JP2024054893A - エレベーターシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】かごの着床を検出するための構成を増やすことなく、かごの着床位置を正確に制御できるエレベーターシステムを提供する。【解決手段】昇降路1内を昇降するかご7と、昇降路1内に吊り下げられたコードテープ10と、かご7に設けられ、コードテープ10のコードを読み取り、かご7の位置情報を出力するコード読取装置15と、昇降路1内の温度情報を出力する温度測定装置16と、かご7の位置情報と昇降路1内の温度情報とに基づいて、かご7の位置情報を補正してかご7の昇降を制御する制御装置5とを備え、制御装置5は、昇降路1内の温度変化量とコードテープ10の伸び量との関係を示す温度特性モデルを実装する。【選択図】図1

Description

本開示は、エレベーターシステムに関する。
昇降路内の温度が変化しても、昇降路内のコードテープから取得される位置情報を補正し、補正された位置情報に基づいて、かごの着床を制御するエレベーター装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2021―066567号公報
従来のエレベーター装置においては、かごの着床位置を正確に制御するためには、かごの着床を検出するための構成を各階床に設置する必要があった。
そこで、本開示のエレベーターシステムは、かごの着床を検出するための構成を増やすことなく、かごの着床位置を正確に制御することを目的とする。
本開示のエレベーターシステムは、昇降路内を昇降するかごと、昇降路内に吊り下げられたコードテープと、かごに設けられ、前記コードテープのコードを読み取り、かごの位置情報を出力するコード読取装置と、昇降路内の温度情報を出力する温度測定装置と、かごの位置情報と昇降路内の温度情報とに基づいて、かごの位置情報を補正してかごの昇降を制御する制御装置とを備える。
本開示のエレベーターシステムは、かごの着床を検出するための構成を増やすことなく、かごの着床位置を正確に制御することができる。
実施の形態1のエレベーターシステムの構成を模式的に示す図である。 実施の形態1における温度測定装置の設置位置を説明する図である。 実施の形態1における温度特性モデルを説明する図である。 実施の形態1における制御装置の動作を説明するフローチャートである。 実施の形態2のエレベーターシステムの構成を模式的に示す図である。 実施の形態3における温度特性モデルの校正について説明する図である。 温度変化量と伸び量との関係の一例を示す図である。 実施の形態3における制御装置の動作を説明するフローチャートである。 図8のフローチャートにおけるステップST16とステップST18について説明する図である。 図8のフローチャートにおけるステップST21について説明する図である。 実施の形態3の変形例における制御装置の動作を説明するフローチャートである。 実施の形態4の制御装置の構成について説明する図である。 実施の形態5のエレベーターシステムの構成を模式的に示す図である。 実施の形態1における抵抗測定装置の構成の一例を示す図である。 実施の形態1~5における制御装置の主要部のハードウェア構成図である。
本開示の対象を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。なお、本開示の対象は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態の任意の構成要素の変形、または実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1のエレベーターシステムの構成を模式的に示す図である。エレベーターシステム100は、複数の階床を有する建物に適用される。建物において、エレベーターシステムの昇降路1が設けられる。昇降路1は、複数の階床にわたる鉛直方向に長い空間である。図1においては、最下階の階床である最下階BFと最上階の階床である最上階TFのみを示すが、最下階BFと最上階TFの間には、通常、複数の階床がある。複数の階床のそれぞれには乗場が設けられる。実施の形態1においては、昇降路1の上方に機械室2が設けられている。
機械室2には、巻上機3と、そらせ車4と、制御装置5とが設けられている。巻上機3およびそらせ車4には懸架体6が巻き掛けられている。懸架体6の一端部には、かご7が接続され、懸架体6の他端部には、釣合おもり8が接続されている。
かご7および釣合おもり8は、懸架体6により昇降路1に吊り下げられており、昇降路1内には、かご7の移動方向に沿ってガイドレール9が設けられている。
かご7の昇降は、ガイドレール9によって案内される。
磁気式のコードテープ10には、かご7の位置を特定するためのコードが付されている。磁気式のコードテープ10は、ばね13によって張力が付与されながら、昇降路1に吊下げられる。磁気式のコードテープ10は、磁気式リニアスケールとも称することができる。
ガイドレール9の上部には、上部支持部11が設けられ、ガイドレール9の下部には、下部支持部12が設けられている。上部支持部11と下部支持部12は、コードテープ10を保持するための部材である。上部支持部11と下部支持部12との間には、コードテープ10、ばね13、および、ばね支持部14が設けられている。コードテープ10の上端は、上部支持部11に固定され、コードテープ10の下端は、ばね支持部14に固定されている。ばね13は、ばね支持部14と下部支持部12との間に設けられる。
ばね13は、ばね支持部14を介して、コードテープ10に対して下方に張力を付与する。ばね支持部14は、コードテープ10の伸縮に応じて、ガイドレール9の長手方向と平行(すなわち鉛直方向)に移動可能である。
磁気センサ15は、かご7の外面に設置され、コードテープ10に付されたコードを読み取るコード読取装置であり、位置情報であるコード読取信号S1を出力する。
温度測定装置16は、昇降路1内の温度を測定し、温度情報S2を出力する。温度測定装置16は、その温度検知部を、コードテープ10に接触させて、コードテープの温度を測定してもよいが、コードテープ10に接触させずに、昇降路1内のコードテープ10の近傍の温度を測定してもよい。コードテープ10の伸び量を精度よく算出するためには、温度測定装置16の温度検知部をコードテープ10に接触させて温度を測定する、あるいは、コードテープ10のできるだけ近傍の温度を測定するのが望ましい。なお、コードテープ10に接触させて温度を測定する場合であっても、温度測定装置16は、昇降路1内の温度情報を出力すると見做すことができ、コードテープ10に接触させずに温度を測定する場合であっても、温度測定装置16は、コードテープ10の温度情報を出力すると見做すことができる。
図2は、実施の形態1における温度測定装置の設置位置を説明する図である。図2において、領域REは、かご7の可動領域、領域R1と領域R2は、温度測定装置16の設置可能領域である。図1に示されるように、コードテープ10が、磁気センサ15の内部を貫通するように配置される形態においては、温度測定装置16は、かご7の可動領域である、領域REよりも下側の領域R1、あるいは、上側の領域R2に設置される。
一方、コードテープ10が、磁気センサ15の内部を貫通せずに、磁気センサ15の外部に、例えば、4~5mmの間隔を有して配置される形態もある(図示せず)。この形態の場合には、温度測定装置16は、領域REよりも下側の領域R1、上側の領域R2だけではなく、領域REに設置することもできる。すなわち、温度測定装置16は、コードテープ10の領域R3におけるどの位置に設置されてもよい。
図1に示した制御装置5について説明する。制御装置5は、エレベーターシステム100の全体の制御を行う。制御装置5は、温度測定装置16から昇降路1内の温度情報S2を取得する。制御装置5は、磁気センサ15から、かご7の位置情報であるコード読取信号S1を取得する。制御装置5は、温度情報S2と、コード読取信号S1とを取得し、かご7の位置の補正量を算出する。制御装置5は、算出した補正量に基づいて演算した制御信号S3を巻上機3に出力し、巻上機3によりかご7の昇降を制御し、かご7の着床位置を制御する。
図3は、実施の形態1における温度特性モデルを説明する図である。図3において、横軸は温度変化量、縦軸は伸び量を示す。横軸において、温度変化量の初期値0は、基準温度からの温度変化量がゼロである。横軸において、初期値0より右側は温度が上昇した場合を示し、初期値0より左側は温度が低下した場合を示している。縦軸において、伸び量の初期値Y0は、基準温度からの温度変化量がゼロのときの伸び量であり、ゼロとしてもよい。この場合、縦軸において、初期値Y0より上側は伸び量がプラス、初期値Y0より下側は伸び量がマイナスとなる。縦軸の伸び量は、例えば、最下階BFに対応する位置におけるコードテープ10の伸び量である。この温度特性モデルを用いることにより、温度変化量から伸び量の初期値Y0からの伸び量を求めることができる。
図3において、直線31は、制御装置5があらかじめ実装している温度特性モデルである。この直線31は、磁気式のコードテープ10に用いられる材料の特性から定まる温度変化係数だけではなく、磁気センサ15とコードテープ10の据付状態を考慮した機械システムによって決定されるモデル化係数および実測定データを元に決定した値(または数式)により決定される。
図3に示される温度特性モデルは、基準温度からの温度変化量ΔTと、温度変化量ΔTに対応するコードテープ10の伸び量Yとの間には、(式1)によって示される関係を有している。
Y=L×a×ΔT (式1)
ここで、Lはコードテープ10の長さ、aはコードテープ10の伸び量の温度変化係数である。(式1)は、コードテープ10の上端からの長さL(換言すれば、コードテープ10の上端からの距離L)に対応する位置におけるコードテープ10の伸び量Yを表している。
次に、実施の形態1における制御装置5の動作について説明する。図4は、実施の形態1における制御装置の動作を説明するフローチャートである。図4に示される動作は、あらかじめ定められた周期で実施してもよく、メンテナンスを行う作業員が指定するタイミングで実施してもよい。あらかじめ定められた周期は、例えば、1日、1週間、1か月である。
ステップST1において、制御装置5は、温度測定装置16から温度情報を取得する。
ステップST2において、制御装置5は、取得した温度情報から、基準温度からの温度変化量ΔTを算出する。
ステップST3において、制御装置5は、磁気センサ15からかご7の位置情報であるコード読取信号S1を取得する。すなわち、ステップST3において、制御装置5は、かご7の位置情報を取得する。
ステップST4において、制御装置5は、ステップST2において算出した温度変化量と図3に示す温度特性モデルとから、コードテープ10の伸び量を算出する。以下の説明において、この伸び量を第1伸び量とも称する。
ステップST5において、制御装置5は、ステップST4において算出した伸び量を用いて、ステップST3において取得した位置情報を補正するための補正量を算出する。
ここで、特定階における補正量の算出方法について説明する。
基準温度からの温度変化量ΔTと温度変化量ΔTに対応するコードテープ10の全体の伸び量Y1との間には(式2)によって示される関係がある。
Y1=L1×a×ΔT (式2)
ここで、L1はコードテープ10の全長、aはコードテープ10の伸び量の温度変化係数である。
また、伸び量Y1と特定階における補正量Y2との間には、(式3)によって示される関係がある。
Y2=Y1×X/L1 (式3)
ここでXは特定階の位置情報である。Xはコードテープ10の上端からの距離であり、あらかじめ設定されている。Xは階高、ドアゾーン、リレベルゾーンなどの位置情報である。
かご7が特定階にあるときに磁気センサ15が読み取った位置情報に補正量Y2を加えることにより、特定階における正確な位置情報を得ることができる。
ステップST6において、制御装置5は、ステップST5において算出した補正量に基づいて演算した制御信号S3を巻上機3に出力する。
実施の形態1のエレベーターシステム100によれば、昇降路1内に着床検出装置を設けなくても、コードテープ10の伸び量を算出することができ、かご7を各階に正確に着床させることができる。また、着床検出装置を設置するためのコスト、据え付け調整の労力などを削減できる。
従来、温度変化量が大きくなると、かごの昇降を停止させる必要がある場合があった。実施の形態1のエレベーターシステム100によれば、温度変化量が大きくてもコードテープ10の伸び量をリアルタイムで算出することができるので、かご7の昇降を停止させる必要がなくなり、エレベーターシステム100の稼働率を向上させることができる。
なお、ステップST3において取得する位置情報は、乗場の床面とかご7の床面の高さの差を測定することによって補正された位置情報であってもよい。例えば、この測定は、保守作業などを行う作業員によって行われる。作業員は、かご7を最下階BFに対応する位置に停止させ、最下階BFの乗場側から、乗場の床面とかご7の床面の高さの差(すなわち、ずれ量)を定規などで測定し、この測定したずれ量を制御装置5に入力する。その後、制御装置5は、入力されたずれ量を用いて補正された位置情報を取得する。
実施の形態2.
図5は、実施の形態2のエレベーターシステムの構成を模式的に示す図である。実施の形態2のエレベーターシステム200は、着床検出装置17を備える点において、実施の形態1のエレベーターシステム100と相違している。着床検出装置17は、昇降路1内の最下階BFに対応する位置に設けられた基準マーカーと、かご7に設けられた位置センサ(図示せず)とを備えている。図5においては、便宜上、基準マーカーに対応する位置に着床検出装置17を図示している。着床検出装置17は、かご7が最下階BFに着床すると、着床信号S4を出力する。着床信号S4は、かご7に設けられた位置センサから出力されてもよい。
実施の形態2のエレベーターシステム200の制御装置5は、着床信号S4を取得すると、図4のステップST1と同様に、温度情報を取得し、ステップST2と同様に、基準温度からの温度変化量を算出し、ステップST3と同様に、かご7の位置情報を取得する。ここで取得する位置情報は、かご7が最下階BFに着床している時の位置情報である。かご7が最下階BFに着床している時に、磁気センサ15から取得した位置情報を、以下の説明において、位置情報(A)とも称する。制御装置5は、あらかじめ学習した最下階BFの位置情報を記憶している。制御装置5が記憶している位置情報を、以下の説明において、位置情報(B)とも称する。実施の形態2においては、制御装置5は、位置情報(A)と位置情報(B)の差分である伸び量を算出する。算出した伸び量を、以下の説明において、第2伸び量とも称する。
次に、図4のステップST4と同様に、制御装置5は、温度特性モデルからコードテープ10の伸び量(すなわち、第1伸び量)を算出する。
次に、制御装置5は、図4のステップST5と同様に、ステップST4で取得した第1伸び量を用いて、ステップST3で取得したかご7の位置情報(A)の補正量を算出し、補正量に基づいて演算した制御信号S3を出力する。
ここで、制御装置5は、第1伸び量ではなく、上記した第2伸び量を用いて、かご7の位置情報(A)の補正量を算出し、補正量に基づいて演算した制御信号S3を出力してもよい。
実施の形態2のエレベーターシステム200によれば、昇降路1内に複数の着床検出装置を設けなくても、コードテープ10の伸び量を算出することができ、かご7を各階に正確に着床させることができる。また、着床検出装置を設置するためのコスト、据え付け調整の労力などを削減できる。
また、実施の形態2のエレベーターシステム200によれば、温度変化量が大きくてもコードテープ10の伸び量を算出することができるので、かご7の昇降を停止させる必要がなくなり、エレベーターシステムの稼働率を向上させることができる。
また、実施の形態2のエレベーターシステム200によれば、昇降路1内の最下階BFに対応する位置に着床検出装置17を設けたので、磁気センサ15による、コードテープ10に付されたコードの読み取り誤差を小さくすることができ、かご7の正確な位置情報を取得することができる。
実施の形態3.
実施の形態3においては、温度特性モデルの校正を行う例について説明する。実施の形態3のエレベーターシステムの構成は、図5に示した実施の形態2のエレベーターシステムの構成と同じである。
図6は、実施の形態3における温度特性モデルの校正について説明する図である。図6において、測定値P1、測定値P2は、かご7が最下階BFに着床しているときに、温度測定装置16から取得した温度情報と、磁気センサ15から取得した位置情報S1とから、温度変化量と伸び量を算出してプロットしたものである。図6において直線31は、制御装置5があらかじめ実装している温度特性モデルである。図6に示されるように、温度特性モデルの特性を表す直線31からのずれ量が小さい測定値P1と、温度特性モデルの特性を表す直線31からのずれ量が大きい測定値P2とがある。図6において、破線32は、測定値P1に基づいて、校正された直線である。この直線は、校正された温度特性モデルである。
実施の形態3においては、制御装置5は、校正された温度特性モデルを用いて、実施の形態1および2と同様に補正量を算出して、補正量に基づいて演算した制御信号S3によりかご7の昇降を制御する。
コードテープ10の個体差によって、適切な温度特性モデルが異なることがある。また、コードテープ10などの経時変化によって、適切な温度特性モデルが変化することもある。また、設置されているエレベーターシステムの環境によっても適切な温度特性モデルが異なることもある。また、設置されているエレベーターシステムの昇降路1の全長の誤差によっても適切な温度特性モデルが異なることもある。これらの状況においても適切な温度特性モデルを得るために、実施の形態3は、温度特性モデルの校正を行うように構成したものである。
次に、温度特性モデルの校正を行う具体的な方法について説明する。
基準温度からの温度変化量ΔTと温度変化量ΔTに対応する最下階BFの位置でのコードテープ10の伸び量Y3との間には、(式4)によって示される関係がある。
Y3=L2×a1×ΔT (式4)
ここで、L2はコードテープ10の上端から最下階BFの位置までの長さ、a1は変化した温度変化係数である。温度変化係数a1は、エレベーターシステムの設置環境によって経時変化が生じることがある。このような経時変化があっても伸び量を正確に算出できるように温度特性モデルの校正を行う。温度特性モデルは、複数の測定値に対して、例えば、最小二乗法を用いることによって校正できる。以下の説明において、この校正方法を校正方法1とも称する。
温度上昇するときと温度下降するときとでは、同じ温度変化量であっても伸び量が異なる場合がある。図7は、温度変化量と伸び量との関係の一例を示す図である。図7(A)の例においては、温度上昇時と温度下降時とにおいて、温度変化量と伸び量の関係は変わらない。一方、図7(B)の例においては、温度上昇時と温度下降時とにおいて、温度変化量と伸び量の関係が異なる、いわゆるヒステリシスが生じている。このように図7(B)に示されるように、温度下降時の測定値が温度特性モデルから大きく外れて、許容範囲を超えてしまう場合(すなわち、図7(B)に模式的に示した「許容範囲外のデータ」となってしまう場合)には、この測定値を上記した温度特性モデルの校正に用いるのは適切ではない。この場合には、制御装置5は、温度特性モデルの校正を行わずに、測定により得られた伸び量から補正量を算出する。なお、このような補正量の算出方法を校正方法2と称することもできる。
図8は、実施の形態3における制御装置の動作を説明するフローチャートである。
ステップST11において、制御装置5は、かご7が最下階BFに着床しているか否かを判定する。この判定は、着床検出装置17から、着床信号S4が入力されているか否かにより判定される。着床信号S4は、かご7が最下階BFに着床していることを示す信号である。
ステップST11がYESの場合、制御装置5は、処理をステップST12に進める。
ステップST11がNOの場合、制御装置5は、処理をステップST11の処理に戻す。
ステップST12において、制御装置5は、温度測定装置16から、コードテープ10の温度情報S2を取得し、処理をステップST13に進める。
ステップST13において、制御装置5は、取得した温度情報S2から、図4のステップST2と同様に、基準温度からの温度変化量ΔTを算出し、処理をステップST14に進める。
ステップST14において、制御装置5は、かご7が最下階BFに着床している状態で、磁気センサ15がコードテープ10から読み取った位置情報であるコード読取信号S1を取得し、処理をステップST15に進める。ステップST14において取得した位置情報を位置情報(A)とも称する。
ステップST15において、制御装置5は、かご7が最下階BFの位置におけるコードテープ10の伸び量Y4を算出する。この伸び量Y4は、(式5)により求めることができる。
Y4=Yb―Yb0 (式5)
ここで、Ybは、ステップST14において取得した位置情報であり、Yb0は、あらかじめ学習した最下階BFの位置情報である。この最下階BFの位置情報を位置情報(B)とも称する。
ステップST16において、制御装置5は、取得した位置情報(A)と最下階BFの位置情報(B)との差である伸び量(以下の説明において、第2伸び量とも称する)と、温度特性モデルから求まる伸び量(以下の説明において、第1伸び量とも称する)との差分値(すなわち、第1伸び量と第2伸び量の差の絶対値)が、あらかじめ設定された第1基準値より大きいか否かを判定する。ここで、最下階BFの位置情報(B)は、制御装置5が記憶している位置情報である。なお、制御装置5が記憶している、最下階BFの位置情報(B)は、制御装置5が、前回取得した位置情報であってもよい。
ステップST16がYESの場合、制御装置5は、処理をステップST21に進める。
ステップST16がNOの場合、制御装置5は、処理をステップST17に進める。
ステップST17において、制御装置5は、校正方法1を選択し、処理をステップST18に進める。
ステップST18において、制御装置5は、取得した位置情報(A)と最下階BFの位置情報(B)との差から求まる第2伸び量と、温度特性モデルから求まる第1伸び量との差分値(すなわち、第1伸び量と第2伸び量の差の絶対値)があらかじめ設定された第2基準値より大きいか否かを判定する。ここで、第2基準値は第1基準値よりも小さく設定されている。
ステップST18がYESの場合、制御装置5は、処理をステップST19に進める。
ステップST18がNOの場合、制御装置5は、処理をステップST22に進める。
ここで、第1基準値と第2基準値の関係について説明する。図9は、図8のフローチャートにおけるステップST16とステップST18について説明する図である。図9において、「ST16における基準範囲」は、温度特性モデルを中心とする範囲であり、例えば、この基準範囲の幅の半分の値が第1基準値に相当する。また、「ST18における基準範囲」は、温度特性モデルを中心とする範囲であり、例えば、この基準範囲の幅の半分の値が第2基準値に相当する。
ステップST19において、制御装置5は、ステップST15で算出した伸び量、ステップST13で算出した温度変化量、および、現在の日付と時刻を記憶部46(後述する図12参照)に記憶し、処理をステップST20に進める。
ステップST20において、制御装置5は、温度特性モデルの校正を行い、処理を終了する。これ以降においては、制御装置5は、校正した温度特性モデルを用いて、伸び量を算出し、伸び量に基づいて補正量を算出し、補正量に基づいて演算した制御信号S3によりかご7を制御する。
次に、ステップST16において、第2伸び量と第1伸び量との差分値が第1基準値より大きいと判定された場合に行われるステップST21について説明する。
ステップST21において、制御装置5は、ST15で算出した伸び量の温度特性モデルからのずれ量が、第2基準値より大きいか否かを判定する。
図10は、図8のフローチャートにおけるステップST21について説明する図である。
図10において、「許容範囲」は、温度特性モデルを中心とする範囲であり、例えば、この許容範囲の幅の半分の値が第2基準値に相当する。図10において、測定値P3は前回測定した伸び量、測定値P4―1と測定値P4―2は今回測定した伸び量の2つの例である。測定値P4―1と測定値P4―2とは、前回の測定値P3とそれぞれ比較すると、前回の測定値P3からの伸び量は同じであるが、一つ目の例である測定値P4―1は、温度特性モデルからのずれ量が第2基準値以下であり、二つ目の例である測定値P4―2は、温度特性モデルからのずれ量が第2基準値より大きい。
ステップST21がNOの場合、制御装置5は、処理をステップST17に進める。
ステップST21がYESの場合、制御装置5は、処理をステップST24に進める。
次に、ステップST18において、第2伸び量と第1伸び量との差分値が第2基準値以下と判定された場合に行われるステップST22について説明する。
ステップST22において、制御装置5は、前回の測定時の日時情報と今回の測定時の日時情報とを取得し、時刻の比較値を算出する。時刻の比較値は、今回の測定時の日時情報から前回の測定時の日時情報を引いて算出した値であり、前回の測定から今回の測定までの経過時間と捉えることができる。
ステップST23において、制御装置5は、ステップST22で算出した時刻の比較値が基準時間より大きいか否かを判定する。
ステップST23がYESの場合、制御装置5は、処理をステップST19に進める。
ステップST23がNOの場合、制御装置5は、温度特性モデルの校正を行わずに処理を終了する。
前回の測定から今回の測定までの経過時間が長い場合には、ステップST19において、第2基準値以下と判定された場合であっても、制御装置5は、校正方法1を行う。
温度変化係数a1は、短時間で変化することはないので、前回の測定から今回の測定までの経過時間が短い場合(すなわち、経過時間が基準時間以下の場合)には、温度特性モデルの校正を行わない。一方、前回の測定から今回の測定までの経過時間が長い場合(すなわち、経過時間が基準時間より大きい場合)には、長い期間にわたって温度特性モデルの校正を行わないことになるので、精度が高い温度特性モデルを得るために、校正方法1を行う。
次に、ステップST21において、温度特性モデルからのずれ量が第2基準値より大きいと判定された場合に行われるステップST24について説明する。
ステップST24において、制御装置5は、ステップST15で算出した伸び量、ステップST13で算出した温度変化量、および、現在の日付と時刻を記憶部46(後述する図12参照)に記憶し、処理をステップST25に進める。
ステップST25において、制御装置5は、ステップST15において算出した伸び量から補正値を算出し、図8のフローチャートの処理を終了する。制御装置5は、算出した
補正量に基づいて演算した制御信号S3によりかご7を制御する。
実施の形態3のエレベーターシステムによれば、温度特性モデルを校正するので、実際のエレベーターシステムの使用環境によって、コードテープ10の温度変化係数a1が、時間とともに変化する場合であっても、昇降路1内に複数の着床検出装置を設けなくても、かご7の着床位置を正確に制御することができる。このため、着床検出装置を設置するためのコスト、据え付け調整の労力などを削減できる。
実施の形態3のエレベーターシステムによれば、日時情報を取得することにより、実際に使用されている環境におけるコードテープ10の伸び量の傾向を収集できる。例えば、温度上昇時と温度下降時の傾向の違いも区別できるので、かご7の着床位置をより正確に制御することができる。
実施の形態3の変形例.
図11は、実施の形態3の変形例における制御装置の動作を説明するフローチャートである。実施の形態3の変形例におけるエレベーターシステムの制御装置5の動作は、日時情報を用いないという点において、図8に示す実施の形態3のエレベーターシステムの制御装置5の動作と相違している。具体的には、図11のフローチャートは、図8のステップST22とステップST23がなく、ステップST19に替えてステップST19a、ステップST24に替えてステップST24aを有している点において相違している。
ステップST18において、制御装置5は、第2伸び量と第1伸び量との差分値が第2基準値以下と判定した場合には、図8のステップST22とステップST23を行わずにフローチャートで示される処理を終了する。すなわち、制御装置5は、第2伸び量と第1伸び量の差分値が第2基準値以下と判定した場合には、温度特性モデルの校正を行わずにフローチャートで示される処理を終了する。また、制御装置5は、ステップST19aとステップST24aにおいては、日付と時刻の記録を行わない。
実施の形態3の変形例のエレベーターシステムによれば、日時情報を用いなくても、温度特性モデルの校正を行うことができ、かご7の着床を検出するための構成を増やすことなく、かご7の着床位置を正確に制御することができる。
実施の形態4.
図12は、実施の形態4の制御装置5の構成について説明する図である。制御装置5は、時計41と、学習部42と、制御演算部45と、記憶部46とを備えている。学習部42は、判定部43と、補正量推定部44とを備えている。
学習部42は、磁気センサ15からかご7の位置情報S1を取得し、温度測定装置16から昇降路1内の温度情報S2を取得し、時計41から日時情報S5を取得する。日時情報S5は、位置情報S1または温度情報S2を取得した日付と時刻とを含む情報である。なお、時計41は、前回の測定からの経過時間を測定するタイマーであってもよい。この場合の日時情報は、前回の測定からの経過時間である。
学習部42は、実装しているアルゴリズムに基づいて、取得した、位置情報S1と、温度情報S2と、日時情報S5とを用いて、コードテープ10の温度変化量とコードテープ10の伸び量の関係を示す温度特性モデルを学習する。学習部42の機能は、人工知能を利用して実現してもよい。
判定部43は、位置情報S1と、温度情報S2と、日時情報S5とに基づいて温度特性モデルの校正方法を判定する。補正量推定部44は、判定部43が判定した校正方法により、温度特性モデルを校正し、校正した温度特性モデルを用いて、上記の各実施の形態と同様の方法により、位置情報S1に対する補正量を推定する。
学習部42は、推定した補正量を制御演算部45に出力する。制御演算部45は、入力した補正量に基づいて演算した制御信号S3を巻上機3に出力する。記憶部46は、学習部42が取得した位置情報S1と、温度情報S2と、日時情報S5とを記憶する。
実施の形態4のエレベーターシステムによれば、位置情報S1と、温度情報S2と、日時情報S5とに基づいて温度特性モデルの校正方法を判定し、判定した校正方法により、温度特性モデルを校正する学習部を備えるので、精度の高い温度特性モデルの校正を簡便に行うことができる。
また、実施の形態4のエレベーターシステムによれば、図7(A)の例のように、温度上昇時と温度下降時とにおいて、温度変化量と伸び量の関係は変わらない、線形の温度特性モデルだけではなく、図7(B)の例のように、温度上昇時と温度下降時とにおいて、温度変化量と伸び量の関係が異なるヒステリシス特性を含む非線形の温度特性モデルについても温度特性モデルを生成することができるので、ヒステリシス特性を含む場合であっても、温度変化量からコードテープ10の伸び量を正確に算出することができるので、かご7の着床を検出するための構成を増やすことなく、かご7の着床位置を正確に制御することができる。
実施の形態5.
上記の各実施の形態において、温度測定装置16を用いる例について説明したが、温度測定装置16の代わりに抵抗測定装置26を用いてもよい。
図13は、実施の形態5のエレベーターシステムの構成を模式的に示す図である。実施の形態5のエレベーターシステム300は、温度測定装置16の代わりに抵抗測定装置26を備えており、制御装置5は、抵抗測定装置26から出力された抵抗率S6を温度情報として取得する点において、図5に示した実施の形態2のエレベーターシステムと相違している。実施の形態5においては、抵抗測定装置26から取得した抵抗率S6を用いて温度変化量を算出し、制御装置5が、あらかじめ実装している温度特性モデルを用いて、コードテープ10の伸び量を算出する。
図14は、実施の形態5における抵抗測定装置の構成の一例を示す図である。図14は、図2に示される部分Aの拡大図である。図14の抵抗測定装置26は、接触式の抵抗測定装置であり、複数の電極26aと抵抗測定装置本体26bとを備えている。抵抗測定装置26は、針状の複数の電極26aをコードテープ10に接触させて抵抗測定を行い、コードテープ10の抵抗率を出力する。抵抗測定装置26が設置される位置は、図2を用いて説明した温度測定装置16が設置される位置と同様である。
次に、抵抗測定装置26から取得した抵抗率S6を用いて温度変化量を算出する方法について説明する。
制御装置5は、基準温度におけるコードテープ10の抵抗率R0と、基準温度におけるコードテープ10の伸び量の初期値Y0とをあらかじめ記憶している。
図4のステップST1、図8および図11のステップST12において、制御装置5は、温度情報に替えて、抵抗測定装置26から抵抗率を取得する。
図4のステップST2、図8および図11のステップST13において、制御装置5は、(式6)と(式7)を用いて、取得した抵抗率から、基準温度からの温度変化量ΔTを算出する。
Rt=Rs×(1+p×ΔT) (式6)
ΔT=1/p(Rt/Rs-1) (式7)
ここで、Rtは温度Tにおける抵抗率、Rsは基準温度Tsにおける抵抗率、pは抵抗率温度係数、ΔTは基準温度からの温度変化量(T-Ts)である。
基準温度Tsは、任意の温度を基準温度として定め、その基準温度での抵抗率Rsをあらかじめ測定しておく。抵抗率温度係数pは、コードテープ10の物質によって定まる数値である。
実施の形態5のエレベーターシステム300においても、上記の各実施の形態と同様に、かご7の着床を検出するための構成を増やすことなく、かご7の着床位置を正確に制御することができる。
上記の実施の形態2~5において、着床検出装置17が最下階BFに対応する位置に設けられる場合について説明したが、着床検出装置17が設けられる位置は、最下階BFに対応する位置以外の、例えば、最下階BFと最上階TFの間にある途中階に対応する位置であってもよい。また、着床検出装置は、最下階BFに対応する位置だけではなく、最上階TFに対応する位置にも設けられてもよい。
上記の各実施の形態において、磁気式のコードテープ10を用いる例について説明したが、光学式のコードテープを用いてもよい。この場合には、コード読取装置として、磁気センサ15に替えて光学式センサが設置され、光学式センサがコードテープに付されたコードを読み取る。なお、実施の形態5においては、抵抗率の変化が測定可能な光学式のコードテープが用いられる。
また、上記の実施の形態1~4において、温度測定装置16を1箇所に設ける例について説明したが、温度測定装置16は、鉛直方向の複数の箇所に設けられてもよい。温度測定装置16を、鉛直方向の複数の箇所に設けることにより、コードテープ10の長手方向の温度変化をより正確に取得できるので、かご7の着床位置をより正確に制御することができる。
また、上記の実施の形態5において、抵抗測定装置26を1箇所に設ける例について説明したが、抵抗測定装置26は、鉛直方向の複数の箇所に設けられてもよい。抵抗測定装置26を、鉛直方向の複数の箇所に設けることにより、コードテープ10の長手方向の温度変化をより正確に取得できるので、かご7の着床位置をより正確に制御することができる。
続いて、図15を用いて、実施の形態1~5のエレベーターシステム100,200,300の制御装置5のハードウェア構成の例について説明する。
図15は、実施の形態1~5のエレベーターシステム100,200,300の制御装置5の主要部のハードウェア構成図である。
エレベーターシステム100,200,300の制御装置5の各機能は、処理回路により実現し得る。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ500aと少なくとも1つのメモリ500bとを備える。処理回路は、プロセッサ500aおよびメモリ500bとともに、あるいはそれらの代用として、少なくとも1つの専用ハードウェア600を備えてもよい。
処理回路がプロセッサ500aとメモリ500bとを備える場合、制御装置5の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。そのプログラムはメモリ500bに格納される。プロセッサ500aは、メモリ500bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置5の各機能を実現する。
プロセッサ500aは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。メモリ500bは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどにより構成される。
処理回路が専用ハードウェア600を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。
制御装置5の各機能は、それぞれ処理回路で実現することができる。あるいは、制御装置5の各機能は、まとめて処理回路で実現することもできる。制御装置5の各機能について、一部を専用ハードウェア600で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。このように、処理回路は、専用ハードウェア600、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで制御装置5の各機能を実現する。
以下に、本開示に含まれ得る態様の例について、付記として明記する。
(付記1)
昇降路内を昇降するかごと、
前記昇降路内に吊り下げられたコードテープと、
前記かごに設けられ、前記コードテープのコードを読み取り、前記かごの位置情報を出力するコード読取装置と、
前記昇降路内の温度情報を出力する温度測定装置と、
前記かごの位置情報と前記昇降路内の温度情報とに基づいて、前記かごの位置情報を補正して前記かごの昇降を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記昇降路内の温度変化量と前記コードテープの伸び量との関係を示す温度特性モデルを実装する、エレベーターシステム。
(付記2)
前記昇降路内に設けられ、前記かごの着床を検出する着床検出装置を備え、
前記制御装置は、
前記着床検出装置が前記かごの着床を検出したときに出力される、前記かごの位置情報と前記昇降路内の温度情報とに基づいて、前記かごの位置情報を補正して前記かごの昇降を制御する、付記1に記載のエレベーターシステム。
(付記3)
前記制御装置は、
前記コード読取装置から取得した位置情報と、前記温度測定装置から取得した温度情報とに基づいて、前記温度特性モデルを校正する、付記1に記載のエレベーターシステム。
(付記4)
前記制御装置は、
前記昇降路内の温度変化量を、前記温度測定装置から取得した温度情報に基づいて算出し、前記温度変化量と前記温度特性モデルとから前記コードテープの第1伸び量を算出する、付記1に記載のエレベーターシステム。
(付記5)
前記制御装置は、
前記着床検出装置が、前記かごの着床を検出すると、前記コード読取装置から前記かごの位置情報を取得し、取得した位置情報と、あらかじめ記憶している基準位置情報との差分である第2伸び量を算出し、前記かごの位置情報と前記第2伸び量とに基づいて前記かごの位置情報を補正する、付記2に記載のエレベーターシステム。
(付記6)
前記制御装置は、
前記第1伸び量と、前記第2伸び量との差分値が第1基準値より大きい場合に、前記温度特性モデルを校正しない、付記5に記載のエレベーターシステム。
(付記7)
前記制御装置は、前記第1伸び量と、前記第2伸び量との差分値が第1基準値以下であり、かつ、前記第1基準値より小さい第2基準値より大きい場合に、前記温度特性モデルを校正する、付記5に記載のエレベーターシステム。
(付記8)
前記制御装置は、前記差分値が前記第2基準値以下であり、かつ、前記差分値を前回算出した時からの経過時間が基準時間より大きい場合に、前記温度特性モデルを校正する、付記7に記載のエレベーターシステム。
(付記9)
前記制御装置は、日時情報を出力する計時装置を備え、前記コード読取装置から取得した位置情報と、前記温度測定装置から取得した温度情報と、前記計時装置から取得した日時情報とに基づいて、前記温度特性モデルを学習する学習部と、前記学習部において学習された温度特性モデルに基づいて前記かごの昇降を制御する制御信号を出力する制御演算部とを備える、付記1~8のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。
(付記10)
前記温度測定装置は、前記コードテープの抵抗率を出力する抵抗測定装置であり、
前記制御装置は、前記昇降路内の温度変化量を前記抵抗測定装置から取得した抵抗率の変化に基づいて算出する、付記1~9のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。
(付記11)
前記温度変化量をΔTとし、前記コードテープの伸び量をYとし、前記コードテープの長さをLとし、前記コードテープの伸び量の温度変化係数をaとしたとき、前記温度特性モデルは、Y=L×a×ΔTの関係を有する、付記1~10のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。
100,200 エレベーターシステム、 1 昇降路、2 機械室、 3 巻上機 4 そらせ車、 5 制御装置、 6 懸架体、7 かご、 8 釣合おもり、 9 ガイドレール、 10 コードテープ、 11 上部支持部、 12 下部支持部、 13 ばね、14 ばね支持部、 15 磁気センサ(コード読取装置)、 16 温度測定装置、17 着床検出装置、26 抵抗測定装置、31 温度特性モデル 32 校正した温度特性モデル、41 時計、 42 学習部、 43 判定部、 44 補正量推定部、45 制御演算部、 46 記憶部
本開示のエレベーターシステムは、昇降路内を昇降するかごと、昇降路内に吊り下げられたコードテープと、かごに設けられ、コードテープのコードを読み取り、かごの位置情報を出力するコード読取装置と、昇降路内の温度情報を出力する温度測定装置と、昇降路内に設けられ、かごの着床を検出する着床検出装置と、かごの位置情報と昇降路内の温度情報とに基づいて、かごの位置情報を補正してかごの昇降を制御する制御装置とを備え、制御装置は、昇降路内の温度変化量とコードテープの伸び量との関係を示す温度特性モデルを実装し、着床検出装置が、かごの着床を検出すると、コード読取装置からかごの位置情報を取得し、取得した位置情報と、あらかじめ記憶している基準位置情報との差分である第2伸び量を算出し、かごの位置情報と第2伸び量とに基づいてかごの位置情報を補正する。

Claims (11)

  1. 昇降路内を昇降するかごと、
    前記昇降路内に吊り下げられたコードテープと、
    前記かごに設けられ、前記コードテープのコードを読み取り、前記かごの位置情報を出力するコード読取装置と、
    前記昇降路内の温度情報を出力する温度測定装置と、
    前記かごの位置情報と前記昇降路内の温度情報とに基づいて、前記かごの位置情報を補正して前記かごの昇降を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記昇降路内の温度変化量と前記コードテープの伸び量との関係を示す温度特性モデルを実装する、エレベーターシステム。
  2. 前記昇降路内に設けられ、前記かごの着床を検出する着床検出装置を備え、
    前記制御装置は、
    前記着床検出装置が前記かごの着床を検出したときに出力される、前記かごの位置情報と前記昇降路内の温度情報とに基づいて、前記かごの位置情報を補正して前記かごの昇降を制御する、請求項1に記載のエレベーターシステム。
  3. 前記制御装置は、
    前記コード読取装置から取得した位置情報と、前記温度測定装置から取得した温度情報とに基づいて、前記温度特性モデルを校正する、請求項1に記載のエレベーターシステム。
  4. 前記制御装置は、
    前記昇降路内の温度変化量を、前記温度測定装置から取得した温度情報に基づいて算出し、前記温度変化量と前記温度特性モデルとから前記コードテープの第1伸び量を算出する、請求項1に記載のエレベーターシステム。
  5. 前記制御装置は、
    前記着床検出装置が、前記かごの着床を検出すると、前記コード読取装置から前記かごの位置情報を取得し、取得した位置情報と、あらかじめ記憶している基準位置情報との差分である第2伸び量を算出し、前記かごの位置情報と前記第2伸び量とに基づいて前記かごの位置情報を補正する、請求項2に記載のエレベーターシステム。
  6. 前記制御装置は、
    前記第1伸び量と、前記第2伸び量との差分値が第1基準値より大きい場合に、前記温度特性モデルを校正しない、請求項5に記載のエレベーターシステム。
  7. 前記制御装置は、前記第1伸び量と、前記第2伸び量との差分値が第1基準値以下であり、かつ、前記第1基準値より小さい第2基準値より大きい場合に、前記温度特性モデルを校正する、請求項5に記載のエレベーターシステム。
  8. 前記制御装置は、前記差分値が前記第2基準値以下であり、かつ、前記差分値を前回算出した時からの経過時間が基準時間より大きい場合に、前記温度特性モデルを校正する、請求項7に記載のエレベーターシステム。
  9. 前記制御装置は、日時情報を出力する計時装置を備え、前記コード読取装置から取得した位置情報と、前記温度測定装置から取得した温度情報と、前記計時装置から取得した日時情報とに基づいて、前記温度特性モデルを学習する学習部と、前記学習部において学習された温度特性モデルに基づいて前記かごの昇降を制御する制御信号を出力する制御演算部とを備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。
  10. 前記温度測定装置は、前記コードテープの抵抗率を出力する抵抗測定装置であり、
    前記制御装置は、前記昇降路内の温度変化量を前記抵抗測定装置から取得した抵抗率の変化に基づいて算出する、請求項1に記載のエレベーターシステム。
  11. 前記温度変化量をΔTとし、前記コードテープの伸び量をYとし、前記コードテープの長さをLとし、前記コードテープの伸び量の温度変化係数をaとしたとき、前記温度特性モデルは、Y=L×a×ΔTの関係を有する、請求項1に記載のエレベーターシステム。
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