JP2024057657A - 波面計測装置、波面計測方法、及び光学系の製造方法 - Google Patents

波面計測装置、波面計測方法、及び光学系の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被検光学系の焦点距離によらず、被検光学系の透過波面を小型かつ簡易な構成で計測可能な波面計測装置を提供すること。【解決手段】波面計測装置は、被検光学系を透過した光を受光する受光部と、被検光学系の側から順に配置された回折素子及び反射素子を備え、被検光学系の光軸外を透過した光の受光部に対する入射角を調整するために、回折素子の位置及び反射素子の傾きの少なくとも一方を調整可能な光学系と、受光部から出力された信号を用いて被検光学系を透過した光の波面を取得する取得部とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、被検光学系の透過波面を計測する波面計測装置に関する。
複数の光学素子を含む光学系を製造する際には、該光学系の光軸上や光軸外を透過した光の波面(透過波面)を計測し、複数の光学素子のそれぞれの位置を調整する必要がある。特許文献1には、被検光学系を透過した複数の透過光を、回折素子を介して複数の受光部で受光し、被検光学系の光軸上や光軸外の透過波面を計測する装置が開示されている。特許文献2には、被検光学系を透過し、光軸に対する角度が互いに異なるように配置された複数の反射面で反射され、被検光学系を再度透過した複数の光を受光部で受光することで、被検光学系の光軸上や光軸外の透過波面を計測する装置が開示されている。
特開2021-110673号公報 特開2019-66428号公報
しかしながら、特許文献1の装置では、焦点距離の異なる複数の被検光学系の各透過波面を計測する場合、被検光学系の焦点距離に応じて、異なる周期の回折素子を準備し、該回折素子と受光部の位置を調整する必要がある。そのため、装置が大型化かつ複雑化してしまう。また、特許文献2の波面計測装置では、複数の反射面の角度を調整することで、焦点距離の異なる複数の被検光学系の各透過波面を計測可能であるが、計測可能な被検光学系は画角の狭い望遠レンズに限られる。
本発明は、被検光学系の焦点距離によらず、被検光学系の透過波面を小型かつ簡易な構成で計測可能な波面計測装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての波面計測装置は、被検光学系を透過した光を受光する受光部と、被検光学系の側から順に配置された回折素子及び反射素子を備え、被検光学系の光軸外を透過した光の受光部に対する入射角を調整するために、回折素子の位置及び反射素子の傾きの少なくとも一方を調整可能な光学系と、受光部から出力された信号を用いて被検光学系を透過した光の波面を取得する取得部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、被検光学系の焦点距離によらず、被検光学系の透過波面を小型かつ簡易な構成で計測可能な波面計測装置を提供することができる。
実施例1の波面計測装置の構成図である。 実施例1の被検光学系の波面の計測手順を示すフローチャートである。 実施例1の焦点距離の異なる被検光学系のそれぞれに対するアナモルフィック光学系の配置と光線方向を示す図である。 実施例2の波面計測装置の構成図である。 実施例3の波面計測装置の構成図である。 実施例4の波面計測装置の構成図である。 実施例1乃至4の波面計測装置のいずれかにより計測された波面の結果を用いて、光学系を製造する方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本実施例の波面計測装置1の構成図である。波面計測装置1は、光源10、アナモルフィック光学系100、レンズ50,51,52,55、ミラー71,72,73,74、受光部90,91,92、及びコンピュータ(取得部)80を有する。被検光学系30は、複数のレンズを組み合せて構成されている。アナモルフィック光学系100は、被検光学系30の側から順に配置された、第1回折素子110、反射素子131,132、第2回折素子120を備える。波面計測装置1は、被検光学系30の光軸上と光軸外を透過した光の波面(透過波面)を計測する。なお、光源10は、本実施例では波面計測装置1に設けられているが、波面計測装置1とは別の装置として構成されてもよい。
光源10は、レーザ(ガスレーザ、固体レーザ、半導体レーザ等)やLED等により構成されている。光源10から射出された光210は、レンズ55により平行光となり、アナモルフィック光学系100に入射する。アナモルフィック光学系100の構成要素である回折素子は例えば、振幅型回折格子、位相型回折格子、CGH(Computer Generated Hologram)である。アナモルフィック光学系に入射した光は回折素子で回折する際に、回折方向に平行な面の方向の光束が伸縮する。
光210は、アナモルフィック光学系100内の第2回折素子120で回折し、光200(0次回折光)、201(+1次回折光)、202(-1次回折光)に分割される。
光200は、第1回折素子110を透過(0次回折)し、被検光学系30の光軸上を透過する軸上光として被検光学系30に入射する。
光201,202はそれぞれ、反射素子131,132で反射し、第1回折素子110で回折(+1次回折、-1次回折)し、被検光学系30の光軸外を透過する軸外光として被検光学系30に入射する。なお、本実施例では、0次及び±1次回折光を利用しているが、他の次数の回折光を利用してもよい。また、回折次数の組み合わせ方も本実施例の組み合わせに限らない。
光200は、レンズ50を通って受光部90で受光される。光201は、ミラー71,73で反射し、レンズ51を通って受光部91で受光される。光202は、ミラー72,74で反射し、レンズ52を通って受光部92で受光される。
受光部90,91,92はそれぞれ、受光した光200,201,202が形成する光学像を撮像(光電変換)して光200,201,202に対応する信号をコンピュータ80に出力する。
コンピュータ80は、光200,201,202に対応する信号を用いて、被検光学系30の光軸上を透過した光200、及び被検光学系30の光軸外を透過した光201,202の波面を取得する。
本実施例では、シャックハルトマンの原理を利用して波面を取得する。すなわち、受光部90,91,92は、マイクロレンズアレイを備えたシャックハルトマンセンサである。波面収差がない平行光がシャックハルトマンセンサに入射すると、マイクロレンズアレイの周期と同じ周期のスポット配列像が撮像される。一方、波面収差を有する光がシャックハルトマンセンサに入射すると、スポット配列像のそれぞれのスポット位置が各マイクロレンズに入射した光の波面の傾きに比例してシフトする。このスポット位置のシフト量に基づいて波面が取得される。
図2は、本実施例の被検光学系30の波面の計測手順(波面計測方法)を示すフローチャートである。
ステップS10では、計測者は波面計測装置1に被検光学系30を設置して被検光学系30のフォーカスを調整する。フォーカス調整は例えば、被検光学系30の光軸上を透過して受光部90に入射する光200が平行光となるように調整すればよい。
ステップS20では、アナモルフィック光学系100内の素子の位置や傾きが調整される。具体的には、被検光学系30の光軸外を透過した光201,202が受光部91,92に対して所定の方向で入射するように、すなわち光201,202の受光部91,92に対する入射角が所定の角度となるように調整される。所定の方向は例えば、受光部91,92の受光面に対して垂直な方向である。入射方向は、所定の方向から数度程度傾いても問題ない。
アナモルフィック光学系100は、第1回折素子110又は第2回折素子120の被検光学系30の光軸方向における位置、及び反射素子131,132の被検光学系30の光軸に対する傾きの少なくとも一つを調整可能に構成されている。被検光学系30の焦点距離と被検光学系30の光軸外を透過した光が形成する光学像の像高とに基づいてコンピュータ80により取得された結果に応じて、第1回折素子110や第2回折素子の位置、反射素子131,132の傾きを調整する。主として、反射素子131,132の傾きを調整する。必要に応じて、第1回折素子110の位置を調整する。第2回折素子120の位置は通常、固定しておいてよいが、調整をしてもよい。アナモルフィック光学系100と被検光学系30の間の距離も、必要であれば調整する。
ステップS30では、被検光学系30を透過した光200,201,202をそれぞれ、受光部90,91,92に受光させる。
ステップS40では、コンピュータ80は、受光部90,91,92から出力された信号を用いて被検光学系30を透過した光200,201,202の波面を取得する。
一般に、被検光学系30の焦点距離が変わると被検光学系30の物体側の軸外光線角度も変わる。本実施例では、被検光学系30の焦点距離に応じてアナモルフィック光学系100において光線角度を調整することで、異なる焦点距離の被検光学系30の波面計測も可能としている。なお、光線角度の調整とは、被検光学系30の光軸外を透過した光201,202が受光部91、92に対して所定の方向で入射するように調整することを意味している。
図3は、本実施例の焦点距離の異なる被検光学系30のそれぞれに対するアナモルフィック光学系100の配置と光線方向を示す図である。コンピュータ80は、被検光学系30の焦点距離と光軸外を透過した光が形成する光学像の像高とに基づいて、反射素子131,132の傾き、各回折素子の位置、及び各回折素子における回折次数を取得する。取得する。コンピュータ80により取得された結果に応じて、第1回折素子110の位置、反射素子131,132の傾き、及び第2回折素子120の位置の少なくとも1つが調整される。
図3(A)は、被検光学系30が焦点距離の短いレンズ(例えば広角レンズ)の場合におけるアナモルフィック光学系100の配置と光線方向を示している。焦点距離が短いレンズは、物体側の軸外光線角度が大きいので、反射素子131,132で反射した光を第1回折素子110で回折させずに(0次回折で)被検光学系30に入射させる。
被検光学系30の焦点距離が長くなっていく(広角レンズから標準レンズに近づく)に従い物体側の軸外光線角度が小さくなっていくので、反射素子131,132の傾きを変化させることで光線角度を調整する。図3(B)は、被検光学系30が標準レンズの場合におけるアナモルフィック光学系100の配置と光線方向を示している。図3(A)と同様に、反射素子131,132で反射した光を第1回折素子110で回折させずに被検光学系30に入射させる。ただし、反射素子131,132の傾きは、図3(A)の場合と異なる。
被検光学系30の焦点距離が更に長くなっていく(標準レンズから望遠レンズに近づく)と、反射素子131,132の傾きだけでは光線角度を調整しきれなくなるので、第1回折素子110の回折による光線角度調整も行う。図3(C)は、被検光学系30が望遠レンズの場合におけるアナモルフィック光学系100の配置と光線方向を示している。望遠レンズの狭い画角に合わせるため、反射素子131,132で反射した光を第1回折素子110で回折させて、被検光学系30に入射する軸外光線角度を小さくしている。
図3(D)は、被検光学系30が焦点距離の更に長いレンズ(例えば超望遠レンズ)の場合におけるアナモルフィック光学系100の配置と光線方向を示している。図3(C)と同様に、反射素子131,132で反射した光を第1回折素子110で回折させて被検光学系30に入射させる。ただし、被検光学系30の焦点距離の変化に伴う軸外光線角度の変化を、反射素子131,132の傾きによって調整している。
一般的に、焦点距離の異なる被検光学系、又は1つの被検光学系の複数のズーム状態における光軸外を透過した光の波面を計測する場合、焦点距離ごとに軸外光線角度が変わるため、装置内の素子の交換や大きな移動が必要となり、装置が大型化かつ複雑化する。本実施例では、反射素子131,132の傾き、及び第1回折素子110と第2回折素子120の位置、及び第1回折素子110と第2回折素子120における回折次数を適切に選択する。これにより、小型かつ簡易な構成で、焦点距離の異なる被検光学系30の光軸外を透過した光の波面を計測可能である。
図3では、広角~標準レンズでは第1回折素子110において0次回折光を、望遠~超望遠レンズでは第1回折素子110において1次回折光を選択しているが、次数選択はこれに限らない。被検光学系30の焦点距離、像高、及び第1回折素子110と第2回折素子120の周期等に基づいて適切な回折次数を選択すればよい。
本実施例では、被検光学系30の焦点距離が5~1000mm、光源10の波長が400~700nm程度である場合、第1回折素子110と第2回折素子120の周期は光源10の波長の1.1倍~2倍程度であることが好ましい。この場合、第2回折素子120における1次回折角は30~65度程度となる。この状態で反射素子131,132の傾きを±15度程度の範囲での調整、かつ第1回折素子110の回折次数の選択の組み合わせにより様々な軸外光線角度、すなわち様々な焦点距離の被検光学系30の光軸外を透過した光の波面を小型な装置で計測可能である。
反射素子に対して光が斜めに入射すると、反射素子に光が当たる面積は、光束サイズより大きくなる(入射角θのときの照射面積は、光束サイズの1/cosθ倍になる)ため、一般的には、光束サイズより大きい有効領域の反射素子を準備する必要がある。本実施例では、第2回折素子120で回折させることで、光束サイズを圧縮(回折角αのときの光束サイズは回折前の光束のcosα倍)し、かつ、反射素子131,132への入射角を小さくすることができる。これにより、反射素子131,132のサイズを小さくすることができるため、波面計測装置1を小型化することができる。
広角~標準レンズの焦点距離では、第1回折素子110で回折させないので、第1回折素子110は配置されてなくてもよい。そこで、波面計測装置1は、光路上に第1回折素子110を出し入れできる構造を有してもよい。
本実施例では、被検光学系30の2つの軸外光(光201,202)の波面を計測するが、より多くの軸外光の波面を計測してもよい。図1では軸外光を2次元的に示しているが、紙面奥行き方向を含め3次元的に配置することができる。奥行き方向にも光を回折する回折素子を配置し、それに応じて反射素子、レンズ、及び受光部を設ければよい。
本実施例では、受光部90,91,92として、マイクロレンズアレイを備えたシャックハルトマンセンサを用いているが、他の波面センサを用いてもよい。例えば、ハルトマンマスクを備えたシアリング干渉計(タルボ干渉計)を用いてもよい。ハルトマンマスクは、2次元位相型回折格子又は2次元振幅型回折格子のいずれでもよい。シアリング干渉計では、ハルトマンマスクの後方にできる自己像の歪みから、フーリエ変換法によって波面を取得することができる。また、ハルトマンマスクとして、ピンホールアレイであり1つのピンホールを透過した光と隣接するピンホールを透過した光との干渉が無視できるようにピンホール同士が離れているものを用いて、シャックハルトマンセンサと同様の原理で波面を取得してもよい。
また、被検光の強度情報を用いてその波面を取得する方法を用いてもよい。その方法は次の通りである。まず、ミラー71,72,73,74、及びレンズ50,51,52を取り除く。そして、被検光学系30の集光点付近に、直進ステージ上に固定されたイメージセンサを配置する。直進ステージを駆動しながら集光点付近の像を複数、撮像する。コンピュータ80は、撮像された複数の像の強度情報を用いて被検光学系30を透過した複数の像高の波面を取得する。強度情報から波面を取得する方法として例えば、強度輸送方程式を用いる方法、特定の波面の初期値に基づいて最適化計算を行う方法、及び波面と像の強度情報との関係を機械学習させた人工知能(AI)を用いる方法がある。
光源に波長が互いに異なる複数の光源を用いることにより、被検光学系30を透過した光の波面の波長依存性を計測することもできる。ただし、回折素子は波長が変わると回折角が変化するので、必要に応じてアナモルフィック光学系100内の素子の位置や傾きの調整を行う。
本実施例の構成によれば、被検光学系の焦点距離によらず、被検光学系の透過波面を小型かつ簡易な構成で計測することができる。
図4は、本実施例の波面計測装置2の構成図である。波面計測装置2は、光源11,12、ピンホール25、アナモルフィック光学系100、レンズ51,52,53,54、受光部91,92、及びコンピュータ80を有する。アナモルフィック光学系100は、被検光学系30の側から順に配置された、第1回折素子110、反射素子131,132、第2回折素子121,122を備える。波面計測装置2は、被検光学系30の光軸上と光軸外を透過した光の波面を計測する。
実施例1の波面計測装置1は、アナモルフィック光学系100によって被検光学系30の光軸外に対応する光を生成し、生成した光を、被検光学系30を透過させることで被検光学系30の光軸外を透過した光の波面を計測する。本実施例では、被検光学系30の光軸外を透過した光を、アナモルフィック光学系100で光線角度を調整(受光部に対して所定の方向で入射するように調整)して受光部91,92に導くことで被検光学系30の光軸外を透過した光の波面を計測する。
光源11,12から射出された光201,202は、被検光学系30の光軸外像高の位置に配置されたピンホール25を通って発散し、被検光学系30に入射する。被検光学系30の光軸外を透過した軸外光である光201,202は、アナモルフィック光学系100に入射する。
光201,202はそれぞれ、アナモルフィック光学系100内の第1回折素子110で回折(+1次回折、-1次回折)し、反射素子131,132で反射し、第2回折素子121,122で回折(+1次回折、-1次回折)する。
光201は、レンズ51,53を通って受光部91で受光される。光202は、レンズ52,54を通って受光部92で受光される。受光部91、92はそれぞれ、受光した光201,202に対応する信号をコンピュータ80に出力する。
コンピュータ80は、光201,202に対応する信号を用いて、被検光学系30を透過した光軸外光である光201,202の波面を取得する。
本実施例では、被検光学系30を透過した光が平行光(物体位置が無限遠)の状態で計測するが、収束光(物体位置が有限)の状態で計測してもよい。その場合、レンズ51,52,53,54を適切な開口数と焦点距離のレンズに交換する。また、一般的に、光が収束している状態で回折させると回折時に収差が発生するため、波面を取得する際に収差の補正が必要となる。収差の補正量は、光線追跡によって取得可能である。収差を補正する代わりに、被検光学系30とアナモルフィック光学系100の間に、収束光を平行光にコリメートする補助レンズを挿入することで収差の発生を抑制してもよい。
本実施例の構成によれば、被検光学系の焦点距離によらず、被検光学系の透過波面を小型かつ簡易な構成で計測することができる。
図5は、本実施例の波面計測装置3の構成図である。波面計測装置3は、光源10、ファイバ20、ステージ40、レンズ55,56、ハーフミラー60、アナモルフィック光学系100、受光部90、及びコンピュータ80を有する。アナモルフィック光学系100は、被検光学系30の側から順に配置された、回折素子140、反射素子130を備える。本実施例では、回折素子140が実施例1と実施例2で説明した第1回折素子と第2回折素子の役目を担う。波面計測装置3は、被検光学系30の複数の像高に対応する透過波面を順次計測する。
光源10からファイバ20を介して射出された光210は、レンズ55により平行光となる。光210の一部の光は、ハーフミラー60を透過し、レンズ56によって被検光学系30の像面位置に相当する位置に集光される。その後、発散して被検光学系30に入射する。被検光学系30を透過した光210は、アナモルフィック光学系100に入射する。
光210は、アナモルフィック光学系100内の回折素子140で回折(+1次回折)し、反射素子130で反射し、回折素子140で回折(-1次回折)して再度、被検光学系30に入射する。
被検光学系30を透過した光210は、レンズ56を通って平行光となる。光210の一部の光は、ハーフミラー60で反射し受光部90で受光される。受光部90は、受光した光210に対応する信号をコンピュータ80に出力する。コンピュータ80は、光210に対応する信号を用いて、被検光学系30を透過した光210の波面を取得する。
本実施例では、ステージ40を図5のxy方向へ駆動させることで、被検光学系30の複数の像高に対応する波面を計測することができる。コンピュータ80は、被検光学系30の焦点距離と像高に基づいて、光210が受光部90に対して所定の方向で入射するように反射素子130の傾きを取得する。コンピュータ80は、光210が被検光学系30の所定の像高に入射するようにステージ40を駆動し、反射素子130の傾きを調整する。
広角レンズ(大画角の被検光学系)の光軸外波面を一般的なダブルパス光学系(図5の第2回折素子が配置されていない光学系)を用いて計測する場合、大きなサイズの反射素子を準備し、大きく傾ける必要がある。そのため、波面計測装置3が大型化してしまう。本実施例では、回折素子140における回折光を用いることで光線角度を抑制し、小サイズの反射素子130を、少し傾けるだけで広角レンズの光軸外を透過した光の波面を計測することができる。望遠レンズのような小画角の被検光学系30の光軸外を透過した光の波面を計測する場合、回折素子140における0次回折光を用いればよい。
本実施例の構成によれば、被検光学系の焦点距離によらず、被検光学系の透過波面を小型かつ簡易な構成で計測することができる。
図6は、本実施例の波面計測装置4の構成図である。波面計測装置4は、光源10、ファイバ20,21,22、アナモルフィック光学系100、レンズ55,56、受光部90、及びコンピュータ80を有する。アナモルフィック光学系100は、被検光学系30の側から順に配置された、第1回折素子110、反射素子131,132、第2回折素子120を備える。ファイバ20,21,22はそれぞれ、光源10と反対側の端面の位置が、被検光学系30におけるそれぞれ異なる像高に対応するように配置されている。波面計測装置4は、被検光学系30の光軸上と光軸外を透過した光の波面を計測する。
光源10からファイバ20、21、22を介して射出された光200,201,202は、被検光学系30に入射する。被検光学系30を透過した光200,201,202は、アナモルフィック光学系100に入射する。
光200,201,202はそれぞれ、アナモルフィック光学系100内の第1回折素子110で回折(0次回折、+1次回折、-1次回折)し、反射素子131,132で反射し、第2回折素子120で回折(0次回折、+1次回折、-1次回折)する。
光200,201,202は、レンズ55,56を通って受光部90で受光される。受光部90は、受光した光200,201,202に対応する信号をコンピュータ80に出力する。コンピュータ80は、光200,201,202に対応する信号を用いて、被検光学系30の光軸上を透過した光200、及び光軸外を透過した光201,202の波面を取得する。
本実施例では、被検光学系30の光軸外を透過した光201,202を、アナモルフィック光学系100で光線角度を調整(受光部90に対して所定の方向で入射するように調整)して1つの受光部90に導光することで光軸外の波面を計測する。光200,201,202を1つの受光部90で受光するため、全ての光が点灯すると同時に受光部90に入射してしまう。そのため、コンピュータ80は、光200,201,202が順番に被検光学系30に入射するように光源10を制御する必要がある。
本実施例の構成によれば、被検光学系の焦点距離によらず、被検光学系の透過波面を小型かつ簡易な構成で計測することができる。
図7は、実施例1乃至4の波面計測装置のいずれかにより計測された波面の結果を用いて、光学系(被検光学系30)を製造する方法を示すフローチャートである。
ステップS101では、製造者は、複数の光学素子(レンズ等)を用いて光学系を組み立てて、各光学素子の位置を調整する。
ステップS102では、製造者(計測者)は、組立調整された光学系の精度や性能を評価する。この際、波面計測装置1~4のいずれかを用いて光学系を透過した複数の被検光の波面を計測し、その結果を用いて評価を行う。満足する評価結果が得られた場合、光学系の製造を終了し、満足する評価結果が得られない場合、ステップS101の処理が実行される。
本実施形態の開示は、以下の構成及び方法を含む。
(構成1)
被検光学系を透過した光を受光する受光部と、
前記被検光学系の側から順に配置された回折素子及び反射素子を備え、前記被検光学系の光軸外を透過した光の前記受光部に対する入射角を調整するために、前記回折素子の位置及び前記反射素子の傾きの少なくとも一方を調整可能な光学系と、
前記受光部から出力された信号を用いて前記被検光学系を透過した光の波面を取得する取得部とを有することを特徴とする波面計測装置。
(構成2)
前記取得部は、前記被検光学系の焦点距離と前記被検光学系の光軸外を透過した光が形成する光学像の像高とに基づいて前記反射素子の傾きを取得することを特徴とする構成1に記載の波面計測装置。
(構成3)
前記取得部は、前記被検光学系の焦点距離と前記被検光学系の光軸外を透過した光が形成する光学像の像高とに基づいて前記回折素子の位置を取得することを特徴とする構成1又は2に記載の波面計測装置。
(構成4)
前記受光部は、マイクロレンズアレイを備えることを特徴とする構成1乃至3の何れか一つの構成に記載の波面計測装置。
(構成5)
前記受光部は、ハルトマンマスクを備えることを特徴とする構成1乃至4の何れか一つの構成に記載の波面計測装置。
(構成6)
前記光源からの光の一部は、前記被検光学系を透過し、前記回折素子で回折し、前記反射素子で反射し、前記回折素子で回折し、前記被検光学系を透過し、前記受光部に導かれることを特徴とする構成1乃至5の何れか一つの構成に記載の波面計測装置。
(構成7)
前記光学系は、前記被検光学系の側から順に配置された、第1回折素子、反射素子、第2回折素子を備え、前記被検光学系の光軸外を透過した光の前記受光部に対する入射角が所定の角度となるように、前記第1回折素子の位置、前記反射素子の傾き、及び前記第2回折素子の位置の少なくとも1つを調整可能に構成されていることを特徴とする構成1乃至5の何れか一つの構成に記載の波面計測装置。
(構成8)
前記取得部は、前記被検光学系の焦点距離と前記被検光学系の光軸外を透過した光が形成する光学像の像高とに基づいて前記2回折素子の位置を取得することを特徴とする構成7に記載の波面計測装置。
(構成9)
前記光源からの光の一部は、前記第2回折素子で回折し、前記反射素子で反射し、前記第1回折素子で回折し、前記被検光学系を透過し、前記受光部に導かれることを特徴とする構成7又は8に記載の波面計測装置。
(構成10)
前記光源からの光の一部は、前記被検光学系を透過し、前記第1回折素子で回折し、前記反射素子で反射し、前記第2回折素子で回折し、前記受光部に導かれることを特徴とする構成7又は8に記載の波面計測装置。
(構成11)
前記光源からの光は、複数のファイバを介して前記被検光学系に入射することを特徴とする構成1乃至10の何れか一つの構成に記載の波面計測装置。
(方法1)
被検光学系、及び前記被検光学系の側から順に配置された、回折素子、反射素子を備える光学系を透過した光を受光部に受光させるステップと、
前記受光部から出力された信号を用いて前記被検光学系を透過した光の波面を取得するステップと、
前記被検光学系の光軸外を透過した光の前記受光部に対する入射角を調整するために、前記回折素子の位置及び前記反射素子の傾きの少なくとも1つを調整するステップとを有することを特徴とする波面計測方法。
(方法2)
方法1に記載の波面計測方法を用いて前記被検光学系の評価を行うステップと、
該評価の結果を用いて前記被検光学系の調整を行うステップと、を有することを特徴とする光学系の製造方法。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1,2,3,4 波面計測装置
30 被検光学系
80 コンピュータ(取得部)
90,91,92 受光部
100 アナモルフィック光学系(光学系)
110 第1回折素子(回折素子)
130,131,132 反射素子
140 回折素子

Claims (13)

  1. 被検光学系を透過した光を受光する受光部と、
    前記被検光学系の側から順に配置された回折素子及び反射素子を備え、前記被検光学系の光軸外を透過した光の前記受光部に対する入射角を調整するために、前記回折素子の位置及び前記反射素子の傾きの少なくとも一方を調整可能な光学系と、
    前記受光部から出力された信号を用いて前記被検光学系を透過した光の波面を取得する取得部とを有することを特徴とする波面計測装置。
  2. 前記取得部は、前記被検光学系の焦点距離と前記被検光学系の光軸外を透過した光が形成する光学像の像高とに基づいて前記反射素子の傾きを取得することを特徴とする請求項1に記載の波面計測装置。
  3. 前記取得部は、前記被検光学系の焦点距離と前記被検光学系の光軸外を透過した光が形成する光学像の像高とに基づいて前記回折素子の位置を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の波面計測装置。
  4. 前記受光部は、マイクロレンズアレイを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の波面計測装置。
  5. 前記受光部は、ハルトマンマスクを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の波面計測装置。
  6. 光源からの光の一部は、前記被検光学系を透過し、前記回折素子で回折し、前記反射素子で反射し、前記回折素子で回折し、前記被検光学系を透過し、前記受光部に導かれることを特徴とする請求項1又は2に記載の波面計測装置。
  7. 前記光学系は、前記被検光学系の側から順に配置された、第1回折素子、反射素子、第2回折素子を備え、前記被検光学系の光軸外を透過した光の前記受光部に対する入射角を調整するために、前記第1回折素子の位置、前記反射素子の傾き、及び前記第2回折素子の位置の少なくとも1つを調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の波面計測装置。
  8. 前記取得部は、前記被検光学系の焦点距離と前記被検光学系の光軸外を透過した光が形成する光学像の像高とに基づいて前記2回折素子の位置を取得することを特徴とする請求項7に記載の波面計測装置。
  9. 光源からの光の一部は、前記第2回折素子で回折し、前記反射素子で反射し、前記第1回折素子で回折し、前記被検光学系を透過し、前記受光部に導かれることを特徴とする請求項7に記載の波面計測装置。
  10. 光源からの光の一部は、前記被検光学系を透過し、前記第1回折素子で回折し、前記反射素子で反射し、前記第2回折素子で回折し、前記受光部に導かれることを特徴とする請求項7に記載の波面計測装置。
  11. 光源からの光は、複数のファイバを介して前記被検光学系に入射することを特徴とする請求項1又は2に記載の波面計測装置。
  12. 被検光学系、及び前記被検光学系の側から順に配置された、回折素子、反射素子を備える光学系を透過した光を受光部に受光させるステップと、
    前記受光部から出力された信号を用いて前記被検光学系を透過した光の波面を取得するステップと、
    前記被検光学系の光軸外を透過した光の前記受光部に対する入射角を調整するために、前記回折素子の位置及び前記反射素子の傾きの少なくとも1つを調整するステップとを有することを特徴とする波面計測方法。
  13. 請求項12に記載の波面計測方法を用いて前記被検光学系の評価を行うステップと、
    該評価の結果を用いて前記被検光学系の調整を行うステップとを有することを特徴とする光学系の製造方法。
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