JP2024060279A - 運転支援装置、運転支援方法及びプログラム - Google Patents

運転支援装置、運転支援方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】道路の路側又は中央分離帯に存在する立体物に対する不要な衝突制御が実行される可能性を低減しつつ、上記立体物に対して必要な衝突制御が確実に実行される可能性を高めることができる運転支援装置を提供する。【解決手段】運転支援装置は、物体を検出するセンサと、物体が所定の第1衝突条件を満たした場合、物体と車両との衝突を回避又は衝突の被害を軽減するための衝突制御を実行するコントローラと、を備える。コントローラは、物体が車両が走行している道路の路側又は中央帯に存在する立体物である場合、進入角度が所定の閾値角度以下であるとの角度条件、及び、運転者が立体物との衝突を回避するための操舵操作を行ったと判定するための操舵条件の何れもが成立したとき、立体物が第1衝突条件よりも成立し難い第2衝突条件を満たしたか否かを判定し、立体物が第2衝突条件を満たした場合、衝突制御を実行する。【選択図】 図4

Description

本発明は、物体が所定の衝突条件を満たした場合に物体と車両との衝突を回避又は衝突の被害を軽減するための衝突制御を実行する運転支援装置に関する。
従来から、衝突制御を実行する運転支援装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の運転支援装置(以下、「従来装置」と称呼する。)は、運転者が切り戻し操舵を行っている場合には、衝突制御を実行しない。切り戻し操舵は、運転者がステアリングホイールを一方向に操舵した後にステアリングホイールの初期位置(基準位置)に向かってステアリングホイールの回転角度を戻す操作である。従来装置によれば、レーンチェンジ中にレーンチェンジ先の車線を越えて対向車線の対向車との衝突可能性が判定され、不要な衝突制御が実行される可能性を低減できる。
特開2018-154174号公報
車両と「道路の路側又は中央帯に存在する立体物(例えば、ガードレール及び壁等)」との衝突可能性が高まる場合がある。このような場合の例としては、車両がレーンチェンジを行う場合、及び、車両がカーブ路を走行する場合等がある。このような状況下において、従来装置は、運転者が切り戻し操舵を行っている場合には衝突制御を実行しない。従来装置は、運転者が「その立体物との衝突を回避するためのステアリングホイールの操舵操作(以下、「回避操舵操作」と称呼する。)」を行っている場合にも、運転者が切り戻し操作を行っていると判定し、衝突制御を実行しない。このため、従来装置は、不要な衝突制御を実行する可能性を低減できる。
しかしながら、運転者が上記立体物に対して回避操舵操作を行っていたとしても、上記回避操舵操作によって上記立体物との衝突を回避できない場合には、上記立体物に対して衝突制御が実行されることが望ましい。
本発明は前述した課題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的の一つは、道路の路側又は中央分離帯に存在する立体物に対する不要な衝突制御が実行される可能性を低減しつつ、上記立体物に対して必要な衝突制御が確実に実行される可能性を高めることができる運転支援装置を提供することにある。
本発明の運転支援装置(以下、「本発明装置」と称呼する。)は、
物体を検出するセンサ(22、24)と、
前記物体が所定の第1衝突条件を満たした場合(ステップ425、ステップ430「Yes」)、前記物体と車両との衝突を回避又は前記衝突の被害を軽減するための衝突制御を実行する(ステップ435)コントローラ(20)と、を備え、
前記コントローラは、
前記物体が前記車両が走行している道路の路側又は中央帯に存在する立体物である場合(ステップ420「Yes」)、前記車両の進行方向と前記立体物とのなす角を表す進入角度(θ)が所定の閾値角度(θth)以下であるとの角度条件、及び、運転者が前記立体物との衝突を回避するための操舵操作を行ったと判定するための操舵条件の何れもが成立したとき(ステップ445「Yes」、ステップ455「Yes」)、前記立体物が前記第1衝突条件よりも成立し難い第2衝突条件を満たしたか否かを判定し(ステップ460、ステップ430)、
前記立体物が前記第2衝突条件を満たした場合(ステップ430「Yes」)、前記衝突制御を実行する(ステップ435)、
ように構成されている。
車両の上記立体物への進入角度が閾値角度よりも大きい場合、即ち、角度条件が成立しない場合、運転者が上記立体物との衝突を回避するための操舵操作(回避操舵操作)を行っていても、上記立体物との衝突を回避できない可能性が高い。運転者が回避操舵操作を行っていない場合、進入角度が閾値角度以下であったとしても、上記立体物との衝突を回避できない可能性が高い。このため、本発明装置は、角度条件が成立しない場合及び/又は操舵条件が成立しない場合、第1衝突条件が成立すれば、衝突制御を実行する。
一方で、上記進入角度が閾値角度以下である場合、運転者が回避操舵操作を行っていれば、上記立体物との衝突を回避できる可能性が高い。このため、本発明装置は、角度条件及び操舵条件の何れもが成立している場合には、第1衝突条件よりも成立し難い第2衝突条件が成立すれば、衝突制御を実行する。
従って、本発明装置によれば、上記立体物に対する不要な衝突制御が実行される可能性を低減しつつ、上記立体物に対して必要な衝突制御が確実に実行される可能性を高めることができる。
本発明の実施形態に係る運転支援装置の概略構成図である。 角度条件及び操舵条件の何れもが成立しない状況の説明図である。 角度条件及び操舵条件の両方が成立する状況の説明図である。 運転支援装置のCPUが実行するルーチンのフローチャートである。 運転支援装置のCPUが実行するサブルーチンのフローチャートである。
図1に示したように、本実施形態に係る運転支援装置(以下、「本装置10」と称呼する。)は、車両VAに適用され、図1に示した構成要素を備える。
運転支援ECUは運転支援制御を実行するECUであり、以下、「ECU20」と表記する。
本明細書において、「ECU」はマイクロコンピュータを主要部として備える電子式制御装置である。ECUはコントローラ又はコンピュータとも称呼される。マイクロコンピュータは、CPU(プロセッサ)、ROM、RAM及びインタフェース等を含む。ECU20及び後述する複数のECUの幾つか又は全部は、一つのECUに統合されてもよい。
カメラ22は、車両VAの前方の風景を撮影することにより画像データを取得する。カメラ22は、画像データに基いてカメラ物体情報及び白線情報を取得する。カメラ物体情報は、車両VAの前方に位置する物体の車両VAに対する位置を含む。白線情報は、車両VAが走行している道路にある白線の車両VAに対する位置を含む。カメラ22は、カメラ物体情報及び白線情報をECU20に送信する。
ミリ波レーダ24は、車両VAの前方へミリ波を送信し、送信したミリ波が物体の反射点によって反射された反射波を受信することにより、レーダ物体情報を取得する。レーダ物体情報は、「その物体の車両VAに対する位置」及び「その物体の車両VAに対する相対速度Vr」を含む。ミリ波レーダ24は、レーダ物体情報をECU20に送信する。
車速センサ26は、車両VAの速度を表す車速Vsを検出する。ヨーレートセンサ27は、車両VAに作用するヨーレートYrを検出する。操舵角センサ28は、ステアリングホイール28aの中立位置からの回転角度を操舵角θsとして検出する。ステアリングホイール28aが中立位置から左側へ操舵された場合、操舵角θsは負の値となり、ステアリングホイール28aが中立位置から右側へ操舵された場合、操舵角θsは正の値となる。操舵トルクセンサ29は、ステアリングホイール28aに連結されたステアリングシャフト29aに作用するトルクを表す操舵トルクTrを検出する。ECU20は、これらの検出値を取得する。
パワーマネジメントECU30は、パワートレーンアクチュエータ32に接続され、パワートレーンアクチュエータ32を制御する。パワートレーンアクチュエータ32は、車両VAの駆動装置(例えば、内燃機関及び/又は電動機)が発生する駆動力を変更する。ブレーキECU40は、ブレーキアクチュエータ42に接続され、ブレーキアクチュエータ42を制御する。ブレーキアクチュエータ42は、車両VAに付与される制動力を制御する。表示ECU50は、後述する警告画面を表示装置52に表示する。CGW(コントロールゲートウェイ)ECU60は、上述した複数のECU間のデータの送信及び受信を第1通信ラインC1及び第2通信ラインC2を介して制御する。
(作動)
本装置10のECU20の作動を説明する。ECU20は、車両VAと衝突する可能性がある物体が、車両VAが走行する道路の路側又は中央帯に存在する路側立体物(例えば、ガードレール及び壁等)OBであるか否かを判定する。
物体が路側立体物OBでない場合、ECU20は、所定の第1衝突条件が成立した場合、衝突制御を実行する。ECU20は、物体のTTC(Time To Collision)が第1閾値時間T1th以下である場合、第1衝突条件が成立したと判定する。TTCは、車両VAが物体と衝突するまでにかかる時間である。ECU20は、衝突制御として、車両VAの加速度Gが所定の減速度Gtgtと一致するようにパワートレーンアクチュエータ32及びブレーキアクチュエータ42を制御する減速制御(自動運転の一種)を実行する。加速度Gは、車速Vsの時間微分値である。
物体が路側立体物OBである場合、ECU20は、以下の「角度条件及び操舵条件」の何れもが成立した場合、第1衝突条件よりも成立し難い所定の第2衝突条件が成立したか否かを判定する。ECU20は、TTCが「第1閾値時間T1thよりも小さな値に設定された第2閾値時間T2th」以下である場合、第2衝突条件が成立したと判定する。なお、ECU20は、物体が路側立体物OBであっても角度条件及び操舵条件の少なくとも一方が成立しない場合には、第1衝突条件が成立すれば、衝突制御を実行する。
<角度条件>
ECU20は、「車両VAが路側立体物OBに進入する進入角度θ」が所定の閾値角度θth以下である場合、角度条件が成立したと判定する。進入角度θは図2及び図3に示す。詳細には、ECU20は、「ミリ波レーダ24の検出結果に基いて特定される路側立体物OB」と車両VAの進行方向TDとのなす角度を進入角度θとして取得する。詳細には、ECU20は、路側立体物OBの検出結果である反射点の近似線と進行方向TDとのなす角を進入角度θとして取得する。なお、ECU20は、車速Vs及びヨーレートYrに基いて進行方向TDを取得する。
<操舵条件>
ECU20は、以下の条件1乃至条件4を満たした場合、運転者が「路側立体物OBとの衝突を回避する操舵操作である回避操舵操作」を行っていると判定し、操舵条件が成立したと判定する。
条件1:ステアリングホイール28aが路側立体物OBとの衝突を回避する回避方向、即ち、進入角度θが小さくなる方向、へ操舵されたこと。
条件2:操舵角θsの大きさが閾値角θsth以上であること。
条件3:操舵トルクTrの大きさが閾値トルクTrth以上であること。
条件4:操舵角速度ωの大きさが閾値角速度ωth以上であること。
角度条件及び操舵条件の両方が成立した場合、路側立体物OBとの衝突を回避できる可能性が高い。このため、この場合、ECU20は、第1衝突条件よりも成立に難い第2衝突条件が成立した場合に衝突制御を実行する。これにより、衝突制御が誤って実行される可能性が低減できる。
角度条件が成立しない場合、運転者が回避操舵操作を行っていたとしても、進入角度θが深いために路側立体物OBとの衝突を回避できない可能性が高い。操舵条件が成立しない場合、運転者が回避操舵操作を行っていない可能性が高いため、路側立体物OBと衝突する可能性が高い。このため、これらの場合、ECU20は、第1衝突条件が成立した場合に衝突制御を実行する。これにより、衝突制御が確実に実行される可能性を高める。
以上により、本装置10によれば、路側立体物OBに対する不要な衝突制御が実行される可能性を低減しつつ、上記立体物に対して必要な衝突制御が確実に実行される可能性を高めることができる。
(作動例)
図2及び図3を参照しながら、本装置10の作動例を説明する。図2及び図3に示した例では、2車線の道路の片側の路側(図2及び図3に示した右側)にガードレールが設けられている。
ECU20は、車両VAが走行する車線SLを区分する左区分線LBL及び右区分線RBLを白線情報に基いて特定する。更に、ECU20は、白線情報に基いて、左区分線LBL及び右区分線RBLの外側にある白線を特定する。図2及び図3に示した例では、ECU20は、右区分線RBLの更に右側の右白線RWLを特定する。
ECU20は、カメラ物体情報及びレーダ物体情報に基いて、左区分線LBL、右区分線RBL及び右白線RWLのそれぞれを中心とする所定範囲に「静止している立体物」が存在するか否かを判定する。この所定範囲は、各白線の長手方向に直交する方向の範囲である。ECU20は、上記立体物が存在する場合、上記立体物を路側立体物OBとして特定する。図2及び図3に示した例では、ECU20は、右白線RWLを中心とする所定範囲にガードレールが存在するので、当該ガードレールを路側立体物OBとして特定している。
図2及び図3に示した時点taにて運転者は右側への操舵操作を行うと仮定する。
図2に示した時点tbの前の時点で運転者はステアリングホイール28aを中立位置に戻しており、図2に示した時点tbにてステアリングホイール28aは中立位置を維持している。このため、時点tbにて車両VAは直進する。この場合の進行方向TDは図2に示したようになる。「この進行方向TDと路側立体物OBとのなす角(進入角度)θ」の大きさは閾値角度θthよりも大きいので、角度条件は成立しない。更に、ステアリングホイール28aは中立位置を維持しているので、操舵条件も成立しない。従って、ECU20は、第1衝突条件が成立した場合に衝突制御を実行する。
図3に示した時点tcの前の時点で運転者は左側への操舵操作を行っており、図3に示した時点tcにても運転者は左側への操舵を行っている。このため、時点tcにて車両VAは左方向へ旋回しており、進行方向TDは図3に示したようになる。ECU20は、「進行方向TDと路側立体物OBとの交点IP」における進行方向TDの接線TLを特定し、接線TLと路側立体物OBとのなす角を進入角度θとして取得する。
この進入角度θの大きさは閾値角度θth以下であると仮定する。更に、上記条件1乃至条件4が成立すると仮定する。この場合、ECU20は、第2衝突条件が成立した場合に衝突制御を実行する。
(具体的作動)
ECU20のCPUは、図4にフローチャートにより示したルーチンを所定時間が経過する毎に実行する。
<衝突制御ルーチン>
適当な時点が到来すると、CPUは、図4のステップ400から処理を開始し、ステップ405及び410を実行する。
ステップ405:CPUは、カメラ22からカメラ物体情報及び白線情報を取得し、ミリ波レーダ24からレーダ物体情報を取得する。
ステップ410:CPUは、車両VAの進行方向TDに基いて車両VAと衝突する可能性(衝突可能性)がある物体が存在するか否かを判定する。
衝突可能性がある物体が存在する場合(ステップ410「Yes」)、CPUは、ステップ415及び420を実行する。
ステップ415:CPUは、衝突可能性がある物体のTTCを取得する。詳細には、CPUは、物体までの距離を物体の相対速度Vrで除算することによりTTCを取得する。
ステップ420:CPUは、最小のTTCの物体が路側立体物OBであるか否かを判定する。
最小のTTCの物体が路側立体物OBでない場合(ステップ420「No」)、CPUは、ステップ425及び430を実行する。
ステップ425:CPUは、第1閾値時間T1thを閾値時間Tthに設定する。
ステップ430:CPUは、TTCが閾値時間Tth以下であるか否かを判定する。
TTCが閾値時間Tth以下である場合(ステップ430「Yes」)、CPUは、ステップ435にて衝突制御を実行する。その後、CPUは、ステップ495に進んで本ルーチンを一旦終了する。
最小のTTCの物体が路側立体物OBである場合(ステップ420「Yes」)、CPUは、ステップ440及び445を実行する。
ステップ440:CPUは、進入角度θを取得する。
ステップ445:CPUは、進入角度θが閾値角度θth以下であるか否かを判定する。
進入角度θが閾値角度θth以下である場合(ステップ445「Yes」)、CPUは、ステップ450及び455を実行する。
ステップ450:CPUは、運転者が回避操舵操作を行ったか否かを判定するための回避操舵操作判定サブルーチンを実行する。回避操舵操作判定サブルーチンについては、図5を用いて説明する。
ステップ455:CPUは、ステップ450にて回避操舵操作が行われたと判定されたか否かを判定する。
回避操舵操作が行われたと判定された場合(ステップ455「Yes」)、CPUは、ステップ460にて、「第1閾値時間T1thよりも小さな値に設定された第2閾値時間T2th」を閾値時間Tthに設定する。その後、CPUは、ステップ430に進む。
進入角度θが閾値角度θthよりも大きい場合(ステップ445「No」)、及び、回避操舵操作が行われていない場合(ステップ455「No」)、CPUはステップ425に進む。
衝突可能性がある物体が存在しない場合(ステップ410「No」)、及び、TTCが閾値時間Tthよりも大きい場合(ステップ430「No」)、CPUは、ステップ495に進んで本ルーチンを一旦終了する。
<回避操舵操作判定サブルーチン>
CPUは、図4のステップ450に進むと、図5のステップ500から処理を開始し、ステップ505及び510を実行する。
ステップ505:CPUは、操舵角センサ28及び操舵トルクセンサ29からの検出値に基いて、操舵角θs及び操舵トルクTrをそれぞれ取得する。
ステップ510:CPUは、操舵角θsに基いて、回避方向への操舵操作が行われたか否かを判定する。
回避方向への操舵操作が行われた場合(ステップ510「Yes」)、ステップ515にて、CPUは、操舵角θsの大きさが閾値角θsth以上であるか否かを判定する。
操舵角θsの大きさが閾値角θsth以上である場合(ステップ515「Yes」)、ステップ520にて、CPUは、操舵トルクTrの大きさが閾値トルクTrth以上であるか否かを判定する。
操舵トルクTrの大きさが閾値トルクTrth以上である場合(ステップ520「Yes」)、ステップ525にて、CPUは、操舵角速度ωの大きさが閾値角速度ωth以上であるか否かを判定する。CPUは、操舵角θsを時間微分することにより操舵角速度ωを取得する。
操舵角速度ωの大きさが閾値角速度ωth以上である場合(ステップ525「Yes」)、ステップ520にて、CPUは回避操舵操作が行われたと判定する。その後、CPUはステップ595に進んで本ルーチンを一旦終了する。
回避方向への操舵操作が行われていない場合(ステップ510「No」)、操舵角θsの大きさが閾値角θsth未満である場合(ステップ515「No」)、操舵トルクTrの大きさが閾値トルクTrth未満である場合(ステップ520「No」)、又は、操舵角速度ωの大きさが閾値角速度ωth未満である場合(ステップ525「No」)、ステップ535にて、CPUは、回避操舵操作が行われていないと判定する。その後、CPUはステップ595に進んで本ルーチンを一旦終了する。
以上により、衝突可能性がある物体が路側立体物OBである場合、角度条件及び操舵条件の少なくとも一方が成立しないとき、ECU20は、第1衝突条件が成立したときに衝突制御を実行する。角度条件及び操舵条件の両方が成立したとき、ECU20は、第2衝突条件が成立したときに衝突制御を実行する。これにより、路側立体物OBに対する不要な衝突制御が実行される可能性を低減しつつ、路側立体物OBに対して必要な衝突制御が確実に実行される可能性を高めることができる。
一般に、運転者は、回避操舵操作を行う場合、操舵トルクTr及び操舵角速度ωの大きさが急に大きくなるようにステアリングホイール28aを操舵し、通常の操舵操作を行う場合には、操舵トルクTr及び操舵角速度ωの大きさが急に大きくなるようにはステアリングホイール28aを操舵しない。このため、更に、操舵角θsの大きさが閾値角θsth以上であるとの条件の他に、操舵トルクTr及び操舵角速度ωの大きさが閾値以上であるとの条件が成立しなければ、操舵条件が成立しないようにしている。これにより、ECU20は、回避操舵操作が行われたことを正確に判定することができる。
(変形例)
路側立体物OBは、道路の路側ではなく中央帯に存在する場合もある。路側立体物OBは、ガードレール及び壁等に限定されず、街路樹等であってもよい。
条件1及び条件2の両方が成立し、且つ、条件3及び条件4の少なくとも一方が成立した場合、ECU20は、操舵条件が成立したと判定してもよい。
ECU20は、物体と衝突する可能性を表す指標値として、TTCの代わりに物体までの距離を用いてもよい。
角度条件及び操舵条件の両方が成立した場合、ECU20は、第2閾値時間T2thを閾値時間Tthに設定する代わりに、「TTCを大きくするためのゲイン」をTTCに乗じた乗算値が閾値時間Tth以下である否かを判定してもよい。これにより、角度条件及び操舵条件の少なくとも一方が成立しない場合に比べて衝突条件が成立し難くなる。
衝突制御は減速制御に限定されない。ECU20は、第1衝突条件又は第2衝突条件を満たした物体への運転者の注意を喚起するための警告画面を表示装置52に表示させる表示制御を衝突制御として実行してもよい。
本装置10は、エンジン自動車、ハイブリッド車、プラグインハブリッド車、燃料電池車及び電気自動車等の車両に適用可能である。更に、本発明は、自動運転車両において、自動運転から運転者の運転へ遷移した場合に適用され得る発明である。
本発明は、本装置10の機能を実現するためのプログラムが記憶され且つコンピュータが読み取り可能な非一時的な記憶媒体として捉えることも可能である。
10…運転支援装置、20…運転支援ECU、22…カメラ、24…ミリ波レーダ、28a…ステアリングホイール、30…パワーマネジメントECU、32…パワートレーンアクチュエータ、40…ブレーキECU、42…ブレーキアクチュエータ、50…表示ECU、52…表示装置。

Claims (5)

  1. 物体を検出するセンサと、
    前記物体が所定の第1衝突条件を満たした場合、前記物体と車両との衝突を回避又は前記衝突の被害を軽減するための衝突制御を実行するコントローラと、を備え、
    前記コントローラは、
    前記物体が前記車両が走行している道路の路側又は中央帯に存在する立体物である場合、前記車両の進行方向と前記立体物とのなす角を表す進入角度が所定の閾値角度以下であるとの角度条件、及び、運転者が前記立体物との衝突を回避するための操舵操作を行ったと判定するための操舵条件の何れもが成立したとき、前記立体物が前記第1衝突条件よりも成立し難い第2衝突条件を満たしたか否かを判定し、
    前記立体物が前記第2衝突条件を満たした場合、前記衝突制御を実行する、
    ように構成された、運転支援装置。
  2. 請求項1に記載の運転支援装置において、
    前記コントローラは、
    ステアリングホイールの操舵角と、前記ステアリングホイールの操舵トルク及び操舵角速度の少なくとも一方と、を取得し、
    前記ステアリングホイールが、前記進入角度が小さくなる方向へ操舵されたとの第1条件、
    前記操舵角の大きさが所定の閾値角以上であるとの第2条件、及び
    前記操舵トルク及び前記操舵角の少なくとも一方の大きさが所定の操舵閾値以上であるとの第3条件、
    の何れもが成立した場合、前記操舵条件が成立したと判定する、
    ように構成された、運転支援装置。
  3. 請求項1に記載の運転支援装置において、
    前記コントローラは、
    値が小さいほど前記車両が前記物体と衝突する可能性が高いことを表す衝突指標値が所定の第1衝突閾値以下である場合、前記物体が前記第1衝突条件を満たしたと判定し、
    前記衝突指標値が前記第1衝突閾値よりも小さな値に設定された第2衝突閾値以下である場合、前記物体が前記第2衝突条件を満たしたと判定する、
    ように構成された、運転支援装置。
  4. センサが検出した物体が所定の第1衝突条件を満たした場合、車両に搭載されたコンピュータが、前記物体と車両との衝突を回避又は前記衝突の被害を軽減するための衝突制御を実行する運転支援方法において、
    前記物体が前記車両が走行している道路の路側又は中央帯に存在する立体物である場合、前記車両の進行方向と前記立体物とのなす角を表す進入角度が所定の閾値角度以下であるとの角度条件、及び、運転者が前記立体物との衝突を回避するための操舵操作を行ったと判定するための操舵条件の何れもが成立したとき、前記コンピュータが、前記立体物が前記第1衝突条件よりも成立し難い第2衝突条件を満たしたか否かを判定する第1ステップと、
    前記立体物が前記第2衝突条件を満たした場合、前記コンピュータが前記衝突制御を実行する第2ステップと、を含む、
    運転支援方法。
  5. センサが検出した物体が所定の第1衝突条件を満たした場合、車両に搭載されたコンピュータに、前記物体と車両との衝突を回避又は前記衝突の被害を軽減するための衝突制御を実行させるプログラムにおいて、
    前記物体が前記車両が走行している道路の路側又は中央帯に存在する立体物である場合、前記車両の進行方向と前記立体物とのなす角を表す進入角度が所定の閾値角度以下であるとの角度条件、及び、運転者が前記立体物との衝突を回避するための操舵操作を行ったと判定するための操舵条件の何れもが成立したとき、前記立体物が前記第1衝突条件よりも成立し難い第2衝突条件を満たしたか否かを前記コンピュータに判定させる第1ステップと、
    前記立体物が前記第2衝突条件を満たした場合、前記コンピュータに前記衝突制御を実行させる第2ステップと、を含む、
    プログラム。
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