JP2024060125A - イオン交換膜、電気透析装置、及び、水電解装置 - Google Patents

イオン交換膜、電気透析装置、及び、水電解装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐久性に優れたイオン交換膜と、このイオン交換膜を備えた電気透析装置及び水電解装置とを提供する。【解決手段】 一側面によると、イオン交換膜が提供される。イオン交換膜は、支持体と支持体に担持されたイオン交換樹脂とを含む。支持体は、2,6-ジフェニルフェニレンオキシド又はポリ(1,4-フェニレンエーテル-エーテル-スルホン)を含む。イオン交換樹脂は、ポリスチレン系である。【選択図】図1

Description

本発明は、イオン交換膜、電気透析装置、及び、水電解装置に関する。
水素の製造方法として、水を電気分解して水素ガス及び酸素ガスを発生させる水電解法が研究されている。二酸化炭素の発生が抑制された方法で得られたエネルギーを電力として用いて製造された水素は、COフリー水素、若しくはグリーン水素と呼ばれ、化石燃料に代わる次世代のクリーンエネルギーとして期待されている。
水電解法のうち、陰イオン交換膜(Anion Exchanege Membrane:AEM)を用いたAEM式水電解法は、触媒に高価な貴金属を用いる必要がなく、注目を集めている。AEM式水電解装置は、例えば、AEMと、AEMにより隔てられ、アノード及びカソードをそれぞれ具備した陽極室及び陰極室とを備えている。AEMは、例えば、多孔質基材に、イオン交換樹脂を充填させることにより得られる。
特許第6302151号
本発明の目的は、耐久性に優れたイオン交換膜と、このイオン交換膜を備えた電気透析装置及び水電解装置とを提供することにある。
一側面によると、イオン交換膜が提供される。イオン交換膜は、支持体と支持体に担持されたイオン交換樹脂とを含む。支持体は、2,6-ジフェニルフェニレンオキシド又はポリ(1,4-フェニレンエーテル-エーテル-スルホン)を含む。イオン交換樹脂は、ポリスチレン系である。
一側面によると、電気透析装置が提供される。電気透析装置は、実施形態に係るイオン交換膜を含む。
一側面によると、水素製造装置が提供される。水素製造装置は、実施形態に係るイオン交換膜を含む。
本発明によれば、耐久性に優れたイオン交換膜と、このイオン交換膜を備えた電気透析装置及び水電解装置とが提供される。
実施形態に係る水素製造装置の一例を概略的に示す断面図。
実施形態に係るイオン交換膜は、支持体と支持体に担持されたイオン交換樹脂とを含む。支持体は、2,6-ジフェニルフェニレンオキシド又はポリ(1,4-フェニレンエーテル-エーテル-スルホン)を含む。イオン交換樹脂は、ポリスチレン系である。
本発明者らが鋭意研究した結果、2,6-ジフェニルフェニレンオキシド又はポリ(1,4-フェニレンエーテル--エーテル-スルホン)は、ポリスチレン系樹脂との密着性が高いことを見出した。すなわち、2,6-ジフェニルフェニレンオキシド又はポリ(1,4-フェニレンエーテル-エーテル-スルホン)を含む支持体とポリスチレン系イオン交換樹脂形成用組成物とを接触させて塗膜を形成した後、熱重合すると、支持体にイオン交換樹脂前駆体が担持されたイオン交換膜の前駆体が得られる。この際、支持体とイオン交換樹脂前駆体との界面に、これらの樹脂が混合した接着層が形成される。この接着層の存在により、イオン交換樹脂が支持体に強く固定され、高い密着性を実現できると考えられる。この接着層は、2,6-ジフェニルフェニレンオキシド又はポリ(1,4-フェニレンエーテル-エーテル-スルホン)と、ポリスチレン系イオン交換樹脂形成用組成物とが、適度な相溶性を有するために形成されると考えられる。すなわち、支持体を形成する樹脂とイオン交換樹脂前駆体との相溶性が低いと、これらが混合せず、接着層が形成されない。一方、支持体を形成する樹脂とイオン交換樹脂前駆体との相溶性が過剰に高いと、支持体の内部にまでイオン交換樹脂が含浸するため、接着層が形成されない。実施形態に係るイオン交換膜においては、支持体を形成する樹脂とイオン交換樹脂前駆体とが適度な相溶性を有するために、これらの界面のみに、これら樹脂が混合した接着層が形成されると考えられる。このような接着層を有するイオン交換膜においては、イオン交換樹脂と支持体との密着性が高いため、長時間にわたって使用したとしても、イオン交換樹脂が支持体から剥離しにくい。それゆえ、実施形態に係るイオン交換膜は、耐久性に優れる。
[イオン交換膜]
実施形態に係るイオン交換膜は、例えば、アニオン交換膜(Anion Exchange Membrane:AEM)であってもよく、カチオン交換膜(Cation Exchange Membrane:CEM)であってもよく、両イオン交換膜であってもよい。実施形態に係るイオン交換膜は、AEMとして好適に用いられ得る。
実施形態に係るイオン交換膜は、水素製造装置、水電解装置、燃料電池、電気透析装置、拡散透析装置、純水製造装置、イオン交換水製造装置等用に用いられ得る。実施形態に係るイオン交換膜は、AEM式水電解装置、又は電気透析装置の陰イオン交換膜として好適に用いられ得る。
イオン交換膜の厚みは、例えば、5μm以上1000μm以下である。イオン交換膜の厚みは、10μm以上500μm以下であることが好ましく、20μm以上200μm以下であることがより好ましい。イオン交換膜の厚みは、例えば、以下の方法で測定できる。マイクロメーターによる測定や、切断面を作成しその顕微鏡観察による測長などである。
実施形態に係るイオン交換膜のイオン交換容量は、例えば、0.1mmol/g以上であり、他の例によると、1.2mmol/g以上である。イオン交換容量に上限値は特にないが、一例によると、3.2mmol/g以下であり、他の例によると、6.5mmol/g以下である。イオン交換容量は、例えば、以下の方法で測定できる。先ず、塩化物イオン型とした陰イオン交換膜を、NaNO3水溶液と接触させることにより硝酸イオン型に置換する。この時、遊離した塩化物イオンを、硝酸銀水溶液を用いて電位差滴定装置で定量する(測定した塩化物イオンのモル数を「A(mol)」とする。)。次に、同じ陰イオン交換膜を塩化物イオン型に戻し、減圧乾燥させその重量を測定する(「D(g)」)。陰イオン交換容量は次式より求めることができる。
イオン交換容量([mmol・g-1-乾燥重量])=A×1000/D
実施形態に係るイオン交換膜の膜抵抗は、陽イオン交換膜の場合は1mol・L-1-HSO水溶液中で、陰イオン交換膜の場合は0.5mol・L-1-NaCl水溶液中で、例えば、4.2Ω・cm以下であり、他の例によると、20cm以下である。膜抵抗に下限値は特にないが、一例によると、0.09Ω・cm以上であり、他の例によると、0.2Ω・cm以上である。膜抵抗は、例えば、以下の方法で測定できる。重炭酸イオン型とした陰イオン交換膜を乾燥させ、白金電極を備えた2室セルの中央に置き、該陰イオン交換膜の両側に、0.5mol・L-1-NaCl水溶液を満たす。そして、交流ブリッジ(周波数1000サイクル/秒)により、25℃における電極間の抵抗を測定する(測定した抵抗を「a(Ω・cm2)」とする)。同様にして陰イオン交換膜を設置せずに電極間の抵抗を測定する(測定した抵抗値を「b(Ω・cm2)」とする)。膜抵抗は次式により求めることができる。
膜抵抗([Ω・cm2])=a-b
(支持体)
支持体は、イオン交換樹脂を担持する。支持体は、2,6-ジフェニルフェニレンオキシド又はポリ(1,4-フェニレンエーテル-エーテル-スルホン)を含む。
支持体は、2,6-ジフェニルフェニレンオキシドのみからなる、又は、ポリ(1,4-フェニレンエーテル-エーテル-スルホン)のみからなることが好ましい。支持体は、2,6-ジフェニルフェニレンオキシド又はポリ(1,4-フェニレンエーテル-エーテル-スルホン)と、他の樹脂との共重合体であってもよい。
支持体は、多孔質膜であることが好ましい。支持体としては、例えば、多孔質フィルム、織布、不織布、スポンジ、フィルム等を用い得る。支持体として多孔質膜を用いる場合、その孔にイオン交換樹脂が充填されることが好ましい。
支持体の膜厚は、例えば、5μm以上1000μm以下であり、好ましくは、10μm以上500μm以下であり、より好ましくは20μm以上200μm以下である。
(イオン交換樹脂)
イオン交換樹脂は、ポリスチレン系樹脂を含む。
イオン交換樹脂に含まれるイオン交換基は、目的とする用途に応じて適宜決定すればよい。例えば、陽イオン交換膜の場合はスルホン酸基やカルボン酸基、陰イオン交換膜の場合は4級アンモニウム塩基やピリジニウム塩基である。イオン交換基の対イオンは、例えば、陽イオン交換膜の場合は水素イオンやナトリウムイオン、陰イオン交換膜の場合は水酸化物イオンやハロゲノイオンや重炭酸イオンである。
イオン交換樹脂は、例えば、イオン交換樹脂形成用組成物の硬化体である。イオン交換樹脂形成用組成物は、スチレン系モノマー、架橋性重合性単量体(例えば、ジビニルベンゼン)、および有効量の重合開始剤(例えば、有機過酸化物)を含む。
スチレン系モノマーは、スチレン、イオン交換基導入可能な重合性単量体(例えば、クロロメチルスチレン、ブロモメチルスチレン、ヨードメチルスチレン等)、イオン交換基を有する重合性単量体からなる群より選択される少なくとも1種のモノマーを含む。イオン交換樹脂形成用組成物におけるスチレン系モノマーの含有量は、例えば、65質量%以上95質量%以下である。
(接着層)
接着層は、支持体とイオン交換樹脂との界面に存在する。接着層は、支持体及びイオン交換樹脂の混合物を含む。すなわち、接着層は、支持体に含まれる樹脂及びイオン交換樹脂に含まれる樹脂の双方を含む。
接着層の厚みは、例えば、1μm以上500μm以下であり、好ましくは、1μm以上300μm以下である。接着層の厚みは、例えば、以下の方法により測定できる。切断面を作成し、その顕微IR測定や顕微ラマン測定での組成分析や、電子顕微鏡付属の元素分析により、局所の組成分布を把握し、接着層の厚みを測長することができる。
(イオン交換膜の製造方法)
実施形態に係るイオン交換膜は、上述したイオン交換樹脂形成用組成物と支持体とを接触させて支持体の表面上に塗膜を形成することと、この塗膜を熱重合により硬化させてイオン交換樹脂前駆体を得ることと、イオン交換樹脂前駆体にイオン交換基を導入することとを含む。イオン交換基を有する重合性単量体を含む組成物を用い、熱重合により硬化させてイオン交換樹脂を得てもよい。
以下、製造方法の詳細を記載する。
イオン交換樹脂形成用組成物と支持体との接触方法については、特に制限されない。イオン交換樹脂形成用組成物を支持体に塗布してもよく、スプレー噴射してもよく、滴下してもよい。また、イオン交換樹脂形成用組成物内に支持体を浸漬させてもよい。1gの支持体に対するイオン交換樹脂形成用組成物の量は、例えば、0.5g以上2.0g以下とする。支持体は、イオン交換樹脂形成用組成物との密着性を高めるために、コロナ処理、グロー放電処理、アルカリ処理等の表面処理が施されていてもよい。
熱重合に際しては、加熱温度は、例えば、60℃以上130℃以下とし、好ましくは、70℃以上90℃以下とする。加熱時間は、例えば、1時間以上10時間以下とし、好ましくは、3時間以上6時間以下とする。加熱方法は、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒータ等を用い得る。
イオン交換基の導入は、例えば、イオン交換基を含む化合物を溶媒に溶解させた溶液に、イオン交換樹脂前駆体を含む支持体を浸漬させることにより行われる。イオン交換基を含む化合物としては、例えば、クロロスルホン酸やトリメチルアミンが挙げられる。溶媒としては、例えば、水やアセトンを用いる。溶液におけるイオン交換基を含む化合物の濃度は、例えば、3質量%以上10質量%以下とする。
[水素製造装置]
実施形態に係る水素製造装置は、実施形態に係るイオン交換膜を含む。実施形態に係る水素製造装置は、実施形態に係るイオン交換膜を含むため、耐久性に優れる。
以下、実施形態に係る水素製造装置について、図1を参照しながら詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る水素製造装置の一例を概略的に示す断面図である。図1に示す水素製造装置1は、膜電極接合体4と、膜電極接合体4により隔てられた、第1電極室2及び第2電極室3とを備えている。
膜電極接合体4は、陰イオン交換膜5と、陰イオン交換膜5の一方の主面上に担持された第1電極6と、陰イオン交換膜の他方の主面上に担持された第2電極7とを含む。第1電極6及び第2電極7には、図示しない導線を介して電源に接続されている。第1電極及び第2電極の表面にはガス拡散層が設けられていてもよい。ガス拡散層としては、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス、ニッケルフォーム、チタンフォーム、多孔グラファイト等を用いる。
第1電極室2には、第1電極6が備えられ、水素排出管8が接続されている。水素排出管8は、図示しない水素タンクに接続されている。第1電極室2には、図示しない第1隔壁が設けられていてもよい。第1隔壁には、第1電極室2と接続する複数の溝と、これらの溝及び水素排出管8に接続される水素排出路が設けられている。第1隔壁は、電子伝導性の材料で構成されることが好ましい。第1隔壁には、例えば、金属プレートを用いる。第1隔壁は、上述したガス拡散層と接触していてもよい。
第2電極室3には、第2電極7が備えられ、酸素排出管9及び水供給管10が接続されている。酸素排出管9は、図示しない酸素タンクに接続されている。水供給管10は、図示しない水供給装置に接続されている。第2電極室3には、図示しない第2隔壁が設けられていてもよい。第2隔壁には、第2電極室3と接続する複数の溝と、これらの溝、酸素排出管9及び水供給管10に接続される酸素排出路が設けられている。第2隔壁は、電子伝導性の材料で構成されることが好ましい。第2隔壁には、例えば、金属プレートを用いる。第2隔壁は、上述したガス拡散層と接触していてもよい。
次に、実施形態に係る水素製造装置を用いた水素製造方法について、図1を参照しながら詳細に説明する。
先ず、水供給管10を介して、第2電極室3に処理対象液を供給する。処理対象液は、水であってもよく、アルカリ性水溶液であってもよい。アルカリ性水溶液は、例えば、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、若しくは重炭酸塩の水溶液である。
膜電極接合体4に接触した処理対象液は、陰イオン交換膜5に保持される。すなわち、処理対処液は、陰イオン交換膜5を介して第1電極室2に供給される。
次に、図示しない電源から第1電極6及び第2電極7に電力を供給する。これにより、第1電極6において、下記式(A)に示す通り、水(HO)が分解されて、水素(H)及び水酸化物イオン(OH)が生成する。生成された水酸化物イオンは、陰イオン交換膜5を介して第2電極7へと供給される。供給された水酸化物イオンは、第2電極7において、下記式(B)に示すとおり、酸素(O)及び水(HO)へと分解及び合成される。
2HO+2e → H+2OH (A)
2OH → 1/2O+HO+2e (B)
第1電極室2で生成した水素ガスは、水素排出管8を介して水素タンクに供給される。第2電極室3で生成した酸素ガスは、酸素排出管9を介して酸素タンクに供給される。
(膜電極接合体)
膜電極接合体は、実施形態に係るイオン交換膜と、電極とを含む。膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)において、イオン交換膜と電極とは一体化されている。電極は、陰極である第1電極と陽極である第2電極とを含んでいてもよい。膜電極接合体は、第1電極及び第2電極との間にイオン交換膜が介在していてもよい。
電極は、金属触媒と、任意に、イオン伝導剤、導電剤、及び結着剤とを含み得る。
金属触媒は、酸化若しくは還元反応を促進する。金属触媒は、典型的には、粒子の形状にある。金属触媒としては、例えば、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、スズ、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、モリブデン、タングステン、バナジウム、クロム、タンタル、ジルコニウム、アルミニウム、亜鉛、これらの酸化物若しくは水酸化物、又はこれらの合金を用いる。陽極用の金属触媒は、ニッケルを含むことが好ましい。陰極用の金属触媒は、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、スズ、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、又はこれらの合金を含むことが好ましい。
イオン伝導剤は、電極のイオン伝導性を高める。イオン伝導剤としては、酸性官能基を有する、パーフルオロカーボン重合体、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンなどが挙げられる。イオン伝導剤として、イオン交換樹脂を用いてもよい。イオン交換樹脂は、実施形態に係るイオン交換樹脂を用いてもよく、他のイオン交換樹脂を用いてもよい。他のイオン交換樹脂としては、例えば、イミダゾール基を有するイオン交換樹脂を用いる。
導電剤は、電極の電子伝導性を高める。導電剤は、金属触媒の担体として用いられてもよい。導電剤としては、例えば、カーボンブラック、活性炭、黒鉛、フラーレン、カーボンナノチューブ、又はこれらの混合物を用いる。
結着剤は、電極の剛性を高める。結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoro ethylene;PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride;PVdF)、フッ素系ゴム、ポリアクリル酸化合物、イミド化合物、又はこれらの混合物を用い得る。
膜電極接合体は、例えば、以下の方法で製造される。
先ず、上述した方法で実施形態に係るイオン交換膜を準備する。イオン交換膜は、湿潤状態にあってもよいが、乾燥状態にあることが好ましい。
次に、金属触媒と、任意に、イオン伝導剤、導電剤、結着剤及び有機溶媒とを混合して、第1電極形成用組成物を調製する。この第1電極形成用組成物を、例えば、剥離紙上に塗布し、第1塗膜を得る。この第1塗膜を乾燥させる。乾燥後の第1塗膜を剥離紙から剥がし取り、イオン交換膜の一方の主面上に積層させる。イオン交換膜の一方の主面上に、イオン伝導剤を塗布しておいてもよい。イオン交換膜の一方の主面上に第1電極形成用組成物を直接塗布し、第1塗膜を形成してもよい。
次に、金属触媒と、任意に、イオン伝導剤、導電剤、結着剤及び有機溶媒とを混合して、第2電極形成用組成物を調製する。この第2電極形成用組成物を、例えば、剥離紙上に塗布し、第2塗膜を得る。この第2塗膜を乾燥させる。乾燥後の第2塗膜を剥離紙から剥がし取り、イオン交換膜の他方の主面上に積層させる。イオン交換膜の他方の主面上に、イオン伝導剤を塗布しておいてもよい。イオン交換膜の他方の主面上に第1電極形成用組成物を直接塗布し、第2塗膜を形成してもよい。また、第2塗膜形成後に第1塗膜を形成してもよい。
得られた積層体に対して、加熱、加圧、又はこれら両方の処理を施すことにより、第1塗膜及び第2塗膜とイオン交換膜とを一体化させる。このようにして、第1電極、イオン交換膜、及び第2電極がこの順で積層された膜電極接合体が得られる。なお、第1電極又は第2電極は省略してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制
限されるものではない。
(実施例1)
先ず、評価用支持体を準備した。具体的には、0.4gの2,6-ジフェニルフェニレンオキシド(PDPO)を、7.6gのジクロロメタンに溶解させて、第1溶液を調製した。この第1溶液をシャーレに塗布し、塗膜を乾燥させて支持体膜を形成した。
次に、イオン交換樹脂形成用組成物を調製した。具体的には、クロロメチルスチレン 95質量部、57質量%-ジビニルベンゼンのスチレン溶液 5質量部、重合開始剤(商品名:パーブチルO) 5質量部、エポキシ化合物(商品名:エポライト40E) 5質量部を混合して得た。支持体膜上にイオン交換樹脂形成用組成物を塗布し、0.3MPaの窒素加圧下、80℃で5時間加熱し、支持体膜上にイオン交換樹脂層が積層された評価用積層体1を作成した。
このようにして得られた評価用積層体の中央部から、直径8mmの円柱状となるように試験片をパンチを用いて採取した。得られた試験片は支持体膜とイオン交換樹脂層との間に剥離が見られず、強固に接着していた。また切断面を作成し、その顕微IR測定をしたところ厚さ100μmの接着層が形成されていた。
(実施例2)
先ず、評価用支持体を準備した。具体的には、0.3gのポリ(1,4-フェニレンエーテル-エーテル-スルホン)(PEES)を、8.7gのシクロペンタノンに溶解させて、第1溶液を調製した。この第1溶液をシャーレに塗布し、塗膜を乾燥させて支持体膜を形成した。
次に、実施例1と同様の方法にて、評価用積層体2を作成し、中央部から試験片を採取した。得られた試験片は支持体膜とイオン交換樹脂層との間に剥離が見られず、強固に接着していた。また切断面を作成し、その顕微IR測定をしたところ厚さ300μmの接着層が形成されていた。
(比較例1)
先ず、評価用支持体を準備した。具体的には、0.5gのポリ塩化ビニル(PVC)を、4.5gのテトラヒドロフランに溶解させて、第1溶液を調製した。この第1溶液をシャーレに塗布し、塗膜を乾燥させて支持体膜を形成した。
次に、実施例1と同様の方法にて、評価用積層体3を作成し、中央部から試験片を採取した。得られた試験片は支持体膜とイオン交換樹脂層との間が一部剥離していた。また切断面を作成し、その顕微IR測定をしたところ接着層は認められなかったが、PVCにイオン交換樹脂成分が含浸していた。
(比較例2)
先ず、評価用支持体を準備した。具体的には、0.5gのポリビニルホルマール(PVFM)を、4.5gのクロロホルムに溶解させて、第1溶液を調製した。この第1溶液をシャーレに塗布し、塗膜を乾燥させて支持体膜を形成した。
次に、実施例1と同様の方法にて、評価用積層体4を作成し、中央部から試験片を採取した。得られた試験片は支持体膜とイオン交換樹脂層との間が一部剥離していた。また切断面を作成し、その顕微IR測定をしたところ接着層は認められなかったが、PVFMにイオン交換樹脂成分が含浸していた。
(比較例3)
先ず、評価用支持体を準備した。具体的には、ポリエチレン(PE)を熱プレスすることで中央に凹みのある支持体膜を形成した。
次に、実施例1と同様の方法にてイオン交換樹脂形成用組成物を調製し、支持体膜の凹み部分に塗布および加熱して評価用積層体5を作成し、中央部から試験片を採取した。得られた試験片は支持体膜とイオン交換樹脂層との間が完全剥離していた。また切断面を作成し、その顕微IR測定をしたところ接着層は認められなかった。
1…水素製造装置、2…第1電極室、3…第2電極室、4…膜電極接合体、5…陰イオン交換膜5、6…第1電極、7…第2電極、8…水素排出管、9…酸素排出管、10…水供給管10。

Claims (4)

  1. 2,6-ジフェニルフェニレンオキシド又はポリ(1,4-フェニレンエーテル-エーテル-スルホン)を含む支持体と、
    前記支持体に担持されたポリスチレン系のイオン交換樹脂と
    を含むイオン交換膜。
  2. 前記支持体と前記イオン交換樹脂との界面に、前記支持体及び前記イオン交換樹脂の混合物を含む接着層を更に有する請求項1に記載のイオン交換膜。
  3. 請求項1に記載のイオン交換膜を含む電気透析装置。
  4. 請求項1に記載のイオン交換膜を含む水電解装置。
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