JP2024058614A - トリポード型ジョイント及び自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】ACFG力を低減し、トラニオン上への回転体の装着性を確実にするトリポード型ジョイントを提案する。【解決手段】トリポード型ジョイント(1)は、外側ジョイント部分(2)と内側ジョイント部分(7)とを備える。外側ジョイント部分(2)は、第1長手方向軸(3)と開口端を有する空洞(4)とを有し、3つの凹部(6)が外側ジョイント部分(2)に形成されている。内側ジョイント部分(7)は、第2長手方向軸(8)、中心体(9)を有し、トラニオン軸(11)を有する3つのトラニオン(10)が形成されている。各トラニオン(10)それぞれに回転体(12)が配置され、共通の回転軸(14)の周りで回転可能な外輪(13)及び内輪(15)と、外輪(13)と内輪(15)との間に配置された支承体(16)とを有する。回転体(12)は、凹部(6)に運動可能に収容されており、第1長手方向軸(3)に沿って動くことができる。【選択図】図1

Description

本発明は、外側ジョイント部分と、一体に形成された3つのトラニオンを有する中心体を備えた内側ジョイント部分とを有するトリポード型ジョイントに関する。各トラニオンそれぞれに回転体が配置されている。さらに、本発明は、このようなトリポード型ジョイントを備えた自動車に関する。
この種類のトリポード型ジョイントは、通常、外側ジョイント部分を備え、この外側ジョイント部分は、第1長手方向軸と、第1長手方向軸と平行に延在し且つ開口端を有する空洞とを有しており、第1長手方向軸と平行に延在する3つの凹部が外側ジョイント部分に形成されている。さらに、トリポード型ジョイントは、第2長手方向軸を有する内側ジョイント部分を備え、この内側ジョイント部分は中心体を少なくとも1つ有し、この中心体に、第2長手方向軸から径方向に延在するトラニオン軸を有する3つのトラニオンが形成されている。各トラニオンそれぞれに回転体が配置されており、この回転体は、少なくとも1つの外輪と、この外輪に関して共通の回転軸の周りで回転可能な内輪と、外輪と内輪との間に配置された支承体を有する。回転体はそれぞれ、凹部に運動可能に収容されており、第1長手方向軸に沿って動くことができる。
トラニオンと、トラニオンに配置されている回転体とをトリポード型ジョイントに組立てるために、外側ジョイント部分の空洞内に内側ジョイント部分を、開口端を介して挿入することができる。
中心体それ自体は、シャフトとなることができ、又は、スプライン等を介してシャフトに接続することができる。
内側ジョイント部分は、外側ジョイント部分に対して第1長手方向軸に沿って変位させることができ、外側ジョイント部分に対してある偏向角だけ偏向させることができる。この偏向角は、第1長手方向軸と第2長手方向軸との間の最小角度である。
トリポード型ジョイントは、本出願人により、例えばAARトリポード型ジョイントという名称で、ある期間、製造及び販売されてきた。これらのトリポード型ジョイントは、自動車のサイドシャフト用に使用され、特に、ディファレンシャルギアと駆動ホイールとの間の駆動接続部としての役割を果たす。ホイール側では、いわゆる等速ボール固定ジョイントが通常は使用されており、ここで言及するAARトリポード型ジョイントは、ディファレンシャルギアにおいて摺動ジョイントとして使用される。AARトリポード型ジョイントは、特に23~26°(以下)のオーダーの偏向角用に設計されている。
AARトリポード型ジョイントの下位種であるAARiトリポード型ジョイントにおいて、内輪は、トラニオンに向かって円筒状になっており、且つ、回転軸に沿った方向に関して止め輪によって外輪に固定されている。
トラニオンは、いわゆる摺動面(接触面)を介して、支承体又は回転体の内輪に接触する。各摺動面は、特に球台の形状に設計されている。これらの摺動面は、第2長手方向軸の周りで周方向に揃っており、ジョイントの、複数の長手方向軸の周りで作用するトルクが、トラニオンの各摺動面を介して、回転体に伝達され、そして回転体から凹部に伝達される(又はその逆もある)。
自動車の動作中に、例えば、様々な状態がサイドシャフトにおいて発生することがある。このサイドシャフトは、自動車の車軸と略平行に延在しており、このサイドシャフトを介して駆動ユニットによってホイールを駆動することができる。トラクション(プル)モードでは、ホイールは駆動ユニットによって駆動される。プッシュモードでは、自動車は、運動量をもつ自動車の質量によって牽引される。サイドシャフトに配置されるトリポード型ジョイントについては、回転体の摺動面とトラニオンとの間の接触は、所定の各状態において異なっている。
例えば自動車が前方へ駆動している場合、サイドシャフトの回転方向は一定である。プッシュモードとトラクションモードとの間で変化すると、摺動面とトラニオンとの間の接触が変化する。自動車がその走行方向を(前進から後退へ)変える場合あっても、摺動面とトラニオンとの間の接触は、周方向に見てトラニオンの反対側に変わる。
自動車のトラクションモードでは、即ち、自動車が駆動ユニットによって駆動されているときは、トラニオンは、回転体の一方の摺動面に接触し、回転体は、特に凹部の一方の側に接触する。自動車のプッシュモード又はセールモード(いずれも惰走モードと称する)の場合、即ち、ホイールからの駆動トルクが導入されており、且つ、駆動ユニットがさらに接続されているか(プッシュモード)又は切断されている(セールモード)場合は、トラニオンは、回転体の他方の摺動面に接触し、回転体は、特に凹部の反対の側に接触する。プッシュモードやセールモードでは、導入されるトルクの方向と、ジョイントの回転方向とは互いに反対になっており、トラクションモードでは同じ方向である。
特に有利な案内特性を達成するために、各トラニオンの(即ち内側ジョイント部分の)摺動面の第1ピッチ円半径と、各凹部の(即ち外側ジョイント部分の)第2ピッチ円半径との間にオフセットを設けることができる。
各トラニオンの又は内側ジョイント部分のピッチ円半径とは、いわゆる有効半径である。これは、伸長したジョイント、即ち各長手方向軸が同軸に配置されている場合について規定されるものである。有効半径によって、トルクが伝達される際に結果として生じるレバーアームが決まる。そのため、各トラニオンの又は内側ジョイント部分のピッチ円半径は、内側ジョイント部分の第2長手方向軸を起点とする半径であり、例えば、ジョイントが伸長している場合トラニオンの球台形状の各摺動面の中心点はこの半径上に配置されている。
ここで、外側ジョイント部分の又は各凹部のピッチ円半径も、いわゆる有効半径である。これは、伸長したジョイント、即ち各長手方向軸が同軸に配置されている場合について規定されるものである。有効半径によって、トルクが伝達される際に結果として生じるレバーアームが決まる。
ピッチ円半径(Pitch Circle Radius(PCR)としても知られている)の定義は基本的に知られており、特に、トリポード型ジョイントについて知られている。
従って、各ピッチ円半径のオフセットとは、これらのピッチ円半径間の差異である。
また、トリポード型ジョイントの特性は、特に、いわゆるACFG値(周期的軸力生成(Axial Cyclic Force Generation)、ジョイントにより生成される不用な軸力)によって決まる。この値は、力の二乗平均平方根値として与えられ、単位はニュートン二乗平均平方根[Nrms]である。値はジョイントの偏向角の関数として変動し、これによって、値の推移/曲線を、ジョイントごとの偏向角の関数として規定又は決定することができる。ジョイントが使用される範囲は、このように、最大偏向角により限定される。この最大偏向角では、ACFG値は、許容可能であると見なされる程度の量を上回らない。
各回転体及び各トラニオンの、様々な設計が知られている。特許文献1における第1実施形態では、外輪の設置スペースに各支承体が配置されている。内輪は、外輪及び各支承体に対して、共通の回転軸に沿って変位可能である。内輪は、2つの止めによりトラニオンに局所的に固定されており、即ち、内輪は、トラニオン軸に対して枢動可能であるが、トラニオンに対して、トラニオン軸に沿って変位することはできない。トラニオン上に回転体を取り付けるには、内輪を、止めを介して内輪をトラニオンに押し付けることができる程度まで、少なくとも内輪をトラニオン軸に対して枢動させることが必要である。しかし、枢動が必要であるということは、組立て中に内輪が入り込むことができる、トラニオンと中心体との間の移行エリアを狭くすることを実現しなければならないことを意味する。移行エリアをこのように狭くすることにより、例えば伝達可能なトルクに関するジョイントの適用範囲が影響を受けることがある。さらに、止めが中心体により近づけて配置されることにより、最大可能な偏向角が制限される。つまり、止めと中心体とが衝突する。
特許文献2によるジョイントの同様の設計では、内輪はより狭くなっているが、各支承体が、ジョイントの動作中において部分的に露出されており、内輪により被覆もされておらず、内輪に接触もしない。
特許文献3による第2実施形態では、内輪は唯一の止めによりトラニオンに固着される、即ち、第2長手方向軸に向かう内輪の変位のみが制限される。一方、内輪とそれぞれの凹部との間に止めが設けられるが、これにより、摺動運動の結果として発生する摩擦に起因して、軸力が大きくなる。
特許文献4による第3実施形態では、各支承体は、内輪の設置スペースに配置されている。内輪は、各支承体と一緒に、外輪に対して、共通の回転軸に沿って変位可能である。内輪は2つの止めによりトラニオンに固定されており、即ち、内輪は、トラニオン軸に対して枢動可能であるが、トラニオンに対して、トラニオン軸に沿って小さい距離しか変位することができない。第1実施形態を参照して述べた不利益に加えて、止め同士の間を移動すること、従って、2つの止めに交互に接触することもある。
特許文献5による第4実施形態では、内輪は、外輪に対して、例えば止め輪を介して固定されているため、内輪が外輪に対して回転軸に沿って変位することは不可能である。トラニオンと内輪との間に止めは設けられていない。一方、内輪が2つの止め輪の内側に、ブレーキディスクの態様で接触するため、トラクションモード及びプッシュモードにおいて、ACFG問題が発生することがある。
米国特許出願公開第2008‐194,341(A1)号 米国特許第6,533,668(B2)号 米国特許第6,572,481(B1)号 欧州特許第2,726,752(B1)号 国際公開第2021/098945(A1)号
そこで、本発明は、先行技術を参照して説明した問題を少なくとも部分的に解決するという取り組みに基づくものである。
特に、トリポード型ジョイントを提案するものであり、このトリポード型ジョイントにより、ACFG力を低減可能であり、且つ、それぞれのトラニオン上への回転体の装着性が確実なものになる。この目的のために、止めは、より有利な態様に設計されるべきである。加えて、トリポード型ジョイントは、より耐久性があるように設計されるべきである。
これらの課題は、請求項1の特徴によるトリポード型ジョイントでもって解決される。従属請求項では、さらに有利な実施形態を示している。なお、従属請求項において個々に列挙する特徴は、技術的に有益な任意の態様で互いに組み合わせることができ、本発明のさらなる実施形態を定義することができる。加えて、各請求項に示す特徴を、本明細書においてより詳細に記載し且つ説明し、これによって、本発明のさらなる好適な実施形態を記載する。
本課題は、以下のトリポード型ジョイントによって解決される。
このトリポード型ジョイントは、外側ジョイント部分と、内側ジョイント部分とを備えており、
外側ジョイント部分は、第1長手方向軸と、第1長手方向軸と平行に延在し且つ開口端を有する空洞とを有しており、第1長手方向軸と平行に延在する3つの凹部が外側ジョイント部分に形成されており、
内側ジョイント部分は、第2長手方向軸を有し、内側ジョイント部分は、中心体を少なくとも1つ有し、中心体上に、第2長手方向軸から径方向に延在するトラニオン軸を有する3つのトラニオンが形成されており、各トラニオンそれぞれに回転体が配置されており、回転体は、共通の回転軸の周りで回転可能な少なくとも1つの外輪及び内輪と、外輪と内輪との間に配置された支承体とを有する。
回転体はそれぞれ、各凹部に収容されており、第1長手方向軸に沿って動くことができる。トリポード型ジョイントの意図された動作において、内輪)及び外輪の一方は、支承体とともに、内輪及び外輪の他方に対して、回転軸に沿って変位可能である。外輪は、内輪に対する第1止めをなしており、この第1止めは、回転軸に沿った、第2長手方向軸から離れる向きへの、外輪に対する内輪の変位経路Lを制限する。少なくとも、回転軸とトラニオン軸とが同軸に配置されているとき、内輪は、トラニオンに対する第2止めをなしており、この第2止めは、トラニオン軸に沿った、第2長手方向軸に向かう向きへの、内輪の変位を制限する。意図された動作において、トラニオン軸に沿った、第2長手方向軸から離れる向きへの、トラニオンに対する内輪の変位は、制限されておらず、つまり、第1止めのみにより制限される。
回転体は特に外輪と内輪とを有し、外輪と内輪は互いに対して回転可能である。このようにするために、内輪と外輪との間には、支承体(転動要素、例えば針状転動要素)が公知の態様で配置されている。これらの支承体は、内輪の又は外輪の設置スペースに配置されている。多数のこれらの支承体が、回転軸の周りに、周方向に沿って配置されている。
内輪が外輪に対して回転することにより、回転体が、外側ジョイント部分内の、凹部又は軌道に沿って転動することが可能になり、これにより、内側ジョイント部分は、外側ジョイント部分に対して第1長手方向軸に沿って変位可能である。
内側ジョイント部分が偏向すると、回転体は軌道を介してさらに案内され、これにより、少なくともトラニオンが回転体に対して枢動する。
特に、回転体は、凹部に対して枢動することが不可能であるような態様で、凹部によって案内される。
別の態様としては、内側ジョイント部分が偏向すると、回転体も凹部に対して枢動する。
相対的に回転することに加えて、内輪と外輪は、共通の回転軸に沿って互いに対して変位する。
トリポード型ジョイント(ジョイントとも呼ばれる)の意図された動作には、内側ジョイント部分と外側ジョイント部分とが、特定の用途のために、互いに配置されることが含まれる。例えば、各回転体は全て、凹部に配置され、且つ、ジョイントは、所定範囲内の偏向角、例えば0~30°の間、又は0~26°の間でのみ動作する。さらに、ジョイントが許容しうると見なされるトルクが外側ジョイント部分と内側ジョイント部分との間で伝達され、回転体は第1長手方向軸に沿ってある程度だけ変位する。
意図しない動作には、例えば、ジョイントを組立てること、又は、トラニオン10に回転体12を配置すること等のジョイント部分を組立てることが含まれる。
特に、外輪は、内輪に対する(厳密に1つの又は唯1つの)第1止めをなしており、この第1止めは、回転軸に沿った、第2長手方向軸から離れる向きへの、外輪に対する内輪の変位経路Lを制限する。特に、この第1止めは外輪の又は内輪の突起によって形成されており、内輪又は外輪は、内輪が変位経路Lを進み切ってしまうと、この突起に当接する。従って、内輪は、この方向に沿って動くことができる。従って、内輪は、この方向に沿って、即ち回転軸に沿って(特に第2長手方向軸から離れる向きに)、止め面同士が接触するところまでしか変位することができない。特に、意図された動作中において、回転軸に沿った逆向きの方向(即ち第2長手方向軸に向かう向き)へは、内輪は、少なくとも外輪に対して無限に変位可能である。ただしトラニオンに対してはできない。
変位経路の出発点又はゼロ点は、特に、ジョイントが偏向していない(即ち外側ジョイント部分及び内側ジョイント部分の長手方向軸同士が同軸に配置される)ときの内輪の位置であり、PCR1を起点し、即ち内側ジョイント部分のPCRを起点とする。ここから、内側ジョイント部分の移動の少なくとも大部分(ROMに相当、即ち、回転軸に沿った、第2長手方向軸から離れる方への、PCR1を起点とする、トラニオンそれぞれの変位経路に相当)が、第1止めに向かう可能な変位経路だけ可能になる。最大偏向角に到達する前であっても内輪が外輪に第1止めにて接触すべきである場合には、特に、ジョイントの組立て中において(のみ)到達する最大偏向角までの、内側ジョイント部分のさらなる移動は、外側ジョイント部分の凹部それぞれの対応する回転体の遊びにより吸収することができる。
少なくとも、回転軸とトラニオン軸とが同軸に配置されているとき、内輪は、トラニオンに対する(厳密に1つの又は唯1つの)第2止めをなしている。第2止めは、トラニオン軸に沿った、第2長手方向軸に向かう向きの内輪の変位を制限する。意図された動作において、即ち、内側ジョイント部分が外側ジョイント部分と一緒に配置されてトリポード型ジョイントを形成している場合、トラニオン軸に沿った、第2長手方向軸から離れる向きへの、トラニオンに対する内輪の変位は制限されておらず、即ち、第1止めのみによって制限される。特に、外輪は凹部によって支持されており、これにより、第1止めが内側ジョイント部分のさらなる変位を阻止する。
惰走モード(プッシュモード及びセールモード)では、特に、内輪の変位を第1止めによって制限することができる。
トラクションモードでは、特に、内輪の変位を第2止めを使用して制御することができる。
特に、第1止めは、回転軸に沿って、支承体の、第2長手方向軸の方を向く第1の側に配置されているか、又は、支承体の、第2長手方向軸から離れる方を向く第2の側に配置されている。
第1止めが、回転軸に沿って、支承体の、第2長手方向軸の方を向く第1の側に配置されている場合、この第1止めは、特に、外輪の突起によって形成されることができ、この突起は、径方向に沿って回転軸から離れる方へ延在しており、これにより少なくとも部分的に内輪を越えて延在している。
第1止めが、回転軸に沿って、支承体の、第2長手方向軸から離れる方を向く第2の側に配置されている場合、この第1止めは、特に、外輪の突起によって形成されることができ、径方向に沿って回転軸に向かって内方へ延在しており、これにより少なくとも部分的に内輪を越えて延在している。
特に、変位経路Lには、
L>0.7×ROM
が適用され、ROMには、
ROM=0.5×PCR1×(1-cos(betamax))
が適用され、
ROMは、PCR1を起点とする、回転軸に沿った、第2長手方向軸から離れる向きへのトラニオンの変位経路であり、
PCR1は、内側ジョイント部分のピッチ円半径であり、
betamaxは、トリポード型ジョイントの最大偏向角である。
ROM又は「径方向外方へのトリポードペグの動き」(つまり、径方向外方へのトラニオンの変位)とは、第1状態と第2状態との間における内側ジョイント部分のPCR1(ピッチ円半径)の変位を指し、第1状態は長手方向軸同士が互いに同軸である状態であり、第2状態は長手方向軸同士が互いに最大限に偏向した状態(最大偏向角が実現される/存在している状態)である。
特に、内輪は、第2止めを介して接触されており、トラニオンとともに変位する。外輪に対する内輪の変位は、(可能な)変位経路Lだけ実現可能であるべきであり、つまり、トラニオンが最大限に(即ちROMだけ)変位しているときは、内輪は外輪に対する第1止めをなしているべきである。この場合、L>1.0×ROMが適用されるであろう。極端な偏向角では(即ち最大偏向角に近い偏向角では)、これらの偏向角が通常は負荷なしで発生するということが当てはまる。これらの場合、変位経路Lを、ROMよりも幾分小さくすることができ、特に、L>0.7×ROMとすることもできる。
特に、支承体はそれぞれ、少なくとも回転軸に沿ってある長さ部分にわたって延在する周面を有しており、この長さ部分は、内輪又は外輪の接触面に接触するためのものである。接触面は、各支承体に対して回転軸に沿って変位可能であり、意図された動作中においては、周面は随時、長さ部分全体が接触面に接触する。
特に、内輪、外輪、及び、各支承体の設計においては、意図された動作中に内輪が可能な、外輪に対して内輪が取り得る位置を全て考慮する。これにより、トリポード型ジョイントの動作中に、支承体に対して変位可能な(内又は外)輪によって各支承体が部分的にしか覆われないことを阻止することができる。
一方、意図された動作中において、トリポード型ジョイントの少なくとも個々の配置においては、各支承体の周面が、長さ部分の一部のみにわたって、外輪及び内輪それぞれの接触面に接触することも可能である。しかしながら、特に、各支承体の周面の長さ部分の一部のみが接触しない。特に、長さ部分のこの接触しない部分は、各支承体の、第2長手方向軸から離れる方を向く第2の側に直接隣接するところにのみ配置される。ただし、接触しない長さ部分は、特に、接触可能な周面の長さ部分の大きくても50%、特に大きくても25%、好ましくは大きくても10%である。
この実施形態は、例えば、第1止めを形成するのに止め輪が使用される場合に選択することができ、止め輪はその際もこれによって各支承体用の設置スペースを制限する。
特に、内輪はトラニオンに対する第3止めをなしており、第3止めは、トラニオン軸に沿った、第2長手方向軸から離れる向きへの内輪の変位を制限する。意図された動作以外でのみ、且つ、トラニオンから内輪を取り外そうとする場合にのみ、内輪とトラニオンとは、第3止めを介して互いに接触する。
特に、ジョイントの意図された動作中においては、内輪とトラニオンとは、互いに第3止めを介して接触しない(第2止めを介してのみ接触する)。第3止めにより、トラニオンに対する内輪の広範囲の変位が可能になり、内側ジョイント部分は外側ジョイント部分内に配置されつつも、内輪とトラニオンとは第3止めを介して互いに接触することが全くできなくなる。特に、第3止めは、内輪用の又は回転体用の分解保護具としてのみ機能し、これにより、少なくとも内輪は、第3止めによりトラニオン上で保持することができる。
特に、第3止めは、突起によって実現され、この突起は、内輪から回転軸14に向かって延在する。
特に、内輪は、トラニオン軸に対する枢動状態においてのみ、第3止めによって、トラニオンに押圧されることができる。この枢動状態は、トラニオン軸と回転軸との間に、5~20°の最小角度(計測可能な最小角度等)を有し、好ましくは大きくとも15°、特に好ましくは大きくとも10°の最小角度を有する。この枢動状態は、トラニオン軸と回転軸との間に、少なくとも5°の最小角度を有し、好ましくは少なくとも10°、又は、少なくとも15°の最小角度を有する。
逆に、トラニオン軸と回転軸との間の角度が5°未満であるか、特に10°未満であるか、又は15°未満である場合にのみ、内輪をトラニオンで保持することができる。
トルクの伝達中、第3止めはトラニオンに接触しないので、これにより、第3止めは相応に小さい寸法で設計可能である。特に、小さい寸法設定であることは、内輪をトラニオンに配置するのに、トラニオン軸と回転軸との間には小さい角度さえあればよいことを意味する。特に、小さい角度であることにより、組立て中に内輪が入り込むことができる、トラニオンと中心体との間の移行エリアをわずかに狭くすることが可能になる。この移行エリアは、公知のジョイントにおけるものよりも厚いが、例えば伝達可能なトルクに関するジョイントの適用範囲を大きくすることができる。
第3止めの設計に関しても、ジョイントは、冒頭に記載した、提案するジョイントの定義に対応する。この定義によれば、意図された動作中において、トラニオン軸に沿った、第2長手方向軸から離れる向きへのトラニオンに対する内輪の変位は、制限されておらず、即ち、第1止めのみによって制限される。特に、回転体がトラニオンから取り外されるとき、即ち、ジョイントの意図しない動作においてのみ、第3止めが係合する。
特に、内輪に対するトラニオンの変位は、第1止め及び第3止めによって制限され、変位は、少なくともRIM+ROMに等しく、即ち、
変位≧RIM+ROM
RIM及びROMには、
RIM=1.5×PCR1×(1-cos(betamax))、
且つ、
ROM=0.5×PCR1×(1-cos(betamax
が適用され、
RIMは、PCR1を起点とする、回転軸に沿った、第2長手方向軸に向かう向きへのトラニオンの変位経路RIMであり、
ROMは、PCR1を起点とする、回転軸に沿った、第2長手方向軸から離れる向きへのトラニオンの変位経路ROMであり、
PCR1は、内側ジョイント部分のピッチ円半径PCR1であり、
betamaxは、トリポード型ジョイントの最大偏向角である。
従って、第3止めは、上の条件が満足されるように配置されており、即ち、止め同士の間の(可能な)変位がRIMとROMとの合計以上になるように配置されている。
RIM又は「径方向内方へのトリポードペグの移動」(つまり、径方向内方への、トラニオンの変位)とは、第1状態と第2状態との間における内側ジョイント部分のPCR1(ピッチ円半径)の変位を指し、第1状態は長手方向軸同士が互いに同軸に配置されている状態であり、第2状態は長手方向軸同士が互いから最大限に偏向した状態(最大偏向角が存在している状態)である。トラニオンは、内輪の接触面に沿って摺動し、この接触面は、特に円筒形である。内輪に対するトラニオンのこの変位RIMが実現可能であるべきであり、即ち、内輪は、トラニオンに対する第3止めを(まだ)なすべきではない。
特に、回転軸とが同軸に配置されている場合、トラニオン軸に沿った、第2長手方向軸から離れる向きへの内輪の変位は、意図される使用以外でも、制限されない。特に、第3止めは設けられない。
特に、第1止めは、外輪そのものから形成されているか、又は、外輪に配置されている止め輪により形成されている。止め輪は、例えば、いわゆるスナップリングの形態に設計することができる。止め輪は、外輪上の周溝に配置されていてもよく、内輪が回転軸に沿って第2長手方向軸から離れる向きへ充分遠くに変位すると、内輪に接触するように溝から突出する。
止め輪又は止め輪に必要な溝は、さらなる構造空間を必要とするので、回転体はより大きくなければならないことがある。しかし、外輪に突起を形成する代わりに止め輪が設けられる場合、外輪はより経済的に製造することができる。
特に、外輪にある、各支承体用の設置スペースは、外輪に配置されている止め輪によって制限される。特に、設置スペースは、各支承体の両側において、即ち、第2長手方向軸の方を向く第1の側と、第2長手方向軸から離れる方を向く第2の側とにおいて、各々1つの止め輪によって制限される。
特に、内輪(15)は、(第2長手方向軸に対して交差方向の)第1断面において、階段状の形状を有し、これにより、内輪の、支承体と協働する接触面が、内輪の端面に対して、回転軸に沿って(長手方向軸に向かって)内方へずれて配置される。内輪の端面は、特に、内輪の最も外側(回転軸に沿って外側、即ち、長手方向軸から離れる向き)に位置する面である。
特に、(第1止め及び第3止めの少なくとも一方用の)止め輪は、断面において階段状の形状を有しており、これにより、止め輪の、内輪に作用する第1止めは、回転軸に沿って(外方に、即ち長手方向軸から離れる方に)、外輪の溝からずれて配置されているか、又は、止め輪によって各支承体に向けて形成されている第4止めから、ずれて配置されている。
階段状の形状は、互いに直角に延在している部分又は互いに角度をなして延在している部分を有してもよい。
特に、止め輪には溝が付いており、これにより、外輪の溝に装着するように弾性的に変形可能である。
特に、第2止めは、内輪上の溝に配置されている止め輪によって形成することができる。第2止めに用いられる止め輪は、特に、円い断面を有するが、多角形状、正方形状、台形状、階段状の断面を有することもある。第1又は第3止め用に設けられる止め輪の形状に関する説明が、特に同じように、適用される。
第2止め用に止め輪が使用される場合、内輪には特に円筒形状の内周面を設けることができ、その場合、これによって、止め輪を収容するための溝が内周面に設けられる。
特に、内側ジョイント部分のPCR1と中心体との間において且つ第2長手方向軸に対して交差する方向で延在している断面では、内側ジョイント部分は、第2長手方向軸の周りの周方向に沿った最小の第1壁厚と、PCR1の半径上にある最大の第2壁厚とを有する。第1壁厚/第2壁厚の比率が少なくとも0.7であり、好ましくは、少なくとも0.9であり、さらに好ましくは、少なくとも0.95であり、PCR1は、内側ジョイント部分のピッチ円半径PCR1である。
回転軸と枢動軸との間の小さい角度は、内輪をトラニオンに組み付けたり、内輪をトラニオンから取り外したりするために必要であるが、この小さい角度により、特に、トラニオンと中心体との間の移行エリアをわずかに狭くすることが可能になる。この移行エリアに、組み付けている間又は意図された動作中において、内輪が入り込むことができる。この第1壁厚は、公知のジョイントにおけるものよりも厚く、例えば伝達可能なトルクに関するジョイントの適用範囲を大きくすることができる。
特に、内側ジョイント部分のPCR1は、外側ジョイント部分のPCR2よりも小さく、このPCRはピッチ円半径である。
特に、外輪は、回転軸を含む断面において最大直径dを有し、外輪の外周面は、半径rにより形成されており、0.5<2×r/d<1.5である。2×r=dである場合、外周面は球面になる。
例えば、回転体の外輪がその外周面に球形の外側輪郭を有する場合、中心体の周方向において、外輪を、外側ジョイント部分の凹部の中心軸の周りで枢動又は旋回させることができる。外側ジョイント部分の凹部は相応に成形されており、これにより、回転体は、外側ジョイント部分の周方向において固定されておらず、
凹部の中心軸に関して両側で、生じる軌道運動に応じて特に0~5°の範囲内で枢動可能となっており、特に0~3°の範囲内で枢動可能となっている。この枢動は、軌道運動又は軌道角度と称される。経路の中心軸は、外側ジョイント部分の各凹部の軸であり、外側ジョイント部分の軸力の結果として、回転体はこの軸に沿って運動することができる。
この場合、トラニオンと内輪との間でも、軌道運動の角度補償を少なくとも部分的に行うことができる。このようにするために、トラニオンの周面は、凸状に湾曲していなければならない。この表面が凸形状であることは、球台、樽形切片、ドーナツ形切片、又は円筒形切片に従って、表面が設計されることを意味する。
ここに列挙するトリポード型ジョイントの実施形態により、使用時には、内側ジョイント部分が外側ジョイント部分に対して偏向すること、即ち、第2長手方向軸が第1長手方向軸に対して少なくとも30°まで、特に32°まで、又は36°まで偏向することが可能になる。この偏向は偏向角と称される。
さらに、本明細書において、本発明による少なくとも1つのトリポード型ジョイントを備えた自動車も請求される。
不定冠詞(「a」、「one」)は、特に、請求項及びこれらの請求項を再掲する記載において、数詞として使用したものではなく、そのまま理解すべきであることを意図している。従って、これに対応して導入される用語や構成要素は、少なくとも一回は存在しているが、特に、数回存在することもありうると理解すべきことを意図している。
疑義を回避するために言えば、本明細書において使用する序数詞(「第1」、「第2」、等)は、主として、幾つかの同じような対象物、数値、工程を区別するため(のみ)に供されるものであり、即ち、特に、これらの序数詞が、これら対象物、数値、工程の、互いに対する任意の依存関係や順序を必ずしも定めるものでない。依存関係や順序が必要である場合には、このことは本明細書に明記されるか、或いは、実際に記載されている構成を精査することにより、当業者にとって明らかになる。依存関係や順序が必要である場合には、このことは本明細書に明記されるか、或いは、実際に記載されている構成を精査することにより、当業者にとって明らかになる。
以下で、添付の図を参照して、本発明及び技術的環境をより詳細に説明する。記載した設計変更例により本発明が限定されないことに留意すべきである。特に、図及び特に図示された比率は、単に概略的なものにすぎないことに留意すべきである。
トリポード型ジョイントの第1設計変形例の断面の細部図である。 トリポード型ジョイントの幾つかの角度位置を示す図である。 図3a)~図3d)は、トラクションモードにおいて異なる位置にある、偏向したトリポード型ジョイントを示す。 図4a)~図4d)は、プッシュモードにおいて異なる位置にある、図3における偏向したトリポード型ジョイントを示す。 図2における図である。 0°位置にある、偏向したトリポード型ジョイントである。 90°位置にある、図6における偏向したトリポード型ジョイントである。 180°位置にある、図7における偏向したトリポード型ジョイントである。 270°位置にある、図8における偏向したトリポード型ジョイントである。 図1における断面の細部図である。 トリポード型ジョイントの第2設計変形例の断面の細部図である。 トリポード型ジョイントのトラニオンの変位経路ROMの図であり、非偏向位置と最大限に偏向した位置との間の変位経路ROMを示している。 トリポード型ジョイントの第3設計変形例の断面の細部図である。 トリポード型ジョイントの第4設計変形例の断面の細部図である。 トリポード型ジョイントの第5設計変形例の断面の細部図である。 トリポード型ジョイントの第6設計変形例の断面の細部図である。 図1における、第1の特徴を備えた細部図である。 図1における、第2の特徴を備えた細部図である。 非偏向位置と最大限に偏向した位置との間の、トリポード型ジョイントのトラニオンの変位経路RIM及びROMの図である。 第1グラフ図である。 第2グラフ図である。 第3グラフ図である。 第4グラフ図である。 トリポード型ジョイントの第7設計変形例の断面の細部図である。 図24における、第1止めを形成する止め輪の側面図である。 図25における止め輪の平面図である。 トリポード型ジョイントの第8設計変形例の断面の細部図である。 トリポード型ジョイントの第9設計変形例の断面の細部図である。 トリポード型ジョイントの第10設計変形例の断面の細部図である。
図1は、トリポード型ジョイント1の第1設計変形例の(第1)断面33の細部を示している。トリポード型ジョイント1は、外側ジョイント部分2を備え、外側ジョイント部分2は、第1長手方向軸3と、第1長手方向軸3と平行に延在し且つ開口端5を有する空洞4とを有しており、第1長手方向軸3と平行に延在する3つの凹部6が外側ジョイント部分2に形成されている。さらに、トリポード型ジョイント1は、第2長手方向軸8を有する内側ジョイント部分7を備える。内側ジョイント部分7は中心体9を有し、この中心体上に、第2長手方向軸8から径方向に延在するトラニオン軸11を有する3つのトラニオン10が形成されている。各トラニオン10それぞれに回転体12が配置されており、この回転体12は、共通の回転軸14の周りで回転可能な少なくとも1つの外輪13及び内輪15と、外輪13と内輪15との間に配置された支承体16とを有する。
回転体12はそれぞれ、凹部6に収納され、第1長手方向軸3に沿って動くことができる。トリポード型ジョイント1の意図された動作において、内輪15は、外輪13及び支承体16に対して、回転軸14に沿って変位可能である。外輪13は、内輪15に対する第1止め17をなしており、この第1止めは、回転軸14に沿った、第2長手方向軸8から離れる向きへの、外輪13に対する内輪15の変位経路L 18を制限する。さらに、少なくとも、回転軸14とトラニオン軸11とが同軸に配置されているときは、内輪15は、トラニオン10に対する第2止め19をなしており、この第2止めは、トラニオン軸11に沿った、第2長手方向軸8に向かう向きへの、内輪15の変位を制限する。意図された動作において、トラニオン軸10に沿った、第2長手方向軸8から離れる向きへの、トラニオン10に対する内輪15の変位は、制限されておらず、即ち、第1止め17のみによって制限される。
回転体12は外輪13と内輪15とを有し、外輪13と内輪15は互いに対して回転可能である。このようにするために、内輪15と外輪13との間には、支承体16(転動体、ここでは針状転動体)が公知の態様で配置されている。これらの支承体16は、外輪13の設置スペース32に配置されている。複数のこれらの支承体16が、回転軸14の周りに、周方向34に沿って配置されている。
内輪15が外輪13に対して回転することにより、回転体12が、外側ジョイント部分2内の、凹部6又は軌道に沿って転動することが可能になり、これにより、内側ジョイント部分7は、外側ジョイント部分2に対して第1長手方向軸3に沿って変位可能である。
内側ジョイント部分7が偏向すると、回転体12は凹部6によってさらに案内され、これにより、少なくともトラニオン10が回転体12に対して枢動する。
内側ジョイント部分7が偏向すると、回転体12も凹部6に対して小さい程度に枢動させることができる。
相対的に回転することに加えて、内輪15と外輪13は、共通の回転軸14に沿って互いに対して変位する。
トリポード型ジョイント1の意図された動作には、内側ジョイント部分7と外側ジョイント部分2とが、特定の用途のために、互いに対して配置されることが含まれる。例えば、各回転体12は全て、凹部6に配置され、且つ、ジョイント1は、所定範囲内の偏向角24、例えば0~30°の間、又は0~26°の間でのみ動作する。さらに、ジョイント1が許容しうると見なされるトルクが外側ジョイント部分2と内側ジョイント部分7との間で伝達され、回転体12は第1長手方向軸3に沿ってある程度だけ変位する。
意図しない動作には、例えば、ジョイント1を組立てること、又は、トラニオン10に回転体12を配置すること等のジョイント部分を組立てることが含まれる。
外輪13は、内輪15に対する厳密に1つの又は唯1つの第1止め17をなしており、この第1止めは、回転軸14に沿った、第2長手方向軸8から離れる向きへの、外輪13に対する内輪15の変位経路L 18を制限する。この第1止め17は外輪13上の突起により形成されており、内輪15は、変位経路L 18を進み切ってしまうと、この突起に当接する。従って、内輪15は、この方向に沿って、即ち回転軸14に沿って、第2長手方向軸8から離れる向きに、止め面同士が接触するところまでしか変位することができない。意図された動作中において、回転軸14に沿った逆向きの方向、即ち第2長手方向軸8に向かう向きへは、内輪15を無限に変位可能である(第2止め19のみにより制限される)。
少なくとも、回転軸14とトラニオン軸11とが同軸に配置されているとき、内輪15は、トラニオン10に対する厳密に1つの又は唯1つの第2止め19をなしている。第2止め19は、トラニオン軸11に沿った、第2長手方向軸8に向かう向きの内輪15の変位を制限する。意図された動作において、内側ジョイント部分7が外側ジョイント部分2と一緒に配置されてトリポード型ジョイント1を形成している場合、トラニオン軸11に沿った、第2長手方向軸8から離れる向きへの、トラニオン10に対する内輪15の変位は制限されておらず、即ち、第1止め17のみによって制限される。外輪13は凹部6によって支持されており、これにより、第1止め17が内側ジョイント部分7のさらなる変位を阻止する。
惰走モード(プッシュモード及びセールモード)では、内輪15の変位を第1止め17によって制限することができる。
トラクションモードでは、内輪15の変位を第2止め19を使用して制御することができる。
第1止め17は、回転軸14に沿って、支承体16の、第2長手方向軸8から離れる方を向く第2の側21に配置されている。第1止め17は外輪13の突起によって形成されており、この突起は、径方向に沿って回転軸14に向かって延在しており、これにより少なくとも部分的に内輪15を越えて延在している。
支承体16はそれぞれ、少なくとも回転軸14に沿ってある長さ部分25にわたって延在する周面26を有しており、この長さ部分25は、内輪15の接触面27に接触するためのものである。接触面27は、各支承体16に対して回転軸14に沿って変位可能であり、意図された動作においては、周面26は随時、長さ部分25の大部分にわたって、接触面27に接触する。
内輪15、外輪13、及び、各支承体16の設計においては、意図された動作中に内輪15が可能な、外輪13に対して内輪15が取り得る位置を全て考慮する。従って、トリポード型ジョイント1のある設計変形例では、トリポード型ジョイント1の動作中に、各支承体16に対して変位可能な内輪15によって各支承体16が部分的にしか覆われないことを阻止することができる。
ここで、トラニオン軸11と回転軸14とが同軸に配置された状態における、トラニオン軸11に沿った、第2長手方向軸8から離れるむきへの内輪15の変位も、意図される使用以外では、制限されない。正確に言えば、例えば図13に示す第3止め28は設けられていない。
内側ジョイント部分7のPCR1 23と中心体9との間において且つ第2長手方向軸8に対して交差する方向に延在している第1断面33では、内側ジョイント部分7は、第2長手方向軸8の周りの周方向34に沿った最小の第1壁厚35と、PCR1 23の半径上にある最大の第2壁厚36とを有する。第1壁厚35は、略円筒形である内輪15の特別な形状のおかげで、特に大きくすることができる。第1に、トラニオン10に装着するために内輪15が枢動したり傾いたりする必要はなく、第2に、支承体16の第1の側20の領域には、第3止め28は存在せず、内輪15が枢動した場合に内側ジョイント部分7のこの領域に対する止めを形成するように内輪15が同じように厚くなっていることもない。
回転軸14とトラニオン11の軸との間の角度は、内輪15をトラニオン10に組み付けたり、内輪15をトラニオンから取り外したりする際にはここでは必要ないが、この角度により、トラニオン10と中心体9との間の移行エリア(第1壁厚35)をわずかに狭くすることが可能になる。この移行エリアに、トリポード型ジョイント1の意図された動作中において、内輪15が入り込むことができる。この第1壁厚35は、公知のジョイント1におけるものよりも厚くすることができるが、例えば伝達可能なトルクに関するジョイント1の適用範囲を大きくすることができる。
内側ジョイント部分7は、シャフト43に接続するためのスプライン42を、中心体9に有する。トリポード型ジョイント1は、例えばディファレンシャルギアと各駆動ホイールとの間の各シャフト43を接続するために、自動車41(ここのみに示す)で使用可能であり、特に、自動車41の、駆動接続(即ち各ホイールと駆動ユニットとの接続)等の役割を果たすサイドシャフトでの使用があげられる。
図2は、偏向角24が20°で偏向したトリポード型ジョイント1の幾つかの角度位置を示す図である。図1の解説を参照されたい。
ここでは、水平軸に沿って、図3及び図4に示すジョイント1の断面の角度位置を示す。第1曲線44は、第1長手方向軸3に対する又はそれぞれの凹部6の中心線に対する、内輪13の位置を示す。第2曲線45は、第1長手方向軸3に対するトラニオン10の位置を示す。
図3は、トラクションモードにおいて図2の異なる位置にある、20°だけ偏向したトリポード型ジョイント1(又はトラニオン10及び回転体12)を示す。図4は、プッシュモードにおいて図2の異なる位置にある、図3における偏向したトリポード型ジョイント1を示す。図3及び図4のa)は位置0°又は360°、b)は位置90°、c)は位置180°、ならびに、d)は位置270°にあるトリポード型ジョイント1を示す。以下で、図3及び図4を共に説明する。図1及び図2の解説を参照されたい。
惰走モード(プッシュモード及びセールモード)では、内輪15の変位を第1止め17によって制限することができる(図4b)及び図4d)参照)。
トラクションモードでは、内輪15の変位を第2止め19によって制御することができる(図3b)及び図3d)参照)。
図5は、図2における図を示す。図6は、トラクションモードにおいて0°位置にある、20°だけ偏向したトリポード型ジョイント1を示す。図7は、トラクションモードにおいて90°位置にある、図6における偏向したトリポード型ジョイント1を示す。図8は、トラクションモードにおいて180°位置にある、図7における偏向したトリポード型ジョイント1を示す。図9は、トラクションモードにおいて270°位置にある、図8における偏向したトリポード型ジョイント1を示す。従って、図5~図9は、図2~図4に概略的にのみ示したトリポード型ジョイント1の異なる位置を、概略的に示していないトリポード型ジョイント1を用いて示したものである。以下で、図5~図9を共に説明する。図2~図4の解説を参照されたい。
トラクションモード中において、内輪15の変位は第2止め19によって制御することができる(図7及び図9を参照し、図3b)及び図3d)と比較すること)。回転軸14に沿った、第2長手方向軸8から離れる向きへの内輪15の変位が顕著である。しかし、内輪と第1止め17との接触はない。この接触は、プッシュモードにおいてのみ発生する。
図10は、図1による断面33の細部図を示す。図11は、トリポード型ジョイント1の第2設計変形例の(第1)断面33の細部図を示す。以下で、図10及び図11を共に説明する。図1の解説を参照されたい。
図10において、第1止め17は、回転軸14に沿って、支承体16の、第2長手方向軸8から離れる方を向く第2の側21に配置されている。第1止め17は、外輪13の突起によって形成されており、この突起は、径方向に沿って回転軸14に向かって延在しており、これにより少なくとも部分的に内輪15を越えて延在している。
図11では、第1止め17は、内輪15の突起によって形成されており、外輪13は、内輪15が変位経路L 18を進み切ってしまうと、この突起に当接する。従って、内輪15は、この方向に沿って、即ち回転軸14に沿って、第2長手方向軸8から離れる向きに、止め面同士が接触するところまでしか変位することができない。特に意図された動作において、回転軸14に沿った逆向きの方向、即ち第2長手方向軸8に向かう向きへは、内輪15は、無限に変位する(又は第2止め19のみによって制限する)ことができる。
図11において、第1止め17は、回転軸14に沿って、支承体16の、第2長手方向軸8の方を向く第1の側20に配置されている。この第1止めは、内輪15の突起によって形成されており、この突起は、径方向に沿って回転軸14から離れる向きへ外方に延在しており、これにより少なくとも部分的に外輪15を越えて延在している。
図12は、トリポード型ジョイント1のトラニオン10の変位経路ROM 22の図を示しており、非偏向位置(左図)と最大限に偏向した位置(右図、ここでは90°位置にある)との間の変位経路ROM 22を示している。
トリポード型ジョイント1で可能となる変位経路L 18には、
L>0.7×ROM
が適用され、変位経路ROM 22には、
ROM=0.5×PCR1×(1-cos(betamax))
が適用され、ここで、
・ROMは、PCR1 23を起点とする、回転軸14に沿った、第2長手方向軸8から離れる向きへのトラニオン10の変位経路ROM 22であり、
・PCR1は、内側ジョイント部分7のピッチ円半径PCR1 23であり、
・betamaxは、トリポード型ジョイント1の最大偏向角24である。
ROM又は「径方向外方へのトリポードペグの移動」(即ち、径方向外方への、第1長手方向軸3に対するトラニオン10の移動)とは、第1状態と第2状態との間における内側ジョイント部分7のPCR1 23(ピッチ円半径)の移動を指し、第1状態は長手方向軸3、8が互いに同軸に配置されている状態(左図参照)であり、第2状態は長手方向軸3、8が互いから最大限に偏向した状態(最大偏向角24が存在している状態、右図参照)である。内輪15は、第2止め19を介して接触されており、トラニオン10とともに変位する。外輪13に対する内輪15の変位は、(可能な)変位経路L 18だけ実現可能であるべきであり、つまり、トラニオン10が最大限に(即ちROM 22だけ)変位しているときは、内輪15は外輪13による第1止め17をなしているか又は内輪15は第1止め17接触しているだけにするべきである。図12において、可能な変位経路L 18が示されており、変位経路ROM 22よりもここでは大きい。右図に、内輪15と第1止め17との間にまだ遊びがあることが分かる。この遊びはL 18とROM 22との間の差異を表す。
可能な変位経路L 18がROMよりも小さい場合、トラニオン10の変位経路ROM 22は、凹部における回転体12の遊びにより補償してもよい。その際、特に、可能な変位経路L 18により、ジョイント1の動作中において変位経路ROM 22が全て発生可能になるべきであり、そうすれば、これによって、偏向角24が非常に大きい場合(このことは例えばジョイント1の組立て中にのみ発生する)、変位経路ROM 22は、回転体12と凹部6との間にある遊びにより補償される。
図13は、トリポード型ジョイント1の第3設計変形例の(第1)断面33の細部図を示す。図1及び図10の解説を参照されたい。
内輪15は、トラニオン10に対する第3止め28をなしており、第3止めは、トラニオン軸11に沿った、第2長手方向軸8から離れる向きへの、内輪15の変位を制限する。意図された動作以外でのみ、且つ、トラニオン10から内輪15を取り外そうとする場合にのみ、内輪15とトラニオン10とは、第3止め28を介して互いに接触する。
よって、ジョイント1の意図された動作中においては、内輪15とトラニオン10とは、第3止め28を介してではなく、第2止め19を介してのみ互いに接触する。第3止め28により、トラニオン10に対する内輪15の、遠くへ到達する変位が可能になり、これにより、内側ジョイント部分7は外側ジョイント部分2内に配置されつつも、内輪15とトラニオン10とは第3止め28を介して互いに接触することが全くできなくなる。よって、第3止め28は、内輪15用の又は回転体12用の分解保護具としてのみ機能し、これにより、少なくとも内輪15は、第3止め28によりトラニオン10上で保持することができる。
第3止め28は、内輪15の突起によって実現され、この突起は、内輪15から又は内輪15の内周面から回転軸14に向かって延在する。そうでない場合は、内周面は、第2止め19までの円筒形である。
トラニオン軸11に対する枢動状態において(内輪15の組立て中など意図しない動作中において)のみ、第3止め28によって、内輪15をトラニオン10に押圧することができる。この枢動状態は、トラニオン軸11と回転軸14との間に、5~20°の最小角度29(ここにのみ示す)を有する。
逆に、これにより、(意図しない動作において、即ち、例えば内輪15の分解時に)トラニオン軸11と回転軸14との間の最小角度29が例えば5°未満である場合にのみ、内輪15をトラニオン10で保持することができる。
トルクの伝達中(即ち意図された動作中)において、第3止め28はトラニオン10に接触しないので、これにより、第3止め28は相応に小さい寸法で設計可能である。特に、小さい寸法設定であることにより、内輪15をトラニオン10に配置するのに、トラニオン軸11と回転軸14との間には最小角度29さえあればよい。小さい角度29であることにより、組立て中に内輪15が入り込むことができる、トラニオン10と中心体9との間の移行エリア(第1壁厚35)をわずかに狭くすることが可能になる。この移行エリア(第1壁厚35)は、公知のジョイント1におけるものよりも厚いが、例えば伝達可能なトルクに関するジョイント1の適用範囲を大きくすることができる。
第3止め29の設計に関しても、ジョイント1は、冒頭に記載した、提案するジョイント1の定義に対応する。この定義によれば、意図された動作中において、トラニオン軸11に沿った、第2長手方向軸8から離れる向きへのトラニオン10に対する内輪15の変位は、制限されておらず、即ち、第1止め17のみによって制限される。回転体12がトラニオン10から取り外されるとき、即ち、ジョイント1の意図しない動作においてのみ、第3止め28が係合する。
図14は、トリポード型ジョイント1の第4設計変形例の(第1)断面33の細部図を示す。図1及び図10の解説を参照されたい。
第1止め17は、外輪13に配置された止め輪31により形成されている。止め輪31は、いわゆるスナップリングの形態に設計されている。止め輪は、外輪13の周溝に配置されており、内輪が回転軸14に沿って第2長手方向軸8から離れる向きへ充分遠くに変位すると、内輪15に接触するように溝から突出する。
止め輪31又は止め輪に必要な溝は、さらなる構造空間を必要とするので、回転体12はより大きくなければならないことがある。しかし、外輪13に突起を形成する代わりに止め輪が設けられる場合、外輪13はより経済的に製造することができる。
図15は、トリポード型ジョイント1の第5設計変形例の(第1)断面33の細部図を示す。図14の解説を参照されたい。
ここでは、外輪13にある、各支承体16用の設置スペース32が、外輪13に配置されている止め輪31によって制限される。止め輪は、外輪13の周溝に配置されており、内輪が回転軸14に沿って第2長手方向軸8から離れる向きへ充分遠くに変位すると、内輪15に接触するように溝から突出する。
前述したように、意図された動作中において、トリポード型ジョイント1の少なくとも個々の配置においては、各支承体16の周面26が、長さ部分25の一部のみにわたって、外輪13及び内輪15それぞれの接触面27に、この場合は内輪15の接触面27に、接触することも可能である。しかしながら、各支承体16の周面26の長さ部分25の一部のみが接触しない。長さ部分25のこの接触しない部分は、各支承体16の、第2長手方向軸8から離れる方を向く第2の側21に直接隣接するところにのみ配置される。ここで、接触しない長さ部分25は、接触可能な周面26の長さ部分25の大きくても10%である。
この実施形態は、例えば、第5設計変形例において、第1止め17を形成するのに止め輪31が使用される場合に選択されるものであり、止め輪はこの場合も各支承体16用の設置スペース32を制限する。
図16は、トリポード型ジョイント1の第6設計変形例の(第1)断面33の細部図を示す。図14及び図15の解説を参照されたい。
ここでは、外輪13にある、各支承体16用の設置スペース32が、外輪13に配置されている止め輪31によって制限される。止め輪は、外輪13上の周溝に配置されており、内輪が第2長手方向軸8に向かって変位すると、各支承体16は留め置かれるが止め輪は内輪15に接触しないような程度にのみ、止め輪は溝から突出する。
設置スペース32は、各支承体16の両側20、21において、即ち、第2長手方向軸8の方を向く第1の側20と、第2長手方向軸8から離れる方を向く第2の側21とにおいて、各々1つの止め輪31により(即ち、例えば図14及び図16、或いは、図15及び図16を組み合わせることにより)制限されることが可能である。ただしこのことは図示しない。
止め輪31は、各支承体の、第2長手方向軸8を向く第1の側20において、外輪13の溝に配置されているが、止め輪31は、回転軸14に向かって少なくとも部分的に内輪15を越えて延在していることにより、回転体12用の分解防止装置を実現することも可能である(その際、内輪15を外輪13から引き出すことはもうできない)。止め輪31は、設置スペース32を直接制限することができるか、又は、設置スペース32から距離をおいて配置されることができる。
さらに、各支承体の、第2長手方向軸8の方を向く第1の側20において、外輪13の溝に配置されている止め輪31が、回転軸14に向かって少なくとも部分的に内輪15を越えて延在すること、且つ、内輪15の突起により第3止め28が実現されることが可能である(図13参照)。この場合、回転体12用の分解保護具が、一方では、外輪13及び内輪15に関して実現され(内輪15を外輪13から引き出すことがもうできない)、他方では、トラニオン10に関して実現される(少なくとも回転軸14とトラニオン軸11とが同軸に配置されているときは、内輪12はトラニオン10から引き出すことはできない)。
図17は、図1における、第1の特徴を備えた細部図を示す。図1の解説を参照されたい。
外輪13は、回転軸14を含む第2断面38において最大直径d 39を有し、外輪13の外周面は半径r 40により形成されており、
0.5<2×r/d<1.5
が適用される。
2×r=dである場合、外周面は球形である。
例えば、回転体12の外輪13がその外周面に球形の外側輪郭を有する場合、中心体8の周方向34において、外輪13を、外側ジョイント部分2の凹部6の中心軸の周りで枢動又は旋回させることができる。この場合、外側ジョイント部分2の凹部6は相応に成形されており、これにより、回転体12は、外側ジョイント部分2の周方向34において固定されておらず、凹部6の経路の中心軸に関して両側で、生じる軌道運動に応じて特に0~5°の範囲内で枢動可能となっている。この枢動は、軌道運動又は軌道角度46と称される。経路の中心軸は、外側ジョイント部分2の各凹部6の軸であり、外側ジョイント部分2の軸力の結果として、回転体12はこの軸に沿って運動することができる。
この場合、トラニオン10と内輪13との間でも、軌道運動の角度補償を少なくとも部分的に行うことができる。このようにするために、トラニオン10の周面は、凸状に湾曲している。この表面が凸形状であることは、球台、樽形切片、ドーナツ形切片に従って、表面が設計されること、又は、例えば円筒軸が第2長手方向軸8と平行な円筒形切片に従って、表面が設計されることを意味する。
図18は、図1における、第2の特徴を備えた細部図を示す。図1の解説を参照されたい。
ここでは、内側ジョイント部分7のPCR1 23が外側ジョイント部分2のPCR2 37よりも小さく、PCR 23、37がピッチ円半径であることが示される。
図19は、非偏向位置と最大限に偏向した位置との間の、トリポード型ジョイント1のトラニオン10の変位RIM 30(右図)及びROM 22(左図)の図を示す。中央の図は、総変位、即ちRIM 30とROM 22との合計を示す。図2~図9及び図12の解説を参照されたい。
変位経路ROM 22は、第1状態と第2状態との間における内側ジョイント部分7のPCR1 23(ピッチ円半径)の変位を示しており、第1状態は長手方向軸3、8が互いに同軸に配置されている状態であり、第2状態は長手方向軸3、8が互いから最大限に偏向した状態(最大偏向角24が存在している)である。図19の中央の図に、これらの2つの状態を示す。内輪15は、第2止め19を介して接触されており、トラニオン10とともに変位する。意図された動作中において、外輪13に対する内輪15の変位は、(可能な)変位経路L 18だけ実現可能であるべきであり、つまり、トラニオン10が最大限に(即ちROM 22だけ)変位しているときは、内輪15は外輪13による第1止め17をなしているか又は内輪15は第1止め17接触しているだけにするべきである。
内輪13に対するトラニオン10の(可能な)変位は、第1止め17によって制限され、該当する場合は第3止め28によっても制限され、この(可能な)変位は少なくともRIM+ROMに対応し、即ち、以下が適用される。
変位≧RIM+ROM
ここで、RIM及びROMには、
RIM=1.5×PCR1×(1-cos(betamax))
且つ、
ROM=0.5×PCR1×(1-cos(betamax))
が適用され、
RIMは、PCR1 23を起点とする、回転軸14に沿った、第2長手方向軸8に向かう向きへのトラニオン10の変位経路RIM 30であり(右図参照)、
ROMは、PCR1 23を起点とする、回転軸13に沿った、第2長手方向軸8から離れる向きへのトラニオンの変位経路ROM 22であり(左図参照)、
PCR1は、内側ジョイント部分7のピッチ円半径PCR1 23であり、
betamaxは、トリポード型ジョイント1の最大偏向角24である。
従って、第3止め28は、上の条件が満足されるように配置されており、即ち、止め17、28間での(可能な)変位がRIM 30とROM 22との合計以上になるように配置されている。
RIM又は「径方向内方へのトリポードペグの移動」(即ち、径方向内方への、トラニオン10の変位)とは、第1状態と第2状態との間における内側ジョイント部分7のPCR1 23(ピッチ円半径)の変位を指し、第1状態は長手方向軸3、8が互いに同軸に配置されている状態であり、第2状態は長手方向軸3、8が互いから最大限に偏向した状態(最大偏向角24が存在している状態)である。トラニオン10は、内輪15の接触面に沿って摺動し、この接触面は、特に円筒形である。内輪15に対するトラニオン10のこの変位RIM 30が実現可能であるべきであり、即ち、内輪15は、トラニオン10に対する第3止め28を(まだ)なすべきではない。
図20は第1グラフ図を示す。図21は第2グラフ図を示す。図22は第3グラフ図を示す。図23は第4グラフ図を示す。以下で、これらのグラフ図を共に説明する。
水平軸上には、トリポード型ジョイント1の偏向角24をプロットする。垂直軸上には、トリポード型ジョイント1で働く軸力47をプロットする。
とりわけ、トリポード型ジョイント1の特性は、いわゆるACFG値(周期的軸力生成(Axial Cyclic Force Generation)、ジョイントにより生成される不用な軸力47)によって決まる。この値は、力の二乗平均平方根値として与えられ、単位はニュートン二乗平均平方根[Nrms]である。値はジョイント1の偏向角24の関数として変動し、偏向角24の関数としての値の変動を、ジョイントごとに規定又は決定することができる。ジョイント1が使用される範囲は、このように、最大偏向角24により限定される。この最大偏向角24では、ACFG値は、許容可能であると見なされる程度の量を上回らない。このACFG値を、グラフ図の垂直軸上に、単位ニュートン二乗平均平方根[Nrms]でプロットする。
各グラフ図は、別様に偏向したトリポード型ジョイント1における軸力47の、異なるオーダーの各曲線を示す。左上の各曲線は、異なるオーダーの軸力47のそれぞれの合計を示す。
第1グラフ図及び第2グラフ図は、公知のAARiトリポード型ジョイント1の軸力47の曲線を示す。軸力47が、7.5°超、及び15°超の、高めの偏向角24でそれぞれ急激に増加することが分かる。
第3グラフ図及び第4グラフ図は、前述のトリポード型ジョイント1の軸力47の曲線を示す。軸力47が、高めの偏向角24でも比較的低いままであることが分かる。。
第1グラフ図及び第3グラフ図は、トラクションモードにおけるトリポード型ジョイント1を示す。
第2グラフ図及び第4グラフ図は、プッシュモードにおけるトリポード型ジョイント1を示す。
従って、提案するトリポード型ジョイント1はACFG力及び軸力47を低減することを達成することが分かる。同時に、それぞれのトラニオン10上に回転体12を取り付けできることが確実になる(内輪15に第3止め28の形態の突起はないか又は僅かな突起しかない)。さらに、既存の止め17、19、28は、公知のジョイント1よりも有利に設計されている。加えて、トリポード型ジョイント1は、第1壁厚35が大きめであることに起因して、より耐久性があるように設計されている。
図24は、トリポード型ジョイント1の第7設計変形例の断面の細部図を示す。図25は、図24における、第1止め17を形成する止め輪31の側面図を示す。図26は、図25における止め輪31を上面図において示す。以下で、図24~図26を共に説明する。図14~図16の解説を参照されたい。
ここでは、外輪13にある、各支承体16用の設置スペース32が、外輪13に配置されている止め輪31によって制限される。止め輪31は、外輪13上の周溝に配置されており、内輪が回転軸14に沿って第2長手方向軸8から離れる向きへ外方に充分遠くに変位すると、内輪15に接触するように溝から突出する。
設置スペース32は、各支承体16の両側20、21において、即ち、第2長手方向軸8の方を向く第1の側20と、第2長手方向軸8から離れる方を向く第2の側21とにおいて、それぞれの止め輪31によって決められる。
第1止め17用の止め輪31は、図示された断面において階段状の形状を有しており、これにより、止め輪31の、内輪15に作用する第1止めは、回転軸14に沿って(外方に、即ち長手方向軸3、8から離れる方に)、外輪13の溝からずれて配置されているか、又は、止め輪31によって各支承体16に対して作用する第4止め50から、ずれて配置されている。階段状の形状は、互いに直角に延在している部分(図24参照)又は互いに角度をなして延在している部分(図28参照)を有してもよい。止め輪31には溝が付いており、これにより、外輪13の溝に装着するように弾性的に変形可能である。
第2止め19は、内輪15上の溝に配置されている(異なる)止め輪31によって形成される。第2止め19に用いられる止め輪31は、円い断面を有する。
第2止め19用に止め輪31が使用される場合、内輪15には円筒形状の内周面を設けることができ、その場合、止め輪31を収容するための溝がこの内周面に設けられる。
図27は、トリポード型ジョイント1の第8設計変形例の断面の細部図を示す。図1~図26、特に図14~図19の解説を参照されたい。
ここでは、外輪13にある、各支承体16用の設置スペース32が、外輪13に配置されている止め輪31によって制限される。止め輪31は、外輪13上の周溝に配置されており、内輪が回転軸14に沿って第2長手方向軸8から離れる向きへ充分遠くに変位すると、内輪15に接触するように溝から突出する。
内輪15はその外周面上にある輪郭を有し、これにより、内輪15を回転軸14に沿って長手方向軸3、8から離れる向きへさらに動かすことができる。
この場合、内輪15は、第2長手方向軸8に対して交差方向に走る第1断面33において、図示するように(ある輪郭として)階段状の形状を有している。これにより、内輪15の、各支承体16と相互作用する接触面48が、回転軸14に沿って外方を向く内輪15の端面49に対して、回転軸14に沿って内方へ(即ち長手方向軸3、8に向かって)ずれて配置されている。内輪15の端面49は、内輪15の、最も外方の(回転軸14に沿って外方への、即ち、長手方向軸3、8から離れる方への)表面である。
図28は、トリポード型ジョイント1の第9設計変形例の断面の細部図を示す。図24及び図27の解説を参照されたい。
ここでは、外輪13にある、各支承体16用の設置スペース32が、外輪13に配置されている止め輪31によって制限される。止め輪31は、外輪13上の周溝に配置されており、内輪が回転軸14に沿って第2長手方向軸8から離れる向きへ充分遠くに変位すると、内輪15に接触するように溝から突出する。
止め輪31は、断面において階段状の形状を有しており、これにより、止め輪31の、内輪15に作用する第1止め17は、回転軸14に沿って(外方に、即ち長手方向軸3、8から離れる方に)、外輪24の溝からずれて配置されているか、又は、止め輪31によって各支承体16に対して作用する第4止め50から、ずれて配置されている。
階段状の形状は傾斜部分を有する。止め輪31の傾斜部分は、内輪15の(略)平行な表面と相互作用するものであり、第1止め17をなしている。
図29は、トリポード型ジョイント1の第10設計変形例の断面の細部図を示す。図24及び図28の解説を参照されたい。
ここでは、外輪13にある、各支承体16用の設置スペース32が、外輪13に配置されている止め輪31によって制限される。止め輪31は、外輪13上の周溝に配置されており、内輪が回転軸14に沿って第2長手方向軸8から離れる向きへ充分遠くに変位すると、内輪15に接触するように溝から突出する。
図28による第8設計変形例とは対照的に、内輪15は円筒形状の外周面を有する(即ち、輪郭はその形状を逸脱しない)。
1 トリポード型ジョイント
2 外側ジョイント部分
3 第1長手方向軸
4 空洞
5 端部
6 凹部
7 内側ジョイント部分
8 第2長手方向軸
9 中心体
10 トラニオン
11 トラニオン軸
12 回転体
13 外輪
14 回転軸
15 内輪
16 支承体
17 第1止め
18 変位経路L
19 第2止め
20 第1の側
21 第2の側
22 変位経路ROM
23 ピッチ円半径PCR1
24 偏向角betamax
25 長さ
26 周面
27 接触面
28 第3止め
29 最小角度
30 変位経路RIM
31 止め輪
32 設置スペース
33 第1断面
34 周方向
35 第1壁厚
36 第2壁厚
37 ピッチ円半径PCR2
38 第2断面
39 最大直径d
40 半径r
41 自動車
42 スプライン
43 シャフト
44 第1曲線
45 第2曲線
46 軌道角度
47 軸力(ACFG)
48 接触面
49 端面
50 第4止め

Claims (15)

  1. トリポード型ジョイント(1)であって、
    外側ジョイント部分(2)と、内側ジョイント部分(7)とを備えており、
    前記外側ジョイント部分(2)は、第1長手方向軸(3)と、前記第1長手方向軸(3)と平行に延在し且つ開口端(5)を有する空洞(4)とを有しており、
    前記第1長手方向軸(3)と平行に延在する3つの凹部(6)が該外側ジョイント部分(2)に形成されており、
    前記内側ジョイント部分(7)は、第2長手方向軸(8)を有し、
    前記内側ジョイント部分(7)は、中心体(9)を少なくとも1つ有し、前記中心体(9)上に、前記第2長手方向軸(8)から径方向に延在するトラニオン軸(11)を有する3つのトラニオン(10)が形成されており、
    前記各トラニオン(10)それぞれに回転体(12)が配置されており、
    前記回転体(12)は、共通の回転軸(14)の周りで回転可能な少なくとも1つの外輪(13)及び内輪(15)と、前記外輪(13)と前記内輪(15)との間に配置された支承体(16)とを有し、
    前記回転体(12)はそれぞれ、前記凹部(6)に運動可能に収容されており、前記第1長手方向軸(3)に沿って動くことができ、
    前記トリポード型ジョイント(1)の意図された動作において、前記内輪(15)及び前記外輪(13)の一方は、前記支承体(16)とともに、前記内輪(15)及び前記外輪(13)の他方に対して、前記回転軸(14)に沿って変位可能であり、
    前記外輪(13)は、前記内輪(15)に対する第1止め(17)をなしており、
    前記第1止め(17)は、前記回転軸(14)に沿った、前記第2長手方向軸(8)から離れる向きへの、前記外輪(13)に対する前記内輪(15)の変位経路L(18)を制限し、
    少なくとも、前記回転軸(14)と前記トラニオン軸(11)とが同軸に配置されているとき、前記内輪(15)は、前記トラニオン(10)に対する第2止め(19)をなしており、
    前記第2止めは、前記トラニオン軸(11)に沿った、前記第2長手方向軸(8)に向かう向きへの、前記内輪(15)の変位を制限し、
    前記意図された動作において、前記トラニオン軸(11)に沿った、前記第2長手方向軸(8)から離れる向きへの、前記トラニオン(10)に対する前記内輪(15)の変位は、制限されておらず、つまり、前記第1止め(17)のみにより制限される、
    トリポード型ジョイント。
  2. 請求項1に記載のトリポード型ジョイント(1)であって、
    前記第1止め(17)は、前記回転軸(14)に沿って、
    前記支承体(16)の、前記第2長手方向軸(8)の方を向く第1の側(20)に配置されているか、又は、
    前記支承体(16)の、前記第2長手方向軸(8)から離れる方を向く第2の側(21)に配置されている、
    トリポード型ジョイント。
  3. 請求項1又は2に記載のトリポード型ジョイント(1)であって、
    前記変位経路L(18)には、
    L>0.7×ROM
    が適用され、
    前記ROM(22)には、
    ROM=0.5×PCR1×(1-cos(betamax))
    が適用され、
    前記ROMは、前記PCR1(23)を起点とする、前記回転軸(14)に沿った、前記第2長手方向軸(8)から離れる向きへの前記トラニオン(10)の前記変位経路ROM(22)であり、
    前記PCR1(23)は、前記内側ジョイント部分(7)のピッチ円半径PCR1(23)であり、
    前記betamaxは、前記トリポード型ジョイント(1)の最大偏向角(24)である、
    トリポード型ジョイント。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のトリポード型ジョイント(1)であって、
    前記内輪(15)は、前記トラニオン(10)に対する第3止め(28)をなしており、
    前記第3止めは、前記トラニオン軸(11)に沿った、前記第2長手方向軸(8)から離れる向きへの、前記内輪(15)の変位を制限し、
    前記意図された動作以外でのみ、且つ、前記トラニオン(10)から前記内輪(15)を取り外そうとする場合にのみ、
    前記内輪(15)と前記トラニオン(10)とは、前記第3止め(28)を介して互いに接触する、
    トリポード型ジョイント。
  5. 請求項4に記載のトリポード型ジョイント(1)であって、
    前記内輪(15)は、前記トラニオン軸(11)に対する枢動状態においてのみ、前記第3止め(28)によって、前記トラニオン(10)に押圧されることができ、
    前記枢動状態は、前記トラニオン軸(11)と前記回転軸(14)との間に、5~20°の最小角度(29)を有する、
    トリポード型ジョイント。
  6. 請求項5及び6のいずれか1項に記載のトリポード型ジョイント(1)であって、
    前記内輪(15)に対する前記トラニオン(11)の変位は、前記第1止め(17)及び前記第3止め(28)によって制限され、
    前記変位は、少なくともRIM+ROMに等しく、
    RIM(30)及びROM(22)には、
    RIM=1.5×PCR1×(1-cos(betamax))、且つ、
    ROM=0.5×PCR1×(1-cos(betamax
    が適用され、
    前記RIMは、前記PCR1(23)を起点とする、前記回転軸(14)に沿った、前記第2長手方向軸(8)に向かう向きへの前記トラニオン(10)の変位移動RIM(30)であり、
    前記ROMは、PCR1(23)を起点とする、前記回転軸(14)に沿った、前記第2長手方向軸(8)から離れる向きへの前記トラニオン(10)の変位経路ROM(22)であり、
    前記PCR1(23)は、前記内側ジョイント部分(7)のピッチ円半径PCR1(23)であり、
    前記betamaxは、前記トリポード型ジョイント(1)の最大偏向角(24)である、
    トリポード型ジョイント。
  7. 請求項1~3のいずれか1項に記載のトリポード型ジョイント(1)であって、
    前記トラニオン軸(11)と前記回転軸(14)とが同軸に配置されているときは、前記意図される使用以外でも、
    前記トラニオン軸(11)に沿った、前記第2長手方向軸(8)から離れる向きへの前記内輪(15)の変位は、制限されない、
    トリポード型ジョイント。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のトリポード型ジョイント(1)であって、
    前記第1止め(17)は、
    前記外輪(13)そのものから形成されているか、又は、
    前記外輪(13)に配置されている止め輪(31)により形成されている、
    トリポード型ジョイント。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載のトリポード型ジョイント(1)であって、
    前記内輪(15)は、前記第2長手方向軸(8)に対して交差方向に延在している第1断面(33)において、階段状の形状を有し、
    これにより、前記内輪(15)の、前記各支承体(16)と協働する接触面(48)が、前記内輪(15)の端面(49)に対して、前記回転軸(14)に沿って内方へずれて配置される、
    トリポード型ジョイント。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載のトリポード型ジョイント(1)であって、
    前記外輪(13)にある、前記各支承体(16)用の設置スペース(32)は、前記外輪(13)に配置されている止め輪(31)によって制限される、
    トリポード型ジョイント。
  11. 請求項10に記載のトリポード型ジョイント(1)であって、
    前記止め輪(31)は、前記第2長手方向軸(8)に対して交差方向に延在している第1断面(33)において、階段状の形状を有し、
    これにより、前記止め輪(31)の、前記内輪(15)に作用する第4止め(50)は、前記止め輪(31)によって前記支承体(16)に向けて形成されている第5止め(51)から、前記回転軸(14)に沿って外方にずれて配置されている、
    トリポード型ジョイント。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載のトリポード型ジョイント(1)であって、
    前記内側ジョイント部分(7)のPCR1(23)と前記中心体(9)との間において且つ前記第2長手方向軸(8)に対して交差する方向で延在している第1断面(33)では、
    前記内側ジョイント部分(7)は、
    前記第2長手方向軸(8)の周りの周方向(34)に沿った最小の第1壁厚(35)と、
    前記PCR1(23)の半径上にある最大の第2壁厚(36)とを有し、
    第1壁厚/第2壁厚の比率が少なくとも0.7であり、
    前記PCR1(23)は、前記内側ジョイント部分(7)のピッチ円半径PCR1(23)である、
    トリポード型ジョイント。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載のトリポード型ジョイント(1)であって、
    前記内側ジョイント部分(7)のPCR1(23)は、前記外側ジョイント部分(2)のPCR2(37)よりも小さく、
    前記PCR(23、37)は、ピッチ円半径である、
    トリポード型ジョイント。
  14. 請求項1~13のいずれか1項に記載のトリポード型ジョイント(1)であって、
    前記外輪(13)は、前記回転軸(14)を含む第2断面(38)において最大直径d(39)を有し、
    前記外輪(13)の外周面(40)は、半径r(41)により形成されており、
    0.5<2×r/d<1.5である、
    トリポード型ジョイント。
  15. 請求項1~13のいずれか1項に記載のトリポード型ジョイント(1)を少なくとも1つ備えた自動車(42)。
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