JP2024056186A - コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】コンデンサのコスト上昇を抑えつつ、コンデンサの放熱性の向上を図る。【解決手段】コンデンサ1は、コンデンサ素子10Aなどと、コンデンサ素子10Aなどの第1の端面電極に接触する第1のバスバー20と、コンデンサ素子10Aなどの第2の端面電極に接触する第2のバスバー30と、第1のバスバー20と接触する放熱部40A,40Bと、コンデンサ素子10Aなどを封止する充填樹脂部50とを備え、放熱部40A,40Bは、z軸正側からz軸負側を見た平面視において第1のバスバー20の一部分と重なる位置に、充填樹脂部50から露出する露出面41A,41Bから、充填樹脂部50に埋設し、当該第1のバスバー20と接触する接触面42A,42Bに亘って存在する。【選択図】図1
Description
本発明は、放熱構造を有するコンデンサに関する。
近年、環境保護の観点から、あらゆる電気機器がインバータ回路で制御され、省エネルギー化、高効率化が進められている。特に、自動車業界においては、電気モータとガソリンエンジンで走行するハイブリッド電気自動車(以下、「HEV」と記載する。)や電気自動車(以下、「EV」と記載する。)が市場導入されるなど、省エネルギー化、高効率化に関する技術の開発が活発化している。
このようなHEV・EV用の電気モータは使用電圧領域が数百ボルトと高いため、このような電気モータに関連して使用されるコンデンサとして、高耐電圧で低損失の電気特性を有するフィルムコンデンサが注目されており、更に市場におけるメンテナンスフリー化の要望からも極めて寿命が長いフィルムコンデンサを採用する傾向が目立っている。
このようなフィルムコンデンサには、金属化フィルムコンデンサ素子(「金属化フィルムコンデンサ素子」を、単に、「コンデンサ素子」と記載する場合もある。)をケースに充填樹脂とともに樹脂モールドしたコンデンサがある。コンデンサとして、例えば、図7(a),(b)に示すように、複数(例えば、6個)のコンデンサ素子110、ケース400、コンデンサ素子110の一方の端面に形成された端面電極と接続される電極端子部210を有する第1のバスバー200、コンデンサ素子110の他方の端面に形成された端面電極と接続される電極端子部を有する第2のバスバー300、および、ケース400にコンデンサ素子110などが収容されている状態でケース400に充填される充填樹脂500を有するコンデンサ100がある(例えば、特許文献1参照)。
図8(a),(b)に示すコンデンサ100では、第1のバスバー200の電極端子部210は、細長い方形状をし、前列の各コンデンサ素子110の第1の端面電極に接続する前板部211、長方形状をし、後列の各コンデンサ素子110の第1の端面電極に接続する後板部212、および、前板部211と後板部212との間において矩形波状に張り出した張出部213とを有するように構成されている。前板部211および後板部212は充填樹脂500内部に埋設されており、一方、張出部213は充填樹脂500外部に露出している。
コンデンサ100に通電すると、コンデンサ素子110、第1のバスバー200および第2のバスバー300に流れる電流により発熱することになるが、充填樹脂500の外部に露出する張出部213の作用により、外部へ放熱しやすくなっており、放熱性は第1のバスバー200の厚み(図8(b)の上下方向の厚み)に依存する。
ところで、図8(a),(b)に示すコンデンサ100において、十分な放熱性を確保できない場合、第1のバスバー200の厚みを厚くすることで放熱性を高めることができるが、第1のバスバー200の厚みを厚くすることはコンデンサ100のコスト上昇につながってしまう。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、コンデンサのコスト上昇を抑えつつ、コンデンサの放熱性の向上を図ることが可能なコンデンサを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明に係るコンデンサは、一方の端面に一の極性に対応する第1の端面電極が設けられ、他方の端面に他の極性に対応する第2の端面電極が設けられた、コンデンサ素子と、外部接続端子部を有し、前記コンデンサ素子の前記第1の端面電極に接触して電気的に接続された第1の導体と、外部接続端子部を有し、前記コンデンサ素子の前記第2の端面電極に接触して電気的に接続された第2の導体と、前記第1の導体と隣接する放熱材と、前記コンデンサ素子、前記第1および前記第2の導体の前記外部接続端子部を除く所定の部分、および、前記放熱材の一部を封止する封止樹脂部とを備え、前記放熱材は、前記第1の端面電極側から前記第2の端面電極側への方向から前記コンデンサを見た平面視において前記第1の導体の一部分と重なる位置に、前記封止樹脂部から露出していることを特徴としている。
この構成によれば、コンデンサ素子の第1の端面電極に接触して電気的に接続された第1の導体とは別に、第1の導体と隣接する放熱材を設け、放熱材は、平面視において第1の導体の一部分と重なる位置に、封止樹脂部から露出している。このように、第1の導体の厚みを厚くすることなく、放熱材を平面視において第1の導体の全体ではなく一部分と重なる位置にだけ存在するようにすることで、コンデンサのコスト上昇を抑えつつ、コンデンサの放熱性の向上を図ることができる。また、従来技術のように第1の導体に対し折り曲げ等の加工を施すことがないので、封止樹脂部外部から水分が浸入するのを第1の導体により防止することができる。具体的には、第1の導体を封止樹脂部に露出するように曲げ加工を施すと露出した第1導体は水分の浸入防止に寄与することがなく、耐湿性が劣化するおそれがあるが、本発明によれば耐湿性を担保することができる。しかも、放熱材を第1の導体とは別に隣接させることで、第1の導体を露出させる面積、位置に制約を受けることがなく、所望の放熱経路を確保することができる。
また、前記放熱材は、熱伝導率1.0[W/(m・K)]以上であるとしてもよい。
この構成によれば、放熱材を用いた十分な放熱性を確保することができる。
また、前記放熱材が封止樹脂部から露出する露出面は、前記第1の端面電極と平行な平坦面であるとしてもよい。
この構成によれば、例えば、コンデンサが外部装置に搭載された際、外部装置側で準備された冷却部品を第3の導体の露出面に接触するように配置することができる。
また、前記放熱材が前記第1の導体に接触する第1の層と、前記第1の層上に積層され前記第1の層と異なる材料で形成された第2の層とを含み、前記第2の層の表面を前記封止樹脂部から露出させてもよい。
この構成によれば、例えば第1の層を金属と比較して柔軟性のある放熱シートで構成する一方、第2の層をアルミニウムや銅などの金属により構成することで、第1の導体と第1の層および第1の層と第2の層の間の密着性を向上させ、第1の導体から第2の層への放熱性を向上させることができる。
この場合、前記第1の層が前記封止樹脂部内部に存在する一方、前記第2の層が前記封止樹脂部の内部と外部とに亘って存在しているとしてもよい。
本発明によれば、コンデンサ素子の第1の端面電極に接触して電気的に接続された第1の導体とは別に、第1の導体と隣接する放熱材を設け、放熱材は、平面視において第1の導体の一部分と重なる位置に、封止樹脂部から露出している。このように、第1の導体の厚みを厚くすることなく、放熱材を平面視において第1の導体の全体ではなく一部分と重なる位置にだけ存在するようにすることで、コンデンサのコスト上昇を抑えつつ、コンデンサの放熱性の向上を図ることができる。
以下では、本発明の一の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
1.コンデンサの構造
本発明の一の実施形態に係るコンデンサ1の構造について図1を参照して説明する。なお、図1および後述する図2から図6の各図のx軸、y軸、z軸は互いに同一方向であり、コンデンサ1が完成した状態でのケース60の開口面がxy面となり、ケース60の短辺側の側面がyz面となり、ケース60の長辺側の側面がzx面となるようにコンデンサ1を図示している。
本発明の一の実施形態に係るコンデンサ1の構造について図1を参照して説明する。なお、図1および後述する図2から図6の各図のx軸、y軸、z軸は互いに同一方向であり、コンデンサ1が完成した状態でのケース60の開口面がxy面となり、ケース60の短辺側の側面がyz面となり、ケース60の長辺側の側面がzx面となるようにコンデンサ1を図示している。
コンデンサ1は、図1に示すように、複数の金属化フィルムコンデンサ素子(本発明の「コンデンサ素子」に相当。本実施形態では、3つの金属化フィルムコンデンサ素子10A,10B,10C:以下、適宜、「コンデンサ素子」と記載する。)、第1のバスバー(本発明の「第1の導体」に相当)20、第2のバスバー(本発明の「第2の導体」に相当)30、放熱部(本発明の「放熱材」に相当)40A,40Bと、充填樹脂部(本発明の「封止樹脂部」に相当)50(図6参照)、および、ケース60を備える。
コンデンサ素子10A,10B,10Cは、図1に示すように、素子本体部11A,11B,11Cと、素子本体部11A,11B,11Cの一方の端面に、亜鉛等の金属の吹き付けにより形成された第1の端面電極(本発明の「第1の端面電極」に相当)12A,12B,12Cと、素子本体部11A,11B,11Cの他方の端面に、亜鉛等の金属の吹き付けにより形成された第2の端面電極(本発明の「第2の端面電極」に相当)13A,13B,13Cとを含むように構成される。
素子本体部11A,11B,11Cは、誘電体フィルム上にアルミニウムを蒸着させた2枚の金属化フィルムを重ね、重ねた金属化フィルムを巻回または積層し、扁平状に押圧することにより形成される。なお、本実施形態の素子本体部11A,11B,11Cは、誘電体フィルム上にアルミニウムを蒸着させた金属化フィルムにより形成されるとしたが、これに限定されるものではなく、亜鉛、マグネシウム等の他の金属を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよく、これらの金属のうち、複数の金属を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよく、これらの金属同士の合金を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよい。
3つのコンデンサ素子10A,10B,10Cは、隣接するコンデンサ素子と互いに周面が対向するように上下左右に配列され(本実施形態ではx軸方向に3個、y軸方向に1個配列され)、この状態で、3つのコンデンサ素子10A,10B,10Cの第1の端面電極12A,12B,12Cの各々に第1のバスバー20が接触することで電気的に接続され、第2の端面電極13A,13B,13Cの各々に第2のバスバー30が接触することで電気的に接続される。第1のバスバー20は、銅などの導電性材料により形成され、第2のバスバー30は、銅などの導電性材料により形成される。
本実施形態では、第1の端面電極12A,12B,12Cおよび第1のバスバー20をP極側とし、第2の端面電極13A,13B,13Cおよび第2のバスバー30をN極側とする。
第1のバスバー20は、上述したように、銅などの導電性材料により形成されており、以下の形状をしている。
第1のバスバー20には、コンデンサ1が組み立てられた状態で、3つのコンデンサ素子10A,10B,10Cの第1の端面電極12A,12B,12Cの各々と接触して電気的に接続される平板状の端面電極接触部21が設けられている。本実施形態では、第1のバスバー20の端面電極接触部21の複数の凹部状の切抜部における突出部と3つのコンデンサ素子10A,10B,10Cの第1の端面電極12A,12B,12Cの各々とを半田付けすることにより、第1のバスバー20と3つのコンデンサ素子10A,10B,10Cの第1の端面電極12A,12B,12Cの各々とが電気的に接続される。
また、第1のバスバー20には、平板状の端面電極接触部21の図1に示すy軸正側の端縁部の3つの箇所に、当該箇所から図1に示すz軸正方向に延在する平板状の立設部22が設けられている。
また、第1のバスバー20には、3つの平板状の立設部22各々の端面電極接触部21とは反対側の箇所に、当該箇所から図1に示すy軸正方向に延在する外部接続端子部23が設けられている。
また、第1のバスバー20には、平板状の端面電極接触部21の図1に示すy軸負側の端縁部の3つの箇所に、当該箇所から図1に示すz軸正方向に延在する平板状の立設部24が設けられている。
また、第1のバスバー20には、3つの平板状の立設部24各々の端面電極接触部21とは反対側の箇所に、当該箇所から図1に示すy軸負方向に延在する外部接続端子部25が設けられている。
第2のバスバー30は、上述したように、銅などの導電性材料により形成されており、以下の形状をしている。
第2のバスバー30には、コンデンサ1が組み立てられた状態で、3つのコンデンサ素子10A,10B,10Cの第2の端面電極13A,13B,13Cの各々と接触して電気的に接続される平板状の端面電極接触部31が設けられている。本実施形態では、第2のバスバー30の端面電極接触部31の複数の凹部状の切抜部における突出部と3つのコンデンサ素子10A,10B,10Cの第2の端面電極13A,13B,13Cの各々とを半田付けすることにより、第2のバスバー30と3つのコンデンサ素子10A,10B,10Cの第2の端面電極13A,13B,13Cの各々とが電気的に接続される。
また、第2のバスバー30には、平板状の端面電極接触部31の図1に示すy軸正側の端縁部の3つの箇所に、当該箇所から図1に示すz軸正方向に延在する平板状の立設部32が設けられている。コンデンサ1が組み立てられた状態で、第1のバスバー20の立設部22と、第2のバスバー30の立設部32とは、y軸負側からy軸正側を見た平面視(以下、適宜、「zx平面視」と記載する。)において一部が重なり合い、z軸正側からz軸負側を見た平面視(以下、適宜、「xy平面視」と記載する。)において、第1のバスバー20の立設部22は第2のバスバー30の立設部32よりy軸負側に絶縁された状態で配置される。具体的には、図示しない絶縁体(絶縁板や絶縁紙)をPN両バスバー20,30間に介挿するか、絶縁距離を確保するためPN両バスバー20,30間に所定のクリアランスを設ける。以下、他の絶縁箇所(絶縁された状態で配置)も同様である。
また、第2のバスバー30には、3つの平板状の立設部32各々の端面電極接触部31とは反対側の箇所に、当該箇所から図1に示すy軸正方向に延在する外部接続端子部33が設けられている。
また、第2のバスバー30には、平板状の端面電極接触部31の図1に示すy軸負側の端縁部の3つの箇所に、当該箇所から図1に示すz軸正方向に延在する平板状の立設部34が設けられている。コンデンサ1が組み立てられた状態で、第1のバスバー20の立設部24と、第2のバスバー30の立設部34とは、zx平面視において一部が重なり合い、xy平面視において、第1のバスバー20の立設部24は第2のバスバー30の立設部34よりy軸正側に絶縁された状態で配置される。
また、第2のバスバー30には、3つの平板状の立設部34各々の端面電極接触部31とは反対側の箇所に、当該箇所から図1に示すy軸負方向に延在する外部接続端子部35が設けられている。
コンデンサ1が組み立てられた状態では、コンデンサ素子10A,10B,10Cは、第2のバスバー30の立設部32のy軸負側の面と立設部34のy軸正側の面との間に、端面電極接触部31のz軸正側の面がコンデンサ素子10A,10B,10Cの第2の端面電極13A,13B,13Cのz軸負側の面に接触するように、配置される。
また、コンデンサ1が組み立てられた状態では、第1のバスバー20は、第2のバスバー30の立設部32のy軸負側の面と立設部34のy軸正側の面との間に、第1のバスバー20と第2のバスバー30とが接触しないように、配置される。
放熱部40A,40Bは、例えば、熱伝導率1.0[W/(m・K)]以上の材料により形成されており、本実施形態ではアルミニウムや銅などの金属により形成されており、以下の形状をしている。
放熱部40Aは、コンデンサ1が組み立てられた状態において、第1のバスバー20の端面電極接触部21の第1の端面電極12A,12B,12Cと対向する面と反対側の面(端面電極接触部21の図1に示すz軸正側の面)に接触するように、端面電極接触部21の図1に示すz軸正側の面にxy平面視でy軸正負方向の中央よりも立設部22寄りに配置され、直方体状をしており、一部が充填樹脂部50に埋設し、残り部分が充填樹脂部50から露出している。さらに、放熱部40Aは、コンデンサ1が組み立てられた状態において、xy平面視で第1のバスバー20の全体とではなく第1のバスバー20の一部と重なる位置に、第1のバスバー20の端面電極接触部21と対向する面と反対側の面であって充填樹脂部50から露出する面(xy平面と平行な面であり、以下、「露出面」と記載する。:本発明の「露出面」に相当)41Aから、充填樹脂部50に埋設し、第1のバスバー20の端面電極接触部21の図1に示すz軸正側の面と接触する面(xy平面と平行な面であり、以下、「接触面」と記載する。)42Aに亘って金属が稠密な状態で存在している。また、放熱部40Aの露出面41Aは、第1の端面電極12A,12B,12Cや第1のバスバー20の端面電極接触部21と平行な平坦面(xy平面と平行な平坦面)となっている。
放熱部40Bは、コンデンサ1が組み立てられた状態において、第1のバスバー20の端面電極接触部21の図1に示すz軸正側の面に接触するように、端面電極接触部21の図1に示すz軸正側の面にxy平面視でy軸正負方向の中央よりも立設部24寄りに配置され、直方体状をしており、一部が充填樹脂部50に埋設し、残り部分が充填樹脂部50から露出している。さらに、放熱部40Bは、コンデンサ1が組み立てられた状態において、xy平面視で第1のバスバー20の全体とではなく第1のバスバー20の一部と重なる位置に、第1のバスバー20の端面電極接触部21と対向する面と反対側の面であって充填樹脂部50から露出する面(xy平面と平行な面であり、以下、「露出面」と記載する。:本発明の「露出面」に相当)41Bから、充填樹脂部50に埋設し、第1のバスバー20の端面電極接触部21の図1に示すz軸正側の面と接触する面(xy平面と平行な面であり、以下、「接触面」と記載する。:本発明の「隣接面」に相当)42Bに亘って金属が稠密な状態で存在している。また、放熱部40Bの露出面41Bは、第1の端面電極12A,12B,12Cや第1のバスバー20の端面電極接触部21と平行な平坦面(xy平面と平行な平坦面)となっている。
ケース60は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリブチレンテレフタレート(PBT)などの樹脂やプラスチックなどの有機材料、セラミックなどの無機材料などの種々の材料で形成することができ、以下の形状をしている。
ケース60は、一方の面(図1に示すz軸正側の面)が開放された開口を有する直方体の箱状をしている。
ケース60には、コンデンサ素子10A,10B,10C、第1のバスバー20、第2のバスバー30、および、放熱部40A,40Bが組み立てられた状態で収容される(図5参照)。また、コンデンサ素子10A,10B,10C、第1のバスバー20、第2のバスバー30、および、放熱部40A,40Bが組み立てられた状態でケース60に収容された後に、樹脂封止される(図6参照)。
充填樹脂部50は、ケース60と、組み立てた状態のコンデンサ素子10A,10B,10C、第1のバスバー20、第2のバスバー30、および、放熱部40A,40Bとの空きスペースを埋めるとともにこれらを被覆するもので、例えば、エポキシ樹脂が用いられる。なお、充填樹脂部50は、エポキシ樹脂に限らず、電子部品の封止樹脂として採用される種々の絶縁材料を用いることができる。なお、充填樹脂部50は、液体の状態でケース60に充填された後、硬化することで形成される。
上述したように、放熱部40A,40Bは、その一部が充填樹脂部50に埋設され、その残り部分が充填樹脂部50から露出し、露出している露出面41A,41Bは第1の端面電極12A,12B,12Cや第1のバスバー20の端面電極接触部21と平行な平坦面(xy平面と平行な平坦面)となっている(図5、図6参照)。例えば、コンデンサ1が外部装置に搭載された際に外部装置側で準備された冷却部品が充填樹脂部50から露出している放熱部40A,40Bの平坦面である露出面41A,41Bに当接し、コンデンサ1の通電により発生した熱は、放熱部40A,40Bの接触面42A,42B側の部分から放熱部40A,40Bの露出面41A,41B側の部分に伝わり、さらに、放熱部40A,40Bの露出面41A,41B側の部分から露出面41A,41Bに当接した冷却部品に伝わる。
2.コンデンサの製造プロセス
以下、上述した構造のコンデンサ1の製造プロセスについて図2から図6を参照して説明する。なお、下記で説明するコンデンサ1の製造プロセスは一例であって、最終的にコンデンサ1を図6の状態に組み立てることができる組み立て順であればよい。
以下、上述した構造のコンデンサ1の製造プロセスについて図2から図6を参照して説明する。なお、下記で説明するコンデンサ1の製造プロセスは一例であって、最終的にコンデンサ1を図6の状態に組み立てることができる組み立て順であればよい。
放熱部40Aを、放熱部40Aの接触面42Aが、第1のバスバー20の端面電極接触部21のz軸正側の面のうちのy軸正負方向の中央よりも立設部22寄りの部分に、接触するように、z軸正側から配置して取り付ける。また、放熱部40Bを、放熱部40Bの接触面42Bが、第1のバスバー20の端面電極接触部21のz軸正側の面のうちのy軸正負方向の中央よりも立設部24寄りの部分に、接触するように、z軸正側から配置して取り付ける。これにより、図2に示す状態となる。なお、放熱部40A,40Bの第1のバスバー20への接触による取り付けには、例えば接合や接着も含まれる。
コンデンサ素子10A,10B,10Cを、第2のバスバー30の立設部32のy軸負側の面と立設部34のy軸正側の面との間に、端面電極接触部31のz軸正側の面がコンデンサ素子10A,10B,10Cの第2の端面電極13A,13B,13Cのz軸負側の面に接触するように、z軸負側から配置し、図3に示す状態となる。そして、コンデンサ素子10A,10B,10Cの第2の端面電極13A,13B,13Cと第2のバスバー30の端面電極接触部31とを半田付け等により電気的に接続する。
放熱部40A,40Bが端面電極接触部21のz軸正側の面に取り付けられた第1のバスバー20を、第2のバスバー30の立設部32のy軸負側の面と立設部34のy軸正側の面との間に、端面電極接触部21のz軸負側の面がコンデンサ素子10A,10B,10Cの第1の端面電極12A,12B,12Cのz軸正側の面に接触し、第2のバスバー30とは絶縁された状態となるように、z軸正側から配置し、図4に示す状態となる。
組み立てられた状態のコンデンサ素子10A,10B,10C、第1のバスバー20、第2のバスバー30および放熱部40A,40Bを、第2のバスバー30の端面電極接触部31の、コンデンサ素子10A,10B,10Cの第2の端面電極13A,13B,13Cと対向する面と反対側の面(第2のバスバー30の端面電極接触部31の図1に示すz軸負側の面)が、ケース60の底面と所定の間隔を隔てて対向するように、z軸正側から配置し、図5に示す状態となる。
図5に示す状態で、ケース60の開口から、液体のエポキシ樹脂を注入し、所定の硬化温度で硬化させることで、図6に示すコンデンサ1が完成する。
3.効果
以上の実施形態によれば、コンデンサ素子10A,10B,10Cの第1の端面電極12A,12B,12Cに接触して電気的に接続された第1のバスバー20とは別に、第1のバスバー20の端面電極接触部21と接触する放熱部40A,40Bを設け、放熱部40A,40Bを構成する金属のそれぞれは、xy平面視において第1のバスバー20の一部分と重なる位置に、充填樹脂部50から露出する露出面41A,41Bから、充填樹脂部50に埋設し、第1のバスバー20と接触する接触面42A,42Bに亘って存在する。このように、第1のバスバー20のz軸正負方向の厚みを厚くすることなく、放熱部(放熱部40Aと放熱部40Bとを合わせたもの)をxy平面視において第1のバスバー20の全体ではなく一部分と重なる位置にだけ存在するようにすることで、バスバーの厚みを厚くすることに比較してコンデンサ1のコスト上昇を抑えつつ、コンデンサ1の放熱性の向上を図ることができる。
以上の実施形態によれば、コンデンサ素子10A,10B,10Cの第1の端面電極12A,12B,12Cに接触して電気的に接続された第1のバスバー20とは別に、第1のバスバー20の端面電極接触部21と接触する放熱部40A,40Bを設け、放熱部40A,40Bを構成する金属のそれぞれは、xy平面視において第1のバスバー20の一部分と重なる位置に、充填樹脂部50から露出する露出面41A,41Bから、充填樹脂部50に埋設し、第1のバスバー20と接触する接触面42A,42Bに亘って存在する。このように、第1のバスバー20のz軸正負方向の厚みを厚くすることなく、放熱部(放熱部40Aと放熱部40Bとを合わせたもの)をxy平面視において第1のバスバー20の全体ではなく一部分と重なる位置にだけ存在するようにすることで、バスバーの厚みを厚くすることに比較してコンデンサ1のコスト上昇を抑えつつ、コンデンサ1の放熱性の向上を図ることができる。
また、放熱部40A,40Bの材料を熱伝導率1.0[W/(m・K)]以上であるとすることで、十分な放熱性を確保することができる。
また、放熱部40A,40Bを直方体状に形成して放熱部40A,40Bの露出面41A,41Bを、第1の端面電極12A,12B,12Cや第1のバスバー20の端面電極接触部21と平行な平坦面(xy平面と平行な平坦面)とすることにより、コンデンサ1の通電による発熱をコンデンサ外部へ放熱する放熱構造を確実に実現することができる。この結果、例えば、コンデンサ1が外部装置に搭載された際、外部装置側で準備された冷却部品を放熱部40A,40Bのxy平面と平行な平坦面である露出面41A,41Bに接触するように配置することでコンデンサ1からの発熱を冷却部品に速やかに放熱することができる。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
例えば、上記実施形態では、放熱部40A,40Bを、アルミニウムや銅などの金属により形成されるとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、熱伝導率1.0[W/(m・K)]以上のシリコン系樹脂の放熱シートなどで形成されてもよい。
また、上記実施形態では、放熱部を放熱部40A,40Bの2個としているが、これに限定されるものではなく、例えば、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。
また、上記実施形態では、第1のバスバー20の端面電極接触部21のz軸正側の面(ここでは、「第1のバスバー対向面」と記載する。)と放熱部40A,40Bのz軸負側の面(ここでは、「放熱部対向面」と記載する。)とが接触する場合を、第1のバスバー対向面と放熱部対向面とが隣接する場合の例として挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、第1のバスバー対向面と放熱部対向面とが隣接する場合には第1のバスバー対向面と放熱部対向面とが接触しない場合も含まれ、放熱材(放熱部40A,40B)の上面が露出し下面が封止樹脂部(充填樹脂部50)に埋没している限り有効(第1の導体(第1のバスバー20)と放熱材との距離は放熱の妨げにならない限り不問)である。但し、この場合であっても放熱の妨げにならない程度に第1のバスバー対向面と放熱部対向面とが近接していることが好ましく、近接の程度は、第1のバスバー対向面と放熱部対向面とのz軸正負方向の距離が例えば3.0mm以下、好ましくは1.0mm以下である。
また、上記実施形態では、放熱部40A,40Bを金属等の単一層で構成したが、これに限定されず、例えば、放熱部を互いに異なる材料で積層した複数層で構成してもよい。例えば、図7に示すように、コンデンサ1Aが有する放熱部40AA,40BBを第1のバスバー20(第1の導体)に接触する第1の層40AA1,40BB1と、第1の層40AA1,40BB1と異なる材料で形成された第2の層40AA2,40BB2とを含むように構成し、第2の層40AA2,40BB2の表面を充填樹脂部50(封止樹脂部)から露出させてもよい。この場合、第1の層40AA1,40BB1を金属と比較して柔軟性のある放熱シート、例えばシリコン樹脂等で形成された熱伝導性シートで構成する一方、第2の層40AA2,40BB2をアルミニウムや銅などの金属により構成することが好ましい。これにより、第2の層40AA2,40BB2を金属材料(金属の塊)で構成した場合であっても第1の層40AA1,40BB1を放熱シートで構成することで、第1のバスバー20と第1の層40AA1,40BB1の間および第1の層40AA1,40BB1と第2の層40AA2,40BB2の間の密着性を向上させ、第1のバスバー20から第2の層40AA2,40BB2への放熱性を向上させることができる。ここで、第1の層40AA1,40BB1を充填樹脂部50に埋没させる(封止樹脂部内部に存在させる)一方、第2の層40AA2,40BB2を充填樹脂部50の内部と外部とに亘って存在するように構成することが好ましい。また、第2の層40AA2,40BB2を第1の層40AA1,40BB1上に直接に積層する場合に限らず、第1の層40AA1,40BB1と第2の層40AA2,40BB2との間に中間層を配置してもよい。
また、上記実施形態では、放熱部40A,40Bの形状を直方体としたが、放熱部の形状はこれに限定されず、例えば、第1のバスバー20の表面と対向する面から垂直方向(z方向)に延伸する複数の放熱フィンが充填樹脂部50から露出する形状であってもよい。
また、上記実施形態では、ケース60を備える構成のコンデンサ1を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、上記実施形態のケース60を除く構造と同等の構造を有する、ケースを備えない構成のコンデンサであってもよい。
また、上記の実施形態で説明した内容や上記の変形例で説明した内容を適宜組み合わせるようにしてもよい。
本発明は、放熱構造を有するコンデンサに広く適用可能である。
1,1A:コンデンサ
10A,10B,10C:コンデンサ素子
12A,12B,12C:第1の端面電極
13A,13B,13C:第2の端面電極
20:第1のバスバー(第1の導体)
21:端面電極接触部
30:第2のバスバー(第2の導体)
40A,40B,40AA,40BB:放熱部(放熱材)
40AA1,40BB1:第1の層
40AA2,40BB2:第2の層
41A,41B:露出面
50:充填樹脂部(封止樹脂部)
60:ケース
10A,10B,10C:コンデンサ素子
12A,12B,12C:第1の端面電極
13A,13B,13C:第2の端面電極
20:第1のバスバー(第1の導体)
21:端面電極接触部
30:第2のバスバー(第2の導体)
40A,40B,40AA,40BB:放熱部(放熱材)
40AA1,40BB1:第1の層
40AA2,40BB2:第2の層
41A,41B:露出面
50:充填樹脂部(封止樹脂部)
60:ケース
Claims (5)
- 一方の端面に一の極性に対応する第1の端面電極が設けられ、他方の端面に他の極性に対応する第2の端面電極が設けられた、コンデンサ素子と、
外部接続端子部を有し、前記コンデンサ素子の前記第1の端面電極に接触して電気的に接続された第1の導体と、
外部接続端子部を有し、前記コンデンサ素子の前記第2の端面電極に接触して電気的に接続された第2の導体と、
前記第1の導体と隣接する放熱材と、
前記コンデンサ素子、前記第1および前記第2の導体の前記外部接続端子部を除く所定の部分、および、前記放熱材の一部を封止する封止樹脂部と
を備え、
前記放熱材は、前記第1の端面電極側から前記第2の端面電極側への方向から前記コンデンサを見た平面視において前記第1の導体の一部分と重なる位置に、前記封止樹脂部から露出している
ことを特徴とするコンデンサ。 - 前記放熱材は、熱伝導率1.0[W/(m・K)]以上であることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ。
- 前記放熱材が前記封止樹脂部から露出する露出面は、前記第1の端面電極と平行な平坦面であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンデンサ。
- 前記放熱材が前記第1の導体に接触する第1の層と、前記第1の層と異なる材料で形成された第2の層とを含み、
前記第2の層の表面が前記封止樹脂部から露出していることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ。 - 前記第1の層が前記封止樹脂部内部に存在する一方、前記第2の層が前記封止樹脂部の内部と外部とに亘って存在していることを特徴とする請求項4に記載のコンデンサ。
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