JP2024060175A - 油圧式エレベーターの異常検知装置及び油圧式エレベーターの異常検知方法 - Google Patents

油圧式エレベーターの異常検知装置及び油圧式エレベーターの異常検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】後付けが困難な圧力センサーを使用しなくても、油漏れなどの異常を検知できる油圧式エレベーターの異常検知装置を提供する。【解決手段】乗りかごを昇降させるための作動油を取り扱う油圧機器類と、昇降方向における乗りかごの動きに応じた信号を出力するセンサーと、を有する油圧式エレベーターの異常検知装置であって、センサーから出力される信号に基づいて、乗りかごの動きを検知する検知部と、検知部の検知結果に基づいて、油圧機器類における作動油の異常の有無を判定する異常判定部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、油圧式エレベーターの異常検知装置及び油圧式エレベーターの異常検知方法に関する。
油圧式エレベーターの異常検知装置に関して、例えば特許文献1には、乗りかごの着床レベルデータやインチング運転動作状況のデータをデータ計測部に取り込み、中央処理部で、インチング動作を行なうべき着床レベルに達してもインチング運転を行なわない場合にはかご位置検出器の異常、あらゆる階床でインチング運転が多発している場合にはポジテクタの異常、特定の階床でインチング運転が多発している場合には遮蔽板の異常としてそれぞれ判定する技術が記載されている。
特開平11-199155号公報
油圧式エレベーターにおいては、乗りかごを昇降させるための作動油を取り扱う油圧機器類に油漏れなどの異常が発生することがある。このため、エレベーターを新設する場合に、例えば油圧ポンプなどの油圧機器類に油圧検出用の圧力センサーを予め取り付けておき、エレベーターの運用を開始した後は、上記圧力センサーの検出結果に基づいて、油漏れなどの異常を検知する技術が採用されている。
しかしながら、油圧機器類に圧力センサーが取り付けられていない既設のエレベーターの場合は、圧力センサーを後付けで設置することが困難である。その理由は、次のとおりである。例えば、作動油が通っている油圧配管に圧力センサーを後付けする場合は、油圧配管を一旦、取り外す必要がある。ただし、エレベーターの運用を開始した後は、油圧配管の内部が作動油で満たされているため、油圧配管を取り外すと作動油が周辺に大量に漏れ出してしまう。また仮に、油圧機器類から作動油をすべて抜いて油圧配管に圧力センサーを取り付けたとしても、その後、所定量の作動油を所定の圧力で油圧機器類に補充することはきわめて難しい。以上の理由により、圧力センサーを後付けで設置することは困難であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、後付けが困難な圧力センサーを使用しなくても、油漏れなどの異常を検知することができる油圧式エレベーターの異常検知装置及び油圧式エレベーターの異常検知方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、たとえば、特許請求の範囲に記載された構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一つを挙げるならば、乗りかごを昇降させるための作動油を取り扱う油圧機器類と、昇降方向における乗りかごの動きに応じた信号を出力するセンサーと、を有する油圧式エレベーターの異常検知装置であって、センサーから出力される信号に基づいて、乗りかごの動きを検知する検知部と、検知部の検知結果に基づいて、油圧機器類における作動油の異常の有無を判定する異常判定部と、を備える。
また、本願は、乗りかごを昇降させるための作動油を取り扱う油圧機器類と、昇降方向における乗りかごの動きに応じた信号を出力するセンサーと、を有する油圧式エレベーターの異常検知方法であって、センサーから出力される信号に基づいて、乗りかごの動きを検知するステップと、乗りかごの動きを検知した結果に基づいて、作動油の異常の有無を判定するステップと、を含む。
本発明によれば、後付けが困難な圧力センサーを使用しなくても、油漏れなどの異常を検知することができる。
本実施形態に係る油圧式エレベーターの異常検知装置の構成を説明するための概略図である。 本実施形態に係る油圧式エレベーターの異常検知方法を説明するためのフローチャート(その1)である。 本実施形態に係る油圧式エレベーターの異常検知方法を説明するためのフローチャート(その2)である。 本実施形態に係る油圧式エレベーターの異常検知方法を説明するためのタイミングチャート(その1)である。 本実施形態に係る油圧式エレベーターの異常検知方法を説明するためのタイミングチャート(その2)である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本明細書および図面において、実質的に同一の機能または構成を有する要素については、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態に係る油圧式エレベーターの異常検知装置の構成を説明するための概略図である。なお、図1に示す油圧式エレベーターの各部の形状や寸法は正確なものではない。
まず、油圧式エレベーターの基本的な構成について説明する。
油圧式エレベーターは、駆動方式の違いによって直接式と間接式に大別される。本実施形態では、間接式の油圧式エレベーターを例に挙げて説明する。
図1に示すように、油圧式エレベーターは、昇降路を昇降する乗りかご1と、乗りかご1に取り付けられたセンサー2と、乗りかご1に接続されたロープ3と、ロープ3が巻き掛けられたプーリー4と、プーリー4を上下方向に移動させる油圧ジャッキ5と、油圧ジャッキ5に作動油を供給する油圧パワーユニット6と、油圧ジャッキ5と油圧パワーユニット6とを接続する油圧配管7と、を備えている。油圧ジャッキ5、油圧パワーユニット6及び油圧配管7は、乗りかご1を昇降させるための作動油を取り扱う油圧機器類10を構成している。乗りかご1は、油圧機器類10(主に油圧ジャッキ5と油圧パワーユニット6)の駆動によって上下方向(以下、「昇降方向」ともいう。)に昇降する。
乗りかご1は、エレベーターの乗場から乗客8を乗せて、乗客8がボタン操作等によって選択した階床まで移動することにより、乗客8を所望の階床まで運ぶ。昇降方向における乗りかご1の移動には、大別すると、通常移動と、通常移動よりも遅い低速移動とがある。通常移動は、乗りかご1が出発階から目的階に向かう場合の移動であり、低速移動は、乗りかご1が目的階で着床レベルを調整する場合の移動である。乗りかご1が目的階に停止したときに許容される着床誤差は、例えば±10mmに設定され、着床レベルの調整は、この許容範囲を超える着床誤差が生じた場合に行われる。図1においては、乗客8が立っている乗場において、乗りかご1の床の位置を合わせるべき着床レベルLを破線で示している。エレベーターの乗場と昇降路は、乗場ドア9によって仕切られている。乗場ドア9は、ドアレール9aに案内されて開閉する。
センサー2は、昇降方向における乗りかご1の動きに応じた信号を出力するセンサーである。本実施形態では、一例として、センサー2が加速度センサーによって構成されている。加速度センサーは、乗りかご1が停止しているときは、加速度=0を示す信号を出力し、乗りかご1が移動しているときは、乗りかご1の移動方向と加速度の大きさに応じた信号を出力する。
センサー2は、乗りかご1の動きに応じた信号を出力するセンサーであれば、どのような種類のセンサー(ただし、油圧機器類10に取り付けられる圧力センサーを除く。)であってもよい。例えば、センサー2は、加速度センサーに限らず、磁気センサーであってもよい。センサー2として、加速度センサー又は磁気センサーを用いた場合は、乗りかご1の動きを精度良く検知することができる。
また、既設の油圧式エレベーターの中には、エレベーターの起動回数などを計測するため、あるいはエレベーターの非常停止などの故障を検知するために、加速度センサー又は磁気センサーを備えたタイプがある。そのようなタイプの油圧式エレベーターでは、すでに取り付けられている加速度センサー又は磁気センサーを、上述した従前の目的のためだけではなく、従前の目的とはまったく異なる目的、すなわち油漏れなどの異常を検知するという目的のために利用することができる。このため、加速度センサー等を新設する必要はない。
センサー2は、好ましくは、乗りかご1に取り付けられる。センサー2を乗りかご1に取り付ける構成を採用した場合は、乗りかご1の構成部品(例えば、かご枠)を利用してセンサー2を取り付けることができる。このため、センサー2の後付けが容易になる。本実施形態では、一例として、センサー2が乗りかご1の上部(かご上)に取り付けられている。乗りかご1の上部は、作業員がエレベーターの保守点検を行うためのスペースとして利用される。このため、乗りかご1の上部にセンサー2を取り付けることで、センサー2を含めた保守点検作業が容易になるという効果が期待される。ただし、センサー2を取り付ける位置は、乗りかご1の下部(かご下)、乗りかご1の側部、乗りかご1の前面部、乗りかご1の背面部のいずれであってもよい。
ロープ3は、油圧ジャッキ5の力を利用して乗りかご1を昇降させるためのロープである。ロープ3の両端部(不図示)は、それぞれ所定の位置に固定されている。ロープ3は、かご下プーリー(図示せず)とプーリー4とに巻き掛けられている。かご下プーリーは、乗りかご1の下部に回転自在に取り付けられるプーリーである。
プーリー4は、油圧ジャッキ5の駆動にしたがって上下方向に移動する。油圧ジャッキ5は、シリンダ11とプランジャ12とを備えている。油圧ジャッキ5は、油圧配管7を通してシリンダ11に供給される作動油の流量等に応じてプランジャ12を上下方向に伸縮させる。
油圧パワーユニット6は、図示しない油圧ポンプと流量制御弁とを備える。油圧パワーユニット6は、所定の圧力に調整された作動油としての圧油を、油圧配管7を通して油圧ジャッキ5のシリンダ11に供給する。
次に、油圧式エレベーターの基本的な動作について説明する。
まず、油圧ジャッキ5のプランジャ12は、油圧パワーユニット6からシリンダ11に作動油が供給されると伸び、シリンダ11から作動油が排出されると縮む。このとき、プランジャ12の伸縮量は、シリンダ11内の作動油の量に依存する。また、シリンダ11から排出された作動油は、油圧パワーユニット6に戻される。
一方、プーリー4は、プランジャ12が伸びると上方に移動し、プランジャ12が縮むと下方に移動し、プランジャ12が停止すると停止する。また、乗りかご1は、プーリー4が上方に移動すると昇降路を上昇し、プーリー4が下方に移動すると昇降路を下降し、プーリー4が停止すると昇降路内で停止する。センサー2は、上述のように乗りかご1が昇降又は停止する際に、乗りかご1の動きに応じた信号を出力する。
続いて、本実施形態に係る油圧式エレベーターの異常検知装置について説明する。
図1に示すように、油圧式エレベーターの異常検知装置(以下、単に「異常検知装置」ともいう。)20は、センサー2から出力される信号を取得するセンサー信号取得部21と、昇降方向における乗りかご1の動きを検知する検知部22と、油圧機器類10における作動油の異常の有無を判定する異常判定部24と、通信回線網31を介して管制センター32と通信する通信部25とを備えている。管制センター32は、管轄エリア内のエレベーターを遠隔で監視するセンターである。通信回線網31としては、例えば公衆回線網などが利用される。
異常検知装置20は、センサー2から出力される信号をケーブル(図示せず)を介してセンサー信号取得部21に取り込む場合、ケーブルの引き回しを容易にし、かつケーブルの長さを短く抑えるために、センサー2の近傍に設置することが好ましい。本実施形態においては、好ましい例として、センサー2及び油圧機器類10が、乗りかご1の上部に設置されている。これにより、センサー2及び油圧機器類10の設置が容易になるとともに、センサー2及び油圧機器類10を含めたエレベーターの保守点検作業が容易になる。
センサー信号取得部21は、センサー2から出力される信号(以下、「センサー信号」ともいう。)を取得するとともに、取得したセンサー信号を検知部22に送る。
検知部22は、センサー2から出力されてセンサー信号取得部21から送られるセンサー信号に基づいて、昇降方向における乗りかご1の動きを検知する。検知部22は、かご移動検知部26と、かご停止検知部27とを有する。かご移動検知部26は、センサー信号取得部21から送られるセンサー信号に基づいて、昇降方向における乗りかご1の移動を検知する。かご停止検知部27は、センサー信号取得部21から送られるセンサー信号に基づいて、昇降方向における乗りかご1の停止を検知する。
異常判定部24は、検知部22の検知結果に基づいて、油圧機器類10における作動油の異常の有無を判定する。油圧機器類10における作動油の異常には、油漏れ41と作動油不足が含まれる。油漏れ41は、油圧ジャッキ5で発生したり、油圧パワーユニット6で発生したり、油圧配管7の接続部で発生したりする。作動油不足は、油圧機器類10に充填されている作動油が油漏れによって次第に減少することで引き起こされる異常である。
通信部25は、異常判定部24によって作動油の異常が有りと判定された場合に、その旨を通信回線網31を介して管制センター32に通知する。
続いて、本実施形態に係る油圧式エレベーターの異常検知方法について、図2及び図3のフローチャートと、図4及び図5のタイミングチャートを参照して説明する。以下に述べる異常検知方法は、図1に示す異常検知装置20によって行われる。また、図2及び図3に示す一連の処理は、乗りかご1が通常移動するたびに繰り返される。
まず、センサー信号取得部21は、センサー2から出力されるセンサー信号を取得する(ステップS1)。センサー信号取得部21によるセンサー信号の取得は、図2及び図3に示す一連の処理を実行している期間だけでなく、それ以外の期間でも所定の時間刻みで繰り返される。また、センサー信号取得部21は、センサー2からセンサー信号を取得するたびに、取得したセンサー信号を検知部22に送る。
ここで、センサー2によって検出される加速度の値について、図4及び図5を参照して説明する。
まず、加速度の値は、乗りかご1が停止しているときはゼロのまま変化せず、乗りかご1が出発階から通常移動を始めると正の方向(図4及び図5の上方向)に増加する。また、加速度の値は、乗りかご1の移動速度が通常移動中に最高速度に達した後は、移動開始前の値に近づいていき、定速移動に移行すると移動開始前の値に戻る。一方、乗りかご1が目的階に近づいて減速し始めると、加速度の値は負の方向(図4及び図5の下方)に増加する。また、加速度の値は、乗りかご1が目的階に更に近づいて減速の度合いが弱まると、移動開始前の値に近づいていき、乗りかご1が目的階に停止すると移動開始前の値に戻る。また、加速度の値は、乗りかご1が上昇する場合と下降する場合で、正と負が反転する。
再び図2に戻って説明する。
次に、かご移動検知部26は、センサー信号取得部21から送られるセンサー信号に基づいて、乗りかご1が通常移動中であるか否かを判断する(ステップS2)。具体的には、かご移動検知部26は、図4に示すように、乗りかご1が停止している状態から移動を開始したときの加速度の変化を、センサー信号を用いて監視し、監視中の加速度が第1の閾値SH1を超えた場合に、乗りかご1の動作が停止状態から通常移動状態に切り替わった、すなわち乗りかご1が通常移動中であると判断する。通常移動の典型的な例は、乗客8のボタン操作等によって指定された階床に向かって乗りかご1が移動(上昇又は下降)する場合である。
上記ステップS2において、かご移動検知部26がYesと判断した場合はステップS3に進み、かご移動検知部26がNoと判断した場合はステップS5に移行する。
ステップS3において、検知部22は、乗りかご1の動作状態を判定するための各フラグをオフにする。乗りかご1の動作状態を判定するためのフラグには、図4及び図5に示す通常移動フラグ、移動後停止フラグ、停止後低速移動フラグ、低速下降フラグ、低速上昇フラグが含まれる。各フラグをオンにする条件やオフにする条件については後段で説明する。
次に、かご移動検知部26は、通常移動フラグをオンにする(ステップS4)。
その後、かご停止検知部27は、センサー信号取得部21から送られるセンサー信号に基づいて、乗りかご1が停止したか否かを判断する(ステップS5)。具体的には、かご停止検知部27は、図4及び図5に示すように、乗りかご1が通常移動している状態から減速を開始したときの加速度の変化を、センサー信号を用いて監視し、監視中の加速度がゼロになった場合に、乗りかご1が停止したと判断する。
上記ステップS5において、かご停止検知部27がYesと判断した場合はステップS6に進み、かご停止検知部27がNoと判断した場合はステップS9に移行する。
次に、ステップS6において、かご停止検知部27は、通常移動フラグがオンになっているかどうかを判断する。そして、かご停止検知部27は、通常移動フラグがオンになっている場合はステップS7に進み、通常移動フラグがオンになっていない場合はステップS9に移行する。
次に、かご停止検知部27は、通常移動フラグをオフにした後(ステップS7)、移動後停止フラグをオンにする(ステップS8)。この段階は、乗りかご1が通常移動後に停止して、乗客8を目的階まで運搬するサービスを完了した段階である。
その後、かご移動検知部26は、移動後停止フラグがオンになっているかどうかを判断する(ステップS9)。そして、かご移動検知部26は、移動後停止フラグがオンになっている場合はステップS10に進み、移動後停止フラグがオンになっていない場合はステップS16に移行する。ステップS9で移動後停止フラグがオンになっていないときは、乗りかご1が通常移動中又は移動せずに停止を継続している状態である。
ステップS10において、かご移動検知部26は、センサー信号取得部21から送られるセンサー信号に基づいて、乗りかご1が低速移動中であるか否かを判断する。具体的には、かご移動検知部26は、図4及び図5に示すように、乗りかご1が停止している状態から移動を開始したときの加速度の変化を、センサー信号を用いて監視し、監視中の加速度がゼロから第2の閾値SH2に達するまでの時間が所定値以上である場合に、乗りかご1の動作が停止状態から低速移動状態に切り替わった、すなわち乗りかご1が低速移動中であると判断する。乗りかご1が低速移動中とは、乗りかご1の床の位置を着床レベルLに合わせて調整している状態である。第2の閾値SH2は、上述した第1の閾値SH1よりも小さい値に設定される。
なお、乗りかご1が停止状態から通常移動状態に移行するときの加速度は、乗りかご1が停止状態から低速移動状態に移行するときの加速度よりも小さい。このため、乗りかご1が通常移動中であるか否かの判断や、乗りかご1が低速移動中であるか否かの判断は、例えば、センサー信号から得られる加速度の傾き(微分値)に基づいて判断してもよいし、他の判断基準に基づいて判断してもよい。
上記ステップS10において、かご移動検知部26がYesと判断した場合はステップS11に進み、かご移動検知部26がNoと判断した場合はステップS16に移行する。
ステップS11において、かご移動検知部26は、移動後停止フラグをオフにする。次に、かご移動検知部26は、停止後低速移動フラグをオンにする(ステップS12)。
次に、かご移動検知部26は、センサー信号取得部21から送られるセンサー信号に基づいて、乗りかご1が下降中であるか否かを判断する(ステップS13)。図4に示すように、乗りかご1の動作が停止状態から低速移動に切り替わり、その低速移動が乗りかご1の下降による移動である場合は、センサー信号から得られる加速度の値が負の値となる。これに対し、図5に示すように、乗りかご1の動作が停止状態から低速移動に切り替わり、その低速移動が乗りかご1の上昇による移動である場合は、センサー信号から得られる加速度の値が正の値となる。このため、かご移動検知部26は、乗りかご1の動作が停止状態から低速移動に切り替わったときの加速度の値が負の値であれば、ステップS13でYesと判断し、上記加速度の値が正の値であれば、ステップS13でNoと判断する。そして、かご移動検知部26は、ステップS13でYesと判断した場合は低速下降フラグをオンにし(ステップS14)、ステップS13でNoと判断した場合は低速上昇フラグをオンにする(ステップS15)。
その後、異常判定部24は、低速下降フラグがオンになっているかどうかを判断する(ステップS16)。そして、異常判定部24は、低速下降フラグがオンになっている場合はステップS17に進み、低速下降フラグがオンになっていない場合はステップS20に移行する。
ステップS17において、異常判定部24は、乗りかご1が低速移動によって下降した距離が所定値以上であるか否かを判断する。そして、異常判定部24は、ステップS17でYesと判断した場合は、油漏れフラグをオンにした後(ステップS18)、低速下降フラグをオフにする(ステップS19)。また、異常判定部24は、ステップS17でNoと判断した場合はステップS20に移行する。ここで、異常判定部24がステップS17でYesと判断した場合は、言い換えると、異常判定部24が乗りかご1の低速移動による所定値以上の下降を検知した場合に相当する。また、異常判定部24がステップS17でNoと判断した場合は、言い換えると、異常判定部24が作動油の異常を無しと判定した場合に相当する。異常無しの場合は、油漏れによる乗りかご1の沈下が発生していない状況である。また、異常判定部24がステップS18で油漏れフラグをオンにする場合は、言い換えると、異常判定部24が作動油の異常を有りと判定し、かつ、作動油の異常として油漏れを検知した場合に相当する。異常有りの場合は、油漏れによる乗りかご1の沈下が発生している状況である。
ここで、上述したステップS17又は後述するステップS21に適用される所定値の設定方法について述べる。所定値の設定方法としては、例えば次の2つの方法が考えられる。一つは、圧力センサーを備える既設の油圧式エレベーターを使って、油圧漏れや作動油不足が生じていないときの着床のずれ量をデータとして蓄積し、蓄積したずれ量の代表値(例えば、最大値など)に基づいて所定値を設定する方法である。もう一つは、油圧漏れや作動油不足が生じたときの着床のずれ量をシミュレーションによって求め、そのシミュレーション結果に基づいて所定値を設定する方法である。所定値の設定方法は、ここで例示する方法以外でもよい。また、ステップS17に適用される所定値とステップS21に適用される所定値は、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
次に、ステップS20において、異常判定部24は、低速上昇フラグがオンになっているかどうかを判断する。そして、異常判定部24は、低速上昇フラグがオンになっている場合はステップS21に進み、低速上昇フラグがオンになっていない場合はステップS24に移行する。
次に、ステップS21において、異常判定部24は、乗りかご1が低速移動によって上昇した距離が所定値以上であるか否かを判断する。そして、異常判定部24は、ステップS21でYesと判断した場合は、作動油不足フラグをオンにした後(ステップS22)、低速上昇フラグをオフにする(ステップS23)。ここで、異常判定部24がステップS21でYesと判断した場合は、言い換えると、異常判定部24が乗りかご1の低速移動による所定値以上の上昇を検知した場合に相当する。また、異常判定部24がステップS21でNoと判断した場合は、言い換えると、異常判定部24が作動油の異常を無しと判定した場合に相当する。異常無しの場合は、作動油不足による乗りかご1の着床レベルずれ(許容範囲を超える着床誤差)が発生していない状況である。また、異常判定部24がステップS22で作動油不足フラグをオンにする場合は、言い換えると、異常判定部24が作動油の異常を有りと判定し、かつ、作動油の異常として作動油不足を検知した場合に相当する。異常有りの場合は、作動油が不足しているために乗りかご1が着床レベルLに到達できておらず、着床レベル調整のために乗りかご1が上昇した状態にある。
なお、乗りかご1が低速移動によって下降又は上昇する距離(以下、「かご移動距離」ともいう。)は、例えば、センサー2から得られるセンサー信号を基にかご移動検知部26が計算する。その場合、かご移動検知部26は、かご移動距離の計算結果を異常判定部24に送り、異常判定部24は、かご移動検知部26から送られる計算結果を用いてステップS17,S21の判断を行う。
その後、通信部25は、油漏れフラグがオン又は作動油不足フラグがオンで、通知済フラグがオフになっているかどうかを判断する(ステップS24)。そして、通信部25は、ステップS24でYesと判断した場合はステップS25に進み、ステップS24でNoと判断した場合は一連の処理を終える。通信部25がステップS24でYesと判断する場合は、油圧機器類10で作動油の異常(油漏れ又は作動油不足)が発生しているが、そのことを管制センター32に通知していない状態である。
ステップS25において、通信部25は、作動油に異常が発生している旨を、通信回線網31を介して管制センター32に通知する。このとき、通信部25は、油漏れフラグがオンになっている場合は作動油の異常が油漏れであることを管制センター32に通知し、作動油不足フラグがオンになっている場合は作動油の異常が作動油不足であることを管制センター32に通知する。その後、通信部25は、通知済フラグをオンにして(ステップS26)、一連の処理を終える。通知済フラグをオフにするタイミングは、例えば、異常検知装置20の電源をオンしたとき、あるいは、通信部25から通知を受けた管制センター32の作業員が異常を是正したあとである。
上述したように通信部25から管制センター32に作動油の異常を通知することにより、通知を受けた管制センター32では、保守員を手配して点検や修理にあたらせることができる。これにより、油漏れや作動油不足の進行によってエレベーターを運行できなくなる前に、作動油の異常に素早く対処することが可能となる。
以上説明したとおり、本実施形態においては、センサー2から出力される信号に基づいて、乗りかご1の動きを検知し、この検知結果に基づいて、油圧機器類10における作動油の異常の有無を判定する。これにより、後付けが困難な圧力センサーを使用しなくても、油漏れなどの異常を検知することができる。
また、本実施形態においては、乗りかご1の通常移動を検知した後、乗りかご1の停止を検知し、その後、通常移動よりも遅い乗りかご1の低速移動による所定値以上の下降又は上昇を検知した場合に、作動油の異常が有りと判定する。これにより、出発階から目的階に向かって移動する乗りかご1が、目的階に停止する直前に行われる床合わせ動作と混同することなく、作動油の異常を検知することができる。
また、本実施形態においては、乗りかご1の停止を検知した後、乗りかご1の低速移動による所定値以上の下降を検知した場合に、作動油の異常として油漏れを検知する。これにより、油漏れによる乗りかご1の沈下が発生している状況で、油漏れの発生を確実に検知することができる。
また、本実施形態においては、乗りかご1の停止を検知した後、乗りかご1の低速移動による所定値以上の上昇を検知した場合に、作動油の異常として作動油不足を検知する。これにより、作動油が不足しているために乗りかご1が着床レベルLに到達できておらず、着床レベル調整のために乗りかご1が上昇している状況で、作動油不足の発生を確実に検知することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例を含む。例えば、上述した実施形態では、本発明の内容を理解しやすいように詳細に説明しているが、本発明は、上述した実施形態で説明したすべての構成を必ずしも備えるものに限定されない。また、ある実施形態の構成の一部を、他の実施形態の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、これを削除し、または他の構成を追加し、あるいは他の構成に置換することも可能である。
例えば、上記実施形態において、センサー2は乗りかご1に取り付けられているが、本発明はこれに限定されず、センサー2は、乗りかご1と一体に移動(昇降)する移動体に取り付けられていてもよい。また、センサー2は、油圧ジャッキ5のプランジャ12の上端部に取り付けられていてもよい。また、センサー2の動きを検知するためのセンサーとして、例えば光学式の距離計測センサー(レーザー距離センサーなど)を使用する場合は、昇降路の上部又は下部にセンサーが取り付けられていてもよい。つまり、センサー2は、乗りかご1の動きに応じた信号を出力するものであれば、どのような位置に取り付けられていてもよい。
また、上記実施形態においては、間接式の油圧式エレベーターを例に挙げて説明したが、本発明は直接式の油圧式エレベーターにも適用可能である。その場合、センサー2は、上述した位置に限らず、プランジャ12と乗りかご1との接続部分に取り付けられていてもよい。
1…乗りかご、2…センサー、10…油圧機器類、20…油圧式エレベーターの異常検知装置、22…検知部、24…異常判定部、25…通信部、31…通信回線網、32…管制センター

Claims (8)

  1. 乗りかごを昇降させるための作動油を取り扱う油圧機器類と、昇降方向における前記乗りかごの動きに応じた信号を出力するセンサーと、を有する油圧式エレベーターの異常検知装置であって、
    前記センサーから出力される信号に基づいて、前記乗りかごの動きを検知する検知部と、
    前記検知部の検知結果に基づいて、前記油圧機器類における前記作動油の異常の有無を判定する異常判定部と、
    を備える油圧式エレベーターの異常検知装置。
  2. 前記異常判定部は、前記検知部が前記乗りかごの通常移動を検知した後、前記乗りかごの停止を検知し、その後、前記検知部が前記通常移動よりも遅い前記乗りかごの低速移動による所定値以上の下降又は上昇を検知した場合に、前記作動油の異常が有りと判定する
    請求項1に記載の油圧式エレベーターの異常検知装置。
  3. 前記異常判定部は、前記検知部が前記乗りかごの低速移動による所定値以上の下降を検知した場合に、前記作動油の異常として油漏れを検知する
    請求項2に記載の油圧式エレベーターの異常検知装置。
  4. 前記異常判定部は、前記検知部が前記乗りかごの低速移動による所定値以上の上昇を検知した場合に、前記作動油の異常として作動油不足を検知する
    請求項2に記載の油圧式エレベーターの異常検知装置。
  5. 前記異常判定部によって前記作動油の異常が有りと判定された場合に、その旨を通信回線網を介して管制センターに通知する通信部を備える
    請求項1に記載の油圧式エレベーターの異常検知装置。
  6. 前記センサーは、加速度センサー又は磁気センサーである
    請求項1に記載の油圧式エレベーターの異常検知装置。
  7. 前記センサーは、前記乗りかごに取り付けられている
    請求項1に記載の油圧式エレベーターの異常検知装置。
  8. 乗りかごを昇降させるための作動油を取り扱う油圧機器類と、昇降方向における前記乗りかごの動きに応じた信号を出力するセンサーと、を有する油圧式エレベーターの異常検知方法であって、
    前記センサーから出力される信号に基づいて、前記乗りかごの動きを検知するステップと、
    前記乗りかごの動きを検知した結果に基づいて、前記作動油の異常の有無を判定するステップと、
    を含む油圧式エレベーターの異常検知方法。
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