JP2024061086A - プリプレグおよび炭素繊維強化プラスチック - Google Patents

プリプレグおよび炭素繊維強化プラスチック Download PDF

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Abstract

【課題】炭素繊維を強化繊維として用いた場合の、繊維直角方向の強度が改善された繊維強化プラスチックを得ることができるプリプレグ、繊維直角方向の強度が改善された繊維強化プラスチックを提供する。【解決手段】エポキシ樹脂を含むマトリクス樹脂組成物と炭素繊維とからなるプリプレグであって、マトリクス樹脂組成物が下記構成要素[A]~[C]を含む、プリプレグ。[A]下記構造式で表されるグリシジル基を有するイソシアヌル酸誘導体TIFF2024061086000009.tif3838(式中、X1~X3はグリシジル基、アリル基、アルキル基、または水素原子を表し、X1~X3のうち少なくとも1つはグリシジル基である。)[B]硬化剤[C]グリシジル基を有さず(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体【選択図】なし

Description

本発明は、プリプレグおよび炭素繊維強化プラスチックに関するものであり、スポーツ・レジャー用途、一般産業用途、航空機用材料用途等に好適に使用されるものである。
繊維強化プラスチックは、軽量で、高強度、高剛性であるため、スポーツ・レジャー用途から、自動車や航空機等の産業用途まで、幅広く用いられている。繊維強化プラスチックの製造方法としては、強化繊維などの長繊維(連続繊維)からなる補強材にマトリクス樹脂を含浸させた中間材料、すなわちプリプレグを使用する方法がある。この方法によれば、繊維強化プラスチックの強化繊維の含有量を管理しやすく、繊維含有量を高めることができる。プリプレグを複数枚積層し、加熱硬化することにより、成形品を得ることが出来る。
繊維強化プラスチックの強度発現にとって、マトリクス樹脂は応力伝達という重要な役割を担っている。応力伝達を効率良く行うために、マトリクス樹脂には高接着性と高弾性率の2つの特性が求められる(非特許文献1)。マトリクス樹脂が高接着性であれば、繊維と繊維とを強固に一体化することができる。マトリクス樹脂がフィラメント間を埋めつくし接着すれば、応力がマトリクス樹脂を通して隣接するフィラメントに伝達される。その結果、より多くの繊維フィラメントが有効に負荷を担い材料強度発現に寄与できる。すなわち、マトリクス樹脂が繊維を強固に接着し応力伝達するからこそ、繊維強化プラスチックは強化繊維が有する弾性率・強度などの優れた機械的特性を発現できると言える。さらに、上記のマトリクス樹脂を介した応力の伝達は、マトリクス樹脂が高弾性率であるほど効率良く行われる。加えて、圧縮荷重下においては、高弾性率のマトリクス樹脂に支えられていなければ圧縮荷重により繊維はすぐに座屈し、繊維フィラメントの荷重負担能力は材料全体として活かされない。繊維座屈を高弾性率樹脂が抑制してはじめて繊維固有の強度・弾性率が複合材料物性として発現される。
また、別の見方をすれば、繊維強化プラスチックの機械特性は、繊維方向に荷重が加わる場合と、繊維直角方向に荷重が加わる場合とで、大きく異なる(非特許文献2)。繊維方向に荷重を加えると、材料の破壊には繊維破断を伴う。また、繊維の破断部分への応力集中は、マトリクス樹脂を介して他の繊維が負担できる。したがって、繊維方向への荷重負荷に対する力学特性を担うのは、主に強化繊維となる。この際、上記の通り、マトリクス樹脂を介して効率良く応力を伝達するために、繊維とマトリクス樹脂との接着性が重要となる。一方、繊維直角方向では、樹脂の弾性率が強く反映される。さらに、繊維直角方向の機械特性は、樹脂特性に加え、界面接着性にも強く依存している。すわなち、繊維強化複合材料の機械特性は、繊維および樹脂の力学特性に加え、かかる荷重の方向や、繊維と樹脂の界面接着などに強く影響を受ける。
したがって、繊維方向の機械特性を向上させるには、強化繊維の弾性率と強度の向上が有効であることから、比弾性率、比強度に優れる炭素繊維を用いることが好ましい。一方、繊維直角方向の機械特性を向上させるには、マトリクス樹脂の弾性率と接着性を向上させることが有効であることから、その硬化物の弾性率が高く、さらには炭素繊維との接着性に優れるエポキシ樹脂が多用されてきた。
炭素繊維は、その弾性率・強度を発現させる結晶性部分と非晶性部分から構成され、それぞれがランダムに配置されていると考えられている(非特許文献3)。後者の非晶性部分にはマトリクス樹脂との化学的結合が生じ得る官能基が存在しているため、炭素繊維とマトリクス樹脂との接着性に関して大きな影響を有するものと考えられている。
上記の課題から、炭素繊維強化プラスチックの繊維方向と繊維直角方向の両方の機械特性を高度に発揮させるためには、高弾性率な炭素繊維と高弾性率・高接着性なマトリクス樹脂を組み合わせることが望ましい。特に、マトリクス樹脂は設計の自由度が高いため、活発に技術開発が進められている。例えば、オキサゾリドン環骨格を含有するエポキシ樹脂をマトリクス樹脂に配合することで、高弾性率な炭素繊維との接着性を向上させる技術が開示されている(特許文献1)。
特開2020-122047号公報
岸肇,日本複合材料学会誌 2007,33(6),232-237 平野啓之,ネットワークポリマー 2015,36(1),38-46 居谷富士男,日本複合材料学会誌 2007,33(5),178-187
本発明の目的の一つは、炭素繊維を強化繊維として用いた場合の、繊維直角方向の強度が改善された繊維強化プラスチックを得ることができるプリプレグ、繊維直角方向の強度が改善された繊維強化プラスチックを提供することにある。
本発明は、以下[1]~[20]の実施形態を含む。
[1]エポキシ樹脂を含むマトリクス樹脂組成物と炭素繊維とからなるプリプレグであって、前記マトリクス樹脂組成物が下記構成要素[A]~[C]を含む、プリプレグ。
[A]下記構造式(1)で表されるグリシジル基を有するイソシアヌル酸誘導体
Figure 2024061086000001
…式(1)
(式(1)中、X~Xはグリシジル基、アリル基、アルキル基、または水素原子を表し、X~Xのうち少なくとも1つはグリシジル基である。)
[B]硬化剤
[C]グリシジル基を有さず(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体
[2]前記[A]と前記[C]の配合質量比率([A]/[C])が、0.5~2である、[1]に記載のプリプレグ。
[3]前記エポキシ樹脂100質量部に対して、前記[A]を10~30質量部含む、[1]または[2]に記載のプリプレグ。
[4]前記式(1)中、X~Xが全てグリシジル基である、[1]~[3]のいずれかに記載のプリプレグ。
[5]前記エポキシ樹脂100質量部に対して、3官能以上のグリシジルアミン型エポキシ樹脂を10~40質量部含む、[1]~[4]のいずれかに記載のプリプレグ。
[6]前記グリシジルアミン型エポキシ樹脂が、トリグリシジル-m-アミノフェノールを含む、[5]に記載のプリプレグ。
[7]前記エポキシ樹脂100質量部に対して、ノボラック型エポキシ樹脂を20~60質量部含む、[1]~[6]のいずれかに記載のプリプレグ。
[8]前記ノボラック型エポキシ樹脂が、クレゾール、ビスフェノールA、ビフェニル、ナフタレン、およびジシクロペンタジエンの誘導体の群から選ばれる少なくとも1種を部分骨格として含む、[7]に記載のプリプレグ。
[9]前記エポキシ樹脂100質量部に対して、ビスフェノール型エポキシ樹脂を10~30質量部含む、[1]~[6]のいずれかに記載のプリプレグ。
[10]前記ビスフェノール型エポキシ樹脂が、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を含む、[9]に記載のプリプレグ。
[11]前記[B]がジシアンジアミド、芳香族アミン類、ウレア類、およびイミダゾール類の群から選ばれる少なくとも1種を含む、[1]~[10]のいずれかに記載のプリプレグ。
[12]前記[B]がジシアンジアミドを含む、[11]に記載のプリプレグ。
[13]前記[B]が、前記[B]全体に対して、[B1]融点が70℃以上である成分を50質量%以上含む、[1]~[12]のいずれかに記載のプリプレグ。
[14]前記エポキシ樹脂100質量部に対して、前記[C]を10~40質量部含む、[1]~[13]のいずれかに記載のプリプレグ。
[15]前記[C](メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体が、下記構造式(2)で表される(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体を含む、[1]~[14]のいずれかに載のプリプレグ。
Figure 2024061086000002
…式(2)
(式(2)中、Y~Yは(メタ)アクリロイル基または水素原子を表し、Y~Yのうち、少なくとも1つは(メタ)アクリロイル基である。)
[16]前記式(2)中、Y~Yが全て(メタ)アクリロイル基である、[15]に記載のプリプレグ。
[17]前記マトリクス樹脂組成物がさらに[D]有機過酸化物を含む、[1]~[16]のいずれかに記載のプリプレグ。
[18]前記[D]の10時間半減期温度が70℃以上である、[17]に記載のプリプレグ。
[19]前記プリプレグが、一方向に引き揃えられた炭素繊維にマトリクス樹脂組成物が含浸した一方向プリプレグである、[1]~[18]のいずれかに記載のプリプレグ。
[20][1]~[19]のいずれかに記載のプリプレグを硬化させてなる繊維強化プラスチック。
本発明によれば、炭素繊維を強化繊維として用いた場合の、繊維直角方向の強度が改善された繊維強化プラスチックを得ることができるプリプレグ、繊維直角方向の強度が改善された繊維強化プラスチックを得ることができる。高弾性率の炭素繊維を強化繊維として用いた場合にも繊維直角方向の強度が改善された繊維強化プラスチックを得ることができる。
「プリプレグ」
本発明の一実施形態はプリプレグに関する。実施形態に係るプリプレグは、エポキシ樹脂を含むマトリクス樹脂組成物と炭素繊維とからなり、マトリクス樹脂組成物は下記構成要素[A]~[C]を含む。
[A]下記構造式(1)で表されるグリシジル基を有するイソシアヌル酸誘導体
Figure 2024061086000003
…式(1)
(式(1)中、X~Xはグリシジル基、アリル基、アルキル基、または水素原子を表し、X~Xのうち少なくとも1つはグリシジル基である。)
[B]硬化剤
[C]グリシジル基を有さず(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体
プリプレグを加熱すると、エポキシ樹脂および[A]構造式(1)で表されるグリシジル基を有するイソシアヌル酸誘導体と[B]硬化剤との硬化反応と同時に、下記[D]有機過酸化物が開裂しフリーラジカルを生成することによって、[C]グリシジル基を有さず(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体のラジカル重合が進行する。すなわち、繊維強化プラスチックのマトリクス樹脂はエポキシ樹脂の硬化物と(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体の重合体を含む構成となる。プリプレグは、例えば、マトリクス樹脂組成物を離型紙等の基材の表面に塗布してフィルムを作製しておき、次いで強化繊維基材の両側または片側から前記フィルムを重ね、加熱加圧することにより強化繊維基材にマトリクス樹脂組成物を含浸させる方法で製造することができる。
「マトリクス樹脂組成物の粘度」
前記マトリクス樹脂組成物の70℃における粘度が10Pa・s以上であれば、フィルムを作製する際に基材表面で樹脂はじきを生じず、一様なフィルムを作製しやすい。加えて、作製したプリプレグの形状を保持することができるため、割れ、成形時の過度な樹脂フロー、繊維含有量のばらつきを抑制できる。プリプレグのタックやドレープなどのプロセス性の観点から、マトリクス樹脂組成物の70℃における粘度は、20Pa・s以上が好ましく、30Pa・s以上がより好ましい。フィルム化工程でかすれを抑制し、強化繊維基材への含浸工程で未含浸部分を減らすことができることから、200Pa・s以下が好ましく、150Pa・s以下がより好ましい。例えば、下記[熱可塑性樹脂]の含有量を増やすことにより、マトリクス樹脂組成物70℃における粘度を上昇させることができ、下記[熱可塑性樹脂]の含有量を減らすことにより、マトリクス樹脂組成物70℃における粘度を低下させることができる。
ここでいう粘度は、未硬化のマトリクス樹脂組成物をプレートに載せ、下記測定条件での温度依存性測定により得られる複素粘性率η*を指す。
装置:レオメーター(サーモフィッシャー・サイエンティフィック社製、「HAAKE MARS 40」)
使用プレート:25φパラレルプレート
プレートギャップ:0.5mm
測定周波数:10rad/秒
測定温度:30~130℃
応力:300Pa
「エポキシ樹脂」
エポキシ樹脂としては、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
「グリシジルアミン型エポキシ樹脂」
エポキシ樹脂としてグリシジルアミン型エポキシ樹脂を用いると、硬化物の架橋密度が大きくなることで、弾性率、強度および耐熱性が向上するため好ましい。特に硬化物が高い弾性率、強度、および耐熱性を示すという観点から、3官能以上のグリシジルアミン型エポキシ樹脂が好ましい。グリシジルアミン型エポキシ樹脂の含有量は、架橋密度が大きくなることでその硬化物の弾性率と強度が大きくなることから、全エポキシ樹脂100質量部のうち、10質量部以上含有することが好ましく、15質量部以上含有することがより好ましい。グリシジルアミン型エポキシ樹脂の含有量は、硬化物の靱性が向上することから、全エポキシ樹脂100質量部のうち、40質量部以下含有することが好ましく、35質量部以下含有することがより好ましい。なお、[A]構造式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体は、グリシジル基を有することから全エポキシ樹脂100質量部に含めて算出する。以降も同様の算出により含有量を特定する。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル-m-キシレンジアミン等が挙げられる。これらの中から1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。特に、硬化物の弾性率と靭性のバランスに優れることから、トリグリシジルアミノフェノールまたはトリグリシジルアミノクレゾールを用いることが好ましく、トリグリシジル-m-アミノフェノールを用いることがより好ましい。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち、ジグリシジルアニリンの市販品としてはGAN(日本化薬株式会社製)等、ジグリシジルトルイジンの市販品としてはGOT(日本化薬株式会社製)等、トリグリシジル-m-アミノフェノールの市販品としては、YH-513(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)、アラルダイトMY0600、MY0610(以上、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)等、トリグリシジル-p-アミノフェノールの市販品としては、jER630(三菱ケミカル株式会社製)、YH-523(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)、アラルダイトMY0500、MY0510(以上、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)等、トリグリシジルアミノクレゾールの市販品としては、スミエポキシELM-100(住友化学株式会社製)等、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンの市販品としては、jER604(三菱ケミカル株式会社製)、YH-404(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)、スミエポキシELM-434(住友化学株式会社製)、アラルダイトMY720、MY721(以上、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)等、テトラグリシジル-m-キシレンジアミンの市販品としてはTETRAD-X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
「ノボラック型エポキシ樹脂」
エポキシ樹脂としてノボラック型エポキシ樹脂を用いると、硬化物の架橋密度が大きくなることで、弾性率、強度および耐熱性が向上するため好ましい。ノボラック型エポキシ樹脂の含有量は、架橋密度が大きくなることで硬化物の弾性率、強度および耐熱性が向上することから、全エポキシ樹脂100質量部のうち、20質量部以上含有することが好ましく、25質量部以上含有することがより好ましい。ノボラック型エポキシ樹脂の含有量は、硬化物の靱性が向上することから、全エポキシ樹脂100質量部のうち、60質量部以下含有することが好ましく、55質量部以下含有することがより好ましい。
ノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中から1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。硬化物の弾性率と靭性のバランスに優れることから、クレゾール、ビスフェノールA、ビフェニル、ナフタレン、およびジシクロペンタジエンの誘導体の群から選ばれる少なくとも1種を部分骨格として含有するノボラック型エポキシ樹脂を用いることが好ましく、クレゾール、ビスフェノールA、ビフェニルの群から選ばれる少なくとも1種を部分骨格として含有するノボラック型エポキシ樹脂を用いることがより好ましい。
ノボラック型エポキシ樹脂のうち、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、jER152、jER154(以上、三菱ケミカル株式会社製)、EPICLON N-740、EPICLON N-770、EPICLON N-775(以上、DIC株式会社製)やYDPN-638(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)等、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、EPICLON N-660、EPICLON N-670、EPICLON N-680、EPICLON N-690(以上、DIC株式会社製)等、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、jER 157S70(三菱ケミカル株式会社製)、EPICLON N-865、EPICLON N-885(以上、DIC株式会社製)等、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂の市販品としては、NC-3100、NC-3000-L、NC-3000、NC-3000-H、NC-3500(以上、日本化薬株式会社製)等、ナフトールクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、NC-7000L、NC-7000H、NC-7300L(以上、日本化薬株式会社製)等、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂の市販品としては、jER 1032H60(三菱ケミカル株式会社製)、EPPN-501H、EPPN-501HY、EPPN-502H、EPPN-503(以上、日本化薬株式会社製)等、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の市販品としては、EPICLON HP-7200L、EPICLON HP-7200、EPICLON HP-7200H、EPICLON HP-7200HHH(以上、DIC株式会社製)、XD-1000-2L、XD-1000、XD-1000-H(以上、日本化薬株式会社製)等が挙げられる。
「ビスフェノール型エポキシ樹脂」
エポキシ樹脂としてビスフェノール型エポキシ樹脂を用いると、硬化物の架橋密度が高くなりすぎないため、弾性率と靭性のバランスに優れた硬化物が得られることから好ましい。ビスフェノール型エポキシ樹脂の含有量は、硬化物の靭性の観点から、全エポキシ樹脂100質量部のうち、10質量部以上含有することが好ましく、15質量部以上含有することがより好ましい。ビスフェノール型エポキシ樹脂の含有量は、硬化物の強度と弾性率の観点から、全エポキシ樹脂100質量部のうち、30質量部以下含有することが好ましく、25質量部以下含有することがより好ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂およびそれらがイソシアネートによって変性されたエポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中から1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。特に、硬化物の弾性率と靭性のバランスに優れることから、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂およびそれらがイソシアネートによって変性されたエポキシ樹脂を用いることが好ましく、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いることがより好ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち、主成分の分子量が500以下であり、25℃で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、jER827、jER828(以上、三菱ケミカル株式会社製)、YD-127、YD-128(以上、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)、EPICLON840、EPICLON850(以上、DIC株式会社製)、D.E.R331、D.E.R332(以上、THE DOW CHEMICAL COMPANY社製)等が挙げられる。主成分の分子量が500以下であり、25℃で液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、jER806、jER807(以上、三菱ケミカル株式会社製)、YDF-170(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC株式会社製)、D.E.R354(THE DOW CHEMICAL COMPANY社製)等が挙げられる。主成分の分子量が500以上であり、25℃で半固形状または固形状のビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、jER1001、jER1002、jER1004、jER1007、jER1009(以上、三菱ケミカル株式会社製)やEPICLON2050、EPICLON3050、EPICLON4050、EPICLON7050(以上、DIC株式会社製)、YD-011、YD-012、YD-013、YD-014、YD-902、YD-903N、YD-904、YD-907、YD-7910、YD-6020(以上、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)等が挙げられる。主成分の分子量が500以上であり、25℃で半固形状または固形状のビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、jER4004P、jER4005P、jER4007P、jER4010P(以上、三菱ケミカル株式会社製)やYDF-2001、YDF-2004、YDF-2005RD(以上、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)等が挙げられる。主成分の分子量が500以上であり、25℃で半固形状または固形状のイソシアネートで変性されたエポキシ樹脂としては、ACR1348(株式会社ADEKA社製)、DER852、DER858(以上、THE DOW CHEMICAL COMPANY社製)、TSR-400(DIC株式会社製)、YD-952(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)等が挙げられる。
マトリクス樹脂には、上述のエポキシ樹脂以外のその他のエポキシ樹脂を1種類以上含んでいてもよい。その他のエポキシ樹脂としては、ビフェノール骨格を含有するエポキシ樹脂、ナフタレン骨格を含有するエポキシ樹脂、フルオレン骨格を含有するエポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ピロガロール型エポキシ樹脂等が挙げられる。ビフェノール骨格を含有するエポキシ樹脂の市販品としてはjER YX4000、jER YL6121HA(以上、三菱ケミカル株式会社製)等、ナフタレン骨格を含有するエポキシ樹脂の市販品としてはEPICLON HP-4032SS、EPICLON HP-4700、EPICLON HP-4710、EPICLON HP-4770(以上、DIC株式会社製)等、フルオレン骨格を含有するエポキシ樹脂の市販品としてはOGSOL PG-100、OGSOL CG-500、OGSOL EG-200、OGSOL EG-280(以上、大阪ガスケミカル株式会社製)等、レゾルシノール型エポキシの市販品としてはデナコールEX-201(ナガセケムテックス株式会社製)等、ピロガロール型エポキシ樹脂の市販品としてはEPICLON EXA-7190(DIC株式会社製)等が挙げられる。
「平均エポキシ当量」
[A]エポキシ樹脂全体の平均エポキシ当量は、例えば100~400g/eqとすることができる。硬化物の靭性の観点から、[A]エポキシ樹脂全体の平均エポキシ当量は150g/eq以上であることが好ましい。[A]の平均エポキシ当量は160g/eq以上であることがより好ましく、170g/eq以上であることがさらに好ましい。硬化物の耐熱性の観点から、[A]エポキシ樹脂全体の平均エポキシ当量は300g/eq以下であることが好ましい。[A]の平均エポキシ当量は290g/eq以下であることがより好ましく、280g/eq以下であることがさらに好ましい。グリシジルアミン型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、例えば90~140g/eqとすることができ、硬化物の弾性率の観点から95~110g/eqが好ましい。ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、例えば160~300g/eqとすることができ、硬化物の弾性率と耐熱性の観点から180~220g/eqが好ましい。ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ当量は例えば150~5000g/eqとすることができ、硬化物の靭性の観点から500~3000g/eqが好ましい。平均エポキシ当量は、複数のエポキシ樹脂を併用する場合、以下の通り算出可能である。例えば、3種類のエポキシ樹脂を併用する場合を例に計算方法を説明する。エポキシ当量がE1(g/eq)のエポキシ樹脂1をW1質量部、エポキシ当量がE2(g/eq)のエポキシ樹脂2をW2質量部、エポキシ当量がE3(g/eq)のエポキシ樹脂3をW3質量部配合する場合、その平均エポキシ当量は以下の計算式で求められる。
平均エポキシ当量=(W1+W2+W3)/(W1/E1+W2/E2+W3/E3)
「[A]構造式(1)で表されるグリシジル基を有するイソシアヌル酸誘導体」
[A]は下記式(1)で表され、その分子中に1つ以上のグリシジル基を有するイソシアヌル酸誘導体である。
Figure 2024061086000004
…式(1)
(式(1)中、X~Xはグリシジル基、アリル基、アルキル基、または水素原子を表し、X~Xのうち少なくとも1つはグリシジル基である。)
式(1)中、硬化物の強度が向上することから、X~Xのうち2つ以上がグリシジル基であることが好ましく、X~Xの全てがグリシジル基であることがより好ましい。エポキシ樹脂として[A]を用いると、硬化物の架橋密度が大きくなる上に分子構造の剛直性が増すことで、硬化物の弾性率と強度が向上するため好ましい。さらに、[A]は炭素繊維とマトリクス樹脂との接着性を向上させる効果があり、炭素繊維強化プラスチックの機械特性が向上するため好ましい。[A]の含有量は、硬化物の架橋密度と分子構造の剛直性が増すことでその硬化物の弾性率と強度が大きく上に、炭素繊維との接着性を向上することから、全エポキシ樹脂100質量部に対して、10質量部以上含有することが好ましく、15質量部以上含有することがより好ましい。[A]の含有量は、硬化物の靭性を向上させる観点から、全エポキシ樹脂100質量部に対して、30質量部以下含有することが好ましく、25質量部以下含有することがより好ましい。
[A]としては、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。これらの中から1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。特に、硬化物の強度が向上することから、トリグリシジルイソシアヌレート、またはモノアリルジグリシジルイソシアヌレートを用いることが好ましく、トリグリシジルイソシアヌレートを用いることがより好ましい。
[A]のうち、トリグリシジルイソシアヌレートの市販品としては、TEPIC-G、TEPIC-S(日産化学株式会社製)等、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートの市販品としては、MA-DGIC(四国化成株式会社製)等、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの市販品としては、DA-MGIC(四国化成株式会社製)等、が挙げられる。
「[B]硬化剤」
[B]は、硬化剤である。[B]としては、ジシアンジアミド、脂肪族アミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等のアミン系硬化剤の他、ウレア類、イミダゾール類、酸無水物類、フェノール類、塩化ホウ素アミン錯体等を用いることができる。中でも、樹脂組成物の貯蔵安定性が優れる上に、硬化物の機械特性が良好である傾向があることから、ジシアンジアミド、芳香族アミン類、ウレア類、およびイミダゾール類の群から選ばれる少なくとも1種の硬化剤を用いることが好ましい。
[B]硬化剤全体の含有量は、エポキシ樹脂の硬化を十分に進行させるために、マトリクス樹脂に含まれる全エポキシ樹脂100質量部に対し、1質量部以上含有することが好ましく、2質量部以上含有することがより好ましい。樹脂組成物の貯蔵安定性の観点からは、全エポキシ樹脂100質量部に対し、60質量部以下含有することが好ましく、50質量部以下含有することがより好ましい。
ジシアンジアミドは約210℃の融点を有するため、低温領域ではエポキシ樹脂と相溶しにくい。そのため、ジシアンジアミドを硬化剤として用いると、樹脂組成物の貯蔵安定性が優れる。ジシアンジアミドの市販品としては、DICY7、DICY15(以上、三菱ケミカル社製)、DICYANEX1400F(エボニック・ジャパン株式会社製)等が挙げられる。ジシアンジアミドの含有量は、マトリクス樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂100質量部に対し、1~15質量部が好ましく、2~10質量部がより好ましい。樹脂硬化物の耐熱性と機械物性がより優れる傾向にあるため、マトリクス樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂が有するエポキシ基の全モル数に対し、ジシアンジアミドの活性水素のモル数は0.3~0.9倍となる量とすることが好ましく、0.4~0.8倍とすることがより好ましい。
芳香族アミン類としては、3,3’-ジイソプロピル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジ-t-ブチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジイソプロピル-5,5’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジ-t-ブチル-5,5’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’-テトラエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジイソプロピル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジ-t-ブチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’-テトライソプロピル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジ-t-ブチル-5,5’-ジイソプロピル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’-テトラ-t-ブチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-メチレン-ビス[2-イソプロピル-6-メチルアニリン]、m-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも、耐熱性と機械物性に優れ、さらに線膨張係数および吸湿による耐熱性の低下が小さい硬化物が得られる4,4’-ジアミノジフェニルスルホンまたは3,3’-ジアミノジフェニルスルホンを用いることが好ましい。4,4’-ジアミノジフェニルスルホンは、プリプレグのタックライフを長い期間保持することができる点で好ましい。3,3’-ジアミノジフェニルスルホンは、硬化物の弾性率や強度を高くすることができるため好ましい。また、4,4’-ジアミノジフェニルスルホンと3,3’-ジアミノジフェニルスルホンを同時に配合してもよい。これら芳香族アミン類は単独で用いてもよいし、別種の硬化剤と組み合わせて用いてもよい。
芳香族アミン類の含有量は、マトリクス樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂100質量部に対し、1~60質量部が好ましく、2~50質量部がより好ましい。芳香族アミン類の含有量が1質量部以上であれば、耐熱性と弾性率に優れる傾向にある。一方、芳香族アミン類の含有量が60質量部以下であれば、靭性に優れる傾向にある。芳香族アミン類のアミノ基の活性水素当量数は、マトリクス樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂のエポキシ当量数の0.5~1.5倍であることが好ましく、0.6~1.4倍であることがより好ましい。これらのエポキシ樹脂硬化剤のアミノ基の活性水素当量数を全エポキシ樹脂のエポキシ当量数の0.5~1.5倍となるように配合することで、樹脂硬化物の弾性率、靭性および耐熱性を良好な範囲にすることができる傾向にある。
芳香族アミン類の中でも、4,4’-ジアミノジフェニルスルホンの市販品としてはセイカキュアS(活性水素当量62g/eq、和歌山精化工業株式会社製)、スミキュアS(活性水素当量62g/eq、住友化学株式会社製)等が、3,3’-ジアミノジフェニルスルホンの市販品としては3,3’-DAS(活性水素当量62g/eq、三井化学ファイン株式会社製)等が挙げられるが、これらに限定されない。その他の芳香族アミン類の市販品としては、MDA-220(活性水素当量50g/eq、三井化学株式会社製)、jERキュアW(活性水素当量45g/eq、三菱ケミカル株式会社製)、Lonzacure M-DEA(活性水素当量78g/eq)、Lonzacure M-DIPA(活性水素当量92g/eq)、Lonzacure M-MIPA(活性水素当量78g/eq)、およびLonzacure DETDA 80(活性水素当量45g/eq)(以上、Lonza株式会社製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
ウレア類は、分子内にジメチルウレイド基を有し、高温で加熱することによりイソシアネート基とジメチルアミンを生成し、エポキシ基を活性化する。ウレア類としては、ジメチルウレイド基が芳香環に結合した芳香族ジメチルウレア、ジメチルウレイド基が脂肪族化合物に結合した脂肪族ジメチルウレア等が挙げられる。これらの中でも、硬化物の耐熱性および曲げ強度が高くなる傾向にある点で、芳香族ジメチルウレアが好ましい。
ウレア類の含有量は、マトリクス樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂100質量部に対し、1~15質量部が好ましく、1~10質量部がより好ましい。ウレア類の含有量が1質量部以上であれば、マトリクス樹脂組成物中に含まれるエポキシ樹脂の硬化を促進し、硬化物の機械物性や耐熱性を高くすることができる傾向にある。一方、ウレア類の含有量が15質量部以下であれば、樹脂硬化物の耐熱性と靱性を高く保持できる傾向にある。
芳香族ジメチルウレアとしては、フェニルジメチルウレア、トリレンビス(ジメチルウレア)、およびメチレンビス(フェニルジメチルウレア)等が好適に用いられる。具体例としては、3-フェニル-1,1-ジメチルウレア(PDMU)、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチルウレア(DCMU)、3-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-1,1-ジメチルウレア、2,4-ビス(3,3-ジメチルウレイド)トルエン(TBDMU)、4,4’-メチレンビス(フェニルジメチルウレア)(MBPDMU)、m-キシリレンジイソシアネートとジメチルアミンとから得られるジメチルウレア等が挙げられる。これらの中でも、硬化促進能力や樹脂硬化物への耐熱性付与といった点から、PDMU、DCMU、TBDMU、MBPDMUがより好ましい。脂肪族ジメチルウレアとしては、イソホロンジイソシアネートとジメチルアミンとから得られるジメチルウレア、ヘキサメチレンジイソシアネートとジメチルアミンとから得られるジメチルウレア等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ウレア類の市販品としては、PDMUとして、Omicure(オミキュア)94(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製)等、DCMUとして、DCMU-99(保土谷化学工業社製)等、TBDMUとして、Omicure(オミキュア)24(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製)、U-CAT 3512T(サンアプロ株式会社製)等、MBPDMUとして、Technicure MDU-11(A&C Catalysts社製)、Omicure(オミキュア)52(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製)等、脂肪族ジメチルウレアとして、U-CAT 3513N(サンアプロ株式会社製)等が挙げられる。
イミダゾール類は、その構造の中に非共有電子対を有する窒素原子を有し、エポキシ基を活性化させることができるため、硬化を促進することができる。イミダゾール類としては、イミダゾール、イミダゾールアダクト、包接イミダゾール、マイクロカプセル型イミダゾール、安定化剤を配位させたイミダゾール化合物等を用いることができる。
イミダゾール類の含有量は、マトリクス樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂100質量部に対し、1~15質量部が好ましく、1~10質量部がより好ましい。イミダゾール類の含有量が1質量部以上であれば、マトリクス樹脂組成物中に含まれるエポキシ樹脂の硬化や硬化促進作用、硬化物の耐熱性が充分に得られる傾向にある。一方、イミダゾール類の含有量が15質量部以下であれば、機械的特性により優れた樹脂硬化物が得られる傾向にある。
イミダゾール類の具体例としては、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-(2’-メチルイミダゾリル-(1’))-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-(2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’))-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-(2’-エチル-4-メチルイミダゾリル-(1’))-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-(2’-メチルイミダゾリル-(1’))-エチル-s-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾール・イソシアヌル酸付加物、2-メチルイミダゾール・イソシアヌル酸付加物、1-シアノエチル-2-フェニル-4,5-ジ(2-シアノエトキシ)メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アダクト処理、異分子による包接処理、マイクロカプセル処理、あるいは安定化剤を配位させたイミダゾールは、イミダゾールを修飾したものである。修飾により活性を落とし、低温領域で優れたポットライフを発現しつつも、高温領域ではエポキシ樹脂の硬化を促進することができる。
イミダゾール類の市販品としては、2E4MZ、2P4MZ、2PZ-CN、C11Z-CNS、C11Z-A、2MZA-PW、2MAOK-PW、2P4MHZ-PW、2PHZ-PW(以上、四国化成工業社製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。イミダゾールアダクトの市販品としては、エポキシ樹脂のエポキシ基へイミダゾール化合物が開環付加した構造を有する、PN-50、PN-50J、PN-40、PN-40J、PN-31、PN-23、PN-H(以上、味の素ファインテクノ株式会社製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。包接イミダゾールの市販品としては、TIC-188、KM-188、HIPA-2P4MHZ、NIPA-2P4MHZ、TEP-2E4MZ、HIPA-2E4MZ、NIPA-2E4MZ(以上、日本曹達株式会社製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。マイクロカプセル型イミダゾールの市販品としては、ノバキュアHX3721、ノバキュアHX3722、ノバキュアHX3742、ノバキュアHX3748(以上、旭化成イーマテリアルズ株式会社製)、LC-80(A&C Catalysts社製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。安定化剤を配位させたイミダゾール化合物は、四国化成工業株式会社製のイミダゾールアダクトであるキュアダクトP-0505(ビスフェノールAジグリシジルエーテル/2-エチル-4-メチルイミダゾールアダクト)に、四国化成工業株式会社製の安定化剤であるL-07N(エポキシ-フェノール-ホウ酸エステル配合物)を組み合わせることにより用意できる。キュアダクトP-0505の替わりに、先に挙げた各種イミダゾールやイミダゾールアダクト等のイミダゾール化合物を用いても同様の効果が得られる。
酸無水物類としては、水素化メチルナジック酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物等が挙げられる。
硬化剤は、[B1]融点が70℃以上である成分を含むことが好ましく、[B]全体に対して、[B1]を50質量%以上含むことが好ましい。[B1]の融点と含有量がこの範囲にあることで、低温領域でエポキシ樹脂と硬化剤が相溶することを抑制し、エポキシ樹脂と硬化剤が直ちに反応することを抑制しやすい。すなわち、ポットライフが長いマトリクス樹脂組成物を得ることができ、可使時間の長いプリプレグを得やすい。
[B1]の具体例としては、ジシアンジアミド(融点208℃)、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン(融点175℃)、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン(融点170℃)、4,4’-メチレン-ビス[2-イソプロピル-6-メチルアニリン](融点72℃)、4,4’-メチレンビス(フェニルジメチルウレア)(融点216℃)、3-フェニル-1,1-ジメチルウレア(融点126℃)、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチルウレア(融点159℃)、2,4-ビス(3,3-ジメチルウレイド)トルエン(融点180℃)、2-フェニルイミダゾール(融点137℃)、2,4-ジアミノ-6-(2’-エチル-4-メチルイミダゾリル-(1’))-エチル-s-トリアジン(融点248℃)、2,4-ジアミノ-6-(2’-メチルイミダゾリル-(1’))-エチル-s-トリアジン・イソシアヌル酸付加物(融点260℃以上)、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール(融点230℃以上)、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール(融点191℃)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
「[C]グリシジル基を有さず(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体」
[C]は分子中にグリシジル基を有さず、分子中に1つ以上のアクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体である。グリシジル基を有さず(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体が有していてもよい置換基としては、アリル基、アルキル基、ヒドロキシエチル基等が挙げられる。[C]は、硬化物の強度の観点から、下記式(2)で表されるアクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体を含むことが好ましい。
Figure 2024061086000005
…式(2)
(式(2)中、Y~Yは(メタ)アクリロイル基または水素原子を表し、Y~Yのうち、少なくとも1つは(メタ)アクリロイル基である。)
式(2)中、硬化物の強度が向上することから、Y~Yのうち2つ以上が(メタ)アクリロイル基であることが好ましく、Y~Yの全てが(メタ)アクリロイル基であることがより好ましい。
エポキシ樹脂は接着性に優れる材料として知られており、通常はエポキシ樹脂や硬化剤の種類を調整することによって炭素繊維への接着性の最適化が図られるが、結晶性部分が高度に発達した高弾性率な炭素繊維への接着は容易ではない。そのため、マトリクス樹脂と高弾性率な炭素繊維の接着性が十分ではなくなり、高弾性率な炭素繊維を強化繊維として用いた炭素繊維強化プラスチックの繊維直角方向の強度は低い傾向にある。[A]を含むエポキシ樹脂組成物に対して[C]を配合することによって、接着が困難な高弾性率な炭素繊維に対しても接着性を向上させることができる。また、[A]と[C]の組み合わせにより、中弾性率タイプや標準弾性率タイプの炭素繊維に対しても同様の効果が得られる。その詳細なメカニズムは明らかではないが、[A]と[C]が共通して有するイソシアヌル酸骨格は炭素繊維との相互作用点となりうるヘテロ原子の比率が大きいために、マトリクス樹脂と炭素繊維との分子間力を増強し接着性を高めているものと考えられる。また、[A]と[C]を併用する効果については、[A]は結晶性が高いため反応性が低い傾向があるが、結晶性が低く構造が類似した[C]が共存することで、[A]の結晶が溶解しやすくなり反応性が高まると考えられる。さらに、[A]の結晶が溶解しやすくなることによって、炭素繊維表面への[A]の濡れ性が向上していると考えられる。すなわち、[C]の共存下においては、[A]が炭素繊維表面に十分に接近した上で硬化反応が進行することで炭素繊維とマトリクス樹脂との接着性が向上していると考えられる。加えて[C]は、その重合体が剛直なネットワーク構造を形成することで、硬化物の強度が向上する傾向にある。
[C]の含有量は、全エポキシ樹脂100質量部に対し、10質量部以上含有することが好ましく、15質量部以上含有することがより好ましい。[C]の含有量は、全エポキシ樹脂100質量部に対し、40質量部以下含有することが好ましく、35質量部以下含有することがより好ましい。マトリクス樹脂組成物中、[C]の配合量が下限値以上であれば、マトリクス樹脂組成物中の炭素繊維表面との相互作用点となりうる構造の濃度が大きくなる上に、[A]の溶解が促進されることで炭素繊維との接着性が良好となる。一方、[C]の含有量が上限値以下であれば、架橋密度が適度となりその硬化物は靱性を維持しやすい。
[C]としては、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートに対して(メタ)アクリル酸が1~3分子反応することで生成したエステル化合物類であるトリス-(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ビス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、モノ-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。これらの中から1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。特に、硬化物の強度に優れることから、トリス-(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ビス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレートを用いることが好ましく、トリス-(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートを用いることがより好ましい。
[C]のうち、トリス-(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートの市販品としては、A-9300S(新中村化学工業株式会社製)等、ビス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレートの市販品としては、アロニックスM-215(東亜合成株式会社製)等、トリス-(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートおよびビス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレートの混合物の市販品としては、アロニックスM-313、アロニックスM-315(以上、東亜合成株式会社製)等、が挙げられる。
「(メタ)アクリルモノマー」
ラジカル重合性の化合物として前記[C]のイソシアヌル酸誘導体以外の(メタ)アクリルモノマーを使用することができる。(メタ)アクリルモノマーは、硬化物の弾性率や靱性の向上に寄与する。(メタ)アクリルモノマーとしては、単官能(メタ)アクリルモノマーや2官能以上の(メタ)アクリルモノマー(多官能(メタ)アクリルモノマーと称することがある)が挙げられる。
単官能(メタ)アクリルモノマーとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシメチル-2-メチルビシクロヘプタン、アダマンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノメチル(メタ)アクリレート、4-アクリロイルオキシメチル-2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン、4-アクリロイルオキシメチル-2-メチル-2-イソブチル-1,3-ジオキソラン、o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、エトキシ化o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、N-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、パラクミルフェノール(メタ)アクリレート、エトキシ化パラクミルフェノール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メトキシメチルアクリルアミド、N-ブトキシメチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-ベンジル(メタ)アクリルアミド、N-フェニル(メタ)アクリルアミド、N-(4-ヒドロキシベンジル)(メタ)アクリルアミド、N-(4-ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。モノマーの揮発性を低下させ、樹脂硬化物の靭性を向上させることができることから、分子内に1つ以上のオキシエチレン基を有する単官能(メタ)アクリルモノマーまたは分子内に1つ以上の環状骨格を有する単官能(メタ)アクリルモノマーが好ましく、分子内に1つ以上のオキシエチレン基および1つ以上の環状骨格を有する単官能(メタ)アクリルモノマーがより好ましい。
2官能(メタ)アクリルモノマーとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコ-ル、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコール、トリシクロデカンジメタノール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ビスフェノールF、ジオキサングリコール、ビスフェノキシフルオレンエタノール等のジオール、またこれらジオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドまたはカプロラクトンを付加して得たジオール類を(メタ)アクリル酸と反応させることによりエステル化して得たジ(メタ)アクリレート類が挙げられる。樹脂硬化物の弾性率、強度、靭性を高くバランスさせることができることから、分子内に1つ以上のオキシエチレン基を有する2官能(メタ)アクリルモノマーまたは分子内に1つ以上の環状骨格を有する2官能(メタ)アクリルモノマーが好ましく、分子内に1つ以上のオキシエチレン基および1つ以上の環状骨格を有する2官能(メタ)アクリルモノマーがより好ましい。
3官能(メタ)アクリルモノマーとしては、トリメチロールプロパン、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロール、ペンタエリスリトール等のトリオールやテトラオール、またはこれらトリオールやテトラオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドまたはカプロラクトン等を付加して得たトリオールまたはテトラオール類を(メタ)アクリル酸と反応させることによりエステル化して得たトリ(メタ)アクリレート類が挙げられる。樹脂硬化物の弾性率、強度、靭性を高くバランスさせることができることから、分子内に1つ以上のオキシエチレン基を有する3官能(メタ)アクリルモノマーまたは分子内に1つ以上の環状骨格を有する3官能(メタ)アクリルモノマーが好ましく、分子内に1つ以上のオキシエチレン基および1つ以上の環状骨格を有する3官能(メタ)アクリルモノマーがより好ましい。
4官能以上の(メタ)アクリルモノマーとしては、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール等のポリオール、またこれらポリオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドまたはカプロラクトンを付加して得たポリオール類を(メタ)アクリル酸と反応させることによりエステル化して得たポリ(メタ)アクリレート類が挙げられる。樹脂硬化物の弾性率、強度、靭性を高くバランスさせることができることから、分子内に1つ以上のオキシエチレン基を有する4官能以上の(メタ)アクリルモノマーまたは分子内に1つ以上の環状骨格を有する4官能以上の(メタ)アクリルモノマーが好ましく、分子内に1つ以上のオキシエチレン基および1つ以上の環状骨格を有する4官能以上の(メタ)アクリルモノマーがより好ましい。
ラジカル重合性の二重結合を有するオリゴマーまたはプレポリマーを含有してもよい。具体的には、マクロモノマー、アクリルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。これらは一種単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
「[D]有機過酸化物」
[D]は、有機過酸化物であり、[C]グリシジル基を有さず(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体および(メタ)アクリルモノマーの熱ラジカル重合開始剤として用いることができる。ラジカル重合開始剤には、熱によって活性化する熱ラジカル重合開始剤と光照射によって活性化する光ラジカル重合開始剤があるが、エポキシ樹脂の熱硬化と同時にラジカルを発生できることから、熱ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。すなわち、マトリクス樹脂組成物に有機過酸化物を配合することによって、エポキシ樹脂の熱硬化と同時に、[C]グリシジル基を有さず(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体および(メタ)アクリルモノマーの重合を進行させることができる。
熱ラジカル重合開始剤としては、アゾ系化合物類や有機過酸化物類が挙げられるが、熱分解時に気体を発生しないため、ボイドのない高品質な繊維強化プラスチックを得ることができる[D]有機過酸化物類を用いることが好ましい。[D]としては、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、およびハイドロパーオキサイドからなる群から選ばれる少なくとも1種のパーオキサイド系化合物類が好ましい。
[D]の含有量は、[C]グリシジル基を有さず(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体および(メタ)アクリルモノマーの重合を十分に進行させるために、[C]グリシジル基を有さず(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体および(メタ)アクリルモノマー100質量部に対し、0.1質量部以上含有することが好ましく、0.2質量部以上含有することがより好ましい。プリプレグの保存安定性の観点から、[C]グリシジル基を有さず(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体100質量部に対して10質量部以下含有することが好ましく、9質量部以下含有することがより好ましい。
また、プリプレグの保存安定性の観点から、[D]の10時間半減期温度は70℃以上であることが好ましく、10時間半減期温度が100℃以上であることがより好ましい。さらに、エポキシ樹脂組成物の硬化過程において[C]グリシジル基を有さず(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体の重合を十分に進行させるために、[D]の10時間半減期温度は150℃以下であることが好ましい。
[D]有機過酸化物類の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド(110℃)、アセチルアセトンパーオキサイド(130℃)等のケトンパーオキサイド類、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(95℃)、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(87.1℃)、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(90.7℃)、2,2-ジ(t-ブチルパーオキシ)ブタン(103.1℃)、n-ブチル4,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)バレレート(104.5℃)、2,2-ジ(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(94.7℃)、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(86.7℃)、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロドデカン(95℃)等のパーオキシケタール類、p-メンタンハイドロパーオキサイド(128℃)、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド(145.1℃)、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド(152.9℃)、クメンハイドロパーオキサイド(157.9℃)、t-ブチルハイドロパーオキサイド(166.5℃)等のハイドロパーオキサイド類、ジ(2-t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(119.2℃)、ジクミルパーオキサイド(116.4℃)、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン(117.9℃)、t-ブチルクミルパーオキサイド(119.5℃)、ジ-t-ヘキシルパーオキサイド(116.4℃)、ジ-t-ブチルパーオキサイド(123.7℃)、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3(128.4℃)等のジアルキルパーオキサイド類、ジイソブチリルパーオキサイド(32.7℃)、ジ(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド(59.4℃)、ラウロイルパーオキサイド(61.6℃)、ジコハク酸パーオキサイド(65.9℃)、m-トルオイルパーオキサイド(73.1℃)、ジベンゾイルパーオキサイド(73.6℃)、ジオクタノイルパーオキサイド(63℃)等のジアシルパーオキサイド類、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート(40.3℃)、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(40.5℃)、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(40.8℃)、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート(43.6℃)、ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネート(40.5℃)、ジ(3-メトキシブチル)パーオキシジカーボネート(43℃)等のパーオキシジカーボネート類、クミルパーオキシネオデカノエート(36.5℃)、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート(40.7℃)、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート(44.5℃)、t-ブチルパーオキシネオデカノエート(46.4℃)、t-ヘキシルパーオキシピバレート(53.2℃)、t-ブチルパーオキシピバレート(54.6℃)、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルへキサノエート(65.3℃)、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(66.2℃)、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(69.9℃)、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(72.1℃)、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(95℃)、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート(97.1℃)、t-ブチルパーオキシラウレート(98.3℃)、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(98.7℃)、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート(99℃)、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート(99.4℃)、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(99.7℃)、t-ブチルパーオキシアセテート(101.9℃)、t-ブチルパーオキシベンゾエート(104.3℃)、t-ブチルパーオキシマレイックアシッド(96.1℃)、t-ブチルパーオキシイソブチレート(75℃)等のパーオキシエステル類が挙げられる。括弧内は10時間半減期温度を示す。例示した化合物は、[D]として一種単独で、または二種以上を併用して用いることができる。
「熱可塑性樹脂」
マトリクス樹脂組成物には熱可塑性樹脂を配合することができる。熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテル、ポリオレフィン、液晶ポリマー、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリアクリロニトリルスチレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、AES(アクリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン共重合体)、ASA(アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体)、ポリ塩化ビニル、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、ブロックコポリマー等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、エポキシ樹脂に対する溶解性と樹脂フロー制御性に優れることから、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエーテルスルホン、フェノキシ樹脂がより好ましい。配合量が少量でも樹脂フロー制御性に優れることからポリビニルホルマールがさらに好ましい。熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂の含有量としては、マトリクス樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂100質量部に対して1質量部以上30質量部以下含むことが好ましく、2質量部以上20質量部以下含むことがより好ましく、3質量部以上10質量部以下含むことがさらに好ましい。熱可塑性樹脂の含有量が1質量部以上であれば、樹脂フロー制御性が良好に発揮される傾向にあるため好ましい。一方、熱可塑性樹脂の含有量が30質量部以下であれば、マトリクス樹脂組成物の粘度上昇が小さくなるため好ましい。
「その他の添加剤」
マトリクス樹脂組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の様々な添加剤を含有してもよい。添加剤としては、エポキシ樹脂の硬化促進剤、リン系難燃剤(リン含有エポキシ樹脂、赤燐、ホスファゼン化合物、リン酸塩類、リン酸エステル類等)、無機系難燃剤として水和金属化合物系(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等)、その他難燃助剤(アンチモン化合物、硼酸亜鉛,錫酸亜鉛,Mo化合物,ZrO,硫化亜鉛,ゼオライト,酸化チタンナノフィラー系等)、シリコーンオイル、湿潤分散剤、消泡剤、脱泡剤、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド、エステル類、パラフィン類等の離型剤、結晶質シリカ、溶融シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナ、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム等の粉体やガラス繊維、炭素繊維等の無機充填剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、シランカップリング剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
「マトリクス樹脂組成物の製造方法」
マトリクス樹脂組成物は、上述した各成分を加熱混合することにより得られる。各成分の混合方法としては、三本ロールミル、プラネタリミキサー、ニーダー、ホモジナイザー、ホモディスパー等の混合機を用いる方法が挙げられる。
「強化繊維」
強化繊維は、プリプレグ中で強化繊維基材(強化繊維の集合体)として存在させることができ、シート状であることが好ましい。強化繊維基材中の繊維の配向は、強化繊維が単一方向に配列したものであってもよく、ランダム方向に配列したものであってもよい。強化繊維基材の形態としては、強化繊維の織物、強化繊維の不織布、強化繊維の長繊維が一方向に引き揃えられたシート等が挙げられる。比強度や比弾性率が高い繊維強化プラスチックを成形できるという観点からは、連続繊維が単一方向に引き揃えられた強化繊維の束からなるシートをプリプレグに用いることが好ましい。取り扱いが容易であるという観点からは、強化繊維の織物をプリプレグに用いることが好ましい。強化繊維基材の目付は、10g/m以上4000g/m以下とすることができる。
強化繊維の材質としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維等が挙げられる。得られる繊維強化プラスチックの機械物性および軽量化の観点から、強化繊維としては炭素繊維を含むことが好ましい。
炭素繊維の繊維径は、3~12μmが好ましい。炭素繊維束における炭素繊維の本数は、1,000~70,000本が好ましい。炭素繊維束を複数束用いて一方向に繊維を引き揃えたシート状の強化繊維基材としてもよいし、炭素繊維束をチョップしたチョップド炭素繊維束を散布してシート状の強化繊維基材としてもよい。得られる繊維強化プラスチックの剛性の観点から、炭素繊維のストランド引張強度は1.5~9GPaが好ましく、上述のマトリクス樹脂組成物は5GPa以上の炭素繊維に対しても接着性を改善し得る。炭素繊維のストランド引張弾性率は150~400GPaが好ましい。ここで、炭素繊維のストランド引張強度およびストランド引張弾性率は、JIS R7601:1986に準拠して測定される値である。
「プリプレグの製造方法」
プリプレグは、マトリクス樹脂組成物を強化繊維基材に含浸させることで得られる。マトリクス樹脂組成物を強化繊維基材に含浸させる方法としては、例えばマトリクス樹脂組成物をメチルエチルケトン、メタノール等の溶媒に溶解し低粘度化してから、強化繊維基材に含浸させるウェット法、マトリクス樹脂組成物を加熱により低粘度化してから、強化繊維基材に含浸させるホットメルト法(ドライ法)等が挙げられるが、これらに限定されない。含浸温度は、マトリクス樹脂組成物の粘度に合わせて設定するものであるが、マトリクス樹脂組成物の硬化反応が開始せず、マトリクス樹脂組成物を強化繊維に十分に含浸させる必要がある観点から、40~120℃が好ましく、50~110℃がより好ましい。
ウェット法は、強化繊維基材をマトリクス樹脂組成物の溶液に浸漬した後、引き上げ、オーブン等を用いて溶媒を蒸発させる方法である。ホットメルト法には、加熱により低粘度化したマトリクス樹脂組成物を直接、強化繊維基材に含浸させる方法と、一旦マトリクス樹脂組成物を離型紙等の基材の表面に塗布してフィルムを作製しておき、次いで強化繊維基材の両側または片側から前記フィルムを重ね、加熱加圧することにより強化繊維基材に樹脂を含浸させる方法がある。離型紙等の基材の表面に塗布して得られる塗布層は、未硬化のままでホットメルト法に用いてもよいし、塗布層を硬化させた後にホットメルト法に用いてもよい。ホットメルト法によれば、プリプレグ中に残留する溶媒が実質的に存在しない。
プリプレグ中のマトリクス樹脂組成物の含有量(以下、「樹脂含有量」という)は、プリプレグの総質量に対して、10~60質量%が好ましく、15~55質量%がより好ましく、15~50質量%がさらに好ましい。樹脂含有量が、上記下限値以上であれば強化繊維とマトリクス樹脂との接着性を充分に確保することができ、上記上限値以下であれば繊維強化プラスチックの機械物性がより高まる。
プリプレグ中の強化繊維の含有量(以下、「繊維含有量」という)は、プリプレグの総体積に対して、30~85体積%が好ましく、35~80体積%がより好ましく、40~80体積%がさらに好ましい。繊維含有量が、上記下限値以上であれば繊維強化プラスチックの機械物性がより高まり、上記上限値以下であれば強化繊維とマトリクス樹脂との接着性を充分に確保することができる。
「繊維強化プラスチック」
繊維強化プラスチックは、プリプレグを硬化することで得られる。すなわち、繊維強化プラスチックは、プリプレグに含まれるマトリクス樹脂組成物の硬化物と、強化繊維とを含む。1枚以上のプリプレグが積層された積層体の硬化物とすることができる。例えば、上述のプリプレグを1枚以上積層した後、得られた積層体に圧力を付与しながら、加熱硬化させる方法等により成形することで繊維強化プラスチックからなる成形品が得られる。先に説明したプリプレグ以外の、熱可塑性樹脂組成物と強化繊維とからなるプリプレグやエポキシ樹脂組成物と強化繊維とからなるプリプレグを併せて積層してもよい。
成形方法としては、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、内圧成形法、シートラップ成形法や、強化繊維のフィラメントやプリフォームにマトリクス樹脂組成物を含浸させて硬化し成形品を得るRTM(Resin Transfer Molding)、VaRTM(Vacuum assisted Resin Transfer Molding:真空樹脂含浸製造法)、フィラメントワインディング、RFI(Resin Film Infusion)等が挙げられるが、これらの成形方法に限られるものではない。これらの中でも、良質な繊維強化プラスチックが得られやすいという観点からは、オートクレーブ成形法が好ましく、高い生産性が得られるという観点からは、プレス成形法が好ましい。
プレス成形法で繊維強化プラスチックを製造する場合、プリプレグ、またはプリプレグを積層して作製したプリフォームを、予め硬化温度に調整した金型に挟んで加熱加圧し、プリプレグまたはプリフォームを硬化することが好ましい。プレス成形時の金型内の温度は、100~180℃が好ましい。また、1~15MPaの条件下で1~20分間、プリプレグまたはプリフォームを硬化させることが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例、及び比較例で使用した原料を以下に示す。
「使用した原料」
[エポキシ樹脂]
MY 0600:トリグリシジル-m-アミノフェノール(ハンツマン・ジャパン株式会社製、製品名「ARALDITE MY 0600」)。
jER 4005P:固形ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、製品名「jER 4007P」)。
N-690:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、製品名「EPICLON N-690」)
N-660:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、製品名「EPICLON N-660」)
jER 604:テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(三菱ケミカル株式会社製、製品名「jER 604」)。
[A]構造式(1)で表されるグリシジル基を有するイソシアヌル酸誘導体
TEPIC-S:トリグリシジルイソシアヌレート(日産化学株式会社製、製品名「TEPIC-S」)。
MA-DGIC:モノアリルジグリシジルイソシアヌレート(四国化成工業株式会社製、製品名「MA-DGIC」)。
DA-MGIC:ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート(四国化成工業株式会社製、製品名「DA-MGIC」)。
[B]硬化剤
DICYANEX 1400F:ジシアンジアミド(活性水素当量21g/eq、エボニック・ジャパン株式会社製、製品名「DICYANEX 1400F」)。
Omicure94:1,1-ジメチル-3-フェニルウレア(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、製品名「オミキュア94」)。
[C]グリシジル基を有さず(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体
A-9300S:トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート(新中村化学工業株式会社製、製品名「NKエステル A-9300S」)。
[D]有機過酸化物
PERCUMYL D:ジクミルパーオキサイド(10時間半減期温度116.4℃、日油株式会社製、製品名「パークミルD」)。
[熱可塑性樹脂]
VINYLEC K:ポリビニルホルマール樹脂(JNC株式会社製、製品名「ビニレックK」)。
「マトリクス樹脂組成物の調製」
(実施例1~3、比較例1~5)
[エポキシ樹脂]としてMY 0600、jER 4005P、N-690、N-660、jER 604、成分[A]としてTEPIC-S、MA-DGIC、DA-MGIC、成分[B]としてDICYANEX 1400FならびにOmicure94、成分[C]としてA-9300S、成分[D]としてPECUMYL D、[熱可塑性樹脂]としてVINYLEC Kを用い、以下のようにして樹脂組成物を調製した。成分[A]~[D]は構成要素[A]~[D]と対応するものである。
まず、表1に記載の組成に従い、硬化剤(成分[B]、固形)とMY 0600(液状)を、固形成分と液状成分の質量比が1:1となるよう容器に計量し、攪拌混合した。これを、三本ロールミルを用いてさらに細かく混合し、硬化剤(成分[B])入りマスターバッチを得た。
続いて、表1に記載の組成の内、硬化剤(成分[B])入りマスターバッチで使用した以外のMY 0600と[熱可塑性樹脂]VINYLEC Kをフラスコに計量(エポキシ樹脂100質量部に対して3質量部)し、オイルバスを用いて140℃で加熱撹拌することで、VINYLEC Kを溶解混合した。その後、表1に記載の組成に従いエポキシ樹脂および成分[A]を加え、130℃で撹拌混合することで均一な粘調液を得た。80℃まで冷却した後、さらに成分[C]を加え、撹拌混合することで均一な粘調液を得た。65℃程度まで冷却した後、前記硬化剤(成分[B])入りマスターバッチ、成分[D]を加え、攪拌混合することにより未硬化のマトリクス樹脂組成物を得た。
「マトリクス樹脂組成物の硬化物の作製」
前記未硬化のマトリクス樹脂組成物を65℃程度の真空中で脱泡した後、2枚のガラス板の間に注入することで板状に成形した。これを2℃/分で昇温し、オーブン雰囲気温度150℃で120分保持することで加熱硬化させ、厚さ2mmおよび3.2mmの硬化物を作製した。
「プリプレグの作製」
ホットメルトコーター(株式会社ヒラノテクシード製、「R-HC」)を用いて、未硬化のマトリクス樹脂組成物を離型紙上に樹脂目付け27g/mで塗工することで樹脂フィルムを作製した。この樹脂フィルム上に下記炭素繊維を、繊維目付125g/mのシートとなるようにドラムワインド装置で巻き付けた。さらにもう1枚の樹脂フィルムをドラムワインド装置上で前記炭素繊維シートに貼り合わせた。2枚の樹脂フィルムに挟まれた炭素繊維シートを、温度100℃、圧力0.4MPa、送り速度3m/分の条件でフュージングプレス(アサヒ繊維機械工業株式会社製、「JR-600LTSW」)に通し、炭素繊維シートに未硬化のマトリクス樹脂組成物を含浸させることで、プリプレグ目付179g/m、樹脂含有量30質量%の一方向プリプレグを得た。
[炭素繊維]
HR40:三菱ケミカル株式会社製、製品名「PYROFIL HR 40 12M」、引張弾性率:375GPa、引張強度:4.41GPa
「炭素繊維強化プラスチックの作製」
「プリプレグの作製」で得られたプレプレグを300mm×300mmにカットし、炭素繊維が同一方向となるように18枚積み重ねて積層体を得た。この積層体を、オートクレーブで圧力0.7MPa下で、2℃/分で150℃まで昇温し、150℃で120分間加熱硬化させ、厚さ2mmの炭素繊維強化プラスチックパネルを得た。
作製したマトリクス樹脂組成物、その硬化物および炭素繊維強化プラスチックについて、下記の評価方法の記載に従って、各種測定、及び評価を行った。その結果を表1に示す。
「70℃における樹脂粘度」
未硬化のマトリクス樹脂組成物をプレートに載せ、下記測定条件で複素粘性率η*の温度依存性を測定し、70℃における樹脂粘度を得た。
装置:レオメーター(サーモフィッシャー・サイエンティフィック社製、「HAAKE MARS 40」)
使用プレート:25φパラレルプレート
プレートギャップ:0.5mm
測定周波数:10rad/秒
測定温度:30~130℃
応力:300Pa
「マトリクス樹脂組成物の硬化物の曲げ弾性率、曲げ強度の測定」
上記「マトリクス樹脂組成物の硬化物の作製」で得られた厚さ2mmの硬化物から、長さ60mm、幅8mmの試験片を切り出した。該試験片について、温度23℃、湿度50%RHの環境下、3点曲げ治具(圧子R=3.2mm、サポートR=3.2mm、サポート間距離L=32mm)を設置した万能試験機(INSTRON社製、「INSTRON 5965」)を用いて、クロスヘッドスピード2mm/分の条件で、マトリクス樹脂組成物の硬化物の曲げ弾性率、曲げ強度を測定した。具体的には、上記測定条件で得られた応力-ひずみ曲線を用いて、曲げひずみ0.05~0.25%の区間で割線法により曲げ弾性率(単位:GPa)を算出した。また、上記測定条件で得られた応力-ひずみ曲線の、最大曲げ応力を曲げ強度(単位:MPa)として得た。
「マトリクス樹脂硬化物の平面ひずみ破壊靭性KIcの測定」
前記「マトリクス樹脂組成物の硬化物の作製」で得られた厚さ3.2mmの硬化物から、長さ44mm、幅10mmの試験片を切り出した。この試験片を用いて、温度23℃、湿度50%RHの環境下、3点曲げ治具(圧子R=5mm、サポートR=5mm、サポート間距離L=40mm)を設置した万能試験機(INSTRON社製、「INSTRON 5965」)を用いて、クロスヘッドスピード10mm/分、変形モードI(開口型)で試験を行い、破断時の荷重を取得し、ASTM D5045(2014)に従い平面ひずみ破壊靭性KIcを求めた。なお、試験片への初期の予亀裂の導入は、剃刀の刃を試験片にスライディングさせることで行った。
「炭素繊維強化プラスチックの90°曲げ強度の測定」
前記「炭素繊維強化プラスチックの作製」で得られた厚さ2mmのパネルから、長さ50.8mm×幅12.7mmの試験片を切り出した。この際、試験片の長軸方向と炭素繊維の配向方向とが垂直になるように試験片を切り出した。該試験片について、ASTM D790に従い、温度23℃、湿度50%RHの環境下、3点曲げ治具(圧子R=5.0mm、サポートR=3.2mm、サポート間距離L=32mm)を設置した万能試験機(INSTRON社製、「INSTRON 5965」)を用いて、クロスヘッドスピード0.85mm/分の条件で、炭素繊維強化プラスチックの90°曲げ強度を測定した。具体的には、上記測定条件で得られた応力-ひずみ曲線の、最大曲げ応力を90°曲げ強度(単位:MPa)として得た。
Figure 2024061086000006
(実施例1、比較例1、比較例4、比較例5)
成分[A]としてTEPIC-Sを、成分[C]としてA-9300Sを、成分[D]としてPERCUMYL Dを含む実施例1は、成分[C]および成分[D]を含まないこと以外は共通の成分を含む比較例1と比較して、樹脂硬化物のKIcを同等に維持したまま、より大きな曲げ強度を示した。また、成分[C]を含む実施例1は、70℃における粘度が比較例1よりも小さく、フィルム使用によるプリプレグ作製に適した粘度だった。比較例1に含まれるエポキシ樹脂のうち、N-690をN-660に置き換えることで70℃における粘度をプリプレグの作製に適した値とした比較例4と比較して、実施例1は樹脂硬化物のKIcを同等に維持したまま、より大きな曲げ強度を示した。実施例1に含まれる成分[A]のTEPIC-SをjER 604に置き換えた比較例5と比較して、実施例1はより大きな樹脂硬化物のKIcと曲げ強度を示した。樹脂硬化物の曲げ強度とKIcは通常トレードオフの関係にあるが、成分[A]と成分[C]を併用することで、2つを高いレベルで両立することができた。
実施例1と、比較例1の代わりに、同様の骨格を有するが70℃における粘度が小さく成分[C]を含まない比較例4とを比較すると、成分[C]を含む実施例1のCFRPは高い90°曲げ強度を示した。実施例1と、成分[A]を含まない比較例5とを比較すると、成分[A]を含む実施例1のCFRPは高い90°曲げ強度を示した。成分[A]と成分[C]を併用することで、高い90°曲げ強度が発揮された。
(実施例2、比較例2、比較例5)
成分[A]としてMA-DGICを、成分[C]としてA-9300Sを、成分[D]としてPERCUMYL Dを含む実施例2は、成分[C]および成分[D]を含まないこと以外は共通の成分を含む比較例2と比較して、樹脂硬化物のKIcを同等に維持したまま、より大きな曲げ強度を示した。また、成分[C]を含む実施例2は、70℃における粘度が比較例2よりも小さく、フィルム使用によるプリプレグ作製に適した粘度だった。実施例2に含まれる成分[A]のMA-DGICをjER 604に置き換えた比較例5と比較して、実施例2はより大きな樹脂硬化物のKIcと曲げ強度を示した。樹脂硬化物の曲げ強度とKIcは通常トレードオフの関係にあるが、成分[A]と成分[C]を併用することで、2つを高いレベルで両立することができた。
実施例2と、成分[A]を含まない比較例5とを比較すると、成分[A]を含む実施例2のCFRPは高い90°曲げ強度を示した。成分[A]と成分[C]を併用することで、高い90°曲げ強度が発揮された。
(実施例3、比較例3、比較例5)
成分[A]としてDA-MGICを、成分[C]としてA-9300Sを、成分[D]としてPERCUMYL Dを含む実施例3は、成分[C]および成分[D]を含まないこと以外は共通の成分を含む比較例3と比較して、樹脂硬化物のKIcを同等に維持したまま、より大きな曲げ強度を示した。また、成分[C]を含む実施例3は、70℃における粘度が比較例3よりも小さく、フィルム使用によるプリプレグ作製に適した粘度だった。実施例3に含まれる成分[A]のDA-MGICをjER 604に置き換えた比較例5と比較して、実施例3はより大きな樹脂硬化物のKIcと曲げ強度を示した。樹脂硬化物の曲げ強度とKIcは通常トレードオフの関係にあるが、成分[A]と成分[C]を併用することで、2つを高いレベルで両立することができた。
実施例3と、成分[A]を含まない比較例5とを比較すると、成分[A]を含む実施例3のCFRPは高い90°曲げ強度を示した。成分[A]と成分[C]を併用することで、高い90°曲げ強度が発揮された。
先に説明した形態のプリプレグを用いることにより、機械物性、特に繊維直角方向の強度に優れる繊維強化プラスチックを得ることができる。よって、本発明によれば、機械物性に優れた繊維強化プラスチック成形体、また、釣り竿、ゴルフシャフト、ラケット等のスポーツ・レジャー用途成形体から航空機、自動車等の産業用途成形体まで、幅広く適用することができる。

Claims (20)

  1. エポキシ樹脂を含むマトリクス樹脂組成物と炭素繊維とからなるプリプレグであって、前記マトリクス樹脂組成物が下記構成要素[A]~[C]を含む、プリプレグ。
    [A]下記構造式(1)で表されるグリシジル基を有するイソシアヌル酸誘導体
    Figure 2024061086000007
    …式(1)
    (式(1)中、X~Xはグリシジル基、アリル基、アルキル基、または水素原子を表し、X~Xのうち少なくとも1つはグリシジル基である。)
    [B]硬化剤
    [C]グリシジル基を有さず(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体
  2. 前記[A]と前記[C]の配合質量比率([A]/[C])が、0.5~2である、請求項1に記載のプリプレグ。
  3. 前記エポキシ樹脂100質量部に対して、前記[A]を10~30質量部含む、請求項1または2に記載のプリプレグ。
  4. 前記式(1)中、X~Xが全てグリシジル基である、請求項1または2に記載のプリプレグ。
  5. 前記エポキシ樹脂100質量部に対して、3官能以上のグリシジルアミン型エポキシ樹脂を10~40質量部含む、請求項1または2に記載のプリプレグ。
  6. 前記グリシジルアミン型エポキシ樹脂が、トリグリシジル-m-アミノフェノールを含む、請求項5に記載のプリプレグ。
  7. 前記エポキシ樹脂100質量部に対して、ノボラック型エポキシ樹脂を20~60質量部含む、請求項1または2に記載のプリプレグ。
  8. 前記ノボラック型エポキシ樹脂が、クレゾール、ビスフェノールA、ビフェニル、ナフタレン、およびジシクロペンタジエンの誘導体の群から選ばれる少なくとも1種を部分骨格として含む、請求項7に記載のプリプレグ。
  9. 前記エポキシ樹脂100質量部に対して、ビスフェノール型エポキシ樹脂を10~30質量部含む、請求項1または2に記載のプリプレグ。
  10. 前記ビスフェノール型エポキシ樹脂が、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を含む、請求項9に記載のプリプレグ。
  11. 前記[B]がジシアンジアミド、芳香族アミン類、ウレア類、およびイミダゾール類の群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載のプリプレグ。
  12. 前記[B]がジシアンジアミドを含む、請求項11に記載のプリプレグ。
  13. 前記[B]が、前記[B]全体に対して、[B1]融点が70℃以上である成分を50質量%以上含む、請求項1または2に記載のプリプレグ。
  14. 前記エポキシ樹脂100質量部に対して、前記[C]を10~40質量部含む、請求項1または2に記載のプリプレグ。
  15. 前記[C](メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体が、下記構造式(2)で表される(メタ)アクリロイル基を有するイソシアヌル酸誘導体を含む、請求項1または2に記載のプリプレグ。
    Figure 2024061086000008
    …式(2)
    (式(2)中、Y~Yは(メタ)アクリロイル基または水素原子を表し、Y~Yのうち、少なくとも1つは(メタ)アクリロイル基である。)
  16. 前記式(2)中、Y~Yが全て(メタ)アクリロイル基である、請求項15に記載のプリプレグ。
  17. 前記マトリクス樹脂組成物がさらに[D]有機過酸化物を含む、請求項1または2に記載のプリプレグ。
  18. 前記[D]の10時間半減期温度が70℃以上である、請求項17に記載のプリプレグ。
  19. 前記プリプレグが、一方向に引き揃えられた炭素繊維にマトリクス樹脂組成物が含浸した一方向プリプレグである、請求項1または2に記載のプリプレグ。
  20. 請求項1または2に記載のプリプレグを硬化させてなる繊維強化プラスチック。
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