JP2024053862A - 変調器 - Google Patents

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智裕 根塚
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Abstract

【課題】積分容量の両端でチョッピングを行う構成において、チャージインジェクションによる残留電荷分の誤差を低減できる変調器を提供する。【解決手段】差動アンプ1の入力端子と出力端子との間に第1スイッチφ1eを接続し、差動アンプ1の入力端子と出力端子との間に、第2スイッチφ2e、容量チョッピング用入力スイッチCHL1、積分容量Cint及び容量チョッピング用出力スイッチCHL2の直列回路を接続して変調器4を構成する。制御回路は、スイッチCHL1及びCHL2のON/OFFを切り替える移行期間に第1スイッチφ1e及び第2スイッチφ2eをONすることでノードAを初期電位にする。コンデンサCin1の前段に入力チョッピング用スイッチ14、量子化器12の出力端子に出力チョッピング用スイッチ15を接続し、これらのスイッチ14及び15をスイッチCHL1及びCHL2と同じ周波数の制御信号でチョッピングする。【選択図】図16

Description

本発明は、差動アンプ、積分容量及びチョッピング用スイッチを備えた変調器に関する。
例えば非特許文献1には、図18及び図19に示すように、上記のような積分器にフィーバック系を加えた変調器を用いて構成した電流センサが開示されている。この構成では、差動アンプのオフセット電圧を低減するため、差動アンプの入力部のスイッチΦ2e、入出力間のスイッチΦ1e及び積分容量Cint1の両端のスイッチCHLでチョッピングを行っている。
Z. Tang, R. Zamparette, Y. Furuta, T. Nezuka and K. A. A. Makinwa, "A ±25A Versatile Shunt-Based Current Sensor with 10kHz Bandwidth and ±0.25% Gain Error from -40°C to 85°C Using 2-Current Calibration," 2022 IEEE International Solid- State Circuits Conference (ISSCC), 2022, pp. 66-68, doi: 10.1109/ISSCC42614.2022.9731777.
非特許文献1の構成では、チョッピング用スイッチCHLが切り替わる際に、スイッチΦ2eのタイミングのパターンを変化させることなくチョッピングさせている。チョッピング用のスイッチには、一般にMOSFET等が使用されることが多い。図20に示すように、MOSFETをON状態にすると、ゲート端子の直下には、充電された電荷が帯電する。そして、MOSFETをOFF状態にすると、ゲートに帯電していた電荷が、ソース端子、ドレイン端子側に注入される。この注入された電荷分が、誤差Δqiとして現れる。この現象をチャージインジェクションと称する。以下、チャージインジェクションを単にインジェクションと称する場合がある。
スイッチΦ2e及びスイッチCHLの共通接続点をノードAとすると、スイッチΦ2eがスイッチCHLよりも早くOFFする場合や、逆にスイッチCHLがスイッチΦ2eよりも早くOFFする場合の何れのケースでも、ノードAにインジェクションによる電荷が残ってしまうと、スイッチCHLの切り替わりの前後で残留した電荷分が誤差となってしまうという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、積分容量の両端でチョッピングを行う構成において、チャージインジェクションによる残留電荷分の誤差を低減できる変調器を提供することにある。
請求項1記載の変調器によれば、差動アンプの入力端子と出力端子との間に第1スイッチを接続し、差動アンプの入力端子と出力端子との間に、第2スイッチ、容量チョッピング用入力スイッチ、積分容量及び容量チョッピング用出力スイッチの直列回路を接続して積分器を構成する。制御回路は、容量チョッピング用入力スイッチと、容量チョッピング用出力スイッチとのON/OFFを切り替える移行期間に第1スイッチ及び第2スイッチをONすることで、第2スイッチと容量チョッピング用入力スイッチとの共通接続点を初期電位にする。
容量チョッピング用入力及び出力スイッチの移行期間には、第1スイッチ及び第2スイッチがONになることで、前記の共通接続点の電位は、差動アンプの入力端子及び出力端子の電位に等しい初期電位となる。これにより、前記共通接続点において、チャージインジェクションによる残留電荷量が低減するので、誤差を低減できる。
そして、積分器の入力側、出力側にそれぞれ入力、出力チョッピング用スイッチを配置し、制御回路は、入力チョッピング用スイッチ及び出力チョッピング用スイッチを、容量チョッピング用入力スイッチ及び容量チョッピング用出力スイッチと同じ周波数でチョッピングする。加えて、容量チョッピング用入力スイッチと容量チョッピング用出力スイッチとをそれぞれチョッピングする周波数を、第1スイッチをスイッチングする周波数よりも低く設定する。これにより、差動アンプのオフセット電圧や、フリッカノイズ等の影響を低減できる。
参考実施形態において、図3に示す積分器の構成を簡略化して示す図(その1) 図3に示す積分器の構成を簡略化して示す図(その2) 差動アンプを差動入出力として、積分器の構成を示す図 システムCHOPスイッチのシンボルと、複数のスイッチの組合せとの対応を示す図 従来構成で想定している各スイッチのON/OFFシーケンスを示すタイミングチャート 図5に示すのON/OFFシーケンスに対応して、導通している配線を太線で示す図(その1) 同導通している配線を太線で示す図(その2) 同導通している配線を太線で示す図(その3) 参考実施形態の各スイッチのON/OFFシーケンスを示すタイミングチャート 図9に示すのON/OFFシーケンスに対応して、導通している配線を太線で示す図(その1) 同導通している配線を太線で示す図(その2) 同導通している配線を太線で示す図(その3) 同導通している配線を太線で示す図(その4) 同導通している配線を太線で示す図(その5) 同導通している配線を太線で示す図(その6) 第1実施形態において、変調器の構成を示す図 第2実施形態において、変調器の構成を示す図 非特許文献1に開示されている変調器の構成を示す図 同変調器の動作を示すタイミングチャート チャージインジェクションを説明する図
(参考実施形態)
以降の各実施形態で扱うアンプは、図3に示すように差動アンプであるが、説明を容易にするため、図1に示すように、シングルエンドタイプで正側、負側のスイッチ等を一纏めにしたり、図2に示すように、同スイッチ等を片側に纏めて省略的に示したりする場合がある。図3に示すように、差動アンプ1の反転側、非反転側の構成は対称である。反転側、負側の構成の符号には「m」、非反転側、正側の構成の符号には「p」を付しているが、両者を特に区別する必要がない場合には、符号に「m」、「p」を付さない場合もある。
図3に示すように、差動アンプ1の各入力端子には、入力電圧が、カップリングコンデンサCinを介して与えられる。入力端子と出力端子との間には、第1スイッチΦ1eが接続されていると共に、第2スイッチΦ2e、システムCHOPスイッチ2、積分容量Cint、システムCHOPスイッチ3の直列回路が接続されている。
図3ではシンボル的に示しているシステムCHOPスイッチ2,3は、図4に示すように、反転側、非反転側にそれぞれ直列に接続される2つのスイッチCHL1pと、反転側、非反転側間にたすき掛け状態に接続される2つのスイッチCHL1mからなる。スイッチCHL1は容量チョッピング用入力スイッチに相当し、スイッチCHL2は容量チョッピング用出力スイッチに相当する。尚、各スイッチは、例えばNチャネルMOSFET等で構成される。
図1では、システムCHOPスイッチ2をスイッチCHL1p/m,システムCHOPスイッチ3をスイッチCHL2p/mとして、一纏めで示している。図2では、システムCHOPスイッチ2をスイッチCHL1p、CHL1mに、システムCHOPスイッチ3をスイッチCHL2p、CHL2mとして、2つに分けて示している。以上の構成において、差動アンプ1、その入出力端子間に接続されている積分容量Cint、システムCHOPスイッチ2及び3等を加えたものが積分器4を構成している。積分器4は、相関2重サンプリング型である。
次に、参考実施形態の作用について説明する。図18に示す非特許文献1の構成に対応する発明は、特願2021-173922号として出願されており、当該出願図面の図15に示されている。上記の構成を「従来構成」と称する。従来構成において、システムCHOPスイッチ2、3を切り替えるタイミングは、スイッチφ1e,φ2eの切り替えとの連携は考慮されていないため、例えば図5に示すように、スイッチφ2eのターンオフタイミングとほぼ同時に切り替えられる場合があった。
図6~図8は、図5に示す各スイッチのON/OFFシーケンスに対応して、導通している配線を太線で示している。これらの中の図7に示すように、スイッチφ2eとスイッチCHL1pとが同時にOFFすると、両者の共通接続点であるノードAに、両者のインジェクションによる誤差Δqiが残留する。
これに対して、参考実施形態では、図9に示すように各スイッチのON/OFFシーケンスを変更した。尚、システムCHOPスイッチ2及び3のON/OFFの切り替えを行う期間を移行期間と称する。すると、従来構成と同様の図6に示す初期状態から、移行期間を開始する前に、第2スイッチφ2eをONにする。移行期間を開始すると、(1)最初にスイッチCHL1pをOFFにし(図10)、次にスイッチCHL2pをOFFにする(図11)。
(2)次にスイッチCHL2mをONにすると(図12)、(3)スイッチφ1eをONにする(図13)。これにより、差動アンプ1の入出力端子間が短絡されて両者の電位は初期電位となる。この時点で、ノードAには、スイッチCHL1pのインジェクションによる誤差Δqiが残留しなくなる。その後、スイッチφ1eをOFFにし(図14)、(4)スイッチCHL1mをONにすると(図15)、一連のON/OFFシーケンスが終了する。
図5より明らかなように、スイッチCHL1及びCHL2をチョッピングする周波数は、第1スイッチφ1eをチョッピングする周波数よりも低く設定されている。
以上のように本実施形態によれば、差動アンプ1の入力端子と出力端子との間に第1スイッチφ1eを接続し、差動アンプ1の入力端子と出力端子との間に、第2スイッチφ2e、容量チョッピング用入力スイッチCHL1、積分容量Cint及び容量チョッピング用出力スイッチCHL2の直列回路を接続して積分器4を構成する。制御回路は、スイッチCHL1及びCHL2のON/OFFを切り替える移行期間に第1スイッチφ1e及び第2スイッチφ2eをONすることで、ノードAを初期電位にする。具体的には、移行期間における各スイッチのON/OFFシーケンスを、(1)~(4)の手順で行う。
移行期間において、第1スイッチφ1e及び第2スイッチφ2eがONになることで、ノードAの電位は、差動アンプ1の入力端子及び出力端子の電位に等しい初期電位となる。これにより、ノードAにおいて、チャージインジェクションによる残留電荷量が低減するので、誤差を低減できる。
(第1実施形態)
以下、参考実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。図16に示すように、第1実施形態の変調器11は、参考実施形態と同様の相関2重サンプリング型の積分器に、フィードバック系を加えて構成されている。差動アンプ1の出力端子には、量子化器12が接続されており、量子化器12の出力端子には、D/A変換器13が接続されている。D/A変換器13の出力端子は、図示しないスイッチやコンデンサCin2を介して、差動アンプ1の非反転入力端子に接続されている。尚、第1実施形態のコンデンサCinは、「Cin1」としている。コンデンサCin1の前段には、入力チョッピング用スイッチ14が接続され、量子化器12の出力端子には、出力チョッピング用スイッチ15が接続されている。これらのチョッピング用スイッチ14及び15は、スイッチCHL1及びCHL2と同じ周波数の制御信号によりチョッピングされる。
尚、相関2重サンプリング型の積分器は、例えば特開2018‐109647号公報の図30や、特願2021-173922号の図1等にも示されている。変調器11をこのように構成することで、差動アンプ1のオフセット電圧や、フリッカノイズ等の影響を低減できる。
(第2実施形態)
図17に示すように、第2実施形態の変調器21は、第1実施形態の変調器11において、入力チョッピング用スイッチ14とコンデンサCin1との間に入力信号を増幅するためのアンプ22を接続し、差動アンプ1の出力端子と量子化器12との間に2次積分器23を接続したものである。アンプ22の入力端子と、2次積分器23の図示しないコンデンサには、D/A変換器13と同様に、量子化器12の出力信号をD/A変換するD/A変換器24,25を介してアナログ信号が与えられている。変調器11を第1積分器とすると、2次積分器23は第2積分器に相当する。変調器21をこのように構成することで量子化雑音をより高い周波数領域にシフトさせて、その影響を除去することができる。
(その他の実施形態)
各スイッチは、NチャネルMOSFETに限ることなく、その他の半導体素子で構成しても良い。
第2実施形態で、アンプ22を削除しても良い。
また第2実施形態で、2次積分器23を削除しても良い。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
図面中、1は差動アンプ、2及び3はシステムCHOPスイッチ、4は積分器、CHL1及びCHL2はチョッピング用スイッチを示す。

Claims (5)

  1. 差動アンプ(1)の入力端子と出力端子との間に接続される第1スイッチ(φ1e)と、
    前記差動アンプの入力端子と出力端子との間に接続される、第2スイッチ(φ2e)、容量チョッピング用入力スイッチ(CHL1)、積分容量(Cint)及び容量チョッピング用出力スイッチ(CHL2)の直列回路とを有する積分器(4)と、
    前記積分器の入力側に配置された入力チョッピング用スイッチ(14)と、
    前記積分器の出力側に配置された出力チョッピング用スイッチ(15)と、
    前記入力チョッピング用スイッチ及び出力チョッピング用スイッチを、前記容量チョッピング用入力スイッチ及び前記容量チョッピング用出力スイッチと同じ周波数でチョッピングする制御回路とを備え、
    前記容量チョッピング用入力スイッチ及び前記容量チョッピング用出力スイッチをそれぞれチョッピングする周波数は、前記第1スイッチをスイッチングする周波数よりも低く設定されており、
    前記制御回路は、前記容量チョッピング用入力スイッチと、前記容量チョッピング用出力スイッチとのON/OFFを切り替える移行期間に前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをONすることで、前記第2スイッチと前記容量チョッピング用入力スイッチとの共通接続点を初期電位にする変調器。
  2. 前記制御回路は、正側の容量チョッピング用入力スイッチ(CHL1p)及び正側の容量チョッピング用出力スイッチ(CHL2p)をONにし、負側の容量チョッピング用入力スイッチ(CHL1m)及び負側の容量チョッピング用出力スイッチ(CHL2m)をOFFにしている初期状態から、
    前記移行期間において前記第2スイッチのON状態を継続すると共に、
    (1)前記正側の容量チョッピング用入力スイッチ及び前記正側の容量チョッピング用出力スイッチをOFFに切り替え、
    (2)次に、負側の容量チョッピング用出力スイッチをONに切り替え、
    (3)次に、前記第1スイッチをOFFからONに、更にOFFに切り替え、
    (4)次に、負側の容量チョッピング用入力スイッチをONに切り替える請求項1記載の変調器。
  3. 前記積分器は、相関2重サンプリング型である請求項1又は2記載の変調器。
  4. 前記差動アンプを中心に構成される積分器を第1積分器とすると、
    前記第1積分器の後段に、第2積分器(23)を配置する請求項3記載の変調器。
  5. 前記第1積分器の前段に、入力信号を増幅するための増幅器(22)を備える請求項4記載の変調器。
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