JP2024057940A - イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子、膜電極接合体、及び燃料電池 - Google Patents

イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子、膜電極接合体、及び燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒の質量活性の耐久性に優れるイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子、及び、高温低湿でのIV特性の耐久性に優れる電極接合体等を提供する。【解決手段】イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1は、導電性担体2及び前記導電性担体2に担持された金属粒子3を含む触媒粒子と、金属粒子3の表面の一部を被覆するシリカ膜4と、金属粒子3の表面の残部の少なくとも一部に接するイオン液体5とを備える。導電性担体2はラマン分光法によるGバンドとDバンドのピーク強度比(G/D比)が1.6~2.2のカーボンから形成され、金属の量は導電性担体及び金属粒子の合計100質量部に対し60質量部以上70質量部以下であり、導電性担体2、金属粒子3、イオン液体5、及び、シリカの合計100質量部に対しシリカの量は6~13質量部であり、イオン液体5の量は10~20質量部である。【選択図】図1

Description

本発明は、イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子、該イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子を含んで構成される膜電極接合体、及び該膜電極接合体を備えてなる燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池として、イオン交換樹脂から形成される電解質層と、燃料が供給される燃料側電極(アノード)と、酸素が供給される酸素側電極(カソード)とを備える燃料電池が知られている。
このような燃料電池では、アノードに燃料が供給されるとともに、カソードに空気が供給されることによって、起電力が発生して発電される。
カソード触媒として、例えば、カーボンに白金粒子が担持された白金担持カーボン触媒が提案されているが、この白金担持カーボン触媒は耐久性に課題がある。具体的には、カーボンに担持された白金粒子が、電解質層中に溶出することにより、燃料電池の性能低下を招いてしまうという課題がある。
特許文献1では、導電性担体と、導電性担体上に配接された金属粒子とを、多孔性無機材料で包接する(被覆する)ことにより、金属粒子の溶出を防ぎ、燃料電池の性能低下を抑制することが可能な電極材料が報告されている。
しかしながら、特許文献1に記載の電極材料は、金属粒子の溶出抑制に効果があるものの、多孔性無機材料が金属粒子の表面を覆うため、金属粒子とアイオノマーとの接触が悪くなる(低減する)。その結果、特許文献1に記載の電極材料は抵抗が増大し、IV曲線における電圧が低下する問題があった。
また、非特許文献1では、シリカで被覆された触媒を用いた膜電極接合体は、低湿(20%RH)下で、未処理の触媒を用いた膜電極接合体に比べて発電性能が優れていることが示されている。このことは、シリカによる水分保持のためと思われる。
非特許文献2では、Pt粒子と水との反応を抑制するために、触媒粒子のまわりに、水との親和性が低い液体であるイオン液体をコートすることで、酸素還元活性が向上することを報告している。
しかしながら、高い黒鉛化度のカーボン担体を用いた触媒に、イオン液体をコートした場合、イオン液体は安定に保持されず、耐久試験下で、イオン液体が流出し、耐久試験後の発電性能は大きく低下する。
本発明者は、低湿下での発電特性に優れるシリカで被覆された触媒粒子(金属粒子及び導電性担体)に、高温(80℃~120℃)でも化学的に安定なイオン液体を含侵させることで、未処理の触媒に比べ、低湿・高温下での発電特性が向上するとともに、耐久試験後も高い発電性能が得られることを見出した。
特開2008-4541号公報
INTERNATIONAL JOURNAL OF HYDROGEN ENERGY,2020,45,1867-1877 ACS Catalysis,2018,8,8244-8254.
本発明は、上記のような点に着目し、触媒の質量活性の耐久性に優れるイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子、及び、高温低湿でのIV特性の耐久性に優れる燃料電池用膜電極接合体、及び燃料電池を提供することを目的とする。
[1] 導電性担体及び前記導電性担体に担持された金属粒子を含む触媒粒子と、
前記金属粒子の表面の一部を被覆するシリカ膜と、
前記金属粒子の表面の残部の少なくとも一部に接するイオン液体と、を備えるイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子であって、
前記導電性担体はラマン分光法によるGバンドとDバンドのピーク強度比(G/D比)が、1.6以上2.2以下のカーボンから形成され、
金属の量は、前記導電性担体及び金属粒子の合計100質量部に対し、60質量部以上70質量部以下であり、
シリカの量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、6質量部以上13質量部以下であり、
イオン液体の量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、10質量部以上20質量部以下である、イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子。
[2]高分子電解質膜、及び、電極触媒層を備えた膜電極接合体であって、
前記電極触媒層は、[1]に記載の前記イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子、及び、アイオノマーを含み
前記電極触媒層において、アイオノマー質量/(導電性担体、金属粒子、シリカ、及び、イオン液体の合計質量)が、0.17以上0.2以下である、膜電極接合体。
[3]前記電極触媒層において、(アイオノマー質量/(導電性担体、金属粒子、シリカ、及び、イオン液体の合計質量))×(イオン液体質量/シリカ質量)が、0.2以上0.4以下である、[2]に記載の膜電極接合体。
[4]前記電極触媒層は、繊維状物質をさらに含む、請求項2または3に記載の膜電極接合体。
[5] [3]又は[4]に記載の膜電極接合体を含む、燃料電池。
本発明の一態様によれば、質量活性の耐久性に優れたイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子、及び、高温低湿でのIV特性の耐久性に優れる燃料電池用膜電極接合体、及び燃料電池を提供することができる。
本発明の実施形態に係るイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子の構成を模式的に示す説明図であって、(a)はイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子の全体を模式的に示す説明図であり、(b)及び(c)はその要部の断面を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子の全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係るイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子の構成を模式的に示す説明図であって、図1(a)はイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子の全体を模式的に示す説明図であって、図1(b)及び(c)はイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子の要部の断面を拡大して模式的に示す説明図である。
図1(a)に示すように、本実施形態に係るイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1は、導電性担体2と、導電性担体2に担持された複数の金属粒子3とを含む触媒粒子20を備える。図1(b)に示すように、金属粒子3の表面の一部は、シリカ膜4によって被覆されている。また、金属粒子3の表面の残部の少なくとも一部は、イオン液体5とも接している。つまり、金属粒子3の表面の一部は、シリカ膜4によって被覆されており、且つ金属粒子3の表面の残部の少なくとも一部は、シリカ膜4に被覆されることなくイオン液体5に覆われている。上述の各構成について、以下詳しく説明する。
(導電性担体)
導電性担体2は、ラマン分光法によるGバンドとDバンドのピーク強度比(G/D比)が1.6以上のカーボン製である。また、導電性担体2は、上述のピーク強度比(G/D比)が1.8以上のカーボンであれば好ましい。なお、本実施形態では、ラマン分光法で用いるレーザー光の波長を532nmとした。なお、本実施形態におけるラマン分光法によるGバンドとは、1580cm-1付近に位置するラマンピークを意味する。また、ラマン分光法によるDバンドとは、1360cm-1付近に位置するラマンピークを意味する。
上述のピーク強度比(G/D比)が1.6以上のカーボンは、従来技術で用いられてきたカーボンに比べて高い結晶性を有しているため、触媒粒子の耐久性試験におけるカーボン担体の酸化消失を低減することができる。その結果、触媒粒子の耐久性を向上させることができる。
なお、上述のピーク強度比(G/D比)が1.6未満であると、その比表面積は大きくなるため、カーボン担体に担持可能な金属粒子(例えば、Pt粒子)の量は、ピーク強度比(G/D比)が1.6以上の場合に比べて増加するが、ピーク強度比(G/D比)が1.6以上の場合に比べてカーボン担体の結晶性は低下する(つまり、アモルファスカーボンとなる)。その結果、触媒粒子の耐久性は、上述のピーク強度比(G/D比)が1.6以上の場合に比べて低下する。
なお、本実施形態において、上述のピーク強度比(G/D比)の上限値は、2.2以下であり、2.0以下であれば好ましい。2.0以下であれば、十分にカーボン担体に金属粒子が担持可能である。
(金属粒子)
イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1に用いられる金属粒子3は、Pt、Rh、Pd、AuおよびIrのうち1つ以上の成分を含んでいれば好ましく、例えば、Pt単体やPtとCoの合金粒子、あるいはPdコアにPt粒子が被覆されたコアシェル粒子などを用いてもよい。
また、金属粒子3は、XRD法による結晶子サイズ(1,1,1)が10nm以下のPt粒子が好ましく、8nm以下のPt粒子がより好ましい。ここで、上記(1,1,1)は、ミラー指数を示す。結晶子サイズ(1,1,1)が10nm以下のPt粒子であれば、触媒活性が高く、高い電圧を得ることができる。また、結晶子サイズ(1,1,1)が3nm以上7nm以下のPt粒子であれば、高い触媒活性が確実に得られる。
本実施形態において、上述の結晶子サイズ(1,1,1)の下限値は特に制限されないが、3nm以上が好ましい。上述の結晶子サイズ(1,1,1)が3nm以上であれば、触媒活性が確実に得られる。
なお、結晶子サイズ(1,1,1)が8nm超のPt粒子であると、Pt粒子の表面積とPt粒子の質量との比(Pt粒子の表面積/Pt粒子の質量)が、結晶子サイズ(1,1,1)が8nm以下のPt粒子と比べて小さくなる。その結果、Pt粒子の触媒能とPt粒子の質量との比(Pt粒子の触媒能/Pt粒子の質量)が、結晶子サイズ(1,1,1)が8nm以下のPt粒子と比べて小さくなる。そのため、結晶子サイズ(1,1,1)が8nm超のPt粒子は、結晶子サイズ(1,1,1)が8nm以下のPt粒子と比べて、高いIV特性を得にくくなる。
触媒粒子中の金属の量(質量割合)は、前記導電性担体及び金属粒子の合計100質量部に対し、60質量部以上70質量部以下である。60質量部より少ないと、金属の目付(単位面積当たりの金属重量)に対し、触媒層が厚くなるため、酸素拡散がしにくくなる、70質量部より多いと、結晶子サイズ(1,1,1)が8nm以下のPt粒子などの微少な金属粒子を担持することが難しく、結晶子サイズが大きくなる。
なお、本明細書における定義について以下に追記する。
触媒粒子:導電性担体+金属粒子
金属(Pt)担持カーボン:カーボン+Pt(金属粒子)
イオン液体含侵触媒粒子:導電性担体+金属粒子+イオン液体
イオン液体含侵金属(Pt)担持カーボン:カーボン+金属粒子(Pt)+イオン液体
イオン液体含侵シリカ被覆触媒粒子:導電性担体+金属粒子+イオン液体+シリカ膜
イオン液体含侵シリカ被覆金属(Pt)担持カーボン:カーボン+金属粒子(Pt)+イオン液体+シリカ膜
(触媒粒子)
触媒粒子20は、導電性担体2と金属粒子3より構成される。
触媒粒子20は、BJH法によるメソポア領域の細孔容積が0.18cm/g以上であり、且つBJH法による細孔分布曲線のピークトップ細孔径が2.6nm以上2.8nm以下の範囲内である。メソポア領域の細孔容積が0.18cm3/g以上の触媒粒子であれば、イオン液体を含侵させやすくなる。
また、細孔分布曲線のピークトップ細孔径が2.6nm未満の触媒粒子であると、イオン液体5が導電性担体2内に含浸しにくくなる。そのため、酸素還元活性を十分に得ることができず、十分な電圧を得ることが困難となる。
また、細孔分布曲線のピークトップ細孔径が2.8nm超の導電性担体2であると、イオン液体5が導電性担体2内から流出し易くなる。そのため、酸素還元活性を十分に得ることができず、十分な電圧を得ることが困難となる。
なお、本実施形態において「メソポア領域の細孔容積」とは、窒素吸着BET多点法による測定結果をBJH解析し、2nmから100nmまでの細孔分布から得られる空孔総体積を意味する。また、本実施形態において「ピークトップ細孔径」とは、BJH解析で得られる細孔分布曲線の2nmから100nmの ピークにおける細孔径を意味する。
(シリカ膜)
シリカ膜4は、主に金属粒子3を被覆するものであり、導電性担体2及び金属粒子3を有する触媒粒子20の表面を完全に被覆するものではなく、導電性担体2の一部はシリカに被覆されずに露出している。そのため、導電性担体2の表面の一部を介して、触媒粒子における電子伝導の確保は可能である。また、図1(a)、(b)(c)に示すように、触媒粒子20は、導電性担体2の表面の一部及び金属粒子3の表面の一部がシリカ膜4によって被覆された形態をしている。このため、金属粒子3の溶出を抑制できる。
触媒粒子20では、導電性担体2に担持された複数個の金属粒子3のうち、その少なくとも一部がシリカ膜4によって被覆されていればよい。
シリカ膜4の材料は、シリカであれば特に限定はないが、テトラエトキシシランもしくはトリエトキシメチルシランのいずれかを加水分解、脱水縮合して得られたシリカが好ましい。シリカ膜4が、テトラエトキシシランもしくはトリエトキシメチルシランのいずれかを加水分解、脱水縮合して得られたシリカである場合には、シリカ膜4は、図1の(c)に示すように、シリカ膜同士が重なり合った積層構造となりやすいため、イオン液体5がシリカ膜4内により効果的に保持され、イオン液体5の流出を抑制しやすい。上述のシリカ膜の膜厚は、1nm以上100nm以下の範囲内が好ましく、10nm以上50nm以下の範囲内がより好ましく、20nm以上40nm以下の範囲内がさらに好ましい。シリカ膜の膜厚が1nm未満であると、その形成が困難となる。また、シリカ膜の膜厚が100nmを超えると、調液の際の分散行程で、せん断応力によって、シリカ膜が剥がれやすくなる。
ここで、テトラエトキシシランを材料とするシリカの組成は、Si(O1/2である。また、トリエトキシメチルシランを材料とするシリカの組成は、Si(O1/2Meである。シリカはポーラス(低結晶性シリカ)であることが好適である。
イオン液体含侵シリカ被覆触媒粒子に含まれるシリカ量は、XRFによるSi強度から検量線を用いて算出することができる。シリカ量は、イオン液体含侵シリカ被覆触媒粒子、すなわち、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計の全質量100質量部に対し、6質量部以上13質量部以下である。6質量部より少ないと、イオン液体を安定に保持することができず、耐久性が低下する。13質量部より多いと、金属粒子3への酸素拡散とプロトン伝導が低下し、触媒活性が低下する。
(イオン液体)
金属粒子3は、シリカ膜4に被覆されていない表面において、イオン液体5とも接している。そのため、シリカ膜4で金属粒子3を被覆したことによるイオン抵抗の増大を抑制できる。導電性担体2の表面もイオン液体5と接触している。
イオン液体5は、イミダゾリウム塩であることが好適である。イミダゾリウム塩とは、イミダゾール環構造を有するカチオンとカウンターアニオンとの塩である。カチオンの例は以下である。R及びR’は、独立に-CH、-C,-C,-C,-C13,-CH-CH=CHである。

カウンターアニオンの例は、Cl,Br、I,BF ,PF 、FSI((FSO),TFSI((CFSO)である。
中でも、イオン液体5は、1-アルキル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを含むことが好ましい。アルキル部位は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘプチル、へキシル、オクチル、ノニル、デシルなどが用いられる。アルキル部位としては、特に、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、が好ましい。つまり、イオン液体5は、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミド、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミド、1-ペンチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミド、から選択される少なくとも1つであることがより好ましい。
アルキル部位のアルキル鎖が長くなると、金属粒子表面の活性サイトが減少し、ECSAが低下する。
イオン液体5は、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドのみで構成されていてもよいが、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドに、他の1-アルキル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを含んだ構成であってもよい。イオン液体5として、複数の1-アルキル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを含む場合には、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドの含有率がイオン液体5全体の質量の50%以上であってよい。
イオン液体5は、イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1全体に吸着されている。
イオン液体5の量(イオン液体5の含浸量)は、導電性担体と金属粒子よりなる触媒粒子のメソ孔体積の50vol%以上100vol%以下の体積相当であってよい。より詳しくは、触媒粒子におけるイオン液体5の含有量は、触媒粒子のメソ孔体積の50vol%以上100vol%以下の範囲内であれば好ましく、70vol%以上95vol%以下の範囲内であればさらに好ましく、85vol%以上90vol%以下の範囲内であれば最も好ましい。触媒粒子おけるメソ孔体積は、例えば、低温窒素吸着法により求めることができる。本実施形態ではメソ孔体積(メソポア領域の細孔容積)として、2nmから100nmまでの空孔総体積を用いた。イオン液体5の含浸量が触媒粒子のメソ孔体積の50vol%より少ないと、イオン液体5による酸素還元活性について十分な効果が得られない場合がある。また、イオン液体5の含浸量が触媒粒子のメソ孔体積の100vol%あるいは90vol%より多いと、イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1にイオン液体5を安定に保持できず、イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1の製造工程や調液工程、イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1を用いた電極を組み込んだ燃料電池の発電中に、イオン液体5の一部が流れ出てしまうことがある。また、イオン液体5の含浸量が多いと、イオン液体層中から金属粒子表面への酸素透過がしにくくなり、抵抗が高くなり、IV性能が低下する場合がある。
イオン液体5の量(イオン液体5の含浸量)は、イオン液体含侵シリカ被覆触媒、すなわち導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計質量100質量部に対し、10質量部以上20質量部以下である。10質量部より少ないと、イオン液体による、シリカ膜4で金属粒子3を被覆したことによるイオン抵抗増大抑制効果があまり見られなくなる。20質量部より多いと、イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1にイオン液体5を安定に保持できず、イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1の製造工程や調液工程、イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1を用いた電極を組み込んだ燃料電池の発電中に、イオン液体5の一部が流れ出てしまうことがある。また、イオン液体5の含浸量が多いと、イオン液体層中から金属粒子表面への酸素透過しにくくなり、抵抗が高くなり、IV性能が低下する。
[イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子の製造方法]
上記のイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子は以下のようにして製造することができる。
まず、Ptなどの金属粒子が担持された導電性担体を用意する。導電性担体は高い黒鉛結晶性を有することが好適である。このような金属粒子担持導電性担体は市販されている。
次に、金属粒子が担持された導電性担体にイオン液体を含浸させる。具体的には、イオン液体の溶液を含浸させ、その後、溶媒を除去すればよい。溶媒の例はアセトニトリルである。これにより、導電性担体の表面及び内部、並びに、金属粒子の表面にイオン性液体が付着する。
続いて、イオン液体を含浸させた、金属粒子担持導電性担体をシリカで被覆する。被覆には、TEOSなどの原料を用いたゾルゲル法などを利用することができる。
本実施形態にかかる製造方法によれば、以下のようなメリットがある。
Ptなどの金属粒子が担持された導電性担体の表面はマイナスの電位を有しており、そのまま表面にゾルゲル法などでシリカを被膜することは困難である。したがって、従来の方法では、ゾルゲル法などでシリカ膜を形成する前に、金属粒子が担持された導電性担体の表面を界面活性剤で処理し、表面の電位をプラスとしてから、ゾルゲル法でシリカを被覆していた。しかしながら、その場合、シリカの被覆後に界面活性剤を酸化雰囲気下での加熱などにより除去する必要があった。この熱処理で、導電性担体の結晶性が低下し、得られる触媒粒子の特性は十分な物とは言えなかった。
これに対して、本実施形態の製法では、Ptなどの金属粒子が担持された導電性担体にイミダゾリウムカチオンなどのイオン液体を含浸/付着させた後に、ゾルゲル法などでシリカを被覆する。このようなイオン液体を含浸/付着させると、金属粒子が担持された導電性担体の表面電位がプラスになるためか、好適にシリカによる被覆が行える上に、シリカ被覆後に熱処理をする必要も無い。したがって、導電性担体の結晶性が高い触媒粒子を得ることができる。
<燃料電池用膜電極接合体>
本実施形態に係る燃料電池用膜電極接合体は、高分子電解質膜と、上述のイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1を含んだ触媒層(電極触媒層)を備える。本実施形態に係る燃料電池用膜電極接合体は、例えば、高分子電解質膜と、イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子を含み高分子電解質膜を上下から挟持する一対の触媒層とを備える。アノード側の触媒層は、上述のイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子を含んでいなくてもよく、カソード側の触媒層だけが上述のイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子を含んでいてもよい。
高分子電解質膜はプロトン伝導性を有する高分子材料により構成され、例えば、フッ素系電解質膜、炭化水素系高分子電解質膜を用いることができる。フッ素系高分子電解質膜として、例えば、デュポン社製Nafion(登録商標)、旭硝子(株)製Flemion(登録商標)、旭化成(株)製Aciplex(登録商標)、ゴア社製Gore Select(登録商標)等を用いることができる。また、炭化水素系高分子電解質膜としては、例えば、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等の電解質膜を用いることができる。高分子電解質膜の厚みは、例えば、0.05~0.25mmであることができる。
触媒層は、上記のイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子以外に、繊維状物質をさらに含んでいてもよい。繊維状物質としては、電子伝導性繊維状物質やイオン伝導性繊維状物質が挙げられ、特に、イオン伝導性繊維状物質であればより好ましい。
繊維状物質の例は、ポリベンズイミダゾールナノファイバーである。
触媒層における繊維状物質の含有量は、触媒層全体の質量100質量部に対し、0.1質量部以上45質量部以下の範囲内が好ましく、0.1質量部以上10質量部以下の範囲内がより好ましく、0.1質量部以上5質量部以下の範囲内がさらに好ましい。触媒層における繊維状物質の含有量が上記数値範囲内であれば、触媒層にさらに優れた電子伝導性やイオン電導性を付与し、触媒層の構造保持にも寄与することができる。
触媒層は、さらに、アイオノマー(高分子電解質)を含有することができる。触媒層内のアイオノマーは、高分子電解質膜のアイオノマーと同一種でもよく、異なっていてもよい。
本実施形態に係る触媒層に用いられるアイオノマー量は、アイオノマー質量のイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1の質量に対する比(アイオノマー質量/(導電性担体、金属粒子、シリカ、及び、イオン液体の合計質量))が、0.17以上0.2以下である。比が0.17より低いと、プロトン伝導が不十分で、抵抗が高くなり、IV性能が低下する。比が0.2より高いと、触媒層内の空孔が減少し、水の排出や酸素拡散が不十分になり、IV性能が低下する。
本実施形態に係る触媒層は、アイオノマー質量のイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1の質量に対する比(アイオノマー質量/(導電性担体、金属粒子、シリカ、及び、イオン液体の合計質量))と、イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1のイオン液体質量のシリカ質量に対する比(イオン液体質量/シリカ質量)との積が、0.2以上0.4以下であることが好適である。上述の範囲内であれば、アイオノマー量とイオン液体量、シリカ量のバランスが良く、耐久試験後でも、触媒層内や金属粒子表面へのプロトン伝導と酸素拡散が円滑に行われやすい。
<燃料電池>
本実施形態に係る燃料電池は、上述のイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1を含んで構成されている。本実施形態に係る燃料電池は、例えば、一対のガス拡散層を備え、それぞれのガス拡散層が上述の膜電極接合体の各触媒層と対向するように配置される。そして、それぞれのガス拡散層と触媒層とによって、カソード(正極)及びアノード(負極)が形成される。
(本実施形態の効果)
本実施形態に係るイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子は、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態に係るイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1において、
金属粒子の表面の一部はシリカ膜により被覆されており、金属粒子の表面の残部の少なくとも一部がイオン液体と接している。また、導電性担体は、ラマン分光法によるGバンドとDバンドのピーク強度比(G/D比)が、1.6以上2.2以下のカーボン製である。また、金属の量(質量割合)は、前記導電性担体及び金属粒子の合計100質量部に対し、60質量部以上70質量部以下であり、シリカの量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、6質量部以上13質量部以下であり、イオン液体の量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、10質量部以上20質量部以下である。
このような構成であれば、金属粒子に対し、被覆するシリカ量が適切であり、耐久性試験における金属粒子の溶出を抑制でき、耐久性が上がるとともに、イオン液体を含侵させることで、金属粒子表面へのプロトン伝導性を確保することができる。さらに、シリカによって、イオン液体の金属粒子表面への吸着を抑制することができる。
より詳しくは、金属粒子の少なくとも一部をシリカで被覆し、シリカで被覆した金属粒子へのプロトン移動を、イオン液体を介して行うことができるので、低湿・高温下での高い発電性能が得られるとともに、シリカによるイオン液体が安定に保持されて、耐久性に優れた燃料電池用カソード触媒、燃料電池用膜電極接合体、及び燃料電池を提供することができる。
また、このような構成であれば、シリカによって、イオン液体を安定に保持することができ、耐久試験後のIV性能の低下を抑制できる。
(2)本実施形態に係る触媒層は、イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子及びアイオノマーを含み、アイオノマー質量/(導電性担体、金属粒子、シリカ、及び、イオン液体の合計質量)が、0.17以上0.2以下である。
このような構成であれば、イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1の金属粒子へのプロトン伝導と酸素拡散が十分確保しやすい。
(3)本実施形態に係る触媒層は、(アイオノマー質量/(導電性担体、金属粒子、シリカ、及び、イオン液体の合計質量))×(イオン液体質量/シリカ質量)が、0.2以上0.4以下である。
このような構成であれば、プロトン伝導と酸素拡散、イオン液体の安定保持の観点から、イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子1の金属粒子上に設置されるイオン液体層とシリカ膜、更に被覆されるアイオノマー量のバランスが最適となり、耐久後のIV性能の低下を抑制できる。
[実施例]
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
<Pt担持カーボンの合成>
Pt担持カーボンは、既知の方法に従って合成され、Pt/C=70/30(wt/wt)のPt担持量を有し、且つカーボン担体は、ラマン分光より、Gバンド/Dバンド比が1.6以上のものを用いた。
<イオン液体含浸Pt担持カーボンの合成>
合成したPt担持カーボンをアセトニトリルに加え、Pt担持カーボンのメソ孔体積の所定量のイオン液体を添加した。30分間超音波分散させたのち、一晩、スターラーで撹拌後、エバポレーターでアセトニトリルを除去して、イオン液体含浸Pt担持カーボンを得た。
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>
合成したイオン液体含浸Pt担持カーボンを水に加え、超音波撹拌後、水酸化ナトリウムを加えた。続いて、TEOS(テトラエトキシシラン)とエタノールとを含む混合溶液を加えた。2時間撹拌後、遠心分離機にて、処理したイオン液体含浸Pt担持カーボンを分離した。
最後に、80℃6時間乾燥させて、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンを得た。
また、合成したイオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンに含まれるPt粒子における結晶子サイズ(1,1,1)は、XRD法で求め、6.4nmであった。
また、合成したイオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンに含まれるシリカ量は、XRFで求めたSi元素量から算出した。
イオン液体の量は、仕込み量から計算した。
<触媒評価>
3電極セルを用いて、回転ディスク電極法により測定した。回転数は、200rpm、400rpm、900rpm、1600rpm、2500rpmとした。Koutecky- Levichプロットにて、0.85V vs. RHEの質量活性を求めた。
作用極は、合成したイオン液体含浸Pt担持カーボンを水に加え、アイオノマーを添加後、30分間超音波撹拌し、得られた触媒インクを、グラッシーカーボン電極上に滴下・乾燥させることで作製した。対極は、Ptメッシュを用いた。参照極は、飽和カロメル電極を用いた。電解溶液は、0.1M 過塩素酸水溶液を用いた。
質量活性を測定後、耐久性試験として、CVを0.6V~1,21V vs. RHEの範囲で、繰り返し1200回実施した。耐久性試験後、再度、質量活性を測定した。
(実施例A1)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、15質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、6質量部相当となるように調整した。
<触媒評価>に沿って、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの質量活性を評価した。
(実施例A2)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、15質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、9質量部相当となるように調整した。
<触媒評価>に沿って、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの質量活性を評価した。
(実施例A3)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、15質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、11質量部相当となるように調整した。
<触媒評価>に沿って、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの質量活性を評価した。
(実施例A4)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計の質量100質量部に対し、15質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、13質量部相当となるように調整した。
<触媒評価>に沿って、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの質量活性を評価した。
(比較例A1)
<触媒評価>に沿って、触媒粒子(白金担持カーボン)の質量活性を評価した。この触媒粒子は、イオン液体を含浸しておらず、シリカ被覆もされていない。
(比較例A2)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、15質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、3質量部相当となるように調整した。
<触媒評価>に沿って、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの質量活性を評価した。
(比較例A3)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、15質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、15質量部相当となるように調整した。
<触媒評価>に沿って、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの質量活性を評価した。これらの状ケの及び結果を下記の表1に示す。
(実施例A5)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、10質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、10質量部相当となるように調整した。
<触媒評価>に沿って、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの質量活性を評価した。
(実施例A6)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、20質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、10質量部相当となるように調整した。
<触媒評価>に沿って、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの質量活性を評価した。
(比較例A4)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、5質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、10質量部相当となるように調整した。
<触媒評価>に沿って、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの質量活性を評価した。
(比較例A5)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、25質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、10質量部相当となるように調整した。
<触媒評価>に沿って、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの質量活性を評価した。これらの条件及び結果を表2に示す。

表1は、イオン液体含侵シリカ被覆触媒のシリカ量と、耐久性試験前後の質量活性との関連を示す。表2は、イオン液体含侵シリカ被覆触媒のイオン液体量と、の耐久性試験前後の質量活性との関連を示す。
表1において、シリカ量6wt%~13wt%である実施例A1~A4は、初期の活性がいずれも17A/g-Pt以上であった。シリカ量3wt%である比較例A2は、15.2A/g-Ptであった。また、シリカ量15wt%である比較例A3は、16.8wt%であった。シリカ量が6wt%より少ないと、アイオノマーによるPt被毒抑制が不十分なため、活性が低下したと思われる。一方、シリカ量が13wt%より多いと、シリカ膜による抵抗で、質量活性が低下したと思われる。耐久試験後の活性は、シリカ量が6wt%以上である実施例A1~A4と比較例A3は、いずれも14.5A/g-Pt以上を示したが、シリカ量が3wt%である比較例2は、10.5wt%と低い質量活性を示した。

表2において、実施例A5,A6と比較例A4のイオン液体量が20wt%以下である場合、初期の質量活性は16A/g-Pt以上であったが、イオン液体量が25wt%の比較例A5は、質量活性は14A/g-Ptであった。このことは、イオン液体層の厚みが厚くなり、酸素拡散が不足したためと思われる。耐久試験後は、実施例A5,A6は、質量活性がいずれも14A/g-Pt以上であったが、比較例A4は、質量活性が大きく低下した。このことは、イオン液体量が少ないと、金属粒子の酸化溶出抑制効果が不十分であるためと思われる。
(実施例B7)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、15質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、10質量部相当となるように調整した。
水、IPA、及びエタノールを含む混合溶液に、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボン、アイオノマー、及びイオン伝導性繊維状物質を加え、触媒インクを調製した。電解質膜に、白金量が0.4mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、カソード側触媒層を得た。用いたアイオノマー量は、アイオノマーとイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子の質量比0.17とした。
続いて、水、及びIPAを含む混合溶液に、Pt担持カーボン、アイオノマー、及び繊維を加え、触媒インクを調製し、カソード側触媒層の反対側の電解質膜に、白金量が0.1mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、アノード側触媒層を作製し、膜電極接合体を作製した。
(実施例B8)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、15質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、10質量部相当となるように調整した。
水、IPA、及びエタノールを含む混合溶液に、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボン、アイオノマー、及びイオン伝導性繊維状物質を加え、触媒インクを調製した。電解質膜に、白金量が0.4mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、カソード側触媒層を得た。用いたアイオノマー量は、アイオノマーとイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子の質量比0.18とした。
続いて、水、及びIPAを含む混合溶液に、Pt担持カーボン、アイオノマー、及び繊維を加え、触媒インクを調製し、カソード側触媒層の反対側の電解質膜に、白金量が0.1mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、アノード側触媒層を作製し、膜電極接合体を作製した。
(実施例B9)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、15質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、10質量部相当となるように調整した。
水、IPA、及びエタノールを含む混合溶液に、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボン、アイオノマー、及びイオン伝導性繊維状物質を加え、触媒インクを調製した。電解質膜に、白金量が0.4mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、カソード側触媒層を得た。用いたアイオノマー量は、アイオノマーとイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子の質量比0.2とした。
続いて、水、及びIPAを含む混合溶液に、Pt担持カーボン、アイオノマー、及び繊維を加え、触媒インクを調製し、カソード側触媒層の反対側の電解質膜に、白金量が0.1mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、アノード側触媒層を作製し、膜電極接合体を作製した。
(実施例B10)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、15質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、13質量部相当となるように調整した。
水、IPA、及びエタノールを含む混合溶液に、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボン、アイオノマー、及びイオン伝導性繊維状物質を加え、触媒インクを調製した。電解質膜に、白金量が0.4mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、カソード側触媒層を得た。用いたアイオノマー量は、アイオノマーとイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子の質量比0.2とした。
続いて、水、及びIPAを含む混合溶液に、Pt担持カーボン、アイオノマー、及び繊維を加え、触媒インクを調製し、カソード側触媒層の反対側の電解質膜に、白金量が0.1mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、アノード側触媒層を作製し、膜電極接合体を作製した。
(実施例B11)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、10質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、7質量部相当となるように調整した。
水、IPA、及びエタノールを含む混合溶液に、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボン、アイオノマー、及びイオン伝導性繊維状物質を加え、触媒インクを調製した。電解質膜に、白金量が0.4mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、カソード側触媒層を得た。用いたアイオノマー量は、アイオノマーとイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子の質量比0.2とした。
続いて、水、及びIPAを含む混合溶液に、Pt担持カーボン、アイオノマー、及び繊維を加え、触媒インクを調製し、カソード側触媒層の反対側の電解質膜に、白金量が0.1mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、アノード側触媒層を作製し、膜電極接合体を作製した。
(比較例B6)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、15質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、10質量部相当となるように調整した。
水、IPA、及びエタノールを含む混合溶液に、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボン、アイオノマー、及びイオン伝導性繊維状物質を加え、触媒インクを調製した。電解質膜に、白金量が0.4mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、カソード側触媒層を得た。用いたアイオノマー量は、アイオノマーとイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子の質量比0.15とした。
続いて、水、及びIPAを含む混合溶液に、Pt担持カーボン、アイオノマー、及び繊維を加え、触媒インクを調製し、カソード側触媒層の反対側の電解質膜に、白金量が0.1mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、アノード側触媒層を作製し、膜電極接合体を作製した。
(比較例B7)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、15質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、10質量部相当となるように調整した。
水、IPA、及びエタノールを含む混合溶液に、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボン、アイオノマー、及びイオン伝導性繊維状物質を加え、触媒インクを調製した。電解質膜に、白金量が0.4mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、カソード側触媒層を得た。用いたアイオノマー量は、アイオノマーとイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子の質量比0.3とした。
続いて、水、及びIPAを含む混合溶液に、Pt担持カーボン、アイオノマー、及び繊維を加え、触媒インクを調製し、カソード側触媒層の反対側の電解質膜に、白金量が0.1mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、アノード側触媒層を作製し、膜電極接合体を作製した。
(実施例B12)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、10質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、13質量部相当となるように調整した。
水、IPA、及びエタノールを含む混合溶液に、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボン、アイオノマー、及びイオン伝導性繊維状物質を加え、触媒インクを調製した。電解質膜に、白金量が0.4mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、カソード側触媒層を得た。用いたアイオノマー量は、アイオノマーとイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子の質量比0.17とした。
続いて、水、及びIPAを含む混合溶液に、Pt担持カーボン、アイオノマー、及び繊維を加え、触媒インクを調製し、カソード側触媒層の反対側の電解質膜に、白金量が0.1mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、アノード側触媒層を作製し、膜電極接合体を作製した。
(実施例B13)
<イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボンの合成>に沿って、イオン液体として、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメタンスルホニル)イミドを用いたイオン液体含侵シリカ被覆Pt担持カーボンを合成した。イオン液体の含侵量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、15質量部相当となるように調整した。シリカ量は、TEOS量を調整し、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、7質量部相当となるように調整した。
水、IPA、及びエタノールを含む混合溶液に、イオン液体含浸シリカ被覆Pt担持カーボン、アイオノマー、及びイオン伝導性繊維状物質を加え、触媒インクを調製した。電解質膜に、白金量が0.4mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、カソード側触媒層を得た。用いたアイオノマー量は、アイオノマーとイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子の質量比0.2とした。
続いて、水、及びIPAを含む混合溶液に、Pt担持カーボン、アイオノマー、及び繊維を加え、触媒インクを調製し、カソード側触媒層の反対側の電解質膜に、白金量が0.1mg/cmになるように、触媒インクを塗布し、乾燥させて、アノード側触媒層を作製し、膜電極接合体を作製した。
<膜電極接合体評価>
JARI標準セルに、作製した膜電極接合体とガスケット、GDL(Gas Diffusion Layer)をそれぞれ組み込み、NEDOの固体高分子形燃料電池実用化推進技術開発基盤技術開発「セル評価解析の共通基盤技術」に記載の発電条件にて、IV特性を評価した。高温・低湿条件とするため、セル温度は、90℃、カソード側湿度は、20%RHとした。
耐久性試験として、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の固体高分子形燃料電池実用化推進技術開発基盤技術開発「セル評価解析の共通基盤技術」に記載の起動停止10000サイクル、負荷応答30,000サイクルを実施した。
耐久性試験後に、再度IV特性を評価した。
Figure 2024057940000005

表3は、耐久性試験前後のI-V測定の結果における1.5A/cm時の電圧を示した。実施例B7~B9および比較例B6,B7は、カソード触媒層におけるアイオノマー量の検討用のデータであり、アイオノマーとイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子の質量比0.17~0.20の範囲で、初期の電圧が0.640V以上、耐久後の電圧が0.500V以上を示した。アイオノマー量が少ないと、抵抗過電圧が高くなり、多いと濃度過電圧が高くなってしまうためと思われる。
Figure 2024057940000006

表4は、耐久性試験前後のI-V測定の結果における1.5A/cm時の電圧を示した。実施例B10~B13は、イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子を含んだ触媒層におけるアイオノマー量と、イオン液体量、シリカ量の組み合わせについて検討したデータである。
(アイオノマー質量/イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子質量)*(イオン液体質量/シリカ質量)が、0.2以上0.4以下である場合、初期の電圧が0.660V以上、耐久後の電圧が0.560V以上を示した。抵抗過電圧と濃度過電圧が、アイオノマー量と、イオン液体量、シリカ量の組み合わせで影響されることが分かった。
本発明に係る燃料電池電極材料は、各種携帯用電子機器の電源、自動車等の電源、あるいは家庭用電気器具の電源等の電極に用いられる。
1…イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子、2…導電性担体(カーボン)、3…金属粒子(白金)、4…シリカ膜、5…イオン液体。

Claims (5)

  1. 導電性担体及び前記導電性担体に担持された金属粒子を含む触媒粒子と、
    前記金属粒子の表面の一部を被覆するシリカ膜と、
    前記金属粒子の表面の残部の少なくとも一部に接するイオン液体と、を備えるイオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子であって、
    前記導電性担体はラマン分光法によるGバンドとDバンドのピーク強度比(G/D比)が、1.6以上2.2以下のカーボンから形成され、
    金属の量は、前記導電性担体及び金属粒子の合計100質量部に対し、60質量部以上70質量部以下であり、
    シリカの量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、6質量部以上13質量部以下であり、
    イオン液体の量は、導電性担体、金属粒子、イオン液体、及び、シリカの合計100質量部に対し、10質量部以上20質量部以下である、イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子。
  2. 高分子電解質膜、及び、電極触媒層を備えた膜電極接合体であって、
    前記電極触媒層は、請求項1に記載の前記イオン液体含浸シリカ被覆触媒粒子、及び、アイオノマーを含み、
    前記電極触媒層において、アイオノマー質量/(導電性担体、金属粒子、シリカ、及び、イオン液体の合計質量)が、0.17以上0.2以下である、膜電極接合体。
  3. 前記電極触媒層において、(アイオノマー質量/(導電性担体、金属粒子、シリカ、及び、イオン液体の合計質量))×(イオン液体質量/シリカ質量)が、0.2以上0.4以下である、請求項2に記載の膜電極接合体。
  4. 前記電極触媒層は、繊維状物質をさらに含む、請求項2または3に記載の膜電極接合体。
  5. 請求項2又は3に記載の膜電極接合体を含む、燃料電池。


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