JP2024053132A - パネル保持構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数の板状構造を接着部で貼り合わせる場合に、外側の接着部に局所的に大きな負荷がかかることを抑制できるパネル保持構造を提供する。【解決手段】 第1の板状構造と、第1の板状構造と対向するように配置され、第1の板状構造の熱膨張率とは異なる熱膨張率を有する第2の板状構造と、第1の板状構造と第2の板状構造との間で、第1の板状構造と第2の板状構造とのそれぞれに接着する複数の接着部と、を備え、複数の接着部のうちの平面視において外側の接着部の厚みが複数の接着部のうちの平面視において内側の接着部の厚みより大きい。【選択図】 図2
Description
本開示は、パネル保持構造に関する。
下記の特許文献1に開示されているように、近年、たとえば、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ装置の開発が行われている。特許文献1には、板状構造をなすOLEDパネルが板状構造をなすバックカバーに固定される際に、接着部の一例の両面テープを用いて固定することが記載されている。
上記の特許文献1に開示されたOLEDディスプレイ装置のように、OLEDパネルとバックカバーとの間の熱膨張率の差がある場合がある。この場合、OLEDパネルを高温下で放置されると、OLEDパネルとバックカバーとの間で、面方向に沿って互いに位置ずれすることにより、複数の接着部に応力が生じる。また、偏向板の収縮によっても、複数の接着部に応力が生じる。このとき、内側に位置する接着部にかかる負荷よりも、外側に位置する接着部にかかる負荷が大きい。そのため、外側に位置する接着部がOLEDパネルまたはバックカバーから剥がれるおそれがある。
本開示は、上述の問題に鑑みなされたものであり、複数の板状構造を接着部で貼り合わせる場合に、外側の接着部に局所的に大きな負荷がかかることを抑制できるパネル保持構造を提供することにある。
本開示の一形態のパネル保持構造は、第1の板状構造と、前記第1の板状構造と対向するように配置され、前記第1の板状構造の熱膨張率とは異なる熱膨張率を有する第2の板状構造と、前記第1の板状構造と前記第2の板状構造との間で、前記第1の板状構造と前記第2の板状構造とのそれぞれに接着する複数の接着部と、を備え、前記複数の接着部のうちの平面視において外側の接着部の厚みが前記複数の接着部のうちの前記平面視において内側の接着部の厚みより大きい。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1および図2を用いて、本実施形態のパネル保持構造について説明する。
図1および図2を用いて、本実施形態のパネル保持構造について説明する。
パネル保持構造10は、第1の板状構造1と、第2の板状構造2と、複数の接着部3とを備える。
第1の板状構造1は、平面視において矩形状をなしている。本実施の形態においては、第1の板状構造1は、たとえば、OLED表示装置のガラスパネルである。ガラスパネルの熱膨張率は、たとえば、9[10-6/K(m)]である。
なお、ガラスパネルは、ガラス板と偏向板とが貼り合わされたものである。そのため、ガラス板と偏向板との熱膨張率の相違に起因して、温度変化が生じた場合に、ガラス板側へ突出した形状に変化する場合がある。
第2の板状構造2は、矩形状をなしている。本実施の形態においては、第2の板状構造2は、OLED表示装置のバックカバーである。バックカバーは、金属製または樹脂製であるが、複数種類の部材が接合されたものであってもよい。バックカバーの熱膨張率は、たとえば、23.8[10-6/K(m)]である。
第1の板状構造1と第2の板状構造2とは、互いに対向するように配置されている。上記から分かるように、第1の板状構造1と第2の板状構造2とは、互いに異なる熱膨張率を有する。第1の板状構造1および第1の板状構造2のいずれも、1種類の部材であってもよいが、複数の部材が組合せられることにより形成された構造であってもよい。
複数の接着部3は、第1の板状構造1と第2の板状構造2との間に配されている。複数の接着部3は、本実施の形態においては、両面テープである。ただし、複数の接着材は、流動体が固化することにより接着機能を発揮する接着剤であってもよい。複数の接着部3のそれぞれは、第1の板状構造1と第2の板状構造2とのそれぞれに接着する。図1に示すように、複数の接着部3は、複数の枠形状の接着部である。複数の接着部3は、複数の枠形状の接着部平面視において、複数の枠形状の接着部3のうちの外側の枠形状の接着部(3aまたは3b)は、複数の枠形状の接着部3のうちの内側の枠形状の接着部(3bまたは3c)を囲むように配置されている。
具体的には、本実施形態では、複数の接着部3は、第1の接着部3aと、第2の接着部3bと、第3の接着部3cとを含む。枠形状の第3の接着部3cが最も内側に配されている。第3の接着部3cの外側には枠形状の第2の接着部3bが、第3の接着部3cを囲むように配されている。第2の接着部3bの外側には、枠形状の第1の接着部3aが、第2の接着部3bを囲むように配されている。また、本実施の形態においては、第1の接着部3a、第2の接着部3b、および第3の接着部3cのそれぞれは、矩形である。第1の接着部3a、第2の接着部3b、および第3の接着部3cは、互いに相似形をなしているため、第1の接着部3a、第2の接着部3b、および第3の接着部3cのそれぞれは、同一の中心点Cを有するように配されている。同一の仮想直線状において、中心点Cから第1の接着部3aまでの距離をaとし、中心点Cから第2の接着部3bまでの距離をbとし、中心点Cから第3の接着部3cまでの距離をcとすると、a>b>cが成立する。
図2に示されるように、本実施形態におけるパネル保持構造10では、複数の接着部3のうち、平面視において外側の接着部の厚みが複数の接着部3のうちの前記平面視において内側の接着部の厚みより大きい。具体的には、第1の接着部3aの厚みは、第2の接着部3bの厚みより大きい。第2の接着部3bの厚みは、第3の接着部3cの厚みより大きい。
上記構成により、複数の接着部3は、内側ほどその厚みが小さい。よって、第2の板状構造2は、平面視における中央部分において、第1の板状構造1と第2の板状構造2との距離が小さい。本実施の形態においては、断面視において、第2の板状構造2は、第1の板状構造1に向かって突出するように湾曲している。
以上説明したように、本実施形態におけるパネル保持構造10では、互いに異なる熱膨張率を有する第1の板状構造1と第2の板状構造2とが複数の接着部3によって接着されている。
図3A~図3Cおよび図4A~図4Cを用いて、本実施の形態のパネル保持構造1をより詳細に説明する。
図3Aにおいては、パネル保持構造10の周囲環境の温度の変化が無い状態の第3の接着部3cの状態を表している。また図4Aにおいても、パネル保持構造10周囲環境の温度の変化が無い状態の第2の接着部3bの状態を表している。ここで、第3の接着部3cの方が、第2の接着部3bよりも、平面視において内側に位置するため、第3の接着部3cの厚みは、第2の接着部3bの厚みより小さい。
パネル保持構造10の周囲環境の温度が変化した場合、第1の板状構造1と第2の板状構造2とでは、互いの熱膨張の相違に起因して互いの変形量が異なる。
そのため、第1の板状構造1と第2の板状構造2とが、面内方向に沿って互いにずれるように変形した場合、図3Bおよび図4Bに示されるように、第2の接着部3bの面内方向における変形量D3が、第3の接着部3cの面内方向における変形量D1よりも大きい。また、第1の板状構造1と第2の板状構造2とが、互いに離れる方向に沿って変形した場合、図3Cおよび図4Cに示されるように、第2の接着部3bの厚み方向における変形量D4が、第3の接着部3cの厚み方向における変形量D2よりも大きい。
以上説明したように、本実施の形態においては、パネル保持構造10の周囲環境の温度が変化した場合に、第1の板状構造1および第2の板状構造2のうちの一方の面内方向における熱膨張が、第1の板状構造1および第2の板状構造2の他方の面内方向における熱膨張よりも大きい。この場合、外側の接着部の面内方向における変形量が内側の接着部の面内方向における変形量よりも大きい。
しかしながら、複数の接着部3に関しては、外側の接着部の厚みが内側の接着部の厚みよりも大きい。そのため、内側の接着部の厚みと外側の接着部の厚みとが同一である場合に比較して、外側の接着部の面内方向における許容変形量が内側の接着部の面内方向における許容変形量よりも大きい。したがって、外側の接着部に生じる負荷が内側の接着部に生じる負荷よりも大きくなることを抑制することができる。
また、本実施形態では、平面視において、複数の枠形状の接着部3のうちの外側の枠形状の接着部は、複数の枠形状の接着部3のうちの内側の枠形状の接着部を囲むように配置されている。このため、より効果的に複数の接着部3を配置することができる。
本実施形態では、複数の接着部3は矩形状である例について説明した。しかし、本開示はこの構成に限定されない。例えば、楕円形状であってもよい。
また、本実施形態では、複数の接着部3は、複数の枠形状の接着部3である例について説明した。しかし本開示はこの構成に限定されない。例えば、線状の接着部が複数配されていてもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、下記において第1の実施形態と同様である点については説明を省略する。
次に、第2の実施形態について説明する。なお、下記において第1の実施形態と同様である点については説明を省略する。
図5に示されるように、第2の実施形態では、平面視において、第1の接着部3aは、第1の板状構造1および第2の板状構造2のそれぞれの矩形の角部に最も近い位置に設けられている。第2の接着部3bは、矩形を構成する一辺に沿ってその一辺に最も近い位置に設けられている。第3の接着部3cは、矩形の内側部分に線状に設けられている。具体的には、第2の接着部3bのうち、矩形の長辺に位置する第2の接着部3bと平行に、一定の間隔をおいて複数設けられている。
図6~図8に示されるように、角部に最も近い位置に設けられている第1の接着部3aの厚みtaは、第2の接着部3bの厚みtbよりも大きい。また、第2の接着部3bの厚みtbは、第3の接着部3cの厚みtcよりも大きい。
上記したパネル保持構造10において、第1の板状構造1および第2の板状構造2に変形が生じた際、パネル保持構造10の面内方向において、角部の変形量が最も大きい。そのため、パネル保持構造10の面内方向において、角部に配された第1の接着部3a(角用接着部)に最も負荷がかかる。しかし、本実施形態の構成によれば、第1の接着部3a(角用接着部)の厚みtaが、他の接着部の厚み(tbまたはtc)よりも大きい。したがって、面内方向において最も変形量が大きい接着部にかかる負荷を最も効果的に抑制することができる。
図7および図8から分かるように、第2の接着部3bが位置する部分において、第1の板状構造1は、第1の板状部材1aと第2の板状部材1bとを含む。第2の板状部材1bは、第1の板状部材1aを覆うように設けられている。尚、第1の板状部材1aは、たとえば、樹脂により形成されている。第2の板状部材1bは、たとえば、金属により形成されている。ただし、第1の板状部材1aと第2の板状部材1bとが1つの部材により形成されていてもよい。
また、図7に示されるように、第2の接着部3bが位置する部分の第1の板状構造1の厚みWbは、第3の接着部3cが位置する部分の第1の板状構造1の厚みWcより小さい。
同様に、図8に示されるように、第1の接着部3aが位置する部分においても、第1の板状構造1は、第1の板状部材1aと第2の板状部材1bとを含む。第1の接着部3aが位置する部分の第1の板状構造1の厚みWaは、第2の接着部3bが位置する部分の第1の板状構造1の厚みWbより小さい。
上記説明したように、本実施形態では、第1の板状構造1が、第1の板状構造1の各部分の厚みを適宜調節することができる。
尚、本実施形態では、第1の接着部3aの位置における第1の板状構造1と第2の板状構造2との間の距離(厚みtaに対応)が、第2の接着部3bの位置における第1の板状構造1と第2の板状構造2との間の距離(厚みtbに対応)よりも大きい。第2の接着部3bの位置における第1の板状構造1と第2の板状構造2との間の距離(厚みtbに対応)が、第3の接着部3cの位置における第1の板状構造1と第2の板状構造2との間の距離(厚みtc)よりも大きい。言い換えると、内側の接着部の位置における第1の板状構造1と第2の板状構造2との間の距離(厚みtcまたはtbに対応)が、外側の接着部の位置における第1の板状構造と第2の板状構造との間の距離(厚みtbまたはtaに対応)よりも小さい。
上記構成とすることにより、外側の接着部の厚みが内側の接着部の厚みよりも大きくても、第1の板状構造1の外側の主表面1Sと第2の板状構造2の外側の主表面2Sとを極力平行な状態に近づけることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。なお、下記において第1および第2の実施形態と同様である点については説明を省略する。
次に、第3の実施形態について説明する。なお、下記において第1および第2の実施形態と同様である点については説明を省略する。
第2の実施形態では、第1の板状構造1が複数の板状部材を含み、板状部材の厚みを変化させることによって、第1の板状構造1の外側の主表面1Sと第2の板状構造2の外側の主表面2Sとを極力平行な状態に近づける構成について説明したが、本開示はこの構成について限定されない。
図9に示されるように、第1の板状構造1と第3の接着部3cとの間には、直方体形状に近い形状を有する嵩上げ部1eが設けられている。嵩上げ部1eは、第1の板状構造1を絞る上げることにより形成されている。嵩上げ部1eは、平面視において第3接着部3cとほぼ同じ大きさである。このように、第1の板状構造1の形状を部分的に変化させることにより、第3接着部3cの厚さを調整することができる。
第1の板状構造1と第2の接着部3bとの間には、直方体形状のスペーサ1fが設けられている。スペーサ1fは、平面視において第2の接着部3bと同じ大きさである。
本実施形態のように、各接着部の下に適宜スペーサを配することにより、第1の板状構造1の主表面1Sと第2の板状構造2の外側の主表面2Sとを極力平行な状態に近づけることができる。
尚、本実施形態では、スペーサの平面視における大きさと接着部の平面視における大きさが同じであったが、本開示はこの構成に限定されない。スペーサの平面視における大きは、接着部の平面視における大きさより大きくてもよい。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。なお、下記において第1および第2の実施形態と同様である点については説明を省略する。
次に、第4の実施形態について説明する。なお、下記において第1および第2の実施形態と同様である点については説明を省略する。
図10に示されるように、本実施形態のパネル保持構造10の第1の板状構造1には、しぼり4が形成されている。第1の板状構造1の残留歪の悪影響を最も大きく受ける最も厚みが小さい第3接着部3cは、しぼり4から所定の距離をおいて配されている。具体的には、第3接着部3cは、破線で囲まれた領域の外側に配置されている。
図11の写真から分かるように、一般的に、第1板状構造1または第2板状構造2に、かしめ、しぼり、孔などを形成する場合、それらの被加工領域から所定の距離をおいた部位には、歪みが残留している。
しかし、本実施形態では、第1の板状構造1に形成されたしぼりから、所定の距離をおいて第3の接着部3cが、第1の板状構造1および第2の板状構造2のそれぞれに接着している。このため、最も厚みが小さい第3の接着部3cに、残留歪の悪影響が及ぼされることを抑制することができる。
1 第1の板状構造
2 第2の板状構造
3 複数の接着部
10 パネル保持構造
2 第2の板状構造
3 複数の接着部
10 パネル保持構造
Claims (5)
- 第1の板状構造と、
前記第1の板状構造と対向するように配置され、前記第1の板状構造の熱膨張率とは異なる熱膨張率を有する第2の板状構造と、
前記第1の板状構造と前記第2の板状構造との間で、前記第1の板状構造と前記第2の板状構造とのそれぞれに接着する複数の接着部と、を備え、
前記複数の接着部のうちの平面視において外側の接着部の厚みが前記複数の接着部のうちの前記平面視において内側の接着部の厚みより大きい、パネル保持構造。 - 前記内側の接着部の位置における前記第1の板状構造と前記第2の板状構造との間の距離が、前記外側の接着部の位置における前記第1の板状構造と前記第2の板状構造との間の距離よりも小さい、請求項1に記載のパネル保持構造。
- 前記複数の接着部は、複数の枠形状の接着部であり、
前記平面視において、前記複数の枠形状の接着部のうちの外側の枠形状の接着部は、前記複数の枠形状の接着部のうちの内側の枠形状の接着部を囲むように配置されている、請求項1に記載のパネル保持構造。 - 前記平面視において、前記第1の板状構造および前記第2の板状構造のそれぞれは矩形をなし、
前記複数の接着部のうちの前記矩形の角部に最も近い位置に設けられた角用接着部の厚みが、前記複数の接着部のうちの前記角用接着部以外の接着部の厚みよりも大きい、請求項1に記載のパネル保持構造。 - 前記複数の接着部のうちの最も内側の接着部は、前記第1の板状構造および前記第2の板状構造の少なくともいずれか一方の被加工領域から所定の距離だけおいて前記第1の板状構造および前記第2の板状構造のそれぞれに接着している、請求項1に記載のパネル保持構造。
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