JP2024055668A - 成形用樹脂組成物及び電子部品装置 - Google Patents

成形用樹脂組成物及び電子部品装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2024055668A
JP2024055668A JP2022162769A JP2022162769A JP2024055668A JP 2024055668 A JP2024055668 A JP 2024055668A JP 2022162769 A JP2022162769 A JP 2022162769A JP 2022162769 A JP2022162769 A JP 2022162769A JP 2024055668 A JP2024055668 A JP 2024055668A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
molding resin
liquid crystal
mass
crystal polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022162769A
Other languages
English (en)
Inventor
実佳 田中
勇磨 竹内
雄太 助川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Resonac Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Showa Denko Materials Co Ltd, Resonac Corp filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2022162769A priority Critical patent/JP2024055668A/ja
Publication of JP2024055668A publication Critical patent/JP2024055668A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】比誘電率の上昇を抑えつつ、低い誘電正接及び低い成形収縮率を有する硬化物を成形可能な成形用樹脂組成物の提供。【解決手段】エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、液晶ポリマー化合物と、を含む成形用樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、成形用樹脂組成物及び電子部品装置に関する。
近年の電子機器の高機能化、軽薄短小化の要求に伴い電子部品の高密度集積化、さらには高密度実装化が進んできており、これらの電子機器に使用される半導体パッケージは、従来にも増して、益々、小型化が進んでいる。さらに、電子機器の通信に使用される電波の高周波化も進んでいる。
例えば、特許文献1及び2では、半導体パッケージの小型化、及び高周波への対応の点から、半導体素子の封止に用いる高誘電率樹脂組成物が提案されている。
特開2015-036410号公報 特開2018-141052号公報
半導体素子等の電子部品を封止する材料としては、例えば、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材とを含む成形用樹脂組成物が挙げられる。上記成形用樹脂組成物として、誘電正接の高い材料を用いると、誘電損失により伝送信号が熱に変換され、通信効率が低下しやすくなる。ここで、通信のために発信された電波が誘電体において熱変換されることで発生する誘電損失の量は、周波数と比誘電率の平方根と誘電正接との積として表される。伝送信号は、周波数に比例して熱に変わりやすくなる。特に近年、情報の多様化に伴うチャンネル数増加等に対応するため、通信に使用される電波が高周波化されている。誘電損失を抑制するためには、低い比誘電率及び低い誘電正接を有する硬化物を成形可能な成形用樹脂組成物が求められている。
比誘電率を低下させる手法としては、成形用樹脂組成物における無機充填材の量を減らす方法、無機充填材の一部をアクリルフィラー等の有機系の充填材に置き換える方法等がある。しかし、上記の方法では、成形用樹脂組成物を硬化させた硬化物の成形収縮率が増加する傾向にあるため、硬化物を備える電子部品装置の反りが大きくなるおそれがある。そのため、低い比誘電率と低い成形収縮率とは両立が困難であるが、誘電損失及び反りの低減の観点から、比誘電率の上昇を抑えつつ、低い成形収縮率を有する硬化物を成形可能な成形用樹脂組成物が求められている。
本開示は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであり、比誘電率の上昇を抑えつつ、低い誘電正接及び低い成形収縮率を有する硬化物を成形可能な成形用樹脂組成物、及びこれを用いた電子部品装置を提供することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、液晶ポリマー化合物と、を含む成形用樹脂組成物。
<2> 前記液晶ポリマー化合物が粒子状であり、前記液晶ポリマーの平均粒子径が1.0μm~30μmである<1>に記載の成形用樹脂組成物。
<3> 前記液晶ポリマー化合物の融点は、200℃以上である<1>又は<2>に記載の成形用樹脂組成物。
<4> 前記液晶ポリマー化合物は、フェニル構造、ビフェニル構造、ターフェニル構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、スチルベン構造及びこれらの構造にエステル基が結合した構造からなる群より選択される少なくとも1つを含む<1>~<3>のいずれか1つに記載の成形用樹脂組成物。
<5> 前記硬化剤は、活性エステル化合物を含む<1>~<4>のいずれか1つに記載の成形用樹脂組成物。
<6> 前記液晶ポリマー化合物の含有率は、前記無機充填材及び前記液晶ポリマー化合物の全量に対して5体積%~30体積%である<1>~<5>のいずれか1つに記載の成形用樹脂組成物。
<7> 高周波デバイスに用いられる<1>~<6>のいずれか1つに記載の成形用樹脂組成物。
<8> 高周波デバイスにおける電子部品の封止に用いられる<7>に記載の成形用樹脂組成物。
<9> アンテナ・イン・パッケージに用いられる<7>又は<8>に記載の成形用樹脂組成物。
<10> 支持部材と、
前記支持部材上に配置された電子部品と、
前記電子部品を封止している<1>~<9>のいずれか1つに記載の成形用樹脂組成物の硬化物と、
を備える電子部品装置。
<11> 前記電子部品が、アンテナを含む<10>に記載の電子部品装置。
本開示によれば、比誘電率の上昇を抑えつつ、低い誘電正接及び低い成形収縮率を有する硬化物を成形可能な成形用樹脂組成物、及びこれを用いた電子部品装置を提供することができる。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。但し、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、各成分には、該当する物質が複数種含まれていてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において、各成分に該当する粒子には、複数種の粒子が含まれていてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
<成形用樹脂組成物>
本開示の成形用樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、液晶ポリマー化合物と、を含む。
本開示の成形用樹脂組成物では、無機充填材と液晶ポリマー化合物とを併用することで、比誘電率の上昇を抑えつつ、低い誘電正接及び低い成形収縮率を有する硬化物を成形可能である。
以下、成形用樹脂組成物を構成する各成分について説明する。本開示の成形用樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、液晶ポリマー化合物とを少なくとも含み、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
(エポキシ樹脂)
本開示の成形用樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂は、分子中にエポキシ基を有するものであればその種類は特に制限されない。
成形用樹脂組成物の全体に占めるエポキシ樹脂の質量割合は、強度、流動性、耐熱性、成形性等の観点から0.5質量%~30質量%であることが好ましく、2質量%~20質量%であることがより好ましく、3.5質量%~13質量%であることがさらに好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール化合物及びα-ナフトール、β-ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のフェノール性化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等の脂肪族アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したものであるノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等);上記フェノール性化合物と、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるトリフェニルメタン型フェノール樹脂をエポキシ化したものであるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂;上記フェノール化合物及びナフトール化合物と、アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したものである共重合型エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のジグリシジルエーテルであるジフェニルメタン型エポキシ樹脂;アルキル置換又は非置換のビフェノールのジグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂;スチルベン系フェノール化合物のジグリシジルエーテルであるスチルベン型エポキシ樹脂;ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテルであるエポキシ樹脂;フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の多価カルボン酸化合物のグリシジルエステルであるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;アニリン、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したものであるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンとフェノール化合物の共縮合樹脂をエポキシ化したものであるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;分子内のオレフィン結合をエポキシ化したものであるビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシ)シクロヘキシル-5,5-スピロ(3,4-エポキシ)シクロヘキサン-m-ジオキサン等の脂環型エポキシ樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるパラキシリレン変性エポキシ樹脂;メタキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるメタキシリレン変性エポキシ樹脂;テルペン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるテルペン変性エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるジシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルである多環芳香環変性エポキシ樹脂;ナフタレン環含有フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるナフタレン型エポキシ樹脂;ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂をエポキシ化したものであるアラルキル型エポキシ樹脂;などが挙げられる。さらにはアクリル樹脂のエポキシ化物等もエポキシ樹脂として挙げられる。エポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂の少なくともいずれか1つを含んでいてもよく、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂を含んでいてもよい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量(分子量/エポキシ基数)は、特に制限されない。成形性、耐リフロー性、電気的信頼性等の各種特性バランスの観点から、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、100g/eq~1000g/eqであることが好ましく、150g/eq~500g/eqであることがより好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、JIS K 7236:2009に準じた方法で測定される値とする。
エポキシ樹脂が固体である場合、エポキシ樹脂の軟化点又は融点は特に制限されない。エポキシ樹脂の軟化点又は融点は、成形性と耐リフロー性の観点から40℃~180℃であることが好ましく、成形用樹脂組成物の調製の際の取扱い性の観点から50℃~130℃であることがより好ましい。
エポキシ樹脂の融点又は軟化点は、示差走査熱量測定(DSC)又はJIS K 7234:1986に準じた方法(環球法)で測定される値とする。
(硬化剤)
本開示の成形用樹脂組成物は、硬化剤を含む。硬化剤としては、活性エステル化合物、フェノール硬化剤、アミン硬化剤、酸無水物硬化剤、ポリメルカプタン硬化剤、ポリアミノアミド硬化剤、イソシアネート硬化剤、ブロックイソシアネート硬化剤等が挙げられる。中でも、活性エステル化合物及びフェノール硬化剤が好ましく、硬化物の誘電正接の観点から、活性エステル化合物がより好ましい。
成形用樹脂組成物は、硬化剤を1種のみ含んでもよく、2種以上含んでもよい。また、成形用樹脂組成物は、硬化剤として活性エステル化合物のみを含んでいてもよく、硬化剤として活性エステル化合物及び他の硬化剤(例えば、フェノール硬化剤)を含んでいてもよい。
-活性エステル化合物-
ここで、活性エステル化合物とは、エポキシ基と反応するエステル基を1分子中に1個以上有し、エポキシ樹脂の硬化作用を有する化合物をいう。
活性エステル化合物は、エポキシ基と反応するエステル基を分子中に1個以上有する化合物であればその種類は特に制限されない。活性エステル化合物としては、フェノールエステル化合物、チオフェノールエステル化合物、N-ヒドロキシアミンエステル化合物、複素環ヒドロキシ化合物のエステル化物等が挙げられる。これらの活性エステル化合物は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
活性エステル化合物としては、例えば、脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン酸の少なくとも1種と脂肪族ヒドロキシ化合物及び芳香族ヒドロキシ化合物の少なくとも1種とから得られるエステル化合物が挙げられる。脂肪族化合物を重縮合の成分とするエステル化合物は、脂肪族鎖を有することによりエポキシ樹脂との相溶性に優れる傾向にある。芳香族化合物を重縮合の成分とするエステル化合物は、芳香環を有することにより耐熱性に優れる傾向にある。
活性エステル化合物の具体例としては、芳香族カルボン酸とフェノール性水酸基との縮合反応にて得られる芳香族エステルが挙げられる。中でも、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルプロパン、ジフェニルメタン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン酸等の芳香環の水素原子の2~4個をカルボキシ基で置換した芳香族カルボン酸成分と、前記した芳香環の水素原子の1個を水酸基で置換した1価フェノールと、前記した芳香環の水素原子の2~4個を水酸基で置換した多価フェノールと、の混合物を原材料として、芳香族カルボン酸とフェノール性水酸基との縮合反応にて得られる芳香族エステルが好ましい。すなわち、上記芳香族カルボン酸成分由来の構造単位と上記1価フェノール由来の構造単位と上記多価フェノール由来の構造単位とを有する芳香族エステルが好ましい。
活性エステル化合物の具体例としては、特開2012-246367号公報に記載されている、脂肪族環状炭化水素基を介してフェノール化合物が結節された分子構造を有するフェノール樹脂と、芳香族ジカルボン酸又はそのハライドと、芳香族モノヒドロキシ化合物と、を反応させて得られる構造を有する活性エステル樹脂が挙げられる。当該活性エステル樹脂としては、下記の構造式(1)で表される化合物が好ましい。
構造式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1~4のアルキル基又はフェニル基であり、Xは非置換のベンゼン環、非置換のナフタレン環、炭素数1~4のアルキル基で置換されたベンゼン環若しくはナフタレン環、又はビフェニル基であり、Yはベンゼン環、ナフタレン環、又は炭素数1~4のアルキル基で置換されたベンゼン環若しくはナフタレン環であり、kは0又は1であり、nは繰り返し数の平均を表し0~5である。
構造式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記の例示化合物(1-1)~(1-10)が挙げられる。構造式中のt-Buは、tert-ブチル基である。
活性エステル化合物の別の具体例としては、特開2014-114352号公報に記載されている、下記の構造式(2)で表される化合物及び下記の構造式(3)で表される化合物が挙げられる。
構造式(2)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、又は炭素数1~4のアルコキシ基であり、Zは非置換のベンゾイル基、非置換のナフトイル基、炭素数1~4のアルキル基で置換されたベンゾイル基又はナフトイル基、及び炭素数2~6のアシル基からなる群から選ばれるエステル形成構造部位(z1)、又は水素原子(z2)であり、Zのうち少なくとも1個はエステル形成構造部位(z1)である。
構造式(3)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、又は炭素数1~4のアルコキシ基であり、Zは非置換のベンゾイル基、非置換のナフトイル基、炭素数1~4のアルキル基で置換されたベンゾイル基又はナフトイル基、及び炭素数2~6のアシル基からなる群から選ばれるエステル形成構造部位(z1)、又は水素原子(z2)であり、Zのうち少なくとも1個はエステル形成構造部位(z1)である。
構造式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記の例示化合物(2-1)~(2-6)が挙げられる。
構造式(3)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記の例示化合物(3-1)~(3-6)が挙げられる。
活性エステル化合物としては、市販品を用いてもよい。活性エステル化合物の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC-8000-65T」(DIC株式会社製);芳香族構造を含む活性エステル化合物として「EXB9416-70BK」、「EXB-8」、「EXB-9425」(DIC株式会社製);フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱ケミカル株式会社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」(三菱ケミカル株式会社製);等が挙げられる。
活性エステル化合物のエステル当量(分子量/エステル基数)は、特に制限されない。成形性、耐リフロー性、電気的信頼性等の各種特性バランスの観点から、150g/eq~400g/eqが好ましく、170g/eq~300g/eqがより好ましく、200g/eq~250g/eqがさらに好ましい。
活性エステル化合物のエステル当量は、JIS K 0070:1992に準じた方法により測定される値とする。
-フェノール硬化剤-
フェノール硬化剤として具体的には、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、置換又は非置換のビフェノール等の多価フェノール化合物;フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール化合物及びα-ナフトール、β-ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のフェノール性化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル等と、から合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂、メタキシリレン変性フェノール樹脂;メラミン変性フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ジシクロペンタジエンと、から共重合により合成されるジシクロペンタジエン型フェノール樹脂及びジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂;ビフェニル型フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるトリフェニルメタン型フェノール樹脂;これら2種以上を共重合して得たフェノール樹脂などが挙げられる。これらのフェノール硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール硬化剤の水酸基当量は、特に制限されない。成形性、耐リフロー性、電気的信頼性等の各種特性バランスの観点から、フェノール硬化剤の水酸基当量は70g/eq~1000g/eqであることが好ましく、80g/eq~500g/eqであることがより好ましい。
フェノール硬化剤の水酸基当量は、JIS K 0070:1992に準じた方法により測定される値とする。
エポキシ樹脂と硬化剤との当量比、すなわちエポキシ樹脂中の官能基数(好ましくはエポキシ基数)に対する硬化剤中の官能基数(好ましくは、エステル基数又はエステル基及び水酸基の合計数)の比(硬化剤中の官能基数/エポキシ樹脂中の官能基数)は、特に制限されない。それぞれの未反応分を少なく抑える観点から、0.5~2.0であることが好ましく、0.6~1.3であることがより好ましい。成形性と耐リフロー性の観点から、0.8~1.2であることがさらに好ましい。
硬化剤として活性エステル化合物とフェノール硬化剤とが併用される場合、活性エステル化合物に含まれるエステル基と、フェノール硬化剤に含まれるフェノール水酸基とのモル比率(エステル基/フェノール水酸基)は、9/1~1/9であることが好ましく、8/2~2/8であることがより好ましく、3/7~7/3であることがさらに好ましい。
硬化剤として活性エステル化合物とフェノール硬化剤とが併用される場合、活性エステル化合物及びフェノール硬化剤の合計量に占める活性エステル化合物の質量割合は、成形用樹脂組成物を硬化した後の曲げ強度に優れる観点及び硬化物の誘電正接を低く抑える観点から、40質量%~90質量%であることが好ましく、50質量%~80質量%であることがより好ましく、55質量%~70質量%であることがさらに好ましい。
硬化剤である活性エステル化合物及び必要に応じて用いられるフェノール硬化剤等のその他の硬化剤の軟化点又は融点は、特に制限されない。硬化剤の軟化点又は融点は、成形性と耐リフロー性の観点から、40℃~180℃であることが好ましく、成形用樹脂組成物の製造時における取扱い性の観点から、50℃~130℃であることがより好ましい。
硬化剤の融点又は軟化点は、エポキシ樹脂の融点又は軟化点と同様にして測定される値とする。
(無機充填材)
本開示の成形用樹脂組成物は、無機充填材を含む。無機充填材の種類は、特に制限されない。具体的には、溶融シリカ、結晶シリカ、ガラス、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、タルク、クレー、マイカ、チタン酸カルシウム等のチタン化合物などの無機材料が挙げられる。難燃効果を有する無機充填材を用いてもよい。難燃効果を有する無機充填材としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムと亜鉛の複合水酸化物等の複合金属水酸化物、硼酸亜鉛などが挙げられる。
無機充填材の中でも、線膨張係数低減の観点から溶融シリカ等のシリカが好ましく、高熱伝導性の観点からアルミナが好ましい。さらなる誘電正接の低下の観点から、窒化ホウ素が好ましい。無機充填材は1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機充填材の形態としては粉未、粉末を球形化したビーズ、繊維等が挙げられる。
無機充填材の平均粒子径は、特に制限されない。例えば、体積平均粒子径が0.2μm~50μmであることが好ましく、0.5μm~30μmであることがより好ましい。
体積平均粒子径が0.2μm以上であると、成形用樹脂組成物の粘度の上昇がより抑制される傾向がある。体積平均粒子径が50μm以下であると、狭い隙間への充填性がより向上する傾向にある。無機充填材の体積平均粒子径は、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置により、体積平均粒子径(D50)として測定された値をいう。
成形用樹脂組成物又はその硬化物中の無機充填材の体積平均粒子径は、公知の方法によって測定することができる。一例として、有機溶剤、硝酸、王水等を用いて、成形用樹脂組成物又は硬化物から無機充填材を抽出し、超音波分散機等で充分に分散して分散液を調製する。この分散液を用いて、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置により測定される体積基準の粒度分布から、無機充填材の体積平均粒子径を測定することができる。あるいは、硬化物を透明なエポキシ樹脂等に埋め込み、研磨して得られる断面を走査型電子顕微鏡にて観察して得られる体積基準の粒度分布から、無機充填材の体積平均粒子径を測定することができる。さらには、FIB装置(集束イオンビームSEM)等を用いて、硬化物の二次元の断面観察を連続的に行い、三次元構造解析を行うことで測定することもできる。
成形用樹脂組成物の流動性の観点から、無機充填材の粒子形状は角形よりも球状が好ましく、また無機充填材の粒度分布は広範囲に分布したものが好ましい。
成形用樹脂組成物に含まれる無機充填材全体の含有率は、成形用樹脂組成物の硬化物の流動性及び強度を制御する観点から、成形用樹脂組成物全体に対し、40体積%を超えていることが好ましく、50体積%を超えていることがより好ましく、50体積%を超えて80体積%以下であることがさらに好ましく、55体積%~70体積%であることが特に好ましい。
成形用樹脂組成物における無機充填材の含有率(体積%)は、下記の方法により求めることができる。
成形用樹脂組成物の硬化物の薄片試料を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮像する。SEM画像において任意の面積Sを特定し、面積Sに含まれる無機充填材の総面積Aを求める。無機充填材の総面積Aを面積Sで除算した値を百分率(%)に換算し、この値を成形用樹脂組成物に占める無機充填材の含有率(体積%)とする。
面積Sは、無機充填材の大きさに対して十分大きい面積とする。例えば、無機充填材が100個以上含まれる大きさとする。面積Sは、複数個の切断面の合計でもよい。
無機充填材は、成形用樹脂組成物の硬化時の重力方向において存在割合に偏りが生じることがある。その場合、SEMにて撮像する際、硬化物の重力方向全体を撮像し、硬化物の重力方向全体が含まれる面積Sを特定する。
(液晶ポリマー化合物)
本開示の成形用樹脂組成物は、液晶ポリマー化合物を含む。液晶ポリマー化合物は、液晶性を有する化合物であり、配向性に優れ、剛直な構造(例えば、メソゲン構造)を有する化合物である。液晶ポリマー化合物は、一般的に無機充填材よりも低い比誘電率を有する傾向にあり、剛直な構造等に分極部位が含まれることで硬化物の誘電正接も低減可能となる傾向にある。剛直な構造を含む液晶ポリマー化合物は、ポリマー鎖の絡み合いが少なく、配向構造をとりやすい。そのため、当該液晶ポリマー化合物を含む成形用樹脂組成物の熱膨張率が増加しにくく、当該成形用樹脂組成物の寸法安定性が良好となる。
液晶ポリマー化合物は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
液晶ポリマー化合物の融点は、はんだ耐熱性の観点から、200℃以上であってもよく、250℃以上であってもよく、300℃以上であってもよい。液晶ポリマー化合物の融点の上限は特に限定されず、流動性の観点から、400℃以下であってもよく、350℃以下であってもよい。
液晶ポリマー化合物は、剛直な構造を有する化合物であればよく、例えば、フェニル構造、ビフェニル構造、ターフェニル構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、スチルベン構造及びこれらの構造にエステル基が結合した構造からなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。液晶ポリマー化合物は、フェニルベンゾエート構造等のフェニル構造にエステル基が結合した構造、ビフェニル構造及びナフタレン構造からなる群より選択される少なくとも1つを含むことがより好ましい。
液晶ポリマー化合物は、はんだ耐熱性に優れる観点から、ビフェニル構造及びナフタレン構造からなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、下記の一般式(X)で表される構造1及び一般式(Y)で表される構造2の少なくとも一方を含むことがより好ましく、一般式(X)で表される構造1及び一般式(Z)表される構造3を有する化合物又は一般式(Y)で表される構造2及び一般式(Z)表される構造3を有する化合物を含むことがさらに好ましい。また、液晶ポリマー化合物は、構造1及び構造3がそれぞれ複数結合したブロック共重合体であってもよく、構造2及び構造3がそれぞれ複数結合したブロック共重合体であってもよい。
一般式(X)~(Z)中、*は結合位置を意味する。
液晶ポリマー化合物は、粒子状であることが好ましい。さらに、液晶ポリマーの平均粒子径は、1.0μm~30μmであってもよく、3.0μm~25μmであってもよく、4.0μm~20μmであってもよい。
液晶ポリマー化合物の平均粒子径は、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置により、体積平均粒子径(D50)として測定された値であってもよく、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて組成物、硬化物等を断面観察し、無作為に選択した100個の液晶ポリマー粒子の粒径の算術平均値であってもよい。
液晶ポリマー化合物の含有率は、硬化物の低い誘電正接、低い成形収縮率及び組成物の流動性の観点から、無機充填材及び液晶ポリマー化合物の全量に対し、5体積%~30体積%であることが好ましく、6体積%~20体積%であることがより好ましく、8体積%~15体積%であることがさらに好ましい。
液晶ポリマー化合物の含有率は、硬化物の低い誘電正接、低い成形収縮率及び組成物の流動性の観点から、成形用樹脂組成物全量に対し、2質量%~20質量%であることが好ましく、3質量%~15質量%であることがより好ましく、4質量%~10質量%であることがさらに好ましい。
[各種添加剤]
本開示の成形用樹脂組成物は、上述の成分に加えて、以下に例示する有機系の充填材、硬化促進剤、カップリング剤、イオン交換体、離型剤、難燃剤、着色剤、応力緩和剤等の各種添加剤をそれぞれ独立に含んでもよく、含んでいなくてもよい。本開示の成形用樹脂組成物は、以下に例示する添加剤以外にも必要に応じて当技術分野で周知の各種添加剤を含んでもよい。
(有機系の充填材)
本開示の成形用樹脂組成物は、有機系の充填材を含んでいてもよい。有機系の充填材を用いることで、硬化物の比誘電率を低減することができる。有機系の充填材としては、粒子状又は繊維状の形状を有する有機化合物が挙げられ、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂等から構成される粒子又は繊維が挙げられる。
有機系の充填材の含有率は、成形用樹脂組成物全量に対し、5質量%以下であってもよく、3質量%以下であってもよく、1質量%以下であってもよい。硬化物の成形収縮率及び曲げ強さの観点から、有機系の充填材の含有率は、成形用樹脂組成物全量に対し、0質量%であってもよい。
(硬化促進剤)
本開示の成形用樹脂組成物は、硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤の種類は特に制限されず、エポキシ樹脂の種類、成形用樹脂組成物の所望の特性等に応じて選択できる。硬化促進剤は1種類を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。硬化促進剤の具体例を以下に記載するが、これらに限定されるものではない。
硬化促進剤としては、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5(DBN)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)等のジアザビシクロアルケン、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール等の環状アミジン化合物;前記環状アミジン化合物の誘導体;前記環状アミジン化合物又はその誘導体のフェノールノボラック塩;これらの化合物に無水マレイン酸、1,4-ベンゾキノン、2,5-トルキノン、1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルベンゾキノン、2,6-ジメチルベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン、フェニル-1,4-ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどの、π結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;DBUのテトラフェニルボレート塩、DBNのテトラフェニルボレート塩、2-エチル-4-メチルイミダゾールのテトラフェニルボレート塩、N-メチルモルホリンのテトラフェニルボレート塩等の環状アミジニウム化合物;ピリジン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン化合物;前記三級アミン化合物の誘導体;酢酸テトラ-n-ブチルアンモニウム、リン酸テトラ-n-ブチルアンモニウム、酢酸テトラエチルアンモニウム、安息香酸テトラ-n-ヘキシルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム等のアンモニウム塩化合物;エチルホスフィン、フェニルホスフィン等の一級ホスフィン、ジメチルホスフィン、ジフェニルホスフィン等の二級ホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p-トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキルアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、トリナフチルホスフィン、トリス(ベンジル)ホスフィン等の三級ホスフィンなどの、有機ホスフィン;前記有機ホスフィンと有機ボロン類との錯体等のホスフィン化合物;前記有機ホスフィン又は前記ホスフィン化合物と無水マレイン酸、1,4-ベンゾキノン、2,5-トルキノン、1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルベンゾキノン、2,6-ジメチルベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン、フェニル-1,4-ベンゾキノン、アントラキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどの、π結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;前記有機ホスフィン又は前記ホスフィン化合物と4-ブロモフェノール、3-ブロモフェノール、2-ブロモフェノール、4-クロロフェノール、3-クロロフェノール、2-クロロフェノール、4-ヨウ化フェノール、3-ヨウ化フェノール、2-ヨウ化フェノール、4-ブロモ-2-メチルフェノール、4-ブロモ-3-メチルフェノール、4-ブロモ-2,6-ジメチルフェノール、4-ブロモ-3,5-ジメチルフェノール、4-ブロモ-2,6-ジ-t-ブチルフェノール、4-クロロ-1-ナフトール、1-ブロモ-2-ナフトール、6-ブロモ-2-ナフトール、4-ブロモ-4’-ヒドロキシビフェニル等のハロゲン化フェノール化合物を反応させた後に、脱ハロゲン化水素の工程を経て得られる、分子内分極を有する化合物;テトラフェニルホスホニウム等のテトラ置換ホスホニウム、テトラフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート等のテトラ置換ホスホニウムのテトラフェニルボレート塩、テトラ置換ホスホニウムとフェノール化合物との塩などの、テトラ置換ホスホニウム化合物;ホスホベタイン化合物;ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物などが挙げられる。
好適な硬化促進剤としては、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンのキノン化合物付加物等が挙げられる。
成形用樹脂組成物が硬化促進剤を含む場合、硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計量100質量部に対して、0.1質量部~8質量部であることが好ましく、0.3質量部~7質量部であることがより好ましく、0.5質量部~6質量部であることがさらに好ましい。硬化促進剤の含有量を上記数値範囲内とすることにより、本開示の成形用樹脂組成物の硬化速度が適切な数値となり、成形品の製造が容易となる。
(カップリング剤)
本開示の成形用樹脂組成物は、カップリング剤を含んでもよい。エポキシ樹脂及び硬化剤と無機充填材との接着性を高める観点から、成形用樹脂組成物はカップリング剤を含むことが好ましい。カップリング剤としては、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、ジシラザン等のシラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート系化合物、アルミニウム/ジルコニウム系化合物などの公知のカップリング剤が挙げられる。
成形用樹脂組成物がカップリング剤を含む場合、カップリング剤の量は、無機充填材100質量部に対し、0.05質量部~5質量部であることが好ましく、0.1質量部~2.5質量部であることがより好ましい。カップリング剤の量が無機充填材100質量部に対して0.05質量部以上であると、接着性がより向上する傾向にある。カップリング剤の量が無機充填材100質量部に対して5質量部以下であると、パッケージの成形性がより向上する傾向にある。
(イオン交換体)
本開示の成形用樹脂組成物は、イオン交換体を含んでもよい。成形用樹脂組成物は、封止される電子部品を備える電子部品装置の耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、イオン交換体を含むことが好ましい。イオン交換体は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、ハイドロタルサイト化合物、並びにマグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、及びビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の含水酸化物等が挙げられる。イオン交換体は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、下記一般式(A)で表されるハイドロタルサイトが好ましい。
Mg(1-X)Al(OH)(COX/2・mHO ……(A)
(0<X≦0.5、mは正の数)
成形用樹脂組成物がイオン交換体を含む場合、その含有量は、ハロゲンイオン等のイオンを捕捉するのに充分な量であれば特に制限はない。例えば、イオン交換体の含有量は、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計100質量部に対し、0.1質量部~30質量部であることが好ましく、1質量部~10質量部であることがより好ましい。
(離型剤)
本開示の成形用樹脂組成物は、成形時における金型との良好な離型性を得る観点から、離型剤を含んでもよい。離型剤は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、カルナバワックス、モンタン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレン等のポリオレフィン系ワックスなどが挙げられる。離型剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
成形用樹脂組成物が離型剤を含む場合、その量は樹脂成分100質量部に対し、0.01質量部~10質量部が好ましく、0.1質量部~5質量部がより好ましい。離型剤の量が樹脂成分100質量部に対して0.01質量部以上であると、離型性が充分に得られる傾向にある。離型剤の量が樹脂成分100質量部に対して10質量部以下であると、より良好な接着性が得られる傾向にある。
(難燃剤)
本開示の成形用樹脂組成物は、難燃剤を含んでもよい。難燃剤は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、ハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む有機又は無機の化合物、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
成形用樹脂組成物が難燃剤を含む場合、その量は、所望の難燃効果を得るのに充分な量であれば特に制限されない。例えば、難燃剤の量は、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計100質量部に対し、1質量部~30質量部であることが好ましく、2質量部~20質量部であることがより好ましい。
(着色剤)
本開示の成形用樹脂組成物は、着色剤を含んでもよい。着色剤としては、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の公知の着色剤を挙げることができる。着色剤の含有量は、目的等に応じて適宜選択できる。着色剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(応力緩和剤)
本開示の成形用樹脂組成物は、応力緩和剤を含んでもよい。応力緩和剤を含むことにより、パッケージの反り変形及びパッケージクラックの発生をより低減させることができる。応力緩和剤としては、一般に使用されている公知の応力緩和剤(可とう剤)が挙げられる。具体的には、シリコーン系、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エラストマー、インデン-スチレン-クマロン共重合体等、トリフェニルホスフィンオキシド、リン酸エステル等の有機リン化合物、NR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリル-ブタジエンゴム)、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンパウダー等のゴム粒子、メタクリル酸メチル-スチレン-ブタジエン共重合体(MBS)、メタクリル酸メチル-シリコーン共重合体、メタクリル酸メチル-アクリル酸ブチル共重合体等のコア-シェル構造を有するゴム粒子などが挙げられる。応力緩和剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリコーン系応力緩和剤としては、エポキシ基を有するもの、アミノ基を有するもの、これらをポリエーテル変性したもの等が挙げられ、エポキシ基を有するシリコーン化合物、ポリエーテル系シリコーン化合物等のシリコーン化合物がより好ましい。
誘電正接の観点から、応力緩和剤は、インデン-スチレン-クマロン共重合体及びトリフェニルホスフィンオキサイドの少なくとも一方を含むことが好ましい。
成形用樹脂組成物が応力緩和剤を含む場合、その量は、例えば、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計100質量部に対し、1質量部~30質量部であることが好ましく、2質量部~20質量部であることがより好ましい。
応力緩和剤がインデン-スチレン-クマロン共重合体及びトリフェニルホスフィンオキサイドの少なくとも一方を含む場合、その量は、例えば、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計100質量部に対し、1質量部~30質量部であることが好ましく、2質量部~20質量部であることがより好ましい。
シリコーン系応力緩和剤の含有量は、例えば、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計100質量部に対し、2質量部以下であってもよく、1質量部以下であってもよい。成形用樹脂組成物は、シリコーン系応力緩和剤を含んでいなくてもよい。シリコーン系応力緩和剤の含有量の下限値は特に限定されず、0質量部であってもよく、0.1質量部であってもよい。
シリコーン系応力緩和剤の含有率は、誘電正接の観点から、成形用樹脂組成物全体に対し、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、7質量%以下であることがさらに好ましく、5質量%以下であることが特に好ましく、0.5質量%以下であることが極めて好ましい。シリコーン系応力緩和剤の含有率の下限値は特に限定されず、0質量%であってもよく、0.1質量%であってもよい。
(成形用樹脂組成物の調製方法)
成形用樹脂組成物の調製方法は、特に制限されない。一般的な手法としては、所定の配合量の成分をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練し、冷却し、粉砕する方法を挙げることができる。より具体的には、例えば、上述した成分の所定量を攪拌及び混合し、予め70℃~140℃に加熱してあるニーダー、ロール、エクストルーダー等で混練し、冷却し、粉砕する方法を挙げることができる。
本開示の成形用樹脂組成物は、常温常圧下(例えば、25℃、大気圧下)において固体であることが好ましい。成形用樹脂組成物が固体である場合の形状は特に制限されず、粉状、粒状、タブレット状等が挙げられる。成形用樹脂組成物がタブレット状である場合の寸法及び質量は、パッケージの成形条件に合うような寸法及び質量となるようにすることが取り扱い性の観点から好ましい。
(成形用樹脂組成物の用途)
本開示の成形用樹脂組成物は、例えば、後述する電子部品装置、その中でも特に高周波デバイスの製造に適用することができる。本開示の成形用樹脂組成物は、高周波デバイスにおける電子部品の封止に用いてもよい。
特に、近年、第5世代移動通信システム(5G)の普及に伴い、電子部品装置に使用される半導体パッケージ(PKG)の高機能化及び小型化が進んでいる。そして、PKGの小型化及び高機能化に伴い、アンテナ機能を有するPKGであるアンテナ・イン・パッケージ(AiP、Antenna in Package)の開発も進められている。AiPでは、情報の多様化に伴うチャンネル数の増加等に対応するため、通信に使用される電波が高周波化されるようになっており、封止材料において、低い誘電正接が求められている。
本開示の成形用樹脂組成物は、前記の通り、誘電正接が低い硬化物が得られる。そのため、高周波デバイスにおいて、支持部材上に配置されたアンテナを成形用樹脂組成物で封止したアンテナ・イン・パッケージ(AiP)用途に特に好適である。
アンテナ・イン・パッケージ等のアンテナを含む電子部品装置では、電力供給用のアンプをアンテナと反対側に設けた場合に電力供給による発熱が発生する。放熱性向上の観点から、電子部品装置の製造に用いられる成形用樹脂組成物は、無機充填材としてアルミナ粒子を含むことが好ましい。
<電子部品装置>
本開示の電子部品装置は、支持部材と、前記支持部材上に配置された電子部品と、前記電子部品を封止している前述の成形用樹脂組成物の硬化物と、を備える。
電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ、有機基板等の支持部材に、電子部品(半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子、アンテナなど)を搭載して得られた電子部品領域を成形用樹脂組成物で封止したもの(例えば高周波デバイス)が挙げられる。
上記支持部材の種類は特に制限されず、電子部品装置の製造に一般的に用いられる支持部材を使用できる。
上記電子部品は、アンテナを含んでもよく、アンテナ及びアンテナ以外の素子を含んでもよい。上記アンテナは、アンテナの役割を果たすものであれば限定されるものではなく、アンテナ素子であってもよく、配線であってもよい。
また、本開示の電子部品装置では、必要に応じて、支持部材上における上記電子部品が配置された面と反対側の面に、他の電子部品が配置されていてもよい。他の電子部品は、前述の成形用樹脂組成物により封止されていてもよく、他の樹脂組成物により封止されていてもよく、封止されていなくてもよい。
(電子部品装置の製造方法)
本開示の電子部品装置の製造方法は、電子部品を支持部材上に配置する工程と、前記電子部品を前述の成形用樹脂組成物で封止する工程と、を含む。
上記各工程を実施する方法は特に制限されず、一般的な手法により行うことができる。また、電子部品装置の製造に使用する支持部材及び電子部品の種類は特に制限されず、電子部品装置の製造に一般的に用いられる支持部材及び電子部品を使用できる。
前述の成形用樹脂組成物を用いて電子部品を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法、インジェクション成形法、圧縮成形法等が挙げられる。これらの中では、低圧トランスファ成形法が一般的である。
以下、上記実施形態を実施例により具体的に説明するが、上記実施形態の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
<成形用樹脂組成物の調製>
下記に示す成分を表1に示す配合割合(質量部)で混合し、実施例と比較例の成形用樹脂組成物を調製した。この成形用樹脂組成物は、常温常圧下において固体であった。
なお、表1中、「-」はその成分を含まないことを意味する。
また、成形用樹脂組成物全体に対するシリカ粒子の含有率(表中の「シリカ量(体積%)」)も併せて表1に示す。
・エポキシ樹脂1:トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、エポキシ当量215g/eq
・エポキシ樹脂2:ビフェニル型エポキシ樹脂、エポキシ当量192g/eq
・硬化剤:活性エステル化合物、DIC株式会社、品名「EXB-8」
・硬化促進剤:トリブチルホスフィンと1,4-ベンゾキノンとの付加物
・カップリング剤1:N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン
・カップリング剤2:3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
・カップリング剤3:3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン
・離型剤:モンタン酸エステルワックス
・着色剤:カーボンブラック
・応力緩和剤1:エポキシ変性シリコーンレジン
・応力緩和剤2:ポリエーテル変性シリコーンオイル
・無機充填材1:シリカ粉体、体積平均粒子径0.5μm、比重2.2g/cm
・無機充填材2:シリカ粉体、体積平均粒子径4.0μm、比重2.2g/cm
・液晶ポリマー化合物:ポリエステル樹脂、体積平均粒子径5.0μm、融点320℃、比重1.4g/cm
・樹脂粉末:スチレンアクリル系樹脂粉末、藤倉化成株式会社、品名「FSA514」、比重1.15g/cm
なお、上記各無機充填材の体積平均粒子径は、以下の測定により得られた値である。
具体的には、まず、分散媒(水)に、無機充填材を0.01質量%~0.1質量%の範囲で添加し、バス式の超音波洗浄機で5分間分散した。
得られた分散液5mlをセルに注入し、25℃で、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所、LA920)にて粒度分布を測定した。
得られた粒度分布における積算値50%(体積基準)での粒径を体積平均粒子径とした。
(熱時硬度の評価)
成形用樹脂組成物の熱時硬度の評価を以下のようにして行った。
成形用樹脂組成物を、トランスファ成形機により、金型温度175℃~180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間90秒の条件で熱時硬度測定用の試験片(直径50mm×厚さ3mmの円板)を成形した。成形後直ちにショアD型硬度計を用いて試験片の熱時硬度(ショアD)を測定した。結果を表1に示す。
(室温曲げ試験)
成形用樹脂組成物をトランスファ成形機に仕込み、金型温度175℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で成形し、後硬化を175℃で6時間の条件で行って、127mm×12.7mm×4mmの直方体形状の試験片を作製した。
評価装置としてテンシロン(A&D社)を用い、JIS-K-7171(2016)に準拠した3点支持型曲げ試験を常温(25℃)において行い、試験片の曲げ弾性率E、曲げ強さS及び破断伸びεを下記式により求めた。
曲げ弾性率E(GPa)、曲げ強さS(MPa)及び破断伸びε(%)は下記式にて定義される。
下記式中、Pはロードセルの値(N)、yは変位量(mm)、lはスパン=64mm、wは試験片幅=12.7mm、hは試験片厚さ=4mmである。添字のmaxは最大値を示す。曲げ弾性率Eについては、後述の式にて算出された値をGPaに換算した。
(成形収縮率測定)
成形用樹脂組成物を、トランスファ成形機を用い、成形温度175℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で成形し、板状の成形品(縦127mm、横12.7mm、厚さ6.4mm)を得た。
予め測定した25℃における金型のキャビティの長さDと、室温(25℃)における成形品の長さdと、から下記式により成形収縮率A(%)を求めた。結果を表1に示す。
成形収縮率A(%)=((D-d)/D)×100
成形用樹脂組成物を、トランスファ成形機を用い、成形温度175℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で成形し、板状の成形品(縦127mm、横12.7mm、厚さ6.4mm)を得た。その成形品を175℃で5時間後硬化を行い、板状の硬化物を得た。
予め測定した25℃における金型のキャビティの長さDと、室温(25℃)における硬化物の長さdと、から下記式により成形収縮率B(%)を求めた。結果を表1に示す。
成形収縮率B(%)=((D-d)/D)×100
(比誘電率及び誘電正接の測定)
成形用樹脂組成物をトランスファ成形機に仕込み、金型温度175℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で成形し、後硬化を175℃で6時間行い、棒状の硬化物(縦90mm、横0.6mm、厚さ0.8mm)を得た。この硬化物を試験片として、空洞共振器(株式会社関東電子応用開発)及びネットワーク・アナライザー(キーサイトテクノロジー社、品名「PNA E8364B」)を用いて、温度25±3℃下、10GHzでの比誘電率(Dk)及び誘電正接(Df)を測定した。
なお、使用した空洞共振器の型式は以下の通りである。
10GHz・・・CP531
表1の評価結果から明らかなように、実施例1の成形用樹脂組成物の硬化物は、比較例1~3の成形用樹脂組成物の硬化物よりも低い誘電正接及び低い成形収縮率を有していた。

Claims (11)

  1. エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、液晶ポリマー化合物と、を含む成形用樹脂組成物。
  2. 前記液晶ポリマー化合物が粒子状であり、前記液晶ポリマーの平均粒子径が1.0μm~30μmである請求項1に記載の成形用樹脂組成物。
  3. 前記液晶ポリマー化合物の融点は、200℃以上である請求項1に記載の成形用樹脂組成物。
  4. 前記液晶ポリマー化合物は、フェニル構造、ビフェニル構造、ターフェニル構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、スチルベン構造及びこれらの構造にエステル基が結合した構造からなる群より選択される少なくとも1つを含む請求項1に記載の成形用樹脂組成物。
  5. 前記硬化剤は、活性エステル化合物を含む請求項1に記載の成形用樹脂組成物。
  6. 前記液晶ポリマー化合物の含有率は、前記無機充填材及び前記液晶ポリマー化合物の全量に対して5体積%~30体積%である請求項1に記載の成形用樹脂組成物。
  7. 高周波デバイスに用いられる請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の成形用樹脂組成物。
  8. 高周波デバイスにおける電子部品の封止に用いられる請求項7に記載の成形用樹脂組成物。
  9. アンテナ・イン・パッケージに用いられる請求項7に記載の成形用樹脂組成物。
  10. 支持部材と、
    前記支持部材上に配置された電子部品と、
    前記電子部品を封止している請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の成形用樹脂組成物の硬化物と、
    を備える電子部品装置。
  11. 前記電子部品が、アンテナを含む請求項10に記載の電子部品装置。
JP2022162769A 2022-10-07 2022-10-07 成形用樹脂組成物及び電子部品装置 Pending JP2024055668A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022162769A JP2024055668A (ja) 2022-10-07 2022-10-07 成形用樹脂組成物及び電子部品装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022162769A JP2024055668A (ja) 2022-10-07 2022-10-07 成形用樹脂組成物及び電子部品装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024055668A true JP2024055668A (ja) 2024-04-18

Family

ID=90716106

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022162769A Pending JP2024055668A (ja) 2022-10-07 2022-10-07 成形用樹脂組成物及び電子部品装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024055668A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI774852B (zh) 電子零件裝置的製造方法
CN114981353A (zh) 成形用树脂组合物及电子零件装置
JP2024026589A (ja) 封止用樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法
JP2023100761A (ja) 封止用樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法
JP7452028B2 (ja) 封止用樹脂組成物、電子部品装置、及び電子部品装置の製造方法
JP7388160B2 (ja) 封止用樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法
TW202120580A (zh) 環氧樹脂組成物、電子零件裝置、及電子零件裝置的製造方法
TW202108655A (zh) 密封用樹脂組成物、電子零件裝置及電子零件裝置的製造方法
JP2023059892A (ja) 封止用樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法
WO2019004458A1 (ja) 封止用樹脂組成物、再配置ウエハ、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法
WO2024111461A1 (ja) 成形用樹脂組成物及び電子部品装置
JP2024055668A (ja) 成形用樹脂組成物及び電子部品装置
WO2020067016A1 (ja) 封止用樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法
WO2024111574A1 (ja) 成形用樹脂組成物及び電子部品装置
JP7491223B2 (ja) 封止用樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法
WO2024111575A1 (ja) 成形用樹脂組成物及び電子部品装置
JP7487596B2 (ja) 封止用樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法
JP2024055627A (ja) 成形用樹脂組成物及び電子部品装置
WO2023238950A1 (ja) 成形用樹脂組成物及び電子部品装置
WO2023238951A1 (ja) 成形用樹脂組成物及び電子部品装置
WO2023038035A1 (ja) 封止用樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法
TW202235510A (zh) 熱硬化樹脂組成物及電子零件裝置
TW202409188A (zh) 成形用樹脂組成物及電子零件裝置
JP2023127421A (ja) 封止用樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法
WO2023120738A1 (ja) 封止材組成物及び電子部品装置