アンモニウム塩は、上記の[N(Rで表される第4級アンモニウムカチオンと、Mで示されるアニオンとで形成される塩を表す。[N(Rで表される第4級アンモニウムカチオンについては、〔1-1.ポリチオフェン〕の項目にて説明済みであるため、ここでは説明を省略する。
上記のMで示されるアニオンとしては、例えば、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、ホウ化物イオン、ホウフッ化物イオン、次亜塩素酸イオン、硫酸水素イオン、酢酸イオン、アジ化物イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、チオシアン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、又はパラトルエンスルホン酸イオンが挙げられる。
〔2.導電性高分子組成物〕
本発明の一実施形態に係る導電性高分子組成物は、上記のポリチオフェンと、有機溶媒とを含んでなる。上記の導電性高分子組成物は、本発明の一実施形態に係るポリチオフェンと、有機溶媒とを混合することによって得ることができる。
上記の有機溶媒としては、特に限定するものではないが、例えば、アルコール溶媒(例えばメタノール、エタノール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノール、イソブタノール、又はターシャリーブタノール等)、芳香族炭化水素溶媒(ベンゼン、トルエン、又はキシレン等)、ケトン溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、又はジアセトンアルコール等)、エーテル溶媒(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、又は1,4-ジオキサン等)、グリコールエステル溶媒(エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、又はジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等)、グリコールエーテル溶媒(メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、又はプロピレングリコールモノメチルエーテル等)、ハロゲン溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、又はクロロベンゼン等)、アミド溶媒(N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリジノン、又はヘキサメチルリン酸トリアミド等)若しくは含硫黄溶媒(ジメチルスルホキシド、スルホラン等)が挙げられる。
これらの有機溶媒は、単独で用いてもよく、あるいは2種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
本発明の一実施形態に係る導電性高分子組成物において、上記ポリチオフェンと上記有機溶媒との混合比率については、特に限定するものではないが、上記ポリチオフェンと上記有機溶媒との混合物を100重量%として、上記ポリチオフェンが0.001~25重量%であり、上記有機溶媒が75~99.999重量%であることが好ましく、上記ポリチオフェンが0.01~10重量%であり、上記有機溶媒が90~99.99重量%であることがより好ましく、上記ポリチオフェンが0.1~5重量%であり、上記有機溶媒が95~99.9重量%であることがより好ましい。
上記のポリチオフェンと上記の有機溶媒とを混合して本発明の一実施形態に係る導電性高分子組成物を製造する際には、スターラーチップ、又は攪拌羽根等による一般的な混合溶解操作に加えて、超音波照射、ホモジナイズ処理(例えば、メカニカルホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、又は高圧ホモジナイザー等の使用)を行ってもよい。
上記のポリチオフェンと上記の有機溶媒とを混合する際の温度は、特に限定するものではないが、例えば、室温~加温下で行うことができる。好ましくは0℃以上100℃以下であってよい。混合する際の雰囲気は、特に限定するものではないが、大気中でも、不活性ガス中でもよい。なお、本明細書において、室温とは15~25℃を意図する。
本発明の一実施形態に係る導電性高分子組成物中のポリチオフェンについては、動的光散乱法で測定すると、約数nmから数百nmの粒子径(D50)を持つ微粒子として検出されることが好ましい。かかる微粒子は可視光領域において透明であって、有機溶媒中に上記微粒子が溶解又は分散している状態を表す。本願ではこの状態を「溶解又は分散」の状態と称している。
本発明の一実施形態に係る導電性高分子組成物については、用途に応じて、公知の界面活性剤又は/及びバインダー樹脂等の添加剤を含有していてもよい。
上記界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、高分子型非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、又はアセチレングリコール型界面活性剤等で例示される。
上記高分子型非イオン界面活性剤としては、特に限定するものではないが、ポリビニルピロリドン及びポリビニルピロリドンの共重合体等が挙げられる。ポリビニルピロリドンの平均分子量として、1千~200万であることが好ましく、より好ましくは1万~150万である。ポリビニルピロリドンの共重合体としては、特に限定するものではないが、親水性部と疎水性部とをポリマー鎖中に併せ持つものが好ましく、例えば、ポリビニルピロリドンをポリビニルアルコールにグラフトしたコポリマー、[ビニルピロリドン-酢酸ビニル]ブロック共重合体、[ビニルピロリドン-メチルメタクリレート]共重合体、[ビニルピロリドン-ノルマルブチルメタクリレート]共重合体、又は[ビニルピロリドン-アクリルアミド]共重合体等が例示できる。
上記両性界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。ベタイン型両性界面活性剤としては特に限定するものではないが、例えば、アルキルジメチルベタイン、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、又はラウリルジヒドロキシエチルベタイン等が挙げられる。
上記フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキル基を有するものが好ましく、特に限定するものではないが、例えば、パーフルオロアルカン、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、又はパーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
上記シリコーン系界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルエステル変性ポリジメチルシロキサン、ヒドロキシル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、アクリル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、又はシリコーン変性アクリル化合物等が挙げられる。
上記バインダー樹脂としては、特に限定するものではないが、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、スチレンブタジエン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、熱硬化性ポリイミド、ニトロセルロース若しくはその他のセルロース樹脂、又はポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。
〔3.粘着剤組成物〕
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、上記のポリチオフェンと、上記の有機溶媒と、粘着剤とを含む。言い換えれば、本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、上記の導電性高分子組成物にさらに、粘着剤を含む。
当該粘着剤組成物については、特に限定されないが、例えば、本発明の一実施形態に係るポリチオフェンと有機溶媒と粘着剤とを混合することによって製造することができる。また、本発明の一実施形態に係るポリチオフェンと有機溶媒とを混合した導電性高分子組成物を製造し、当該導電性高分子組成物に粘着剤を混合することによって製造することもできる。
上記粘着剤としては、特に限定するものではないが、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン粘着剤、ウレタン粘着剤、又はゴム系粘着剤が挙げられる。
アクリル系粘着剤は、アクリルポリマーを主成分とする粘着剤を示す。シリコーン粘着剤は、シロキサン結合を主骨格にもつポリマーを主成分とする粘着剤を示す。ウレタン粘着剤は、イソシアネート基とヒドロキシ基とを有する化合物同士を縮合し得られるポリウレタンを主成分とする粘着剤を示す。ゴム系粘着剤は、天然ゴム又は合成ゴムを主成分とする粘着剤を示す。
上記粘着剤としては、特に限定するものではないが、例えば、光学部材用の粘着特性に優れる点で、アクリル系粘着剤が好ましく、アロンタック粘着剤、又はサイビノール粘着剤であることがより好ましい。なお、アロンタック及びサイビノールは、登録商標である。
具体的な商品名として、アロンタック粘着剤としては、アロンタックS-1601、アロンタックS-1605、アロンタックS-1511X、アロンタックS-1511改、アロンタックS-3403、又はアロンタックS-3452YKF等が挙げられる。サイビノール粘着剤としては、サイビノールAT-245、サイビノールAT-191、サイビノールATR-340、サイビノールAT-D37L、サイビノールAT-211、サイビノールAT-262、サイビノールAT-197、サイビノールAT-193、サイビノールATR-1、サイビノールATR-373、サイビノールATR-347、サイビノールATR-300、サイビノールAT-420NT、サイビノールAT-422NT、サイビノールAT-260NT、サイビノールAT-D54、サイビノールAT-D50、サイビノールAT-D40、サイビノールAT-D37、又はサイビノールAT-D45等が挙げられる。粘着剤としては、これらの粘着剤を単独で使用してもよく、また、2種類以上を混合してもよい。
また、上記粘着剤は固化材、又は架橋剤を含んでいてもよい。上記架橋剤としては、特に限定するものではないが、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン系樹脂、アジリジン誘導体、又は金属キレート化合物等が挙げられる。これらの架橋剤は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物については、塗布性等の操作性の観点から、上記有機溶媒の濃度が、上記粘着剤組成物全体を100重量%として、10~80重量%であることが好ましく、12~70重量%であることがより好ましく、14~60重量%であることがより好ましい。
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物については、導電性向上の観点から、ポリチオフェンの含有量が、上記粘着剤 100重量部に対して、0.01~10重量部であることが好ましく、0.05~5重量部であることがより好ましく、0.1~3重量部であることがより好ましい。
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物については、有機溶媒がポリチオフェンと粘着剤との相溶性を向上させることから、有機溶媒の含有量が、上記粘着剤 100重量部に対して、5~300重量部であることが好ましく、10~200重量部であることがより好ましく、15~150重量部であることがより好ましい。
〔4.粘着膜〕
本発明の一実施形態に係る粘着膜は、上記のポリチオフェンを含む。本発明の一実施形態に係る粘着膜は、特に限定されないが、例えば、本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物を支持体に塗布し、次いで乾燥することによって製造することができる。
支持体としては、本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物が塗布可能なものであれば特に限定するものではないが、例えば、高分子基材又は無機基材が挙げられる。高分子基材としては、特に限定するものではないが、例えば、熱可塑性樹脂、不織布、又は紙等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリレート、又はポリカーボネート等が挙げられる。不織布としては、例えば、天然繊維、合成繊維、又はガラス繊維製のいずれでもよい。紙としては一般的なセルロースを主成分とするものでよい。無機基材としては、特に限定するものではないが、例えば、ガラス、セラミックス、酸化アルミニウム、又は酸化タンタル等が挙げられる。
塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、スクリーン印刷法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、又はインクジェット印刷法等が挙げられる。
乾燥温度としては、均一な乾燥状態の導電性粘着層が得られる温度及び基材の耐熱温度以下であれば特に限定されないが、室温(15~25℃)~300℃の範囲が好ましく、より好ましくは室温~250℃の範囲であり、更に好ましくは室温~150℃の範囲である。
乾燥雰囲気は、大気中、不活性ガス中、真空中、又は減圧下のいずれであってもよい。導電性粘着層の劣化抑制の観点からは、窒素、又はアルゴン等の不活性ガス中が好ましい。
本発明の一実施形態に係る粘着膜の膜厚としては、特に限定されないが、1×10-2~1×10μmの範囲が好ましい。
以上のような製造方法によれば、良好な帯電防止能を有する粘着膜が得られる。粘着膜の帯電防止能は、例えば、表面抵抗率により評価してよい。すなわち、粘着膜の表面抵抗率が低い程、帯電防止能が高いと言える。
また、本発明の一実施形態に係る粘着膜で支持体を被覆してなる、被覆物品についても、本発明の技術的範囲に含まれる。このような被覆物品としては、例えば、偏光板用保護フィルム、又はタッチパネル用OCA(光学用透明粘着)等が挙げられる。
上記の被覆物品は、例えば、上述の粘着膜の製造方法と同様の方法により製造することができる。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されず、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定して解釈されるものではない。なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
[溶解・分散性評価]
本発明の一実施形態に係るポリチオフェンを0.1~1重量%含む溶液を、室温で10分間攪拌した後の沈降の有無で評価した。溶解又は分散した状態とは、沈降物等が無い状態を、沈降した状態とは、沈降物が存在している状態を、夫々意味する。
[表面抵抗率測定]
装置:三菱化学社製ロレスタGP MCP-T600。
[膜厚測定]
装置:BRUKER社製 DEKTAK XT。
[自己ドープ型導電性高分子の導電率測定]
本発明の一実施形態により得られたポリチオフェンと有機溶媒とを含む組成物 2mlを50mm角の無アルカリガラス板に塗布し、大気下、ホットプレート上で70℃にて30分加熱し、さらに200℃で60分加熱して導電性高分子膜を得た。そして、導電性高分子膜の膜厚及び表面抵抗率から、導電率を以下の式に基づき算出した;
導電率[S/cm]=10/(表面抵抗率[Ω/□]×膜厚[μm])。
〔粘着膜の表面抵抗測定方法〕
導電性高分子組成物と粘着剤とを含む粘着剤組成物を、Select-Roller/A-Bar(オーエスジーシステムプロダクツ製)を使用して、ポリフィルムに塗工し、80℃で乾燥させて、膜厚52μmの粘着膜を作製した。この粘着膜の表面抵抗率を、高抵抗率計 Hiresta(登録商標)―UX(三菱化学アナリテック製)を使用して測定した。
粘着膜は、表面抵抗率が低い程、帯電防止能が高いと言える。具体的には、導電性粘着膜は、表面抵抗率が1013Ω/□未満であれば帯電防止能を有する導電性粘着膜と言え、1012Ω/□以下であることが好ましく、1011Ω/□以下であることがより好ましく、1010Ω/□以下であることが更に好ましい。
実施例1[上記一般式(1)及び(2)の構成単位を含むポリチオフェン(ただし、R=メチル基、M=テトラヘキシルアンモニウムカチオン、m=2である。)の合成]
ガラス容器中において、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸ポリマーを1重量%含む水溶液 50.0gに、テトラヘキシルアンモニウムブロミドを10重量%含むエタノール溶液 15.6gを撹拌しながら加え、室温で2時間撹拌した。析出した沈殿を減圧濾過器で固液分離した後、沈殿を真空乾燥することにより、本発明の一実施形態に係るポリチオフェンを2.0g取得した。
実施例2
実施例1において、テトラヘキシルアンモニウムブロミドを用いる代わりにテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いた。つまり、ガラス容器中において、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸ポリマーを1重量%含む水溶液 50.0gに、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを10重量%含むエタノール溶液 3.3gを撹拌しながら加え、溶媒を留去して、真空乾燥させることにより、本発明の一実施形態に係るポリチオフェンを1.13g取得した。
実施例3
実施例1において、テトラヘキシルアンモニウムブロミドを用いる代わりにテトラエチルアンモニウムヒドロキシドを用いた。つまり、ガラス容器中において、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸ポリマーを1重量%含む水溶液 50.0gに、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドを10重量%含むエタノール溶液 5.3gを撹拌しながら加え、溶媒を留去して、真空乾燥させることにより、本発明の一実施形態に係るポリチオフェンを1.33g取得した。
実施例4
実施例1において、テトラヘキシルアンモニウムブロミドを用いる代わりにテトラプロピルアンモニウムヒドロキシドを用いた。つまり、ガラス容器中において、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸ポリマーを1重量%含む水溶液 50.0gに、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドを10重量%含むエタノール溶液 7.3gを撹拌しながら加え、溶媒を留去して、真空乾燥させることにより、本発明の一実施形態に係るポリチオフェンを1.49g取得した。
実施例5
実施例1において、テトラヘキシルアンモニウムブロミドを用いる代わりにテトラブチルアンモニウムヒドロキシドを用いた。つまり、ガラス容器中において、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸ポリマーを1重量%含む水溶液 50.0gに、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドを10重量%含むエタノール溶液 9.32gを撹拌しながら加え、溶媒を留去して、真空乾燥させることにより、本発明の一実施形態に係るポリチオフェンを1.68g取得した。
実施例6
実施例1において、テトラヘキシルアンモニウムブロミドを用いる代わりにテトラペンチルアンモニウムヒドロキシドを用いた。つまり、ガラス容器中において、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸ポリマーを1重量%含む水溶液 50.0gに、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシドを10重量%含むエタノール溶液 11.3gを撹拌しながら加え、溶媒を留去して、真空乾燥させることにより、本発明の一実施形態に係るポリチオフェンを1.90g取得した。
実施例7
実施例1で合成したポリチオフェン 0.1gと1-ブタノール 9.9gとを混合し、20℃で30分間超音波照射し、上記ポリチオフェンが均一に溶解した導電性高分子組成物を得た。上記の導電性高分子組成物を用いて、上記の[自己ドープ型導電性高分子の導電率測定]にしたがって導電性高分子膜を作製し、上記の導電性高分子膜の導電率を測定した結果、2.3×10-5S/cmであった。
実施例8~16
実施例7の1-ブタノールの代わりに、下記の表2の溶媒を用いた以外、実施例7と同じ条件にて混合を行い、導電性高分子組成物を作製し、導電率測定を行った。結果を表2に示した。
実施例17
実施例11で製造した導電性高分子組成物(ポリチオフェン 1重量%、メチルエチルケトン 99重量%)2gとサイビノールAT-245(サイデン化学社製)2gとを混合し、撹拌を行って、粘着剤組成物を調製した。上記の〔粘着膜の表面抵抗測定方法〕に従って粘着膜を製造し、表面抵抗率を測定した結果、7.0×10Ω/□であり、帯電防止能を示した。
実施例18
実施例12で製造した導電性高分子組成物(ポリチオフェン 1重量%、メチルイソブチルケトン 99重量%)2gとサイビノールAT-245(サイデン化学社製)2gとを混合し、撹拌を行って、粘着剤組成物を調製した。上記の〔粘着膜の表面抵抗測定方法〕に従って粘着膜を製造し、表面抵抗率を測定した結果、7.0×10Ω/□であり、帯電防止能を示した。
本発明は、例えば偏光板用保護フィルム、タッチパネル用OCA(光学用透明粘着)等に利用することができる。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位を含む、ポリチオフェン。
    {前記一般式(1)中、Rは、炭素数1~6のアルキル基、又はフッ素原子を表す。Mは、[N(Rで表される第4級アンモニウムカチオンを表す。Rは、各々独立して、置換基を有していてもよい総炭素数1~6の炭化水素基を表す。mは1~6の整数を表す。}
  2. 下記一般式(2)で表される構造単位をさらに含む、請求項1に記載のポリチオフェン。
    {前記一般式(2)中、Rは、炭素数1~6のアルキル基、又はフッ素原子を表す。Mは、[N(Rで表される第4級アンモニウムカチオンを表す。Rは、各々独立して、置換基を有していてもよい総炭素数1~6の炭化水素基を表す。mは1~6の整数を表す。}
  3. 前記一般式(1)中、前記mが2又は3を表す、請求項1に記載のポリチオフェン。
  4. 前記一般式(1)中、前記Rが、各々独立して、置換基を有していてもよい総炭素数3~6の炭化水素基である、請求項1に記載のポリチオフェン。
  5. 前記一般式(1)中、前記Rが、各々独立して、炭素数3~6の炭化水素基である、請求項1に記載のポリチオフェン。
  6. 請求項1に記載のポリチオフェンと、有機溶媒とを含んでなる、導電性高分子組成物。
  7. 前記有機溶媒が、アルコール溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ケトン溶媒、エーテル溶媒、グリコールエステル溶媒、グリコールエーテル溶媒、ハロゲン溶媒、アミド溶媒若しくは含硫黄溶媒又はそれらの混合物である、請求項6に記載の導電性高分子組成物。
  8. 請求項6に記載の導電性高分子組成物にさらに、粘着剤を含む、粘着剤組成物。
  9. 請求項1に記載のポリチオフェンを含む、粘着膜。
  10. 請求項8に記載の粘着剤組成物を支持体に塗布し、乾燥させて粘着膜を得る、粘着膜の製造方法。
  11. 請求項9に記載の粘着膜で支持体を被覆してなる、被覆物品。
  12. 下記一般式(3)で表される構造単位を含むポリチオフェンと、[N(R]で表される第4級アンモニウム塩(前記のRは、各々独立して、置換基を有していてもよい総炭素数1~6の炭化水素基を表す。前記のMは、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、ホウ化物イオン、ホウフッ化物イオン、次亜塩素酸イオン、硫酸水素イオン、酢酸イオン、アジ化物イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、チオシアン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、又はパラトルエンスルホン酸イオンを表す。)とを混合接触させる、ポリチオフェンの製造方法。
    [前記一般式(3)中、Rは、炭素数1~6のアルキル基、又はフッ素原子を表す。Mは、水素イオン、又はアルカリ金属イオンを表す。mは、1~6の整数を表す。]
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