JP2024053298A - 電線の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】芯線部と被覆部との間を適正に接合することができる電線の製造方法を提供する。【解決手段】電線Wの製造方法は、絶縁性を有する被覆部W2で導電性を有する芯線部W1を被覆し被覆部W2の端末から芯線部W1の端末が露出した電線Wにおける芯線部W1に対して加熱する加熱工程を含み、加熱工程では、加熱装置による加熱によって溶融した被覆部W2を、被覆部W2と芯線部W1との間に形成される隙間空間部Sに入り込ませて固化させて溶融固化部W2aを形成する。【選択図】図1
Description
本発明は、電線の製造方法に関する。
端子付電線には、端子に接合された導体の接合部が当該端子から剥がれることを防止するために、被覆支持部が形成された端子がある。被覆支持部は、電線が挿通される貫通孔を有し、電線の被覆部を貫通孔の内壁に接触させることで、付勢力により電線の被覆部を支持するものである(例えば、特許文献1参照)。
ところで、端子に導体をレーザ溶接した場合、電線の被覆部が導体の接合部から当該電線の延在方向の一方に向けて引っ張られると、当該接合部から被部が離間し導体の露出部分が増える可能性があることから、改善の余地がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、芯線部と被覆部との間を適正に接合することができる電線の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る電線の製造方法は、絶縁性を有する被覆部で導電性を有する芯線部を被覆し前記被覆部の端末から前記芯線部の端末が露出した電線における加熱対象部に対して加熱する加熱工程を含み、前記加熱工程では、前記加熱によって溶融した前記被覆部を、前記被覆部と前記芯線部との間に形成される隙間空間部に入り込ませて固化させて溶融固化部を形成することを特徴とする。
本発明に係る電線の製造方法は、芯線部と被覆部との間を適正に接合することができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
実施形態の電線Wは、車両等に配索されるワイヤハーネスに適用されるものである。ここで、ワイヤハーネスは、例えば、車両に搭載される各機器間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線Wを束にして集合部品とし、コネクタ等で複数の電線Wを各機器に接続するようにしたものである。実施形態の電線Wは、図1に示すように、導電性を有する線状の芯線部W1と、当該芯線部W1の外側を覆う絶縁性の被覆部W2と、を含んで構成される。電線Wは、被覆部W2で芯線部W1を被覆した絶縁電線である。
実施形態の電線Wは、車両等に配索されるワイヤハーネスに適用されるものである。ここで、ワイヤハーネスは、例えば、車両に搭載される各機器間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線Wを束にして集合部品とし、コネクタ等で複数の電線Wを各機器に接続するようにしたものである。実施形態の電線Wは、図1に示すように、導電性を有する線状の芯線部W1と、当該芯線部W1の外側を覆う絶縁性の被覆部W2と、を含んで構成される。電線Wは、被覆部W2で芯線部W1を被覆した絶縁電線である。
なお、以下の説明では、互いに交差する第1方向、第2方向、及び、第3方向のうち、第1方向を「延在方向X」といい、第2方向を「幅方向Y」といい、第3方向を「上下方向Z」という。ここでは、延在方向Xと幅方向Yと上下方向Zとは、相互に略直交する。延在方向Xは、電線Wの延在する方向に相当し、一方(X1)が正面側(先端側)、他方(X2)が背面側(後端側)という。幅方向Yと上下方向Zとは、延在方向Xと交差する交差方向に相当し、上下方向Zにおいて一方を上側、他方を下側という。また、以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、各部が相互に組み付けられた状態での方向を表すものとする。
芯線部W1は、導電性の金属である、銅や、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の素線W1aを複数束ねた芯線や、複数の素線W1aを撚り合わせた撚り芯線として構成される。
被覆部W2は、芯線部W1の外周側を被覆する電線被覆である。被覆部W2は、絶縁性の樹脂材料である、PP(Polypropylene)や、PVC(polyvinyl chloride)、架橋PE(polyethylene)等を押出成形することによって形成される。被覆部W2を構成する絶縁性の樹脂材料は、耐摩耗性や、耐薬品性、耐熱性等に配慮して適宜選定される。
電線Wは、その先端において、被覆部W2が剥ぎ取られて芯線部W1の先端部が被覆部W2の先端から露出して形成される。電線Wは、図2に示すように、延在方向Xと交差する方向の断面形状において芯線部W1が略円形状、被覆部W2が略円環形状となっており全体として略円形状に形成され、延在方向Xで略同径に形成される。
電線Wは、被覆部W2の端末から芯線部W1の端末が露出した露出状態において、加熱対象部Uに対して加熱することにより、被覆部W2と芯線部W1との間の隙間空間部Sに形成される溶融固化部W2aを有する。加熱対象部Uは、例えば、複数の素線W1aで構成される芯線部W1である。
隙間空間部Sは、上記露出状態で、図2の左側に示すように電線Wの断面において、芯線部W1における各素線W1aの外周に沿って円環状に形成された空間である。隙間空間部Sは、上記露出状態において、被覆部W2と芯線部W1との間に存在し、かつ芯線部W1を構成する複数の素線W1a間に存在する。
溶融固化部W2aは、上記露出状態において、電線Wにおける加熱対象部Uに対して加熱することにより被覆部W2の一部が溶融して固化したものである。溶融固化部W2aは、本実施形態の加熱対象部U、すなわち、被覆部W2の端末から露出した芯線部W1の端末に対する加熱により被覆部W2に熱伝達が生じて被覆部W2の内周面が溶融し、溶融した溶融物が隙間空間部Sの一部に入り込んで固化したものである。溶融固化部W2aは、図2の右側に示すように電線Wの断面において、隙間空間部Sを全て埋めるように形成されるものではなく、一部を埋めるように形成される。溶融固化部W2aは、隙間空間部Sのうち、少なくとも被覆部W2の内周面に対して延在方向Xと交差する方向に他の素線W1aを介在することなく直接的に対向する複数の素線W1aとの間に形成される。溶融固化部W2aは、図示例では、円環状に位置する複数の素線W1aにおいて、各素線W1aの外周面を覆うように隙間空間部Sに形成される。電線Wは、上記露出状態において、加熱対象部Uに対して加熱することにより、被覆部W2と芯線部W1との間に形成される隙間空間部Sの一部に対して、被覆部W2の一部が溶融して固化した溶融固化部W2aが形成される。
次に、図1~図3を参照して、上記のように構成される電線Wの製造方法(電線の製造方法)について説明する。以下の説明では、図3のフローチャートを基に説明しつつ、適宜他図を参照する。以下で説明する電線Wの製造方法は、作業員が種々の装置、機器、治具等を用いて手作業で行ってもよいし、種々の製造装置によって自動で行われるものであってもよい。
本実施形態の電線Wの製造方法は、例えば、電線製造装置としての製造装置によって自動で行われるものとして説明する。製造装置は、少なくとも皮剥き装置と、加熱装置と、制御装置とを含んで構成される。
皮剥き装置は、電線Wの一方の端末において被覆部W2を剥ぎ取り、当該芯線部W1の一方の端末を被覆部W2の端末から露出させる種々の公知の自動ストリップ装置である。この皮剥き装置は、皮剥き工程(ステップS1)を行うものである。
加熱装置は、例えば、電線Wにおける加熱対象部Uに対するレーザ光Lの照射によって当該加熱対象部Uの温度を上昇させる。この電線Wは、被覆部W2の端末から芯線部W1の端末が露出したものである。この加熱装置は、加熱工程(ステップS2)を行うものである。
制御装置は、種々の演算処理を実行し、製造装置の各部を統括的に制御する部分である。制御装置は、CPU(Central Processing Unit)等の中央演算処理装置、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。制御装置は、皮剥き装置、加熱装置等を制御し、皮剥き工程(ステップS1)、加熱工程(ステップS2)等の各工程を実行させる。
制御装置は、皮剥き工程として、皮剥き装置を制御し、電線Wの一方の端末において被覆部W2を剥ぎ取り、芯線部W1の一方の端末の被覆部W2の端末から露出させる皮剥き処理を実行する(ステップS1)。
次に、制御装置は、皮剥き工程(ステップS1)の後に、図1に示すように、加熱装置によって加熱対象部Uにレーザ光Lを照射し当該加熱対象部Uを加熱する加熱処理を実行する(ステップS2)。加熱工程では、加熱によって溶融した被覆部W2を、図2に示すように、被覆部W2と芯線部W1との間に形成される隙間空間部Sに入り込ませて固化させて溶融固化部W2aを形成する。加熱工程では、例えば、複数の素線W1aを単線化するプリフォーム時の芯線部W1に対する加熱によって溶融固化部W2aを形成する。
図2に示すように、電線Wは、加熱工程での加熱によって溶融した被覆部W2を、被覆部W2と芯線部W1との間に形成される隙間空間部Sに入り込ませて固化させて溶融固化部W2aを形成する。これにより、電線Wは、被覆部W2の延在方向Xにおける芯線部露出側の境界部分が溶融固化部W2aにより芯線部W1に固定され、芯線部W1に対する被覆部W2の延在方向Xの相対移動を規制することができる。
以上で説明した電線Wの製造方法は、被覆部W2の端末から芯線部W1の端末が露出した電線Wにおける芯線部W1に対して加熱する加熱工程を含み、加熱工程では、加熱によって溶融した被覆部W2を、被覆部W2と芯線部W1との間に形成される隙間空間部Sに入り込ませて固化させて溶融固化部W2aを形成する。これにより、この電線Wの製造方法は、被覆部W2の延在方向Xにおける芯線部露出側の境界部分が溶融固化部W2aにより芯線部W1に固定され、芯線部W1に対する被覆部W2の延在方向Xの相対移動を規制することができる。
[変形例]
以上で説明した加熱工程では、加熱装置が加熱対象部Uとして芯線部W1に対する加熱を行っているが、これに限定されるものではない。図4は、実施形態の第1変形例に係る電線の製造方法の加熱工程における加熱対象部の一例を示す模式的な側面図である。図5~図8は、実施形態の第2変形例に係る電線の製造方法の加熱工程における加熱対象部の一例を示す模式的な側面図である。図9は、実施形態の第3変形例に係る端子付電線の製造方法の加熱工程における加熱対象部の一例を示す模式的な側面図である。
以上で説明した加熱工程では、加熱装置が加熱対象部Uとして芯線部W1に対する加熱を行っているが、これに限定されるものではない。図4は、実施形態の第1変形例に係る電線の製造方法の加熱工程における加熱対象部の一例を示す模式的な側面図である。図5~図8は、実施形態の第2変形例に係る電線の製造方法の加熱工程における加熱対象部の一例を示す模式的な側面図である。図9は、実施形態の第3変形例に係る端子付電線の製造方法の加熱工程における加熱対象部の一例を示す模式的な側面図である。
第1変形例に係る電線Wは、図4に示すように、被覆部W2の端末から芯線部W1の端末が露出した露出状態において、加熱対象部Uに対して加熱することにより、被覆部W2と芯線部W1との間の隙間空間部Sに形成される溶融固化部W2aを有する。ここで加熱対象部Uは、例えば、被覆部W2である。
第1変形例に係る電線Wの製造方法は、加熱工程において、例えば、被覆部W2に対する加熱によって溶融固化部W2aを形成する。制御装置は、皮剥き工程(ステップS1)の後に、図4に示すように、加熱装置によって被覆部W2にレーザ光Lを照射し当該被覆部W2を加熱する加熱処理を実行する(ステップS2)。加熱工程では、加熱によって溶融した被覆部W2を、図2に示すように、被覆部W2と芯線部W1との間に形成される隙間空間部Sに入り込ませて固化させて溶融固化部W2aを形成する。
実施形態の第1変形例に係る電線Wの製造方法は、被覆部W2の端末から芯線部W1の端末が露出した電線Wにおける被覆部W2に対して加熱する加熱工程を含み、加熱工程では、加熱によって溶融した被覆部W2を、被覆部W2と芯線部W1との間に形成される隙間空間部Sに入り込ませて固化させて溶融固化部W2aを形成する。これにより、第1変形例に係る電線Wの製造方法は、被覆部W2の延在方向Xにおける芯線部露出側の境界部分が溶融固化部W2aにより芯線部W1に固定され、芯線部W1に対する被覆部W2の延在方向Xの相対移動を規制することができる。
第2変形例に係る電線Wは、図5~図8に示すように、被覆部W2の端末から芯線部W1の端末が露出した露出状態において、加熱対象部Uに対して加熱することにより、被覆部W2と芯線部W1との間の隙間空間部Sに形成される溶融固化部W2aを有する。ここで加熱対象部Uは、例えば、被覆部W2の芯線部露出側の境界端面P1である。
第2変形例に係る電線Wの製造方法は、加熱工程において、例えば、被覆部W2の芯線部露出側の境界端面P1に対する加熱によって溶融固化部W2aを形成する。境界端面P1は、上記露出状態の電線Wを延在方向Xの一方から見た場合に、被覆部W2の断面である。制御装置は、皮剥き工程(ステップS1)の後に、図4に示すように、加熱装置によって境界端面P1にレーザ光Lを照射し当該被覆部W2を加熱する加熱処理を実行する(ステップS2)。この場合、レーザ光Lは、境界端面P1に対して、芯線部W1と被覆部W2との境界線Pから芯線部露出側に角度θ°傾けて照射される。角度θ°は、例えば、0°<θ°<90°となる。このレーザ光Lは、芯線部W1、被覆部W2に対して照射されるレーザ光に対して相対的に照射径が小さくなっている。加熱装置は、例えば、図7に示すように、芯線部W1と被覆部W2の境目にある境界端面P1をレーザ光Lにより走査して加熱を行う。
加熱工程では、加熱によって溶融した被覆部W2を、図2に示すように、被覆部W2と芯線部W1との間に形成される隙間空間部Sに入り込ませて固化させて溶融固化部W2aを形成する。これにより、電線Wは、被覆部W2の延在方向Xにおける芯線部露出側の境界部分が溶融固化部W2aにより芯線部W1に固定され、芯線部W1に対する被覆部W2の延在方向Xの相対移動を規制することができる。
実施形態の第2変形例に係る電線Wの製造方法は、被覆部W2の端末から芯線部W1の端末が露出した電線Wにおける被覆部W2の芯線部露出側の境界端面P1に対して加熱する加熱工程を含み、加熱工程では、加熱によって溶融した被覆部W2を、被覆部W2と芯線部W1との間に形成される隙間空間部Sに入り込ませて固化させて溶融固化部W2aを形成する。これにより、この電線Wの製造方法は、被覆部W2の延在方向Xにおける芯線部露出側の境界部分が溶融固化部W2aにより芯線部W1に固定され、芯線部W1に対する被覆部W2の延在方向Xの相対移動を規制することができる。
なお、上記第2変形例に係る電線Wの製造方法では、レーザ光Lの照射径を相対的に小さくして、かつ境界端面P1におけるレーザ光Lの照射面LAを相対的に小さくしているが、これに限定されるものではない。例えば、図8に示すように、第2変形例に係る加熱装置は、レーザ光Lの照射径を相対的に大きくして、かつ境界端面P1におけるレーザ光Lの照射面LBを照射面LAに対して相対的に大きくしてもよい。
第3変形例に係る電線Wは、図9に示すように、被覆部W2の端末から芯線部W1の端末が露出した露出状態において、加熱対象部Uに対して加熱することにより、被覆部W2と芯線部W1との間の隙間空間部Sに形成される溶融固化部W2aを有する。ここで加熱対象部Uは、例えば、端子2である。したがって、第3変形例に係る電線Wは、端子付電線1である。
端子2は、導電性の金属である、銅や、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等で一体に形成され、その表面にすずメッキ等が施された端子金具である。端子2は、導電性の金属が各構成部に対応した形状に打ち抜かれた一枚の板金を、プレス加工、及び、折り曲げ加工によって成形して立体的に一体で形成される。端子2は、電線Wの延在方向Xに沿って形成され、芯線部W1に当接する基部3を有する。なお、端子2は、基部3に加えて、導電性部材と電気的に接続される接続部を有するが、本実施形態ではその説明を省略する。この導電性部材は、相手側端子(不図示)であってもよい。この場合、接続部は、相手側端子に対して電気的に接続される雄型、または、雌型の端子接続部として構成される。基部3は、電線Wの延在方向Xに沿って形成され、芯線部W1と被覆部W2とに当接する部分である。
第3変形例に係る電線W(端子付電線1)は、加熱工程において、端子2の基部3に対する加熱によって溶融固化部W2aを形成する。制御装置は、皮剥き工程(ステップS1)の後に、図9に示すように、加熱装置によって端子2の基部3に上下方向Zの下方側からレーザ光Lを照射し当該基部3を加熱する加熱処理を実行する(ステップS2)。加熱工程では、基部3に対する加熱により被覆部W2及び芯線部W1に熱伝達が生じて被覆部W2の内周面が溶融し、溶融した溶融物が隙間空間部Sに入り込んで固化されて溶融固化部W2aを形成する。
実施形態の第3変形例に係る電線W(端子付電線1)の製造方法は、加熱工程では、芯線部W1に対して接合される基部3を含む端子2を電線Wに接合する際に、芯線部W1の端末を当接させた基部3に対して加熱する。そして、第3変形例に係る電線Wの製造方法は、加熱によって溶融した被覆部W2を、被覆部W2と芯線部W1との間に形成される隙間空間部Sに入り込ませて固化させて溶融固化部W2aを形成する。これにより、第3変形例に係る電線Wの製造方法は、被覆部W2の延在方向Xにおける芯線部露出側の境界部分が溶融固化部W2aにより芯線部W1に固定され、芯線部W1に対する被覆部W2の延在方向Xの相対移動を規制することができる。
なお、上記第3変形例に係る電線Wの製造方法では、芯線部W1に対して接合される基部3を含む端子2を電線Wに接合する際に、芯線部W1の端末を当接させた基部3に対する加熱を利用することで、溶融固化部W2aを形成するが、これに限定されるものではない。例えば、加熱工程において、加熱装置が端子2の基部3に対して加熱した後に、上述した実施形態に係る電線Wの製造方法と同様に、芯線部W1に対して加熱するものであってもよい。または、加熱工程において、加熱装置が端子2の基部3に対して加熱した後に、上述した第1変形例に係る電線Wの製造方法と同様に、被覆部W2に対して加熱するものであってもよい。または、加熱工程において、加熱装置が端子2の基部3に対して加熱した後に、上述した第2変形例に係る電線Wの製造方法と同様に、境界端面P1に対して加熱するものであってもよい。このように、電線Wの製造方法は、電線Wに対する加熱を2回行うことで、隙間空間部Sに対する溶融固化部W2aの形成をより確実に行うことができ、芯線部W1に対する被覆部W2の延在方向Xの相対移動を確実に規制することができる。
上述した実施形態及び第1~第3変形例に係る電線Wは、レーザ光Lの照射により加熱される。この電線Wによれば、例えば、従来のはんだ付け溶接と比べて、レーザ光により、溶かしたくない部位を極力溶かさずに溶接することができる。
上述した実施形態及び第1~第3変形例に係る電線Wは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。また、本実施形態に係る電線Wは、上述した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
1 端子付電線
2 端子
3 基部
W 電線
W1 芯線部
W2 被覆部
2 端子
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W 電線
W1 芯線部
W2 被覆部
Claims (5)
- 絶縁性を有する被覆部で導電性を有する芯線部を被覆し前記被覆部の端末から前記芯線部の端末が露出した電線における加熱対象部に対して加熱する加熱工程を含み、
前記加熱工程では、前記加熱によって溶融した前記被覆部を、前記被覆部と前記芯線部との間に形成される隙間空間部に入り込ませて固化させて溶融固化部を形成することを特徴とする
電線の製造方法。 - 前記加熱対象部は、複数の素線で構成される前記芯線部であり、
前記加熱工程では、複数の前記素線を単線化するプリフォーム時の前記芯線部に対する加熱によって前記溶融固化部を形成する
請求項1に記載の電線の製造方法。 - 前記加熱対象部は、前記被覆部であり、
前記加熱工程では、前記被覆部に対する加熱によって前記溶融固化部を形成する
請求項1に記載の電線の製造方法。 - 前記加熱対象部は、前記被覆部の芯線部露出側の境界端面であり、
前記加熱工程では、前記境界端面に対する加熱によって前記溶融固化部を形成する
請求項1に記載の電線の製造方法。 - 前記加熱工程では、さらに、前記芯線部に対して接合される基部を含む端子を前記電線に接合する際に、前記芯線部の端末を当接させた前記基部に対して加熱する
請求項2~4のいずれか1項に記載の電線の製造方法。
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