JP2024057729A - 慣性質量ダンパー - Google Patents

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Abstract

Figure 2024057729000001
【課題】駆動スペースを削減することができるコンパクトな慣性質量ダンパーを提供する。
【解決手段】制振対象物18に固定されたラック20の並進方向の動きをピニオン22の回転方向の動きに変換するラック&ピニオン10と、前記ピニオン22と同軸に配置された歯車12と、前記ピニオン22の回転方向の付勢力を確保するために、前記ピニオン22と前記歯車12の間に設置された付勢部材14と、前記歯車12に噛み合わされるとともに回転軸32に固定された駆動歯車30と、前記回転軸32に対して同軸に固定され、前記回転軸32と一体に回転可能なホイール16とを備えるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、慣性質量ダンパーに関するものである。
従来、建物の揺れを抑える装置として、同調質量ダンパー(TMD:Tuned mass damper)が広く用いられている。これは、建物に搭載した大質量の装置が動くことにより、設置対象となる建物の振動を抑える作用を発揮する。TMDは、搭載する質量が重くなるほど、高い制振効果が得られることが知られている(非特許文献1を参照)。しかし、大質量を搭載することは構造的に不利になるとともに、装置サイズの大型化による配置計画などの制約になるという課題がある。一方で、搭載する質量を小さくすると全体のサイズは小さくなるものの、必要な制振効果を得るためには搭載した質点が制御方向に大振幅で揺れる必要があり、制御方向に対して大きなクリアランスが要求され、配置計画などの制約になる。
実質量を用いたTMDとしては、チューンドマスダンパーを用いた制振装置(例えば、特許文献1を参照)や防振構造(例えば、特許文献2を参照)が挙げられる。一方で、錘を回転させることで、見かけ上、大きな質量を生み出すことにより建物の振動を抑制するものとして、回転慣性質量ダンパー(例えば、特許文献3を参照)や制振装置(例えば、特許文献4を参照)などが挙げられる。なお、これらは一般に慣性質量ダンパーや回転慣性質量ダンパー等と呼ばれる。また、回転慣性質量ダンパーに並進方向に作用するバネを連結しダンパーの固有周期を建物の固有周期同調させることができる、同調型の回転慣性質量ダンパーに関する研究も行われている(例えば、非特許文献2を参照)。
「やさしくわかる建物振動制御」、日本建築学会、2014年 「同調粘性マスダンパーの有効性の検証と弾塑性構造物への適用性」、荒井達朗、油川健樹、五十子幸樹、堀則男、井上範夫、日本建築学会構造系論文集、74巻645号、pp.1993-2002、2009年
特開2007-40034号公報 特開2021-139447号公報 特開2017-26074号公報 特開2022-98305号公報
建物に幅広く採用されているTMDは、装置そのものが駆動することにより制御力を発生させることから、駆動スペースを広く確保する必要がある。これを確認するために、本発明者は非特許文献1を参考にして作成した建物モデルを用いて解析を実施した。図6に、その解析結果を示す。これらは非特許文献1で用いられている例を再現したものであり、建物およびTMDに初速度10cm/sを与えた際の応答である。図6(1)は建物の変位であり、図6(2)はTMDの変位である。この解析結果より、TMDを搭載することにより、建物の応答は急速に収束していることが確認される。これは、TMDがバネと質量から構成されることから、TMDそのものが固有周期を持ち、この固有周期を調節して建物の揺れの周期とそろえる(同調させる)ことにより、建物の振動を抑える働きによるものである。
この解析結果によれば、建物の最大変位は約5cmであるのに対し、TMDの最大変位は約25cmであり、建物の変位に対して約5倍も揺れる。実際の高層建築物では頂部が強風や大地震時に数十センチ以上振動することがあることから、TMDが駆動するためには数メートル規模のスペースが必要とされることが想定される。さらに、TMDには実質量を用いることから、構造的にも不利になる欠点がある。
これに対し、重りを主軸周りに回転させることにより、見かけ上大きな質量効果を得る回転慣性質量ダンパー(例えば、特許文献3、4を参照)は、バネ要素と連結していないことから、取り付けた層の質量を見かけ上大きくすることのみにとどまり、建物の揺れの周期と同調させて低減させることはできない。一方、非特許文献2の装置は、回転慣性質量ダンパーにバネを連結することにより、ダンパーそのものに固有周期を持たせることが可能となった。その結果、装置を建物の固有周期に同調させることが可能となり、TMDと同様の働きを持たせることができるようになった。しかし、前述の通り、同調型のダンパーは、装置そのものが動くことで制御力を発揮することから、装置の駆動スペースを制御方向に大きく確保しなければならない問題があり、この問題は依然として解決されていない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、駆動スペースを削減することができるコンパクトな慣性質量ダンパーを提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る慣性質量ダンパーは、制振対象物に固定されたラックの並進方向の動きをピニオンの回転方向の動きに変換するラック&ピニオンと、前記ピニオンと同軸に配置された歯車と、前記ピニオンの回転方向の付勢力を確保するために、前記ピニオンと前記歯車の間に設置された付勢部材と、前記歯車に噛み合わされるとともに回転軸に固定された駆動歯車と、前記回転軸に対して同軸に固定され、前記回転軸と一体に回転可能なホイールとを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の慣性質量ダンパーは、制振対象物に固定されたラックの並進方向の動きをピニオンの回転方向の動きに変換するラック&ピニオンと、前記ピニオンと歯車機構を介して連結した第一歯車と、前記第一歯車と同軸に配置された第二歯車と、前記第一歯車の回転方向の付勢力を確保するために、前記第一歯車と前記第二歯車の間に設置された付勢部材と、前記第二歯車に噛み合わされるとともに回転軸に固定された駆動歯車と、前記回転軸に対して同軸に固定され、前記回転軸と一体に回転可能なホイールとを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の慣性質量ダンパーは、上述した発明において、前記歯車機構が、前記付勢部材の付勢力を増減調整するものであることを特徴とする。
また、本発明に係る他の慣性質量ダンパーは、上述した発明において、前記制振対象物の上部躯体の下面に配置されたリニアガイドと、前記制振対象物の下部躯体の上面に配置されたリニアガイドの間に配置され、前記ラックは、前記上部躯体の下面または前記下部躯体の上面に固定されることを特徴とする。
本発明に係る慣性質量ダンパーによれば、制振対象物に固定されたラックの並進方向の動きをピニオンの回転方向の動きに変換するラック&ピニオンと、前記ピニオンと同軸に配置された歯車と、前記ピニオンの回転方向の付勢力を確保するために、前記ピニオンと前記歯車の間に設置された付勢部材と、前記歯車に噛み合わされるとともに回転軸に固定された駆動歯車と、前記回転軸に対して同軸に固定され、前記回転軸と一体に回転可能なホイールとを備えるので、駆動スペースを削減することができる。これにより、コンパクトな慣性質量ダンパーを提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の慣性質量ダンパーによれば、制振対象物に固定されたラックの並進方向の動きをピニオンの回転方向の動きに変換するラック&ピニオンと、前記ピニオンと歯車機構を介して連結した第一歯車と、前記第一歯車と同軸に配置された第二歯車と、前記第一歯車の回転方向の付勢力を確保するために、前記第一歯車と前記第二歯車の間に設置された付勢部材と、前記第二歯車に噛み合わされるとともに回転軸に固定された駆動歯車と、前記回転軸に対して同軸に固定され、前記回転軸と一体に回転可能なホイールとを備えるので、駆動スペースを削減することができる。これにより、コンパクトな慣性質量ダンパーを提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の慣性質量ダンパーによれば、前記歯車機構が、前記付勢部材の付勢力を増減調整するものであるので、付勢部材の付勢力を容易に調整することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の慣性質量ダンパーによれば、前記制振対象物の上部躯体の下面に配置されたリニアガイドと、前記制振対象物の下部躯体の上面に配置されたリニアガイドの間に配置され、前記ラックは、前記上部躯体の下面または前記下部躯体の上面に固定されるので、免震建物の免震層などに適用することができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る慣性質量ダンパーの実施の形態1を示す平面図である。 図2は、本発明に係る慣性質量ダンパーの実施の形態2を示す平面図である。 図3は、本発明に係る慣性質量ダンパーの実施の形態3を示す側断面図である。 図4(1)は図3のA-A線に沿った断面図、図4(2)は図3のB-B線に沿った断面図である。 図5は、本発明に係る慣性質量ダンパーの配置例を示した平面図である。 図6は、従来の応答変位の時間波形を示す図であり、(1)は建物の応答、(2)はTMDの応答である。
本発明は、回転方向に効力を発揮する付勢部材(ねじりバネ)を併用することで、並進方向の変形を回転方向の変形に変換するものである。これにより、コンパクト型の慣性質量ダンパーを実現し、TMDのスペースを大幅に削減することができる。
以下に、本発明に係る慣性質量ダンパーの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1について説明する。
図1(1)に示すように、本実施の形態1に係る慣性質量ダンパー100は、本発明の基本形であり、ラック&ピニオン10と、歯車12と、ねじりバネ14と、ホイール16とを備える。
ラック&ピニオン10は、建物18(制振対象物)に固定されたラック20と、ラック20に噛み合ったピニオン22とからなり、ラック20の並進方向の動きをピニオン22の回転方向の動きに変換する。ピニオン22の軸24は、図示しない玉軸受を介して支持部材26に回転自在に固定されている。ラック&ピニオン10を用いることで、地震によって変形する建物18の並進方向の変位を回転方向の変位に変換することが可能である。
歯車12は、ピニオン22と同軸かつ平行に配置されるものである。歯車12の軸28は、図示しない玉軸受を介して支持部材26に回転自在に固定されており、ピニオン22の軸24とは縁が切られている。歯車12の直径は、ピニオン22の直径と同一に構成しているが、本発明はこれに限るものではない。歯車12は、隣接する歯車30(駆動歯車)に噛み合わされている。歯車30は、回転軸32に固定される。歯車30の直径は、歯車12の直径よりも小さく、歯車30の歯数は、歯車12の歯数よりも少ない。回転軸32は、歯車12およびピニオン22の回転軸線Cと平行に配置され、回転軸32の一端は、支持部材26に対して回転自在に固定される。
ねじりバネ14は、ピニオン22の回転方向の付勢力を確保するためのコイル状の付勢部材であり、ピニオン22と歯車12の間に設置される。ねじりバネ14の中心軸線は、ピニオン22および歯車12の回転軸線Cと一致している。ねじりバネ14の一端はピニオン22の軸方向の端面22Aに固定され、他端は歯車12の軸方向の端面12Aに固定される。なお、本発明の付勢部材は、ねじりバネに限るものではなく、ピニオン22の回転方向の付勢力を確保可能であればいかなる部材でもよい。
ホイール16は、回転軸32の他端側に対して同軸に固定され、回転軸32と一体に回転可能な質量体である。回転軸32を介してホイール16を回転させることにより、見かけ上大きな質量を発生させることが可能である。
上記のねじりバネ14と質量を備えた構成により、回転方向の変位に対して効力を発揮する同調マスダンパーを実現することが可能となる。ダンパーが動くスペースを並進方向ではなく、回転方向で確保することが可能となるので、大幅な省スペース化が可能となる。さらに、回転慣性質量は、後述のように、ホイール16を回転させて、見かけ上大きな質量を発生させることから、従来のTMDと比較して実質量を低減することができ、構造上も有利になる。
ねじりバネ14と、回転慣性質量の諸元については、振動を遮断、あるいは低減したい周波数(ターゲット周波数)になるようにチューニングしたものとする。これにより、特に、定常応答時のターゲット周波数の振動を低減することが可能となる。
上記構成の動作および作用について説明する。
建物18に振動が発生すると、ラック&ピニオン10により、建物18の並進方向の動きが回転方向に変わり、これがピニオン22を回転させる。ピニオン22は、歯車12の軸28とは縁が切られている。ピニオン22の回転に伴い、ねじりバネ14に回転方向の変位が発生する。ねじりバネ14にトルクが発生し、歯車12に回転変位が生じる。歯車12が回転すると、歯車12よりも歯数が少ない歯車30が回転し、歯車30と一体的に回転軸32が回転する。この回転軸32の回転に伴い、回転軸32に固着されているホイール16が回転する。なお、ホイール16はねじりバネ14を介して建物18とつながっているため、従来のTMDと同様に、建物の自由度とは独立した付加自由度となる。
ホイール16が回転することにより、見かけの質量は、実質量よりも大きくなる。その倍増率γはホイール16を回転させる歯車30の直径(L)、および、ホイール16の直径(D)により計算され、以下の式で与えられる。
γ=π/(2L
言い換えれば、歯車30とホイール16の直径が回転の増幅率に関連する。なお、歯車12は、図の例では、軸28との縁は切られていないが、縁が切られるものであっても差し支えはない。
また、設置箇所の都合上、図1(1)のようにラック&ピニオン10と、ねじりバネ14付きの歯車12を隣接できない場合は、図1(2)の変形例に示すように、歯車34を含ませることで、場所の調節が可能となる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
ねじりバネ14の形状や材質によっては、回転方向に変化できる角度の上限を超えることで材料が塑性化する可能性がある。本実施の形態2は、その対策として、複数の歯車と組み合わせることにより、ねじりバネ14の回転量を調節することも可能としたものである。
図2に示すように、本実施の形態2に係る慣性質量ダンパー200は、ラック&ピニオン36と、歯車機構38と、歯車12と、ねじりバネ14と、ホイール16とを備える。
ラック&ピニオン36は、建物18(制振対象物)に固定されたラック40の並進方向の動きをピニオン42の回転方向の動きに変換するものである。ピニオン42は、軸44の一端側に固定される。
歯車機構38は、歯車46と、歯車48と、歯車50とを有する。歯車46は、軸44の他端側に固定される。軸44の他端側は、玉軸受52を介して支持部材26に回転自在に固定される。歯車46は、歯車48に噛み合っている。歯車48の軸54は、玉軸受56を介して支持部材26に回転自在に固定される。歯車48は、歯車50に噛み合っている。歯車50の軸58は、玉軸受60を介して支持部材26に回転自在に固定される。歯車50は、上記の実施の形態1のピニオン22に相当するものであり、歯車50の軸方向の端面50Aに、ねじりバネ14の一端が固定される。
このように、本実施の形態2では、ラック&ピニオン36のピニオン42にねじりバネ14を直接連結するのではなく、中間に歯車(歯車機構38)を複数挟むことでギア比を調整し、ねじりバネ14の回転量を増幅することを可能としている。例えば、水平変位量が極めて小さい場合に、増幅することによって、ねじりバネ14に十分な回転量を与えるようにすることもできる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
図3および図4に示すように、本実施の形態3に係る慣性質量ダンパー300は、上記の実施の形態1において各歯車を鉛直方向に配置したものである。図4においては、各歯車の歯の図示を省略している。動作メカニズムは上記の実施の形態1と同じである。図の例では、免震建物の免震層や、床免震構造の免震部分に配置することを想定している。
慣性質量ダンパー300は、免震建物の上部構造物62(上部躯体)の下面に配置された2条のリニアガイド64と、下部構造物66(下部躯体)の上面に配置された2条のリニアガイド68の間の免震層に配置される。下側のリニアガイド68と上側のリニアガイド64は、上から見て直交するように配置され、免震建物が水平2方向に変位することに対応している。各リニアガイド64、68には、2つのスライダ70、72がリニアガイド64、68の軸方向に間隔をあけて設けられている。各スライダ70、72は、リニアガイド64、68に沿ってそれぞれ移動可能である。
慣性質量ダンパー300は、略箱状の支持部材26を備えている。この支持部材26の上面は上側のスライダ70の下面に固定され、支持部材26の下面は下側のスライダ72の上面に固定されている。支持部材26の下面の一端側には、長孔74が開けられている。長孔74には、ラック&ピニオン10のラック20が下側のリニアガイド68と平行に配置されている。ラック20の下側は、下部構造物66の上面に固定され、ラック20の上側部分は支持部材26内部のピニオン22と噛み合っている。
支持部材26内部には、歯車12、30、ねじりバネ14、回転軸32の一部が配置される。回転軸32の一端側は、支持部材26内部の張出部材76に固定され、回転軸32の他端側は、支持部材26の図示しない孔を貫通して外側に突出している。回転軸32の他端には、ホイール16が設けられる。歯車12の軸28は、玉軸受29に対して回転自在に固定される。歯車12、30、ねじりバネ14、回転軸32、ホイール16の具体的構成については、上記の実施の形態1と同様であるので、詳細な説明を省略する。
下側のリニアガイド68の設置方向に建物が変位する場合は、下部構造物66(ラック20)とピニオン22の間に変位が発生し、歯車12および歯車30が回転する。本実施の形態3では、図1と同じように、ホイール16が回転することによって付加質量が発生する。
本実施の形態3の慣性質量ダンパー300は、水平の1方向にだけ効果を発揮する。免震層に配置する場合は、図5に示すように、積層ゴム78に加え、慣性質量ダンパー300を梁80の長手方向に有効なように配置することが考えられる。なお、全ての梁80に慣性質量ダンパー300を配置する必要はなく、必要な性能を発揮できれば、少ない箇所に配置することも可能であり、また、1つの梁80に複数の慣性質量ダンパー300を配置することも可能である。
なお、本実施の形態3では、上記の実施の形態1の構成を利用する場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではなく、上記の実施の形態2などの構成を採用してもよい。このようにしても上記と同様の作用効果を奏することができる。
以上説明したように、本発明に係る慣性質量ダンパーによれば、制振対象物に固定されたラックの並進方向の動きをピニオンの回転方向の動きに変換するラック&ピニオンと、前記ピニオンと同軸に配置された歯車と、前記ピニオンの回転方向の付勢力を確保するために、前記ピニオンと前記歯車の間に設置された付勢部材と、前記歯車に噛み合わされるとともに回転軸に固定された駆動歯車と、前記回転軸に対して同軸に固定され、前記回転軸と一体に回転可能なホイールとを備えるので、駆動スペースを削減することができる。これにより、コンパクトな慣性質量ダンパーを提供することができる。
また、本発明に係る他の慣性質量ダンパーによれば、制振対象物に固定されたラックの並進方向の動きをピニオンの回転方向の動きに変換するラック&ピニオンと、前記ピニオンと歯車機構を介して連結した第一歯車と、前記第一歯車と同軸に配置された第二歯車と、前記第一歯車の回転方向の付勢力を確保するために、前記第一歯車と前記第二歯車の間に設置された付勢部材と、前記第二歯車に噛み合わされるとともに回転軸に固定された駆動歯車と、前記回転軸に対して同軸に固定され、前記回転軸と一体に回転可能なホイールとを備えるので、駆動スペースを削減することができる。これにより、コンパクトな慣性質量ダンパーを提供することができる。
また、本発明に係る他の慣性質量ダンパーによれば、前記歯車機構が、前記付勢部材の付勢力を増減調整するものであるので、付勢部材の付勢力を容易に調整することができる。
また、本発明に係る他の慣性質量ダンパーによれば、前記制振対象物の上部躯体の下面に配置されたリニアガイドと、前記制振対象物の下部躯体の上面に配置されたリニアガイドの間に配置され、前記ラックは、前記上部躯体の下面または前記下部躯体の上面に固定されるので、免震建物の免震層などに適用することができる。
なお、2015年9月の国連サミットにおいて採択された17の国際目標として「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」がある。本実施の形態に係る慣性質量ダンパーは、このSDGsの17の目標のうち、例えば「11.住み続けられるまちづくりを」の目標などの達成に貢献し得る。
以上のように、本発明に係る慣性質量ダンパーは、建物の制振に有用であり、特に、駆動スペースを大幅に削減するのに適している。
10,36 ラック&ピニオン
12,34,46,48,50 歯車
12A,22A,50A 端面
14 ねじりバネ(付勢部材)
16 ホイール
18 建物(制振対象物)
20,40 ラック
22,42 ピニオン
24,28,44,54 軸
26 支持部材
30 歯車(駆動歯車)
32 回転軸
38 歯車機構
52,56,60 玉軸受
100~300 慣性質量ダンパー
C 回転軸線

Claims (4)

  1. 制振対象物に固定されたラックの並進方向の動きをピニオンの回転方向の動きに変換するラック&ピニオンと、前記ピニオンと同軸に配置された歯車と、前記ピニオンの回転方向の付勢力を確保するために、前記ピニオンと前記歯車の間に設置された付勢部材と、前記歯車に噛み合わされるとともに回転軸に固定された駆動歯車と、前記回転軸に対して同軸に固定され、前記回転軸と一体に回転可能なホイールとを備えることを特徴とする慣性質量ダンパー。
  2. 制振対象物に固定されたラックの並進方向の動きをピニオンの回転方向の動きに変換するラック&ピニオンと、前記ピニオンと歯車機構を介して連結した第一歯車と、前記第一歯車と同軸に配置された第二歯車と、前記第一歯車の回転方向の付勢力を確保するために、前記第一歯車と前記第二歯車の間に設置された付勢部材と、前記第二歯車に噛み合わされるとともに回転軸に固定された駆動歯車と、前記回転軸に対して同軸に固定され、前記回転軸と一体に回転可能なホイールとを備えることを特徴とする慣性質量ダンパー。
  3. 前記歯車機構が、前記付勢部材の付勢力を増減調整するものであることを特徴とする請求項2に記載の慣性質量ダンパー。
  4. 前記制振対象物の上部躯体の下面に配置されたリニアガイドと、前記制振対象物の下部躯体の上面に配置されたリニアガイドの間に配置され、前記ラックは、前記上部躯体の下面または前記下部躯体の上面に固定されることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の慣性質量ダンパー。
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